JP2024506199A - 高純度アルキルアクリレートを製造するための改善された方法 - Google Patents

高純度アルキルアクリレートを製造するための改善された方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、アクリル酸と対応するアルコールとの直接エステル化によるアルキルアクリレートの製造に関する。特に、本発明は、アクリルポリマーを調製するための使用に適合性のある純度の規格に準ずるアクリルエステルを製造するために、粗製反応混合物の蒸留中にβ-ヒドロキシプロピオン酸及びβ-アクリルオキシプロピオン酸等の酸性不純物が豊富な流れを排出させるための側方の流れを備えたトッピングカラムと組み合わせた分解装置の使用に関する。

Description

本発明は、(メタ)アクリル酸と対応するアルコールとの直接エステル化による、アルキル(メタ)アクリレートの製造に関する。
主題は、最適化されたエネルギー条件下で、純度及び酸性度の規格を満たす生成物の高い生産性をもたらす、製造中に生成された重質副生成物をアップグレードする工程を含む、C4~C10アルキル(メタ)アクリレート、特に2-エチルヘキシルアクリレートの製造のための改善された方法である。
(メタ)アクリル酸のエステル化は水の生成を伴う平衡反応であり、この水は(メタ)アクリルエステルの生成の方向へ平衡をシフトさせるために反応中に除去する必要がある。
一般には触媒としてのカチオン性樹脂の存在下での、(メタ)アクリル酸の直接エステル化によるC4~C10アルキル(メタ)アクリレートの製造において直面する問題は、ほとんどの場合、高純度生成物を得るために反応工程の後に必要とされる精製工程の複雑さ、一般には工程の生産性の損失に結び付けられる。
マイケル付加反応から生じる「重質」化合物は(メタ)アクリルモノマー生成ユニットにおいて自然に形成される。特にこれらのユニットの蒸留カラム底部がさらされる高温においてこれらの寄生的反応は有利である。
この点は例えば2-エチルヘキシルアクリレートの合成によって例証される。この工業プロセスは、イオン交換樹脂の存在下でアクリル酸を過剰の2-エチルヘキサノールによりエステル化することで構成される。反応の最後に、反応混合物は、2-エチルヘキシルアクリレート、残留アクリル酸、過剰の2-エチルヘキサノール、重合反応を阻害するのに従来から使用される安定化剤、及び副反応から生じる様々な不純物を含む。
したがって、アクリル酸、未反応2-エチルヘキサノール、及び反応水は、2-エチルヘキシルアクリレートの二重結合に付加されて、主に
- 2-エチルヘキシルアクリレートへのアクリル酸の付加による、2-エチルヘキシルアクリルオキシプロピオネート(2EHAP);
- 2-エチルヘキシルアクリレートへの水の付加による、2-エチルヘキシルヒドロキシプロピオネート(2EHHP);
- 2-エチルヘキシルアクリレートへの2-エチルヘキサノールの付加による2-エチルヘキシル2-エチルヘキシルオキシプロピオネート(OPO)
を形成する。
重付加又は混合化合物の形成も可能性がある。
2-エチルヘキシルアクリレートの合成中に形成される他の重質副生成物は、2-エチルヘキサ-2-エン及び3-メチルヘプタ-2-エン等のオレフィン、又は反応水によるアクリル酸二量体(di-AA)の加水分解による3-ヒドロキシプロパン酸(HPA)である。
マイケル付加体の特徴の1つは、それらの沸点がアクリル酸(AA)、2-エチルヘキサノール、及び2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)の沸点を超えることである。それらの揮発性は低いので、それらは最後の蒸留カラムの底部、この残渣を濃縮させるのに使用される蒸発器の底部に蓄積する。
これらの重質副生成物及び数パーセントの遊離モノマーに加えて、蒸発器残渣は、精製工程の過程で蓄積された高濃度の重合阻害剤、例えば遊離型又はAA若しくは2EHAの付加体としてのフェノチアジン等、及び多かれ少なかれ媒体に可溶性であるポリマー性の化合物も含有する。一般に、この残渣は多くの場合焼却により除去され、収率の著しい損失をもたらす。
これらの副生成物は、出発物質の損失の問題及び容易に除去するための分離の問題を提示し、ますます所望のエステルとの共沸混合物を形成する可能性がある。したがって高純度の(メタ)アクリルエステルを得るのは困難である。
更に、応用のほとんどの分野、特に感圧性接着剤(PSA)の分野は、厳しい純度の規格(>99.7%)を満たし酸性度を持たない、特に酸系不純物(HPA+di-AA又はAA)の含量が90ppm未満であるモノマーからの(メタ)アクリルポリマーの調製を必要とする。
これらの不純物を制限するために、欧州特許第3174844号は、過剰のアルコールと、エステル化反応器及びエステル化用アルコールとの共沸混合物の形態で生成される水を除去する蒸留カラムを含む反応ループの循環とを使用することを記載している。このプロセスは微量の酸系不純物を含有する精製エステルをもたらす。
この問題を解決するために、国際公開第2020/234519号は、側部排出部を備え反応区域の出口に配置された蒸留カラムの使用を記載しており;これはHPA及びアクリル酸二量体が濃縮された溶液を側部から連続的に追い出すことを可能にし、それにより精製済み生成物中の残留酸性不純物の量を減少させる。しかし、前記文書はこの実施におけるオレフィンの結末に言及していない。
欧州特許第3174844号 国際公開第2020/234519号
先行技術に記載されるアクリルエステル合成/精製プロセスにおける、酸性不純物の除去、特に3-ヒドロキシプロパン酸(HPA)、及びまたオレフィンの除去を改善することが依然として必要とされている。
高純度C4~C10エステル、特に2-エチルヘキシルアクリレートの製造を可能にする方法において、熱分解の使用は、触媒の有無にかかわらず、固体が設備に堆積することなく高収率でマイケル付加体を転化させることが見出された。
本発明の1つの主題は、したがって、実施するのが簡単であり、最適化された生産性で純度の規格を満たす生成物をもたらし、一方では同時に、使用しようとする装置のサイズ及びエネルギーコストを制限する、アルキルアクリレートの回収/精製の方法である。
本発明の1つの主題は、粗製反応混合物の蒸留中にβ-ヒドロキシプロピオン酸及びβ-アクリルオキシプロピオン酸等の酸性不純物が豊富な流れが側部出口により排出される、アクリル酸と対応するアルコールとの直接エステル化を介して得られる粗製反応混合物からC4~C10アクリルエステルを回収/精製する方法において、精製カラムの塔底部の残渣を熱分解し、プロセスへ再循環される分解生成物を生成させる工程を含むことを特徴とする、方法である。
本発明による方法は、2-エチルヘキシルアクリレートを合成する特定の事例を詳細に説明する。
有利には、分解生成物は反応ゾーンの外側に再導入され、それによりアクリル酸の損失に対するオレフィンの悪影響を排除し、3-ヒドロキシプロパン酸(HPA)と2-エチルヘキサノールとのエステル化による2-エチルヘキシルヒドロキシプロピオネート(2EHHP)の触媒樹脂の形成を避ける。
「酸性不純物が豊富な流れ」という用語は、エステル化反応中に生成されるこれらの酸性不純物の大半が、粗製反応混合物が供給される蒸留カラムから横方向に排出される流れの中に存在することを意味する。この流れは、アクリルエステルに加えて、微量の未反応試薬及びアクリルエステルの沸点よりも高い沸点を有する重質副生成物、並びに微量の水も含む。
排出される、酸性不純物が豊富な流れは、ガス状又は液体状であってもよく、好ましくは液体状であってもよい。
側部の排出は、好ましくは蒸留カラムの供給のレベルよりも低いレベルで行われ、このことは、排出される流れの中のアップグレート可能な試薬、例えばアクリル酸及びエステル化用アルコール等の存在を最小限にすることを可能にする。
本発明による方法の一実施形態によれば、前記酸性不純物を分離し、処理済み流を蒸留カラムへ再循環するために、横方向に排出される、酸性不純物が豊富な流れは水による処理に供される。
一実施形態によれば、酸性不純物の大半を含まない処理済み流は蒸留カラムへ再循環される。
酸性不純物の大半を含まない処理済み流は、側部排出よりも低いレベル又は高いレベルで蒸留カラムへ再循環され得る;好ましくは、側部排出よりも高いレベルで再循環される。
好ましくは、酸性不純物の大半を含まない処理済み流は、蒸留カラムの供給レベルよりも低いレベルで蒸留カラムへ再循環される。
本発明による方法は、粗製反応混合物中に存在する酸性不純物の大半の分離を可能にする、側部排出部を備えた少なくとも1つの蒸留カラムを含む精製システムを使用して行われる。好ましくは、前記蒸留カラムは、反応媒体中に存在する未反応試薬等の軽質化合物を塔頂部で分離するトッピングカラムである。
本発明の別の主題は、アクリル酸と対応するアルコールとの直接エステル化により得られる粗製反応混合物からC4~C10アクリルエステルを回収/精製する方法であって、少なくとも以下の工程:
i) - 塔頂部において、未反応試薬で本質的に構成される流れを得る;
- 塔底部において、所望のエステル及び重質副生成物を含む流れを得る;
- 側部排出により、酸性不純物が豊富な流れを得る;
ことを可能にする、側部排出部を備えた蒸留カラムで反応混合物がトッピングに供される工程と、
ii) - 塔頂部において、精製済みの所望のエステルを、分離する;
- 塔底部において、トッピングカラムに存在する軽質化合物を再循環して、重質副生成物の最終残渣を除去するために、フィルム蒸発器上で濃縮される又はテーリングカラムで蒸留される重質副生成物を含有する流れを、分離する;
ことを可能にする、トッピングカラムからの塔底部流が精留カラムに供される工程と、
iii) - 塔頂部において、個別に再循環される又は蒸発器のヘッド流と混合される、アップグレード可能な生成物の流れを分離する;
- 塔底部において、処理プラントへ送られる残渣を分離する
ことを可能にする、精留カラムの塔底部流が蒸発器の出口に配置される反応器(分解装置)で行われる熱処理又は熱及び触媒処理に供される工程と
を含む、方法である。
本発明による方法は、側部排出流を処理する工程iv)、すなわち
iv)酸性不純物が豊富な流れが水性流による洗浄の工程に供され、デカンテーション後に
- 生物的処理プラントに送られ得る、又は水性洗浄流として部分的に使用され得る、酸性不純物のすべてを含む水性相と、
- トッピングカラムへ少なくとも部分的に再循環される、所望のエステル、重質副生成物、並びに微量の水及び微量の試薬を含む有機相と
を生成する工程も含んでいてもよい。
本発明による方法は、熱処理又は熱-触媒処理反応器(分解装置)のヘッド流を処理する工程v)、すなわち
v)分解装置ヘッド流が水性流による洗浄の工程に供され、デカンテーション後に、:
- 生物的処理プラントに送られ得る、又は水性洗浄流として部分的に使用され得る、酸性不純物のすべてを含む水性相と、
- トッピングカラム供給原料で又は側部排出の洗浄工程で少なくとも部分的に再循環される、所望のエステル、アルコール及び酸、並びにまた重質副生成物及び微量の水を含む有機相と
を生成する工程も含んでいてもよい。
本発明による方法は、99.7%以上、又は99.8%さえも超える純度、90ppm未満の酸性不純物(HPA+AA+AA二量体)の含量、及び最終的に400ppm未満の水含量を有する、C4~C10アクリルエステルが得られることを可能にし、マイケル付加体から試薬(アクリル酸及びアルコール)及び最終生成物への分解を行ってそれにより除去しようとする残渣の量を制限することによりプロセスの生産性を高める熱プロセス又は熱及び触媒プロセスを含む。
本発明は有利には、例えば接着剤又はコーティングの分野で使用することができるポリマーの製造において必要とされる純度の規格を満たす、2-エチルヘキシルアクリレート又は2-オクチルアクリレートの製造に適用される。
本発明の別の主題は、上記で定義される回収/精製プロセスを含む、アクリル酸と対応するアルコールとの直接エステル化により酸性不純物及びオレフィンを含まないC4~C10アクリルエステルを製造する方法である。
有利には、前記熱処理又は熱及び触媒処理は、2-エチルヘキシルアクリレート精製カラムの塔底部に配置される蒸発器の塔底部からのパージ生成物の分解を可能にする反応器と、任意選択により、分解から生じるヘッド生成物の再循環を可能にする様々な様式の発明によるさらなるデカンターとを組み合わせることにより、C4~C10エステル、特に2-エチルヘキシルアクリレートの製造を可能にするプロセスにおいてマイケル付加体をアップグレードさせることを可能にする。
したがって、分解装置のヘッド生成物は、本発明の様々な実施形態にしたがって加工することができる。すなわち、
- 水によりデカンター中で洗浄され、次いで蒸発器のヘッド生成物と混合される、
- 水によりデカンター中で洗浄され、次いで側部排出部に既に存在するデカンターに導入される、
- 側部排出部に既に存在するデカンターに直接導入される。
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図1~図7を参照して以下の詳細な説明を読むとより明確に表れることになる。
欧州特許第3174844号に記載される第1の2段階カラム精製プロセスの概略図である。 分解装置Cが加えられた、欧州特許第3174844号に記載される第2の2段階カラム精製プロセスの概略図である。 分解装置C、及びトッピングカラム入口への分解装置ヘッド流の再循環が加えられた、本発明による方法の概略図である。 トッピングカラムの側部排出部に位置するデカンターDへ分解装置ヘッド流が再循環される、本発明による方法の実施形態の概略図である。 分解装置Cのヘッド流がデカンターD1へ再循環され、続いて洗浄済みの生成物がトッピングカラムの入口へ再循環される、本発明による方法の実施形態の概略図である。 分解装置Cのヘッド流がデカンターD1へ再循環され、続いて洗浄済みの生成物がトッピングカラムの側部排出部に位置するデカンターDへ再循環される、本発明による方法の実施形態の概略図である。 分解装置ヘッド流がデカンターD1へ再循環され、続いて洗浄済みの生成物がトッピングカラムの入口へ再循環される、本発明による方法の実施形態の概略図である。
第1の態様によれば、本発明は、粗製反応混合物の蒸留中にβ-ヒドロキシプロピオン酸及びβ-アクリルオキシプロピオン酸等の酸性不純物が豊富な流れが側部出口により排出される、アクリル酸と対応するアルコールとの直接エステル化により得られる粗製反応混合物からC4~C10アクリルエステルを回収/精製する方法において、精製カラムの塔底部の残渣を熱分解し、プロセスへ再循環される分解生成物を生成させる工程を含むことを特徴とする、方法に関する。
有利には、プロセスへ再循環される前記分解生成物は、エステル、試薬(アルコール、酸)だけではなく、2-エチルヘキサ-2-エン及び3-メチルヘプタ-2-エン等のオレフィン並びに除去されなければならない酸性不純物も同様である。
本発明による方法において、マイケル付加体の分解は連続式、半連続式、又はバッチ式で行われてもよい。連続式の操作は、このエステル化プロセスにおいて好ましい操作の様式である。管型反応器、ジャケット付き撹拌反応器、又は強制循環若しくは自然循環(熱サイフォン式)による外部加熱ループを有する反応器が使用されてもよい。分解反応により生成されるアップグレード可能な化合物は、反応器の塔頂部又は反応器の上に取り付けられた蒸留カラムの塔頂部において蒸気の凝結後に収集される。
反応器中の反応温度及び圧力は、アクリル酸若しくは2-エチルヘキサノール等の試薬、又は最終製品が蒸発により取り出され、一方で同時に2-エチルヘキシルヒドロキシプロピオネート(2EHHP)等のマイケル付加体を反応媒体中に維持するように関連づけられる。
分解反応は、180~280℃、より具体的には200℃~250℃の温度範囲で行われる。反応器で維持される圧力は10000パスカル~大気圧、より具体的には30000~60000パスカルの間である。
本発明による方法において、マイケル付加体の分解は、硫酸又はパラトルエンスルホン酸(PTSA)等のプロトン性酸触媒の存在下又は非存在下で行われてもよい。触媒の非存在が好ましく、なぜならばこれはこの分解反応器に特殊な触媒導入ラインを作ることを回避し、とりわけ、数パーセントの規模まで濃縮されたこの強酸の存在に起因して最終残渣の熱的アップグレード処理を複雑化させることを回避するからである。
反応体積(l)に対する供給速度(kg/h)に基づく滞留時間は0.5~20時間、好ましくは1~7時間の範囲である。
この分解装置からのヘッド生成物は、2-エチルヘキシルアクリレート、出発試薬からだけでなく、オレフィン及びHPAからも成り、これは水による洗浄とそれに続くカラムの側部排出部に配置される静的若しくは遠心分離デカンターでの連続デカンテーション、又はこの分解装置の出口に直接配置される追加の装置の使用を必要とすることになる。
本発明は、アクリル酸とC4~C10アルコールとの直接エステル化により得られる粗製反応混合物を精製するプロセスにおいて、好ましくはトッピングカラムに適合された側部排出部を使用して酸性不純物が豊富な流れをパージすることに基づき、またこのエステル化プロセスで形成されるマイケル付加体をアップグレードするための反応器にも基づいている。
エステル化用アルコールは、4~10個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐アルキル鎖を含む第1級又は第2級脂肪族アルコールであってもよい。挙げることができるアルコールの例には、ブタノール、2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、2-オクタノール、n-デカノール、及び2-プロピルヘプタノールが含まれる。
好ましくは、アルコールは2-エチルヘキサノール又は2-オクタノールである。
エステル化反応は一般に、反応により生じた水を抽出するための蒸留カラムが取り付けられた反応器において行われる。反応水はエステル化用アルコールとの共沸混合物の形態で形成されてエステル化平衡をシフトさせるので、反応水を除去する。
エステル化反応の操作条件は重要ではなく、反応混合物を得るためのプロセスには関係なく本発明による方法が反応混合物に適用されることが可能である。したがって、反応は過剰の酸又は過剰のアルコールにおいて、一般に70℃~100℃、好ましくは75℃~95℃の温度で行うことができる。
反応器は固定床反応器又はスラリー床反応器であってもよい。反応器に取り付けられた蒸留カラムは一般に充填カラムであり、塔頂部のコンデンサー及びデカンターを備えており、これは塔頂部で凝縮される蒸気を沈降させることにより分離することを可能にし、カラムに再循環されるアルコール及び微量のエステルを含む有機相と、除去される水性相とを分離することを可能にする。カラムは一般に6000~12000パスカルの範囲の圧力で作動する。
欧州特許第3174844号に記載される先行技術のアクリルエステル回収/精製プロセスの概略図を表す図1を参照すると、反応器を出た反応混合物はトッピングカラム(3)に送り込まれ、これはエステル及び重質不純物(5)から未変換試薬(4)を本質的に分離し、エステル及び重質不純物(5)は精製カラム(6)に送り込まれ、これは精製エステルが塔頂部(7)で得られることを可能にし、蒸発器(9)においてカラム(6)の塔底部を処理した後に流れ(11)がこのプロセスから残る。
分解装置D1が加えられた、欧州特許第3174844号に記載される第2の2段階カラムアクリルエステル回収/精製プロセスの概略図を表す図2を参照する。反応器を出る反応混合物はトッピングカラム(3)に送り込まれ、これはエステル及び重質不純物(5)から未変換試薬(4)を本質的に分離し、エステル及び重質不純物(5)は精製カラム(6)に送り込まれ、これは精製エステルが塔頂部(7)で得られることを可能にし、蒸発器(9)においてカラム(6)の塔底部を処理した後に流れ(11)がこのプロセスから残る。最後に、流れ(11)は分解反応器Cに送り込まれる。後者のヘッド流はカラム(3)の入口へ再循環される(12)。
本発明は、トッピングカラム(3)としての側部排出部を備えた蒸留カラムに加えて、プロセスに再導入される分解生成物の生成をもたらす分解装置を使用することにより、前記先行技術の方法の欠点を克服する。
図3は、本発明による方法の実施形態を示す。反応器を出る反応混合物はトッピングカラム(3)に送り込まれ、これはエステル及び重質不純物(5)から未変換試薬(4)を本質的に分離し、また側部排出部は、この流れを水(14)で洗浄し、水性及び有機相をデカンターDで静置することにより分離し、次いで有機相をカラム(3)へ再循環することにより、酸性不純物を処理することを可能にする。カラム(3)の塔底部は精製カラム(6)に送り込まれ、これは精製エステルが塔頂部(7)で得られることを可能にし、蒸発器(9)においてカラム(6)の塔底部を処理した後に流れ(11)がこのプロセスから残る。最後に、流れ(11)は分解反応器Cに送り込まれる。前記反応器からのヘッド流は蒸発器からのヘッド流(10)と共にカラム(3)の入口へ再循環される(12)。
分解装置塔底部の残渣18は処理プラントへ送られる。
図4に表される本発明による方法の概略図によれば、熱分解装置又は熱及び触媒分解装置(13)が、仕上げカラム6の塔底部を濃縮させることを可能にする蒸発器9の出口に配置される。この分解装置には流れ11が供給される。分解装置塔底部の残渣18は処理プラントへ送られる。アップグレード可能な生成物流は、カラム3の排出ライン15に配置されているデカンターDへ再循環される。流れ12及び15は次いで水14により洗浄される。水性相は次いで生物的プラントへ送られ、一方で有機流16はカラム3へ再循環される。
本発明の好ましい実施形態を表す図4を参照すると、トッピングカラム(3)は10~30の理論トレー、好ましくは15~20の理論段階に相当するものを含む。カラムに使用される挿入物は、バルブトレー若しくは有孔の堰トレー、直交流トレー、例えばデュアルフロートレー、リップルトレー、ターボグリッドシェル等、又は規則充填物、例えばSulzer社のMellapack 250X等の構造充填物であってもよい。
トッピングカラムへの供給原料は、好ましくは強カチオン性樹脂により、例えばスルホン基を有するスチレン/ジビニルベンゼン型のスルホン化樹脂によりエステル化反応を触媒する反応ループからの流れから成る。例えば、Lanxess社によりLewatit K2620若しくはK2621の名称で販売される製品、又はRohm & Haas社によりAmberlyst A15、A16、若しくはA46の名称で販売されるものを挙げることができる。
トッピングカラムへの供給(2)は、このカラムの上側1/3で、好ましくはカラムの塔頂部から数えて3~10の理論トレーで行われる。
カラム(3)の塔頂部の流れ(4)は未反応試薬を本質的に含む。このアップグレード可能な流れ(4)は反応物へ再循環される。
カラムは、5/1~1/1、好ましくは1/3の還流比(カラムへ戻った凝縮液体の流量/流量(4))で作動する。
側部排出流15は、気体又は液体、好ましくは液体であってもよい。排出部はカラムの塔頂部から数えて5~15、好ましくは8~12の理論トレーに位置している。この側部排出部の位置はHPA及びdi-AAの濃度を最大化させながら同時にアップグレード可能な試薬(AA及び2-エチルヘキサノール)の存在を最小化するように思慮深く選択される。言うまでもなく、この側部排出は、ファウリングを生じない操作に必要とされる安定化剤の量を含む。必要であれば、気相排出の場合には、別の安定化剤も添加してもよい。有利には、100~5000ppmの重合阻害剤が本発明の方法による精製システムに導入される。
挙げることができる有用な重合阻害剤の例には、単独で又は任意の割合の混合物として、場合により酸素欠乏空気の存在下で50ppm~5000ppmであってもよい反応媒体中の含量の、一般には150ppm~1000ppmの含量の、フェノチアジン(PTZ)、ヒドロキノン(HQ)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(HQME)、ジ-tert-ブチル-パラクレゾール(BHT)、パラフェニレンジアミン、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ)、ジ-tert-ブチルカテコール、又はTEMPO誘導体、例えばOH-TEMPO等が含まれる。重合阻害剤は、様々な場所で、試薬の導入と共に又は蒸留カラムの塔頂部において添加されてもよい。
デカンテーションが行われる温度まで、好ましくは20℃~70℃まで冷却した後、水(14)が、側部排出部(15)から来る流れに対して5%~100%、好ましくは30%~80%の割合で添加される。20℃~70℃まで冷却された分解装置(12)からのヘッド生成物もこのデカンターDへ導入される。洗浄済みの有機流(16)が5~15、好ましくは7~12の理論トレーでカラムへ戻される。この有機流は形成されたオレフィンを含有し、これはカラム3の塔頂部で除去される。混合される際、このカラムの塔頂部におけるオレフィン濃度はわずかにしか変動せず(3500ppm~4000ppm)、したがってプロセスの機能を妨げない。酸系不純物を含有する水性相は、部分的に又は完全に、流れ(14)へ再循環されるか又は生物プラントへ放出されてもよい。
阻害剤をより効率的にするために、酸素、空気、又は7%のO2を含有する酸素欠乏空気をカラムの塔底部へ注入することができる。好ましくは、注入される酸素の量は、カラム中の有機蒸気の量に対して0.2%~0.5%の含量に相当する。
カラム内の熱の影響を受けやすい化合物の熱曝露を最小限にするために、カラムは真空下で操作されてもよい。有利には、カラム(3)は1333~13332パスカルの範囲の真空下で作動する。
このカラムの塔底部で排出され所望のエステルの製造のためのカラム(6)へ供給される流れ(5)は、少なくとも92質量%の所望のエステル、酸系不純物(HPA、di-AA)、アルコール系不純物、及びマイケル付加体を含む。この流れは好ましくはカラム(6)の塔底部から数えて1~3の理論トレーでカラム(6)へ送り込まれる。
パージカラム(6)は2~15理論トレー、好ましくは5~10の理論段階に相当するものを含む。
カラム(6)は、例えば有孔トレー又は充填カラムである。カラムに使用される挿入物は、バルブトレー若しくは有孔の堰トレー、又は直交流トレー、例えばデュアルフロートレー、リップルトレー、ターボグリッドシェル等、又は規則充填物、例えばSulzer社のMellapack 250X等の構造充填物であってもよい。
カラム(6)からのヘッド流(7)は、以下の仕様:エステル純度>99.7%、<90ppmの酸性不純物(HPA+diAA+AA)の含量、及び最終的に<400ppmの水含量を有する所望のエステルから成る。
カラムは、1/5~1/1、好ましくは1/5~1/2の還流比(カラムへ戻った凝縮液体の流量/流量(7))で作動する。カラム(3)のように、これは安定化され、空気又は酸素欠乏空気(7% O2)がカラムの塔底部に注入される。カラム内の熱の影響を受けやすい化合物の熱曝露を最小限にするために、カラムは真空下で操作されてもよい。有利には、カラム(6)は1333~13332Paの範囲の真空下で作動する。
有利には、動作温度は50℃~160℃である。
存在する軽質化合物をカラム(3)又はカラム(6)の上流にある精製セクションの最初に再循環し、重質生成物の残渣(11)が除去されるのを可能にするために、塔底部流(8)をスクレーパーフィルム蒸発器(9)で濃縮する。この残渣を、33×105パスカルのスチームで加熱された外部交換器を含む強制再循環反応器(13)へ供給する。反応媒体の温度は180℃~250℃、好ましくは230℃~250℃である。この反応器内の圧力は、液封式ポンプ又はベンチュリポンプによって13000Pa~大気圧、好ましくは39000Pa~78000Paで維持される。塔底部の生成物は最終残渣を構成し、適切な流路へ送られる。20℃~30℃の温度で凝縮された塔頂部の生成物(12)は、カラム(3)の側部排出部に位置するデカンターDへ送られる。生成物(11)はプロセスで使用されたすべての安定剤を含有するので、空気又は酸素欠乏空気をこの反応器へ注入する必要はない。
図5を参照すると、熱分解装置又は熱及び触媒分解装置(13)が、仕上げカラム6の塔底部を濃縮することを可能にする蒸発器9の出口に配置される、さらなる実施形態が記載されている。この分解装置には流れ11が供給される。分解装置塔底部の残渣18は処理プラントへ送られる。アップグレード可能な生成物流は、デカンターD1へ再循環され、水20で洗浄され、次いで有機相が流れ10と混合され、カラム3の入口へ再循環される。水性流(21)は、水処理プラントへ送られるか又はエステル化によりAAをアップグレードするための反応物へ再循環されてもよい。
図6を参照すると、熱分解装置又は熱及び触媒分解装置(13)が、仕上げカラム(6)の塔底部を濃縮することを可能にする蒸発器9の出口に配置される、別の実施形態が記載されている。この分解装置には流れ11が供給される。分解装置塔底部の残渣18は処理プラントへ送られる。アップグレード可能な生成物流は、デカンターD1へ再循環され、水(20)で洗浄され、次いで有機相がデカンターDへ再循環され、ここで有機相はカラム3からの排出流と同時に水(14)により洗浄される。水性流(21)は、水処理プラントへ送られるか又はエステル化によりAAをアップグレードするための反応物へ再循環されてもよい。
図7を参照すると、熱分解装置又は熱及び触媒分解装置(13)が、仕上げカラム6の塔底部を濃縮することを可能にする蒸発器9の出口に配置される、別の実施形態が記載されている。この分解装置には流れ11が供給される。分解装置塔底部の残渣(18)は処理プラントへ送られる。アップグレード可能な生成物流は、デカンターD1へ再循環され、水(20)で洗浄され、次いで有機相がトッピングカラムの入口へ再循環される。
以下の実施例は本発明を例証するが、その範囲を限定しない。
実験セクション
実施例において、別段の指定がない限りパーセンテージは質量により示され、以下の略称を使用した:
AA: アクリル酸
2EHA: 2-エチルヘキシルアクリレート
E2OH: 2-エチルヘキサノール
Di-AA: AA二量体
2EHHP: 2-エチルヘキシルヒドロキシプロピオネート
2EHAP: 2-エチルヘキシルアクリルオキシプロピオネート
OPO: 2-エチルヘキシル2-エチルヘキシルオキシプロピオネート
HPA: ヒドロキシプロピオン酸
2EHEXENE: 2-エチルヘキセン

空気
先行技術を本発明と比較するために、カラム3,6は固定された構成を有する。
これらの2本のカラムの主な特性は以下の通りである:
カラム3: 45デュアルフロートレー
カラムヘッド圧力: 3333 パスカル
供給: トレー15
空気: トレー45
安定化剤: トレー1
カラム6: 26デュアルフロートレー
カラムヘッド圧力: 2666 パスカル
供給: トレー25
空気: トレー26
安定化剤: トレー1
(実施例1)
2EHAプロセス(図1)
供給物(2)は70ppmのHPAを含有する。
この基本的な事例の設備は、99.7%の純度の2EHA及び84ppmの酸性化合物(di-AA+AA+3HPA)の含量で、4950kg/h、すなわち商業仕様で約119t/dの製造を可能にする。
得られる結果をTable 1(表1)に示す。
(実施例2)
2EHAプロセス(図2)
この実施例では、分解装置を使用して流れ11を処理する。今回、分解装置ヘッド(13)を表す流れ12は、蒸発器ヘッド9からの流れ10と共にカラム3の供給物へ再注入される。
想定されるような構成では<90ppmの酸性化合物(di-AA+AA+3HPA)の量を得ることは可能ではない。したがって生成物は仕様から外れ、非常に高いHPA含量を有する。
得られる結果をTable 2(表2)に示す。
(実施例3)
本発明による2EHAプロセス(図4)
分解装置ヘッド流12は、側部排出部に配置されるデカンターDへ再循環される。流れ12及びカラムから抽出される生成物15を洗浄するのに使用される水(14)の量を500kg/hに設定した。精製エステル(HPA+diAA)の酸性度は<90ppmを十分に下回ったままである。更に、精製エステルの製造速度は4950kg/hから5150kg/hへ増加する、すなわち製造が5%増加するので、分解プロセスにより製造されたエステルは最終製品としてアップグレードされる。
生産速度を増加させることにより最終製品の非常に高い純度を同時に維持しながら、マイケル付加体をこのようにしてアップグレードすることができる。
得られる結果をTable 3(表3)に示す。
(実施例4)
本発明による2EHAプロセス(図6)
この実施例において、第1の洗浄及びデカンテーション(D1)は、分解装置ヘッドからの流れ(12)に対して行われ、次いでこの生成物はカラム3の側部排出部に配置されるデカンター(D)へ供給される。
精製エステル(HPA+diAA)の酸性度は<90ppmを十分に下回ったままである。更に、精製エステルの製造速度は4950kg/hから5150kg/hへ増加する、すなわち製造が5%増加するので、分解プロセスにより製造されたエステルは最終製品としてアップグレードされる。
2つのデカンターを使用するこの解決法は、実施例3に記載されるものと同じ性能をもたらす。
得られる結果をTable 4(表4)に示す。
(実施例5)
図7による2EHAプロセス
この事例では、カラム3の供給物流へ注入する前の分解装置ヘッド流の洗浄及びデカンテーションの効果を評価した。このデカンターは、分解プロセスにより導入されるさらなる微量のHPAが除去されるのを可能にする。実際に、精製エステル中に存在するHPAの量は、分解装置を使用しない基本的プロセスのものと同じである(実施例2)。しかし、分解装置により供給されるさらなる生成物に起因して、生産性が4950kg/hから5150kg/hへ増加する有益性がある。
得られる結果をTable 5(表5)に示す。
実験室試験例1: 連続分解
ダイヤフラムポンプを使用して熱サイフォン式反応器に連続的に供給する。
形成される軽質生成物の蒸気を回収するために、熱サイフォンはコンデンサーを取り付ける。
真空ポンプをサーペンタインコンデンサーの出口に接続し、重質生成物又は残渣を収集するポットにも接続する。
反応器に到達する前に重質生成物流を最初に120℃まで予熱して流れを液体形態で維持する。見かけの滞留時間(熱サイフォン体積/流入体積流量)は4.5時間であり、圧力は50000パスカルであり、塔底部の温度は245℃である。
初期供給物はTable 6(表6)に記載される化合物を含有する。この供給物に触媒は添加されない。
減少比(ヘッド流量/供給物流量)は平均で70%である。主な付加体の分解物の含量は、2EHHPについては96%、2EHAPについては85%、OPOについては56%である。ヘッド流の組成をTable 7(表7)に示す。
この流れは79%~94%のアップグレード可能な化合物を含有する。これはまた触媒の非存在下で非常に少数のオレフィンしか含有しない。これは0.1%~0.2%のHPAを含有し、これはその後本発明による方法により除去されなければならない。
塔底部流の組成をTable 8(表8)に示す。
塔底部残渣は5%未満の2EHA及び40%未満の付加体を含有する。他の非常に重質の化合物(約45%)はガスクロマトグラフィーにより分析できない。その粘度は非常に低く設備の詰まりを生じさせることになる固体を含有しない。
実験室試験例2: 分解装置ヘッド流からのHPA抽出
分解装置ヘッド流を以下の通りに洗浄する。
分解装置ヘッド流を室温で同じ質量の水と混合する。
Table 9(表9)は2つの分解装置ヘッド流の組成を示す。これらは0.3%及び0.08%のHPA、並びにほぼ90%のアップグレード可能な化合物を含有する。
HPAは1回の分離段階のみで有機相から94%超及び99%超まで抽出される。AA抽出の度合いはそれぞれ25%及び55%である。
2 供給
3 トッピングカラム/カラム
4 未変換試薬/流れ/アップグレード可能な流れ/流量
5 エステル及び重質不純物/流れ
6 精製カラム/カラム/仕上げカラム/所望のエステルの製造のためのカラム/パージカラム
7 塔頂部/ヘッド流/流量
8 カラム(6)の塔底部流
9 蒸発器/スクレーパーフィルム蒸発器/蒸発器ヘッド
10 蒸発器からのヘッド流/流れ
11 流れ/分解装置に供給される流れ/残渣/生成物
12 カラム(3)の入口へ再循環される分解反応器(から)のヘッド流/流れ/頂部の生成物/分解装置ヘッド流/分解装置ヘッドからの流れ
13 熱分解装置又は熱及び触媒分解装置/強制再循環反応器/分解装置ヘッド
14 水/流れ
15 排出ライン/流れ/側部排出部/生成物
16 有機流
18 分解装置塔底部の残渣
20 水
21 水性流
C 分解反応器
D デカンター
D1 分解装置/デカンター/デカンテーション

Claims (14)

  1. 粗製反応混合物の蒸留中にβ-ヒドロキシプロピオン酸及びβ-アクリルオキシプロピオン酸等のエステル化反応に由来する酸性不純物が豊富な流れが側部出口により排出される、アクリル酸と対応するアルコールとの直接エステル化を介して得られる粗製反応混合物からC4~C10アクリルエステルを回収/精製する方法において、精製カラムの塔底部の残渣を熱分解し、プロセスへ再循環される分解生成物を生成させる工程を含むことを特徴とする、方法。
  2. 前記再循環される分解生成物が、2-エチルヘキサ-2-エン及び3-メチルヘプタ-2-エン等のオレフィン、酸性不純物、エステル、並びにアルコール又は酸等の試薬である、請求項1に記載の方法。
  3. 分解が触媒の非存在下で行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 横方向に排出される、酸性不純物が豊富な流れが、水による処理に供され、処理済み流が蒸留カラムへ再循環されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. アクリル酸と対応するアルコールとの直接エステル化により得られる粗製反応混合物からC4~C10アクリルエステルを回収/精製する方法であって、少なくとも以下の工程:
    i) 塔頂部において、未反応試薬で本質的に構成される流れを得る;
    塔底部において、所望のエステル及び重質副生成物を含む流れを得る;
    側部排出により、酸性不純物が豊富な流れを得る;
    ことを可能にする、側部排出部を備えた蒸留カラムで反応混合物がトッピングに供される工程と、
    ii) 塔頂部において、精製済みの所望のエステルを分離する;
    塔底部において、トッピングカラムに存在する軽質化合物を再循環し重質副生成物の最終残渣を除去するために、フィルム蒸発器上で濃縮される又はテーリングカラムで蒸留される重質副生成物を含有する流れを分離する;
    ことを可能にする、トッピングカラムからの塔底部流が精留カラムに供される工程と、
    iii) 塔頂部において、個別に再循環される又は蒸発器のヘッド流と混合される、アップグレード可能な生成物の流れを分離する;
    塔底部において、処理プラントへ送られる残渣を分離する
    ことを可能にする、精留カラムの塔底部流が蒸発器の出口に配置される分解装置で行われる熱処理又は熱及び触媒処理に供される工程と
    を含む、方法。
  6. 横方向に排出される流れを処理する工程iv)も含む方法であって、酸性不純物が豊富な流れが水性流による洗浄工程に供され、デカンテーション後に
    生物的処理プラントに送られ得る、又は水性洗浄流として部分的に使用され得る、酸性不純物のすべてを含む水性相と、
    トッピングカラムで少なくとも部分的に再循環される、所望のエステル、重質副生成物、並びに微量の水及び微量の試薬を含む有機相と
    を生成する、請求項5に記載の方法。
  7. 分解装置ヘッド流を処理する工程v)も含む方法であって、
    分解装置ヘッド流が水性流による洗浄の工程に供され、デカンテーション後に、
    生物的処理プラントに送られ得る、又は水性洗浄流として部分的に使用され得る、酸性不純物のすべてを含む水性相と、
    トッピングカラム供給原料で又は側部排出の洗浄工程で少なくとも部分的に再循環される、所望のエステル、アルコール及び酸試薬、重質副生成物及び微量の水を含む有機相と
    を生成する、請求項6に記載の方法。
  8. 分解装置が、管型反応器、ジャケット付き撹拌反応器、又は強制循環若しくは自然循環による外部加熱ループを有する反応器である、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 分解反応が、180~280℃、より具体的には200℃~250℃の間の温度範囲で行われる、請求項5から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 分解装置のヘッド生成物が、水によりデカンター中で洗浄され、次いで蒸発器のヘッド生成物と混合されてトッピングカラムの入口へ再循環される、請求項5から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 分解装置のヘッド生成物が、水によりデカンター中で洗浄され、次いで側部排出部に存在するデカンターに導入される、請求項5から9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 分解装置のヘッド生成物が、側部排出部に存在するデカンターに直接導入される、請求項5から9のいずれか一項に記載の方法。
  13. アクリルエステルが2-エチルヘキシルアクリレートであることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の回収/精製する方法を含む、アクリル酸と対応するアルコールとの直接エステル化により酸性不純物を含まないC4~C10アクリルエステルを製造する方法。
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