JP2015502392A - 脂肪化合物の酸化的分子切断方法 - Google Patents

脂肪化合物の酸化的分子切断方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015502392A
JP2015502392A JP2014548163A JP2014548163A JP2015502392A JP 2015502392 A JP2015502392 A JP 2015502392A JP 2014548163 A JP2014548163 A JP 2014548163A JP 2014548163 A JP2014548163 A JP 2014548163A JP 2015502392 A JP2015502392 A JP 2015502392A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
cooh
fatty compound
molecular cleavage
fatty
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014548163A
Other languages
English (en)
Inventor
アナイス ゴダール,
アナイス ゴダール,
ルー, ソフィ ティーボー
ルー, ソフィ ティーボー
カーロ, パスカル デ
カーロ, パスカル デ
エムリーヌ ヴェドレンヌ,
エムリーヌ ヴェドレンヌ,
ゼフィラン ムルンギ,
ゼフィラン ムルンギ,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Institut National de la Recherche Agronomique INRA
Original Assignee
Institut National de la Recherche Agronomique INRA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Institut National de la Recherche Agronomique INRA filed Critical Institut National de la Recherche Agronomique INRA
Publication of JP2015502392A publication Critical patent/JP2015502392A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/347Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reactions not involving formation of carboxyl groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/16Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation
    • C07C51/285Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with peroxy-compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)

Abstract

本発明は、脂肪化合物の酸化的分子切断方法において、少なくとも一種の脂肪族カルボン酸で構成される、脂肪組成物と称する液体組成物を形成し、前記脂肪組成物は脂肪化合物を含む、方法であって、次に、前記脂肪組成物に、前記脂肪化合物と水とのエマルションを形成することが可能な、少なくとも一種の第4級アンモニウム塩の水溶液を添加し、次いで、前記エマルションに、過酸化水素(H2O2)を含む組成物中の、少なくとも一種のタングストリン酸の液体溶液を添加して、エマルション中にその場で、タングストリン酸と、一又は複数種の第4級アンモニウム塩の少なくとも一種の第4級アンモニウムとで形成される、相間移動触媒のある量を形成し、脂肪化合物の酸化的分子切断を可能にするようにすることを特徴とする、方法に関する。

Description

本発明は、脂肪化合物の酸化的分子切断によるカルボン酸の調製方法に関する。特に、本発明は、不飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸のエステル、特にアルキルのエステル、とりわけメチルエステル、脂肪族エポキシカルボン酸、脂肪族エポキシカルボン酸のエステル、特にアルキルのエステル、とりわけメチルエステル、不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸のエステル、特にアルキルのエステル、とりわけメチルエステルからなる群から選択される脂肪化合物の酸化的分子切断によるカルボン酸(とりわけモノカルボン酸、及び/又はジカルボン酸、及び/又はωカルボン酸エステル、及び/又はヒドロキシカルボン酸)の調製方法に関する。
脂肪化合物のかかる酸化的分子切断方法は、短鎖脂肪酸、とりわけ炭素原子12個未満の主鎖を有する脂肪酸、特に炭素原子数が奇数の主鎖を有する脂肪酸の製造の分野にその用途が見出される。
また、これらの化合物、とりわけ、特にエステルの形態に変換されたアゼライン酸は、多数の工業製品、とりわけ、ポリマー、ナイロン6/9など、可塑剤、接着剤、溶剤、生分解性潤滑剤及び防食剤の製造のための出発物質となる。さらに、アゼライン酸は角質溶解化合物として、及び、抗ニキビ剤として、化粧組成物の活性成分となる。ペラルゴン酸は、種々の潤滑剤、可塑剤、香料、除草剤、殺菌剤及び樹脂の合成の中間体である。
不飽和脂肪酸の酸化的分子切断を実現し得る方法はすでに知られている。これらの方法は、クロム酸、硝酸、過マンガン酸カリウム、四酸化オスミウム、過酸、過ヨウ素酸塩及び次亜塩素酸塩などの有毒な、及び/又は、人の健康及び/又は環境にとって危険な化合物の使用を必要とする。オレイン酸のペラルゴン酸及びアゼライン酸への酸化的分子切断のためにオゾンを酸化剤として使用する方法も知られている。
脂肪化合物の酸化的分子切断方法に使用されているかかる化合物は、環境に優しいものではない。
また、文献(Pai等、(2005)、Russian Chemical Bulletin、International Edition、54;8、1847−1854)には、過酸化水素水中でのオレイン酸の触媒による酸化的分子切断によるアゼライン酸及びペラルゴン酸の合成方法が記載されている。かかる方法では、まず一般式[CN(n-C1633)]{PO[WO(O)]}で表される固体触媒の合成を行う。次に、ある量の固体触媒を反応器内に配置する。次にオレイン酸を添加し、次いで、形成された混合物を撹拌し、次いで、過酸化水素水を添加し、混合物を加熱する。
かかる方法では、まず、オレイン酸の不在下で触媒合成の特定の工程を行い、次いで、オレイン酸のアゼライン酸及びペラルゴン酸への酸化的分子切断を行う前に、前記触媒を精製する。かかる方法によっては、モノカルボン酸及びジカルボン酸の合成を単一の工程で行うことはできない。特に、かかる方法は触媒の精製を必要とする。この精製工程は、その精製の際に固体触媒の損失をもたらす。そして、かかる方法は、室温で行うべき触媒形成の第1の工程、次いで、80℃の温度で行うべきオレイン酸の切断酸化の第2の工程を必要とし、複雑である。
本発明は、有毒な酸化剤の使用を必要としない、脂肪化合物の酸化的分子切断方法を提案することにより、前記の不都合を解消することを目的とする。したがって、本発明は、環境に優しい脂肪化合物の酸化的分子切断方法を目的とする。
本発明は特に、従来技術の方法に比べて改善した収率を示す、かかる脂肪化合物の酸化的分子切断方法を目的とする。特に、本発明は、単一の工程で行われ、前記脂肪化合物の酸化的分子切断産物の単純な精製処理しか必要としない、かかる脂肪化合物の酸化的分子切断方法を目的とする。
本発明はまた、実行が容易で、特殊な設備や危険な設備の提供を必要としない、かかる脂肪化合物の酸化的分子切断方法を目的とする。特に、本発明は、大気圧で実行される、かかる脂肪化合物の酸化的分子切断方法を目的とする。
したがって、本発明は、環境適合性の、すなわち、その実行のために、環境及び/又は人もしくは動物の健康にとって有毒な、再生可能でない化石資源、とりわけ石油又は天然ガスから得た有機溶媒を必要としない、かかる脂肪化合物の酸化的分子切断方法を目的とする。
したがって、本発明は、持続可能な開発に関する欧州勧告を遵守した資源から得た脂肪化合物の、かかる酸化的分子切断方法を目的とする。
本発明はまた、フランス南部及び地中海沿岸諸国で大量に生産されるヒマワリ油などの再生可能な天然資源、とりわけ、農業及び/又は林業由来の天然植物資源から製造することができる脂肪化合物の、かかる酸化的分子切断方法を目的とする。
本発明は、複数の合成工程及び酸化的分子切断の触媒の精製を必要としない、かかる脂肪化合物の酸化的分子切断方法を目的とする。
本発明は、再生可能な植物資源、特にヒマワリ油を有効活用することができる、かかる脂肪化合物の酸化的分子切断方法を目的とする。
本発明はさらに、慣用で安価な手段、及びとりわけ、慣用で安価な有機又は無機化合物から実現される、低コストのかかる脂肪化合物の酸化的分子切断方法を提案することにより、これらすべての目的をより低いコストで達成することを目的とする。
本発明はさらに、そしてより具体的に、安全性、持続可能な開発、収益性及び環境への配慮に関する制約に適合したかかる解決手段を提案することを目的とする。
このために、本発明は、不飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸のエステル、脂肪族エポキシカルボン酸、脂肪族エポキシカルボン酸のエステル、不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸のエステルからなる群から選択される脂肪化合物の酸化的分子切断方法であって、
− 少なくとも一種の脂肪族カルボン酸で構成される、脂肪組成物と称する組成物を形成し、前記脂肪組成物は脂肪化合物を含む、方法において、
− 次に、前記脂肪組成物に、前記脂肪化合物と水とのエマルションを形成することが可能な、少なくとも一種の第4級アンモニウム塩の水溶液を添加し、次いで
− 前記エマルションに、過酸化水素(H)を含む組成物中の、少なくとも一種のタングストリン酸の液体溶液を添加して、
エマルション中にその場で、タングストリン酸と、第4級アンモニウム塩(単数又は複数)の少なくとも一種の第4級アンモニウムとで形成される、相間移動触媒と称する触媒のある量を形成し、脂肪化合物の酸化的分子切断を可能にするようにすることを特徴とする、方法に関する。
したがって、本発明は、脂肪化合物の酸化的分子切断方法であって、当該方法において、脂肪化合物と少なくとも一種の第4級アンモニウム塩の水溶液とのエマルションを作製し、次いで、該エマルションに、少なくとも1つの式HPW1240で表されるタングストリン酸と、過酸化水素を添加して、エマルション中に分散することができ、脂肪化合物の酸化的分子切断と、モノカルボン酸、及び/又はジカルボン酸、及び/又はωカルボン酸エステル、及び/又はヒドロキシカルボン酸の形成とを可能にする、相間移動触媒と称する触媒を、前記エマルション中にその場で形成するようにする、方法を提案する。したがって、かかる方法は、前記相間移動触媒の精製工程を全く必要としない。
実際、本発明者らは、脂肪化合物の酸化的分子切断方法であって、当該方法において、前記脂肪化合物と水相のエマルションとで形成される反応媒体中にその場で相間移動触媒の合成を実現する前記方法により、前記酸化反応の収率を、同じ量の第4級アンモニウム塩及びタングストリン酸で事前に調製した同等の量の相間移動触媒で行った、酸化的分子切断の同等の反応において得られる酸化的分子切断の収率より増大させることが可能であることを確認した。
本発明者らは、本発明による脂肪化合物の酸化的分子切断方法により、脂肪化合物と水とのエマルションにおける相間移動触媒の改善された分散が可能になると推測している。
有利には、脂肪組成物は液体組成物である。
有利には、各タングストリン酸は、以下の一般式(I):
PW1240・nHO (I)
(式中、nは小数である)
で表されるタングストリン酸水和物である。
有利には、タングストリン酸は、エマルション中その場で、ペルオキソ型のタングストリン酸(少なくとも一つの-O-O-結合を含む)と各第4級アンモニウムとで形成されるある量の相間移動触媒を形成するのに適している。
有利には、次に、前記脂肪組成物に、前記脂肪化合物と水とのエマルションを形成することが可能な、少なくとも一種の第4級アンモニウム塩の水溶液を添加する。
有利には、脂肪組成物は、一価不飽和脂肪族カルボン酸(例えばオレイン酸、パルミトレイン酸)及び多価不飽和脂肪族カルボン酸(例えば、リノール酸、アラキドン酸)からなる群から選択される少なくとも1つのカルボン酸を含む。
有利には、本発明による方法の第1の変形形態において、脂肪組成物は、不飽和脂肪族カルボン酸、とりわけオレイン酸及びリノール酸、及びエポキシ脂肪族カルボン酸、とりわけ9,10-エポキシオクタデカン酸、脂肪族カルボン酸のエステル−、とりわけ、オレイン酸メチル、及びヒドロキシカルボン酸、とりわけリシノール酸からなる群から選択される脂肪化合物で主に構成される。
有利には、本発明による方法の第2の変形形態において、脂肪組成物は、不飽和脂肪族カルボン酸、とりわけオレイン酸及びリノール酸、及び脂肪族エポキシカルボン酸、とりわけ9,10-エポキシオクタデカン酸、脂肪族カルボン酸のエステル−、とりわけ、オレイン酸メチルからなる群から選択される脂肪化合物で本質的に構成される(残留する飽和又は不飽和脂肪酸の存在し得る痕跡を除く)。
有利には、本発明による方法の第3の変形形態において、脂肪組成物は、不飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸のエステル、脂肪族エポキシカルボン酸、脂肪族エポキシカルボン酸のエステル、不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸(とりわけ不飽和脂肪族α−ヒドロキシカルボン酸及び不飽和脂肪族β−ヒドロキシカルボン酸からなる群から選択される)、不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸のエステル及び少なくとも1つの飽和脂肪酸の酸又はエステル、とりわけパルミチン酸、パルミチン酸アルキル(特にパルミチン酸メチル)、ステアリン酸、ステアリン酸アルキル(特にステアリン酸メチル)、ミリスチン酸、ミリスチン酸アルキル(特にミリスチン酸メチル)からなる群から選択される少なくとも1つの脂肪化合物を含む混合物である。一般的に、脂肪組成物は、不飽和脂肪族カルボン酸及びそのアルキルのエステル、脂肪族エポキシカルボン酸及びそのアルキルのエステル、及び、不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸(とりわけ不飽和脂肪族α−ヒドロキシカルボン酸及び不飽和脂肪族β−ヒドロキシカルボン酸からなる群から選択される)及びそれらのアルキルのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの脂肪化合物を含み、少なくとも1つのトリグリセリドの加水分解(酵素的又は化学的)に由来するあるモル分率の少なくとも一種の脂肪族カルボン酸も含む。有利には、脂肪組成物を、ヒマワリ油の酵素的加水分解によって得る。例として、ヒマワリ油の酵素的加水分解によって得たかかる脂肪組成物の脂肪酸プロファイルは、質量比率約87%のオレイン酸、質量比率約5%のリノール酸、質量比率約3%のパルミチン酸、質量比率約3%のステアリン酸、質量比率約0.2%のカプリン酸を含み得る。概して、かかる脂肪組成物は、不飽和脂肪族カルボン酸及び脂肪族エポキシカルボン酸からなる群から選択される少なくとも1つの脂肪化合物、及び、飽和脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸)及び多価不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸)からなる群から選択される少なくとも1つの脂肪酸を含む。
本発明により、有利には、脂肪化合物を、以下の一般式(II):
-(CH)-R-(CH)-R-(CH)-R-(CH)-R-(CH)-R (II)
(上式中、
・R及びRは、メチル(-CH)、カルボキシル(-COOH)及び一般式-COOR(式中、Rは1〜8個の炭素原子を含む直鎖状脂肪族炭化水素基である)で表されるエステル基から選択される、同一の又は異なる2つの原子団であり、
・R、R、R及びRは、-CH-基、エポキシ基
及び(-CH=CH-)基から選択される、同一の又は異なる原子団であり、
・a、b、c、d及びeは、範囲[0;15]の同一の又は異なる自然数である)
で表される脂肪化合物からなる群から選択する。
有利には、脂肪化合物を、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、パルミトレイン酸(又は9-シス-ヘキサデセン酸)、エルカ酸(ドコサ-13-エン酸)、ブラシジン酸(トランス-13-ドコセン酸)、リシノール酸及び9-エポキシオクタデカン酸からなる群から選択する。
本発明により、有利には、各第4級アンモニウム塩を、以下の一般式(III):
(III)
(上式中、
・A、A、A及びAは、炭素原子数10個未満の、同一の又は異なる脂肪族炭化水素基であり、
・Xは、アニオン−とりわけ塩化物、硝酸塩及び臭化物からなる群から選択される−である)
で表される第4級アンモニウム塩からなる群から選択する。
有利には、第4級アンモニウムは、アルキルピリジニウムからなる群から選択される。有利には、第4級アンモニウムは、以下の式:
で表されるヘキサデシルピリジニウムである。
有利には、第4級アンモニウムは、N,N,N,N−テトラブチルアンモニウム、N,N,N−トリブチル−N−メチルアンモニウム及びN,N,N,N−テトラヘキシルアンモニウムからなる群から選択される。
本発明により、有利には、脂肪組成物は有機溶媒を含まない。脂肪化合物の酸化的分子切断は、脂肪化合物及び水により形成されるエマルション中、当該エマルション中その場で形成される相間移動触媒の存在下、ジクロロメタン(CHCl)、クロロホルム(CHCl)、エチルエーテル((HC-CH)O)、t-ブタノール(BuOH)、及びアセトニトリル(CHCN)からなる群から選択される有機溶媒、とりわけ揮発性有機溶媒を何ら添加せずに、行う。
本発明により、有利には、脂肪化合物はオレイン酸((9シス)-オクタデカ-9-エン酸)であり、オレイン酸の酸化的分子切断により形成される生成物は、アゼライン酸(HOOC-(CH-COOH)及びペラルゴン酸(HC-(CH)-COOH)である。
本発明により、有利には、脂肪化合物はリノール酸((9シス,12シス)-オクタデカ-9,12-ジエン酸)であり、リノール酸の酸化的分子切断により形成される生成物は、アゼライン酸(ノナン-1,9-ジオン酸、HOOC-(CH)-COOH)、マロン酸(1,3-プロパンジオン酸、HOOC-CH-COOH)及びヘキサン酸(HC-(CH)-COOH)である。
本発明により、有利には、脂肪化合物は9,10-エポキシオクタデカン酸であり、9,10-エポキシオクタデカン酸の酸化的分子切断により形成される生成物は、アゼライン酸(ノナン-1,9-ジオン酸、HOOC-(CH)-COOH)及びペラルゴン酸(HC-(CH)-COOH)である。
本発明により、有利には、脂肪化合物はアラキドン酸であり、アラキドン酸の酸化的分子切断により形成される生成物は、ヘキサン酸(HC-(CH)-COOH)、マロン酸(HOOC-CH-COOH)及びペンタンジオン酸(HOOC-(CH)-COOH)である。
本発明により、有利には、脂肪化合物はパルミトレイン酸であり、パルミトレイン酸の酸化的分子切断により形成される生成物は、アゼライン酸(HOOC-(CH)-COOH)及びヘプタン酸(HC-(CH)-COOH)である。
本発明により、有利には、脂肪化合物はエルカ酸(又はドコサ-13-エン酸)であり、エルカ酸の酸化的分子切断により形成される生成物は、ペラルゴン酸(HC-(CH)-COOH)及び1,13-トリデカンジオン酸(HOOC-(CH)11-COOH)である。
本発明により、有利には、脂肪化合物はリノレン酸(オクタデカ-トリエン酸)であり、リノレン酸の酸化的分子切断により形成される生成物は、アゼライン酸(ノナン-1,9-ジオン酸、HOOC-(CH)-COOH)、プロピオン酸(HC-CH-COOH)及びマロン酸(HOOC-CH-COOH)である。
本発明により、有利には、脂肪化合物はリシノール酸((9シス)-12-ヒドロキシオクタデカ-9-エン酸)であり、リシノール酸の酸化的分子切断により形成される生成物は、アゼライン酸(ノナン-1,9-ジオン酸、HOOC-(CH)-COOH)、3-ヒドロキシノナン酸(HOOC-CH-CHOH-(CH)-CH)である。
本発明者らは、ヒドロキシル化不飽和カルボン酸の本発明による酸化的切断方法による処理は、二重結合の酸化をもたらすが、ヒドロキシル基は保護することに気付いた。
本発明により、有利には、脂肪化合物の不飽和(エマルション中の脂肪化合物の二重結合及び/又はエポキシド環のモル当量数)と、エマルション中に導入される過酸化水素とのモル比は、1/4〜1/10の範囲−とりわけ約1/5−である。
本発明により、有利には、脂肪化合物の不飽和(エマルション中の脂肪化合物の二重結合及び/又はエポキシド環のモル当量数)と、エマルション中に導入されるタングストリン酸とのモル比は、1%〜5%の範囲である。
本発明により、有利には、エマルション中に導入されるタングストリン酸及び第4級アンモニウムは、エマルション中で等モル比である。
本発明により、有利には、脂肪化合物の酸化的分子切断を、60℃〜120℃、とりわけ70℃〜100℃の範囲、好ましくは80℃〜90℃の範囲の温度で行う。
本発明により、有利には、脂肪化合物の酸化的分子切断の終了時に、濾過(+4℃未満の温度での低温での)により相間移動触媒を回収し、該触媒を後続の第2の脂肪化合物の酸化的分子切断の工程で使用する。有利には、第2の脂肪化合物は、脂肪化合物と同一であるか又は異なる。
本発明はまた、上記又は下記に記載の特徴のすべて又は一部の組合せを特徴とする方法に関する。
本発明の他の目的、特徴及び利点は、非限定的な解説としてのみ提供される以下の実施例を読むことにより明らかになる。
実施例1−相間移動触媒のその場での調製
本発明による、脂肪化合物の酸化的分子切断及びカルボン酸(とりわけアゼライン酸(COOH-(CH)-COOH)及びペラルゴン酸(HC-(CH)-COOH))の調製方法において、まず、オレイン酸を含有する脂肪酸組成物を、オレイン酸含量の高いヒマワリ油(ARTERRIS、Toulouse、France)から調製する。このヒマワリ油の酵素的加水分解を行い、その際、22.5kgのヒマワリ油と、蒸留水(20.1kg)中のカンジダ・キリンドラケア(Candida cylindracea)のリパーゼ(Lyven、Colombelles、France)の溶液とを、磁気撹拌下、40℃で5時間接触させる。脂肪酸調製物を形成し、ガスクロマトグラフィーにより決定したその組成を下表1に示す。
65mmolのオレイン酸を含むこの脂肪酸調製物の21gを、凝縮器、機械撹拌器及び加熱装置を備えた250mlの三口丸底フラスコ内に配置する。塩化テトラブチルアンモニウム(n-BuNCl、Sigma Aldrich、Saint−Quentin Fallavier、France)、臭化テトラブチルアンモニウム(n-BuNBr、Sigma Aldrich、Saint−Quentin Fallavier、France)、塩化N-セチルピリジニウム一水和物(CN(n-C1633)Cl,HO、Sigma Aldrich、Saint−Quentin Fallavier、France)、「aliquat 336」の名称の方がよく知られている塩化N-メチル-N,N,N-トリオクチルアンモニウム(CHN(n-C17)Cl、Sigma Aldrich、Saint−Quentin Fallavier、France)及びN,N,N,N-テトラオクチルアンモニウム(N(n-C17)Cl、Sigma Aldrich、Saint−Quentin Fallavier、France)からなる群から選択される第4級アンモニウム塩の水溶液(3.36mmol)を2mL滴加する。得られた混合物の機械撹拌により、オレイン酸と第4級アンモニウム塩の溶液とのエマルションを形成する。
混合及び室温での30分間の撹拌により、5mLの蒸留水中の4g(1.2mmol)のタングストリン酸(HPW1240・15.4HO)及び34mLの30%過酸化水素水(325.0mmol)を調製する。タングストリン酸溶液を、オレイン酸と第4級アンモニウム塩とのエマルションに添加する。タングストリン酸の添加は、エマルションを含有する三口フラスコ内で5分の期間滴加により行う。エマルションへのタングストリン酸の添加後、反応媒体を60℃の温度に加熱する。反応器を85℃の温度及び大気圧で機械撹拌下(400rpm)に置き、5時間の期間維持し、次いで反応器を室温に到達するまで放冷する。反応媒体のpHを、一定体積の4モル/Lの濃度の塩酸水溶液でpH=1の値に調整する。
形成されたカルボン酸と触媒との分離のために、ある体積の酢酸エチルをpH=1の酸性混合物に添加し、次いで反応媒体を、触媒の沈殿を形成するように、沈殿温度(Tprecip、室温又は4℃未満の温度)に置く。形成された沈殿を酢酸エチルで洗浄する。塩を含有する水相を、分液漏斗内で有機相から分離し、次いで酢酸エチルで洗浄する。異なる有機相を合わせ、硫酸アンモニウム(NaSO)上で乾燥し、減圧下で蒸発させる。
得られた試料を、水素炎イオン化検出器(FID)と連結され、脂肪酸のメチルエステルの分析のためのキャピラリーカラム(長さ50m、直径0.25mm、粒径25μm)を備えたクロマトグラフVarianを用いたガスクロマトグラフィーにより分析及び定量する。移動相は、キャピラリーカラムヘッド圧1034hPa(15psi)のヘリウム(Air liquide、France)である。インジェクター及び検出器の温度は250℃である。カラムを収容するヒーターの温度は、5分間100℃に維持され、次いで10分間、5℃/分のスピードで180℃まで徐々に加熱され、最終的に5分間、10℃/分のスピードで250℃まで徐々に加熱され、この温度で43分間維持される。
分析のために、メチル-t-ブチル-エーテル(MTBE)中の10mg/mLの濃度の各試料の溶液を作製する。脂肪酸は、水酸化トリメチルスルホニウムでの処理により、メチルエステルに変換する。内部標準として、2mg/mLの濃度のペンタデカン酸を添加する。結果を下表2に示す。表中、Tprecipは沈殿温度であり、AZA%及びPEA%はそれぞれアゼライン酸及びペラルゴン酸の、出発時のオレイン酸に対する合成及び抽出収率の値を表す。
+4℃で行った触媒の沈殿について、室温で行った触媒の沈殿と比べて改善された収率が認められる。
実施例2−比較試験−相間移動触媒の事前調製
実施例1に記載した触媒(A)及び(B)を、当業者に自体公知の方法で事前に調製する。特に、かかる方法は(Pai等、(2005)、Russian Chemical Bulletin、54;8、1847−1854)に記載されている。かかる方法において、30%の過酸化水素(H)の溶液(34mL、325mmol)をタングストリン酸の溶液(HPW1240・15.4HO、4g、1.2mmol)に添加し、この混合物を撹拌下に30分間維持する。塩化テトラブチルアンモニウム(n-BuNCl、Sigma Aldrich、Saint−Quentin Fallavier、France)及び塩化N−セチルピリジニウム一水和物(CN(n-C1633)Cl・HO、Sigma Aldrich、Saint−Quentin Fallavier、France)からなる群から選択される第4級アンモニウム塩の水溶液(3.36mmol)を2mL添加する。こうして形成された固体沈殿物を濾過し、水で洗浄する。
上記で形成した触媒の一定量と、オレイン酸(21g、65mmol)とを、凝縮器、機械撹拌器及び加熱装置を備えた250mlの三口丸底フラスコ内で混合する。混合物を60℃に加熱し、過酸化水素溶液(H、325mmol)を5分間滴加する。反応混合物を85℃に加熱し、大気圧で5時間磁気撹拌下(400rpm)に維持する。反応器を室温になるまで放冷する。次いで、反応媒体を実施例1のように処理し、分析する。分析結果を、比較として下表3に示す。
オレイン酸の、アゼライン酸及びペラルゴン酸への変換反応の収率が、触媒のその場での形成により行った合成について改善されていることが認められる(表2)。
触媒(A)及び4℃での処理により、反応の収率は、触媒の事前調製での52%(アゼライン酸)及び57.1%(ペラルゴン酸)の値(表3)から、触媒のその場での合成での77.6%(アゼライン酸)及び80.9%(ペラルゴン酸)の値(表2)になっており、これはすなわち40%を超える増大である。触媒(B)及び4℃での処理により、反応の収率は、触媒の事前調製での70.2%(アゼライン酸)及び75.1%(ペラルゴン酸)の値(表3)から、触媒のその場での合成での81.5%(アゼライン酸)及び86.1%(ペラルゴン酸)の値(表2)になっており、これはすなわち約15%の増大である。
実施例3−第4級アンモニウム塩の選択
実施例1に記載したとおりのオレイン酸の酸化的分子切断処理を行い、当該処理において、試薬のモル比は、
−オレイン酸:1当量
−H:5当量
−その場で形成される触媒:0.02当量
である。
反応混合物を85℃に加熱し、大気圧で5時間、機械的撹拌下(400rpm)に維持する。触媒のその場での調製のために、下表4に記載の第4級アンモニウム塩を選択する。「OLA%」列は、反応時に転換されたオレイン酸のモル分率を表す。
触媒なしでは、出発時のオレイン酸の38.1%がなくなり、多数の生成物の形成を可能にし、そのうち、アゼライン酸は1.8%、ペラルゴン酸は2.2%に過ぎない。
アンモニウム塩(n-BuN)Cl、(n-BuN)Br、CN(n-C1633)Cl、CHN(n-C17) Cl及びN(n-C17) Clからの触媒のその場での形成は、出発時のオレイン酸の100%を転換し、アゼライン酸及びペラルゴン酸を、アゼライン酸については73%超、ペラルゴン酸については76%超の収率で形成することを可能にする。
実施例4−温度の効果
実施例1に記載したとおりのオレイン酸の酸化的分子切断処理を行い、当該処理において、触媒(A)、(B)、(C)又は(D)の1つをその場で形成し、合成を下表5に特定する温度Treactionで行う。表中、値「OLA%」は反応時に転換されたオレイン酸のモル分率を表し、「AZA%」及び「PEA%」は、それぞれ、アゼライン酸及びペラルゴン酸の出発時のオレイン酸に対する合成及び抽出の収率の値を表す。
最良の収率は、触媒(A)及び(B)については約85℃、触媒(C)については約95℃で得られる。
実施例5−触媒の比率
実施例1に記載したとおりのオレイン酸の酸化的分子切断処理を行い、当該処理において、触媒(B)を下表6に特定するモル比でその場で形成する。表中、値「OLA%」は反応時に転換されたオレイン酸のモル分率を表し、「AZA%」及び「PEA%」は、それぞれ、出発時のオレイン酸に対する、アゼライン酸及びペラルゴン酸の合成及び抽出の収率の値を表す。初期のオレイン酸(OLA)の量は65mmolであり、初期のHの量は325mmol(30%)である。初期のOLA/Hのモル比は1/5であり、温度は85℃であり、反応時間は5時間であり、撹拌速度は400rpmである。
最良の収率の獲得を可能にするその場で形成される触媒のモル比は約2%である。
実施例6−撹拌速度
実施例1に記載したとおりのオレイン酸の酸化的分子切断処理を行い、当該処理において、触媒(B)を2%のモル比でその場で形成する。初期のオレイン酸(OLA)の量は65mmolであり、初期のHの量は325mmol(30%)である。初期のOLA/Hのモル比は1/5であり、温度は85℃であり、反応時間は5時間であり、機械撹拌機の回転速度は250rpm〜1250rpmの範囲である。
800rpmを超える機械撹拌機の回転速度について、アゼライン酸及びペラルゴン酸の合成収率の低下が認められる。本発明者らは、800rpmを超える機械撹拌機の回転速度は、キャビテーションによる反応媒体中への気泡の導入及び触媒と基質との間の接触面積の減少をもたらし得る性質のものであると推測している。
さらに、収率の低下は、300rpm未満の機械撹拌機の回転速度についても認められる。本発明者らは、かかる300rpm未満の機械撹拌機の回転速度は、オレイン酸と酸化剤(H)とのエマルションを形成し得るには不十分であり、収率の低下につながると推測している。
実施例7−9,10-エポキシオクタデカン酸の酸化的切断
9,10-エポキシオクタデカン酸を「Salimon等、(2009)、European Journal of Scientific Research、32(2)、16−222」に記載の方法に従って調製し、当該方法において、71mmolのオレイン酸を、新たに調製した過ギ酸で、室温にて3時間、磁気撹拌下(400rpm)で処理する。9,10-エポキシオクタデカン酸(51mmol)の白色粉末を65%の純度及び72%の収率で得る。
9,10-エポキシオクタデカン酸の酸化的分子切断処理を行い、当該処理において、触媒(B)を2%のモル比でその場で形成する。初期の9,10-エポキシオクタデカン酸の量は51mmolであり、初期のHの量は255mmol(30%)である。初期の9,10-エポキシオクタデカン酸/Hのモル比は1/5であり、温度は85℃であり、反応時間は5時間であり、機械撹拌機の回転速度は400rpmである。
9,10-エポキシオクタデカン酸の変換率「TC」、出発時の9,10-エポキシオクタデカン酸に対するアゼライン酸及びペラルゴン酸の合成の収率の値をそれぞれ表す「AZA%」及び「PEA%」を下表7に示す。
実施例8−リノール酸(LNA)の酸化的切断
リノール酸((9シス,12シス)-オクタデカ-9,12-ジエン酸、LNA)の酸化的分子切断処理を試験No.1及びNo.2に従って行い、当該試験において、触媒(B)をリノール酸中にその場で形成する。LNA/H/触媒のモル比は下表8に特定されている。値「LNA%」は、反応時に転換されたリノール酸のモル分率を表す。値「HA%」及び「AZA%」は、それぞれ、ヘキサン一酸(HA)及びアゼライン二酸(AZA)の、出発時のリノール酸(LNA)に対する合成及び抽出の収率の値を表す。温度は85℃であり、反応時間は5時間であり、撹拌速度は400rpmである。
実施例9−リシノール酸の酸化的切断
ヒマシ油の加水分解に由来するリシノール酸(又は(9シス)-12-ヒドロキシオクタデカ-9-エン酸)の酸化的分子切断処理を実施例1に記載したとおりに行い、当該処理において、触媒(B)を2%のモル比でその場で形成する。初期のリシノール酸の量は14mmolであり、初期のHの量は163mmol(30%)である。
温度は85℃であり、反応時間は5時間であり、撹拌速度は400rpmである。
リシノール酸の酸化的分子切断は、1つの二酸(アゼライン酸、AZA)及び1つの一酸(3-ヒドロキシノナン酸)の形成をもたらし、これらは酢酸エチル中に抽出される。
99.9%のリシノール酸の変換率に対し、アゼライン酸及び3-ヒドロキシノナン酸を、それぞれ83.2%及び60.8%の収率で得る。

Claims (14)

  1. 不飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸のエステル、脂肪族エポキシカルボン酸、脂肪族エポキシカルボン酸のエステル、不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸のエステルからなる群から選択される脂肪化合物の酸化的分子切断方法であって、
    − 少なくとも一種の脂肪族カルボン酸で構成される、脂肪組成物と称する組成物を形成し、前記脂肪組成物は脂肪化合物を含む、方法において、
    − 次に、前記脂肪組成物に、前記脂肪化合物と水とのエマルションを形成することが可能な、少なくとも一種の第4級アンモニウム塩の水溶液を添加し、次いで
    − 前記エマルションに、過酸化水素(H)を含む組成物中の少なくとも一種のタングストリン酸の液体溶液を添加して、
    エマルション中にその場で、タングストリン酸と、一又は複数種の第4級アンモニウム塩の少なくとも一種の第4級アンモニウムとで形成される、相間移動触媒と称する触媒のある量を形成し、脂肪化合物の酸化的分子切断を可能にするようにすることを特徴とする、方法。
  2. 脂肪化合物を、以下の一般式(II):
    -(CH)-R-(CH)-R-(CH)-R-(CH)-R-(CH)-R (II)
    (上式中、
    ・R及びRは、メチル(-CH)、カルボキシル(-COOH)及び一般式-COOR(該式中、Rは1〜8個の炭素原子を含む直鎖状脂肪族炭化水素基である)で表されるエステル基から選択される、同一の又は異なる2つの原子団であり、
    ・R、R、R及びRは、-CH-基、エポキシ基
    及び(-CH=CH-)基から選択される、同一の又は異なる原子団であり、
    ・a、b、c、d及びeは、範囲[0;15]の同一の又は異なる自然数である)
    で表される脂肪化合物からなる群から選択することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 各第4級アンモニウム塩を、以下の一般式(III):
    (III)
    (上式中、
    ・A、A、A及びAは、炭素原子数10個未満の、同一の又は異なる脂肪族炭化水素基であり、
    ・Xは、アニオンである)
    で表される第4級アンモニウム塩からなる群から選択することを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 脂肪組成物が有機溶媒を含まないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 脂肪化合物がオレイン酸((9シス)-オクタデカ-9-エン酸)であり、形成される生成物が、アゼライン酸(HOOC-(CH)-COOH)及びペラルゴン酸(HC-(CH)-COOH)であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 脂肪化合物がリノール酸((9シス,12シス)-オクタデカ-9,12-ジエン酸)であり、リノール酸の酸化的分子切断により形成される生成物が、アゼライン酸(HOOC-(CH)-COOH)、マロン酸(HOOC-CH-COOH)及びヘキサン酸(HC-(CH)-COOH)であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 脂肪化合物が9,10-エポキシオクタデカン酸であり、9,10-エポキシオクタデカン酸の酸化的分子切断により形成される生成物が、アゼライン酸(HOOC-(CH)-COOH)及びペラルゴン酸(HC-(CH)-COOH)であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  8. 脂肪化合物がアラキドン酸であり、アラキドン酸の酸化的分子切断により形成される生成物が、ヘキサン酸(HC-(CH)-COOH)、マロン酸(HOOC-CH-COOH)及びペンタンジオン酸(HOOC-(CH)-COOH)であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  9. 脂肪化合物がリノレン酸であり、リノレン酸の酸化的分子切断により形成される生成物は、アゼライン酸(HOOC-(CH)-COOH)、プロピオン酸(HC-CH-COOH)及びマロン酸(HOOC-CH-COOH)であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  10. 脂肪化合物の不飽和とエマルション中に導入される過酸化水素とのモル比が、1/4〜1/10の範囲であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 脂肪化合物の不飽和とエマルション中に導入されるタングストリン酸とのモル比が、1%〜5%の範囲であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. エマルション中に導入されるタングストリン酸及び第4級アンモニウムが、エマルション中で等モル比であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 脂肪化合物の酸化的分子切断を、60℃〜120℃の範囲の温度で行うことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 脂肪化合物の酸化的分子切断の終了時に、濾過により相間移動触媒を回収し、該相間移動触媒を後続の第2の脂肪化合物の酸化的分子切断の工程で使用することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
JP2014548163A 2011-12-22 2012-12-21 脂肪化合物の酸化的分子切断方法 Pending JP2015502392A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR11.04028 2011-12-22
FR1104028A FR2984887B1 (fr) 2011-12-22 2011-12-22 Procede de scission moleculaire oxydative d'un compose gras
PCT/FR2012/053037 WO2013093366A1 (fr) 2011-12-22 2012-12-21 Procédé de scission moléculaire oxydative d'un composé gras

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015502392A true JP2015502392A (ja) 2015-01-22

Family

ID=47599106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014548163A Pending JP2015502392A (ja) 2011-12-22 2012-12-21 脂肪化合物の酸化的分子切断方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US9090552B2 (ja)
EP (1) EP2794543B1 (ja)
JP (1) JP2015502392A (ja)
BR (1) BR112014014680A8 (ja)
ES (1) ES2587877T3 (ja)
FR (1) FR2984887B1 (ja)
WO (1) WO2013093366A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102013218393A1 (de) * 2013-09-13 2015-03-19 Evonik Industries Ag Verfahren zur Herstellung von Alkancarbonsäuren
FR3100809B1 (fr) 2019-09-16 2023-06-02 Demeta Procédé de coupure oxydante d'oléfines utilisant comme catalyseur un halooxodiperoxométallate
CN113025369B (zh) * 2021-04-18 2022-08-12 重庆工商大学 一种用餐饮废油制备烃类燃料的方法
CN113563179B (zh) * 2021-07-22 2023-01-17 青岛科技大学 一种正丙醇氧化制备丙酸的方法
CN114621075A (zh) * 2022-03-21 2022-06-14 中国日用化学研究院有限公司 一种壬二酸的合成方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH054938A (ja) * 1991-06-27 1993-01-14 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 不飽和カルボン酸の酸化方法
JPH07502035A (ja) * 1991-12-11 1995-03-02 ノバモント エス.ピー.エー. 不飽和脂肪酸又はそのエステルの酸化分解によるカルボン酸又はそのエステルの製造方法
CN1566064A (zh) * 2003-06-27 2005-01-19 中国科学院兰州化学物理研究所 油酸相转移催化氧化制备壬二酸的方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH054938A (ja) * 1991-06-27 1993-01-14 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 不飽和カルボン酸の酸化方法
JPH07502035A (ja) * 1991-12-11 1995-03-02 ノバモント エス.ピー.エー. 不飽和脂肪酸又はそのエステルの酸化分解によるカルボン酸又はそのエステルの製造方法
CN1566064A (zh) * 2003-06-27 2005-01-19 中国科学院兰州化学物理研究所 油酸相转移催化氧化制备壬二酸的方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2794543A1 (fr) 2014-10-29
ES2587877T3 (es) 2016-10-27
BR112014014680A8 (pt) 2017-07-04
US20140371487A1 (en) 2014-12-18
FR2984887A1 (fr) 2013-06-28
WO2013093366A1 (fr) 2013-06-27
EP2794543B1 (fr) 2016-05-25
US9090552B2 (en) 2015-07-28
BR112014014680A2 (pt) 2017-06-13
FR2984887B1 (fr) 2014-01-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2911227T3 (es) Triglicéridos que contienen ácidos carboxílicos saturados que tienen más de una función ácida
JP2015502392A (ja) 脂肪化合物の酸化的分子切断方法
JP6073044B2 (ja) 天然脂肪酸の発酵で得られる不飽和二酸のメタセシスによる脂肪二酸の合成方法
Goud et al. Studies on the epoxidation of mahua oil (Madhumica indica) by hydrogen peroxide
JP5568470B2 (ja) 天然脂肪酸および/またはエステルからの二酸またはジエステルの合成方法
JP5535244B2 (ja) 一価不飽和脂肪酸またはエステルからオメガ−アミノ酸またはエステルを合成する方法
JP5653919B2 (ja) 不飽和アルファ,オメガジカルボン酸および/または不飽和アルファ,オメガジカルボン酸ジエステルの製造方法
KR20150063059A (ko) 퓨란-2,5-디알데히드를 함유하는 조성물로부터 2,5-퓨란디카복실산을 합성하는 방법
EP2780319B1 (fr) Procede de fabrication de composes comprenant des fonctions nitriles
JP5927206B2 (ja) ニトリル−脂肪酸化合物の製造方法
JP2013521267A (ja) ビシナルジオールの酸化開裂によるカルボン酸の製造方法
JP5448036B2 (ja) カルボン酸の製造方法
JP2021527115A (ja) 植物油からバイオ潤滑油を得るプロセス及びバイオ潤滑油
FR2997949A1 (fr) Extraction selective d’un acide omega-fonctionnalise apres coupure oxydante d’un acide gras insature et derives
Stempfle Aliphatic Polyester Materials from Polycondensation of Seed-and Algae Oil-Based Long-Chain Monomers
CN114787172A (zh) 使用卤代氧代二过氧金属酸盐作为催化剂的烯烃氧化裂解方法
JPH01258646A (ja) ω−ヒドロキシ脂肪酸エステルを製造する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160405

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160704

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161108