JP2015506090A - 接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料及びその製造方法と用途 - Google Patents

接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料及びその製造方法と用途 Download PDF

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Abstract

本発明は、高強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料、及びその製造方法と用途を提供し、前記磁気熱量材料に磁気熱量効果を示す合金粒子とバインダを含み、その内、前記磁気熱量効果を示す合金粒子の粒径範囲が800mm以下であり、且つ前記磁気熱量効果を示す合金粒子が前記バインダによって塊状材料に粘着される。前記磁気熱量効果を示す合金粒子は、NaZn13型構造を有し、化学式としてLa1-xRx(Fe1-p-qCopMnq)13-ySiyAαで表され、式中の各変数の定義は、明細書に記載された通りである。本発明は、バインダによる接着手段に加えて加熱硬化によって成形させる方法を採用し、成形圧力、加熱硬化温度、及び加熱硬化雰囲気等を調整することで高強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料を得ることができ、また、磁気熱量材料が潰れ易いという固有特性を抑止し、磁気エントロピー変化の大きさが接着処理前と比べてほとんど変わらず、磁気ヒステリシス損失が成形圧力増加につれて減少し、最大消耗を除いた有効冷凍能力が変わらないか、もしくは一定程度で上昇する。【選択図】なし

Description

発明の属する技術分野
本発明は、磁気熱量材料の技術分野に属すものである。具体的には、本発明は、高強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料、及びその製造方法と材料用途に関する。より具体的には、本発明は、エポキシ樹脂接着剤、ポリイミド接着剤等のバインダを用いて接着し、更に加熱硬化させることによって製造される高強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料、及びその製造方法と材料用途に関する。
従来の技術
冷凍産業によるエネルギー消費は、社会総エネルギー消費量の15%以上を占めている。現在、広く使われているガス圧縮冷凍技術は、そのカルノーサイクルの効率が最高で25%程度であり、且つガス圧縮冷凍に使われるガス冷媒が大気中のオゾン層を破壊して温室効果を引き起こす虞がある。そこで、汚染のない、グリーンで環境に優しい冷凍材料に対して需要が広がっており、新型の低エネルギー消耗、高効率の冷凍技術を開発することが全世界範囲の急務として解決すべき課題となっている。
磁気冷凍技術は、グリーンで環境に優しく、並びに高効率、省エネルギー、安定性と信頼性が高いといった特徴があり、近年、広く世界範囲から注目を浴びている。米国、中国、オランダ、日本より数種類の室温から高温域に亘って巨大磁気熱量効果を示す材料、例えば、Gd−Si−Ge、LaCaMnO3、Ni−Mn−Ga、La(Fe,Si)13系化合物、Mn−Fe−P−As、MnAs等の化合物が次々と発見されたことで、人々のグリーンで環境に優しい磁気冷凍技術に対する期待がこれまで以上にますます高まっている。これらの新型の巨大磁気熱量効果を示す材料は、その共通する特徴として、磁気エントロピー変化がいずれも伝統的な室温磁気冷凍材料であるGdより高く、一次相転移性質を備えると同時に、多くが強い磁気カップリング特性を呈しており、且つ磁気相転移が著しい結晶構造の相転移を伴っている。一方、これらの新型の材料は、例えば、Gd−Si−Geは、高価に加えて製造に際して原料を更に精製する必要があり、Mn−Fe−P−As、MnAs等の化合物は、原料に毒性があり、また、NiMn系Hersler合金は、ヒステリシス損失が大きいという特徴がある等、異なる材質特性を示している。
この数十年で発見された何種類の新材料の内、現在、国際的に広く認められ、且つ高温ないし室温域の磁気冷凍実用化に最も近いのはLa(Fe,Si)13系化合物である。当該合金は、原料価格が低く、相転移温度、相転移性質及びヒステリシス損失が組成を調整することで調整可能である等といった特徴があり、室温付近での磁気エントロピー変化がGdに比べて一倍高い。そこで、今まで既に数カ国の研究グループがLa(Fe,Si)13系磁気冷凍材料を試作テストに用い、冷凍性能においてGdより優れていることが実証されている。
La(Fe,Si)13系化合物の相転移性質を組成調整によって変えることができるとのことは、幾つかの研究から明らかになり、例えば、Si含有量の低い化合物は、通常、一次相転移の性質を示すが、Co含有量の増加につれてキュリー温度が上昇し、一次相転移性質が弱まって徐々に二次相転移へと切り替わり、ヒステリシス損失が徐々に低下する(二次相転移は、ヒステリシス損失がない)。しかし、組成と交換作用に変化がでた結果、磁気熱量効果の大きさも次第に低下する。Mnを添加すると、交換作用を影響することでキュリー温度を下げる効果を示し、一次相転移性質が弱まり、ヒステリシス損失が徐々に低下し、次第に磁気熱量効果の大きさも低下する。一方、Laに替わって小さい希土類磁気原子(例えば、Ce、Pr、Nd)を用いると、一次相転移性質が強まり、ヒステリシス損失、並びに磁気熱量効果が大きくなることが確認できている。また、小さい原子半径を有する格子間原子(例えば、C、H、B等)の導入は、キュリー温度を高める効果があり、比較的高い温度域範囲で磁気熱量効果を引き起こし、例えば、分子式LaFe11.5Si1.5αで表される化合物の格子間原子Hの含有量がα=0からα=1.8に増加されると、相転移温度(磁気熱量効果のピーク温度)が200Kから350Kに上昇する。したがって、巨大磁気熱量効果を示す一次相転移のLa(Fe,Si)13系化合物を実際の磁気冷凍に応用し、引いては理想な冷凍効果を得ることに対して期待がますます高まっている。
ところで、La(Fe,Si)13系化合物(特に、一次相転移の性質を示す材料)は、強い磁気カップリング特性(材料の固有特性)が起因となって耐圧強度が不十分であり、潰れ易く、耐食性に劣る特徴がある。例えば、特定の組成を用いて新たに製造した試料は完成寸前でブチブチ潰れてしまい、更に空気中に放っておくと自発的に粉化する。材料に潰れ易い特徴があるので、磁気冷凍の作業冷媒として冷凍サイクルに用いる場合、潰れてできた粉体によりサイクル流路が塞がれ、磁気冷凍の効率が低下し、冷凍装置の長寿命化に影響を与える虞がある。
中国特許出願CN101755312Aに反応焼結磁気熱交換用の構造体及びその製造方法が開示されており、当該構造体は、(La1-aa)(Fe1-b-cbc13-d基相合金を含み、その製造方法として、La前駆体、Fe前駆体とY前駆体等を含む前駆体粉体を混ぜ合わせ、圧縮して素地に仕上げ、その後、1000〜1200℃の間の温度下で2〜24時間かけて焼結することによって(La1-aa)(Fe1-b-cbc13-dの組成を有する相を形成させることが含まれている。このような粉体製錬の方法を採用することで、La(Fe,Si)13系磁気熱量材料を磁気冷凍装置の要求に満足できる作業物質形状に成形させることができる。例えば、Co配合のLa(Fe,Si)13系室温磁気熱量材料は、通常、2次相転移性質(磁気カップリングが比較的弱く、磁気相転移に伴う格子膨張が比較的に緩やかで、比較的弱い)を示しており、粉体製錬の方法にて試作機の要求に満足できる作業物質形状に成形させることができ、且つ一定程度の耐圧強度があり、循環の際に微細亀裂が入ることはほとんどない(または、微細亀裂が比較的少ない)。しかしながら、一次相転移のLa(Fe,Si)13系材料(磁気カップリングが強く、磁気相転移の際に著しい格子膨張を伴う)については、粉体精錬の方法にて製造される規則形状の作業物質が循環の際に微細亀裂や破裂が発生することを避けることができず、力学的性質が理想とは言えず、材料の実用化に制限があるのが現状である。
本発明は、上述したような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、高強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料を提供することをその目的とする。
また、本発明の別の一つの目的は、前記高強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料の製造方法を提供するものである。
本発明の更なる一つの目的は、前記高強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料を含んでなる磁気冷凍装置を提供するものである。
また、本発明の更なる一つの目的は、前記高強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料の磁気冷凍材料製造における応用を提供するものである。
本発明の目的は、以下の技術案により実現される。即ち、
本発明に係る高強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料は、前記磁気熱量材料に磁気熱量効果を示す合金粒子とバインダを含み、その内、前記磁気熱量効果を示す合金粒子の粒径範囲が800μm以下で、且つ前記磁気熱量効果を示す合金粒子が前記バインダによって塊状材料に粘着されており、
前記磁気熱量効果を示す合金粒子は、NaZn13型構造を有し、且つ化学式としてLa1-xx(Fe1-p-qCopMnq13-ySiyαで表され、式中、
Rは、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、及びネオジム(Nd)元素から選ばれる1種または2種以上を表し
Aは、炭素(C)、水素(H)、及びホウ素(B)元素から選ばれる1種または2種以上を表し、
xの範囲は、0≦x≦0.5であり、
yの範囲は、0.8≦y≦2であり、
pの範囲は、0≦p≦0.2であり、
qの範囲は、0≦q≦0.2であり、
αの範囲は、0≦α≦3.0である。
本発明は、更に上記磁気熱量材料の製造方法を提供し、当該方法は、以下の1)〜5)のステップを含む。即ち、
1)化学式に従って原料を調製し、または化学式中のAが水素元素を含む場合、水素以外の原料を化学式に従って調製し、
2)ステップ1)で調製された原料をアーク炉に入れ、真空引きしてアルゴンガスに洗浄し、アルゴンガス雰囲気で溶融させて合金インゴットを得、
3)ステップ2)で溶融済みの合金インゴットを真空下で焼鈍し、その後、液体窒素または水に浸して焼入れ処理を行い、NaZn13型構造を有するLa1-xx(Fe1-p-qCopMnq13-ySiyα系の磁気熱量効果を示す合金を製造し、
4)ステップ3)で製造された磁気熱量効果を示す合金を粉砕し、粒径が800μm以下の磁気熱量効果を示す合金粒子を得、
5)バインダとステップ4)で得られる磁気熱量効果を示す合金粒子を均一に混ぜ合わせ、圧縮して成形させ、更に硬化処理を経て塊状材料を得、
その内、化学式中のAが水素元素を含む場合、前記ステップ5)の硬化処理は水素雰囲気で行う。
本発明は、更に磁気冷凍装置を提供し、前記冷凍装置は、本発明に係る磁気熱量材料、または本発明に係る製造方法を用いて製造される磁気熱量材料を含んでなる。
本発明は、更に前記磁気熱量材料、または本発明に係る製造方法を用いて製造される磁気熱量材料の磁気冷凍材料製造における応用を提供する。
従来の技術に比べ、本発明の長所は、以下の1)〜4)に示される。即ち、
1)La(Fe,Si)13系磁気熱量材料に少量のバインダを導入し、加熱硬化によって成形させる方法を採用すると同時に、成形圧力、加熱硬化温度、及び加熱硬化雰囲気等を調整することで高強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料を製造し、よって、材料が潰れ易い固有特性を抑止ことができる。
2)磁気エントロピー変化(磁気熱量効果を表す変数)の大きさが接着する前と比べほとんど変わらず、磁気ヒステリシス損失が成形圧力の増大につれて減少し、最大損失を除いた有効冷凍能力が変動することはほとんどなく、もしくは一定程度で上昇することが可能である。
3)冷凍作業物質に対する磁冷凍装置の実際要求に応じ、任意の形状と大きさで冷凍作業物質を作製することができる。
4)本発明に係る高強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料の製造方法は、操作プロセスが簡便であり、操作性に優れて産業化生産を実現し易く、また、本発明に用いるバインダが安価(約40〜50元/Kg)であるため、加熱硬化によって成形させる方法を利用して得られる高強度のLa(Fe,Si)13系磁気熱量材料が価格面に優勢があり、このような材料の磁気冷凍への実用化に非常に有用である。
以下、図面に基づいて本発明を詳述する。そのうち、
実施例1に係るLaFe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる成形圧力で成形させ、アルゴンガス雰囲気と真空状態下で硬化させて得られる塊状材料の室温X線回折(XRD)パターンを示す図であり、挿絵に本発明の実施例1のステップ4)で製造されるLaFe11.6Si1.40.2合金粒子の形態を示す 。 実施例1に係るLaFe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる成形圧力で成形させ、アルゴンガス雰囲気と真空状態において硬化させて得られる塊状材料の0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)である。 実施例1に係るLaFe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる成形圧力で成形させ、アルゴンガス雰囲気と真空状態において硬化させて得られる塊状材料の、異なる温度での磁場変化に伴う磁化特性を示す曲線(MH曲線)、及びヒステリシス損失と温度変化との関係を示す曲線である。 実施例1に係るLaFe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる成形圧力で成形させ、アルゴンガス雰囲気と真空状態において硬化させて得られる塊状材料の、異なる磁場での磁気エントロピー変化(ΔS)の温度依存性(磁場増加時のΔSを算出する)を示す曲線である。 実施例1のステップ7)で得られる塊状材料の負荷圧力と歪みとの関係を示す図であり、右側の挿絵に塊状材料の形態と圧力印加によって潰れた後の形態を示す。 実施例1のステップ7)で得られる塊状材料の、耐圧強度の成形圧力に対する依存関係を示す図である。 実施例2に係るLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる成形圧力で成形させ、真空状態において硬化させて得られる塊状材料の室温X線回折(XRD)パターンを示す図である。 実施例2に係るLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる成形圧力で成形させ、真空状態において硬化させて得られる塊状材料の0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)である。 実施例2に係るLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる成形圧力で成形させ、真空状態において硬化させて得られる塊状材料の、異なる温度での磁場変化に伴う磁化特性を示す曲線(M−H曲線)、及びヒステリシス損失と温度変化との関係を示す図である。 実施例2に係るLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる成形圧力で成形させ、真空状態において硬化させて得られる塊状材料の、異なる磁場での磁気エントロピー変化(ΔS)の温度依存性(磁場増加時のΔSを算出する)を示す図である。 実施例2に係るLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金粒子を異なる成形圧力で成形させ、真空状態において硬化させて得られる塊状材料の負荷圧力と歪みとの関係を示す図であり、右側の挿絵に塊状材料の形態と圧力印加によって潰れた後の形態を示す。 実施例2のステップ7)で得られる塊状材料の、耐圧強度の成形圧力に対する依存関係を示す図である。 実施例3に係るLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3(Fe0.9Co0.111.9Si1.1合金粒子、及び1.0GPaの圧力下で成形させ、真空状態において硬化させて得られる塊状材料の室温X線回折(XRD)パターンを示す図である。 実施例3に係るLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3(Fe0.9Co0.111.9Si1.1合金粒子を1.0GPaの圧力下で成形させ、真空状態において硬化させた後の試料の負荷圧力と歪みとの関係を示す図である。 実施例4で得られる接着La0.5Pr0.5Fe11.0Si2.02.6塊状材料の室温X線回折(XRD)パターンを示す図である。 実施例4で得られる接着La0.5Pr0.5Fe11.0Si2.02.6塊状材料の0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)である。 実施例4で得られる接着La0.5Pr0.5Fe11.0Si2.02.6塊状材料の異なる印加磁場において磁場増加時のΔSの温度依存性を示す図である。 実施例4で得られる接着La0.5Pr0.5Fe11.0Si2.02.6塊状材料の負荷圧力と歪みとの関係を示す図である。 実施例5に係るLaFe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる硬化温度で成形させ、更に硬化処理を施した塊状材料の、0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)である。 実施例5に係るLaFe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる硬化温度で成形させ、更に硬化処理を施した塊状材料の、異なる温度で磁場変化に伴う磁化特性を示す曲線(M−H曲線)である。 実施例5に係るLaFe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる硬化温度で成形させ、更に硬化処理を施した塊状材料の、異なる磁場での磁気エントロピー変化(ΔS)の温度依存性(磁場増加時のΔSを算出する)を示す図である。 実施例5に係るLaFe11.6Si1.40.2合金粒子を異なる硬化温度で成形させ、更に硬化処理を施した塊状材料の負荷圧力と歪みとの関係を示す図である。 実施例6で得られるLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金ブロックの室温X線回折(XRD)パターンを示す図である。 実施例6で得られるLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金ブロック、及び三つの粒径範囲の試料の、0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)である。 実施例6で得られるLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金ブロック、及び三つの粒径範囲の試料の、a)異なる温度で磁場変化に伴う磁化特性を示す曲線(M−H曲線)、及びb)ヒステリシス損失の温度に対する依存関係を示す図である。 実施例6で得られるLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金ブロック、及び三つの粒径範囲の試料の、異なる印加磁場において磁場増加時のΔSの温度依存性を示す図である。 実施例6で得られる粒径範囲が10μm未満の試料の、a)磁化特性を示す曲線(M−H曲線)、及びb)異なる印加磁場において磁場増加時のΔSの温度依存性を示す図である。 実施例7で得られるLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.12.9合金ブロックの室温X線回折(XRD)パターンを示す図である。 実施例7で得られるLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.12.9水素化物を接着させて硬化させた後の、a)0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)、及びb)0〜5Tの磁場変化に伴う磁気エントロピー変化(ΔS)の温度依存性(磁場増加時のΔSを算出する)を示す図である。 実施例7で得られるLa0.7Pr0.3Fe11.5Si1.50.20.050.55水素化物を接着させて硬化させた後の、a)0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)、及びb)0〜5Tの磁場変化に伴う磁気エントロピー変化(ΔS)の温度依存性(磁場増加時のΔSを算出する)を示す図である。 実施例8で得られるLa0.8Ce0.2Fe11.4Si1.6α(α=0、0.2及び0.4)の3種類の合金を1.0GPaの圧力で成形させ、真空状態において硬化させた後の塊状材料の室温X線回折(XRD)パターンを示す図である。 実施例8で得られるLa0.8Ce0.2Fe11.4Si1.6α(α=0、0.2及び0.4)の3種類の合金を1.0GPaの圧力で成形させ、真空状態において硬化させた後の塊状材料の0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)である。 実施例8で得られるLa0.8Ce0.2Fe11.4Si1.6α(α=0、0.2及び0.4)の3種類の合金を1.0GPaの圧力で成形させ、真空状態において硬化させた後の塊状材料の0〜5Tの磁場変化に伴う磁気エントロピー変化(ΔS)の温度依存性(磁場増加時のΔSを算出する)を示す図である。 実施例9で得られるLa0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)の2種類の合金ブロックの室温X線回折(XRD)パターンを示す図である。 実施例9で得られるLa0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)の2種類の合金ブロックの0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)である。 実施例9で得られるLa0.9(Ce,Pr,Nd)0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)の2種類の合金ブロックの0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)である。
以下、本発明の目的に合わせて本発明の実施形態について具体的に説明する。
具体的に言うと、本発明は、バインダ(例えば、エポキシ樹脂接着剤、ポリイミド接着剤等)を使って接着させ、更に加熱硬化させることによって製造される高強度を備えるLa(Fe,Si)13系磁気熱量材料、その製造方法及び材料用途を提供するものである。上述の目的を達成すべく本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、バインダを導入し、更に加熱硬化させて成形させる方法を採用するに当たって適当なバインダ、成形圧力の調整、加熱硬化温度、加熱硬化する際の雰囲気等を選ぶことで高強度の接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料を得ることができ、磁気エントロピー変化(磁気熱量効果を表すパラメーター)の大きさが接着する前と比べてほとんど変わらず、磁気ヒステリシス損失が成形圧力の増大につれて減少し、最大損失を除いた有効冷凍能力が変わらないか、もしくは一定程度で上昇することを見出した。また、磁気冷凍装置の作業物質に対する実際要求に応じて任意の形状、大きさに製造することも可能である。また、硬化時間、硬化温度、硬化後の材料強度、強靭性等の力学的指数は、エポキシ樹脂及び相応する硬化剤、促進剤の種類と配合割合等によって決められる。エポキシ樹脂接着剤、ポリイミド接着剤等の有機バインダが安価であるため(約40〜50元/Kg)、加熱硬化を経て成形させる方法を採用することによって製造される高強度のLa(Fe,Si)13系磁気熱量材料は、このような材料を磁気冷凍へ実用化するに重要な意義があると思われる。
本発明を十分に理解できるように、以下、本明細書で使われる一部の用語について説明を行う。本明細書で使われる用語は、本発明に係る技術分野の普通の技術者が一般に理解されるものと同じ意味を有する。
特に説明がない限り、本明細書で使われる用語として「LaFe13-xx」が対応する「NaZn13型構造」または「1:13構造」は、空間群が下記(数1)である構造を指しており、Fe原子が1:12の割合でそれぞれ二つの格子点8b(FeI)と96i(FeII)を占め、LaとFeI原子がCsCl構造を構成する。その内、La原子が24個のFeII原子に囲い込まれ、FeI原子が二十面体を呈する12個のFeII原子に囲い込まれ、各FeII原子の周辺に9個の最も隣接するFeII原子、1個のFeI原子、及び1個のLa原子がある。中性子回折実験の結果、LaFe13-xx(M=Al、Si)化合物において、8bサイトが完全にFe原子によって占められ、M原子と残りのFe原子がランダムで96iサイトを占めていることが分かる。
本発明に係る高強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料としては、前記磁気熱量材料に磁気熱量効果を示す合金(以下、「磁気熱量合金」とも称する)粒子とバインダを含み、その内、前記磁気熱量効果を示す合金粒子の粒径範囲が800μm以下で、且つ前記磁気熱量効果を示す合金粒子が前記バインダによって塊状材料に粘着されており、前記磁気熱量効果を示す合金粒子は、NaZn13型構造を有し、且つ化学式としてLa1-xx(Fe1-p-qCopMnq13-ySiyαで表され、式中、
Rは、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、及びネオジム(Nd)元素から選ばれる1種または2種以上を表し
Aは、炭素(C)、水素(H)、及びホウ素(B)元素から選ばれる1種または2種以上を表し、
xの範囲は、0≦x≦0.5であり、
yの範囲は、0.8≦y≦2であり、
pの範囲は、0≦p≦0.2であり、
qの範囲は、0≦q≦0.2であり、
αの範囲は、0≦α≦3.0である。
本発明において、La(Fe,Si)13系磁気熱量合金であり、且つ主相がNaZn13型構造であればよく、磁気熱量合金の組成については特に制限がない。特に、一次相転移の性質を示す材料としてLa(Fe,Si)13系磁気熱量合金は、耐圧強度が不十分で、潰れ易く、耐食性に劣る特徴を示すため、本発明においてバインダを用いて接着させる技術案を採用することで上記合金に対して格別に優れた効果を奏することができる。
本発明の磁気熱量材料において、前記磁気熱量合金粒子100重量部に対し、前記バインダを1〜10重量部含むことが好ましく、2〜5重量部含むことが更に好ましい。前記バインダは、本発明に係る磁気熱量合金粒子を塊状材料に粘着可能であればよく、従来より使われている各種のバインダを用いることができ、例えば、エポキシ樹脂接着剤、ポリイミド接着剤、またはエポキシ樹脂(EP)、ウレア樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート(DAP)等から選ばれる1種もしくは2種以上を用いることができる。好ましくは、本発明に用いるバインダが、エポキシ樹脂接着剤、及びポリイミド接着剤から選ばれる1種もしくは2種以上である。
本発明の磁気熱量材料として、0〜5Tの磁場変化に伴う磁気エントロピー変化の実効値が1.0〜50.0J/kgKであることが好ましく、5.0〜50.0J/kgKであることが更に好ましく、相転移温度域を10〜450Kにすることができる。
本発明に係る磁気熱量材料によると、前記磁気熱量合金粒子の粒径範囲が15〜800μmであることが好ましく、15〜200μmであることが更に好ましい。
本発明者らは、本発明に係る磁気熱量合金粒子の粒径が200μm以下の場合、本発明の接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料が高強度を備えるとともに、そのヒステリシス損失も著しく低下することを見出した。更に、本発明の実施例6では、ヒステリシス損失が粒度の減少につれて徐々に低下し、粒径範囲として15〜50μmに減少される場合、ヒステリシス損失が大幅に64%低下することを確認した。
本発明に係る磁気熱量合金粒子の化学式において、Aは、原子半径の小さい格子間原子(例えば、炭素、水素、及びホウ素)を表し、添加したこれらの格子間原子は、NaZn13構造においていずれも24dの格子間サイトを占め、構造に対する影響が同じレベルにある。格子間原子の増加に伴い、相転移温度が(磁気熱量効果のピーク温度)高温域に向かってシフトする。例えば、化学式としてLaFe11.5Si1.5αで表される化合物において、格子間原子Hの含有量がα=0からα=1.8に増加すると、相転移温度が200Kから350Kに上昇する結果となる。
本発明の一つの好適な実施形態において、前記磁気熱量合金粒子は、化学式La1-xx(Fe1-pCop13-ySiyαで表され、式中、
Rは、Ce、Pr、及びNd元素から選ばれる1種もしくは2種以上を表し
Aは、H、C、及びB元素から選ばれる1種、2種もしくは3種を表し、
xの範囲は、0≦x≦0.5であり、
yの範囲は、1≦y≦2であり、
pの範囲は、0≦p≦0.1であり、
αの範囲は、0≦α≦2.6である。
本発明は、更に上記磁気熱量材料の製造方法を提供し、当該方法は、以下のステップを含む。即ち、1)化学式に従って原料を調製し、または化学式中のAが水素元素を含む場合、水素以外の原料を上記化学式に従って調製し、
2)ステップ1)で調製される原料をアーク炉に入れ、真空引きして不活性ガスで洗浄し、不活性ガス雰囲気で溶融させて合金インゴットを得、前記不活性ガスとして、好適なのはアルゴンガスであり、
3)ステップ2)で溶融済みの合金インゴットを真空にて焼鈍し、その後、液体窒素または水に浸して焼入れするか、もしくは炉内冷却を行い、NaZn13構造を有するLa1-xx(Fe1-p-qCopMnq13-ySiyα系磁気熱量合金を製造し、
4)ステップ3)で製造される磁気熱量合金を粉砕し、粒径が800μm以下の磁気熱量合金粒子を得、
5)バインダとステップ4)で得られる磁気熱量合金粒子を均一に混ぜ合わせ、圧縮して成形させ、更に硬化処理を経て塊状材料を得、
その内、化学式中のAが水素元素を含む場合、前記ステップ5)の硬化処理は水素ガス雰囲気下で行う。
本発明に係る製造方法の一実施形態によると、その内、前記ステップ5)において、バインダと磁気熱量合金粒子を混ぜ合わせる方法として、乾式混合または湿式混合を採用することができ、その内、前記乾式混合は、粉体状のバインダ及びその硬化剤と促進剤と、前記磁気熱量合金粒子とを均一に混ぜ合わせることを含み、前記湿式混合は、バインダ及びその硬化剤と促進剤を有機溶媒に溶かして接着液を調製し、当該接着液に前記磁気熱量合金粒子を加えて均一に混ぜ合わせた後、十分に乾燥させることを含む。
好ましくは、本発明の一部の実施形態において、前記乾式混合または湿式混合の作業としては、以下のとおりである。
乾式混合:バインダ(例えば、エポキシ樹脂接着剤、ポリイミド接着剤等)及びその相応する硬化剤、促進剤(いずれも粉体状)と、前記磁気熱量合金粒子とを一定の割合(前記磁気熱量合金粒子100重量部に対し、バインダ、硬化剤、促進剤三者重量の合計が10重量部以下)で乾燥粉体の状態にて混ぜ合わせた後、均一に攪拌し、この時、硬化剤の用量がバインダの2〜15wt%であり、促進剤の用量がバインダの1〜8wt%であることが通常である。その内、硬化剤は、バインダを硬化させる効果があり、促進剤は、硬化温度を下げ、硬化時間を短縮させる効果がある。
湿式混合:バインダ及びその硬化剤、促進剤を一定の割合でアセトンと無水エタノールの混合液に溶かし(通常、硬化剤はアセトンに溶解し、促進剤はエタノールに溶解する)、よって、接着液を調製する。この際、バインダ:硬化剤:促進剤を重量比で100:2〜15:1〜8になるように調製する。溶融方法としては、バインダ、硬化剤と促進剤粉体を上記割合に従って秤量し、アセトンと無水エタノールの混合液(アセトンと無水エタノール溶液の用量が少ないほうがよく、溶質がちょうど完全に溶ける用量であることが好ましい)に入れた後、粒体が完全に溶けるまで攪拌する。そして、調製済みの接着液と前記磁気熱量合金粒子を上記割合で混ぜ合わせ、均一に攪拌した後、25〜100℃で乾燥させる。
本発明に係る製造方法の一つの好適な実施形態によると、前記ステップ5)において、圧縮して成形させる方法として、圧縮圧力が100MPa〜20GPaであり、0.1〜2.5GPaであることが好ましく、圧縮時間が1〜120分間であり、1〜10分間であることが好ましい。
具体的には、バインダと合金粒子の混合物を圧縮して磁気冷凍装置の要求に満足できる作業物質の形状と大きさに成形させ、その後、バインダと合金粒子の混合物を鋳型(鋳型の形状と大きさを、材料に対する磁気冷凍装置の実際要求に応じて製造する)に入れ、室温において圧縮して成形させ、その後、室温で脱型する。
本発明に係る製造方法の他の一つの好適な実施形態によると、前記ステップ5)において、硬化処理を不活性ガス雰囲気または真空状態にて行ってよく、硬化処理時の条件として、硬化温度を70〜250℃、硬化時間を1〜300分間、不活性ガスの圧力を10-2Pa〜10MPaもしくは真空度を1Pa未満にすることができる。
化学式中のAに水素元素が含まれる場合、前記ステップ5)において、水素ガスの圧力、硬化処理時の温度と時間を調整することで合金における水素の量を制御してもよく、好ましくは、水素ガスの圧力を10-2Pa〜10MPa、硬化温度を70〜250℃、硬化時間を1〜300分間にする。敢えて説明するが、本発明に係る合金の水素吸蔵量は、水素吸蔵時の温度と圧力に依存し、水素吸蔵時の温度と圧力を調整することで水素吸蔵量を調整することができる。また、本発明に係る合金が水素を吸蔵する際、圧力が次第に増加する状態にて行ってもよく、異なる水素吸蔵圧力で中止することによって異なる水素吸蔵量を得ることができる。
本発明において、原料であるLa、Rは、製品化された単体希土類元素であってもよく、工業用純LaCe合金、または工業用純LaCePrNd混合希土であってもよい。製品化された工業用純LaCe合金の純度は、通常、95〜98at.%(原子量比率)であり、合金中のLa、Ce原子量比率は1:1.6〜1:2.3である。また、工業用純LaCePrNd混合希土は、通常、純度が99wt.%程度である。単体Laを用いてLaCe合金の製造しようとする材料に対してのLa不足分を補ってもよく、同様に、工業用純LaCePrNd混合希土についても同じ処理で扱うことができる。
Aが炭素及び/またはホウ素元素を含む場合、好ましくは、炭素及び/またはホウ素がそれぞれFeC及び/またはFeB合金によって供給される。FeCとFeB合金にFe元素も含まれているので、添加する各元素の配合比率が磁性材料の化学式で示される原子量比率を満足できるように、添加する単体Feを適宜減らす必要がある。
化学式に係るその他の原料としては、いずれも製品化された単体元素を用いることができる。
本発明に係る製造方法の更なる一つの好適な実施形態によると、具体的に、前記ステップ2)は、ステップ1)で調製される原料をアーク炉に入れ、真空度が1×10-2Pa未満になるまで真空引きし、純度99%を超える高純度のアルゴンガスで炉室を1〜2回洗浄し、その後、炉室内に当該アルゴンガスを0.5〜1.5大気圧となるまで注入し、アーク点弧して合金インゴットを得ることを含む。各合金インゴットについては、1500〜2500℃で溶融・製錬を1〜6回繰り返す。
本発明に係る製造方法の別の一つの好適な実施形態によると、具体的に、前記ステップ3)は、ステップ2)で溶融済みの合金インゴットを1000〜1400℃、真空度1×10-3Pa未満の条件下で1時間〜60日間焼鈍し、その後、液体窒素または水に浸して焼入れするか、もしくは炉内冷却を行うことを含む。
本発明は、更に磁気冷凍装置を提供し、前記冷凍装置は、本発明に係る磁気熱量材料、または本発明に係る製造方法を用いて製造される磁気熱量材料を含んでなる。
本発明は、更に前記磁気熱量材料、または本発明に係る製造方法を用いて製造された磁気熱量材料の磁気冷凍材料を製造するための応用を提供する。
以下、実施例に基づき本発明について更に説明する。下記実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されない点に留意されたい。また、本発明の宗旨をもとに当業者が行われた各種の変形は、いずれも本願特許請求の範囲に定められた保護範囲に属するものと理解すべきである。
以下、実施例で使われる原料と設備について説明を行う。
1)原料としてLa、Ce、Pr、Fe、Co、Mn、Si、FeC、及びこれらの純度は、それぞれ以下のとおりである。即ち、単体Laは、純度99.52wt.%であり、単体Prは、純度98.97wt.%であり、湖南升華希土金属材料有限責任会社より購入したものである。原料として用いる工業用純LaCePrNd混合希土は、内モンゴル包鋼希土国際貿易有限会社より購入し、2種類の純度があり、実施例3で使う工業用純LaCePrNd混合希土の純度が99.6wt.%(La、Ce、Pr、Nd元素比率として、La28.27wt.%、Ce50.46wt.%、Pr5.22wt.%、Nd15.66wt.%)であり、実施例7と実施例9で使う工業用純LaCePrNd混合希土の純度が98.2wt.%(La、Ce、Pr、Nd元素比率として、La25.32wt.%、Ce52.85wt.%、Pr4.52wt.%、Nd15.51wt.%)である。工業用純的LaCe合金は、内モンゴル包鋼希土国際貿易有限会社より購入し、純度が99.17wt.%、La、Ce原子量比率が1:1.88である。単体Feは、純度が99.9wt.%であり、北京有色金属研究院より購入したものである。FeC(99.9wt.%、FeとCの重量比が95.76:4.24)は、単体Cと純度99.9wt.%の単体Feを溶融・製錬してなるものである。FeB合金(99.9wt.%、FeとBの重量比が77.6:22.4)は、北京中科三環ハイテック株式会社より購入したものである。Si(99.91wt.%)は、北京有色金属研究院より購入し、Co(99.97wt.%)は、北京有色金属研究院より購入したものである。Mn(99.8wt.%)は、北京双環化学試薬工場より購入したものである。原料は、いずれも塊状の形状を呈する。
2)原料として「エポキシ樹脂接着剤BT−801粉体(製品に相応する硬化剤と促進剤を混ぜ合わせたもの)」は、中国東莞市邦特表面処理材有限会社より購入し、「超微細エポキシ樹脂粉体」、「超微細潜在性Q硬化剤(微粉化ジシアンジアミド)」、「超微細潜在性SH−A100促進剤」は、中国広州市新希製錬化学工程有限会社より購入した。原料としてポリイミド接着剤粉体とシランカップリング剤は、Alfa Aesar(天津)化学有限会社より購入したものである。
3)使用するアーク炉は、北京物科光電技術有限会社により製造され、型番WK−II型の非消耗真空アーク炉である。CuターゲットX線回折装置は、Rigaku会社製であり、型番がRINT2400である。超伝導量子干渋振動試料型磁力計(MPMS(SQUID)VSM)は、Quantum Design(USA)会社製で、型番がMPMS(SQUID)VSMである。P−C−T(pressure−composition−temperature、圧力−組成−温度)測定装置は、北京中科育達科教設備経営部より購入した。油圧プレスは、天津市科器ハイテック会社より購入し、型番が769YP−24Bである。6面押し水圧プレスは、第1工業部済南鋳造鍛造機械研究所より購入し、型番がDS−029Bである。電子万能試験機は、深セン新三思材料新三思材料検出有限会社より購入し、型番がCMT4305である。
実施例1:高強度のLaFe11.6Si1.40.2磁気熱量材料の製造
1)化学式LaFe11.6Si1.40.2に従って原料を調製し、原料としては、La、Ce、Fe、Si及びFeCである。その内、FeC合金はC供給用に用いられるが、FeC合金にFe元素が含まれていることから、添加する各元素の配合比率が磁性材料の化学式に示される原子量比率を満足できるように、添加する単体Feを適宜減らす必要がある。
2)ステップ1)で得られる原料を混ぜ合わせ、アーク炉に入れ、2×10-3Paに真空引きした後、純度99.996wt%の高純度アルゴンガスで炉室を2回洗浄し、その後、炉室内に純度99.996wt%の高純度アルゴンガスを1大気圧となるまで注入し、アーク点弧して(アーク点弧すると、原料が一体に溶融されて合金となる)合金インゴットを得る。各合金インゴットについては、溶融・製錬を4回繰り返し、この際の溶融温度が2000℃である。溶融・製錬が終了した後、銅坩堝において冷却させて鋳造合金インゴットを得る。
3)ステップ2)で製造される鋳造合金インゴットをそれぞれモリブデン箔で包み、高真空(1×10-4Pa)の石英管に密封した後、1080℃で30日間焼鈍し、石英管を割ってから液体窒素に浸して焼入れを行い、NaZn13型構造を有するLaFe11.6Si1.40.2合金を得る。
4)ステップ3)で製造されるLaFe11.6Si1.40.2合金を切断して平均粒径範囲が20〜200μmの不規則形粒子にし、粒子形態としては、図1に示されたとおりである。
5)中国東莞市邦特表面処理材有限会社より購入した「エポキシ樹脂接着剤BT−801粉体(製品に相応する硬化剤と促進剤を混ぜ合わせたもの)」を用いて接着液を調製する。調製の際、アセトン:無水エタノール:BT−801エポキシ樹脂接着剤を重量比で1:1:1に混ぜ合わせ、溶融方法としては、アセトンと無水エタノールを混合してなる溶液をBT−801エポキシ樹脂接着剤粉体に注ぎ、粉体が溶液に完全に溶けるまで攪拌し、よって、接着液の調製作業を完了する。次に、調製した接着液を合金粒子:BT−801エポキシ樹脂接着剤粉体が重量比で100:2.5になるようにステップ4)で製造されるLaFe11.6Si1.40.2粒子に注ぎ、均一に混ぜ合わせてから平面状にして50℃の電気炉に入れ、乾燥時間を180分間にして完全に乾燥させる。
6)ステップ5)で製造される接着剤と混合済みのLaFe11.6Si1.40.2合金粒子を圧縮して柱状体(直径5mm、高さ7mm)に成形させる。具体的には、接着剤と混合済みの合金粒子を材質として高クロム硬質合金工具鋼製の鋳型(円筒状、直径5mm)に入れ、室温において油圧プレスで圧縮して成形させる。平行試験として、成形時の圧力がそれぞれ0.3GPa、0.5GPa、0.75GPa及び1.0 GPaであり、時間がいずれも2分間である。圧縮して成形させた後、室温において脱型する。
7)ステップ6)で圧縮して得られる柱状体を、それぞれアルゴンガス雰囲気(アルゴンガス圧力:0.5MPa)と真空下(真空度:1×10-2Pa)で硬化させる。硬化温度は、いずれも170℃であり、硬化時間は、いずれも30分間である。硬化処理が終わると、高強度で且つ一次相転移の性質を示すLaFe11.6Si1.40.2磁気熱量材料が得られる。
<性能測定>
1)CuターゲットX線回折装置を用い、ステップ4)で得られるLaFe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる圧力で成形させ、アルゴンガス雰囲気と真空状態において硬化させて得られる塊状材料の室温X線回折(XRD)パターンを測定した。図1に示すように、LaFe11.6Si1.40.2合金粒子が既にNaZn13型構造に結晶化されていることが確認でき、XRDパターンにおいて明らかな不純相が検出されなかった。接着剤と混合した後、異なる成形圧力、異なる硬化雰囲気(アルゴンガス雰囲気または真空)にて硬化させた試料については、いずれも明らかなα−Feまたはその他の不純相が確認できなかった。導入される2.5%割合のエポキシ樹脂接着剤が有機物であり、CuターゲットX線回折解析によってその回折ピークが検出されなかった。
2)MPMS(SQUID)VSMにおいて、ステップ4)で得られるLaFe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる圧力で成形させ、アルゴンガス雰囲気と真空状態において硬化させて得られる塊状材料の0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)を測定した。図2に示すように、合金粒子及び異なる条件にて硬化させた後において相転移温度が変わることはほとんどなく、〜219K近傍にあり、温度ヒステリシスが1K未満である。異なる温度での磁場変化に伴う磁化特性を示す曲線(M−H曲線、図3aに示す)において屈曲点を出現は、磁場に誘導される常磁性からフェリ磁性への磁気シフト行為が存在することを意味し、硬化前後でM−H曲線においていずれも屈曲点が現れることを確認した。図3bに、ステップ4)で得られる合金粒子及びステップ7)で得られる塊状材料のヒステリシス損失と温度変化との関係が示されているが、温度ヒステリシスと磁気ヒステリシスが一次相転移材料の特徴であるため、材料の一次相転移の本質を表わすことになっている。合金粒子、及び0.3GPa、0.5GPa、0.75GPa、1.0GPaの成形圧力でアルゴンガス雰囲気にて硬化させた後の最大磁気ヒステリシス損失は、それぞれ16.9J/kg、6.0J/kg、5.1J/kg、4.1J/kgと3.4J/kgである。0.5GPa、1.0GPaの成形圧力で真空状態にて硬化させた後の最大磁気ヒステリシス損失は、それぞれ5.7J/kgと4.0J/kgであり、成形圧力増加につれて磁気ヒステリシス損失が徐々に低下することが判る。成形圧力が同じである場合、アルゴンガス硬化と真空硬化の磁気ヒステリシス損失に対する影響がそれほど顕著なものではないと見られる。
3)以下のマクスウェルの関係式に基づき、等温磁化曲線から磁気エントロピー変化ΔSを算出することができる。
図4に、ステップ4)得られるLaFe11.6Si1.40.2合金粒子、及び異なる成形圧力で成形させ、アルゴンガス雰囲気または真空状態にて硬化させた塊状材料の異なる磁場でのΔSの温度依存性(磁場増加時のΔSを算出する)を示しており、ΔSピークの形が磁場増加につれて高温域に向かって非対称的に展開し、ピーク後に続いて曲線がフラットパターンになっている。今までの研究より、ΔSピークの出現は、一次相転移の際に二つの相が共存することにより起因し、熱効果を有さない偽像であり、ΔSのフラットパターンが磁気熱量効果の本質を反映していることが既に証明されている。合金粒子、及び0.3GPa、0.5GPa、0.75GPa、1.0GのPa成形圧力でアルゴンガス雰囲気において硬化させた後、0〜5Tの磁場変化に伴うΔSフラットの高さは、それぞれ22.3J/kgK、21.8J/kgK、21.0J/kgK、21.4J/kgKと21.0J/kgKであり、半値幅は、それぞれ21.17K、21.54K、20.27K、21.04Kと21.35Kであり、最大ヒステリシス損失を除いた有効冷凍能力は、それぞれ388J/kg、403J/kg、364J/kg、374J/kg和377J/kgである。0.5GPa、1.0GPa圧力で成形させ、更に真空状態にて硬化させた後、0〜5Tの磁場変化に伴うΔSフラットの高さは、それぞれ21.6J/kgKと21.2J/kgKであり、半値幅は、それぞれ20.9Kと21.2Kであり、最大ヒステリシス損失を除いた有効冷凍能力は、それぞれ380J/kg、376J/kgである。このことから、硬化後において有効冷凍能力が低下せず、変わらないか、もしくは高まることを確認した。
4)CMT4305電子万能試験機を用い、異なる成形圧力で成形させ、アルゴンガス雰囲気または真空状態にて硬化させた後の塊状材料の負荷圧力と歪みとの関係(図5に示され、挿絵に材料硬化後の形態と圧力印加によって潰れた後の形態を示す)を測定し、よって、耐圧強度の成形圧力に対する依存関係が得られる(図6に示す)。図に示すように、成形圧力が1.0GP、且つアルゴンガス雰囲気の条件下で得られる二つの試料において、バインダ未添加材料の耐圧強度がせいぜい25.7MPaであるに対し、エポキシ樹脂接着剤を加えると、耐圧強度が131.4MPaに顕著に増加し、5倍大きくなっていることが確認できる。また、耐圧強度は、成形圧力増加につれて著しく上昇し、成形圧力が同じである場合、真空硬化を採用することで耐圧強度を大幅に高めることができ、例えば、1.0GPa圧力で成形させて真空状態にて硬化させた材料の耐圧強度が191.6MPaに達し、アルゴンガス雰囲気で硬化させる場合と比べて45.8%高まることに加え、磁気エントロピー変化の大きさ、及び有効冷凍能力がほとんど変わらないという結果を確認できる。
つまり、エポキシ樹脂接着剤を導入すると、耐圧強度が大幅に高まり(同じ条件でバインダを導入しない場合と比べ5倍増加)、また、アルゴンガス雰囲気もしくは真空状態での硬化処理は、どちらも磁気エントロピー変化とヒステリシス損失に明らかな影響がなく、且つ硬化前後の磁気エントロピー変化の大きさ、及び有効冷凍能力がほとんど変わらないが、真空硬化によって材料の耐圧強度を大幅に高めることができることを確認した。
実施例2:高強度のLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2磁気熱量材料の製造
1)化学式La0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2に従って原料を調製し、原料としては、工業用純LaCe合金、Fe、Si、La及びFeCである。その内、単体Laは、LaCe合金にLaの不足分を補うために用いられ、FeC合金は、C供給用に用いられるが、FeC合金にFe元素が含まれていることから、添加する各元素の配合比率が磁性材料の化学式に示される原子量比率を満足できるように、添加する単体Feを適宜減らす必要がある。
2)ステップ1)で得られる原料を混ぜ合わせ、アーク炉に入れ、2×10-3Paに真空引きした後、純度99.996wt%の高純度アルゴンガスで炉室を2回洗浄し、その後、炉室内に純度99.996wt%の高純度アルゴンガスを1大気圧となるまで注入し、アーク点弧して(アーク点弧すると、原料が一体に溶融されて合金となる)合金インゴットを得る。各合金インゴットについては、溶融・製錬を4回繰り返し、この際の溶融温度が2000℃である。溶融・製錬が終了した後、銅坩堝において冷却させて鋳造合金インゴットを得る。
3)ステップ2)で製造される鋳造合金インゴットをそれぞれモリブデン箔で包み、高真空(1×10-4Pa)の石英管に密封した後、1080℃で30日間焼鈍し、石英管を割ってから液体窒素に浸して焼入れを行い、NaZn13型構造を有するLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金を得る。
4)ステップ3)で製造されるLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金を粉砕し、平均粒径範囲が20〜200μmの不規則形の粒子にする。
5)中国東莞市邦特表面処理材有限会社より購入した「エポキシ樹脂接着剤BT−801粉体(製品に相応する硬化剤と促進剤を混ぜ合わせたもの)」を用いて接着液を調製する。調製の際、アセトン:無水エタノール:BT−801エポキシ樹脂接着剤を重量比で1:1:1に混ぜ合わせ、溶融方法としては、アセトンと無水エタノールを混合してなる溶液をBT−801エポキシ樹脂接着剤粉体に注ぎ、粉体が溶液に完全に溶けるまで攪拌し、よって、接着液の調製作業を完了する。次に、調製した接着液を合金粒子:BT−801エポキシ樹脂接着剤粉体が重量比で100:2.5になるようにステップ4)で製造されるLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2粒子に注ぎ、均一に混ぜ合わせてから平面状にしてで50℃の電気炉に入れ、乾燥時間を180分間にして完全に乾燥させる。
6)ステップ5)で製造される接着剤と混合済みのLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金粒子を圧縮して柱状体(直径5mm、高さ7mm)に成形させる。具体的には、接着剤と混合済みの合金粒子を材質として高クロム硬質合金工具鋼製の鋳型(円筒状、直径5mm)に入れ、室温において油圧プレスで圧縮して成形させる。平行試験として、成形時の圧力がそれぞれ0.5GPa、0.75GPa、1.0GPa及び1.3GPaであり、時間がいずれも2分間である。圧縮して成形させた後、室温において脱型する。
7)ステップ6)で圧縮して得られる柱状体を、真空状態(真空度:1×10-2Pa)にて硬化させる。硬化温度が160℃であり、硬化時間が20分間である。硬化処理が終わると、高強度で且つ一次相転移の性質を示すLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2磁気熱量材料が得られる。
<性能測定>
1)CuターゲットX線回折装置を用い、ステップ4)で得られるLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金粒子、及び異なる圧力で成形させ、更に硬化させた塊状材料の室温X線回折(XRD)パターンを測定した。図7に示すように、La0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金粒子が既にNaZn13型構造に結晶化されていることが確認でき、XRDパターンにおいて明らかな不純相が検出されることはなかった。接着剤と混合した後、異なる成形圧力で成形させ、真空状態にて硬化させた試料については、いずれも明らかなα−Feまたはその他の不純相が確認できなかった。導入された4.5%割合のエポキシ樹脂接着剤が有機物であり、CuターゲットX線回折解析によってその回折ピークが検出されなかった。
2)MPMS(SQUID)VSMにおいて、ステップ4)で得られるLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金粒子、及び異なる圧力で成形させ、更に硬化させて得られる塊状材料の0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)を測定した。図8に示すように、合金粒子の相転移温度が201Kとなり、温度ヒステリシスが2Kであることが分かる。0.5GPa、0.75GPa、1.0GPa及び1.3GPaの成形圧力で成形させた後、相転移温度が高温に向かって1〜2K移動し、それぞれ202K、203K、203K和203Kとなり、温度ヒステリシスがほとんど変動せずに〜2K近傍にある。異なる温度での磁場変化に伴う磁化特性を示す曲線(M−H曲線、図9aに示す)において屈曲点を出現は、磁場に誘導される常磁性からフェリ磁性への磁気遷移行為が存在することを意味し、硬化前後でM−H曲線においていずれも屈曲点が現れることが確認できた。図9bに、ステップ4)得られる合金粒子及びステップ7)で得られる塊状材料のヒステリシス損失と温度との変化関係が示されている。合金粒子、及び0.5GPa、0.75GPa、1.0GPa及び1.3GPaの成形圧力で成形させ、真空状態にて硬化させた塊状材料の最大磁気ヒステリシス損失は、それぞれ83J/kg、55J/kg、54J/kg、36J/kg及び34J/kgである。このことから、成形圧力の向上につれて磁気ヒステリシス損失が徐々に低下することを確認できる。温度ヒステリシスと磁気ヒステリシスが一次相転移材料の特徴であるため、材料の一次相転移の本質を表わすことになっている。
3)図10に、ステップ4)得られるLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金粒子、及び異なる成形圧力で成形させ、硬化させた塊状材料の異なる磁場でのΔSの温度依存性(磁場増加時のΔSを算出する)を示しており、ΔSピークの形が磁場増加につれて高温域に向かって非対称的に展開し、ピーク後に続いて曲線がフラットパターンになっている。今までの研究より、ΔSピークの出現は、一次相転移の際に二つの相が共存することにより起因し、熱効果を有さない偽像であり、ΔSのフラットパターンが磁気熱量効果の本質を反映していることが確認できている。合金粒子、及び0.5GPa、0.75GPa、1.0GPa及び1.3GPaの成形圧力で成形させ、更に硬化させた後の、0〜5Tの磁場変化に伴うΔSフラットの高さは、それぞれ26.4J/kgK、24.2J/kgK、23.8J/kgK、23.3J/kgK及び22.5J/kgKであり、半値幅は、それぞれ19.6K、20.0K、19.2K、20.3K和20.1Kであり、最大ヒステリシス損失を除いた有効冷凍能力は、それぞれ388J/kg、403J/kg、364J/kg、374J/kg和377J/kgである。0.5GPa、1.0GPa圧力で成形させ、更に真空状態にて硬化させた後、0〜5Tの磁場変化に伴うΔSフラットの高さは、それぞれ21.6J/kgKと21.2J/kgKであり、半値幅は、それぞれ20.9Kと21.2Kであり、最大ヒステリシス損失を除いた有効冷凍能力は、それぞれ375J/kg、389.1J/kg、362.4J/kg、379.6J/kg及び374.3J/kgである。このことから、硬化後において有効冷凍能力が低下せず、変わらないかまたは高まることを確認できる。
4)CMT4305電子万能試験機を用い、異なる成形圧力で成形させ、更に硬化させた塊状材料の負荷圧力と歪みとの関係を測定し(図11に示す)、よって、耐圧強度の成形圧力に対する依存関係が得られる(図12に示す)。図に示すように、耐圧強度が成形圧力増加につれて著しく増加し、成形圧力が0.50GPaから1.3GPaへと高まる場合、硬化後の材料の耐圧強度が47.6MPaから136.7MPaにまで大幅に上昇することが確認できる。また、元の合金粒子と比べ、磁気エントロピー変化が小幅に低下すると同時に、有効冷凍能力がほとんど変わらないかまたは一定程度で上昇することが確認できる。
つまり、本実施例において、実施例1と同様のエポキシ樹脂接着剤が用いられ、硬化温度が実施例1の硬化温度より低めになっているが、硬化温度を低めにすることは、硬化時において材料に起こり得る酸化によって起因する磁気熱量特性の低下を抑えることができるためである。また、同様の成形圧力と硬化雰囲気において低めの温度で硬化させると、耐圧強度がやや下がる傾向があるが、それでも相当なレベルに耐圧強度を維持することができ、136.7MPaの値を示していることを確認した。実施例1と同様に、硬化前後の磁気エントロピー変化の大きさ、及び有効冷凍能力がほとんど変わらない。
実施例3:高強度のLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3(Fe0.9Co0.111.9Si1.1磁気熱量材料の製造
1)化学式La0.7(Ce,Pr,Nd)0.3(Fe0.9Co0.111.9Si1.1に従って原料を調製し、原料としては、工業用純混合希土La−Ce−Pr−Nd(純度99.6wt%)、単体Fe、単体Co、単体Si及び単体La、FeC合金である。その内、単体Laは、混合希土にLaの不足分を補うために用いられ、FeC合金は、C供給用に用いられるが、FeC合金にFe元素が含まれていることから、添加する各元素の配合比率が磁性材料の化学式に示される原子量比率を満足できるように、添加する単体Feを適宜減らす必要がある。
2)ステップ1)で得られる原料を混ぜ合わせ、アーク炉に入れ、2×10-3Paに真空引きした後、純度99.996wt%の高純度アルゴンガスで炉室を2回洗浄し、その後、炉室内に純度99.996wt%の高純度アルゴンガスを1大気圧となるまで注入し、アーク点弧して(アーク点弧すると、原料が一体に溶融されて合金となる)合金インゴットを得る。各合金インゴットについては、溶融・製錬を4回繰り返し、この際の溶融温度が2000℃である。溶融・製錬が終了した後、銅坩堝において冷却させて鋳造合金インゴットを得る。
3)ステップ2)で製造される鋳造合金インゴットをそれぞれモリブデン箔で包み、高真空(1×10-4Pa)の石英管に密封した後、1080℃で30日間焼鈍し、石英管を割ってから液体窒素に浸して焼入れを行い、NaZn13型構造を有し且つ二次相転移の性質を示すLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3(Fe0.9Co0.111.9Si1.1合金を得る。
4)ステップ3)で製造されるLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3(Fe0.9Co0.111.9Si1.1合金を粉砕し、平均粒径範囲が20〜200μmの不規則形粒子にする。
5)中国広州市新希製錬化学工程有限会社より購入した「超微細エポキシ樹脂粉体(以下、「樹脂」と略称する)」、「超微細潜在性Q硬化剤(微粉化ジシアンジアミド、以下、「硬化剤」と略称する)」及び「超微細潜在性SH−A100促進剤(以下、「促進剤」と略称する)」を用いて割合に合わせて接着液を調製する。調製の際、樹脂:硬化剤:促進剤を重量比で100:12:5に混ぜ合わせ、溶融方法としては、アセトンと無水エタノールを1:1の割合で混ぜ合わせた後、硬化剤と促進剤が配合されているエポキシ樹脂接着剤粉体に注ぎ(溶質が完全に溶ける程度でアセトンと無水エタノールの添加量を確定する)、粉体が溶液に完全に溶けるまで攪拌し、よって、接着液の調製作業を完了する。次に、調製した接着液を合金粒子:(硬化剤+促進剤+樹脂)が重量比で100:3.5になるようにステップ4)で製造されるLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3(Fe0.9Co0.111.9Si1.1合金粒子に注ぎ、均一に混ぜ合わせてから平面状にして30℃の電気炉に入れ、乾燥時間を240分間にして完全に乾燥させる。
6)ステップ5)で製造される接着剤と混合済みのLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3(Fe0.9Co0.111.9Si1.1合金粒子を圧縮して柱状体(直径5mm、高さ6mm)に成形させる。具体的には、接着剤と混合済みの合金粒子を材質として高クロム硬質合金工具鋼製の鋳型(円筒状、直径5mm)に入れ、室温において油圧プレスで圧縮して成形させる。成形時において、試料の負荷圧力が1.0GPaであり、時間が2分間である。圧縮して成形させた後、室温において脱型する。
7)ステップ6)で圧縮して得られる柱状体を、真空状態(真空度1×10-2Pa)にて硬化させる。この時、硬化温度が120℃であり、硬化時間が60分間である。硬化処理が終わると、高強度のLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3(Fe0.9Co0.111.9Si1.1室温磁気熱量材料が得られる。
<性能測定>
1)CuターゲットX線回折装置を用い、ステップ4)で得られるLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3(Fe0.9Co0.111.9Si1.1合金粒子、及び1.0GPaの圧力下で成形させ、真空状態において硬化させて得られる塊状材料の室温X線回折(XRD)パターンを測定した。図13に示すように、合金粒子がNaZn13型構造に結晶化されていることが確認できるが、少量のα−Feと正体不明の不純相を検出することができる。図において、不純相に対して*マークが付けられている。硬化後の試料が依然としてNaZn13型構造を維持しており、不純相の含有量に明らかな変化がないことが確認できた。導入されたエポキシ樹脂接着剤が有機物であり、CuターゲットX線回折解析によってその回折ピークが検出されなかった。
2)実施例1、2と同様の方法を用い、MPMS(SQUID)VSMにおいて、ステップ4)で得られる合金粒子、及びステップ7)で製造される塊状材料の0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)、及び異なる温度での磁場変化に伴う磁化特性を示す曲線を測定した。測定結果から、硬化処理の前、後において、材料がいずれも二次相転移の性質を示し、温度ヒステリシスと磁気ヒステリシスがなく、且つ相転移温度に変化がなく、〜312Kといった室温近傍に止まっていることを確認した。また、マクスウェルの関係式に基づいて算出した磁気エントロピー変化ΔSが硬化処理の前、後においてほとんど変化することなく、冷凍能力もほとんど変化しないことを確認した。
3)CMT4305電子万能試験機を用い、ステップ7)得られる塊状材料の負荷圧力と歪みとの関係を測定すし、図14に示すように、耐圧強度が92MPaに達していることを確認した。
つまり、実施例1、2と異なる低温エポキシ樹脂接着剤を用いても相当な大きさの耐圧強度を備えるLa(Fe,Si)13系磁気熱量材料を得ることができ、更に、硬化前後において磁気エントロピー変化の大きさ、及び有効冷凍能力両者とも特に変化がないことが確認できた。本実施例において、硬化温度(本実施例においては120℃であり、実施例1、2においては硬化温度がそれぞれ170、160℃である)が大幅に低下し、硬化時において材料に起こり得る酸化によって起因する性能低下を効果的に抑えることができる。本実施例に係る材料は、相転移温度が室温付近にあり、且つ二次相転移の性質を示したため、接着手法を使うことによって直接に二次相転移の性質と高強度を備える室温磁気熱量材料を得ることが可能であることを確認でき、磁気冷凍の実用化に重要な意義があると思われる。
実施例4:高強度のLa0.5Pr0.5Fe11.0Si2.02.6磁気熱量材料の製造
1)化学式La0.5Pr0.5Fe11.0Si2.0に従って原料を調製し、原料としては、La、Pr、Fe、Siである。
2)ステップ1)で得られる原料を混ぜ合わせ、アーク炉に入れ、2×10-3Paに真空引きした後、純度99.996wt%の高純度アルゴンガスで炉室を2回洗浄し、その後、炉室内に純度99.996wt%の高純度アルゴンガスを1大気圧となるまで注入し、アーク点弧して(アーク点弧すると、原料が一体に溶融されて合金となる)合金インゴットを得る。各合金インゴットについては、溶融・製錬を4回繰り返し、この際の溶融温度が2000℃である。溶融・製錬が終了した後、銅坩堝において冷却させて鋳造合金インゴットを得る。
3)ステップ2)で製造される鋳造合金インゴットをそれぞれモリブデン箔で包み、高真空(1×10-4Pa)の石英管に密封した後、1080℃で30日間焼鈍し、石英管を割ってから液体窒素に浸して焼入れを行い、NaZn13型構造を有し且つ二次相転移の性質を示すLa0.5Pr0.5Fe11.0Si2.0合金を得る。
4)ステップ3)で製造されるLa0.5Pr0.5Fe11.0Si2.0合金を切断し、平均粒径範囲が20〜200μmの不規則形粒子にする。
5)中国東莞市邦特表面処理材有限会社より購入した「エポキシ樹脂接着剤BT−801粉体(製品に相応する硬化剤と促進剤を混ぜ合わせたもの)」を用いて接着液を調製する。調製の際、アセトン:無水エタノール:BT−801エポキシ樹脂接着剤を重量比で1:1:1に混ぜ合わせ、溶融方法としては、アセトンと無水エタノールを混合してなる溶液をBT−801エポキシ樹脂接着剤粉体に注ぎ、粉体が溶液に完全に溶けるまで攪拌し、よって、接着液の調製作業を完了する。次に、調製した接着液を合金粒子:BT−801エポキシ樹脂接着剤粉体が重量比で100:4.5になるようにステップ4)で製造されるLa0.5Pr0.5Fe11.0Si2.0合金粒子に注ぎ、均一に混ぜ合わせてから平面状にして50℃の電気炉に入れ、乾燥時間を180分間にして完全に乾燥させる。
6)ステップ5)で製造される接着剤と混合済みのLa0.5Pr0.5Fe11.0Si2.0合金粒子を圧縮して柱状体(直径5mm、高さ6mm)に成形させる。具体的には、接着剤と混合済みの合金粒子を材質として高クロム硬質合金工具鋼製の鋳型(円筒状、直径5mm)に入れ、室温において油圧プレスで圧縮して成形させる。成形時において、試料の負荷圧力が1.0GPaであり、時間が2分間である。圧縮して成形させた後、室温において脱型する。
7)P−C−T測定装置を用い、ステップ6)で圧縮して得られる柱状体を水素雰囲気において硬化させる。具体的には、ステップ6)で圧縮して得られるLa0.5Pr0.5Fe11.0Si2.0柱状体をP−C−T測定装置の高圧試料チャンバに入れ、1×10-1Paに真空引きしてから試料チャンバ内の温度を180℃に昇温させ、その後、試料チャンバに高純度H2(純度99.99%)を注入してH2圧力をそれぞれ0.1032、1.065、2.031、3.207、4.235、6.112、8.088MPaになるように調整を行い、更に各圧力で5分間の水素吸蔵時間を保持した後、高圧試料チャンバの容器を室温(20℃)の水に浸した瞬間で即時に機械ポンプで高圧試料チャンバ内の余分な水素ガスを吸取り、室温に冷却させた後にP−C−T解析、秤量・計算を経てH含有量が約2.6であると確定した。よって、高強度を備える接着La0.5Pr0.5Fe11.0Si2.02.6水素化物の磁気冷凍材料が得られる。ここで、前記合金の水素吸蔵量が水素吸蔵の際の温度と圧力に依存するため、水素吸蔵温度と圧力を調整することで水素吸蔵量を調整することができ、異なる水素吸蔵圧力で中止することで異なる水素吸蔵量を得ることができる。
<性能測定>
1)CuターゲットX線回折装置を用い、ステップ7)で得られる接着La0.5Pr0.5Fe11.0Si2.02.6水素化物の塊状材料の室温X線回折(XRD)パターンを測定した。図15に示すように、当該材料が純粋なNaZn13型構造を示していることを確認した。また、導入されたエポキシ樹脂接着剤が有機物であり、CuターゲットX線回折解析によってその回折ピークが検出されなかった。
2)実施例1、2と同様の方法を用い、MPMS(SQUID)VSMにおいて、ステップ7)で得られるLa0.5Pr0.5Fe11.0Si2.02.6水素化物の塊状材料の、0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T、図16に示す)、及び異なる温度での磁場変化に伴う磁化特性を示す曲線を測定した。測定結果から、当該材料が全ての場合において二次相転移の性質を示し、温度ヒステリシスと磁気ヒステリシスがなく、且つ相転移温度が〜312K近傍に止まっていることが確認できた。また、マクスウェルの関係式に基づいて算出した磁気エントロピー変化−温度曲線が図17に示されており、0〜5Tの磁場変化で最大値が約11.0J/kgKであり、磁気熱量効果が相当なレベルに達していることを確認できた。
3)CMT4305電子万能試験機を用い、ステップ(7)で得られる塊状材料の負荷圧力と歪みとの関係を測定し(図18に示す)、よって、耐圧強度が80MPaに達していることを確認できた。
結論として、接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料を水素雰囲気で硬化させることでかなり理想的な耐圧強度を備えるLa(Fe,Si)13系水素化物を得ることができ、且つ最大磁気エントロピー変化が起こる温度を350K付近に調節することもでき、磁気冷凍の実用化に重要な意義があると思われる。
実施例5:高強度のLaFe11.6Si1.40.2磁気熱量材料の製造
1)化学式LaFe11.6Si1.40.2に従って原料を調製し、原料としては、La、Ce、Fe、SiとFeCである。その内、FeC合金は、C供給用に用いられるが、FeC合金にFe元素が含まれていることから、添加する各元素の配合比率が磁性材料の化学式に示される原子量比率を満足できるように、添加する単体Feを適宜減らす必要がある。
2)ステップ1)で得られる原料を混ぜ合わせ、アーク炉に入れ、2×10-3Paに真空引きした後、純度99.996wt%の高純度アルゴンガスで炉室を2回洗浄し、その後、炉室内に純度99.996wt%の高純度アルゴンガスを1大気圧となるまで注入し、アーク点弧して(アーク点弧すると、原料が一体に溶融されて合金となる)合金インゴットを得る。各合金インゴットについては、溶融・製錬を4回繰り返し、この際の溶融温度が2000℃である。溶融・製錬が終了した後、銅坩堝において冷却させて鋳造合金インゴットを得る。
3)ステップ2)で製造される鋳造合金インゴットをそれぞれモリブデン箔で包み、高真空(1×10-4Pa)の石英管に密封した後、1080℃で30日間焼鈍し、石英管を割ってから液体窒素に浸して焼入れを行い、NaZn13型構造を有し且つ一次相転移の性質を示すLaFe11.6Si1.40.2合金を得る。
4)ステップ3)で製造されるLaFe11.6Si1.40.2合金を切断し、平均粒径範囲が10〜50μmの不規則形粒子にする。
5)適量のシランカップリング剤(上述の三つの実施例に使われる硬化剤や促進剤に似ており、均一に粘着させるとともに硬化を促す効果がある)を無水エタノールに溶かして希釈し、その後、ステップ4)で得られるLaFe11.6Si1.40.2合金粒子を当該シラン希釈液に加え、十分に撹拌して均一に混ぜ合わせた後、平面状にして45℃の電気炉に入れ、乾燥時間の180分間にして十分に乾燥させる。シランカップリング剤処理済みのLaFe11.6Si1.40.2粒子とポリイミド接着剤粉体を、一定の割合で均一に混ぜ合わせる。この際、LaFe11.6Si1.40.2粒子:ポリイミド接着剤:シランカップリング剤を重量比で100:3.2:0.9となるように調製する。
6)ステップ5)で製造されるLaFe11.6Si1.40.2粒子とポリイミド接着剤との混合粉体を圧縮して成形させた後、柱状体(直径8mm、高さ5mm)に硬化させる。具体的には、接着剤と混合済みの合金粒子を材質として窒化ホウ素製のスリーブ管(円筒状、直径8mm)に入れ、6面押し式水圧プレスで圧縮して成形させる。成形時において、試料の負荷圧力が2.0〜2.5GPaであり、時間が20分間である。硬化処理時の試料温度は、それぞれ250℃、300℃及び400℃である。
<性能測定>
1)MPMS(SQUID)VSMにおいて、ステップ4)で製造されるLaFe11.6Si1.40.2合金粒子、及び接着剤と混合した後に異なる温度で硬化させて得られる塊状材料の0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)を測定した。図19に示すように、250℃、300℃及び400℃で硬化させた後、材料の相転移温度がそれぞれ250K、250K及び300Kになっていることが確認できた。また、合金粒子(219K、実施例1)と比べ、相転移温度が大幅に上昇し、1:13相への相転移が発生した後に高温常磁性域に現われる大きい磁気モーメント値は、成形・硬化時に析出されるα−Fe等の不純相によるものであり、M−H曲線に基づいた測定結果と一致していると確認できた。図20に、異なる温度での磁場変化に伴う磁化特性を反映する曲線(M−H曲線)が示されており、磁場変化に伴う磁気ヒステリシス損失が極めて小さく、ほぼゼロ付近にあり、1:13相の常磁性高温域においてM−H曲線が折れ曲っているのを確認できるが、硬化時に析出されるα−Fe等の不純相によるものと見られる。
2)図21に、ステップ4)で製造されるLaFe11.6Si1.40.2合金粒子を異なる温度で成形・硬化させた後の、異なる磁場でのΔSの温度依存性(磁場増加時のΔSを算出する)が示されており、250℃、300℃及び400℃の条件で硬化させた材料の0〜5Tの磁場変化に伴うΔSピーク値がそれぞれ11.7J/kgK、11.0J/kgK及び9.5J/kgKであり、半値幅がそれぞれ32.5K、31.8K及び39.1Kであり、最大ヒステリシス損失を除いた有効冷凍能力がそれぞれ297.8J/kg、274.7J/kg及び291.2J/kgであると確認できた。また、合金粒子(ΔSが〜21.2J/kgK、実施例1)と比べ、ΔSピーク値が大幅に低下するとともにΔSの半値幅が増加し、冷凍能力も低下することが確認できた。
3)CMT4305電子万能試験機を用い、ステップ(7)で得られるLaFe11.6Si1.40.2合金粒子を異なる温度で硬化させて得られる試料の負荷圧力と歪みとの関係を測定し、図22に示すように、250℃、300℃及び400℃の条件下で硬化させた材料の耐圧強度が、それぞれ66.3MPa、70.0MPa及び154.7MPaに達していることを確認した。
つまり、本実施例において、ポリイミド接着剤を用いて接着させ、更に硬化処理を経て得られるLa(Fe,Si)13系磁気熱量材料によっても相当なレベルの大きさで耐圧強度を得ることが可能であることを確認した。しかし、硬化処理の際に高温(≧250℃)と高圧(≧2.0GPa)が導入されることによって材料の固有特性に変化が起こり、硬化時に大量のα−Fe等の不純相が析出し、また、相転移温度が大幅に上昇すると同時に磁気熱量効果の大きさ及び冷凍能力が大幅に下がり、材料性能が低下する結果となった。本実施例において、導入された高温(250℃、300℃及び400℃)は、実施例1〜3の硬化温度(160℃、170℃及び130℃)より高く、導入された成形圧力(2.0〜2.5GPa)も上述した三つの実施例の≦1GPa、≦1.3GPa及び1GPaより高い。
実施例6:低いヒステリシス損失を備えるLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2磁気熱量材料
1)化学式La0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2に従って原料を調製し、原料としては、工業用純LaCe合金、Fe、Si、La及びFeCである。その内、単体Laは、LaCe合金にLaの不足分を補うために用いられ、FeC合金は、C供給用に用いられるが、FeC合金にFe元素が含まれていることから、添加する各元素の配合比率が磁性材料の化学式に示される原子量比率を満足できるように、添加する単体Feを適宜減らす必要がある。
2)ステップ1)で得られる原料を混ぜ合わせ、アーク炉に入れ、2×10-3Paに真空引きした後、純度99.996wt%の高純度アルゴンガスで炉室を2回洗浄し、その後、炉室内に純度99.996wt%の高純度アルゴンガスを1大気圧となるまで注入し、アーク点弧して(アーク点弧すると、原料が一体に溶融されて合金となる)合金インゴットを得る。各合金インゴットについては、溶融・製錬を4回繰り返し、この際の溶融温度が2000℃である。溶融・製錬が終了した後、銅坩堝において冷却させて鋳造合金インゴットを得る。
3)ステップ2)で製造される鋳造合金インゴットをそれぞれモリブデン箔で包み、高真空(1×10-4Pa)の石英管に密封した後、1080℃で30日間焼鈍し、石英管を割ってから液体窒素に浸して焼入れを行い、NaZn13型構造を有するLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金を得る。
4)ステップ3)で製造される合金ブロックを金属製すり鉢において砕いて粒径が1mm未満の粗粒子にし、その後、アセトン存在下で瑪瑙製すり鉢において粗粒子を更に粒径が200μm以下の不規則形合金粒子に砕き、その後、合金粒子を異なる網目数の標準篩にかけて分級を行い、異なる粒径範囲の粒子を得る。酸化防止を狙って、分級は、アセトン液体の存在下で行う。分級方法として、具体的には、170メッシュと120メッシュの標準篩を使って粒径が90〜120μm範囲の合金粒子を選別し、270メッシュと170メッシュの標準篩を使って粒径が50〜90μm範囲の合金粒子を選別し、800メッシュと270メッシュの標準篩を使って粒径が15〜50μm範囲の合金粒子を選別し、また、1600メッシュの標準篩を使って粒径が10μm未満の合金粒子を選別する。
<試料測定と結果分析>
1)CuターゲットX線回折装置を用い、La0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金ブロックの室温X線回折(XRD)パターンを測定した。結果として、図23に示すように、試料が純粋なNaZn13型構造を有し、不純相がほとんど検出されなかったことが確認できた。
2)超伝導量子干渋振動試料型磁力計MPMS(SQUID)VSMにおいて、La0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金ブロック(1粒子当たりの重量が2.7mg)及び異なる粒径範囲(粒径範囲が90〜120μmで重量が2.31mg、粒径範囲が50〜90μmで重量が1.86mg、粒径範囲が15〜50μmで重量が1.28mg、粒径範囲が10μm未満で重量が0.86mg)の試料の0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)を測定し、結果を図24に示す。図24の結果から、粒径が10μm未満の合金粒子のキュリー温度が高温域に向かって203Kにシフトし(研磨する際に導入される応力が蓄積されて材料がα−Feを析出する可能性があり、それに応じてSiの相対含有量が増加した)、それ以外は、他の3種類の粒径範囲の合金粒子が、キュリー温度が200Kにあり、三者共に合金ブロックと一致していることが確認できた。
3)MPMS(SQUID)VSMにおいて、La0.7Ce0.3Fe11.6Si1.4C0.2合金ブロック(1粒子当たりの重量が2.7mg)及び異なる粒径範囲(粒径範囲が90〜120μmで重量が2.31mg、粒径範囲が50〜90μmで重量が1.86mg、粒径範囲が15〜50μmで重量が1.28mg、粒径範囲が10μm未満で重量が0.86mg)の試料の異なる温度で磁場変化に伴う磁化特性を示す曲線(M−H曲線)を測定し、この時、磁場増加と磁場減少の速度が同じく、いずれも500エルステッド/秒である。図25の(a)と(b)組は、それぞれ合金ブロックと3種類の粒径範囲の試料の磁場変化に伴うM−H曲線、及びヒステリシス損失の温度依存性を示している。M−H曲線において屈曲点を出現は、磁場に誘導される常磁性からフェリ磁性への磁気シフト行為が存在することを意味する。各組の曲線を比較すると、ヒステリシス損失が粒度減少に伴って大幅に低下し、最大磁気ヒステリシスが合金ブロックの場合の98.4J/kgから粒径範囲15〜50μmの場合の35.4J/kgに下がり、下落幅が64%に達していることが判った。高温域(1:13相の常磁性域)でM−H曲線が直線になっていることから、合金ブロック及び3種類の粒径範囲の試料が全て純粋な1:13相であり、α−Fe相の出現がほぼないと結論付けることができる。
4)以下に示すマクスウェルの関係式に基づき、等温磁化曲線から磁気エントロピー変化ΔSを算出することができる。
図26に、合金ブロック及び3種類の粒径範囲のLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2合金粒子の異なる磁場での磁場増加時のΔSの温度依存性が示されている。図26に示すように、ΔSピークの形が磁場増加につれて高温域に向かって非対称的に展開し、ピーク後に続いて曲線がフラットパターンになっているが、これはLa(Fe,Si)13基により構成される一次相転移システムの典型的な特徴でもあり、キュリー温度以上で磁場によって誘導される磁気シフト行為によるものであると考えられる。ΔSピークの形から、一次相転移特性と磁気シフト行為の存在を更に検証したこととなった。今までの研究より、ΔSピークの出現は、一次相転移の際に二つの相が共存することで起因し、熱効果を有さない偽像であり、ΔSのフラットパターンが磁気熱量効果の本質を反映していることが確認できている。また、合金ブロック及び3種類の粒径範囲のLa0.7Ce0.3Fe11.6Si1.40.2試料が共に大きな有効磁気エントロピー変化の大きさを維持し、平均値が26J/kgKであることも確認できた。
上記結果との比較として、図27の(a)と(b)に、粒径範囲が10μm未満に低下する場合のM−H曲線、及び磁気エントロピー変化−温度曲線がそれぞれ示されている。図27に示すように、粒度が10μm未満の場合、最大磁気ヒステリシスが更に27J/kgにまで減少するが、α−Fe等の不純相の析出により磁気熱量効果の大きさが21J/kgKにまで低下することが判った。図27(a)のM−H曲線が1:13相の常磁性高温域において依然として折れ曲った形になっており、α−Fe等の不純相によるものであると考えられ、α−Fe等の不純相が析出された証になっている。
実施例7:2種類の高強度のLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.12.9及びLa0.7Pr0.3Fe11.5Si1.50.20.050.55磁気熱量材料の製造
1)それぞれ化学式La0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.1及びLa0.7Pr0.3Fe11.5Si1.50.20.05に従って原料を調製し、原料としては、工業用純混合希土La−Ce−Pr−Nd(純度98.2wt%)、La、Pr、FeC、FeB、Fe、Siであり、単体Laで混合希土にLaの不足分を補ってもよい。
2)ステップ1)の原料を混ぜ合わせ、アーク炉に入れ、2×10-3Paに真空引きした後、純度99.996wt%の高純度アルゴンガスで炉室を2回洗浄し、その後、炉室内に純度99.996wt%の高純度アルゴンガスを1.4大気圧となるまで注入し、アーク点弧して(アーク点弧すると、原料が一体に溶融されて合金となる)合金インゴットを得る。各合金インゴットについては、溶融・製錬を2回繰り返し、この際の溶融温度が2000℃である。溶融・製錬が終了した後、銅坩堝において冷却させて鋳造合金インゴットを得る。
3)ステップ2)で製造される鋳造合金インゴットをそれぞれモリブデン箔で包み、高真空(1×10-4Pa)の石英管に密封した後、1100℃で10日間焼鈍し、石英管を割ってから液体窒素に浸して焼入れを行い、La0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.1及びLa0.7Pr0.3Fe11.5Si1.50.20.05の2種類の合金材を得る。
4)ステップ3)で製造されるLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.1及びLa0.7Pr0.3Fe11.5Si1.50.20.05の2種類の合金材を砕き、平均粒径範囲が20〜200μmの不規則形粒子にする。
5)中国広州市新希製錬化学工程有限会社より購入した「超微細エポキシ樹脂粉体(以下、「樹脂」と略称する)」、「超微細潜在性Q硬化剤(微粉化ジシアンジアミド、以下、「硬化剤」と略称する)」及び「超微細潜在性SH−A100促進剤(以下、「促進剤」と略称する)」を用いて割合に合わせて接着液を調製する。調製の際、樹脂:硬化剤:促進剤を重量比で100:12:5に混ぜ合わせ、溶融方法としては、アセトンと無水エタノールを1:1の割合で混ぜ合わせた後、硬化剤と促進剤が配合されているエポキシ樹脂接着剤粉体に注ぎ(溶質が完全に溶ける程度でアセトンと無水エタノールの添加量を決める)、粉体が溶液に完全に溶けるまで攪拌し、よって、接着液の調製作業を完了する。次に、調製した接着液を合金粒子:(硬化剤+促進剤+樹脂)が重量比で100:3.5になるようにステップ4)で製造されるLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.1及びLa0.7Pr0.3Fe11.5Si1.50.20.05の2種類の合金粒子に注ぎ、均一に混ぜ合わせてから平面状にして30℃の電気炉に入れ、乾燥時間を240分間にして完全に乾燥させる。
6)ステップ5)で製造される接着剤と混合済みのLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.1及びLa0.7Pr0.3Fe11.5Si1.50.20.05の2種類の合金粒子を、それぞれ圧縮して柱状体(直径5mm、高さ6mm)に成形させる。具体的には、接着剤と混合済みの合金粒子を材質として高クロム硬質合金工具鋼製の鋳型(円筒状、直径5mm)に入れ、室温において油圧プレスで圧縮して成形させる。成形時において、試料の負荷圧力が1.0GPaであり、時間が1分間である。圧縮して成形させた後、室温において脱型する。
7)P−C−T測定装置を用い、ステップ6)で圧縮して得られる2種類の組成の柱状体を異なる水素雰囲気において硬化させる。具体的には、1)ステップ6)で圧縮して得られるLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.1柱状体をP−C−T測定装置の高圧試料チャンバに入れ、1×10-1Paに真空引きしてから試料チャンバ内の温度を120℃に昇温させ、その後、試料チャンバに高純度H2(純度99.99%)を注入してH2圧力をそれぞれ1×10-5、2×10-3、0.1054、1.524、2.046、3.179、4.252、5.193、6.131、7.088、8.028、9.527MPaになるように調整を行い、更に各圧力下で25分間の水素吸蔵時間を保持した後、高圧試料チャンバの容器を室温(20℃)の水に浸した瞬間で即時に機械ポンプで高圧試料チャンバ内の余分な水素ガスを吸取り、室温に冷却させた後、P−C−T解析、秤量・計算を経てH含有量が約2.9であることを確定した。2)ステップ6)で圧縮して得られるLa0.7Pr0.3Fe11.5Si1.50.20.05柱状体をP−C−T測定装置の高圧試料チャンバに入れ、1×10-1Paに真空引きしてから試料チャンバ内の温度を120℃に昇温させ、その後、試料チャンバに高純度H2(純度99.99%)を注入してH2圧力をそれぞれ2×10-4、1×10-3、0.0510、0.2573、1.028MPaになるように調整を行い、最初の4個の圧力下で1分間の水素吸蔵時間を保持し、更に5番目の圧力(1.028MPa)圧力下で50分間保持して水素原子を均一に分散させ、且つ接着剤を硬化させた後、高圧試料チャンバの容器を室温(20℃)の水に浸した瞬間で即時に機械ポンプで高圧試料チャンバ内の余分な水素ガスを吸取り、室温に冷却させた後、P−C−T解析、秤量・計算を経てH含有量が約0.55であることを確定した。よって、高強度を備える2種類の接着La0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.12.9及びLa0.7Pr0.3Fe11.5Si1.50.20.050.55水素化物の磁気冷凍材料が得られる。ここで、前記合金の水素吸蔵量が水素吸蔵時の温度と圧力に依存するため、水素吸蔵温度と圧力を調整することで水素吸蔵量を調整することができ、異なる水素吸蔵圧力で中止することで異なる水素吸蔵量を得ることができる。
<性能測定>
1)CuターゲットX線回折装置を用い、ステップ7)で製造される2種類の接着La0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.12.9及びLa0.7Pr0.3Fe11.5Si1.50.20.050.55水素化物の塊状材料の室温X線回折(XRD)パターンを測定し、2種類の材料が純粋なNaZn13型構造を有していることを確認した。また、導入されたエポキシ樹脂接着剤が有機物であり、CuターゲットX線回折解析によってその回折ピークが検出されなかった。図28に、接着La0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.12.9のXRDパターンが示されている。
2)MPMS(SQUID)VSMにおいて、ステップ7)で製造される2種類のLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.12.9及びLa0.7Pr0.3Fe11.5Si1.50.20.050.55水素化物により構成される塊状接着材料の磁気特性を測定した。図29a、bと図30a、bに、前者と後者の0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)、及びマクスウェルの関係式に基づいて算出した磁気エントロピー変化(ΔS)の温度依存性(磁場増加時のΔSを算出する)を示す曲線がそれぞれ示されており、2種類のLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.12.9及びLa0.7Pr0.3Fe11.5Si1.50.20.050.55水素化物により構成される接着材料の相転移温度が、それぞれ〜352K、〜270K近傍にあり、0〜5Tの磁場変化に伴う磁気エントロピー変化最大値が、それぞれ21.5J/kgK、20.5J/kgKであり、磁気熱量効果の大きさが相当なレベルに達していることが確認できた。
3)CMT4305電子万能試験機を用い、ステップ7)で製造される2種類のLa0.7(Ce,Pr,Nd)0.3Fe11.6Si1.40.12.9及びLa0.7Pr0.3Fe11.5Si1.50.20.050.55水素化物により構成される塊状接着材料の負荷圧力と歪みとの関係を測定し、耐圧強度が、それぞれ47MPaと45MPaに達していることを確認した。
つまり、接着La(Fe,Si)13系炭素/ホウ素化合物を水素ガス雰囲気において硬化させることにより、耐圧強度が相当なレベルに達しているLa(Fe,Si)13基の炭素、ホウ素、水素格子間化合物を得ることができ、更に、最大磁気エントロピー変化が起こる温度を水素吸蔵処理によって高温に向かって大幅に調節することが可能であるため、磁気冷凍の実用化に重要な意義があると思われる。
実施例8:3種類の高強度のLa0.8Ce0.2Fe11.4Si1.6α(α=0、0.2及び0.4)磁気熱量材料の製造
1)それぞれ化学式La0.8Ce0.2Fe11.4Si1.6α(α=0、0.2及び0.4)に従って原料を調製し、原料としては、La、工業用純LaCe合金、Fe、Si及びFeBである。その内、単体Laは、LaCe合金にLaの不足分を補うために用いられ、FeB合金は、B供給用に用いられるが、FeB合金にFe元素が含まれていることから、添加する各元素の配合比率が磁性材料の化学式に示される原子量比率を満足できるように、添加する単体Feを適宜減らす必要がある。
2)ステップ1)の原料を混ぜ合わせ、アーク炉に入れ、2×10-3Paに真空引きした後、純度99.996wt%の高純度アルゴンガスで炉室を2回洗浄し、その後、炉室内に純度99.996wt%の高純度アルゴンガスを1.4大気圧となるまで注入し、アーク点弧して(アーク点弧すると、原料が一体に溶融されて合金となる)合金インゴットを得る。各合金インゴットについては、溶融・製錬を6回繰り返し、この際の溶融温度が1800℃である。溶融・製錬が終了した後、銅坩堝において冷却させて鋳造合金インゴットを得る。
3)ステップ2)で製造される鋳造合金インゴットをそれぞれモリブデン箔で包み、高真空(1×10-4Pa)の石英管に密封した後、1030℃で60日間焼鈍し、石英管を割ってから液体窒素に浸して焼入れを行い、3種類のLa0.8Ce0.2Fe11.4Si1.6α(α=0、0.2及び0.4)合金を得る。
4)ステップ3)で製造される3種類のLa0.8Ce0.2Fe11.4Si1.6α(α=0、0.2及び0.4)合金を切断し、それぞれ平均粒径範囲が20〜200μmの不規則形粒子にする。
5)中国東莞市邦特表面処理材有限会社より購入した「エポキシ樹脂接着剤BT−801粉体(製品に相応する硬化剤と促進剤を混ぜ合わせたもの)」を用いて接着液を調製する。調製の際、アセトン:無水エタノール:BT−801エポキシ樹脂接着剤を重量比で1:1:1に混ぜ合わせ、溶融方法としては、アセトンと無水エタノールを混合してなる溶液をBT−801エポキシ樹脂接着剤粉体に注ぎ、粉体が溶液に完全に溶けるまで攪拌し、よって、接着液の調製作業を完了する。次に、調製した接着液を合金粒子:BT−801エポキシ樹脂接着剤粉体が重量比で100:2.5になるようにステップ4)で製造される3種類のLa0.8Ce0.2Fe11.4Si1.6α(α=0、0.2及び0.4)粒子に注ぎ、均一に混ぜ合わせてから平面状にして50℃の電気炉に入れ、乾燥時間を180分間にして完全に乾燥させる。
6)ステップ5)で製造される接着剤と混合済みのLa0.8Ce0.2Fe11.4Si1.6α(α=0、0.2及び0.4)合金粒子を圧縮して柱状体(直径5mm、高さ7mm)に成形させる。具体的には、接着剤と混合済みの合金粒子を材質として高クロム硬質合金工具鋼製の鋳型(円筒状、直径5mm)に入れ、室温において油圧プレスで圧縮して成形させる。成形時において、成形圧力が1.0GPaであり、時間が5分間である。圧縮して成形させた後、室温において脱型する。
7)ステップ6)で圧縮して得られる柱状体をそれぞれ真空(真空度1×10-1Pa)状態にて硬化させる。硬化温度がいずれも170℃であり、硬化時間がいずれも30分間である。硬化処理が終了すると、高強度で一次相転移の性質を示すLa0.8Ce0.2Fe11.4Si1.6α(α=0、0.2及び0.4)磁気熱量材料が得られる。
<性能測定>
1)CuターゲットX線回折装置を用い、ステップ4)で製造されるLa0.8Ce0.2Fe11.4Si1.6α(α=0、0.2及び0.4)合金粒子、及び 1.0GPaの圧力下で成形させ、更に真空状態において硬化させた塊状材料の室温X線回折(XRD)パターンを測定した。図31に示すように、合金粒子がNaZn13型構造になっていることを確認でき、少量のα−Fe等の不純相も検出された。また、硬化後において、試料が依然としてNaZn13型構造を保ち、不純相の含有量に明らかな変化がないことが確認できた。導入されたエポキシ樹脂接着剤が有機物であり、CuターゲットX線回折解析によってその回折ピークが検出されなかった。
2)MPMS(SQUID)VSMにおいて、ステップ4)で製造される合金粒子、及びステップ7)で製造される塊状材料の磁気特性を測定した。図32に、ステップ7)の硬化試料の0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)が示されており、La0.8Ce0.2Fe11.4Si1.6αの相転移温度が、それぞれ186K(α=0)、190K(α=0.2)、199K(α=0.4)であることが確認できた。また、図33に示すように、ステップ7)の硬化試料の、マクスウェルの関係式に基づいて算出した0〜5Tの磁場変化に伴う磁気エントロピー変化が、それぞれ23J/kgK(α=0)、21J/kgK(α=0.2)、10J/kgK(α=0.4)であることを確認した。
3)CMT4305電子万能試験機を用い、ステップ7)で製造される塊状材料の負荷圧力と歪みとの関係を測定し、異なる組成を有する3種類の塊状材料の耐圧強度が、それぞれ124MPa、119MPa及び131MPaに達していることを確認した。
実施例9:4種類の高強度のLa0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiyとLa0.9(Ce,Pr,Nd)0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)磁気熱量材料の製造
1)化学式La0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)とLa0.9(Ce,Pr,Nd)0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)に従って原料を調製し、原料としては、工業用純LaCe合金、混合希土La−Ce−Pr−Nd(純度98.2wt%)、Fe、Si、Co、Mn、Laである。その内、単体Laは、Laの不足分を補うために用いられる。
2)ステップ1)の原料を混ぜ合わせ、アーク炉に入れ、2×10-3Paに真空引きした後、純度99.996wt%の高純度アルゴンガスで炉室を2回洗浄し、その後、炉室内に純度99.996wt%の高純度アルゴンガスを0.6大気圧となるまで注入し、アーク点弧して(アーク点弧すると、原料が一体に溶融されて合金となる)合金インゴットを得る。各合金インゴットについては、溶融・製錬を5回繰り返し、この際の溶融温度が2400℃である。溶融・製錬が終了した後、銅坩堝において冷却させて鋳造合金インゴットを得る。
3)ステップ2)で製造される鋳造合金インゴットをそれぞれモリブデン箔で包み、真空炉(9×10-4Pa)において1350℃で2時間かけて焼鈍し処理を行い、そのまま炉内で室温まで冷却させて組成が異なる4種類のLa0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiyと(Ce,Pr,Nd)0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)合金を得る。
4)ステップ3)で製造されるLa0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiyと(Ce,Pr,Nd)0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)合金を切断し、それぞれ平均粒径範囲が20〜200μmの不規則形粒子にする。
5)中国東莞市邦特表面処理材有限会社より購入した「エポキシ樹脂接着剤BT−801粉体(製品に相応する硬化剤と促進剤を混ぜ合わせたもの)」を用いて接着液を調製する。調製の際、アセトン:無水エタノール:BT−801エポキシ樹脂接着剤を重量比で1:1:1に混ぜ合わせ、溶融方法としては、アセトンと無水エタノールを混合してなる溶液をBT−801エポキシ樹脂接着剤粉体に注ぎ、粉体が溶液に完全に溶けるまで攪拌し、よって、接着液の調製作業を完了する。次に、調製した接着液を合金粒子:BT−801エポキシ樹脂接着剤粉体が重量比で100:4.5になるようにそれぞれステップ4)で製造されるLa0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiyと(Ce,Pr,Nd)0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)合金粒子に注ぎ、均一に混ぜ合わせてから平面状にして50℃の電気炉に入れ、乾燥時間を180分間にして完全に乾燥させる。
6)ステップ5)で製造される接着剤と混合済みのLa0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiyと(Ce,Pr,Nd)0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)合金粒子を圧縮して柱状体(直径5mm、高さ7mm)に成形させる。具体的には、接着剤と混合済みの合金粒子を材質として高クロム硬質合金工具鋼製の鋳型(円筒状、直径5mm)に入れ、室温において油圧プレスで圧縮して成形させる。平行試験として、成形時に選択した圧力が0.75GPaであり、時間がいずれも10分間である。圧縮して成形させた後、室温において脱型する。
7)ステップ6)で圧縮して得られる柱状体をアルゴンガス(圧力9.5MPa)において硬化させ、硬化温度が160℃、硬化時間が10分間である。硬化処理が終了すると、高強度のLa0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiyとLa0.9(Ce,Pr,Nd)0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)の4種類の磁気熱量材料が得られる。
<性能測定>
1)CuターゲットX線回折装置を用い、ステップ4)で得られるLa0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiyとLa0.9(Ce,Pr,Nd)0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)合金粒子の室温X線回折(XRD)パターンを測定した。測定結果より、主相の構造がNaZn13型構造であり、α−Fe及び正体不明の不純相があることが確認できた。34図に、La0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)合金粒子の室温X線回折(XRD)パターンが示されており、不純相に*マークが付けられている。接着剤を混合した後に0.75GPa成形圧力で成形させ、更に真空状態において硬化させた試料において、不純相の含有量に明らかな変化がないことを確認した。導入された4.5%割合のエポキシ樹脂接着剤が有機物であり、CuターゲットX線回折解析によってその回折ピークが検出されなかった。
2)MPMS(SQUID)VSMを用い、ステップ4)で得られるLa0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiyと(Ce,Pr,Nd)0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)合金粒子、及び硬化・成形後の試料の磁気特性を測定した。図35、36に、それぞれLa0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiyと(Ce,Pr,Nd)0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)合金粒子の0.02Tの印加磁場における熱磁気曲線(M−T)が示されており、La0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)合金粒子の相転移温度が、それぞれ97Kと70Kであり、算出した0〜5Tの磁場変化に伴う磁気エントロピー変化が、それぞれ1.1J/kgKと2.0J/kgKであり、La0.9(Ce,Pr,Nd)0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)合金粒子の相転移温度が、それぞれ100Kと70Kであり、算出した0〜5Tの磁場変化に伴う磁気エントロピー変化が、それぞれ1.5J/kgKと2.4J/kgKであることを確認した。硬化後の相転移温度とエントロピー変化の大きさにいずれも明らかな変化がないことが確認できた。
3)CMT4305電子万能試験機を用い、異なる成形圧力で成形させ、更に硬化処理を終えた試料の負荷圧力と歪みとの関係を測定した。0.75GPaで成形させ、真空状態において硬化させた後、La0.9Ce0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)材料の耐圧強度がそれぞれ92.1MPaと95.2MPaであり、La0.9(Ce,Pr,Nd)0.1(Fe0.6Co0.2Mn0.213-ySiy(y=0.9及び1.8)材料の耐圧強度がそれぞれ85.1MPaと93.2MPaであることを確認した。
結論としては、実施例3と本実施例を組合せ、工業用純LaCe合金、工業用純La−Ce−Pr−Ndを原料とし、更に前記製造方法を用いることにより、比較的大きい組成範囲(Co含有量0≦p≦0.2、Mn含有量0≦q≦0.2、Si含有量0.8≦y≦2)で主相がNaZn13型構造のLa(Fe,Si)13系磁気熱量材料を製造し、また、前記粘着方法を用いることで高耐圧強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料を得ることが可能であることが実証された。
以上において、具体的な実施形態を参照して本発明を詳述した。ただし、当業者にすれば、上述した具体的な実施形態が本発明の範囲について何ら制限もしないことに留意すべきである。したがって、本発明の宗旨と範疇から逸脱しない限り、本発明の技術案にあらゆる形態で変形や変更を施すことが可能である。

Claims (13)

  1. 高強度を備える接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料であって、
    前記磁気熱量材料に磁気熱量効果を示す合金粒子とバインダを含み、前記磁気熱量効果を示す合金粒子の粒径範囲が800μm以下であり、且つ前記磁気熱量効果を示す合金粒子が前記バインダによって塊状材料に粘着されており、その内、
    前記磁気熱量効果を示す合金粒子は、NaZn13型構造を有し、且つ化学式としてLa1-xx(Fe1-p-qCopMnq13-ySiyαで表され、式中、
    Rは、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、及びネオジム(Nd)元素から選ばれる1種または2種以上を表し、
    Aは、炭素(C)、水素(H)、及びホウ素(B)元素から選ばれる1種または2種以上を表し、
    xの範囲は、0≦x≦0.5であり、
    yの範囲は、0.8≦y≦2であり、
    pの範囲は、0≦p≦0.2であり、
    qの範囲は、0≦q≦0.2であり、
    αの範囲は、0≦α≦3.0である、接着La(Fe,Si)13系磁気熱量材料。
  2. 前記磁気熱量効果を示す合金粒子100重量部に対し、前記バインダの含有量が1〜10重量部であり、好ましくは、2〜5重量部である、請求項1に記載の磁気熱量材料。
  3. 前記バインダが、エポキシ樹脂接着剤、ポリイミド接着剤、ウレア樹脂、フェノール樹脂、及びジアリルフタレートから選ばれる1種もしくは2種以上であり、好ましくは、エポキシ樹脂接着剤、ポリイミド接着剤から選ばれる1種もしくは2種以上である、請求項1または2に記載の磁気熱量材料。
  4. 前記磁気熱量効果を示す合金粒子の粒径範囲が15〜800μmであり、好ましくは、15〜200μmである、請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気熱量材料。
  5. 前記磁気熱量効果を示す合金粒子は、化学式La1-xx(Fe1-pCop13-ySiyαで表され、式中、
    Rは、Ce、Pr、及びNd元素から選ばれる1種もしくは2種以上を表し、
    Aは、H、C、及びB元素から選ばれる1種、2種もしくは3種を表し、
    xの範囲は、0≦x≦0.5であり、
    yの範囲は、1≦y≦2であり、
    pの範囲は、0≦p≦0.1であり、
    αの範囲は、0≦α≦2.6である、請求項1〜4の何れか1項に記載の磁気熱量材料。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の磁気熱量材料の製造方法であって、当該方法は
    1)化学式に従って原料を調製し、または化学式中のAが水素元素を含む場合、水素以外の原料を化学式に従って調製し、
    2)ステップ1)で調製された原料をアーク炉に入れ、真空引きして不活性ガスで洗浄し、不活性ガス雰囲気で溶融させて合金インゴットを得、前記不活性ガスとして、好適なのはアルゴンガスであり、
    3)ステップ2)で溶融済みの合金インゴットを真空下で焼鈍し、その後、液体窒素または水に浸して焼入れするか、もしくは炉内冷却を行うことでNaZn13構造を有するLa1-xx(Fe1-p-qCopMnq13-ySiyα系の磁気熱量効果を示す合金を製造し、
    4)ステップ3)で製造された磁気熱量効果を示す合金を粉砕し、粒径が800mm以下の磁気熱量合金粒子を得、
    5)バインダとステップ4)で製造られた磁気熱量効果を示す合金粒子を均一に混ぜ合わせ、圧縮して成形させ、更に硬化処理を経て塊状材料を得、
    その内、化学式中のAが水素元素を含む場合、前記ステップ5)の硬化処理は、水素ガス雰囲気下で行うことを含む、製造方法。
  7. 前記ステップ5)において、バインダと磁気熱量効果を示す合金粒子を混ぜ合わせる方法として、乾式混合または湿式混合があり、その内、前記乾式混合は、粉末状のバインダ、硬化剤、及び促進剤と、前記磁気熱量効果を示す合金粒子とを均一に混ぜ合わせることを含み、前記湿式混合は、バインダ、硬化剤、及び促進剤を有機溶媒に溶かして接着液を調製し、当該接着液に前記磁気熱量効果を示す合金粒子を加えて均一に混ぜ合わせた後、十分に乾燥させることを含む、請求項6項に記載の製造方法。
  8. 前記ステップ5)において、圧縮して成形させる際の条件として、圧縮圧力が100MPa〜20GPaであり、0.1〜2.5GPaであることが好ましく、圧縮時間が1〜120分間であり、好ましくは1〜10分間である、請求項6項に記載の製造方法。
  9. 前記ステップ5)において、硬化処理が不活性ガス雰囲気または真空下で行い、硬化処理の条件として、硬化温度が70〜250℃であり、100〜200℃であることが好ましく、硬化時間が1〜300分間であり、10〜60分間であることがこのましく、不活性ガスの圧力が10-2Pa〜10MPaであるか、もしくは真空度が1Pa未満であり、
    化学式中のAに水素元素が含まれる場合、前記ステップ5)の硬化処理を水素ガス雰囲気で行い、
    硬化処理時の条件として、硬化温度が70〜250℃であり、100〜200℃であることが好ましく、硬化時間が1〜300分間であり、10〜60分間であることが好ましく、水素ガスの圧力が10-2Pa〜10MPaである、請求項6項に記載の製造方法。
  10. 原料であるLa、Rは、製品化された単体希土類元素、及び/または工業用純LaCe合金、及び/または工業用純LaCePrNd混合希土であり、好ましくは、Aに炭素及び/またはホウ素元素を含む場合、炭素及び/またはホウ素がそれぞれFeC及び/またはFeB合金によって供給される、請求項6項に記載の製造方法。
  11. 前記ステップ2)は、ステップ1)で調製された原料をアーク炉に入れ、真空度が1×10-2Pa未満になるまで真空引きし、純度99%を超える高純度のアルゴンガスで炉室を1〜2回洗浄し、その後、炉室内に当該アルゴンガスを0.5〜1.5大気圧になるまで注入し、アーク点弧して合金インゴットを得ることを含み、各合金インゴットについては、1500〜2500℃で溶融・製錬を1〜6回繰り返し、
    前記ステップ3)は、ステップ2)で溶融・製錬済みの合金インゴットを1000〜1400℃、真空度1×10-3Pa未満の条件で1時間〜60日間焼鈍し、その後、液体窒素または水に浸して焼入れするか、もしくは炉内冷却を行うことを含む、請求項6項に記載の製造方法。
  12. 請求項1〜5の何れか1項に記載の磁気熱量材料、または請求項6〜11の何れか1項に記載の製造方法により製造される磁気熱量材料を含んでなる、磁気冷凍装置。
  13. 請求項1〜5の何れか1項に記載の磁気熱量材料、または請求項6〜11の何れか1項に記載の製造方法により製造される磁気熱量材料の、冷凍材料の製造における応用。
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