JP2015511228A - オーロラおよびflt3キナーゼモジュレーター - Google Patents

オーロラおよびflt3キナーゼモジュレーター Download PDF

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Abstract

オーロラキナーゼおよびFLT3キナーゼの活性のモジュレーターとして有用な式(1)【化1】(式中、R1は、水素またはC1−2アルキルであり;R2、R3およびR4のうちの2つ以下が、水素以外であることを条件に、R2、R3およびR4は、同一または異なっており、それぞれ水素、C1−2アルキル、フッ素、塩素、C1−2アルコキシおよびトリフルオロメチルから選択される)を有する化合物、およびその塩を提供する。同じく該化合物を含む医薬組成物、および薬品における、詳細には癌の処置におけるその使用を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、キナーゼ、詳細にはオーロラキナーゼおよびFLT3キナーゼの活性を阻害またはモジュレートする化合物、キナーゼにより介在される疾患状況または状態の処置または予防における該化合物の使用に関する。同じく、該化合物を含有する医薬組成物、それらの調製方法、および新規な化学的中間体が提供される。
発明の背景
プロテインキナーゼは、細胞内の様々なシグナル伝達工程の制御を担う、構造的に関連する酵素の大きなファミリーを構成している(Hardie and Hanks(1995)The Protein Kinase Facts Book.I and II,Academic Press,カリフォルニア州サンディエゴ所在)。該キナーゼは、それらがリン酸化する基質により各ファミリーに分類され得る(例えば、蛋白質−チロシン、蛋白質−セリン/トレオニン、脂質など)。これらキナーゼファミリーのそれぞれに概ね対応する配列モチーフが、同定された(例えば、HANKS AND HUNTER,FASEB J.,(1995)9.576−596;Knighton,et al.,Science,(1991)253,407−414;Hiles,et al.,Cell,(1992)70,419−429;Kunz,et al.,Cell,(1993)73,585−596;Garcia−Bustos,et al.,EMBO J.,(1994)13,2352−2361)。
プロテインキナーゼは、それらの調節メカニズムにより特徴づけることができる。これらのメカニズムには、例えば自己リン酸化、他のキナーゼによるリン酸基転移、蛋白質−蛋白質相互作用、蛋白質−脂質相互作用、および蛋白質−ポリヌクレオチド相互作用がある。個々のプロテインキナーゼは1種を超えるメカニズムにより調節される場合がある。
キナーゼは、リン酸基を標的蛋白質に付加することにより、非限定的に増殖、分化、アポトーシス、運動、転写、翻訳および他のシグナル伝達工程をはじめとし、多くの異なる細胞工程を調節する。これらのリン酸化事象は、標的蛋白質の生物学的機能をモジュレートまたは調節し得る分子オン/オフスイッチとして作用する。標的蛋白質のリン酸化は、様々な細胞外シグナル(ホルモン、神経伝達物質、増殖および分化因子など)、細胞周期事象、環境または栄養ストレスなどに反応して生じる。適切なプロテインキナーゼは、例えば、代謝酵素、調節蛋白質、受容体、細胞骨格蛋白質、イオンチャンネルもしくはポンプ、または転写因子を活性化または不活性化(直接的または間接的に)するために、シグナル伝達経路において機能する。蛋白質リン酸化の欠陥的制御を原因とする非制御的シグナル伝達は、例えば炎症、癌、アレルギー/喘息、免疫系の疾患および症状、中枢神経系の疾患および症状、ならびに血管新生をはじめとし、多くの疾患に関連づけられている。
オーロラキナーゼ
これまでに、オーロラキナーゼファミリーの3つのメンバーが、哺乳動物において見出されている(Nigg,Nat.Rev.Mol.Cell Biol.(2001)2,21−32)。オーロラAキナーゼ(前記文献ではオーロラ2とも称される)は、細胞周期のG2およびM期に関与し、有糸分裂の重要な調節因子であるセリン/トレオニンキナーゼである。オーロラキナーゼAは、有糸分裂チェックポイント制御、染色体動態、および細胞質分裂において役割を担うと考えられている(Adams et al.,Trends Cell Biol.,(2001 )11,49−54)。該キナーゼは、間期細胞の中心体に、双極紡錘体の極に、そして有糸分裂装置の中央体に位置する。
他の2種の現在知られるオーロラキナーゼが、オーロラB(前記文献ではオーロラ1とも称される)およびオーロラC(前記文献ではオーロラ3とも称される)である。オーロラキナーゼは、高度に相同的な触媒ドメインを有するが、それらのN末端部がかなり異なっている(Katayama et al,Cancer Metastasis Rev.(2003)22(4),451−64)。
オーロラキナーゼAおよびBの基質は、キネシン様モーター蛋白質、紡錘体装置蛋白質、ヒストンH3蛋白質、動原体蛋白質、および腫瘍抑制蛋白質p53などが同定されている。
オーロラAキナーゼは、紡錘体形成に関与して、それらが紡錘体結合蛋白質をリン酸化する初期G2期に中心体上に局在化するようになると考えられている(Prigent et al.,Cell(2003)114,531−535)。Hirotaら(Cell,(2003)114:585−598)は、オーロラA蛋白質キナーゼが欠如した細胞が有糸分裂に移行できないことを見出した。更に、様々な種におけるオーロラA遺伝子の突然変異または破壊が、中心体分離および成熟不全、紡錘体異常、ならびに染色体分配不全をはじめとし、有糸分裂異常をもたらすことが見出された(Adams,2001)。
オーロラキナーゼAは、一般に、胸腺および精巣など、分裂細胞を高い割合で有する組織を除き、大部分の正常組織において低レベルで発現される。しかしオーロラキナーゼレベルの上昇が、多くのヒト癌において見出されている(Giet et al.,J.Cell.Sci.(1999)112,3591およびKatayama(2003))。更にオーロラAキナーゼは、多くのヒト癌において増幅されることがしばしば見出されている染色体20q13領域に位置する。
こうして、例えば著しいオーロラA過剰発現は、ヒト乳癌、卵巣癌、および膵臓癌において検出されている(Zhou et al.,Nat.Genet.(1998)20,189−193;Tanaka et al.,Cancer Res.(1999)59,2041−2044およびHan et al.,Cancer Res.(2002)62,2890−2896参照)。
その上、Isola(American Journal of Pathology(1995)147,905−911)は、オーロラA遺伝子座(20q13)の増幅が、リンパ節転移陰性の乳癌患者に関する予後不良と相関することを報告している。
オーロラAの増幅および/または過剰発現は、ヒト膀胱癌において観察され、オーロラAの増幅は、異数性および攻撃的臨床挙動と関連する(Sen et al.,J.Natl.Cancer Inst.(2002)94,1320−1329参照)。
オーロラAの発現増加は、大腸癌(Bischoff et al.,EMBO J.(1998)17,3052−3065およびTakahashi et al.,Jpn.J.Cancer Res.(2000)91,1007−1014参照)、卵巣癌(Gritsko et al.,Clin.Cancer Res.(2003)9,1420−1426参照)、および胃腫瘍(Sakakura et al.,British Journal of Cancer(2001)84,824−831参照)において50%を超えて検出されている。
Tanakaら(Cancer Research(1999)59:2041−2044)は、浸潤性乳腺導管腺癌の94%においてオーロラAの過剰発現に関する証拠を見出した。
高レベルのオーロラAキナーゼは、腎腫瘍、頸部腫瘍、神経芽細胞腫、黒色腫、リンパ腫、膵臓腫瘍、および前立腺腫瘍細胞株においても見出されている(Bischoff et al.,(1998),EMBO J.(1998)17,3052−3065;Kimura et al.,J.Biol.Chem.(1999)274,7334−7340;Zhou et al.,Nature Genetics,20:189−193(1998);Li et al.,Clin Cancer Res.9(3):991−7(2003))。
Royceら(Cancer.(2004)100(1),12−19)は、オーロラ2遺伝子(STK15またはBTAKとして公知)の発現が原発性乳房腫瘍のおよそ1/4において認められたことを報告している。
Reichardtら(Oncol Rep.(2003)10(5)1275−9)は、神経膠腫におけるオーロラ増幅を調査するためのPCRによる定量的DNA分析で、WHOグレードが異なる(1×グレードII、1×グレードIII、3×グレードIV) 16の腫瘍のうち5 (31%)がオーロラ2遺伝子のDNA増幅を示すことが明らかになったことを報告している。オーロラ2遺伝子の増幅が、ヒト神経膠腫における非ランダムの遺伝子変化で、腫瘍形成の遺伝子経路において役割を担う可能性が推定された。
Hamadaら(Br.J.Haematol.(2003)121(3),439−47)による結果からも、オーロラ2が非ホジキンリンパ腫の疾患活性だけでなく腫瘍形成も示す効果的な候補物質であることが示唆される。この遺伝子機能の制限から得られた腫瘍細胞増殖の遅延が、非ホジキンリンパ腫の治療的アプローチになる可能性がある。
Gritskoら(Clin Cancer Res.(2003)9(4),1420−6)による研究において、オーロラAのキナーゼ活性および蛋白質レベルが、原発性卵巣腫瘍の患者92名で検査された。インビトロでのキナーゼ分析により、44の症例(48%)でオーロラAキナーゼ活性の上昇が明らとなった。オーロラA蛋白質レベルの上昇は、52(57%)の標本で検出された。オーロラAの高い蛋白質レベルは、キナーゼ活性の上昇と十分に相関した。
Liら(Clin.Cancer Res.2003 Mar;9(3):991−7)により得られた結果から、オーロラA遺伝子が膵臓腫瘍および癌細胞株において過剰発現されることを示されており、オーロラAの過剰発現が膵臓癌発症での役割を担い得ることが示唆される。
同様に、オーロラA遺伝子増幅、およびそれがコードする分裂期キナーゼの関連的な発現増加が、ヒト膀胱癌における異数性および攻撃的臨床挙動と関連することが示された(J.Natl.Cancer Inst.(2002)94(17),1320−9)。
幾つかのグループ(Dutertre and Prigent,Mol.Interv.(2003)3(3),127−30およびAnand et al.,Cancer Cell.(2003)3(1),51−62)による研究から、オーロラキナーゼ活性の過剰発現が現行の一部の癌治療への耐性と関連することが示唆される。例えば、マウス胚線維芽細胞におけるオーロラAの過剰発現は、タキサン誘導体の細胞毒性作用に対するこれらの細胞の感受性を低下させ得る。それゆえオーロラキナーゼ阻害剤は、既存の治療への耐性を発現させた患者において特定の用途を見出し得る。
今日まで実施された研究に基づけば、オーロラAキナーゼの阻害が、腫瘍発生を停止させる有効な手段であることが予想される。
正常細胞に比較して、腫瘍細胞においてオーロラBの発現が増加することも示された(Adams et al.,Chromasoma.(2001)110,65−74)。1つの報告から、オーロラBの過剰発現が、セリン10にあるヒストンH3のリン酸化増加を介して異数性を誘導すること、およびオーロラBを過剰発現する細胞がより攻撃的な腫瘍を形成し、転移性腫瘍を形成する傾向がより高いことが示唆される(Ota et al.,Cancer Res.(2002)62,5168−5177)。
オーロラBは、ヒト細胞において紡錘体チェックポイント機能と中期染色体配置の両方に必要となる(Adams et al.J.Cell Biol.(2001)153,865−880;Kallio et al.,Curr.Biol.(2002)12,900−905およびMurata−Hori and Wang Curr.Biol.(2002)12,894−899)。オーロラBキナーゼ活性の抑制が染色体配置、紡錘体チェックポイント機能および細胞質分裂を損傷することが実証された(Ditchfield et al.,J.Cell Biol.(2003)161,267−280およびHauf et al.,J.Cell Biol.(2003),161,281−294)。その結果、若干の遅延の後、細胞は分裂を行わず4N DNA量で有糸分裂を終了し、増殖能力を急速に喪失する。
Harringtonら(Nat Med.(2004)10(3),262−7)は、オーロラキナーゼの阻害剤が、インビボで腫瘍増殖を抑制し、腫瘍退縮を誘発することを実証した。その研究では、オーロラキナーゼ阻害剤が、癌細胞増殖を遮断し、そしてまた白血病細胞株、大腸細胞株および乳房細胞株をはじめとする一定範囲の癌細胞株の細胞死も惹起した。加えてそれは、白血病細胞のアポトーシスを誘発することによる白血病処置の可能性を示した。VX‐680は、患者から得られた治療抵抗性の原発性急性骨髄性白血病(AML)細胞を強力に死滅させた(Andrews,Oncogene(2005)24,5005−5015)。
Manfrediら(PNAS(2007)104,4106−4111) は、オーロラAの小分子阻害剤がインビボで腫瘍の増殖を抑制することを実証した。この研究では、用量依存的な腫瘍増殖阻害が、ベヒクル処置マウスに対してHCT−116担腫瘍マウスおよびPC−3担腫瘍マウスにおいて実証された。HCT−116細胞異種移植片に対して最大84%、そしてPC−3細胞異種色変異体して最大93%の腫瘍増殖阻害が、観察された。
Mortlockら(Clin Cancer Res.(2007)13(12),3682−3688)は、オーロラBの小分子阻害剤がインビボで腫瘍増殖を抑制することを実証した。樹立されたSW620、HCT−116、Colo205、A549、Calu−6またはHL−60腫瘍異種移植片を担持する免疫欠損マウスに、皮下ミニポンプ輸注により小分子阻害剤AZD1152を48時間かけて投与した。全例での腫瘍増殖の阻害は、55%〜100%の範囲内であり、完全な腫瘍退縮が、HL−60異種移植片を担持する動物11匹中8匹で観察された。
今日までに得られた証拠に基づけば、オーロラキナーゼ阻害剤が、腫瘍発生を停止させて、乳癌、膀胱癌、大腸癌、膵臓癌、卵巣癌、非ホジキンリンパ腫、神経膠腫、非類内膜子宮内膜癌、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、B細胞リンパ腫(マントル細胞)、および急性リンパ芽球性白血病(ALL)などの癌を処置するのに特に有用になるはずであると判断される。
FLT3
FMS様チロシンキナーゼ3(FLT3)は、造血および非造血細胞の増殖、分化およびアポトーシスに関与する受容体チロシンキナーゼである(Scheijen and Griffin,Oncogene(2002)21,3314−3333およびReilly,British Journal of Haematology(2002)116,744−757)。天然のリガンド(FL)が結合する結果、FLT3受容体は二量体化して、そのチロシンキナーゼドメインが活性化し、受容体が自己リン酸化して、PI3K(ホスファチジルイノシトール3キナーゼ)のp85サブユニット、PLC−γ(ホスホリパーゼ−Cγ)、STAT5a(シグナル伝達兼転写活性化因子5a)およびSRCファミリーチロシンキナーゼなどの下流のシグナル伝達分子が動員される(Gilliland and Griffin, Blood(2002)100(5),1532−42;Drexler,Leukemia(1996)10(4),588−99およびRavandi et al.,Clin Cancer Res.(2003)9(2),535−50)。
リン酸化によるこれらの下流シグナル伝達分子の活性化が、FLT3の増殖および生存促進作用を誘導する(Gilliland and Griffin(2002)およびLevis and Small,Leukemia(2003)17(9),1738−52)。
受容体の膜近接領域に遺伝子内縦列重複を含む、または活性化ループ内のD835の点突然変異による、FLT3の体細胞突然変異が、急性骨髄性白血病(AML)(未熟な骨髄白血球細胞の過剰産生により誘発される白血球の癌)の患者のおよそ30%で実証された(Nakao et al.,Leukemia(1996)10(12),1911−8;Thiede et al.,Blood(2002)99(12),4326−35;Yamamoto et al.,Blood(2001)97(8),2434−9;Abu−Duhier et al.,Br.J.Haematol.(2000)111(1), 190−5およびAbu−Duhier et al.,Br.J.Haematol.(2001)113(4),983−8)。
AMLにおける白血病性形質転換に寄与するFLT3の他のリガンド非依存性活性化突然変異が、近年になり記載された。診断の際にそのような突然変異が存在することが、一部の患者における予後不良に関連づけられた(Jiang et al.,Blood(2004)104(6),1855−8およびKindler et al.,Blood(2005)105(1),335−40)。
本発明者らの以前の国際特許出願WO2008/139161号に、置換されたオキサゾールカルボキサミドの一分類が、様々なキナーゼ、特にオーロラキナーゼ、FLT3キナーゼおよびFLT4キナーゼの阻害剤として開示されている。
WO2008/139161号のp132の実施例M−12に、以下に示された構造式を有する化合物2−(1H−インドル−4−イル)−5−(4−ピペラジン−1−イル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸アミドの調製が記載される。
Figure 2015511228
発明の概要
ピペラジン環の3−位のCH部分がC(CH部分で置き換えられている、先に記載された化合物の類似体が、先のWO特許の実施例M−12の化合物と比較して、オーロラAキナーゼ、オーロラBキナーゼおよびFLT3キナーゼから選択される1種以上のキナーゼに対して実質的に高い能力を有し、低いエフラックス傾向を有することが、ここに見出された。同じく、オーロラキナーゼに対する該化合物の能力がインドール基上での置換基の存在により更に実質的に高められることが、見出された。
したがって、第一の実施形態(実施形態1.1)において本発明は、式(1):
Figure 2015511228
(式中、
は、水素またはC1−2アルキルであり;
、RおよびRのうちの2つ以下が、水素以外であることを条件に、R、RおよびRは、同一または異なっており、それぞれ水素、C1−2アルキル、フッ素、塩素、C1−2アルコキシおよびトリフルオロメチルから選択される)を有する化合物、およびその塩を提供する。
本発明の特別の化合物および好ましい化合物は、以下の実施形態1.2〜1.33に定義された通りである。
1.2 Rが水素およびメチルから選択される、実施形態1.1による化合物。
1.3 Rが水素である、実施形態1.2による化合物。
1.4 Rがメチルである、実施形態1.2による化合物。
1.5 Rが水素、フッ素、塩素、メチル、エチル、トリフルオロメチルおよびメトキシから選択される、実施形態1.1〜1.4のいずれか1つによる化合物。
1.6 Rが水素、フッ素、塩素、メチル、エチルおよびメトキシから選択される、実施形態1.1〜1.4のいずれか1つによる化合物。
1.6A Rが水素、フッ素、塩素、メチルおよびメトキシから選択される、実施形態1.6による化合物。
1.7 Rが水素である、実施形態1.5による化合物。
1.8 Rがフッ素である、実施形態1.5による化合物。
1.9 Rが塩素である、実施形態1.5による化合物。
1.10 Rがメチルである、実施形態1.5による化合物。
1.11 Rがエチルである、実施形態1.5による化合物。
1.12 Rがメトキシである、実施形態1.5による化合物。
1.13 Rがトリフルオロメチルである、実施形態1.5による化合物。
1.14 Rが水素およびフッ素から選択される、実施形態1.1〜1.13のいずれか1つによる化合物。
1.15 Rが水素である、実施形態1.14による化合物。
1.16 Rが水素、フッ素、メチルおよびエチルから選択される、実施形態1.1〜1.15のいずれか1つによる化合物。
1.17 Rが水素である、実施形態1.16による化合物。
1.18 Rがフッ素、メチル、およびエチルから選択され、RおよびRの一方が水素である、実施形態1.16による化合物。
1.19 Rが水素である、実施形態1.18による化合物。
1.20 Rがフッ素である、実施形態1.18または実施形態1.19による化合物。
1.21 Rがメチルである、実施形態1.18または実施形態1.19による化合物。
1.22 Rがエチルである、実施形態1.18または実施形態1.19による化合物。
1.22A Rが水素であり;Rが水素、メチル、エチル、フルオロ、クロロおよびメトキシから選択され;Rが水素であり;Rが水素、フルオロおよびメチルから選択される、実施形態1.1による化合物。
1.23 (i)Rが水素であり;Rがメチル、エチル、フルオロ、クロロおよびメトキシから選択され;Rが水素であり;Rが水素であるか、または(ii)Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rがメチルであるか、または(iii)Rが水素であり;Rがフルオロであり;Rが水素であり;Rがメチルである、実施形態1.22Aによる化合物。
1.24 以下の表1の化合物Ex.1〜Ex.12から選択される、実施形態1.1による化合物、およびその塩。

















Figure 2015511228
1.25 表1の化合物Ex.2、Ex.3、Ex.5およびEx.7から選択される実施形態1.24による化合物、およびその塩。
1.26 化合物Ex.2である、実施形態1.25による化合物、またはその塩。
1.27 化合物Ex.3である、実施形態1.25による化合物、またはその塩。
1.28 化合物Ex.5である、実施形態1.25による化合物、またはその塩。
1.29 化合物Ex.7である、実施形態1.25による化合物、またはその塩。
1.30 遊離塩基の形態である、実施形態1.1〜1.29のいずれか1つによる化合物。
1.31 塩の形態である、実施形態1.1〜1.29のいずれか1つによる化合物。
1.32 前記塩が酸付加塩である、実施形態1.31による化合物。
1.33 前記塩が薬学的に許容し得る塩である、実施形態1.31または実施形態1.31による化合物。
一般的好適性および定義
本明細書におけるキナーゼの言及は、該当するキナーゼの通常の機能形態だけでなく、その突然変異体形態も包含する。
本明細書において用いられる、キナーゼの活性に適用される用語「モジュレーション」は、キナーゼ(複数可)の生物学的活性レベルの変動を定義するものとする。つまりモジュレーションは、関連のキナーゼ活性の上昇または低下を実行する生理学的変動を包含する。後者の場合、モジュレーションは、「阻害」と記載してもよい。
本明細書でキナーゼに関連して用いられる用語「アップレギュレーション」は、キナーゼの発現増加または過剰発現を含むこと、転写作用による遺伝子増幅(即ち、複数の遺伝子コピー)および発現増加を含むこと、ならびに突然変異による活性化を含むキナーゼの過剰活性化および活性化と定義される。
用語「介在される」が適用される様々な疾患状況または状態が、該当するキナーゼ(またはその突然変異形態)により生物学的役割を担われる疾患状況または状態であるように、本明細書における、特定のキナーゼにより「介在される」疾患状況または状態の言及は、限定的に作用するものとする。キナーゼが担う生物学的役割は、直接的または間接的になり得、疾患、状況または状態の症状発現(またはその因果関係または進行)に必須になり得、そして/または十分になり得る。

本発明の化合物は、塩の形態で存在してもよい。
塩(実施形態1.31〜1.33に定義)は、典型的には酸付加塩である。
塩は、「Pharmaceutical Salts: Properties,Selection,and Use, P.Heinrich Stahl(編集),Camille G.Wermuth(編集),ISBN:3−90639−026−8,Hardcover,388ページ,2002年8月」に記載された方法などの従来の化学的方法により、親化合物から合成することができる。一般にこのような塩は、該化合物の遊離塩基形態を、水もしくは有機溶媒、またはそれら2種の混合物中で酸と反応させることにより調製することができ、一般にはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性媒体が用いられる。
酸付加塩(実施形態1.32に定義)は、非常に様々な無機および有機の両方の酸で形成することができる。酸付加塩の例としては、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例えば、L−アスコルビン酸)、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)樟脳酸、カンファー−スルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−二スルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、グルクロン酸(例えば、D−グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L−グルタミン酸)、α−オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、イセチオン酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−二スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸および吉草酸からなる群より選択される酸、ならびにアシル化アミノ酸および陽イオン交換樹脂により形成される塩が挙げられる。
本発明の化合物の塩形態は、典型的には薬学的に許容し得る塩であり、薬学的に許容し得る塩の例は、Berge et al.,1977,”Pharmaceutically Acceptable Salts,”J.Pharm.Sci.,Vol.66,pp.1−19に議論される。しかし薬学的に許容し得ない塩も、中間体形態として調製することができ、それをその後、薬学的に許容し得る塩に変換することができる。例えば本発明の化合物の精製または分離において、有用となり得るこのような非薬学的に許容し得る塩形態も、本発明の一部を形成する。
同位体
実施形態1.1〜1.33のいずれか1つに定義された本発明の化合物は、1種以上の同位体置換を含んでいてもよく、特定の元素の言及は、その範囲内にその元素の同位体全てを含む。例えば水素の言及は、その範囲内に、H、H(D)、およびH(T)を含む。同様に炭素および酸素の言及は、それらの範囲内に、それぞれ12C、13Cおよび14C、ならびに16Oおよび18Oを含む。
類似の手法で特定の官能基の言及は、他に断りがなければ、その範囲内に同位性の変異体も含む。
例えばエチル基などのアルキル基の言及は、例えば5個の水素原子全てがジューテリウム同位体形態であるエチル基(ペルジューテロエチル基)と同様に、基内の水素原子1つ以上がジューテリウムまたはトリチウム同位体の形態である変異体も含む。
同位体は、放射性または非放射性であってもよい。本発明の一実施形態(実施形態1.34)において、実施形態1.1〜1.33のいずれか1つの化合物は、放射性同位体を全く含まない。このような化合物は、治療的使用に好ましい。しかし別の実施形態(実施形態1.35)において、実施形態1.1〜1.33のいずれか1つの化合物は、1つ以上の放射性同位体を含み得る。このような放射性同位体を含む化合物は、診断関連に有用となり得る。
溶媒和物
実施形態1.1〜1.35のいずれか1つに定義された式(I)で示される化合物は、溶媒和物を形成していてもよい。
好ましい溶媒和物は、本発明の化合物の固体状態の構造(例えば、結晶構造)に、非毒性の薬学的に許容し得る溶媒(以後、溶媒和溶媒と称する)の分子を組み込むことにより形成された溶媒和物である。そのような溶媒の例としては、水、アルコール(エタノール、イソプロパノールおよびブタノールなど)およびジメチルスルホキシドが挙げられる。本発明の化合物を溶媒和溶媒を含む溶媒または溶媒混合物と共に再結晶化することにより、溶媒を調製することができる。任意の付与の例において、溶媒和物が形成されているか否かは、熱重量分析(TEG)、示差走査熱量測定(DSC)およびX線結晶解析などの周知の技術および標準の技術を用いた分析に該化合物の結晶を供することにより、決定することができる。
溶媒和物は、化学量論的または非化学量論的溶媒和物であってもよい。
特に好ましい溶媒和物は、水和物であり、水和物の例としては、半水和物、一水和物および二水和物が挙げられる。
したがって更なる実施形態1.36および1.37において、本発明は、以下のものを提供する。
1.36 溶媒和物の形態の、実施形態1.1〜1.35のいずれか1つによる化合物。
1.37 前記溶媒和物が水和物である、実施形態1.36による化合物。
溶媒和物のより詳細な議論、ならびにそれを生成および特徴づけするために用いられる方法については、1999年に米国インディアナ州ウェストラファイエット所在のSSCI,Incにより発行されたBryn et al.,Solid−State Chemistry of Drugs,Second Edition,ISBN 0−967−06710−3を参照されたい。
あるいは本発明の化合物は、水和物として存在するのではなくむしろ無水物であってもよい。それゆえ別の実施形態(実施形態1.38)において、本発明は、実施形態1.1〜1.35のいずれか1つに定義された化合物を無水形態で提供する。
結晶および非晶質形態
実施形態1.1〜1.38のいずれか1つの化合物は、結晶または非結晶(例えば、非晶質)状態で存在してもよい。
化合物が結晶状態で存在するか否かは、粉末X線回折(XRPD)などの標準技術により即座に決定することができる。
結晶およびその結晶構造は、単結晶X線結晶解析、粉末X線回折(XRPD)、示差走査熱量分析(DSC)および赤外線分光法、例えばフーリエ変換赤外線分光法(FTIR)をはじめとする多数の技術を利用して特徴づけることができる。様々な湿度の条件下での結晶の挙動を、重量測定による水蒸気収着試験、およびXRPDによって分析することができる。
化合物の結晶構造の測定は、X線結晶解析により実施することができ、それは本明細書に記載されたような従来法に従い、そしてFundamentals of Crystallography,C.Giacovazzo,H.L.Monaco,D.Viterbo,F.Scordari,G.Gilli,G.Zanotti and M.Catti,(International Union of Crystallography/Oxford University Press,1992 ISBN 0−19−855578−4(p/b),0−19−85579−2 (h/b))に記載された通り実施することができる。この技術は、単結晶のX線回折法の分析および解釈を必要とする。
非晶質固体では、通常、結晶形態で存在する三次元構造が存在せず、非晶質形態で互いに関する分子の位置が、本質的にランダムである(例えば、Hancock et al.J.Pharm.Sci.(1997),86,1参照)。
したがって更なる実施形態において、本発明は、以下のものを提供する。
1.39 結晶形態である、実施形態1.1〜1.38のいずれか1つによる化合物。
1.40 (a)50%〜100%の結晶である、より特別には少なくとも50%の結晶、または少なくとも60%の結晶、または少なくとも70%の結晶、または少なくとも80%の結晶、または少なくとも90%の結晶、または少なくとも95%の結晶、または少なくとも98%の結晶、または少なくとも99%の結晶、または少なくとも99.5%の結晶、または少なくとも99.9%の結晶、例えば100%の結晶である、 実施形態1.1〜1.38のいずれか1つによる化合物。
1.41 非晶質形態である、実施形態1.1〜1.38のいずれか1つによる化合物。
プロドラッグ
実施形態1.1〜1.41のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物は、プロドラッグの形態で提供されてもよい。「プロドラッグ」は、例えばインビボで実施形態1.1〜1.41のいずれか1つに定義された式(1)で示される生物学的活性化合物に変換される任意の化合物を意味する。
例えば幾つかのプロドラッグは、活性化合物のエステル(例えば、生理学的に許容し得る代謝的に不安定なエステル)である。代謝の間に、エステル基(−C(=O)OR)が切断されて、活性薬を生成する。このようなエステルは、例えば、適宜、親化合物中に存在する任意の他の反応基をあらかじめ保護し、その後必要に応じて脱保護して、例えば親化合物中に存在する任意のヒドロキシル基をエステル化することにより形成され得る。
同じく幾つかのプロドラッグは、酵素により活性化されて、活性化合物、または更なる化学反応の際に該活性化合物を生成する化合物を生成する(例えば、ADEPT、GDEPT、LIDEPTなどのように)。例えばプロドラッグは、糖誘導体もしくは他のグリコシド抱合体であってもよく、またはアミノ酸エステル誘導体であってもよい。
したがって別の実施形態(実施形態1.42)において、本発明は、実施形態1.1〜1.41のいずれか1つに定義された化合物が生理学的条件下でヒドロキシル基またはアミノ基を形成するように変換可能である官能基を含む、前記化合物のプロドラッグを提供する。
錯体およびクラスレート
同じく、実施形態1.1〜1.42の式(1)に包含されるものは、実施形態1.1〜1.42の化合物の錯体(例えば、シクロデキストリンなどの化合物の包接錯体もしくはクラスレート、または金属の錯体)である。
したがって別の実施形態(実施形態1.43)において、本発明は、錯体またはクラスレートの形態の、実施形態1.1〜1.42のいずれか1つによる化合物を提供する。
生物学的活性
本発明の化合物は、様々な治療的用途を有する。
したがって別の実施形態(実施形態2.1)において、本発明は、薬品内で使用するための、実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物を提供する。
より詳細には本発明の化合物は、キナーゼ、例えばFLT3キナーゼ、ならびにオーロラキナーゼAおよびオーロラキナーゼBなどのオーロラキナーゼの阻害剤である。
それゆえ更なる実施形態(2.2〜2.14)において、本発明は、以下のものを提供する。
2.2 FLT3キナーゼまたはオーロラキナーゼ(オーロラキナーゼAまたはオーロラキナーゼBなど)により介在される疾患状況または状態の予防または処置に使用するための実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物またはその任意のサブグループもしくは例。
2.3 FLT3キナーゼまたはオーロラキナーゼ(オーロラキナーゼAまたはオーロラキナーゼBなど)の異常な発現(例えば、過剰発現)を特徴とする疾患状況または状態の予防または処置に使用するための、実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物またはその任意のサブグループもしくは例。
2.4 FLT3キナーゼまたはオーロラキナーゼ(オーロラキナーゼAまたはオーロラキナーゼBなど)により介在される疾患状況または状態の予防または処置用の薬剤を製造するための、実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物またはその任意のサブグループもしくは例の使用。
2.5 FLT3キナーゼまたはオーロラキナーゼ(オーロラキナーゼAまたはオーロラキナーゼBなど)の異常な発現(例えば、過剰発現)を特徴とする疾患状況または状態の予防または処置用の薬剤を製造するための、実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物またはその任意のサブグループもしくは例の使用。
2.6 実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物またはその任意のサブグループもしくは例を、必要とする対象に投与することを含む、FLT3キナーゼまたはオーロラキナーゼ(オーロラキナーゼAまたはオーロラキナーゼBなど)により介在される疾患状況または状態の予防または処置の方法。
2.7 実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物またはその任意のサブグループもしくは例を、必要とする対象に投与することを含む、FLT3キナーゼまたはオーロラキナーゼ(オーロラキナーゼAまたはオーロラキナーゼBなど)の異常な発現(例えば、過剰発現)を特徴とする疾患状況または状態の予防または処置の方法。
2.8 実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物またはその任意のサブグループもしくは例を、必要とする対象に投与することを含む、FLT3キナーゼまたはオーロラキナーゼ(オーロラキナーゼAまたはオーロラキナーゼBなど)により介在される疾患状況または状態の罹患率を軽減または低減する方法。
2.9 疾患状況もしくは状態がFLT3キナーゼにより介在されるもの、またはFLT3キナーゼの異常な発現(例えば、過剰発現)を特徴とするものである、実施形態2.1〜2.8のいずれか1つに使用するための化合物、その使用または方法。
2.10 疾患状況もしくは状態がオーロラキナーゼ(例えば、オーロラAまたはオーロラBキナーゼ)により介在されるもの、またはオーロラキナーゼ(例えば、オーロラAまたはオーロラBキナーゼ)の異常な発現(例えば、過剰発現)を特徴とするものである、実施形態2.1〜2.8のいずれか1つに使用するための化合物、その使用または方法。
2.11 FLT3キナーゼを、実施例1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示されるキナーゼ阻害化合物、またはその任意のサブグループもしくは例と接触させることを含む、FLT3キナーゼを阻害する方法。
2.12 オーロラキナーゼ(例えば、オーロラキナーゼAまたはオーロラキナーゼB)を、実施例1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示されるキナーゼ阻害化合物、またはその任意のサブグループもしくは例と接触させることを含む、オーロラキナーゼを阻害する方法。
2.13 実施例1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物、またはその任意のサブグループもしくは例を用いて、FLT3キナーゼの活性を阻害することにより、細胞内プロセス(例えば、細胞分裂)をモジュレートする方法。
2.14 実施例1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物、またはその任意のサブグループもしくは例を用いて、オーロラキナーゼ(例えば、オーロラキナーゼAまたはオーロラキナーゼB)の活性を阻害することにより、細胞内プロセス(例えば、細胞分裂)をモジュレートする方法。
FLT3キナーゼおよびオーロラキナーゼをモジュレートする、詳細には阻害することにおけるそれらの活性の結果として、それらは、癌などの増殖性障害を処置または防御することに有用となることが予測される。
したがって更なる実施形態(実施形態2.15〜2.28)において、本発明は、以下のものを更に提供する。
2.15 癌などの増殖性障害の予防または処置に使用するための、実施例1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物、またはその任意のサブグループもしくは例。
2.16 癌などの増殖性障害を処置または防御することに使用する薬剤を製造するための、実施例1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物、またはその任意のサブグループもしくは例の使用。
2.17 実施例1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物、またはその任意のサブグループもしくは例を、対象(例えば、ヒトなどの哺乳動物)に投与することを含む、対象における癌などの増殖性疾患を処置する方法。
2.18 異常な細胞増殖を含む、またはそれにより生ずる疾患または状態の予防または処置において使用するための、実施例1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物、またはその任意のサブグループもしくは例。
2.19 異常な細胞増殖を含む、またはそれにより生ずる疾患または状態の予防または処置において使用する薬剤の製造のための、実施例1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物、またはその任意のサブグループもしくは例の使用。
2.20 異常な細胞増殖を阻害することに効果的な量の、実施例1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物、またはその任意のサブグループもしくは例を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における異常な細胞増殖を含む、またはそれを生ずる疾患または状態を処置する方法。
2.21 異常な細胞増殖を阻害することに効果的な量の、実施例1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物、またはその任意のサブグループもしくは例を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における異常な細胞増殖を含む、またはそれを生ずる疾患または状態の罹患率を軽減または低減する方法。
2.22 前記増殖性疾患が、癌腫、例えば膀胱癌、乳癌、結腸癌(例えば、結腸腺癌および結腸腺腫のような大腸癌)、腎臓癌、表皮癌、肝臓癌、肺癌、例えば腺癌、小細胞性肺癌および非小細胞性肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、例えば外分泌膵臓癌、胃癌、子宮頸癌、甲状腺癌、前立腺癌または皮膚癌、例えば扁平上皮癌;リンパ系の造血系腫瘍、例えば白血病、急性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫またはバーケットリンパ腫;骨髄系の造血系腫瘍、例えば急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群または前骨髄球性白血病;甲状腺瀘胞癌;間葉由来の腫瘍、例えば線維肉腫または横紋筋肉腫;中枢または末梢神経系の腫瘍、例えば星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫または神経鞘腫;黒色腫;精上皮腫;奇形癌;骨肉腫;色素性乾皮症;角化棘細胞種;甲状腺濾胞癌;またはカポジ肉腫から選択される癌である、実施形態2.15〜2.17のいずれか1つに定義された使用のための化合物、使用または方法。
2.23 癌がオーロラAキナーゼの阻害を受け易いものであり、乳癌、膀胱癌、大腸癌、膵臓癌および子宮癌、非ホジキンリンパ腫、肉芽腫、子宮内膜の非類内膜癌、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、B細胞リンパ腫(マントル細胞)、および急性リンパ芽球性白血病(ALL)から選択される、実施形態2.22に定義された使用のための化合物、使用または方法。
2.24 癌がオーロラBキナーゼの阻害を受け易いものであり、大腸癌、肺癌、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病および急性好酸球性白血病から選択される、実施形態2.22に定義された使用のための化合物、使用または方法。
2.25 癌がFLT3キナーゼの阻害を受け易いものであり、急性骨髄性白血病(AML)である、実施形態2.22に定義された使用のための化合物、使用または方法。
2.26 AMLがFLT3の体細胞突然変異または点突然変異を有する患者に関連する、実施形態2.25に定義された使用のための化合物、使用または方法。
2.27 AMLがFLT3受容体の膜近接領域に遺伝子内縦列重複を含むFLT3の体細胞突然変異を有する患者に関連する、実施形態2.26に定義された使用のための化合物、使用または方法。
2.28 AMLがFLT3の活性化ループにおいてD835の点突然変異を有する患者に関連する、実施形態2.26に定義された使用のための化合物、使用または方法。
2.29 増殖性疾患が造血系腫瘍である、実施形態2.22に定義された使用のための化合物、使用または方法。
2.30 造血系腫瘍が急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)および多発性骨髄腫(MM)から選択される、実施形態2.29に定義された使用のための化合物、使用または方法。
特定の癌がオーロラキナーゼまたはFLT3キナーゼによる阻害に感受性のあるものであるか否かは、細胞増殖アッセイ、例えば以下の実施例に記載されたアッセイまたは「診断の方法」という題目の部分に示された方法により、決定することができる。
本発明の化合物のキナーゼ阻害剤としての活性は、以下の実施例に示されたアッセイを用いて測定することができ、所与の化合物により示された活性レベルは、IC50値に関連して定義することができる。本発明の好ましい化合物は、0.01μM未満、より好ましくは0.005μM未満のIC50値を有する化合物である。
本発明の化合物の調製方法
別の態様(実施形態3.1)において、本発明は、
(i)式(10):
Figure 2015511228
(式中、LG1は、ヨウ素または臭素(最も典型的にはヨウ素)であり、DMBは、2,4−ジメトキシベンジル保護基であり、bocは、tert−ブチルオキシカルボニル保護基である)で示される化合物を鈴木カップリング反応条件下で式(11A)もしくは(11B)で示される化合物、またはそれらの対応するボロン酸ジエステル:
Figure 2015511228
(式中、PGは、tert−ブチルジメチルシリル基などの保護基である)と反応させ、その後、保護基DMBおよびbocを除去するか、あるいは
(ii)式(18):
Figure 2015511228
(式中、bocは、tert−ブチルオキシカルボニルである)で示される化合物をアミド形成条件下でアンモニアと反応させ、その後,boc基を除去すること、
を含む、実施形態1.1〜1.35のいずれか1つに定義された化合物の調製方法を提供する。
改変された工程(i)において、鈴木カップリング反応条件は、典型的にはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムまたはビス(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン)パラジウムジクロリド)(Pd(dppf)Cl)などのパラジウム触媒および塩基(例えば、炭酸カリウムなどの炭酸塩)の存在を必要とする。反応は、極性溶媒、例えばアセトニトリルもしくはジオキサンおよびそれらの混合物、または水性エタノールなどの水性溶媒、またはジメトキシエタンなどのエーテル中で実施してもよく、反応混合物は典型的には、例えば80℃以上の温度、例えば80℃〜100℃の範囲内の温度への加熱に供される。。
化合物(10)と化合物(11A)または化合物(11B)のいずれかとのカップリング反応を実施した後、保護基が、簡便にはジクロロメタンなどの溶媒中でトリフルオロメタンスルホン酸などの酸を用いて通常は室温またはその前後で除去されてもよい。
LG1 がヨウ素原子である式(10)で示される化合物は、以下のスキーム1に示された一連の反応により調製することができる。
スキーム1において、塩化ヨードベンゾイルを、例えば室温で、テトラヒドロフランなどの極性非プロトン性溶媒中、2−イソシアノ酢酸エチルと反応させて、ヨードフェニルオキサゾールエステル(13)を与える。その後、エステル(13)を、酢酸パラジウムなどのパラジウム化合物およびビフェニル−2−イルジシクロヘキシルホスフィンなどのホスフィンリガンドの存在下で保護されたピペラジン(14)と反応させて、置換されたピペラジニルフェニル−オキサゾールエステル(15)を与える。反応は典型的には、炭酸セシウムなどの塩基の存在下、トルエンなどの非プロトン性溶媒中で、通常は例えば約70〜90℃の温度に、穏やかに加熱しながら実施される。
Figure 2015511228
エステル(15)を、メタノールおよび/またはTHFなどの極性溶媒中で水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物を用いて加水分解して、カルボン酸(16)を与え、その後、アミド形成条件下、例えばアミド結合の形成で一般的に用いられるタイプの試薬の存在下で、ジメトキシベンジルアミンと反応させることにより、ジメトキシベンジルアミド(17)に変換する。そのような試薬の例としては、典型的には1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(L.A.Carpino,J.Amer.Chem.Soc,1993,115.4397)または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(Konig et al,Chem.Ber.,103,708,2024−2034)と共に用いられる、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(Sheehan et al,J.Amer.Chem Soc.1955,77,1067)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(本明細書ではEDCまたはEDCIのいずれかと称される)(Sheehan et al,J.Org.Chem.,1961,26,2525)などのカルボジイミド系カップリング剤が挙げられる。そのような試薬の更なる例が、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)などのウロニウム系カップリング剤である。好ましいアミドカップリング剤は、HATUである。
カップリング反応は、典型的には非干渉性塩基、例えばトリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの第三級アミンの存在下、ジメチルホルムアミドなどの非水性の非プロトン性溶媒中、室温で実施される。
ジメトキシベンジルアミド(17)を、THF中、リチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS)を用いて低温でリチウム化し、その後、ヨウ素と反応させて、2−ヨード−オキサゾール(10)を与える。その後、化合物(10)は、先に記載された方法により式(1)で示される化合物に変換することができる。
改変された工程(ii)において、式(18)で示されるカルボン酸を、先に記載されたタイプのアミド形成条件下、例えばEDCをHOBtと共に用いて、アンモニア(またはジメトキシベンジルアミンなどのアミノ基前駆体)と反応させる。
式(18)で示される化合物は、以下のスキーム2に示された反応系列により調製することができる。
スキーム2において、エステル(15)(先のスキーム1参照)をTHF中でヘキサメチルジシラジド(LiHMDS)と低温で反応させ、その後、ヨウ素と反応させてヨード化合物(19)を与えることによりヨウ素化される。ヨード化合物(19)は、その後、鈴木カップリング条件下(先を参照)で式(11)で示されるボロン酸エステル化合物と反応させて、中間体(20)を与え、水酸化ナトリウムを用いて加水分解して、式(18)で示されるカルボン酸を与える。
形成されたら、式(1)で示される多くの化合物は、標準的な官能基相互変換を利用して他の式(1)で示される化合物に変換することができる。
官能基相互変換、ならびにこのような変換を実施するための試薬および条件の例は、例えばJerry MarchによるAdvanced Organic Chemistry,4th edition, 119,Wiley Interscience,New York、Mary Fieserにより編集されたFiesers’ Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1−17,John Wiley(ISBN:0−471−58283−2)、およびJeremiah P.Freemanにより編集されたOrganic Syntheses,Volumes 1−8,John Wiley(ISBN:0−471−31192−8)に見出すことができる。
先に記載された反応の多くでは、1つ以上の基を保護して、反応が分子の望ましくない位置で起こるのを防ぐことが必要な場合がある。保護基の例、ならびに官能基をを保護および脱保護する方法は、Protective Groups in Organic Synthesis(T.Green and P.Wuts;3rd Edition;John Wiley and Sons,1999)に見出すことができる。
Figure 2015511228
本発明の化合物は、当業者に周知の標準的技術により単離および精製することができる。該化合物を精製するのに特に有用な一技術は、クロマトグラフィーカラムから出現する精製された化合物を検出する手段として質量分析を利用した、分取液体クロマトグラフィーである。
分取LC−MSは、本明細書に記載された化合物などの小さな有機分子の精製に用いられる標準的かつ効果的な方法である。液体クロマトグラフィー(LC)および質量分析(MS)の方法は、粗材料のより良好な分離、およびMSによる試料の検出改善をもたらすように変更することができる。分取勾配LC法の最適化は、様々なカラム、揮発性溶離液および改質剤、ならびに勾配を必要とする。分取LC−MSを最適化し、その後、それを用いて化合物を精製する方法は、周知である。そのような方法は、Rosentreter U,Huber U.;Optimal fraction collecting in preparative LC/MS;J Comb Chem.;2004;6(2),159−64、およびLeister W,Strauss K,Wisnoski D,Zhao Z,Lindsley C.,Development of a custom high−throughput preparative liquid chromatography/mass spectrometer platform for the preparative purification and analytical analysis of compound libraries;J Comb Chem.;2003;5(3);322−9に記載される。
中間体化合物(10)、(10A)および(15)〜(20)も、本発明の一部を形成する。したがって更なる実施形態(実施形態3.2)において、本発明は、先に記載された式(10)、(10A)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)および(20)で示される中間体化合物から選択される化合物を提供する。
医薬配合剤
活性化合物を単独で投与することは可能であるが、少なくとも1種の本発明の活性化合物を、1種以上の薬学的に許容し得る担体、アジュバント、賦形剤、希釈剤、充填剤、緩衝剤、安定化剤、防腐剤、滑沢剤、または当業者に周知の他の材料、そして場合により他の治療的または予防的薬剤と共に含む医薬組成物(例えば、配合剤)として活性化合物を提供することが好ましい。
したがって、別の態様(実施形態4.1)において、本発明は、実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された化合物、および薬学的に許容し得る担体を含む医薬組成物を提供する。
本明細書で用いられる用語「薬学的に許容し得る」は、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を誘発せず、合理的なベネフィット/リスク比に適い、対象(例えば、ヒト)の組織と接触して使用されるのに適した、健全な判断の範囲内の化合物、材料、組成物、および/または投与剤型を指す。各担体、賦形剤などは、配合剤の他の原材料と適合性があるという意味で「許容し得」なければならない。
医薬組成物は、経口、非経口、局所、鼻腔、眼科的、耳内、直腸内、膣内、または経皮投与に適した任意の形態であってもよい。組成物が非経口投与を意図されるものであれば、それらは静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下投与するように、または注射、輸注もしくは他の送達手段により標的臓器もしくは組織に直接送達するように配合することができる。
一実施形態(実施形態4.2)において、医薬組成物は、例えば注射または輸注による、i.v.投与に適した形態である。
別の実施形態(実施形態4.3)において、医薬組成物は、皮下(S.c.)投与に適した形態である。
更なる実施形態(実施形態4.4)において、医薬組成物は、経口投与に適した形態である。
経口投与に適した医薬投与剤型としては、錠剤、カプセル、カプレット、丸薬、ロゼンジ、シロップ、溶液剤、粉末、顆粒、エリキシル、および懸濁剤、舌下錠、ウエハーまたはパッチ、ならびにバッカルパッチが挙げられる。
式(1)で示される化合物を含む医薬組成物は、公知技術に従って配合させることができ、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company,Easton,PA,USAを参照されたい。
つまり錠剤組成物は、活性化合物と、糖または糖アルコール、例えばラクトース、スクロース、ソルビトールもしくはマンニトールなどの不活性希釈剤もしくは担体、および/または炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどの非糖由来希釈剤、またはメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースもしくはその誘導体、およびコーンスターチなどのデンプンとの単位投与剤型を含み得る。錠剤は、ポリビニルピロリドンなどの結合および造粒剤、崩壊剤(例えば、架橋カルボキシメチルセルロースなどの膨潤性架橋ポリマー)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸塩)、防腐剤(例えば、パラベン)、抗酸化剤(例えば、BHT)、緩衝剤(例えば、リン酸またはクエン酸緩衝液)、およびクエン酸塩/重炭酸塩混合物などの発泡剤など、標準的原材料を含んでいてもよい。そのような賦形剤は周知であり、本明細書で詳細に議論する必要はない。
カプセル配合剤は、硬ゼラチンまたは軟ゼラチン類であってもよく、固体、半固体、または液体形態の活性成分を含んでいてもよい。ゼラチンカプセルは、動物性ゼラチンまたはその合成もしくは植物由来の均等物であってもよい。
固体投与剤型(例えば、錠剤、カプセルなど)は、コーティングされていても、コーティングされていなくてもよいが、典型的にはコーティング、例えば保護フィルムコーティング(例えば、ワックスまたはワニス)または放出制御型コーティングを有する。コーティング(例えば、Eudgragit(商標)型ポリマー)は、活性成分を胃腸管内の所望の位置で放出するように設計することができる。つまりコーティングは、胃腸管内の特定のpH条件下で分解し、それにより該化合物を胃、回腸、または十二指腸内で選択的に放出するように選択することができる。
コーティングの代替または追加として、薬物を、放出制御剤、例えば放出遅延剤を含む固体マトリックス中で提供することができ、胃腸管内の様々な酸性またはアルカリ性の条件下で化合物を選択的に放出するように適合させることができる。あるいはマトリックス材料または放出遅延性コーティングは、該投与剤型が胃腸管内を通過すると実質的に連続して浸食される浸食性ポリマー(例えば、無水マレイン酸ポリマー)の形態をとることができる。更なる代替例として、活性化合物は、該化合物の放出の浸透圧制御をもたらす送達システム内に配合させることができる。浸透圧制御放出および他の遅延放出もしくは持続放出配合剤は、当業者に周知の方法に従って調製してもよい。
局所使用のための組成物としては、軟膏、クリーム、スプレー、パッチ、ゲル、液滴および挿入物(例えば、眼内挿入物)が挙げられる。そのような組成物は、公知方法に従って配合させることができる。
非経口投与用の組成物は、典型的には滅菌水性もしくは油性溶液または微粒子懸濁液として存在し、あるいは滅菌注射水で即時作製される超微粒子滅菌粉末形態で提供されてもよい。
非経口投与用の組成物は、別個の投与単位として投与されるように配合されても、または輸注により投与されるように配合されてもよい。
結腸または膣内投与用の配合剤の例としては、ペッサリーおよび坐剤が挙げられ、それらは例えば活性化合物を含む形作られた成形可能な材料またはワックス性材料から形成されてもよい。
吸入による投与のための組成物は、吸入可能な粉末組成物または液体もしくは粉末スプレーの形態をとっていてもよく、粉末吸入デバイスまたはエアロゾル分配デバイスを用いて標準形態で投与することができる。そのようなデバイスは、周知である。吸入による投与の場合、粉末配合剤は、典型的には活性化合物をラクトースなどの不活性固体粉末希釈剤と共に含む。
本発明の化合物は、一般に、単位投与剤型で存在し、そのため典型的には所望の生物学的活性レベルを提供するのに十分な化合物を含む。例えば経口投与を意図された配合剤は、有効成分を0.1ミリグラム〜2グラム、より通常には10ミリグラム〜1グラム、例えば50ミリグラム〜500ミリグラム含んでいてもよい。
活性化合物は、所望の治療効果を実現するのに十分な量で、必要とする患者(例えば、ヒトまたは動物の患者)に投与される。
処置の方法
式(1)で示される化合物および本明細書に定義されたそのサブグループは、オーロラキナーゼ(例えば、オーロラAキナーゼまたはオーロラBキナーゼ)により介在される一定範囲の疾患状況または状態の予防または処置に有用となることが予想される。そのような疾患状況および状態の例は、先に示されている。
詳細には式(1)で示される化合物は、増殖性疾患(癌など)および骨髄増殖性障害の予防および処置に有用となることが予想される。
該化合物は一般に、そのような投与を必要とする対象、例えばヒトまたは動物患者、好ましくはヒトに投与される。
該化合物は、典型的には治療的または予防的に有用で一般に非毒性の量で投与される。しかし特定の状況において(例えば、生命を脅かす疾患の場合)、式(1)で示される化合物を投与する利益が、任意の毒性作用または副作用の欠点を上回る場合があり、そのような場合には、ある程度の毒性を伴う量で化合物を投与することが望ましいと判断されてもよい。
該化合物は、有益な治療効果を維持するように長期間にわたり投与されてもよく、または短期間だけ投与されてもよい。あるいは該化合物は、脈動的または連続的な手法で投与されてもよい。
該化合物の典型的な日用量は、100ピコグラム〜100ミリグラム/キログラム体重、より典型的には5ナノグラム〜25ミリグラム/キログラム体重、より通常には10ナノグラム〜15ミリグラム(例えば、10ナノグラム〜10ミリグラム)/キログラム体重の範囲内になり得るが、必要ならば、より高用量またはより低用量を投与してもよい。結局、投与される化合物の量および用いられる組成物のタイプは、処置される疾患の性質または生理学的条件に適合させ、医師の判断に従う。
式(1)で示される化合物は、単独で治療剤として投与することができ、またはそれは、特定の疾患状況、例えば本明細書の先に定義された癌などの新生物疾患を処置するために1種以上の他の化合物との併用療法で投与することができる。式(1)で示される化合物と共に(同時に、または異なる時間間隔で)投与され得る他の治療薬の例としては、非限定的に、トポイソメラーゼ阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、DNA結合剤および微小管阻害剤(チューブリン標的薬)、例えばシスプラチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、イリノテカン、フルダラビン、5FU、タキサン、マイトマイシンC、または放射線療法が挙げらる。あるいは式(1)で示される化合物は、モノクローナル抗体またはシグナル伝達阻害剤との併用療法で投与することができる。
式(1)で示される化合物が、1、2、3、4またはそれを超える他の治療薬(好ましくは1または2つ、より好ましくは1つ)との併用療法で投与される場合、該化合物は、同時に、または連続して投与することができる。連続して投与される場合、それは、短い間隔で(例えば5〜10分間にわたり)または長い間隔で(例えば、1、2、3、4時間もしくはそれを超える間隔を空けて、または必要に応じてより長い間隔を空けて)投与することができ、正確な投与レジメンは、治療薬(複数可)の特性に適合させる。
本発明の化合物は、放射線療法、光線力学的治療、遺伝子治療、手術および食事制限などの非化学的な治療的処置と併用で投与されてもよい。
他の化学療法剤との併用療法で用いられる場合、式(1)で示される化合物および1,2、3、4種またはそれを超える他の治療薬を、例えば2,3、4種またはそれを超える治療薬を含む投与剤型に一緒に配合させることができる。あるいは個々の治療薬を、別個に配合して、場合により使用説明書と共に、キットの形態で提供されてもよい。
診断方法
式(1)で示される化合物の投与前に、患者は、罹患している、または罹患し得る疾患または状態がFLT3キナーゼまたはオーロラキナーゼ(例えば、オーロラAキナーゼまたはオーロラBキナーゼ)に対する活性を有する化合物での処置を受け易いものであるか否かを決定するために、スクリーニングされてもよい。
したがって更なる実施形態(5.1〜5.6)において、本発明は、以下のものを提供する。
5.1 スクリーニングされて、オーロラキナーゼ(例えば、オーロラAキナーゼまたはオーロラBキナーゼ)に対する活性を有する化合物での処置を受け易い疾患または状態に罹患している、または罹患するリスクがあると決定された患者において、疾患の状況または状態の処置または予防において使用するための、本明細書の実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された式(1)で示される化合物または本明細書に定義されたその任意のサブグループもしくは例。
5.2 スクリーニングされて、オーロラキナーゼ(例えば、オーロラAキナーゼまたはオーロラBキナーゼ)に対する活性を有する化合物での処置を受け易い疾患または状態に罹患している、または罹患するリスクがあると決定された患者において、疾患の状況または状態の処置または予防用の薬剤を製造するための、本明細書の実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された化合物または本明細書に定義されたその任意のサブグループもしくは例の使用。
5.3 (i)患者が罹患している、または罹患し得る疾患または状態がオーロラキナーゼ(例えば、オーロラAキナーゼまたはオーロラBキナーゼ)に対する活性を有する化合物での処置を受け易いものであるか否かを決定するために、患者をスクリーニングすること;および(ii)患者がそのような処置を受け易い疾患または状態であることが示されれば、その後、患者に本明細書の実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された化合物または本明細書に定義されたその任意のサブグループもしくは例を投与すること、を含む、オーロラキナーゼにより介在される疾患状況または状態の診断および処置の方法。
5.4 スクリーニングされて、FLT3キナーゼに対する活性を有する化合物での処置を受け易い疾患または状態に罹患している、または罹患するリスクがあると決定された患者において、疾患の状況または状態の処置または予防に使用するための、本明細書の実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された化合物または本明細書に定義されたその任意のサブグループもしくは例。
5.5 スクリーニングされて、FLT3キナーゼに対する活性を有する化合物での処置を受け易い疾患または状態に罹患している、または罹患するリスクがあると決定された患者において、疾患の状況または状態の処置または予防用の薬剤を製造するための、本明細書の実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された化合物または本明細書に定義されたその任意のサブグループもしくは例の使用。
5.6 (i)患者が罹患している、または罹患し得る疾患または状態がFLT3キナーゼに対する活性を有する化合物での処置を受け易いものであるか否かを決定するために、患者をスクリーニングすること;および(ii)患者がそのような処置を受け易い疾患または状態であることが示されれば、その後、患者に本明細書の実施形態1.1〜1.43のいずれか1つに定義された化合物または本明細書に定義されたその任意のサブグループもしくは例を投与すること、を含む、FLT3キナーゼにより介在される疾患状況または状態の診断および処置の方法。
患者から採取された生物学的試料は、患者が罹患している、または罹患し得る癌などの状態または疾患が遺伝子異常(例えば、キナーゼの突然変異)またはオーロラキナーゼもしくはFLT3キナーゼの過剰発現もしくはアップレギュレーションなどの異常な蛋白質発現を特徴とするものか否かを決定するために、診断試験に供されてもよい。患者は、オーロラキナーゼもしくはFLT3キナーゼのアップレギュレーションに特徴的なマーカー、またはオーロラキナーゼもしくはFLT3キナーゼの突然変異の存在を検出するために、診断試験に供されてもよい。オーロラキナーゼまたはFLT3キナーゼのアップレギュレーションを有する腫瘍は、キナーゼ阻害剤に対して特に感受性がある場合がある。それゆえ腫瘍は、オーロラキナーゼまたはFLT3キナーゼのアップレギュレーションについて優先的にスクリーニングされてもよい。診断試験は、典型的には腫瘍生検試料、血液試料(切除された腫瘍細胞の単離および増殖)、糞便生検、唾液、染色体解析、胸膜液、腹水、または尿から選択された生物学的試料で実施される。
オーロラキナーゼまたはFLT3キナーゼにおける突然変異を有する個体の同定は、患者がキナーゼ阻害剤での処置に特に適することを意味し得る。腫瘍は、処置前に変異体の存在について優先的にスクリーニングされてもよい。スクリーニング工程は、典型的には直接スクリーニング、オリゴヌクレオチドマイクロアレイ解析、または突然変異体特異性抗体を必要とする。
蛋白質の突然変異およびアップレギュレーションの同定および解析の方法は、当業者に公知である。スクリーニング法としては、非限定的に、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)またはインサイチュハイブリダイゼーションなどの標準法が挙げられる。
RT−PCRによるスクリーニングにおいて、腫瘍におけるmRNAレベルは、mRNAのcDNAコピーを作製した後、PCRによりcDNAを増幅することにより評価される。PCR増幅の方法、プライマーの選択、および増幅条件は、当業者に公知である。核酸操作およびPCRは、例えばAusubel et al.,編集. Current Protocols in Molecular Biology(2004)John Wiley & Sons Inc.,またはInnis,M.A.et al.編集.PCR Protocols:a guide to methods and applications(1990)Academic Press,San Diego.に記載された標準法により実施される。核酸技術を必要とする反応および操作は、Sambrook et al.,3rd Ed, Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2001) Cold Spring Harbor Laboratory Pressにも記載される。あるいはRT−PCR用に市販されるキット(例えば、 Roche Molecular Biochemicals)が、用いられてもよく、または米国特許第4,666,828号;同第4,683,202号;同第4,801,531号;同第5,192,659号、同第5,272,057号、同第5,882,864号、および同第6,218,529号に示され、参照により本明細書に組み入れられる方法。
mRNA発現を評価するためのインサイチュハイブリダイゼーション技術の例は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)である(Angerer,1987 Meth.Enzymol.,152:649参照)。
一般にインサイチュハイブリダイゼーションは、以下の主要なステップを含む:(1)分析される組織の固定;(2)標的核酸の接近性を上昇させて非特異的結合を減少させるための試料のハイブリダイゼーション前処置;(3)核酸の混合物の、生物学的構造または組織中の核酸へのハイブリダイゼーション;(4)ハイブリダイゼーションで結合されなかった核酸フラグメントを除去するためのハイブリダイゼーション後洗浄、および(5)ハイブリダイズされた核酸フラグメントの検出。そのような適用例に用いられるプローブは、典型的には例えば放射性同位体または蛍光レポーターで、標識されている。好ましいプローブは、ストリンジェントな条件下で標的核酸(複数可)との特異的なハイブリダイゼーションが可能なように、十分に長く、例えば約50、100、または200ヌクレオチド〜約1000またはそれを超えるヌクレオチドである。FISHを実施するための標準的方法は、Ausubel et al.,編集,Current Protocols in Molecular Biology(2004) John Wiley & Sons Inc、およびFluorescence In Situ Hybridization:Technical Overview by John M.S.Bartlett in Molecular Diagnosis of Cancer,Methods and Protocols,2nd ed.;ISBN:1−59259−760−2;(2004)pps.077−088;Series:Methods in Molecular Medicineに記載される。
あるいはmRNAから発現された蛋白質産物は、腫瘍試料の免疫組織化学的検査、マイクロタイタープレートを用いた固相免疫アッセイ、ウェスタンブロット法、二次元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、ELISA、フローサイトメトリー、および特異的蛋白質検出のための当該技術分野で公知の他の方法によりアッセイされてもよい。検出方法は、部位特異性抗体の使用を含む。
実施例17に記載されたMV4−11異種移植マウスモデルにおいてシタラビンと比較した実施例2および7の化合物の抗腫瘍効果を示す。 MV4−11異種移植マウスモデルにおいてシタラビンと比較した実施例2の化合物の抗腫瘍効果を示す。 MV4−11異種移植マウスモデルにおいてシタラビンと比較した実施例7の化合物の抗腫瘍効果を示す。 ベヒクル、実施例2および7の化合物、ならびにシタラビンの投与後29日目(最終時点)のMV4−11異種移植片担持ヌードマウスの腫瘍重量を示す。 ベヒクル、実施例2および7の化合物、ならびにシタラビンの投与後、実施例17に記載された試験の試験期間全体でのMV4−11異種移植片担持ヌードマウスの体重変動を示す。
実施例
ここに本発明を、以下の実施例に記載された具体的な実施形態を参照することにより例示するが、これは本発明を限定するものではない。
実施例において、以下の略語が用いられる。
TEA:トリエチルアミン
PE:石油エーテル
EtOAc:酢酸エチル
STM:出発原料
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DCM:ジクロロメタン
LCMS:液体クロマトグラフィー−質量分析
THF:テトラヒドロフラン
prep.HPLC:分取HPLC
中間体の調製
A.中間体化合物(10A)の調製
4−{4−[4−(2,4−ジメトキシ−ベンジルカルバモイル)−2−ヨード−オキサゾール−5−イル]−フェニル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2015511228
中間体化合物(10A)は、先のスキーム1に示された反応系列により調製することができる。
ステップ1
5−(4−ヨード−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル(スキーム1の化合物(13))
THF 100ml中の塩化4−ヨードベンゾイル(14.0g、0.052mol)の溶液に、TEA(15.6g、0.156mol)を滴加し、混合物を10分間撹拌した後、2−イソシアノ酢酸エチル(6.5g、0.058mol)を緩やかに添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、溶媒を除去して、残渣をEtOAcおよび水で処理した。有機層を分離して、NaSOで脱水して溶媒を除去した。粗生成物をカラムにより精製して、表題化合物(11.0g、61.7%)を赤橙色固体として与えた。
H NMR:CDCl 400MHz−δ7.92(s,1H),7.80−7.90(m,4H),4.43(q,J=7.2Hz,2H),1.42(t,J=7.2Hz,3H)
ステップ2
4−[4−(4−エトキシカルボニル−オキサゾル−5−イル)−フェニル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(スキーム1の化合物(15))
乾燥トルエン(300mL)中の5−(4−ヨード−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル(11.0g、32mmol)の撹拌溶液に、2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(7.53g、35.2mmol)、Pd(AcO) (580mg、2.56mmol)、ビフェニル−2−イルシクロヘキシルホスフィン(0.9g、2.56mmol)およびCsCO(20.7g、64mmol)を、窒素雰囲気下、室温で添加した。混合物を80℃に加熱して、24時間撹拌した。溶液を室温に放冷し、その後、水とEtOAcとに分配させた。有機相をNaSOで脱水して溶媒を除去し、粗生成物を与えた。それをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(PE/EtOAc=40/1〜10/1で未反応の出発原料を回収して、PE/EtOAc=8/1〜5/1で標題化合物(6.0g、43%)を黄色固体として得た)。
H NMR:DMSO 400MHz−δ8.06(d,J=8.8Hz,2H),7.81(s,1H),6.75(d,J=9.2Hz,2H),4.42(q,2H),3.86(m,2H),3.50(m,2H),3.46(s,2H),1.56(s,9H),1.43(s,6H)
ステップ3
4−{4−[4−(2,4−ジメトキシ−ベンジルカルバモイル)−オキサゾル−5−イル]−フェニル}−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(スキーム1の化合物(17))
THF 20mLおよびメタノール 20mL中の4−[4−(4−エトキシカルボニル−オキサゾル−5−イル)−フェニル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.4g、5.6mmol)の溶液に、2N 水性水酸化ナトリウム溶液(11.2mL、22.4mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、その後、有機溶媒を真空除去した。残留する水性混合物を、1N水性塩酸の添加によりpH4〜5に調整した。混合物を凍結乾燥して、4−[4−(4−カルボキシ−オキサゾル−5−イル)−フェニル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 3gをオフイエロー色(off−yellow)の粉末として得て、次のステップで直接使用した。
4−[4−(4−カルボキシ−オキサゾル−5−イル)−フェニル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを、DMF 30mLに溶解した。溶液に2,4−ジメトキシ−ベンジルアミン(1.26g、7.6mmol)、HATU(2.8g、7.4mmol)およびTEA(1g、10mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌して、溶媒を真空除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=5:1からDCM:MeOH=200:1へ)により精製して、表題化合物(1.6g、3mmol、収率:2ステップで54%)を与えた。
HNMR:(400MHz MeOD)δ8.10(d,J=9.2Hz,2H),8.00(s,1H),7.20(d,J=8.0Hz,1H),6.82(d,J=9.2Hz,2H),6.48−6.58(m,2H),4.49(s,2H),3.84−3.90(m,5H),3.80(s,3H),3.71(t,2H),3.56(s,2H),1.51(s,9H),1.45(s,6H)
ステップ4
4−{4−[4−(2,4−ジメトキシ−ベンジルカルバモイル)−2−ヨード−オキサゾル−5−イル]−フェニル}−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(スキーム1の化合物(10A))
−78℃のTHF 20mL中の4−{4−[4−(2,4−ジメトキシ−ベンジルカルバモイル)−オキサゾル−5−イル]−フェニル}−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.6g、4.7mmol)の溶液に、THF中のLiHMDS(44mL、44mmol)の1M溶液を添加した。混合物を0.5時間撹拌し、その後、I(9g、35mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を15%水性Naでクエンチして、EtOAcで抽出し、水で洗浄した。有機相をNaSOで脱水した。溶媒を真空除去して、粗生成物を与え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(PE/EtOAc=2/1からPE/EtOAc/DCM=1/1/2へ)、標題化合物(2.4g、収率:75%)を得た。
H NMR:CDCl3 400MHz−δ8.16(d,J=9.2Hz,2H),7.22−7.47(m,3H),6.70(d,J=9.2Hz,2H),6.41−6.46(m,3H),4.52(d,J=5.6Hz,2H),3.82−3.88(m,5H),3.80(s,3H),3.46(t,2H),3.43(s,2H),1.49(s,9H),1.41(s,6H)
B.ボロン酸中間体の調製
以下に示された方法に従うことにより、以下のボロン酸/ボロン酸エステル中間体B1〜B12を調製した。
Figure 2015511228
中間体B−1
1−(tert−ブチルジメチルシリル)−5−フルオロ−1H−インドル−4−イルボロン酸
ステップ1
1−(tert−ブチルジメチルシリル)−5−フルオロ−1H−インドールの調製
0℃で、NaH(1.88g、46.2mmol)を、DMF 40mL中の5−フルオロ−1H−インドール(5.2g、38.5mmol)の溶液に添加した。0℃で10分間後に、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(6.96g、46.2mmol)を添加して、混合物を0℃で更に1時間撹拌した。混合物を室温まで昇温させて一晩撹拌し、その後、水の添加により希釈して、EtOAcで抽出した。有機層をNaSOで脱水して濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(6.5g、67.7%)を与えた。
H NMR CDCl 400MHz δ7.41(s,1H),7.28−7.25(dd,1H,J=2.4 and J=8.8),7.22(d,1H,J=3.2),6.89(d,1H,J=2.8),6.58−6.57(dd,1H,J=0.8 and J=3.2),0.93(t,9H),0.60(t,6H)
ステップ2
1−(tert−ブチルジメチルシリル)−5−フルオロ−1H−インドル−4−イルボロン酸の調製
−78℃のTHF中のステップ1の生成物(4.98g、20mmol)とTMEDA(2.32g、20mmol)との混合物に、シクロヘキサン中のs−BuLi(15.4mL、20mmol)の1.3M溶液を緩やかに添加して、混合物を−78℃で2時間撹拌した。ホウ酸トリイソプロピル(3.76g、20mmol)を−78℃で混合物に添加し、更に1時間撹拌して、その後、−20℃に昇温させた。水を添加して、混合物をEtOAcで抽出し、有機層をNaSOで脱水して蒸発させた。残渣を再結晶化させて(EtOAcおよびn−ヘキサン)、標題化合物(1.2g、20.7%)を与えた。
H NMR DMSO 400MHz δ7.48−7.45(m,1H),7.35(d,1H,J=3.2),6.83(t,1H),6.50(s,2H),6.62(dd,1H,J=0.8 and J−3.2),0.84(s,9H),0.56(s,6H)
中間体B−2
5−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
ステップ1
3−ブロモ−2,4−ジメチル−ニトロベンゼン
発煙硝酸(32.5ml)を、アイスバスで冷却されたAcOH(75ml)中の2,6−ジメチル−ブロモベンゼン(10g、54mmol)の溶液に緩やかに添加した。得られた混合物を室温まで昇温させて、1時間撹拌し、80℃で2時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却して、撹拌しながら氷水に注いだ。得られた沈殿物を吸引ろ過により回収して、表題化合物(10g)を得て、更に精製せずに使用した。
ステップ2
[2−(2−ブロモ−3−メチル−6−ニトロ−フェニル)−ビニル]−ジメチル−アミン
DMF/DMA(180ml)中の3−ブロモ−2,4−ジメチル−ニトロベンゼン(12g、52mmol)とピロリジン(2.12ml)との混合物を、密閉試験管中、120℃で一晩加熱した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をNaSOで脱水して濃縮し、粗標題化合物(10g)を与えた。
ステップ3
4−ブロモ−5−メチルインドール
[2−(2−ブロモ−3−メチル−6−ニトロ−フェニル)−ビニル]−ジメチル−アミン(10g)を、AcOH/HO(100mL:25mL)に溶解し、0℃に冷却して、緩やかに少しずつ添加したZn(30g)で処理した。完全に添加した後、反応混合物を110℃で一晩加熱した。混合物を水で希釈して、EtOAcで抽出した。有機層をNaSOで脱水して濃縮し、粗生成物を与えた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(1.4g、20%)を与えた。
H NMR CDCl 400MHz δ2.47(m,3H),6.50−6.51(m,1H),6.97−6.99(m,1H),7.12−7.18(m,2H),8.12(s,1H)
ステップ4
5−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの調製:
4−ブロモ−5−メチルインドール(0.7g、3.35mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.7g、6.7mmol)、KOAc(1g、10mmol)およびPd(dppf)Cl(73mg、3mol%)を、40mLガラス管2本の中で乾燥DMSO(20mL)に懸濁させて、アルミニウム/Teflonクリンプでしっかりと密閉した。CEM−Discoverモノモードマイクロ波反応装置において、試料に250W、180℃で40分間、照射した。反応完了後に、容器を60℃に冷却してひとまとめにし、粗混合物を薄いセライト栓でろ過した。セライト栓をEtOAc(50mL)で洗浄し、有機画分をひとまとめにして、溶媒を減圧除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、その後、prep−HPLCにより精製して、5(280mg、33%)を与えた。
H NMR CDCl 400MHz δ1.41(s,12H),2.63(s,3H),6.96−6.97(m,1H),7.01−7.03(m,1H),7.18−7.20(m,1H),7.32−7.34(m,1H),8.13(s,1H)
中間体B−3
7−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
ステップ1
4−ブロモ−7−フルオロ−1H−インドールの調製
−40℃で、ビニルマグネシウムブロミド(THF中の1.0M溶液300mL、300mmol)を、THF(700ml)中の3−ニトロ−4−フルオロ−ブロモベンゼン(22g、100mmol)の溶液に滴加した。−40℃で1時間後に、混合物を水性NHCl溶液でクエンチして、EtOAcにより抽出した。有機層をNaSOで脱水して濃縮し、粗生成物を与え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−ブロモ−7−フルオロ−1H−インドール(5g、23.3%)を与えた。
H NMR CDCl 400MHz δ6.56−6.58(m,1H),6.72−6.79(m,1H),7.06−7.17(m,1H),7.20−7.24(m,1H),8.45(s,1H)。
ステップ2
7−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
4−ブロモ−7−フルオロ−1H−インドール(5g、23.3mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(9.5g、37.4mmol)、KOAc(6.85g、69.9mmol)およびPd(dppf)Cl(0.51g、3mol%)を、40mLガラス管5本の中の乾燥DME(60mL)に懸濁させて、アルミニウム/Teflonクリンプでしっかりと密閉した。CEM−Discoverモノモードマイクロ波反応装置において、試料に250W、150℃で25分間、照射した。反応完了後に、容器を60℃に冷却してひとまとめにし、粗混合物を薄いセライト栓でろ過した。セライト栓をEtOAc(50mL)で洗浄し、有機画分をひとまとめにして、溶媒を真空除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、その後、prep−HPLCにより精製して、表題化合物(2g、32.9%)を与えた。
H NMR CDCl 400MHz δ1.40(s,12H),6.86−6.96(m,1H),7.02−7.14(m,1H),7.20−7.24(m,1H),7.51−7.62(m,1H),8.43(s,1H)
中間体B−4
7−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
ステップ1
4−ブロモ−1−クロロ−2−ニトロ−ベンゼンの調製:
0℃のHBr(48%)260mL中の4−クロロ−3−ニトロ−フェニルアミン(17.2g、0.1mol)の溶液に、水中のNaNO(13.8g、0.2mol)を滴加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、その後、CuBr(24g、0.17mol)を混合物に少しずつ添加して、更に1時間撹拌した。水を添加し、混合物を室温に昇温させ、その後、EtOAcで抽出した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(13g、55%)を与えた。
H NMR CDCl 400MHz δ8.03−8.02(m,1H),7.66−7.63(m,1H),7.45−7.42(m,1H)
ステップ2
4−ブロモ−7−クロロインドールの調製:
−40℃のTHF400mL中の4−ブロモ−1−クロロ−2−ニトロ−ベンゼン(14g、0.059mol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(THF中の1.0M溶液177mL、0.177mol)を滴加した。反応混合物を−40℃で2時間撹拌した。水性NHClを添加して、混合物をエーテルで抽出した。有機相をNaSOで脱水して濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(6g、44%)を与えた。
H NMR CDCl 400MHz δ8.5(s,1H),7.31−7.29(m,1H),7.26−7.22(m,1H),7.07−7.05(m,1H),6.65−6.63(m,1H)
ステップ3
7−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの調製:
4−ブロモ−7−クロロインドール(0.6g、2.6mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.728g、2.86mmol)、KOAc(0.76g、7.8mmol)およびPd(dppf)Cl(57mg、3mol%)を、DME(15mL)に懸濁させて、CEM−Discoverモノモードマイクロ波反応装置において、250W、130℃で35分間、照射した。固体をろ過により除去し、水を添加して、得られた混合物をEtOAcで抽出した。有機相をNaSOで脱水して濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.3g、39%)を与えた。
H NMR CDCl 400MHz δ8.5(s,1H),7.57−7.55(d,1H,J=7.6Hz),7.3(s,1H),7.21−7.19(d,1H,J=7.6Hz),7.08−7.07(m,1H),1.396−1.385(m,12H)
中間体B−5
7−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
ステップ1
4−ブロモ−3−メチル−2−ニトロ−フェノールの調製:
CHCl(20mL)中の3−メチル−2−ニトロ−フェノール(20g、0.13mol)の溶液に、HOAc(15mL)中のBr(6.4mL)の溶液を0℃で滴加して、混合物を0℃で3時間撹拌した。氷を添加して、混合物をCHClで抽出した。NaSOで脱水した後、CHClを除去して、4−ブロモ−3−メチル−2−ニトロ−フェノール(30g)を与え、更に精製せずに使用した。
ステップ2
1−ブロモ−4−メトキシ−2−メチル−3−ニトロ−ベンゼンの調製:
アセトン(200mL)中の4−ブロモ−3−メチル−2−ニトロ−フェノール(30 g、0.13mol)の溶液に、KCO(39g、0.28mol)およびヨードメタン(17.6mL、0.28mol)を添加した。混合物を18時間撹拌し、その後、濃縮して、水で希釈し、CHClで抽出した。有機相をNaSOで脱水し、ろ過して濃縮し、1−ブロモ−4−メトキシ−2−メチル−3−ニトロ−ベンゼン(31g、96%)を与え、更に精製せずに使用した。
ステップ3
4−ブロモ−7−メトキシインドールの調製:
DMF(150mL)中の1−ブロモ−4−メトキシ−2−メチル−3−ニトロ−ベンゼン(31g、0.126mol)の溶液に、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(27mL)およびピロリジン(10.5mL、0.127mol)を添加した。混合物を90℃で18時間加熱し、室温に冷却した。混合物を水で希釈して、CHClで抽出した。有機相をNaSOで脱水し、ろ過して濃縮した。残渣をHOAc(50mL)に溶解して、沸騰しているHOAc(150mL)中のFe(20.5g、0.37mol)の溶液に滴加した。混合物を1時間還流して、室温に冷却し、水を添加して、混合物をNaCOで中和し、CHClで抽出した。有機相をNaSOで脱水し、ろ過して濃縮した。残渣をprep−HPLC(PE/EtOAc=5/1)により精製して、表題化合物(13g、44%)を与えた。
H NMR CDCl 400MHz δ:8.41(brs,1H),7.18−7.08(m,2H),6.49−6.43(m,2H),3.86(s,3H)
ステップ4
7−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの調製:
1,4−ジオキサン(170mL)中の4−ブロモ−7−メトキシインドール(5g, 22.2mmol)の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(6.2g、24.4mmol)、KOAc(6.5g、66.3mmol)およびPd(dppf)Cl(1.2g、1.7mmol)を添加して、混合物を15時間加熱還流した。冷却した後、混合物を濃縮し、残渣を分取HPLC(PE/EtOAc=20/1)により精製して、表題化合物(2.6g、43%)を与えた。
H NMR CDCl 400MHz δ:8.38(brs,1H),7.60(d,1H),7.21(d,1H),7.01(d,1H),6.66(d,1H),3.98(s,3H),1.39(s,12H)
中間体B−6
5.7−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル−1H−インドール
ステップ1
1−ブロモ−2,4−ジメチル−5−ニトロ−ベンゼンの調製:
1−ブロモ−2,4−ジメチル−ベンゼン(9g、48.6mmol)を、室温でHNO(100mL、60%)に添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を氷水に注ぎ、EtOAcで抽出した。その後、有機相をNaSOで脱水して濃縮し、1−ブロモ−2,4−ジメチル−5−ニトロ−ベンゼン(6.5g)を与えて、更に精製せずに次のステップで使用した。
4−ブロモ−5,7−ジメチルインドールの調製:
−78℃のTHF(100mL)中の1−ブロモ−2,4−ジメチル−5−ニトロ−ベンゼン(7.5g、32.6mmol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(THF中の1.0M溶液 110mL、1.1mol)を滴加した。反応物を−40℃に緩やかに昇温させ、その後、4時間撹拌した。水を添加して、反応混合物を室温に緩やかに昇温させて、EtOAcで抽出した。その後、有機相をNaSOで脱水して濃縮し、4−ブロモ−5,7−ジメチルインドール(2.3g)を与えて、精製せずに次のステップで使用した。
5,7−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの調製:
4−ブロモ−5,7−ジメチルインドール(2.3g粗製、7mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.54g、10mmol)、KOAc(2g、20mmol)およびPd(dppf)Cl(150mg、3mol%)を、50mLガラス管5本の中の乾燥DME(30mL)に懸濁させて、アルミニウム/Teflonクリンプでしっかりと密閉した。マイクロ波反応装置において、試料に250W、130℃で50分間、照射した。反応完了後に、混合物をひとまとめにし、水で希釈して、EtOAcで抽出した。有機相をNaSOで脱水して、溶媒を蒸発により除去した。分取HPLCにより表題化合物(0.37g、15%)を与えた。
H NMR:(400MHz,CDCl3):δ7.97(s,1H),7.19(s,1H),7.00(s,1H),6.85(s,1H),2.61(s,3H),2.46(s,3H),1.40(s,12H)
中間体B−7
7−フルオロ−5−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
ステップ1
1−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロ−ベンゼンの調製:
SO 160mL中の1−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−ベンゼン(20g、0.11mol)の溶液に、KNO(116g、0.11mol)を0℃で一度に添加した。混合物を室温に昇温させて、一晩撹拌した。混合物を氷水に注ぎ、EtOAcで抽出して、NaSOで脱水して濃縮し、1−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロ−ベンゼン(20g)を与えて、精製せずに次のステップで使用した。
ステップ2
4−ブロモ−7−フルオロ−5−メチルインドールの調製:
−78℃のTHF(250mL)中の1−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロ−ベンゼン(20g、0.086mol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(300mL、0.3mol)を滴加し、その後、混合物を−78℃で2時間撹拌した。水を添加して、反応物を室温に緩やかに昇温させた。混合物をEtOAcで抽出して、NaSOで脱水して濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−ブロモ−7−フルオロ−5−メチルインドール(3.2g、16.4%)を与えた。
ステップ3
7−フルオロ−5−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの調製:
4−ブロモ−7−フルオロ−5−メチルインドール(3.2g、0.014mol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(5.08g、0.02mmol)、Pd(dppf)Cl(0.1g)およびKOAc(4.1g、0.042mmol)を、50mLガラス管10本の中の乾燥DME(60mL)に懸濁させて、アルミニウム/Teflonクリンプでしっかりと密閉した。マイクロ波反応装置において、試料に250W、135℃で2時間、照射した。試料を冷却してひとまとめにし、水で希釈して、EtOAcで抽出した。有機相をNaSOで脱水して、溶媒を蒸発により除去した。分取HPLCにより表題化合物(0.43g、1.1%)を与えた。
H NMR(MDOH 400MHz)
δ:7.22−7.21(d,1H),6.87−6.85(m,1H),6.68−6.65(d,1H),2.56(s,3H),1.39(s,12H)
中間体B−8
3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
DMF(10mL)中の3−メチル−4−ブロモインドール(0.79g、3.8mmol)とビス(ピナコラト)ジボロン(1.1g、4.5mmol)とPdCl(dppf)(83mg、0.11mmol)とKOAc(1.1g、11.3mmol)との混合物を、N雰囲気下で10分間パージした後、80℃で一晩加熱した。反応混合物を、水で希釈した。水層をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄して、無水NaSOで脱水した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.7g、72%)を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.93(brs,1H),7.57(d,1H,J=6.8Hz),7.42(d,1H,J=8Hz),7.17(t,1H,J=7.2Hz),7.01(s,1H),2.48(s,3H),1.40(s,12H)
中間体B−9
5−エチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
ステップ1
6−エチル−2−メチル−3−ニトロ−フェニルアミンの調製
2−エチル−6−メチル−フェニルアミン(21g、156mmol)を、0℃のアイスバス内で、濃HSO 175mLに溶解した。濃HNO 9mL(171mmol、1.1当量)を添加して、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を氷1Lに注ぎ、得られた溶液をEtOAcで5回抽出した。ひとまとめにした有機層を溶媒をNaSOで脱水して、溶媒を減圧除去し、6−エチル−2−メチル−3−ニトロ−フェニルアミンと副生物6−メチル−2−エチル−3−ニトロ−フェニルアミンとの混合物19g(収率68%)を得た。混合物は、更に精製せずに次の反応で使用した。
ステップ2
2−ブロモ−1−エチル−3−メチル−4−ニトロ−ベンゼンの調製
水15mL中のNaNO(7.7g、110mmol)を、0℃の48%水性HBr(35mL)中のステップ1の生成物(19g、106mmol)の撹拌溶液に緩やかに添加した。48%水性HBr(10mL)中のCuBr(1.4g、10mmol)を滴加した。15分間撹拌した後、混合物を90℃で2時間加熱した。冷却した後、混合物を水で希釈して、EtOAcで5回抽出した。ひとまとめにした有機相を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=50:1)により精製して、2−ブロモ−1−エチル−3−メチル−4−ニトロ−ベンゼンと2−ブロモ−3−エチル−1−メチル−4−ニトロ−ベンゼンとの混合物を得た(23g、収率95%)。
ステップ3
1−[2−(2−ブロモ−3−エチル−6−ニトロ−フェニル)−ビニル]−ピロリジンの調製
DMF/DMA(150ml)中のステップ2の生成物(13g、53mmol)およびピロリジン(2.3mL)を、一晩、加熱還流した。混合物を冷却し、その後、濃縮して、粗製の表題化合物を与え、次のステップで直接使用した。
ステップ4
4−ブロモ−5−エチル−1H−インドールの調製
AcOH 80mL中のステップ3から得た粗製の1−[2−(2−ブロモ−3−エチル−6−ニトロ−フェニル)−ビニル]−ピロリジンの溶液を、AcOH 50mL中の鉄(13g)の還流懸濁液に一度に添加した。得られた混合物を2時間還流した。冷却後、混合物を水で希釈して、NaCOで中和し、EtOAcで3回抽出した。ひとまとめにした有機相を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび分取HPLCにより精製して、表題化合物(1.5g、6−エチル−2−メチル−3−ニトロ−フェニルアミンから12%)を得た。
ステップ5
5−エチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの調製
4−ブロモ−5−エチル−1H−インドール(1.0g、4.48mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.4g、9mmol)、KOAc(1.5g、15mmol)およびPd(dppf)Cl(210mg、6mol%)を、乾燥ジオキサン(50mL)に懸濁させて、80℃で一晩加熱した。混合物を冷却してろ過し、ろ液を濃縮して分取HPLCにより精製して、表題化合物(300mg、25%)を与えた。
H NMR(CDCl, 400MHz):δ7.90(brs,1H),7.31−7.25(m,1H),7.15−7.08(m,1H),6.98(d,1H,J=8.4Hz),6.90−9.85(m,1H),2.92(q,2H,J=7.6Hz),1.34(s,12H),1.16(t,3H,J=7.6Hz)
中間体B−10
7−エチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル−1H−インドール
ステップ1
4−ブロモ−1−エチル−2−ニトロ−ベンゼンの調製
−20℃の濃HSO 9mL中の1−ブロモ−4−エチルベンゼン(7g、37.8mmol)の溶液に、HSO(3.74g、41.9mmol)とHNO(2.64g、41.9mmol)との混合物を添加した。混合物を−20℃で2時間撹拌した。水を添加して、混合物をEtOAcで抽出した。有機相を水性NaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSO で脱水して濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(3g、34%)を与えた。
H NMR(CDCl3 400MHz)
δ:8.04−8.035(d,1H),7.68−7.65(m,1H),7.29−7.27(d,1H),2.92−2.87(m,2H),1.31−1.28(t,3H)
ステップ2
4−ブロモ−7−エチル−1H−インドールの調製
−40℃のTHF中の4−ブロモ−1−エチル−2−ニトロ−ベンゼン(8.7g、0.037mol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(132ml、0.132mol)を滴加して、混合物を−40℃で更に2時間撹拌した。反応混合物を水で希釈して、EtOAcで抽出し、NaSO で脱水して濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.35g、16%)を与えた。
ステップ3
7−エチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールの調製
4−ブロモ−7−エチル−1H−インドール(1.35g、6.02mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.05g、12mmol)、KOAc(1.8g、18mmol)およびPd(dppf)Cl(128mg)を、乾燥DME(100mL)に懸濁させて、135℃で一晩加熱した。混合物を冷却してろ過し、ろ液を濃縮して分取HPLCにより精製し、表題化合物(300mg、25%)を与えた。
H NMR(CDCl3 400MHz)
δ:8.14(s,1H),7.61−7.60(d,1H),7.28−7.25(d,1H),7.08−7.05(m,2H),2.92−2.86(m,2H),1.38−1.35(m,15H)
中間体B−11
市販品
中間体B−12
7−トリフルロメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
ステップ1
4−ブロモ−7−トリフルオロメチルインドール
THF 200mL中の4−ブロモ−2−ニトロ−1−トリフルオロメチル−ベンゼン(11.4g、0.04mol)の溶液に、−78℃のビニルマグネシウムブロミド(160mL、0.16mol)を添加し、混合物を1.5時間撹拌した後、NHClの飽和溶液でクエンチして、EtOAcで抽出した。有機相をNaSO で脱水して、溶媒を真空除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2g、25%)を与えた。 H NMR(CDCl 400MHz),δ8.6(br,1H),7.28−7.38(m,3H),6.70(m,1H)。
ステップ2
7−トリフルオロメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
DMSO 30mL中の4−ブロモ−7−トリフルオロメチルインドール(2g、7.6mmol)とビス(ピナコラト)ジボロン(2.5g、9mmol)とKOAc(1g、0.01mol)とPd(dppf)Cl(0.2g)との混合物を、N下、90℃で一晩加熱した。残渣を水とEtOAcとに分配させた。有機相をNaSO で脱水して、溶媒を真空除去し、粗生成物を与えて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(1g、41%)を与えた。H NMR(CDCl 400MHz),δ8.6(br,1H),7.71(d,J=7.6Hz,1H),7.47(d,J=7.6Hz,1H),7.37(m,1H),7.17(m,1H),1.42(s,12H)
式(1)で示される化合物の調製
実施例1
2−(5−フルオロ−1H−インドル−4−イル)−5−[4−(3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−オキサゾール−4−カルボン酸アミド
Figure 2015511228
ステップ1
ジオキサン4mL、アセトニトリル1mLおよび水1mLの中の中間体(10A)(200mg、0.3mmol)の混合物に、中間体B1(161mg、0.55mmol)、KCO(80mg、0.6mmol)およびPd(dppf)Cl(36.5mg、0.05mmol)を添加した。混合物をN下、90℃で16時間加熱した。溶媒を真空除去し、残渣を分取TLC(PE:EtOAc=1:1)により精製して、所望の生成物13(120mg、60%)を与えた。
ステップ2
CHCl 3mL中の13(120mg、0.18mmol)の溶液に、トリフリン酸1mLを添加して、混合物を室温で4時間撹拌した。その後、混合物を撹拌しながら飽和水性NaHCOに緩やかに添加して、EtOAcで2回抽出した。ひとまとめにした有機相を真空濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、表題化合物(18mg、23%)をオフホワイト色の固体として与えた。
(18mg、10からの収率:14%、M+1:434) H NMR(400MHz DMSO−d6)δ11.55(s,1H),8.19(m,2H),7.51−7.67(m,4H),7.32(s,2H),7.11(t,1H),6.98(d,J=8Hz,2H),3.15(m,2H),3.01(s,2H),2.83(m,2H),1.08(s,6H)。
実施例2
2−(5−メチル−1H−インドル−4−イル)−5−[4−(3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−オキサゾール−4−カルボン酸アミド
Figure 2015511228
ステップ1
ジオキサン40mL、アセトニトリル10mLおよび水10 mLの中の中間体(10A)(1.9g、2.8mmol)の溶液に、ボロン酸エステル中間体B2(1g、3.9mmol)、KCO(0.7g、5.1mmol)およびPd(dppf)Cl(0.5g、0.68mmol)を添加した。混合物をN下、90℃で6時間加熱した。溶媒を除去して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物11(1.32g、収率:70%)を与えた。
ステップ2
CHCl 20mL中の化合物11(1.32g、0.2mmol)の溶液に、トリフリン酸5mLを添加した。混合物を25℃で6時間撹拌した。混合物を撹拌しながら水性NaHCO3に緩やかに添加して、EtOAcで2回抽出した。ひとまとめにした有機相を、真空濃縮した。粗生成物を、以下に記載されたシステムを利用し、分取HPLCにより精製して、表題化合物(360mg、42%)をオフイエロー色の固体として与えた。
(22mg、10からの収率:17%、M+1:430) H NMR:(400MHz DMSO−d6)δ11.3(s,H),8.22(d,J=8.8Hz,2H),7.46−7.60(m,4H),7.1(d,J=8.0Hz,1H),7.00−7.04(m,3H),3.15(m,2H),3.01(s,2H),2.85(m,2H),2.74(s,3H),1.09(s,6H)
SRUM−3についてのprep−HPLC分離法:
機器:島津LC−8A分取HPLC
カラム:Gemini 250×50mm内径 10u
移動相:A:H2O(0.04% NH3H20) B:CH3CN
勾配:23分間で25%から50%へ(B相)
流速:80mL/分
波長:220および254nm
実施例3
2−(7−フルオロ−1H−インドル−4−イル)−5−[4−(3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−オキサゾール−4−カルボン酸アミド
Figure 2015511228
ボロン酸エステル中間体B3を使用して実施例2の方法により調製した。
(20mg、10からの収率:15%、M+1:434)HNMR:(400MHz DMSO−d6)δ11.90(s,1H),8.19(m,2H),7.70−7.78(m,2H),7.57(s,1H),7.45(s,1H),7.37(s,1H),7.06(q,1H),6.96(d,J=8Hz,2H),3.15(t,2H),3.01(s,2H),2.83(t,2H),1.07(s,6H).
実施例4
2−(7−クロロ−1H−インドル−4−イル)−5−[4−(3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−オキサゾール−4−カルボン酸アミド
Figure 2015511228
ボロン酸エステル中間体B4を使用して実施例2の方法により調製した。
(24mg、10からの収率:18%、M+1:450)HNMR:(400MHz DMSO−d6)δ11.85(s,1H),8.24(d,J=9.2Hz,2H),7.82(d,J=8.0Hz,1H),7.77(s,1H),7.62(m,1H),7.51(s,1H),7.44(m,1H),7.34(m,1H)7.00(d,J=9.2Hz,2H),3.16(t,2H),3.01(s,2H),2.85(t,2H),1.08(s,6H)
実施例5
2−(7−メトキシ−1H−インドル−4−イル)−5−[4−(3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−オキサゾール−4−カルボン酸アミド
Figure 2015511228
ボロン酸エステル中間体B5を使用して実施例2の方法により調製した。
(19mg、10からの収率:14%、M+1:446) HNMR:(400MHz DMSO−d6)δ11.58(s,1H),8.23(d,J=9.2Hz,2H),7.79(d,J=8.4Hz,2H),7.68(s,1H),7.47(s,1H),7.42(t,1H),7.28(t,1H),7.00(d,J=9.2Hz,2H),6.84(d,J=8.0Hz,2H),3.17−3.14(m,2H),3.01(s2H),2.87(t,2H),2.65(s,3H),1.09(s,6H)
実施例6
2−(5.7−ジメチル−1H−インドル−4−イル)−5−[4−(3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−オキサゾール−4−カルボン酸アミド
Figure 2015511228
ボロン酸エステル中間体B6を使用して実施例2の方法により調製した。
(33mg、10からの収率:25%、M+1:444) HNMR:(400MHz DMSO−d6)δ11.3(s,1H),8.21(d,J=8.8Hz,2H),7.44−7.56(m,3H),6.91−7.05(m,4H),3.15(m,2H),3.01(s,2H),2.85(m,2H),2.70(s,3H),1.08(s,6H)
実施例7
2−(5−メチル−7−フルオロ−1H−インドル−4−イル)−5−[4−(3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−オキサゾール−4−カルボン酸アミド
Figure 2015511228
ボロン酸エステル中間体B7を使用して実施例2の方法により調製した。
(16mg、10からの収率:12%、M+1:448) HNMR:(400MHzDMSO−d6)δ8.21(d,J=8.8Hz,2H),7.46−7.60(m,3H),6.9−7.1(m,3H),3.15(m,2H),3.01(s,2H),2.85(m,2H),2.72(s,3H),1.09(s,6H)
実施例8
2−(3−メチル−1H−インドル−4−イル)−5−[4−(3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−オキサゾール−4−カルボン酸アミド
Figure 2015511228
ボロン酸エステル中間体B8を使用して実施例2の方法により調製した。
(9.4mg、10からの収率:7%、M+1:430) HNMR:(400MHz DMSO−d6)δ11.17(br,1H),8.15(d,J=8.8Hz,2H),7.46−7.60(m,4H),7.29(s,1H),7.16(t,1H),6.97(d,J=8.8Hz,2H),3.15(m,2H),2.99(s,2H),2.85(m,2H),2.25(s,3H),1.08(s,6H)
実施例9
2−(5−エチル−1H−インドル−4−イル)−5−[4−(3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル)フェニル]−オキサゾール−4−カルボン酸アミド
Figure 2015511228
ボロン酸エステル中間体B9を使用して実施例2の方法により調製した。
(28mg、10からの収率:21%、M+1:444)HNMR:(400MHz DMSO−d6)δ11.3(br,1H),8.19(d,J=8.6Hz,2H),7.46−7.51(m,4H),6.92−7.12(m,4H),3.15(m,2H),3.08(q,2H),3.01(s,2H),2.85(m,2H),1.23(t,3H),1.09(s,6H)
実施例10
2−(7−エチル−1H−インドル−4−イル)−5−[4−(3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−オキサゾール−4−カルボン酸アミド
Figure 2015511228
ボロン酸エステル中間体B10を使用して実施例2の方法により調製した。.
(32mg、10からの収率:24%、M+1:443) HNMR:(400MHz DMSO−d6)δ11.4(br,1H),8.23(d,J=8.6Hz,2H),6.99−7.79(m,8H),3.15(m,2H),3.01(s,2H),2.94(q,2H),2.85(m,2H),1.29(t,3H),1.09(s,6H)
実施例11
2−(1H−インドル−4−イル)−5−[4−(3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−オキサゾール−4−カルボン酸アミド
Figure 2015511228
ボロン酸エステル中間体B11を使用して実施例2の方法により調製した。
(466mg、中間体10Aからの収率38%、M+1:416) HNMR:(400MHz DMSO−d6)δ11.48(s,1H),8.27(d,2H),7.85(d,1H),7.74(s,1H),7.61−7.53(m,3H),7.33(s,1H),7.26(t,1H),7.02(d,2H),3.19−3.17(m,2H),3.03(s,2H),2.89−2.86(m,2H),1.11(s,6H)
実施例12
2−(7−トリフルオロメチル−1H−インドル−4−イル)−5−[4−(3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル)フェニル]−オキサゾール−4−カルボン酸アミド
Figure 2015511228
表題の化合物は、先の一般的スキーム2に示された反応系列により調製した。
ステップ1
エチル 5−(4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)−3,3−ジメチルピペラジン−1−イル)フェニル)−2−ヨードオキサゾール−4−カルボキシラート
表題化合物は、中間体エチルエステル化合物(15)(先の中間体化合物(10A)の調製のステップ2参照)から、同じ調製のステップ4のリチウム化/ヨウ素化法を用いて調製した。
ステップ2
4−{4−[4−エトキシカルボニル−2−(7−トリフルオロメチル−1H−インドル−4−イル)−オキサゾル−5−イル]−フェニル}−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
エチル5−(4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)−3,3−ジメチルピペラジン−1−イル)フェニル)−2−ヨードオキサゾール−4−カルボキシラートを、先の実施例2に記載されたものと類似の鈴木カップリング条件下で、ボロン酸エステル中間体B−12と反応させて、表題化合物を与えた。
ステップ3
4−{4−[4−カルボキシル−2−(7−トリフルオロメチル−1H−インドル−4−イル)−オキサゾル−5−イル]−フェニル}−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
メタノール5mL、水およびTHF中の4−{4−[4−エトキシカルボニル−2−(7−トリフルオロメチル−1H−インドル−4−イル)−オキサゾル−5−イル]−フェニル}−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.2g、0.3mmol)およびNaOH(0.024g、0.6mmol)を、50℃で一晩撹拌した。有機溶媒を真空除去し、残留する溶液をpH5に調整して、得られた表題化合物をろ過により白色固体として回収して、減圧乾燥させた。
ステップ4
4−{4−[4−カルバモイル−2−(7−トリフルオロメチル−1H−インドル−4−イル)オキサゾル−5−イル]−フェニル}−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
DMF 15mL中の4−{4−[4−カルボキシル−2−(7−トリフルオロメチル−1H−インドル−4−イル)−オキサゾル−5−イル]−フェニル}−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルとEDCI HCl(0.36g、0.002mol)とHOBt(0.3g、0.002mol)とジオキサン中のNH 15mLとの混合物を、2時間撹拌した。溶媒を真空除去した。残渣を、水とEtOAcに分配させ、有機相をNaSOで脱水し、溶媒を真空除去して、表題化合物の粗生成物(0.18g粗製)を与えた。
ステップ5
2−(7−トリフルオロメチル−1H−インドル−4−イル)−5−[4−(3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−オキサゾール−4−カルボン酸アミド
4−{4−[4−カルバモイル−2−(7−トリフルオロメチル−1H−インドル−4−イル)オキサゾル−5−イル]−フェニル}−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.18g粗製)を、DCMとTFAとの混合物(30mL 2:1)に溶解し、溶媒が真空除去されたら、溶液を室温で2時間撹拌した。残渣を水とEtOAcとに分配させた。有機相をNaSOで脱水し、溶媒を真空除去して、粗生成物を与え、prep−HPLCにより精製して、表題化合物(60mg、エチル5−(4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)−3,3−ジメチルピペラジン−1−イル)フェニル)−2−ヨードオキサゾール−4−カルボキシラートから41%)を与えた。
M+1:484) HNMR:(400MHz DMSO−d6)δ11.85(s,1H),8.27−8.25(d,2H,J=8Hz),7.97−7.95(d,1H,J=8Hz),7.85(s,1H),7.66−7.56(m,3H),7.02−7.00(d,2H J=0.8Hz),3.19−3.17(m,2H),3.04(s,2H),2.87−2.86(m,2H),1.09(s,6H)
生物学的活性
実施例13
FLT3キナーゼおよびオーロラキナーゼ阻害活性
FLT3キナーゼならびにオーロラAおよびオーロラBキナーゼを阻害する本発明の化合物の能力を、以下に記載されるアッセイを利用して測定した。
キナーゼアッセイは、以下の一般的手順を利用して、米国ペンシルバニア州マルバーン所在のReaction Biology Corp.で実施した:
1)新たに調製されたBase Reaction Buffer(20mM Hepes pH7.5、10mM MgCl、1mM EGTA、0.02%Brij35、0.02mg/ml BSA、0.1mM NaVO、2mM DTT、1%DMSO)中で、示された基質を調製する
2)補因子(1.5mM CaCl、16μg/mLカルモジュリン、2mM MnCl)を先の基質溶液に送達する
3)示されたキナーゼを基質溶液に送達して、穏やかに混合する
4)DMSO中の様々な濃度の試験化合物を、キナーゼ反応混合物に送達する
5)33P−ATP(比活性0.01 □Ci/□L最終)を反応混合物に送達して、反応を開始させる
6)キナーゼ反応物を室温で120分間インキュベートする
7)反応物をP81イオン交換ろ紙(Whatman #3698−915)にスポットする
8)フィルターを0.75%リン酸中で広範囲に洗浄することにより、未結合のリン酸塩を除去する
9)Typhoon phosphorimagers(GE Healthcare)を用いて、33Pのシグナルを測定した。不活性酵素を含む対照反応物から得られたバックグランド値を減算した後、Prism(Graphpadソフトウエア)の非線形回帰関数を用いてIC50値を決定した。
Figure 2015511228
基質:ケンプチド=[H−LRRASLG] アブルチド=[EAIYAAPFAKKK]
3種のキナーゼそれぞれの酵素活性の50%阻害に必要な試験化合物の濃度(IC50)を、以下の表に示す。比較の目的で、WO2008/139161号の実施例M−12に開示された化合物2−(1H−インドル−4−イル)−5−(4−ピペラジン−1−イル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸アミドのIC50値も示す。
Figure 2015511228
実施例14
抗増殖活性
本発明の化合物の抗増殖活性を、細胞株HCT−116由来の大腸癌の増殖を阻害する該化合物の能力を測定することにより、決定する。細胞増殖の阻害は、Alamar Blueアッセイ(Nociari et al.,Journal of Immunological Methods(1998) 213,157−167)を利用して測定する。その方法は、レサズリンを蛍光産物レゾルフィンに還元する生存細胞の能力に基づく。各増殖アッセイごとに、細胞を96ウェルプレートに播種して、16時間回復させた後、阻害化合物を更に96時間添加する。インキュベーションの終了時に、10%(v/v)Alamar Blueを添加して、更に6時間インキュベートした後、励起波長535nmおよび発光波長590nmで蛍光産物を測定する。全ての細胞株は、ECACC(European Collection of Cell Cultures)から得られる。
ヒト大腸癌細胞株HCT−116に対する本発明の化合物の活性を、以下の表に示す。列の項目「HCT−116 96 Hrs」は、96時間暴露によりHCT−116細胞の増殖を50%低下させるのに必要な化合物濃度を指す。列の項目「[高次倍数性]」は、オーロラB阻害が原因と予測される、異なる高次倍数体表現型を生成するのに必要な化合物の最小濃度を指す。
Figure 2015511228
実施例15
Caco−2細胞を用いた浸透性試験
細胞に取り込まれ保持される化合物の能力を、Caco−2細胞を用いた透過性試験を実施することにより測定することができる。Caco−2細胞は、典型的には化合物の経口生物学的利用度を予測するために用いられるが、得られた測定値は、化合物の細胞透過能も示す。
それゆえ本発明の化合物を、標準のCaco−2アッセイで試験して、化合物が細胞に流入する速度および細胞から流出する速度を測定した。結果から、エフラックス比を、細胞を離れる化合物の速度対細胞に入る化合物の速度の比率として計算した。
結果を以下の表に示す。表において、列の項目「Caco−2 A2B」は、化合物が細胞に流入する速度を示し、列「Caco−2 B2A」は、化合物が細胞から流出する速度を示す。「エフラックス比」は、Caco−2 B2A:Caco−2 A2Bの比率である。
結果から、試験された化合物の全てがWO2008/139161号の実施例M−12の化合物よりも好適なエフラックス比を有することが実証される。実施例2〜11の化合物の場合、エフラックス比は、先行技術の化合物である実施例M−12のエフラックス比の5倍を超えて良好である。
化合物M−12と実施例11の化合物とのデータ比較から、ピペラジン環内のCH基をC(CH基と置換することで、エフラックス比が劇的に改善されることが示される。
Figure 2015511228
実施例16
ヒト血液腫瘍細胞株に対する活性
実施例2および7の化合物を、製造業者の使用説明書に従い、CellTiter−Blue(登録商標)アッセイ(#G8081,Promega)を用いて、一定範囲のヒト血液細胞株に対して試験した。細胞を指数関数的増殖期の培養物から採取して計数し、96ウェル平底マイクロタイタープレートに細胞密度20,000〜90,000細胞/ウェルで播種した。細胞に指数関数的増殖を再開させる24時間の回復期間の後、培地(対照ウェル4個/プレート)または培地と試験化合物10μlを、添加した。該化合物を10種の濃度で二重測定で使用し、4日間処理を続けた。細胞処理の後、CellTiter−Blue(登録商標)試薬 10μl/ウェルを添加した。最大4時間のインキュベーションの後、EnVision Xcite multilabel reader(励起λ=531nm、発光λ=615nm)を用いて蛍光(FU)を測定した。化合物を、各細胞株ごとに2〜4の独立した実験で試験した。各細胞株に対するIC50(μモル)値を、以下の表に示す。
Figure 2015511228
Figure 2015511228
検索表
ALL=急性リンパ芽球性白血病
AML=急性骨髄性白血病
CML=慢性骨髄性白血病
HL=ホジキンリンパ腫
NHL=非ホジキンリンパ腫
MM=多発性骨髄腫
実施例17
異種移植試験
本発明の化合物のインビボ抗腫瘍活性を、MV4−11癌細胞株のヌードマウス異種移植モデルにおける腫瘍増殖に及ぼす実施例2および7の化合物の影響を検証することにより研究した。
材料および方法
2.1.動物および試薬
MV4−11細胞株(ATCC、米国所在);RPMI 1640培地(Invitrogen、米国所在);FBS(Invitrogen、オーストラリア所在);Balb/cヌードマウス(Slac Laboratory Animal Co.,Ltd.,中国、上海所在): 雌18〜22g;ΗΡ−β−CD(Sigma、米国所在)
2.2.手順
全52匹のメスヌードマウスを、使用した。マウスを3日間の馴化期間を経た後、実験を開始した。試験の開始時に、マウスの右脇腹に50%Matrigel中の1×10個のMV4−11腫瘍 200μlを皮下(S.C.)移植した。腫瘍が平均体積100〜150mmに達したら、マウス52匹中32匹を腫瘍体積に基づいて選択し、無作為に4群に割り付けた後投与した。各処置群は、担腫瘍動物で構成された(n=8/群)。
担腫瘍マウスを、実施例2の化合物、実施例7の化合物またはベヒクルで5日間BID処置して2日間休止し、それを4サイクル繰り返した。比較群のマウスには、シタラビンで1日1回5日間処置して2日間休止し、それを4サイクル繰り返した。マウスは、各投与時に計量し、腫瘍サイズを各週2回記録した。マウスを、任意の明白な有害兆候、処置関連の副作用について綿密に観察し、観察されればそれらを記録した。
腫瘍サイズをキャリパを用いて二次元で週に2回測定し、体積を式:V=0.5a×b(式中、aおよびbは、それぞれ腫瘍の長径および短径である)を用いてmmで表した。
適切な量の試験化合物をバイアルに量り入れ、適切な容量の20%ΗΡ−β−CDを添加して実施例2の最終濃度2mg/mLおよび実施例7(遊離塩基)の最終濃度3mg/mLを達成し、pHをpH5に調整して、バイアルを5分間ボルテックスにかけ、その後、バイアルを水浴音波処理装置に入れて試験化合物を確実に透明にすることにより、試験化合物を週に1回調製した。
実験の設定を、以下の表に要約する。
Figure 2015511228
2.3.実験の終了時:
マウスを、4サイクル投与の後、CO暴露により安楽死させた。腫瘍体積、乾燥させた腫瘍の重量、およびマウスの体重を測定および記録した。腫瘍阻害率(IR)を、式IR=(W−W)/W×100%により計算した。
群間の腫瘍サイズの差を、対応のない両側スチューデントt検定を用いて有意性について解析した。p<0.05を、統計学的に有意であると判断した。
3.結果および考察
3.1.MV4−11担持ヌードマウスの腫瘍体積
図1〜3に、ヌードマウスのMV4−11異種移植腫瘍に対する実施例2および7の化合物の増殖阻害を示す。腫瘍体積の有意差が、試験化合物を受けたマウスの腫瘍と、ベヒクルのみを受けたマウスの腫瘍の間に観察され、それは該化合物の初回投与後4日目(初回測定)から開始して、終了時まで持続した。腫瘍体積の有意差は、試験化合物(実施例2および7)を受けたマウスの腫瘍と、シタラビン処置群のマウスの腫瘍の間にも観察され、それは初回投与後11日目に開始して、その後持続した。図1から、実施例2および7が両者とも腫瘍増殖を完全に阻害したが、シタラビンの作用は緩やかになり腫瘍増殖を完全に遮断しなかったことも示される。
3.2.MV4−11担持ヌードマウスの腫瘍重量
MV4−11異種移植腫瘍増殖に対する実施例2および7の化合物の腫瘍阻害効果が、担腫瘍ヌードマウスの殺処分により終了時に採取された処置群とベヒクル群の間の腫瘍重量の有意差(図4)により更に確認された。
3.3.担MV4−11ヌードマウスの体重変動(%)
図5に、全試験期間の体重変動(%)を示す。処置マウスは全て、最初の数日間で体重をほぼ5%減量し、その後回復しており、試験化合物がヌードマウスにおける現行の投与量および投与経路で良好に耐容されることが示された。
3.4.腫瘍阻害率(IR)の計算
実施例2の化合物 − 20mg/kg群: IR=98.13%
実施例7の化合物 − 30mg/kg群: IR=98.24%
シタラビン− 100mg/kg群:IR=66.72%
4.結論
MV4−11癌細胞株から得たヌードマウス異種移植モデルの腫瘍増殖に対する実施例2および実施例7の化合物の影響を、この試験で研究した。担MV4−11ヌードマウスの体重を、インビボ毒性を反映する指標としてモニタリングした。試験化合物(実施例2および7)処置群とベヒクル群との間、およびシタラビン比較群との間で、腫瘍体積の差は有意であった。この試験において、実施例2および実施例7は両者とも、腫瘍増殖を完全に阻害したが、シタラビンの作用は緩やかになり腫瘍増殖を完全には遮断しなかった。処置群とベヒクル群の間の腫瘍重量の有意差から、抗腫瘍効果が更に確認された。実施例2群、実施例7群およびシタラビン群のIR値は、それぞれ98.13%、98.24%、および66.72%であった。
体重変動プロファイルから、試験化合物を受けたマウスが最初の数日間で体重を減量し、その後体重が回復することが明らかとなり、それにより試験化合物がヌードマウスにおける現行の投与量および投与経路で良好に耐容することが示された。結論として、IV BID投与される20mg/kg用量の実施例2の化合物、および30mg/kg用量の実施例7の化合物は、MV4−11異種移植腫瘍増殖の効果的阻害剤であり、任意の明白な毒性を有さなかった。
医薬配合剤
実施例18
(i)錠剤配合剤
式(1)で示される化合物50mgを希釈剤としてのラクトース(BP)197mg、および滑沢剤としてのステアリン酸マグネシウム3mgと混合して、公知手法で打錠することにより、式(1)で示される化合物を含む錠剤組成物を調製する。
(ii)カプセル配合剤
式(1)で示される化合物100mgをラクトース100mgと混合し、得られた混合物を標準的な不透明の硬ゼラチンカプセルに充填することにより、カプセル配合剤を調製する。
(iii)注射用配合剤I
式(1)で示される化合物(例えば、塩形態)を10%プロピレングリコールを含む水に溶解して、活性化合物濃度1.5重量%を与えることにより、注射により投与される非経口組成物を調製することができる。その後、溶液をろ過により滅菌し、アンプルに充填して、密閉する。
(iv)注射用配合剤II
式(1)で示される化合物(例えば、塩形態)(2mg/mL)およびマンニトール(50mg/mL)を水に溶解して、溶液を滅菌ろ過し、密閉可能な1mLバイアルまたはアンプルに充填することにより、注射用の非経口組成物を調製する。
(iv)皮下注射用配合剤
式(1)で示される化合物を医薬品等級のコーン油と混合して、5mg/mL濃度を与えることにより、皮下投与用の組成物を調製する。その組成物を滅菌して、適切な容器に充填する。
均等物
前述の実施例は、本発明を例示する目的で示しており、本発明の範囲に限定を課すものとみなすべきではない。先に記載され、実施例に例示された本発明の具体的実施形態に、本発明に含まれる原理を逸脱することなく、数多くの修正および変更を施し得ることは、即座に明白となろう。そのような修正および変更は全て、本願に包含されるものとする。

Claims (12)

  1. 式(1):
    Figure 2015511228
    (式中、
    は、水素またはC1−2アルキルであり;
    、RおよびRのうちの2つ以下が、水素以外であることを条件に、R、RおよびRは、同一または異なっており、それぞれ水素、C1−2アルキル、フッ素、塩素、C1−2アルコキシおよびトリフルオロメチルから選択される)
    を有する化合物、およびその塩。
  2. が、水素およびメチルから選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. が、水素、フッ素、塩素、メチル、エチルおよびメトキシから選択される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  4. が、水素である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. が、水素、フッ素、メチルおよびエチルから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. (i)Rが水素であり;Rがメチル、エチル、フルオロ、クロロおよびメトキシから選択され;Rが水素であり;Rが水素であるか、または(ii)Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rがメチルであるか、または(iii)Rが水素であり;Rがフルオロであり;Rが水素であり;Rがメチルである、請求項1に記載の化合物。
  7. 以下の表の化合物Ex.1〜Ex.12から選択される、請求項1に記載の化合物、およびその塩。
    Figure 2015511228
  8. Ex.2、Ex.3、Ex.5およびEx.7から選択される、請求項7に記載の化合物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物。
  10. 薬品において使用するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  11. 癌などの増殖性疾患の予防または処置に使用するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  12. 本明細書の実施形態1.1〜1.43、2.1〜2.30、3.1〜3.2、4.1〜4.4および5.1〜5.6のいずれか1つに定義された発明。
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