JP2004505168A - 未精製のpufa含有油混合物の精製方法 - Google Patents

未精製のpufa含有油混合物の精製方法 Download PDF

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Abstract

食料品などの食用組成物、特に乳児用調製粉乳に包含できる、ω6系PUFA(ARA、等)およびω3系PUFA(DHAおよび/またはEPA、等)を含有する油混合物の製造方法を開示している。未精製のω6系PUFA(例えば、ARA)含有油を、未精製のω3系PUFA(例えば、DHAまたはEPA)含有油と混合して未精製の油混合物を製造する。その後、この混合物を食料品に添加する前に精製する。別法としては、未精製のω6系PUFA含有油を処理し、そして未精製のω3系PUFA含有油も処理し、次いでこれら2種の精製油を混合して脱臭した後、食料品に添加する。前記精製工程は、酸および/またはアルカリ処理、漂白、脱臭、濾過、研磨または冷却を包含する。精製工程では、前記油から微量金属、顔料、炭化水素、タンパク質、硫黄、ステロール、モノ−またはジ−グリセリドを除去することで、前記油をヒトが消費するのに適したものにする。

Description

【0001】
本発明は、少なくとも2種のポリ不飽和脂肪酸(PUFA)を含有する油混合物、および第1のPUFA含有油と第2のPUFA含有油(通常、第1油中のPUFAとは異なるPUFAを含有するもの)を混合することによるその製造方法に関する。特に、本発明は、未精製のω6系PUFA(例えば、ARA)含有油を未精製のω3系PUFA(例えば、DHAまたはEPA)含有油と混合して、未精製の油混合物を形成し、次いでこの油混合物を加工(例えば、精製)することによって油混合物(ブレンド)を調製することに関する。
【0002】
PUFA油を混合することは公知である。例えば、国際公開第92/12711号パンフレット(マーテック・コーポレイション)には、微生物由来の油(microbial oil)を混合し、そのブレンドを乳児用調製粉乳(infant formula)中で使用することが記載されている。前記微生物由来の油は、EPA、DHAまたはARAを包含するが、魚油や植物油も挙げられる。前記公報には、微生物由来の油を混合して、ヒト母乳中のPUFA含量を模倣することが示唆されている。特に、DHAとARAの混合比1〜5:2〜12(例えば混合比約1:3)のブレンドが提唱されている。
【0003】
国際公開第92/12711号パンフレットの実施例では、発酵法により、3種の異なる微生物由来油ARASCO、DHASCOおよびEPASCOが得られており、これらは全て未精製のものである(同実施例1〜3参照)。これらは、その後混合されて、乳児用調製粉乳に加えることができると提案されている。しかし、乳児用調製粉乳(または他の食料品)は実際には製造されておらず、しかも前記未精製の油は乳児用調製粉乳に含有させるのには適さないことが分かった。例えば、未精製の油は、望ましくない種々の化合物(リン脂質、顔料、微量金属、遊離脂肪酸、モノ−および/またはジ−グルセリド、ステロール、硫黄、アルデヒドやエポキシドなどの酸化生成物、および種々のほかの水または油不溶性物質)を、に(ベビー)食品に混入しようとする油ブレンド中に含有し得る。
【0004】
どのような物質も食料品に添加するときは、汚染物質や悪影響を及ぼし得る他の化合物を排除するように心掛けなければならない。このことは、赤ん坊や幼児が不純物または他の望ましくない物質に特に影響され易いため、乳児用調製粉乳に導入しようとする物質について特に重要である。そのため、本発明の目的は、このような不利益を少なくとも軽減し、できれば前記不利益を防止または排除することである。
【0005】
本発明は、広義には、未精製の油を精製油に転化するための1以上の精製技術の使用に関する。前記精製された油は、乳児用調製粉乳または他の食料品へ含有させるのに好適である。前記精製は、不純物または他の望ましくない物質を除去し得る。その結果、得られる油は、ヒトが摂取するのに好適であり得る。精製は、未精製の油を混合した後で行われてもよいが、一度は行なう必要がある。
【0006】
したがって、本発明の第1態様は、
(a)未精製のω6系PUFA(例えば、ARA)含有油と未精製のω3系PUFA(例えば、DHAまたはEPA)含有油を混合して、未精製の油混合物を製造する工程、および
(b)前記未精製の油混合物を精製して、精製されたω6系およびω3系PUFA含有油混合物を製造する工程
を含む、油混合物の調製方法に関する。
【0007】
すなわち、本発明では、未精製の油を混合した後で精製を行う(すなわち、未精製の油混合物を精製する)。これは、精製工程が1回は必要であることを表す。その後の更なる加工はほとんど必要ないかもしれない。これは、僅かに異なる「酸化状態」の2種の油(例えば、2種の油の酸化準位がわずかに違う場合)を有しないことも表している。しかも2つの異なる精製プロトコルの必要を避けることができる。というのも、これらプロトコルがそれぞれ、特定の油の精製を目的として調整されたものとは違うことがあるためである。
【0008】
前記方法は、1種以上の以下の成分を(例えば、精製中に)除去することも包含し得る:リン脂質、微量金属、顔料、炭化水素、タンパク質、遊離脂肪酸(FFA)、油不溶性物質、水不溶性物質、石鹸またはケン化物質、酸化生成物、硫黄、モノ−またはジ−グリセリド、顔料分解生成物、溶媒および/またはステロール。前記精製は、「臭いの悪い物質(off−flavour)」を低減または除去し、および/または油の安定性を高めることができる。
【0009】
これを行うために、本発明の方法(例えば、精製)は、デガミング(degumming)(または酸処理)、中和(またはアルカリ処理)、水洗、漂白、濾過、脱臭、研磨および/または冷却(またはウィンタリゼーション)を含んでいてよい。好ましくは、精製は、酸処理および/またはアルカリ処理(デガミングおよび中和)を包含する。あるいは、精製方法は、漂白および/または脱臭を包含していてよい。とはいえ、精製は、好ましくは漂白および/または脱臭を伴い、そして最適には、酸およびアルカリ処理を更に必要とする。そのため、前記工程(a)での混合は、(精製)工程を1回以上行った後で行ってよい。換言すれば、精製工程は、工程(a)での混合前に行い、そして前記工程(b)での精製中に(混合した)油混合物についても行ってよい。この状況では、工程(a)での混合が脱臭前に行われることが好ましい。前記デガミング、アルカリ処理、漂白および/または冷却などの工程は、混合前に別個の油について行われても、または油混合物について行われてもよい。すなわち、「未精製の」油は非脱臭の油をいい、同時に、精製された油は脱臭された油であり得る。すなわち、本発明は、ω6系PUFA含有油とω3系PUFA含有油を混合して油混合物を形成した後、油混合物を精製(例えば、脱臭)することを包含し得る。
【0010】
これらの付加的なプロセスは、好ましくは工程(b)での精製中に行われるが、そのうちの1つ以上は、工程(a)での混合前に、ω6系PUFA含有油および/またはω3系PUFA含有油のどちらに行ってもよい。
【0011】
第二の態様は、精製されたω6系PUFAおよびω3系PUFA含有油混合物に関する。有利なことに、これは、ヒト(例えば、乳児)が消費するのに適している。
【0012】
第三の態様は、前記第二の態様の精製された油混合物を含有する食用組成物に関する。この処方は、食料品、好ましくはヒトが消費するのに適合したもの、および場合により乳児用調製粉乳、栄養補給剤または医薬組成物であってよい。
【0013】
第四の態様は、前記第三の態様の食用組成物の製造方法であって、前記組成物へ第二の態様の油を混入することをふくむ製造方法に関する。油は、現存する組成物に添加または補充されても、あるいは製造中に、1以上の(食用)組成物の処方成分および/または構成成分に添加または混合されてもよい。
【0014】
精製方法
溶媒処理
これは、ガムおよび/またはタンパク質を減量または除去し得る。アセトンなどの極性溶媒が好ましい。これは、DHA含有油などのω3系油に特に適している。
【0015】
デガミング(または酸処理)
これは、リン脂質、微量金属、顔料、炭化水素および/またはタンパク質などの種々の物質を除去または減量できる。(水和性および/または非水和性の)リン脂質を幾らかまたは全て除去するのが特に望ましい。前記物質は、着色化合物であって、特に(白色の)乳児用調製粉乳には望ましくない。これらは、その乳化特性のために、(用いる場合は)その後のアルカリ処理工程を複雑化させることがある。更に、前記物質は、脱臭工程を用いると、望ましくない褐変を生じさせることもある。リン脂質は、貯蔵容器内で沈殿することがあるが、沈殿は、一旦生じると除去が困難である。
【0016】
本発明は、好ましくは、水とリン酸および/またはクエン酸(例えば、HPO)を前記油へ添加した後、必要に応じて混合することを伴う。クエン酸を使用する場合、これは、好ましくは50%水溶液である。リン酸の場合は、85%水溶液を使用してよい。次いで得られた油を、例えば形成したエマルションを粉砕するまで加熱する。その後、「ガム」または他の望ましくない物質を、遠心分離などによって除去する。
【0017】
デガミングは、最初は加熱しながら開始してよい。必要であれば、50〜80℃まで、例えば55〜75℃、最適には60〜70℃まで加熱してもよい。
【0018】
その後、酸を添加してよい。リン酸の場合、油1kg当たりリン酸0.1〜2.0g、例えば0.5〜1.5g、好ましくは0.8〜1.2gであってよい。この数字は、85%リン酸溶液に対する値であるため、酸の量は、異なる酸濃度(例えば、50〜95%、70〜90%、80〜88%リン酸)およびこれらの(比例)当量に応じて変化してよいと考えられる。
【0019】
水を添加する方法もあるが、これは、通常省略される。用いる場合、水の量は、前記油中に含まれていると考えられるリン脂質の重量の25%〜125%まで、例えば50%〜100%まで、最適には70%〜80%である。前記油に対し、水の量は0.1〜15%まで、例えば0.5〜10%まで、最適には1〜5%までであってよい(%は、重量基準でも体積基準であってもよい)。水を使用する場合は、(リン)酸は、好ましくは水を添加する前に前記油に添加する。
【0020】
この処理は、5分〜1時間、例えば10分〜30分、好ましくは15〜20分かけてよい。温度は、50〜110℃、好ましくは80〜100℃、最適には70〜90℃であってよい。
【0021】
中和または漂白を更に行う場合、これら工程のどちらをデガミングと組み合わせてもよい。デガミング前の前記油のリン脂質含量は、2〜3.5(重量)%であってよい。
【0022】
アルカリ処理(これは精製(refining)としても公知である)
これは、前記油に含まれている酸を中和するアルカリを必要とすることから、中和とも呼ばれる。このような酸は、前記デガミングなどの酸処理の結果として含まれている。
【0023】
アルカリ処理は、遊離脂肪酸(FFA)、リン脂質、顔料、微量金属、油不溶性物質および/または水不溶性物質の除去または減量を意図している。好ましくは、この段階では、遊離脂肪酸の幾らかまたは全てを除去する。遊離脂肪酸は、その発泡特性のために食料品に問題を生じさせることがあり、毒性も有し得る。
【0024】
アルカリ処理は、好ましくは、遊離脂肪酸(FFA)を石鹸または加水分解トリグリセリドに転化する(ケン化)。これは、アルカリ金属イオン、特にナトリウムイオンと、FFAとの反応から生じる。好ましくは、FFAの濃度は、0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、最適には0.05重量%未満まで減量する。
【0025】
この段階は、バッチ式または連続プロセスであってよい。好ましくは、アルカリを添加する前に、FFA含量を公知の手段で、特に酸価を定量する。(例えば、FFA含量は、沈降法でチェックできる。)前記油が既にデガミングなどの酸処理に付されている場合は、過剰のアルカリを使用してよい。
【0026】
必要に応じて、加熱は、(最初は)50〜90℃まで、例えば55〜85℃まで、最適には60〜80℃まで行われてよい。その後、滴定を行って、含まれている酸の量、およびそのために必要なアルカリの量を求める。
【0027】
次いで、アルカリを前記油と混合する。好適なアルカリは、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物または水酸化アンモニウムである。脱臭工程を行う場合にそれとの干渉を最小限にすることから、アルカリ金属水酸化物が好ましく、特に水酸化ナトリウムが好ましい。アルカリは、10〜15%、例えば12〜13%の濃度で添加されてよい。添加されるアルカリの量は、前記油を中和するのに十分であってよい。
【0028】
得られる石鹸またはケン化物質は、その後、遠心分離により、例えばセルフクリーニング遠心分離器を用いて除去または分離され得る。これは密封シールまたは密閉して、空気と接触しないようにする。
【0029】
(残存している)石鹸は、例えば水を用いた洗浄によって、80〜120℃の温度、好ましくは90〜100℃で除去できる。その後、2回目の遠心分離を行ってもよい。水洗段階を更に行うのであれば、好適には、その後、乾燥段階に進む。
【0030】
アルカリ処理とは別のあるいはそれに代わるFFAを除去する別法は、蒸留または脱臭(当該分野では物理的な精製と呼ばれることもある)を用いることである。後者(脱臭)については以降に説明する。
【0031】
この段階(またはFAA除去処理)に付する前の未精製の油は、FAA濃度0.2〜0.6%、例えば0.3〜0.5%を有する。
【0032】
酸化防止剤
好適な酸化防止剤を用いてよい。例としては、トコフェノール(例えば、油1kgに対して400〜1200ppm、好ましくは600〜1000ppm、最適には600〜800ppm)および/またはアスコルビルパルミテート(例えば、油1kgに対して50〜150ppm、好ましくは70〜130ppm、最適には80〜120ppm)が挙げられる。
【0033】
漂白
この段階では、顔料、酸化生成物、微量金属、硫黄および石鹸またはケン化生成物(例えば、アルカリ処理により得られるもの)を除去または減量することを意図している。特に、この段階は、着色化合物のみならず、カロチン(例えば、β−カロチン)などの顔料、クロロフィル、褐変化合物、香りを与える化合物、ヒドロペルオキシドおよび/または望ましくない金属も除去する。
【0034】
漂白前に乾燥を用いるのであれば、これは、50〜100℃、好ましくは60〜90℃、最適には70〜80℃で行われる。乾燥は、真空下で行われる。
【0035】
漂白は、好ましくは前記不純物のうち1種以上の吸着を包含する。好適な精製剤または吸着剤(これらの用語は互換的に使用される)を使用してよい。これは、微分散および/または活性化された物質、例えば微分散された天然のまたは活性化された土壌、炭素および/または漂白土壌(漂白粘土またはベントナイト系生成物など)を含んでいてよい。前記油を選ばれた吸着剤と混合する。用いられる吸着剤の量は、前記油の色や、前記油中に含まれていると思われる不純物の量に依存する。その指針としては、前記油に対し、0.25〜5重量%まで、好ましくは0.5〜3重量%、最適には0.75〜1.5重量%までの量の吸着剤が使用できる。
【0036】
次に、前記油−吸着剤混合物を、例えば真空下で噴霧してよい。これにより空気が除去できる。その後、前記油を、例えば80〜130℃、好ましくは90〜120℃、あるいは最適には100〜110℃まで加熱してよい。前記油と吸着剤との接触時間は、5〜40分まで、好ましくは10〜30分まで、最適には50〜25分までであってよい。前記油は、その後、冷却および/または濾過されてよい。
【0037】
漂白は、前記油を、石鹸除去用添加物、特にアルカリ処理を行う場合はTrisylTMなどの処理されたシリカ生成物などと接触させることを包含し得る。これにより、金属および/またはガムが除去できる。石鹸除去用添加物は、前記油1kg当たり0.1〜5kg、例えば0.5〜3.0kgで添加され得る。
【0038】
この段階は、バッチ式または連続プロセスとして行われてよい。漂白および/または濾過は、空気がない状態、例えば真空下で、または窒素などの不活性ガス(のブランケット)を用いて行われてよい。
【0039】
冷却(またはウィンタリゼーション)
これにより、飽和トリグリセリド(すなわち、飽和脂肪酸由来のトリグリセリド)が除去できる。飽和トリグリセリドは濁り度を増加し得ることから、これは有用である。
この段階は、前記油を、好ましくは(除去しようとする化合物または不純物を含む)結晶が形成されるように冷却することを必要とする。すなわち、好ましくは、飽和トリグリセリドを含有する結晶が生成される。前記油は、タンク内に貯蔵される、条件が許せば、野外のタンクであってよい。貯蔵は、より寒い状態の間に(例えば、冬期に)行われる。あるいは、前記油を、熱交換器などを用いて冷却してもよい。
【0040】
好ましくは、比較的大きな結晶を形成する。実際には、比重が前記油よりも大きな、大きい結晶形態または結晶が都合がよい。それにより、結晶は、好ましくは前記油の底に落下または移動して、例えば沈殿物を形成する。
【0041】
好ましくは、前記油をゆっくりと冷却する。最終(または冷却された)温度は、好ましくは0〜10℃まで、例えば3〜7℃、最適には5〜6℃である。冷却中、前記油を撹拌してもよいが、好ましくは穏やかな撹拌条件下でのみ撹拌する。有利には、高いせん断速度を避ける。油をこの温度まで冷却するのにかかる時間は、12〜36時間、例えば18〜30時間、最適には21〜27時間であり得る。
【0042】
その後、前記油を濾過する。これによって、沈殿(または結晶)が除去できる。これは、プレートおよびフレーム式圧搾濾過器などの標準的な装置を用いてよい。沈殿または結晶を除去する別の方法としては、遠心分離または減圧濾過が挙げられる。
【0043】
脱臭
これは、脂肪酸および遊離脂肪酸、モノ−およびジ−グリセリド、酸化生成物、顔料分解生成物、溶媒および/またはステロールを除去または低減できる。特にこれは、アルデヒドおよびケトンなどの望ましくない香気化合物を除去できる。これは、ヒドロペルオキシドの分解などから得られる炭化水素も除去できる。除去できる他の化合物としては、ステロールおよびトコフェロールが挙げられる。
【0044】
好ましくは、脱臭は、水蒸気蒸留などの蒸留を含む。これは、好ましくは、真空下または少なくとも減圧下(例えば、1〜8mbar、例えば2〜4mbar)で行われる。前記油の温度は、100〜300℃、例えば150〜250℃、最適には180〜220℃であり得る。
【0045】
この段階は、バッチ式、半連続または連続プロセスで行われてよい。好ましくは、前記油中のFFAレベルを0.06%以下、好ましくは0.04%以下、最適には0.03%以下まで(例えば、POV(過酸化物価)およびAnV(アニシジン値)パラメータを用いて)低下させる。
【0046】
研磨加工
これにより、(残留している微量な)油不溶性物質の幾らかまたは全てが除去できる。これは、油を、例えばキャンドルフィルターまたは(カートリッジ)フィルターを用いて浄化することを包含し得る。
【0047】
好ましいプロセス
したがって、好ましくは、本発明の(精製)プロセスは、以下の工程を包含する。
(a)(未精製の)ω6系PUFA含有油を(未精製の)ω3系PUFA含有油と混合して、(未精製の)油混合物を精製する工程。この工程は、この時点で(または最初に)行われても、あるいは以降の工程(c)〜(i)のうち1以上を行った後で行われてもよい。しかし、混合工程は、工程(j)の前に行わなければならない。
(b)精製工程。これは、ω6系およびω3系PUFA含有油または(混合により得られる)前記油混合物のどれについて行われてもよい。精製工程は、以下の工程を更に包含し得る。
(c)任意の、酸処理またはデガミング工程、あるいはリン脂質、微量金属、顔料、炭化水素および/またはタンパク質の除去工程、
(d)任意の、アルカリ処理工程、または遊離脂肪酸、リン脂質、顔料、微量金属、水不溶性物質および/または油不溶性物質の除去工程、
(e)任意の水洗工程、および必要であれば乾燥工程、
(f)任意の1種以上の酸化防止剤の添加工程。
(g)任意の、漂白工程、または顔料、酸化生成物、微量金属、硫黄および/または石鹸の除去工程、
(h)任意の濾過工程、
(i)冷却またはウィンタリゼーション工程、あるいは飽和トリグリセルドの除去工程。ここで、ω6系およびω3系PUFA含有油が混合されていなければ、これらを混合して、この段階で油混合物を形成する。この時点までは、前記油は未精製であるとみなされてよい。
(j)脱臭工程、または遊離脂肪酸、モノ−およびジ−グリセリド、酸化生成物、顔料分解生成物、溶媒および/またはステロールの除去工程、および
(k)任意の、研磨工程、または油不溶性物質の除去工程。
【0048】
精製プロセスでは、前記(c)、(d)および(g)が任意ではないことがある。換言すると、脱臭工程(j)以外の上記工程を行うことがあるが、工程(c)、(d)および(g)を包含し得る態様もある。別法としてまたは更に、工程(i)は任意ではなく、および/または好ましくは、工程(f)と(k)のうちいずれか一方または両者が任意ではない。
【0049】
前記(c)〜(i)は、どのような精製プロトコルにも適用できる。例えば、この精製プロトコルは、未精製の油混合物について行われる。しかし、前記工程(c)〜(i)のうち1以上は、ω6系PUFA含有油および/またはω3系PUFA含有未精製油について行われる。次いで、これらの油を混合し、そして得られた油混合物について工程(j)および/または(k)を行う。
【0050】
精製後(および精製された油では)、(望ましくないかまたは重)金属の含量が、好ましくはかなり低下する。砒素(As)の場合、前記量は、好ましくは0.2ppm以下、好ましくは0.1ppm以下、最適には0.05ppm以下である。鉛(Pb)の場合、前記量は、好ましくは0.06ppm以下、好ましくは0.04ppm以下、最適には0.02ppm以下である。水銀(Hg)およびカドミウム(Cd)の好ましい量は鉛の場合と同じである。
【0051】
ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)および油
PUFAは、単一のPUFAであっても、あるいは2種以上の異なるPUFAであってもよい。PUFAは、n−3系またはn−6系であってよい。好ましくは、C18、C20またはC22PUFA、あるいは炭素原子数が少なくとも18でしかも二重結合を3つ有するPUFAである。PUFAは、遊離脂肪酸または塩の形態、脂肪酸エステル(例えば、メチルまたはエチルエステル)として、リン脂質として、および/またはモノ−、ジ−またはトリ−グリセリドの形態で提供され得る。
【0052】
好適な(n−3系およびn−6系)PUFAは以下のものを包含する。
ドコサヘキサエン酸(DHA、22:6 Ω3系)、好適には(渦鞭毛藻類(dinoflagellate))Crypthecodiniumまたは(真菌類)Thraustochytriumなどの藻類また真菌類由来のもの、
γ−リノレン酸(GLA、18:3 Ω6系)、
α−リノレン酸(ALA、18:3 Ω3系)、
共役リノレン酸(オクタデカジエン酸、CLA)、
ジホモ−γ−リノレン酸(DGLA、20:3 Ω6系)、
アラキドン酸(ARA、20:4 Ω6)および
エイコサペンタエン酸(EPA、20:5 Ω3系)。
【0053】
好ましくは、PUFAは、アラキドン酸(ARA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)および/またはγ−リノレン酸(GLA)を包含する。特にARAが好ましい。
【0054】
PUFAは、天然(例えば、植物または海洋)起源であっても、あるいは単細胞または微生物起源(single cell or microbial source)から派生したものであってもよい。すなわち、PUFAは、微生物、藻類または植物起源(または資源)であって(またはこれらを由来とするものであっても)よい。特にPUFAは、バクテリア、真菌または酵母によって産生され得る。真菌が好ましく、特にMortierella、Phycomyces、Blakeslea、Aspergillus、Thraustochytrium、PythiumまたはEntomophtoraなどのMucorales目の真菌である。好ましいARA源は、Mortierella alpina、Blakeslea trispora、Aspergillus terreusまたはPythium insidiosum由来のものである。藻類は、渦鞭毛藻類であるか、および/またはチノリモ(Porphyridium)、NitszchiaまたはCrypthecodinium(例えば、Crypthecodinium cohnii)を包含する。酵母は、Pichia属または酵母菌属(Saccharomyces)のもの、例えば、Pichia ciferiiを包含する。バクテリアは、Propionibacterium属のものであってよい。
【0055】
ω3系PUFA(例えば、DHA)含有油は、海洋油、例えば魚(マグロなど)油であってよい。ω6系および/またはω3系PUFA(例えば、ARA、DHAまたはEPA)含有油は微生物または単細胞由来の油であってよい。
【0056】
好ましくは、ω6系およびω3系PUFAの両者(例えば、GLA、ARAおよびEPA)は、Mortierella、PhycomycesまたはEntomophtoraなどの真菌から産生される。ω3系PUFA(例えば、EPA)は、チノリモ(Porphyridium)またはNitszchiaなどの藻類から産生される。
【0057】
好ましくは、ω6系またはω3系(例えば、ARA、DHAまたはEPA含有)油は、微生物によって産生された微生物由来の油である。微生物は、バクテリア、酵母、藻類または菌類であってよい。
【0058】
好ましくは、PUFAは少なくとも4個の二重結合を有する。
【0059】
PUFA油の産生
本発明の方法では、微生物を、先ず、好適には培養培地を含む発酵容器の中などで発酵させる。発酵条件は、得られるバイオマス中(および、その油中)での高いPUFA含量のために最適化される。所望により、例えば発酵終了後、微生物を殺すかまたは低温殺菌してよい。これは、望ましくない酵素(例えば、PUFAの収率を低下または減少させるかもしれない酵素)を不活性化するためである。
【0060】
次いで、前記バイオマスを発酵槽から取り出し、そして必要に応じて液体(通常は水)をそこから除去する。好適な固−液分離法を使用してよい。これ(脱水)は、遠心分離および/または濾過などの機械的な方法であってよい。好適な遠心分離器は、WestfaliaTMまたはTetra LavalTM社製である。遠心分離は、2〜8分、例えば3〜7分、最適には4〜6分続けてよい。滞留時間は、0.1〜3分、例えば0.3〜2分、最適には0.5〜1.0分である。遠心分離器は、2,000g〜8,000g、例えば3,000g〜7,000g、最適には4,000〜6,000gで操作してよい。破壊(disruption)および分離した後、本発明の方法は、多数のPUFAのうち1種を抽出、精製または単離することを更に含み得る。
【0061】
その後、前記細胞は、例えば細胞外の水溶性化合物を除去するために、水溶液(水など)を用いて洗浄されてよい。
【0062】
好ましくは、未精製のPUFA(例えば、ARA)含有油は、PUFAを10%または15〜25%または30%含有する。精製された(例えば、ARA)油は、好ましくは、PUFAを30%または35〜45%または50%含有する。
【0063】
未精製油の製造
前記未精製の油は、微生物(例えば、単細胞)由来の未精製の油であっても、あるいは海洋(例えば、魚)油または植物油(未精製または部分処理したもの)であってもよい。ここで、ω3系およびω6系PUFA含有油は、好ましくは微生物または単細胞資源(または起源)を由来とする。特に、ω3系PUFA(DHAおよび/またはEPA)を含有する未精製の油は、海洋油であってよい。PUFA油がGLAを含有するものであれば、未精製の油は、クロフサスグリ、ルリヂサ、ひまわり、大豆またはサクラ草油などの植物油であってよい。
【0064】
多数の文献に、未精製PUFA油の産生が記載されている。ARAを含有する微生物由来の油(microbial oils)は国際公開第92/13086号パンフレット(マーテック)に、EPAを含有する微生物由来の油は、国際公開第91/14427号パンフレット(マーテック)に、そしてDHAを含有する微生物由来の油は、国際公開第91/11918号パンフレット(マーテック)にそれぞれ開示されている。本出願は、微生物起源からPUFA油を抽出する様々な方法を記載しているが、これらは、国際公開第97/36996号パンフレットや同第97/37032号パンフレット(共にヒスト・ブロカデス)にも開示されている。ARA、DHAおよびEPA含有油の調製は、国際公開第92/12711号パンフレット(マーテック)にも記載されている。
【0065】
前記油では、大抵のPUFAがトリグリセリドの形態であることが好ましい。したがって、好ましくはPUFAの少なくとも50%、少なくとも60%、最適には少なくとも70%がトリグリセリドの形態である。しかし、トリグリセリドの量は、これより高くてもよく、例えば前記油の少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%または98%であってよい。前記トリグリセリドのうち、好ましくはPUFAの少なくとも40%、例えば少なくとも50%、最適には少なくとも60%が、(トリグリセリド主鎖中の)グリセロールのα位(1位または3位としても知られる)に存在する。PUFAの少なくとも20%、例えば少なくとも30%、最適には少なくとも40%がβ(2)位にあることが好ましいこともある。
【0066】
好適には、精製された油は、4〜6℃の温度で固化する。精製された油において、トリグリセリド含量は、好ましくは少なくとも90%、例えば少なくとも93%、最適には少なくとも95%である。モノグリセリドおよび/またはジグリセリド含量は、好ましくは7%未満、例えば5%未満、最適には3%未満である。モノグリセリドの量は、0.5%未満、例えば0.1%未満、最適には0.1%未満であってよい。精製された油中のステロールの含量は、好ましくは5%未満、例えば3%未満、最適には2%未満である。
【0067】
精製された油中、(所望の)PUFAの含量は、好ましくは少なくとも30%、例えば少なくとも35%、最適には少なくとも40%または45%である。
【0068】
遊離脂肪酸の量は、好ましくは0.5%以下である。
【0069】
混合物(ブレンド)
本明細書において、「混合物」という用語は、前記油の組み合わせ(例えば、各油を混合した後に、元の成分油へ分離できるもの)およびブレンド(この場合、一度混合した油は分離不可能である)を包含する。前者の例は、前記油の一方(または両方共)が(例えば、マイクロ)カプセル化されている場合である。これら油は混合しても、混合前の元の成分油に分離できる。ブレンドが好ましいが、この場合、油は密に混合され、元の成分油への分離は不可能である。混合物は、複数(少なくとも2種)の油から構成されるが、2種、3種または4種の油の混合物が好ましい。好ましくは、前記油は微生物または単細胞油である。換言すると、これ以外の起源を由来とする油のみを排除しかつ含まない。
【0070】
精製された油混合物中のω6系:ω3系PUFAの比は、好ましくは、1:5〜5:1、最適には1:1〜1:2である。好ましくは、精製された油混合物中、ω6系PUFA(特にEPAの場合)の量は、ω6系PUFA(特にARAの場合)の量の少なくとも5分の1である。実際、ω3系PUFAは、ω6系PUFA含量の少なくとも25%、例えば少なくとも30%、最適には35%であることが好ましい。
【0071】
一態様の好ましい特徴は、必要な変更を加えて、別の態様に適用できる。
【0072】
本発明を以降の実施例を参照して説明する。以降の実施例は、本発明を限定するものではなく、単なる例示目的である。
【0073】
実施例1
未精製のARA含有油は、国際公開第97/36996号パンフレット(ヒスト・ブロカデス)の実施例16の方法を用い、抽出用溶媒としてヘキサンを用いて調製した。ARA含量は35%であった。未精製のDHA油(27%DHA)は、プロノヴァ・バイオケア・エイ・エス(ノルウェー国N−3202サンナフィヨール(Sandefjord)P.O.Box2109)製の海洋起源(マグロ油;EPAXTM0525TG)から調製した。
【0074】
次いで、ARA−およびDHA−含有油を合わせて混合し、ブレンドを形成した。滅菌ステンレス鋼槽に先ず未精製のARA10kgを入れた。この槽に、未精製のDHA油30kgを、(空気は排除して)撹拌しながら15分間かけて加えた。これにより、ARA:DHA油(重量)比1:3の未精製の油混合物(ARA:DHA比1:2.31)が得られた。
【0075】
その後、未精製の油混合物を以降のプロトコルに従って精製した。
【0076】
精製
これは、4つの主要工程から成り、必要に応じて中間工程を含んでいる。4つの主要段階は以下の通りである。
酸処理(デガミング)、
アルカリ処理(中和)、
(必要に応じて水洗および乾燥して、例えば石鹸または石鹸残渣を除去、)
漂白、
(必要に応じて)濾過して、漂白中に使用した吸着剤を除去、
脱臭、
(必要に応じて)研磨、および
(必要に応じて、冷却またはウィンタリゼーション)。
【0077】
1.デガミング(酸処理):これは、主にリン脂質を除去するために行った。前記油を70℃に加熱した。リン酸を水に85%の濃度で溶解した。これを前記油(油中のリン脂質の重量約3%)に、油1kgに対しリン酸溶液1.5gの量で添加した。この油を80℃で15分間保持した。油とリン酸の混合物は最初、エマルションを形成したが、更に加熱すると解乳した(demulsified)。次いで、遠心分離によりガム質(gums)を除去した。
2.アルカリ精製(中和):滴定を行って、油中に含まれている酸の量を求め、それによって中和に必要なアルカリの量を算出した。前記油にアルカリ(水酸化ナトリウム、15%)を添加して十分に混合した。得られた石鹸(ケン化物質)を、その後、セルフクリーニング遠心分離器(空気との接触を遮断するために密閉される)を用いて分離した。次いで、石鹸の痕跡を熱水(94℃)で洗い流した後、遠心分離した。
3.漂白:前記油を先ず減圧下、70℃で乾燥した。次いで、前記油に、吸着剤(TrisylTM、グレース・デイヴィジョン(Grace Davision)、油の容積に対して1%)を添加して混入させた。前記油を105℃に加熱して、油−吸着剤混合物を、空気を除去するために撹拌式漂白槽に噴霧した。吸着剤を約20分間油と接触させたままにした後、油を冷却して濾過した。
【0078】
4.ウィンタリゼーション(冷却):前記油(現時点で約35℃)を穏やかな撹拌条件下でゆっくりと4℃まで冷却した。これは約24時間かかった。前記油を4℃で更に24時間保持した。その後、油をプレートおよびフレーム式圧搾濾過器を用い、200kg/m(0.2〜0.5bar)の圧力で濾過した。
5.脱臭:得られた油を、180℃の温度および低圧(2〜4mbar)で減圧蒸留した。
【0079】
精製前の未精製ARAと、精製および混合されたARAおよびDHA含有油との分析結果の比較を表1に表す。
【表1】
Figure 2004505168
【0080】
実施例2
未精製のARA含有油を、国際公開第97/43362号パンフレット(ヒスト・ブロカデス)の比較例1の方法に従って生成した。これは、約30%ARAを含有していた。
DHA未精製油は、国際公開第97/36996号パンフレット(ヒスト・ブロカデス)の実施例21に記載のプロトコルを用いて調製した。この油は、トリグリセリド60%、ジグリセリド12%およびステロール3.7%を含有していた。DHA濃度は32.6%であった。
【0081】
次いで、各未処理油を、実施例1と同じプロトコルを用い、以下の点を変更して処理した。
(i)酸処理において、リン酸との接触時間を20分とし、ARA油の油温度を70℃とし、そしてDHA油の代わりにクエン酸(50%)を使用した(75℃、20分)。
(ii)アルカリ処理では、水酸化ナトリウムの濃度を13%とし、そして熱水処理(水洗)を省いた。
(iii)漂白は、吸着剤TonsilTM(ズードケミー(Sud−Chemie)、独国ミュンヘン)1.5%を用いて、100℃で15分間とした。
【0082】
得られた2種の未精製油各10kgを、30リットルの槽内で撹拌しながら混合して、ARA:DHA(体積)比1:1のブレンドを形成した(ARA:DHA比1:1.09)。次いで、2種の油のブレンドを200℃の温度で脱臭し、次いでカートリッジフィルターを用いて浄化した。
【0083】
実施例3
精製された、Mortierella alpinaから得られたARA微生物由来の油(38%ARA)(5kg)は、ディエスエム・エヌ・ヴイ、フード・スペシャルティーズ・ディヴィジョン(オランダ国デルフト2600エムエイP.O.Box1)から商品名OPTIMARTMとして入手した。この油は、実施例1のプロトコルを用いて精製した。次に、DHA27%を含む、ノルウェー国プロノヴァ製の精製されたDHA含有油(EPAXTM0525TG、10kg)を前記の精製されたARA油と混合した。2種の油を互いに撹拌機を装備したステンレス鋼槽内で混合した(ARA:DHA比1:1.54)。
【0084】
実施例4
実施例1で用いた未精製のARA油を、実施例1と同じプロトコルを用い、以下の点を変更して精製した。
(i)リン酸(80%)を、油容積の2%で添加した。
(ii)アルカリは、KOH(10%)とした。
(iii)少量の水を用いて85℃で水洗を行ったので、その後の洗浄は必要なかった。
(iv)漂白は、90℃で30分間とし、および
(v)5℃まで冷却した後、5℃で2日間保持した。
【0085】
表2に、精製前後の前記油の分析結果を表す。
【表2】
Figure 2004505168
【0086】
その後、実施例2からの未精製のDHA油を、別個にかつ独立して、未精製のARA油と同じプロトコルに付した。次に、得られたARA油(10kg)を、攪拌機を装備したステンレス鋼槽内で、得られたDHA油(33%DHA、15kg)と合わせて混合した。混合油は、ARA:DHA比1:1.16であった。これを220℃での脱臭に付した。
【0087】
種々の精製プロトコルの概要を再度表3に表す。
【表3】
Figure 2004505168
【表4】
Figure 2004505168
実施例3では、未精製のARA(38%)およびDHA(25%)油を使用したこと以外は、実施例1と同じ精製工程を用いている(ARA:DHA比1:2.6)。
【0088】
実施例5
未精製のEPA含有油(国際公開第91/14427号パンフレットの実施例を用い、抽出された単細胞由来の油(マーテック(Martek)製)を生成することにより調製したもの)を未精製のDHA油の代わりに使用したこと以外は、実施例1のプロトコルを繰り返した。次いで、ARA油(35%ARA、10kg)を、攪拌機を装備したステンレス鋼槽内でEPA油と合わせて混合した。得られた精製および混合油のARA:DHA比は1:0.53であった。
【0089】
実施例6〜8
レーディッヒミキサー内に、実施例1の油混合物(0.5kg)を毎分10kgの速度で添加することによって、ラクトース粒子(10kg)と混合した。得られた粉末は窒素下で貯蔵した。次いで、この粉末化混合物を粉末化乳児用調製粉乳(SMA GoldTM 20kg、英国製)に添加した。実施例4の精製ARA/DHAブレンドおよび実施例5の精製ARA/EPAブレンドを用いて上記と同じ手順を行った。
【0090】
実施例9
均一な液体としてDHA/ARA油ブレンド2kgを含有する、粉末化された乳児用調製粉末200kgのバッチを以下のプロトコルに従って調製した。前記油ブレンドを乳児用調製粉末へ添加して、50℃にした。このブレンドを、流動床により毎時50kgの速度で移動している乳児用調製粉末に毎時0.5kgの速度で噴霧した。前記温度は、乾燥による水分損失が1〜2%の間となるように設定した。
【0091】
実施例10
乳児用調製粉末1,000kgのバッチに、実施例2の油ブレンドを以下のように追加した。ARA/DHA油ブレンド27kgを含むプリミックスを先ず調製した。このプリミックスは、ビタミンと鉱物およびラクトースも含有しており、全重量200kgであった。このプリミックスを噴霧乾燥した乳児用調製粉末800kgに加えた後、クロニクル・ノータ(Chronicle Nauta)50RKミキサーで混合した。この粉末化された乳児用調製粉末に滅菌水を添加して、赤ん坊が飲むためのミルクを調製した(水90mLに対し、粉末化された乳児用調製粉末13g)。

Claims (12)

  1. (a)未精製のω6系PUFA含有油と未精製のω3系ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)含有油を混合して、未精製の油混合物を製造する工程、および
    (b)該未精製の油混合物を精製して、精製されたω6系およびω3系PUFA含有油混合物を製造する工程
    を含む、油混合物の調製方法。
  2. (i)前記精製が、リン脂質、微量金属、顔料、石鹸、炭化水素、タンパク質、硫黄、ステロール、モノ−またはジ−グリセリド、飽和トリグリセリドおよび/または遊離脂肪酸の除去を包含し、
    (ii)前記油混合物(oil mixture)が油ブレンド(oil blend)であり、
    (iii)ω6系PUFAがARAであり、および/またはω3系PUFAがDHAまたはEPAであり、および/または
    (iv)前記工程(a)での混合が、2種または3種の油のみについての混合であって、該油全てが単細胞または微生物由来の油である
    請求項1記載の方法。
  3. 前記精製が、酸処理、アルカリ処理、中和、水洗、濾過、研磨、ウィンタリゼーション(winterization)、漂白および/または脱臭を包含する請求項1または2記載の方法。
  4. (c)任意に、酸処理またはデガミングするか、あるいはリン脂質、微量金属、顔料、炭化水素および/またはタンパク質を除去する工程、
    (d)任意に、アルカリ処理するか、または遊離脂肪酸、リン脂質、顔料、微量金属、水不溶性物質および/または油不溶性物質を除去する工程、
    (e)任意の水洗工程、および必要であれば、乾燥工程、
    (f)1種以上の酸化防止剤を添加する工程、
    (g)任意に、水洗または漂白するか、あるいは顔料、酸化生成物、微量金属、硫黄および/または石鹸を除去する工程、
    (h)任意の濾過工程。
    (i)任意の冷却またはウィンタリゼーション工程、あるいは飽和トリグリセルドを除去する工程、
    (j)脱臭工程、または遊離脂肪酸、モノ−およびジ−グリセリド、酸化生成物、顔料分解生成物、溶媒および/またはステロールを除去する工程、
    (k)任意の、研磨工程、または油不溶性物質の除去工程
    を更に包含する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. (i)未精製のω6系PUFA(例えば、ARA)含有油がω6系PUFAを15〜25%含有し、
    (ii)精製されたω6系PUFA油がω6系PUFAを35〜45%含有し、
    (iii)前記工程(c)、(d)および/または(i)のうち1以上の工程が任意ではなく、
    (iv)前記工程(c)〜(i)までのうち1以上の工程が、未精製のω6系PUFA含有油および/または未精製のω3系PUFA含有油について行われ、それによって得られる油を前記工程(a)で混合し、そして得られた油混合物を前記工程(j)および/または(k)に準拠して処理すること、および/または
    (v)ω6系およびω3系PUFAの両者が二重結合を少なくとも4つ有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. (i)ω3系PUFA(例えば、DHA)含有油が魚油であり、および/またはω6系もしくはω3系PUFA(例えば、ARA、DHAまたはEPA)含有油が微生物由来の油であること、および/または
    (ii)前記未精製のω6系PUFA含有油が、Mucorales目の真菌類から、場合により真菌類類Mortierella alpinaから誘導され、および/または前記ω3系PUFA含有油が微生物Crypthecodinium cohniiから誘導されること、または
    (iii)ω6系もしくはω3系PUFA含有油のどちらかが植物油であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. (i)前記ω3系PUFA(例えば、EPA)の量が、前記ω6系PUFA(例えば、ARA)の量の少なくとも20%であること、および/または
    (ii)精製された油が、ω6系とω3系の比(例えば、ARA:DHA)1:5〜5:1、場合により1:1〜1:2を有すること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記精製された油が、遊離脂肪酸を多くて0.1%、リン脂質を多くて0.2%、リン含量10ppm以下、鉄含量0.05ppm以下、銅含量0.02ppm以下および/または過酸化物価(POV)1.0以下を有する請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 赤ん坊または幼児などのヒトが消費するのに好適でかつ任意に請求項1〜8のいずれかに記載の方法で調製できる精製された油混合物である、精製されたω6系PUFAおよびω3系PUFA含有油混合物。
  10. 食料品(好ましくはヒトが消費するのに適合したものであって、場合により乳児用調製粉乳(infant formula))、栄養補給剤または医薬組成物などを包含する請求項9記載の精製された油混合物を含有する食用組成物。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法で調製される油混合物、または請求項9記載の精製された油混合物を混入することを含む、食用組成物の製造方法。
  12. 前記組成物が、ベビーフードまたは乳児用調製粉乳である請求項11記載の方法。
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