JP2015232546A - X線分析用システムおよびプログラム - Google Patents
X線分析用システムおよびプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015232546A JP2015232546A JP2015050662A JP2015050662A JP2015232546A JP 2015232546 A JP2015232546 A JP 2015232546A JP 2015050662 A JP2015050662 A JP 2015050662A JP 2015050662 A JP2015050662 A JP 2015050662A JP 2015232546 A JP2015232546 A JP 2015232546A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ray
- laminate
- sample
- cell
- support member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
Abstract
Description
X線分析の一つであるXAFS測定などでは、ラミネートセルの充放電を行いながら、充放電中のラミネートセルのX線吸光度を測定している。XAFS測定では、充放電に伴う電池材料の経時的な状態の変化を調べるために、予め決められた充放電試験時間(たとえば、20時間前後)にわたってラミネートセルの充放電を行い、その時々のX線吸光度を測定している。このため、複数のラミネートセルについてX線分析の測定結果を得るには、少なくともラミネートセルの個数に充放電試験時間を乗算した分の時間が必要になる。したがって、すべてのラミネートセルの測定結果が得られるまでに長い時間がかかってしまう。
セパレータを間に挟んで正極と負極を積層してなる電池要素を、電解液とともにラミネートフィルムにより密封したラミネートセルを試料とし、前記ラミネートセルにX線を照射して分析データを得るin−situX線分析に用いられるX線分析用システムであって、
複数のラミネートセルを保持することができる試料ホルダーを有し、前記試料ホルダーで保持した前記複数のラミネートセルのうち、前記X線の通過位置に配置するラミネートセルを前記試料ホルダーの移動によって切り替える試料切り替え装置と、
前記試料ホルダーで保持した前記複数のラミネートセルを予め決められた充放電試験時間内に充放電させる充放電装置と、
前記充放電試験時間内に前記複数のラミネートセルのX線分析の測定を並行して行うように、前記試料切り替え装置および前記充放電装置を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とするX線分析用システムである。
前記制御装置は、一つのラミネートセルについて1回のX線分析の測定が終了するたびに、前記X線の通過位置に配置するラミネートセルを切り替えるべく、前記試料切り替え装置を駆動するとともに、前記複数のラミネートセルを前記X線の通過位置に順に配置する一巡の切り替え動作を前記試料切り替え装置が前記充放電試験時間内に少なくとも2回以上繰り返すように、前記試料切り替え装置を制御する
ことを特徴とする上記第1の態様に記載のX線分析用システムである。
前記制御装置は、前記X線の通過位置に配置するラミネートセルの順序にあわせて前記複数のラミネートセルの充放電を順に開始するように、前記充放電装置を制御する
ことを特徴とする上記第1または第2の態様に記載のX線分析用システムである。
前記制御装置は、前記ラミネートセルに照射するX線のエネルギーを調整するモノクロメータの動作に連動するように、前記試料切り替え装置の動作を制御する
ことを特徴とする上記第1〜第3の態様のいずれかに記載のX線分析用システムである。
セパレータを間に挟んで正極と負極を積層してなる電池要素を、電解液とともにラミネートフィルムにより密封したラミネートセルを試料とし、前記ラミネートセルにX線を照射して分析データを得るin−situX線分析に用いられるX線分析用システムに用いられるプログラムであって、
複数のラミネートセルを保持することができる試料ホルダーを有し、前記試料ホルダーで保持した前記複数のラミネートセルのうち、前記X線の通過位置に配置するラミネートセルを前記試料ホルダーの移動によって切り替える試料切り替え装置と、
前記試料ホルダーで保持した前記複数のラミネートセルを予め決められた充放電試験時間内に充放電させる充放電装置と、を制御の対象とし、
前記充放電試験時間内に前記複数のラミネートセルのX線分析の測定を並行して行うように、前記試料切り替え装置および前記充放電装置を制御する制御装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
本発明の実施の形態においては、次の順序で説明を行う。
1.X線分析装置の構成
2.ラミネートセルの構成
3.X線分析用システムの構成
4.試料切り替え装置の構成
5.試料切り替え装置の動作
6.X線分析方法
7.実施の形態の効果
8.変形例等
9.他の実施の形態
図1はX線分析装置の構成例を示す概略図である。
図示したX線分析装置は、X線放射光源1と、モノクロメータ2と、第1のX線検出器3と、試料設置部4と、第2のX線検出器5と、を備えている。X線放射光源1は、高エネルギーのX線を放射するものである。X線分析では、実験室系X線装置または放射光施設から発生するX線を用いることができる。モノクロメータ2は、試料に照射されるX線のエネルギー(波長)を、Braggの条件式に基づく回折によって調整するものである。具体的には、モノクロメータ2は、X線放射光源1から放射されたX線を取り込むとともに、取り込んだX線を回折させることにより、特定のエネルギー(波長)のX線を取り出す。モノクロメータ2としては、二結晶モノクロメータを用いることができる。二結晶モノクロメータを用いた場合は、二つの分光結晶の角度に応じて、特定のエネルギー(波長)のX線を取り出すことができ、出射ビームの位置を一定に保つことができる。また、モノクロメータ2の動作をBraggの条件式にしたがって制御することにより、モノクロメータ2の角度を連続的または断続的に変化させることができる。
図2はX線分析の対象試料となるラミネートセルの構成例を示す概略断面図である。図示したラミネートセル10は、正極11と、負極12と、セパレータ13とを含む電池要素14を備えた構成となっている。正極11は、たとえばアルミニウム箔を用いて、全体的に正面視矩形のシート状に形成されている。正極11の片面には正極活物質層15が形成されている。正極活物質層15は、正極11の一部を構成するものであって、たとえば、ニッケル酸リチウムと、導電助剤と、結着剤とを用いた塗膜によって形成されている。負極12は、たとえば銅箔を用いて、全体的に正面視略矩形のシート状に形成されている。負極12の片面には負極活物質層16が形成されている。負極活物質層16は、負極12の一部を構成するものであって、たとえば、グラファイトと、結着剤とを用いた塗膜によって形成されている。セパレータ13は、正面視矩形のシート状に形成されている。電池要素14は、セパレータ13を間に挟んで正極11と負極12を積層した構造になっている。この積層構造においては、正極11の正極活物質層15と負極12の負極活物質層16とが、セパレータ13を介して対向する状態に配置されている。
図3は本発明の実施の形態に係るX線分析用システムを含むX線分析システム全体の構成例を示す図である。
図示したX線分析システムは、上述したX線分析装置を用いてラミネートセル10のX線分析を行うシステムである。このX線分析システムは、上述したX線分析装置の構成要素(1〜5)の他に、X線分析用システム20と、計測器22と、X線制御部23と、データ取得部24と、を備えた構成となっている。また、X線分析用システム20は、制御装置25と、充放電装置26と、試料切り替え装置27と、を備えた構成となっている。
制御装置25は、X線分析用システム20全体の処理動作を統括的に制御するものである。制御装置25は、充放電装置26および試料切り替え装置27をそれぞれ制御の対象とする。そして、制御装置25は、予め決められた充放電試験時間内に複数のラミネートセル10の測定を並行して行うように、充放電装置26および試料切り替え装置27を制御する。また、制御装置25は、モノクロメータ2の動作に連動するように、試料切り換え装置27の動作を制御する。具体的な制御の仕方は後段で詳述する。
図4は本発明の実施の形態に係る試料切り替え装置の構成例を示す正面図であり、図5は図4に示す試料切り替え装置の斜視図である。試料切り替え装置27は、大きくは、試料ホルダー31と、この試料ホルダー31を移動可能に支持するホルダー移動装置32と、を備えた構成となっている。
ホルダー移動装置32は台座33に搭載されている。台座33は、X線分析装置の試料設置部4に設けられるものである。ホルダー移動装置32は、図示しないモータと、このモータを駆動源として回転する回転板34と、この回転板34を支持するステージ機構39と、を有している。駆動源となるモータとしては、たとえば、ステッピングモータやサーボモータなどを用いることができる。回転板34は円板形に形成され、その中心が回転中心35になっている。回転板34の前面には複数(図例では4つ)のネジ孔36が設けられている。これらのネジ孔36は、回転板34に試料ホルダー31を取り付けるためのものである。
試料ホルダー31は、上述したラミネートセル10を対象試料としてX線分析を行う際にラミネートセル10を保持するために用いられるものである。本実施の形態においては、「X線分析」の一例として、ラミネートセル10にX線を照射して分析データを得るin−situX線分析に適用する場合について説明する。「in−situX線分析」とは、リチウムイオン二次電池を構成するラミネートセル10を分解することなくX線分析を行うことをいう。
図6は第1支持部材41の正面図であり、図7は第1支持部材41の斜視図である。
第1支持部材41は、適度な厚み(たとえば、5〜10mm程度の厚み)を有する平らな板状に形成されている。また、第1支持部材41は、正面視扇形に形成されている。具体的には、第1支持部材41は、主に、一つの円弧44と、この円弧44の両端に一端を接続した二つの辺45,46とによって扇形に形成されている。第1支持部材41を形作っている扇形の中心角は180°未満(本形態例では125°程度)になっている。二つの辺45,46の他端には、第1支持部材41の基部47が形成されている。基部47の一部は、上述した円弧44よりも曲率半径が小さく、かつ、円弧44と向きが反対の円弧状(半円形)に形成されている。
図8は第2支持部材の斜視図である。
第2支持部材42は、適度な厚み(たとえば、10mm程度の厚み)を有する平らな板状に形成されている。また、第2支持部材42は、正面視矩形に形成されている。第2支持部材42の一方の主面(以下、単に「主面」ともいう。)55は、上述した第1支持部材41との間でラミネートセル10を挟んで支持するための支持面となっている。
上記構成からなる第1支持部材41および第2支持部材42のうち、第1支持部材41の一方の主面48には、図9に示すように4つの窓部材58が貼り付けられ、これに対応して第2支持部材42の主面55には、図10に示すように窓部材59が貼り付けられている。窓部材58は、X線透過用孔51の開口を塞ぐように貼り付けられ、窓部材59は、X線透過用孔56の開口を塞ぐように貼り付けられている。窓部材58,59は、第1支持部材41と第2支持部材42との間にラミネートセル10を挟んで支持する場合に、ラミネートセル10に直接、接触する部材である。窓部材58は、それぞれに対応する試料取付領域49に一つずつ貼り付けられている。各々の窓部材58,59は、互いに同じ材料を用いて、同じ形状および寸法に形成されている。さらに記述すると、各々の窓部材58,59は、薄いシート状をなして平面視矩形に形成されている。また、各々の窓部材58,59は、X線分析の測定に支障のない程度のX線透過率と、機械的な剛性とを併せ持つ材料で構成されている。窓部材58,59の材料としては、炭素繊維強化プラスチックを好適に用いることができる。
押さえ部43は、第1支持部材41と第2支持部材42との間にラミネートセル10を挟んで支持する場合に、第1支持部材41と第2支持部材42が離間しないように両者を押さえるものである。押さえ部43は、第1支持部材41と第2支持部材42の各X線透過用孔51,56を通過するX線と干渉しないように、X線透過用孔51,56の形成部位以外の箇所で第1支持部材41と第2支持部材42を押さえる。
次に、上記構成からなる試料ホルダー31にラミネートセル10を取り付ける場合の手順について説明する。ここでは一例として、試料ホルダー31にラミネートセル10を一つずつ取り付ける場合の手順を記述する。
次に、ホルダー移動装置32に試料ホルダー31を取り付ける場合の手順について説明する。まず、第1支持部材41の基部47をホルダー移動装置32の回転板34に接触させる。このとき、第1支持部材41の基部47に設けられている4つの連結用孔54を、これに対応してホルダー移動装置32の回転板34に設けられている4つのネジ孔36に位置合わせする。また、回転板34の回転中心35の位置と基部47に設定された回転中心53の位置を合わせる。次に、4つの連結用孔54を通してホルダー取付用のネジ(不図示)をネジ孔36に螺合させた後、各々のネジを徐々に締め付ける。これにより、第1支持部材41の基部47がホルダー移動装置32の回転板34に固定される。以上の手順により、上記図4に示すようにホルダー移動装置32に試料ホルダー31を取り付けることができる。
次に、上記構成からなる試料切り替え装置27の動作について説明する。
まず、試料ホルダー31に4つのラミネートセル10を装着した状態で、ホルダー移動装置32のモータを回転駆動させると、回転中心35,53を中心に試料ホルダー31が回転板34と一体に回転する。また、試料ホルダー31が回転すると、各々のラミネートセル10の位置が円周方向に変化する。このため、X線の通過位置P(図4参照)に配置するラミネートセル10を、試料ホルダー31の回転移動によって切り替えることができる。ここで記述するX線の通過位置Pとは、上記図1においてX線放射光源1から放射されたX線がモノクロメータ2を経由して試料設置部4を通過するときの、当該試料設置部4におけるX線の通過位置、より具体的には上記図4に矢印で示すように、試料設置部4に設けられた台座33の上方をX線が通過するときの当該X線の通過位置をいう。これに対して、試料ホルダー31の回転軸は、試料設置部4を通過するX線の光軸と平行に配置されている。また、試料ホルダー31の回転軸は、X線の光軸よりも下方に配置されている。本実施の形態においては、好ましい形態の一つとして、試料ホルダー31の回転軸がX線の光軸の直下に設定されている。また、試料ホルダー31の回転方向、回転速度および回転量(回転角度)は、ホルダー移動装置32のモータの回転方向、回転速度および回転量に依存する。このため、たとえば、ホルダー移動装置32の駆動源にステッピングモータを用いた場合は、ステッピングモータに入力する駆動パルスの順序、周波数および個数によって、試料ホルダー31の回転方向、回転速度および回転量を制御することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態に係るX線分析用システムを用いたX線分析方法について説明する。本実施の形態においては、X線分析方法の一例として、予め決められた充放電条件でラミネートセル10の充放電を行うとともに、この充放電中のラミネートセル10にX線を照射して分析データを得るX線分析方法について説明する。より具体的には、充放電中のラミネートセル10のX線吸光度に関する分析データ(測定データ)を得る方法について説明する。
まず、準備工程として、次のような作業を行う。
すなわち、4つのラミネートセル10A〜10Dを装着した試料ホルダー31をホルダー移動装置32の回転板34に取り付ける。4つのラミネートセル10A〜10Dは、異なる材料(元素の種類など)や条件で製造したものでもよいし、同じ材料や条件で製造したものでもよい。
次に、測定工程として、図13に示す処理を行う。この処理はX線分析用システム20が実行する。また、測定工程においては、X線の通過位置Pに配置するラミネートセル10の順序を任意に設定または変更することが可能である。ここでは一例として、X線の通過位置Pに配置するラミネートセル10を、ラミネートセル10A→ラミネートセル10B→ラミネートセル10C→ラミネートセル10D→ラミネートセル10A→…(以下、同様の繰り返し)の順序で切り替えるものとする。また、X線の通過位置Pに各々のラミネートセル10A〜10Dを1回ずつ配置するように切り替える動作を、一巡の切り替え動作と定義する。
ラミネートセル10に照射されるX線のエネルギーは、予め決められた条件でX線制御部23がモノクロメータ2の角度を変更することにより、相対的に低エネルギー側から高エネルギー側へと変化する。また、モノクロメータ2は、X線を取り出すときの角度を変えることにより、特定の波長(エネルギー)のX線を取り出す。このため、低エネルギー側のX線を取り出すための初期角度を第1の角度とし、高エネルギー側のX線を取り出すための最終角度を第2の角度とすると、ラミネートセル10のX線吸光度の測定は、モノクロメータ2の角度を第1の角度から第2の角度まで変化させる過程で行われる。また、ラミネートセル10のX線吸光度の測定は、第1のX線検出器3の検出データと第2のX線検出器5の検出データとを計測器22に取り込むとともに、計測器22が生成する計測データとモノクロメータ2の角度データとをデータ取得部24が取得して記憶することにより行われる。これにより、ラミネートセル10に入射するX線を低エネルギー側から高エネルギー側に変化させたときのX線吸光度を示す分析データ(測定データ)が得られる。
なお、データ取得部24が、たとえばパーソナルコンピュータで構成されている場合は、このパーソナルコンピュータにUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の補助記憶装置を接続し、上記測定工程によって得られた分析データを、この補助記憶装置に記憶させて活用してもよい。
本発明の実施の形態によれば、X線の通過位置Pに配置するラミネートセル10を試料切り替え装置27で切り替えながら、各々のラミネートセル10A〜10DのX線分析の測定を順に繰り返すことにより、予め決められた充放電試験時間内に4つのラミネートセル10A〜10Dの測定を並行して行うことができる。このため、1サイクルあたりの充放電試験時間で比較した場合、従来では一つのラミネートセルの分析データしか得られなかったものが、本実施の形態によれば、4つのラミネートセル10A〜10Dの分析データを同時に得ることができる。したがって、4つのラミネートセル10A〜10DのX線分析を従来よりも効率良く行うことができる。その結果、数少ない大型放射光施設を、より有効に活用することが可能となる。
本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
以下に、本発明の他の実施の形態として、より多くのラミネートセルを同時に保持することが可能な試料ホルダーを備えた試料切り替え装置を用いる場合について説明する。
本実施の形態においては、先述した実施の形態と比較して、特に、試料ホルダーの第1支持部材の構成と、ホルダー移動装置の構成が異なっている。以下、詳しく説明する。なお、本実施の形態においては、先述した実施の形態で記述した内容と重複する説明はできるだけ省略する。したがって、先述した実施の形態で記述した内容は、特に断らない限り、本実施の形態にも適用されるものとする。
試料ホルダー100は、図21に示すように、一つの第1支持部材101と、最多で8つ(図20ではそのうちの2つだけを表示)の第2支持部材102と、第1支持部材101と第2支持部材102とを押さえる押さえ部103と、を備えた構成になっている。
図22は第1支持部材の斜視図である。また、図23(A)は第1支持部材の平面図、同(B)は第1支持部材の正面図である。
第1支持部材101は、正面視円形の板状(円盤状)に形成されている。第1支持部材101の中心部には突出部101Aが設けられている。突出部101Aは、第1支持部材101に一体に形成されている。突出部101Aは、第1支持部材101の他の部分よりも大きな厚み寸法を有することにより、第1支持部材101の厚み方向に突出した状態で形成されている。第1支持部材101の外周円と、突出部101Aの外周円とは、同心円になっている。突出部101Aには4つの連結用孔104が設けられている。これらの連結用孔104は、後述するホルダー移動装置120の回転板121に試料ホルダー100を連結するためのものである。
第2支持部材102は、第1支持部材101との間でラミネート10を挟んで支持するための支持面(不図示)と、一つのX線透過用孔112と、4つのネジ取付用孔113とを有する。第2支持部材102は、基本的に、先述した実施の形態の場合(図8に示す第2支持部材42)と同様の構成になっている。
ホルダー移動装置120は、先述したX線分析装置の試料設置部4に設けられる台座33に搭載されている。ホルダー移動装置120は、図示しないモータと、このモータを駆動源として回転する回転板121と、この回転板121を移動可能に支持するステージ機構122と、を有している。回転板121の前面には、試料ホルダー100を取り付けるためのネジ孔(不図示)が設けられている。
試料ホルダー100にラミネートセル10を取り付ける場合は、第1支持部材101の主面105を上向きにして、いずれかの試料取付領域106にラミネートセル10を置く。次に、ラミネートセル10の上に第2支持部材102を重ねて置く。次に、第1支持部材101と第2支持部材102を、押さえ部103によって押さえる。このような取り付け作業を繰り返すことにより、一つの試料ホルダー100に最多で8つのラミネートセル10を装着することができる。
試料ホルダー100に8つのラミネートセル10を装着した状態で、ホルダー移動装置120のモータを回転駆動させると、回転中心110を中心に試料ホルダー100が回転板121と一体に回転する。また、試料ホルダー100が回転すると、各々のラミネートセル10の位置が円周方向に変化する。このため、X線の通過位置P(図20、図21)に配置するラミネートセル10を試料ホルダー100の回転移動によって切り替えることができる。
上述したX線分析方法における測定工程を、上記構成の試料切り替え装置を用いて行う場合、試料切り替え制御部28は、以下のように試料切り替え装置の動作を制御することにより、X線の通過位置Pに配置するラミネートセル10を順に切り替える。
ここでは試料ホルダー100に取り付けられる8つのラミネートセル10を、説明の便宜上、第1支持部材101の円周方向の並び順に符号10−1〜10−8で区別する。そして、上記測定工程では、X線の通過位置Pに配置するラミネートセル10を、ラミネートセル10−1→ラミネートセル10−2→ラミネートセル10−3→ラミネートセル10−4→ラミネートセル10−5→ラミネートセル10−6→ラミネートセル10−7→ラミネートセル10−8→ラミネートセル10−1→…(以下、同様の繰り返し)の順序で切り替えるものとする。
2…モノクロメータ
3…第1のX線検出器
4…試料設置部
5…第2のX線検出器
10…ラミネートセル(試料)
11…正極
12…負極
13…セパレータ
14…電池要素
20…X線分析用システム
25…制御装置
26…充放電装置
27…試料切り替え装置
28…充放電制御部
29…試料切り替え制御部
31、100…試料ホルダー
32、120…ホルダー移動装置
Claims (5)
- セパレータを間に挟んで正極と負極を積層してなる電池要素を、電解液とともにラミネートフィルムにより密封したラミネートセルを試料とし、前記ラミネートセルにX線を照射して分析データを得るin−situX線分析に用いられるX線分析用システムであって、
複数のラミネートセルを保持することができる試料ホルダーを有し、前記試料ホルダーで保持した前記複数のラミネートセルのうち、前記X線の通過位置に配置するラミネートセルを前記試料ホルダーの移動によって切り替える試料切り替え装置と、
前記試料ホルダーで保持した前記複数のラミネートセルを予め決められた充放電試験時間内に充放電させる充放電装置と、
前記充放電試験時間内に前記複数のラミネートセルのX線分析の測定を並行して行うように、前記試料切り替え装置および前記充放電装置を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とするX線分析用システム。 - 前記制御装置は、一つのラミネートセルについて1回のX線分析の測定が終了するたびに、前記X線の通過位置に配置するラミネートセルを切り替えるべく、前記試料切り替え装置を駆動するとともに、前記複数のラミネートセルを前記X線の通過位置に順に配置する一巡の切り替え動作を前記試料切り替え装置が前記充放電試験時間内に少なくとも2回以上繰り返すように、前記試料切り替え装置を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のX線分析用システム。 - 前記制御装置は、前記X線の通過位置に配置するラミネートセルの順序にあわせて前記複数のラミネートセルの充放電を順に開始するように、前記充放電装置を制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のX線分析用システム。 - 前記制御装置は、前記ラミネートセルに照射するX線のエネルギーを調整するモノクロメータの動作に連動するように、前記試料切り替え装置の動作を制御する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のX線分析用システム。 - セパレータを間に挟んで正極と負極を積層してなる電池要素を、電解液とともにラミネートフィルムにより密封したラミネートセルを試料とし、前記ラミネートセルにX線を照射して分析データを得るin−situX線分析に用いられるX線分析用システムに用いられるプログラムであって、
複数のラミネートセルを保持することができる試料ホルダーを有し、前記試料ホルダーで保持した前記複数のラミネートセルのうち、前記X線の通過位置に配置するラミネートセルを前記試料ホルダーの移動によって切り替える試料切り替え装置と、
前記試料ホルダーで保持した前記複数のラミネートセルを予め決められた充放電試験時間内に充放電させる充放電装置と、を制御の対象とし、
前記充放電試験時間内に前記複数のラミネートセルのX線分析の測定を並行して行うように、前記試料切り替え装置および前記充放電装置を制御する制御装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015050662A JP6319147B2 (ja) | 2014-05-12 | 2015-03-13 | X線分析用システムおよびプログラム |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014098700 | 2014-05-12 | ||
JP2014098700 | 2014-05-12 | ||
JP2015050662A JP6319147B2 (ja) | 2014-05-12 | 2015-03-13 | X線分析用システムおよびプログラム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015232546A true JP2015232546A (ja) | 2015-12-24 |
JP6319147B2 JP6319147B2 (ja) | 2018-05-09 |
Family
ID=54934061
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015050662A Active JP6319147B2 (ja) | 2014-05-12 | 2015-03-13 | X線分析用システムおよびプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6319147B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108387594A (zh) * | 2018-02-09 | 2018-08-10 | 中国电力科学研究院有限公司 | 一种无损检测叠片式锂离子电池的方法和系统 |
JPWO2021038943A1 (ja) * | 2019-08-27 | 2021-03-04 | ||
JP2021532346A (ja) * | 2019-05-15 | 2021-11-25 | エルジー・ケム・リミテッド | 電池のxrd測定用ステージ装置 |
Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01121839U (ja) * | 1988-02-12 | 1989-08-18 | ||
JPH07225201A (ja) * | 1994-02-15 | 1995-08-22 | Rigaku Corp | X線回折装置の試料回転治具及び試料保持装置 |
JPH08189907A (ja) * | 1995-01-09 | 1996-07-23 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 二次電池充放電自動試験装置付きx線回折装置 |
JPH1054809A (ja) * | 1996-08-09 | 1998-02-24 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 電池材料のx線吸収微細構造測定方法及び該測定用セル |
JPH10502740A (ja) * | 1995-01-17 | 1998-03-10 | ベル コミュニケーションズ リサーチ,インコーポレイテッド | 化学電池のイン・シトゥx線実験のための装置および方法 |
JPH11230920A (ja) * | 1998-02-18 | 1999-08-27 | Yuasa Corp | 物質の電子状態の分析法 |
JPH11230919A (ja) * | 1998-02-18 | 1999-08-27 | Yuasa Corp | 電池の電気化学的状態の非破壊分析法 |
JP2002198097A (ja) * | 2000-12-25 | 2002-07-12 | Sony Corp | 電池の検査方法 |
US20020192121A1 (en) * | 2001-06-19 | 2002-12-19 | John Gural | System structure for in situ x-ray study of electrochemical cell component performance |
JP2012159311A (ja) * | 2011-01-29 | 2012-08-23 | Rigaku Corp | X線測定用電池構造体及びその支持装置 |
US20140093052A1 (en) * | 2012-09-28 | 2014-04-03 | Uchicago Argonne, Llc | Transmission-geometry electrochemical cell for in-situ scattering and spectroscopy investigations |
-
2015
- 2015-03-13 JP JP2015050662A patent/JP6319147B2/ja active Active
Patent Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01121839U (ja) * | 1988-02-12 | 1989-08-18 | ||
JPH07225201A (ja) * | 1994-02-15 | 1995-08-22 | Rigaku Corp | X線回折装置の試料回転治具及び試料保持装置 |
JPH08189907A (ja) * | 1995-01-09 | 1996-07-23 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 二次電池充放電自動試験装置付きx線回折装置 |
JPH10502740A (ja) * | 1995-01-17 | 1998-03-10 | ベル コミュニケーションズ リサーチ,インコーポレイテッド | 化学電池のイン・シトゥx線実験のための装置および方法 |
JPH1054809A (ja) * | 1996-08-09 | 1998-02-24 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 電池材料のx線吸収微細構造測定方法及び該測定用セル |
JPH11230920A (ja) * | 1998-02-18 | 1999-08-27 | Yuasa Corp | 物質の電子状態の分析法 |
JPH11230919A (ja) * | 1998-02-18 | 1999-08-27 | Yuasa Corp | 電池の電気化学的状態の非破壊分析法 |
JP2002198097A (ja) * | 2000-12-25 | 2002-07-12 | Sony Corp | 電池の検査方法 |
US20020192121A1 (en) * | 2001-06-19 | 2002-12-19 | John Gural | System structure for in situ x-ray study of electrochemical cell component performance |
JP2012159311A (ja) * | 2011-01-29 | 2012-08-23 | Rigaku Corp | X線測定用電池構造体及びその支持装置 |
US20140093052A1 (en) * | 2012-09-28 | 2014-04-03 | Uchicago Argonne, Llc | Transmission-geometry electrochemical cell for in-situ scattering and spectroscopy investigations |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108387594A (zh) * | 2018-02-09 | 2018-08-10 | 中国电力科学研究院有限公司 | 一种无损检测叠片式锂离子电池的方法和系统 |
JP2021532346A (ja) * | 2019-05-15 | 2021-11-25 | エルジー・ケム・リミテッド | 電池のxrd測定用ステージ装置 |
JP7156623B2 (ja) | 2019-05-15 | 2022-10-19 | エルジー・ケム・リミテッド | 電池のxrd測定用ステージ装置 |
JPWO2021038943A1 (ja) * | 2019-08-27 | 2021-03-04 | ||
JP7395160B2 (ja) | 2019-08-27 | 2023-12-11 | 株式会社リガク | 電池分析用構造体およびx線回折装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6319147B2 (ja) | 2018-05-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6319147B2 (ja) | X線分析用システムおよびプログラム | |
US9022652B2 (en) | Transmission-geometry electrochemical cell for in-situ scattering and spectroscopy investigations | |
JP6406077B2 (ja) | 試料ホルダーおよびx線分析方法 | |
JP6221723B2 (ja) | X線分析装置及びx線分析方法 | |
WO2023045390A1 (zh) | 太阳能电池片的测试装置 | |
US7022290B2 (en) | System structure for in situ x-ray study of electrochemical cell component performance | |
CN102980903B (zh) | 一种用于分析电极材料电化学性能的同步辐射x射线衍射装置及其应用 | |
Bond et al. | Electrode stack geometry changes during gas evolution in pouch-cell-type lithium ion batteries | |
JP2012524385A (ja) | バッテリーを動作させるための方法 | |
JP2012159311A (ja) | X線測定用電池構造体及びその支持装置 | |
Wu et al. | Elemental-sensitive detection of the chemistry in batteries through soft x-ray absorption spectroscopy and resonant inelastic x-ray scattering | |
CN111656171A (zh) | 电池材料的化学状态分析装置和方法 | |
Murayama et al. | Spectroscopic X-ray diffraction for microfocus inspection of Li-ion batteries | |
CN108398446B (zh) | 用于测试电池电极材料的同步辐射x射线吸收谱的原位装置 | |
JP2018049002A (ja) | 試料ホルダーおよびx線分析方法 | |
Tanida et al. | RISING beamline (BL28XU) for rechargeable battery analysis | |
Baldwin et al. | Battery Separator Characterization and Evaluation Procedures for NASA's Advanced Lithium-Ion Batteries | |
JP6507742B2 (ja) | 試料切り替え装置 | |
KR20150009237A (ko) | 전지의 인시추 엑스선 회절분석용 전지 수용 조립체 | |
CN116772759A (zh) | 新能源电池模组压胶面积工业ct检测方法、系统及介质 | |
CN103900744B (zh) | 用于电池充放电过程的经改进的x射线衍射原位测试装置 | |
JP2019144123A (ja) | 電池材料の化学状態分析方法 | |
KR20150045594A (ko) | 배터리 셀의 비파괴 강성검사방법 및 그 장치 | |
CN102435626A (zh) | 一种台式x射线衍射仪 | |
JPH1054809A (ja) | 電池材料のx線吸収微細構造測定方法及び該測定用セル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170508 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180228 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180306 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180319 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6319147 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |