JP6633212B2 - 積層鉄心、積層鉄心の製造方法、および積層鉄心を用いた電機子 - Google Patents

積層鉄心、積層鉄心の製造方法、および積層鉄心を用いた電機子 Download PDF

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Description

この発明は、コア片を積層して構成される積層鉄心、積層鉄心の製造方法。および積層鉄心を用いた電機子に関するものである。
近年,電動機、発電機などの回転電機には、小型高出力化が求められている。回転電機に用いられる電機子鉄心を電磁鋼板の積層体である積層鉄心により構成することで、電機子鉄心に生じる渦電流を抑制して高効率化を図ることが、広く知られている。積層された電磁鋼板を固定する手段として、電磁鋼板同士をかしめる方法又は溶接する方法があるが、固定部分で電磁鋼板間が積層方向に電気的に短絡するため、渦電流が発生して効率が悪化する問題があった。また、かしめた部分又は溶接部には残留応力が生じるため、ヒステリシス損が増加して、回転電機の効率が悪化する問題があった。
これらの問題を解決する方法として、電磁鋼板同士を接着により固着する方法が知られている。
特許文献1に記載の積層鉄心の製造方法では、電磁鋼板の積層体を締め付けて固定した状態で、積層体の側面に接着剤を塗布、硬化して仮止めし、その後に熱硬化型接着剤を電磁鋼板間に含浸、硬化させていた。電磁鋼板間に接着剤を含浸させる前に、積層体を接着剤で仮固定することで、電磁鋼板の整列性を向上させていた。また、仮固定された積層体を保持する治具にフッ素樹脂コーティングを施すことで、治具に付着する接着剤の離型性を向上させていた。
特開2003−324869号公報
しかしながら、特許文献1に記載の積層鉄心の製造方法では、仮止め工程と含浸工程の2工程で接着剤を塗布する必要があり、生産性が悪化する問題があった。仮止め工程では、電磁鋼板の積層体の側面に接着剤を均一な厚みに塗布することが難しく、接着強度が安定しない問題があった。また、含浸工程では、仮止めされた積層体を保持する治具に接着剤が付着するため、接着剤を除去する工程が必要となり、製造コストが増加する問題があった。ここで、治具にフッ素樹脂をコーティングして、治具の離型性を高めることで、治具に付着した接着剤を数回程度は、容易に除去することができる。しかし、実際には、積層鉄心を繰り返し生産すると、治具の離型性が悪化するため、フッ素樹脂を頻繁にコーティングしなおす必要があり、生産性が悪化する問題があった。
また、含浸工程では、含浸した接着剤が積層体の側面からはみだしてしまう。そこで、積層体の側面同士を当接させて、積層体を環状に配列して電機子鉄心を組み立てる際に、積層体の当接面にはみだした接着剤により組立精度が安定せず、組立精度が低下し、生産性が悪化する問題があった。
さらに、積層体を構成する電磁鋼板間のすべてに接着剤を充填する必要がある。回転電機などに用いられる一般的な積層体の電磁鋼板の積層枚数が数百枚にも及ぶことを考慮すると、数百か所の電磁鋼板間のすべてに接着剤を含浸する必要があり、生産性が悪化する問題があった。また、電磁鋼板間の隙間にバラツキが生じやすく、数百カ所のうち1か所でも接着強度の弱い箇所があると強度不足となる。そこで、必要な接着強度を確保するために、管理コストが増加する問題があった。接着強度が不足する場合には、接着剤の量を増やさざるをえず、積層体の側面から接着剤がはみだすことで設備に付着し、メンテナンスコストが増加する問題があった。
この発明は、生産性に優れ、安価な積層鉄心、その積層鉄心の製造方法、その積層鉄心を用いた電機子を提供することを目的とする。
この発明による積層鉄心の製造方法は、磁性材からなるコア片を積層して構成され、コアバック部および該コアバック部の内周面から径方向内方に突出するティース部を有する積層体と、前記ティース部の両側部に配設された絶縁部材と、を備える積層鉄心の製造方法であって、前記コア片を磁性材の帯状体から打ち抜く工程と、打ち抜かれた前記コア片を整列しつつ積層して前記積層体とする整列工程と、前記整列工程の後に、前記積層体の前記ティース部の周方向の両側面に接着剤および粘着剤の少なくとも一方を取り付ける接合剤取付工程と、前記絶縁部材を前記ティース部の前記両側面に貼り付ける絶縁部材貼付工程と、前記絶縁部材を前記積層体の前記ティース部の前記両側面に押し付けて、前記ティース部の前記両側面と前記絶縁部材との間に配設された前記接着剤および前記粘着剤の少なくとも一方により、前記積層体を一体化するとともに、前記絶縁部材を前記積層体に固定する接合工程と、を有する。
この発明によれば、絶縁部材を積層体のティース部の各側面に押し付けて、ティース部の各側面と絶縁部材との間に配設された接着剤および粘着剤の少なくとも一方により、積層体を一体化している。そこで、積層体を構成するコア片間の全てを接合する従来の製造方法に比べて、接合カ所が、ティース部の各側面と絶縁部材との間の2カ所となり、生産性が向上される。
また、絶縁部材によりティース部の側面に押し付けられることで、ティース部の側面と絶縁部材との間に配設された接着剤および粘着剤の少なくとも一方の膜厚が均一化されるので、接合強度のばらつきが抑制される。これにより、必要な接合強度を確保するための管理コストが低減される。
絶縁部材を介して接着剤および粘着剤の少なくとも一方をティース部の側面に押し付けているので、接着剤および粘着剤の少なくとも一方が治具に付着せず、メンテナンスコストが低減される。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子を示す一部破断端面図である。 図3のA部拡大図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線を構成するコイルの装着状態を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線を構成するコイルを軸方向外方から見た端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線を構成するコイルを径方向内方から見た正面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線を構成するコイルを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリに積層鉄心を装着する工程を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリに積層鉄心を装着した状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリが装着された積層鉄心を外周コアに装着した状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における積層鉄心を軸方向外方から見た端面図である。 図13のA−A矢視断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における積層鉄心を示す斜視図である。 図14のB部拡大図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における積層鉄心の剛性が高い場合に内側コアに発生する不具合を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における積層鉄心の剛性が小さい場合の内側コアを示す模式図である。 絶縁部材を貼り付ける前の分割コアを積層方向外方から見た端面図である。 絶縁部材を貼り付ける前の分割コアを示す側面図である。 絶縁部材を貼り付ける前の分割コアの移動を規制部材で規制した状態を示す端面図である。 絶縁部材を貼り付ける前の分割コアの移動を規制部材で規制した状態を示す側面図である。 分割コアに接着剤を塗布する工程を説明する端面図である。 分割コアに絶縁部材を装着する工程を説明する端面図である。 図24のA−A矢視断面図である。 積層鉄心の製造装置を打ち抜き方向から見た模式図である。 積層鉄心の製造装置を打ち抜き方向と直交する方向から見た模式図である。 積層鉄心の製造方法を説明するフローである。 絶縁部材に接着剤を塗布した状態を示す平面図である。 図29のA−A矢視断面図である。 図29のB−B矢視断面図である。 接着剤がティース部の側面に不均一に塗布された状態を示す要部断面図である。 接着剤がティース部の側面に均一な膜厚に塗布された比較例の積層鉄心を示す要部断面図である。 接着剤がティース部の側面に均一な膜厚に塗布された比較例の積層鉄心の積層方向の端部における破壊モードを示す要部断面図である。 この発明の実施の形態1に係る積層鉄心を示す要部断面図である。 この発明の実施の形態1に係る積層鉄心の積層方向の端部における第1の破壊モードを示す要部断面図である。 この発明の実施の形態1に係る積層鉄心の積層方向の端部における第2の破壊モードを示す要部断面図である。 この発明の実施の形態1に係る積層鉄心の積層方向の端部における第3の破壊モードを示す要部断面図である。 接着剤がティース部の側面に均一な膜厚に塗布された比較例の積層鉄心の積層方向の中央部における破壊モードを示す要部断面図である。 この発明の実施の形態1に係る積層鉄心の積層方向の中央部における第4の破壊モードを示す要部断面図である。 この発明の実施の形態1に係る積層鉄心の積層方向の中央部における第5の破壊モードを示す要部断面図である。 鉤部が形成されていない比較例の積層鉄心における放電経路を説明する要部断面図である。 鉤部が形成されている積層鉄心における放電経路を説明する要部断面図である。 鉤部が形成されている積層鉄心における放電経路を説明する要部断面図である。 この発明の実施の形態2に係る積層鉄心を示す端面図である。 図45のC−C矢視断面図である。 この発明の実施の形態2に係る分割コアを構成する第1コア片を示す平面図である。 この発明の実施の形態2に係る分割コアを構成する第2コア片を示す平面図である。 図46のB部拡大図である。 図45のD−D矢斜断面図である。 この発明の実施の形態3に係る分割コアを示す要部断面図である。 この発明の実施の形態4に係る積層鉄心を示す端面図である。 図52のA−A矢視断面図である。 この発明の実施の形態4に係る積層鉄心を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る積層鉄心にコイルを巻装した状態を示す端面図である。 この発明の実施の形態4に係る積層鉄心にコイルを巻装した状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態4に係る積層鉄心にコイルを巻装した状態を示す端面図である。 この発明の実施の形態5に係る積層鉄心を用いた電機子を示す端面図である。 この発明の実施の形態5に係る積層鉄心を用いた電機子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態5に係る積層鉄心にコイルを装着した状態を示す平面図である。 この発明の実施の形態5に係る積層鉄心にコイルを装着した状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機における積層鉄心を軸方向外方から見た端面図である。 図62のX−X矢視断面図である。 この発明の実施の形態7に係る回転電機における積層鉄心の姿勢保持部を除去する前の状態を軸方向外方から見た端面図である。 この発明の実施の形態7に係る回転電機における積層鉄心を軸方向外方から見た端面図である。 この発明の実施の形態8に係る回転電機における積層鉄心の姿勢保持部を除去する前の状態を軸方向外方から見た端面図である。 この発明の実施の形態7に係る回転電機における積層鉄心を軸方向外方から見た端面図である。 この発明の実施の形態9に係る積層鉄心の製造方法を説明するフロー図である。 この発明の実施の形態9に係る積層鉄心の製造装置を打ち抜き方向から見た模式図である。 この発明の実施の形態9に係る積層鉄心の製造装置を打ち抜き方向と直交する方向から見た模式図である。 この発明の実施の形態10に係る積層鉄心の製造方法における分割コアをリング部材に一円状に配設した状態を示す端面図である。 この発明の実施の形態10に係る積層鉄心の製造方法における絶縁部材加圧部材を装着する工程を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態10に係る積層鉄心の製造方法における絶縁部材加圧部材を装着した状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態10に係る積層鉄心の製造方法における絶縁部材加圧部材を装着した状態を示す要部断面図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の電機子を示す一部破断端面図、図4は図3のA部拡大図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線を構成するコイルの装着状態を説明する模式図、図6はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線を構成するコイルを軸方向外方から見た端面図、図7はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線を構成するコイルを径方向内方から見た正面図、図8はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における電機子巻線を構成するコイルを示す斜視図である。なお、図2では、便宜上ハウジングを省略している。また、回転軸の軸心と平行な方向を軸方向(図1中上下方向に相当)、回転軸の軸心と直交する方向を径方向(図1中左右方向に相当)、回転軸を中心として回転する方向を周方向とする。
図1において、回転電機100は、円筒部2aの一側開口を底部2bで塞口した有底円筒状のフレーム2およびフレーム2の開口を塞口するブラケット3を有するハウジング1と、ブラケット3にボルト9により締結されてフレーム2の円筒部2a内に収納された電機子10と、フレーム2の底部2bおよびブラケット3の軸心位置にベアリング4を介して回転可能に支持された回転軸6と、回転軸6に固着されて電機子10の内周側に回転可能に配設された回転子5と、を備えている。
回転子5は、軸心位置に挿通された回転軸6に固着された回転子鉄心7と、それぞれ、回転子鉄心7の外周面側に埋設されて周方向に設定されたピッチで配列され、磁極を構成する複数の永久磁石8と、を備えた永久磁石型回転子である。なお、回転子5は、永久磁石式回転子に限定されず、絶縁しない回転子導体を、回転子鉄心のスロットに収納して、両側を短絡環で短絡したかご形回転子、又は絶縁した導体線を回転子鉄心のスロットに装着した巻線形回転子を用いてもよい。
つぎに、電機子10の構成について具体的に図2から図8を参照しつつ説明する。
電機子10は、図2に示されるように、電機子鉄心11と、電機子鉄心11に装着された電機子巻線20と、電機子巻線20と電機子鉄心11とを電気的に隔離する絶縁部材14と、を備えている。電機子巻線20は、複数のコイル21により構成されている。ここで、説明の便宜上、極数を8極、電機子鉄心11のスロット数を48個、電機子巻線20を三相巻線とする。すなわち、スロットは、毎極毎相当たり2個の割合で電機子鉄心11に形成されている。
電機子鉄心11は、図3および図4に示されるように、円環状の外側コア29と、外側コア29の内周側に収納された内側コア30と、を備える。ボルト9が貫通される取付穴12が穴方向を軸方向として外側コア29に形成されている。内側コア30は、48個の分割コア31を備える。分割コア31は、円弧状のコアバック部31aと、コアバック部31aの内周壁面の周方向の中央部から径方向内方に突出するティース部31bと、からなるT字状に構成されている。48個の分割コア31が、コアバック部31aの側面同士を突き合わせて円環状に配列されて、圧入、焼き嵌めなどにより外側コア29内に収納、保持されている。48個の分割コア31が円環状に配列されて、内側コア30を構成している。コアバック部31aと周方向に隣り合うティース部31bとに囲まれた領域が、スロット13となる。絶縁部材14が、スロット13内に収納され、コイル21と内側コア30とを,すなわちコイル21と電機子鉄心11とを電気的に絶縁している。
分割コア31は、設定された枚数の電磁鋼板を積層して作製される。また、外側コア29は、設定された枚数の電磁鋼板を積層して作製されるが、外側コア29は、塊状体でリング状に作製してもよい。外側コア29は、少なくとも内側コア30を固定保持できればよく、磁性材料に限定されず、アルミニウムなどの非磁性材料を用いて作製してもよい。
電機子巻線20は、後述するように、48個のコイル21により構成される。
コイル21は、図7に示されるように、例えば、エナメル樹脂で絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した銅線、アルミニウム線などからなる導体線を、径方向からみて8の字状に巻回した形状に構成された分布巻コイルである。コイル21は、図6〜図8に示されるように、スロット13に収納されるスロット部S1〜S6と、異なるスロット13に収納されるスロット部S1〜S6同士をスロット13の外側で連結するターン部T1−1〜6−1、T1−2〜T6−2と、から構成される。
ここで、図5を用いて、コイル21の構成を具体的に説明する。図5中、1,2,6,7,8,12,13は、周方向の並び順にスロット13に付した番号であり、スロット13に収納された6本のスロット部S1〜S6の径方向位置を内径側から第1層、第2層・・・第6層とする。
コイル21のスロット部S1〜S6は、スロット部S1が7番のスロット13の第1層に収納され、スロット部S2が1番のスロット13の第2層に収納され、スロット部S3が7番のスロット13の第3層に収納され、スロット部S3が13番のスロット13の第4層に収納され、スロット部S5が7番のスロット13の第5層に収納され、スロット部S6が1番のスロット13の第6層に収納される。スロット部S1,S2が、電機子鉄心11の軸方向の他端側で、ターン部T1−1,T2−1により連結されている。スロット部S2,S3が、電機子鉄心11の軸方向の一端側で、ターン部T2−2,T3−2により連結されている。スロット部S3,S4が、電機子鉄心11の軸方向の他端側で、ターン部T3−1,T4−1により連結されている。スロット部S4,S5が、電機子鉄心11の軸方向の一端側で、ターン部T4−2,T5−2により連結されている。スロット部S5,S6が、電機子鉄心11の軸方向の他端側で、ターン部T5−1,T6−1により連結されている。そして、ターン部T1−2がスロット部S1から電機子鉄心11の軸方向の一端側に突出している。さらに、ターン部T6−2がスロット部S6から電機子鉄心11の軸方向の一端側に突出している。
このように、コイル21のスロット部S1〜S6の対は、1磁極ピッチ(本実施例においては6スロット分)周方向に離れたスロット13の対に収納される。コイル21は、1スロットピッチで周方向に配列される。これにより、各スロット13には、3つの異なるコイル21のスロット部S1〜S6が径方向に整然と1列に並んで6本収納されている。具体的には、異なる3つのコイル21を便宜的に第1コイル、第2コイル、第3コイルとすれば、第1コイルのスロット部S1、S3、S5、第2コイルのスロット部S4、第3コイルのスロット部S2,S6が同じスロット13内に、内径側からS1,S2・・・S6の順に1列に並んで収納される。コイル21のターン部T1−2,T6−2が、溶接などの接合手段により、他のコイル21のターン部ターン部T1−2,T6−2、中性点、又は給電部に接続される。
つぎに、電機子10の組立方法を図9から図12を用いて説明する。図9はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリを示す斜視図、図10はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリに積層鉄心を装着する工程を説明する斜視図、図11はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリに積層鉄心を装着した状態を示す斜視図、図12はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における巻線アッセンブリが装着された積層鉄心を外周コアに装着した状態を示す斜視図である。
電機子10を組み立てるには、まず、48本のコイル21を1スロットピッチで環状に配列して、図9に示される籠状の巻線アッセンブリ22を組み立てる。このように組み立てられた巻線アッセンブリ22は、6本のスロット部S1〜S6が径方向に1列に並んで構成されたスロット部列が、1スロットピッチで周方向に48列配列されている。
ついで、後述するように、絶縁部材14を分割コア31のティース部31bの周方向の両側面に、接合剤としての接着剤17を用いて装着し、積層鉄心200を作製する。ついで、図10に示されるように、48個の積層鉄心200を巻線アッセンブリ22の外周側に環状に配列する。積層鉄心200のそれぞれは、ティース部31bを径方向内方に向けて、ティース部31bがスロット部列間の径方向外方に位置している。このとき、巻線アッセンブリ22の径が拡大され、隣り合うスロット部列の間が広げられる。
ついで、48個の積層鉄心200を同時に径方向内方に移動させ、ティース部31bを隣り合うスロット部列の間に挿入する。積層鉄心200の径方向内方への移動と共に、巻線アッセンブリ22の径が縮小される。そして、積層鉄心200のコアバック部31aの周方向の側面同士が突き合わされ、積層鉄心200が、図11に示されるように、巻線アッセンブリ22に装着される。48個の積層鉄心200がコアバック部31aの周方向の側面同士を突き合わせて円環状の内側コア30が構成される。これにより、巻線アッセンブリ22が内側コア30に装着される。ついで、巻線アッセンブリ22が装着された内側コア30を外側コア29内に圧入、焼き嵌めなどにより挿入する。
ついで、コイル21のターン部T1−2,T6−2が、溶接などの接合手段により、他のコイル21のターン部T1−2,T6−2、中性点、又は給電部に接続され、電機子巻線20が構成される。これにより、図12に示されるように、内側コア30が外側コア29内に固定状態に保持された電機子10が組み立てられる。
つぎに、分割コア31の構成を図13から図16を用いて具体的に説明する。
図13はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における積層鉄心を軸方向外方から見た端面図、図14は図13のA−A矢視断面図、図15この発明の実施の形態1に係る回転電機における積層鉄心を示す斜視図、図16は図14のB部拡大図である。
分割コア31は、例えば、電磁鋼板の帯状体であるフープ材から打ち抜かれたT字状のコア片32の積層体である。分割コア31は、円弧状のコアバック部31aと、コアバック部31aの内周面の周方向の中央部から内径側に突出するティース部31bと、からなるT字状に構成されている。絶縁部材14は、長さがティース部31bの軸方向長さより長く、幅がティース部31bの周方向を向く側面の径方向幅より広い矩形のシート材の幅方向の両縁を同じ方向に折り曲げてU字状に作製されている。そして、絶縁部材14は、図13から図15に示されるように、ティース部31bの周方向の両側に配置される。このとき、絶縁部材14の矩形の基部14aがティース部31bの両側面に沿って配置されている。また、絶縁部材14の折り曲げ部14b、14cがティース部31bの先端の鍔部の径方向外側を向く面とコアバック部31aの径方向内側を向く面に沿って配置されている。さらに、絶縁部材14の長さ方向の両端部がティース部31bの軸方向両側に突出している。そして、絶縁部材14が、ティース部31bの両側面に接着剤17により固着され、積層鉄心200が作製される。
接着剤17は、図16に示されるように、ティース部31bと絶縁部材14との間に充填されているとともに、ティース部31bの軸方向の両端面の周方向の両縁部にはみ出している。ここで、ティース部31bと絶縁部材14との間に充填、硬化した接着剤17の部分を接合剤基部としての接着剤基部17aとし、ティース部31bの軸方向の両端面の周方向の両縁部にはみ出して硬化した接着剤17の部分を鉤部17bとする。そして、積層されたコア片32が接着剤基部17aにより固定され、一体化される。また、コア片32の積層方向の外れが鉤部17bにより阻止される。
ここで、絶縁部材14の材質としては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などの電気絶縁性に優れ、かつ熱伝導性に優れる材料が望ましい。電気絶縁性に優れた材料を用いることで、絶縁部材14の厚みを薄くすることができるので、スロット13内のコイル装着のためのスペースを拡大できる。これにより、コイル断面積を増加でき、高効率化の効果がある。また、熱伝導性に優れた材料を用いることで、コイル21から分割コア31への放熱性が向上するため、高出力化の効果がある。絶縁部材14の厚みは、一般的に0.1〜0.3mm程度のものが用いられるが、電機子10に求められる絶縁仕様により任意の厚みとすることができる。
接着剤17は、例えば、2液硬化型の接着剤を用いてもよい。2液硬化型の接着剤は、主剤と硬化促進剤とからなり、主剤としては、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、アクリル系接着剤などが用いられる。2液硬化型の接着剤を用いる場合は、主剤と硬化促進剤の一方を分割コア31に塗布し、他方を絶縁部材14に塗布することが望ましい。このような構成とすることで、製造装置が停止した場合でも、分割コア31と絶縁部材14を貼り合せるまで主剤が硬化しない。そのため、このような構成とした場合、主剤と硬化促進剤とを事前に混ぜてから塗布する場合と比較して、両者を貼り合せ前に主剤が硬化してしまうリスクがなく、接着剤の捨てうちなどの必要がなく、材料歩留りを向上できる効果がある。また、このような構成とした場合、熱プロセスがないため、省エネの効果がある。
接着剤17は、例えば、アクリル系接着剤に代表される嫌気性接着剤を用いてもよい。このような構成とすることで、製造装置が停止した場合でも、分割コア31と絶縁部材14とを貼り合せるまで接着剤が硬化しない。そのため、このような構成とした場合、主剤と硬化促進剤とを事前に混ぜてから塗布する場合と比較して、両者を貼り合せ前に接着剤が硬化してしまうリスクがなく、接着剤の捨てうちなどの必要がなく、材料歩留りを向上する効果がある。また、このような構成とした場合、熱プロセスがないため、省エネの効果がある。
接着剤17は、例えば、エポキシ系接着剤に代表される加熱硬化型の接着剤を用いてもよい。このような構成とすることで、万が一、製造設備に接着剤が付着しても熱を加えるまで固まらない。そのため、このような構成とした場合、ふき取るだけで製造装置に付着した接着剤を除去することができ、メンテナンス性を向上する効果がある。また、加熱硬化型の接着剤は、常温硬化型の接着剤と比較して、耐熱温度を高くすることができるため、耐熱性を向上する効果がある。また、熱硬化型の接着剤は絶縁部材14に含浸またはコーティングしておいてもよい。この場合、接着剤の塗布工程が必要ないため、生産性を向上する効果がある。
接着剤17は、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂などに代表される熱可塑性樹脂を用いてもよい。熱可塑性樹脂を用いる場合は、接着剤を軟化温度以上に熱した状態で分割コア31又は絶縁部材14に塗布し、分割コア31と絶縁部材14を貼り合せた状態で接着剤を硬化させる。熱硬化性樹脂を用いた場合、接着剤が冷えると即座に硬化するため、硬化時間が早く、生産性を向上する効果がある。
なお、粘度の高い接着剤17を用いた場合、コア片32間には接着剤17が含浸されにくいため、接着剤17の塗布量を削減でき、省材料化の効果がある。また、接着剤17が充填されていない部分を設けることで、すなわち接着剤基部17aに空隙部を形成することで、分割コア31の剛性を下げることができる。
また、接着剤17より粘度の低い第2の接着剤を接着剤17と併用してもよい。第2の接着剤の粘度を、コア片32の積層方向に相対する面間に含浸できる粘度に調整することで、第2の接着剤がコア片32の積層方向に相対する面間に含浸される。これにより、コア片32の積層方向に相対する面間が接着され、分割コア31の剛性が向上し、振動および騒音をさらに抑制する効果がある。
ここで、電機子鉄心11は、コアバック部31aの周方向の側面同士を突き合わせて積層鉄心200を円環状に配列して構成された内側コア30を、外側コア29内に圧入、焼き嵌めなどにより装着して作製される。このとき、分割コア31の作製時に、コア片32の積層方向における整列性が悪いと、コアバック部31aの周方向の側面が凹凸となる。このように作製された積層鉄心200を円環状に配列して内側コア30を作製した場合、図17に示されるように、コアバック部31aの周方向の側面同士の突き合わせ部に隙間Gが生じる。
積層鉄心200の剛性が高い場合、内側コア30を外側コア29に装着しても、当該隙間Gが残ってしまう。一方、積層鉄心200の剛性を下げた場合、内側コア30を外側コア29に装着することで周方向の応力が発生する。この応力により、コア片32が周方向に変位し、コア片32が積層方向に整列する。これにより、図18に示されるように、コアバック部31aの周方向の側面同士が確実に接し、隙間Gがなくなる。そこで、当該突き合わせ部での磁気抵抗が低減し、高出力化が図られる。さらに、コアバック部31aの周方向の側面同士が確実に接するので、内側コア30を外側コア29に装着することで発生する周方向の応力が、コアバック部31aの周方向の側面の前面に均等に作用する。これにより、電機子鉄心11の内側コア30に作用する応力が低減し、ヒステリシス損を低減でき、高効率化が図られる。また、分割コア31の剛性を下げることで、接着剤17に加わる応力を低減でき、接着剤17の割れを防止することができる。このような構成は、回転電機の高出力化および高効率化を達成したい場合に有効である。
このように、接着剤17の粘度を調整することで、所望の特性を得ることができる。
積層鉄心200の製造方法および製造装置について図19から図28を用いて説明する。図19は絶縁部材を貼り付ける前の分割コアを積層方向外方から見た端面図、図20は絶縁部材を貼り付け前の分割コアを示す側面図、図21は絶縁部材を貼り付ける前の分割コアの移動を規制部材で規制した状態を示す端面図、図22は絶縁部材を貼り付ける前の分割コアの移動を規制部材で規制した状態を示す側面図、図23は分割コアに接着剤を塗布する工程を説明する端面図、図24は分割コアに絶縁部材を装着する工程を説明する端面図、図25は図24のA−A矢視断面図、図26は積層鉄心の製造装置を打ち抜き方向から見た模式図、図27は積層鉄心の製造装置を打ち抜き方向と直交する方向から見た模式図、図28は積層鉄心の製造方法を説明するフローである。
製造装置は、図26および図27に示されるように、電磁鋼板のフープ材90を供給する材料供給部91、フープ材90を設定されたピッチで送る材料送り部92、フープ材90からコア片32を打ち抜く打ち抜き部93、打ち抜かれたコア片32を整列する整列部94、整列された、設定された枚数のコア片32の積層体からなる分割コア31を切り出す切り出し部95、切り出された分割コア31を把持する把持部96、分割コア31に接着剤17を塗布する接着剤塗布部97、絶縁部材14を分割コア31のティース部31bに押し付ける押付部98、積層鉄心200を次工程に搬送するインデックステーブル55などを有する。
ここで、把持部96は、分割コア31を構成するコア片32の径方向、周方向、および軸方向の移動を規制する。把持部96は、具体的には、図21に示される径方向規制部材50、周方向規制部材51および軸方向規制部材53により構成される。なお、径方向規制部材50、周方向規制部材51および軸方向規制部材53が分離した構造となっているが、それらの機能が果たせられれば、一体部材で構成してもよい。
接着剤塗布部97は、例えば、接着剤ディスペンサー59により構成される。押付部98は、図23に示される押付部材34を備える。
まず、材料供給部91から供給されたフープ材90が、材料送り部92により設定されたピッチで打ち抜き部93に送られる。打ち抜き部93において、打ち抜き部材56により、T字状のコア片32が、フープ材90から打ち抜かれる(ステップ100:打ち抜き工程)。打ち抜かれたコア片32は、積層された状態で下方に押し出されて、打ち抜き部93の下部に配置された整列部94内に挿入される。コア片32は、整列部94内に挿入されることで、整列された状態で積層される(ステップ101:整列工程)。設定された枚数のコア片32が整列部94内に挿入されると、切り出し部95の切り出し部材57が整列部94上に差し入れられ、コア片32の整列部94内への挿入が阻止される(ステップ102:切り出し工程)。そこで、インデックステーブル55が回転し、積層された設定された枚数のコア片32からなる分割コア31が次工程に搬送される。
分割コア31においては、コア片32は、図19および図20に示されるように、整然と重ねられて積層されている。そこで、径方向規制部材50が径方向の両側から分割コア31のコアバック部31aの外周面とティース部31bの内周面とに押し当てられる。また、周方向規制部材51が周方向の両側から分割コア31のコアバック部31aの周方向両側面の外径側端部とティース部31bの周方向の両側面の内径側端部とに押し当てられる。さらに、軸方向規制部材53が軸方向の両側から分割コア31の軸方向の両端面に押し当てられる。このように、分割コア31が、図21および図22に示されるように、径方向、周方向、および軸方向の移動を規制されて、径方向規制部材50、周方向規制部材51および軸方向規制部材53に把持される(ステップ103:積層体把持工程)。
ついで、接着剤17が、図23に示されるように、分割コア31のティース部31bの周方向の両側面に塗布される(ステップ104:接合剤取付工程)。ついで、絶縁部材14が、図23に示されるように、接着剤17が塗布された分割コア31のティース部31bの両側面に相対するように配置され、押付部材34によりティース部31bの両側面に押し付けられる(ステップ105:絶縁部材貼付工程)。これにより、接着剤17が、図24および図25に示されるように、押付部材34の押し圧力により押し広げられ、分割コア31のティース部31bの側面と絶縁部材14との間に充填される。
ついで、インデックステーブル55が回転し、押付部材34により絶縁部材14が押し付けられた状態の分割コア31が次工程に搬送される。ここで、接着剤17が2液硬化型接着剤又は嫌気性接着剤の場合には、分割コア31は組み立て工程への取り出し部99まで搬送される。そして、この搬送工程中に、接着剤17が硬化されて、分割コア31と絶縁部材14が接合され(ステップ106:接合工程)、積層鉄心200が作製される。また、接着剤17が熱硬化型接着剤の場合には、加熱槽を押付部98と取り出し部99との間に設置し、分割コア31がインデックステーブル55により加熱槽に搬送され、接着剤17が硬化されて、分割コア31と絶縁部材14が接合され(ステップ106:接合工程)、積層鉄心200が作製される。このように、絶縁部材14が接着剤17を介して分割コア31に装着された積層鉄心200が、取り出し部99から組み立て工程に搬送される。
なお、実施の形態1では、インデックステーブル55の回転角度が90度の場合について説明しているが、インデックステーブル55の回転角度は90度に限定されない。また、分割コア31の搬送手段は、インデックステーブル55に限定されない。
ここで、絶縁部材14に接着剤17を塗布する場合の塗布パターンについて説明する。図29は絶縁部材に接着剤を塗布した状態を示す平面図、図30は図29のA−A矢視断面図、図31は図29のB−B矢視断面図である。
接着剤17は、図30に示されるように、接着剤ディスペンサー59のノズル59aから絶縁部材14の分割コア31のティース部31bの側面に対応する部位に塗布される。このとき、図29から図30における接着剤17の塗布パターン17a’,17b’は、それぞれ、接着剤基部17aおよび鉤部17bを形成するためのものである。接着剤17は、塗布パターン17b’で絶縁部材14の分割コア31のティース部31bの側面の軸方向両縁部に相対する領域に塗布され、塗布パターン17a’で絶縁部材14の他の領域に塗布される。そして、塗布パターン17a’は厚みが薄く、かつ幅が狭くなっている。一方、塗布パターン17b’は、厚みが厚く、かつ幅が広くなっている。
これにより、絶縁部材14の分割コア31のティース部31bの側面の軸方向両縁部に相対する領域の単位面積当たりの塗布量が、絶縁部材14の他の領域の単位面積当たりの塗布量より多くなっている。これにより、接着剤17が、分割コア31のティース部31bの軸方向の両端面の周方向の両縁部にはみ出して硬化されるので、鉤部17bが確実に形成される。また、分割コア31のティース部31bの側面と絶縁部材14との間の接着剤17の層が薄くなるので、接着剤17の省材料化が図られる。さらに、接着剤17の層を薄くすることで、接着剤17の層が厚い場合に比べて、接着強度を大きくすることができる。
なお、接着剤17を絶縁部材14に均一に塗布してもよいが、このような観点から、絶縁部材14の分割コア31のティース部31bの側面の軸方向両縁部に相対する領域の単位面積当たりの塗布量を絶縁部材14の他の領域の単位面積当たりの塗布量より多くすることが望ましい。
ここでは、説明の便宜上、接着剤17を絶縁部材14に塗布する場合について説明しているが、接着剤17を分割コア31のティース部31bの側面に塗布する場合も、同様の塗布パターンとすることができる。
また、液体状の接着剤を塗布する代わりに、シート状の接着剤を貼り付けてもよい。シート状の接着剤を用いた場合、液体状の接着を用いた場合と比較して、接着剤の粘度変化および空気のかみこみなどによる塗布量のバラツキを抑制できる。これにより、シート状の接着剤を用いた場合、接着剤の供給量を最小限とすることができるので、接着剤の使用量を低減する効果が得られる。
実施の形態1では、分割コア31のティース部31bの側面に接合剤としての接着剤17を塗布して、絶縁部材14のティース部31bと相対する面に接着剤17を塗布して、あるいはティース部31bの側面と絶縁部材14の面との両面に接着剤17を塗布して、押付部材34により周方向外方から絶縁部材14をティース部31bに押圧した状態で接着剤17を硬化させることで、分割コア31と絶縁部材14とを接合して、積層鉄心200を製造している。この製造方法を採用することによる効果を、以下に説明する。
まず、積層されたコア片32間のすべてに接着剤17を塗布する製造方法では、接着カ所がコア片32の積層枚数分、すなわち数百カ所となるが、本製造方法では、接着箇所が分割コア31のティース部31bの両側面と絶縁部材14との間の2か所となり、生産性を向上させることができる。
また、本製造方法では、接着剤17の塗布が接合剤取付工程の一工程となるので、生産性が向上される。
また、分割コア31のティース部31bの側面に接着剤17を単に塗布した場合には、図32に示されるように、接着剤17の膜厚のムラを抑制することが困難であった。そのため、接着剤17の層が薄い部分で破断してしまう問題があった。また、接着剤17の塗布量を増やすと、膜厚の増加により、スロット内のコイルを装着するためのスペースが小さくなる。これにより、コイルの断面積を小さくせざるをえず、銅損が増加して、回転電機の効率が悪化してしまう。
本製造方法では、絶縁部材14をティース部31bに押し付けているので、塗布された接着剤17の膜厚が均一化され、接着強度のバラツキが抑制される。そこで、本製造方法によれば、必要な接着強度を確保するための管理コストを低減できる。
また、本製造方法では、絶縁部材14を介して接着剤17を加圧しているので、接着剤17が押付部材34に付着せず、メンテナンス性が向上される。そこで、本製造方法によれば、押付部材34の離型性を高める処理が不要となり、生産性を向上される。
また、本製造方法では、内側コア30は、分割コア31のコアバック部31aの側面同士を突き合わせて円環状に作製されるので、当接する分割コア31のコアバック部31aの側面には、接着剤17を付着させないことが望ましい。
積層されたコア片32間のすべてに接着剤17を塗布する製造方法では、コア片32間に接着剤17を含浸させるために、接着剤17の粘度を低くする必要があった。そこで、選択的に接着剤17を塗布しない部分を設けることが困難であった。そして、接着剤17が分割コア31のコアバック部31aの周方向の両側面に付着しやすかった。
本製造方法では、接着剤17を積層されたコア片32間に含浸させる必要がないので、接着剤17の粘度の制約がなく、接着剤17の粘度を高くすることができる。また、本製造方法では、接着剤17は分割コア31のティース部31bの側面にのみ塗布される。これにより、本製造方法では、分割コア31のコアバック部31aの周方向の両側面への接着剤17の付着を容易に阻止することができる。そこで、本製造方法では、接着剤17が分割コア31のティース部31bの側面に付着していないので、内側コア30の組立精度が高められる。
また、この製造方法では、打抜き工程と接合剤取付工程とを別工程としているので、打抜き工程における金型に接着剤が付着することを防止することができ、メンテナンス性を向上する効果がある。また、本製造方法では、金型内で接着剤を塗布する製造方法と比較して、金型を簡素な構造にでき、製造コストを低減することができる。
実施の形態1の積層鉄心200は、絶縁部材14が分割コア31のティース部31bの周方向の両側面に接着剤17により固着され、軸方向に積層されたコア片32が接着剤17により固定されて一体化されている。このコア構造を採用することによる効果を、以下に説明する。
積層鉄心200は、軸方向に積層されたコア片32をカシメ又は溶接により固定する場合と異なり、コア片32間が電気的に短絡してないので、回転電機の効率を向上することができる。さらに、積層鉄心200は、残留応力が存在するカシメ又は溶接の固定部がないので、ヒステリシス損を低減して、回転電機の効率を向上することができる。
内側コア30が複数の積層鉄心200に分割されているので、内側コア30を円環状の一体物で構成する場合に比べて、絶縁部材14の貼り付けが容易となり、生産性を向上させることができる。
積層鉄心200は、コア片32間のすべてに接着剤17を充填する必要がなく、接着箇所が少ないので、接着強度のバラツキの影響を受けにくく、品質が向上されるとともに、管理コストが低減される。さらに、接着箇所の低減に伴い、接着面積を小さくすることができるため、省材料化が図られる。積層されたコア片32間が接着剤17だけでなく絶縁部材14で固定されるため、積層鉄心200の強度が高められる。
絶縁部材14は、図15に示すように、ティース部31bの側面に相対する矩形の基部14aと、基部14aの幅方向の両側部を同じ方向に折り曲げて形成された折り曲げ部14b、14cと、からなるU字状に構成されている。これにより、図14に示す曲げモーメントの方向の積層鉄心200の剛性が向上され、積層鉄心200の剛性を向上させることができる。
このとき、さらに、折り曲げ部14b、14cと積層されたコア片32とを接着剤17で固定してもよい。これにより、基部14aに加えて、折り曲げ部14b、14cが積層されたコア片32と一体化されるので、積層鉄心200の剛性をさらに向上する効果が得られる。
つぎに、このコア構造による強度向上の効果について、積層鉄心200の積層方向の端部における破壊モードを用いて説明する。図33は接着剤がティース部の側面に均一な膜厚に塗布された比較例の積層鉄心を示す要部断面図、図34は接着剤がティース部の側面に均一な膜厚に塗布された比較例の積層鉄心の積層方向の端部における破壊モードを示す要部断面図、図35はこの発明の実施の形態1に係る積層鉄心を示す要部断面図、図36はこの発明の実施の形態1に係る積層鉄心の積層方向の端部における第1の破壊モードを示す要部断面図、図37はこの発明の実施の形態1に係る積層鉄心の積層方向の端部における第2の破壊モードを示す要部断面図、図38はこの発明の実施の形態1に係る積層鉄心の積層方向の端部における第3の破壊モードを示す要部断面図である。
一般的に、分割コア31には、0.1mm〜0.5mm程度の板厚のコア片32が用いられる場合が多い。一方、接着剤17の膜厚が0.1mm以上となると、材料歩留りが悪化するとともに、接着剤17内にボイドなどの欠陥が生じる可能性が高くなり、接着強度が低下することが知られている。
比較例の積層鉄心300では、図33に示されるように、ティース部の側面に塗布された接着剤17の膜厚が均一化されている。この比較例の積層鉄心300において、コア片32の積層方向の力が生じたときに、図34に示されるように、接着剤17の積層方向の端部が積層方向に破断すれば、積層鉄心300が積層方向に分離してしまう。
本積層鉄心200では、図35に示されるように、絶縁部材14が接着剤17により分割コア31のティース部31bの側面に固着されており、鉤部17bがティース部31bの端面上に突出している。
そこで、第1の破壊モードでは、図36に示されるように、積層方向の端部に位置するコア片32に接着されている接着剤17の部位が破断し、積層方向の端部に位置するコア片32と接着剤17との界面が剪断破壊し、かつ接着剤17の鉤部17bと絶縁部材14との界面が剪断破壊している。この第1の破壊モードでは、積層鉄心200が積層方向に分離する。言い換えれば、このような3つの条件が重ならない限り、積層鉄心200の積層方向への分離は阻止される。
また、第2の破壊モードでは、図37に示されるように、接着剤17が積層方向の端部に位置する2つのコア片32間で破断し、かつ接着剤17の破断している位置から積層方向の端部側の全領域で、接着剤17と絶縁部材14との界面が剪断破壊している。この第2の破壊モードでは、積層鉄心200が積層方向に分離する。言い換えれば、このような2つの条件が重ならない限り、積層鉄心200の積層方向への分離は阻止される。
このように、本コア構造によれば、積層鉄心200の強度を比較例の積層鉄心300に比べて大幅に高めることができる。そこで、接着剤17の厚みt2をコア片32の厚みt1よりも薄くすることが望ましい。接着剤17の厚みt2を薄くすることで、省材料化が図られる。
また、第3の破壊モードでは、図38に示されるように、接着剤17が積層方向の端部に位置する2つのコア片32間で剪断破壊し、かつ絶縁部材14が接着剤17の剪断破壊の発生部の位置で剪断破壊している。この第3の破壊モードでは、積層鉄心200は積層方向に分離してしまう。そこで、絶縁部材14の厚みt3を接着剤17の厚みt2より厚くすることで、絶縁部材14の剪断強度を高めることが望ましい。これにより、破壊モードが第1の破壊モード又は第2の破壊モードとなり、積層鉄心200の強度が高められる。
つぎに、このコア構造による強度向上効果について積層鉄心200の積層方向の中央部における破壊モードを用いて説明する。図39は接着剤がティース部の側面に均一な膜厚に塗布された比較例の積層鉄心の積層方向の中央部における破壊モードを示す要部断面図、図40はこの発明の実施の形態1に係る積層鉄心の積層方向の中央部における第4の破壊モードを示す要部断面図、図41はこの発明の実施の形態1に係る積層鉄心の積層方向の中央部における第5の破壊モードを示す要部断面図である。
比較例の積層鉄心300では、図39に示されるように、接着剤17の積層方向の中央部が積層方向に破断すれば、積層鉄心300が積層方向に分離してしまう。そこで、比較例の積層鉄心200においては、接着剤17が積層方向の端部で破断する場合と、接着剤17が積層方向の中央部で破断する場合とでは、同等の強度となる。
本コア構造において、第4の破壊モードでは、図40に示されるように、接着剤17が積層方向の端部側で破断し、接着剤17の破断している位置から積層方向の中央部側の全領域で、接着剤17とコア片32との界面が剪断破壊し、かつ接着剤17の破断している位置から積層方向の端部側の全領域で、接着剤17と絶縁部材14との界面が剪断破壊している。この第4の破壊モードでは、積層鉄心200が積層方向に分離してしまう。言い換えれば、このような3つの条件が重ならない限り、積層鉄心200の積層方向への分離は阻止される。
また、第5の破壊モードでは、図41に示されるように、接着剤17が積層方向の中央部で破断し、接着剤17の破断している位置から積層方向の端部側の全領域で、接着剤17と絶縁部材14との界面が剪断破壊している。この第5の破壊モードでは、積層鉄心200が積層方向に分離してしまう。言い換えれば、このような2つの条件が重ならない限り、積層鉄心200の積層方向への分離は阻止される。
このように、本構造によれば、積層鉄心200の強度を比較例の積層鉄心300に比べて大幅に高めることができる。
つぎに、接着剤17の鉤部17bを有することの効果について説明する。図42は鉤部が形成されていない比較例の積層鉄心における放電経路を説明する要部断面図、図43および図44はそれぞれ鉤部が形成されている積層鉄心における放電経路を説明する要部断面図である。
鉤部17bが、図15に示されるように、分割コア31の積層方向の端面の周方向の両縁部に突出するように形成されているので、分割コア31が積層方向の両側から鉤部17bにより挟持、保持される。そこで、仮に、接着剤17と分割コア31のティース部31bの面側面との界面で剥離が生じでも、分割コア31を構成するコア片32の脱落が防止されるので、積層鉄心200がばらばらになることが阻止される。
コア片32の表面に被覆されている絶縁被膜33は、打ち抜き加工により生じるダレ側に損傷を生じる。鉤部17bが形成されていない比較例の積層鉄心301では、図42に示されるように、コア片32のダレ側の絶縁被膜33の損傷部に発生したピンホール又は傷が露出している。これにより、当該ピンホール又は傷を介して形成される、コイル21と分割コア31との間の放電経路35が短くなり、沿面放電が生じて積層鉄心301が損傷してしまう可能性がある。
積層鉄心200においては、鉤部17bは、図43に示されるように、打ち抜き加工により生じる絶縁被膜33のダレ側の損傷部を覆っている。そこで、仮に、ピンホール又は傷が、コア片32に被覆された絶縁被膜33の鉤部17bに覆われていない領域に形成されたとしても、当該ピンホールや傷を介して形成される、コイル21と分割コア31との間の放電経路35が長くなる。これにより、沿面放電の発生が抑制され、絶縁性を向上させることができる。
積層鉄心201においては、鉤部17bは、図44に示されるように、打ち抜き加工により生じる絶縁被膜33のカエリ側の損傷部を覆っている。そこで、仮に、ピンホール又は傷が、コア片32に被覆された絶縁被膜33の鉤部17bに覆われていない領域に形成されたとしても、当該ピンホール又は傷を介して形成される、コイル21と分割コア31との間の放電経路35が長くなる。これにより、沿面放電の発生が抑制され、絶縁性を向上させることができる。
実施の形態2.
図45はこの発明の実施の形態2に係る積層鉄心を示す端面図、図46は図45のC−C矢視断面図、図47はこの発明の実施の形態2に係る分割コアを構成する第1コア片を示す平面図、図48はこの発明の実施の形態2に係る分割コアを構成する第2コア片を示す平面図、図49は図46のB部拡大図、図50は図45のD−D矢斜断面図である。
図45および図46において、分割コア40は、電磁鋼板のフープ材から打ち抜かれた第1コア片41と第2コア片42とを交互に積層した積層体である。分割コア40は、円弧状のコアバック部40aと、コアバック部40aの内周面の周方向の中央部から内径側に突出するティース部40bと、からなるT字状に構成されている。そして、絶縁部材14が、ティース部40bの周方向の両側に配置される。このとき、絶縁部材14の基部14aがティース部40bの両側面に沿って配置されている。また、絶縁部材14の折り曲げ部14b、14cがティース部40bの先端の鍔部の径方向外側を向く面とコアバック部40aの径方向内側を向く面に沿って配置されている。さらに、絶縁部材14の長さ方向の両端部がティース部40bの軸方向両側に突出している。そして、絶縁部材14が、ティース部40bの両側面に接着剤17により固着されて、積層鉄心202が作製される。
第1コア片41は、図47に示されるように、第1コアバック部41aと第1ティース部41bとからなるT字状に作製されている。そして、第1凹部41cが、第1ティース部41bの周方向の一側の側面の径方向の中央部を窪ませて形成されている。第2コア片42は、図48に示されるように、第2コアバック部42aと第2ティース部42bとからなるT字状に作製されている。そして、第2凹部42cが、第2ティース部42bの周方向の他側の側面の径方向の中央部を窪ませて形成されている。なお、第1コア片41と第2コア片42は、第1凹部41cと第2凹部42cとの周方向の形成位置が異なる点を除いて、同形状となっている。
分割コア40のコアバック部40aは、第1コアバック部41aと第2コアバック部42aとを交互に積層して構成され、ティース部40bは、第1ティース部41bと第2ティース部42bとを交互に積層して構成される。そして、ティース部40bの径方向の中央部では、第1凹部41cと第2凹部42cが、図49に示されるように、軸方向に関して、周方向の一側と他側とに交互に配設されている。すなわち、第1凹部41cと第2凹部42cが千鳥状に配列されている。ティース部40bの径方向の他の領域では、第1ティース部41bと第2ティース部42bは、図50に示されるように、面一に重ねられている。
接着剤基部17aが、ティース部40bと絶縁部材14との間に充填、硬化されている。これにより、接着剤基部17aが、図49に示されるように、第1凹部41cと第2凹部42cとに充填されている。また、鉤部17bが、ティース部40bの軸方向の両端面の周方向の両縁部にはみ出して硬化されている。
なお、実施の形態2では、分割コア31に替えて分割コア40を用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態2においても、電磁鋼板から第1コア片41と第2コア片42とを打ち抜く際に、第1凹部41cと第2凹部42cを同時に形成している点を除いて、実施の形態1と同様に製造される。したがって、実施の形態2においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態2によれば、接着剤17がティース部40bに千鳥状に配設されている第1凹部41cと第2凹部42cに充填、硬化されているので、第1コア片41と第2コア片42が接着剤17により強固に保持され、積層鉄心202の剛性および強度が高められる。
実施の形態3.
図51はこの発明の実施の形態3に係る分割コアを示す要部断面図である。
図51において、絶縁部材14の分割コア31の軸方向外方への突出部14dが、第1ティース部41bの幅方向中央部に傾斜するように、根元部14eで折り曲げられている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
したがって、実施の形態3においても、実施の形態1と同様に効果が得られる。
実施の形態3によれば、絶縁部材14の突出部14dが、根元部14eで折り曲げられて、ティース部31bの端面側に傾斜しているので、鉤部17bがティース部31bの端面と突出部14dとの間に充填される。そこで、積層鉄心203の軸方向の分離が突出部14dで確実に阻止され、信頼性を向上する効果がある。
なお、上記実施の形態3では、実施の形態1による分割コア31に用いているが、実施の形態2による分割コア40を用いても、同様の効果が得られる。
実施の形態4.
図52はこの発明の実施の形態4に係る積層鉄心を示す端面図、図53は図52のA−A矢視断面図、図54はこの発明の実施の形態4に係る積層鉄心を示す斜視図、図55はこの発明の実施の形態4に係る積層鉄心にコイルを巻装した状態を示す端面図、図56はこの発明の実施の形態4に係る積層鉄心にコイルを巻装した状態を示す断面図、図57はこの発明の実施の形態4に係る積層鉄心にコイルを巻装した状態を示す端面図である。
図52から図54において、巻き枠60は、絶縁樹脂製であり、巻胴部61と、巻胴部61の長さ方向の一端部に設けられた第1フランジ部62と、巻胴部61の長さ方向の他端部に設けられた第2フランジ部63と、巻胴部61の底面の幅方向両縁部を窪ませて長さ方向に延びる接着剤たまり部64と、を備える。
巻き枠60が、巻胴部61を分割コア31のティース部31bの端面上に配置し、第1フランジ部62をティース部31bの先端の鍔部上に配置し、第2フランジ部63をコアバック部31aの端面上に配置して、分割コア31の軸方向の両端に設置される。絶縁部材14が、ティース部31bの周方向の両側に配置される。このとき、絶縁部材14の基部14aがティース部31bの側面に沿って配置されている。また、絶縁部材14の折り曲げ部14b、14cがティース部31bの先端の鍔部の径方向外側を向く面とコアバック部31aの径方向内側を向く面に沿って配置されている。さらに、絶縁部材14の長さ方向の両端部がティース部31bの軸方向両側に突出している。そして、接着剤17が、ティース部31bと絶縁部材14との間に充填、硬化されている。このとき、鉤部17bが接着剤たまり部64内に配設されている。さらに、巻き枠60が接着剤17により分割コア31に固着され、積層鉄心204が作製される。
コイル24は、図55から図57に示されるように、エナメル樹脂で絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した銅線、アルミニウム線などからなる導体線を、ティース部31b、一対の巻き枠60の巻胴部61、および一対の絶縁部材14の周りを設定された回数巻きまわして作製された集中巻コイルである。
なお、他の構成は、実施の形態1と同様に構成されている。
したがって、この実施の形態4においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態4によれば、巻き枠60が接着剤17により分割コア31に固着されているので、積層鉄心204の強度が高められる。
接着剤たまり部64が巻き枠60の巻胴部61の底面の周方向両縁部に形成されている。これにより、巻き枠60を分割コア31の端面に固着する接着剤17が接着剤たまり部64に溜まり、絶縁部材14のティース部31bと反対側の面への接着剤17のはみ出しが防止される。そこで、接着剤17が押付部材34に付着することがなく、メンテナンス性が向上される。
コイル24が集中巻コイルであるので、積層鉄心204の剛性が高められる。
なお、上記実施の形態4では、実施の形態1の分割コアを用いているが、他の実施の形態の分割コアを用いても、同様の効果が得られる。
また、上記実施の形態4では、接着剤を用いて巻き枠を分割コアの両端面に固定しているが、粘着剤を用いて、あるいは粘着剤と接着剤とを併用して、巻き枠を分割コアの両端面に固定してもよい。
実施の形態5.
図58はこの発明の実施の形態5に係る積層鉄心を用いた電機子を示す端面図、図59はこの発明の実施の形態5に係る積層鉄心を用いた電機子を示す斜視図、図60はこの発明の実施の形態5に係る積層鉄心にコイルを装着した状態を示す平面図、図61はこの発明の実施の形態5に係る積層鉄心にコイルを装着した状態を示す断面図である。
図60および図61において、分割コア70は、円弧状のコアバック部71aとコアバック部71aの内周面の周方向中央部から内径側に突出するティース部71bとからなる、3つのT字状のコアブロック71を、コアバック部71aの周方向の側面の外周端同士を薄肉連結部72で屈曲可能に連結して構成されている。分割コア70は、電磁鋼板から打ち抜かれたコア片を設定された枚数積層して構成された積層体である。
巻き枠60が、実施の形態4と同様に、各コアブロック71の軸方向の両端に設置される。絶縁部材14が、各コアブロック71のティース部71bの周方向の両側に配置される。このとき、絶縁部材14の基部14aがティース部71bの側面に沿って配置されている。また、絶縁部材14の折り曲げ部14b、14cがティース部71bの先端の鍔部の径方向外側を向く面とコアバック部71aの径方向内側を向く面に沿って配置されている。さらに、絶縁部材14の長さ方向の両端部がティース部71bの軸方向両側に突出している。接着剤17が、ティース部71bと絶縁部材14との間に充填、硬化され、積層鉄心205が作製される。コイル24が、導体線を、ティース部71b、一対の巻き枠60の巻胴部61、および一対の絶縁部材14の周りを設定された回数巻きまわして、各コアブロック71に装着されている。
ここで、電機子80を組み立てるには、まず、薄肉連結部72で曲げて分割コア70の3つのコアブロック71を直線状に展開し、巻き枠60および絶縁部材14を各コアブロック71に装着し、積層鉄心205を作製する。ついで、コイル24を各コアブロック71に装着する。ついで、薄肉連結部72で曲げて、コアバック部71aの周方向の側面同士を押し当てて、積層鉄心205の3つのコアブロック71を円弧状とする。ついで、16個の円弧状となった積層鉄心205を、コアバック部71aの周方向の側面同士を突き合わせて、円環状に配列し、内側コア73を作製する。ついで、圧入、焼き嵌めなどにより内側コア73を外側コア(図示せず)内に収納、保持させ、図58および図59に示される電機子80が組み立てられる。
電機子鉄心は、内側コア73を外側コア内に収納、保持して構成される。このように組み立てられた電機子鉄心は、実施の形態1による電機子鉄心11と同等に構成される。
この分割コア70は、3つの分割コア31を薄肉連結部72で連結した構造体であり、電機子鉄心を構成する部品点数が削減されるので、生産性が高められる。
なお、上記実施の形態5では、分割コア70が薄肉連結部72で3つのコアブロック71を連結して構成されているが、コアブロック71の連結数は3個に限定されない。
また、上記実施の形態5では、コアブロック71が分割コア31と同等に構成されているが、コアブロック71は分割コア40と同等に構成されてもよい。
実施の形態6.
図62はこの発明の実施の形態6に係る回転電機における積層鉄心を軸方向外方から見た端面図、図63は図62のX−X矢視断面図である。
図62および図63において、分割コア120は、電磁鋼板のフープ材から打ち抜かれたコア片121を積層した積層体である。分割コア120は、円弧状のコアバック部120aと、コアバック部120aの内周面の周方向の中央部から内径側に突出したティース部120bと、からなるT字状に構成されている。そして、絶縁部材14が、ティース部120bの周方向の両側に配置される。このとき、絶縁部材14の基部14aがティース部120bの両側面に沿って配置されている。また、絶縁部材14の折り曲げ部14b、14cがティース部120bの先端の鍔部の径方向外側を向く面とコアバック部120aの径方向内側を向く面に沿って配置されている。さらに、絶縁部材14の長さ方向の両端部がティース部120bの軸方向両側に突出している。そして、絶縁部材14が、ティース部120bの両側面に接着剤17により固着されて、積層鉄心206が作製される。
コア片121は、コアバック部121aとティース部121bとからなるT字状に形成されている。カシメ部122が、コアバック部121aの中央部に形成されている。分割コア120のコアバック部120aは、コア片121のコアバック部121aを積層して構成される。分割コア120のティース部120bは、コア片121のティース部121bを積層して構成される。積層されたコア片121は、積層方向に隣り合う一方のコアバック部121aに形成されたカシメ部122の凸部を他方のコアバック部121aのカシメ部122の凹部に押し入れて、互いに連結される。すなわち、コア片121は、カシメ部122同士を嵌合させて、積層状態に保持される。
実施の形態6では、カシメ部122がコア片121のコアバック部121aに形成されている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。したがって、実施の形態6においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態6によれば、分割コア120を構成するコア片121が、接着剤17に加えて、カシメ部122同士の嵌合により連結されているので、積層鉄心206の機械的強度が高められる。これにより、積層鉄心206を円環状に配列した内側コアを、圧入又は焼き嵌めにより、外側コア内に挿入、保持する際における、内側コアの変形が抑制される。
ここで、カシメ部122は、分割コア120のコアバック部120aの外径側に形成することが望ましい。これにより、カシメ部122が、磁束変化に小さいコアバック部120aの外径側に形成されるので、回転電機の効率が向上される。また、カシメ部122がコアバック部120aの外径側に位置していることで、ティース部120bの先端側が軸方向に変形しやすくなる。しかし、ティース部120bは接着剤17を介して絶縁部材14に保持されているので、ティース部120bの先端側の軸方向の変形が抑制され、振動、騒音が抑制される。
実施の形態6では、カシメ部122はコア片121をフープ材から打ち抜く工程でコア片121に形成される。打ち抜かれたコア片121は、カシメ部122が積層方向に重ねられて、整列された状態で、整列部内で積層される。そして、打ち抜かれたコア片121を整列部内に押し入れることで、カシメ部122同士が嵌合される。これにより、コア片121が一体化、すなわち積層された状態に保持される。そこで、図23における積層体把持工程を省略することができ、回転電機の生産性を向上させることができる。
なお、実施の形態6では、実施の形態1におけるコア片のコアバック部にカシメ部を形成し、積層されたコア片をカシメ固定するものとしているが、他の実施の形態におけるコア片のコアバック部にカシメ部を形成し、積層されたコア片をカシメ固定してもよい。
実施の形態7.
図64はこの発明の実施の形態7に係る回転電機における積層鉄心の姿勢保持部を除去する前の状態を軸方向外方から見た端面図、図65はこの発明の実施の形態7に係る回転電機における積層鉄心を軸方向外方から見た端面図である。
図64において、分割コア123Aは、電磁鋼板のフープ材から打ち抜かれたコア片124を積層した積層体である。分割コア123Aは、円弧状のコアバック部123aと、コアバック部123aの内周面の周方向の中央部から内径側に突出したティース部123bと、コアバック部123aの外径側に位置する姿勢保持部123cと、lコアバック部123aと姿勢保持部123cとを連結する薄肉部123dと、から構成されている。そして、絶縁部材14が、ティース部123bの周方向の両側に配置される。このとき、絶縁部材14の基部14aがティース部123bの両側面に沿って配置されている。また、絶縁部材14の折り曲げ部14b、14cがティース部123bの先端の鍔部の径方向外側を向く面とコアバック部123aの径方向内側を向く面に沿って配置されている。さらに、絶縁部材14の長さ方向の両端部がティース部123bの軸方向両側に突出している。絶縁部材14が、ティース部123bの両側面に接着剤17により固着されている、そして、図65に示されるように、姿勢保持部123cが薄肉部123dで切断、除去されて、積層鉄心207が作製される。
コア片124は、コアバック部124a、ティース部124b、および姿勢保持部124cを有する。姿勢保持部124cは、薄肉部124dを介してコアバック部124aに連結されている。カシメ部122が、姿勢保持部124cの中央部に形成されている。分割コア123Aのコアバック部123aは、コア片124のコアバック部124aを積層して構成される。分割コア123Aのティース部123bは、コア片124のティース部124bを積層して構成される。分割コア123Aの姿勢保持部123cは、コア片124の姿勢保持部124cを積層して構成される。分割コア123Aの薄肉部123dは、コア片124の薄肉部124dを積層して構成される。
分割コア123Aは、積層方向に隣り合う姿勢保持部123cに形成されたカシメ部122同士を嵌合して、積層状態に保持される。そして、絶縁部材14が分割コア123Aのティース部123bの両側面に接着剤17により固着され、分割コア123Aが一体化される。その後、姿勢保持部123cが薄肉部123dで切断、除去され、積層鉄心207が作製される。分割コア123は、分割コア123Aから姿勢保持部123cを除去したものである。
実施の形態7では、コア片124がコアバック部123aから外径側に突出している姿勢保持部123cを有し、カシメ部122が姿勢保持部123cに形成されている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。したがって、実施の形態7においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態7では、分割コア123Aが、姿勢保持部123cに形成されたカシメ部122の嵌合により、積層状態に保持される。そこで、実施の形態7においても、実施の形態6と同様に、図23における積層体把持工程を省略することができ、回転電機の生産性を向上させることができる。また、カシメ部122が姿勢保持部123cとともに除去されているので、カシメ部122が分割コア123の磁路中に存在せず、回転電機の高効率化が図られる。
なお、実施の形態7では、実施の形態1におけるコア片のコアバック部にカシメ部を有する姿勢保持部を形成し、積層されたコア片をカシメ固定するものとしているが、他の実施の形態におけるコア片のコアバック部にカシメ部を有する姿勢保持部を形成し、積層されたコア片をカシメ固定してもよい。
実施の形態8.
図66はこの発明の実施の形態8に係る回転電機における積層鉄心の姿勢保持部を除去する前の状態を軸方向外方から見た端面図、図67はこの発明の実施の形態7に係る回転電機における積層鉄心を軸方向外方から見た端面図である。
図66において、分割コア125は、電磁鋼板のフープ材から打ち抜かれたコア片126を積層した積層体である。分割コア125は、円弧状のコアバック部125aと、コアバック部125aの内周面の周方向の中央部から内径側に突出したティース部125bと、コアバック部125aの外径側を窪ませた嵌合凹部125cと、から構成されている。姿勢保持部材127は、電磁鋼板のフープ材から打ち抜かれた保持片128を積層した積層体であり、姿勢保持部127aと、嵌合凸部127bと、を備える。姿勢保持部材127は、嵌合凸部127bを嵌合凹部126cに嵌合させて、分割コア125に連結されている。
絶縁部材14が、ティース部125bの周方向の両側に配置される。このとき、絶縁部材14の基部14aがティース部125bの両側面に沿って配置されている。また、絶縁部材14の折り曲げ部14b、14cがティース部125bの先端の鍔部の径方向外側を向く面とコアバック部125aの径方向内側を向く面に沿って配置されている。さらに、絶縁部材14の長さ方向の両端部がティース部125bの軸方向両側に突出している。絶縁部材14が、ティース部125bの両側面に接着剤17により固着されている、そして、図67に示されるように、姿勢保持部材127が除去されて、積層鉄心208が作製される。
コア片126は、コアバック部126a、ティース部126b、および嵌合凹部126cを有する。保持片128は、姿勢保持部128aおよび嵌合凸部128bを有する。カシメ部122が姿勢保持部128aの中央部に形成されている。コア片126および保持片128は、電磁鋼板のフープ材から嵌合凸部128bと嵌合凹部126cとが嵌合させた状態で打ち抜かれ、積層される。積層された保持片128がカシメ部122同士を嵌合させて互いに連結される。そして、保持片128が積層状態に保持され、姿勢保持部材127となる。これにより、姿勢保持部材127に嵌合された分割コア125のコア片126が、積層状態に保持される。
ここで、分割コア125のコアバック部125aは、コア片126のコアバック部126aを積層して構成される。分割コア125のティース部125bは、コア片126のティース部126bを積層して構成される。分割コア125の嵌合凹部125cは、コア片126の嵌合凹部126cを積層して構成される。姿勢保持部材127の姿勢保持部127aは、保持片128の姿勢保持部128aを積層して構成される。姿勢保持部材127の嵌合凸部127bは、保持片128の嵌合凸部128bを積層して構成される。
絶縁部材14が分割コア125のティース部125bの両側面に接着剤17により固着され、分割コア125が一体化される。その後、姿勢保持部材127が分割コア125から除去され、積層鉄心208が作製される。分割コア125を構成するコア片126は、絶縁部材14および接着剤17により互いに連結されている。
実施の形態8では、コア片126が、カシメ部122を有する保持片48に嵌合保持されている状態で、保持片128とともに積層されている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。したがって、実施の形態8においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態8では、積層された保持片128がカシメ部122同士の嵌合により互いに連結されて、姿勢保持部材127となる。コア片126の積層体である分割コア125が、姿勢保持部材127により、積層状態に保持される。そこで、実施の形態8においても、実施の形態6と同様に、図23における積層体把持工程を省略することができ、回転電機の生産性を向上させることができる。また、カシメ部122が姿勢保持部材127とともに除去されるので、カシメ部122が分割コア125の磁路中に存在せず、回転電機の高効率化が図られる。
分割コア125と姿勢保持部材127が、嵌合凸部127bと嵌合凹部125cとの嵌合により、連結されている。これにより、絶縁部材14が分割コア125に接着剤17により固着された後、姿勢保持部材127を切断することなく除去できるので、生産性が向上される。
なお、実施の形態8では、実施の形態1における分割コアを構成するコア片のコアバック部に嵌合凹部を設け、カシメ部を有する保持片に嵌合凸部を設けているが、他の実施の形態におけるコア片のコアバック部に嵌合凹部を設け、カシメ部を有する保持片に嵌合凸部を設けてもよい。
実施の形態9.
図68はこの発明の実施の形態9に係る積層鉄心の製造方法を説明するフロー図、69はこの発明の実施の形態9に係る積層鉄心の製造装置を打ち抜き方向から見た模式図、図70はこの発明の実施の形態9に係る積層鉄心の製造装置を打ち抜き方向と直交する方向から見た模式図である。なお、図70では製造装置の金型内を図69のA−A矢視断面で示している。
実施の形態1では、金型内で整列された設定された枚数のコア片32の積層体を切り出し、切り出された積層体に絶縁部材14を貼り付けていた。実施の形態9では、打ち抜かれたコア片32を整列し、整列されたコア片32の積層体に絶縁部材14を貼り付け、接着剤17を硬化させる一連の工程を金型内で行っている。
実施の形態9では、材料供給部91から供給されたフープ材90が、材料送り部92により設定されたピッチで打ち抜き部93に送られる。打ち抜き部93において、打ち抜き部材56により、T字状のコア片32が、フープ材90から打ち抜かれる(ステップ110:打ち抜き工程)。打ち抜かれたコア片32は、積層された状態で下方に押し出されて、打ち抜き部93の下部に配置された整列部94内に挿入される。コア片32は、整列部94内に挿入されることで、整列された状態で積層される(ステップ111:整列工程)。ついで、絶縁部材14が絶縁部材供給部130から整列部94に連続的に供給される。液体状の接着剤17が、接着剤塗布部131で、整列部94に到達する前の絶縁部材14に塗布される(ステップ112:接合剤取付工程)。
絶縁部材加圧部132は、加圧ローラ133をコア片32のティース部の両側面のそれぞれに相対して、コア片32の積層方向、すなわち上下方向に複数配列して構成されている。絶縁部材14は、コア片32の側面と最上位位置の加圧ローラ133との間に挟み込まれ、コア片32の側面に貼り付けられる(ステップ113:絶縁部材貼付工程)。コア片32の側面に貼り付けられた絶縁部材14は、コア片32とともに下降し、加圧ローラ133を通過する際に、コア片32の側面に押し付けられる。コア片32の側面に貼り付けられた絶縁部材14がコア片32とともに絶縁部材加圧部132を下降する過程で、接着剤17が硬化され、積層されたコア片32と絶縁部材14が接合される(ステップ114:接合工程)。
コア片32が設定された枚数分下降すると、切り出し部95において、接着剤17で固定されたコア片32の積層体を切り出し部材57で分離する(ステップ115:切り出し工程)。切り出し工程では、絶縁部材14が分割コア31のティース部31bの両側面に接着剤17により固定された積層鉄心200が切り出される。切り出された積層鉄心200が、次工程に搬送される。
このように、実施の形態9によれば、コア片32の整列工程、絶縁部材14の貼付工程、接着剤17の硬化工程が金型内で行われるので、設備台数を削減できるとともに、生産性を向上させることができる。接着剤17が絶縁部材14を介してコア片32に押圧されるので、接着剤17が金型などの設備に付着せず、メンテナンス性が向上される。
なお、上記実施の形態9では、実施の形態1における積層鉄心200を製造する場合について説明しているが、他の実施の形態による積層鉄心を製造する場合にも適用できる、
また、上記実施の形態9では、液体状の接着剤17を用いる場合について説明しているが、フィルム状の接着剤を用いてもよい。
また、上記実施の形態9では、絶縁部材供給部と整列部との間の搬送経路で、絶縁部材14に接着剤17を塗布しているが、予め接着剤17が塗布された絶縁部材14を絶縁部材供給部130から供給するようにしてもよい。
実施の形態10.
図71はこの発明の実施の形態10に係る積層鉄心の製造方法における分割コアをリング部材に一円状に配設した状態を示す端面図、図72はこの発明の実施の形態10に係る積層鉄心の製造方法における絶縁部材加圧部材を装着する工程を説明する斜視図、図73はこの発明の実施の形態10に係る積層鉄心の製造方法における絶縁部材加圧部材を装着した状態を示す斜視図、図74はこの発明の実施の形態10に係る積層鉄心の製造方法における絶縁部材加圧部材を装着した状態を示す要部断面図である。
実施の形態10では、上記実施の形態1における分割コア31のコアバック部31aの外径部に嵌合凹部31cを形成した分割コア31Aを用いる。分割コア31Aは、図71に示されるように、コアバック部31aの周方向の側面同士を突き合わせて、同軸に配設された内周リング135と外周リング137との間に一円状に整列される(積層体整列工程)。
内周リング135は、一円状に整列された分割コア31Aの内径と同等の外径に形成されている。内周リング135の外周面には、図74に示されるように、第1位置決め突起136が等角ピッチで形成されている。そして、第1位置決め突起136が、周方向に隣り合う分割コア31Aのティース部31bの先端部間のそれぞれに嵌入されている。外周リング137は、一円状に整列された分割コア31Aの外径と同等の内径に形成されている。外周リング137の内周面には、図74に示されるように、第2位置決め突起138が等角ピッチで形成されている。第2位置決め突起138が、分割コア31Aのコアバック部31aの外径部に形成された嵌合凹部31cのそれぞれに嵌入されている。これにより、一円状に整列された分割コア31Aの周方向の移動が規制される。また、一円状に整列された分割コア31Aの径方向の移動が、内周リング135と外周リング137とにより規制される。
ついで、接着剤17が塗布された絶縁部材14が、周方向に隣り合う分割コア31Aのティース部31b間に、軸方向から挿入される。そして、絶縁部材14が、接着剤17の塗布面を分割コア31Aのティース部31bの側面に沿うように配置し、貼り付ける(絶縁部材貼付工程)。ついで、絶縁部材加圧部材139が、図72に示されるように、周方向に隣り合う絶縁部材14間に軸方向から挿入される。これにより、絶縁部材14がティース部31bの側面に押圧される(絶縁部材加圧工程)。そして、図70および図73に示されるように、絶縁部材加圧部材139が各絶縁部材14間に挿入された状態で、接着剤17を硬化させる(接合工程)。接着剤17の硬化後に、絶縁部材14が固着された分割コア31Aを取り出して、積層鉄心が得られる。
実施の形態10によれば、一円状に配列された分割コア31Aに絶縁部材14を接着固定しているので、このように製造された積層鉄心を円環状に配列して作製される固定子鉄心の寸法精度が安定化する。また、固定子鉄心の径方向寸法のバラツキが小さくなるとともに、固定子鉄心の真円度が高められる。
固定子鉄心の周方向の分割数に拘わらず、分割コアを内周リングと外周リングからなる1種類の治具で製造できるので、治具数を低減しつつ、生産性を向上させることできる。
なお、上記実施の形態10では、実施の形態1における積層鉄心を製造する場合について説明しているが、他の実施の形態による積層鉄心を製造する場合にも適用できる。
ここで、上記各実施の形態では、接着剤を用いて絶縁部材とティース部とを接合しているが、絶縁部材とティース部とを接合する接合剤は、接着剤に限定されず、粘着剤(感圧性接着剤)でもよく、接着剤と粘着剤とを併用してもよい。本発明の接合剤取付工程は、接着剤を絶縁部材およびティース部の少なくとも一方に塗布する工程、および粘着剤を絶縁部材およびティース部の少なくとも一方に貼り付ける工程の少なくとも一方の工程を有する。
接合剤として粘着剤を用いた場合、状態変化を伴うことなく、絶縁部材とティース部とを粘着剤で接合できるので、接合に必要な時間を短縮でき、生産性を向上させることができる。
接合剤として接着剤と粘着剤とを併用する場合、粘着剤を用いることによる生産性の向上と、接着剤を用いることによる強度向上と、を両立する効果が得られる。この場合、粘着性と熱硬化性との両方の性質を有する接着剤を接合剤として用い、粘着性により絶縁部材と分割コアとを仮固定し、熱を加えて硬化させればよい。また、粘着剤と接着剤とを用い、粘着剤により絶縁部材と分割コアとを仮固定した後、接着剤を絶縁部材と分割コアとの間に含浸、硬化させてもよい。
14 絶縁部材、14d 突出部、14e 根元部、17 接着剤(接合剤)、17a 接着剤基部(接合剤基部)、17b 鉤部、31,31A,40,70、120,123,125 分割コア(積層体)、31a,40a,120a,123a,125a コアバック部、31b,40b,120b,123b,125b ティース部、32,121,124,126 コア片、41 第1コア片、41c 第1凹部、42 第2コア片、42c 第2凹部、71 コアブロック、71a コアバック部、71b ティース部、128 保持片、132 絶縁部材加圧部、135 内周リング、137 外周リング、139 絶縁部材加圧部材。

Claims (28)

  1. 磁性材からなるコア片を積層して構成され、コアバック部および該コアバック部の内周面から径方向内方に突出するティース部を有する積層体と、前記ティース部の両側部に配設された絶縁部材と、を備える積層鉄心の製造方法であって、
    前記コア片を磁性材の帯状体から打ち抜く工程と、
    打ち抜かれた前記コア片を整列しつつ積層して前記積層体とする整列工程と、
    前記整列工程の後に、前記積層体の前記ティース部の周方向の両側面に接着剤および粘着剤の少なくとも一方を取り付ける接合剤取付工程と、
    前記絶縁部材を前記ティース部の前記両側面に貼り付ける絶縁部材貼付工程と、
    前記絶縁部材を前記積層体の前記ティース部の前記両側面に押し付けて、前記ティース部の前記両側面と前記絶縁部材との間に配設された前記接着剤および前記粘着剤の少なくとも一方により、前記積層体を一体化するとともに、前記絶縁部材を前記積層体に固定する接合工程と、を有する積層鉄心の製造方法。
  2. 磁性材からなるコア片を積層して構成され、コアバック部および該コアバック部の内周面から径方向内方に突出するティース部を有する積層体と、前記ティース部の両側部に配設された絶縁部材と、を備える積層鉄心の製造方法であって、
    前記コア片を磁性材の帯状体から打ち抜く工程と、
    打ち抜かれた前記コア片を整列しつつ積層して前記積層体とする整列工程と、
    前記絶縁部材に接着剤および粘着剤の少なくとも一方を取り付ける接合剤取付工程と、
    前記絶縁部材を前記ティース部の前記両側面に貼り付ける絶縁部材貼付工程と、
    前記絶縁部材を前記積層体の前記ティース部の前記両側面に押し付けて、前記ティース部の前記両側面と前記絶縁部材との間に配設された前記接着剤および前記粘着剤の少なくとも一方により、前記積層体を一体化するとともに、前記絶縁部材を前記積層体に固定する接合工程と、を有する積層鉄心の製造方法。
  3. 磁性材からなるコア片を積層して構成され、コアバック部および該コアバック部の内周面から径方向内方に突出するティース部を有する積層体と、前記ティース部の両側部に配設された絶縁部材と、を備える積層鉄心の製造方法であって、
    前記コア片を磁性材の帯状体から打ち抜く工程と、
    打ち抜かれた前記コア片を整列しつつ積層して前記積層体とする整列工程と、
    主剤と硬化促進剤とからなる接着剤を用い、前記主剤を前記ティース部の前記両側面と前記絶縁部材の一方に塗布し、前記硬化促進剤を前記ティース部の前記両側面と前記絶縁部材の他方に塗布する接合剤取付工程と、
    前記絶縁部材を前記ティース部の前記両側面に貼り付ける絶縁部材貼付工程と、
    前記絶縁部材を前記積層体の前記ティース部の前記両側面に押し付けて、前記ティース部の前記両側面と前記絶縁部材との間に配設された前記接着剤により、前記積層体を一体化するとともに、前記絶縁部材を前記積層体に固定する接合工程と、を有する積層鉄心の製造方法。
  4. 前記接合工程に先立って、前記コア片を磁性材の帯状体から打ち抜く工程と、打ち抜かれた前記コア片を整列しつつ積層して前記積層体とする整列工程と、を有し、
    前記打ち抜き工程において、前記コア片にカシメ部が形成され、
    前記整列工程において、前記カシメ部同士が嵌合して、前記コア片が積層された状態に保持される請求項1または請求項2記載の積層鉄心の製造方法。
  5. 前記カシメ部は、積層されて前記コアバック部を構成する前記コア片の部分に形成されている請求項4記載の積層鉄心の製造方法。
  6. 前記コア片は、積層されて前記コアバック部を構成する部分から外径側に突出する姿勢保持部を有し、前記カシメ部が、前記姿勢保持部に形成されており、
    前記接合工程の後に、前記カシメ部同士が嵌合して、積層された状態に保持されている前記姿勢保持部を除去する工程をさらに有する請求項4記載の積層鉄心の製造方法。
  7. 前記接合工程に先立って、前記コア片を磁性材の帯状体から打ち抜く工程と、打ち抜かれた前記コア片を整列しつつ積層して前記積層体とする整列工程と、を有し、
    前記打ち抜き工程において、積層されて前記コアバック部を構成する前記コア片の部分に嵌合可能な、かつカシメ部が形成された保持片が打ち抜かれ、
    前記整列工程において、前記コア片と前記保持片とが嵌合された状態で積層されるとともに、前記カシメ部同士が嵌合して、前記保持片が積層された状態に保持され、
    前記接合工程の後に、前記カシメ部同士が嵌合して、積層された状態に保持されている前記保持片を除去する工程をさらに有する請求項1または請求項2記載の積層鉄心の製造方法。
  8. 前記接合工程に先立って、前記コア片を磁性材の帯状体から打ち抜く工程と、打ち抜かれた前記コア片を整列しつつ積層して前記積層体とする整列工程と、前記積層体を積層方向に移動させつつ、前記接着剤および前記粘着剤の少なくとも一方が塗布された前記絶縁部材を前記積層体に連続的に供給して、前記絶縁部材を前記ティース部の前記両側面に貼り付ける絶縁部材貼付工程と、を備え、
    上記接合工程において、前記積層体とともに積層方向に移動する前記絶縁部材を、絶縁部材加圧部により前記積層体の前記ティース部の前記両側面に押し付けている請求項1または請求項2記載の積層鉄心の製造方法。
  9. 前記接合工程に先だって、同軸に配設された内周リングと外周リングとの間に、前記積層体を一円状に整列させる積層体整列工程と、前記絶縁部材を前記積層体の前記ティース部の前記両側面に貼り付ける絶縁部材貼付工程と、一円状に整列された前記積層体のなかの隣り合う積層体の前記ティース部間に絶縁部材加圧部材を挿入し、前記絶縁部材を前記ティース部の前記両側面に押し付ける絶縁部材加圧工程と、を備える請求項1または請求項2記載の積層鉄心の製造方法。
  10. 前記接着剤が、嫌気性接着剤である請求項1、請求項2、請求項4から請求項9の何れか1項に記載の積層鉄心の製造方法。
  11. 前記接着剤が、熱硬化性接着剤である請求項1、請求項2、請求項4から請求項9の何れか1項に記載の積層鉄心の製造方法。
  12. 前記接着剤が、熱可塑性接着剤である請求項1、請求項2、請求項4から請求項9の何れか1項に記載の積層鉄心の製造方法。
  13. 前記接着剤は、シート状の接着剤である請求項1、請求項2、請求項4から請求項9の何れか1項に積層鉄心の製造方法。
  14. 前記接着剤は、第1の接着剤と、前記第1の接着剤より粘度の低い第2の接着剤と、からなり、前記第2の接着剤は、前記積層体の前記コア片間に含浸できる粘度に調整されている請求項1、請求項2、請求項4から請求項9の何れか1項に積層鉄心の製造方法。
  15. 磁性材からなるコア片を積層して構成されており、コアバック部および該コアバック部の内周面から径方向内方に突出するティース部を有する積層体と、
    前記ティース部の周方向の両側面を覆って、前記ティース部の軸方向の両側に突出するように、前記ティース部の両側部に配設された絶縁部材と、
    前記ティース部の前記両側面と前記絶縁部材との間に配設されて、前記積層体を一体化するとともに、前記絶縁部材を前記積層体に固定する接合剤基部、および前記ティース部の両端面の周方向の両縁部に突出して前記コア片の軸方向の移動を規制する鉤部を有する、接着剤および粘着剤の少なくとも一方からなる接合層と、を有する積層鉄心。
  16. 前記鉤部が、前記積層体の前記ティース部の両端面の周方向の両縁部を覆っている請求項15記載の積層鉄心。
  17. 前記積層体は、1つの前記コアバック部と1つの前記コアバック部とからなるT字状に構成されている請求項15または請求項16記載の積層鉄心。
  18. 前記積層鉄心は、1つの前記コアバック部と1つの前記コアバック部とからなるT字状に構成された複数のコアブロックを、前記コアバック部の側面の外周端部同士を連結部で屈曲可能に連結して構成されている請求項15または請求項16記載の積層鉄心。
  19. 凹部が前記ティース部の前記両側面に形成され、
    前記接合剤基部が前記凹部に充填されている請求項15から請求項18のれか1項に記載の積層鉄心。
  20. 前記凹部の軸方向長さが前記積層体の軸方向長さより短い請求項19記載の積層鉄心。
  21. 前記絶縁部材は、径方向の両側部を前記ティース部から離間する方向に折り曲げた断面U字状に形成されている請求項15から請求項20のれか1項に記載の積層鉄心。
  22. 前記絶縁部材の前記ティース部の軸方向の両側に突出している突出部が、前記ティース部の端面側に傾斜するように、前記突出部の根元部で曲げられている請求項15から請求項21のれか1項に記載の積層鉄心。
  23. 前記ティース部の前記両側面と前記絶縁部材との間に空隙部が形成されている請求項15から請求項22のれか1項に記載の積層鉄心。
  24. 巻き枠が前記積層体の両端面に接着剤および粘着剤の少なくとも一方により固定されている請求項15から請求項23のれか1項に記載の積層鉄心。
  25. 前記絶縁部材の厚みが前記接合剤基部の厚みより厚い請求項15から請求項24のれか1項に記載の積層鉄心。
  26. 前記接合剤基部の厚みが前記コア片の厚みより薄い請求項15から請求項25のれか1項に記載の積層鉄心。
  27. カシメ部が、積層されて前記コアバック部を構成する前記コア片の部分に形成されており、
    積層された前記コア片が、前記カシメ部同士を嵌合させて、互いに連結されている請求項15から請求項26のれか1項に記載の積層鉄心。
  28. 請求項15から請求項27のれか1項に記載の積層鉄心を用いた電機子。
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