JP2015221933A - 金型用鋼及び金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層造形法を適用して金型を製造するに際して、更にはそのような積層造形法によらないで、インゴットを加工して得た材料に対する切削加工で造形し金型製造した場合においても、高い高温強度と高熱伝導率とをともに付与することのできる金型用鋼を提供する。【解決手段】金型用鋼を、質量%で0.15<C<0.43,0.20<Si<0.52,5.32<Cr<5.72-0.05814?[Cr]+0.4326<Mn<-0.2907?[Cr]+2.4628・・式(1)(但し式(1)中[Cr]はCrの含有質量%を表す)0.72<Mo<1.60,0.20<V<0.61残部がFe及び不可避的不純物の組成を有するものとする。【選択図】 なし

Description

この発明は高温強度と熱伝導性能ともに優れた金型用鋼及び金型に関する。
樹脂やゴム等の射出成形金型,ダイカスト金型,ホットプレス(ホットスタンプやダイクエンチとも呼ばれる)金型等には高い高温強度が求められる。これら金型(金型の一部を構成している部品も含む)において、高温強度はショットを繰返し行った場合に金型の摩耗を抑制する上で必要且つ重要な特性である。
高温強度の求められる金型用の材料として、従来、熱間金型用工具鋼の代表鋼種であるJIS SKD61,或いはSUS420J2やマルエージング鋼等が広く用いられている。
これら金型にあっては、内部に冷却回路を設けてそこに冷却水を流通させることで金型を冷却することが一般に行われているが、その際の冷却水による冷却効率の良し悪しは製品の生産性を直接左右する点で重要である。
即ち、冷却効率が低ければ製品成形のサイクルタイムが長くなって製品の生産性が低くなる一方、冷却効率が高ければ製品成形のサイクルタイムを短縮化し得てハイサイクル化により生産性を高めることができ、製品コストを低減することができる。
冷却効率を高める端的な方法は、冷却回路を金型の成形面(意匠面)に近づけることである。
但しそのようにすると、冷却回路と成形面との間の距離が短くなることにより、また発生する熱応力が大きくなることにより金型が水冷孔割れ(水冷孔から成形面にまで到る貫通した割れ)を生じ易くなり、型寿命が短寿命化する原因となる。
従って冷却回路を成形面に近づけるにしても、そこには自ずと限界がある。
冷却効率を高める他の方法は金型の熱伝導率を高めること、即ち熱伝導率の高い金型用鋼を用いることである。
金型の熱伝導率が高ければ、同一の冷却回路,冷却条件の下でも金型の温度低下を加速することができ、冷却効率を高めることが可能である。
熱伝導率の高さは、金型における熱応力の低減による疲労亀裂(いわゆるヒートチェック)の抑制や速やかな温度低下により焼付きを軽減する等のためにも必要である。
ところが従来用いられている上記のJIS SKD61やSUS420J2,マルエージング鋼等の金型用鋼は、高温強度を有するものの母相中に固溶し易いSiやCrやNiやCo等の元素が多く含有されているために熱伝導率が低く、熱伝導率によって冷却効率を高めるといったことは難しい。
冷却効率を高めるための他の方法として、冷却回路を金型内部で縦横無尽に複雑に曲りくねった形状とし、冷却回路の全体的な形状,レイアウト等により冷却能力を高めるといったことも考えられる。
但し従来の金型の製造方法は、一般に鋼を溶製してインゴットを造り、その後鍛造や圧延を施してブロックや平角材を造り、それを機械加工で削って金型の形状とし、その後に焼入れ,焼戻し等の熱処理を施して金型を製造するものであり、そのような製造方法の下で、金型内部で縦横無尽に複雑に曲りくねった形状の冷却回路を加工形成するといったことは現実には困難である。
このような状況の下で近年、金型を積層造形法(3次元積層造形法)で造形する技術が注目されている。
積層造形法は、3次元モデルデータを材料の付着によって実体化する加工法で、この積層造形法では、先ず3次元CADデータで表現される形状を、予め定められた軸に直交する多数の面でスライスして生じる薄片の断面形状を計算して、その薄片を実際に作製及びこれを積み重ね、貼り合せることで計算機表現された形状を実体化する。
この積層造形法には材料として粉末を用いる場合と、板を用いる場合とがある。
粉末を用いる方法では、粉末を層状(一層の厚みは例えば数十μm)に敷き均し、ある領域に熱エネルギー照射、例えばレーザービームや電子ビーム照射して粉末層を溶融凝固或いは焼結させ、そしてこれを一層一層積み重ねて行くことで全体の形状を造形する。
一方材料として板を用いる積層造形では、3次元形状データをCAD中でスライスして生じた個々のパーツ(板)を実際に機械加工等で製造し、そしてそのパーツを積み上げて拡散接合等することで全体の3次元形状を造形する。
例えばこの種積層造形法にて金型を製造する例が、下記特許文献1,特許文献2に開示されている。
詳しくは、下記特許文献1には「粉末焼結積層用金属粉末、それを用いた三次元形状造形物の製造方法および得られる三次元形状造形物」についての発明が示され、そこにおいて析出硬化型金属成分の粉末材料に光ビームを照射して、所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成するとともに、これにより得られた固化層の上に更に固化層を形成することを繰り返して三次元形状造形物を製造する点が開示されている。
また下記特許文献2には「金型用入れ子、金型用入れ子の製造方法及び樹脂成形用金型」についての発明が示され、そこにおいて内部にスパイラル状の冷却路を有する入れ子を製造する際、そのスライスデータに基づいて、複数の金属板にそれぞれ冷却路を形成する溝を加工し、溝加工された金属板を所定の順番に積層してこれを拡散接合し、得られた金属ブロックを形状加工する点が開示されている。
以上のような積層造形法は、材料を積み重ねて全体の形状を造形するものであり、切削加工では到底できないような縦横無尽に曲りくねった複雑な冷却回路でも容易に加工形成することができ、冷却回路を敢えて金型の成形面に必要以上に近づけなくても、冷却効率を従来の機械加工による切削によって造られる金型のそれよりも効果的に高めることができる。
積層造形法によって造られた金型では、冷却回路を自由自在に複雑形状にすることができ、従って金型材料としてマルエージング鋼や析出硬化型ステンレス鋼を用いたものであっても、積層造形で冷却回路を複雑形状とすることで、その冷却回路の形状効果により冷却の効率を上げることができるが、材料自体の熱伝導率が低いために、冷却効率を十分なレベルまで高めることは難しい。
また当然に、積層造形によらず、従来一般の製造方法で金型を製造した場合には、冷却(熱交換)の効率は更に不十分となる。
他方、熱伝導性能の高い(熱伝導率の高い)鋼として、炭素鋼や機械構造用鋼等がある。これらの鋼は、母相中に固溶し易いSiやCrやNiやCoなどの元素の含有量が少なく、低合金鋼であるために高い熱伝導率を示す。
しかしながらこれらの鋼は高温強度が低く、金型となったときの寿命が短い問題がある。
即ち、積層造形法にて金型を造形する、しないに拘らず、金型となったときに高温強度及び熱伝導性能ともに十分な性能を実現することのできる金型用鋼は従来提供されていなかった。
尚、本発明に対する他の先行技術として、下記特許文献3には「熱間工具鋼」についての発明が示され、そこにおいてC:0.28〜0.55%、Si:0.15〜0.80%、Mn:0.40〜0.85%、P:0.020%以下、S:0.018%以下、Cr:2.5〜5.7%、Mo:1.4〜2.8%、V:0.20〜0.90%、W:0.01〜1.65%、Co:0.03〜0.89%、Ni:0.01〜1.65%を含有し、残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなり、不可避的不純物のNを0.009%以下、Tiを0.003%以下、Bを0.012%以下に規制し、非金属介在物の清浄度がJIS dA0.005%以下で、d(B+C)0.020%以下であると共に、熱処理後のマルテンサイト組織の方向性が17〜33%の範囲である熱間工具鋼が開示されている。
更に他の先行技術として、下記特許文献4には「破砕用刃物用鋼および破砕刃の製造方法」についての発明が示され、そこにおいてC:0.3〜0.5%、Si:0.2〜0.5%、Mn:0.1〜1.0%、Cr:4.0〜6.0%、MoおよびWの内の1種または2種をMo+1/2W:0.8〜2.5%、VおよびNbの内の1種または2種をV+1/2Nb:0.3〜1.0%、を基本成分として含有し、残部をFeと不可避的不純物からなる破砕用刃物用鋼が開示されている。
更に他の先行技術として、下記特許文献5には「熱間鍛造金型及びその製造方法」についての発明が示され、そこにおいてC:0.32〜0.42%、Si:0.3%以下、Mn:0.3〜1.5%、Ni:0.5%以下、Cr:4.0〜6.0%、V:0.2〜1.0%、Mo+1/2W:0.8〜2.0%、及び、N:0.005〜0.04%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる熱間鍛造金型が開示されている。
更に他の先行技術として、下記特許文献6には「熱間加工用金型」についての発明が示され、そこにおいて、C:0.30%以上0.50%未満、Si:0.10〜0.5%、Mn:0.30〜1.0%、P:0.02%以下、S:0.005%以下、Cr:4.0〜8.0%、Mo:0.2%以上1.5%未満、V:0.05〜1.0%、Al:0.03%以下、N:0.0150%以下およびO:0.0030%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物としてのNiおよびWがいずれも0.7%未満の化学組成および900MPa以上の引張強度を有する熱間加工用金型であって、少なくとも被加工材と接する面に硬化深さが200μmを超える窒化層を備えるとともに、この窒化層の深さが30μm以上の位置での硬さがビッカース硬さで900以下である熱間加工用金型が開示されている。
更に他の先行技術として、下記特許文献7には「熱間鍛造金型用鋼」についての発明が示され、そこにおいてC:0.25〜0.45%、Si:0.50%以下、Mn:0.20〜1.0%、P:0.015%以下、S:0.005%以下、Ni:0.5〜2.0%、Cr:2.8〜4.2%、Mo:1.0〜2.0%、V:0.1〜0.5%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物よりなる熱間鍛造金型用鋼が開示されている。
更に他の先行技術として、下記特許文献8には「熱間工具鋼」についての発明が示され、そこにおいてC:0.25〜0.40%、Si:0.50%以下、Mn:0.30〜1.00%、P:0.015%以下、S:0.005%以下、Ni:0.50〜2.00%、Cr:2.70〜5.50%、Mo:1.00〜2.00%、V:0.40〜0.80%、B:0.0005〜0.0100%、Al:0.015〜0.10%、N:0.015%以下、を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる合金鋼で、室温での破壊靭性値(KQ)が250Kgf/mm3/2以上、高温(600℃)での耐力(0.2%PS)が60Kgf/mm2以上を有する熱間工具鋼が開示されている。
しかしながら、これら特許文献3〜8には本発明の請求項を満たす化学組成の実施例の開示はなく、更に熱伝導率についての言及は全くなされていない点で本発明とは異なっている。
国際公開WO2011/149101号公報 特開2010−194720号公報 特開2003−268486号公報 特開2007−297691号公報 特開2008−308745号公報 特開2010−65280号公報 特開平6−256897号公報 特開平8−269625号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、積層造形法を適用して金型を製造するに際して、更にはそのような積層造形法によらないで、インゴットを加工して得た材料に対し機械加工による切削にて金型製造した場合においても、高温強度をJIS SKD61と同等程度に維持しつつ高熱伝導率を実現可能な金型用鋼及び金型を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1は金型用鋼に関するもので、質量%で0.15<C<0.43,0.20<Si<0.52,5.32<Cr<5.72,
-0.05814×[Cr]+0.4326<Mn<-0.2907×[Cr]+2.4628・・式(1)
(但し式(1)中[Cr]はCrの含有質量%を表す)
0.72<Mo<1.60,0.20<V<0.61,残部がFe及び不可避的不純物の組成を有することを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、質量%で0.10<Al<1.20を更に含有することを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、質量%で0.30<Ni≦3.5,0.30<Cu≦1.5の少なくとも1種を更に含有することを特徴とする。
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、質量%で0.0001<B≦0.0050を更に含有することを特徴とする。
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、質量%で0.003<S≦0.250,0.0005<Ca≦0.2000,0.03<Se≦0.50,0.005<Te≦0.100,0.01<Bi≦0.50,0.03<Pb≦0.50の少なくとも1種を更に含有することを特徴とする。
請求項6のものは、請求項1〜5の何れかにおいて、質量%で0.004<Nb≦0.100,0.004<Ta≦0.100,0.004<Ti≦0.100,0.004<Zr≦0.100の少なくとも1種を更に含有することを特徴とする。
請求項7のものは、請求項1〜6の何れかにおいて、質量%で0.10<W≦4.00,0.10<Co≦3.00の少なくとも1種を更に含有することを特徴とする。
請求項8のものは、請求項1〜7の何れかにおいて、レーザーフラッシュ法によって評価した25℃における熱伝導率が24.0W/m/K以上であることを特徴とする。
請求項9のものは、請求項1〜8の何れかにおいて、積層造形法によって金型を造形するための材料として用いられることを特徴とする。
請求項10のものは、請求項9において、前記材料が粉末若しくは板であることを特徴とする。
請求項11は金型(金型の一部を構成している部品を含む)に関するもので、請求項9,10の何れかに記載の材料を用いた積層造形法により製造して成ることを特徴とする。
本発明は、高い高温強度,高熱伝導率の両特性を備えた金型用鋼が従来提供されていない状況の下で、マルエージング鋼やステンレス鋼等の高合金鋼に対し熱伝導率を低下させる合金成分の含有量を少なくする一方、機械構造用鋼に対し高温強度を高める合金元素の含有量を多くし、それら合金成分を適正にバランスさせることで、摩耗抑制に必要な高温強度をJIS SKD61と同等程度に維持しつつ高熱伝導率を実現可能としたものである。
本発明は、従来一般の製造方法に従って溶製材から切削加工による造形で金型製造する際に用いられる材料に適用することも可能である外、積層造形法による造形で金型製造する際に用いられる粉末材料や板材料に適用することも可能である。
詳しくは、本発明では金型用鋼を粉末若しくは板状となしておき、これら材料を用いて積層造形法で金型を造形することができる。
積層造形法、特に粉末を用いた積層造形法では、粉末を敷き並べた層に熱エネルギーを加えて粉末を固める際に、これを溶融凝固又は焼結させる。
その際に粉末は溶融状態等の高温状態から急速冷却され、焼入れが自動的に行われる。その際の焼入れは速い冷却速度の下で急速に行われる。即ち焼入れが粉末の積層成形過程で逐次的に同時に行われて行く。
上記のように焼入れは速い冷却速度の下で行われるため、予め鋼の成分として焼入性向上成分の含有量を少なく抑えておいても、積層造形時に焼入れが良好に行われる。
但し本発明の金型用鋼は、積層造形用の材料として好適に用い得るものであるが、鋼の塊から機械加工による切削にて金型形状を造形し金型製造を行う場合の材料としても使用可能である。このときには含有元素に応じて焼入れ等の熱処理条件を定めれば良い。
次に本発明における各化学成分の限定理由を以下に説明する。
尚各化学成分の値は何れも質量%である。
1)<請求項1の化学成分について>
0.15<C<0.43
0.15<Cであることによって、溶製材から切削加工による造形で製造した金型を熱処理すると、金型に必要な硬さ30〜57HRCを得ることができる。また、積層造形で製造したままの金型においても30〜57HRCが得られる。更に積層造形後の金型を熱処理した場合においても30〜57HRCが得られる。これら何れの製法においても、C≦0.15では硬さが不足する。一方0.43≦Cでは熱伝導率が低下する。
0.20<Si<0.52
Si≦0.20では被削性の劣化が著しい。また、Si≦0.20では硬さ(すなわち強度)の確保が困難である。一方0.52≦Siでは熱伝導率の低下が著しい。特に好ましい範囲は0.28<Si<0.52である。
5.32<Cr<5.72
Cr≦5.32では耐食性が不足する。更に、Cr≦5.32では、溶製材からの切削加工による造形で製造した金型を焼入れる場合の、あるいは積層造形で製造した金型を焼入れる場合の焼入性が不足する。一方5.72≦Crでは熱伝導率が低下する。
-0.05814×[Cr]+0.4326<Mn<-0.2907×[Cr]+2.4628・・式(1)
Mn≦-0.05814×[Cr]+0.4326では焼入性が不足する。焼入性の不足は、特にCrが低い場合に著しい。-0.2907×[Cr]+2.4628≦Mnでは熱伝導率が低下する。熱伝導率の低下は特にCrが高い場合に著しい。Mn量の下限に関しては、特に好ましい範囲は0.19<Mnである。
式(1)に示すようにMnの含有量をCrの含有量の関数として、即ちCrの含有量との関係において規定しているのは次のような理由による。
0.32C-0.50Si-1.25Mo-0.58Vを基本成分とする鋼のCrとMnを変化させた場合の熱伝導率を調査した。これらの鋼のブロックを溶製によって製造し、そこから切り出したφ11mm×100mmの円柱を1030℃から20℃/minの冷却速度で焼入れ、550〜620℃での焼戻しによって43HRCに調整した。調質された円柱からφ10mm×2mmの熱伝導率測定用の試験片を作成した。熱伝導率の測定はレーザーフラッシュ法により、25℃において測定した。そして、熱伝導率が24.0W/m/K未満を×、24.0W/m/K以上を○、として熱伝導率を評価した。
図1(A)は、CrとMnが熱伝導率に及ぼす影響を示す。CrとMnが共に多いほど熱伝導率は低く「×」となることが分かる。逆に、CrとMnが共に少ないほど熱伝導率は高く「○」となる。この×と○の境界と推定される直線が、Mn=-0.2907×[Cr]+2.4628であり、この直線より下の領域では安定して○が得られる。そこでMnの上限をMn<-0.2907×[Cr]+2.4628と規定した。なお、先述の通り、Crの範囲は5.32<Cr<5.72である。
0.32C-0.50Si-1.25Mo-0.58Vを基本成分とする鋼のCrとMnを変化させた場合の衝撃値を調査した。これらの鋼のブロックを溶製によって製造し、そこから切り出した11mm×11mm×60mmの角棒を1030℃から20℃/minで550℃まで冷却後、引き続き3℃/minで室温まで冷却して焼入れした。この焼入れパターンは、溶製材のブロックから機械加工で作成した大きな金型を焼入れる時の金型内部の冷却履歴を模擬している。この角棒を、550〜610℃での焼戻しによって45HRCに調整した。調質された角棒から10mm×10mm×55mmの衝撃試験片を作成した。ノッチ半径が1mmのJIS3号試験片である。
衝撃値は25℃において測定した。そして、衝撃値が20J/cm未満を×、20J/cm以上を○、として評価を行った。
図1(B)は、CrとMnが衝撃値に及ぼす影響を示す。CrとMnが共に多いほど衝撃値は高く「○」となることが分かる。逆に、CrとMnが共に少ないほど衝撃値は低く「×」となる。この○と×の境界と推定される直線が、Mn=-0.05814×[Cr]+0.4326であり、この直線より上の領域では安定して○が得られる。そこでMnの下限をMn>-0.05814×[Cr]+0.4326と規定した。なお、先述の通り、Crの範囲は5.32<Cr<5.72である。
0.72<Mo<1.60
Mo≦0.72では、焼戻した際の2次硬化による硬さ確保が難しく、高温強度も不十分となる。一方1.60≦Moでは破壊靭性値の低下が大きい。好ましい範囲は0.72<Mo<1.51である。更に好ましい範囲は1.10<Mo<1.51である。
0.20<V<0.61
V≦0.20では、焼入れがある場合のオーステナイト結晶粒の粗大化が問題となる。また、V≦0.20では焼戻した際の2次硬化による硬さ確保が難しく、高温強度も不十分となる。
一方0.61≦Vでは上記の効果が飽和傾向であるうえ、コスト上昇を招く。また、0.61≦Vでは、通常の製法(溶解→精錬→鋳造→熱間加工)で製造した場合に、凝固時に晶出する粗大なVCが多くなり、金型となった場合の破壊の起点となる恐れが増す。特に好ましい範囲は、0.32<V<0.61である。
尚本発明の鋼において、通常、下記に示す成分が不可避的不純物として下記量で含まれ得る。
N≦0.05
P≦0.05
S≦0.003
Cu≦0.30
Ni≦0.30
Al≦0.10
W≦0.10
O≦0.01
Co≦0.10
Nb≦0.004
Ta≦0.004
Ti≦0.004
Zr≦0.004
B≦0.0001
Ca≦0.0005
Se≦0.03
Te≦0.005
Bi≦0.01
Pb≦0.03
Mg≦0.02
2)<請求項2の化学成分について>
本発明鋼は、積層造形後に焼入れを受ける場合がある。焼入れ時のオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制するため
0.10<Al<1.20
を含有させることが出来る。
AlはNと結合してAlNを形成し、オーステナイト結晶粒界の移動(すなわち粒成長)を抑制する効果を有する。
また、Alは鋼中で窒化物を形成して析出強化に寄与するため、窒化処理された鋼材の表面硬さを高くする作用も有する。より高い耐摩耗性を求めて窒化処理をする金型(金型の一部を構成している部品も含む)には、Alを含む鋼材を使う事が有効である。
3)<請求項3の化学成分について>
近年、金型部品の大型化や一体化によって、金型のサイズは大きくなる傾向にある。大きな金型は冷却され難い。このため、焼入れ性が低い鋼材の大きな金型を焼入れると、焼入れ中にフェライトやパーライトや粗大ベイナイトが析出して各種特性が劣化する。そのような懸念に対しては、Cu-Niを選択的に添加して焼入れ性を高めて対応すればよい。具体的には、
0.30<Ni≦3.5
0.30<Cu≦1.5
の少なくとも1種を含有させれば良い。
NiにはAlと結合して金属間化合物を析出し、硬度を高める効果もある。Cuには、時効析出で硬度を高める効果もある。好適な範囲は、
0.50≦Ni≦3.0
0.50≦Cu≦1.2
である。いずれの元素も、所定量を越えると偏析が顕著となり,鏡面研磨性の低下を招く。
4)<請求項4の化学成分について>
焼入れ性の改善策として、Bの添加も有効である。具体的には必要に応じて
0.0001<B≦0.0050
を含有させる。
なお、BはBNを形成すると焼入れ性の向上効果が無くなるため、鋼中にB単独で存在させる必要がある。具体的には、BよりもNとの親和力が強い元素で窒化物を形成させ、BとNを結合させなければ良い。そのような元素の例としては、Nb,Ta,Ti,Zrなどがある。これらの元素は不純物レベルで存在してもNを固定する効果はあるが、N量によっては後述する請求項6の範囲で添加すると良い場合がある。
5)<請求項5の化学成分について>
本発明鋼はSi量が少ないため、機械加工性がやや悪い。加工性の改善策として、以下のS,Ca,Se,Te,Bi,Pbを選択的に添加すれば良い。具体的には、
0.003<S≦0.250
0.0005<Ca≦0.2000
0.03<Se≦0.50
0.005<Te≦0.100
0.01<Bi≦0.50
0.03<Pb≦0.50
の少なくとも1種を含有させれば良い。
いずれの元素も、所定量を越えた場合は被削性の飽和と熱間加工性の劣化、衝撃値や鏡面研磨性の低下を招く。
6)<請求項6の化学成分について>
予期せぬ設備トラブルなどによって、焼入れ加熱温度が高くなったり焼入れ加熱時間が長くなれば、結晶粒の粗大化による各種特性の劣化が懸念される。そのような場合に備え、Nb,Ta,Ti,Zrを選択的に添加し、これらの元素が形成する微細な析出物でオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制することが出来る。具体的には、
0.004<Nb≦0.100
0.004<Ta≦0.100
0.004<Ti≦0.100
0.004<Zr≦0.100
の少なくとも1種を含有させれば良い。
いずれの元素も、所定量を越えると炭化物や窒化物や酸化物が過度に生成し、衝撃値や鏡面研磨性の低下を招く。
7)<請求項7の化学成分について>
高強度化にはC増量が有効であるが、過度のC増量は炭化物の増加による特性(衝撃値や機械疲労特性)の劣化を招く。このような不具合を招くことなく高強度化するには、WやCoを選択的に添加すればよい。
Wは、炭化物の微細析出によって強度を上げる。Coは、母材への固溶によって強度を上げると同時に、炭化物形態の変化を介して析出硬化にも寄与する。具体的には、
0.10<W≦4.00
0.10<Co≦3.00
の少なくとも1種を含有させれば良い。
いずれの元素も、所定量を越えると特性の飽和と著しいコスト増を招く。好適な範囲は、
0.30≦W≦3.00
0.30≦Co≦2.00
である。
以上のような本発明によれば、JIS SKD61と同等程度の摩耗抑制に必要な高い高温強度を維持しつつ、高熱伝導率を併せ備えた金型用鋼及び金型を提供することができる。
(A)CrとMnが熱伝導率に及ぼす影響を示した図である。(B)CrとMnが衝撃値に及ぼす影響を示した図である。 本発明の一実施形態のスプールコアを有するダイカスト金型の断面図である。 スプールコアの摩耗状態を示した図である。
次に本発明の実施形態を以下に詳述する。
表1に示す化学組成の34種の鋼の粉末をガスアトマイズ法にて製造し、この粉末を用いてレーザー照射による3次元積層造形法で図2に示すダイカスト金型10の一部である部分型としてのスプールコア12を製造した。このスプールコア12には冷却回路14が内部に形成されている。ここで冷却回路14は螺旋状の3次元的に複雑な形状をなしている。
表1中、比較例1は熱間ダイス鋼SKD61,比較例2は18Niマルエージング鋼,比較例3はマルテンサイトステンレス鋼SUS420J2,比較例4は機械構造用鋼SCM435である。
尚、表1中の各発明例には不可避量の不純物成分が含まれることがあるが、表中には記載していない。
図2において、ダイカスト金型10は固定型16と可動型18とを有している。それらの間に製品の成形空間としてのキャビティ20と湯道22とが設けられ、それらが狭小の湯口24で繋がっている。
上記スプールコア12は、プランジャ26とともに鋳造品の最終凝固位置である円筒状のビスケット部28を挟む位置に配置されている。湯道22は、このビスケット部28から延び出している。
スプールコア12には溝が形成されており、この溝にて湯道22の一部が形成されている。
上記の手順で得た金型を100〜650℃の範囲に加熱(焼戻しや時効)して43HRCに調質した。この加熱は、残留応力の除去も兼ねている。化学成分によっては焼戻しや時効がなくても所望の特性になるが、その場合は残留応力の除去が100〜650℃の加熱の主目的となる。もちろん、積層造形ままで所望の特性が得られ、かつ残留応力も問題とならない場合には積層造形後の加熱は不要である。
その後、機械加工で最終の金型形状に仕上げた。金型は、135tonダイカストマシンのスプールコア12である。金型構造に占めるスプールコア12の位置が図2に示してある。ここで図2はダイカストの金型構造を横から見た断面図である。
ダイカストのサイクルは、型締め→射出→ダイタイマー→型開き→製品取出し→エアブロー→離型剤噴霧→エアブロー、の繰り返しである(図2はダイタイマーの過程を表している)。
まず、可動型18が固定型16に接触して型締め状態となる。この時、製品の成形空間としてのキャビティ20が形成される。その状態でスリーブ30にラドルでアルミニウム合金(以下アルミ合金とする)の溶湯を注ぎ、その溶湯を高速で移動するプランジャ26で射出する。
射出された溶湯は湯道22を通って移動し、湯口24から液状・粒状・霧状になってキャビティ20内へ流入する。水鉄砲や霧吹きをイメージすれば理解し易い。やがて、溶湯でキャビティ20が充填される。そして、キャビティ20を満たした溶湯に圧力をかけて固化するまで待つ。
これがダイタイマーと呼ばれる過程で,図2はこの様子を示している。溶湯が固化して製品になると、可動型18を移動させて型を開く。製品を押出しピンやマニプレータを使って取り出す。高温のアルミ合金と接触していた金型は温度が高くなっているため,エアブローと離型剤噴霧で冷却する。これがダイカストの1サイクルである。
上記過程の中で、ダイタイマー(金型内で溶湯を固化させている過程)の短縮を検討した。スプールコア12の冷却能が高いと、ビスケット部28が早く凝固するためダイタイマーを短くでき、したがって全体のサイクルタイムを短縮することができる。サイクルタイムの短縮は、生産性向上の観点から非常に好ましい。
テストには型締め力135tonのダイカストマシンを用い、ダイタイマーが充分に長い状態(ビスケット部28が完全に固化した状態)から1秒ずつダイタイマーを短くしてゆき、型開き時にビスケット部28が固化していれば合格、していなければ不合格と判定した。そして、合格となる最短のダイタイマーを評価した。
ビスケット部28の形状はφ50×40mm、スプールコア12の冷却回路14の水冷孔と表面との距離は15mmである。溶湯は730℃のADC12で、鋳造品の質量は660gである。また、10000ショット鋳造後のスプールコア12に顕著な摩耗が認められるかどうかも評価した。高温強度が不足すると、湯流れによる摩耗が顕著となり、金型寿命が確保できない。
テストの結果を表2に示した。目標は、ダイタイマーについては10[秒]以下、摩耗については10000ショット後に深さ0.2mm以上の摩耗が無いことである。
比較例1〜比較例3のダイタイマーは12〜14[秒]と長い。これは、熱伝導率が24.0[W/m/K]未満と低く、熱交換が行われ難いためである。
その一方で、10000ショット鋳造後のスプールコア12には顕著な摩耗は無かった。これは充分な高温強度を有するためである。
熱伝導率が38.4[W/m/K]と高い比較例4の場合は、ダイタイマーが7[秒]と短く好ましい結果であるが、高温強度が低いために10000ショット後には顕著な摩耗が観察され、型寿命の確保は難しいと判断された。この様子を図3に示している。湯道22の一部を形成する溝Mのうち、溶湯の流動の方向が急激に変わる角部k付近に、摩耗によってダレた肌が観察される。
30種類の発明例は、ダイタイマーがいずれも10[秒]以下と短く、目標を達成した。これは、熱伝導率が24.0[W/m/K]以上と高く、熱交換が行われ易いためである。また、充分な高温強度を有するため、10000ショット鋳造後のスプールコア12に顕著な摩耗は無かった。なお、比較例にも発明例にも冷却回路14の水冷孔からの割れは無かった。
次に、比較例1〜3でもダイタイマーを10秒以下にできないか検証した。具体的には、熱交換を促進するため、水冷孔と表面の距離を10mmと小さくしたスプールコア12を作って表2のテストと同条件でテストを行った。結果を表3に示す。
ダイタイマーは表2の発明例と同等まで短縮された。水冷孔を表面に近接させる金型構造は、ダイタイマーの短縮に極めて有効である。
その一方で、10000ショット鋳造が完了する前に水冷孔からの割れが表面に貫通して寿命となった。亀裂の貫通距離が短くなったことに加え、熱応力が増大したためである。ダイタイマーが短縮されても、これではダイカストの生産性向上は難しい(金型交換に長時間を要するため)。なお、10000ショットは未達であるが、表2のテストの場合と同様に、摩耗は顕著ではなかった。
以上から分かるように、発明例では、摩耗や水冷孔割れを防止して型寿命を確保しつつ、ダイタイマー短縮が実現される。比較例では、型寿命を確保するとダイタイマーが長くなり、ダイタイマーを短くすると金型寿命が確保できない。発明例が型寿命確保とダイタイマー短縮を両立できる理由は、高温強度と熱伝導率が共に高いためである。
また、発明例の特徴である熱伝導率の高さは、ヒートチェック抑制による型寿命の確保にも効果的である。ダイカストでは、溶湯による加熱と離型剤噴霧による冷却の熱サイクルが金型表面に与えられるが、この加熱や冷却によって発生する熱応力が、熱伝導率の高い発明例では低くなる。熱応力による熱疲労が軽減される結果、発明例ではヒートチェック(金型表面の割れ)が発生しにくくなり、型寿命が確保されるのである。
一連の鋳造テストにおいても、10000ショット後の金型表面を観察したところ、熱伝導率の低い比較例1・比較例2・比較例3では既に微細なヒートチェックが発生していた。さらに数千ショットの鋳造を継続すれば、ヒートチェックが顕在化して金型が寿命に達した恐れがある。これに対し、発明例では、10000ショット後にもヒートチェックの発生は全く認められず、滑らかな金型表面を維持していた。さらに数万ショットの鋳造を継続しても、金型寿命は確保できることが期待される。
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。
熱伝導率と高温強度の高さを両立した本発明鋼は、ダイカストの金型以外にも樹脂の射出成形の金型用としても好適である。また、鋼板のホットプレス(ホットスタンプやダイクエンチとも呼ばれる)の金型等としても高い性能を発揮する。その際、積層造形ではなく、通常の機械加工と熱処理によって本発明鋼を金型製造に適用しても、同様の製法で作られた同一形状の従来鋼の金型より、型寿命確保とサイクル短縮に有効である。
さらに、本発明鋼による金型を表面改質(ショットブラスト,サンドブラスト,窒化,PVD,CVD,メッキ,など)と組合せることも有効である。
また、本発明鋼は、棒材や線材の状態の溶接材として使用することもできる。具体的には、本発明にかかる金型用鋼の溶接材を用い、積層造形法により製造した金型に、あるいはインゴットを加工して得た材料に対し機械加工による切削にて製造した金型に、溶接補修することも可能である。この場合、補修される金型の化学成分は、本発明鋼の範囲とは異なっても良いし、本発明鋼の範囲内であっても良い。いずれにせよ、本発明鋼の溶接材で補修された部分は、本発明鋼の成分で発揮される高い高温強度と高い熱伝導率を有する。
その他本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
10 ダイカスト金型
12 スプールコア
14 冷却回路

Claims (11)

  1. 質量%で
    0.15<C<0.43
    0.20<Si<0.52
    5.32<Cr<5.72
    -0.05814×[Cr]+0.4326<Mn<-0.2907×[Cr]+2.4628・・式(1)
    (但し式(1)中[Cr]はCrの含有質量%を表す)
    0.72<Mo<1.60
    0.20<V<0.61
    残部がFe及び不可避的不純物の組成を有することを特徴とする金型用鋼。
  2. 質量%で
    0.10<Al<1.20
    を更に含有することを特徴とする請求項1に記載の金型用鋼。
  3. 質量%で
    0.30<Ni≦3.5
    0.30<Cu≦1.5
    の少なくとも1種を更に含有することを特徴とする請求項1,2の何れかに記載の金型用鋼。
  4. 質量%で
    0.0001<B≦0.0050
    を更に含有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の金型用鋼。
  5. 質量%で
    0.003<S≦0.250
    0.0005<Ca≦0.2000
    0.03<Se≦0.50
    0.005<Te≦0.100
    0.01<Bi≦0.50
    0.03<Pb≦0.50
    の少なくとも1種を更に含有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の金型用鋼。
  6. 質量%で
    0.004<Nb≦0.100
    0.004<Ta≦0.100
    0.004<Ti≦0.100
    0.004<Zr≦0.100
    の少なくとも1種を更に含有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の金型用鋼。
  7. 質量%で
    0.10<W≦4.00
    0.10<Co≦3.00
    の少なくとも1種を更に含有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の金型用鋼。
  8. レーザーフラッシュ法によって評価した25℃における熱伝導率が24.0W/m/K以上であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の金型用鋼。
  9. 積層造形法によって金型を造形するための材料として用いられることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の金型用鋼。
  10. 前記材料が粉末若しくは板であることを特徴とする請求項9に記載の金型用鋼。
  11. 請求項9,10の何れかに記載の材料を用いた積層造形法により製造して成る金型。
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