JP2015220162A - 燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所望のチキソ性を有する燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法を提供する。
【解決手段】 4%水溶液としたときの粘度が4〜50mPa・sであるポリビニルアルコールおよび2種類以上の導電性材料を含む混合物であって、前記混合物中の前記導電性材料の含有量が、60〜80wt%である混合物を、密閉式混練機を用いて20〜80℃に保ち、2000〜5000MJ/m3のエネルギーで混練する第1混練工程と、前記第1混練工程において混練された前記混合物に水系分散粒子状アクリル系バインダーを添加し、混練する第2混練工程とを含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、チキソ性を有する燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法に関するものである。
燃料電池は、環境負荷低減等を目的として検討が行われているエネルギーの供給方法の一つである。特に固体高分子型燃料電池は、他の燃料電池と比べ比較的低温で動作するため、家庭用コジェネシステムや、自動車用電源として期待されている。水素と酸素(空気)を用いる固体高分子型燃料電池は、水素極、固体高分子電解質膜、酸素(空気)極等からなる発電部材を、水素や酸素を供給するセパレーターで挟んだ構造になっている。
上記の様な固体高分子型燃料電池のセパレーターとしては、導電性カーボンとエポキシ等の樹脂との複合材を凹凸のある板状にした成形品や、耐食性金属板をプレス成型したものが知られている。しかし、導電性カーボンを用いた複合材は、成形時間が長く、また、薄くすることができない、割れ欠けし易いという問題があり、さらに実用化のためには非常に高価であるという問題があった。一方、耐食性金属板のプレス成型品は、複合材と比べて薄膜化は容易であり、割れ欠けなどの問題には対応できているが、耐食性金属板は厚さが薄くなりすぎるとプレス成形した凹凸の角部に亀裂が入り易く、また、亀裂発生を防止するために厚くすると重いという問題が有る。
そこで、特許文献1においては、加工しやすい金属板からなるセパレーター基材の表面に耐食性を持たせるために導電性塗膜を形成する方法を採用し、その際に、バインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合体、アクリル−スチレン共重合体またはアクリル−シリコーン共重合体を含む導電性ペーストを用いることが提案されている。
国際公開第2003/044888号
ところで、導電性ペーストを用いて導電性塗膜を形成する際には、セパレーター基材表面に導電性ペーストを塗布し、その後塗膜の形状を維持する必要があるため、導電性ペーストには所望のチキソ性を付与することが求められる。
本発明の目的は、所望のチキソ性を有する燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法を提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、所定の工程を含む製造方法とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、
(1) 4%水溶液としたときの粘度が4〜50mPa・sであるポリビニルアルコールおよび2種類以上の導電性材料を含む混合物であって、前記混合物中の前記導電性材料の含有量が、60〜80wt%である混合物を、密閉式混練機を用いて20〜80℃に保ち、2000〜5000MJ/m3のエネルギーで混練する第1混練工程と、前記第1混練工程において混練された前記混合物に水系分散粒子状アクリル系バインダーを添加し、混練する第2混練工程とを含む燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法、
(2) 前記導電性材料は、二次粒子の体積平均粒子径が100〜1000μmのカーボンブラックと体積平均粒子径が10〜60μmのグラファイトとを含むことを特徴とする(1)記載の燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法
が提供される。
本発明によれば、所望のチキソ性を有する燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法が提供される。
以下本発明について、実施形態を含めてさらに具体的に説明する。本発明の燃料電池セパレーター用水系導電性ペースト(以下、「水系導電性ペースト」ということがある。)の製造方法は、4%水溶液としたときの粘度が4〜50mPa・sであるポリビニルアルコールおよび2種類以上の導電性材料を含む混合物であって、前記混合物中の前記導電性材料の含有量が、60〜80wt%である混合物を、密閉式混練機を用いて20〜80℃に保ち、2000〜5000MJ/m3のエネルギーで混練する第1混練工程と、前記第1混練工程において混練された前記混合物に水系分散粒子状アクリル系バインダーを添加し、混練する第2混練工程とを含む。
(第1混練工程)
(導電性材料)
本発明の燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法の第1混練工程において用いる導電性材料としては、カーボン等を用いることができる。カーボンとしては、グラファイト(具体的には鱗片状黒鉛、人造黒鉛、球状黒鉛など)、黒鉛質の炭素微結晶が数層集まって乱層構造を形成した球状集合体であるカーボンブラック(具体的にはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、その他のファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラックなど)、炭素繊維やカーボンウィスカーなどを用いることができ、グラファイトとカーボンブラックとを併用することが好ましい。
比較的大きい粒子径を有するカーボンブラックと比較的小さい粒子径を有するグラファイトとを併用することで密に充填することができる。
グラファイトとカーボンブラックとを併用する場合には、グラファイト/カーボンブラックの重量比が60/40〜90/10であることが好ましく、70/30〜85/15であることがより好ましい。グラファイトの比率が大きすぎると得られる水系導電性ペーストの安定性が低下する。また、カーボンブラックの比率が大きすぎると得られる水系導電性ペーストの粘度が高くなり、基材上における水系導電性ペーストの流動性が失われるため、塗布に適さない。
導電性材料としてグラファイトを用いる場合におけるグラファイトの平均体積粒子径は、得られる水系導電性ペーストの塗料性が良好であり、また、得られる水系導電性ペーストにより形成されるセパレーターの抵抗値が低い観点から、10〜60μmであることが好ましい。
また、導電性材料として、グラファイトを用いる場合において、球状黒鉛を用いると流動性のよい導電性ペーストが得られ、鱗片状黒鉛、人造黒鉛を用いると充填しやすいため、得られる水系導電性ペーストにより形成されるセパレーターの抵抗が低くなる。
また、導電性材料として、カーボンブラックを用いる場合におけるカーボンブラックの体積平均粒子径としては、二次粒子の体積平均粒子径で100〜1000μmが好ましく、300〜800μmであることがより好ましい。なお、カーボンブラックは、二次凝集している。また、カーボンブラックの一次粒子の電気抵抗率は0.15〜0.25Ω・cmであることが好ましく、カーボンブラックの一次粒子の比表面積は、40〜70m2/cmであることが好ましい。また、カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレート)吸油量としては50〜400ml/100gであることが好ましい。
(ポリビニルアルコール)
本発明の燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法の第1混練工程においてはポリビニルアルコールを用いる。ポリビニルアルコールを用いることにより、得られる水系導電性ペーストにより形成されるセパレーターの耐酸性を向上させることができ、また、導電性材料の分散性を向上させることができる。
第1混練工程において用いるポリビニルアルコールの重量平均分子量(Mw)は、50,000〜500,000であることが好ましい。ポリビニルアルコールのMwが小さすぎると、得られる水系導電性ペーストの粘度が低くなり、ポリビニルアルコールのMwが大きすぎると高粘度となるため均一な導電性ペーストを得ることが困難となる。
また、第1混練工程において用いるポリビニルアルコールのケン化度は、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上である。ポリビニルアルコールのケン化度が低すぎると、得られる水系導電性ペーストにより形成されるセパレーターの耐酸性を十分なものとすることができない。
また、第1混練工程においては、上述のポリビニルアルコールを水に溶解させて水溶液として用いるが、ポリビニルアルコール水溶液の粘度は、20℃における4wt%水溶液の粘度として、4〜50mPa・s、好ましくは5〜45mPa・sである。
(その他成分)
(高沸点アルコール)
本発明の燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法においては、乾燥速度を調整し、平滑な塗膜を形成する観点から、導電性材料、ポリビニルアルコールの他に高沸点アルコールを用いてもよい。高沸点アルコールは、第1混練工程及び第2混練工程のいずれにおいて添加してもよいが、導電性ペーストの固形分濃度が高い状態で混練ができる観点から、第1混練工程が終了した後、即ち後述する第2混練工程における混練を行う際に添加することが好ましい。
高沸点アルコールの沸点は、燃料電池セパレーターを形成する際に乾燥速度を調整することができ、また、平滑な塗膜を形成することができ、さらに導電性材料のマイグレーションを防止する観点から、好ましくは100〜300℃、より好ましくは100〜200℃である。このような高沸点アルコールとしては、グリセリン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のセルソルブ類が挙げられる。これらの中でも、プロピレングリコールを用いることが好ましい。
(混合物の混練方法)
第1混練工程においては、上述の導電性材料、ポリビニルアルコール、水および必要に応じて添加される高沸点アルコールを含む混合物を混練機にて混練する。
混合物中、導電性材料の含有割合は、60〜80wt%、より好ましくは65〜75wt%である。導電性材料の含有割合が高すぎると、得られる水系導電性ペーストの粘度が増加し、流動性が失われるため塗布に適さない。また、この場合に導電性塗膜を形成したとしても導電性塗膜にクラックが生じる。また、導電性材料の含有割合が低すぎると、導電性塗膜を形成する際の乾燥時間やエネルギーが増加し、導電性塗膜を得るためのコストが増加する。
また、混合物中、ポリビニルアルコールの含有量は、(導電性材料)/(ポリビニルアルコール)の重量比にて、100/2〜100/5、好ましくは100/2〜100/4である。導電性材料の重量比が大きすぎると、得られる水系導電性ペーストを用いて形成されるセパレーターの抵抗が上昇する。
また、高沸点アルコールを添加する場合における混合物中の高沸点アルコールの含有量は、(高沸点アルコール)/(水)の重量比にて、10/90〜80/20、好ましくは35/65〜65/35、より好ましくは40/60〜60/40である。ポリビニルアルコールと高沸点アルコールとを併用することで、分散性を向上させることができる。高沸点アルコールの含有量が多すぎると、チキソ性の高い導電性ペーストを得ることができない。また、高沸点アルコールの含有量が少なすぎると、得られる水系導電性ペーストを用いて形成される塗膜を平滑にすることが困難となる。
第1混練工程において用いる混練機としては、バンバリーミキサーなどの密閉式混錬機を用いる。
また、第1混練工程においては、混練中の極端な発熱を抑制する観点から、温度を20〜80℃の範囲に、好ましくは30〜70℃の範囲に、特に好ましくは40〜60℃の範囲に保つ。
また、第1混練工程においては、上述の混合物を2000〜5000MJ/m3のエネルギーで混練する。混練工程において混合物にかけるエネルギーが大きすぎると、多くのエネルギーが必要となり、また、導電性材料の再凝集が起こり、得られる水系導電性ペーストにより形成される塗膜の表面が荒くなる。また、第1混練工程において混合物にかけるエネルギーが小さすぎると、導電材料の粒子がほぐれず、十分に分散しないため、得られる水系導電性ペーストにより形成される塗膜の表面が荒くなる。
また、第1混練工程後における導電性材料の粒子径分布は、得られる水系導電性ペーストのと両性がよく、導電性ペーストにより形成される塗膜が平滑性に優れる観点から、0.1〜0.8μmおよび0.1〜60μmの2つのピークを有することが好ましい。
(第2混練工程)
(アクリル系バインダー)
本発明の燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法の第2混練工程に用いる水系分散粒子状アクリル系バインダーは、通常、水等の水系の分散媒に分散された分散液の状態で使用される。また、アクリル系バインダーとしては、酸変性ポリアクリレート、ニトリル変性ポリアクリレート等を用いるのが好ましい。酸変性ポリアクリレートとしては、酸モノマーとアクリレートモノマーとの共重合体等が挙げられ、ニトリル変性ポリアクリレートとしては、アクリロニトリルとアクリレートモノマーとの共重合体等が挙げられる。また、酸モノマー及びアクリロニトリルとアクリレートモノマーとを共重合させた共重合体を用いてもよい。
酸モノマーとしては、アクリル酸、メタアクリル酸等が挙げられる。アクリレートモノマーとしては、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、イソノニルアクリレート等が挙げられる。尚、前記「アクリレート」は、メタアクリレートも含む(以降も同じ)。
また、アクリル系バインダーポリマーの共重合の際に用いるアクリレートモノマーの量は、アクリル酸または/およびアクリロニトリルとアクリレートモノマーとを合わせた量を100重量部として、通常50〜95重量部、好ましくは65〜90重量部、より好ましくは70〜85重量部である。アクリレートモノマーの量が少なすぎると形成される導電性塗膜が割れやすくなり、また、アクリレートモノマーの量が多すぎると形成される導電性塗膜の剥離強度が低下する。
なお、酸変性ポリアクリレートまたは/およびニトリル変性ポリアクリレートは、公知の重合方法により得ることができる。例えば、アクリル酸または/およびアクリロニトリル、アクリレートモノマー、シードラテックスを水に添加して攪拌した後に、所定の温度まで昇温させ、過硫酸カリウム水溶液等の重合開始剤を添加することにより重合反応を開始させる。そして、所定の重合添加率となるまで重合反応を継続させる。その後、反応溶液を冷却させ未反応単量体を除去した後に、所定の固形分濃度、pHに調整することによりバインダーポリマーを得ることができる。
ここで、重合開始剤は特に限定されないが、具体例としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物等を挙げることができる。なかでも、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩が好ましい。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、その種類によって異なるが、アクリル酸または/およびアクリロニトリルとアクリレートモノマーの合計量100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。
また、バインダーポリマーの重合反応を行う際に、必要に応じて界面活性剤等を添加することができる。界面活性剤としては、ナトリウムドデシルベンゼンサルフェート、アンモニウムラウリルサルフェート等のアニオン性界面活性剤等を挙げることができる。
本発明の水系導電性ペーストには、必要に応じてさらに添加剤を加えてもよい。添加剤としては、シリコン系やフッ素系の消泡剤、ポリアクリル酸やポリビニルアルコールなどの粘度調整剤等が挙げられる。
(水系導電性ペースト)
本発明の燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法に係る水系導電性ペーストは、上述の第1混練工程において混練した混合物にアクリル系バインダー及び必要に応じて添加される高沸点アルコールや添加剤を添加し、混合することにより得られる。即ち、本発明に係る水系導電性ペーストは第1混練工程および第2混練工程の二段階練りを行うことにより得られ、二段階練りを行うことにより分散性を向上させることができる。
アクリル系バインダーを用いることにより、得られる水系導電性ペーストにより形成されるセパレーターの耐酸性が向上する。なお、第1混練工程においてアクリル系バインダーを添加するとラテックス粒子が凝集するため、アクリル系バインダーの分散性が悪くなる。
第2混練工程におけるアクリル系バインダーの添加量は、水系導電性ペーストにより形成される塗膜が接着強度に優れ、抵抗値が低い観点から、(導電性材料)/(アクリル系バインダー)の重量比にて、100/2〜100/5、好ましくは100/2〜100/4である。アクリル系バインダーの添加量が少なすぎると、水系導電性ペーストにより形成される塗膜の接着強度が弱くなる。また、アクリル系バインダーの添加量が多すぎると、水系導電性ペーストにより形成されるセパレーターの抵抗が大きくなる。
水系導電性ペーストの製造方法としては、特に限定されないが、各材料をディスパーやロール、バンバリーミキサー、押し出し機、などを用いて混合する方法が挙げられる。好ましく用いられる混練機は、バンバリーミキサーなどの密閉式混錬機である。
また、得られる水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)以下における粘度は、1.0×106Pa・s以上、好ましくは1.0×106〜5×106Pa・s、より好ましくは1×106〜3×106Pa・sである。せん断速度が0.01(1/s)以下における粘度が大きすぎると、水系導電性ペーストにより形成される塗膜の平滑性が悪くなる。また、せん断速度が0.01(1/s)以下における粘度が小さすぎると、水系導電性ペーストにより形成される塗膜の形状維持性が悪くなる。
また、得られる水系導電性ペーストの、せん断速度が10(1/s)以上における粘度は、水系導電性ペーストにより形成される塗膜の形状維持性および平滑性が良好である観点から、1500Pa・s以下、好ましくは400〜1200Pa・s、より好ましくは600〜800Pa・sである。せん断速度が10(1/s)以上における粘度が大きすぎると得られる水系導電性ペーストの流動性が悪くなり、水系導電性ペーストにより形成される塗膜の平滑性が悪くなる。
(導電性塗膜)
本発明の燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法に係る水系導電性塗料を、燃料電池のセパレーターの基材として用いられる金属材料または炭素材料等の上に塗布して乾燥することにより導電性塗膜を形成することができる。塗布方法としては、例えば、ダイコート法、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、スクリーン印刷、ハケ塗りなどが挙げられる。基材上に導電性塗膜を形成することにより、燃料電池のセパレーター、電磁波吸収体、導電回路、導電コネクタ等として用いることができる。
本発明によれば、チキソ性に優れた水系導電性ペーストを得ることができる燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法を提供することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り質量基準である。実施例および比較例における各特性は、下記の方法に従い測定した。
(水系導電性ペーストの中のカーボンの粒子径分布)
作製した水系導電性ペーストをイオン交換水で30倍に希釈した後、超音波装置を用いて5分間分散処理を行った。次に、分散処理を行った水系導電性ペーストの吸光度が0.1〜0.2となるように測定サンプルを調製し、レーザー回折式粒子径分布測定装置(島津製作所製 SALD−2300)を用いてカーボンの体積基準における粒子径分布を得た。この粒子径分布からピークの粒子径を求めた。
(水系導電性ペーストの粘度)
実施例および比較例で得られた水系導電性ペーストのせん断速度が0.01(1/s)の場合の粘度η1およびせん断速度が10(1/s)の場合の粘度η2をレオメーター(アントンパール社製 MCR302)を用いて、25℃で測定した。
(流動性)
PETフィルム上に、実施例および比較例で得られた水系導電性ペーストをギャップ500μmのドクターブレードで塗工した。形成した塗膜を90℃で1時間乾燥し、試験シートとした。該シート表面の外観をレーザー顕微鏡(KEYENCE社製 形状測定レーザマイクロスコープ VK-8700)にて、10倍の倍率で0.5cm×0.5cmの塗膜の亀裂を観察し、下記の基準により評価した。結果を表1〜3に示した。
A:0.5cm×0.5cmの塗膜上に0.01mm以上の亀裂がない
B:0.05mm以上の亀裂がない
C:0.1mm以上の亀裂がある
(平滑性)
上述の流動性の評価において用いた試験シートと同様に試験シートを作製し、塗膜の表面の粗さをレーザー式深度計(KEYENCE社製 形状測定レーザマイクロスコープ VK-8700)を用いて、3回測定した平均値をRaとして求めた。Raは、下記の基準により評価した。Raは、10μm未満であると平滑であることを示している。
A:Ra<10μm
B:10μm≦Ra<15μm
C:Ra≧15μm
(形状維持性)
PETフィルム上に、実施例および比較例で得られた水系導電性ペーストを幅60mm、ギャップ500μmのドクターブレードで塗布形成した塗膜を90℃で1時間乾燥し、試験シートを作製した。試験シートの乾燥前後の塗工幅の広がりをノギスで測定し、下記の基準により形状維持性を評価した。
A:塗工幅の広がりが0.1mm未満
B:塗工幅の広がりが0.1mm以上0.3mm未満
C:塗工幅の広がりが0.3mm以上
(抵抗値)
上述の形状維持性の評価において用いた試験シートと同様の試験シートを作製した。この試験シートを所定の大きさに切り出し、金属端子を表面に接触させて体積抵抗率を測定し、下記の基準により評価した。体積抵抗率は、10mΩcm以下であると良好である。
A:10mΩcm未満
B:10mΩcm以上20mΩcm未満
C:20mΩcm以上
(実施例1)
(バインダーポリマー1の製造)
攪拌装置を備えたステンレス製耐圧反応器に、シードラテックス(スチレン38部、メチルメタアクリレート60部及びメタクリル酸2部を重合して得られる、粒子径70nmの重合体粒子のラテックス)を固形分にて3部、2エチルヘキシルアクリレート80部、アクリロニトリル20部、アンモニウムラウリルサルフェート(アニオン性界面活性剤)2部、およびイオン交換水108部を添加し、攪拌した。次いで、反応器内の温度を60℃に昇温した後、4%過硫酸カリウム水溶液10部を投入して重合反応を開始させた。そして、重合反応を進行させ、重合転化率が70%に達したとき、反応温度を70℃に昇温した。反応温度を70℃に維持しながら、重合転化率が97%に達するまで、重合反応を継続した。反応系を室温まで冷却して、重合反応を停止し、減圧して未反応単量体を除去した。イオン交換水を添加し、固形分濃度を45%、分散液のpHを7.5に調整することにより、バインダーポリマー1の分散液を得た。なお、分散液のpHの調整は、10%アンモニア水溶液を添加することにより行った。得られた粒子状のバインダーポリマーの体積平均粒子径は、0.33μmであった。
(水系導電性ペーストの製造)
カーボン、ポリビニルアルコール及び水を含む混合物を、バンバリーミキサー(ラボプラストミル 株式会社東洋精機製作所製)を用いて、50℃において60rpmで25分間混練、粉砕し、この混合物にかけるエネルギーが3500MJ/m3となるまで混練することにより1段階目の混練工程を行った。その後、プロピレングリコールおよびバインダーポリマー1の分散液を加え、10rpmで15分間混錬する2段階目の混練工程を行い、水系導電性ペーストを作製した。
ここで、混合物全体(100部)に対してカーボンを70部用いた。また、カーボンとしてはグラファイト85部に対してカーボンブラックを15部用いた。なお、グラファイト及びカーボンブラックとしては下記のものを用いた。
・グラファイト:伊藤黒鉛工業株式会社 鱗状黒鉛 SRP−150 (体積平均粒子径:28μm)
・カーボンブラック:電気化学工業株式会社製 デンカブラック (二次粒子の体積平均粒子径:500μm、DBP(ジブチルフタレート)吸油量50〜400ml/100g)
また、カーボン100部に対してポリビニルアルコールを3部用いた。ポリビニルアルコールとしては、4%水溶液とした場合の粘度が5.5mPa・s(20℃)であるポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社製JF−05、ケン化度:98〜99%)を用いた。また、プロピレングリコールは、得られる水系導電性ペーストにおいてプロピレングリコール55部に対して水45部となるように用いた。また、カーボン100部に対してバインダーポリマー1を3部用いた。
混練後のカーボンの粒子径分布は、0.5μmおよび20μmの2つのピークを有していた。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、1.8×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、600Pa・sであった。
(実施例2)
用いるポリビニルアルコール水溶液を、4%水溶液とした場合の粘度が20mPa・s(20℃)であるポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社製JF−7とJF−10を7:3(重量比)で混合したもの、ケン化度:98〜99%)をとした以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、2.3×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、1000Pa・sであった。
(実施例3)
用いるポリビニルアルコールの種類を、4%水溶液とした場合の粘度が40mPa・s(20℃))であるポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社製JF−20、ケン化度:98〜99%)をとした以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、2.9×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、1400Pa・sであった。
(実施例4)
混合物全体(100部)に対してカーボンを85部用いた以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、2.4×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、1300Pa・sであった。
(実施例5)
用いるカーボンの組成を、グラファイト70部に対してカーボンブラックを30部とした以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、1.9×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、700Pa・sであった。
(実施例6)
用いるグラファイトの種類をグラファイト(伊藤黒鉛工業株式会社 鱗片状黒鉛 Z−50(体積平均粒子径:45μm))とした以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
混練後のカーボンの粒子径分布は、0.5μmおよび50μmの2つのピークを有していた。また、得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、2.0×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、1100Pa・sであった。
(実施例7)
カーボン、ポリビニルアルコールおよび水を含む混合物を混練する際のエネルギーが2300MJ/m3となるように混練した以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
混練後のカーボンの粒子径分布は、0.7μmおよび20μmの2つのピークを有していた。得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、1.5×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、400Pa・sであった。
(実施例8)
カーボン、ポリビニルアルコールおよび水を含む混合物を混練する際のエネルギーが4400MJ/m3となるように混練した以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
混練後のカーボンの粒子径分布は、0.3μmおよび20μmの2つのピークを有していた。得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、2.1×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、1100Pa・sであった。
(実施例9)
プロピレングリコールに代えて、エチレングリコールを用いた以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、1.8×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、600Pa・sであった。
(実施例10)
プロピレングリコールに代えて、ジプロピレングリコールを用いた以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、1.8×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、600Pa・sであった。
(実施例11)
第2混練工程において添加したプロピレングリコールを、第1混練工程および第2混練工程において分けて添加した以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、1.6×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、500Pa・sであった。
(実施例12)
プロピレングリコールを加えなかった以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、2.9×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、1400Pa・sであった。
(実施例13)
水系導電性ペーストの製造においてプロピレングリコールとして、プロピレングリコール70部に対して水30部の組成を有する溶液を用いた以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、1.9×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、400Pa・sであった。
(実施例14)
水系導電性ペーストの製造においてプロピレングリコールとして、プロピレングリコール30部に対して水70部の組成を有する溶液を用いた以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、1.9×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、1100Pa・sであった。
(実施例15)
カーボン100部に対して用いるポリビニルアルコールの量を2部とした以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、3.5×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、1200Pa・sであった。
(実施例16)
カーボン100部に対して用いるバインダーポリマー1の量を5部とした以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、1.6×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、400Pa・sであった。
(比較例1)
用いるポリビニルアルコールの種類を、4%水溶液とした場合の粘度が3.5mPa・s(20℃))であるポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社製JF−3、ケン化度:98〜99%)をとした以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、0.7×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、600Pa・sであった。
(比較例2)
用いるポリビニルアルコールの種類を、4%水溶液とした場合の粘度が67mPa・s(20℃))であるポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社製JC−25、ケン化度:98〜99%)をとした以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、8.0×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、4000Pa・sであった。
(比較例3)
混合物全体(100部)に対してカーボンを50部用いた以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、0.7×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、500Pa・sであった。
(比較例4)
混合物全体に対してカーボンを93部用いた以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、7.0×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、3500Pa・sであった。
(比較例5)
混練の際に用いる混練機をディスパーとした以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
混練後のカーボンの粒子径分布は、1.5μmおよび25μmの2つのピークを有していた。得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、1.8×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、1500Pa・sであった。
(比較例6)
混練の際の温度を100℃とした以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)における粘度η1は、2.5×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)における粘度η2は、2500Pa・sであった。
(比較例7)
カーボン、ポリビニルアルコール水溶液、プロピレングリコールを含む混合物を混練する際のエネルギーが5700MJ/m3となるように混練した以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
混練後のカーボンの粒子径分布は、1.2μmおよび20μmの2つのピークを有していた。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)以下における粘度η1は、3.5×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)以上における粘度η2は、3000Pa・sであった。
(比較例8)
カーボン、ポリビニルアルコール水溶液、プロピレングリコールを含む混合物を混練する際のエネルギーが1400MJ/m3となるように混練した以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
混練後のカーボンの粒子径分布は、2.0μmおよび20μmの2つのピークを有していた。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)以下における粘度η1は、1.3×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)以上における粘度η2は、2500Pa・sであった。
(比較例9)
1段階目の混練工程においてカーボン、ポリビニルアルコール及び水に加えて、プロピレングリコール及びバインダーポリマー1分散液を混練し、1段階目の混練工程の終了後何も添加せずに2段階目の混練工程を行った以外は、実施例1と同様に水系導電性ペーストの製造を行った。
得られた水系導電性ペーストの、せん断速度が0.01(1/s)以下における粘度η1は、2.8×106Pa・s、せん断速度が10(1/s)以上における粘度η2は、4200Pa・sであった。
Figure 2015220162
Figure 2015220162
Figure 2015220162
表1〜表3に示すように第1混練工程において4%水溶液としたときの粘度が4〜50mPa・sであるポリビニルアルコール、グラファイト、カーボンブラックを含む混合物であって、この混合物中のグラファイトおよびカーボンブラックの合計含有量が、60〜80wt%である混合物を、バンバリーミキサーを用いて20〜80℃に保ち、2000〜5000MJ/m3のエネルギーで混練し、さらに第2混練工程において、第1混練工程で混練した混合物にアクリル系バインダーを添加し、混練すると得られる水系導電性ペーストはチキソ性が良好であり、また、この水系導電性ペーストにより形成される塗膜の流動性、平滑性、形状維持性及び抵抗値の各特性のバランスがとれ、良好であった。

Claims (2)

  1. 4%水溶液としたときの粘度が4〜50mPa・sであるポリビニルアルコールおよび2種類以上の導電性材料を含む混合物であって、前記混合物中の前記導電性材料の含有量が、60〜80wt%である混合物を、密閉式混練機を用いて20〜80℃に保ち、2000〜5000MJ/m3のエネルギーで混練する第1混練工程と、
    前記第1混練工程において混練された前記混合物に水系分散粒子状アクリル系バインダーを添加し、混練する第2混練工程と
    を含む燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法。
  2. 前記導電性材料は、二次粒子の体積平均粒子径が100〜1000μmのカーボンブラックと体積平均粒子径が10〜60μmのグラファイトとを含むことを特徴とする請求項1記載の燃料電池セパレーター用水系導電性ペーストの製造方法。
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