JP2015229633A - エポキシ基含有(メタ)アクリルアミド - Google Patents
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Abstract
【課題】塗料、粘接着剤、樹脂添加剤等の原料として有用なエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドを工業的に製造する方法を提供すること、また、当該エポキシ基含有(メタ)アクリルアミドを配合して得られる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。【解決手段】水酸基含有ノルボルネン誘導体をカーボネート化した後、脱炭酸反応によりエポキシ基含有ノルボルネン誘導体を得、さらにエポキシ基含有ノルボルネン誘導体を気相熱分解させ、得られる粗モノマーを蒸留精製することによりエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドを製造する。【選択図】なし
Description
本発明は、エポキシ基含有(メタ)アクリルアミドの工業的に有利な製造方法、及びそれを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
開環反応性を有するエポキシ基含有(メタ)アクリレートは、1分子内に異なる反応性を示す2種類の官能基を同時に有するモノマーであり、塗料、粘接着剤、樹脂添加剤、繊維改質剤、分散剤、架橋剤、レジスト材料用途で広く使用されており、代表的なものとして、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルなどが挙げられる。
エポキシ基含有(メタ)アクリレートの製造方法としては、(i)(メタ)アクリル酸或いはそのアルカリ金属塩とハロゲン化アルキレングリシジルを出発原料とする方法(特許文献1〜3)、(ii)(メタ)アクリル酸アリルと過酸化水素を出発原料とする方法(特許文献4〜5)、(iii)(メタ)アクリル酸の低級エステルとグリシジル基含有アルコールを出発原料とする方法(特許文献6〜11)が開示されている。
しかし、これらのモノマーはいずれも(メタ)アクリレート系モノマーであり、現在、市場に出回っている(メタ)アクリルアミド系のモノマーは存在しない。
一方、(メタ)アクリルアミド系のモノマーは化学構造上、ガラス転移温度(Tg)の向上による機械的強度の増加や、静電的相互作用による接着力の増加、耐分解性の強いアミド骨格による副反応低減、活性エネルギー線硬化樹脂用途における硬化速度の向上などの機能が期待できる。
塗料、粘接着剤、樹脂添加剤、インクや感光性樹脂組成物等の原料として有用なエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドを製造する方法を提供するものである。また、これらのエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドを配合した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、水酸基含有ノルボルネン誘導体をカーボネート化した後、脱炭酸反応を行い、さらに気相熱分解する方法によりエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドを高収率で製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)一般式[1](式中、R1はHまたはCH3を、R2はHまたは炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R3は炭素原子数1〜5のアルキレン基を示し、それらのアルキル基、アルキレン基は直鎖のみならず分岐構造も表す。)で表されるエポキシ基含有ノルボルネン誘導体を気相熱分解することにより、
一般式[2](式中、R1はHまたはCH3を、R2はHまたは炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R3は炭素原子数1〜5のアルキレン基を示し、それらのアルキル基、アルキレン基は直鎖のみならず分岐構造も表す。)で表されるエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドを得ることを特徴とする製造方法、
(2)前記一般式[1]のエポキシ基含有ノルボルネン誘導体が、一般式[3](式中、R1はHまたはCH3を、R2はHまたは炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R3は炭素原子数1〜5のアルキレン基を示し、それらのアルキル基、アルキレン基は直鎖のみならず分岐構造も表す。)で表わされるカーボネート基含有ノルボルネン誘導体を脱炭酸させることにより得ることを特徴とする前記(1)に記載のエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドの製造方法、
(3)前記一般式[3]で表されるカーボネート基含有ノルボルネン誘導体が、一般式[4](式中、R1はHまたはCH3を、R2はHまたは炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R3は炭素原子数1〜5のアルキレン基を示し、それらのアルキル基、アルキレン基は直鎖のみならず分岐構造も表す。)で表わされる水酸基含有ノルボルネン誘導体をカーボネート化することにより得ることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドの製造方法、
(4)前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の製造方法により得られたエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドを用いた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
を提供するものである。
(1)一般式[1](式中、R1はHまたはCH3を、R2はHまたは炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R3は炭素原子数1〜5のアルキレン基を示し、それらのアルキル基、アルキレン基は直鎖のみならず分岐構造も表す。)で表されるエポキシ基含有ノルボルネン誘導体を気相熱分解することにより、
を提供するものである。
本発明の方法によれば、エポキシ基含有(メタ)アクリルアミドを工業的に高収率で製造することができる。また、本発明の製造方法で得られるエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドは高純度のため、塗料、粘接着剤、樹脂添加剤、インク、光硬化性レジスト等の原料として有用であり、さらに紫外線などの活性エネルギー線照射による硬化性に優れており、感光性樹脂などの用途における機能向上が期待できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(2)で表されるエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドは、前記一般式(4)で表される水酸基含有ノルボルネン誘導体をカーボネート化した後、脱炭酸させ、さらに、気相熱分解する方法により得ることができる。
本発明の一般式(2)で表されるエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドは、前記一般式(4)で表される水酸基含有ノルボルネン誘導体をカーボネート化した後、脱炭酸させ、さらに、気相熱分解する方法により得ることができる。
一般式(4)で表される水酸基含有ノルボルネン誘導体としては、N−ジヒドロキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−ジヒドロキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−ジヒドロキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−ジヒドロキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−エチル−N−ジヒドロキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−エチル−N−ジヒドロキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−ブチル−N−ジヒドロキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−ブチル−N−ジヒドロキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−ジヒドロキシブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−ジヒドロキシブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−ジヒドロキシブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−ジヒドロキシブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−ジヒドロキシペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−ジヒドロキシペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−ジヒドロキシペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−ジヒドロキシペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−ジヒドロキシヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−ジヒドロキシヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−ジヒドロキシヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−ジヒドロキシヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−ジヒドロキシヘプチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−ジヒドロキシヘプチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−ジヒドロキシヘプチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−ジヒドロキシヘプチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド等が挙げられる。
前記一般式(4)で表される水酸基含有ノルボルネン誘導体は、エステル基含有ノルボルネン誘導体またはカルボキシル基含有ノルボルネン誘導体とアミノアルカンジオールとのアミド化反応により得ることができる。
エステル基含有ノルボルネン誘導体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸メチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸エチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸エチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸プロピル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸プロピル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸ブチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸ブチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸ペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸ペンチルなどが挙げられ、それらのアルキル基は直鎖のみならず分岐構造であってもよい。また、立体的障害が小さいことから、好ましくはビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸メチルである。
また、カルボキシル基含有ノルボルネン誘導体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸が挙げられる。
また、カルボキシル基含有ノルボルネン誘導体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸が挙げられる。
アミノアルカンジオールとしては、アミノプロパンジオール、メチルアミノプロパンジオール、エチルアミノプロパンジオール、ブチルアミノプロパンジオール、アミノブタンジオール、アミノペンタンジオール、アミノヘキサンジオール、アミノヘプタンジオール等が挙げられ、それらのアルキル基、アルキレン基は直鎖のみならず分岐構造であってもよい。
アミド化反応において、エステル基またはカルボキシル基含有ノルボルネン誘導体とアミノアルカンジオールの仕込みモル比は、特に限定されるものではないが、反応を促進、完結させるため、エステル基またはカルボキシル基含有ノルボルネン誘導体、或いはアミノアルカンジオールのどちらか一方を過剰に用いることが好ましい。一般的には、エステル基含有ノルボルネン誘導体とアミノアルカンジオールの配合比は0.1〜10倍モル、好ましくは0.2〜5倍モルである。0.1倍モルより少ない或いは10倍モルより多い場合、1バッチあたりの得量が少なく、余剰分の回収にも時間がかかる問題がある。
エステル基含有ノルボルネン誘導体とアミノアルカンジオールとのアミド化反応は無触媒でも進行するが、必要に応じて塩基性触媒を使用することができる。用いられる塩基性触媒としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−n−プロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウム−n−ブトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−n−プロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウム−n−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウム−n−プロポキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウム−n−ブトキシド、リチウム−t−ブトキシド、チタニウムテトラ−n−ブトキシド、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ニッケルアセチルアセトナート、ジブチルスズオキシド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。触媒の使用量はエステル基含有ノルボルネン誘導体とアミノアルカンジオールのうち、仕込み比の少ない方に対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。0.1モル%より少ないと反応速度が上がらず、時間反応を延長する必要があり、経済的な面に不利である。一方、10モル%より多いと副反応や触媒除去が問題となる。
また、カルボキシル基含有ノルボルネン誘導体とアミノアルカンジオールによるアミド化反応においては、公知の酸性触媒、塩基性触媒、多価金属塩触媒、メソポーラスシリカ触媒等を用いることができる。
上記アミド化反応は無溶媒でも可能であるが、必要に応じて有機溶剤中で実施できる。溶媒としては、触媒を含めた原料並びに生成する化合物との副反応を起さなければ、一般的な溶媒を使用することができる。例えば、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラメチル尿素、ジメチルエチレン尿素、ジメチルプロピレン尿素、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ピリジン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタンなどが挙げられる。
アミド化反応の温度は、エステル基またはカルボキシル基含有ノルボルネン誘導体とアミノアルカンジオールの品種と配合比、反応に用いる触媒や溶媒の品種と使用量などに応じて、適切に選定されるが、通常40〜200℃、好ましくは60〜180℃程度の範囲である。40℃より低い温度では、殆ど反応が進行せず、200℃より高い温度では、副生成物が著しく増加する問題がある。
原料の仕込み方法としては、エステル基またはカルボキシル基含有ノルボルネン誘導体とアミノアルカンジオール、触媒、溶媒を一括で仕込む方法、アミノアルカンジオールと触媒、溶媒を予め反応容器に仕込み、それにエステル基またはカルボキシル基含有ノルボルネン誘導体を滴下させる方法等が挙げられる。
一般式(3)で表されるカーボネート基含有ノルボルネン誘導体としては、N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−エチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−エチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−ブチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−ブチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)エチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)エチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)エチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)エチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)ブチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)ブチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)ブチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)ブチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)ペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)ペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)ペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)ペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド等が挙げられる。
前記一般式(3)で表されるカーボネート基含有ノルボルネン誘導体は、前記一般式(4)で表される水酸基含有ノルボルネン誘導体とカーボネート化剤との反応により得ることができる。
本発明で用いられるカーボネート化剤としては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチル、炭酸ジフェニル、炭酸ジベンジル、炭酸メチルエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ホスゲン、尿素等が挙げられる。
カーボネート化反応において、水酸基含有ノルボルネン誘導体とカーボネート化剤の仕込みモル比は、特に限定されるものではないが、反応を促進、完結させるため、水酸基含有ノルボルネン誘導体とカーボネート化剤のどちらか一方を過剰に用いることもできる。一般的には、水酸基含有ノルボルネン誘導体とカーボネート化剤の配合比は0.1〜10倍モル、好ましくは0.2〜5倍モルである。0.1倍モルより少ない或いは10倍モルより多い場合、1バッチあたりの得量が少なく、余剰分の回収にも時間がかかる問題がある。
カーボネート化反応は無触媒でも進行するが、必要に応じて触媒を使用することができる。用いられる触媒としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。触媒の使用量は水酸基含有ノルボルネン誘導体とカーボネート化剤のうち、仕込み比の少ない方に対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。0.1モル%より少ないと反応速度が上がらず、時間反応を延長する必要があり、経済的な面に不利である。一方、10モル%より多いと副反応や触媒除去が問題となる。
上記カーボネート化反応は無溶媒でも可能であるが、必要に応じて有機溶剤中で実施できる。溶媒としては、触媒を含めた原料並びに生成する化合物との副反応を起さなければ、一般的な溶媒を使用することができる。例えば、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラメチル尿素、ジメチルエチレン尿素、ジメチルプロピレン尿素、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ピリジン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタンなどが挙げられる。
上記カーボネート化反応の温度は、水酸基含有ノルボルネン誘導体とカーボネート化剤の品種と配合比、反応に用いる触媒や溶媒の品種と使用量などに応じて、適切に選定されるが、通常50〜180℃、好ましくは70〜150℃程度の範囲である。50℃より低い温度では、殆ど反応が進行せず、180℃より高い温度では、副生成物が著しく増加する問題がある。
原料の仕込み方法としては、水酸基含有ノルボルネン誘導体とカーボネート化剤、触媒、溶媒を一括で仕込む方法、カーボネート化剤と触媒、溶媒を予め反応容器に仕込み、それに溶媒に溶解させた水酸基含有ノルボルネン誘導体を滴下させる方法等が挙げられる。また、副生するアルコールを減圧下で留去させながら行うこともできる。
一般式(1)で表されるエポキシ基含有ノルボルネン誘導体としては、N−エポキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−エポキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−エポキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−エポキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−エチル−N−エポキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−エチル−N−エポキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−ブチル−N−エポキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−ブチル−N−エポキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−エポキシブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−エポキシブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−エポキシブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−エポキシブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−エポキシペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−エポキシペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−エポキシペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−エポキシペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−エポキシヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−エポキシヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−エポキシヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−エポキシヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−エポキシヘプチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−エポキシヘプチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド、N−メチル−N−エポキシヘプチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド、N−メチル−N−エポキシヘプチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2−カルボキサミド等が挙げられる。
前記一般式(1)で表されるエポキシ基含有ノルボルネン誘導体は、前記一般式(3)で表されるカーボネート基含有ノルボルネン誘導体の脱炭酸反応により得ることができる。
脱炭酸反応は無触媒でも進行するが、必要に応じて触媒を使用することができる。用いられる触媒としては、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ゼオライト等が挙げられる。触媒の使用量はカーボネート基含有ノルボルネン誘導体に対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。0.1モル%より少ないと反応速度が上がらず、時間反応を延長する必要があり、経済的な面に不利である。一方、10モル%より多いと副反応や触媒除去が問題となる。
上記脱炭酸反応は無溶媒でも可能であるが、必要に応じて有機溶剤中で実施できる。溶媒としては、触媒を含めた原料並びに生成する化合物との副反応を起さなければ、一般的な溶媒を使用することができる。例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、流動パラフィンなどが挙げられる。
上記脱炭酸反応の温度は、カーボネート基含有ノルボルネン誘導体や溶媒、触媒の品種と使用量などに応じて、適切に選定されるが、通常100〜300℃、好ましくは170〜250℃程度の範囲である。100℃より低い温度では、殆ど反応が進行せず、300℃より高い温度では、副生成物が著しく増加する問題がある。
上記脱炭酸反応は、カーボネート基含有ノルボルネン誘導体と触媒、溶媒を一括で仕込む方法、触媒と溶媒を予め反応容器に仕込み、それにカーボネート基含有ノルボルネン誘導体を滴下させる方法、薄膜蒸発器や流通反応器にカーボネート基含有ノルボルネン誘導体と触媒、溶媒を連続的に仕込む方法、触媒を充填した流通反応器にカーボネート基含有ノルボルネン誘導体と溶媒を連続的に仕込む方法等が挙げられる。また、脱炭酸反応により生成したエポキシ基含有ノルボルネン誘導体を、減圧下で連続的に留去させながら行うこともできる。
本発明の一般式(2)で表されるエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドは、従来公知の方法により、一般式(1)で表されるエポキシ基含有ノルボルネン誘導体を気相熱分解することで得ることができる。例えば、特公昭55−11655号公報、特公昭56−20309号公報、特公昭57−52329号公報、特開2001−58986号公報、特開2004−238342号公報、特開2005−314279号公報などに記載されているような方法で、エポキシ基含有ノルボルネン誘導体を減圧下で気化させた後、気相熱分解することでエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドの粗モノマーが得られる。また、この気相熱分解装置にカーボネート基含有ノルボルネン誘導体を仕込み、脱炭酸反応と熱分解反応を同時に行うこともできる。この場合、工程数が少ない利点だけではなく、上記脱炭酸反応温度はより高くても副反応が起きにくい利点がある。得られた粗モノマーは減圧蒸留により精製することができ、高純度のエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドを得ることができる。
本発明のエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドは、活性エネルギー線硬化型や熱重合型のコーティング剤、粘着剤、接着剤、インク組成物、レジスト材料用途において、そのまま原料として使用したり、ポリマーやオリゴマー組成の一部に組み込み、側鎖や末端に(メタ)アクリルアミド基やエポキシ基を有するポリマーやオリゴマーに加工した後、原料として使用したりすることができる。
本発明のエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドは、ポリマーやオリゴマー組成の一部に組み込んで使用する場合、ポリマーやオリゴマーへの取り組む方法として汎用のビニル系単量体と共重合する方法、汎用のカチオン系単量体と共重合する方法、或いは側鎖や末端にエポキシ基と反応できる官能基を有する反応性ポリマーや反応性オリゴマーと反応させる方法が挙げられる。ビニル系単量体との共重合は、特に限定されるものではなく、公知のラジカル重合法により実施可能である。例えば、塊状重合法、有機溶媒中や水中の溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などが挙げられる。有機溶媒中の溶液重合法を採用する場合、重合溶媒としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等の単独もしくは混合で用いることができる。
ビニル系単量体との共重合において、重合開始剤としては、アゾ系、有機過酸化物系、無機過酸化物系、レドックス系など一般的に知られているラジカル重合開始剤が挙げられる。ラジカル重合開始剤の使用量としては、通常重合性単量体成分総量に対して0.001〜10重量%程度である。また、連鎖移動剤による分子量の調整など通常のラジカル重合技術が適用される。
カチオン系単量体との共重合において、重合開始剤(触媒)としては、プロトン酸又はルイス酸など一般的に知られているカチオン重合触媒が挙げられる。プロトン酸として塩酸、硫酸、過塩素酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、クロロスルホン酸及びフルオロスルホン酸等が挙げられ、又、ルイス酸として三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化第二スズ及び塩化第二鉄等が挙げられる。これらのプロトン酸やルイス酸は、1種類に限らず、複数を組み合わせて使用してもよい。但し、ルイス酸のみ使用される場合、微量の水やアルコール等のカチオン源が必要である。カチオン重合触媒の使用量は、通常カチオン重合性単量体成分総量に対して0.001〜1重量%程度である。また、重合溶媒としてテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒或いはそれらの混合溶媒を使用することができる。
反応性ポリマーや反応性オリゴマーと反応させる方法は、特に限定されるものではなく、公知のエポキシ基とカルボン酸、酸無水物、アミン、アルコール、フェノール等の反応方法により実施可能である。また、これらの反応において、必要に応じ、反応触媒を使用することができる。反応触媒としては、例えば、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド等の4級塩触媒;トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類等を挙げることができる。
本発明の製造方法で得られるエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドは活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の成分として用いることができる。活性エネルギー線硬化方法は特に制限されるものではなく、ラジカル硬化型、カチオン硬化型、アニオン硬化型、又はこれら硬化型の組合せが挙げられる。エポキシ基含有(メタ)アクリルアミドをそのまま(100重量%)活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として使用することもできる。また、具体的な用途、例えば、紫外線硬化型ハードコート剤、スクリーン印刷やインクジェット印刷等の印刷用インク組成物、インクジェット記録シート、インク受理層、帯電防止剤組成物、粘着剤組成物、接着剤組成物、感光性樹脂組成物、3D光造形用樹脂組成物等によって、各種のポリマー、オリゴマー及びモノマーと併用することができる。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中のエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドの配合は1%以上が好ましく、また3%以上が特に好ましい。
本発明のエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドと併用するポリマー、オリゴマー、モノマーは、単独で加えてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。例えば、このようなポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリN−置換(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール等のホモポリマー及びコポリマーがある。このようなオリゴマーとしては、重量平均分子量10000以下であるポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリN−置換(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール等のホモオリゴマー及びコオリゴマーがある。このようなモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、不飽和ニトリルモノマー、不飽和カルボン酸、アミド基含有モノマー、メチロール基含有モノマー、アルコキシメチル基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、多官能性モノマー、ビニルエステル、ビニルエーテル、多官能エポキシ化合物、オレフィンなどラジカル重合性化合物やカチオン重合性化合物、アニオン重合性化合物が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和ニトリルモノマーの例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、モノアルキルイタコネート等がある。
本発明のエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドを構成成分として配合する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物において、硬化速度や硬化膜の硬度、架橋率等を調整する目的で、2個以上のエチレン基を有する多官能のモノマーやオリゴマーを添加してもよい。多官能モノマーの具体例としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジアリル(メタ)アクリルアミド、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これらの多官能のモノマーやオリゴマーは、1種類に限らず、複数を組み合わせて使用してもよい。また、このような多官能のモノマーやオリゴマーを使用する場合、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に対して1〜50重量%含有させることが好ましく、また2〜30重量%含有させることが特に好ましい。
本発明の活性エネルギー線とは、活性種を発生する化合物(光重合開始剤)を分解して活性種を発生させることのできるエネルギー線と定義される。このような活性エネルギー線としては、可視光、電子線、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等のエネルギー線が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させる際には、光重合開始剤を添加しておく。光重合開始剤は、活性エネルギー線として電子線を用いる場合には特に必要はないが、紫外線を用いる場合には必要となる。光重合開始剤はアセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の通常のものから適宜選択すればよい。光重合開始剤のうち、市販の光重合開始剤としてはBASF社製、商品名Darocur1116、Darocur1173、Irgacure184、Irgacure369、Irgacure500、Irgacure651、Irgacure754、Irgacure819、Irgacure907、Irgacure1300、Irgacure1800、Irgacure1870、Irgacure2959、Irgacure4265、IrgacureTPO、Irgacure250、Irgacure270、UCB社製、商品名ユベクリルP36、ローディア社製 商品名ロードシル2074、サンアンプロ社製 商品名CPI−100P等を用いることができる。これらの光重合開始剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの光重合開始剤の使用量は特に制限されていないが、一般に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物やコート剤に対して、1〜20重量%、中でも2〜10重量%が添加されることが好ましい。1重量%未満だと十分な硬化性が得られず、20重量%を越えると塗膜の強度低下や黄変してしまう可能性がある。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びそれから作製される成形品の特性を阻害しない範囲で、顔料、染料、界面活性剤、ブロッキング防止剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線増感剤、防腐剤等の他の任意成分を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を紙、布、不織布、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ジアセテートセルロース、トリアセテートセルロース、アクリル系ポリマー、ポリ塩化ビニル、セロハン、セルロイド、ポリカーボネート、ポリイミドなどのプラスチック及び金属等の基材の表面や間に塗布し、紫外線等の活性エネルギー線照射で硬化させることにより、高性能のハードコート層、粘着剤層又は接着剤層を得ることができる。また、この樹脂組成物を基材上に塗布する方法としては、スピンコート法、スプレーコート法、ディッピング法、グラビアロール法、ナイフコート法、リバースロール法、スクリーン印刷法、バーコーター法等通常の塗膜形成法が用いられることができる。また、基材間に塗布する方法としては、ラミネート法、ロールツーロール法等が挙げられる。
以下に合成実施例及び評価実施例により、本発明を詳細に、より具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、以下において、%は重量%を表す。
合成実施例1
還流冷却管、撹拌機、温度計を設けた5000mL容量のフラスコに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチル(略称ESD)1300g、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール(略称MAPD)2245g、ナトリウムメトキシド25%メタノール溶液16.4gを加え、100℃まで昇温し、3時間反応させた。反応終了後、反応液を40℃まで冷却し、96%の硫酸3.9gで中和し、減圧下で副生したメタノール、水及び未反応の原料などを留出除去し、N−メチル−N−2,3−ジヒドロキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド(略称MDPAD)1944gを淡黄色液体として得た。ガスクロマトグラフで分析した結果、純度は97.7%であった。
得られたMDPADに炭酸ジメチル3100gを加え、90℃まで昇温し、6時間反応させた。副生したメタノールや未反応の原料等は減圧下で留出除去し、N−メチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド(略称MOMAD)1976gを淡黄色液体として得た。液体クロマトグラフで分析した結果、純度は94.1%であった。
得られたMOMADにジエチレングリコールジエチルエーテル2000g、硫酸ナトリウム11.2gを加え、200℃まで昇温し、5時間反応させた。反応後、溶媒を減圧下で留出除去し、N−メチル−N−2,3−エポキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド(略称MGAD)1613gを褐色液体として得た。液体クロマトグラフで分析した結果、純度は81.3%であった。
得られたMGADにハイドロキノンモノメチルエーテル(略称MHQ)0.9gを加え、30Torrの減圧下、420℃に加熱した熱分解管へ連続供給しながら気相熱分解させ、生成したN−メチル−N−グリシジルアクリルアミド(略称MGAA)を30℃の熱交換器で凝縮し、粗モノマーとして940gを取得した。この粗モノマーを高さ20cmのディクソンパッキン(サイズ6mm)充填塔付きの蒸留精製装置に移し、フェノチアジン(TDA)0.9gを加え、減圧蒸留により精製を行い、淡黄色液体として純度97.3%のMGAA(約100℃/0.5Torr)を720g取得した。
還流冷却管、撹拌機、温度計を設けた5000mL容量のフラスコに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチル(略称ESD)1300g、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール(略称MAPD)2245g、ナトリウムメトキシド25%メタノール溶液16.4gを加え、100℃まで昇温し、3時間反応させた。反応終了後、反応液を40℃まで冷却し、96%の硫酸3.9gで中和し、減圧下で副生したメタノール、水及び未反応の原料などを留出除去し、N−メチル−N−2,3−ジヒドロキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド(略称MDPAD)1944gを淡黄色液体として得た。ガスクロマトグラフで分析した結果、純度は97.7%であった。
得られたMDPADに炭酸ジメチル3100gを加え、90℃まで昇温し、6時間反応させた。副生したメタノールや未反応の原料等は減圧下で留出除去し、N−メチル−N−[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド(略称MOMAD)1976gを淡黄色液体として得た。液体クロマトグラフで分析した結果、純度は94.1%であった。
得られたMOMADにジエチレングリコールジエチルエーテル2000g、硫酸ナトリウム11.2gを加え、200℃まで昇温し、5時間反応させた。反応後、溶媒を減圧下で留出除去し、N−メチル−N−2,3−エポキシプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボキサミド(略称MGAD)1613gを褐色液体として得た。液体クロマトグラフで分析した結果、純度は81.3%であった。
得られたMGADにハイドロキノンモノメチルエーテル(略称MHQ)0.9gを加え、30Torrの減圧下、420℃に加熱した熱分解管へ連続供給しながら気相熱分解させ、生成したN−メチル−N−グリシジルアクリルアミド(略称MGAA)を30℃の熱交換器で凝縮し、粗モノマーとして940gを取得した。この粗モノマーを高さ20cmのディクソンパッキン(サイズ6mm)充填塔付きの蒸留精製装置に移し、フェノチアジン(TDA)0.9gを加え、減圧蒸留により精製を行い、淡黄色液体として純度97.3%のMGAA(約100℃/0.5Torr)を720g取得した。
合成実施例2
合成実施例1と同様にして得られたMOMAD 1500gに硫酸ナトリウム17gを加え、20Torrの減圧下、220℃の薄膜蒸発器へ連続供給しながら脱炭酸反応させ、生成したMGADを80℃の熱交換器で凝縮させて1185gを淡黄色液体として得た。液体クロマトグラフで分析した結果、純度は90.4%であった。得られたMGADを合成実施例1と同様に気相熱分解、蒸留精製し、淡黄色液体として純度98.0%のMGAAを620g取得した。
合成実施例1と同様にして得られたMOMAD 1500gに硫酸ナトリウム17gを加え、20Torrの減圧下、220℃の薄膜蒸発器へ連続供給しながら脱炭酸反応させ、生成したMGADを80℃の熱交換器で凝縮させて1185gを淡黄色液体として得た。液体クロマトグラフで分析した結果、純度は90.4%であった。得られたMGADを合成実施例1と同様に気相熱分解、蒸留精製し、淡黄色液体として純度98.0%のMGAAを620g取得した。
合成実施例3
合成実施例1と同様にして得られたMOMAD 1500gにMHQ 0.8gを加え、30Torrの減圧下、420℃に加熱した熱分解管へ連続供給しながら、脱炭酸反応と気相熱分解反応を同時に行った。得られた粗モノマーを合成実施例1と同様に蒸留精製し、淡黄色液体として純度99.1%のMGAAを670g取得した。
合成実施例1と同様にして得られたMOMAD 1500gにMHQ 0.8gを加え、30Torrの減圧下、420℃に加熱した熱分解管へ連続供給しながら、脱炭酸反応と気相熱分解反応を同時に行った。得られた粗モノマーを合成実施例1と同様に蒸留精製し、淡黄色液体として純度99.1%のMGAAを670g取得した。
本発明の製造方法により得られたエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドについて、活性エネルギー線硬化性の評価結果、及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とした時の各応用分野における特性の評価結果などを以下に示す。実施例及び比較例に用いた材料は以下の通りである。
MGAA:N−メチル−N−グリシジルアクリルアミド
GA:グリシジルアクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
4HBAGE:4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート
UV−7600B:ウレタンアクリレート(日本合成化学社製)
「DMAA」:N,N−ジメチルアクリルアミド(KJケミカルズ社製、商品名「DMAA」)
「DEAA」:N,N−ジエチルアクリルアミド(KJケミカルズ社製、商品名「DEAA」)
「ACMO」:アクリロイルモルホリン(KJケミカルズ社製、商品名「ACMO」)
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
IBOA:イソボルニルアクリレート
AAc:アクリル酸
MEK:メチルエチルケトン
MGAA:N−メチル−N−グリシジルアクリルアミド
GA:グリシジルアクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
4HBAGE:4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート
UV−7600B:ウレタンアクリレート(日本合成化学社製)
「DMAA」:N,N−ジメチルアクリルアミド(KJケミカルズ社製、商品名「DMAA」)
「DEAA」:N,N−ジエチルアクリルアミド(KJケミカルズ社製、商品名「DEAA」)
「ACMO」:アクリロイルモルホリン(KJケミカルズ社製、商品名「ACMO」)
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
IBOA:イソボルニルアクリレート
AAc:アクリル酸
MEK:メチルエチルケトン
評価実施例A−1
合成実施例3で得られたMGAA 10gに光ラジカル重合開始剤としてBASF社製の商品名Darocur1173 0.3gを添加、混合し、紫外線(UV)硬化速度をリアルタイムFT−IR(測定機:Nicolet iS50 FT−IR、検出器:MCT−A、UV照度:300mW/cm2)により測定した。紫外線硬化速度は800cm−1付近に現れるビニル基由来のCH面外変角振動バントの減少率が90%に到達するまでの紫外線照射時間で測定し、結果を表1に示す。なお、照射時間が短い程、硬化速度が速く、硬化性が良い。
合成実施例3で得られたMGAA 10gに光ラジカル重合開始剤としてBASF社製の商品名Darocur1173 0.3gを添加、混合し、紫外線(UV)硬化速度をリアルタイムFT−IR(測定機:Nicolet iS50 FT−IR、検出器:MCT−A、UV照度:300mW/cm2)により測定した。紫外線硬化速度は800cm−1付近に現れるビニル基由来のCH面外変角振動バントの減少率が90%に到達するまでの紫外線照射時間で測定し、結果を表1に示す。なお、照射時間が短い程、硬化速度が速く、硬化性が良い。
評価比較例A−2〜A−4
評価実施例A−1のMGAAの代わりに、GA(評価比較例A−2)、GMA(評価比較例A−3)、4HBAGE(評価比較例A−4)10gを用い、光ラジカル重合開始剤Darocur1173 0.3gを添加、混合し、評価実施例A−1と同様に評価した。結果を表1に示す。
評価実施例A−1のMGAAの代わりに、GA(評価比較例A−2)、GMA(評価比較例A−3)、4HBAGE(評価比較例A−4)10gを用い、光ラジカル重合開始剤Darocur1173 0.3gを添加、混合し、評価実施例A−1と同様に評価した。結果を表1に示す。
評価実施例B−1
合成例3で合成したMGAA 80g、DPHA 20gを混合し、該混合液に対して光重合開始剤Darocur1173 3gを加え、混合溶解させ、紫外線硬化可能なハードコート剤を得た。その後、得られたハードコート剤を用いて、下記方法により紫外線硬化型ハードコート層を作製した。
合成例3で合成したMGAA 80g、DPHA 20gを混合し、該混合液に対して光重合開始剤Darocur1173 3gを加え、混合溶解させ、紫外線硬化可能なハードコート剤を得た。その後、得られたハードコート剤を用いて、下記方法により紫外線硬化型ハードコート層を作製した。
紫外線硬化型ハードコート層の作製方法
厚さ100μmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルムを額縁状の木枠に固定し、フィルムを台座の上に押し当てた状態で、フィルムの先方の端にハードコート剤を帯状に滴下して、バーコーター(RDS 3)で全体に均等な力がかかるように両端を押さえ、回転させずに同じ速さ(5cm/sec)で手前まで引いて塗布し、塗膜を得た。次に塗布面を上向きにして紫外線照射を行って硬化させ、ハードコート層を得た。
紫外線硬化条件は、出力300W、単位当たり出力50W/cmの高圧水銀灯1本を設置した紫外線照射装置(オーク製作所社製 モデルOHD320M)を使用し、紫外線照度は20mW/cm2になるように試料板とランプの距離を調節した。塗膜の表面がベタつかなくなるまでに必要な照射時間を硬化時間として測定した。
厚さ100μmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルムを額縁状の木枠に固定し、フィルムを台座の上に押し当てた状態で、フィルムの先方の端にハードコート剤を帯状に滴下して、バーコーター(RDS 3)で全体に均等な力がかかるように両端を押さえ、回転させずに同じ速さ(5cm/sec)で手前まで引いて塗布し、塗膜を得た。次に塗布面を上向きにして紫外線照射を行って硬化させ、ハードコート層を得た。
紫外線硬化条件は、出力300W、単位当たり出力50W/cmの高圧水銀灯1本を設置した紫外線照射装置(オーク製作所社製 モデルOHD320M)を使用し、紫外線照度は20mW/cm2になるように試料板とランプの距離を調節した。塗膜の表面がベタつかなくなるまでに必要な照射時間を硬化時間として測定した。
ハードコート層の特性を下記方法で評価し、結果を表2に示す。
(耐擦傷性試験)
#0000のスチールウールを用いて、200g/cm2の荷重をかけながら10往復させ、傷の発生の有無を評価した(◎:膜の剥離や傷の発生がほとんど認められない;○:膜にわずかな細い傷が認められる;△:膜全面に筋状の傷が認められる。;×:膜の剥離が生じる)。
(鉛筆硬度の評価)
JIS K 5400 8.4 手かき法(1990年版)に基づき評価した。
(密着性の評価)
JIS K 5400 8.5 碁盤目テープ法(1990年版)に基づき1mm角のます目を100個作成し、セロハンテープを貼り付け、一気に剥がした時に基材側にハードコート層が残ったます目の数を数えて評価した。
(耐擦傷性試験)
#0000のスチールウールを用いて、200g/cm2の荷重をかけながら10往復させ、傷の発生の有無を評価した(◎:膜の剥離や傷の発生がほとんど認められない;○:膜にわずかな細い傷が認められる;△:膜全面に筋状の傷が認められる。;×:膜の剥離が生じる)。
(鉛筆硬度の評価)
JIS K 5400 8.4 手かき法(1990年版)に基づき評価した。
(密着性の評価)
JIS K 5400 8.5 碁盤目テープ法(1990年版)に基づき1mm角のます目を100個作成し、セロハンテープを貼り付け、一気に剥がした時に基材側にハードコート層が残ったます目の数を数えて評価した。
評価実施例B−2〜B−5、評価比較例B−6〜B−9
表2に記載の組成に変えた以外は評価実施例B−1と同様にハードコート層を作製、評価した。結果を表2と表3に示す。
表2に記載の組成に変えた以外は評価実施例B−1と同様にハードコート層を作製、評価した。結果を表2と表3に示す。
評価実施例C−1
攪拌機、還流冷却管、温度計及びガス導入管を設けた500mL容量のセパラブルフラスコに、IBOA 60g、AAc 42g、MEK 250mLを投入し、撹拌下、窒素ガスで1時間脱気した。この後、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製V−65)1.9gをMEK 30mLに溶解させた溶液を加え、窒素ガスを通しながら、70℃に昇温して6時間重合反応を実施することでプレポリマーを合成した。このプレポリマー液からMEKを一部蒸留で除去し、プレポリマー濃度が70%になる様に調整した。導入ガスを窒素から空気に変更し、MGAA 244g、MHQ 0.2g、トリフェニルホスフィン(TPP)1.5gを投入し、80℃で5時間反応させた。反応液を室温に戻し、側鎖にビニル基を有するアクリルポリマーとMGAAの混合物の溶液(略称ポリマー液)を得た。該ポリマー液40g(固形分重量)にPETA 40g、DMAA 20g、光重合開始剤Darocur1173 3gを加え、混合溶解させ、ハードコート剤を得た。得られたハードコート剤を用いて、評価実施例B−1同様にPETフィルム上に塗布し、熱風乾燥機で120℃、3分の条件でMEKを除去した。その後、評価実施例B−1同様に紫外線照射を行って硬化させ、ハードコート層を得た。ハードコート層の特性を上記方法で評価し、結果を表3に示す。
攪拌機、還流冷却管、温度計及びガス導入管を設けた500mL容量のセパラブルフラスコに、IBOA 60g、AAc 42g、MEK 250mLを投入し、撹拌下、窒素ガスで1時間脱気した。この後、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製V−65)1.9gをMEK 30mLに溶解させた溶液を加え、窒素ガスを通しながら、70℃に昇温して6時間重合反応を実施することでプレポリマーを合成した。このプレポリマー液からMEKを一部蒸留で除去し、プレポリマー濃度が70%になる様に調整した。導入ガスを窒素から空気に変更し、MGAA 244g、MHQ 0.2g、トリフェニルホスフィン(TPP)1.5gを投入し、80℃で5時間反応させた。反応液を室温に戻し、側鎖にビニル基を有するアクリルポリマーとMGAAの混合物の溶液(略称ポリマー液)を得た。該ポリマー液40g(固形分重量)にPETA 40g、DMAA 20g、光重合開始剤Darocur1173 3gを加え、混合溶解させ、ハードコート剤を得た。得られたハードコート剤を用いて、評価実施例B−1同様にPETフィルム上に塗布し、熱風乾燥機で120℃、3分の条件でMEKを除去した。その後、評価実施例B−1同様に紫外線照射を行って硬化させ、ハードコート層を得た。ハードコート層の特性を上記方法で評価し、結果を表3に示す。
評価実施例C−2〜C−3、評価比較例C−4〜C−6
表3に記載の組成に変えた以外は実施例C−1と同様にポリマー液を合成した後、ハードコート層を作製、評価した。結果を表4と表5に示す。
表3に記載の組成に変えた以外は実施例C−1と同様にポリマー液を合成した後、ハードコート層を作製、評価した。結果を表4と表5に示す。
評価実施例と評価比較例の結果に示される通り、本発明の製造方法で得られるエポキシ基含有(メタ)アクリルアミド及びそれを用いた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性、密着性、強度等において高性能な素材である。
本発明によれば、エポキシ基含有(メタ)アクリルアミドを工業的に有利に製造できる。得られた(メタ)アクリルアミドは、活性エネルギー線に対して感度が高く、硬化速度が速いので、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に好適に用いることができ、塗料やハードコートなどのコーティング剤、粘接着剤、電子材料、繊維、インク、光造形、レジストなどの用途に好適に用いることができる。
Claims (4)
- 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の製造方法により得られたエポキシ基含有(メタ)アクリルアミドを用いた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014114661A JP2015229633A (ja) | 2014-06-03 | 2014-06-03 | エポキシ基含有(メタ)アクリルアミド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014114661A JP2015229633A (ja) | 2014-06-03 | 2014-06-03 | エポキシ基含有(メタ)アクリルアミド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015229633A true JP2015229633A (ja) | 2015-12-21 |
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ID=54886613
Family Applications (1)
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JP2014114661A Pending JP2015229633A (ja) | 2014-06-03 | 2014-06-03 | エポキシ基含有(メタ)アクリルアミド |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2015229633A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7448067B1 (ja) | 2023-04-19 | 2024-03-12 | artience株式会社 | 帯電防止性ハードコートフィルム |
-
2014
- 2014-06-03 JP JP2014114661A patent/JP2015229633A/ja active Pending
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