JP2005262865A - 3次元構造体の透明化方法及び透明な3次元構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多孔質の3次元構造体を容易に透明化することができる3次元構造体の透明化方法を提供すること。
【解決手段】 素材用樹脂からなる多孔質の3次元構造体を準備する工程と、硬化後の屈折率が素材用樹脂の屈折率と同じか又はそれに近い硬化可能な含浸用樹脂を準備する工程と、含浸用樹脂を前記多孔質の3次元構造体に含浸させる工程と、3次元構造体に含浸させた含浸用樹脂を硬化させる工程とを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、3次元構造体の透明化方法及び透明な3次元構造体、より詳しくは、樹脂粉末を用いた選択レーザ焼結 (SLS:Selective Laser Sintering) 造形法などにより形成した多孔質の3次元構造体の透明化方法及び透明な3次元構造体に関する。
試作品や金型など3次元構造体の製作に、積層造形法(RP:Rapid Prototyping)が
用いられるようになっている。積層造形法は立体形状を薄く輪切りにした形の板状層を順に積層して全体の形を形成する方法である。このような積層造形法の主なものに、光造形法、粉末結合法、樹脂押出し法などがある。
これらのうち、粉末結合法では、特に、金属粉末や樹脂粉末を用いた選択レーザ焼結(SLS)造形法がよく用いられている。選択レーザ焼結造形法では、熱可塑性の樹脂の粉末層や金属粒子にバインダを混練した粉末層を形成した後、レーザで走査して、粉末粒子の表面やバインダを溶融し、各粉末粒子を相互に付着させて固化し、次いで、その固化した粉末層の上にさらに粉末層を積層し、固化して全体の形を形成する。
また、樹脂押出し法では、熱可塑性の樹脂を加熱し、溶融状態でノズルから連続して線状に吐出し、各線状樹脂を相互に付着させて所望の面全体に敷きつめ、硬化させて所望の形状の板状層を形成する。その板状層の上にさらに所望の形状の板状層を順に積層して全体の形を形成する。
これらの技術は、特許文献1、2や、非特許文献1などに記載されている。
米国特許4938816号 米国特許5132143号 積層造形技術資料集 丸谷洋二,早野誠治,今中瞑著、オプトロニクス社発行
しかしながら、粉末を用いた選択レーザ焼結(SLS)造形法などにより作成された3次元構造体は、不透明になることが多い。
従って、このような3次元構造体を適用した血管のモデルや車のエンジンのモデルなどにおいて、その内部を外部から観察することは困難であった。
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて創作されたものであり、積層造形法、特に選択レーザ焼結(SLS)造形法などを用いて製作された多孔質の3次元構造体を透明化することができる3次元構造体の透明化方法及び透明な3次元構造体を提供するものである。
上記した課題を解決するため、この発明は、3次元構造体の透明化方法に係り、素材用樹脂からなる多孔質の3次元構造体を準備する工程と、硬化後の屈折率が前記素材用樹脂の屈折率と同じか又はそれに近い硬化可能な含浸用樹脂を準備する工程と、前記含浸用樹脂を前記多孔質の3次元構造体に含浸させる工程と、前記3次元構造体に含浸させた含浸用樹脂を硬化させる工程とを有することを特徴とし、
また、前記素材用樹脂からなる多孔質の3次元構造体は、前記素材用樹脂の粉末層の積層と焼結を順次繰り返して形成された前記素材用樹脂の焼結体であることを特徴とし、
また、前記素材用樹脂は、アクリル樹脂、アクリル系モノマとスチレンの共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン又はポリアミドのうち何れか一を主要構成材料とする樹脂であることを特徴とし、
また、前記含浸用樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、二液性硬化樹脂又は光硬化性樹脂のうち何れか一であることを特徴とし、
また、前記含浸用樹脂は、アクリル樹脂、ポリエチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体或いはエポキシ樹脂のうち何れか一、又はこれらのモノマのうち何れか一を主要構成材料とする樹脂であることを特徴とし、
また、前記含浸用樹脂を前記多孔質の3次元構造体に含浸させる工程における温度は、前記素材用樹脂が熱による変形を生じず、前記含浸用樹脂が流動性を維持し得る範囲に保つことを特徴とし、
また、前記含浸用樹脂を前記多孔質の3次元構造体に含浸させる工程の前に、前記3次元構造体を構成する素材用樹脂の分子を架橋することを特徴とし、
他の発明は、透明な3次元構造体に係り、素材用樹脂からなる多孔質の3次元構造体と、前記多孔質の3次元構造体に充填させた、前記素材用樹脂の屈折率と同じか又はそれに近い屈折率を有する含浸用樹脂とを備えたことを特徴とし、
また、前記素材用樹脂は、アクリル樹脂、アクリル系モノマとスチレンの共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン又はポリアミドのうち何れか一を主要構成材料とする樹脂であることを特徴とし、
また、前記含浸用樹脂は、アクリル樹脂、ポリエチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体或いはエポキシ樹脂のうち何れか一、又はこれらのモノマのうち何れか一を主要構成材料とする樹脂であることを特徴としている。
以下に、上記構成により奏される作用について説明する。
素材用樹脂の粉末層の積層と焼結を順次繰り返して形成するSLS造形法などにより作製した3次元構造体の不透明性は、3次元構造体が多孔質であり、その孔や隙間に空気などが混入していることに起因していると考えられる。即ち、たとえ素材用樹脂が透明であったとしても、図1(b)に示すように、造形品内部のいたるところに存在する素材用樹脂と孔等1cとの界面で屈折率の違いに起因して光2aの反射や屈折が生じるためである。
本願発明では、硬化後の屈折率が素材用樹脂の屈折率と同じか又はそれに近い液状の含浸用樹脂或いはそのモノマを、多孔質の3次元構造体に含浸させ、その後含浸用樹脂を硬化させている。即ち、図1(c)に示すように、多孔質の3次元構造体の孔や隙間が素材用樹脂の屈折率と同じか又はそれに近い屈折率を有する含浸用樹脂1dにより充填されることになり、素材用樹脂1bと孔等1cとの界面での屈折率差が小さくなる。その結果、3次元構造体1に入射した光2c、2dは界面2eを通過する際の反射や屈折が防止されて3次元構造体1中を直進するようになり、このため、多孔質の3次元構造体を透明化することができる。
この場合、含浸用樹脂を多孔質の3次元構造体に含浸させる方法としては、含浸させる樹脂に熱可塑性のものを用い、熱的に溶融して含浸させ、その後冷却して固化させる物理的方法と、熱硬化性、光(例えば紫外線)硬化性、二液混合硬化性の樹脂を用いて含浸後に硬化させる化学的方法の2つがある。
また、3次元構造体を構成する素材用樹脂と含浸用樹脂の特定の組み合わせによっては、含浸用樹脂を3次元構造体に含浸させると3次元構造体を構成する素材用樹脂が溶けてしまう場合がある。
このような虞がある場合、本願発明では、含浸用樹脂を多孔質の3次元構造体に含浸させる工程の前に、例えば電子線やガンマ線を照射して3次元構造体を構成する素材用樹脂の分子を架橋させることにより、素材用樹脂の分子相互の結合を強めて、素材用樹脂において含浸用樹脂に対する耐性を向上させることができる。
以上のように、本願発明によれば、硬化後の屈折率が素材用樹脂の屈折率と同じか又はそれに近い硬化可能な含浸用樹脂を多孔質の3次元構造体に含浸させ、その後含浸用樹脂を硬化させている。即ち、多孔質の3次元構造体の孔や隙間が素材用樹脂とほぼ同じ屈折率を有する含浸用樹脂により満たされることになるため、素材用樹脂と孔等との界面での屈折率差が小さくなる。これにより、3次元構造体を透明化することができる。
従って、このような3次元構造体を適用した血管のモデルや車のエンジンのモデルなどにおいて、その内部を外部から観察することが可能になる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る3次元構造体の透明化方法を示すフローチャートである。また、図1(a)は本発明の実施の形態に係る透明な3次元構造体を示す斜視図、図1(b)は含浸用樹脂を含浸する前の3次元構造体の部分拡大図であり、その3次元構造体が不透明となる理由を説明する図であり、図1(c)は含浸用樹脂を含浸した後の3次元構造体の部分拡大図であり、その3次元構造体が透明となる理由を説明する図である。
その3次元構造体の透明化方法においては、図2のフローチャートに示すように、多孔質の3次元構造体の作製(P1)→素材用樹脂の架橋(P2)→減圧脱ガス(P3)→含浸用樹脂の含浸(P4)→含浸用樹脂の硬化(P5)という工程を経て、透明な3次元構造体が完成する(P6)。以下、この工程に沿って3次元構造体の透明化方法を詳しく説明する。
まず、素材用樹脂からなる多孔質の3次元構造体を作製する(フローチャートのP1の工程)。3次元構造体を作製する方法として積層造形法を用いることができるが、特に作製された3次元構造体が不透明、即ち多孔質になり易い方法として、例えば、粉末結合法、樹脂押出し法などがある。以下にその代表例として、粉末結合法、特に選択レーザ焼結(SLS)造形法について簡単に説明する。
選択レーザ焼結造形法では、熱可塑性の樹脂の粉末層を形成した後、レーザで走査して、各粉末粒子表面を溶融し、各粉末粒子を相互に付着させて固化する。次いで、その固化した層の上にさらに粉末層を積層し、固化して全体の形を形成する。
なお、3次元構造体を構成する素材用樹脂が含浸用樹脂によって溶ける虞がある場合、選択レーザ焼結(SLS)造形法により3次元構造体を作製した後に、3次元構造体を構成する素材用樹脂の分子を架橋させておくとよい(P2)。架橋手段として、例えば、電子線や放射線(ガンマ線)を照射する手段がある。これに応じて、素材用樹脂として、電子線やガンマ線の照射により架橋が可能な樹脂を用いることができる。これにより、素材用樹脂を構成する分子相互の結合を強めて、素材用樹脂の含浸用樹脂に対する耐性を向上させることができる。
更に、多孔質の3次元構造体の作製後、次に実施する含浸工程の前に、多孔質の3次元構造体の周囲を減圧しておくとよい(P3)。これにより、多孔質の3次元構造体の孔や隙間内の空気などをより確実に除去することができるため、次の含浸工程で、孔等内に気泡を可能な限り残留させずに孔等内を含浸用樹脂で充填することが可能となる。
次に、減圧状態を維持したまま含浸用樹脂を多孔質の3次元構造体に含浸させる(P4)。
含浸工程においては、まず、硬化後の屈折率が素材用樹脂の屈折率と同じか又はそれに近い含浸用樹脂を準備する。
含浸用樹脂は次のような熱的条件を満たすことが必要である。即ち、含浸作業中においては、流動的でありかつ多孔質の3次元構造体の形状を維持することができ、空孔に十分にこの樹脂が充填された後には、これを硬化する手段がなくてはならない。例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、二液性硬化樹脂を用いる場合、硬化前の液状のときに、多孔質の3次元構造体の形状を崩してはならない。或いは、熱可塑性樹脂を選ぶ場合は、素材用樹脂が熱による変形を生じない範囲で流動化し得る樹脂を選び、この温度範囲で含浸作業を行う。
次に、3次元構造体に含浸させた含浸用樹脂を硬化させる(P5)。
例えば、含浸用樹脂として熱可塑性のものを用いた場合、含浸用樹脂が流動化する温度以下に冷却することにより3次元構造体に含浸させた含浸用樹脂を固化させる。或いは、含浸用樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合、含浸用樹脂が硬化し、かつ素材用樹脂が熱による変形を生じない温度範囲で加熱することにより、その含浸用樹脂を硬化させる。或いは、含浸用樹脂として光(例えば紫外線)硬化性樹脂を用いた場合、紫外線を照射することにより、その含浸用樹脂を硬化させる。或いは、含浸用樹脂として二液性硬化樹脂を用いた場合、3次元構造体に含浸させた含浸用樹脂が硬化するのを待つ。
これにより、図1(c)に示すように、多孔質の3次元構造体内の孔や隙間1cが素材用樹脂1bとほぼ同じ屈折率を有する含浸用樹脂1dにより満たされることになるため、素材用樹脂1bと隙間等1cとの界面2eでの屈折率差が小さくなる。従って、3次元構造体1に入射した光線2c、2dは反射や屈折などが抑制されて3次元構造体1中を直進するようになるため、3次元構造体1を透明化することができる。
以上のようにして、図1(a)に示すような、透明な3次元構造体1を得ることができる(P6)。
次に、本発明の実施の形態の3次元構造体の透明化方法に用い得る素材用樹脂の具体例を以下に列記する。括弧内の数字は、その素材用樹脂が熱による変形を生ずる温度(Tsh)とその素材用樹脂の屈折率(ns)の代表的な値を示す。以下では、アクリル樹脂の代
表例としてメタクリル樹脂を挙げ、アクリル系モノマとスチレンの共重合体の代表例として、メタクリル−スチレン共重合体を挙げる。
なお、素材用樹脂として、下記を主要構成材料とし、その他の添加物を加えたものを用いてもよい。さらに、造形物の強度を増すために、ガラスビーズをフィラーとして用いてもよい。この際、フィラーと粉体(素材用樹脂)の屈折率を同一となるように調整し、さらに、含浸用樹脂の硬化屈折率もそれらと同一となるように調整することにより、高強度で透明な造形物を形成することが可能である。
(i)メタクリル樹脂(Tsh:100℃,ns:約1.49)
(ii)メタクリル−スチレン共重合体(Tsh:90℃,ns:1.49-1.59)
(iii)アクリロニトリル−スチレン共重合体(Tsh:100℃,ns:1.57)
(iv)ポリスチレン(Tsh:80℃,ns:1.59)
(v)ポリプロピレン(Tsh:100℃,ns:1.48)
(vi)ポリエチレン(Tsh:80℃,ns:1.51)
(vii)ポリカーボネート(Tsh:140℃,ns:1.59)
(viii)環状ポリオレフィン(Tsh:160℃,ns:1.53)
(ix)ポリアミド
これらの素材用樹脂のうち、ポリアミド(ナイロン)においては近年透明な樹脂が開発されており、例えば、「TROGAMID CX(商品名:デグサ製)」(Tsh:140℃,ns:1.511-1.523(波長λ=656〜488nm))が該当する。
次に、本発明の実施の形態の3次元構造体の透明化方法に用い得る含浸用樹脂の具体例を以下に列記する。括弧内の数字は、その含浸用樹脂の屈折率(nf)の代表的な値を示
す。
(i)アクリル樹脂(nf: 約1.49)
(ii)アクリロニトリル−スチレン共重合体(nf:1.57)
(iii)ポリエチレン(nf:1.51)
(iv)エポキシ樹脂(nf:1.61)
上記含浸用樹脂のうち、熱可塑性樹脂には、例えばメタクリル樹脂などのアクリル樹脂や、アクリロニトリル−スチレン共重合体や、ポリエチレンなどが該当する。熱硬化性樹脂には、エポキシ樹脂が該当し、そのほか例えば、メタクリル酸エステルと適量の触媒を含んだものがある。紫外線硬化性樹脂には、アクリロニトリル−スチレン共重合体やエポキシ樹脂が該当し、そのほか例えば、メタクリル酸エステルと光開始剤を含んだものがある。また、二液性硬化樹脂には、例えば、二液性エポキシ系接着剤が該当する。なお、含浸用樹脂として、上記を主要構成材料とし、その他の添加物を加えたものを用いてもよい。
次に、本発明の実施の形態の3次元構造体の透明化方法に用い得る、素材用樹脂と含浸用樹脂の組み合わせの好適例について以下に列記する。
(i)素材用樹脂:メタクリル樹脂、含浸用樹脂:熱硬化性エポキシ樹脂
(ii)素材用樹脂:メタクリル−スチレン共重合体、含浸用樹脂:熱硬化性エポキシ樹脂(iii)素材用樹脂:アクリロニトリル−スチレン共重合体、含浸用樹脂:熱硬化性エポ
キシ樹脂
(iv)素材用樹脂:ポリスチレン、含浸用樹脂:熱硬化性エポキシ樹脂
(v)素材用樹脂:ポリプロピレン、含浸用樹脂:紫外線硬化性アクリル樹脂
(vi)素材用樹脂:ポリエチレン、含浸用樹脂:熱硬化性アクリル樹脂
(vii)素材用樹脂:ポリカーボネート、含浸用樹脂:紫外線硬化性アクリル樹脂
(viii)素材用樹脂:環状ポリオレフィン、含浸用樹脂:紫外線硬化性アクリル樹脂
(ix)素材用樹脂:ポリアミド、含浸用樹脂:熱硬化性エポキシ樹脂
(第1実施例)
主に、3次元構造体の造形後に3次元構造体を構成する素材用樹脂の分子を架橋する例について以下に説明する。
ポリメチルメタクリレートを素材とする粉体を用いて3次元構造体をSLS法により造形する。その後、3次元構造体の近傍5cm乃至1mの位置に放射性同位元素Co−60を配置し、3次元構造体に40乃至70グレイ(Gy)の放射線を照射してその素材用樹脂内部の分子を架橋する。その後、3次元構造体に熱硬化性アクリル樹脂を含浸し、例えば熱硬化させる。
(第2実施例)
3次元構造体の透明化方法の一例を以下に説明する。
メタクリル酸メチルとスチレンの共重合体において、両モノマーの配合を調整することにより、屈折率を1.54に調整する。次に、この樹脂を粉体化し、SLS法を用いて3次元構造体を造形する。その後、この屈折率に等しい光硬化性エポキシ樹脂を含浸後、紫外線を照射することにより、含浸した樹脂を固化する。
以上のように、本発明の実施の形態の3次元構造体の透明化方法によれば、多孔質の3次元構造体を透明化することができるので、その3次元構造体を適用した血管のモデルや車などのエンジンのモデルなどにおいて、その内部を外部から観察することが可能になる。
以上、実施の形態によりこの発明を詳細に説明したが、この発明の範囲は上記実施の形態に具体的に示した例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の上記実施の形態の変更はこの発明の範囲に含まれる。
例えば、素材用樹脂と含浸用樹脂の組み合わせに関し、上記した組み合わせ以外も適用可能である。
(a)は本発明の実施の形態に係る透明な3次元構造体を示す斜視図、(b)は含浸用樹脂を含浸する前の3次元構造体の部分拡大図であり、その3次元構造体が不透明となる理由を説明する図、(c)は含浸用樹脂を含浸した後の3次元構造体の部分拡大図であり、その3次元構造体が透明となる理由を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る3次元構造体における透明化方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1 3次元構造体
1a 3次元構造体の部分
1b 素材用樹脂
1c 3次元構造体内の孔や隙間
1d 含浸用樹脂
2a乃至2d 光線
2e 素材用樹脂と孔や隙間等との界面

Claims (10)

  1. 素材用樹脂からなる多孔質の3次元構造体を準備する工程と、
    硬化後の屈折率が前記素材用樹脂の屈折率と同じか又はそれに近い硬化可能な含浸用樹脂を準備する工程と、
    前記含浸用樹脂を前記多孔質の3次元構造体に含浸させる工程と、
    前記3次元構造体に含浸させた含浸用樹脂を硬化させる工程とを有することを特徴とする3次元構造体の透明化方法。
  2. 前記素材用樹脂からなる多孔質の3次元構造体は、前記素材用樹脂の粉末層の積層と焼結を順次繰り返して形成された前記素材用樹脂の焼結体であることを特徴とする請求項1記載の3次元構造体の透明化方法。
  3. 前記素材用樹脂は、アクリル樹脂、アクリル系モノマとスチレンの共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン又はポリアミドのうち何れか一を主要構成材料とする樹脂であることを特徴とする請求項1又は2の何れか一に記載の3次元構造体の透明化方法。
  4. 前記含浸用樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、二液性硬化樹脂又は光硬化性樹脂のうち何れか一であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の3次元構造体の透明化方法。
  5. 前記含浸用樹脂は、アクリル樹脂、ポリエチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体或いはエポキシ樹脂のうち何れか一、又はこれらのモノマのうち何れか一を主要構成材料とする樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の3次元構造体の透明化方法。
  6. 前記含浸用樹脂を前記多孔質の3次元構造体に含浸させる工程における温度は、前記素材用樹脂が熱による変形を生じず、前記含浸用樹脂が流動性を維持し得る範囲に保つことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一に記載の3次元構造体の透明化方法。
  7. 前記含浸用樹脂を前記多孔質の3次元構造体に含浸させる工程の前に、
    前記3次元構造体を構成する素材用樹脂の分子を架橋させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一に記載の3次元構造体の透明化方法。
  8. 素材用樹脂からなる多孔質の3次元構造体と、
    前記多孔質の3次元構造体に充填させた、前記素材用樹脂の屈折率と同じか又はそれに近い屈折率を有する含浸用樹脂とを備えたことを特徴とする透明な3次元構造体。
  9. 前記素材用樹脂は、アクリル樹脂、アクリル系モノマとスチレンの共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン又はポリアミドのうち何れか一を主要構成材料とする樹脂であることを特徴とする請求項8記載の透明な3次元構造体。
  10. 前記含浸用樹脂は、アクリル樹脂、ポリエチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体或いはエポキシ樹脂のうち何れか一、又はこれらのモノマのうち何れか一を主要構成材料とする樹脂であることを特徴とする請求項8又は9の何れか一に記載の透明な3次元構造体。
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