JP2015223257A - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

【課題】体重３０００ｇ以下の児のための展開型の使い捨ておむつにおいて、排泄物の漏れを抑制すること。【解決手段】互いに直交する長手方向、幅方向、及び、厚さ方向を有し、前胴回り域、股下域、及び、後胴回り域を備え、体重３０００ｇ以下の児のための展開型の使い捨ておむつであって、吸収体と、幅方向の外側に向かって後胴回り域から延出する一対の止着部材と、一対の止着部材が前胴回り域に止着されることによって形成される一対の脚回り開口に沿って設けられ、吸収体よりも幅方向の外側に設けられる脚回り伸縮性部材と、一対の止着部材を前胴回り域に止着すべき位置を示すターゲット表示部とを有し、吸収体は、長手方向において、ターゲット表示部と厚さ方向に重なる重なり領域を備え、ターゲット表示部の幅方向の長さは、重なり領域における吸収体の幅方向の最大長さ以下である使い捨ておむつである。【選択図】図２

Description

本発明は、体重３０００ｇ以下の児のための展開型の使い捨ておむつに関する。

展開型の使い捨ておむつは、着用者の身体に当てがわれた後、後胴回り域から幅方向の外側に向かって延出する一対のファスニングテープ（止着部材）が、前胴回り域のターゲットテープに止着されることによって、着用者に固定される。また、使い捨ておむつの外装シート全体を、ファスニングテープが止着可能な部材で形成したものがある。但し、その場合、ファスニングープの止着位置の目安となっていたフロントターゲットテープがなく、使い捨ておむつの装着が難しくなる。そこで、ファスニングテープの止着位置の目安となるターゲット印刷（例えば数字やイラスト等）を、外装シートを介して視認可能にした使い捨ておむつが提案されている（例えば特許文献１参照）。

特開２００２−２５３６０８号

種々のサイズの着用者に対応可能なように、ターゲット印刷は、一般に、前胴回り域の幅方向の両端部にまで施されている。しかし、体重３０００ｇ以下の小さい赤ちゃんに対して使い捨ておむつを装着する場合、緩く装着してあげたいという意識が働き、ターゲット印刷の位置に従って、前胴回り域の幅方向の両端部にファスニングテープが止着されてしまい易い。そうすると、胴回り開口や脚回り開口に隙間が生じ、排泄物が漏れ易いという問題が生じていた。

本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、体重３０００ｇ以下の児のための展開型の使い捨ておむつにおいて、排泄物の漏れを抑制することである。

上記目的を達成するための主たる発明は、互いに直交する長手方向、幅方向、及び、厚さ方向を有し、前胴回り域、股下域、及び、後胴回り域を備え、体重３０００ｇ以下の児のための展開型の使い捨ておむつであって、吸収体と、前記幅方向の外側に向かって前記後胴回り域から延出する一対の止着部材と、前記一対の止着部材が前記前胴回り域に止着されることによって形成される一対の脚回り開口に沿って設けられ、前記吸収体よりも前記幅方向の外側に設けられる脚回り伸縮性部材と、前記一対の止着部材を前記前胴回り域に止着すべき位置を示すターゲット表示部と、を有し、前記吸収体は、前記長手方向において、前記ターゲット表示部と前記厚さ方向に重なる重なり領域を備え、前記ターゲット表示部の前記幅方向の長さは、前記重なり領域における前記吸収体の前記幅方向の最大長さ以下であること、を特徴とする使い捨ておむつである。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。

本発明によれば、体重３０００ｇ以下の児のための展開型の使い捨ておむつにおいて、排泄物の漏れを抑制することができる。

使い捨ておむつの着用者の肌側の概略平面図である。 使い捨ておむつの非肌側の概略平面図である。 図３Ａから図３Ｃは図２の位置ＡＡ，位置ＢＢ，位置ＣＣでの使い捨ておむつの断面図である。 着用時の使い捨ておむつの概略斜視図である。 図５Ａは前胴回り域の幅方向の外側端部にファスニングテープが止着された状態の説明図であり、図５Ｂは前胴回り域の幅方向の中央部にファスニングテープが止着された状態の説明図である。 図６Ａ及び図６Ｂは低体重児の姿勢の説明図である。 吸収体コアと脚回り伸縮性部材の間のシート部材が折り込まれた状態を説明する図である。 ファスニングテープ同士を止着した状態の説明図である。 止着力の測定方法の説明図である。

本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。

互いに直交する長手方向、幅方向、及び、厚さ方向を有し、前胴回り域、股下域、及び、後胴回り域を備え、体重３０００ｇ以下の児のための展開型の使い捨ておむつであって、吸収体と、前記幅方向の外側に向かって前記後胴回り域から延出する一対の止着部材と、前記一対の止着部材が前記前胴回り域に止着されることによって形成される一対の脚回り開口に沿って設けられ、前記吸収体よりも前記幅方向の外側に設けられる脚回り伸縮性部材と、前記一対の止着部材を前記前胴回り域に止着すべき位置を示すターゲット表示部と、を有し、前記吸収体は、前記長手方向において、前記ターゲット表示部と前記厚さ方向に重なる重なり領域を備え、前記ターゲット表示部の前記幅方向の長さは、前記重なり領域における前記吸収体の前記幅方向の最大長さ以下であること、を特徴とする使い捨ておむつである。
このような使い捨ておむつによれば、厚さ方向に吸収体と重なるターゲット表示部によって、前胴回り域の幅方向の中央部に止着部材が止着されるように使用者を誘導できる。そして、前胴回り域の幅方向の中央部に止着部材が止着されることで、胴回り開口や脚回り開口を小さくでき、各開口からの排泄物の漏れを抑制できる。また、両膝が腹部に位置するまで脚をＭ字型に強く曲げたＭ字姿勢を着用者が取っても、着用者の脚と止着部材との接触を避け、止着部材が外れてしまうことを防ぎ、排泄物の漏れを抑制できる。

かかる使い捨ておむつであり、着用者側に起立する一対の立体ギャザーが、前記幅方向の両側部に、前記長手方向に沿って設けられ、前記立体ギャザーの起立点が、前記脚回り伸縮性部材が設けられる伸縮性領域の前記幅方向における外側の端と、前記吸収体の前記幅方向における外側の端と、の間に位置することを特徴とする使い捨ておむつである。
このような使い捨ておむつによれば、立体ギャザーの起立点が吸収体や脚回り伸縮性部材と共に着用者に密着し、立体ギャザーが潰れてしまうことを防げる。よって、起立した立体ギャザーで排泄物を堰き止めることができ、排泄物の漏れを抑制できる。

かかる使い捨ておむつであり、前記立体ギャザーの前記起立点が、前記伸縮性領域の前記幅方向における内側の端よりも、前記吸収体の前記幅方向における外側の端側に位置することを特徴とする使い捨ておむつである。
このような使い捨ておむつによれば、着用者の脚と共に動く脚回り伸縮性部材に比べて、吸収体の位置は安定しているため、脚回り伸縮性部材よりも吸収体側に寄った位置に立体ギャザーの起立点を設けることで、立体ギャザーの起立点を安定させることができる。よって、立体ギャザーを綺麗に起立させることができ、排泄物の漏れを抑制できる。

かかる使い捨ておむつであり、前記吸収体は、吸収体コア、及び、前記吸収体コアの被覆材を有し、前記吸収体コアの前記幅方向における外側の端から、前記脚回り伸縮性部材が設けられる伸縮性領域の前記幅方向における内側の端までの、前記幅方向の長さが、前記伸縮性領域の前記幅方向の長さ以上であることを特徴とする使い捨ておむつである。
このような使い捨ておむつによれば、伸縮性領域が内側に引き込まれて内倒れしてしまうことを抑制し、伸縮性領域を着用者の脚に密着させることができる。よって、脚回りのフィット性が向上し、排泄物の漏れを抑制できる。

かかる使い捨ておむつであり、前記一対の止着部材のうちの一方の止着部材の前記厚さ方向における一方側の面と、他方の止着部材の前記厚さ方向における他方側の面とが、０．１Ｎ／１０ｍｍ以上の止着力で止着可能であることを特徴とする使い捨ておむつである。
このような使い捨ておむつによれば、前胴回り域の幅方向のより中央の位置で止着部材を止着でき、胴回り開口や脚回り開口をより小さくできる。よって、特に小さい低体重児に装着する場合にも、排泄物の漏れを抑制できる。

＝＝＝使い捨ておむつの概略構成＝＝＝
本実施形態の使い捨ておむつは、体重が３０００ｇ（グラム）以下の児（以下、低体重児）のための展開型の使い捨ておむつであり、特に、体重が２５００ｇ未満の低出生体重児、体重が１５００ｇ未満の極低出生体重児、及び、体重が１０００ｇ未満の超低出生体重児に、適したおむつである。

図１は、展開且つ伸長状態である使い捨ておむつ１の着用者の肌側（内側）の概略平面図であり、図２は、展開且つ伸長状態である使い捨ておむつ１の非肌側（外側）の概略平面図である。図３Ａから図３Ｃは、図２の位置ＡＡ，位置ＢＢ，位置ＣＣでの使い捨ておむつ１の断面図である。図４は、着用時の使い捨ておむつ１の概略斜視図である。使い捨ておむつ１は、図示するように、互いに直交する長手方向、幅方向、及び、厚さ方向を有し、着用者の腹側部を覆う前胴回り域１ａ、着用者の背側部を覆う後胴回り域１ｃ、及び、前胴回り域１ａと後胴回り域１ｃとの間に位置する股下域１ｂを備える。

使い捨ておむつ１は、図３に示すように、液透過性のトップシート２と、液不透過性のバックフィルム３との間に、吸収体４を有する。吸収体４は、前胴回り域１ａから後胴回り域１ｃまで長手方向に延び、排泄物を吸収保持する吸収体コア４１（例えば粉砕パルプや高吸収ポリマーで構成されるもの）と、それを被覆する液透過性の被覆材４２（例えばティッシュシートやスパンボンド不織布）とを有する。本実施形態では、吸収体４の平面形状を長方形とし、吸収体コア４１の平面形状を長手方向の中央部がくびれた砂時計形状とする。また、バックフィルム３の非肌側には、使い捨ておむつ１全体の外装を成す外装シート５（例えば不織布）が設けられている。また、図示しないが、胴回りのフィット性を向上させるために、後胴回り域１ｃに、幅方向に伸縮可能な伸縮性部材（例えば伸縮性シート部材や糸状伸縮性部材）を設けるとよい。

後胴回り域１ｃには、幅方向の両外側に延出する一対のファスニングテープ１０（止着部材）が設けられている。図２に示すように、外装シート５の非肌側面における前胴回り域１ａには、平面形状が長方形であるターゲットテープ１４が設けられている。ファスニングテープ１０の基材１１には、厚さ方向における肌側の面（つまり前胴回り域１ａ側に折り込まれた際にターゲットテープ１４と対向する面）に、フックシート１２が設けられている。一方、基材１１の非肌側の面には、ターゲットシート１３が設けられている。フックシート１２（例えば面ファスナーの雄材を備えるシート）は、ターゲットシート１３及びターゲットテープ１４（例えば面ファスナーの雌材を備えるシートや不織布）に、止着可能及び取り外しが可能な構成となっている。なお、ターゲットテープ１４を設けず、外装シート５に直接ファスニングテープ１０を止着する構成であってもよい。また、ターゲットシート１３とターゲットテープ１４は異なる素材であってもよい。

バックフィルム３の非肌側面における前胴回り域１ａには、一対のファスニングテープ１０を前胴回り域１ａに止着すべき位置を示すターゲット表示部１５（例えば周囲とは異なる色で塗りつぶされた長方形、図２で斜線が施された領域）が印刷されている。なお、ターゲット表示部１５の非肌側に位置する外装シート５、及び、ターゲットテープ１４は、外部からターゲット表示部１５を視認可能な部材とする。なお、本実施形態では、ターゲットテープ１４をターゲット表示部１５よりも一回り大きくしているが、これに限らず、ターゲットテープ１４とターゲット表示部１５の大きさを同じにしてもよい。

使い捨ておむつ１は、装着される際に、まず、着用者に当てがわれながら長手方向に二つ折りされた後、一対のファスニングテープ１０及びその周辺部位が幅方向の中央側に折られ、前胴回り域１ａのターゲットテープ１４に一対のファスニングテープ１０が止着される。そうすると、図４に示すように、胴回り開口ＨＢ、及び、一対の脚回り開口ＨＬが形成される。

図１に示すように、展開且つ伸長状態である使い捨ておむつ１では、長手方向の中央部がくびれ、股下域１ｂの幅方向の両側縁が円弧状に湾曲しており、その湾曲部分が装着時に一対の脚回り開口ＨＬとなる。そして、使い捨ておむつ１には、一対の脚回り開口ＨＬに沿って（本実施形態では長手方向に沿って）、吸収体４よりも幅方向の両外側に、長手方向に伸縮可能な脚回り伸縮性部材６が設けられている。脚回り伸縮性部材６は、長手方向に伸長した状態で、立体ギャザーシート２１（後述）とバックフィルム３及び外装シート５との間に固定されている。そのため、自然状態の使い捨ておむつ１では、脚回り伸縮性部材６が収縮し、脚回り開口ＨＬの周縁部に脚回りギャザーが形成され、着用者の脚回りにフィットする。

なお、本実施形態では、脚回り伸縮性部材６を、伸縮性シート部材（例えば、ウレタンやスチレンのような熱可塑性エラストマ樹脂を溶融しフィルム状とした伸縮性フィルムや、伸縮繊維からなる伸縮性不織布）としているが、これに限らない。例えば、脚回り伸縮性部材６として、複数本の糸状伸縮性部材（例えば糸状のポリウレタン伸縮性繊維や糸状の天然ゴム）を幅方向に間隔を空けて設けてもよい。

また、使い捨ておむつ１（トップシート２の肌側面）の幅方向の両側部には、肌側（着用者側）に起立する一対の立体ギャザー２０が、長手方向に沿って設けられている。各立体ギャザー２０は、立体ギャザーシート２１と、立体ギャザー用伸縮性部材２２とを有する。図３に示すように、立体ギャザーシート２１と外装シート５の幅方向における外側の端は一致している。一方、立体ギャザーシート２１の幅方向における中央側の端部２１ａはトップシート２側（非肌側）に折り込まれ、そうして２層となった立体ギャザーシート２１の間に、立体ギャザー用伸縮性部材２２（例えば糸状伸縮性部材、本実施形態では２本の伸縮性部材）が設けられている。立体ギャザー用伸縮性部材２２は、長手方向に伸長した状態で、立体ギャザーシート２１に固定されている。

図１に示すように、立体ギャザーシート２１は、第１接合部２３、及び、第２接合部２４によって（例えばホットメルト系接着剤が塗布された領域によって）、トップシート２に接合されている。第１接合部２３は、各立体ギャザーシート２１及びトップシート２の長手方向の両端部であり、第２接合部２４よりも幅方向の中央側に設けられている。本実施形態では、各立体ギャザー２０の長手方向の各端部において、３つの第１接合部２３が幅方向に並んでいる。第２接合部２４は、各立体ギャザーシート２１及びトップシート２の長手方向の一端から他端まで延びている。そのため、長手方向の両端部に位置する第１接合部２３間の立体ギャザーシート２１は、第２接合部２４を起立点として、立体ギャザー用伸縮性部材２２の収縮力によりトップシート２から肌側に起立する。

また、本実施形態の使い捨ておむつ１は低体重児用である。そのため、皺なく製品を伸長させた状態、具体的には、使い捨ておむつ１を構成する部材（例えば外装シート５）の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまで伸長した状態での、製品寸法を以下の値にするとよい。製品を長手方向に伸長させた状態での長手方向の製品長は２１０〜３３０ｍｍの範囲、詳しくは、体重２５００ｇ未満用の製品長を３１０ｍｍ、体重１５００ｇ未満用の製品長を２７０ｍｍ、体重１０００ｇ未満用の製品長を２３０ｍｍとするとよい。ウェスト寸法（胴回り開口ＨＢの周長）は１６０〜２９５ｍｍの範囲、詳しくは、体重２５００ｇ未満用のウェスト寸法を２７３．５ｍｍ、体重１５００ｇ未満用のウェスト寸法を２２０ｍｍとするとよい。なお、ウェスト寸法は、一方のファスニングテープ１０の幅方向の先端を、他方のファスニングテープ１０が有するフックシート１２の幅方向の根本側の端部に合わせた状態での寸法であり、胴回りに伸縮性部材が設けられている場合には、製品を幅方向に伸長させた状態での寸法である。

＝＝＝低体重児に特有の課題＝＝＝
図５Ａは、前胴回り域１ａの幅方向の外側端部にファスニングテープ１０が止着された状態の説明図であり、図５Ｂは、前胴回り域１ａの幅方向の中央部にファスニングテープ１０が止着された状態の説明図である。図６Ａ及び図６Ｂは、低体重児の姿勢の説明図である。体重３０００ｇ以下の低体重児に対しては、使い捨ておむつ１を緩く装着してあげたいという意識が働き、図５Ａに示すように、前胴回り域１ａの幅方向の外側端部にファスニングテープ１０が止着され易い。そうすると、図５Ｂに示すように前胴回り域１ａの幅方向の中央部にファスニングテープ１０が止着される場合に比べて、胴回り開口ＨＢや脚回り開口ＨＬの周長が大きくなってしまう。特に、体重が２５００ｇ未満で出生した低体重児は、脂肪が身体につく前に出産されるため、一般新生児と比べて、胴や脚が細い。したがって、図５Ａに示すように、使い捨ておむつ１が緩く装着されてしまうと、胴回り開口ＨＢや脚回り開口ＨＬに隙間が生じ易い。

低体重児では、図６Ａや図６Ｂに示すように胎内に居た時の姿勢、つまり、背中３０をＣ字型に丸くカーブさせ、両膝が腹部に位置するまで脚３１をＭ字型に強く曲げた姿勢（以下、ポジショニング姿勢）が保持される。そのため、背中３０と使い捨ておむつ１との間に隙間ｈ１が生じ易い。また、前胴回り域１ａの幅方向の外側端部にファスニングテープ１０が止着されると（図５Ａ）、脚回り開口ＨＬが幅方向の外側を向くため、脚回りギャザーが腿の付け根ではなく細い腿に位置することになり、隙間が生じ易い。また、低体重児がポジショニング姿勢を取ると、幅方向の外側に向いていた脚回り開口ＨＬが、幅方向の中央部に持ってこられ、腹側に引き上げられるので、脚３１の後ろ側と使い捨ておむつ１との間に隙間ｈ２が生じ易い。以上のように、使い捨ておむつ１と着用者との間に隙間が生じると、その隙間から排泄物が漏れてしまう。

また、前胴回り域１ａの幅方向の外側端部にファスニングテープ１０が止着されてしまうと、図６Ｂに示すように、ポジショニング姿勢を取る低体重児の脚３１とファスニングテープ１０とが接触したり、ファスニングテープ１０やその周辺部位を腹側にめくり上げようとする力が強く生じたりしてしまう。そうすると、ターゲットテープ１４からファスニングテープ１０が外れる虞があり、排泄物が漏れてしまう。

ゆえに、本実施形態では、体重３０００ｇ以下の児のための展開型の使い捨ておむつにおいて、排泄物の漏れを抑制することを目的とする。

＝＝＝ターゲット表示部１５＝＝＝
本実施形態の使い捨ておむつ１では、脚回り伸縮性部材６よりも幅方向の中央側に吸収体４が設けられ、吸収体４が、図２に示すように、長手方向において、ターゲット表示部１５と厚さ方向に重なる重なり領域Ａを備える。重なり領域Ａは長手方向の位置を示す領域であり、重なり領域Ａの一端Ａ１は、ターゲット表示部１５の長手方向における後胴回り域１ｃ側の端１５ａと一致し、重なり領域Ａの他端Ａ２は、吸収体４の長手方向における前胴回り域１ａ側の端４ａと一致している。そして、本実施形態の使い捨ておむつ１では、ターゲット表示部１５の幅方向の長さＬ１が、重なり領域Ａにおける吸収体４の幅方向の長さＬ２よりも小さくなっている。また、ターゲット表示部１５の幅方向のセンター位置ＣＬと、吸収体４の幅方向のセンター位置ＣＬとが揃っているので、ターゲット表示部１５の幅方向の外側の端１５ｂは、重なり領域Ａにおける吸収体４の幅方向の（同じ側の）外側の端４ｂよりも、幅方向の内側（中央側）に位置する。

そのため、幅方向の中央部に位置する吸収体４よりも幅方向の内側に収まっているターゲット表示部１５を見た使用者は、前胴回り域１ａの幅方向の中央部にファスニングテープ１０を止着するように誘導される（図５Ｂ）。よって、緩く装着してあげたいという意識が働く低体重児において、前胴回り域の幅方向の外側端部にファスニングテープ１０が止着されてしまうこと防ぐことができる。

そして、前胴回り域１ａの幅方向の中央部にファスニングテープ１０が止着されることにより、胴回り開口ＨＢ及び脚回り開口ＨＬの周長を小さくでき、各開口ＨＢ，ＨＬと着用者との間に隙間が生じてしまうことを抑え、排泄物の漏れを抑制できる。更に、図５Ｂに示すように、脚回り開口ＨＬを前に向けることができる。つまり、脚回り開口ＨＬを、図５Ａに比べて幅方向の中央側にずらし、厚さ方向に開口させることができる。そのため、ポジショニング姿勢を取る低体重児の脚の向きと、脚回り開口ＨＬの向きとが一致し、脚回り開口ＨＬに沿う脚回り伸縮性部材６が、着用者の脚の外周に均等にフィットする。また、脚回り伸縮性部材６が、細い腿ではなく、腿の付け根にフィットする。よって、脚回り開口ＨＬにおける隙間の発生を抑え、脚回り開口ＨＬからの排泄物の漏れを抑制できる。その他、腿に比べて動きの小さい腿の付け根に脚回り伸縮性部材６がフィットすることで、脚回り伸縮性部材６の位置を安定させることができ、この点からも、排泄物の漏れを抑制できると言える。

また、前胴回り域１ａの幅方向の中央部にファスニングテープ１０が止着されることにより、ポジショニング姿勢を取る低体重児の脚とファスニングテープ１０との接触を避け、ターゲットテープ１４からファスニングテープ１０が外れてしまうことを防ぎ、排泄物の漏れを抑制できる。また、ファスニングテープ１０は比較的に剛性の高い部材であるため、皮膚の弱い低体重児の脚とファスニングテープ１０との接触を避けることで、低体重児の肌荒れを抑制できる。

また、吸収体４よりも幅方向の内側に収まっているターゲット表示部１５によって、ターゲットテープ１４のうち、吸収体４と重なる領域に、ファスニングテープ１０が止着される。そのため、ファスニングテープ１０は、ポジショニング姿勢を取る低体重児の脚から、比較的に剛性の高い吸収体４を介して、ファスニングテープ１０をめくり上げようとする力を受ける。よって、ファスニングテープ１０をめくり上げようとする力は吸収体４により緩和され、ターゲットテープ１４からファスニングテープ１０を一層外れ難くすることができる。

低体重児の場合、呼吸の安定化や脳内出血防止のために、身体に出来る限り触れないこと（所謂ミニマムハンドリング）が良いとされている。そのため、低体重児のための使い捨ておむつ１において、排泄物の漏れを抑制し、使い捨ておむつ１の交換回数を減らすことは、看護師や母親の負担を低減するだけでなく、低体重児の生命維持の観点においても有効である。

なお、ターゲット表示部１５の幅方向の長さＬ１を、重なり領域Ａにおける吸収体４の幅方向の長さＬ２と等しくしてもよい。つまり、Ｌ１がＬ２以下であればよく、ターゲット表示部１５の幅方向の外側の端１５ｂと、重なり領域Ａにおける吸収体４の幅方向における外側（同じ外側）の端４ｂとを、一致させてもよい。この場合にも、前胴回り域１ａの幅方向の中央部にファスニングテープ１０が止着されるように使用者を誘導できるため、上記の効果が得られる。

本実施形態の吸収体４の平面形状は長方形状であるため、長手方向の位置によらずに、吸収体４の幅方向の長さは一定である。但し、これに限らず、吸収体４の幅方向の長さが長手方向の位置によって変化してもよい。その場合にも、ターゲット表示部１５の幅方向の長さが、重なり領域Ａにおける吸収体４の幅方向の最大長さ以下であれば、前胴回り域１ａの幅方向の中央部にファスニングテープ１０を止着できる。

また、図２では、周囲とは異なる色で塗りつぶした長方形の印刷をターゲット表示部１５としているが、これに限らず、ターゲット表示部１５が、数字、文字、ライン、イラスト、楕円等の印刷であってもよい。その場合、ターゲット表示部１５の幅方向の長さとは、幅方向の最も一方側に印刷された輪郭部から、幅方向の最も他方側に印刷された輪郭部までの、幅方向の長さとする。また、バックフィルム３にターゲット表示部１５を印刷するに限らず、外装シート５やターゲットテープ１４にターゲット表示部１５を印刷してもよい。また、ターゲット表示部１５を印刷で形成するに限らず、周囲とは異なる材質が設けられた部位をターゲット表示部１５としてもよい。例えば、ターゲットテープ１４を周囲とは異なる色の部材とし、ターゲットテープ１４そのものをターゲット表示部１５としてもよい。

また、製造誤差等の理由により、ターゲット表示部１５の幅方向のセンター位置ＣＬと、吸収体４の幅方向のセンター位置ＣＬとがずれていてもよい。その場合、ターゲット表示部１５の幅方向の一方側の端１５ｂは、重なり領域Ａにおける吸収体４の幅方向の一方側の端４ｂよりも、幅方向の外側に位置することがある。しかし、その場合であっても、ターゲット表示部１５の幅方向の長さを、重なり領域Ａにおける吸収体４の幅方向の最大長さ以下にすることで、ターゲット表示部１５の幅方向における他方側の端１５ｂは、重なり領域Ａにおける吸収体４の幅方向における他方側の端４ｂよりも、幅方向の内側（中央側）に位置する。また、ターゲット表示部１５の幅方向の一方側の端１５ｂも、吸収体４の幅方向の一方側の端４ｂから大きくはみ出すことはない。よって、上記と同様の効果が得られる。

＝＝＝脚回り伸縮性部材６＝＝＝
本実施形態の使い捨ておむつ１では、吸収体４よりも幅方向の両外側に一対の脚回り伸縮性部材６が設けられている。詳しくは、吸収体４の幅方向における最も外側の端４ａよりも、脚回り伸縮性部材６の幅方向における最も内側（中央側）の端６ａの方が、幅方向の外側に位置している。つまり、脚回り伸縮性部材６は、吸収体４よりも剛性の低いシート部材（立体ギャザーシート２１，バックフィルム３，外装シート５）に設けられるので、着用者に密着する吸収体４及び脚回り伸縮性部材６の間に空間が形成され、パフスリーブのような形状が形成される。そのため、吸収体４は身体に密着した状態が保持されつつ、脚回り伸縮性部材６は、吸収体４との間の自由に動き易いシート部材によって、脚の動きに追従する。よって、着用者は、脚を動かし易く、ポジショニング姿勢を取り易い（脚回り開口ＨＬを前に向け易い）。換言すると、着用者がポジショニング姿勢を取っても、吸収体４のよれを抑えつつ、脚回り伸縮性部材６が脚にフィットした状態を保持できるので、排泄物の漏れを抑制できる。また、吸収体４と脚回り伸縮性部材６との間に形成された空間に排泄物を溜め込めることからも、排泄物の漏れを抑制できると言える。

更に、本実施形態の使い捨ておむつ１では、図２に示すように、吸収体４が有する吸収体コア４１の幅方向における外側（一方側）の端４１ａから、（幅方向における一方側の）脚回り伸縮性部材６の幅方向における内側（中央側）の端６ａまでの、幅方向の長さＬ３が、脚回り伸縮性部材６の幅方向の長さＬ４よりも長くなっている。そのため、脚回り伸縮性部材６と剛性の高い吸収体コア４ａとの間に位置する自由に動き易いシート部材（立体ギャザーシート２１等）の長さが長く、前述のように、着用者はポジショニング姿勢を取り易く、また、脚回り伸縮性部材６が脚にフィットした状態が保持されるので、排泄物の漏れを抑制できる。

図７は、吸収体コア４１と脚回り伸縮性部材６との間のシート部材（立体ギャザーシート２１等）が折り込まれた状態を説明する図である。なお、図では、説明の簡略のため、吸収体４の被覆材４２やバックフィルム３や外装シート５等を省略している。本実施形態の使い捨ておむつ１では、前述のように、前胴回り域１ａの幅方向の中央部にファスニングテープ１０が止着されるように使用者を誘導するため、図７に示すように、吸収体４、特に剛性の高い吸収体コア４１の幅方向における外側の端４１ａを起点として、立体ギャザーシート２１等が幅方向の内側（中央側）に入り込み易い。そのため、仮に、吸収体コア４１の幅方向における外側の端４１ａから脚回り伸縮性部材６の幅方向における内側の端６ａまでの幅方向の長さＬ３を、脚回り伸縮性部材６の幅方向の長さＬ４より短くしてしまうと、脚回り伸縮性部材６が内側（非肌側）に引き込まれて内倒れしてしまう。そうすると、シート状の脚回り伸縮性部材６が着用者の脚に面で当接することができず、脚回り開口ＨＬのフィット性が低下し、排泄物の漏れに繋がってしまう。

そこで、本実施形態の使い捨ておむつ１のように、吸収体コア４１の幅方向における外側の端４１ａから脚回り伸縮性部材６の幅方向における内側の端６ａまでの幅方向の長さＬ３を、脚回り伸縮性部材６の幅方向の長さＬ４以上にするとよい。そうすることで、図７に示すように、立体ギャザーシート２１等がＺ字型に折り込まれ、脚回り伸縮性部材６が設けられた領域（伸縮性領域）が面（厚さ方向に直交する面）で保持される。そのため、脚回り伸縮性部材６を着用者の脚に面で当接させ、脚回り開口ＨＬのフィット性を高めることができるため、排泄物の漏れを抑制できる。

本実施形態の吸収体コア４１の平面形状は砂時計形状である。そのため、吸収体コア４１の幅方向における外側の端４１ａのうち最も幅方向の中央側の端（くびれた部位の外側端４１ａ）から、脚回り伸縮性部材６の幅方向における内側の端６ａまでの、幅方向の長さＬ３が、脚回り伸縮性部材６の幅方向の長さＬ４以上であればよい。望ましくは、図２に示すように、吸収体コア４１の幅方向における最も外側の端４１ａから脚回り伸縮性部材６の幅方向における内側の端６ａまでの幅方向の長さＬ５を、脚回り伸縮性部材６の幅方向の長さＬ４以上にするとよい。そうすることで、より確実に、脚回り伸縮性部材６を着用者の脚に面で当接させることができる。

なお、脚回り伸縮性部材６を伸縮性シート部材とするに限らず、複数本の糸状伸縮性部材を幅方向に並べたものを脚回り伸縮性部材６としてもよい。この場合も、上記のようにすることで、複数本の糸状伸縮性部材が設けられた伸縮性領域を面で保持でき、複数本の糸状伸縮性部材（伸縮性領域）を着用者の脚に当接させることができるため、脚回り開口ＨＬのフィット性を高めることができる。

また、使い捨ておむつ１の製造ラインでは、展開状態である使い捨ておむつ１が幅方向や長手方向に折り畳まれる。そのため、幅方向の折り位置は、脚回り伸縮性部材６が存在しない位置にするとよい。そうすることで、シート状の脚回り伸縮性部材６に折れ癖が付いてしまうことを防ぎ、脚回り伸縮性部材６を着用者の脚に面で当接させ易くなる。また、吸収体４の幅方向における最も外側の端４ａを折り位置にすることで、図７に示すように、立体ギャザーシート２１等がＺ字型に折り込まれ易くなる。

＝＝＝立体ギャザー２０＝＝＝
本実施形態の使い捨ておむつ１では、図１に示すように、立体ギャザー２０の起立点、即ち、立体ギャザーシート２１をトップシート２に接合する（幅方向における一方側の）第２接合部２４の幅方向の内側（中央側）の端２４ａが、（幅方向における一方側の）脚回り伸縮性部材６の幅方向の内側（中央側）の端６ａと、吸収体４の幅方向の（一方側の）外側の端４ａと、の間に位置する。つまり、着用者の身体に密着する吸収体４と着用者の脚に密着する脚回り伸縮性部材６との間に立体ギャザー２０の起立点を設ける。そうすることで、立体ギャザー２０が潰れてしまうことを抑え、立体ギャザー２０により排泄物を堰き止めることができ、排泄物の漏れを抑制できる。特に、ポジショニング姿勢を取る低体重児の場合、使い捨ておむつ１と着用者とが密着し易い。そのため、吸収体４と脚回り伸縮性部材６との間に位置する自由に動き易いシート部材（立体ギャザーシート２１等）、つまり、着用者から離間し易い部位に、立体ギャザー２０の起立点を設けることで、吸収体４と脚回り伸縮性部材６との間の空間に立体ギャザー２０を起立させることができるため、有効である。

なお、脚回り伸縮性部材６の幅方向における外側の端６ｂが、最も着用者の脚に密着し易い。そのため、少なくとも、脚回り伸縮性部材６（伸縮性領域）の幅方向における外側の端６ｂと吸収体４の幅方向における外側の端４ａとの間に、立体ギャザー２０の起立点を設ければ、上記と同様の効果が得られる。

また、着用者の脚に密着する脚回り伸縮性部材６の方が、着用者の身体に密着する吸収体４に比べて、位置が動き易く、剛性も低い。そこで、図１に示すように、本実施形態の使い捨ておむつ１では、（幅方向における一方側の）立体ギャザー２０の起立点（第２接合部２４の幅方向の内側の端２４ａ）を、（幅方向における一方側の）脚回り伸縮性部材６の幅方向の内側の端６ａよりも、吸収体４の幅方向の（一方側の）外側の端４ａ側に設ける。つまり、立体ギャザー２０の起立点２４ａから脚回り伸縮性部材６の幅方向の内側の端６ａまでの幅方向の長さＬ７よりも、立体ギャザー２０の起立点２４ａから吸収体４の幅方向の外側の端４ａまでの幅方向の長さＬ６を短くする。そうすることで、立体ギャザー２０の起立点２４ａの位置を安定させることができ、立体ギャザー２０を綺麗に起立させることができる。よって、排泄物の漏れをより確実に抑制できる。

なお、本実施形態では、吸収体４の剛性に大きく影響する吸収体コア４１の平面形状を、砂時計形状としているが、これに限らず、例えば、長方形状としてもよい。その場合、立体ギャザー２０の起立点２４ａを、脚回り伸縮性部材６の幅方向の内側の端６ａよりも、吸収体コア４１の幅方向の外側の端４１ａ側に設けることができる。よって、より一層、立体ギャザー２０の起立点２４ａの位置を安定させ、立体ギャザー２０を綺麗に起立させることができる。

＝＝＝ファスニングテープ１０＝＝＝
図８は、ファスニングテープ１０同士を止着した状態の説明図である。本実施形態のファスニングテープ１０は、図１に示すように、肌側面（前胴回り域１ａに折り込まれた際にターゲットテープ１４と対向する面）にフックシート１２が設けられ、非肌側面にフックシート１２に止着可能なターゲットシート１３が設けられている。そのため、本実施形態の使い捨ておむつ１では、図８に示すように、一対のファスニングテープ１０のうち、一方のファスニングテープ１０ａの厚さ方向における一方側の面（前胴回り域１ａに折り込まれた際に外側を向く面）と、他方のファスニングテープ１０ｂの厚さ方向における他方側の面（前胴回り域１ａに折り込まれた際に内側を向く面）とが、止着可能となっている。装着時には、まず、一方のファスニングテープ１０ａのフックシート１２をターゲットテープ１４の幅方向の中央部に止着し、その後、一方のファスニングテープ１０ａのターゲットシート１３上に、他方のファスニングテープ１０ｂのフックシート１２を止着する。

仮に、ファスニングテープ１０同士が止着不可能であっても、各ファスニングテープ１０の止着位置を長手方向にずらすことで、前胴回り域１ａの幅方向のより中央の位置にファスニングテープ１０を止着できる。但し、その場合、一方の脚回り開口ＨＬに隙間が生じたり、吸収体４がよれたりして、排泄物が漏れてしまう虞がある。そのため、本実施形態のように、ファスニングテープ１０同士を止着可能にすることで、胴回り開口ＨＢや脚回り開口ＨＬを小さくでき、吸収体４のよれを防ぐことができる。また、ポジショニング姿勢を取る低体重児の脚がファスニングテープ１０に接触することをより確実に防げる。よって、より小さな低体重児に対して使い捨ておむつ１を装着する場合にも、排泄物の漏れを抑制できる。

なお、着用時にファスニングテープ１０同士が外れないように、ファスニングテープ１０同士の止着力（フックシート１２とターゲットシート１３の止着力）を０．１Ｎ／１０ｍｍ以上とする。一方、止着力が強過ぎると、使い捨ておむつ１の交換時にファスニングテープ１０を取り外すことが難しくなってしまうため、ファスニングテープ１０同士の止着力は０．５Ｎ／１０ｍｍ以下にすることが望ましい。同様に、ターゲットテープ１４に対するフックシート１２の止着力も、０．１Ｎ／１０ｍｍ以上、０．５Ｎ／１０ｍｍ以下にすることが望ましい。また、一方のファスニングテープ１０にだけターゲットシート１３を設けてもよく、その場合、資材を削減できる。但し、両方のファスニングテープ１０にターゲットシート１３を設けることで、使用者はファスニングテープ１０の上下を意識することなく止着できる。

また、本実施形態のファスニングテープ１０は略台形形状であり、幅方向の先端部の方が根本部に比べて、長手方向の長さが短い。そのため、図８に示すように、上側のファスニングテープ１０ｂは、下側のファスニングテープ１０ａと重ならない領域（斜線部分）を有し、その重ならない領域はターゲットテープ１４に止着できる。また、ファスニングテープ１０ｂの先端部よりも根本部の方が、ポジショニング姿勢を取る低体重児の脚からの力を受け易い。そこで、ターゲットテープ１４に対するファスニングテープ１０の止着力を、ファスニングテープ１０同士の止着力よりも高めてもよい。そうすることで、上側のファスニングテープ１０ｂの根本部（斜線部分）が強い止着力によってターゲットテープ１４に止着されるので、上側のファスニングテープ１０ｂを一層外れ難くすることができ、排泄物の漏れを抑制できる。一方、上側のファスニングテープ１０ｂの先端部は、比較的に弱い止着力で下側のファスニングテープ１０ａに止着することになる。そのため、使い捨ておむつ１の交換時に、使用者は、上側のファスニングテープ１０ａの先端部を摘み易く、ファスニングテープ１０を容易に外し易い。

図９は、止着力の測定方法の説明図である。ファスニングテープ１０同士の止着力（Ｎ／１０ｍｍ）の測定は、例えば、引っ張り試験機の一例としてのオートグラフ試験機ＡＧ−Ｘ１０ｐｌｕｓ（島津製作所製）を用いて、次のようにしてなされる。まず、測定対象のファスニングテープ１０から、フックシート１２が設けられた領域を長方形に切り出したサンプルＳ１を取得する。同様に、ファスニングテープ１０から、ターゲットシート１３が設けられた領域を長方形に切り出したサンプルＳ２を取得する。次に、両サンプルＳ１，Ｓ２の使い捨ておむつ１における長手方向及び幅方向を揃えた状態で、サンプルＳ１のフックシート１２をサンプルＳ２のターゲットシート１３に重ねる。そして、両サンプルＳ１，Ｓ２上に、７００ｇのローラーを、５ｍｍ／分の速度で、使い捨ておむつ１の幅方向（ファスニングテープ１０の引き剥がし方向）に転がし、両サンプルＳ１，Ｓ２同士を止着する。

次に、互いに止着した両サンプルＳ１，Ｓ２を、引っ張り試験機にセットする。詳しくは、サンプルＳ２側を基台５０の傾斜面５０ａに固定し、サンプルＳ１の端部を移動部材５１に把持させる。なお、使い捨ておむつ１の幅方向を傾斜面５０ａの傾斜方向に沿わせる。その後、一定の移動速度３００ｍｍ／分で、基台５０に対して移動部材５１を上方へ移動させ、両サンプルＳ１，Ｓ２を引き剥がしていく。そして、移動部材５１がサンプルＳ１を引っ張る方向（サンプルＳ１に付与される引き剥がし力の方向）と傾斜面５０ａとで成す角度が１３５度になった際の荷重値を取得する。

最後に、取得した荷重値を、使い捨ておむつ１の長手方向におけるサンプルＳ１（フックシート１２）の寸法が１０ｍｍである場合の荷重値に換算し、その換算値を上記の止着力（Ｎ/１０ｍｍ）とする。なお、ターゲットテープ１４に対するフックシート１２の止着力も同様に測定できる。

以上、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのは言うまでもない。

例えば、立体ギャザー２０を有さない使い捨ておむつ１や、立体ギャザー２０の起立点２４ａが吸収体４上や脚回り伸縮性部材６よりも幅方向の外側に位置する使い捨ておむつ１や、立体ギャザー２０の起立点２４ａが吸収体４よりも脚回り伸縮性部材６側に位置する使い捨ておむつや、吸収体コア４１の幅方向の外側端４１ａから脚回り伸縮性部材６の幅方向の内側端６ａまでの幅方向の長さが、脚回り伸縮性部材６の幅方向の長さよりも短い使い捨ておむつ１や、ファスニングテープ１０がターゲットシート１３を有さない使い捨ておむつ１でもよい。

１ 使い捨ておむつ、１ａ 前胴回り域、１ｂ 股下域、１ｃ 後胴回り域、２ トップシート、３ バックフィルム、４ 吸収体、４１ 吸収体コア、４２ 被覆材、５ 外装シート、６ 脚回り伸縮性部材（伸縮性領域）、１０ ファスニングテープ（止着部材）、１１ 基材、１２ フックシート、１３ ターゲットシート、１４ ターゲットテープ、１５ ターゲット表示部、２０ 立体ギャザー、２１ 立体ギャザーシート、２２ 立体ギャザー用伸縮性部材、２３ 第１接合部、２４ 第２接合部、２４ａ 立体ギャザーの起立点、３０ 背中、３１ 脚、５０ 基台、５０ａ 傾斜面、５１ 移動部材、ＨＢ 胴回り開口、ＨＬ 脚回り開口、Ａ 重なり領域

Claims (5)

1. 互いに直交する長手方向、幅方向、及び、厚さ方向を有し、前胴回り域、股下域、及び、後胴回り域を備え、体重３０００ｇ以下の児のための展開型の使い捨ておむつであって、
   吸収体と、
   前記幅方向の外側に向かって前記後胴回り域から延出する一対の止着部材と、
   前記一対の止着部材が前記前胴回り域に止着されることによって形成される一対の脚回り開口に沿って設けられ、前記吸収体よりも前記幅方向の外側に設けられる脚回り伸縮性部材と、
   前記一対の止着部材を前記前胴回り域に止着すべき位置を示すターゲット表示部と、
   を有し、
   前記吸収体は、前記長手方向において、前記ターゲット表示部と前記厚さ方向に重なる重なり領域を備え、
   前記ターゲット表示部の前記幅方向の長さは、前記重なり領域における前記吸収体の前記幅方向の最大長さ以下であること、
   を特徴とする使い捨ておむつ。
2. 請求項１に記載の使い捨ておむつであって、
   着用者側に起立する一対の立体ギャザーが、前記幅方向の両側部に、前記長手方向に沿って設けられ、
   前記立体ギャザーの起立点が、前記脚回り伸縮性部材が設けられる伸縮性領域の前記幅方向における外側の端と、前記吸収体の前記幅方向における外側の端と、の間に位置することを特徴とする使い捨ておむつ。
3. 請求項２に記載の使い捨ておむつであって、
   前記立体ギャザーの前記起立点が、前記伸縮性領域の前記幅方向における内側の端よりも、前記吸収体の前記幅方向における外側の端側に位置することを特徴とする使い捨ておむつ。
4. 請求項１から請求項３の何れか１項に記載の使い捨ておむつであって、
   前記吸収体は、吸収体コア、及び、前記吸収体コアの被覆材を有し、
   前記吸収体コアの前記幅方向における外側の端から、前記脚回り伸縮性部材が設けられる伸縮性領域の前記幅方向における内側の端までの、前記幅方向の長さが、前記伸縮性領域の前記幅方向の長さ以上であることを特徴とする使い捨ておむつ。
5. 請求項１から請求項４の何れか１項に記載の使い捨ておむつであって、
   前記一対の止着部材のうちの一方の止着部材の前記厚さ方向における一方側の面と、他方の止着部材の前記厚さ方向における他方側の面とが、０．１Ｎ／１０ｍｍ以上の止着力で止着可能であることを特徴とする使い捨ておむつ。

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