JP2015229183A - 疲労特性に優れた構造物 - Google Patents

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【課題】主板と副板との溶接継手を有する構造物の使用中に、過大な圧縮負荷の作用が想定される部位の疲労特性を高める。【解決手段】主板1と副板2との溶接継手3を有する構造物であって、溶接継手3を形成する溶接金属3の降伏強度が周囲の鋼材4の1.2倍以上であり、上記溶接継手3の止端から溶接金属と逆側に主板板厚tの3倍以上の領域Wにおける主板1の降伏強度が周囲の鋼材4の1.5倍以上であり、上記溶接継手3の止端から溶接金属側に主板板厚tの1/3以上の領域Lにおける止端角度θが20度以下であり、上記領域Lにおける溶接の段差部に、曲率半径Rが主板板厚tの1/20以上、深さDが1mm以下の打撃痕が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼部材の溶接継手を有する疲労特性に優れた構造物に関する。
従来から、鋼部材の溶接継手の疲労特性を向上するために、溶接継手の止端部(以下「止端」と称する)に対してピーニング処理が行われている。例えば、下記特許文献1および非特許文献1には、空気圧式工具を用いたハンマーピーニング処理を行うことが記載されている。また、非特許文献2には、UIT(Ultrasonic Impact Treatment)装置を用いた超音波ピーニング処理(超音波衝撃処理)を行うことが記載されている。
これらのピーニング処理は、1mm〜10mm程度の曲率半径を有する硬質の先端を持つ振動端子で止端を繰り返し打撃して塑性加工させることにより実施される。一般に、止端には溶接の際の局所的な加熱・冷却により引張残留応力が発生している。そこで、止端に対してこのようなピーニング処理を行うと、止端の近傍に圧縮残留応力を導入すると共に、止端の表面の形状を滑らかにすることができる。これにより、止端における応力集中を緩和することができ、溶接継手の疲労強度を向上させることができる。
また、超音波ピーニング処理など、圧縮残留応力を用いた耐疲労技術は、引張側にのみ負荷が作用する場合、溶接構造物の疲労強度改善に極めて有効である。しかし、圧縮方向に大きな負荷がかかった際には疲労特性の改善効果が消失することがあるため、その対策として、鋼材の圧縮降伏応力を想定負荷応力の10/9倍とする技術が提案されている(例えば、下記特許文献2参照)。
この特許文献2は、ホットスポット応力(溶接ビード形状の影響を無視し、構造的不連続の影響による応力の上昇を考慮した止端位置における応力)の圧縮応力の最大値を、鋼材の圧縮降伏応力の90%以下とするものである。しかし、更に過大な圧縮負荷の作用が想定される部位の疲労特性を高める技術の提案が必要である。
特開平4−21717号公報 特開2012−23818号公報
IIW Commission XIII, IIW recommendation Post Weld Improvement of Steel and Aluminum Structures, Revised March 2009, p.20〜27 野瀬哲郎著、「疲労強度向上向け超音波ピーニング方法」、溶接学会誌、第77巻(2008)、第3号、p.210〜213
以上のように、従来の技術では、鋼部材の溶接継手を有する構造物の使用中に、過大な圧縮負荷の作用によって、ピーニング処理により導入した圧縮残留応力が低下、喪失する虞があるという問題点があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、主板と副板との溶接継手を有する構造物の使用中に、過大な圧縮負荷の作用が想定される部位の疲労特性を高めることを目的とする。
本発明の疲労特性に優れた構造物は、主板と副板との溶接継手を有する構造物であって、上記溶接継手を形成する溶接金属の降伏強度が周囲の鋼材の1.2倍以上であり、上記溶接継手の止端から溶接金属と逆側に主板板厚tの3倍以上の領域Wにおける主板の降伏強度が周囲の鋼材の1.5倍以上であり、上記溶接継手の止端から溶接金属側に主板板厚tの1/3以上の領域Lにおける止端角度θが20度以下であり、上記領域Lにおける溶接の段差部に、曲率半径Rが主板板厚tの1/20以上、深さDが1mm以下の打撃痕が形成されていることを特徴とする。
また、上記構造物は、船舶、海洋構造物、洋上風力発電機などの繰り返し荷重を受ける構造物であることが好ましい。
本発明によれば、主板と副板との溶接継手を有する構造物の使用中に、ピーニング処理により導入した圧縮残留応力が喪失することを抑制し、過大な圧縮負荷の作用が想定される部位の疲労特性を高めることができるなど、産業上有用な著しい効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る疲労特性に優れた構造物を示す断面図である。 図1の溶接継手の部分拡大図である。 本発明の実施の形態における打撃痕を示す図である。 本発明の実施の形態における主板板厚tが100mmの場合の領域Lの範囲を例示する図である。 本発明の実施の形態における主板板厚tが100mmの場合の打撃痕の曲率半径Rの範囲を例示する図である。 本発明の実施の形態における主板板厚tが20mmの場合の領域Lの範囲を例示する図である。 本発明の実施の形態における主板板厚tが20mmの場合の打撃痕の曲率半径Rの範囲を例示する図である H形構造物に対して行った、本発明の実施例1の説明図である。 円柱構造物に対して行った、本発明の実施例2の説明図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る疲労特性に優れた構造物を示す断面図であり、図2は、図1の溶接継手の部分拡大図であり、図3は、打撃痕を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る構造物は、主板1と副板2との溶接継手3を有する。ここに、主板1は、周囲の鋼材4より強度を高めた鋼板であり、溶接継手3の止端8から溶接金属3と逆側に主板板厚tの3倍以上の領域Wにおける主板1の降伏強度が周囲の鋼材の1.5倍以上である。これにより、過大な圧縮負荷の作用が想定される部位の疲労特性を高めることができる。なお、本実施の形態において、副板2とは、主板1に溶接接合する鋼板をいい、溶接継手3とは、主板1と副板2との溶接継手をいう。
一般に、鋼部材の疲労に対する設計応力は、鋼部材の降伏応力が公称応力の2/3であると設定して算定する。一方、ホットスポット応力は、止端8から主板板厚tの1.5倍の距離までの応力分布から求められる。また、構造的応力集中が十分に緩和できる長さは、ホットスポット応力計算に用いられる領域の2倍以上である。そこで、本実施の形態においては、主板板厚tの3倍以上の領域Wに、降伏強度が周囲の鋼材4の1.5倍以上である主板1を用いることとした。これにより、主板1に過大な圧縮応力が作用する場合でも、十分な疲労強度が確保できる。
本実施形態において、溶接金属3は、第1の溶接金属31に加えて、追加の溶接金属である第2の溶接金属32を有しており、この溶接継手3を形成する第1溶接金属31および第2溶接金属32の降伏強度は周囲の鋼材4の1.2倍以上である。これにより、溶接継手3からの破断を防止することができる。
図2は、図1の溶接継手の部分拡大図である。図2に示すように、本実施の形態において、上記溶接継手3の止端8から溶接金属側に主板板厚tの1/3以上の領域Lにおける止端角度θが20度以下である。止端8から溶接金属側に主板板厚tの1/3以上の領域Lに止端角度20度以下の傾斜を設けることにより、止端8における応力集中を緩和することができる。ホットスポット応力が高いと、疲労強度が得られる応力領域が狭くなるため、高強度溶接材料を用いて溶接ビード幅を通常よりも大きくし、止端角度θを小さくする。これにより、止端8の位置を変更し、ホットスポット応力を低減させることができる。ここに、止端角度θとは、止端8における主板1の表面と溶接ビートの表面との成す角度をいう。
また、「ホットスポット応力」は、溶接ビード形状の影響を無視し、構造的不連続の影響による応力の上昇を考慮した溶接止端位置における応力である。ホットスポット応力の算定に際し、二次的な曲げ応力の影響を無視することができない場合には、この影響を考慮する。ホットスポット応力は、有限要素法による直接解析や、公称応力に応力集中係数を乗じることにより求めることができる。尚、ホットスポット応力は、「財団法人日本海事協会、疲労強度評価ガイドライン、2002年8月」や「CSR−B(Common Structural Rules for Bulk Carriers)のSection4」や「International Institue of Welding、Fatigue design of welded joints and components」等に記載されているので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
さらに、本実施の形態においては、上記領域Lにおける溶接の段差部に、図3に示すような、曲率半径Rが主板板厚tの1/20以上、深さDが1mm以下の打撃痕が形成されている。領域Lにおける溶接の段差部を打撃処理することで、応力集中による溶接金属3からの亀裂発生を防止し、溶接部全体としての疲労強度を高めることができる。なお、本実施の形態においては、主板1と周囲の鋼材4との溶接止端にも、打撃処理を施している。これにより、さらに、疲労強度を向上させることができる。
本実施の形態における打撃痕は、ハンマーピーニングや超音波衝撃処理等の高周波機械衝撃により形成された圧痕である。この打撃痕の曲率半径Rを主板板厚tの1/20以上、深さDが1mm以下とすることにより、応力集中を十分に小さくすることができる。ここに、溶接の段差部とは、多層盛溶接部の境界や溶接ビードの終始端に形成される凹凸をいう。また、曲率半径Rとは、打撃痕の円相当半径をいう。
また、本実施の形態における打撃痕10の曲率半径Rは、主板板厚tの1/20である。打撃痕10の断面における曲率半径Rが主板板厚tの1/20未満であると、止端8への応力集中を緩和することが不十分であり、耐疲労特性の向上を期待できない一方、曲率半径Rが10.0mmを超えても、応力集中を緩和する効果は飽和し、耐疲労特性のさらなる向上は得られず、また処理時間もより長く必要となる。尚、打撃痕10は、領域Lにおける溶接の段差部を中心として形成するが、止端8にも形成する。これを勘案して打撃位置と、打撃痕10の曲率半径を選定する。このような打撃痕10が形成された止端8では、止端の線は消滅する。これにより、疲労き裂の起点となり難くなり、耐疲労特性が向上する。
また、本実施の形態における打撃痕10の厚み方向の深さDは1.0mm以下である。これにより、打撃処理部7における応力集中を十分に緩和することができる。また、打撃痕10の厚み方向の深さDを大きくするには、打撃痕10を形成するための時間を要することから効率的ではないので、0.5mm以下とする。
ピーニング処理や超音波衝撃処理等の高周波機械衝撃を行う打撃装置は、振動端子と、振動装置とを備える。この打撃装置は、溶接線方向に沿って移動しながら、溶接継手に対して打撃を行い、前述した形状を有する打撃痕10を形成する。高周波機械衝撃処理の方法は、前述した形状を有する打撃痕10を形成することができれば、どのような方法であってもよい。例えば、ハンマーピーニング法、ニードルピーニング法、超音波ピーニング法等の方法を採用することができる。
このとき、打撃装置により振動端子を、10Hz以上50kHz以下の範囲の振動周波数で振動させ、且つ、0.01kW以上4kW以下の範囲の仕事率(出力)で打撃処理を施す。このような範囲で打撃処理を施すことによって、溶接金属の表面の金属が塑性流動し、溶接の際の局所的な加熱・冷却に伴って形成されていた引張残留応力を解放し、圧縮残留応力場を形成することができるからである。さらに、このような範囲で打撃処理を施すことによって、止端の表面が加工発熱し、この加工発熱が散逸しない断熱状態で繰り返し打撃処理を与えることにより、熱間鍛造と同じような作用を止端の近傍に及ぼすことができ、結晶組織を微細化することができるからである。
ここで、振動端子の振動周波数を10Hz以上とするのは、振動周波数が10Hz未満であると、処理効率が低く実用性が低くなるからである。一方、振動周波数を50kHz以下とするのは超音波等、工業的に適用できる振動装置によって得られる周波数が一般に50kHz以下であるからである。
また、振動端子の仕事率を0.01kW以上とするのは、仕事率が0.01kW未満であると、打撃処理に要する時間が長くかかり過ぎるからである。一方、仕事率を4kW以下とするのは、これを超える仕事率で打撃処理をしても効果が飽和するため経済性が低下するからである。
なお、本発明の疲労特性に優れた構造物は、船舶、海洋構造物、洋上風力発電機などの繰り返し荷重を受ける様々な構造物に適用することができる。
図4は、本発明の実施の形態における主板板厚tが100mmの場合の領域Lの範囲を例示する図である。図4に示すように、止端角度θ、止端からの距離Lと溶接金属部の応力/公称応力との関係を調査した結果、止端角度θが20度以下、領域Lが主板板厚tの1/3である33mm以上の場合の溶接金属部の応力/公称応力は0.9以下であることが分かった。
図5は、本発明の実施の形態における主板板厚tが100mmの場合の打撃痕の曲率半径Rの範囲を例示する図である。図5に示すように、止端角度θ、打撃痕の曲率半径Rと溶接金属部の応力集中係数との関係を調査した結果、止端角度θが20度以下、打撃痕の曲率半径Rが主板板厚tの1/20である5mm以上の場合の応力集中係数は1.5以下であることが分かった。
図6は、本発明の実施の形態における主板板厚tが20mmの場合の領域Lの範囲を例示する図である。図6に示すように、止端角度θ、止端からの距離Lと溶接金属部の応力/公称応力との関係を調査した結果、止端角度θが20度以下、領域Lが主板板厚tの1/3である6.7mm以上の場合の溶接金属部の応力/公称応力は0.9以下であることが分かった。
図7は、本発明の実施の形態における主板板厚tが20mmの場合の打撃痕の曲率半径Rの範囲を例示する図である。図7に示すように、止端角度θ、打撃痕の曲率半径Rと溶接金属部の応力集中係数との関係を調査した結果、止端角度θが20度以下、打撃痕の曲率半径Rが主板板厚tの1/20である1mm以上の場合の応力集中係数は1.5以下であることが分かった。
次に、本発明の実施例について説明する。
図8は、H形構造物に対して行った、本発明の実施例1における荷重載荷の方法を説明する図である。
SM490Bの厚み19mmの鋼材を、H形構造物モデルのフランジ(周囲の鋼材4)として用い、中央部の補剛板と下に張り出した部分(副板2)を板厚40mm、その他を厚み12mmで溶接組み立てにより、H形試験体を作製した。
また、SBHS500の鋼板を高強度部材(主板1)として上下フランジの中央部に用い、溶接材料は鋼材強度に合わせて選定し、FCAW溶接により構造物モデル試験体を作製した。
なお、組み立て溶接はすべてすみ肉溶接にて行い、本発明を適用する○部を除いてすべての溶接止端は、グラインダ処理と下記の超音波衝撃処理を併用して疲労強度を高めた。
<超音波衝撃処理条件>
打撃ピンの先端部の曲率半径:0.9〜2.0mm
振動周波数:27kHz
出力:約1000kW
疲労試験は4点曲げ試験によって行った。はじめに試験体を上下逆にし、4点曲げにより中央部の材軸方向公称応力がSM490Bの降伏応力に等しい340MPaとなるように負荷して除荷した。この後、若干曲げによるひずみが残ったまま試験体を上下反対にして、疲労試験を行った。この時、上下フランジの公称応力による応力範囲が130MPaとなるように設定して、応力比0.05の試験を行った。この試験結果を表1に示す。
Figure 2015229183
表1に示すように、本発明の条件を全て満足するH形構造体No.3〜6、8、11、14〜17は、破断までの繰り返し数が300万回以上であり、十分な疲労強度が認められた。
一方、H形構造物No.1、2は、主板と周囲の鋼材との繋ぎ溶接継手部の構造的応力集中の影響が発生し、繋ぎ溶接の止端で破断した。
H形構造物No.7は、第2溶接金属の強度不足による補強不足のため、第2溶接金属の下から二段目で破断した。
H形構造物No.9,10は、第2溶接金属の体積不足のため、止端で破断した。
H形構造物No.12は、打撃処理する領域Lの不足のため、第2溶接金属の下から三段目で破断した。
H形構造物No.13は、打撃痕の曲率半径Rが小さく応力集中のため、止端で破断した。
H形構造物No.18は、打撃痕の深さDが大きく応力集中のため、止端で破断した。
H形構造物No.19は、主板の強度不足による止端の塑性化のため、止端で破断した。
H形構造物No.20は、打撃処理がなされなかったので、止端で破断した。
以上により、本発明の効果が確認された。
図9は、円柱構造物に対して行った、本発明の実施例2における荷重載荷の方法を説明する図である。
X46の厚み22mmの鋼材を主管(周囲の鋼材4)として用い、X70の鋼管を高強度部材(主板1)として用い、溶接材料は鋼管強度に合わせて選定し、FCAW溶接により円筒柱構造物モデル試験体を作製した。
なお、ベースプレート(副板2)への取り付けについては完全溶け込み溶接にて行い、止端はグラインダ処理と下記の超音波衝撃処理を併用して疲労強度を高めた。
<超音波衝撃処理条件>
打撃ピンの先端部の曲率半径:0.9〜2.0mm
振動周波数:27kHz
出力:約1000kW
疲労試験は円筒柱構造物モデル基部の予め、材料力学的な応力振幅が鋼材X46の降伏応力を超す370MPaでの両振りを5回行い、中心軸が元の位置に戻るように調整した後、疲労試験を行った。この時、円筒柱構造物モデル基部の材料力学的な応力範囲が1300MPaとなるように設定して、両振りの試験を行った。この試験結果を表2に示す。
Figure 2015229183
表2に示すように、本発明の条件を全て満足するH形構造物No.3〜5、8、11、14〜17は、破断までの繰り返し数が300万回以上であり、十分な疲労強度が認められた。
一方、H形構造物No.1、2は、主板と周囲の鋼材との繋ぎ溶接継手部の構造的応力集中の影響が発生して破断した。
円柱構造物No.7は、第2溶接金属の強度不足のため、第2溶接金属の下から二段目で破断した。
円柱構造物No.9,10は、第2溶接金属の体積不足のため、止端で破断した。
円柱構造物No.12は、打撃する領域Lの不足のため、第2溶接金属の下から三段目で破断した。
破断した。
円柱構造物No.13は、打撃痕の曲率半径Rが小さく応力集中のため、止端で破断した。
円柱構造物No.18は、打撃痕の深さDが大きく応力集中のため、止端で破断した。
円柱構造物No.19は、主板強度不足による止端の塑性化のため、止端で破断した。
円柱構造物No.20は、打撃処理がなされなかったので、止端で破断した。
以上により、本発明の効果が確認された。
1 主板
2 副板
3 溶接継手
31 第1溶接金属
32 第2溶接金属
4 周囲の鋼材
5 繋ぎ溶接部
6、7 打撃処理部
8 止端
9 段差部
10 打撃痕
θ 止端角度
t 主板板厚
R 曲率半径
D 深さ

Claims (2)

  1. 主板と副板との溶接継手を有する構造物であって、上記溶接継手を形成する溶接金属の降伏強度が周囲の鋼材の1.2倍以上であり、上記溶接継手の止端から溶接金属と逆側に主板板厚tの3倍以上の領域Wにおける主板の降伏強度が周囲の鋼材の1.5倍以上であり、上記溶接継手の止端から溶接金属側に主板板厚tの1/3以上の領域Lにおける止端角度θが20度以下であり、上記領域Lにおける溶接の段差部に、曲率半径Rが主板板厚tの1/20以上、深さDが1mm以下の打撃痕が形成されていることを特徴とする疲労特性に優れた構造物。
  2. 上記構造物は、船舶、海洋構造物、洋上風力発電機などの繰り返し荷重を受ける構造物であることを特徴とする請求項1に記載の疲労特性に優れた構造物。
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