JP2012100514A - 回転電機の電機子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層コアの角部のバリが突出することを抑制して絶縁膜を形成する絶縁材料の量を低減することができる回転電機の電機子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】回転電機のロータコア10は、ティースに巻線が巻き付けられている。ロータコア10は、プレス加工されたコアシート22a,22bが積層された積層コア20と、積層コア20を被覆する絶縁膜21とを備えている。各コアシート22a,22bでは、プレス加工により発生したバリ26a,26bが、積層コア20の積層方向における一端側に位置しており、積層コア20において積層方向の一端に位置する第1コアシート22aでは、ティースに対応するティース部24のバリ26aが、積層方向の他端側に向かって折り返されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、回転電機の電機子及びその製造方法に関するものである。
従来、回転電機の電機子では、複数のコアシートが積層されてなる積層コアの表面が絶縁膜に被覆されており、これにより、積層コアと電機子のティースに巻き付けられる巻線とが絶縁されている。
図14に、電機子80のティースに対応する部位を、積層コア81のコアシート82の積層方向に沿って切断した断面構造を示す。図14に示すように、各コアシート82は、プレスによって打ち抜き加工がなされているため、周縁部が反り返ることによりその板厚方向に突出するバリ83が発生している。積層コア81では、各コアシート82が、バリ83の位置が積層方向における同じ側(図14では紙面上側)に位置するように積層されており、隣接するコアシート82同士が結合されることにより一体となっている。これにより、積層コア81では、積層方向の一端(図14では上端)に位置するコアシート82のバリ83が、積層コア81の角部において積層方向の他端から一端に向かう方向(上方に向かって)に突出した状態となっている。
絶縁膜84は、例えば積層コア81の表面に粉体の絶縁材料を塗布し、この絶縁材料を加熱して融解した後に硬化することにより形成される。絶縁材料を加熱融解すると、積層コア81の角部(図14において破線Cに示す部位)では、平坦な部位よりも絶縁材料が留まりにくく周囲に流れやすくなるため、角部では絶縁膜が薄くなる傾向にある。積層コア81では、絶縁膜が薄くなりやすい角部においても絶縁性が確保される程度に絶縁膜の厚みを設定する必要があるが、図14に示すように、積層コア81の角部においてバリ83が上方に突出していると、このバリ83の突出分だけより多くの絶縁材料を塗布して絶縁膜を厚く形成する必要があり、絶縁材料のコストが高くなる。
そこで、従来から、例えば図15に示すように、電機子90において、積層コア91の各コアシート92を積層した後に、積層コア91に対してその積層方向に高荷重をかけることで、積層方向の一端に位置するコアシート92aのバリを潰して面取りするようにしている。これにより、積層コア91の角部において、コアシート92aのバリが突出することを抑制して、絶縁膜93を形成するために塗布される絶縁材料の量を低減することができる。
また、特許文献1には、積層コアにおける積層方向の一端に位置するコアシートのみを裏返にし、このコアシートのバリが隣接するコアシートのバリと向かい合うように積層することで、積層方向の一端に位置するコアシートのバリが積層方向に向かって突出することを抑制するようにしている。
実開平7‐44598号公報
積層コアの一端に位置するコアシートを加圧して面取りする場合、積層コアに面取りが行われる程度の高荷重を加える必要があるとともに、面取りが行われるまで加圧を行う必要があることから、加圧工程に時間を要する。また、特許文献1に記載の電機子の製造方法では、コアシートを裏返す工程が必要となる。
本発明の目的は、従来とは異なる方法で、積層コアの角部において、コアシートのバリが突出することを抑制することで、絶縁膜を形成する絶縁材料の量を低減することができる回転電機の電機子及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ティースに巻線が装着される回転電機の電機子であって、プレス加工されたコアシートが複数枚積層された積層コアと、前記積層コアの少なくとも前記ティースに対応する部位を被覆する絶縁膜とを備え、前記各コアシートでは、前記プレス加工により発生したバリが前記積層コアの積層方向における一端側に位置しており、前記積層コアにおいて前記積層方向の前記一端に位置するコアシートでは、前記ティースに対応するティース部におけるバリが前記積層方向の他端側に向かって折り返されている。
上記構成では、積層コアにおいて、積層方向の一端に位置するコアシートのバリが、積層コアの内側に向かって折り返されているため、積層コアの角部において、バリが外側に向かって突出することを抑制することができる。また、一端に位置するコアシートのバリが折り返されているため、このバリが積層コアの積層方向に対して直交する方向に若干突出する状態とはなりうるものの、このバリの先端は、折り返しによって他のコアシート側に向かって延びており、積層方向と直交する方向には延びてはいないため、このバリが積層方向と直交する方向へ大きく突出することを抑制することができる。
このようにして、積層方向の一端に位置するコアシートのティース部のバリを折り曲げることにより、このバリが積層コアの角部から外側に向かって突出することを抑制することができる。したがって、バリの面取りを行うために積層コアに高い荷重を与えたり、一端に位置するコアシートを裏返したりすることなく、従来とは異なる方法で、絶縁膜を形成するための絶縁材料の塗布量を低減することができる。
請求項2に記載の発明は、前記巻線は、前記ティースに巻き付けられるものである。
上記構成では、巻線がティースに巻き付けられるものにおいて、請求項1に記載の発明の効果を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、前記巻線は、前記ティース間のスロットに軸方向から嵌入された複数のセグメント導体同士が電気的に接続されて構成されるセグメント巻線である。
上記構成では、巻線が、ティース間のスロットに軸方向から嵌入された複数のセグメント導体同士が電気的に接続されて構成されるセグメント巻線であるものにおいて、請求項1に記載の発明の効果を得ることができる。
請求項4に記載の発明は、前記一端に位置するコアシートでは、前記ティース部の幅が他のコアシートのティース部の幅よりも短く形成されて、前記ティース部のバリが前記積層コアの積層方向に沿った断面視で前記他のコアシートのティース部の縁部よりも内側に位置している。
上記構成によれば、積層方向の一端に位置するコアシートのティース部のバリが折り返されることにより、そのバリが積層コアの積層方向と直交する方向に若干突出した状態とはなりうるものの、このバリが他のコアシートのティース部の縁部よりも内側に位置しているため、折り返されるバリが、積層コアの積層方向と直交する方向に向かって他の部位よりも突出することをより好適に抑制することができる。
また、上記構成によれば、積層コアの一端に位置するコアシートのバリと、隣接するコアシートのバリとが、絶縁膜における積層コアの角部に対応する部位を挟持した状態となる。したがって、積層コアが絶縁膜をより強固に保持して、積層コアから絶縁膜が剥離することを好適に抑制することができる。
さらに、上記構成によれば、一端に位置するコアシートのティース部のバリが、他のコアシートのティース部よりも内側に位置しているため、積層コアに絶縁膜を形成した状態では、電機子のティースの角部がR形状となる。したがって、例えば、ティースに巻線を巻き付ける際に、その角部に巻線がひっかかることを低減することができ、このひっかかりに起因して角部の絶縁膜が剥離するといった事態が発生することを抑制することができる。また、電機子のティースの角部がR形状となることから、例えば、ティースに巻線を巻き付けるにあたり、角部が角張っている場合に比べてティースの角部に巻線が密着しやすくなり、この角部における巻線の膨らみも低減することができる。
請求項5に記載の発明は、ティースに巻線が装着される回転電機の電機子であって、プレス加工されたコアシートが複数枚積層された積層コアと、前記積層コアの少なくとも前記ティースに対応する部位を被覆する絶縁膜とを備え、前記各コアシートでは、前記プレス加工により発生したバリが前記積層コアの積層方向における一端側に位置しており、前記積層コアにおいて前記積層方向の前記一端に位置するコアシートでは、前記ティースに対応するティース部のバリが前記積層方向とほぼ直交する方向に向かって延びているとともに、前記ティース部の幅が他のコアシートのティース部の幅よりも短く形成されて、前記ティース部のバリの先端が前記積層コアの積層方向に沿った断面視で前記他のコアシートのティース部の縁部よりも内側に位置している。
上記構成では、積層コアにおいて、積層方向の一端に位置するコアシートのバリが、積層コアの積層方向の他端から一端に向かう方向に延びることを抑制することができるため、積層コアの角部において、バリが積層方向の外側に向かって突出することを抑制することができる。また、一端に位置するコアシートのティース部では、バリが積層方向と直交する方向に向かって延びてはいるものの、このバリの先端が他のコアシートのティース部の縁部よりも内側に位置している。そのため、積層コアでは、一端に位置するコアシートのバリが、積層方向と直交する方向に向かって積層コアの他の部位よりも外側に向かって突出することを抑制することができる。
このようにして、従来とは異なる方法で、積層方向の角部に位置するバリが他の部位よりも突出することを抑制することができるため、絶縁膜を形成するための絶縁材料の塗布量を低減することができる。
また、上記構成によれば、積層コアの一端に位置するコアシートのバリと、隣接するコアシートのバリとが、絶縁膜における積層コアの角部に対応する部位を挟持した状態となる。したがって、積層コアが絶縁膜をより強固に保持して、積層コアから絶縁膜が剥離することを好適に抑制することができる。
さらに、上記構成によれば、一端に位置するコアシートのティース部のバリが、他のコアシートのティース部よりも内側に位置しているため、積層コアに絶縁膜を形成した状態では、電機子のティースの角部がR形状となる。したがって、例えば、ティースに巻線を巻き付ける際に、その角部に巻線がひっかかることを低減することができ、このひっかかりに起因して角部の絶縁膜が剥離するといった事態が発生することを抑制することができる。また、電機子のティースの角部がR形状となることから、例えば、ティースに巻線を巻き付けるにあたり、角部が角張っている場合に比べてティースの角部に巻線が密着しやすくなり、この角部における巻線の膨らみも低減することができる。
請求項6に記載の発明は、プレス加工された複数のコアシートを積層する積層工程と、前記複数のコアシートを積層方向に加圧する加圧工程と、前記積層されたコアシートに絶縁膜を形成する膜形成工程とを備える回転電機の電機子の製造方法であって、前記積層工程では、複数のコアシートを、前記プレス加工により生じたバリが積層方向の一端側の面に位置するように積層し、前記加圧工程では、前記積層方向における前記一端に位置するコアシートにおいて前記電機子のティースに対応するティース部のバリが前記積層方向の他端側に向かって折り返されるように加圧する。
上記構成では、複数のコアシートの積層方向の一端に位置するコアシートのティース部は、バリが他のコアシート側に向かって折り返され、請求項1に係る電機子を製造することができる。したがって、従来とは異なる方法で、積層コアの角部からバリが外側に向かって突出することを抑制して、絶縁材料の塗布量が多くなることを抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、プレス加工された複数のコアシートを積層する積層工程と、前記複数のコアシートを積層方向に加圧する加圧工程と、前記積層されたコアシートに絶縁膜を形成する膜形成工程とを備える回転電機の電機子の製造方法であって、前記積層工程では、前記複数のコアシートを、前記プレス加工により生じたバリが積層方向の一端側の面に位置するように積層し、前記加圧工程では、前記積層方向における前記一端に位置する第1コアシートにおいて前記電機子のティースに対応するティース部のバリが積層方向と直交する方向に向かって延びるように加圧し、前記第1コアシートは前記電機子のティースに対応するティース部の幅が隣接する第2コアシートのティース部の幅よりも短く、前記バリの先端が前記第2コアシートのティース部の縁部よりも内側に位置するように加圧される。
上記構成では、第1コアシートのティース部のバリが積層コアの積層方向と直交する方向に延びるように加圧され、請求項3に係る電機子を製造することができる。したがって、従来とは異なる方法で、積層コアの角部からバリが外側に向かって突出することを抑制して、絶縁材料の塗布量が多くなることを抑制することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の発明において、前記電機子は、ロータコアを有するものであり、前記各コアシートは、軸孔を有するシート中央部と、前記シート中央部から放射線状に延びる複数のティース部とを備え、前記加圧工程では、前記積層されたコアシートの軸孔に回転軸を圧入する。
上記構成では、積層されたコアシートに回転軸を圧入する工程と、積層方向の一端側に位置するコアシートのバリを加圧により変形させる工程とが同時に行われる。したがって、回転軸の圧入工程と、バリを変形させるための工程とを個別に行う必要がなく、製造工程の簡略化を図ることができる。
本発明によれば、従来とは異なる方法で、積層コアの角部において、コアシートのバリが突出することを抑制して、絶縁膜を形成するための絶縁材料の塗布量を低減することができる。
第1実施形態に係るロータコアに巻線を巻き付けた状態を示す平面図。 第1実施形態に係るロータコアを示す平面図。 第1実施形態に係る積層コアを示す斜視図。 図2のIV−IV線における端面図。 第1実施形態に係るロータコアの製造方法において、積層工程における積層コアを示す端面図。 第1実施形態に係るロータコアの製造方法において、加圧工程における積層コアを示す斜視図。 第1実施形態に係るロータコアの製造方法において、加圧工程における加圧機構のティース加圧部と積層コアのティース部を示す端面図。 第2実施形態に係るロータコアを示す平面図。 (a)及び(b)は、図8のIX−IX線における端面図。 (a)及び(b)は、第2実施形態及び従来のロータコアにおける絶縁膜の各部位の厚みを示すグラフ。 第3実施形態に係るロータコアにおいて、ティースに対応する部位の端面図。 第3実施形態に係るロータコアにおいて、加圧機構と積層コアのティース部を示す端面図。 他の実施形態に係るロータコアのティースに対応する部位の端面図。 従来の電機子におけるティースに対応する部位の端面図。 従来の電機子におけるティースに対応する部位の端面図。 (a)別例におけるステータコアに巻線を装着した状態を示す一部断面平面図。(b)別例におけるステータコア及びセグメント巻線を説明するための模式図。
(第1実施形態)
以下、本発明の回転電機の電機子を、ロータコアを有するものに具体化した第1実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1に、本実施形態に係るロータコアを示す。図1に示すように、ロータコア10は、平面視が略円形状のロータ中央部11と、同ロータ中央部11から放射線状に延びる8個のティース12と、ティース12の先端に位置する平面視が略楕円形状の先端部13とを備えている。ロータ中央部11には、中央に軸挿入孔11aが形成されており、この軸挿入孔11aには回転軸14が圧入されている。また、ティース12では、巻線15が、ティース12が延びる方向と直交する方向に巻き付けられている。
図2は、ロータコア10から巻線15を取り除いた状態を示す平面視である。ロータコア10は、詳細には、積層コア20と、積層コア20の表面を被覆する絶縁膜21とを備えている。
図3は、積層コア20を示す斜視図である。図3に示すように、積層コア20は、略同一形状のコアシート22が複数枚積層されてなる。なお、図3では、積層コア20を構成するコアシート22が、紙面上下方向に積層されている。したがって、以下では、便宜上、積層方向の一端側を上側とし、積層方向の他端側を下側として説明するが、これらの記載は本発明に係る電機子の積層コアの積層方向を限定するものではない。
各コアシート22は、プレス加工により成形されている。各コアシート22は、ロータコア10の形状に対応しており、ロータ中央部11に対応するシート中央部23と、シート中央部23の中央から放射線状に延びるティース部24と、ティース部24の先端に形成されたシート先端部25とを備えている。シート中央部23の中央には、コアシート22を貫通する軸孔23aが形成されている。各シート先端部25には、上面に嵌合凹部25aが形成されており、その裏側の面(下面)に図示しない嵌合凸部が形成されている。積層コア20において上下に隣接し合うコアシート22は、上側のコアシート22の嵌合凸部が下側のコアシート22の嵌合凹部25aに嵌ることで結合されている。これにより、複数枚のコアシート22が結合されている。
図4に、図2のIV‐IV線における断面構造を示す。図4に示すように、複数のコアシート22は、詳細には、積層コア20の積層方向における上端に位置する第1コアシート22aと、第1コアシート22a以外の第2コアシート22bとに分類することができる。図4に示すように、本実施形態では、全てのコアシート22a,22bは、プレス加工により発生したバリ26a,26bが、各コアシート22a,22bの上側に位置するように積層されている。そして、第1コアシート22aでは、バリ26aが、下方に向かって折り返されており、第2コアシート22bのバリ26bは、上側に向かって延びている。これにより、各コアシート22a,22bでは、バリ26a,26bが、積層方向における同じ上側に位置しているものの、第1コアシート22aのバリ26aは、上側に向かう方向には突出してはいない。したがって、ロータコア10では、積層コア20の絶縁性を確保するために、絶縁膜21の膜厚をバリの突出高さ分だけ厚くする必要がなく、絶縁膜21の厚みが、図14に示した絶縁膜84の厚みよりも薄くなっている。
次に、ロータコア10の製造方法を、図5〜図7を参照して説明する。
ロータコア10を製造するにあたっては、先ず、図5に示すように、複数枚のコアシート22a,22bを積層する積層工程が行われる。図5に示すように、第1コアシート22aと複数枚の第2コアシート22bとは同じ形状であり、各コアシート22a,22bは、バリ26a,26bが上側に位置するように積層される。この積層工程では、各コアシート22a,22bのバリ26a,26bは上側に向かって突出している。
次に、積層したコアシート22をその積層方向に加圧することで、上下に隣接し合うコアシート22の嵌合凹部25aに嵌合凸部を嵌めこみ、各コアシート22を結合して積層コア20を形成する。
次に、図6に示すように、加圧工程を行う。加圧工程では、積層コア20における各コアシート22の軸孔23aに回転軸14を圧入する。また、第1コアシート22aのバリ26aを、図5に示すように先端が上方に向かって延びる状態から、図4に示すように先端が下方に向かって延びる状態となるように折り返す。
加圧工程では、図6に示す加圧装置30が用いられる。加圧装置30は、積層コア20を載置して支持する載置台31と、積層コア20を加圧する加圧機構33とを備えている。載置台31は、平面視が積層コア20の平面視よりも一回り大きい円形状であり、中央部に回転軸14が挿入されて同回転軸14を支持するための軸支持穴32が形成されている。
また、加圧機構33は、平面視が各コアシート22a,22bよりも一回り大きく同じ形状である。すなわち、加圧機構33は、コアシート22a,22bのシート中央部23に対応する略円柱状の中央加圧部34と、中央加圧部34の下寄りの部位から放射線状に延びる8個のティース加圧部36と、ティース加圧部36の先端に設けられる先端加圧部37とを備えている。中央加圧部34の下面には、回転軸14を保持するための軸保持穴35が形成されている。また、中央加圧部34、ティース加圧部36及び先端加圧部37の下端には、その周縁部から下方に延びるバリ折曲部34a,36a,37aが形成されている。
図6に示すように、加圧機構33は、矢印Aの方向に下方に向かって加圧されることにより、中央加圧部34に保持されている回転軸14が、積層コア41のコアシート22a,22bの軸孔23aに圧入される。図6に示す状態から、加圧機構33をさらに矢印Aに示す方向に加圧すると、加圧機構33が積層コア20の第1コアシート22aの上面に接する状態となる。図7に示すように、第1コアシート22aの上面に、加圧機構33が接した状態では、第1コアシート22aの側面が加圧機構33の各バリ折曲部34a,36a,37aに覆われた状態となる。そして、この状態で、加圧機構33が矢印Aに示す方向にさらに加圧されることにより、回転軸14が積層コア20における各コアシート22の軸孔23aに圧入されて、積層コア20に固定される。また、第1コアシート22aの周縁部のバリ26aが、上方に向かって延びていた状態から下方に向かって延びるように折り曲げられ、図4に示す状態となる。
その後、積層コア20を加圧装置30から取り外し、積層コア20の表面に絶縁膜21を形成する膜形成工程を行う。膜形成工程では、積層コア20の表面に粉末の絶縁材料を塗布した後に加熱融解して硬化させる。本実施形態では、第1コアシート22aのバリ26aが下方に向かって折り曲げられており、上方に向かって突出していないため、バリが上方に向かって突出している場合と比べて、積層コア20の絶縁性を確保するための絶縁材料の塗布量を低減することができる。以上のようにして、積層コア20の表面に絶縁膜21が形成されたロータコア10が製造される。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)本実施形態のロータコア10では、積層コア20の表面に絶縁膜21が形成されている。積層コア20は、プレス加工されたコアシート22a,22bのバリ26a,26bが上側に位置するように上下方向に積層され、上端に位置する第1コアシート22aでは、バリ26aが下方(第2コアシート22b側)に向かって折り返されている。これにより、上端に位置する第1コアシート22aのバリ26aが上方に向かって突出することを抑制することができる。また、第1コアシート22aのバリ26aは折り返されているために、積層コア20の横方向(積層方向と直交する方向)に若干突出した形状とはなるものの、バリ26aの先端は下方に向かって延びているため、横方向への突出はさほど大きくない。このようにして、積層コア20の上端に位置する第1コアシート22aのバリ26aを折り曲げるだけで、このバリ26aが積層コア20の角部から外側に向かって突出することを抑制することができる。したがって、従来とは異なる方法で、絶縁膜21を形成するための絶縁材料の塗布量を低減することができる。
(2)本実施形態のロータコア10では、加圧工程で、コアシート22a,22bが積層された積層コア20の軸孔23aに回転軸14を圧入する工程と、第1コアシート22aのバリ26aを加圧により変形させる工程とが同時に行われる。したがって、回転軸14の圧入と、バリ26aを変形させる工程とを個別に行う必要がなく、製造工程の簡略化を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のロータコアについて、図8〜図10を参照して説明する。
図8に示すように、本実施形態のロータコア40では、積層コア41の表面に絶縁膜42が形成されている。そして、図8及び図9に示すように、積層コア41では、1枚の第1コアシート43aと、複数枚の第2コアシート43bと、1枚の第3コアシート43cが積層されている。
図8及び図9に示すように、第1コアシート43aは、ティース部44aの幅(ティース部44aの延設方向と直交する方向であって、図9の紙面横方向)が、第2コアシート43bのティース部44bの幅よりも短くなっている。そして、第1コアシート43aのティース部44aの縁部が、第2コアシート43bのティース部44bの縁部よりも内側に位置している。また、図9(a)に示すように、第3コアシート43cは、ティース部44cの幅が第1コアシート43aのティース部44aの幅と同じ長さであり、その縁部が第2コアシート43bのティース部44bの縁部よりも内側に位置している。
すなわち、積層コア41では、積層方向の両端に位置する第1コアシート43aと第3コアシート43cのティース部44a,44cの幅が、第2コアシート43bのティース部44bの幅よりも短く、積層方向と直交する方向において内側に位置している。本実施形態では、こうした形状の積層コア41の表面に絶縁膜42が形成されるため、ロータコア40のティースの角部がR形状となっている。
図9(b)は、図9(a)の一点鎖線で示す領域を拡大して示している。図9(b)に示すように、第1コアシート43aのティース部44aでは、第1実施形態と同様に、バリ46aの先端が下方に延びるように折り返されている。第1コアシート43aのティース部44aでは、バリ46aが折り返されているため、このバリ46aが横方向に若干突出した状態とはなるものの、このバリ46aは、第2コアシート43bのティース部44bの縁部よりも内側に位置している。また、これらの構成により、絶縁膜42では、積層コア41の角部に対応する部位42aが第1コアシート43aのバリ46aと、第1コアシート43aと隣接する第2コアシート43bとのバリ46bとに挟持された状態となっている。
この積層コア41は、第1実施形態と同様の方法で製造される。
具体的には、まず積層工程を行い、第3コアシート43cと第1コアシート43aとが積層コア41の両端に位置するように、第1コアシート43aと複数枚の第2コアシート43bと第3コアシート43cとを積層する。そして、加圧工程を行い、積層コア41に回転軸14を圧入するとともに、図9(b)に示すように、第1コアシート43aのバリ46aを、その先端が下方に向かって延びるように折り返す。なお、加圧工程で用いられる加圧機構の形状は、第1コアシート43aの形状に対応する形状となっている。その後、積層コア41の表面に粉末の絶縁材料を塗布して加熱硬化することで、絶縁膜42を形成する膜形成工程を行う。
図10(a)は、本実施形態のロータコア40の絶縁膜42の各部位における厚みを示すグラフである。なお、図10(a)のA,B,C及びDは、図9(a)のA,B,C及びDに示す積層コア41の表面が平坦な部位に形成される絶縁膜42の厚みを示しており、図10(a)のa,b,c及びdは、図9(a)のa,b,c及びdに示す積層コア41の角部に形成される絶縁膜42の厚みを示している。また、図10(b)は、図14に示ような積層コア81に絶縁膜を形成した場合の絶縁膜の厚みを示しており、A’〜D’は積層コア81の平坦部に形成される絶縁膜の厚みを示し、a’〜d’は積層コア81の角部に形成される絶縁膜84の厚みを示している。
本実施形態では、図10(a)に示すように、絶縁膜42の厚みが、積層コア41の表面が平坦な部位では、A〜Dに示すように0.15mm程度となり、角部対応する部位では、a〜dに示すように0.15〜0.2mm程度となっており、積層コア41の角部における絶縁膜42の厚みを平坦な部位の厚みの同等以上とすることができた。これに対し、従来の積層コア81では、A’〜D’に示すように、積層コア81の表面が平坦な部位で絶縁膜84の厚みが0.15mm程度となるように形成すると、角部対応する部位では、a〜dに示すように0.75〜0.1mm程度となり、絶縁膜84の平坦な部位における厚みの半分程度となった。そのため、図14に示す積層コア81では、角部における絶縁膜の膜厚を確保するために、上記したように、絶縁材料を厚塗りする必要があった。これに対して、第2実施形態では、絶縁膜42の厚みを積層コア41の角部における部位においても、積層コア41の平坦な部位に形成される絶縁膜42の膜厚以上の厚みを確保することができた。
また、本実施形態では、このように、絶縁膜42において積層コア41の角部に対応する部位の膜厚が、平坦な部位の厚みより厚くはなっているものの、絶縁膜42を形成するための絶縁材料を従来の60%まで低減することができ、絶縁材料の塗布に要する時間は従来の50%にまで短縮化することができた。
以上詳述した第2実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)及び(2)の作用効果に加えて、以下の(3)〜(5)の作用効果を奏することができる。
(3)本実施形態では、第1コアシート43aのティース部44aが、第2コアシート43bのティース部44bの幅よりも短く形成され、その縁部が図9に示す積層コア41の端面図において第2コアシート43bのティース部44bの縁部よりも内側に位置している。これにより、第1コアシート43aのティース部44aでは、バリ46aが折り返されることにより、そのバリ46aが積層コア41の横方向(積層方向と直交する方向)に若干突出した状態とはなるものの、折り返されるバリ46aが、積層コア41の横方向に向かって他の部位よりも突出することをより好適に抑制することができる。したがって、絶縁膜42を形成するための絶縁材料の塗布量を低減しつつ、角部における絶縁膜42の膜厚を確保することができる。
(4)本実施形態では、第1コアシート43aのバリ46aと、隣接する第2コアシート43bのバリ46bとによって、絶縁膜42における積層コア41の角部に対応する部位を挟持することができる。したがって、積層コア41が絶縁膜42をより強固に保持することができ、積層コア41の表面から絶縁膜42が剥離することを抑制することができる。
(5)本実施形態では第1コアシート43aのティース部44aが第2コアシート43bのティース部44bよりも内側に位置しているため、積層コア41に絶縁膜42を形成した状態では、ロータコア40のティースの角部がR形状となる。したがって、ロータコア40のティースに巻線を巻き付ける際に、角部に巻線がひっかかることを抑制することができ、このひっかかりに起因してティースの角部において絶縁膜42が剥離するといった事態が発生することを抑制することができる。また、ロータコア40の角部がR形状となることから、ティースの角部における巻線のふくらみも低減することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のロータコアについて、図11及び図12を参照して説明する。
図11に示すように、本実施形態のロータコア50では、積層コア51の表面に絶縁膜52が形成されている。そして、積層コア51では、第1コアシート53aと、複数枚の第2コアシート53bと、図示しない第3コアシートが積層されている。本実施形態では、第1コアシート53aのバリ56aの形状が第2実施形態と異なっているが、その他の構成は第2実施形態と同じである。
具体的には、図11に示すように、本実施形態では、第1コアシート53aのティース部54aのバリ56aが、コアシート53a,53bの積層方向と直交する方向(図11の紙面横方向)に延びている。第1コアシート53aでは、バリ56aが横方向に向かって延びているため、このバリ56aが横方向に突出した状態とはなっているものの、バリ56aの先端は、第2コアシート53bのティース部54bの縁部よりも内側に位置している。また、このようなバリ56aの形状により、絶縁膜52は、積層コア51の角部に対応する部位52aが、第1コアシート53aのバリ56aと、第1コアシート53aと隣接する第2コアシート53bとのバリ56bとで挟持されている。
この積層コア51は、上記各実施形態と同様の方法で製造される。
まず、積層工程を行い、第1コアシート53a、複数枚の第2コアシート53b、及び第3コアシートを積層する。そして、加圧工程において、積層コア51に回転軸を圧入する。ここで、本実施形態では、上記各実施形態と異なり、加圧工程に用いられる加圧装置の加圧機構57の形状が上記各実施形態と異なり、加圧機構57の下端は、周縁部が下方に延びておらず平坦な形状となっている。したがって、図12の矢印Aの方向に加圧機構57が加圧されることで、第1コアシート53aのバリ56aは、図11に示すように、積層コア51におけるコアシート53a,53bの積層方向と直交する方向に向かって延びるように折り曲げられる。その後、積層コア51の表面に粉末の絶縁材料を塗布して加熱硬化させ絶縁膜52を形成する膜形成工程を行う。
以上詳述した第3実施形態によれば、上記第1実施形態の(2)と同様の作用効果と、第2実施形態の(4)及び(5)と同様の作用効果と、以下の(6)の効果を奏することができる。
(6)本実施形態のロータコア50では、積層コア51において、バリ56a,56bが上側に位置するように、各コアシート53a,53bが上下に積層されており、上端に位置する第1コアシート53aでは、バリ56aが横方向(積層方向と直交する方向)に向かって延びている。これにより、積層コア51において、上端に位置する第1コアシート53aのバリ56aが、積層コア51の上側に向かって突出することを抑制することができる。
また、第1コアシート53aのティース部54aでは、バリ56aが、積層方向と直交する方向に向かって延びてはいるものの、その先端が第2コアシート53bのティース部54bの縁部よりも内側に位置している。そのため、積層コア51では、第1コアシート53aのバリ56aの先端が第2コアシート53bのティース部54bの縁部よりも横方向に突出することを抑制することができる。
このようにして、積層コア51の上端に位置する第1コアシート53aのバリ56aを折り曲げるだけで、このバリ56aが積層コア20の角部から外側に向かって突出することを抑制することができる。したがって、従来とは異なる方法で、絶縁膜52を形成するための絶縁材料の塗布量を低減することができる。
(その他の実施形態)
・上記各実施形態では、絶縁膜を積層コアの全表面に形成するようにしたが、絶縁膜は、ティース部にのみ、又はティース部及びその周辺のみに形成するようにしてもよい。このような場合でも、ロータコアの積層コアと、ロータコアのティースに巻き付けられる巻線とを絶縁することができる。
・上記第2及び第3の実施形態では、第1コアシート及び第3コアシートのティース部における幅を、第2コアシートのティース部における幅よりも短くするようにしている。しかしながら、第1コアシート及び第3コアシートは、ティース部のみならず全体的に第2コアシートよりも小さい形状としてもよい。すなわち、第1コアシート及び第3コアシートでは、シート中央部及びシート先端部の大きさも、第2コアシートのシート中央部及びシート先端部よりも小さくするようにしてもよい。
・上記第2及び第3の実施形態では、積層コアの両端部に位置するコアシートのみをティース部の幅を中央部のティース部の幅よりも短くするようにしている。しかしながら、図13に示すように、ロータコア60を積層コア61の表面に絶縁膜62を形成することで構成し、積層コア61の両端側に位置するコアシート63ほどティース部の幅が徐々に短くなり、その縁部が内側に位置するようにしてもよい。そして、このような積層コア61において、積層方向の一端に位置するコアシート63aのバリを、その先端が積層方向の一端から他端に向かう方向に折り曲げたり、積層方向と直交する方向に延びるように変形させたりするようにしてもよい。
・上記第2及び第3実施形態では、積層コアの両端のコアシートのティース部の幅を積層方向の内側に位置するコアシートのティース部の幅よりも狭くしているが、各コアシートにおいてバリが位置する側である一端側のコアシートのみにおいて、ティース部の幅を狭くするようにしてもよい。
・上記各実施形態では、ロータコアの積層コアに回転軸を圧入する工程と、積層コアの一端に位置するコアシートのバリを加圧による変形させる工程とを同時に行うようにしている。しかしながら、回転軸を圧入する工程とコアシートのバリを変形させる工程とを別々に行うようにしてもよい。また、ロータコアの積層コアにおいて、隣接し合うコアシートの嵌合凹部に嵌合凸部を嵌める加圧を行う際に、一端に位置するコアシートのバリを変形させるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、回転電機の電機子として、ロータコアを有するものに本発明を適用するようにしているが、ステータコアを有するものに本発明を適用するようにしてもよい。
例えば、回転電機の電機子として、図16に示すようなインナーロータ型ブラシレスモータにおけるステータコア71を有したもの(ステータ)に適用してもよい。
詳しくは、図16(a)に示すように、ステータコア71は、円筒部72aと円筒部72aから径方向内側に延びて周方向に複数(この例では60個)設けられるティース72bとを有する積層コア72を備える。そして、ティース72b間のスロットSには、図16(b)に模式的に示すように、導体板が折り曲げ加工されてなり、略U字状に形成された複数(図中、1つのみ図示する)のセグメント導体73が軸方向から嵌入されている。そして、例えば異なるスロットSに嵌入されたセグメント導体73の端部(スロットSを貫通した先端部)同士が当接するように折曲げられて(図中、2点鎖線及び矢印参照)それらが電気的に接続されることなどにより巻線としてのセグメント巻線74が構成されている。このように、ティース72bにセグメント巻線74(巻線)が装着されるものに対して上記した各実施形態の構成を適用してもよいし、上記した製造方法を適用して製造するようにしてもよい。尚、図16(a),(b)は、電機子のタイプを説明するためのものであり、絶縁膜等の図示が省略されている。このようなものにおいても、上記構成や製造方法を適用することで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
10,40,50,60…ロータコア、11…ロータ中央部、11a…軸挿入孔、12,72b…ティース、13…先端部、14…回転軸、15…巻線、20,41,51,61,81,91…積層コア、21,42,52,62,84…絶縁膜、22,63,82,92,92a…コアシート、22a,43a,53a,62a…第1コアシート、22b,43b,53b…第2コアシート、23…シート中央部、23a…軸孔、24,44,44a,44b,44c,54a,54b…ティース部、25…シート先端部、25a…嵌合凹部、26a,26b,46a,46b,56a,56b,86…バリ、30…加圧装置、31…載置台、32…軸支持穴、33,57…加圧機構、34…中央加圧部、34a,36a,37a…バリ折曲部、35…軸保持穴、37…先端加圧部、42…絶縁膜、43c…第3コアシート、74…セグメント巻線(巻線)、80,90…電機子、S…スロット。

Claims (8)

  1. ティースに巻線が装着される回転電機の電機子であって、
    プレス加工されたコアシートが複数枚積層された積層コアと、
    前記積層コアの少なくとも前記ティースに対応する部位を被覆する絶縁膜とを備え、
    前記各コアシートでは、前記プレス加工により発生したバリが前記積層コアの積層方向における一端側に位置しており、
    前記積層コアにおいて前記積層方向の前記一端に位置するコアシートでは、前記ティースに対応するティース部におけるバリが前記積層方向の他端側に向かって折り返されている
    ことを特徴とする回転電機の電機子。
  2. 前記巻線は、前記ティースに巻き付けられるものであることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の電機子。
  3. 前記巻線は、前記ティース間のスロットに軸方向から嵌入された複数のセグメント導体同士が電気的に接続されて構成されるセグメント巻線であることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の電機子。
  4. 前記一端に位置するコアシートでは、前記ティース部の幅が他のコアシートのティース部の幅よりも短く形成されて、前記ティース部のバリが前記積層コアの積層方向に沿った断面視で前記他のコアシートのティース部の縁部よりも内側に位置している
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転電機の電機子。
  5. ティースに巻線が装着される回転電機の電機子であって、
    プレス加工されたコアシートが複数枚積層された積層コアと、
    前記積層コアの少なくとも前記ティースに対応する部位を被覆する絶縁膜とを備え、
    前記各コアシートでは、前記プレス加工により発生したバリが前記積層コアの積層方向における一端側に位置しており、
    前記積層コアにおいて前記積層方向の前記一端に位置するコアシートでは、前記ティースに対応するティース部のバリが前記積層方向とほぼ直交する方向に向かって延びているとともに、前記ティース部の幅が他のコアシートのティース部の幅よりも短く形成されて、前記ティース部のバリの先端が前記積層コアの積層方向に沿った断面視で前記他のコアシートのティース部の縁部よりも内側に位置している
    ことを特徴とする回転電機の電機子。
  6. プレス加工された複数のコアシートを積層する積層工程と、前記複数のコアシートを積層方向に加圧する加圧工程と、前記積層されたコアシートに絶縁膜を形成する膜形成工程とを備える回転電機の電機子の製造方法であって、
    前記積層工程では、前記複数のコアシートを、前記プレス加工により生じたバリが積層方向の一端側の面に位置するように積層し、
    前記加圧工程では、前記積層方向における前記一端に位置するコアシートにおいて前記電機子のティースに対応するティース部のバリが前記積層方向の他端側に向かって折り返されるように加圧する
    ことを特徴とする回転電機の電機子の製造方法。
  7. プレス加工された複数のコアシートを積層する積層工程と、前記複数のコアシートを積層方向に加圧する加圧工程と、前記積層されたコアシートに絶縁膜を形成する膜形成工程とを備える回転電機の電機子の製造方法であって、
    前記積層工程では、前記複数のコアシートを、前記プレス加工により生じたバリが積層方向の一端側の面に位置するように積層し、
    前記加圧工程では、前記積層方向における前記一端に位置する第1コアシートにおいて前記電機子のティースに対応するティース部のバリが積層方向と直交する方向に向かって延びるように加圧し、前記第1コアシートは前記電機子のティースに対応するティース部の幅が隣接する第2コアシートのティース部の幅よりも短く、前記バリの先端が前記第2コアシートのティース部の縁部よりも内側に位置するように加圧される
    ことを特徴とする回転電機の電機子の製造方法。
  8. 前記電機子は、ロータコアを有するものであり、
    前記各コアシートは、軸孔を有するシート中央部と、前記シート中央部から放射線状に延びる複数のティース部とを備え、
    前記加圧工程では、前記積層されたコアシートの軸孔に回転軸を圧入する
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の回転電機の電機子の製造方法。
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