JPH07225201A - X線回折装置の試料回転治具及び試料保持装置 - Google Patents

X線回折装置の試料回転治具及び試料保持装置

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JPH07225201A
JPH07225201A JP6018700A JP1870094A JPH07225201A JP H07225201 A JPH07225201 A JP H07225201A JP 6018700 A JP6018700 A JP 6018700A JP 1870094 A JP1870094 A JP 1870094A JP H07225201 A JPH07225201 A JP H07225201A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の試料を回転自在に装着して連続的な自
動測定を可能とし、しかも試料背面からのX線照射を可
能とする 【構成】 X線回折装置において、X線源に対し回転可
能なゴニオメータの基台1上に設置される試料保持装置
であって、ゴニオメータの基台1上に装着される試料台
2と、この試料台2へ着脱自在な試料回転治具3とを備
えている。試料回転治具3は、回転板320に複数の試
料ホルダ装着部材330を取付け、これら複数の試料ホ
ルダ装着部材330を順次回転部材350に固定して同
部材350とともに回転させる。試料ホルダ装着部材3
30には、それぞれ試料Sを充填した試料ホルダ340
が装着できる。そして、試料Sの背面側に位置すること
になる試料ホルダ装着部材330,回転部材350にX
線透過孔332,354を形成し、このX線透過孔を通
して試料Sの背面にX線を照射できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の試料を装着可能
であり、そのうちの一の試料をX線回折装置における所
定の検査位置で回転自在に保持するための試料回転治
具、およびこの試料回転治具を主要部とする試料保持装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線回折装置は、X線源に対して回転自
在なゴニオメータと称する測角器を備えており、このゴ
ニオメータの基台上に試料保持装置を搭載して、試料保
持装置で保持された試料にX線を照射し、試料から回折
してきたX線(回折X線)を検出することにより、その
検出角度等に基づき試料の分析を行う装置である。ここ
で、試料(粉末試料)は、試料ホルダに形成した試料充
填孔に詰め、試料保持装置に装着される。
【0003】さて、試料に配向性があるような場合、試
料ホルダへの詰め込み方によって配向度が変わるため、
試料の一定個所のみにX線を照射しても、本来検出でき
るはずの回折X線が明瞭に得られないことがある。そこ
でこのような場合、試料を回転させることにより入射X
線に対する試料の配置状態を変え、配向性のある試料や
粒径の粗い試料であっても明瞭に回折X線を検出できる
ようにした回転式の試料保持装置が用いられている。
【0004】図9は従来のこの種の回転式試料保持装置
を示す一部断面正面図である。試料台100と試料回転
治具101は一体に形成されており、装置全体としてゴ
ニオメータの基台1に装着する構成となっている。すな
わち、試料台100の底面中央部に突出している位置決
め固定用の突起部102を、ゴニオメータの基台1に形
成した装着凹部1aに挿入固定して試料保持装置の全体
を装着する。また、同図に示した試料保持装置は、試料
回転治具101が複数(例えば、4〜8個)の試料ホル
ダ103を装着可能であり、これら試料ホルダ103の
一を検査位置104に配置する構造となっている。この
ような構造の試料回転治具101によれば、例えば複数
種類の試料を連続的に自動測定できるため、検査を効率
的に実施できるという特徴を有している。
【0005】この試料回転治具101の構造を更に詳細
に説明すると、試料台100に軸受111を介して回転
自在に支持された回転板112は、図示しないモータに
よって軸113を中心に回転駆動されるようになってい
る。この回転板112に複数の試料ホルダ装着部材11
4がそれぞれ軸受115を介して回転自在に取付けられ
ている。すなわち、各試料ホルダ装着部材114は、回
転軸116を軸受115に支持され、その回転軸116
の基端に従動歯車117、先端に試料ホルダ装着部11
8を備えた構造となっている。試料ホルダ装着部118
は、試料ホルダ103をマグネット116aの磁力をも
って吸着保持する。
【0006】さらに、試料台の下部には試料回転用のモ
ータ120が設けてあり、このモータ120の駆動軸1
20aに取付けた駆動歯車121が、検査位置104ま
で回転移動してきた試料ホルダ装着部材114の従動歯
車117と噛み合い、これら歯車121,117を介し
てモータ120の駆動力が試料ホルダ装着部材114に
伝達され、同部材114とともに試料ホルダ103を回
転する。なお、試料ホルダ103は、筒状のホルダ本体
103a、このホルダ本体103aの中空部内にOリン
グ103bを介して設けた底板103c、ホルダ本体1
03aの外周に取り付けた磁性リング103dの各部材
によって構成してあり、この磁性リング103dを試料
ホルダ装着部118に埋設したマグネット116aで吸
着する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】X線回折測定には、試
料Sの表面にX線を照射し、同表面から出射した回折X
線をX線検出器によって検出するいわゆる反射法と、試
料の背面からX線を照射し、試料を透過してきた回折X
線をX線検出器によって検出するいわゆる透過法とがあ
る。しかし、上述した試料測定装置は、試料ホルダ10
3および試料ホルダ装着部材114の構造上、試料の背
面から試料に向かってX線を照射することができないた
め、透過法による測定はできなかった。
【0008】X線回折装置では、測定に先立ってゴニオ
メータの原点設定、および回折角度位置が既知な試料
(例えば、Si)を試料保持装置に保持して回折ピーク
の角度位置を測定することにより、測角精度の確認を行
っている。このうち、X線検出器の回転角(一般に2θ
と称する)に関するゴニオメータの原点設定に際して
は、いわゆる透過法によるX線の検出が必要となる。す
なわち、X線源から発射されたX線の光軸に対し試料表
面を直角に配置して、試料の背面にX線を照射し、試料
を透過してきたX線をX線検出器によって検出する。そ
して、この検出位置を2θ=0として設定している。
【0009】ところが、上述のように図6に示した従来
の試料保持装置では透過法による測定ができないため、
透過法測定を行える別の試料保持装置(固定式試料保持
装置)をゴニオメータの基台1に設置し、ゴニオメータ
の原点設定および測角精度の確認を行った後、図6に示
した回転式の試料保持装置に交換するという煩雑な作業
を行わなければならなかった。
【0010】また、試料保持装置に保持した試料の表面
は、特に検出位置においてゴニオメータの回転軸上に配
置されなければならない。すなわち、ゴニオメータによ
る測定角度は、この回転中心周りの回転角にほかならな
いため、配置した試料がこの回転中心からずれていた場
合、試料に対するX線の入射角および回折X線の出射角
をゴニオメータによって正確に検出できず、測角精度が
低下するという不都合を生じる。このため、試料保持装
置の立ち上げに際して、試料表面をゴニオメータの回転
軸上に位置決めする作業が必要となっている。
【0011】図9に示した従来の試料保持装置につい
て、かかる試料の位置決めを考えると、回転板112に
よる各試料ホルダ装着部114の回転軌道を、ゴニオメ
ータの回転軸と平行におくとともに、それぞれの試料ホ
ルダ装着部材114をゴニオメータの回転軸に対して位
置決めしなければならず、回転板112に取付ける試料
ホルダ装着部材114の数が増えるほど、その位置決め
作業は煩雑なものとなっていた。ちなみに、この位置決
め精度は1/100mm程度の高精度を要求される。
【0012】さらに、上述した従来の試料保持装置は、
試料回転治具が試料台と一体となっていたので、これを
X線回折装置に装着する場合、ゴニオメータの基台に直
接装着しなければならない。また、試料回転治具のメン
テナンスに際しては、試料台ごとにゴニオメータの基台
から取外さなければならなかった。ところが、ゴニオメ
ータの基台と試料台との間は、正確な角度検出を実現す
るために、例えば3/1000mmという高い嵌め合い
精度に加工され、がたつきなく嵌合するようになってい
る。したがって、試料台の取付け、取外しは慎重に行わ
なければうまくいかず、熟練した作業者でも困難をとも
なっていた。
【0013】また、通常の固定式試料保持装置を搭載す
る試料台には、試料から飛散するX線を遮蔽するため
に、プロテクタと称するX線遮蔽部材が取付け可能とな
っている。しかしながら、図6に示した従来の試料保持
装置では、通常の固定式試料保持装置を被覆するX線遮
蔽部材を用いることはできず、X線回折装置の上面全体
を被覆するX線遮蔽用ケースによってのみX線を遮蔽す
る構造となっていた。このため、かかる試料保持装置を
搭載可能となっているX線回折装置は、固定式試料保持
装置専用のX線回折装置に比べ、X線遮蔽用ケースを圧
肉に形成しなければならず、材料コストが高価格である
とともに、同ケースの開閉には細心の注意が必要であ
り、厳格な安全管理を行わなければならなかった。
【0014】本発明はこのような従来の課題に鑑みてな
されたもので、複数の試料を回転自在に装着して連続的
な自動測定を可能とし、しかも試料背面からのX線照射
を可能とすることを目的とする。これに付随して、X線
源からのX線を損失なく試料の背面に照射できるように
することを第二の目的とする。また、保持した試料がゴ
ニオメータの回転軸に対して高精度に位置決めされるた
めに必要であった、試料ホルダ装着部材の位置決め作業
を不要とするとともに、各試料ホルダ装着部材上の試料
が均一でかつ高い位置決め精度を保つようにすることを
第三の目的とする。さらに、試料台をゴニオメータの基
台から取外すことなく試料回転治具のメンテナンスを行
えるようにすることを第四の目的とする。さらに、試料
で回折してきたX線を試料保持装置の周囲で効率的に遮
蔽して、部品コストの低減と安全性の向上を図ることを
第五の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の試料回転治具は、次ぎの各構成を備えたこと
を特徴としている。 治具本体 この治具本体に回転自在に支持された回転板 この回転板を回転駆動する第一の回転駆動源 軸方向に貫通するX線透過孔を有し、前記回転板の
同一径上に複数個それぞれ軸を中心として回転自在に取
付けられた試料ホルダ装着部材 軸方向に貫通した試料充填孔を有する試料ホルダ 前記試料充填孔が前記X線透過孔と連通する状態
で、前記試料ホルダ装着部材の一端面に前記試料ホルダ
を着脱自在に装着するホルダ装着手段 軸方向に貫通するX線透過孔を有し、前記試料ホル
ダ装着部材のほぼ回転軌道上に位置決めされて前記治具
本体に回転自在に支持された回転部材 この回転部材を軸中心に回転駆動する第二の回転駆
動源 前記回転部材のほぼ同軸上に回転移動してきた前記
一の試料ホルダ装着部材の他端面を前記回転部材の端面
に着脱自在に固定するとともに、各部材のX線透過孔を
連通する部材接続手段
【0016】また、上記の試料回転治具において、回転
部材および試料ホルダ装着部材に形成したX線透過孔の
内径は、X線源から発射されたX線をほぼ全幅にわたっ
て透過する寸法に形成することが好ましい。さらに、上
記の試料回転治具において、試料ホルダ装着部材は少な
くとも軸方向へ任意量移動可能とし、かつホルダ装着手
段は磁力によって試料ホルダ装着部材の一端面に試料ホ
ルダを装着する構造とするとともに、部材接続手段は磁
力によって回転部材の端面に試料ホルダ装着部の他端面
を吸着固定する構造としてもよい。
【0017】一方、本発明の試料保持装置は、ゴニオメ
ータの基台上に装着される試料台と、この試料台へ着脱
自在な試料回転治具とを備えたことを特徴とし、その試
料回転治具は上述した本発明に係る試料回転治具を用い
ている。そのような構成の試料保持装置は、X線を遮蔽
可能な材料で形成し上記試料回転治具を被覆するように
試料台へ装着可能なX線遮蔽部材を備えてもよい。
【0018】
【作用】上述した構成の本発明は、試料ホルダを装着し
た試料ホルダ装着部材が、回転部材に接続された状態に
あるとき、各部材のX線透過孔が連通して試料の背面へ
とX線を透過する通路を形成する。上記各部材に形成し
たX線透過孔の内径を、通過するX線のほぼ全幅に設定
すれば、X線源から出射したX線を減衰させることなく
試料の背面に照射させることができ、いわゆる透過法測
定が適正な状態で実施可能となる。
【0019】また、回転板に取付けられた試料ホルダ装
着部材を軸方向へ任意量移動可能とし、マグネット等の
磁力によって回転部材へ吸着固定するようにした場合に
は、回転部材のみをゴニオメータの回転軸に対して位置
決めすれば、それ以外には各試料ホルダ装着部材および
試料ホルダについて高い寸法精度をもって加工するだけ
で、その後の立ち上げに際して各試料ホルダ装着部材を
ゴニオメータの回転軸に対してそれぞれ位置決めするこ
とを必要としない。
【0020】さらに、本発明に係る試料保持装置にあっ
ては、ゴニオメータの基台に設置した試料台に対して試
料回転治具を着脱できるので、高い嵌め合い精度が要求
されるゴニオメータへの試料台の着脱を繰り返すことな
く試料回転治具の交換、メンテナンス等を行うことがで
きる。加えて、試料台へX線遮蔽部材を着脱自在とする
ことにより、X線の遮蔽を該X線遮蔽部材によって実現
し、これにより大形構造物であるX線遮蔽用ケースを薄
肉にできる。しかもX線遮蔽用ケースを不用意に開放し
た場合にも既にX線遮蔽部材によってX線が遮蔽されて
いるので、安全性が確保される。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1は本発明の実施例に係る試料保持装
置を示す縦断面図である。本実施例に係る試料保持装置
は、試料台2、試料回転治具3、およびX線遮蔽部材4
の各構成要素から構成されている。
【0022】試料台2は、円盤状に形成した底板201
の上面中央部に、試料回転治具3を支持するための支持
ブロック202を備えた構造となっている。底板201
の底面中央部には位置決め固定用の突起部203が突出
しており、X線回折装置におけるゴニオメータの基台1
に形成した装着凹部1aにこの突起部203を嵌合する
ことによって同基台1に装着できるようになっている。
これら突起部203と装着凹部1aとの間の嵌合い精度
は、例えば3/1000mm程度となっている。この嵌
合部分はゴニオメータの基台1の回転中心と同軸上に形
成してある。
【0023】試料台2の支持ブロック上端部には試料回
転治具3の搭載部204が形成してある。この搭載部2
04には、後述する試料回転治具3の治具本体310を
搭載する平面部205と、搭載する試料回転治具3の位
置決め基準となる基準面206とが形成されている。基
準面206には試料回転治具3を固定するための手段と
して、例えば締結孔207が設けてあり、試料回転治具
3をボルト等の締結具208によって固定することがで
きる。また、基準面206は突起部203と同一平面上
に形成してある。後述するように検査位置に配置された
試料ホルダ340の一端面(すなわち、試料の表面)
が、この基準面と同一平面となるように試料回転治具3
を位置決めする。
【0024】試料回転治具3は、治具本体310、回転
板320、試料ホルダ装着部材330、試料ホルダ34
0、回転部材350等の構成部材を備えている。治具本
体310の下部側面は、上記試料台2の基準面206に
当接する位置決め面310aを形成している。この位置
決め面310aにおいて、試料台2の基準面206に形
成した締結孔207と対応する位置には、締結具208
が螺合するねじ孔318が形成してある。治具本体31
0の底面は、試料台2の平面部205へがたつきなく載
るように高精度に加工してある。
【0025】また、治具本体310は上部に軸受311
を有し、この軸受311によって回転軸312を回転自
在に支承している。回転軸312の先端には回転板32
0が固定してあり、また基端にはホイールギヤ313が
装着してある。このホイールギヤ313は、第一駆動モ
ータ(第一の回転駆動源)314の駆動軸に取付けられ
たウォームギヤ315と噛み合っており、第一駆動モー
タ314からの回転力をこれらウォームギヤ315およ
びホイールギヤ313を介して回転軸312に伝え、回
転板320を回転させる。
【0026】第一駆動モータ314には、エンコーダ等
の回転数検出センサ316が併設してあり、図示しない
制御回路が同センサ316からの検出信号に基づいて回
転板320の回転角度を算出する構造となっている。な
お、317は回転板の一回転を検出して、所定の基準試
料ホルダ装着部材が後述する回転部材に固定されたこと
を検出するデイタムセンサである。
【0027】回転板320には、図1,図2に示すよう
に、複数(図では4個)の試料ホルダ装着部材330が
任意量の遊びをもって回転自在に取付けられている。す
なわち、図4,図5に拡大して示すように回転板320
には同一径上に複数の部材取付孔321が穿設してあ
る。一方、試料ホルダ装着部材330は、軸方向長さの
短い円筒状に形成してあり、その外周に回転板320へ
の係合溝331が周方向に形成してある。試料ホルダ装
着部材330における係合溝331の上縁までの直径
は、回転板320における部材取付孔321の内径より
任意の寸法だけ長くなっている。また、係合溝331底
面までの直径は、部材取付孔321の内径より任意の寸
法だけ短くなっている。これにより試料ホルダ装着部材
330は遊びをもって取付けられ、部材取付孔321内
で回転および任意の方向へ移動自在となっている。
【0028】各試料ホルダ装着部材330の周囲には、
回転板320から複数(図2では3個)のホルダ支持突
起322が突き出している。このホルダ支持突起322
は、後述する試料ホルダ装着部材330の装着面330
aに装着した試料ホルダ340の周面を支持し、試料ホ
ルダ装着部材330からの離脱を防止するとともに、回
転したときの偏心ずれをなるべく小さくするためのもの
である。
【0029】さらに、試料ホルダ装着部材330におけ
る係合溝331の幅は、回転板320の厚さより任意の
寸法だけ広くなっており、この寸法差だけ試料ホルダ装
着部材330は、部材取付孔321内で軸方向に移動自
在となっている(図4,図5参照)。なお、試料ホルダ
装着部材330の取付けは、例えば、試料ホルダ装着部
材330を係合溝331の中央部分で横割にした部材片
とし、回転板320における係合溝331の両方向から
これらの部材片を嵌め込み、各部材片の横割部分を接合
することにより行うことができる。このとき、試料ホル
ダ装着部材330の横割部分に互いに係合する段付き部
または凹凸部を形成しておけば、これら段付き部または
凹凸部の係合により位置ずれを防止できる。
【0030】試料ホルダ装着部材330の中空部は、軸
方向の一端から他端に貫通するX線透過孔332となっ
ている。このX線透過孔332は、X線源から発射され
たX線をほぼ全幅にわたって透過できる直径に形成して
ある。現在市販されているX線回折装置では、X線源か
ら発散スリットを介して試料保持装置上の試料Sに照射
されるX線の照射幅は24mm程度であるため、かかる
X線回折装置に本実施例装置を適用する場合には、X線
透過孔332の内径を24mm程度に設定すればよい。
【0031】試料ホルダ装着部材330は、マグネット
の吸着する磁性金属材料で形成してあり、軸方向の両端
面が平行となるように高精度に面出しされている。さら
に、回転板320に取り付けられる各試料ホルダ装着部
材330は、それぞれ寸法差のない厚さとなるように、
相互に面出しされている。このような各試料ホルダ装着
部材330相互の面出しを行うには、それら各部材33
0を同時研削すればよい。このように面出しされた試料
ホルダ装着部材330の一方の端面が試料ホルダの装着
面330a、他方の端面が後述する回転部材への被固定
面330bとなっている(図4参照)。
【0032】試料ホルダ340は、図1〜図3に示すよ
うにリング状に形成してあり、その外径は試料ホルダ装
着部材330の外径とほぼ同じ寸法とし、また内径は同
装着部材330のX線透過孔332の内径とほぼ同じ寸
法としてある。軸方向に貫通した試料ホルダの中空部
は、試料(粉末試料)Sを保持するための試料充填孔3
41となっており、粉末状の試料Sをこの試料充填孔3
41内に充填した後、押し固めることによって試料Sの
保持状態を形成する。この試料ホルダ340は、例えば
アルミ合金やプラスチック等のX線の反射が少ない材料
で、厚さ3mm程度に形成してある。
【0033】また、試料ホルダ340は軸方向の少なく
とも一端面(好ましくは両端面)が軸と直交するように
高精度に面出しされており、該面出しされた一端面が試
料ホルダ装着部材への被装着面340aとなっている
(図4参照)。そして、試料ホルダ340の周壁には、
複数個所にホルダ装着手段としてのマグネット342が
端面を露出した状態で埋設してあり、磁力によって試料
ホルダ装着部材330の装着面330aに上記被装着面
340aを吸着固定する構造となっている。なお、高精
度に面出しされたマグネット板を被装着面に接着するこ
とにより、ホルダ装着手段としてもよい。
【0034】回転部材350は、図1に示すように筒状
に形成してあり、治具本体310の下部に軸受351を
介して回転自在に支持されている。回転部材の一端面は
試料ホルダ装着部材330の固定面350aとなってお
り、この固定面350aは軸と直交するように高精度に
面出しされている(図4参照)。固定面350aの外径
は試料ホルダ装着部材330における被固定面330b
の外径とほぼ同じ寸法に設定してある。かかる固定面3
50aは、試料ホルダ装着部材330における被固定面
330bのほぼ回転軌道上に位置決めしてある。
【0035】回転部材350の周壁端部には、突条35
2が形成してあり、この突条352の一側面は上記固定
面350aと連続する傾斜面352aとなっている(図
4参照)。この傾斜面352aは、後述するように回転
移動してきた試料ホルダ装着部材330の被固定面33
0bを、固定面350aと接触する方向に案内するもの
である。
【0036】また、固定面350aの複数個所には、部
材接続手段としてのマグネット353が端面を露出した
状態で埋設してあり、磁力によって試料ホルダ装着部材
330の被固定面330bを吸着固定する構造となって
いる。なお、高精度に面出しされたマグネット板を固定
面に接着することにより、部材接続手段としてもよい。
【0037】回転部材350の中空部は、軸方向の一端
から他端に貫通するX線透過孔354となっている。こ
のX線透過孔354は、X線源から発射されたX線をほ
ぼ全幅にわたって透過できる直径に形成してある。現在
市販されているX線回折装置に本実施例装置を適用する
場合には、上記試料ホルダ装着部材と同様に、X線透過
孔354の内径を24mm程度に設定すればよい。
【0038】回転部材350の周壁に形成した突条35
2の先端部分には従動歯車355が形成してある。治具
本体310の下部には第二駆動モータ(第二の回転駆動
源)356が固定してあり、この第二駆動モータ356
の駆動軸に取付けた駆動歯車357が上記従動歯車35
5と噛み合っている。回転部材350は、第二駆動モー
タ356からの回転力を駆動歯車357および従動歯車
355を介して伝達されて軸中心に回転する。
【0039】図1に示すように、試料台2の底板にはX
線遮蔽部材4が装着可能となっている。すなわち、X線
遮蔽部材4は、蓋付きの円筒形状に形成してあり、試料
台2における底板201の周面に下端開口部を嵌め込
み、ねじ等の締結具401によって固定する構造となっ
ている。試料回転治具3は、このX線遮蔽部材4の内部
に収納される。X線遮蔽部材4はX線を遮蔽可能な材
料、例えば真鍮や銅合金等の非鉄材料で形成してある。
このX線遮蔽材料としては、鉛が一般的であるが、X線
回折測定に際し試料Sから出射する微弱なX線を遮蔽す
るには、例えば真鍮でも充分に目的を達成することがで
きる。もっとも、鉛または鉛合金でX線遮蔽部材4を形
成してもよいことは勿論である。また、X線遮蔽部材4
の肉圧は、試料Sから出射するX線の強度に応じて適宜
決定する。また、X線遮蔽部材4にはX線透過窓402
が設けてあり、このX線透過窓402を通してX線源か
らのX線を試料Sに導くとともに、試料Sから出射した
回折X線をX線検出器へ導くようになっている。
【0040】次に、上述した本実施例装置の作用を説明
する。X線回折装置におけるゴニオメータの基台1へ本
実施例装置を装着するには、試料台2の底板201に設
けた突起部203をゴニオメータの基台1に形成した装
着凹部1aに嵌合すればよい。この装着を一度行えば、
その後、メンテナンス等のために試料回転治具3を取外
す必要が生じた場合には、試料台2をそのまま残し、試
料回転治具3のみを試料台2から取外せばよいため、着
脱作業が容易となる。すなわち、ゴニオメータの基台1
と試料台2との間は、前述したように高い嵌合精度を有
しているので、装着に際して高度な位置合わせが必要と
なる。これに対し、試料台2と試料回転治具3の間は、
例えば締結具(ボルト)208による締結といった簡易
な着脱構造でよいため、装着作業が容易である。
【0041】試料回転治具3を試料台に装着するに際し
ては、治具本体310の底面を試料台2の平面部205
に搭載するとともに、基準面206に治具本体310の
位置決め面310aを当接させ、締結具208を締結孔
207を通してねじ孔318に螺合して固定する。
【0042】試料Sは、試料ホルダ340の試料充填孔
341内に詰め込み、表面を試料ホルダ340の表面3
40bと同一平面となる状態にしておく。試料Sを充填
した試料ホルダ340は、図4に示すようにマグネット
342の磁力によって試料ホルダ装着部材330の装着
面330aに被装着面340aを吸着する。ここで、回
転部材350に固定された試料ホルダ装着部材330上
にある試料ホルダ340の表面340b(試料表面)
は、治具本体310の位置決め面310aと同一平面上
に位置決めする。この位置決めは、回転部材350の軸
方向の位置を調節することにより行うが、その調節作業
は試料回転治具3を立上げるときのみ行えばよい。この
ように位置決めされた試料ホルダ340の表面340b
(試料表面)は、位置決め面310aと当接する試料台
2の基準面206がゴニオメータの回転中心上にあるた
め、必然的にゴニオメータの回転中心上におかれること
になる。
【0043】また、本実施例の試料保持装置は、試料台
2にX線遮蔽部材4を装着可能となっているので、試料
Sから飛散したX線を試料回転治具3の周囲で効率的に
遮蔽することができる。したがって、X線回折装置の上
面全体を被覆する大形構造物であるX線遮蔽用ケースを
薄肉にすることができ、コスト低減を実現できる。しか
もX線被曝に対する安全性が向上する。
【0044】本実施例の試料回転治具3は、回転板32
0上に複数(図2では4個)の試料ホルダ装着部材33
0を取付けてあるので、第一駆動モータによる回転板3
20の回転によって任意の試料ホルダ装着部材330を
回転部材350に固定することができる。したがって、
複数の試料Sをそれぞれ充填した試料ホルダ340をあ
らかじめ各試料ホルダ装着部材330に装着しておき、
一の試料Sに対する測定を終了した後、回転部材350
を回転させ、次の試料ホルダ装着部材330を回転部材
350に固定するという動作を繰り返すことによって、
連続して複数の試料Sに対する測定を行うことができ
る。
【0045】ここで、試料ホルダ装着部材330の回転
部材350への固定動作について、図4を参照して説明
する。第一駆動モータ314を作動して、回転板320
を回転軸312中心に回転させると、回転板320に取
付けられた複数の試料ホルダ装着部材330のうちの一
つが回転部材350へと接近し、回転部材350の固定
面350aに試料ホルダ装着部材330の被固定面33
0bが接触する。そして、試料ホルダ装着部材330が
回転部材350のほぼ同軸上にきたとき、第一駆動モー
タ314を停止すると、試料ホルダ装着部材330は、
マグネット353の磁力により回転部材350に吸着固
定される。
【0046】ここで、試料ホルダ装着部材330の被固
定面330bが回転部材350の固定面350aに接触
するとき、これら各面が同一平面上になく、例えば被固
定面330bが固定面350aよりわずかに左側(第4
図)へきていたときは、まず被固定面330bの端縁が
回転部材350の傾斜面352aに接触し、該傾斜面3
52aに案内されて固定面350aへと導かれる。一
方、被固定面330bが固定面350aのわずかに右側
(第4図)へきていたときは、マグネット353の磁力
によって被固定面330bは固定面350aに吸着され
る。
【0047】その後、第二駆動モータ356を作動する
と固定部材350が回転し、これとともに同部材350
に吸着固定された試料ホルダ装着部材330が一体とな
って回転する。このように回転させながら、試料ホルダ
装着部材330に装着した試料ホルダ340上の試料S
に対してX線回折測定を行えば、試料Sに配向性があっ
たり、粒径の粗い場合にも、明瞭な測定結果を得ること
ができる。
【0048】また、試料Sの背面は、図1に示すように
X線透過孔332,354が形成されているので、試料
背面からX線を照射し、正面側で回折X線を検出するい
わゆる透過法測定も可能である。しかも、本実施例装置
では、X線透過孔332,354がいずれもX線をほぼ
全幅にわたって透過する寸法に形成してあるので、損失
なくX線を試料Sに照射でき、後述するゴニオメータの
原点設定や測角精度の確認も適正に行うことができる。
なお、この透過法測定に際しては、同図に示すように、
X線透過孔354内にコリメータ5を配置し、試料Sの
近接位置からX線を照射することも可能である。
【0049】図6は本実施例装置を装着したX線回折装
置におけるゴニオメータの原点設定および測角精度の確
認方法を説明するための図である。これらゴニオメータ
の原点設定および測角精度の確認を行う場合には、試料
ホルダ340の試料充填孔341に回折角度位置が既知
の標準試料(例えば、シリコン粉末)Sを充填した標準
試料ホルダを作成し、これを試料ホルダ装着部材330
の一つに装着する。
【0050】同図(a)は、ゴニオメータにおけるX線
検出器の回転角2θ=0の原点設定を行う方法を示す。
このときは、試料台の回転角θ=90度にして、標準試
料Sの表面SaをX線源10からのX線11に対して直
角に配置する。X線源10から発射されたX線11は、
発散スリット12を通過して試料回転治具3のX線透過
孔内354,332内に入り、標準試料Sの裏面Sbに
照射される。そして、X線11の一部は標準試料Sを透
過し、さらに受光スリット13を通過してX線検出器1
4に達する。このX線検出器14がX線11を検出した
ところが2θ=0となる。
【0051】同図(b)は、θ=0の原点設定を行う方
法を示す。X線検出器14は2θ=0の位置に配置し、
X線源10とX線検出器14を一直線上におく。この状
態で標準試料Sの表面Saを該直線とほぼ平行に配置す
ると、X線源10から発射されたX線11は標準試料S
の表面をかすめて通過する。この状態において試料台2
を微小回転させX線検出強度が最大となるところを探
し、該回転位置がθ=0となる。
【0052】同図(c)は、測角精度の確認方法を示
す。この場合は、試料台2の回転角θとX線検出器14
の回転角2θとを1対2の比率で連動させる。このと
き、標準試料Sに入射するX線11の少なくとも一部は
標準試料Sで反射し、回折ピークが得られる。この回折
ピークの角度位置を、理論的に計算され既知となってい
る標準試料Sの回折角度位置と比較することにより、測
角精度がチェックできる。なお、図1に想像線で示すよ
うに、コリメータ5を回転部材350のX線透過孔35
4内に配置して測定を実施する場合にも、該X線透過孔
354が大径となっているので、試料台2の回転角θを
広い範囲にわたって許容することができる。
【0053】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。例えば、回転板320への試料ホルダ
装着部材330の取付け数は、必要に応じて任意に設定
することができる。また、試料ホルダ装着部材330の
軸方向の移動は、回転板320を弾力的に撓むように構
成し、この回転板320の撓みによって実現することも
できる。
【0054】さらに、試料ホルダ装着部材330は、図
7または図8に示すような構成で回転板320へ取り付
けてもよい。すなわち、図7に示すように、回転板32
0および試料ホルダ装着部材330のそれぞれに形成し
た断面円弧状の凹溝361,362内に多数の球体(例
えば、金属球)363を介在させ、この球体363を介
して軸方向および径方向のそれぞれにがたつきのある状
態で、試料ホルダ装着部材330を支持してもよい。
【0055】また、図8(a),(b)に示すように、
溝を有する小形の回転軸受(ミニチュアベアリング)3
64を回転板320に形成した部材取付孔321の周縁
における数個所(例えば、3又は4個所)に設置し、こ
れらの回転軸受364の溝365に対し、試料ホルダ装
着部材330の周縁に形成した突条366を係合させ、
軸方向および径方向にがたつきをもって回転自在に試料
ホルダ装着部材330を支持してもよい。なお、回転軸
受364を固定するビスはホルダ支持突起322を兼用
させることができる。
【0056】試料回転治具3の試料台2への固定手段と
しては、ボルトによる固定のほか、例えば、平面部20
5に装着レールを設けるとともに、試料回転治具3側に
もこの装着レールに係合する摺動部を設け、該摺動部を
装着レールに係合した状態で板ばね等の付勢力により固
定する手段が適用できる。その他にも、公知となってい
る部材固定手段が種々適用できることは勿論である。
【0057】さらに、X線遮蔽部材4に設けたX線透過
窓402を、Be板やAl蒸着のマイラー箔等、X線吸
収係数の小さな材料からなる部材で閉塞し、X線遮蔽部
材4内を気密状態とすれば、試料Sの周囲(X線遮蔽部
材4内)を各種のガス雰囲気や真空雰囲気または湿度雰
囲気等に形成することができ、それらの雰囲気下での測
定も可能となる。さらに、X線遮蔽部材4に断熱性を付
与した構造とすることにより、内部を高温または低温雰
囲気にすることもできる。X線遮蔽部材の代わりに、各
種のガス雰囲気や真空雰囲気を形成するための専用容
器、または高温,低温雰囲気を形成するための専用容器
を試料台に装着可能とすることもできる。
【0058】図10は本発明を改良したX線回折装置の
試料保持装置の改良部分を示す縦断面図である。なお、
同図に示した改良部分以外の構造は、先に説明した実施
例の試料保持装置と同一である。また、図10におい
て、先に示した図1と同一部分または相当する部分には
同一符号を付してある。
【0059】同図に示す試料保持装置は、図1に示した
試料保持装置における回転部材350からの回転力を、
磁力の利用により非接触状態で試料ホルダ装着部材33
0に伝達する構造としたものである。すなわち、複数の
試料ホルダ装着部材330は、ボールベアリングやすべ
り軸受等の回転支持部材601によって回転板320に
がたつきなく取付けてある。各試料ホルダ装着部材33
0は、その装着面330aに装着した試料ホルダ340
の表面340b(試料の表面)が、試料台2における基
準面206(図1参照)と同一平面上に位置するように
位置決めする。
【0060】また、試料ホルダ装着部材330の被固定
面330bおよび回転部材350の固定面350aに
は、試料ホルダ装着部材330の固定手段として、マグ
ネット602,603が、端面を露出した状態で複数個
所に埋設してある。なお、これらマグネット602,6
03を板状として、被固定面330bおよび固定面35
0aの全面に接着してもよい。これらマグネット60
2,603は、互いに吸引し合う極性で対向するように
設け、後述するように回転部材350の回転に伴い試料
ホルダ装着部材330を一体的に回転できる磁力を有し
ている。また、これらのマグネット602,603のう
ち、いずれか一方でそのような磁力を有する場合には、
一方のみを設けるだけでよい。その場合には、対向する
面を磁性体で形成する。
【0061】回転部材350の固定面350aは、試料
ホルダ装着部材330の被固定面330bの回転軌道よ
りわずかに離間して設けてある。このような構成とすれ
ば、回転部材350の固定面350aと対向する位置に
回転移動してきた試料ホルダ装着部材330は、マグネ
ット602,603の磁力をもって非接触状態で固定さ
れ、回転部材350と一体的に回転できる。係る回転力
の伝達構造においては、歯車355,357の噛み合い
による振動やがたつきが試料ホルダ装着部材へ伝達され
ないため、試料ホルダ340に充填された試料Sの位置
がふらつくことを防止できる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、試
料ホルダを装着した試料ホルダ装着部材が、回転部材に
接続された状態にあるとき、各部材のX線透過孔が連通
して試料の背面へとX線を透過する通路を形成するの
で、試料背面からのX線照射を実現することができる。
上記各部材のX線透過孔の内径を、通過するX線のほぼ
全幅に設定すれば、X線源からのX線を損失なく試料の
背面に照射でき、いわゆる透過法測定が適正な状態で実
施可能となる。
【0063】回転板に取付けられた試料ホルダ装着部材
を軸方向へ任意量移動可能とし、磁力によって回転部材
へ吸着固定するようにした場合には、回転部材のみをゴ
ニオメータの回転軸に対して位置決めすればよく、各試
料ホルダ装着部材についてゴニオメータの回転軸に対す
る位置決めをしなくて済み、しかも各試料ホルダ装着部
材上の試料を均一でかつ高い位置決め精度に保つことが
容易に実現できる。また、本発明の試料保持装置によれ
ば、ゴニオメータの基台に設置した試料台に対して試料
回転治具を着脱できるので、高い嵌め合い精度が要求さ
れるゴニオメータへの試料台の着脱を繰り返すことなく
試料回転治具の交換、メンテナンス等を行うことができ
る。
【0064】さらに、試料台へX線遮蔽部材を着脱自在
とすることにより、X線の遮蔽を該X線遮蔽部材によっ
て実現し、これにより大形構造物であるX線遮蔽用ケー
スを薄肉にできる。しかもX線遮蔽用ケースを不用意に
開放した場合にも既にX線遮蔽部材によってX線が遮蔽
されているので、安全性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る試料保持装置を示す縦断
面図である。
【図2】同装置に装着した試料回転治具の側面図であ
る。
【図3】同試料回転治具の装着する試料ホルダの側面図
である。
【図4】同試料回転治具における回転部材への試料ホル
ダ装着治具の固定動作等を示す縦断面図である。
【図5】試料ホルダ装着部材の回転板への取付け構造を
拡大して示す縦断面図である。
【図6】同装置を装着したX線回折装置におけるゴニオ
メータの原点設定および測角精度の確認方法を説明する
ための概略平面図である。
【図7】試料ホルダ装着部材の回転板への取付け構造の
変形例を拡大して示す縦断面図である。
【図8】試料ホルダ装着部材の回転板への取付け構造の
他の変形例を示す図で、(a)は拡大断面図、(b)は
拡大側面図である。
【図9】従来の試料保持装置を示す縦断面図である。
【図10】本発明を改良した試料保持装置の改良部分を
示す縦断面図である。
【符号の説明】
1:ゴニオメータの基台 2:試料台 3:試料回転治具 4:X線遮蔽部材 5:コリメータ 201:底板 202:支持ブロック 203:突起部 205:平面部 206:基準面 208:締結具 310:治具本体 311:軸受 314:第一駆動モータ 320:固定板 330:試料ホルダ装着部材 332:X線透過孔 340:試料ホルダ 341:試料充填孔 342:マグネット 350:回転部材 351:軸受 353:マグネット 354:X線透過孔 356:第二駆動モータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 治具本体と、 この治具本体に回転自在に支持された回転板と、 この回転板を回転駆動する第一の回転駆動源と、 軸方向に貫通するX線透過孔を有し、前記回転板の同一
    径上に複数個それぞれ軸を中心として回転自在に取付け
    られた試料ホルダ装着部材と、 軸方向に貫通した試料充填孔を有する試料ホルダと、 前記試料充填孔が前記X線透過孔と連通する状態で、前
    記試料ホルダ装着部材の一端面に前記試料ホルダを着脱
    自在に装着するホルダ装着手段と、 軸方向に貫通するX線透過孔を有し、前記試料ホルダ装
    着部材のほぼ回転軌道上に位置決めされて前記治具本体
    に回転自在に支持された回転部材と、 この回転部材を軸中心に回転駆動する第二の回転駆動源
    と、 前記回転部材のほぼ同軸上に回転移動してきた前記一の
    試料ホルダ装着部材の他端面を前記回転部材の端面に着
    脱自在に固定するとともに、各部材のX線透過孔を連通
    する部材接続手段とを具備したことを特徴とするX線回
    折装置の試料回転治具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したX線回折装置の試料
    回転治具において、前記回転部材および前記試料ホルダ
    装着部材に形成したX線透過孔の内径を、X線源から発
    射されたX線をほぼ全幅にわたって透過する寸法に形成
    したことを特徴とするX線回折装置の試料保持装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれか一項に記載
    したX線回折装置の試料回転治具において、 前記試料ホルダ装着部材は少なくとも軸方向へ任意量移
    動可能になっており、 前記ホルダ装着手段は、磁力によって前記試料ホルダを
    前記試料ホルダ装着部材の一端面に装着し、 前記部材接続手段は、磁力によって前記試料ホルダ装着
    部の他端面を前記回転部材の端面に吸着固定することを
    特徴としたX線回折装置の試料回転治具。
  4. 【請求項4】 X線回折装置において、X線源に対し回
    転可能なゴニオメータの基台上に設置される試料保持装
    置であって、前記ゴニオメータの基台上に装着される試
    料台と、この試料台へ着脱自在な試料回転治具とを備
    え、 前記試料回転治具は、治具本体と、この治具本体に回転
    自在に支持された回転板と、この回転板を回転駆動する
    第一の回転駆動源と、軸方向に貫通するX線透過孔を有
    し、前記回転板の同一径上に複数個それぞれ軸を中心と
    して回転自在に取付けられた試料ホルダ装着部材と、軸
    方向に貫通した試料充填孔を有する試料ホルダと、前記
    試料充填孔が前記X線透過孔と連通する状態で、前記試
    料ホルダ装着部材の一端面に前記試料ホルダを着脱自在
    に装着するホルダ装着手段と、軸方向に貫通するX線透
    過孔を有し、前記試料ホルダ装着部材のほぼ回転軌道上
    に位置決めされて前記治具本体に回転自在に支持された
    回転部材と、この回転部材を軸中心に回転駆動する第二
    の回転駆動源と、前記回転部材のほぼ同軸上に回転移動
    してきた前記一の試料ホルダ装着部材の他端面を前記回
    転部材の端面に着脱自在に固定するとともに、各部材の
    X線透過孔を連通する部材接続手段とを具備してなるこ
    とを特徴としたX線回折装置の試料保持装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載したX線回折装置の試料
    保持装置において、X線を遮蔽可能な材料で形成され、
    前記試料回転治具を被覆するように前記試料台へ装着可
    能なX線遮蔽部材を備えたことを特徴とするX線回折装
    置の試料保持装置。
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