第1の態様によれば、本発明は、荷電粉末粒子を強磁性担体粒子と前記粉末粒子との混合物からパージするための粉末パージ装置であって、前記担体粒子を支持するための第1の側を含む支持表面と、前記第1の側とは反対の、前記支持表面の第2の側に配置された、前記第1の側に磁場を生成して前記担体粒子の磁気ブラシを形成するために前記担体粒子を前記第1の側に引き寄せるための複数の磁石であって、前記磁場と前記支持表面とは互いに対して移動可能である、複数の磁石と、前記支持表面に対する前記磁場の移動を駆動するように適合された駆動要素と、前記第1の側に対向し、前記第1の側から離間された吸引表面と、前記粉末粒子を前記吸引表面に向かって引き寄せるために、前記吸引表面と前記支持表面との間に電場を生成するように適合された場発生装置とを備える、粉末パージ装置を提供する。好ましくは、吸引表面は、担体粒子の磁気ブラシから離間され、それにより、担体粒子は、吸引表面と接触することなくパージされ得る。磁気ブラシの最大高さは、たとえば、ドクター・ブレード又は本発明の実施例で説明されるような混合物供給デバイスを用いて設定され得る。
担体粒子の磁気ブラシは通常、第1の表面に対して垂直な方向に積み重ねられた多数の担体粒子として作り上げられ、通常、担体粒子の円錐又はブラシ毛の形態の積層体を形成する。ブラシの外面の担体粒子に付着する荷電粉末粒子は、吸引表面に引き寄せられ、担体粒子からパージされる。磁場を第1の側に対して移動させることにより、複数の磁石による磁場が、事実上第1の側に沿って進行し、その結果、ブラシ内の担体粒子の再配置をもたらす。以前はブラシの外面になかった担体粒子は、したがって、これに付着する粉末粒子がこれらの担体粒子から離れて吸引表面に向かって引き寄せられ得るように、前記外面の位置に再配置され得る。
ある実施例では、前記複数の磁石と前記支持表面とは、互いに対して移動可能であり、駆動要素が、前記複数の磁石に対する前記支持表面の移動を駆動するように適合される。好ましくは、駆動要素は、複数の磁石と支持体との互いに対する機械的運動を駆動するように適合される。あるいは、複数の磁石が電磁石を含むときは、駆動要素は、支持表面に対して電磁石の磁場強度及び/又は極性を制御するための制御装置でよい。
第1の側が複数の磁石に対して移動させられたときの第1の側における磁場強度の変化を促進するために、前記複数の磁石の隣接する磁石は、好ましくは、少なくとも第1の表面において、反対の磁極性及び/又は異なる磁場強度を有する。最も好ましくは、複数の磁石に沿って隣接する磁石は前記第1の表面に、反対の極性、すなわちN極−S極の磁場を有する。複数の磁石のそれぞれは、好ましくは、担体粒子を第1の側に引き寄せるために、ほぼ連続的な磁場をもたらすように配置される。第1の側の少なくとも半分は、したがって、担体粒子及びこれに付着する粉末粒子で覆われ得る。
直流又は交流の電場でよい、吸引電場は、好ましくは、ほぼ一定の場の強度を有し、ブラシの外面において粉末粒子を担体粒子から離して引き寄せるために、実質的に連続的に生成され得る。電荷蓄積のための時間は必要とされないため、たとえばコロナ放電デバイスを用いて粉末粒子を担体粒子からパージするのに必要とされる時間と比較したとき、大量の粉末粒子が、比較的短時間でこれらの担体粒子からパージされ得る。
さらに、生成された電場が第1の側のほぼ全体から吸引表面に延びるように、第1の側に対向する吸引表面の側の総面積は、好ましくは、第1の側の面積より大きく又はこれと等しい。粉末粒子は、こうして、ブラシの外面のほぼ全体で担体粒子から外方に引き寄せられ得る。
ある実施例では、支持表面の第1の側は、中空体の円筒状の外面を含み、前記複数の磁石は、前記第1の側とは反対の、支持表面の第2の側において多くの平行な別個のセクションに区分化され、各セクション内の磁石は、前記支持表面の近位に同じ磁極を有して配置される。好ましくは、中空体は、円筒状の中空体又はスリーブである。磁石の各々は、好ましくは、第1の磁極、たとえばN極をほぼ完全に支持表面に対向するように、第2の極、たとえばS極を円筒状の外面の長軸にほぼ対向し前記長軸に対して垂直になるように配向される。
ある実施例では、磁石は、支持表面の始点と終点の間の第1の側のほぼ全体で担体粒子に磁力を与えるために配置される。したがって、始点と終点との間のいずれの場所の支持表面上の担体粒子も磁気ブラシに引き寄せられ、支持表面によって支持されたままとなる。これを達成するために、磁石のセクションは、たとえば、中空体の長軸周りの径方向に、隣接するセクション上に又はその間に配置された担体粒子を第1の側に引き寄せるように、隣接するセクションが互いに十分近くに配置されてよい。
ある実施例では、第2の側を向く同じセクション内の隣接する磁石の磁極間の距離は、隣接するセクション内に配置され第2の側に対向する隣接する磁石の磁極間の距離より小さい。好ましくは、一セクション内の隣接する磁石は、ほぼ当接する。
ある実施例では、隣接するセクションの磁極は、それぞれ反対方向に向けられる。セクションが第1の側に対して移動させられるとき、これは、第1の表面上の位置で磁極の反転を引き起こし、したがって磁気ブラシ内の担体粒子の移動を引き起こす。
ある実施例では、磁石のセクションは、長軸に対してほぼ平行に延びる。セクションの各々は、こうして、支持表面の第1の側の近位にN極又はS極のいずれかを有する磁石の直線を形成する。
支持表面がスリーブを備える、又は支持表面の第1の側が中空体の円筒状の外面である実施例では、第1の側には、始点及び終点を有する通路に沿って担体粒子の移動を誘導するためのらせんが設けられ、この場合、前記始点及び前記終点は、前記長軸に沿って離間される。
ある実施例では、らせんは、強磁性材料を含む第1の層と、好ましくは第2の層の上に配置され、実質的に非導電性の材料を含む又はから構成された第2の層とを備える、らせん状ストリップである。第2の層は、通常、接着剤を用いて第1の層に固定され、いずれの層も通常、類似の幅を有するが高さは異なる。ストリップは、好都合には、複数の磁石がストリップを所定の位置に保持するように、その第1の層を第1の側に向けて置くことによって第1の側に取り付けることができる。好ましくは第1の層より大きい高さを有する第2の層は、支持表面と吸引表面の間の電場に実質的に影響を与えない。ストリップは、たとえば支持表面の第1の側をクリーニングしなければならないときに容易に取り外すことができ、その後再使用することができる。
らせん状ストリップは、好ましくは、支持表面上の磁気ブラシの最大高さと等しい、又はより大きい、高さを有する。
ある実施例では、少なくともパージ中、支持表面は、吸引表面に対してほぼ静止して配置され、又は回転に対して固定され、一方で複数の磁石は、前記支持表面及び吸引表面に対して回転するように配置される。通常、支持表面及び吸引表面は、少なくともパージ中、回転固定式にハウジングに固定され、装置の構造を容易にしている。この実施例では、支持表面の第1の側の上の担体粒子の移動は、支持表面の移動によってではなく、複数の磁石の移動によって駆動される。
ある実施例では、支持表面は、長手軸を有するスリーブを備え、ここで、前記第1の側はほぼ円筒状であり、前記複数の磁石の周りに配置され、前記複数の磁石は、前記長手軸から径方向に延びる。スリーブは、このようにして支持表面を形成し、スリーブの外側は、支持表面の第1の側を含む。スリーブがその長手軸周りに前記複数の磁石に対して回転するとき、担体粒子はスリーブ及び複数の磁石の両方に対して移動し、担体粒子の磁気ブラシ内で担体粒子の場所及び配向が変化する。
ある実施例では、複数の磁石は、始点及び終点を有する通路にほぼ沿って配置され、ここで前記始点及び前記終点は、前記長手軸に沿って離間され、好ましくは、前記通路は、長手軸を複数回囲み、及び/又は前記長手軸に沿って単一方向に向けられる。第1の側に供給された担体粒子は、したがって、前記始点から前記通路に沿って終点に向かってほぼ連続的に移動させられ得る。好ましくは、前記混合物が前記始点において第1の側の上に落下したとき、重力及び複数の磁石によって及ぼされた磁力の両方によって支持表面に引き寄せられるように、始点は複数の磁石の上側に位置している。同様に、終点において担体粒子に作用する重力が、複数の磁石によって及ぼされた磁場から担体粒子を逃がすのを助けるように、終点は、好ましくは複数の磁石の底側に位置している。
ある実施例では、通路は、長手軸周りに、ほぼらせん状になる。支持表面が、たとえば支持表面をその長手軸周りで回転させることによって、又はその代わりに複数の磁石を長手軸周りで回転させることによって、複数の磁石に対して移動させられ、担体粒子が、前記らせん状通路に沿って前記第1の表面に対して移動する。前記第1の側上での、前記始点から前記終点に向かう移動中、担体粒子は、こうして前記らせん状通路に沿って変位され、複数の磁石を複数回囲む。ブラシ内の担体粒子の配置及び配向は、前記移動中に再配置され、荷電粉末粒子は、前記らせん状通路の長さにわたって吸引電場にかけられる。パージ装置は、こうして、優れたパージ能力をもたらしながらコンパクトな構造のものになることができる。
ある実施例では、前記複数の磁石のうちの前記終点における磁石は、前記複数の磁石のうちの前記始点における磁石より小さい磁場強度を有する。通路の端部に近付く担体粒子は、したがって、より小さい磁力によって第1の側に引き寄せられており、したがってより容易に第1の側から除去され得る。好ましくは、通路の終了部における磁場強度は、複数の磁石に対する第1の側の回転中、担体粒子を第1の側に引き寄せるのに必要とされる磁場強度より小さいか、又はこれと等しい。後者の場合、担体粒子は、パージ中、これらが終点に到達したときに第1の側から単に落下するであろう。
ある実施例では、通路は、前記始点を含む第1のセクションと、前記終点を含む第2のセクションとを含み、ここで前記第2のセクションに沿って配置された前記複数の磁石の磁場強度は、終点に向かって低減する。前記第2のセクションの磁石によって及ぼされた磁場強度は終点に向かって徐々に低減するので、前記終点では磁場強度の急激な変化は存在しない。したがって、前記終点における大量の担体粒子の蓄積は、少なくとも実質的に防止される。
ある実施例では、粉末パージ装置は、さらに、前記終点若しくは前記通路の終了部分に又はその下流側に配置された担体粒子容器を備える。粉末粒子からパージされた担体粒子は、したがって、担体粒子容器内に容易に収集され得る。好ましくは、容器は、前記終点の下方に取り外し可能に配置され、たとえば担体粒子で満たされたときに別の容器に容易に取り換えることができるようになっている。さらに、担体粒子入口を除き、担体粒子容器は、好ましくは、実質的に気密式であり、粉末粒子を担体粒子容器内に運び得る空気の流れを防止する又は少なくともかなり低減する。
好ましい実施例では、粉末パージ装置には、終点及び担体粒子容器の近くに、担体粒子を終点から離して担体粒子容器内へ又はその入口に払い落すために、回転ブラシが設けられる。終点は、好ましくは支持表面の第1の側の固定された位置に位置している。通常、ブラシは、担体粒子が進行する方向とは逆に回転するよう駆動される。ブラシは、好ましくは、終点において第1の側と接触するように、及び/又は、終点に配置され複数の磁石から終点にある担体粒子までの距離をより大きくするように適合された傾斜部分と接触するように配置される。
ある実施例では、粉末パージ装置は、さらに、前記混合物を前記第1の側に供給するための混合物供給デバイスを備える。混合物供給デバイスは、好ましくは、第1の表面の上方に配置され、前記混合物は、重力と共に混合物供給デバイスから前記第1の側に落下することができるようになっている。好ましくは、混合物供給デバイスはまた、前記混合物の粉末粒子を帯電するように適合される。
ある実施例では、前記混合物供給デバイスは、前記混合物を前記始点の近くのほぼ一点で前記第1の側に供給するように配置される。混合物が、通路の前記始点の近くの前記一点にのみ供給されることで、始点に供給された担体粒子は、終点に到達する前の通路の全体を横断する間に、粉末粒子からパージされ得る。さらに、粉末粒子を担体粒子からパージするためのさらなる対策が、混合物の支持表面への供給を妨げることなく、前記始点を除いて通路全体に沿って配置され得る。
ある実施例では、前記混合物供給デバイスは、担体粒子の前記ブラシの既定の最大高さにほぼ等しい距離だけ前記第1の側から離間された供給出口を備える。本発明の粉末パージ装置は、したがって、粒子の前記磁気ブラシの高さを限定するための別個のドクター・ブレード等を必要としない。加えて、支持表面と複数の磁石の間に回転運動が存在しないとき、たとえば駆動要素が作動されないとき、磁気ブラシは、これが供給出口と支持表面の間の空間をほぼ完全に埋め尽くすまで蓄積することができる。この空間が埋め尽くされると、供給出口は遮られ、さらなる混合物は磁気ブラシには加えられない。したがって、供給出口はまた、過剰な量の混合物が支持表面に供給されることを防止するための投与機構も提供する。好ましくは、供給出口は、吸引表面よりも第1の側の近くに配置される。より好ましくは、供給出口から第1の側への距離は調整可能である。本実施例による混合物供給デバイスはまた、特に混合物が流動化されたときには、粉末コーティング・デバイスのように、粉末粒子と強磁性担体粒子との混合物が支持表面に供給される他の種類の装置にも独立に適用可能であることが考えられる。
混合物供給デバイスには、加えて又は代替的に、混合物が供給出口を通り過ぎることを部分的に又は完全に遮るためのブロック手段が設けられてよい。そのようなブロック手段は、たとえば、出口を通る混合物の流量を調節できるように部分的に遮ることを可能にする、調整可能な弁を備えることができる。あるいは、ブロック手段は、供給出口内の担体粒子を磁気的に融合させ、そして供給出口を塞ぐ、供給出口に近い完全なブロック位置と、磁石が担体粒子に供給出口を塞がせないように供給出口から十分離間された非ブロック位置との間で移動可能である磁石を備えることができる。好ましくは、混合物供給デバイス、又は少なくともその出口は、始点の上方に配置され、混合物は、重力の方向に沿って混合物供給出口から始点に移送されるようになっている。
好ましい実施例では、少なくともパージ中、支持表面は、混合物供給デバイス又はその出口に対してほぼ静止し、又は回転に対して固定される。したがって、パージ中、始点及び終点もまた静止したままであり、担体粒子の支持表面上の堆積及び支持表面からの除去を容易にする。
ある実施例では、前記混合物供給デバイスは、前記混合物を流動化するための流動化手段を備える。混合物を流動化することにより、第1の側に供給される混合物の量のより正確な投与制御を可能にし、第1の側への混合物の移送を容易にする。さらに、流動化手段は、粉末粒子に電荷を与える上で助けとなることができる。特に特許文献2には、本発明において使用するのに適した流動化手段に関する詳細が記載されている。
ある実施例では、吸引表面は、粉末粒子を、前記支持表面に対向する前記吸引表面の第1の側から、前記支持表面に背を向ける前記吸引表面の第2の側まで通過させるための複数の開口部を含む。パージ中、粉末粒子は、吸引表面の前記第1の側に付着する代わりに、吸引表面の第1の側から離れて吸引表面内の開口部を通るように向けられてよい。吸引表面上の粉末粒子の蓄積はこうして制限され、吸引表面の前記第1の側の上の前記粉末粒子が電場強度に与える影響は、かなり低減される。
ある実施例では、粉末パージ装置は、さらに、真空源に連結された空気マニホールドを備え、ここで、前記空気マニホールドは、粉末粒子を吸引表面の前記第1の側から除去するために前記吸引表面に隣接して配置される。粉末粒子は、したがって、吸引表面の第1の側から空気マニホールド内に引き寄せられる。空気マニホールドは、好ましくは、吸引表面の前記第2の側に配置され、好ましくは、吸引表面を実質的に外囲する。
ある実施例では、装置は、さらに、実質的に吸引表面の第1の側と支持体の第1の側の間に配置された空気出口を備える空気供給源を備える。空気供給源を作動させると、吸引表面の第1の側と支持体の第1の側との間から吸引表面の第2の側へ空気の流れが生じる。支持表面の第1の側が、上記で説明したように中空体の円筒状の外面であるとき、空気供給出口は、好ましくは、シリンダの長手軸に沿った担体粒子の移動方向に対する終点の上流側に配置される。通路の終点において空気の流れがほとんど又は実質的に存在しない場合、担体粒子の第1の側からの除去及び/又は第1の側から担体粒子容器への担体粒子の移送を、より正確に実施することができる。
粉末粒子を吸引表面から離すよう移動させるのに最適な吸引効果を達成するために、空気を供給する空気供給出口と空気を除去する空気マニホールドとは、好ましくは、長手軸に沿った始点と終点の間の距離とほぼ等しい距離で離間される。
ある実施例では、前記吸引表面は、支持表面の前記第1の側を実質的に取り囲んでいる。吸引表面の第1の側は、したがって、支持表面の周りにトンネルを形成する。この実施例によれば、電場は、支持表面の第1の側から吸引表面まで、支持表面の第1の側のほぼ全体上に延びる。電場は、支持表面の第1の側の全体をほぼ外囲するため、荷電粒子は、担体粒子のブラシの外側のほぼ全体において担体粒子から引き離され得る。
支持体の第1の側が中空体の円筒状の外面である実施例では、吸引表面もまた、好ましくは、支持体の円筒状の第1の側の直径より大きい内径を備えたシリンダとして実質的に成形される。磁気ブラシの担体粒子が吸引表面と接触することを防止するために、吸引表面の内径は、円筒状の第1の側の外径と磁気ブラシの最大高さとの合計より大きい。
粉末パージ装置のある実施例では、場発生装置が、電場の方向を反転させるように適合される。したがって、強磁性担体粒子並びに正及び負の両方の荷電粉末粒子を含む混合物が、本発明の装置を用いてパージされ得る。吸引表面が支持表面に対して負の電位にあるときは、正の荷電粉末粒子が混合物からパージされて吸引表面に向かって引き寄せられ、吸引表面が支持表面に対して正の電位にあるときは、負の荷電粉末粒子が混合物からパージされて吸引表面に向かって引き寄せられる。好ましい実施例では、正の荷電粉末粒子又は負の荷電粉末粒子のパージが、ほぼ完了したと決定されたときに、場の方向が反転される。より具体的には、場発生装置は、好ましくは、粒子が通路を始点から終点まで横断するのに必要とされる時間のほぼ半分は、吸引表面と支持表面の間に第1の方向に電場を生成し、また、前記粒子が通路を始点から終点まで横断するのに必要とされる時間の残りの半分は、吸引表面と支持表面の間に反対の第2の方向に電場を生成するように適合される。好ましくは、電場の方向を反転するまでの時間は、たとえば空気マニホールドによって供給され得るような空気の流れを用いて、粉末粒子を吸引表面から実質的に除去するのに十分な時間である。たとえば、荷電粒子が通路を始点から終点まで横断するのに、実質的に既定の長さの必要とされる時間、たとえば2分を要する場合、電場の方向は、前記既定の時間の半分が過ぎた後、すなわち1分後に反転される。
ある実施例では、前記支持表面と前記吸引表面との両方は、導電性材料、たとえばステンレス鋼又は導電性セラミック材料を含み、ここで、場発生装置は、前記支持表面と前記吸引表面との前記導電性材料に導電的に接続され、好ましくは1500から3000ボルトの範囲内で、これらの間に電位差を生成するように適合される。生成された場は、支持表面の第1の側から吸引表面に延びる。
ある実施例では、支持表面の前記第1の側は、粗面、たとえば溝及び/又はダイヤモンド模様などを含む。そのような粗面は、第1の側と担体粒子との間の摩擦を増大させ、第1の側が、複数の磁石に対して固定された位置に留まるのではなく、複数の磁石に対して回転されたとき、担体粒子が、複数の磁石及び第1の側の両方に対して移動することを確実にするのに役立つ。粗面又は構造面の使用は、非常に強い磁場強度を有する磁石が使用される場合に特に有利である。支持表面の第1の側が中空体の円筒状の外面である好ましい実施例では、第1の側には、円筒状の第1の側の長手軸に対して非平行に延びる平行状の尾根又は縁を含む材料の層が設けられる。この実施例では、尾根又は縁の高さは、好ましくは、磁気ブラシの最大高さよりかなり小さい。したがって、装置の使用中、磁気ブラシの担体粒子は、溝又は縁の方向に沿って移動するように促されるが、たとえば、尾根又は縁に沿った通路が(一時的に)遮られるときは、尾根又は縁を超えて移動し得る。特定の実施例では、尾根及び/又は縁は、担体粒子を1つ又は複数のらせん状通路に沿って円筒状の外面の長手軸に沿って誘導するために、ほぼ平行な多くのらせんを支持表面の第1の側の上に形成する。この材料の層は、好ましくは、実質的に非導電性の材料、たとえばプラスチックを含む。
ある実施例では、前記駆動要素は、好ましくは100rpmかそれより大きい速度、より好ましくは100から500rpmの速度の、前記複数の磁石に対する前記支持表面の回転運動を駆動するように適合される。好ましくは、回転運動は、支持表面の長手軸周りの回転運動である。
ある実施例では、支持表面は、前記担体粒子を前記第1の側に引き寄せるために前記第1の側に前記磁場を生成するように前記複数の磁石が配置される第1の位置から、前記第1の側が前記複数の磁石によって生成された磁場の実質的に外側にある第2の位置まで、及びその逆方向に移動可能である。担体粒子は、支持表面を第2の位置に移動させることによって支持表面から除去され得る。さらには、支持表面の第1の側の保全及び/又はクリーニングは、第2の位置にあるときに容易に行われる。
ある実施例では、少なくとも使用中、前記吸引表面は、前記複数の磁石又は前記支持表面に対して、回転に関して実質的に固定される。吸引表面が複数の磁石に対して回転に関して固定されるとき、駆動要素は、担体粒子の磁気ブラシを支持している場合であっても、複数の磁石よりも通常は質量が小さい支持表面の移動を駆動するだけでよい。好ましくは、複数の磁石もまた、パージ装置の混合物出口及び/又は担体粒子容器に対して、回転に関して実質的に固定される。吸引表面が支持表面に対して回転に関して固定されるとき、パージ装置は、支持表面の第1の側と吸引表面の第1の側との間に可動部分を実質的に含まない。
第2の態様によれば、本発明は、荷電粉末粒子を強磁性担体粒子と前記粉末粒子との混合物からパージする方法であって、前記混合物を支持表面の第1の側に供給することと、前記第1の側に前記担体粒子の磁気ブラシを形成するために磁場を生成するように、前記支持表面の、前記第1の側とは反対の第2の側に配置された複数の磁石を用いて、前記混合物の前記担体粒子を前記第1の側に引き寄せることと、前記磁場を前記支持表面に対して移動させることと、前記支持表面と、前記第1の側から離間され前記第1の側に対向する、前記荷電粉末粒子を引き寄せるための吸引表面との間に電場を生成することとを含む方法を提供する。
ある実施例では、この方法は、本明細書において説明する粉末パージ装置を用いて実施される。
ある実施例では、少なくともパージ中、前記支持表面は、前記複数の磁石に対して回転させられる。好ましくは、吸引表面もまた、担体粒子の磁気ブラシから離間される。支持表面の回転は担体粒子を前記第1の側に対して変位させ、それにより、担体粒子は、担体粒子のブラシの外面へ、及び外面から移動することができる。ブラシの外面において担体粒子に付着している荷電粉末粒子は、担体粒子から離れて吸引表面に向かって引き寄せられ、その結果、これらの粉末粒子を担体粒子からパージする。
ある実施例では、少なくともパージ中、吸引表面は前記支持表面に対して回転に関して実質的に固定され、前記複数の磁石の移動が支持表面に対して駆動される。
代替の実施例では、少なくともパージ中、吸引表面は、前記複数の磁石に対して回転に関して実質的に固定される。この実施例では、好ましくは吸引表面と複数の磁石との両方は、パージ中ほぼ静止したままであり、一方で支持表面は、複数の磁石に対して回転させられる。
ある実施例では、この方法は、さらに、前記混合物を支持表面の前記第1の側に供給する前に前記混合物を流動化するステップを含む。
ある実施例では、第1の側は円筒形状を有し、第1の側を前記複数の磁石に対して回転させることによって、前記担体粒子は前記第1の側に対して移動させられる。
ある実施例では、前記複数の磁石は、始点及び終点を有するらせん状通路にほぼ沿って配置され、ここで、始点及び終点は、前記円筒形状の長手軸に沿って離間され、前記混合物は、前記始点において前記第1の側に実質的に連続的に供給され、前記第1の側の上の前記担体粒子は、前記らせん状通路に沿って前記終点に向かって、前記第1の側の上を実質的に連続的に移動させられる。本発明は、こうして、荷電粉末粒子を前記粉末粒子と担体粒子との混合物から実質的に連続的にパージするための方法であって、担体粒子が、らせん状通路に沿って1回の横断でパージされ、前記通路の終了部で収集され得る方法を提供する。
ある実施例では、前記磁石の磁場強度は、前記終点に向かって低減し、前記終点における第1の表面からの担体粒子の容易な解放を可能にする。
ある実施例では、この方法は、さらに、前記電場を反転させるステップを含む。強磁性担体粒子並びに正及び負の両方の荷電粉末粒子を含む混合物が、したがって、本発明による方法を用いてパージされ得る。パージ中、電場は、好ましくは、担体粒子をパージするのに必要とされる時間の半分は第1の方向にあり、担体粒子をパージするのに必要とされる時間の残りの半分は、第1の方向とは反対の第2の方向にある。
ある実施例では、この方法は、前記粉末粒子が与えられる基板を、吸引表面と第1の側との間に、前記第1の側から離間して配置する追加のステップを含む。好ましくは、この実施例では、支持表面の第1の側は、実質的に平面であり、基板に対して実質的に静止したままであり、複数の磁石は、平らな第1の側に対して垂直な回転軸の周りを支持表面に相対して回転させられる。粉末粒子は、このようにして、担体粒子が前記粉末粒子からパージされている間、基板に均一に施与される。基板は、好ましくは、担体粒子の前記ブラシから離間される。
ある実施例では、吸引表面は、前記粉末粒子が供給される基板を備える。好ましくはこの実施例では、支持表面の第1の側は実質的に平面であり、パージ中、基板に対して実質的に静止したままであり、複数の磁石が、平らな第1の側に対して垂直な回転軸の周りを支持表面に相対して回転させられる。基板もまた、好ましくは前記ブラシからも離間される。
ある実施例では、前記混合物のほぼすべてが、前記第1の側に供給され、ここで、前記混合物は、粉末粒子のほぼ既定量を含む。この方法は、したがって、粉末を担体粒子からパージしながら粉末の精密に規定された量を基板に施与する方法を提供する。この実施例では、粉末粒子は、好ましくは、ほぼすべての粉末粒子が担体粒子からパージされるまで担体粒子からパージされる。たとえば粉末粒子の既定量に基づいて、このパージ方法を既定の時間、続けることによって、ほぼすべての粉末粒子がパージされると決定されてよい。あるいは、粉末パージ装置は、磁気ブラシから離れるよう引き寄せられ、基板に向かって移動する粉末粒子の移動を検出するように配置された光学センサを備えてもよく、前記センサが既定の時間、そのような移動を検出しなかったときには、ほぼすべての粉末粒子が担体粒子からパージされたと決定されてもよい。さらに別の代替の実施例では、パージ中、前記第1の側の基板及び/又は混合物の重量を測定し、前記測定された重量を粉末粒子の前記既定量と比較することによって、ほぼすべての粉末粒子が担体粒子からパージされたかどうかが決定される。
まとめると、本発明は、荷電粉末粒子を前記粉末粒子と強磁性担体粒子との混合物からパージするための装置及び方法を提供する。パージは、粉末粒子を、前記担体粒子を支持する支持表面から離間され前記支持表面とは異なる電位にある吸引表面に向かって引き寄せながら、担体粒子を前記支持表面の第1の側に相対して移動させることによって行われる。担体粒子の移動は、支持表面の前記第1の側とは反対の第2の側に配置され、担体粒子を前記第1の側に引き寄せるための複数の磁石に相対して支持表面を移動させることによって駆動される。
本明細書に説明し図示するさまざまな態様及び特徴が、可能な限り個々に適用可能である。これらの個々の態様、とりわけ添付の従属請求項に説明する態様及び特徴は、分割特許出願の主題にされてよい。