JP4918819B2 - 石油樹脂アクリレート及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、新規な石油樹脂アクリレート及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは光硬化性の印刷インキ、塗料、接着剤向け原料として好適な光硬化性を示す新規な石油樹脂アクリレート及びその製造方法を提供するものである。
近年、紫外線(UV)や電子線(EB)で硬化する光硬化樹脂は、無溶媒、省エネルギーや低環境負荷などの特徴から用途が拡大している。光硬化樹脂は、硬化(重合)後の樹脂物性・性能に影響するオリゴマーと、主に樹脂粘度を調整する役割のモノマー、及び光重合開始剤を主な原料として構成される。また、硬化の形式によりラジカル重合により硬化する樹脂とカチオン重合により硬化する樹脂に分けられるが、実用面では圧倒的にラジカル重合により硬化する樹脂が主流である。
ラジカル重合により硬化する樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどが知られ、既にエレクトロニクス分野や塗料・コーティング分野で各々の特徴を活かした用途が形成されている。
一方、石油樹脂を基本骨格とするアクリレートは殆ど知られていない。その中でフェノール性水酸基含有芳香族系炭化水素樹脂に水酸基に対して過剰量のポリイソシアネートを反応させた後、残存するイソシアネート基に活性水素を有するα、β−不飽和化合物を反応させる光硬化性樹脂(例えば特許文献1参照。)、ジシクロペンタジエンとアリルアルコールの共重合樹脂にアクリル酸またはメタクリル酸をエステル化反応させた樹脂(例えば特許文献2参照。)が提案されている。
特許第3058179号公報 特公昭53−36495号公報
特許文献1,2に提案された方法においては、フェノールやアリルアルコールといった水酸基を持つモノマーを共重合させた石油樹脂とし、水酸基を含有する石油樹脂を光硬化性物質で変性することにより光硬化性樹脂とすることが可能であった。これらの方法においては、共重合により水酸基を含有する石油樹脂を調製する際に従来の製造設備の改造が必要となる、光硬化を効率的に行う為には石油樹脂の水酸基量を高める必要がある、という課題があった。
そこで、本発明は、共重合により水酸基を含有する石油樹脂を調製する必要が無く従来からの石油樹脂を変性することにより、任意に光硬化能を付与した新規な石油樹脂アクリレート及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、α,β−不飽和ジカルボン酸無水物により石油樹脂を変性し、α,β−不飽和ジカルボン酸無水物変性石油樹脂とし、ヒドロキシ化合物とエステル化反応を行うことにより得られる新規な石油樹脂アクリレートを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で示されるアクリロイル基を有するカルボン酸エステル残基を有する石油樹脂であることを特徴とする石油樹脂アクリレート及びその製造方法に関するものである。
Figure 0004918819
(ここで、R1及びR2はそれぞれ独立して水素又はメチル基を示し、Rは炭素数2以上の炭化水素基を示す。)
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の石油樹脂アクリレートは、上記一般式(1)で示されるアクリロイル基を有するカルボン酸エステル残基により変性された石油樹脂である。
本発明の石油樹脂アクリレートは、上記一般式(1)で示されるアクリロイル基を有するカルボン酸エステル残基を有することにより光硬化性を示すものである。ここで、一般式(1)におけるR1及びR2は、それぞれ独立して水素又はメチル基を示す。また、Rは炭素数2以上の炭化水素基を示し、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等を挙げることができる。
また、本発明の石油樹脂アクリレートを構成する石油樹脂としては、一般的に石油樹脂として知られている範疇に属するものであれば如何なるものでもよく、例えば脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂を挙げることができる。
脂肪族系石油樹脂とは、その原料として石油類の熱分解により得られる分解油のうち沸点範囲が15〜70℃の範囲にあるC5留分、例えばメチルブテン、ペンテン、イソプレン、ピペリレン、シクロペンテン、シクロペンタジエンなどを、単独重合又は共重合して得られた樹脂である。
芳香族系石油樹脂とは、その原料油として石油類の熱分解により得られる分解油のうち沸点範囲が140〜280℃の範囲にあるC9留分、例えばスチレン、そのアルキル誘導体であるα−メチルスチレンやβ−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン及びそのアルキル誘導体;ジシクロペンタジエン及びその誘導体などを、単独重合又は共重合して得られた樹脂である。
脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂とは、その原料として前述のC5留分とC9留分とを共重合して得られた樹脂である。
また、DCPD樹脂とは、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、これらの2〜5量体などを、単独重合、共重合して得られた樹脂である。
本発明の石油樹脂アクリレートは、一般式(1)で示されるアクリロイル基を有するカルボン酸エステル残基を前記石油樹脂に導入することにより得られるものである。その際の導入方法としては、該カルボン酸エステル残基を導入することが可能であれば如何なる方法を用いてもよく、例えばα,β−不飽和ジカルボン酸無水物により石油樹脂を変性し、そのα,β−不飽和ジカルボン酸無水物変性石油樹脂(α,β−不飽和ジカルボン酸無水物残基を有する石油樹脂)とアクリル酸ヒドロキシ化合物又はメタクリル酸ヒドロキシ化合物とをエステル化反応することにより導入することができる。
ここで、用いるα,β−不飽和ジカルボン酸無水物としては、好ましくは炭素数3〜36のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物、特に好ましくは炭素数3〜18のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物が挙げられ、例えば無水マレイン酸、無水シトラコン酸、クロル無水マレイン酸等が挙げられる。その中でも、反応効率、入手の容易さから無水マレイン酸が好ましい。
また、用いるアクリル酸ヒドロキシ化合物又はメタクリル酸ヒドロキシ化合物としては、例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシアクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、価格や入手の容易さなどの観点からアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。
そして、これらの中でも本発明の石油樹脂アクリレートにおける一般式(1)で示されるアクリロイル基を有するカルボン酸エステル残基を石油樹脂に導入方法としては、無水マレイン酸により石油樹脂を変性(無水マレイン酸残基を有する石油樹脂)し、その無水マレイン酸変性石油樹脂(無水マレイン酸残基を有する石油樹脂)とアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルとをエステル化反応することにより導入する方法が好ましい。その結果、一般式(1)で示されるアクリロイル基を有するカルボン酸エステル残基が、アクリル酸2−ヒドロキシエチルと無水マレイン酸残基とからなるカルボン酸エステル残基及び/又はメタクリル酸2−ヒドロキシルエチルと無水マレイン酸残基とからなるカルボン酸エステル残基となる石油樹脂アクリレートが得られるものである。
本発明の石油樹脂アクリレートは、液状又は固体状であってもよく、その際に石油樹脂アクリレートを構成する石油樹脂は液状又は固体状であってもよい。
また、本発明の石油樹脂アクリレートは、希釈剤との溶解性及び粘度制御の観点から軟化点が0〜150℃であることが好ましく、特に0〜120℃であることが好ましい。また、酸価については、特に制限はなくその中でも光硬化性の観点から1〜300mg・KOH/gであることが好ましい。
本発明の石油樹脂アクリレートの製造方法としては、該石油樹脂アクリレートを製造することが可能である限りにおいて如何なる方法を用いてもよく、その中でも特に効率よく本発明の石油樹脂アクリレートを製造することが可能となることから、例えば少なくとも下記の2つの工程を経る方法により製造することが好ましい。
(1)工程;α,β−不飽和ジカルボン酸無水物により石油樹脂を変性し、α,β−不飽和ジカルボン酸無水物変性石油樹脂とする工程。
(2)工程;(1)工程により得られた、α,β−不飽和ジカルボン酸無水物変性石油樹脂と下記一般式(2)で示されるヒドロキシ化合物とをエステル化反応し、石油樹脂アクリレートとする工程。
Figure 0004918819
(ここで、R3,R4はそれぞれ独立して水素又はメチル基を示し、Lは炭素数2以上の炭化水素基を示す。)
ここで、(1)工程に用いられるα,β−不飽和ジカルボン酸無水物としては、好ましくは炭素数3〜36のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物、特に好ましくは炭素数3〜18のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物が挙げられ、例えば無水マレイン酸、無水シトラコン酸、クロル無水マレイン酸等が挙げられる。その中でも、反応効率、入手の容易さから無水マレイン酸であることが好ましい。
また、石油樹脂としては、上記したものと同様に脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂を挙げることができる。
(1)工程により、α,β−不飽和ジカルボン酸無水物変性石油樹脂を製造する際には、石油樹脂100重量部に対して、光硬化性を示す石油樹脂アクリレートを効率よく製造することが可能となることからα,β−不飽和ジカルボン酸無水物を0.1〜100重量部の割合で用いることが好ましく、特に0.1〜50重量部であることが好ましい。その際の反応は、無触媒または有機過酸化物等のラジカル開始剤の存在下、100〜250℃の温度範囲で0.5〜100時間の範囲で行うことが好ましい。また、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの脂肪族または芳香族炭化水素系溶剤などの不活性な溶剤の存在下で実施しても構わない。(1)工程で未反応物として残存するα、β−不飽和ジカルボン酸無水物は、加熱下で不活性ガスを吹き込み除去することが出来る。
(1)工程により得られるα,β−不飽和ジカルボン酸無水物変性石油樹脂は、光硬化性の効率に優れる石油樹脂アクリレートの原材料となることから、酸価が1〜500mg・KOH/gであることが好ましく、特に1〜300mg・KOH/gであることが好ましい。
(2)工程は、(1)工程により得られたα,β−不飽和ジカルボン酸無水物変性石油樹脂と上記一般式(2)で示されるヒドロキシ化合物とをエステル化反応し、石油樹脂アクリレートとする工程である。
上記一般式(2)で示されるヒドロキシ化合物のR3,R4はそれぞれ独立して水素又はメチル基を示す。また、Lは炭素数2以上の炭化水素基を示し、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等を挙げることができる。そして、該ヒドロキシ化合物としては、例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシアクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、価格や入手の容易さなどの観点からアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。
(2)工程おいて、石油樹脂アクリレートとする際には、α,β−不飽和カルボン酸無水物変性石油樹脂の酸無水物基1当量に対して、ヒドロキシル基の割合が0.5〜3当量となるように該ヒドロキシル化合物を用いることが好ましく、特に0.9〜2当量で用いることが好ましい。エステル化反応の際には、溶融状態又はヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの脂肪族または芳香族炭化水素溶媒に溶解した状態で反応してもよく、0〜250℃の温度範囲で0.5〜200時間の反応を行うことが好ましい。また、エステル化反応を円滑に進めるため、触媒として有機酸、無機酸、アミン類、有機金属化合物、アルカリ金属化合物などを用いることが好ましい。
また、(1)工程及び/又は(2)工程は、常圧または加圧反応装置を用いて製造することができ、エステル化反応の際には生成する水を除去するための装置を設置してもよい。さらに、溶媒を用いる場合は反応後に溶媒を除去するための蒸留設備を設置していてもよい。
本発明の石油樹脂アクリレートは、光重合開始剤を加え、紫外線、電子線等の活性エネルギーを照射することにより、架橋が進行し硬化物を生成する。その際、粘度や硬化物の性能や硬化速度を調節する目的で、反応性希釈剤を用いることができる。
光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等を用いることができる。また、反応性希釈剤としては、トリメチロールプロパントリアクリレートやペンタエリスリトールトリアクリレート等の光重合性モノマーが挙げられる。硬化を進行させるための活性エネルギー線は、光重合開始剤の吸収波長によっても異なるが通常はキセノンランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等の光源が利用される。
本発明により、光硬化樹脂のオリゴマーとなる新規な石油樹脂アクリレートを提供することができる。本樹脂を希釈剤、開始剤と共に用いると、接着剤や印刷インキなどの用途で幅広く用いることができる。
以下に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例において用いた原料、分析、試験法は下記の通りである。
1.原料
(1)石油樹脂
(a)脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂(東ソー株式会社製、ペトロタック70)(石油樹脂A)
(b)脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂(東ソー株式会社製、ペトロタック90)(石油樹脂B)
(c)芳香族系石油樹脂(東ソー株式会社製、ペトコールLX)(石油樹脂C)
(d)芳香族系石油樹脂(東ソー株式会社製、ペトロール120)(石油樹脂D)
(e)脂肪族系石油樹脂(丸善石油化学株式会社製、マルカレッツT−100AS)(石油樹脂E)
(f)DCPD樹脂(丸善石油化学株式会社製、マルカレッツM−890A)(石油樹脂F)
(2)無水マレイン酸(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)
(3)ヒドロキシアルキルアクリレート(HAA)
(a)アクリル酸2−ヒドロキシエチル(和光純薬工業株式会社製、試薬1級)(HEA)
(b)メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(和光純薬工業株式会社製、試薬1級)(HEMA)
(4)光重合開始剤ダロキュア1173(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)
(5)希釈剤トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成株式会社製)
2.分析方法
軟化点:JIS K2207に従って測定。
酸価:JIS K5902に従って測定。
数平均分子量(分子量Mn)及び重量平均分子量(分子量Mw):ポリスチレンを標準物質としてゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した。
1H NMRの測定条件:溶媒クロロホルム−d、温度25℃
3.硬化塗膜の性能評価
(1)硬化塗膜の作成
実施例及び比較例で得られた樹脂50部、希釈剤トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)50部及び光重合開始剤(ダロキュア1173)5部を混合し、軟鋼板にバーコーターにより膜厚10μmになる様に塗布し、以下の硬化条件で紫外線を照射して硬化させる。
80W/cm×1灯、紫外線灯との間隔20cm
(2)塗膜性能評価方法
(a)硬化速度:硬化に要した時間(秒)
(b)鉛筆硬度:JIS K5600−5−4に従って測定。
(c)密着性:JIS K5600−5−6に従って測定し、表1の通り評価した。
Figure 0004918819
4.印刷インキの性能評価
(1)インキの作成
実施例及び比較例で得られた樹脂30部、アゾ系紅顔料(カーミン6B)17部、希釈剤(TMPTA)45部、光重合開始剤(ダロキュア1173)7部及び重合防止剤4−メトキシフェノール(MEHQ)0.1部を配合して赤色インキ作成し、印刷適性試験を行った。
(2)インキ性能評価
(a)硬化速度:硬化に要した時間(秒)
(b)光沢:硬化後の印刷物の光沢を肉眼観察して評価した。
良好:印刷面が平滑であり、艶がある場合を良好とした。
普通:印刷面に艶がある場合を普通とした。
不良:印刷面に艶がなく、光を当てても反射しない場合を不良とした。
(c)ミスチング:インコメーターのロールの前に紙を置き、インキが付着したロールを1分間に1200回転させてインキをミスチングさせ、1分間に紙面に飛散したインキ量を測定し評価した。
少ない:重量増加100mg未満の場合を少ないとした。
多い :重量増加100mg以上の場合を多いとした。
実施例1
(石油樹脂アクリレートの製造)
石油樹脂A(軟化点70℃、重量平均分子量(Mw)1440)1,000gを攪拌機の付いたガラス製フラスコに入れて、225℃で加熱溶融させた後、無水マレイン酸200gを加えて、225℃、3時間反応させ無水マレイン酸変性石油樹脂(無水マレイン酸残基を有する石油樹脂)を得た。引き続いて、無水マレイン酸変性石油樹脂100gをトルエン100gに80℃で溶解させた後、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)22.1g(無水マレイン酸と等モル量)、触媒としてトリエチルアミン0.25gを加えて、80℃、3時間密閉反応器内でエステル化反応を行った。この反応物溶液から溶媒のトルエンを減圧除去した。
そして、1H NMR測定より、図1の通り一般式(1)で示されるアクリロイル基を有するカルボン酸エステル残基(実施例1:一般式(1)においてR1及びR2いずれも水素)を有する石油樹脂アクリレートであることを確認した。
この石油樹脂アクリレートの軟化点、酸価、分子量及び性能評価の結果を表2に示す。
実施例2〜10
石油樹脂の種類、無水マレイン酸の使用量、及びヒドロキシアルキルアクリレートを別表のように変更した以外は、実施例1と同様にして石油樹脂アクリレートを調製した。それぞれの軟化点、酸価、分子量及び性能評価の結果を表2に示す。
Figure 0004918819
比較例1
実施例1でHEMAによるエステル化反応を行う前の、無水マレイン酸変性石油樹脂の軟化点、酸価、分子量を表3に示す。また、実施例と同様に性能評価を試みたが、TMPTAと均一溶液ができず光硬化樹脂に適したものではなかった。
Figure 0004918819
石油樹脂A及び実施例1で得られた石油樹脂アクリレートの1H NMRチャート

Claims (3)

  1. 少なくとも下記の2つの工程を経ることを特徴とする石油樹脂アクリレートの製造方法。
    (1)工程;α,β−不飽和ジカルボン酸無水物により、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の石油樹脂を変性し、α,β−不飽和ジカルボン酸無水物変性石油樹脂とする工程。
    (2)工程;(1)工程により得られた、α,β−不飽和ジカルボン酸無水物変性石油樹脂と下記一般式(1)で示され、アクリル酸2−ヒドロキシエチル及び/又はメタクリル酸2−ヒドロキシエチルであるヒドロキシ化合物とを、トリエチルアミンからなる触媒存在下、トルエンからなる溶媒中で、エステル化反応し、石油樹脂アクリレートとする工程。
    Figure 0004918819
    (ここで、R3、R4はそれぞれ独立して水素又はメチル基を示し、Lは炭素数2以上の炭化水素基を示す。)
  2. (1)工程を温度範囲100〜250℃、0.5〜100時間で反応し、(2)工程を温度範囲0〜250℃、0.5〜200時間で反応することを特徴とする請求項1に記載の石油樹脂アクリレートの製造方法。
  3. (1)工程のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物が無水マレイン酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の石油樹脂アクリレートの製造方法。
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