JP2015508439A - キャノーラ加工中のdha保持 - Google Patents

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Abstract

本開示は、ポリ不飽和脂肪酸を含む植物油、およびこれを含有する製品に関する。一部の実施形態において、本開示は、新規な油加工方法に関し、ある量のドコサヘキサエン酸(DHA)を含む粗油サンプルから生産される精製漂白脱臭(RBD)油中に、その量のDHAを保持させるものである。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年12月30日出願の米国特許仮出願第61/582,169号明細書「DHA RETENTION DURING CANOLA PROCESSING」の出願日の利益を主張する。
本開示は、植物由来油、特にドコサヘキサエン酸を含む種子油に関する。一部の実施形態は、ドコサヘキサエン酸を含むキャノーラ油種子の、精製漂白脱臭(RBD)油への加工に関し、当該油は食品用によく適している。
植物由来油が、食事性脂肪摂取の主要な源として、動物由来油脂に徐々に取って代わっている。一般に、不飽和脂肪(単不飽和および多不飽和)が有利であると考えられるが、飽和脂肪およびトランス脂肪はそう考えられない。飽和脂肪およびトランス脂肪は、血液中の不所望のLDLコレステロールレベルを上げる。従って、飽和脂肪、トランス脂肪およびコレステロールが少ない食品を、健康によい食事の一部として選ぶことが賢明である。より健康的な生活様式を促進する目的で、アメリカ農務省は近年、飽和脂肪が1日のカロリー摂取量の10%未満に収まるように推奨している。しかしながら、ほとんどの先進工業国における飽和脂肪摂取量は、総カロリー消費量の約15%から20%にとどまっている。
消費者の自覚を促すために、USDAによって発行されている現在の表示ガイドラインは、14gあたり1.0g未満の総飽和脂肪酸レベルであると「low−sat」ラベルが与えられ、14gあたり0.5g未満であると「no−sat」ラベルが与えられることを定めている。これは、植物油の飽和脂肪酸含有量が、「low−sat」または「no−sat」ラベルを与えられると、それぞれ7%未満および3.5%未満である必要があることを意味する。このガイドラインの発行以来、消費者の「low−sat」油および「no−sat」油に対する需要が高まっている。これまでのところ、この需要は、主にキャノーラ油により、そして、かなり僅かではあるが、ヒマワリ油およびサフラワー油により満たされている。キャノーラ油は、飽和脂肪酸レベルが、全ての植物油の中で最も低い。
油の特性は、植物起源であるか動物起源であるかに拘らず、油分子中の炭素原子および水素原子の数によって、ならびに脂肪酸鎖中に含まれる二重結合の数および位置によって主に決定される。植物に由来するほとんどの油は、様々な量のパルミチン酸(16:0)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、およびリノレン酸(18:3)の脂肪酸で構成される。慣例的に、パルミチン酸およびステアリン酸は、「飽和」であると表される。これは、それらの炭素鎖が水素原子で飽和される結果、二重結合がない(可能な最大数の水素原子を含有する)ためである。しかしながら、オレイン酸、リノール酸、およびリノレン酸は18炭素の脂肪酸鎖であり、この中にそれぞれ1つ、2つ、および3つの二重結合を有する。通常、オレイン酸は単不飽和脂肪酸とみなされ、リノール酸およびリノレン酸は多不飽和脂肪酸であるとみなされる。
特に注目される不飽和脂肪酸が、ドコサヘキサエン酸(DHA)(C22:6)である。DHAはオメガ−3脂肪酸であり、ヒトの脳および網膜の一次構造成分である。食事性DHAはヒトの血中トリグリセリドレベルを引き下げることによって心疾患のリスクを減らすことができ、そして結腸癌および前立腺癌の治療にも有用であり得る。DHAの消費がしばしば、妊娠中または授乳中の母親に推奨される。さらに、DHAのレベルが低いことと、アルツハイマー病とが関連する。DHAは、多くの動物において、α−リノレン酸(18:3)(植物において見られる)から合成され得る。しかしながら、α−リノレン酸(18:3)は、野生型の作物からしか得ることができない。α−リノレン酸は、それ自体で栄養的な用途があるが、ヒトにおいてDHAとして生物利用可能でなく、DHAと同じ健康効果を与えるとは考えられていない。
油中の不飽和脂質が酸化されて、不所望の酸化生成物となり得、不所望の臭気および/または香気を食用の油脂に、そしてこれから製造される製品に付与する虞がある。酸化の速度は、いくつかの要因(酸素の存在、光および熱への暴露、ならびに油中に本来ある、または添加された抗酸化剤および酸化促進剤の存在が挙げられる)によって影響される。酸化は、フライ(frying)の繰返し(誘導酸化)、および/または長期間の貯蔵(自己酸化)の結果として起こり得る。天然油は組成が相異するので、酸化経路が相異する。天然油の複雑性、および所与の酸化反応について多数のあり得る反応経路のため、酸化反応は完全には理解されない。しかしながら、ラジカル連鎖多工程反応カスケードを進むものが一部公知である。油の酸化的劣化は一般的な現象であり、油の有効寿命を制限する。また、収穫後相当の期間貯蔵された油種子から得られる油は大抵、酸化生成物が、新たに収穫された油種子から得られる油よりも多い。
脂質酸化の第1工程において、二重結合が酸素と反応してアリルヒドロペルオキシド(過酸化物としても公知である)が形成される。これは酸化の第1工程に由来するので、ヒドロペルオキシドは一次酸化生成物であると考えられる。これは、標準過酸化物値試験によってルーチン的に定量化される。品質が良好な油(香気が比較的穏やかであり、かつ臭気が低い)は通常、過酸化物値(PV)が低いであろう。食品加工業者に出荷される食用油のPVは多くの場合、生産される食品が高品質となることが確実となるような特定の値を下回ることが求められる。過酸化物は不安定であり、そして容易にさらなる反応を受ける。PVが低いことだけが油の品質が良好であることの唯一のマーカではない。これは、油のPVが高いレベルに達していても、過酸化物がさらに二次酸化生成物に分解されるにつれ、下降し得るためである。
二次酸化生成物は、結果として生じる分子のサイズに従って、3つの群に分類され得る。多くの高分子量不飽和脂質はそれら自体に特有の香気があるわけでないが、それらの分解化合物は多くの場合、香気が強烈であり、油の品質および安定性に悪影響を及ぼす。二次酸化生成物には元の脂質よりも分子量が低いものがあり、出発脂質および過酸化物よりも揮発性である。これらの二次酸化生成物(例えば、アルデヒド、カルボニル、ケトン、アルコール、酸、エステル、エーテル、炭化水素およびラクトン)は、食用油産業において問題がある。Gunstone (1999)「Reactions associated with double bonds」,in Fatty Acid and Lipid Chemistry, Aspen Publishers, Gaithersburg, MD。これら二次酸化生成物の多くは、非常に低い濃度であっても、味または臭いが感じられ得る。
個々の脂肪酸の酸化に対する感応性は、それらの不飽和度に依存する。そのため、リノレン酸(3つの炭素−炭素二重結合を有する)の酸化速度は、オレイン酸(1つの二重結合を有するだけである)の25倍であり、そしてリノール酸(2つの二重結合を有する)の2倍である。従って、種子油中の天然に存在する脂肪酸のうち、リノール酸およびリノレン酸が、香気および臭気に最も影響を及ぼす。反対に、高オレイン酸油(オレイン酸が≧70%)は、貯蔵中、フライ中、および精製中の酸化に対して感応性がより低く、そしてより高い温度(発煙しない)に加熱され得るので、料理油としてより適しているとされている。市販のキャノーラ品種(種子油中の脂肪酸プロフィールについて、オレイン酸が70(重量)%を超え、かつリノレン酸が3.5(重量)%を下回る)の例として、NEXERA(登録商標)品種があり(Dow AgroSciences LLC(インディアナポリス、IN)によって販売されている)、この品種は、「オメガ−9油(Omega-9 oil)」(非水素化高オレイン酸低リノレン酸油)を生産する。オメガ−9油は現在、多くの用途(唐揚げ(deep frying)、ソテー、ベイキング、吹付けが挙げられる)に、そしてサラダドレッシングに用いられている。
油用キャノーラ粒を加工する従前の方法は、粒の機械的圧搾と、続く圧搾された粒由来の油の溶媒抽出とからなる。機械的抽出油および溶媒抽出油の双方が組み合わされて、粗油が形成される。粗油は、リン脂質の除去(脱ガム(degumming));遊離脂肪酸の除去(苛性精製(caustic refining));色素、金属および酸化生成物の除去(漂白);ならびに臭いたつ化合物の除去(脱臭)を介して、商業的用途用の製品に精製される。DHAは6つの二重結合を含むので、酸化に対して非常に感応性である。高温が、従来の種子油加工の工程(脱臭等)中に利用され、この高温は、このような油中に本来見られる脂肪酸成分を含有する種子油を加工するのに十分であり、かつ一層好ましいものである。しかしながら、このような条件は、非常に反応性であり、かつ熱的に不安定なDHA分子を含む油を加工するには適していない。DHAは高温で分解することとなり、種子油中に存在することで、食用油生産に関する問題が提起されるであろう。
検出可能な量のDHA(ドコサヘキサエン酸(C22:6、n−3))を含む、遺伝子操作されたキャノーラ植物および種子が、近年生産されている。国際公開第2011/146524号。しかしながら、植物油製品を生産するための従来のキャノーラ油種子加工法は、DHA含有キャノーラ油種子の加工に適していない。本明細書中に記載するのは、検出可能な量のDHAを含む植物(例えば、キャノーラ)油種子を加工する方法である。一部の実施形態に従う方法の実施によって、このような油種子由来のDHAが、これから生産された植物油製品において保持され得る。一部の実施形態に従う方法が用いられて、従前のキャノーラ油規格に適合する、加工されたDHA含有キャノーラ油が生産され得る。実施例において、このような加工されたDHA含有キャノーラ油は、良好な知覚属性および官能属性を備え、この健康によい油の売買および使用が促進され得る。
実施形態において、検出可能な量のDHAを含む油種子を加工する方法は、従来の種子油加工の1つまたはそれ以上の工程を含んでよく、例えば、限定されないが:調製、プレ加工、機械的抽出、溶媒抽出、脱ガム、中和/化学的精製、漂白、脱臭、および貯蔵が挙げられる。一部の実施形態において、粗油は、検出可能な量のDHAを含む油種子から、機械的圧搾によって得られ、溶媒抽出は用いられない。一部の実施形態において、機械的圧搾によって得られる粗油は、機械的圧搾中に生産されるプレスケーキの溶媒抽出によって得られる油と、組み合わされる。機械的圧搾油は、リン脂質量がより少ないために、溶媒抽出油よりもDHA濃度が高い。従って、特定の実施形態において、粗油の別々の(溶媒抽出油と組み合わされない)機械的加工は、必要な工程数をより少なくし得、そして油を「バージン」として販売することができる。
特定の実施形態において、比較的低い温度が、1つまたはそれ以上の油種子加工工程中に用いられる。例えば、比較的低い温度は、一部の実施例において、脱臭中に用いられてよい。ある実施例において、そのような低温の使用が、生じる油中の高いDHA保持を確実とし、油の品質にも官能属性にも悪影響を及ぼすことはない。一部の実施形態は、精製中の粗油のハンドリングに関して、固有の詳細(specific details)を含む。例えば、粗油は、精製中に「手送り(handfed)」されてよい。
また、本明細書中に記載されるのは、本発明の方法に従って加工されたDHA含有植物油を含む油、食品および日用品である。
上記の、および他の特徴は、いくつかの実施形態の以下の詳細な記載から、添付の図面を参照しながら、より明らかとなるであろう。
さらに精製されてRBDキャノーラ油を生産する粗キャノーラ油を生産するのに用いられ得る従来のキャノーラ種子加工工程の説明図を示す。図示される従来のプロセスは、プレ加工(コンディショニング;フレイキング;および調理)、機械的抽出(プレ圧搾)および溶媒抽出(溶媒抽出;脱溶媒;溶媒蒸発)を含む。 粗キャノーラ油をさらに精製してRBDキャノーラ油を生産するのに用いられ得る従来の油加工工程の説明図を示す。図示される従来のプロセスは、脱ガム、化学的精製、漂白、および脱臭を含む。本発明の特定の実施形態において、脱臭工程は、非従来的な低温および保有条件を用いて完了され得、DHAが、プロセスによって精製されたRBD油中に保持され得る。 DHAエンリッチドキャノーラ油の油種子加工工程の全体にわたって観察されるDHA保持のグラフを示す。機械的抽出油のDHAレベル(約1.3%)は、溶媒抽出油(約0.75%)よりも有意に高い。従来の脱臭工程(約245℃にて2時間の調理を含む)は、僅か32%のDHA保持となった。対照的に、非従来的な脱臭条件(約210℃にて60分間の調理)を伴う油種子加工方法は、約97%のDHA保持となった。 油種子中にDHAを含む遺伝子操作されたキャノーラ由来のキャノーラ油の油種子加工工程の全体にわたって観察されるDHA保持のグラフを示す。国際公開第2011/146524号参照。DHAエンリッチメントトライアルにおいて観察されるように、遺伝子操作されたキャノーラ由来の粗エキスペラ油は、溶媒抽出油よりも多くのDHAを含有する。さらに、非従来的な脱臭工程を従来の油精製プロセスに組み込むと、DHA保持がかなり増大した。 NEXERA(登録商標)キャノーラ、および遺伝子操作されたキャノーラ(GM)由来のDHA含有キャノーラ油のE−ノーズ比較を示す。図5Aは、散布プロットの全データ位置を示す図を示す。 NEXERA(登録商標)キャノーラ、および遺伝子操作されたキャノーラ(GM)由来のDHA含有キャノーラ油のE−ノーズ比較を示す。図5Bは、RBDクラスタの拡大図を示し、NEXERA(登録商標)およびGMキャノーラ由来のRBD油間の高い類似性を示す。
I.いくつかの実施形態の概要
本明細書中に記載されるのは、ドコサヘキサエン酸(DHA)を含む油種子サンプル(例えば、キャノーラ油種子)または粗植物油サンプルを加工する向上した方法であり、DHAを含むRBD油製品を生産するために用いられ得る。本明細書中に記載される方法は、DHAのないRBD油の生産に必須である(そして、不利であり得る)わけではないが、当該方法は実質的に、DHAを含み、RBD油を生産するために用いられる油種子または粗油サンプルからのDHAの分解および/または損失を回避する。本発明の一部の実施形態に挙げられる方法は、例えば、検出可能な量のDHAを含む、遺伝子操作されたキャノーラから生産される油製品におけるDHAの最大保持のために容易に商業化され得る、コスト効率の良い油種子精製プロセスを提供する。本明細書中に記載される方法によって生産される、加工された油(例えば、キャノーラ油)は、従前のキャノーラ油規格に適合し得、そして良好な知覚属性および官能属性を備え得、DHA含有油製品の売買および/または使用を促進する。
II.略語
DC ドライヤ−クーラ
DCP 直流プラズマ
DHA ドコサヘキサエン酸
DI 脱イオン
DT 脱溶媒(desolventizer)トースタ
DTDC 一体型の脱溶媒トースタ−ドライヤ−クーラ
GC ガスクロマトグラフィ
ICP 誘導結合プラズマ
NHP 非水和性(nonhydratable)リン脂質
RBD 精製漂白脱臭
TOC 全有機炭素
III.用語
キャノーラ:「キャノーラ」は、ナタネ(アブラナ属種)を指し、エルカ酸(C22:1)の含有量が多くとも2重量パーセント(種子の総脂肪酸含有量と比較)であり、そして(粉砕後の)風乾ミール(meal)が、脱脂された(油フリーの)ミールのグラムあたり30マイクロモル(μmol)未満のグルコシノレートを含有する。このタイプのナタネは、その可食性により、種のより従前の品種と比較して、際立っている。キャノーラ油は、飽和脂肪酸のレベルが低いために、優れた食用油であると考えられている。
ナタネミールはタンパク質が比較的高いが、繊維含有量が高いことで、その消化性および動物飼料としての価値は低い。ダイズミールと比較して、正規のキャノーラミールは、より高い価値の食物繊維を含有している。その高い食物繊維のために、キャノーラミールは、代謝エネルギー(ME)がダイズミールよりも約20%低い。結果として、ミールの価値は、他の油種子ミール(ダイズミール等)と比較して、特にブタおよび家禽用の飼料において、低くとどまっている。Rakow (2004a) Canola meal quality improvement through the breeding of yellow-seeded varieties - an historical perspective, AAFC Sustainable Production Systems Bulletin。さらに、一部のキャノーラミール中のグルコシノレートの存在もまた、この化合物が有する、家畜の成長および繁殖に及ぼす悪影響のために、その価値を下げている。
キャノーラの品種は、その種皮色によって一部区別されている。種皮色は概して、2つの主なクラスに分けられる:黄色および黒色(または暗褐色)である。これらの色の各種色合い(赤褐色および黄褐色等)も観察される。キャノーラ品種の種皮色が明るい程、種皮色が暗色の品種よりも、外皮が薄く、そのため繊維が少なく、油およびタンパク質が多くなることが、広く観察されている。Stringam et al. (1974) Chemical and morphological characteristics associated with seed coat color in rapeseed, in Proceedings of the 4th International Rapeseed Congress, Giessen, Germany, pp. 99-108; Bell and Shires (1982) Can. J. Animal Science 62:557-65; Shirzadegan and Robbelen (1985) Gotingen Fette Seifen Anstrichmittel 87:235-7; Simbaya et al. (1995) J. Agr. Food Chem. 43:2062-6; Rakow (2004b) Yellow-seeded Brassica napus canola for the Canadian canola Industry, AAFC Sustainable Production Systems Bulletin。これは、直観的に理にかなっている。というのも、キャノーラ植物が、種皮繊維成分の生産のためのエネルギーを必要としないのであれば、タンパク質および油の生産により多くのエネルギーを費やすことができるためである。黄色の種子をつける(seeded)キャノーラ系統もまた、グルコシノレート含有量が低いことが報告されている。Rakow et al. (1999b) Proc. 10th Int. Rapeseed Congress, Canberra, Australia, Sep. 26-29, 1999, Poster #9。従って、黄色種子キャノーラ品種の開発が、キャノーラミールの飼料価値を上げる可能性のあるものとして、進められている。Bell (1995) Meal and by-product utilization in animal nutrition, in Brassica oilseeds, production and utilization. Eds. Kimber and McGregor, Cab International, Wallingford, Oxon, OX108DE, UK, pp. 301-37; Rakow (2004b), supra; Rakow & Raney (2003)。
黄色の種子をつけるタイプのアブラナ属種(セイヨウアブラナ(B. napus)(例えば、B. rapaおよびカラシナ(B. juncea))に近縁である)は、種子およびその後のミールにおける繊維レベルがより低いことが示されている。黄色種子セイヨウアブラナの生殖質の開発から、近縁のアブラナ属種由来の種子色素沈着制御遺伝子の統合(integration)により、繊維がセイヨウアブラナにおいて低下し得ることが実証されている。しかしながら、近縁のアブラナ属種由来の種子色素沈着制御遺伝子の、価値ある油種子アブラナ属品種(キャノーラ品種等)中への統合は、多くの劣性対立遺伝子が、現在入手可能な黄色種子系統において、黄色種皮の遺伝に関与しているという事実によって、複雑である。さらに、「莢のカーリング(pod curling)」もまた問題である。これは、黄色種皮色の統合中に一般的に発生するものであり、黄色の種子色が他のアブラナ属種(カラシナおよびcarinata等)から遺伝子移入された(introgressed)際の染色体対合が悪いためである。
油含有量:本明細書中に用いられる「油含有量」は、植物または植物の部分(例えば、種子)における油の特性情報を指す。一部の実施形態において、油含有量は、全乾燥種子のパーセントとして表される。一部の実施形態において、特定の種子油含有量は、特定の植物品種の特性であり、そして、その特定の品種の植物を、同種の他の植物から区別するために用いられてよい。油含有量は、種々の分析技術を使用して測定されてよく、例えば、限定されないが:NMR、NIR、FAME分析およびソックスレー抽出等がある。
特定の実施形態において、特徴的な油含有量として、「パーセントオレイン酸」および/または「パーセントリノレン酸」の記載が挙げられ得る。本明細書中に用いられる「パーセントオレイン酸」は、総種子油(オレイン酸である)のパーセント(FAME分析によって決定される)を指す。本明細書中に用いられる「パーセントリノレン酸」は、総種子油(リノレン酸である)のパーセント(FAME分析によって決定される)を指す。
FAME分析は、サンプル中の全脂肪酸における特定の脂肪酸の成分パーセントを測定するのに用いられてよい。種子油に関して、パーセンテージは、油のサンプルを種子から抽出し、その油サンプル中に存在する脂肪酸のメチルエステルを生産し、そしてサンプル中の種々の脂肪酸の割合をガスクロマトグラフィを用いて分析することによって、決定されてよい。このように決定される油含有量は、品種の顕著な特性であり得る。
多不飽和脂肪酸:本明細書中に用いられる用語「多不飽和脂肪酸」または「PUFA」は、炭素鎖長が少なくとも16炭素、少なくとも18炭素、少なくとも20炭素、または22もしくはそれ以上の炭素(少なくとも3もしくはそれ以上の二重結合、4もしくはそれ以上の二重結合、5もしくはそれ以上の二重結合、または6もしくはそれ以上の二重結合(全ての二重結合がシス配置である)を有する)である脂肪酸を指す。
長鎖多不飽和脂肪酸:本明細書中に用いられる用語「長鎖多不飽和脂肪酸」または「LC−PUFA」は、18以上の炭素鎖長、20以上の炭素鎖長(3もしくはそれ以上の二重結合を含む)である脂肪酸、または22もしくはそれ以上の炭素(少なくとも3もしくはそれ以上の二重結合、4もしくはそれ以上の二重結合、5もしくはそれ以上の二重結合、または6もしくはそれ以上の二重結合を有する)である脂肪酸を指す。オメガ−6シリーズのLCPUFAとして、限定されないが:ガンマ−リノレン酸(C18:3);ジ−ホモ−ガンマ−リノレン酸(C20:3n−6);アラキドン酸(C20:4n−6);アドレン酸(ドコサテトラエン酸またはDTAとも呼ばれる)(C22:4n−6);およびドコサペンタエン酸(C22:5n−6)が挙げられる。オメガ−3シリーズのLC−PUFAとして、限定されないが:アルファ−リノレン酸(C18:3);エイコサトリエン酸(C20:3n−3);エイコサテトラエン酸(C20:4n−3);エイコサペンタエン酸(C20:5n−3);ドコサペンタエン酸(C22:5n−3);およびドコサヘキサエン酸(C22:6n−3)が挙げられる。LC−PUFAはまた、22を超える炭素および4またはそれ以上の二重結合を有する脂肪酸を含み、例えば、限定されないが、C28:8(n−3)が挙げられる。
物理的精製:本明細書中に用いられる用語「物理的精製」は、粗油または脱ガム油中の遊離脂肪酸が、蒸発によって除去される(アルカリ精製プロセスにおいて、中和されて、セッケンとして除去されるのではない)プロセスを指す。
鹸化:本明細書中に用いられる用語「鹸化」は、トリグリセリド(脂肪酸エステルである)の、塩基(例えば、苛性ソーダNaOH)による加水分解(カルボン酸塩を形成する)を指す。
IV.油種子加工
実施形態として、少なくとも1つのPUFAを含む精製油(例えば、RBD油)を生産する方法が挙げられる。特定の実施形態は、DHAおよび/またはEPAを含む油を生産することを含む。一部の実施形態において、当該方法は、PUFA生産遺伝子操作植物(例えば、キャノーラ)から、例えば、遺伝子操作植物の種子から油を抽出(例えば、圧搾)し、かつ加工することによって、油を回収することを含んでよい。従って、特定の実施形態は、遺伝子操作植物であって、同種の野生型植物において見られないタイプまたは量のPUFAを生産する遺伝子操作植物を提供することを含む。一部の実施形態において、本発明の方法は、1つまたはそれ以上のPUFAの添加によって補充または増強された油サンプルから油を精製することを含んでよい。
一部の実施例において、少なくとも1つのPUFAを含む油を生産する方法は、DHAおよび/またはEPAを生産する、遺伝子操作されたアブラナ属種の植物から粗種子油を得ることを含んでよい。このような粗種子油は、例えば、約70重量%もしくはそれ以上の量のオレイン酸(C18:l)を含む、および/または約4%もしくはそれ以下の量のリノレン酸(C18:3)を含む脂肪酸含有量を構成してよい。ヒトが消費するこのような油は通常、リノレン酸含有量がより高い油と比較して、健康によく、かつフードサービス用途および消費者包装商品用途に関する安定性が高いと考えられている。このような油はまた、水素化の必要を少なくし得、かつ食品内に含まれる他の油と比較して、栄養的な利点をもたらし得る。少なくとも1つのPUFAを含む油(例えば、本発明の一部の実施形態に従って生産され得る)の酸化安定度は、当分野において公知の抗酸化剤および/または他の添加剤の添加によって、高められてよい。
一部の実施形態において、油が回収される遺伝子操作植物は、1つまたはそれ以上のPUFAを含んでよく、例えば、限定されないが、EPA(エイコサペンタエン酸(C20:5、n−3))、DHA(ドコサヘキサエン酸(C22:6、n−3))、DPA(ドコサペンタエン酸(C22:5、n−6またはn−3))、ARA(エイコサテトラエン酸またはアラキドン酸(arachidotlic acid)(C20:4、n−6))、GLA(C18:3、n−6)、ALA(C18:3、n−3)、SDA(C18:4、n−3)、および上記したものの任意の組合せが挙げられる。一部の実施形態において、油が回収される遺伝子操作植物は、組換えによりPUFAシンターゼ系およびPPTaseを発現するように遺伝子操作された植物であってよい。特定の実施形態において、このような植物は、遺伝子操作されて、PUFA(またはPUFAシンターゼの他の生物活性生成物)の生産および/または蓄積の向上のために、修飾タンパク質(例えば、ACoAS、GPAT、LPAAT、DAGATまたはACCアーゼ)が遺伝子操作植物によってさらに発現されてよい。本発明の一部の実施形態において有用であり得る遺伝子操作植物の例として、国際公開第2011/146524号において記載されるLC−PUFA生産植物が挙げられる。
一部の実施形態において、RBD油製品が加工されることとなる油種子が、高等植物(双子葉植物および単子葉植物の双方が挙げられる)によって生産されてよい。実施形態において、油種子は、消費可能植物(consumable plant)(その油のために利用される作物植物等)によって生産される。特定の実施例において、油種子生産植物として、例えば、限定されないが:キャノーラ(Brassica napus);ナタネ(B. napus);インディアンカラシナ(B. juncea);エチオピアンカラシナ(B. carinata);アブラナ(B. rapa);キャベツ(B. oleracea);ダイズ(Glycine max);アマニ/アマ(Linum usitatissimum);トウモロコシ(Zea mays);ベニバナ(Carthamus tinctorius);ヒマワリ(Helianthus annuus);タバコ(Nicotiana tabacum);シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana);ブラジルナッツ(Betholettia excelsa);トウゴマ(Ricinus communis);ココナッツ(Cocus nucifera);コリアンダー(Coriandrum sativum);ワタ(Gossypium spp.);ラッカセイ(Arachis hypogaea);ホホバ(Simmondsia chinensis);アブラヤシ(Elaeis gdineeis);オリーブ(Olea eurpaea);イネ(Oryza sativa);カボチャ(Cucurbita maxima);オオムギ(Hordeum vulgare);コムギ(Triticum aestivum);およびウキクサ(Lemnaceae sp.)があり得る。油種子植物の任意の、そして全ての遺伝子型および栽培品種が、ある実施例において用いられてよく、その選択は実践者の裁量の範囲内である。
本発明の実施形態として、特定の油加工および/または精製方法が挙げられ、これらは、油サンプル中のPUFA(例えば、DHAおよびEPA)を有効に保持するものである。加工または精製された油は、任意のいくつかの油精製プロセスによって従来通り得られてよく、例えば、限定されないが:超臨界流体抽出、圧搾、溶媒抽出および上記したものの組合せが挙げられる。本発明の実施形態に従う方法は、当業者に公知であるこれら従来の方法論における、系、プロセス、およびプロセス工程を指す。例えば、溶媒抽出によって得られた油中の油/溶媒混合物は「ミセラ」と呼ばれ、溶媒の除去後に残る脂質が「粗油」と呼ばれる。圧搾または搾り出された油は、「圧搾油」として公知である。上記を参照して示されるように、油は、上記の系および方法のシーケンシャルな適用によって加工されてよい。例えば、キャノーラ油種子を圧搾し、搾り出された粗油およびプレスケーキを得ることによって、キャノーラ油が最初に得られてよい。続いて、プレスケーキ中に残存する油は、ヘキサンによる溶媒抽出によって取り出されることによって、ミセラがもたらされてよい。ミセラから溶媒を除去した後、溶媒抽出された粗油が得られる。搾り出された粗油および溶媒抽出された粗油がその後組み合わされて、精製されていないキャノーラ油が得られてよい。
機械的圧搾および/または溶媒抽出から得られる粗植物油は、脂質の混合物であり、例えば、限定されないが:トリアシルグリセロール、リン脂質、ステロール、トコフェロールおよび遊離脂肪酸が挙げられる。粗油はまた、トレース金属および他の化合物を含む。さらなる用途(例えば、消費)用の油製品を生産するために、粗油をさらに加工/精製することが多くの場合必要である。従来の油加工方法、および本発明の一部の実施形態に従う加工方法は、1つまたはそれ以上の加工工程を含んでよく、例えば、限定されないが:プレ加工、機械的圧搾、溶媒抽出、脱ガム、精製(中和)、漂白および脱臭が挙げられる。油加工プラットフォーム中に任意で含まれてよい他の工程として、脱蝋、水素化、部分的水素化、エステル化、エステル交換、エステル転移、分画および加水分解が挙げられる。
一部の油種子は、工程のシーケンシャルな適用によって加工されてよい。例えば、油種子を圧搾し、搾り出された粗油およびプレスケーキを得ることによって、キャノーラ油が最初に得られてよい。続いて、プレスケーキ中に残存する油は、ヘキサンによる溶媒抽出によって取り出されて、ミセラがもたらされてよい。ミセラから溶媒を除去した後、溶媒抽出された粗油が得られてよい。搾り出された粗油および溶媒抽出された油が組み合わされて、精製されていないキャノーラ油が得られてよい。油加工プラットフォームにおける工程は、独立して、または一体的に、もしくは一部一体的に、実行されてよい。
i.プレ加工/調製
一部の実施形態において、油種子が植物から集められた後であるが、粗油が油種子から抽出される前に、油種子は1つまたはそれ以上のプレ加工工程にさらされてよい。油種子は約20%から約50%の量の油を含み得るが、無処置種子中の油は細胞内に強固に結合されており、油は、強制的に取り出されるか、より溶媒アクセス可能にされることで溶媒抽出が促進されなければならない。プレ加工は、油種子を、溶媒法または機械的方法による油抽出用に適切に調製するように、そして一部の実施例において、種子仁または種子肉(seed kernel or meat)から外皮および/または他の物を除去するように、実行されてよい。従って、特定の実施例は、1つまたはそれ以上のプレ加工工程を含んでよく、例えば、限定されないが:クリーニング;汚染物質の分離;テンパリング;スケーリング;クラッキング(例えば、段ロールまたはグラインダを利用する);コンディショニング/調理;アスピレーティング;乾燥;脱ぷ/剥皮;高温脱ぷ(hot dehulling);フレイキング;および貯蔵等が挙げられる。
クリーニング方法は、用いられる特定の油種子およびサンプルの最初の品質に応じて、大いに変わる。特定のサンプルについて、例えば、植物茎、小枝(sticks)、葉および異物(foreign material)を除去することが所望されてよい。異物は分解し、貯蔵される種子マス(seed mass)において発熱を起こすので、油品質が落ちる場合がある。一部の実施例におけるクリーニング方法は、混入金属を除去するように設計された磁石、大きくかつ重い物質を除去するように設計されたスカルパ(scalper)、ならびに/または微細な物質および大き過ぎる物質を除去するように設計されたサイジングスクリーナ(sizing screener)の使用を含んでよい。アスピレーションが、より軽い異物を除去するために、特定の実施例において用いられてもよい。回転または振動する粗スクリーン、リールおよびアスピレーションの組合せの使用を含むクリーニングプロセスは、一般に「スカルピング(scalping)」と呼ばれ、本発明の特定の実施形態において含まれてよい。クリーニングおよびスカルピング装置の製造業者として、Buhler(プリマス、MN)、Carter−Day(フリドリー、MN)およびKice Metal Products(ウィチタ、KS)が挙げられる。
油の抽出または他の加工工程を促進するために、抽出前に油種子中の水分レベルを制御することが所望されてよい。従って、油種子は、プレ加工中に乾燥されてよい。大きな、垂直の、直火の(open-flame)穀粒ドライヤが、油種子を乾燥させるために用いられてよい。例示的な穀粒ドライヤは、装置を通って下方へゆっくり移動する油種子の複数のカラムであって、上部が乾燥に用いられ、下部が冷却に用いられるカラムを含んでよい。種子中の水分を特定のレベルに上げることも所望されてよい。例えば、油種子および水が混合されて、平衡するようにされてよい。
フレイキングまたはクラッキングは、油種子中の細胞壁を破壊することによって、種子油をよりアクセス可能とするように用いられてよい。フレイキングは、例えば、約0.25から0.37mm(例えば、0.30mm)の厚さの肉フレイクをもたらすように用いられてよい。一部の実施例において、抽出前の油種子をフレイキングまたはクラッキングするのに用いられてよい装置の例として、限定されないが:フレイキングミル;クラッキングミル(例えば、Buhler,CPM Roskamp(ワーテルロー、IA)から入手可能);グラインダ(例えば、コーヒーグラインダ);およびダブルロールフレイキングロール(例えば、Bauermeister Inc.(メンフィス、TN)から入手可能な滑面ロール)が挙げられる。一部のフレイキングおよび/またはクラッキング装置のセッティングは、所望の厚さの種子部分がもたらされるように調整されてよい。特定の実施例において、油種子は、コーヒーグラインダによるプレ加工中にクラッキングされる。
油種子はまた、プレ加工中に調理またはテンパリングされて、タンパク質が変性され、油が放出され、および/または酵素が不活性化されてもよい。例えば、ナタネは、酵素ミロシナーゼを含有しており、これは、グルコシノレートの加水分解を触媒して不所望の化合物(イソチオシアネートおよびニトリル等)を生産する。ナタネは、多段階クッカ(multistage cooker)において調理されて、ミロシナーゼ酵素が不活性化されてよい。例えば、ナタネは、20から50℃に5分未満予熱されてから、120℃の生蒸気と接触させられてよい。高温での調理は、ヒマワリ種子に通常必要でない。クラッキングおよび脱ぷされたダイズは、約65℃から約90℃の温度にて、例えば約20から30分の保持時間コンディショニングされてよく、水分は蒸気で調整される。キャノーラは、グルコシノレートレベルが従来のナタネよりもかなり低いので、より低温にて調理されて、イソチオシアネートおよびニトリル形成が防止されてよい(例えば、100℃未満)。特定の実施例において、クラッキングまたはフレイキングされたキャノーラ油種子は、約75℃から約95℃の温度(例えば、約85℃)での、約5分から約60分(例えば、約20分)間のプレ加工中に、調理される。
クッキング、コンディショニングおよびテンパリングはまた、油種子に弾性を付与するために用いられてよく、これが細胞の破断を促進することで、油滴が合体し、かつタンパク質が凝集し、フレイキング性能および抽出効率が向上する。コンディショニングは例えば、内部蒸気コイルを備えた回転ドラムにおいて、またはトレイクッカにおいて、実行されてよい。機械的スイープアームが、種子材料を撹拌し、かつ均一な加熱を実現するために用いられてよい。
油種子が調製された後、粗油がフレイクまたは油種子材料から抽出されてよい。グラインディングまたはフレイキングされた油種子は、直接的に抽出されてよく(例えば、油含有量がより低い粒(ダイズ等))、または抽出前に機械的に圧搾されてよい(例えば、油がより高い粒(キャノーラおよびヒマワリ等))。当分野において公知の特定の技術が、調製された材料の油抽出および/または物理的精製を増強するために用いられてよく、例えば、限定されないが:調製された粒材料中のリパーゼ酵素の不活化;ALCON(商標)プロセス(Lurgi GmbH);およびエキスパンダの使用が挙げられる。
ii.機械的抽出
実施形態において、油種子材料は、機械的に圧搾されて、油サンプルが油種子材料から抽出されてよい。そのような機械的油抽出は、例えば、限定されないが:調理;圧搾;押出し;セットリング;ケーキ冷却;ケーキサイジング;ケーキグラインディング;フィニッシング;および油濾過を含む工程を含んでよい。従来の機械的抽出手順では、油種子は、極端な熱および圧にさらされ、これにより油は油細胞から機械的に押し出される。本発明の特定の実施形態の一部の実施例において、PUFA含有油種子は、極端な加熱なく機械的に圧搾され得る。特定の実施例において用いられてよい機械的圧搾の非限定的な例として、限定されないが:スクリュープレス(Anderson International Corp.(クリーブランド、OH)およびSimon−Rosedowns(ハル、UK)から入手可能なもの等);およびTaby Press Type−20A Press(Taby Skeppsta、エレブルー、スウェーデン)が挙げられる。機械的圧搾は、一部の実施例において、少なくとも約60%(例えば、少なくとも約70%、少なくとも約80%、および少なくとも約90%)の油を油種子材料(例えば、フレイキングまたはグラインディングされた油種子粒子)から抽出し得る。逆に言えば、機械的抽出に由来するプレスケーキは、約15%から19%の残留油を含み得る。
一部の実施例において、機械的抽出は、調理された油種子材料の、機械的圧搾中への導入を含んでよく、利用可能な油(例えば、総油の約60%またはそれ以上)が、極端な機械的圧搾をかけることによって取り出される。機械的圧搾操作由来の油は通常、高濃度のミール微粉を含有しており、これは、スクリーニングタンクに続く圧力リーフまたはプレートおよびフレームフィルタ中で除去されてから、粗油が精製プロセスに運ばれてよい。一部の実施例において、濾過助剤(例えば、約1%の量)が機械的抽出油に加えられてから、濾過されてよい。一部の実施例において、機械的抽出油は、濾紙(例えば、収集ベッセルまたはフラスコの上に配置される漏斗内にある)を用いて濾過される。
機械的抽出プロセスの最後に生じるケーキは通常、圧縮されてかなり硬く、抽出された種子油は、機械的圧搾中にドレンバーによって集められたものである。圧搾操作後、プレスケーキは分解かつ冷却され、そして最終の油取出しのための溶媒抽出にさらされてよい。
iii.溶媒抽出
一部の実施形態において、油種子材料(例えば、機械的圧搾によって生産されるプレスケーキ)が溶媒抽出されて、油が材料から取り出され、得られてよい。通常、溶媒抽出を実行するために、油種子材料は溶媒と、溶媒の油種子材料に対する特定の比率(例えば、約2:1から約3:1)にて混合され、そして溶媒と、特定の残留時間接触したまま持続されてよい。続いて、生じた粗溶媒抽出油が集められ、さらなる加工まで貯蔵されてよい(例えば、窒素下)。溶媒抽出は、例えば、限定されないが:抽出;脱溶媒/トースティング;蒸留;溶媒分離;ミセラ精製;および液相回収を含む工程/プロセスを含んでよい。油種子材料から油を抽出するために用いられてよい溶媒として、例えば、限定されないが:ヘキサン、イソプロピルアルコール、および超臨界COが挙げられる。
油の抽出性は温度が高い程増進されるので、実践者は通常、従来の溶媒抽出手順中、可能な限り温度を高く維持することを所望する。Bailey's Industrial Oil & Fat Products, (2005) 6th edition, Vol. 5, chapter 5.1.5 (「solvent extraction」), John Wiley & Sons, Hoboken, NJ。本発明の特定の実施形態の一部の実施例において、比較的低い温度が、少なくとも1つのPUFAを含む油種子材料からの油の溶媒抽出中に用いられ得る。
一部の実施形態において、溶媒抽出は、エクストラクタ(例えば、向流エクストラクタ、回転エクストラクタ、およびディープベッドエクストラクタ)の利用を含む。一般に、抽出されるべき材料は、エクストラクタに入ると、ほぼ完全に油濃度のミセラと接触する。この最初の洗浄の後、ミセラ(例えば、約25%から約30%の油を含有し得る)は、溶媒蒸留および回収のために、エクストラクタを出る。いくつかの洗浄ステージの通過後、抽出された材料(例えば、約25%から約35%の残留溶媒を含有し得る)は、脱溶媒にさらされてよい(例えば、脱溶媒トースタ(DT)またはエバポレータ中で実行されてよい)。特定の実施例において利用されてよいエクストラクタの非限定的な1つの例として、Soxhlet(商標)エクストラクタ(Ace Glass、バインランド、NJ)がある。特定の実施例において抽出材料の脱溶媒のために利用されてよいエバポレータの非限定的な例として、ロータリエバポレータ(Buchi Rotavapor RE111(商標)(Buchi、スイス)等)がある。
エクストラクタを出ると直ぐに、ミセラは一連の蒸留装置を通過し、油が分離され、そして溶媒が回収され得る。このプロセスは通常、一連の流下フィルムエバポレータおよびスティルを必要とする。例えば、第1エフェクトエバポレータが、DTから水蒸気および溶媒蒸気が遊離するのを利用して、約28%から約80%またはそれ以上にミセラを濃縮してよい。遊離した蒸気は濃縮されて、水−溶媒分離用の加工タンクに送られてよい。続いてミセラは、第2ステージエバポレータに移動してよい。これは通常、大気または真空条件にて作動し、ミセラ濃度が例えば約95%から約98%の油にまで高められる。最後に、ミセラは油ストリッパまたはスティルに入ってよい。これは、低圧(例えば、約50mm Hg abs.またはそれ以下)にて作動しながら、大部分の残留揮発物を除去する。
iv.脱ガム
植物油加工、特に、リンが多い植物油(例えば、ダイズ油、トウモロコシ油およびヒマワリ油)の加工は、通常、脱ガムと呼ばれるプロセスによって、リン脂質およびレシチン(一括して「ガム」)の除去を含む。脱ガムはまた、粗油サンプルから他の不純物(炭水化物およびタンパク質等)を除去し、そして化学的精製および物理的精製のために油を調製する。脱ガムは、例えば、限定されないが:酸性化;濾過;混合;水和;(遠心)分離;過酸化漂白;および乾燥を含む工程/プロセスを含んでよい。当分野において公知のように、水脱ガムは、油相よりも水相に対する親和性が大きい水和性リン脂質を除去するために用いられてよい。しかしながら、非水和性リン脂質(NHP)を有効に除去するには通常、特別な処理が必要とされる。
一部の実施例において、酸性脱ガムの技術は、化学的精製のために油サンプルを調製するために用いられる。酸性脱ガムは、少量の酸(例えば、リン酸)を粗油サンプル(機械的抽出および/または溶媒抽出から回収され得る)に加えてから、少量の水を加え(洗浄)、そしてリン脂質を含有する水リッチなガム相を分離することによって、実行されてよい。結果として生じるのは、脱ガム油である。
特定の実施例において、特定の酸性処理および他のプロセスが、リンがより少ない脱ガム油を得るために用いられてよい。そのようなプロセスは、当業者に公知であり、ホスファチジン酸のカルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩が、水相よりも油相に対する親和性が大きく、従って、特別なプロセスによって油から除去されなければならないという事実を活用する。油の、リン酸、クエン酸または別の剤による、適切な温度、時間、および適切な撹拌条件下での、上記した水洗浄工程が続くプレ処理が、リン脂質含有成分を除去する際に有効であり得る。また、シリカ吸収プロセスが、特定の実施例において、これらリン脂質を沈殿させる際に有効であり得る。
酸性脱ガムの多くの変形が、プロセスから得られる脱ガム油の粘稠度(consistency)を向上させるために開発されている。例えば、キャノーラのために開発された1つの方法は、少量の希苛性アルカリ(caustic)を酸性プレ処理後に、そして遠心分離の直前に導入することを含む。さらに、乾燥脱ガムが、水脱ガムに代わるものとして、リン脂質のより少ない油を物理的に精製するためのプレ処理として用いられてよい。この乾燥プロセスは、漂白作業に統合されてよく、そしてこれは通常、酸の導入を含み、酸は漂白中に沈殿するリン脂質と一緒に除去される。
一部の実施形態において、DHA含有油サンプルまたはEPA含有油サンプル(例えば、圧力抽出によって提供され得る)は、油サンプルが、油の重量に基づく量で、水(例えば、約0.5%から2%の水)、ならびに遊離シュウ酸および/またはリン酸(またはこれらの適切な塩)を含む酸性水溶液と混合されるプロセスによって、脱ガムされてよい。一部の実施例において、脱ガムは、油の重量に基づいて、約0.1%から0.3%のリン酸(例えば、約0.1%の85% リン酸)を油サンプルに加えることを含むプロセスによって、実行されてよい。従来の脱ガムプロセスでは、油−水−酸混合物が、約75℃から約95℃の温度にて、約20分から1時間の保持時間、撹拌されることによって、油サンプルが脱ガムされ得る。本発明の特定の実施形態の一部の実施例において、PUFA含有油サンプルは、約40℃から約70℃(例えば、約50℃)に加熱されてよく、そして、約2%の水(約80℃から約100℃の温度)が加えられてよい。続いて、油−水混合物は、約10分から約30分(例えば、約20分)間撹拌されてよい。
リン脂質およびレシチンが酸性脱ガムによって水相に分離された後、油−水混合物は遠心分離されて、ガムおよび他の不純物が除去され、脱ガム油が得られ得る。十分な遠心分離により、水相と油相との分離が実現する。油相は、例えば、デカンティングまたはピペッティングによって、水相から単離されてよい。
v.精製/中和
「精製」は、アルカリの導入によって、そして重い相不溶性物質の遠心分離によって、油サンプル(例えば、脱ガム油)中に存在する遊離脂肪酸を中和するように設計されたプロセスを指す。精製はまた、リン脂質、有色体および他の不純物の除去を達成し得る。精製は、物理的および化学的双方の操作を含む。概して、化学的精製は、少量のアルカリ物質を脱ガム油に加えて、アルカリ性油を遠心分離することによって実行されて、鹸化された脂肪酸の塩(セッケン)を含有するセッケンストック(soapstock)相が除去され、そして精製油が得られ得る。
精製は、オープンバッチ系、または連続加工操作で行われてよく、そして脱ガムと組み合わされてよい。物理的精製操作は通常、単一系(例えば、一体型の水蒸気精製系)における脱ガム、漂白、および脱臭操作と組み合わされる。
一部の実施形態は、化学的苛性精製プロセスを利用する。苛性精製は、例えば、限定されないが:加熱;苛性アルカリの粗油または脱ガム油との混合;(遠心)分離;保持;洗浄水の添加;および乾燥を含む工程/プロセスを含んでよい。苛性精製は、代替の物理的方法に対するいくつかの利点を与える。例えば、脱ガム操作が不完全な場合、または効果がなかった場合、苛性精製は、リン脂質のバルクを除去することとなる。同様に、多量の金属(特にカルシウムおよび/またはマグネシウム)が存在する場合、これらはプロセス中に除去され得る。苛性精製はまた、通常、様々なタイプの油種子にわたって有用である;すなわち、ある油のために設計された系が、通常、別の油で満足のいくような結果を実現することとなる。
一部の実施例において、苛性精製プロセスは、冷却された粗脱ガム油への、非水和性リン脂質の除去を促進する量のプレ処理酸(例えば、リン酸)の注入を含んでよい。例えば、キャノーラにおいて、酸が、苛性添加の直前にゾーンミキサーを通して、そして第2ゾーンミキサーを通して、油中に導入されてよく、これにより精製損失が低下し得、かつ油色が向上し得る。用いられる任意の酸の量は望ましくは、アルカリで中和されなければならないので、最小にされる。所与のバッチの粗油中の非水和性リンの量は、インラインDCP/ICP分析装置により測定されてよい。あるいは、実践者は、実践者の経験に基づいてリンレベルを想定してよく、そして、軽微な変動をカバーするために、予想される量を除去するのに必要な量を越える過剰分を与える。
一部の実施例において、苛性精製プロセスは、粗油または脱ガム油の(例えば、約40℃から約70℃(例えば、約60℃)への)加熱を含んでよい。続いて、温度制御された希アルカリ溶液(例えば、苛性ソーダ)の割当て量が油に加えられてよく、割当て量は、例えば、油中の遊離脂肪酸レベルを測定または概算することによって、決定されてよい。希アルカリ溶液の調製は、1バッチの重苛性軟水(heavy caustic and softened water)を公知の比重および温度(例えば、16から24B°)に調製することによって、達成されてよい。中和溶液は、溶液のフローおよび濃度を測定する一連のマスフロー装置を用いて、調製されてもよい。この方法は、ICPおよびコンピュータ制御系と統合され得る系において所望されてよい。
用いられる中和溶液の量は、遊離脂肪酸を中和するアルカリの理論量、プラス他の不純物を除去する任意の過剰分に基づく。通常、中性脂質の鹸化を最小にするために、遊離脂肪酸および他の不純物を除去するのに必要な最小量の過剰アルカリを用いることが好ましい。例えば、限定されないが、水酸化ナトリウムが脱ガム油に、油の重量に基づいて、約2%から約20%の過剰量(例えば、約12.5%)で加えられてよい。用いられる中和溶液の量を決定する場合、実践者は、プレ処理酸が遊離脂肪酸の滴定試験に影響を及ぼすことから、算出される過剰分は然るべく調整されるべきであると考えるべきである。
一部の実施例において、油が、温度制御された希アルカリ溶液の割当て量と混合された後、油−アルカリ溶液は、例えば、インライン高せん断ミキサーまたはスタティック型撹拌装置を用いて、撹拌される(agitated or stirred)。遊離脂肪酸の鹸化はほぼ瞬間的であるが、任意の過剰苛性アルカリおよび水がリン脂質を水和させ、有色色素と反応するための保持時間が必要とされてよい。ある実施例において、機械的撹拌による混合が、保持期間中に実現されてよいが、この撹拌を監視および/または制御して、遠心中に分離しないような安定したエマルジョンの生成を回避することが所望されてよい。適切な保持期間は通常、加工される油のタイプおよび品質によって決まる。例えば、ダイズ油は保持が完了するまで5分またはそれ以上必要となり得るが、トウモロコシ油では保持がより短くて済む。Farr (1987)「Effects of Soybean Handling and Storage on Product Quality in Soybean Extraction and Oil Processing」,presented at Food Protein Research & Development Center, Texas A&M University, p. 67-10。
一部の実施例において、油−アルカリ溶液は(例えば、約75℃から約80℃に)加熱されて、粘度が下げられ、かつセッケンおよび油のより明確な分離が実現されてよい。典型的な従来の苛性精製プロセスにおいて、油−アルカリ溶液は、約75℃から約80℃に加熱される。本発明の特定の実施形態の一部の実施例において、油−アルカリ溶液は、約40℃から約70℃(例えば、約65℃)に加熱される。分離効率は、油が、蒸気によってもたらされる高温勾配にさらされない場合、損なわれる(suffer)場合があることが観察されている。Bailey's Industrial Oil & Fat Products, (2005), supra, chapter 5.1.7 (「caustic refining」)。従って、従来の苛性精製プロセスは通常、蒸気を用いている。
一部の実施例において、油−アルカリ溶液は、保持混合後(および任意の加熱後)、遠心分離されて、セッケンが油から分離される。油は、分離後のセッケンから、例えば、デカンティングまたはピペッティングによって単離されてよい。
一部の実施例において、遠心分離の後、重い相のセッケンストック(heavy-phase soapstock)は、酸性化系(acidulation system)に入り、または一部の実施例において、ミールストリーム中に戻される。遠心から放出された軽い相の精製油(light-phase refined oil)は、加熱され、熱水と混合されて(例えば、約10から15%)洗浄されてから、混合されてよい。セッケンの吸着を最大にするために、この油−水混合物がさらなる保持混合にさらされ、ここでも十分だが穏やかな撹拌により、乳化が回避されることが所望されてよい。リン酸が洗浄水中に加わって、精製油中の残留セッケンが低下し、かつ油相と水相とのより良好な分割がもたらされてよい。
特定の実施例において、軽い相の精製油−水混合物は、第2(水洗浄)遠心分離にさらされてよい。この第2遠心分離は、残留セッケンを大いに少なくし得(例えば、最大10:1またはそれ以上の倍数)、油中の残留セッケン濃度は通常、50ppm(parts per million)未満となる。この第2水洗浄遠心分離の後、油は真空ドライヤに送られてよく、そこで残留水分が除去されてよい。あるいは、残留水分は、漂白プロセスに持ち越されてよい。これは、残留水分が、ある種の漂白剤の吸着効率を高めるためである。油は通常、水洗浄遠心分離から取り出された後に冷却され、そのときに窒素ブランケッティングが実施されてよい。代替の実施例において、水洗浄工程は除外されてよく、そして、ケイ酸または他の材料が、以降の漂白プロセス中に、セッケンおよび残留リンを吸着するために利用されてよい。
vi.漂白
漂白は、油精製中に利用される吸着クリーニングプロセスである。漂白が、食用油における減色のために従前から用いられているが、現代の吸着漂白技術が、油から多くの不所望の化合物を除去するために用いられてよく、そしてこのようにして、長期の(litany)品質利益を実現するために用いられてよい。従って、吸着剤および特定のプロセスが、熟練した実践者の裁量によって、種々の不純物の吸着を最適化するために選択されてよい。例えば、漂白は、脱ガムおよび中和後に残留するリン脂質を除去するために利用されてよい。苛性精製中に生じるリン脂質および残留セッケンもまた、漂白吸着プロセスによって除去されてよい。これらが除去されないと、そのようなセッケンが脱臭中に重合を引き起こす場合がある。酸化生成物(一次(過酸化物)および二次(アニシジン)の双方)もまた、漂白中に除去されてよい。さらに、トレース金属(例えば、鉄および銅)が、漂白中に除去されてよい。脱臭プロセスにおけるクエン酸キレート化が、これら金属の触媒酸化ポテンシャルを引き下げ得るが、プロセスにおいてできるだけ早くこれらを除去することが所望されてよい。上記に従って、漂白有効性の指標は、色、残留セッケン含有量、リン含有量、過酸化物含有量、およびアニシジン含有量の1つまたはそれ以上であってよい。
一部の実施形態において、漂白手順は、例えば、限定されないが:脱気;酸プレ処理/コンディショニング;漂白剤(例えば、漂白土)の導入;シリカ処理;漂白剤の保持期間(例えば、約30分間);真空漂白;ならびにクレイおよび吸着物質の濾過/除去を含んでよい。特定の実施例において、漂白手順は、油を固体の漂白土と共に(例えば、約90℃から約110℃の温度(約95℃等)に)加熱して、不純物(有色体および残留セッケンが挙げられる)を除去することと、確定(proved)精製漂白(RB)油に対する濾過とを含んでよい。漂白は、オープンバッチ系、または連続加工操作で行われてよい。
漂白土は通常、クレイ鉱床に由来し、乾燥され、ミリングされ、篩にかけられ、そしておそらく酸で活性化されている。漂白土は通常、非常に微細な粉末であり、例えば、クレイ粒子の少なくとも約90%が直径約80μm未満であり、および/または実質的に全てのクレイ粒子は、直径約200μm未満である。酸活性化に従う漂白土の1つの一般的なタイプはベントナイト(Bentonite)であり、これは、モンモリロナイト(Montmorillonite)として公知のケイ酸アルミニウムを含んでいる。いくつかの企業が漂白土を供給しており、例えば:Sud−Chemie Inc.(ミュンヘン、ドイツ)、LaPorte Absorbents(チェシャー、UK)およびEngelhard Corp.(ビーチウッド、OH)が挙げられる。ある実施例において用いられてよい漂白土の非限定的な例として、Sud ChemieのTonsil 126FFおよびEnglehardのGr 160漂白土が挙げられる。
一部の実施形態において、漂白は、油サンプル(例えば、化学的に精製された油)の脱気を含んでよい。例えば、油サンプルは、真空下で加熱されて、油が脱気されてよい。特定の実施例において、油は、約40℃から約70℃の温度(例えば、約50℃)に加熱されて、脱気されてよい。一部の実施形態において、油は、漂白前に、酸によりプレ処理されてよい(「乾燥脱ガム」)。例えば、クエン酸溶液が加えられてよい(例えば、0.2重量%の50% クエン酸)。
食用油中の主要な有色色素は、葉緑素(緑色)およびカロチノイド(オレンジ色)である。カロチノイドは通常、脱臭(および/または水素化)中に除外されるが、葉緑素は漂白中に除外される。多葉緑素種子(例えば、キャノーラ)を漂白するために、より大用量の漂白土が通常用いられ、そしてこれは、活性炭素または他の剤の添加によって強化されてよい。十分な残留期間の後、油には、クレイおよび/または他の漂白剤がスラリタンク中にて投与されてよい。剤は、油のスリップ−ストリーム(slip-stream)中に導入されてよく、生じたスラリーは、油の主要なフローへ戻されてよく、または油の全体のフローを(例えば、窒素下で)数分間保有するように設計されたタンク中に導入されてよい。あるいは、漂白材料が漂白ベッセル中に直接的に導入されてよい(油は別個のスラリーベッセル中でプレスラリー化されない)。さらに、従前の保持ブリーチャが、保持時間がクレイ−油スラリーに与えられて一連のパイプを通る装置に、置き換えられてよい。
一部の実施形態において、シリカが油に加えられて、セッケンおよびリン脂質が、漂白土の添加前に除去されてよい。一部の実施例において用いられてよいシリカの1つの非限定的な例として、約0.5(油重量)%のTrysil(商標)(Grace Davidson、コロンビア、MD)がある。シリカは、大気条件のスラリー系において、そして、水洗浄工程由来の残留水分と共に、油に連続的に加えられてよい。乾燥脱ガム系について、水が、プレ処理酸の量で油に加えられて、水分含有量が増大してよい。シリカとの反応後、水分は、漂白土の添加前に、真空下(例えば、約1mm Hg、約5mm Hg、約10mm Hg、および中間値)で除去されてよく、これは、フィルタ上にプレロードされてよい。
他の材料がまた、漂白ベッセルまたはタンク中に導入されてよい(キャノーラ油、および/または他の油について、活性炭素、および濾過助剤等)。油は、漂白剤と接触して撹拌されて(例えば、蒸気撹拌または機械的撹拌を用いる)、保持期間持続されてよく、続いて、少なくとも1つの漂白フィルタに運ばれて、固体の吸着物質が除去されてよい。本発明の特定の実施形態の一部の実施例において、油は、約90℃から約110℃の温度(例えば、約95℃)にて、約15分間から1時間(例えば、約30分間)、真空下で、漂白剤と接触して撹拌されてよい。
保持期間後、フラッシュベッセルが用いられて、油中の水分が追い出されてよい。漂白された油は濾過されて、トレース固体が除去されてよく、そして油はその後、(例えば、窒素下で)冷却および貯蔵されてよい。抗酸化剤が、一部の実施例において、漂白された油に加えられて、酸化が防止されてよい。
vii.脱臭
実施形態において、上記した加工工程によって生産されるRB油は、脱臭工程にさらされてよい。ほとんどの植物原油は天然成分を含み、この天然成分は、除去されない場合、好ましくない香気および味を、加工工程から生産されるRB油に付与する。このような成分は、好ましくない香気体、ならびに負の香気および色をもたらす水素化生成物を含み、双方ともデオドライザ中で除去され得る。脱臭はまた、直接的に、棚持ちを良くし、かつ生じた油製品の色を向上させる。精製、漂白および脱臭にさらされた油は、精製漂白脱臭油(RBD油)と呼ばれる。
一部の実施形態において、PUFA含有油サンプルは、例えば、限定されないが:脱気;加熱;真空下での加熱;油中への蒸気の注入(またはスパージング);冷却;フラッシング;濾過;蒸留回収;および脱臭された油の捕捉を含むプロセスによって、脱臭されてよい。油と、油の香気、色および安定性に影響を及ぼす揮発性物質との蒸気圧間にかなりの差異があることから、これら揮発性物質は、低圧(例えば、約1mm Hgから約4mm Hg)にて油から選択的に蒸発され得る。これらの揮発性物質を油に損害を与えることなく蒸発させる任意の方法が、本発明の実施形態における脱臭プロセスとして用いられてよい。脱臭は例えば、限定されないが、バッチプロセス、連続プロセス、および半連続プロセスで行われてよい。
一部の実施例において、脱臭系は、RB油を(例えば、約60℃から約90℃の温度にて)脱気することを含んでよい。脱気は、油を加熱する前に必要とされてよい。これは、ほとんどの種子油は、酸素を含有する油が加熱表面にさらされた場合に、ポリマーを堆積するためである。特定の実施例において、油は、ディエアレイタを通過した後、油−油インターチェンジャを通過してよい。その後油は、脱臭温度に加熱されてよい。
脱臭は通常、不所望の揮発物を蒸気状態にさせる1つまたはそれ以上の条件を含む。例えば、脱臭は通常、油の薄膜をキャリアガスに昇温状態および低圧にてさらすことを含む。ストリッピングガス(例えば、蒸気)が導入されて、油が撹拌されることによって、RB油サンプル中の全ての油が表面条件にさらされてよい。続いてストリッピングガスは、揮発物をデオドライザから蒸気回収系に運ぶ。特定の実施形態において、油サンプルのスパージングは、最初に油サンプルを約100℃の温度に真空下で加熱することと、その後油を通して蒸気を、例えば約1(油重量/時間)%の速度で、スパージすることとを含んでよい。
本発明の実施形態は、脱臭された油のPUFA含有量の特に劇的な減少(具体的には、揮発物の蒸発に従来用いられた極端な加熱条件に起因する)を回避する。従来の脱臭プロセスにおいて、キャリアガスは、油に、非常に高い温度(ほぼ油の発煙点;例えば、約235から260℃)で導入され、ガスは、数時間(例えば、約90分)もの期間、導入される。本発明の特定の実施形態において、キャリアガスは、脱臭中の油サンプルに、例えば:約200℃;約202℃;約204℃;約206℃;約208℃;約210℃;約212℃;約214℃;約216℃;約218℃;約220℃;および約225℃の温度で導入されてよい。一部の実施例において、キャリアガスは、約210℃の温度で導入される。本発明の特定の実施形態において、キャリアガスは、油サンプルに、例えば:約20分;約25分;約30分;約35分;約40分;約45分;約50分;約55分;約60分;約70分;約75分;約80分;約85分;および約90分の期間、導入されてよい。一部の実施例において、キャリアガスは、約60分間導入される。
脱臭温度にされた後、油は通常、脱臭ベッセルにおいて指定期間、揮発物のバルクが除去され、かつ任意の熱漂白が達成されるまで、激しく撹拌される。その後生じた油は冷却される。油が冷却される間、少量のキレート化剤(例えば、クエン酸)および/または1つもしくはそれ以上の抗酸化剤が、油中に導入されてよい。脱臭プロセス中に除去される揮発物は通常、蒸気スクラバ中で濃縮され、かつ回収される。揮発性ガス(ストリッピング蒸気および他のより揮発性の化合物を含む)の残余(balance)は通常、真空系で濃縮される。真空が破壊されると、RBD油は通常、窒素または別の不活性ガスの下で貯蔵される。
多くの従来の脱臭方法が、当分野において公知である。脱臭プロセスの実施例として、例えば、限定されないが、O. L. Brekke,「Deodorization」,in Handbook of Soy Oil Processing and Utilization, Erickson, D. R. et al. eds. American Soybean Association and the American Oil Chemists' Society, pp. 155-191;ならびにBailey's Industrial Oil and Fat Products, 5th ed., Vol. 2 (pp. 537-540)およびVol. 4 (pp. 339-390), Hui, ed., John Wiley and Sons, Inc.によって記載される脱臭技術が挙げられる。他の脱臭プロセスとして、限定されないが、米国特許第6,172,248号および米国特許第6,511,690号、ならびに米国特許出願公開第2005/0014237号に記載されるものが挙げられる。
V.PUFA含有植物油を含む製品
一部の実施形態として、少なくとも1つのPUFA(例えば、DHAおよび/またはEPA)を含有する食品、サプリメント、治療的製品、または栄養補給製品(「油製品」)が挙げられる。特定の実施形態の油製品は、本発明の実施形態に従う方法によって生産される油が適する任意の用途において、用いられてよい。一般に、一部の実施形態に従う方法によって生産される油は、例えば、種々の料理および非料理の用途における、鉱物油、エステル、脂肪酸または動物性脂肪(潤滑剤、潤滑添加剤、金属作動流体、圧媒流体および難燃性圧媒流体等)に取って代わるために用いられてよい。特定の実施形態において、少なくとも1つのPUFAを含む油製品が、非料理の、または食事に関するプロセスおよび組成物において、用いられてよい。一部の実施形態に従う方法によって生産される油はまた、そしてあるいは、改質油を生産するプロセスにおける材料として、用いられてよい。油を改質する技術の例として、分画、水素化、油のオレイン酸またはリノレン酸含有量の改変、および当業者に公知の他の改質技術が挙げられる。
少なくとも1つのPUFAを含有する油製品に関する非料理用途の非限定的な例として、工業用途、化粧用途、および医療用途、ならびに少なくとも1つのPUFAを含有する油が、鉱物油、エステル、脂肪酸または動物性脂肪と置換される任意の用途が挙げられる。少なくとも1つのPUFAを含有する油製品の化粧用途の例として、化粧組成物中のエモリアントとしての使用;石油ゼリー代替品としての使用;セッケンの構成部(comprising part)としての、またはセッケンを生産するプロセスにおける材料としての使用;経口治療溶液の構成部としての使用;時効処理組成物の構成部としての使用;および皮膚または毛髪エアロゾルフォーム調製物の構成部としての使用が挙げられる。少なくとも1つのPUFAを含有する油製品の医療用途として、例えば、限定されないが、感染に対する保護バリヤにおける使用が挙げられる。さらに、オメガ−9脂肪酸が多い油が、移植片の残存を高めるために用いられてよい。米国特許第6,210,700号。
一部の実施形態において、少なくとも1つのPUFAを含有する油製品は、食物、食用サプリメント、医薬製剤、ヒト化畜乳、幼児製剤、栄養補給品および機能性食物からなる群から選択され得る。適切な医薬製剤として、例えば、限定されないが:抗炎症製剤;化学療法剤;活性賦形剤(active excipient);骨粗鬆症薬剤;抗鬱剤;抗痙攣剤;抗ヘリコバクターピロリ薬剤;神経変性疾患の治療用薬剤;変性肝疾患の治療用薬剤;抗生物質;およびコレステロール降下製剤が挙げられる。一部の実施形態において、少なくとも1つのPUFAを含有する油製品は、慢性炎症、急性炎症、胃腸疾患、癌、悪液質、心再狭窄、神経変性疾患、肝臓の変性疾患、血液脂質疾患、骨粗鬆症、骨関節炎、自己免疫性疾患、子癇前症、早期出生、加齢関連黄斑症、肺疾患およびペルオキシソーム疾患からなる群から選択される症状を治療するために用いられてよい。
一部の実施形態において、少なくとも1つのPUFAを含有する油製品は、食品または機能性食品であってよい。適切な食品として、例えば、限定されないが:良質なベーカリーウェア(fine bakery wares);パンおよびロール;朝食のシリアル;プロセスおよび非プロセスチーズ;調味料(例えば、ケチャップおよびマヨネーズ);乳製品(例えば、ミルク、ヨーグルトおよびギー);プリン;ゼラチンデザート;炭酸飲料;茶;粉末状の飲料混合物;加工された魚製品;果物ベースの飲物;チューインガム;硬い菓子(hard confectionery);冷凍乳製品;加工肉製品;ナッツおよびナッツベースのスプレッド;パスタ;加工された家禽製品;肉汁およびソース;ポテトチップスおよび他のチップスまたはクリスプ;チョコレートおよび他の菓子;スープおよびスープ混合物;ダイズベースの製品(例えば、ミルク、飲料、クリームおよびホワイトナー);植物油ベースのスプレッド;ならびに野菜ベースの飲料が挙げられる。
一部の実施形態において、少なくとも1つのPUFAを含有する油製品は、動物用の飼料またはミール組成物(または飼料もしくはミール組成物用の添加剤)であってよい。用語「動物」は全ての動物を含み、ヒトが挙げられる。少なくとも1つのPUFAを含有する油製品が与えられてよい動物の非限定的な例として、非反芻動物(例えば、ブタ、家禽または魚)および反芻動物(例えば、ウシ、ヒツジおよびウマ)がある。用語「飼料」または「飼料組成物」は、動物による摂取に適した、またはこれを意図した任意の化合物、調製物、混合物または組成物を指す。
以下の実施例は、ある特定の特徴および/または実施形態を例示するために与えられる。実施例は、本開示を、例示される特定の特徴または実施形態に限定するものと解釈されるべきでない。
DHAを生産する遺伝子操作したキャノーラの機械的圧搾および溶媒抽出によって、ならびに従来のキャノーラ油をDHAで補充することによって、DHAを含有するキャノーラ油を得た。GMキャノーラから機械的に圧搾した油は、0.28%のDHAを含有し、溶媒抽出した油は、0.21%のDHAを含有していた。これら双方の抽出油画分を組み合わせて、DHAを含む粗GMキャノーラ油を生産した。GMキャノーラ油、およびDHAで補充したキャノーラ油の双方を、種々の条件下で加工した。DHA含有油を、従来の油にとって好ましくない低温下で脱臭するプロセス(例えば、約210から220℃にて60分間)により、DHAが024%であり、かつ知覚特性および官能特性が望ましい油が生産された。標準的な脱臭条件(235から260℃にて90分間)を用いて加工すると、油は僅か0.17%のDHAしか含有しなかった。
実施例1:材料および方法
NEXERA(登録商標)(Dow Agrosciences LLC、インディアナポリス、IN)は、DHAを生産しない標準的なキャノーラ品種である。NEXERA(登録商標)油種子を、コーヒーグラインダを用いて微細にグラインディングし、Martek DHA−S Crude Oil(Martek、コロンビア、MD)と混合した。キャノーラ種子をMartek油とスパイクし(spiked)、1.2w/w%のDHA目標レベルにした。混合サンプルをHobartミキサー(Hobart、トロイ、OH)中で一晩混合し、様々な油種子加工方法論を用いて加工した。図1および図2は、キャノーラ油種子および粗油の加工工程のフローチャートを示す。個々のプロセシング工程を、以下により詳細に記載する。DHA混合キャノーラ油種子のプロセシングの再現性について、NEXERA(登録商標)キャノーラ種子の別個のバッチを用いて、3反復した。
油種子の圧搾.キャノーラ種子から油を抽出するために、種子をラボにおいて室温に温めた。従来のキャノーラ油種子加工工程とは異なり、キャノーラ種子を、フレイクにせず、コーヒーグラインダ中でグラインディングした。続いて、グラインディングした種子を、オーブン中で85℃±10℃に20分間加熱することによって、調理した。熱処理後、グラインディングした種子を、Taby Press Type−20A Press(Taby Skeppsta、エレブルー、スウェーデン)を用いて圧搾した。エキスペラ圧搾した粗植物油を、1% 濾過助剤(抽出油重量に基づく)と共にスラリーにし、Erlenmeyerフラスコ、Buchner漏斗、およびWhatman#4濾紙を用いて濾過した。続いて、澄明化したエキスペラ圧搾油を、貯蔵、冷却または凍結した後に、溶媒抽出油と組み合わせた。
溶媒抽出.油種子圧搾工程由来のプレスケーキを、Taby Pressを用いて得、溶媒抽出して残留油を取り出し、そして集めた。プレスケーキをセルロースシンブル中に入れ、これを次にSoxhlet(商標)エクストラクタ(Ace Glass、バインランド、NJ)中に入れた。ヘキサンを抽出溶媒として用い、そしてSoxhlet(商標)エクストラクタ系が約70℃にて7から8時間作動するようにした。溶媒抽出したプレスケーキをセルロースシンブルから取り出し、空気−脱溶媒してから廃棄した。抽出油およびヘキサン混合物(ミセラ)を、ロータリエバポレータ(Buchi Rotavapor RE111(商標)、スイス)を用いて蒸発させて、ヘキサンを除去した。続いて、この溶媒抽出油をエキスペラ圧搾油と組み合わせて、粗キャノーラ油を生産した。
脱ガム.リン脂質を、酸性脱ガムプロセスにより粗キャノーラ油から除去した。このプロセスでは、粗油をガラスリアクタ中に移し、穏やかな撹拌下で50℃±5℃に加熱した。その後、0.1%(油重量に基づく)の85% リン酸を粗油に加え、混合物を、50℃±5℃の穏やかな撹拌下でさらに30分間保有した。30分の保有後、50℃±5℃に温めた2%(油重量に基づく)脱イオン水を油に加えた。油を、50℃±5℃の撹拌下で、さらに15から20分間保有した。保有時間の後、油を遠心ボトルへ移し、4,200rpmで10分間遠心分離した。デカンテーションにより油を回収し、リン脂質を廃棄した。
化学的精製.キャノーラ油を脱ガムした後、精製して遊離脂肪酸を除去した。この工程では、脱ガム油をガラスリアクタ中に入れ、穏やかな撹拌下で60℃±5℃に加熱した。その後、12.5%の苛性アルカリを、遊離脂肪酸含有量に基づいて、油に加えた。加える苛性アルカリの量は、「Edible Oil & Fats Products: Processing Technology」,in Bailey's Industrial Oil & Fats Products, 5th Edition, Volume 4, p. 316の式を用いて算出した。油を65℃±5℃に加熱し、穏やかな撹拌下で15分間保有した。保有時間の後、油を遠心ボトルへ移し、4,200rpmで10分間遠心分離した。続いて油を、さらなるプロセシングのためにデカンタオフ(decanted off)し、中和された遊離脂肪酸をセッケンとして廃棄した。
漂白.精製キャノーラ油を漂白して、残留セッケン、有色体(葉緑素)、酸化生成物(アルデヒドおよびケトン)、およびトレース金属を除去した。漂白プロセス中、精製油をガラスリアクタ中に入れ、真空下で、かつ穏やかな撹拌下で50℃±5℃に15分間加熱し、油を脱気(deareate)した。その後、真空を窒素で破壊し、0.2%(油重量に基づく)の50% クエン酸を油に加えた。油を、50℃±5℃の穏やかな撹拌下でさらに15分間維持した。その後、0.5%(油重量に基づく)のTrysil(商標)(Grace Davidson、コロンビア、MD)を油に加えた。油を加熱し、60℃±5℃の穏やかな撹拌下で30分間保有した。その後、1から2%(油重量に基づく)の漂白土、Tonsil 126FF(Sud Chemie、ミュンヘン、ドイツ)を油に加えてから、油を真空下で、かつ穏やかな撹拌下で95℃±5℃にさらに30分間、加熱した。30分の保有時間後、油を50℃±5℃に冷却し、真空を窒素で破壊し、Erlenmeyerフラスコ、Buchner漏斗、およびWhatman#4濾紙を用いて油を濾過した。
脱臭.続いて、RB油を脱臭して、酸化生成物および臭気のある化合物を除去した。これは、油をガラスベッセル(真空下で非常に高い温度に加熱することができ、そして油を蒸気でスパージすることができるものである)中に入れることによって、行った。油をこのベッセル中に入れ、真空下で100℃±5℃に加熱した。油が100℃±5℃に達すると、蒸気を1(油重量/時間)%の速度で油に通してスパージした。コントロールとして従来の脱臭方法を用いて、油を235℃±5℃に加熱し、90分間蒸気スパージングしながら、この温度にて保有した。他の温度および保有時間の脱臭を用いて取得したデータを、表1に示す。温度がより低く、かつスパージング時間がより短いと、DHA含有量の驚くべき保持が実現されることがわかった。最大DHA保持は、約60分間蒸気スパージングしながら油を約210℃±5℃に加熱した場合に、観察された。試験した他の温度および保有時間として:(1)245℃±5℃への加熱、約120分間のスパージング;(2)210℃±5℃への加熱、約30分間のスパージング;および(3)225℃±5℃への加熱、約30間分のスパージングが挙げられた。全ての方法において、その後油を約100℃±5℃に冷却し、この点にて蒸気スパージングを止め、真空を窒素で破壊した。
以下のアッセイを用いて、キャノーラ油種子を加工するための向上した方法により、どれくらいのDHAが保持されるかについて決定し、そして当該方法により生産される油の品質を特徴付けた。
DHA濃度のFAMEバルク油分析.FAME分析を完了して、油サンプルのDHA量を数量化した。12×75mm試験チューブにおいて20mgのバルク油を1.0mLのヘプタンと混合することによって、油サンプルをFAME分析用に調製した。チューブをボルテックスし、250μLの希釈油を、2mLのクリンプ−トップバイアル(メタノール中750μLのヘプタンおよび40μLの1% ナトリウムメトキシドを含有する)中に小分けした。バイアルをキャップし、穏やかに10秒間ボルテックスし、室温で60分間インキュベートして、GC分析に備えた。
次に、1μLのサンプルを、Agilent 6890 GC(Agilent Technologies、サンタクララ、CA)(フレームイオン化検出器(FID)を備える)に注入した。メチルエステル参照標準を、Nu−Chek−Prep,Inc.(Elysian、MN)から購入し、各油サンプル中の脂肪酸ピークを識別するために、サンプルと同じ濃度に希釈して用いた。用いたカラムは、DB−23 60メートルカラム(0.25mmのIDおよび0.25μmのフィルム厚さである)(Agilent Technologies)であった。オーブン温度を190℃にセットし、ランの間中維持した。インレットのスプリット比は1:25であり、インレットの温度は280℃であった。水素キャリアガスを、0.3分間3.0mL/分のフローにセットしてから、0.5mL/分にて4.0mL/分まで勾配させ、15.5分間保有し、0.5mL/分の速度にて3.5mL/分まで下げ、5.0分間保有し、24分の総ラン時間を実現した。検出器温度を300℃にセットし、キャリアガスを20mL/分に一定させ、燃料水素フローを30mL/分とし、酸化剤フローを400mL/分とした。
Waters Corporation(ミルフォード、MS)のEmpower(商標)ソフトウェアを用いて、各試験サンプルのパーセント領域および濃度を算出し、報告した。FAMEピークを、参照標準化合物の保持時間との比較によって識別した。各サンプルの相対的な脂肪酸組成は、個々のピーク領域を全FAMEピーク領域の合計で割ることによって、算出した。
水分含有量.キャノーラ種子を水分含有量について分析するために、スーパーマーケットで購入した一般的なコーヒーグラインダを用いて、油種子を分析前にグラインディングした。Denver Instrument IR−35 Moisture Analyzer(ボヘミア、NY)のパラメータは、130℃の乾燥温度、および25分の自動分析時間にセットした。アナライザの蓋を開け、6.00±0.05グラムのグラインディングした種子材料を秤量パン上へ置き、グラインディングした種子材料を、製造業者が推奨するプロトコルに従って分析した。
油種子含有量.油種子またはバイオマス中の油含有量を決定するために、Swedishチューブでの溶媒抽出による方法を実行した。最初に、3.00±0.1gmのキャノーラ種子サンプルを量り分けた。3つのステンレス鋼球および30mLのヘキサンを、Swedishチューブ(Carlson & Beauloye、サンディエゴ、CA)に加えた。キャノーラ種子サンプルをSwedishチューブへ移した。#2ネオプレンストッパを用いて、Swedishチューブを密閉した。Swedishチューブを、Eberach(商標)シェーカモデル6015(Fisher Scientific、ハンプトン、NH)中に入れ、高速で1.5時間振盪した。平底フラスコの重さを小数第4位まで量り、重量を記録した。Buchner漏斗(Fisher Scientific)および#113または#114 Whatmann GF/Cフィルタ(Fisher Scientific)からなる減圧濾過装置を、Buchnerフラスコの上部に置いた。粉砕した油種子材料を濾過装置中に入れ、真空濾過した。水バス温度が40℃を超えないようにしたロータリエバポレータを用いて、ヘキサンを蒸発させた。粉砕した油種子材料を含む平底フラスコを、35℃にセットした真空オーブン中に入れ、フラスコを少なくとも30分間乾燥させた。粉砕された油種子材料を含む平底フラスコの重さを小数第4位まで量り、油種子材料の油含有量を、式1を用いて決定した。
色分析.Lovibond(商標)PFX 880(Wilkens−Anderson、シカゴ、IL)を用いて、キャノーラ種子由来の油脂の色を分析および測定した。色分析は、Lovibond(商標)を用いて完了した(色分析スケールをタイトル「AOCS RY」にフォーマットし、そして分析のためのパスサイズを2.5cmにセットした)。スペクトロメータが正確に作動し、かつ正確な測定値を取ることを確認するために、適合フィルタ(conformance filter)を機械中に入れた。0.3R+/−0.2Rおよび1/1Y+/−0.2Yの読取り値を生じると、スペクトロメータは正確に作動していると確認された。油脂サンプルを測定した。油を2.5cmのガラスセル中に入れることによって、粗脱ガム精製油の色読取り値を取得した。油を13.34cmのガラスセル中に入れ、そしてパスサイズを13.34cmに変えることによって、漂白脱蝋(winterized)RBD油の色読取り値を取得した。生じた色を、赤色の0から20および黄色の0から70の範囲について、決定した。RBDキャノーラ油の規格は、最大、赤色の1および黄色の10である。
遊離脂肪酸の決定.油サンプル中の遊離脂肪酸を、Brinkmann 808 Titrando(商標)自動滴定系(Brinkmann Corporation、ダラス、TX)を用いて決定した。AOCS Official Method、Ca 5a−40を修正して、分析を完了した。サンプルについて、7.05+0.05gの粗/脱ガム油、28.2+0.2gの精製/漂白/脱蝋油、または56.4+0.2gの脱臭油を、小さな撹拌バーを含む250mLビーカー中に量り分けた。油サンプルを均一に混合し、完全に液状化した;ホットプレート上で温めて、混合が徹底的に完了することを確実にした。次に、75mLの中和エチルアルコールを、粗/脱ガム/精製/漂白/脱蝋油サンプルに加えた一方で、50mLの中和エチルアルコールを、脱臭油サンプルに加えた。次の工程で、808 Titrando(商標)ユニットに、粗/脱ガム油について0.25N NaOHを、または精製/漂白/脱蝋/脱臭油について0.1N NaOHを加えた。pHメータをDI水で洗浄した。続いて、エチルアルコールおよび油の混合物を、808 Titrando(商標)ユニットの適切な撹拌プレート上に置いた。808 Titrando(商標)ユニットのビュレットチップおよびpHメータを溶液中に降ろした。遊離脂肪酸の滴定値を、Tiamo(商標)ソフトウェア(Metrohm、ミルウォーキー、WI)を用いて決定した(「12」の撹拌速度セッティングを選択して、層を生じさせずに油を均一に混合した)。遊離脂肪酸含有量(オレイン酸%、ラウリン酸%、およびパルミチン酸%として報告される)を自動的に算出した。実験を、各サンプルについて3回完了した。
p−アニシジン値の決定.種子油中のアルデヒド(二次酸化生成物)の量を、AOCS法Cd 18−90から修正した方法を用いて決定した。0.5から5.0+0.001gmの油サンプルを測定した。油サンプルを溶解し、イソオクタンで25mLに希釈してから、ボルテックスで均一にした。イソオクタン/油溶液の吸光度を、スペクトロフォトメータを用いて、λ=350nmにて、イソオクタンコントロール溶液と比較して、測定した。この吸光度を「Ab」として記録した。新たな0.25g/100mL p−アニシジンの氷酢酸溶液を調製した。5mLのイソオクタン/油混合物を試験管中に入れ、1mLのp−アニシジン溶液を加えた。試験チューブをキャップし、溶液を振盪した。室温でのインキュベーションの10分後、イソオクタン−脂肪/アニシジン溶液の吸光度を、スペクトロフォトメータを用いて、λ=350nmにて測定して、イソオクタン/アニシジンコントロール溶液と比較した。この吸光度を「As」として記録した。p−アニシジン値を、式2を用いて算出した。
過酸化物値の決定.油の過酸化物値を、AOCS法、Cd 8b−90の修正プロトコルを用いて決定した。全ての物質を、ヨウ化カリウムを酸化する1,000gmのサンプルあたりの過酸化物のミリ当量によって、決定した。最初に、油サンプルの重さを、小さな撹拌バーを含む250mLビーカー中で量った。ビーカーを撹拌プレート上に置き、50mLの酢酸−イソオクタン溶液(3:2v/v)を加えてサンプルを溶解させた。次に、0.5mLの飽和ヨウ化カリウム溶液をサンプルに加えた。サンプルを1分間撹拌してから、30mLのDI水をビーカーに加えた。全ての試薬が完全に混合するまで、サンプルを激しく混合した。次に、0.5mLの10% ドデシル硫酸ナトリウムおよび0.5mLのデンプン指示薬溶液をビーカーに加えた。ビーカーを滴定撹拌プレートへ移し、溶液を、0.02N チオ硫酸ナトリウムによりPt電極を用いて滴定した。電極およびビュレットチップを、サンプルの溶媒相中に降ろした。サンプル滴定レベルを、Tiamo(商標)ソフトウェア(Metrohm、ミルウォーキー、WI)を用いて決定した。手順を三重反復し(done in triplicate)、サンプルの平均値、ならびに標準偏差および共分散値を決定した。
油安定性.サンプルのサブセットを、Rancimat(商標)(Metrohm、リヴァーヴュー、FL)で、110℃にて、製造業者の提案プロトコルに従って、分析した。各サンプルの3グラムのアリコートを、ラベルした反応ベッセル中に入れ、エアインレットおよびキャップを各バイアル中に挿入した。収集ベッセルを、70mLのMilli−Q水で満たし、Rancimat(商標)上へ置いた。続いて、チューブを反応ベッセルから収集ベッセルまで取り付けた。110℃のセット温度に達すると、バイアルをヒートブロックに挿入し、Rancimat(商標)の20mL/分のエアフローを開始した。装置が収集ベッセル中の導電率の増大を監視して、導電率曲線の変曲点から、油の酸化安定指数(OSI)ブレークポイントを決定した。続いて、OSIを、Anwar et al. (2003) J. Am. Oil Chem. Sci. 80(2): 151-5に記載されるようにして、標準AOM値に変換した。
トコフェロール分析.トコフェロールは、天然に存在する、植物油中に見られる抗酸化剤である。精製キャノーラ油中に存在するトコフェロールレベルを数量化するための、UPLCによる高スループットトコフェロール分析を開発した。トコフェロール含有量を分析する方法は、Waters Acquity(商標)UPLC(BEH Shield C18 2.1×150mm、1.7μm粒子サイズ(Waters)を用いる)を利用した。UPLCは、0.5mL/分の無勾配(isocratic)フローを必要とし、溶液(99.5%の95% アセトニトリルおよび5% 水溶液、ならびに0.5%の70% IPAおよび30% MeOH溶液)を用いた。
実施例2:トランスジェニックキャノーラ油種子中のDHA
キャノーラ種子サンプル(単一種子またはバルクサンプルの何れか)を、ヘプタン(トリヘプタデカノイン(triheptadecanoin)(Nu−Chek prep)をトリアシルグリセロール内部標準として含有する)中にて、鋼球ミルを用いて均質化した。均質化の前に、新たに調製した0.25Mのナトリウムメトキシド(Sigma−Aldrich、セントルイス、MO)のメタノール溶液を加えた。抽出を、40℃にて一定に振盪しながら行った。回収を、メチル化サロゲートC17脂肪酸の回収によって確認した。FAME(脂肪酸メチルエステル)の抽出を3反復し、ヘプタン層を分析前にプールした。反応の完全性を、第4抽出/誘導体化における内生FAMEの存在をチェックすることによって、確認した。生じたFAMEを、GC−FID(SGEのキャピラリカラムBPX 70(15m×0.25mm×0.25pM)を用いる)によって分析した。各FAMEを、保持時間によって識別し、ナタネ油参照混合物(Matreya LLC(プレザントギャップ、PA)に由来。校正標準として。適切な長鎖多不飽和脂肪酸(Nu−Chek−Prep、エリジアン、MN)を加えた)の注入によって定量化した。
PUFAシンターゼ遺伝子、SzACS−2およびHetI遺伝子を含有する7つのトランスジェニックキャノーライベント由来の種子に対応するFAME抽出物が、T種子のGC−FAME分析に基づいて、DHAおよびDPA(n−6)に対応するピークを含むことがわかった(以下の表1において一覧にする)。表1により、DHA含有キャノーラ種子の数は、単一種子中に観察されるDHAの最高含有量が変化すると、変化することが示される(キャノーラゲノム中に挿入したトランスジーンセットの種々のコピーの分離から予想される)。
イベント5197[14]−032.002由来のT種子を、温室内に植え、葉サンプルを、DNA分析のために4から5葉期の96植物から採取し、各T分離植物中のトランスジーンのコピー数を決定した。これは、pat遺伝子のHydrolysisプローブアッセイによって実行し、3つの識別可能な分離クラス;21のホモ接合植物、45のヘテロ接合植物、および30のヌル植物を同定した。全てのホモ接合植物および31のヌル植物を、成熟するまで温室内で育て、種子を収穫した。ホモ接合植物およびヌル植物由来の、植物あたりの平均T種子収量は、それぞれ7.36gmおよび8.61gmであった。
温室で育てたイベント5197[14]−032.002のT植物由来のT種子の長鎖多不飽和脂肪酸(LC−PUFA)含有量を、8から12種子のバルク抽出物のGC−FAME分析(上記した)によって決定した。21のヌル分離植物もまた、コントロールとして成熟するまで育てた。LC−PUFAは、何れのヌル分離由来の種子においても検出されなかった。20のトランスジェニック系統が、バルク種子分析において、0.28%から0.90%のDHAを生産した。DHA含有種子はまた、0.09から0.34%のDPA(n−6)を含有した。総PUFA(DHA+DPA)中のDHAの平均割合は、77%であった。
0.7%を超えるDHAを生産する4系統由来の種子の脂肪酸組成を、4つのヌル分離系統由来のものと比較して、表2に示す。
最高レベルのDHAを含有した5197[14]−032.002の10のホモ接合系統由来のT種子をプールして、60gmの種子とした。10のヌル分離系統由来の種子もまたプールして、47gmの種子が与えられ、ネガティブコントロールとして使用した。種子を、2009年5月にノースダコタの2つの場所に植え、トランスジーン含有種子の8プロット、ヌル分離種子の6プロット、および市販のコントロール(NEXERA(登録商標)845CL)の2プロットを各場所に用意した。全トランスジェニック植物プロット、および4つのヌル分離プロットを、開花中、単離ケージでカバーした。残りの2つのヌルプロットおよびNEXERA(登録商標)845CLプロットは、カバーしないままにした。プロットは、9月にその一面が覆われ(swathed)、標準的な慣行に従って収穫した。サイト1では、プロット平均として、トランスジェニック植物由来の種子が0.95kg、ヌル植物では0.99kg得られた。サイト2では、プロット平均が、トランスジェニック植物で0.64kg、ヌルで0.73kgであった。各プロットからの種子のGC−FAME脂質分析を実行して、フィールドで成熟した(field-grown)種子中のLC−PUFAレベルを決定した。
サイト1のトランスジェニック植物由来のT種子の10種子バルク分析による平均DHA含有量は0.19%であり、サイト2では0.26%であった。最高のDHA含有量は、0.38%(0.03%のEPA)であった。n−3 LC−PUFA/総PUFAの平均%比率は、73%であった。
フィールドトライアルにおいて用いた各T系統のサンプルを、温室内でも育てた。T温室種子の10種子バルク分析による平均DHA含有量は0.22%であり、個々の植物では最高0.8%のDHAを有していた。これは、フィールドで生産されたDHAの量と相関する。
これらDHA含有GMキャノーラを用いて、DHAを含む油種子を生産し、DHAを、そこから生産される精製油製品中に保持する油加工方法を開発した。
実施例3:DHAの保持における改質油種子加工結果
図3は、DHAエンリッチドキャノーラ油種子を加工するための、新たに開発した方法に由来する、DHA保持のパーセンテージを図示する。表3は、様々な油種子加工方法を用いて得た加工油の品質測定値の一覧である。
オメガ−3キャノーラ粒の量が限られていたために、エンリッチメントトライアルを最初に実行して、加工工程の油品質に及ぼす影響を確認した。これは、グラインディングしたNEXERA(登録商標)キャノーラ種子を、Martek Biosciencesから得た粗DHA−S油と混合することによって行った。混合材料を、従来の油種子加工方法によって加工した。エンリッチメント研究から生じた油を、様々な温度および保有条件下で脱臭した。向上キャノーラ種子加工方法に由来する、DHAエンリッチドキャノーラ油種子からのDHA保持の増大はまた、オメガ−3脂肪酸を生産するトランスジェニックキャノーラ粒からのDHA保持の増大ももたらすと仮定した。
この分析の結果、抽出油のDHA含有量を測定すると、粗放出(expelled)油(約1.3%のDHA)は、溶媒抽出油(約.75%のDHA)と比較して、DHA含有量が有意に高いことが判明した。また、有意なDHA分解が、従来の加工条件下の脱臭工程中に起こった。この工程の修正により、より高い濃度のDHAが保持された。従前のキャノーラ油種子加工方法の脱臭工程にとって標準的な条件では、32%のDHAが保持された。対照的に、新たに開発した修正キャノーラ油種子加工方法の脱臭工程の条件では、驚くべきことに、97%のDHAが保持された。従前のキャノーラ油種子加工方法論を用いて見られるDHAの高い損失は、DHA分子の極端な温度での熱分解から生じている可能性が最も高い。上記した結果は、脱臭条件それ自体により低い温度を伴わせるように修正することで、RBD油中に保持されるDHA量が有意に増大し得ることを示す。
DHA生合成遺伝子を含有するトランスジェニックキャノーラ種子の油種子加工トライアル.実施例2において記載するトランスジェニックキャノーラ(オメガ−3)は、2つの別々のフィールドで育てた。2つのフィールドから収穫したキャノーラ種子を、1:1の比率で混合した。粗油をキャノーラ種子から抽出し、DHA含有量について、ガスクロマトグラフィ法を用いて測定すると、油の全脂肪酸の0.26%であった。粒を、上記したキャノーラの油種子加工工程を用いて加工した。油を、2セットの条件下で脱臭した:従来のキャノーラ油種子加工方法(235℃で90分間)、および修正キャノーラ油種子加工方法(210℃で60分間)。図4は、96%のDHAが、修正キャノーラ油種子加工条件下で脱臭した油中に保持されていた一方で、僅か65%のDHAしか、従来のキャノーラ油種子加工条件下で加工したサンプル中に保持されていなかったことを示す。
キャノーラ種子油を、NEXERA(登録商標)キャノーラから抽出し、標準条件および低温条件(先に記載したプロトコル)の双方を用いて脱臭した。トランスジェニックオメガ−3キャノーラ油の品質測定を行い、エンリッチドNEXERA(登録商標)キャノーラ油と比較した。表4は、様々な油の品質測定値を比較している。修正キャノーラ油種子加工条件(210℃で60分間)の脱臭プロトコルを用いて単離したオメガ−3油は、NEXERA(登録商標)キャノーラ油規格に匹敵する品質測定値の油を生産した。
双方の油サンプルの活性酸素法(AOM)は、低温脱臭条件でより長く、より高い安定性を示唆している。より高い安定性は、より穏やかな脱臭条件下の油サンプルのより高いトコフェロール含有量に起因し得る。オメガ−3キャノーラ油のAOMは、全条件下で、NEXERA(登録商標)キャノーラ油のAOMよりも短かった。これは、DHA分子の化学反応性および化学的不安定性を明白に示している。
実施例4:標準的な嗅覚特性における改質油種子加工結果
図5および図6は、電子ノーズによって測定した、RBDオメガ−3キャノーラ油の嗅覚特性が、市販のRBD NEXERA(登録商標)キャノーラ油およびエアブランクとは僅かにしか異ならなかったことを示す。Analytical Technologies Alpha MOS Fox 4000系(Alpha MOS、ハノーバー、Md)は、18の金属酸化物センサーを備えており、広範な臭気検出能力を実現する。試験油サンプルによって放たれる化合物の、数千とまではいかないが、数百の複合体混合物由来の臭気が、電子ノーズ(Eノーズ)によって検出される。Eノーズからもたらされるデータを用いて、悪臭と棚持ち安定性研究由来の不規則臭気とを識別し、かつ見分けることができる。
サンプルを測定するために用いた分析的条件を、表5に記載する。油を分析するために、5.0mLの加熱したシリンジを用いて、1.0gmのサンプルをEノーズ中に注入した。インキュベータオーブンは、2、10または20mLのバイアル用に6つの加熱位置があり、加熱範囲は1度増分量(1 degree increments)が35から200℃である。また、インキュベータは、サンプルを加熱しながら混合する旋回シェーカを有する。当該系は、TOCガスコンプレッサを用いて、合成乾燥エアフローを系にもたらす。診断サンプルセットを毎週ランさせて、センサーが順調に作動することを保証し、そして自動試験を毎週実行して、チャンバ内のオートサンプラーおよび温度が適切に機能することを保証した。
Eノーズ分析を、以下のサンプルで完了した;NEXERA(登録商標)キャノーラ油(DHAを含有しない)、NEXERA(登録商標)キャノーラ油(0.5%のDHAを含有)、NEXERA(登録商標)キャノーラ油(1.0%のDHAを含有)、日用品キャノーラ油(DHAを含有しない)、日用品キャノーラ油(0.5%のDHAを含有)、および日用品キャノーラ油(1.0%のDHAを含有)。5から10グラムのサンプルを、130°Fにてクリアなガラスボトル内で貯蔵した。これらサンプルのアリコートを、60日、30日の時点、および最初の時点(すなわち、0日)で取り出し、Eノーズを用いて分析した。
結果は、油が微少の検出可能な臭気を有したこと、ならびに油が良好な知覚属性および官能属性を備えたことを示す。図5は、RBDオメガ−3キャノーラ油が、RBD NEXERA(登録商標)キャノーラ油と比較して、類似のEノーズ結果をもたらすことを示す。図6は、図5由来の拡大主成分分析(PCA)マップである。図6中の拡大マップは、2つの異なる脱臭温度で加工したRBDオメガ−3キャノーラ油間の区別が、2つの異なる脱臭温度で加工したRBD NEXERA(登録商標)キャノーラ油で示されるよりも、僅かに幅が広いことを示す。

Claims (20)

  1. ドコサヘキサエン酸(DHA)を含む粗植物油サンプルを加工する方法であって:
    前記粗油サンプルを約220℃未満の温度で脱臭して、脱臭油を生産することを含み、前記粗油サンプル中のDHA量は、前記脱臭油中で実質的に保持される、方法。
  2. 前記粗油サンプルは、約200℃;約202℃;約204℃;約206℃;約208℃;約210℃;約212℃;約214℃;約216℃;および約218℃からなる群から選択される温度で脱臭される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記粗油サンプルは、約210℃の温度で脱臭される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記粗油サンプルは、90分未満の間脱臭される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記粗油サンプルは、約20分;約25分;約30分;約35分;約40分;約45分;約50分;約55分;約60分;約70分;約75分;約80分;および約85分からなる群から選択される時間、脱臭される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記粗油サンプルは、約60分間脱臭される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記粗油サンプル中の約95%を超える前記DHAが、前記脱臭油中で保持される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記粗油サンプルは、油種子から機械的に抽出された油を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記粗油サンプルはさらに、油種子から溶媒抽出された油を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記油は、前記油種子から、グラインディングされた油種子の機械的圧搾を含むプロセスによって機械的に抽出される、請求項8に記載の方法。
  11. 前記粗油サンプルは、アブラナ属種由来の油を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記アブラナ属種はキャノーラである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記キャノーラは、DHAを組織中で合成する遺伝子操作されたキャノーラである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記粗油サンプルを脱ガムして、前記油サンプルからリン脂質を除去することと;
    前記粗油サンプルを中和して、前記油サンプルから遊離脂肪酸を除去することと;
    前記粗油サンプルを漂白して、前記油サンプルから葉緑素を除去することと
    を含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記粗油サンプルを油種子から抽出することを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 請求項1に記載の方法によって生産されるDHA含有油。
  17. 前記油の色が、(0から20の赤色スケールで)1未満の赤色、および(0から70の黄色スケールで)10未満の黄色である、請求項16に記載のDHA含有油。
  18. 前記油は、キャノーラ油の、実質的に全ての知覚特性および官能特性を備える、請求項16に記載のDHA含有油。
  19. 油製品は抗酸化剤を含む、請求項16に記載のDHA含有油。
  20. 請求項16に記載の油を含む油含有製品。
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