JP2015512234A - 電気モータ回転子用の１組の電気ワイヤを案内する装置 - Google Patents

Abstract

回転子（１）内に軸方向に延在しているシャフト（２）を含む電気モータの回転子（１）の導電ブロック（３）の周囲に導電ワイヤ（８、９）を螺旋状に巻く案内用装置（１２）であって、前記導電ブロック（３）にはワイヤ（８、９）を受容する少なくとも４つの切欠き（４ａ、４ｂ、５ａ、５ｂ）が設けられている、案内用装置（１２）。案内用装置（１２）は、シャフト（２）から離れて径方向に延在しておりかつ互いに対して９０?に配設されている少なくとも２つの分岐部（１３、１４）を含み、前記分岐部（１３、１４）は弾性連結手段（１８）により接続されている。【選択図】図１

Description

本発明は高速発電機の分野に関し、より詳細には、導電性ワイヤコイルをそのような発電機の回転子に、特に回転子の導電性ブロックの周囲に固定する装置に関する。

電気駆動装置を備えた自動車で使用される電気機械などの巻線形回転子を備えた電気モータは、エナメル銅ワイヤなどの導電性ワイヤを使用して実施される。導電性ワイヤは、束状の導電性シートメタル板からなるコアの周囲に巻き付けられている。

高速発電機に適合される回転子は、厳しい動作状況、特に径方向で高い機械的応力を受ける。したがって、強い遠心力を受ける回転子の巻線をしっかりと保持する必要がある。したがって、そのような発電機の回転子は、そうした状況で動作するよう適合されていなければならない。

これに関連して、軸方向に延在しているシャフトと、シャフトから離れて径方向に延在している４つのポールピースと、各ポールピースに各々接続されている４つのアームと、高速発電機の回転子の巻線を保持する手段とを含む回転子を記載している欧州特許第１４２１６６３号が参照され得る。その保持手段は、各々がアームを覆っている４つの湾曲した支持体と、各々が支持体を覆い、回転子が回転する間にコイルワイヤの変位を防止することができる４つのキャップ素子と、各支持体間にあってコイルの巻線をさらに支持するコーナフランジとにより形成されている。

しかし、そのような保持装置は複数の異なる部品により形成されており、その結果、様々な部品の製造中に許容誤差が生じた場合に実装が複雑でありかつポールピースに適合することができない。

したがって、本発明の目的は、これらの欠点を是正することである。

したがって、本発明の１つの目的は、低コストであると同時に巻線状のワイヤを信頼できる方法で固定し、保持することができる、一体構造の案内装置を組み込んでいる回転子を提供することである。

本発明の別の目的は、回転子上での実装が簡単であるように径方向変形および角変形を可能にするような装置を提供することである。

一実施形態によれば、本発明の主題は、電気モータの回転子の導電性ブロックの周囲に巻線状の導電性ワイヤを案内する装置であって、回転子内に軸方向に延在しているシャフトを含み、前記導電性ブロックにはワイヤを受容する少なくとも４つの切欠きが設けられている、装置である。

案内装置は、シャフトから離れて径方向に延在して、互いに対して９０°で配設され、弾性連結手段により接続される少なくとも２つの分岐部を含む。

このように、案内装置の一体構造は、弾性連結手段により、その製造を単純化し、回転子上での設置を容易にする。実際、各隣接する分岐部間の弾性接続により、案内装置を導電性ブロック上に、特に各ポール上に設置する場合の良好な弾性、および案内装置の回転子の工業生産に起因する良好な許容誤差が、案内装置にもたらされる。また、弾性接続により、径方向に、電気機械の各ポールのかつ案内装置の各分岐部の独立した変位が可能になる。設置の容易さは別にして、これにより、回転子の動作中の径方向運動への適合、例えばポールの熱膨張に因るポールの動きへの適合等、が可能になる。

案内手段の各分岐部が、導電性ブロックの受容切欠きと協働するように設計されている少なくとも２組の案内溝部を含むという利点を有する。このようにして、各組のワイヤが、導電性ブロックすなわちポールの１つの各切欠き内にかつ分岐部の複数の案内溝部内に配置されている。

弾性連結手段は、丸い形状、例えばオメガ形状、を有していてもよい。そのような形状により、案内装置は、それ自体をポールの径方向変位に適合させること、およびその設置中にポール上でセンタリングされるように角変位することができるようになる。

各分岐部が、各分岐部の各端部に存在する２つの肩状部により径方向に範囲を定められた、１組のワイヤを受容する主要部分を含み、各主要部分は、受容切欠きと協働するように設計されており、１組の案内溝部を含むという利点を有する。主要部分により、１組のワイヤが各分岐部の２つの肩状部間の定位置に留まること、およびしたがって各ポールの受容切欠き内に留まることが可能になる。

さらに、各分岐部は、導電性ブロックの方へ突出している少なくとも２つの位置決め手段、例えば導電性ブロックに形成されている複数の穴部と協働するように設計されている位置決めピンを含む。このようにして、各分岐部は、導電性ブロック上に、具体的にはポール上に独立して配置される。

穴部は、円形形状、長円形形状、または涙滴形状を有していてもよい。穴部の細長い形状により、案内装置が径方向にその適応性を保持することが可能になり、回転子ポール上でその迅速かつ効率的な配置が可能になる。実際、案内装置は導電性ブロックに嵌合されるので、各ピンが異なる穴部内で所定位置に着くように、案内装置は最初に径方向に若干引き伸ばされる。案内装置は次いで緩み、弾性接続の弾性効果により、案内装置はその最初の状態に戻り、その結果、ピンは、対応する穴部内でそれらを定位置に保持する径方向荷重を受け、したがって、案内装置を導電性ブロック上に保持する。穴部の涙滴形状により、各ポール上で案内装置のより良好なセンタリングが可能になる。

案内装置は、回転子の対称軸に関して対称に配置されている４つの分岐部を含むことが好ましい。このために、導電性ブロックは８つの切欠きを含む。案内装置の対称により、案内装置が回転子の任意のポール上に配置されることが可能になる。さらに、案内装置は、両側で利用されるように設計されている。

各隣接する弾性連結手段が、回転子のシャフトが通過することができる中心部の範囲を定める丸い部分により接続されているという利点を有する。略円形の通路部分は、少なくとも３５ｍｍ、例えば４６ｍｍの内径を有していてもよい。この半径は、回転子シャフトばかりでなく巻線を外部電力供給部に電気的に接続しているリングの支持体もまた、電気機械の組立て中に装置を通過することを可能にするのに十分である。また、リング支持体は、シャフトから径方向に突出しておりかつ中心通路部分を越えて延在していてもよい、巻線への接続のための電気端子を有する。弾性オメガ形状は、好ましくは、十分な間隔を有しており接続端子が通過することを可能にする通路区域を有していなければならない。この特徴により、機械を組み立てるための第２のプレス機の使用を省くことが可能になり、導電性ブロック内にシャフトを配置するプレス機は、回転子のリングを配置するプレス機と同じである。

第２の態様によれば、本発明は、回転子内に軸方向に延在しているシャフトと、回転子のシャフトから離れて径方向に延在している導電性ブロックと、前記ブロックの周囲に導電性ワイヤを案内する前述の装置とを含む電気モータの回転子に関する。

本発明の他の目的、特徴、および利点が、単に非限定的例としてかつ添付図面を参照して示されている以下の記載を読むことから明らかになるであろう。

本発明による電気モータの回転子の概略斜視図である。 図１による案内装置の斜視正面図である。 図１による案内装置の斜視背面図である。 図１による回転子の部分断面図である。 図４による回転子に形成されている穴部を概略的に示す図である。 別の実施形態による案内装置の斜視図である。

図１に示されている通り、全体として参照記号１で示されている電気機械の回転子が、回転子１を貫通して軸方向に延在しているシャフト２と、シャフト２から離れて径方向に延在している導電性ブロック３とを含む。

導電性ブロック３は、互いに対してある角度、例えば９０°で配設されている４つのポール４、５、６、７を含む。各ポール４、５、６、７は、各々が、１組の導電性ワイヤ８、９、１０、１１を受容する切欠き４ａ、４ｂ、５ａ、５ｂ、６ａ、６ｂ、７ａ、７ｂを含む２つの側面を有する。あるいは、４つのポール４、５、６、７は連結されていてもよく、または束状の十字形シートメタル板を形成するために同じ束状のシートメタル板で実施されてもよい。

回転子１は、導電性ブロック３の周囲に、特に各ポール４、５、６、７の周囲に導電性ワイヤ８、９、１０、１１を案内する装置１２を含む。

図に示されている例では、案内装置１２は、回転子１のシャフト２から離れて径方向に延在しておりかつ回転子１の軸に関して対称である４つの分岐部１３、１４、１５、１６を含む。各分岐部１３、１４、１５、１６は、４つのワイヤコイル８、９、１０、１１の巻付けが可能であるような方法で、回転子１のポール４、５、６、７に固定されるように設計されている。案内装置１２は略十字形の形状であり、回転子１のシャフト２が通過する中心部１７を有する。案内装置１２の分岐部１３、１４、１５、１６は、互いに対して９０°で配設されており、例えば２つの隣接する分岐部を接続する丸い形状またはオメガ形状を有する弾性連結手段１８、１９、２０、２１により接続されている。このようにして、案内装置１２の一体構造により、その製造が単純化され、弾性連結手段１８、１９、２０、２１の結果として、回転子１上でその設置が容易になる。

各隣接する分岐部１３、１４、１５、１６間のオメガ形状により、導電性ブロック３上に、具体的にはポール４、５、６、７の各々に当該案内装置を設置するための良好な弾性が、および径方向の回転子１の各ポール４、５、６、７の独立した運動が、案内装置１２にもたらされる。設置を容易にすることに加えて、このことにより、回転子１の動作中の径方向運動への適合が可能になる。

弾性連結手段１８、１９、２０、２１は、回転子１のシャフト２を取り囲むように設計されている略円形の通路１７の範囲を定めるために、丸い部分２２、２３、２４、２５により接続されている。この通路１７は、例えば４６ｍｍの内径を有する。

分岐部１３のみが詳細に記載され、その他の分岐部１４、１５、１６は分岐部１３と同一である、図２に詳細に示されている通り、各分岐部１３は、１組の導電性ワイヤ８を受容するように設計されておりかつ対応する分岐部１３の各端部に形成されている２つの肩状部１３ｂ、１３ｃにより範囲を定められている主要部分１３ａを含む。主要部分１３ａの側縁部の各々は、導電性ブロック３に形成されている切欠き４ａ、４ｂに対向して配設されており、その結果、主要部分１３ａにより、１組のワイヤ８が分岐部１３の２つの肩状部１３ｂ、１３ｃ間にかつ各ポール４の受容切欠き４ａ、４ｂ内に配置されたままであることが可能になる。したがって、各導電性ワイヤ８は、２つの肩状部１３ｂ、１３ｃ間に、肩状部１３ｂ、１３ｃに平行な方向に、案内装置１２の主要部分１３ａの周囲に巻き付けられている。肩状部１３ｂ、１３ｃは、導電性ワイヤ８が主要部分１３ａの周囲にいくつかの層で巻き付けられることを可能にし、かつ１組の導電性ワイヤ８が主要部分１３ａの軸において保持されることを可能にする厚さを有する。

主要部分１３ａは、主要部分１３ａの各側縁部に形成されておりかつ第１の巻線層８が、分岐部１３の２つの肩状部１３ｂ、１３ｃを分離している主要部分１３ａの全長に亘って巻線状の導電性ワイヤ８の良好な分配を得るために案内されることを可能にする複数の案内溝部１３ｄを含む。各側縁部、詳細には主要部分１３ａの複数の溝部１３ｄは、導電性ワイヤ８を正確に配置するために導電性ブロック３に形成されている切欠き３ｃ、３ｄに揃えられている。

図３および図４に示されている通り、各主要部分１３ａ、１４ａ、１５ａ、１６ａは、導電性ワイヤ８、９、１０、１１と接触している面の反対側の、導電性ブロック３と接触している面上に、導電性ブロック３側に突出しておりかつ導電性ブロック３に形成されている各穴部２６ａ、２６ｂと協働するように設計されている２つの整列した位置決めピン１３ｅおよび１３ｆ、１４ｅおよび１４ｆ、１５ｅおよび１５ｆ、１６ｅおよび１６ｆを含む。このように、各分岐部１３、１４、１５、１６は、導電性ブロック３上の別の分岐部と無関係に配置することができる。例えば、各分岐部１３、１４、１５、１６の外側の方に配置されている第１のピン１３ｅ、１４ｅ、１５ｅ、１６ｅがセンタリングピンであり、各分岐部１３、１４、１５、１６の内側の方に配置されている第２のピン１３ｆ、１４ｆ、１５ｆ、１６ｆが案内ピンであり、その結果、同じポールの２つのピンのうち１つだけが圧力を受ける。各ポール上のセンタリングピンは、同様に、各ポール４、５、６、７の内側の方に配置されているものである可能性があるであろう。

穴部２６ａ、２６ｂは、非限定的例として円形形状、長円形形状、または涙滴形状を有していてもよい。穴部２６ａ、２６ｂの細長い形状により、案内装置１２が径方向にその適応性を保持すること、および回転子１のポール４、５、６、７上に迅速かつ効率的に配置されることが可能になる。ある角度における圧力の適用により、回転子１の分岐部の幅上で案内装置１２のより良好なセンタリングが可能になるので、案内装置１２がそれを介して圧力を受けるセンタリングピン１３ｅ、１４ｅ、１５ｅ、１６ｅは、好ましくは涙滴形状の穴部２６ａと協働するように設計されている。案内ピン１３ｆ、１４ｆ、１５ｆ、１６ｆは、任意の円形形状、長円形形状、または涙滴形状の穴部２６ｂと協働することができる。

分岐部１３のセンタリングのみが詳細に記載され、案内装置１２が導電性ブロック３上に設置された場合にその他の分岐部１４、１５、１６が分岐部１３に等しい、図５に詳細に示されている通り、案内装置１２は、各センタリングピン１３ｅが異なる穴部２６ａ内で所定位置に付くような方法で、最初に径方向に若干引き伸ばされる。案内装置１２は次いで緩み、弾性リンク１８、１９、２０、２１の弾性効果により、案内装置１２は矢印Ｆの方向に従ってその最初の位置に戻り、その結果、ピン１３ｅは、ピン１３ｅが対応する穴部２６ａ内で定位置に保持されることを可能にする径方向荷重を受ける。涙滴形状の穴部２６ａは、案内装置１２のセンタリングピン１３ｅがより良好にセンタリングされることを可能にするＶ形状を有する。

同一要素が同一参照記号を有する、図６に示されているある変形形態では、これらの位置決めピンは、形状で凹型輪郭２７に対応しかつ導電性ブロック３に溶接されている鋼鉄部２８を受容することができる、案内装置１２の凹型輪郭２７に置き換えられて、回転子１のシャフト２のための通路を残してもよい。

案内装置１２は、低導電性かつ好ましくは低透過性であるが機械的強度に関して高耐温度性の材料から作り出され、例えば成形により、例えばデュロプラスチック材料から作り出される。

記載された本発明の結果として、一体構造の案内装置は、低コストであると同時に、回転子上での容易な固定および巻線状のワイヤの信頼できる保持を可能にする。

さらに、そのような装置は、回転子上での実装が簡単であるように、径方向変形および角変形を可能にする。

Claims (11)

1. 電気モータの回転子（１）の導電性ブロック（３）の周囲に巻線状の導電性ワイヤ（８、９）を案内する装置（１２）であって、前記回転子（１）内に軸方向に延在しているシャフト（２）を含み、前記導電性ブロック（３）には前記ワイヤ（８、９）を受容する少なくとも４つの切欠き（４ａ、４ｂ、５ａ、５ｂ）が設けられており、前記装置は、前記シャフト（２）から離れて径方向に延在して、互いに対して９０°に配設され、弾性連結手段（１８）により接続される少なくとも２つの分岐部（１３、１４）を含むこと、および各分岐部（１３、１４）は、前記導電性ブロック（３）の前記受容切欠き（４ａ、４ｂ、５ａ、５ｂ）と協働するように設計されている少なくとも２組の案内溝部（１３ｄ、１４ｄ）を含むことを特徴とする、装置。
2. 前記弾性連結手段（１８）は丸い形状を有する、請求項１に記載の案内装置。
3. 前記丸い形状はオメガ形状である、請求項２に記載の案内装置。
4. 各分岐部（１３、１４）は、各分岐部（１３、１４）の各端部に存在する２つの肩状部（１３ｂ、１３ｃ、１４ｂ、１４ｃ）により径方向に範囲を定められている、１組のワイヤ（８、９）を受容する主要部分（１３ａ、１４ａ）を含み、各主要部分（１３ａ、１４ａ）は、前記受容切欠き（４ａ、４ｂ、５ａ、５ｂ）と協働するように設計されており、前記２組の案内溝部（１３ｄ、１４ｄ）を含む、請求項１から３のいずれか一項に記載の案内装置。
5. 各分岐部（１３、１４）は、前記導電性ブロック（３）の方へ突出しておりかつ前記導電性ブロック（３）に形成されている複数の穴部（２６ａ、２６ｂ）と協働するように設計されている少なくとも２つの位置決め手段（１３ｅ、１３ｆ、１４ｅ、１４ｆ）を含む、請求項１から４のいずれか一項に記載の案内装置。
6. 前記穴部（２６ａ、２６ｂ）は円形形状、長円形形状、または涙滴形状を有する、請求項５に記載の案内装置。
7. ４つの分岐部（１３、１４、１５、１６）を含む、請求項１から６のいずれか一項に記載の案内装置。
8. 前記４つの分岐部は前記回転子（１）の対称軸に関して対称である、請求項７に記載の案内装置。
9. 各隣接する弾性連結手段（１８、１９、２０、２１）が、前記回転子（１）の前記シャフト（２）が通過することができる中心部（１７）の範囲を定める丸い部分（２２、２３、２４、２５）により接続されている、請求項７または８に記載の案内装置。
10. 前記略円形の通路（１７）は少なくとも３５ｍｍの内径を有する、請求項９に記載の案内装置。
11. 回転子（１）内に軸方向に延在しているシャフト（２）と、前記回転子（１）の前記シャフト（２）から離れて径方向に延在している導電性ブロック（３）と、前記ブロック（３）の周囲に導電性ワイヤ（８、９）を案内するための、請求項１から１０のいずれか一項による装置（１２）とを含む、電気モータの回転子。

Images