JP2015507042A - Pvc用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製するための方法 - Google Patents

Pvc用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製するための方法 Download PDF

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Abstract

PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製するための方法であって、工業用脂肪酸およびテルペンチンを原料として使用することにより、ディールス・アルダー反応でグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸を合成する工程1と、酸化亜鉛、水酸化カルシウムおよび酸化カルシウムの任意の2つの金属化合物をグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸および溶媒それぞれと均一に混合し、80〜150℃まで加熱し、0.5〜4時間還流させ、1〜2mmHgの真空度で蒸留して溶媒を除去し、それにより、2つの金属の相当するグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩を得る工程2と、適量の2つの金属のグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩を、エポキシ化大豆油、酸化防止剤、流動パラフィン、亜リン酸エステル、β−ジケトンなどの混合溶液に溶解し、濾過することによって、グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を得る工程3と、を含む方法。調製されたグリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤は、PVCプラスチック加工分野で使用され、再生可能な天然グリース資源を主要原料として使用する。当該生成物は、良好な熱安定性を有し、本質的には無毒性であり、環境に優しく、かつ、費用効率が高い。

Description

本発明は、プラスチック添加物の分野に属し、特に、高い熱安定性を有するPVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤に関する。
塩化ポリビニル(PVC)は、ポリエチレンの次によく用いられる合成樹脂であり、建築、通信、輸送、電子、化学および包装産業などで広く用いられる。PVCは熱安定性に乏しく、かつ、軟化温度と分解温度の差が小さいため、加工が難しいという事実に起因して、熱安定性を向上するために、PVCプロセス中に熱安定剤を適量添加しなければならない。
現在、市販されている熱安定剤としては主に、鉛安定剤、カルシウム−亜鉛安定剤および有機スズ安定剤などがあげられる。長い間、鉛塩およびバリウム−カドミウム塩安定剤は、値段が安くかつ高性能であることから、国内外のPVC熱安定剤市場を独占してきた。しかしながら、鉛塩およびバリウム−カドミウム塩などの重金属塩は人体および環境に対して毒性である。有機スズ系非毒性熱安定剤は、顕著な熱安定性効率および透明性を有するが、高い費用、深刻な異臭、短いコンゴーレッド耐熱時間、硬化汚染などの非常に多くの欠点も有している。対照的に、カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤は、異臭がなく、広範な利用可能性を有し、特殊な開発のために容易に使用でき、かつ、高いコストパフォーマンスを有するため、開発潜在能力がより高い。
カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤は、形態に応じて、固体状、液状、ペースト状に分けられる。現在、これらの安定剤は主に固体状で市販されており、液状熱安定剤は主に柔軟で透明なPVC製品のプロセスに使用され、ペースト状熱安定剤は、それらの性能が安定しないことや費用の要因などのために大規模には開発されていない。しかしながら、液状熱安定剤は、塵を発生せず、加工の際に測定および使用しやすく、かつ、処方は柔軟に調節できる。よって、液状熱安定剤は、それらの性能が更に改良されて利用可能性を更に広げる場合、広範な市場可能性を確かに有する。
現在、市販されている液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤の大半は、溶媒を多量に含有し、これら安定剤に使用される有機酸の大半は石油資源から得られる。故に、安定剤の価格は、石油の価格が上がるにつれて上昇する。中国において、非可食性植物油の年間収量はほぼ400万トンであり、テルペンチンの年間収量はおよそ800,000トンを超える。グリース類は、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸などの不飽和脂肪酸を多量に含有し、それらは、ハロゲン化、硫酸化、スルホン化、酸化、水素化、脱酸素化、異性化、重合および熱分解などの様々な化学反応を有し得る。テルペンチンの主要成分は、一酸である三環性ジテルペン樹脂酸と、2つの二重結合を構造内に含有する三環性フェナントレン骨格との混合物である。アビエチン樹脂酸は、樹脂酸中の二重結合およびカルボキシル基ならびに樹脂酸の異性化特性により化学修飾することができる。本研究は、新規グリース/テルペンチン系液状複合体熱安定剤を開発するための原料として工業用脂肪酸(グリース誘導体)およびテルペンチンを利用するものであり、最先端の科学研究である。エネルギー不足および環境汚染が深刻さを増すにつれ、再生可能なバイオマス資源を開発し、かつ、利用することがますます急務となる。グリース/テルペンチン系カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤の適用に関する基本的研究は、資源選択、材料特性および生産費用の点で科学的にきわめて重要である。
技術的課題:市販されている大半の液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤が溶媒を多量に含有し、これら安定剤で使用される大半の有機酸が石油資源から得られるものであるという現在の状況に対処するために、本発明は、工業用脂肪酸およびテルペンチンを原料として使用して、有機溶媒を含まない、低価格、環境保護および高性能などの利点を有するグリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製するための方法を提供する。
技術的方策
PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製するための方法であって、
ディールス・アルダー反応によりグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸を調製する工程1:22.6〜141重量部(pbw)の工業用脂肪酸と30.2pbwのテルペンチンとを事前混合し、プロモーターおよび触媒を、工業用脂肪酸およびテルペンチンの全質量の20%〜50%および1%〜5%の投与量でそれぞれ添加し、0.4〜1MPaの圧力を保持し、攪拌して200〜280℃まで加熱し、3〜6時間反応させ、その後加熱を停止して100℃未満の温度まで冷却し、系のpHを7に調節し、濾過し、水洗し、230〜280℃/1〜2mmHgの条件下で蒸留することによって未反応テルペンチンおよび脂肪酸を除去する工程であって、蒸留フラスコ内に残った混合物がグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸であり、
グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩を調製する工程2:グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸:ZnOまたはカルシウム塩の比=0.8〜1:1(モル:モル)を利用し、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸およびグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の50%〜100%の投与量の溶媒を反応フラスコに添加し、均質な状態になるまで攪拌し、酸化亜鉛を添加し、80〜150℃まで加熱し、0.5〜4時間還流させ、1〜2mmHgの真空度で蒸留することによって溶媒を除去し、それにより、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩またはグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩を得る工程であって、カルシウム塩が水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムであり、
PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製する工程3:2つの金属のグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩を5〜2:1の質量比で混合し、混合物をエポキシ大豆油、流動パラフィンおよび亜リン酸エステルとともに反応フラスコに添加し、80℃〜150℃で1〜6時間保持することによりグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩を溶解し、その後、酸化防止剤およびβ−ジケトンを順に添加して30分保持し、その後、60℃まで冷却し、濾過することによって環境に優しいグリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を得る工程であって、成分の含有量を質量パーセントで計算すると、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩が30%〜45%、亜リン酸エステルが10%〜25%、酸化防止剤が0%〜5%、β−ジケトンが0%〜3%、流動パラフィンが1%〜5%、およびエポキシ大豆油が22%〜50%である、
工程を含む方法。
工程2におけるグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩を調製するプロセスにおいて、溶媒は、90〜120℃の沸点を有する高沸点石油エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよび1,4−ジオキサンの任意の1または2から選択される。
酸化防止剤は、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、テトラ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−4,4’−ビフェニレン)ジホスホナイトおよびジステアリルペンタエリトリトールジホスファイトの任意の1以上を任意の混合比で混合した混合物である。
亜リン酸エステルは、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジイソオクチルフェニル、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ビスフェノールAテトラ(C12−15)ジホスファイト、亜リン酸トリアルキル、亜リン酸フェニルジイソデシルおよび亜リン酸ジフェニルイソデシルの任意の1以上を任意の混合比で混合した混合物である。
β−ジケトンは、ジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、カルシウムジベンゾイルメタン、アセチルアセトンおよびジヒドロ酢酸の任意の1以上を任意の混合比で混合した混合物である。
触媒は、三酸化アルミニウム、炭酸リチウム、強酸陽イオン樹脂または酢酸マンガンである。
プロモーターは、活性粘土またはモンモリロナイトである。
有利な効果:
(1)本発明で調製されるグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩は、グリースの軟性セグメントと、テルペンチンの剛性縮合環構造とを一体化させたものであり、それにより、より高い熱安定性および靱性を備えるPVC製品を付与する。本発明により調製されるグリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤は優れた熱安定性を有し、これは市販の液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤の熱安定性に匹敵する。
(2)本発明により調製されるグリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤は有機溶媒を含有しないので、PVC調製プロセスにおける環境汚染を低減し、かつ、環境保護の利点を有する。
(3)石油資源がますます不足しているという現在の状況下で、植物油やテルペンチンなどの再生可能資源を原料として利用することは、石油資源の消費を減らし、緑の環境保護および持続可能な開発に対する要件を満たす。
(4)本発明は、プロセスが単純で反応条件が穏やかな、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩を直接的に調製する一工程プロセスを採用している。
図1はグリース/テルペンチン系二塩基酸亜鉛塩の広角および小角XRDスペクトル写真を示し、図1aは広角XRDスペクトル写真であり、図1bは小角XRDスペクトル写真である。 図2はグリース/テルペンチン系二塩基酸カルシウム塩の広角および小角XRDスペクトル写真を示し、図2aは広角XRDスペクトル写真であり、図2bは小角XRDスペクトル写真である。 図3はグリース/テルペンチン系二塩基酸、グリース/テルペンチン系二塩基酸カルシウム塩およびグリース/テルペンチン系二塩基酸亜鉛塩の赤外線スペクトルを示す。 図4は本発明のグリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤、輸入された液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤および市販されている国産の液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤のトルク・レオロジー曲線を示す。
本文書に包含されない全ての部分は、従来技術のものと同じであるか、または従来技術の技法を用いて実施可能である。以下に、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施形態に限定されない。当該実施形態に基づいてなされる非実質的な改良はいずれも本発明の保護範囲に入るものと認められる。
本発明に記載される金属石鹸は、金属のグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩を指す。
実施例1
(1)282gの工業用脂肪酸および302gのテルペンチン、当該工業用脂肪酸およびテルペンチンの全質量の4%である触媒三酸化アルミニウム、および当該工業用脂肪酸およびテルペンチンの全質量の50%であるプロモーター活性白土(atlapulgite)を、攪拌装置および温度計を備えるオートクレーブ内に添加し、0.5MPaの圧力で保持し、攪拌して200℃まで加熱し、6時間反応させ、その後加熱を停止し、80℃まで冷却する。系のpHを7に調節し、濾過し、水洗し、その後230℃/1〜2mmHgの条件下で蒸留して未反応テルペンチンおよび脂肪酸を除去する。それにより、蒸留フラスコ内に残った混合物は、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸である。
(2)1molのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸、当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の40%の投与量のプロピレングリコールモノメチルエーテル、および当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の50%の投与量の1,4−ジオキサンを反応フラスコに添加し、均質な状態になるまで攪拌し、1molの酸化亜鉛を添加し、およそ3.5時間100℃で保持し、その後1〜2mmHgの真空度で蒸留して高沸点石油エーテルおよび水を除去し、それによりグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩を得る。
(3)1molのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸、当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸と同重量の高沸点石油エーテルを反応フラスコに添加し、均質な状態になるまで攪拌し、1molの水酸化カルシウムを添加し、およそ3時間120℃で保持し、その後1〜2mmHgの真空度で蒸留して高沸点石油エーテルおよび水を除去し、それによりグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩を得る。
(4)10gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩、30gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩、40gのエポキシ大豆油、2gの流動パラフィンおよび15gの亜リン酸トリフェニルを反応フラスコに添加し、5時間90℃で保持して混合物を溶解し、その後、2gのビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイトおよび1gのステアロイルベンゾイルメタンを順に添加し、30分保持し、60℃まで冷却して濾過することにより、茶色い透明な液体、すなわち、PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を得る。
本例の調製プロセスにおける中間生成物であるグリース/テルペンチン系二塩基酸亜鉛塩およびグリース/テルペンチン系二塩基酸カルシウム塩のXRDスペクトル写真を図1および図2に示す。一般的に言えば、非結晶性サンプルの回折スペクトルは、1(または2)の広範な拡散/ピークを呈するが、結晶性サンプルの回折スペクトルは一連の鋭い回折ピークを呈する。調製されたグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩の回折ピークは明白に広がり、かつ、拡散した回折ピークを呈するが、このことは、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩が非結晶状態であることを示している。調製されたグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩のXRDスペクトル写真は、非結晶性の拡散したピークと鋭い回折ピークの両方を有しており、このことは、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩中に結晶状態と非結晶状態とが共存することを示している。
本例の調製プロセスにおける中間生成物であるグリース/テルペンチン系二塩基酸、グリース/テルペンチン系二塩基酸カルシウム塩およびグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩の赤外線スペクトル写真を図3に示す。2922cm−1および2852cm−1でのピークが−CHおよび−CH−におけるC−Hの特徴的な伸縮振動吸収ピークであることが分かる。グリース/テルペンチン系二塩基酸カルシウム塩およびグリース/テルペンチン系二塩基酸亜鉛塩の赤外線スペクトル写真の最も重要な特徴は、1701cm−1でのカルボキシルのC=Oの伸縮振動吸収ピークが消失し、一方でカルボキシレートの非対称な伸縮振動ピーク(強いピーク)が1546cm−1および1571cm−1に出現することであり、このことは、酸の塩化反応が起こったことを示している。下記例の調製プロセスにおける中間生成物であるグリース/テルペンチン系二塩基酸、グリース/テルペンチン系二塩基酸カルシウム塩およびグリース/テルペンチン系二塩基酸亜鉛塩の赤外線スペクトルは、実施例1に記載される赤外線スペクトルと本質的には同じであるので、詳述しない。
実施例2
(1)846gの工業用脂肪酸および302gのテルペンチン、当該工業用脂肪酸およびテルペンチンの全質量の3%である触媒カルボン酸リチウム、および当該工業用脂肪酸およびテルペンチンの全質量の30%であるプロモーターモンモリロナイトを、攪拌装置および温度計を備えるオートクレーブ内に添加し、0.4MPaの圧力で保持し、攪拌して250℃まで加熱し、4時間反応させ、その後加熱を停止し、80℃まで冷却する。系のpHを7に調節し、濾過し、水洗し、その後250℃/1〜2mmHgの条件下で蒸留して未反応テルペンチンおよび脂肪酸を除去する。それにより、蒸留フラスコ内に残った混合物は、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸である。
(2)1molのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸、当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の50%の投与量のプロピレングリコールモノメチルエーテル、および当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の50%の投与量の1,4−ジオキサンを反応フラスコに添加し、均質な状態になるまで攪拌し、0.95molの酸化亜鉛を添加し、およそ3時間120℃で保持し、その後1〜2mmHgの真空度で蒸留して高沸点石油エーテルおよび水を除去し、それによりグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩を得る。
(3)1molのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸、当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の90%の投与量のプロピレングリコールモノメチルエーテルを反応フラスコに添加し、均質な状態になるまで攪拌し、0.8molの水酸化カルシウムを添加し、3.5時間100℃で保持し、1〜2mmHgの真空度で蒸留して高沸点石油エーテルおよび水を除去し、それによりグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩を得る。
(4)8gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩、24gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩、45gのエポキシ大豆油、2gの流動パラフィンおよび15gの亜リン酸ジイソオクチルフェニルを反応フラスコに添加し、3時間120℃で保持して混合物を溶解し、その後、4gのテトラ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−4,4’−ビフェニレン)ジホスホナイトおよび2gのステアロイルベンゾイルメタンを順に添加し、30分保持し、60℃まで冷却して濾過することにより、茶色がかった黄色い透明な液体、すなわち、PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を得る。
実施例3
(1)564gの工業用脂肪酸および302gのテルペンチン、当該工業用脂肪酸およびテルペンチンの全質量の5%である触媒強酸陽イオン樹脂、および当該工業用脂肪酸およびテルペンチンの全質量の20%であるプロモーター活性白土を、攪拌装置および温度計を備えるオートクレーブ内に添加し、1MPaの圧力で保持し、攪拌して280℃まで加熱し、3時間反応させ、その後加熱を停止し、70℃まで冷却する。系のpHを7に調節し、濾過し、水洗し、その後280℃/1〜2mmHgの条件下で蒸留して未反応テルペンチンおよび脂肪酸を除去する。それにより、蒸留フラスコ内に残った混合物は、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸である。
(2)1molのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸、当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の50%の投与量の高沸点石油エーテルを反応フラスコに添加し、均質な状態になるまで攪拌し、0.8molの酸化亜鉛を添加し、およそ0.5時間150℃で保持し、その後1〜2mmHgの真空度で蒸留して高沸点石油エーテルおよび水を除去し、それによりグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩を得る。
(3)1molのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸、当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の80%の投与量の高沸点石油エーテルを反応フラスコに添加し、均質な状態になるまで攪拌し、0.9molの水酸化カルシウムを添加し、およそ1時間140℃で保持し、その後1〜2mmHgの真空度で蒸留して高沸点石油エーテルおよび水を除去し、それによりグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩を得る。
(4)7.5gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩、37.5gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩、27gのエポキシ大豆油、1gの流動パラフィンおよび25gの亜リン酸フェニルジイソデシルを反応フラスコに添加し、1時間150℃で保持して混合物を溶解し、その後、1gのトリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトおよび1gのジベンゾイルメタンを順に添加し、30分保持し、60℃まで冷却して濾過することにより、茶色がかった黄色い透明な液体、すなわち、PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を得る。
実施例4
実施例2で調製した7gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩および28gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩、45gのエポキシ大豆油、4gの流動パラフィンおよび11gのトリス(ノニルフェニル)ホスファイトを反応フラスコに添加し、1時間150℃で保持して混合物を溶解し、その後、3gのビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイトおよび2gのデヒドロ酢酸を順に添加し、30分保持し、60℃まで冷却して濾過することにより、茶色い透明な液体、すなわち、PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を得る。
実施例5
実施例3で調製した7.5gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩および37.5gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩、22gのエポキシ大豆油、5gの流動パラフィン、10gの亜リン酸トリフェニルおよび10gの亜リン酸トリアルキルを反応フラスコに添加し、6時間80℃で保持して混合物を溶解し、その後、3gのテトラ−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−4,4’−ビフェニレン)ジホスホナイト、2gのジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、2gのステアロイルベンゾイルメタンおよび1gのカルシウムジベンゾイルメタンを順に添加し、30分保持し、60℃まで冷却して濾過することにより、茶色い透明な液体、すなわち、PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を得る。
実施例6
実施例3で調製した6gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩および18gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩、35gのエポキシ大豆油、2.0gの流動パラフィンおよび14.0gの亜リン酸トリフェニルを反応フラスコに添加し、5時間90℃で保持して混合物を溶解し、その後、60℃まで冷却して濾過することにより、茶色い透明な液体、すなわち、PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を得る。
比較例1
市場における主要ブランドの熱安定剤を幾つか選択し、同投与量および同処方の条件下で、本発明で調製された液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤と比較してそれらの性能を比較する。
Figure 2015507042
Figure 2015507042
Figure 2015507042
静的熱安定性実験:実験群1、比較群1および比較群2の材料をそれぞれ処方に従って均質な状態になるまで混合し、60.0gのサンプルを採取し、トルクレオメーター内でそれぞれ165〜170℃、30r/分の回転速度で3分間可塑化し、可塑化された材料を小型フラット加硫機でプレスして厚さ1mmの試験片とする。GB/T2917.1−2002に規定されたコンゴーレッド試験法によって180℃での生成物の静的熱安定性を調べる。
動的熱安定性実験:実験群1、比較群1および比較群2の材料をそれぞれ処方に従って均質な状態になるまで混合し、64gのサンプルを採取し、トルクレオメーター内でそれぞれ30.0r/分の初期回転速度で試験する。ミキサー内での試験点は、T1=180.5℃、T2=180.9℃およびT3=182.3℃である。
引張特性試験:HAAKE(ドイツ)製Minijet II機においてAHTM D638型Vダンベル金型を用いて噴射成形することによって、初期スケール距離7.62mで、厚さ3.18mmおよび幅3.18mmの延伸ゾーンを有するダンベル型引張サンプルを調製する。10mm/分の引張試験速度で材料の引張特性を試験する。GB/T 1040−1992「プラスチック伸長性能の試験法」に規定される試験法に従って、CMT400マイクロコンピューター制御電子万能試験機(Shenzhen SANS製)により、5つのサンプルを各群において平行に試験する。
実験群1、比較群1および比較群2の静的熱安定性、動的熱安定性およびトルク・レオロジー曲線の比較を表1および図4に示す。これらの群の引張特性の比較を表2に示す。この比較から、本発明で提供される生成物が、同様の生成物よりも熱安定性の点で著しく優れており、機械的特性の点で同様の生成物に匹敵し、かつ、明白な市場価値を有するPVC熱安定剤であることが分かる。
Figure 2015507042
Figure 2015507042
実施例7
(1)226gの工業用脂肪酸および302gのテルペンチン、当該工業用脂肪酸およびテルペンチンの全質量の2%である触媒三酸化アルミニウム、および当該工業用脂肪酸およびテルペンチンの全質量の40%であるプロモーターモンモリロナイトを、攪拌装置および温度計を備えるオートクレーブ内に添加し、0.7MPaの圧力で保持し、攪拌して230℃まで加熱し、5時間反応させ、その後加熱を停止し、80℃まで冷却する。系のpHを7に調節し、濾過し、水洗し、その後260℃/1〜2mmHgの条件下で蒸留して未反応テルペンチンおよび脂肪酸を除去する。それにより、蒸留フラスコ内に残った混合物は、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸である。
(2)1molのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸、当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸と同量のプロピレングリコールモノメチルエーテルを反応フラスコに添加し、均質な状態になるまで攪拌し、0.9molの酸化カルシウムを添加し、4時間80℃で保持し、その後2mmHgの真空度で蒸留して高沸点石油エーテルおよび水を除去し、それによりグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩を得る。
(3)1molのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸、当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の50%の投与量のプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の50%の投与量の高沸点石油エーテルを反応フラスコに添加し、均質な状態になるまで攪拌し、0.95molの酸化亜鉛を添加し、およそ3.5時間90℃で保持し、その後2mmHgの真空度で蒸留して高沸点石油エーテルおよび水を除去し、それによりグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩を得る。
(4)8gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩、32gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩、40gのエポキシ大豆油、2gの流動パラフィンおよび15gの亜リン酸トリアルキルを反応フラスコに添加し、2時間140℃で保持して混合物を溶解し、その後、2gのジステアリルペンタエリトリトールジホスファイトおよび1gのカルシウムジベンゾイルメタンを順に添加し、30分保持し、60℃まで冷却して濾過することにより、茶色がかった黄色い透明な液体、すなわち、PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を得る。
実施例8
実施例7で調製した10gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩および20gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩、45gのエポキシ大豆油、5gの流動パラフィンおよび14gのビスフェノールAテトラ(C12−15)ジホスファイトを反応フラスコに添加し、3時間120℃で保持して混合物を溶解し、その後、2gのビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、2gのトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトおよび2gのアセチルアセトンを順に添加し、30分保持し、60℃まで冷却して濾過することにより、茶色い透明な液体、すなわち、PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を得る。
比較例2
Figure 2015507042
Figure 2015507042
静的熱安定性実験:実験群1および比較群1の材料をそれぞれ処方に従って均質な状態になるまで混合し、60.0gのサンプルを採取し、トルクレオメーター内でそれぞれ165〜170℃、30r/分の回転速度で3分間可塑化し、可塑化された材料を小型フラット加硫機でプレスして厚さ1mmの試験片とする。GB/T9349−2001に規定された熱時効オーブン法(方法B)によって180℃での生成物の静的熱安定性を調べる。
実験群1および比較群1間の静的熱安定性の比較を表3に示す。この比較から、本発明で提供される生成物が、熱安定性の点で市販されている同様の生成物に匹敵することが分かる。
Figure 2015507042
実施例9
(1)5molの工業用脂肪酸および1molのテルペンチン、当該工業用脂肪酸およびテルペンチンの全質量の1%である触媒酢酸マンガン、および当該工業用脂肪酸およびテルペンチンの全質量の40%であるプロモーター活性白土を、攪拌装置および温度計を備えるオートクレーブ内に添加し、0.8MPaの圧力で保持し、攪拌して240℃まで加熱し、4.5時間反応させ、その後加熱を停止し、80℃まで冷却する。系のpHを7に調節し、濾過し、水洗し、その後240℃/1〜2mmHgの条件下で蒸留して未反応テルペンチンおよび脂肪酸を除去する。それにより、蒸留フラスコ内に残った混合物は、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸である。
(2)1molのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸、当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の30%の投与量のプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の20%の投与量の高沸点石油エーテルを反応フラスコに添加し、均質な状態になるまで攪拌し、0.90molの酸化亜鉛を添加し、2.5時間120℃で保持し、その後1〜2mmHgの真空度で蒸留して高沸点石油エーテルおよび水を除去し、それによりグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩を得る。
(3)1molのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸、当該グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の70%の投与量の高沸点石油エーテルを反応フラスコに添加し、均質な状態になるまで攪拌し、0.98molの水酸化カルシウムを添加し、およそ4時間100℃で保持し、その後1〜2mmHgの真空度で蒸留して高沸点石油エーテルおよび水を除去し、それによりグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩を得る。
(4)6gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩、30gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩、40gのエポキシ大豆油、1gの流動パラフィン、10gのフェニルジイソデシルホスファイトおよび10gのジフェニルイソデシルホスファイトを反応フラスコに添加し、2.5時間130℃で保持して混合物を溶解し、その後、2gのテトラ−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−4,4’−ビフェニレン)ジホスホナイトおよび1gのステアロイルベンゾイルメタンを順に添加し、30分保持し、60℃まで冷却して濾過することにより、茶色い透明な液体、すなわち、PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を得る。
実施例10
実施例8で調製した6gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩および30gのグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩、35gのエポキシ大豆油、2.0gの流動パラフィンおよび10.0gの亜リン酸トリフェニルを反応フラスコに添加し、4時間100℃で保持して混合物を溶解し、その後、2gのカルシウムジベンゾイルメタンを添加し、30分保持し、60℃まで冷却して濾過することにより、茶色い透明な液体、すなわち、PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を得る。

Claims (7)

  1. PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製するための方法であって、
    グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸を調製する工程1:22.6〜141pbwの工業用脂肪酸と30.2pbwのテルペンチンとを事前混合し、プロモーターおよび触媒を、工業用脂肪酸およびテルペンチンの全質量の20%〜50%および1%〜5%の投与量でそれぞれ添加し、0.4〜1MPaの圧力を保持し、攪拌して200〜280℃まで加熱し、3〜6時間反応させ、その後加熱を停止して100℃未満の温度まで冷却し、系のpHを7に調節し、濾過し、水洗し、230〜280℃/1〜2mmHgの条件下で蒸留することによって未反応テルペンチンおよび脂肪酸を除去する工程であって、蒸留フラスコ内に残った混合物がグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸であり、
    グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩を調製する工程2:グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸:ZnOまたはカルシウム塩の比=0.8〜1:1(モル:モル)を利用し、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸およびグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸の質量の50%〜100%の投与量の溶媒を反応フラスコに添加し、均質な状態になるまで攪拌し、酸化亜鉛を添加し、80〜150℃まで加熱し、0.5〜4時間還流させ、1〜2mmHgの真空度で蒸留することによって溶媒を除去し、それにより、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸亜鉛塩またはグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸カルシウム塩を得る工程であって、カルシウム塩が水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムであり、
    PVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製する工程3:2つの金属のグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩を5〜2:1の質量比で混合し、混合物をエポキシ大豆油、流動パラフィンおよび亜リン酸エステルとともに反応フラスコに添加し、80℃〜150℃で1〜6時間保持することによりグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩を溶解し、その後、酸化防止剤およびβ−ジケトンを順に添加して30分保持し、その後、60℃まで冷却し、濾過することによって環境に優しいグリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を得る工程であって、成分の含有量を質量パーセントで計算すると、グリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩が30%〜45%、亜リン酸エステルが10%〜25%、酸化防止剤が0%〜5%、β−ジケトンが0%〜3%、流動パラフィンが1%〜5%、およびエポキシ大豆油が22%〜50%である、
    工程を含む方法。
  2. 工程2におけるグリース/テルペンチン系複合体二塩基酸塩を調製するプロセスにおいて、溶媒が、90〜120℃の沸点を有する高沸点石油エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよび1,4−ジオキサンの任意の1または2から選択される、請求項1に記載のPVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製するための方法。
  3. 酸化防止剤が、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、テトラ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−4,4’−ビフェニレン)ジホスホナイトおよびジステアリルペンタエリトリトールジホスファイトの任意の1以上を任意の混合比で混合した混合物である、請求項1に記載のPVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製するための方法。
  4. 亜リン酸エステルが、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジイソオクチルフェニル、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ビスフェノールAテトラ(C12−15)ジホスファイト、亜リン酸トリアルキル、亜リン酸フェニルジイソデシルおよび亜リン酸ジフェニルイソデシルの任意の1以上を任意の混合比で混合した混合物である、請求項1に記載のPVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製するための方法。
  5. β−ジケトンが、ジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、カルシウムジベンゾイルメタン、アセチルアセトンおよびジヒドロ酢酸の任意の1以上を任意の混合比で混合した混合物である、請求項1又は4に記載のPVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製するための方法。
  6. 触媒が、三酸化アルミニウム、炭酸リチウム、強酸陽イオン樹脂または酢酸マンガンである、請求項1に記載のPVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製するための方法。
  7. プロモーターが、活性粘土またはモンモリロナイトである、請求項1に記載のPVC用グリース/テルペンチン系液状カルシウム−亜鉛複合体熱安定剤を調製するための方法。
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