JP2020528398A - (メタ)アクリル酸エステルの精製方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルの精製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、エステル交換による連続プロセスによる(メタ)アクリル酸エステルの製造、特に、触媒の分離とリサイクル並びに精製プロセス全体のエネルギーバランスの観点で最適化された構成で使用される分割壁塔を用いた、C4−C12(メタ)アクリル酸エステルを含む粗反応混合物の精製に関する。分割壁塔には、塔内に分離ゾーンを形成する仕切り壁が備えられ、該壁は頂部が塔の上方ドームと不連続で、底部が塔底と連続である。【選択図】なし

Description

本発明は、エステル交換による連続プロセスによる(メタ)アクリル酸エステルの製造、特に、特定の構成で用いられる分割壁塔を使用した、C−C12(メタ)アクリル酸エステルを含む粗反応混合物の精製に関する。
この構成により、精製プロセスが簡素化され、エネルギー消費が削減され、精製された(メタ)アクリル酸エステル中に存在する不純物の含有量が最小限に抑えられる。
本発明はまたこの回収/精製プロセスを含むC−C12(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
−C12(メタ)アクリル酸エステルは、一般的に、軽質アルコール(メタ)アクリレート(軽質(メタ)アクリレートと呼ぶ)と重質アルコール(C−C12アルコール相当)のエステル交換反応によって合成される。
この反応は、軽質アルコールの生成を伴う平衡触媒反応であるが、(メタ)アクリル酸エステルの生成方向に平衡を移動させるために反応中にその軽質アルコールを除去する必要がある。
合成中の二次反応により、一般に高沸点又は所望のエステルの沸点に近い沸点を持つ副生成物である不純物が生成されるが、数多くの応用分野で使用されうるポリマーを製造するためのモノマーとしてのその最終用途に関連した技術的要件を満たす、高純度の(メタ)アクリル酸エステルを得る目的でその不純物を除去する必要がある。
更に、反応混合物中に存在するアップグレード可能な生成物、特に未反応の反応物と触媒は、プロセス内で可能な限りリサイクルされる。
これらの目的のために、一連の蒸留、抽出及び/又は沈殿による分離を含む分離/精製プロセスが一般的に実施されるが、そのプロセスは、実施するのが比較的複雑であり、また工業プラントのエネルギー及び資本コストの観点から費用がかかる。
(メタ)アクリル酸エステルの精製プロセスは、先行技術に広く記載されている。
例えば、US7268251に言及することができ、そこでは、エステル交換から生じる反応流出物は、触媒を分離するための蒸発器を備えた少なくとも4基の蒸留又は精留塔の使用を必要とするプロセスによって処理される。文献US7268251に記載されているプロセスは、高純度の製品と満足できる製造量を得るために4基の蒸留/精留要素のシーケンスの操業条件を最適化する結果として、工業規模で実施するには複雑であることが分かる。資本コストが非常に嵩むこのプロセスは、設置のために大きな表面積をまた必要とする。それは、ジメチルアミノエタノールとアクリル酸エチルからのアクリル酸ジメチルアミノエチルの製造で例証されている。
本出願人会社名義の文献EP960877には、アクリル酸ジメチルアミノエチルの別の製造プロセスが例証されている。このプロセスは、触媒と重質生成物(テーリング)の除去と、それに続く軽質化合物(トッピング)の除去と粗反応混合物の最終の精留とからなる。従って、このプロセスは、反応混合物の精製ラインに蒸留塔を3基のみ含むという利点を有している。
文献US7294240B2には、二次反応を制限するために2基の反応器を直列で含む反応系で実施される合成を、反応混合物の残部から触媒を分離することを可能にする塔と、高純度のアクリル酸ジメチルアミノエチルを得ることを可能にする側流蒸留塔と組み合わせることによる、(メタ)アクリル酸エステルの連続製造プロセス、特にジメチルアミノエタノールとアクリル酸ブチルからのアクリル酸ジメチルアミノエチルの製造プロセスが記載されている。反応混合物の精製には2基の蒸留塔が用いられ、精製されたエステルは第二の塔から側流として取り出される。
文献WO2013/110876には、触媒の予備分離と直列の2基の蒸留塔又は1基の側流蒸留塔を使用する精製を含む、特にアクリル酸2−オクチルに適した精製プロセスが記載されている。
更に、本出願人会社名義の文献WO2014/096648に記載されているように、単一段でアクリル酸C−Cアルキル反応混合物を精製するために、単一の側流蒸留塔を使用する提案がなされている。
一般に、先行技術のプロセスでは、高純度の(メタ)アクリル酸エステルを得るために、反応媒体からの触媒の最初の分離と、1基又は2基の蒸留塔を使用する触媒を含まない反応混合物の次の蒸留が組み合わされている。
分割壁蒸留塔(DWC−分割壁塔(Divided Wall Column)の名前で知られている)の開発により、簡素化された精製プロセスが提供される。この技術は、従来の直列の2基の塔の操業を単一の装置に収めることを可能にする内部分離壁を備えた蒸留塔に基づいている。
例を挙げると、特許出願EP2659943には、高純度のアクリル酸2−エチルヘキシルの製造プロセスにおける分割壁塔の構成とその操作が記載されている。この塔は製造と操作が複雑であるが、2基の蒸留塔を含む従来の設備と比較して、精製プロセスの設備コストとエネルギー消費を削減できるという利点がある。その満足のいく操作に必要な安定化の問題は持ち出されていない。この文献に記載されている精製プロセスでは、その存在が分割壁塔において劣化反応を引き起こす可能性がある触媒の予備分離に関連する課題については言及されていない。
特許出願JP2005−239564には、メタクリル酸メチルとブタノールとの間のエステル交換反応によるメタクリル酸ブチルの合成の場合を例として、(メタ)アクリル酸エステルの合成方法における分割壁塔の使用がまた記載されている。このプロセスでは、側流取り出しにおける安定剤の飛沫同伴を防ぎ、精製された生成物中の安定剤の量を制御するためにミスト除去装置が分割壁塔と組み合わされている。分割壁塔により、標的エステルの重質生成物及び軽質生成物との分離を実施することが可能になる。しかし、この文献に記載されている精製プロセスは、(メタ)アクリル酸アミノアルキルの製造に適用可能であり、エステルが劣化反応に敏感な場合の触媒の予備分離の課題は解消していない。特に、分割壁塔における触媒の存在は、側流として取り出される精製生成物を汚染する化合物の形成をもたらすクラッキング反応を引き起こす危険性がある。
分割壁塔の技術は一般に知られており、例えば、Asprion N.等, "Dividing wall columns: Fundamentals and recent advances", Chemical Engineering and Processing, vol. 49 (2010), p139-146、又はDejanovic I.等, "Dividing wall column - A breakthrough towards sustainable distilling", Chemical Engineering and Processing, vol. 49 (2010), p559-580に記載されている。
しかし、記載されている様々な構成は、予想されるエネルギーの節約のみに関連しており、先行技術は、エステル交換触媒反応から生じる粗(メタ)アクリル酸反応混合物の精製に適した構成のタイプを全く示唆していない。
触媒の分離/リサイクルと精製プロセス全体のエネルギーバランスの観点から、例えばアクリル酸ジメチルアミノエチル又はアクリル酸2−オクチルなどの「重質」(メタ)アクリル酸エステルの精製を改善する必要性が依然として残っている。
本発明の目的は、特定の構成で用いられる分割壁塔を含む精製システムを使用する、精製されたC−C12(メタ)アクリル酸エステルの回収プロセスを提供することにより、この必要性を満たすことであり、塔内の触媒の存在下での劣化反応により生成される完成エステルの汚染リスクを回避することを可能にする。
従って、本発明は、製造されるエステルの純度に関する要求に応えながら、塔や装置の関連品(ポンプ、交換器など)の数の減少に関連する資本及び設備コストの削減だけでなく、プロセスエネルギーの獲得も伴う、C−C12アルコールによる軽質(メタ)アクリル酸エステルのエステル交換反応から生じる粗反応混合物の精製の課題に対して技術的/経済的解決手段を提供する。
本発明の主題事項は、軽質(メタ)アクリル酸エステルの対応アルコールによるエステル交換によって得られる粗反応混合物から、精製C−C12(メタ)アクリル酸エステルを回収するための方法において、
分離ゾーンを塔内に形成する分離壁であって、頂部が塔の上方ドームに接合されておらず、底部が塔底に接合された分離壁を備えると共に、塔頂に単一の凝縮器が、塔底に2基のボイラーが組み合わされた分割壁塔であって、該分離壁の上方の共通の精留部と、塔の供給部を含む予備分留部と、精製エステル取り出し部を含む壁によって予備分留部から分離された取り出し部とを備えた分割壁塔を含む精製システムを使用して実施されることを特徴とし、かつ、
i)ガス流が精留部の頂部で抜き出され、反応器において少なくとも部分的に凝縮された後にリサイクルされ、ii)流れが予備分留部の底部で取り出され、反応器において少なくとも部分的にリサイクルされ、iii)流れが取り出し部の底部で取り出され、塔の予備分留部で少なくとも部分的にリサイクルされ、かつiv)精製された(メタ)アクリル酸エステルの流れが前記取り出し部の底部取り出し部の上方に位置するポイントにおいて取り出し部から側流として取り出されることを特徴とする、方法である。
本発明によれば、精製(メタ)アクリル酸エステルの回収方法に供される粗反応混合物は、エステル交換反応に用いられる触媒の少なくとも一部、好ましくは全てを含む。
本発明に係る方法は、エステル交換反応に使用されるアルコールが、4〜12個の炭素原子、好ましくは5〜10個の炭素原子を含み、N又はO、好ましくはNなどの一又は複数のヘテロ原子が介在可能である、直鎖又は分岐アルキル鎖を含む第一級又は第二級脂肪族アルコールである、(メタ)アクリル酸アルキルの合成に適用される。
本発明の一実施態様によれば、アルコールは、4〜12個の炭素原子、好ましくは5〜10個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキル鎖を有する第一級又は第二級脂肪族アルコールである。
アルコールの例として、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール又は2−プロピルヘプタノールを挙げることができる。好ましくはアルコールは2−オクタノールである。
本発明の一実施態様によれば、アルコールは、アミノアルコール、特に、式:
HO−A−N(R)(R
(上式中、
− Aは、直鎖又は分岐C−Cアルキレン基であり、
− R及びRは、同一か又は互いに異なり、それぞれC−Cアルキル基を表す)
のジアルキルアミノアルコールである。
アルコールの例として、N,N−ジメチルアミノエタノール(DMAE)、N,N−ジエチルアミノエタノール又はN,N−ジメチルアミノプロパノールを挙げることができる。
好ましくは、アルコールは、ジメチルアミノエタノールとも以下で称されるN,N−ジメチルアミノエタノール(DMAE)である。
軽質(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸メチル又は(メタ)アクリル酸エチルなどの、C又はCアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートを意味すると理解される。
「(メタ)アクリル酸」という用語は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する;「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
好ましくは、軽質(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸メチル又はアクリル酸エチル、より好ましくはアクリル酸エチルである。
好ましい実施態様によれば、精製C−C12(メタ)アクリル酸エステルは、精製C−C12アクリレート、より好ましくはアクリル酸2−オクチル又はアクリル酸ジメチルアミノエチル(DAMEA)である。
本発明に係る回収方法は、少なくとも2基の分離塔を備える従来の設備において得られるものと少なくとも同等の純度を有するC−C12(メタ)アクリレートをもたらし、これは、熱に敏感な化合物の熱分解を最小限にする操作条件下で、かつより経済的なエネルギー条件下での場合である。
本発明の別の主題事項は、軽質(メタ)アクリル酸エステルの対応アルコールによる触媒的エステル交換により得られる粗反応混合物から出発する、精製C−C12(メタ)アクリル酸エステルを回収するための精製システムの使用であって、前記システムが、分離ゾーンを塔内に形成する分離壁であって、頂部が塔の上方ドームに接合されておらず、底部が塔底に接合された分離壁を備えると共に、塔頂に単一の凝縮器が、塔底に2基のボイラーが組み合わされた分割壁塔であって、該分離壁の上方の共通の精留部と、精製される混合物の塔への供給部を含む予備分留部と、精製生成物取り出し部を含む壁によって予備分留部から分離された取り出し部とを備えた分割壁塔を含む、使用である。
本発明の別の主題事項は、軽質(メタ)アクリル酸エステルの対応アルコールとのエステル交換による精製C−C12(メタ)アクリル酸エステルの製造方法において、粗反応混合物を、上に記載の精製方法を使用する回収方法に供することを特徴とする、方法である。
従って、本発明は、経済的条件下で(メタ)アクリル酸エステルの純度に関して所望の仕様を達成することを可能にする。
単一の図は、本発明に係る方法で使用できる分割壁塔を備えた精製システムの構成を表す。
以下、本発明を、次の説明においてより詳細にかつ非限定的な形で説明する。
以下の説明を簡単にするために、また非限定的な形で、本発明の方法を、アクリル酸エチル(EA)とジメチルアミノエタノール(DMAE)から開始してエステル交換によって得られるアクリル酸ジメチルアミノエチル(DAMEA)の製造を参照して説明する。
エステル交換反応器において、反応媒体中に存在する軽質化合物は一般に残留反応物であり、この特定の場合ではアクリル酸エチルとジメチルアミノエタノールである。
環化反応により、その沸点がジメチルアミノエタノールの沸点に近い1,4−ジメチルピペラジン(DMPPZ)が形成されうる。而して、この副生成物は残留アルコールと同時に抜き出される。
(メタ)アクリル酸エステルの合成中に重質副生成物の形成をもたらす二次反応として、特に不安定な水素原子を含む分子(アルコールなど)の(メタ)アクリル酸化合物(軽質(メタ)アクリレート又は形成された(メタ)アクリル酸エステルなど)の二重結合へのマイケル付加反応が存在する。環化反応もまた起こりうる。
EAとDMAEからDAMEAを製造する特定の場合、まだ未反応のDMAEアルコール又は放出されたエタノールが、既に形成されたDAMEA又は未反応のEAの二重結合に付加され、重質マイケル付加副生成物[DMAE+DAMEA]又は[DMAE+EA]が形成される。
これらの副生成物の一つの特徴は、それらの沸点が、反応に用いられる生成物及び/又は所望されるDAMEAの沸点よりも高いことである。これが、これらの組み合わされた副生成物が後に重質副生成物として知られる理由である。
DAMEAを合成する特定の場合、重質副生成物は、マイケル付加物、特にエトキシプロピオン酸エチル(EEP)、エトキシプロピオン酸アミエチル(AEP)、アミエトキシプロピオン酸アミエチル(AAP)及びアミエトキシプロピオン酸エチル(EAP)、並びにその他の様々な重質化合物を含む。
本発明に係る方法の目的は、軽質副生成物(揮発性化合物又は軽質化合物)、重質副生成物(重質化合物又は揮発性が最も低い化合物)、及びまたエステル交換触媒、並びに一般にエステル交換反応器に添加される重合防止剤を含む反応混合物から、99.5%を超え、好ましくは99.8%を超える純度の(メタ)アクリル酸エステルを回収することである。これは、添付図に示されるように、塔頂に凝縮器を、塔底に2基のボイラーを組み合わせた分離壁塔を備えた精製システムで実施できる。
図を参照すると、本発明に係る方法において使用される分割壁塔は、塔内部に配置された部分的な垂直壁(又は仕切り)Pを備え、従って次の3つの別個のゾーンを画成する:精留部と称される上部ゾーン、仕切りの各側に2つのゾーンを含み、塔底まで延びる中央ゾーン。
一実施態様によれば、壁は部分的に斜めにすることができる。壁は平らでも円筒形でもよく、壁で分離された空間は同心円状に配置できる。
設置された壁は、必ずしも中央ゾーンを2つの等しいゾーンに分離する必要はない;これは、幾つかの実施態様では、塔内を循環する流れの性質又は強さに応じて、ヘッド損失又は閉塞(チョーキング)の傾向を最小限に抑えるために不等ゾーンがあることが有利な場合があるからである。
壁の高さは、塔の高さの30%〜70%を占める。
中央ゾーンは、壁の各側にある2つのゾーンからなり、その一つが「予備分留」部を表し、もう一つが純粋な生成物の取り出し部を表す。
本発明の以下の説明を簡単にするために、「予備分留部」は、精製されるべき(メタ)アクリル酸エステルの流れが供給され、供給が壁の単一の側においてのみ生じる分離壁塔の部分を意味すると理解され、「取り出し部」は、分離壁の反対側の塔の部分であって、そこから精製(メタ)アクリル酸エステルの流れが側流として抜き出される部分を意味すると理解される。
ボイラーB1と組み合わされた予備分留部は、塔の供給部Fを含み、従って、供給部の上方の部分S1と供給部の下方の部分S2を分離する。予備分留部には、軽質化合物として知られる最も揮発性の高い生成物を塔頂において濃縮し、重質化合物として知られる最も揮発性の低い生成物を塔底において濃縮する効果がある。特に、ボイラーB1と組み合わされたこの予備分留部では、触媒、重合防止剤の大部分、及び重質不純物がこの部分の底部で見出される。この予備分留底部生成物は、エステル交換反応器において後者の全部又は一部をリサイクルすることによりアップグレードできる。
一実施態様によれば、供給部は、予備分留部の下半分、好ましくは下三分の一、例えば最後のプレートの下に位置する。
取り出し部は、精製エステルSを取り出すための側方取り出し口を備え、該側方取り出し口が取り出し部を2つの部分S4及びS5に分割する。精製エステルの取り出しは、液体流又はガス流の形で実施されうる;好ましくは、ガス流が取り出される。この部分では、軽質化合物とまたエステルが塔頂に送られ、重質化合物が塔底に送られる。重質化合物と重合防止剤と生成された少量のエステルを本質的に含む底部流は、ボイラーB2と組み合わせられた取り出し部から取り出され、有利には少なくとも部分的に予備分留部に、好ましくは供給部Fにおいて、又は供給部の上方又は下方に位置するポイントにおいて、リサイクルされる。取り出し部からの底部生成物のリサイクルにより、(メタ)アクリル酸エステルの損失を最小限に抑えることができる。
一実施態様によれば、側流取り出しポイントは、取り出し部の下半分、好ましくは下四分の一に位置する。
精留部S3として知られる共通ゾーンは、分割壁塔の壁の頂部の上に見出され、この部分により、軽質化合物を分離することができ、その軽質化合物は、抜き出され、塔と組み合わされた凝縮器Cにおいて少なくとも部分的に凝縮される。この凝縮生成物は、部分的に還流として部分S3に戻され、他の部分は有利には、主に未反応の反応物と生じた少量のエステルからなるため、少なくとも一部が反応器の投入口に送られる。
従って、塔頂での液体還流がもたらされうる。壁の上方において、液体が回収され、部分S1及びS4に向けて壁の各側で分離される。部分S1に戻る液体の重量分率は、一般に20%〜50%である。
所定数のパラメーターが、分割壁塔の設計と操作を特徴づける。それらは、主に、分割壁塔の各部分の理論段数、特に、上述の部分S1〜S5の各々の段数にそれぞれ対応する数N1、N2、N3、N4、及びN5、塔の還流比、壁の各側の精留部から生じる液体流の比率、仕切りの各側の再沸騰部から生じるガス流の比率、供給ポイントF又は純粋な生成物の側流取り出しポイントSの位置決めに関する。
これらの異なるパラメーターは、(メタ)アクリル酸エステルが所望の仕様を満たす純度で生成されるように、当業者に知られている方法から決定することができる。
分割壁塔と存在する内部部品は、各部分における必要な理論段数を得るために選択される。内部部品として、プレート、積み重ね充填物、例えば構造化充填物、又はランダム充填物を使用することができる。
一実施態様によれば、予備分留部S1+S2の理論段数は1〜20の間であり、塔の供給部は、この部分の最後のほぼ下3分の1に配されることが好ましい。
一実施態様によれば、取り出し部S4+S5の理論段数は1〜15の間であり、精製エステルの取り出しポイントは、この部分のほぼ最後の下四分の一に配されることが好ましい。
一実施態様によれば、精留部S3の理論段数は1〜15の間である。
塔は、塔内の熱に敏感な化合物の熱暴露を最小限に抑えるために、真空下で操作できる。有利には、塔は10〜100mmHgの範囲の真空下で操作する。
有利には、操作温度は50℃〜150℃の間である。
塔に使用される内部部品は、バルブプレート、堰のある穴空きプレート、又は構造化充填物でありうる。
重質化合物の形成を最小限に抑え、反応収率を最適化するエステル交換反応に適した操作条件とは別に、反応中だけでなく、エステル化反応器から出る粗反応混合物の精製中にも重合防止剤(安定剤としても知られる)を導入する必要がある。
本発明者等は、分割壁塔を組み合わせた精製システムの安定化が、2基の塔を直列に含む従来のプラントの安定化よりも有利であることを発見した。これは、所望のエステルを安定化するために使用される重合防止剤が、単一の重合防止剤として精製システムに導入できるためである;これにより、安定化がより簡単で一貫したものになる。あるいは、より安価な重合防止剤を使用して分割壁塔を安定化することができ、精製エステルは、その後の保管及び使用の目的で最終生成物を安定化するのにより適した別の化合物で引き続き安定化される。この場合、重合防止剤に関連するコストを大幅に削減できる。
使用できる重合防止剤としては、例えば、単独又は全ての割合の混合物で、フェノチアジン(PTZ)、ヒドロキノン(HQ)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(HQME)、ジ(tert−ブチル)−パラ−クレゾール(BHT)、パラ−フェニレンジアミン、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)、ジ(tert−ブチル)カテコール、又はTEMPO誘導体、例えばOH−TEMPOを挙げることができる。
一実施態様によれば、精製システムは、単一の重合防止剤を使用して安定化され、好ましくは塔頂凝縮器に注入され、精製された(メタ)アクリル酸エステルは、安定化された液体又はガス流の形で分割壁塔から側流として取り出される。
この実施態様によれば、安定剤としてヒドロキノンモノメチルエーテルを使用することが好ましい。
一実施態様によれば、精製システムは、好ましくは塔頂凝縮器に注入される第一の重合防止剤を使用して安定化され、精製された(メタ)アクリル酸エステルは、凝縮後に、最初の防止剤とは異なる重合防止剤で続いて安定化される、ガス流の形で分割壁塔から側流として取り出される。この実施態様によれば、著しく安価であり、気相取り出しを実施することにより、精製生成物から取り除かれる第一の防止剤を使用することが可能であり、その第一の重合防止剤は、塔底で分離される重質副生成物の流れに残る。フェノチアジン又はOH−TEMPOは、全ての有機流を安定化させることができるため、第一の重合防止剤として適している。側流として取り出される精製生成物は、ついで、例えばヒドロキノンメチルエーテルを使用する従来の慣行に従って、凝縮後に安定化される。
有利には、反応混合物の精製中に、本発明の方法による精製システム中に100〜5000ppmの重合防止剤が導入される。
防止剤をより効果的にするために、酸素、空気、又は例えば7%のOを含む「枯渇した」空気を塔底に注入することができる。好ましくは、注入される酸素の量は、塔内の有機蒸気の量に対して0.2体積%〜0.5体積%の含有量に相当する。
精製された(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸エステルの含有量が99.5重量%を超え、好ましくは99.8重量%を超え、一般に1500ppm未満、有利には1200ppm未満の重質不純物含有量の生成物を意味すると理解される。
本発明の別の主題事項は、エステル交換による精製C−C12(メタ)アクリル酸エステルの製造方法において、粗反応混合物を、上記の精製システムを使用する回収方法に供することを特徴とする方法である。
エステル交換反応の条件は、当業者に知られているものであり、連続式、半連続式、又は回分式のプロセスに応じて実現されうる。
従って、本発明は、資本及び操作コストが削減されたコンパクトなプラントでのC−C12(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供し、最適な収率で高純度の生成物を提供する。
従来技術の方法と比較して、本発明に係る精製方法の実施では、エネルギー消費を10%以上削減することが可能である。加えて、所望のエステルの沸点と沸点が類似する結果として分離するのが困難な不純物の含有量が、本発明に係る方法によって得られた精製生成物において最小限に抑えられることが見出される。
以下の実施例は、本発明を例証するものであるが、その範囲を限定するものではない。
[実験の部]
実施例では、特に明記しない限り、パーセンテージは重量で示し、次の略語を使用した:
EA:アクリル酸エチル
AAP:アミエトキシプロピオン酸アミエチル
AEP:エトキシプロピオン酸アミエチル
EEP:エトキシプロピオン酸エチル
DAMEA:アクリル酸ジメチルアミノエチル
PTZ:フェノチアジン
DMAE:ジメチルアミノエタノール
HQME:ヒドロキノンメチルエーテル
触媒:チタン酸エチルの形で表される
実施例1(比較例):3基の蒸留塔を直列で使用する精製
アクリル酸エチルとジメチルアミノエタノールのエステル交換による合成から得られた粗DAMEA反応混合物を、3基の蒸留塔を直列で使用する精製処理に供した。
第一の塔は、理論段で9相当を含み、塔底にボイラーが、塔頂に凝縮器が組み合わされ、塔に還流をもたらすために有機相が塔内で部分的にリサイクルされる。塔は、塔頂凝縮器にPTZを注入することにより安定化される。ボイラーから供給されるエネルギーは0.74MWである。
第二の塔は、理論段で14相当を含み、塔底にボイラーが、塔頂に凝縮器が組み合わされる。これには、DAMEAとまた軽質生成物(EA、DMAE)及びマイケル付加物のような重質副生成物を含む底部流が第一の塔から供給される。第二の塔は、塔頂凝縮器にPTZを注入することにより安定化される。ボイラーから供給されるエネルギーは0.61MWである。
第三の塔は、理論段で4相当を含み、塔底にボイラーが、塔頂に凝縮器が組み合わされる。これには、DAMEA、マイケル付加物などの重質副生成物、及び安定剤を含む底部流が第二の塔から供給される。第三の塔は、塔頂凝縮器にHQMEを注入することにより安定化される。ボイラーから供給されるエネルギーは0.36MWである。精製されたDAMEAは、第三の塔の塔頂で蒸留される。
第一の塔の供給物は、次の重量組成と特性を有する:
DAMEA:48%−EA:23%−DMAE:14%
AAP:1%−AEP:0.2%−EEP:0.04%−他の重質生成物:164ppm,触媒:1.5%
全流れ:6780kg/h−温度:110℃−圧力:0.891bar
熱力学的モデルを使用したASPENシミュレーションを実施し、第三の塔の塔頂における蒸留された精製生成物について次の重量組成が得られる。
DAMEA:99.8%−DMAE:<1ppm
AAP痕跡量−AEP:214ppm−EEP:889ppm−AEPを含む重質生成物:729ppm
全流れ:2870kg/h−温度:35℃−圧力:0.05bar。
この構成では、99.8%を超える純度のDAMEAが、供給流に対して88%のオーダーの収率で回収される。全体のエネルギー消費は1.7MWである。重質不純物(EEP、AEP、その他の重質生成物)の合計は1618ppmとなる。
実施例2(比較例):2基の蒸留塔を直列で使用する精製と精製された生成物の側流取り出し
アクリル酸エチルとジメチルアミノエタノールのエステル交換による合成から得られた粗DAMEA反応混合物を、2基の蒸留塔を直列で使用する精製処理に供した。
第一の塔は、理論段で9相当を含み、塔底でボイラーと、塔頂で凝縮器と組み合わされ、塔に還流をもたらすために有機相が塔内で部分的にリサイクルされる。塔は、塔頂凝縮器にPTZを注入することにより安定化される。ボイラーから供給されるエネルギーは0.74MWである。
第二の塔は、理論段で16相当を含み、塔底でボイラーと、塔頂で凝縮器と組み合わされる。これには、DAMEAと、また軽質生成物(EA、DMAE)及びマイケル付加物などの重質副産物を含む底部流が第一の塔から供給される。第二の塔は、塔頂凝縮器にHQMEを注入することにより安定化される。ボイラーから供給されるエネルギーは0.8MWである。この第二の塔は側流取り出し塔であり、精製されたDAMEAは塔の下3分の1において取り出される。
第一の塔の供給物は、次の重量組成と特性を有する:
DAMEA:48%−EA:23%−DMAE:14%
AAP:1%−AEP:0.2%−EEP:0.04%−他の重質生成物:164ppm,触媒:1.5%
全流れ:6780kg/h−温度:110℃−圧力:0.891bar
熱力学的モデルを使用するASPENシミュレーションを実施し、側流取り出しにより得られた精製生成物について次の重量組成が得られる。
DAMEA:99.8%−DMAE:<1ppm
AAP痕跡量−AEP:510ppm−EEP:936ppm−AEPを含む重質生成物:534ppm
全流れ:2870kg/h−温度:120℃−圧力:0.188bar
この構成において、DAMEAが供給流に対して88%のオーダーの収率で回収され、DAMEAは99.8%を超える純度を有する。全エネルギー消費量は1.54MWである。重質不純物(EEP、AEP、その他の重質生成物)の合計は1470ppmになる。
実施例3(本発明による)
熱力学モデルを使用するASPENシミュレーションを、実施例1及び2で記載したように、粗DAMEA反応混合物について実施したが、図に示されている精製システムを使用する精製に供した。
この実施例では、分割壁塔は塔頂凝縮器においてPTZで安定化され、気相の側流として取り出されたDAMEAはHQMEで安定化される。
この構成において、異なる部分のプレート数は次の通りである:
N1:8−N2:6−N3:5−N4:10−N5:1。
ボイラーから供給されるエネルギーは1.4MWである。
側流として取り出された精製生成物は、次の重量組成を有する:
DAMEA:99.8%−DMAE:痕跡量
AAP痕跡量−AEP:237ppm−EEP:919ppm−AEPを含む重質生成物:254pm
全流れ:2870kg/h−温度:110℃−圧力:0.118bar
この構成において、DAMEAが供給流に対して88%のオーダーの収率で回収され、DAMEAは99.8%を超える純度を有する。
全エネルギー消費は1.4MWである。重質不純物(EEP、AEP、その他の重質生成物)の合計は1173ppmとなる。
2基又は3基の蒸留塔を使用する従来技術の精製プロセスと比較して、反応流を精製するために必要な熱が18%(3塔のスキーム)又は10%(2塔のスキーム)のオーダーで低減される。
重質不純物の含有量もまた20%〜30%のオーダーで大幅に減少する。
実施例4:蒸留中の底部生成物の分解
この実施例の目的は、側流取り出しで得られる生成物の品質について分割壁塔における分離壁の位置決めの重要性、特に塔の底部を分離する壁を有する必要性を示すことである。
我々は、攪拌反応器、蒸留塔、及び生成物を所望の温度に加熱することを可能にする油浴で構成される実験室用アセンブリを使用した。
ボイラーB1の蒸留塔の塔底で予想される組成に近い組成を有する混合物を反応器に投入し、Patmで140℃の温度に3時間供した。
蒸留塔の塔頂で採取された蒸留物と蒸留底部の生成物をついで分析した。
反応器に投入される混合物中に存在する量と比較した、蒸留された軽質生成物の重量による量を、以下の表に示す。
Figure 2020528398
この試験は、蒸留塔の底部生成物が、触媒が存在する結果として、温度が維持されると変化し、軽質化合物を生じることを示している。
本発明によれば、塔底まで延びる分離壁により、これらの軽質生成物が側流取り出しを汚染することを防ぐことができる。

Claims (15)

  1. 軽質(メタ)アクリル酸エステルの対応アルコールによるエステル交換によって得られる粗反応混合物から、精製C−C12(メタ)アクリル酸エステルを回収するための方法において、
    分離ゾーンを塔内に形成する分離壁であって、頂部が塔の上方ドームに接合されておらず、底部が塔底に接合された分離壁を備えると共に、塔頂に単一の凝縮器が、塔底に2基のボイラーが組み合わされた分割壁塔であって、該分離壁の上方の共通の精留部と、塔の供給部を含む予備分留部と、精製エステル取り出し部を含む壁によって予備分留部から分離された取り出し部とを備えた分割壁塔を含む精製システムを使用して実施されることを特徴とし、かつ、
    i)ガス流が精留部の頂部で抜き出され、反応器において少なくとも部分的に凝縮された後にリサイクルされ、ii)流れが予備分留部の底部で取り出され、反応器において少なくとも部分的にリサイクルされ、iii)流れが取り出し部の底部で取り出され、塔の予備分留部で少なくとも部分的にリサイクルされ、かつiv)精製された(メタ)アクリル酸エステルの流れが前記取り出し部の底部取り出し部の上方に位置するポイントにおいて取り出し部から側流として取り出されることを特徴とする、方法。
  2. アルコールが、4〜12個の炭素原子、好ましくは5〜10個の炭素原子を含み、N又はO、好ましくはNなどの一又は複数のヘテロ原子が介在可能である、直鎖又は分岐アルキル鎖を含む第一級又は第二級脂肪族アルコールであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. アルコールが、4〜12個の炭素原子、好ましくは5〜10個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキル鎖を有する第一級又は第二級脂肪族アルコールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. アルコールが、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール又は2−プロピルヘプタノール、好ましくは2−オクタノールであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. アルコールが、式:
    HO−A−N(R)(R
    (上式中、
    − Aは、直鎖又は分岐C−Cアルキレン基であり、
    − R及びRは、同一か又は互いに異なり、それぞれC−Cアルキル基を表す)
    のジアルキルアミノアルコールであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  6. アルコールが、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール又はN,N−ジメチルアミノプロパノール、好ましくはN,N−ジメチルアミノエタノールであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 軽質(メタ)アクリル酸エステルが、(メタ)アクリル酸メチル又は(メタ)アクリル酸エチル、好ましくはアクリル酸エチルであることを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
  8. 精留部の理論段数が1〜15であることを特徴とする、請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
  9. 予備分留部の理論段数が1〜20であることを特徴とする、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
  10. 取り出し部の理論段数が1〜15であることを特徴とする、請求項1から9の何れか一項に記載の方法。
  11. 精製システムが、好ましくは塔頂凝縮器において注入される単一の重合防止剤を使用して安定化され、精製された(メタ)アクリル酸エステルが、安定化された液体又はガス流の形で分割壁塔から側流として取り出されることを特徴とする、請求項1から10の何れか一項に記載の方法。
  12. 精製システムが、好ましくは塔頂凝縮器において注入される第一重合防止剤を使用して安定化され、精製された(メタ)アクリル酸エステルが、凝縮後に第一防止剤とは異なる重合防止剤で続いて安定化されるガス流の形で分割壁塔から側流として取り出されることを特徴とする、請求項1から10の何れか一項に記載の方法。
  13. 精製されたC−C12(メタ)アクリル酸エステルが、アクリル酸ジメチルアミノエチル又はアクリル酸2−オクチルであることを特徴とする、請求項1から12の何れか一項に記載の方法。
  14. 軽質(メタ)アクリル酸エステルの対応アルコールとのエステル交換による精製C−C12(メタ)アクリル酸エステルの製造方法において、粗反応混合物を請求項1から13の何れか一項に記載の回収方法に供することを特徴とする、方法。
  15. 軽質(メタ)アクリル酸エステルの対応アルコールによる触媒的エステル交換により得られる粗反応混合物から出発する、精製C−C12(メタ)アクリル酸エステルを回収するための精製システムの使用であって、前記システムが、分離ゾーンを塔内に形成する分離壁であって、頂部が塔の上方ドームに接合されておらず、底部が塔底に接合された分離壁を備えると共に、塔頂に単一の凝縮器が、塔底に2基のボイラーが組み合わされた分割壁塔であって、該分離壁の上方の共通の精留部と、精製される混合物の塔への供給部を含む予備分留部と、精製生成物取り出し部を含む壁によって予備分留部から分離された取り出し部とを備えた分割壁塔を含む、使用。
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