JP2015504084A - エステル交換による2−オクチルアクリレートの生成のための方法 - Google Patents
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Abstract
Description
CH2=CH−COOR1+R2−OH⇔CH2=CH−COOR2+R1−OH
アクリル酸エステルの生成の方向に平衡をシフトするために、反応中に生成された軽質アルコールを除去することが必要である。
・所望のアクリル酸エステルの大部分が最初に分離され、続いて、使用された触媒から蒸留により単離され(触媒の分離)、
・または、所望のアクリル酸エステルの大部分が最初に、使用された触媒から蒸留により単離され(触媒の分離)、続いて、アクリル酸エステルの大部分が分離され、
・続いて、所望のアクリル酸エステルの沸点より低い沸点を有する化合物が、得られた混合物の蒸留により分離され(低沸点物質の分離)、続いて、アクリル酸エステルが蒸留される(純粋な状態における蒸留)。
本発明の主題は、エステル交換触媒としてのアルキルチタネートおよび少なくとも1つの重合阻害剤の存在下における軽質アルコールアクリレートと2−オクタノールとの間でのエステル交換反応による、2−オクチルアクリレートの連続生成のための方法であって、軽質アルコールアクリレートおよびエステル交換反応により発生した軽質アルコールからなる共沸混合物が反応中に連続的に取り出され、反応混合物が、一方では純粋な2−オクチルアクリレートを得、他方では再利用されることを意図された未反応の2−オクタノールおよび軽質アルコールアクリレート化合物、さらには再利用されることを意図された触媒を得るために、少なくとも2つの蒸留カラムを備える精製処理を施され、前記方法は
−(i)触媒が、2−オクタノール中に溶解したエチルチタネートおよび2−オクチルチタネートから選択され、
−(ii)触媒の予備的分離が、減圧下の第1の蒸留カラム(C1)に、軽質生成物としての未反応の2−オクタノールおよび軽質アルコールアクリレートおよび重質生成物としての触媒、1つまたは複数の重合阻害剤、さらには重質反応生成物を有する、所望の2−オクチルアクリレートを含む粗製反応混合物を送ることにより実施され、蒸留が、
○最上部において、ごくわずかな重合阻害剤を含むが触媒を含まないまたは実質的に含まない、2−オクチルアクリレートおよび軽質生成物から本質的に構成される流れを得ること、ならびに
○底部において、触媒、重合阻害剤およびごくわずかな2−オクチルアクリレートを有し、反応段階に再利用されることになる、重質反応生成物の流れを得ること
を可能にする、前記第1のカラム(C1)内で実施され、次いで、
−(iii)第1の蒸留カラム(C1)からの最上部流の蒸留により、未反応の2−オクタノールおよび軽質アルコールアクリレート化合物、重合阻害剤を含む画分ならびに純粋な2−オクチルアクリレートが分離され、
−(iv)所望の純粋な2−オクチルアクリレートが回収され、
−(v)未反応の2−オクタノールおよび軽質アルコールアクリレート化合物が、反応段階に再利用され、
−(vi)重合阻害剤を含む画分が、触媒の分離のためのカラム(C1)に送られる
ことを特徴とする、方法である。
−(iii1)第1の蒸留カラム(C1)からの最上部流が、
○最上部において、ごくわずかな2−オクチルアクリレートを有する、未反応の2−オクタノールおよび軽質アルコールアクリレートから本質的になる流れを得ること、ならびに
○底部において、微量の未反応の生成物および重合阻害剤を含む2−オクチルアクリレートを得ること
を可能にする蒸留が実施される、減圧下の第2の蒸留カラム(C2)に送られ、次いで、
−(iii2)第2の蒸留カラム(C2)からの底部流が、
○最上部において、所望の純粋な2−オクチルアクリレートを分離すること、および
○底部において、2−オクチルアクリレート中に溶解した重合阻害剤を分離すること
を可能にする精留が実施される、減圧下の第3の蒸留カラム(C3)に送られる。
○最上部において、ごくわずかな2−オクチルアクリレートを有する、未反応の2−オクタノールおよび軽質アルコールアクリレートから本質的になる流れを得ること、
○底部において、わずかな2−オクチルアクリレートを有する、重合阻害剤を含む流れを得ること、
ならびに側留(side stream)を通して所望の純粋な2−オクチルアクリレートを回収すること
を可能にする蒸留が実施される、減圧下の第2のカラム(C2’)まで送ることにより、同時に実施される。
EA:エチルアクリレート
2OCTA:2−オクチルアクリレート
PTZ:フェノチアジン
HQME:ヒドロキノンメチルエステル
(本発明による)
エチルアクリレート、2−オクタノールおよび2−オクタノール中に溶解したエチルチタネート(エチルチタネートの2−オクタノール中90%混合物)とフェノチアジン阻害剤との混合物を、53.8/45.6/0.6の重量による比率において、外部交換器により加熱された、12個の理論段を有する蒸留カラムが上に載っている完全撹拌反応器Rに仕込む。
反応器は、空気によってバブリングしながら加熱し、温度が500mmHg(0.67×105Pa)下で115℃に到達したらすぐに、2000ppmのPTZによって安定化されたEA(10)、2−オクタノール(20)および2−オクタノール(30)中に溶解したエチルチタネートを、53.8/45.6/0.6の重量による比率において、連続的に導入する。
カラム最上部において、35/65の重量による組成を有するEA/エタノール共沸混合物(40)が、連続的に取り出される。
連続反応により得られた粗製反応生成物(1)は、2OCTA、未反応のEA、未反応の2−オクタノール、ならびに、重合阻害剤および重質誘導体を有する触媒を含む混合物を、73/20.1/6.3/0.6の重量による比率において含む。
流れ(1)は、減圧下で動作しており140℃の温度において外部交換器により加熱された、12個の理論段を有する第1の蒸留カラムC1に連続的に送られる。
カラムC1最上部において、EA中の2500ppmのPTZを含む混合物が導入される。
カラムC1は、最上部において、21/9/70の重量による組成を有するEA/2−オクタノール/2OCTA混合物(3)を分離し、底部において、重質生成物、重合阻害剤および触媒および2OCTA画分を含む混合物(2)を分離する。
混合物(2)は、一部が反応に戻る。
混合物(3)は、第2の蒸留カラムC2に送られる。
12個の理論段を有するカラムC2は、外部交換器により加熱されており、カラム最上部における20mmHg(0.027×105Pa)の真空下で動作する。
カラムC2の最上部において、EA中の2500ppmのPTZを含む混合物が導入される。
カラムC2は、最上部において、60/25/15の重量による組成を有するEA/2−オクタノール/2OCTA混合物(4)を分離し、底部において、2OCTAに富んだ混合物(5)を分離する。混合物(5)は、下記の組成を有する:
−2OCTA 99.7%
−EA 微量
−2−オクタノール 200ppm
−PTZ 0.25%
−その他 300ppm
混合物(4)は、反応器R内での反応に再利用される。
混合物(5)は、第3の蒸留カラムC3に送られる。12個の理論段を有するカラムC3は、交換器により加熱されており、カラム最上部における50mmHg(0.067×105Pa)の真空下で動作する。
カラムC3最上部において、2OCTA中の2500ppmのHQMEを含む混合物が導入される。
カラムC3は、最上部において、99.85%の純度を有する2OCTA(6)を分離し、残留している反応物質は、痕跡の形態において存在する(2−オクタノール:300ppm)。
カラムC3の底部において分離された重合阻害剤は、有利にはカラムC1に再利用される。
純粋な2−オクチルアクリレート中に存在する低含量の2−オクタノールは、低含量の揮発性有機化合物を有するラテックスの製造に適合する。
(比較用)
例1におけるのと同じ合成を実施したが、エチルチタネートの代替としてブチルチタネートを触媒として使用した。
この場合、カラムC2の最上部において蒸留された流れ(4)は、ごくわずかな2OCTAを有する未反応の反応物質に加えて、触媒とEAとの反応を起源とする15%のブチルアクリレートも含む。
反応段階に再利用されることを意図されたこの流れ(4)は、プラント内でのブチルアクリレートの経時的な蓄積および精製された2OCTAの汚染のリスクを限定するために、ブチルアクリレートを除去するためのさらなるカラムにおける蒸留による予備的精製を必要とした。
(比較用)
例1におけるのと同じ合成を実施したが、エチルチタネートの代替として2−エチルヘキシルチタネートを触媒として使用した。
この場合、97.5%の純度を有する2OCTAが、精製された生成物中の触媒を起源とする2%の2−エチルヘキシルアクリレートの存在のため、カラムC3の最上部において得られた。
このようにして得られた2−オクチルアクリレートは、99.8%の純度を有する2OCTAと同じ性能を感圧性接着剤中に提供しない。
(比較用)
例1を繰り返したが、蒸留カラムC2に粗製反応生成物(1)を直接送りながら、次いで、触媒を含むカラムC2からカラムC3まで底部画分を送った。
この場合、500ppmのEAおよび1500ppmの2−オクタノールを含む2OCTAが得られ、触媒は、カラムC3の底部において除去された。
非常に低い含量の揮発性有機化合物を有する、このような品質の2OCTAは、コーティング用途に適していない。
(本発明による)
例1におけるのと同じ合成を実施したが、流れ3が、段14において側留を供給される、15個の理論段を備えるカラムC2’に送られた。
99.85%の純度を有する純粋な2OCTAが得られ、残留している反応物質は、痕跡の形態において存在していた(2−オクタノール:300ppm)。
Claims (9)
- エステル交換触媒としてのアルキルチタネート、および少なくとも1つの重合阻害剤の存在下における軽質アルコールアクリレートと2−オクタノールとの間でのエステル交換反応による、2−オクチルアクリレートの連続生成のための方法であって、
軽質アルコールアクリレートおよびエステル交換反応により発生した軽質アルコールからなる共沸混合物が反応中に連続的に取り出され、反応混合物が、一方では純粋な2−オクチルアクリレートを得、他方では再利用されることを意図された未反応の2−オクタノールおよび軽質アルコールアクリレート化合物、さらには再利用されることを意図された触媒を得るために、少なくとも2つの蒸留カラムを備える精製処理を施され、前記方法は
−(i)触媒が、2−オクタノール中に溶解したエチルチタネートおよび2−オクチルチタネートから選択され、
−(ii)触媒の予備的分離が、減圧下の第1の蒸留カラム(C1)に、軽質生成物としての未反応の2−オクタノールおよび軽質アルコールアクリレートならびに重質生成物としての触媒、1つまたは複数の重合阻害剤、さらには重質反応生成物を有する、所望の2−オクチルアクリレートを含む粗製反応混合物を供給することにより実施され、蒸留が、
○最上部において、ごくわずかな重合阻害剤を含むが触媒を含まないまたは実質的に含まない、2−オクチルアクリレートおよび軽質生成物から本質的に構成される流れを得ること、ならびに
○底部において、触媒、重合阻害剤およびごくわずかな2−オクチルアクリレートを有し、反応段階に再利用されることになる、重質反応生成物の流れを得ること
を可能にする、第1のカラム(C1)内で実施され、次いで、
−(iii)第1の蒸留カラム(C1)からの最上部流の蒸留により、未反応の2−オクタノールおよび軽質アルコールアクリレート化合物、重合阻害剤を含む画分ならびに純粋な2−オクチルアクリレートが分離され、
−(iv)所望の純粋な2−オクチルアクリレートが回収され、
−(v)未反応の2−オクタノールおよび軽質アルコールアクリレート化合物が、反応段階に再利用され、
(vi)重合阻害剤を含む画分が、触媒の分離のためのカラム(C1)に送られる
ことを特徴とする、方法。 - プロセスの段階(iii)が、下記の2つのサブ段階(iii1)およびサブ段階(iii2)から実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法であって:
−(iii1)第1の蒸留カラム(C1)からの最上部流が、
○最上部において、ごくわずかな2−オクチルアクリレートを有する、未反応の2−オクタノールおよび軽質アルコールアクリレートから本質的になる流れを得ること、ならびに
○底部において、微量の未反応の生成物および重合阻害剤を含む2−オクチルアクリレートを得ること
を可能にする蒸留が実施される、減圧下の第2の蒸留カラム(C2)に送られ、次いで、
−(iii2)第2の蒸留カラム(C2)からの底部流が、
○最上部において、所望の純粋な2−オクチルアクリレートを分離すること、および
○底部において、2−オクチルアクリレート中に溶解した重合阻害剤を分離すること
を可能にする精留が実施される、減圧下の第3の蒸留カラム(C3)に送られる、
方法。 - プロセスの段階(iii)および段階(iv)が、最上部流を第1のカラム(C1)から、
○最上部において、ごくわずかな2−オクチルアクリレートを有する、未反応の2−オクタノールおよび軽質アルコールアクリレートから本質的になる流れを得ること、
○底部において、わずかな2−オクチルアクリレートおよび未反応の生成物を有する、重合阻害剤を含む流れを得ること、
ならびに側流により所望の純粋な2−オクチルアクリレートを回収すること
を可能にする蒸留が実施される、減圧下の第2のカラム(C2’)まで送ることにより、同時に実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 - 触媒が、2−オクチルチタネートであることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。
- 触媒が、2−オクタノールの1モル当たり5×10−4molから5×10−2molまでの比率において使用され、好ましくは、2−オクタノールの1モル当たり10−3molから10−2molまでの比率において使用されることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
- 反応が、エチルアクリレートから出発して実施されることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法。
- 軽質アルコールアクリレート/2−オクタノールのモル比が、1から3までの範囲であり、好ましくは1.3から1.8の間の範囲であることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
- エステル交換反応が、500mmHg(0.67×105Pa)から大気圧(105Pa)の間の圧力および90℃から130℃までの範囲の温度、好ましくは100℃から120℃までの範囲の温度において実施されることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
- 軽質アルコールアクリレートが、再生可能な起源のエチルアクリレートであることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
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