JP2015219437A - 撮像装置のレンズモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズの温度変化による屈折率変化を補償しながらも、撮像装置の部品点数の増加を抑える技術を提供する。
【解決手段】レンズ35aとレンズ35bを含む組み合わせレンズと、組み合わせレンズを収容するホルダ31と、レンズよりも弾性率が大きい接着剤36aと、レンズ35aよりも弾性率が小さい接着剤36bと、を備え、組み合わせレンズの温度の変化に伴う第1、レンズ35a、35bの屈折率の変化が組み合わせレンズの焦点距離の変化に及ぼす影響と、組み合わせレンズの温度の変化に伴うレンズ35aの変形が組み合わせレンズの焦点距離の変化に及ぼす影響とが、逆になるよう、接着剤36aがレンズ35aの面のうちレンズ35bから遠い側の面とホルダ31との間に介在し、接着剤36bがレンズ35aの面のうちレンズ35bに近い側の面とホルダ31との間に介在する。
【選択図】図7A

Description

本発明は、撮像装置のレンズモジュールに関するものである。
従来より、撮像装置の光学系に用いられるレンズには、温度によって屈折率が変化してレンズの焦点距離が変化してしまい、その結果、撮像装置の性能が悪化してしまうという問題がある。
このような問題に対し、特許文献1では、レンズ保持平板の表面にレンズ保持平板よりも線膨張係数の大きいレンズを取り付け、レンズ保持平板とレンズの線膨張係数の違いを利用して、レンズの温度変化による屈折率変化を補償する技術を開示している。
国際公開第2009/101928号
しかし、特許文献1のような方法では、レンズの温度変化による屈折率変化を補償するために、レンズ保持平板という特別な部材を追加する必要があるので、撮像装置の部品点数が増大してしまうという問題がある。
本発明は上記問題点に鑑み、レンズの温度変化による屈折率変化を補償しながらも、撮像装置の部品点数の増加を抑える技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、第1のレンズ(35a、35c、35f、35h、35i、35k、35p、35r)と第2のレンズ(35b、35d、35e、35g、35j、35m、35n、35q)を含む組み合わせレンズ(35a〜35r)と、前記組み合わせレンズを収容するホルダ(31)と、前記第1のレンズを前記ホルダに接着させると共に、前記第1のレンズよりも弾性率が大きい第1の接着剤(36a、36d、36f、36g、36j、36k、36n、36r)と、前記第1のレンズを前記ホルダに接着させると共に、前記第1のレンズよりも弾性率が小さい第2の接着剤(36b、36c、36e、36h、36i、36m、36p、36q)と、を備え、
前記組み合わせレンズの温度の変化に伴う前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの屈折率の変化が前記組み合わせレンズの焦点距離の変化に及ぼす影響と、前記組み合わせレンズの温度の変化に伴う前記第1のレンズの変形が前記組み合わせレンズの焦点距離の変化に及ぼす影響とが、逆になるよう、前記第1の接着剤が前記第1のレンズの一方側の面と前記ホルダとの間に介在し、前記第2の接着剤が前記第1のレンズの他方側の面と前記ホルダとの間に介在することを特徴とする撮像装置のレンズモジュール。
このように、弾性率の異なる第1、第2の接着剤を第1のレンズのどちら側の面に付けるかで、第1のレンズの温度変化による変形を調整でき、ひいては、第1のレンズと第2のレンズの間の距離を調整できる。したがって、第1、第2の接着剤を第1のレンズのどちら側の面に付けるかを適切に設定することで、温度の変化に伴うする第1、第2のレンズの屈折率の変化が組み合わせレンズの焦点距離の変化に及ぼす影響と、組み合わせレンズの温度の変化に伴う第1のレンズの変形が組み合わせレンズの焦点距離の変化に及ぼす影響とを、逆にすることができる。その結果、温度の変化に伴う組み合わせレンズの焦点距離の変動量が低減される。また、このように、レンズの温度変化による屈折率変化を補償しながらも、その補償の手段として用いるのは、補償のためでなくとも通常も用いられる接着剤なので、撮像装置の部品点数の増加を抑えることができる。
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る撮像装置1の斜視図である。 撮像装置1の部品展開図である。 カメラモジュール3の斜視図である。 カメラモジュール3の正面図である。 カメラモジュール3の部品展開図である。 図5のVI−VI断面図である。 常温時のレンズ部分の拡大図である。 高温時のレンズ部分の拡大図である。 低温時のレンズ部分の拡大図である。 第2実施形態における常温時のレンズ部分の拡大図である。 第2実施形態における高温時のレンズ部分の拡大図である。 第2実施形態における低温時のレンズ部分の拡大図である。 第3実施形態における常温時のレンズ部分の拡大図である。 第3実施形態における高温時のレンズ部分の拡大図である。 第3実施形態における低温時のレンズ部分の拡大図である。 第4実施形態における常温時のレンズ部分の拡大図である。 第4実施形態における高温時のレンズ部分の拡大図である。 第4実施形態における低温時のレンズ部分の拡大図である。 第5実施形態における常温時のレンズ部分の拡大図である。 第5実施形態における高温時のレンズ部分の拡大図である。 第5実施形態における低温時のレンズ部分の拡大図である。 第6実施形態における常温時のレンズ部分の拡大図である。 第6実施形態における高温時のレンズ部分の拡大図である。 第6実施形態における低温時のレンズ部分の拡大図である。 第7実施形態における常温時のレンズ部分の拡大図である。 第7実施形態における高温時のレンズ部分の拡大図である。 第7実施形態における低温時のレンズ部分の拡大図である。 第8実施形態における常温時のレンズ部分の拡大図である。 第8実施形態における高温時のレンズ部分の拡大図である。 第8実施形態における低温時のレンズ部分の拡大図である。 第1〜第8実施形態の概要を示す図表である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態に係る撮像装置1は、車両に搭載され、車両の前方を撮影し、撮影の結果得た画像を用いて種々の解析処理(画像認識処理等)を行い、その結果の信号を同じ車内の他のECU(例えば、ヘッドライト制御ECU、車線逸脱検知ECU)等に出力する装置である。
図1に示すように、この撮像装置1は、筐体2と、筐体2の上面の中央部付近に形成された開口部21から一部が露出しているカメラモジュール3とを有している。このカメラモジュール3が、車両の前方を撮影する部分である。
この撮像装置1は、ウインドシールド(すなわちフロントガラス)のうち車室内かつルームミラーの近傍に位置する部分に取り付けられる。この取り付け位置では、撮像装置1の周囲の環境温度は、低いときには−40℃近くまで下がり、高いときには100℃近くまで上昇する。したがって、撮像装置1は、−40℃以上かつ100℃以下の動作温度範囲内で適切に作動しなければならない。
ここで、撮像装置1の構成について更に詳しく説明する。図2に示すように、撮像装置1は、筐体2、カメラモジュール3、制御基板4、電気接続配線5、下部カバー6を有している。
金属製の筐体2の上面の中央付近には、上述の通り、筐体2の内部と外部を繋ぐ開口部21が形成されている。カメラモジュール3を、一部が開口部21から露出するように筐体2に装着し、このカメラモジュール3の下方に制御基板4および電気接続配線5を配置し、更にその下方において下部カバー6を筐体2に固定することで、撮像装置1が構成される。なお、筐体2上の開口部21の位置は、制御基板4と対向する位置となっている。
なお、窪み部22は、筐体2がカメラモジュール3の撮影範囲を遮らないように形成された部分であり、また、開口部21は、カメラモジュール3の撮影範囲を遮らないように形成されている。
ここで、カメラモジュール3の構成について、図3〜図7Cを参照して説明する。カメラモジュール3は、第1ホルダ31、第2ホルダ32、カメラ基板33、被写体側レンズ35a、結像側レンズ35b、被写体側接着剤36a、結像側接着剤36b等を有している。
なお、第1ホルダ31、被写体側レンズ35a、結像側レンズ35b、被写体側接着剤36a、結像側接着剤36bが、レンズモジュール40を構成する。また、被写体側レンズ35aが第1のレンズの一例に相当し、結像側レンズ35bが第2のレンズの一例に相当し、被写体側接着剤36aが第1の接着剤の一例に相当し、結像側接着剤36bが第2の接着剤の一例に相当する。
第1ホルダ31は、車両の前方の撮影に用いる光学系を内側に収容する略円筒形の樹脂性部材である。より詳しくは、第1ホルダ31は、先端部31a、胴部31b、第1内フランジ31c、第2内フランジ31d、第3内フランジ31eを有し、光学系として被写体側レンズ35a、結像側レンズ35bを内部に収容する。
先端部31aは、外周の径が先端方向(図6の左方向)に向かって縮径する筒形状の部材である。胴部31bは、内径も外径もほぼ一定の略円筒形状の部材であり、その先端(図6の左側端部)が、先端部31aの尾部に一体に接続している。なお、先端部31aと胴部31bは、光軸310を軸として同軸に配置されている。
第1内フランジ31c、第2内フランジ31d、および第3内フランジ31eは、それぞれ、先端部31aと一体に形成され、先端部31aの内周面の全周から光軸310に向かって延びる穴あき円盤形状の部材である。これら内フランジ31c〜31eは、光軸310の方向に間隔を置いて並んで配置されている。
第2ホルダ32は、第1ホルダ31を収容すると共にカメラ基板33がネジ止め固定される部材である。この第2ホルダ32は、主として樹脂から成る。この第2ホルダ32は、カメラ基板33がネジ止め固定されるホルダ基部32aと、ホルダ基部32aから光軸310の方向に延びて第1ホルダ31を収容する略円筒形状のホルダ筒部32bと、を有している。ホルダ基部32aとホルダ筒部32bは一体に形成されている。
カメラ基板33は、車両前方の撮影画像を取得するための固体撮像素子33a(例えばCMOSイメージセンサ)が実装された回路基板であり、第2ホルダ32の後背面に固定される。第1ホルダ31が第2ホルダ32に固定され、カメラ基板33が第2ホルダ32に固定された状態で、第1ホルダ31内のレンズ35a、35bの共通の光軸310上に、上記固体撮像素子33aが配置される。
被写体側レンズ35aに入射した光が被写体側レンズ35aおよび結像側レンズを通って固体撮像素子33a上で像を結び、固体撮像素子33aがこの像に応じた信号を出力する。なお、筐体2上の開口部21の位置は、カメラ基板33と対向する位置となっている。
図2に示した電気接続配線5は、このカメラ基板33上の固体撮像素子33aおよびその他の回路と、制御基板4上に実装された回路とを接続する配線(例えばフレキシブルプリント基板)である。制御基板4上に実装された回路には、上述の解析処理等を行う検出部が含まれる。
ここで、被写体側レンズ35aおよび結像側レンズ35bについて説明する。本実施形態では、被写体側レンズ35aは、樹脂製のレンズであり、結像側レンズ35bは、ガラス製のレンズである。しかし、第1、結像側レンズの材質は、上記のものに限定されるわけではない。
これら2つのレンズ35a、35bは、1つの組み合わせレンズを構成し、被写体側レンズ35aよりも結像側レンズ35bが組み合わせレンズの結像側に、すなわち、固体撮像素子33a側に、配置される。
ここで、被写体側レンズ35a、結像側レンズ35bの第1ホルダ31への取り付け構造について、図7A〜図7Cを参照して説明する。被写体側レンズ35aは、周縁部が第1内フランジ31cと第2内フランジ31dとに挟まれることで、第1ホルダ31内に収容される。また、結像側レンズ35bは、周縁部が第2内フランジ31dと第3内フランジ31eとに挟まれることで、第1ホルダ31内に収容される。
そして、被写体側接着剤36aが、被写体側レンズ35aの被写体側(図7A〜図7C中の左側)の面の周縁部と第1内フランジ31cとの間に介在して被写体側レンズ35aを第1内フランジ31cに接着させている。また、結像側接着剤36bが、被写体側レンズ35aの上記結像側(図7A〜図7C中の右側)の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在して被写体側レンズ35aを第2内フランジ31dに接着させている。
被写体側接着剤36aとしては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤を用いる。ただし、エポキシ樹脂系接着剤の中でも、弾性率(例えばヤング率。以下同じ。)が被写体側レンズ35aの弾性率よりも大きいものを用いる。また、被写体側接着剤36aとしては、エポキシ樹脂系接着剤でなくとも、弾性率が被写体側レンズ35aの弾性率よりも大きければよい。なお、被写体側接着剤36aの弾性率が被写体側レンズ35aの弾性率よりも大きいので、被写体側接着剤36aの線膨張率は被写体側レンズ35aの線膨張率よりも小さい。
結像側接着剤36bとしては、例えば、シリコンゴム系接着剤を用いる。ただし、シリコンゴム系接着剤の中でも、弾性率が被写体側レンズ35aの弾性率よりも小さいものを用いる。また、結像側接着剤36bとしては、シリコンゴム系接着剤でなくとも、弾性率が被写体側レンズ35aの弾性率よりも小さければよい。なお、結像側接着剤36bの弾性率が被写体側レンズ35aの弾性率よりも小さいので、結像側接着剤36bの線膨張率は被写体側レンズ35aの線膨張率よりも大きい。
このように、被写体側レンズ35aは、被写体側の面が被写体側接着剤36aによって第1内フランジ31cに接着され、結像側(固体撮像素子33a側)の面が結像側接着剤36bによって第2内フランジ31dに接着される。
また、結像側レンズ35bについては、被写体側の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在する接着剤も、結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第3内フランジ31eとの間に介在する接着剤も、同じ材質および弾性率の接着剤が用いられる。
このように、結像側レンズ35bは、被写体側の面が或る接着剤によって第2内フランジ31dに接着され、結像側の面も同じ接着剤によって第3内フランジ31eに接着される。
ここで、被写体側レンズ35a、結像側レンズ35bの光学特性について説明する。被写体側レンズ35aの焦点距離をf1とし、結像側レンズ35bの焦点距離をf2とし、被写体側レンズ35aと結像側レンズ35bの間の距離(以下、レンズ間距離という)をdとすると、上記組み合わせレンズの焦点距離fは、以下の式に従う。
f=f1×f2/(f1+f2−d)
そして、本実施形態においては、f1×f2が負となる。これは、被写体側レンズ35aが凸レンズなので焦点距離f1が正であり、結像側レンズ35bが凹レンズなので焦点距離f2が負だからである。レンズ35a、35bの温度変化に伴ってレンズ35a、35bの屈折率が変化し、これに起因して、レンズ35a、35bの温度変化に伴って焦点距離f1、f2も変化することはよく知られている。ただし、f1×f2<0の関係は、上述の動作温度範囲内で常に成立する。また、本実施形態においては、上述の動作温度範囲内で、f1+f2−dが常に負となる。このようになっていることで、上記動作温度範囲内で、組み合わせレンズ35a、35bの焦点距離fが正になる。
なお、組み合わせレンズの焦点は、被写体側レンズ35a、結像側レンズ35bの温度が所定の常温T1(例えば20℃)において固体撮像素子33aの位置と一致するよう、あらかじめ調整されている。ここで、被写体側レンズ35a、結像側レンズ35bの温度が所定の常温T1である場合のレンズ間距離dはd_T1であるとする。
ここで、被写体側レンズ35a、結像側レンズ35bの温度が所定の常温T1よりも上昇した場合について説明する。この場合、温度が上昇することに伴う被写体側レンズ35aおよび結像側レンズ35bの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを短くする方向に働く。より具体的に説明すると、以下の通りである。
常温T1において組み合わせレンズ35a、35bの焦点距離fがf_T1であり、上昇後の高温T2(例えば100℃)において焦点距離f1がf1_T2であり、焦点距離f2がf2_T2であるとする。この場合、
f_T1>f1_T2×f2_T2/(f1_T2+f2_T2−d_T1)
という関係が成立する。なお、右辺では、分母のd_T1が常温T1時の距離dとなっているので、右辺全体は高温T2時における組み合わせレンズの焦点距離fとは異なる。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も高温T2時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35a、35bの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが短くなる。
なお、本実施形態を含め一般的にレンズの屈折率は上記動作温度範囲を含む広い温度範囲で概ね温度の一次関数となるので、上記のことは、高温T2がどの温度でも同じように成り立つ。更には、レンズ35a、35bの温度が所定の常温T1よりも下降して低温T3になった場合も、上記と逆のことが言える。ここで、低温T3は、−40℃でもよいし他の温度でもよい。
つまり、温度が下降することに伴う被写体側レンズ35aおよび結像側レンズ35bの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを長くする方向に働く。すなわち、下降後の低温T3において焦点距離f1がf1_T3であり、焦点距離f2がf2_T3であるとした場合、
f_T1<f1_T3×f3_T3/(f1_T3+f2_T3−d_T1)
という関係が成立する。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も低温T3時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35a、35bの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが長くなる。
温度変化によって上記のような屈折率変化および焦点距離変化を示す組み合わせレンズ35a、35bとしては、例えば、以下の条件(A)、(B)の両方を満たすものがある。
(A)温度変化による屈折率変化量およびそれに起因する焦点距離変化量が、結像側レンズ35bよりも被写体側レンズ35aの方が遙かに大きい。
(B)焦点距離f1は、温度が上昇して屈折率が変化することで短くなり、温度が下降して屈折率が変化することで長くなる。
上記(B)のような特徴を有する樹脂レンズとしては、シクロオレフィンポリマー樹脂がある。
以下、上記のような構成の組み合わせレンズ35a、35bにおける、温度変化に伴う焦点距離fの変化について説明する。組み合わせレンズ35a、35bが常温T1の場合、図7Aに示すように、レンズ間距離dはd_T1であり、すでに説明した通り、このとき、組み合わせレンズ35a、35bの焦点は固体撮像素子33aの位置と一致する。
また、組み合わせレンズ35a、35bの温度が常温T1から高温T2に上昇した場合、図7Bに示すように被写体側レンズ35aの形状が変化する。具体的には、被写体側接着剤36aが被写体側レンズ35aよりも弾性率が高く(すなわち硬く)、結像側接着剤36bが被写体側レンズ35aよりも弾性率が低い(すなわち軟らかい)。したがって、被写体側レンズ35aのうち、被写体側接着剤36aと接触している面およびその近傍に比べ、結像側接着剤36bと接触している面およびその近傍の方が、温度上昇による変形量(より具体的には膨張量)が大きくなる。つまり、接着剤36a、36bの弾性率の違いにより、被写体側レンズ35aが、被写体側接着剤36a側よりも結像側接着剤36b側でより自由に変形する。
その結果、被写体側レンズ35aが反るように変形することで、被写体側レンズ35aの中央部が結像側接着剤36b側に、すなわち、結像側レンズ35bに近づく方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも短いd_T2となる。このように、組み合わせレンズ35a、35bの温度が上昇するほど、レンズ間距離dが短くなる。
また、組み合わせレンズ35a、35bの温度が常温T1から低温T3に下降した場合、図7Cに示すように被写体側レンズ35aの形状が変化する。具体的には、被写体側レンズ35aのうち、被写体側接着剤36aと接触している面およびその近傍に比べ、結像側接着剤36bと接触している面およびその近傍の方が、温度下降による変形量(より具体的には収縮量)が大きくなる。
その結果、被写体側レンズ35aが反るように変形することで、被写体側レンズ35aの中央部が被写体側接着剤36a側に、すなわち、結像側レンズ35bから遠ざかる方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも長いd_T3となる。このように、組み合わせレンズ35a、35bの温度が下降するほど、レンズ間距離dが長くなる。
なお、結像側レンズ35bについては、第2内フランジ31d、第3内フランジ31eへの接着に用いられる接着剤に特性の違いが無いので、仮に結像側レンズ35bが熱により変形したとしても、その変形は、レンズ間距離dの変動に実質的に寄与しない。また、結像側レンズ35bがガラス製のレンズであれば、そもそも温度変化による変形量が樹脂レンズである被写体側レンズ35aに比べて遙かに小さい。
上述の通り、組み合わせレンズ35a、35bの焦点距離fは、
f=f1×f2/(f1+f2−d)
という式によって得られる。そして、本実施形態においては右辺の分子も分母も負なので、レンズ間距離dが短くなるほど、焦点距離fが長くなる。したがって、温度が上昇してレンズ間距離dが短くなることは、組み合わせレンズ35a、35bの焦点距離fを長くする方向に働く。そして、温度が下降してレンズ間距離dが長くなることは、組み合わせレンズ35a、35bの焦点距離fを短くする方向に働く。
このように、温度の上昇に起因する第1、結像側レンズ35a、35bの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35a、35bの焦点距離fを短くする方向に働いても、被写体側レンズ35aの変形が逆に焦点距離fを長くする方向に働く。
また、温度の下降に起因する第1、結像側レンズ35a、35bの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35a、35bの焦点距離fを長くする方向に働いても、被写体側レンズ35aの変形が逆に焦点距離fを短くする方向に働く。
つまり、両者の働きが相殺される関係にある。結果として、温度の上昇および下降に伴う組み合わせレンズ35a、35bの焦点距離fの変動量が低減され、組み合わせレンズ35a、35bの焦点と固体撮像素子33aとの位置ずれ量が低減される。
以上説明した通り、レンズ35a(第1のレンズ)の面のうちレンズ35b(第2のレンズ)から遠い側の面(一方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的硬い接着剤36a(第1の接着剤)が介在する。また、レンズ35a(第1のレンズ)の面のうちレンズ35b(第2のレンズ)に近い側の面(他方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的軟らかい接着剤36b(第2の接着剤)が介在する。
このように、弾性率の異なる接着剤36a、36bをレンズ35aのどちら側の面に付けるかで、レンズ35aの温度変化による変形を調整でき、ひいては、レンズ間距離dを調整できる。したがって、接着剤36a、36bをレンズ35aのどちら側の面に付けるかを適切に設定することで、温度変化に伴うレンズ35a、35bの屈折率の変化が焦点距離fの変化に及ぼす影響と、温度変化に伴うレンズ35aの変形が焦点距離fの変化に及ぼす影響とを、逆にすることができる。その結果、温度変化に伴う焦点距離fの変動量が低減される。
また、このように、レンズ35a、35bの温度変化による屈折率変化を補償しながらも、その補償の手段として用いるのは、補償のためでなくとも通常も用いられる接着剤なので、レンズモジュール40および撮像装置1の部品点数の増加を抑えることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図8A〜図8Cを参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態について、以下のような変更を適用したものである。まず、組み合わせレンズを構成する被写体側レンズ35aおよび結像側レンズ35bを、それぞれ被写体側レンズ35c、結像側レンズ35dに置き換えている。更に、被写体側接着剤36a、結像側接着剤36bを、それぞれ被写体側接着剤36c、結像側接着剤36dに置き換えている。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
なお、第1ホルダ31、被写体側レンズ35c、結像側レンズ35d、被写体側接着剤36c、結像側接着剤36dが、レンズモジュール40を構成する。また、被写体側レンズ35cが第1のレンズの一例に相当し、結像側レンズ35dが第2のレンズの一例に相当し、被写体側接着剤36cが第2の接着剤の一例に相当し、結像側接着剤36dが第1の接着剤の一例に相当する。
本実施形態では、被写体側レンズ35cは、樹脂製のレンズであり、結像側レンズ35dは、ガラス製のレンズである。しかし、第1、結像側レンズの材質は、上記のものに限定されるわけではない。
これら2つのレンズ35c、35dは、1つの組み合わせレンズを構成し、被写体側レンズ35cよりも結像側レンズ35dが組み合わせレンズの結像側に、すなわち、固体撮像素子33a側に、配置される。
被写体側接着剤36cは、被写体側レンズ35cの被写体側(図8A〜図8C中の左側)の面の周縁部と第1内フランジ31cとの間に介在して被写体側レンズ35cを第1内フランジ31cに接着させている。また、結像側接着剤36dが、被写体側レンズ35cの結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在して被写体側レンズ35cを第2内フランジ31dに接着させている。なお、ここでいう結像側は、組み合わせレンズ35c、35dの結像側(図8A〜図8C中の右側)である。
被写体側接着剤36cとしては、例えば、シリコンゴム系接着剤を用いる。ただし、シリコンゴム系接着剤の中でも、弾性率(例えばヤング率。以下同じ。)が被写体側レンズ35cの弾性率よりも小さいものを用いる。また、被写体側接着剤36cとしては、シリコンゴム系接着剤でなくとも、弾性率が被写体側レンズ35cの弾性率よりも小さければよい。なお、被写体側接着剤36cの弾性率が被写体側レンズ35cの弾性率よりも小さいので、被写体側接着剤36cの線膨張率は被写体側レンズ35cの線膨張率よりも大きい。
結像側接着剤36dとしては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤を用いる。ただし、エポキシ樹脂系接着剤の中でも、弾性率が被写体側レンズ35cの弾性率よりも大きいものを用いる。また、結像側接着剤36dとしては、エポキシ樹脂系接着剤でなくとも、弾性率が被写体側レンズ35cの弾性率よりも大きければよい。なお、結像側接着剤36dの弾性率が被写体側レンズ35cの弾性率よりも大きいので、結像側接着剤36dの線膨張率は被写体側レンズ35cの線膨張率よりも小さい。
このように、被写体側レンズ35cは、被写体側の面が被写体側接着剤36cによって第1内フランジ31cに接着され、結像側(固体撮像素子33a側)の面が結像側接着剤36dによって第2内フランジ31dに接着される。
また、結像側レンズ35dについては、被写体側の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在する接着剤も、結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第3内フランジ31eとの間に介在する接着剤も、同じ材質および弾性率の接着剤が用いられる。
このように、結像側レンズ35dは、被写体側の面が或る接着剤によって第2内フランジ31dに接着され、結像側の面も同じ接着剤によって第3内フランジ31eに接着される。
ここで、被写体側レンズ35c、結像側レンズ35dの光学特性について説明する。被写体側レンズ35cの焦点距離をf1とし、結像側レンズ35dの焦点距離をf2とし、被写体側レンズ35cと結像側レンズ35dの間の距離(以下、レンズ間距離という)をdとすると、上記組み合わせレンズの焦点距離fは、以下の式に従う。
f=f1×f2/(f1+f2−d)
そして、本実施形態においては、f1×f2が負となる。これは、被写体側レンズ35cが凸レンズなので焦点距離f1が正であり、結像側レンズ35dが凹レンズなので焦点距離f2が負だからである。このf1×f2<0の関係は、第1実施形態と同じ動作温度範囲内で常に成立する。また、本実施形態においては、上記動作温度範囲内で、f1+f2−dが常に負となる。このようになっていることで、上記動作温度範囲内で、組み合わせレンズ35c、35dの焦点距離fが正になる。
なお、組み合わせレンズの焦点は、被写体側レンズ35c、結像側レンズ35dの温度が所定の常温T1(例えば20℃)において固体撮像素子33aの位置と一致するよう、あらかじめ調整されている。ここで、被写体側レンズ35c、結像側レンズ35dの温度が所定の常温T1である場合のレンズ間距離dはd_T1であるとする。
ここで、被写体側レンズ35c、結像側レンズ35dの温度が所定の常温T1よりも上昇した場合について説明する。この場合、温度が上昇することに伴う被写体側レンズ35cおよび結像側レンズ35dの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを長くする方向に働く。より具体的に説明すると、以下の通りである。
常温T1において組み合わせレンズ35c、35dの焦点距離fがf_T1であり、上昇後の高温T2(例えば100℃)において焦点距離f1がf1_T2であり、焦点距離f2がf2_T2であるとする。この場合、
f_T1<f1_T2×f2_T2/(f1_T2+f2_T2−d_T1)
という関係が成立する。なお、右辺では、分母のd_T1が常温T1時の距離dとなっているので、右辺全体は高温T2時における組み合わせレンズの焦点距離fとは異なる。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も高温T2時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35c、35dの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが長くなる。
なお、本実施形態を含め一般的にレンズの屈折率は上記動作温度範囲を含む広い温度範囲で概ね温度の一次関数となるので、上記のことは、高温T2がどの温度でも同じように成り立つ。更には、レンズ35c、35dの温度が所定の常温T1よりも下降して低温T3になった場合も、上記と逆のことが言える。ここで、低温T3は、−40℃でもよいし他の温度でもよい。
つまり、温度が下降することに伴う被写体側レンズ35cおよび結像側レンズ35dの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを短くする方向に働く。すなわち、下降後の低温T3において焦点距離f1がf1_T3であり、焦点距離f2がf2_T3であるとした場合、
f_T1>f1_T3×f3_T3/(f1_T3+f2_T3−d_T1)
という関係が成立する。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も低温T3時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35c、35dの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが短くなる。
温度変化によって上記のような屈折率変化および焦点距離変化を示す組み合わせレンズ35c、35dとしては、例えば、以下の条件(A)、(B)の両方を満たすものがある。
(A)温度変化による屈折率変化量およびそれに起因する焦点距離変化量が、結像側レンズ35dよりも被写体側レンズ35cの方が遙かに大きい。
(B)焦点距離f1は、温度が上昇して屈折率が変化することで長くなり、温度が下降して屈折率が変化することで短くなる。
上記(B)のような特徴を有する樹脂レンズとしては、シクロオレフィンポリマー樹脂がある。
以下、上記のような構成の組み合わせレンズ35c、35dにおける、温度変化に伴う焦点距離fの変化について説明する。組み合わせレンズ35c、35dが常温T1の場合、図8Aに示すように、レンズ間距離dはd_T1であり、すでに説明した通り、このとき、組み合わせレンズ35c、35dの焦点は固体撮像素子33aの位置と一致する。
また、組み合わせレンズ35c、35dの温度が高温T2に上昇した場合、図8Bに示すように被写体側レンズ35cの形状が変化する。具体的には、被写体側接着剤36cが被写体側レンズ35cよりも弾性率が低く(すなわち軟らかく)、結像側接着剤36dが被写体側レンズ35cよりも弾性率が高い(すなわち硬い)。したがって、被写体側レンズ35cのうち、被写体側接着剤36cと接触している面およびその近傍に比べ、結像側接着剤36dと接触している面およびその近傍の方が、温度上昇による変形量(より具体的には膨張量)が小さくなる。つまり、接着剤36c、36dの弾性率の違いにより、被写体側レンズ35cが、結像側接着剤36d側よりも被写体側接着剤36c側でより自由に変形する。
その結果、被写体側レンズ35cが反るように変形することで、被写体側レンズ35cの中央部が被写体側接着剤36c側に、すなわち、結像側レンズ35dから遠ざかる方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも長いd_T2となる。このように、組み合わせレンズ35c、35dの温度が上昇するほど、レンズ間距離dが長くなる。
また、組み合わせレンズ35c、35dの温度が常温T1から低温T3に下降した場合、図8Cに示すように被写体側レンズ35cの形状が変化する。具体的には、被写体側レンズ35cのうち、結像側接着剤36dと接触している面およびその近傍に比べ、被写体側接着剤36cと接触している面およびその近傍の方が、温度下降による変形量(より具体的には収縮量)が大きくなる。
その結果、被写体側レンズ35cが反るように変形することで、被写体側レンズ35cの中央部が結像側接着剤36d側に、すなわち、結像側レンズ35dに近づく方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも短いd_T3となる。このように、組み合わせレンズ35c、35dの温度が下降するほど、レンズ間距離dが短くなる。
なお、結像側レンズ35dについては、第2内フランジ31d、第3内フランジ31eへの接着に用いられる接着剤に特性の違いが無いので、仮に結像側レンズ35dが熱により変形したとしても、その変形は、レンズ間距離dの変動に実質的に寄与しない。また、結像側レンズ35dがガラス製のレンズであれば、そもそも温度変化による変形量が樹脂レンズである被写体側レンズ35cに比べて遙かに小さい。
上述の通り、組み合わせレンズ35c、35dの焦点距離fは、
f=f1×f2/(f1+f2−d)
という式によって得られる。そして、本実施形態においては右辺の分子も分母も負なので、レンズ間距離dが短くなるほど、焦点距離fが長くなる。したがって、温度が上昇してレンズ間距離dが長くなることは、組み合わせレンズ35c、35dの焦点距離fを短くする方向に働く。また、温度が下降してレンズ間距離dが短くなることは、組み合わせレンズ35c、35dの焦点距離fを長くする方向に働く。
このように、温度の上昇に起因する第1、結像側レンズ35c、35dの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35c、35dの焦点距離fを長くする方向に働いても、被写体側レンズ35cの変形が逆に焦点距離fを短くする方向に働く。
また、温度の下降に起因する第1、結像側レンズ35c、35dの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35c、35dの焦点距離fを短くする方向に働いても、被写体側レンズ35cの変形が逆に焦点距離fを長くする方向に働く。
つまり、両者の働きが相殺される関係にある。結果として、温度の上昇および下降に伴う組み合わせレンズ35c、35dの焦点距離fの変動量が低減され、組み合わせレンズ35c、35dの焦点と固体撮像素子33aとの位置ずれ量が低減される。
以上説明した通り、レンズ35c(第1のレンズ)の面のうちレンズ35d(第2のレンズ)に近い側の面(一方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的硬い接着剤36d(第1の接着剤)が介在する。また、レンズ35c(第1のレンズ)の面のうちレンズ35d(第2のレンズ)から遠い側の面(他方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的軟らかい接着剤36c(第2の接着剤)が介在する。
このように、弾性率の異なる接着剤36c、36dをレンズ35cのどちら側の面に付けるかで、レンズ35cの温度変化による変形を調整でき、ひいては、レンズ間距離dを調整できる。したがって、接着剤36c、36dをレンズ35cのどちら側の面に付けるかを適切に設定することで、温度変化に伴うレンズ35c、35dの屈折率の変化が焦点距離fの変化に及ぼす影響と、温度変化に伴うレンズ35cの変形が焦点距離fの変化に及ぼす影響とを、逆にすることができる。その結果、温度変化に伴う焦点距離fの変動量が低減される。
また、このように、レンズ35c、35dの温度変化による屈折率変化を補償しながらも、その補償の手段として用いるのは、補償のためでなくとも通常も用いられる接着剤なので、レンズモジュール40および撮像装置1の部品点数の増加を抑えることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図9A〜図9Cを参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態について、以下のような変更を適用したものである。まず、組み合わせレンズを構成する被写体側レンズ35aおよび結像側レンズ35bを、それぞれ被写体側レンズ35e、結像側レンズ35fに置き換えている。また、被写体側接着剤36aおよび結像側接着剤36bを、被写体側接着剤36eおよび結像側接着剤36fに置き換えている。また、第1、結像側接着剤36e、36fの使用対象が、被写体側レンズ35eではなく結像側接着剤36fである。他の構成については、第1実施形態と同じである。
なお、第1ホルダ31、被写体側レンズ35e、結像側レンズ35f、被写体側接着剤36e、結像側接着剤36fが、レンズモジュール40を構成する。また、被写体側レンズ35eが第2のレンズの一例に相当し、結像側レンズ35fが第1のレンズの一例に相当し、被写体側接着剤36eが第2の接着剤の一例に相当し、結像側接着剤36fが第1の接着剤の一例に相当する。
本実施形態では、被写体側レンズ35eは、ガラス製のレンズであり、結像側レンズ35fは、樹脂製のレンズである。しかし、第1、結像側レンズの材質は、上記のものに限定されるわけではない。
これら2つのレンズ35e、35fは、1つの組み合わせレンズを構成し、被写体側レンズ35eよりも結像側レンズ35fが組み合わせレンズの結像側に、すなわち、固体撮像素子33a側に、配置される。
被写体側接着剤36eは、結像側接着剤36fの被写体側(図9A〜図9C中の左側)の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在して結像側レンズ35fを第2内フランジ31dに接着させている。また、結像側接着剤36fが、結像側レンズ35fの結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第3内フランジ31eとの間に介在して結像側レンズ35fを第3内フランジ31eに接着させている。なお、ここでいう結像側は、組み合わせレンズ35e、35fの結像側(図9A〜図9C中の右側)である。
被写体側接着剤36eとしては、例えば、シリコンゴム系接着剤を用いる。ただし、シリコンゴム系接着剤の中でも、弾性率(例えばヤング率。以下同じ。)が結像側レンズ35fの弾性率よりも小さいものを用いる。また、被写体側接着剤36eとしては、シリコンゴム系接着剤でなくとも、弾性率が結像側レンズ35fの弾性率よりも小さければよい。なお、被写体側接着剤36eの弾性率が結像側レンズ35fの弾性率よりも小さいので、被写体側接着剤36eの線膨張率は結像側レンズ35fの線膨張率よりも大きい。
結像側接着剤36fとしては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤を用いる。ただし、エポキシ樹脂系接着剤の中でも、弾性率が結像側レンズ35fの弾性率よりも大きいものを用いる。また、結像側接着剤36fとしては、エポキシ樹脂系接着剤でなくとも、弾性率が結像側レンズ35fの弾性率よりも大きければよい。なお、結像側接着剤36fの弾性率が結像側レンズ35fの弾性率よりも大きいので、結像側接着剤36fの線膨張率は結像側レンズ35fの線膨張率よりも小さい。
このように、結像側レンズ35fは、被写体側の面が被写体側接着剤36eによって第2内フランジ31dに接着され、結像側(固体撮像素子33a側)の面が結像側接着剤36fによって第3内フランジ31eに接着される。
また、被写体側レンズ35eについては、被写体側の面の周縁部と第1内フランジ31cとの間に介在する接着剤も、結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在する接着剤も、同じ材質および弾性率の接着剤が用いられる。
このように、被写体側レンズ35eは、被写体側の面が或る接着剤によって第1内フランジ31cに接着され、結像側の面も同じ接着剤によって第2内フランジ31dに接着される。
ここで、被写体側レンズ35e、結像側レンズ35fの光学特性について説明する。被写体側レンズ35eの焦点距離をf1とし、結像側レンズ35fの焦点距離をf2とし、被写体側レンズ35eと結像側レンズ35fの間の距離(以下、レンズ間距離という)をdとすると、上記組み合わせレンズの焦点距離fは、以下の式に従う。
f=f1×f2/(f1+f2−d)
そして、本実施形態においては、f1×f2が負となる。これは、被写体側レンズ35eが凸レンズなので焦点距離f1が正であり、結像側レンズ35fが凹レンズなので焦点距離f2が負だからである。このf1×f2<0の関係は、第1実施形態と同じ動作温度範囲内で常に成立する。また、本実施形態においては、上記動作温度範囲内で、f1+f2−dが常に負となる。このようになっていることで、上記動作温度範囲内で、組み合わせレンズ35e、35fの焦点距離fが正になる。
なお、組み合わせレンズの焦点は、被写体側レンズ35e、結像側レンズ35fの温度が所定の常温T1(例えば20℃)において固体撮像素子33aの位置と一致するよう、あらかじめ調整されている。ここで、被写体側レンズ35e、結像側レンズ35fの温度が所定の常温T1である場合のレンズ間距離dはd_T1であるとする。
ここで、被写体側レンズ35e、結像側レンズ35fの温度が所定の常温T1よりも上昇した場合について説明する。この場合、温度が上昇することに伴う被写体側レンズ35eおよび結像側レンズ35fの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを短くする方向に働く。より具体的に説明すると、以下の通りである。
常温T1において組み合わせレンズ35e、35fの焦点距離fがf_T1であり、上昇後の高温T2(例えば100℃)において焦点距離f1がf1_T2であり、焦点距離f2がf2_T2であるとする。この場合、
f_T1>f1_T2×f2_T2/(f1_T2+f2_T2−d_T1)
という関係が成立する。なお、右辺では、分母のd_T1が常温T1時の距離dとなっているので、右辺全体は高温T2時における組み合わせレンズの焦点距離fとは異なる。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も高温T2時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35e、35fの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが短くなる。
なお、本実施形態を含め一般的にレンズの屈折率は上記動作温度範囲を含む広い温度範囲で概ね温度の一次関数となるので、上記のことは、高温T2がどの温度でも同じように成り立つ。更には、レンズ35e、35fの温度が所定の常温T1よりも下降して低温T3になった場合も、上記と逆のことが言える。ここで、低温T3は、−40℃でもよいし他の温度でもよい。
つまり、温度が下降することに伴う被写体側レンズ35eおよび結像側レンズ35fの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを長くする方向に働く。すなわち、下降後の低温T3において焦点距離f1がf1_T3であり、焦点距離f2がf2_T3であるとした場合、
f_T1<f1_T3×f3_T3/(f1_T3+f2_T3−d_T1)
という関係が成立する。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も低温T3時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35e、35fの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが長くなる。
温度変化によって上記のような屈折率変化および焦点距離変化を示す組み合わせレンズ35e、35fとしては、例えば、以下の条件(A)、(B)、(C)のすべてを満たすものがある。
(A)温度変化による屈折率変化量およびそれに起因する焦点距離変化量が、被写体側レンズ35eよりも結像側レンズ35fの方が遙かに大きい。
(B)焦点距離f2の絶対値は、温度が上昇して屈折率が変化することで長くなり、温度が下降して屈折率が変化することで短くなる。
(C)焦点距離f1は、上記動作温度範囲内において、常にレンズ間距離dより長い。
上記(B)のような特徴を有する樹脂レンズとしては、シクロオレフィンポリマー樹脂がある。
以下、上記のような構成の組み合わせレンズ35e、35fにおける、温度変化に伴う焦点距離fの変化について説明する。組み合わせレンズ35e、35fが常温T1の場合、図9Aに示すように、レンズ間距離dはd_T1であり、すでに説明した通り、このとき、組み合わせレンズ35e、35fの焦点は固体撮像素子33aの位置と一致する。
また、組み合わせレンズ35e、35fの温度が高温T2に上昇した場合、図9Bに示すように結像側レンズ35fの形状が変化する。具体的には、被写体側接着剤36eが結像側レンズ35fよりも弾性率が低く(すなわち軟らかく)、結像側接着剤36fが結像側レンズ35fよりも弾性率が高い(すなわち硬い)。したがって、結像側レンズ35fのうち、被写体側接着剤36eと接触している面およびその近傍に比べ、結像側接着剤36fと接触している面およびその近傍の方が、温度上昇による変形量(より具体的には膨張量)が小さくなる。つまり、接着剤36e、36fの弾性率の違いにより、結像側レンズ35fが、結像側接着剤36f側よりも被写体側接着剤36e側でより自由に変形する。
その結果、結像側レンズ35fが反るように変形することで、結像側レンズ35fの中央部が被写体側接着剤36e側に、すなわち、被写体側レンズ35eに近づく方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも短いd_T2となる。このように、組み合わせレンズ35e、35fの温度が上昇するほど、レンズ間距離dが短くなる。
また、組み合わせレンズ35e、35fの温度が常温T1から低温T3に下降した場合、図9Cに示すように結像側レンズ35fの形状が変化する。具体的には、結像側レンズ35fのうち、結像側接着剤36fと接触している面およびその近傍に比べ、被写体側接着剤36eと接触している面およびその近傍の方が、温度下降による変形量(より具体的には収縮量)が大きくなる。
その結果、結像側レンズ35fが反るように変形することで、結像側レンズ35fの中央部が結像側接着剤36f側に、すなわち、被写体側レンズ35eから遠ざかる方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも長いd_T3となる。このように、組み合わせレンズ35e、35fの温度が下降するほど、レンズ間距離dが長くなる。
なお、被写体側レンズ35eについては、第1内フランジ31c、第2内フランジ31dへの接着に用いられる接着剤に特性の違いが無いので、仮に被写体側レンズ35eが熱により変形したとしても、その変形は、レンズ間距離dの変動に実質的に寄与しない。また、被写体側レンズ35eがガラス製のレンズであれば、そもそも温度変化による変形量が樹脂レンズである結像側レンズ35fに比べて遙かに小さい。
上述の通り、組み合わせレンズ35e、35fの焦点距離fは、
f=f1×f2/(f1+f2−d)
という式によって得られる。そして、本実施形態においては右辺の分子も分母も負なので、レンズ間距離dが短くなるほど、焦点距離fが長くなる。したがって、温度が上昇してレンズ間距離dが短くなることは、組み合わせレンズ35e、35fの焦点距離fを長くする方向に働く。また、温度が下降してレンズ間距離dが長くなることは、組み合わせレンズ35e、35fの焦点距離fを短くする方向に働く。
このように、温度の上昇に起因する第1、結像側レンズ35e、35fの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35e、35fの焦点距離fを短くする方向に働いても、結像側レンズ35fの変形が逆に焦点距離fを長くする方向に働く。
また、温度の下降に起因する第1、結像側レンズ35e、35fの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35e、35fの焦点距離fを長くする方向に働いても、結像側レンズ35fの変形が逆に焦点距離fを短くする方向に働く。
つまり、両者の働きが相殺される関係にある。結果として、温度の上昇および下降に伴う組み合わせレンズ35e、35fの焦点距離fの変動量が低減され、組み合わせレンズ35e、35fの焦点と固体撮像素子33aとの位置ずれ量が低減される。
以上説明した通り、レンズ35f(第1のレンズ)の面のうちレンズ35e(第2のレンズ)から遠い側の面(一方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的硬い接着剤36f(第1の接着剤)が介在する。また、レンズ35f(第1のレンズ)の面のうちレンズ35e(第2のレンズ)に近い側の面(他方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的軟らかい接着剤36e(第2の接着剤)が介在する。
このように、弾性率の異なる接着剤36e、36fをレンズ35fのどちら側の面に付けるかで、レンズ35fの温度変化による変形を調整でき、ひいては、レンズ間距離dを調整できる。したがって、接着剤36e、36fをレンズ35fのどちら側の面に付けるかを適切に設定することで、温度変化に伴うレンズ35e、35fの屈折率の変化が焦点距離fの変化に及ぼす影響と、温度変化に伴うレンズ35fの変形が焦点距離fの変化に及ぼす影響とを、逆にすることができる。その結果、温度変化に伴う焦点距離fの変動量が低減される。
また、このように、レンズ35e、35fの温度変化による屈折率変化を補償しながらも、その補償の手段として用いるのは、補償のためでなくとも通常も用いられる接着剤なので、レンズモジュール40および撮像装置1の部品点数の増加を抑えることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図10A〜図10Cを参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態について、以下のような変更を適用したものである。まず、組み合わせレンズを構成する被写体側レンズ35aおよび結像側レンズ35bを、それぞれ被写体側レンズ35g、結像側レンズ35hに置き換えている。また、被写体側接着剤36aおよび結像側接着剤36bを、被写体側接着剤36gおよび結像側接着剤36hに置き換えている。また、第1、結像側接着剤36g、36hの使用対象が、被写体側レンズ35gではなく結像側接着剤36hである。他の構成については、第1実施形態と同じである。
なお、第1ホルダ31、被写体側レンズ35g、結像側レンズ35h、被写体側接着剤36g、結像側接着剤36hが、レンズモジュール40を構成する。また、被写体側レンズ35gが第2のレンズの一例に相当し、結像側レンズ35hが第1のレンズの一例に相当し、被写体側接着剤36gが第1の接着剤の一例に相当し、結像側接着剤36hが第2の接着剤の一例に相当する。
本実施形態では、被写体側レンズ35gは、ガラス製のレンズであり、結像側レンズ35hは、樹脂製のレンズである。しかし、第1、結像側レンズの材質は、上記のものに限定されるわけではない。
これら2つのレンズ35g、35hは、1つの組み合わせレンズを構成し、被写体側レンズ35gよりも結像側レンズ35hが組み合わせレンズの結像側に、すなわち、固体撮像素子33a側に、配置される。
被写体側接着剤36gは、結像側接着剤36hの被写体側(図10A〜図10C中の左側)の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在して結像側レンズ35hを第2内フランジ31dに接着させている。また、結像側接着剤36hが、結像側レンズ35hの結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第3内フランジ31eとの間に介在して結像側レンズ35hを第3内フランジ31eに接着させている。なお、ここでいう結像側は、組み合わせレンズ35g、35hの結像側(図10A〜図10C中の右側)である。
被写体側接着剤36gとしては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤を用いる。ただし、エポキシ樹脂系接着剤の中でも、弾性率(例えばヤング率。以下同じ。)が結像側レンズ35hの弾性率よりも大きいものを用いる。また、被写体側接着剤36gとしては、エポキシ樹脂系接着剤でなくとも、弾性率が結像側レンズ35hの弾性率よりも大きければよい。なお、被写体側接着剤36gの弾性率が結像側レンズ35hの弾性率よりも大きいので、被写体側接着剤36gの線膨張率は結像側レンズ35hの線膨張率よりも小さい。
結像側接着剤36hとしては、例えば、シリコンゴム系接着剤を用いる。ただし、シリコンゴム系接着剤の中でも、弾性率が結像側レンズ35hの弾性率よりも小さいものを用いる。また、結像側接着剤36hとしては、シリコンゴム系接着剤でなくとも、弾性率が結像側レンズ35hの弾性率よりも小さければよい。なお、結像側接着剤36hの弾性率が結像側レンズ35hの弾性率よりも小さいので、結像側接着剤36hの線膨張率は結像側レンズ35gの線膨張率よりも大きい。
このように、結像側レンズ35hは、被写体側の面が被写体側接着剤36gによって第2内フランジ31dに接着され、結像側(固体撮像素子33a側)の面が結像側接着剤36hによって第3内フランジ31eに接着される。
また、被写体側レンズ35gについては、被写体側の面の周縁部と第1内フランジ31cとの間に介在する接着剤も、結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在する接着剤も、同じ材質および弾性率の接着剤が用いられる。
このように、被写体側レンズ35gは、被写体側の面が或る接着剤によって第1内フランジ31cに接着され、結像側の面も同じ接着剤によって第2内フランジ31dに接着される。
ここで、被写体側レンズ35g、結像側レンズ35hの光学特性について説明する。被写体側レンズ35gの焦点距離をf1とし、結像側レンズ35hの焦点距離をf2とし、被写体側レンズ35gと結像側レンズ35hの間の距離(以下、レンズ間距離という)をdとすると、上記組み合わせレンズの焦点距離fは、以下の式に従う。
f=f1×f2/(f1+f2−d)
そして、本実施形態においては、f1×f2が負となる。これは、被写体側レンズ35gが凸レンズなので焦点距離f1が正であり、結像側レンズ35hが凹レンズなので焦点距離f2が負だからである。このf1×f2<0の関係は、第1実施形態と同じ動作温度範囲内で常に成立する。また、本実施形態においては、上記動作温度範囲内で、f1+f2−dが常に負となる。このようになっていることで、上記動作温度範囲内で、組み合わせレンズ35g、35hの焦点距離fが正になる。
なお、組み合わせレンズの焦点は、被写体側レンズ35g、結像側レンズ35hの温度が所定の常温T1(例えば20℃)において固体撮像素子33aの位置と一致するよう、あらかじめ調整されている。ここで、被写体側レンズ35g、結像側レンズ35hの温度が所定の常温T1である場合のレンズ間距離dはd_T1であるとする。
ここで、被写体側レンズ35g、結像側レンズ35hの温度が所定の常温T1よりも上昇した場合について説明する。この場合、温度が上昇することに伴う被写体側レンズ35gおよび結像側レンズ35hの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを長くする方向に働く。より具体的に説明すると、以下の通りである。
常温T1において組み合わせレンズ35g、35hの焦点距離fがf_T1であり、上昇後の高温T2(例えば100℃)において焦点距離f1がf1_T2であり、焦点距離f2がf2_T2であるとする。この場合、
f_T1<f1_T2×f2_T2/(f1_T2+f2_T2−d_T1)
という関係が成立する。なお、右辺では、分母のd_T1が常温T1時の距離dとなっているので、右辺全体は高温T2時における組み合わせレンズの焦点距離fとは異なる。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も高温T2時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35g、35hの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが長くなる。
なお、本実施形態を含め一般的にレンズの屈折率は上記動作温度範囲を含む広い温度範囲で概ね温度の一次関数となるので、上記のことは、高温T2がどの温度でも同じように成り立つ。更には、レンズ35g、35hの温度が所定の常温T1よりも下降して低温T3になった場合も、上記と逆のことが言える。ここで、低温T3は、−40℃でもよいし他の温度でもよい。
つまり、温度が下降することに伴う被写体側レンズ35gおよび結像側レンズ35hの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを短くする方向に働く。すなわち、下降後の低温T3において焦点距離f1がf1_T3であり、焦点距離f2がf2_T3であるとした場合、
f_T1>f1_T3×f3_T3/(f1_T3+f2_T3−d_T1)
という関係が成立する。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も低温T3時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35g、35hの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが短くなる。
温度変化によって上記のような屈折率変化および焦点距離変化を示す組み合わせレンズ35g、35hとしては、例えば、以下の条件(A)、(B)、(C)のすべてを満たすものがある。
(A)温度変化による屈折率変化量およびそれに起因する焦点距離変化量が、被写体側レンズ35gよりも結像側レンズ35hの方が遙かに大きい。
(B)焦点距離f2の絶対値は、温度が上昇して屈折率が変化することで短くなり、温度が下降して屈折率が変化することで長くなる。
(C)焦点距離f1は、上記動作温度範囲内において、常にレンズ間距離dより長い。
上記(B)のような特徴を有する樹脂レンズとしては、シクロオレフィンポリマー樹脂がある。
以下、上記のような構成の組み合わせレンズ35g、35hにおける、温度変化に伴う焦点距離fの変化について説明する。組み合わせレンズ35g、35hが常温T1の場合、図10Aに示すように、レンズ間距離dはd_T1であり、すでに説明した通り、このとき、組み合わせレンズ35g、35hの焦点は固体撮像素子33aの位置と一致する。
また、組み合わせレンズ35g、35hの温度が高温T2に上昇した場合、図10Bに示すように結像側レンズ35hの形状が変化する。具体的には、被写体側接着剤36gが結像側レンズ35hよりも弾性率が高く(すなわち硬く)、結像側接着剤36hが結像側レンズ35hよりも弾性率が低い(すなわち軟らかい)。したがって、結像側レンズ35hのうち、被写体側接着剤36gと接触している面およびその近傍に比べ、結像側接着剤36hと接触している面およびその近傍の方が、温度上昇による変形量(より具体的には膨張量)が大きくなる。つまり、接着剤36g、36hの弾性率の違いにより、結像側レンズ35hが、被写体側接着剤36g側よりも結像側接着剤36h側でより自由に変形する。
その結果、結像側レンズ35gが反るように変形することで、結像側レンズ35gの中央部が結像側接着剤36h側に、すなわち、被写体側レンズ35gから遠ざかる方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも長いd_T2となる。このように、組み合わせレンズ35g、35hの温度が上昇するほど、レンズ間距離dが長くなる。
また、組み合わせレンズ35g、35hの温度が常温T1から低温T3に下降した場合、図10Cに示すように結像側レンズ35hの形状が変化する。具体的には、結像側レンズ35hのうち、結像側接着剤36hと接触している面およびその近傍に比べ、被写体側接着剤36gと接触している面およびその近傍の方が、温度下降による変形量(より具体的には収縮量)が小さくなる。
その結果、結像側レンズ35hが反るように変形することで、結像側レンズ35hの中央部が被写体側接着剤36g側に、すなわち、被写体側レンズ35gに近づく方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも短いd_T3となる。このように、組み合わせレンズ35g、35hの温度が下降するほど、レンズ間距離dが短くなる。
なお、被写体側レンズ35gについては、第1内フランジ31c、第2内フランジ31dへの接着に用いられる接着剤に特性の違いが無いので、仮に被写体側レンズ35gが熱により変形したとしても、その変形は、レンズ間距離dの変動に実質的に寄与しない。また、被写体側レンズ35gがガラス製のレンズであれば、そもそも温度変化による変形量が樹脂レンズである結像側レンズ35hに比べて遙かに小さい。
上述の通り、組み合わせレンズ35g、35hの焦点距離fは、
f=f1×f2/(f1+f2−d)
という式によって得られる。そして、本実施形態においては右辺の分子も分母も負なので、レンズ間距離dが短くなるほど、焦点距離fが長くなる。したがって、温度が上昇してレンズ間距離dが長くなることは、組み合わせレンズ35g、35hの焦点距離fを短くする方向に働く。また、温度が下降してレンズ間距離dが短くなることは、組み合わせレンズ35g、35hの焦点距離fを長くする方向に働く。
このように、温度の上昇に起因する第1、結像側レンズ35g、35hの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35g、35hの焦点距離fを長くする方向に働いても、結像側レンズ35hの変形が逆に焦点距離fを短くする方向に働く。
また、温度の下降に起因する第1、結像側レンズ35g、35hの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35g、35hの焦点距離fを短くする方向に働いても、結像側レンズ35hの変形が逆に焦点距離fを長くする方向に働く。
つまり、両者の働きが相殺される関係にある。結果として、温度の上昇および下降に伴う組み合わせレンズ35g、35hの焦点距離fの変動量が低減され、組み合わせレンズ35g、35hの焦点と固体撮像素子33aとの位置ずれ量が低減される。
以上説明した通り、レンズ35h(第1のレンズ)の面のうちレンズ35g(第2のレンズ)に近い側の面(一方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的硬い接着剤36g(第1の接着剤)が介在する。また、レンズ35h(第1のレンズ)の面のうちレンズ35g(第2のレンズ)から遠い側の面(他方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的軟らかい接着剤36h(第2の接着剤)が介在する。
このように、弾性率の異なる接着剤36g、36hをレンズ35hのどちら側の面に付けるかで、レンズ35hの温度変化による変形を調整でき、ひいては、レンズ間距離dを調整できる。したがって、接着剤36g、36hをレンズ35hのどちら側の面に付けるかを適切に設定することで、温度変化に伴うレンズ35g、35hの屈折率の変化が焦点距離fの変化に及ぼす影響と、温度変化に伴うレンズ35hの変形が焦点距離fの変化に及ぼす影響とを、逆にすることができる。その結果、温度変化に伴う焦点距離fの変動量が低減される。
また、このように、レンズ35g、35hの温度変化による屈折率変化を補償しながらも、その補償の手段として用いるのは、補償のためでなくとも通常も用いられる接着剤なので、レンズモジュール40および撮像装置1の部品点数の増加を抑えることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について、図11A〜図11Cを参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態について、以下のような変更を適用したものである。まず、組み合わせレンズを構成する被写体側レンズ35aおよび結像側レンズ35bを、それぞれ被写体側レンズ35i、結像側レンズ35jに置き換えている。更に、被写体側接着剤36a、結像側接着剤36bを、それぞれ被写体側接着剤36i、結像側接着剤36jに置き換えている。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
なお、第1ホルダ31、被写体側レンズ35i、結像側レンズ35j、被写体側接着剤36i、結像側接着剤36jが、レンズモジュール40を構成する。また、被写体側レンズ35iが第1のレンズの一例に相当し、結像側レンズ35jが第2のレンズの一例に相当し、被写体側接着剤36iが第2の接着剤の一例に相当し、結像側接着剤36jが第1の接着剤の一例に相当する。
本実施形態では、被写体側レンズ35iは、樹脂製のレンズであり、結像側レンズ35jは、ガラス製のレンズである。しかし、第1、結像側レンズの材質は、上記のものに限定されるわけではない。
これら2つのレンズ35i、35jは、1つの組み合わせレンズを構成し、被写体側レンズ35iよりも結像側レンズ35jが組み合わせレンズの結像側に、すなわち、固体撮像素子33a側に、配置される。
被写体側接着剤36iは、被写体側レンズ35iの被写体側(図11A〜図11C中の左側)の面の周縁部と第1内フランジ31cとの間に介在して被写体側レンズ35iを第1内フランジ31cに接着させている。また、結像側接着剤36jが、被写体側レンズ35iの結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在して被写体側レンズ35iを第2内フランジ31dに接着させている。なお、ここでいう結像側は、組み合わせレンズ35i、35jの結像側(図11A〜図11C中の右側)である。
被写体側接着剤36iとしては、例えば、シリコンゴム系接着剤を用いる。ただし、シリコンゴム系接着剤の中でも、弾性率(例えばヤング率。以下同じ。)が被写体側レンズ35iの弾性率よりも小さいものを用いる。また、被写体側接着剤36iとしては、シリコンゴム系接着剤でなくとも、弾性率が被写体側レンズ35iの弾性率よりも小さければよい。なお、被写体側接着剤36iの弾性率が被写体側レンズ35iの弾性率よりも小さいので、被写体側接着剤36iの線膨張率は被写体側レンズ35iの線膨張率よりも大きい。
結像側接着剤36jとしては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤を用いる。ただし、エポキシ樹脂系接着剤の中でも、弾性率が被写体側レンズ35iの弾性率よりも大きいものを用いる。また、結像側接着剤36jとしては、エポキシ樹脂系接着剤でなくとも、弾性率が被写体側レンズ35iの弾性率よりも大きければよい。なお、結像側接着剤36jの弾性率が被写体側レンズ35iの弾性率よりも大きいので、結像側接着剤36jの線膨張率は被写体側レンズ35iの線膨張率よりも小さい。
このように、被写体側レンズ35iは、被写体側の面が被写体側接着剤36iによって第1内フランジ31cに接着され、結像側(固体撮像素子33a側)の面が結像側接着剤36jによって第2内フランジ31dに接着される。
また、結像側レンズ35jについては、被写体側の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在する接着剤も、結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第3内フランジ31eとの間に介在する接着剤も、同じ材質および弾性率の接着剤が用いられる。
このように、結像側レンズ35jは、被写体側の面が或る接着剤によって第2内フランジ31dに接着され、結像側の面も同じ接着剤によって第3内フランジ31eに接着される。
ここで、被写体側レンズ35i、結像側レンズ35jの光学特性について説明する。被写体側レンズ35iの焦点距離をf1とし、結像側レンズ35jの焦点距離をf2とし、被写体側レンズ35iと結像側レンズ35jの間の距離(以下、レンズ間距離という)をdとすると、上記組み合わせレンズの焦点距離fは、以下の式に従う。
f=f1×f2/(f1+f2−d)
そして、本実施形態においては、f1×f2が正となる。これは、被写体側レンズ35iも結像側レンズ35jも凸レンズなので焦点距離f1、f2が共に正だからである。このf1×f2>0の関係は、第1実施形態と同じ動作温度範囲内で常に成立する。また、本実施形態においては、上記動作温度範囲内で、f1+f2−dが常に正となる。このようになっていることで、上記動作温度範囲内で、組み合わせレンズ35i、35jの焦点距離fが正になる。
なお、組み合わせレンズの焦点は、被写体側レンズ35i、結像側レンズ35jの温度が所定の常温T1(例えば20℃)において固体撮像素子33aの位置と一致するよう、あらかじめ調整されている。ここで、被写体側レンズ35i、結像側レンズ35jの温度が所定の常温T1である場合のレンズ間距離dはd_T1であるとする。
ここで、被写体側レンズ35i、結像側レンズ35jの温度が所定の常温T1よりも上昇した場合について説明する。この場合、温度が上昇することに伴う被写体側レンズ35iおよび結像側レンズ35jの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを短くする方向に働く。より具体的に説明すると、以下の通りである。
常温T1において組み合わせレンズ35i、35jの焦点距離fがf_T1であり、上昇後の高温T2(例えば100℃)において焦点距離f1がf1_T2であり、焦点距離f2がf2_T2であるとする。この場合、
f_T1>f1_T2×f2_T2/(f1_T2+f2_T2−d_T1)
という関係が成立する。なお、右辺では、分母のd_T1が常温T1時の距離dとなっているので、右辺全体は高温T2時における組み合わせレンズの焦点距離fとは異なる。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も高温T2時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35i、35jの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが短くなる。
なお、本実施形態を含め一般的にレンズの屈折率は上記動作温度範囲を含む広い温度範囲で概ね温度の一次関数となるので、上記のことは、高温T2がどの温度でも同じように成り立つ。更には、レンズ35i、35jの温度が所定の常温T1よりも下降して低温T3になった場合も、上記と逆のことが言える。ここで、低温T3は、−40℃でもよいし他の温度でもよい。
つまり、温度が下降することに伴う被写体側レンズ35iおよび結像側レンズ35jの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを長くする方向に働く。すなわち、下降後の低温T3において焦点距離f1がf1_T3であり、焦点距離f2がf2_T3であるとした場合、
f_T1<f1_T3×f3_T3/(f1_T3+f2_T3−d_T1)
という関係が成立する。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も低温T3時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35i、35jの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが長くなる。
温度変化によって上記のような屈折率変化および焦点距離変化を示す組み合わせレンズ35i、35jとしては、例えば、以下の条件(A)、(B)、(C)のすべてを満たすものがある。
(A)温度変化による屈折率変化量およびそれに起因する焦点距離変化量が、結像側レンズ35jよりも被写体側レンズ35iの方が遙かに大きい。
(B)焦点距離f1は、温度が上昇して屈折率が変化することで短くなり、温度が下降して屈折率が変化することで長くなる。
(C)焦点距離f2は、上記動作温度範囲内において、常にレンズ間距離dより長い。
上記(B)のような特徴を有する樹脂レンズとしては、シクロオレフィンポリマー樹脂がある。
以下、上記のような構成の組み合わせレンズ35i、35jにおける、温度変化に伴う焦点距離fの変化について説明する。組み合わせレンズ35i、35jが常温T1の場合、図11Aに示すように、レンズ間距離dはd_T1であり、すでに説明した通り、このとき、組み合わせレンズ35i、35jの焦点は固体撮像素子33aの位置と一致する。
また、組み合わせレンズ35i、35jの温度が高温T2に上昇した場合、図11Bに示すように被写体側レンズ35iの形状が変化する。具体的には、被写体側接着剤36iが被写体側レンズ35iよりも弾性率が低く(すなわち軟らかく)、結像側接着剤36jが被写体側レンズ35iよりも弾性率が高い(すなわち硬い)。したがって、被写体側レンズ35iのうち、被写体側接着剤36iと接触している面およびその近傍に比べ、結像側接着剤36jと接触している面およびその近傍の方が、温度上昇による変形量(より具体的には膨張量)が小さくなる。つまり、接着剤36i、36jの弾性率の違いにより、被写体側レンズ35iが、結像側接着剤36j側よりも被写体側接着剤36i側でより自由に変形する。
その結果、被写体側レンズ35iが反るように変形することで、被写体側レンズ35iの中央部が被写体側接着剤36i側に、すなわち、結像側レンズ35jから遠ざかる方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも長いd_T2となる。このように、組み合わせレンズ35i、35jの温度が上昇するほど、レンズ間距離dが長くなる。
また、組み合わせレンズ35i、35jの温度が常温T1から低温T3に下降した場合、図11Cに示すように被写体側レンズ35iの形状が変化する。具体的には、被写体側レンズ35iのうち、結像側接着剤36jと接触している面およびその近傍に比べ、被写体側接着剤36iと接触している面およびその近傍の方が、温度下降による変形量(より具体的には収縮量)が大きくなる。
その結果、被写体側レンズ35iが反るように変形することで、被写体側レンズ35iの中央部が結像側接着剤36j側に、すなわち、結像側レンズ35jに近づく方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも短いd_T3となる。このように、組み合わせレンズ35i、35jの温度が下降するほど、レンズ間距離dが短くなる。
なお、結像側レンズ35jについては、第2内フランジ31d、第3内フランジ31eへの接着に用いられる接着剤に特性の違いが無いので、仮に結像側レンズ35jが熱により変形したとしても、その変形は、レンズ間距離dの変動に実質的に寄与しない。また、結像側レンズ35jがガラス製のレンズであれば、そもそも温度変化による変形量が樹脂レンズである被写体側レンズ35iに比べて遙かに小さい。
上述の通り、組み合わせレンズ35i、35jの焦点距離fは、
f=f1×f2/(f1+f2−d)
という式によって得られる。そして、本実施形態においては右辺の分子も分母も正なので、レンズ間距離dが短くなるほど、焦点距離fが短くなる。したがって、温度が上昇してレンズ間距離dが長くなることは、組み合わせレンズ35i、35jの焦点距離fを長くする方向に働く。また、温度が下降してレンズ間距離dが短くなることは、組み合わせレンズ35i、35jの焦点距離fを短くする方向に働く。
このように、温度の上昇に起因する第1、結像側レンズ35i、35jの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35i、35jの焦点距離fを短くする方向に働いても、被写体側レンズ35iの変形が逆に焦点距離fを長くする方向に働く。
また、温度の下降に起因する第1、結像側レンズ35i、35jの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35i、35jの焦点距離fを長くする方向に働いても、被写体側レンズ35iの変形が逆に焦点距離fを短くする方向に働く。
つまり、両者の働きが相殺される関係にある。結果として、温度の上昇および下降に伴う組み合わせレンズ35i、35jの焦点距離fの変動量が低減され、組み合わせレンズ35i、35jの焦点と固体撮像素子33aとの位置ずれ量が低減される。
以上説明した通り、レンズ35i(第1のレンズ)の面のうちレンズ35j(第2のレンズ)に近い側の面(一方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的硬い接着剤36j(第1の接着剤)が介在する。また、レンズ35i(第1のレンズ)の面のうちレンズ35j(第2のレンズ)から遠い側の面(他方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的軟らかい接着剤36i(第2の接着剤)が介在する。
このように、弾性率の異なる接着剤36i、36jをレンズ35iのどちら側の面に付けるかで、レンズ35iの温度変化による変形を調整でき、ひいては、レンズ間距離dを調整できる。したがって、接着剤36i、36jをレンズ35iのどちら側の面に付けるかを適切に設定することで、温度変化に伴うレンズ35i、35jの屈折率の変化が焦点距離fの変化に及ぼす影響と、温度変化に伴うレンズ35iの変形が焦点距離fの変化に及ぼす影響とを、逆にすることができる。その結果、温度変化に伴う焦点距離fの変動量が低減される。
また、このように、レンズ35i、35jの温度変化による屈折率変化を補償しながらも、その補償の手段として用いるのは、補償のためでなくとも通常も用いられる接着剤なので、レンズモジュール40および撮像装置1の部品点数の増加を抑えることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について、図12A〜図12Cを参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態について、以下のような変更を適用したものである。まず、組み合わせレンズを構成する被写体側レンズ35aおよび結像側レンズ35bを、それぞれ被写体側レンズ35k、結像側レンズ35mに置き換えている。更に、被写体側接着剤36a、結像側接着剤36bを、それぞれ被写体側接着剤36k、結像側接着剤36mに置き換えている。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
なお、第1ホルダ31、被写体側レンズ35k、結像側レンズ35m、被写体側接着剤36k、結像側接着剤36mが、レンズモジュール40を構成する。また、被写体側レンズ35kが第1のレンズの一例に相当し、結像側レンズ35mが第2のレンズの一例に相当し、被写体側接着剤36kが第1の接着剤の一例に相当し、結像側接着剤36mが第2の接着剤の一例に相当する。
本実施形態では、被写体側レンズ35kは、樹脂製のレンズであり、結像側レンズ35mは、ガラス製のレンズである。しかし、第1、結像側レンズの材質は、上記のものに限定されるわけではない。
これら2つのレンズ35k、35mは、1つの組み合わせレンズを構成し、被写体側レンズ35kよりも結像側レンズ35mが組み合わせレンズの結像側に、すなわち、固体撮像素子33a側に、配置される。
被写体側接着剤36kは、被写体側レンズ35kの被写体側(図12A〜図12C中の左側)の面の周縁部と第1内フランジ31cとの間に介在して被写体側レンズ35kを第1内フランジ31cに接着させている。また、結像側接着剤36mが、被写体側レンズ35kの結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在して被写体側レンズ35kを第2内フランジ31dに接着させている。なお、ここでいう結像側は、組み合わせレンズ35k、35mの結像側(図12A〜図12C中の右側)である。
被写体側接着剤36kとしては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤を用いる。ただし、エポキシ樹脂系接着剤の中でも、弾性率(例えばヤング率。以下同じ。)が被写体側レンズ35kの弾性率よりも大きいものを用いる。また、被写体側接着剤36kとしては、エポキシ樹脂系接着剤でなくとも、弾性率が被写体側レンズ35kの弾性率よりも大きければよい。なお、被写体側接着剤36kの弾性率が被写体側レンズ35kの弾性率よりも大きいので、被写体側接着剤36kの線膨張率は被写体側レンズ35kの線膨張率よりも小さい。
結像側接着剤36mとしては、例えば、シリコンゴム系接着剤を用いる。ただし、シリコンゴム系接着剤の中でも、弾性率が被写体側レンズ35kの弾性率よりも小さいものを用いる。また、結像側接着剤36mとしては、シリコンゴム系接着剤でなくとも、弾性率が被写体側レンズ35kの弾性率よりも小さければよい。なお、結像側接着剤36mの弾性率が被写体側レンズ35kの弾性率よりも小さいので、結像側接着剤36mの線膨張率は被写体側レンズ35kの線膨張率よりも大きい。
このように、被写体側レンズ35kは、被写体側の面が被写体側接着剤36kによって第1内フランジ31cに接着され、結像側(固体撮像素子33a側)の面が結像側接着剤36mによって第2内フランジ31dに接着される。
また、結像側レンズ35mについては、被写体側の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在する接着剤も、結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第3内フランジ31eとの間に介在する接着剤も、同じ材質および弾性率の接着剤が用いられる。
このように、結像側レンズ35mは、被写体側の面が或る接着剤によって第2内フランジ31dに接着され、結像側の面も同じ接着剤によって第3内フランジ31eに接着される。
ここで、被写体側レンズ35k、結像側レンズ35mの光学特性について説明する。被写体側レンズ35kの焦点距離をf1とし、結像側レンズ35mの焦点距離をf2とし、被写体側レンズ35kと結像側レンズ35mの間の距離(以下、レンズ間距離という)をdとすると、上記組み合わせレンズの焦点距離fは、以下の式に従う。
f=f1×f2/(f1+f2−d)
そして、本実施形態においては、f1×f2が正となる。これは、被写体側レンズ35kも結像側レンズ35mも凸レンズなので焦点距離f1、f2が共に正だからである。このf1×f2>0の関係は、第1実施形態と同じ動作温度範囲内で常に成立する。また、本実施形態においては、上記動作温度範囲内で、f1+f2−dが常に正となる。このようになっていることで、上記動作温度範囲内で、組み合わせレンズ35k、35mの焦点距離fが正になる。
なお、組み合わせレンズの焦点は、被写体側レンズ35k、結像側レンズ35mの温度が所定の常温T1(例えば20℃)において固体撮像素子33aの位置と一致するよう、あらかじめ調整されている。ここで、被写体側レンズ35k、結像側レンズ35mの温度が所定の常温T1である場合のレンズ間距離dはd_T1であるとする。
ここで、被写体側レンズ35k、結像側レンズ35mの温度が所定の常温T1よりも上昇した場合について説明する。この場合、温度が上昇することに伴う被写体側レンズ35kおよび結像側レンズ35mの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを長くする方向に働く。より具体的に説明すると、以下の通りである。
常温T1において組み合わせレンズ35k、35mの焦点距離fがf_T1であり、上昇後の高温T2(例えば100℃)において焦点距離f1がf1_T2であり、焦点距離f2がf2_T2であるとする。この場合、
f_T1<f1_T2×f2_T2/(f1_T2+f2_T2−d_T1)
という関係が成立する。なお、右辺では、分母のd_T1が常温T1時の距離dとなっているので、右辺全体は高温T2時における組み合わせレンズの焦点距離fとは異なる。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も高温T2時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35k、35mの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが長くなる。
なお、本実施形態を含め一般的にレンズの屈折率は上記動作温度範囲を含む広い温度範囲で概ね温度の一次関数となるので、上記のことは、高温T2がどの温度でも同じように成り立つ。更には、レンズ35k、35mの温度が所定の常温T1よりも下降して低温T3になった場合も、上記と逆のことが言える。ここで、低温T3は、−40℃でもよいし他の温度でもよい。
つまり、温度が下降することに伴う被写体側レンズ35kおよび結像側レンズ35mの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを短くする方向に働く。すなわち、下降後の低温T3において焦点距離f1がf1_T3であり、焦点距離f2がf2_T3であるとした場合、
f_T1>f1_T3×f3_T3/(f1_T3+f2_T3−d_T1)
という関係が成立する。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も低温T3時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35k、35mの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが短くなる。
温度変化によって上記のような屈折率変化および焦点距離変化を示す組み合わせレンズ35k、35mとしては、例えば、以下の条件(A)、(B)、(C)のすべてを満たすものがある。
(A)温度変化による屈折率変化量およびそれに起因する焦点距離変化量が、結像側レンズ35mよりも被写体側レンズ35kの方が遙かに大きい。
(B)焦点距離f1は、温度が上昇して屈折率が変化することで長くなり、温度が下降して屈折率が変化することで短くなる。
(C)焦点距離f2は、上記動作温度範囲内において、常にレンズ間距離dより長い。
上記(B)のような特徴を有する樹脂レンズとしては、シクロオレフィンポリマー樹脂がある。
以下、上記のような構成の組み合わせレンズ35k、35mにおける、温度変化に伴う焦点距離fの変化について説明する。組み合わせレンズ35k、35mが常温T1の場合、図12Aに示すように、レンズ間距離dはd_T1であり、すでに説明した通り、このとき、組み合わせレンズ35k、35mの焦点は固体撮像素子33aの位置と一致する。
また、組み合わせレンズ35k、35mの温度が高温T2に上昇した場合、図12Bに示すように被写体側レンズ35kの形状が変化する。具体的には、被写体側接着剤36kが被写体側レンズ35kよりも弾性率が高く(すなわち硬く)、結像側接着剤36mが被写体側レンズ35kよりも弾性率が低い(すなわち軟らかい)。したがって、被写体側レンズ35kのうち、被写体側接着剤36kと接触している面およびその近傍に比べ、結像側接着剤36mと接触している面およびその近傍の方が、温度上昇による変形量(より具体的には膨張量)が大きくなる。つまり、接着剤36k、36mの弾性率の違いにより、被写体側レンズ35kが、被写体側接着剤36k側よりも結像側接着剤36m側でより自由に変形する。
その結果、被写体側レンズ35kが反るように変形することで、被写体側レンズ35kの中央部が結像側接着剤36m側に、すなわち、結像側レンズ35mに近づく方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも短いd_T2となる。このように、組み合わせレンズ35k、35mの温度が上昇するほど、レンズ間距離dが短くなる。
また、組み合わせレンズ35k、35mの温度が常温T1から低温T3に下降した場合、図12Cに示すように被写体側レンズ35kの形状が変化する。具体的には、被写体側レンズ35kのうち、被写体側接着剤36kと接触している面およびその近傍に比べ、結像側接着剤36mと接触している面およびその近傍の方が、温度下降による変形量(より具体的には収縮量)が大きくなる。
その結果、被写体側レンズ35kが反るように変形することで、被写体側レンズ35kの中央部が被写体側接着剤36k側に、すなわち、結像側レンズ35mから遠ざかる方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも長いd_T3となる。このように、組み合わせレンズ35k、35mの温度が下降するほど、レンズ間距離dが長くなる。
なお、結像側レンズ35mについては、第2内フランジ31d、第3内フランジ31eへの接着に用いられる接着剤に特性の違いが無いので、仮に結像側レンズ35mが熱により変形したとしても、その変形は、レンズ間距離dの変動に実質的に寄与しない。また、結像側レンズ35mがガラス製のレンズであれば、そもそも温度変化による変形量が樹脂レンズである被写体側レンズ35kに比べて遙かに小さい。
上述の通り、組み合わせレンズ35k、35mの焦点距離fは、
f=f1×f2/(f1+f2−d)
という式によって得られる。そして、本実施形態においては右辺の分子も分母も正なので、レンズ間距離dが短くなるほど、焦点距離fが短くなる。したがって、温度が上昇してレンズ間距離dが短くなることは、組み合わせレンズ35k、35mの焦点距離fを短くする方向に働く。また、温度が下降してレンズ間距離dが長くなることは、組み合わせレンズ35k、35mの焦点距離fを長くする方向に働く。
このように、温度の上昇に起因する第1、結像側レンズ35k、35mの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35k、35mの焦点距離fを長くする方向に働いても、被写体側レンズ35kの変形が逆に焦点距離fを短くする方向に働く。
また、温度の下降に起因する第1、結像側レンズ35k、35mの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35k、35mの焦点距離fを短くする方向に働いても、被写体側レンズ35kの変形が逆に焦点距離fを長くする方向に働く。
つまり、両者の働きが相殺される関係にある。結果として、温度の上昇および下降に伴う組み合わせレンズ35k、35mの焦点距離fの変動量が低減され、組み合わせレンズ35k、35mの焦点と固体撮像素子33aとの位置ずれ量が低減される。
以上説明した通り、レンズ35k(第1のレンズ)の面のうちレンズ35m(第2のレンズ)から遠い側の面(一方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的硬い接着剤36k(第1の接着剤)が介在する。また、レンズ35k(第1のレンズ)の面のうちレンズ35m(第2のレンズ)に近い側の面(他方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的軟らかい接着剤36m(第2の接着剤)が介在する。
このように、弾性率の異なる接着剤36k、36mをレンズ35kのどちら側の面に付けるかで、レンズ35kの温度変化による変形を調整でき、ひいては、レンズ間距離dを調整できる。したがって、接着剤36k、36mをレンズ35kのどちら側の面に付けるかを適切に設定することで、温度変化に伴うレンズ35k、35mの屈折率の変化が焦点距離fの変化に及ぼす影響と、温度変化に伴うレンズ35kの変形が焦点距離fの変化に及ぼす影響とを、逆にすることができる。その結果、温度変化に伴う焦点距離fの変動量が低減される。
また、このように、レンズ35k、35mの温度変化による屈折率変化を補償しながらも、その補償の手段として用いるのは、補償のためでなくとも通常も用いられる接着剤なので、レンズモジュール40および撮像装置1の部品点数の増加を抑えることができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について、図13A〜図13Cを参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態について、以下のような変更を適用したものである。まず、組み合わせレンズを構成する被写体側レンズ35aおよび結像側レンズ35bを、それぞれ被写体側レンズ35n、結像側レンズ35pに置き換えている。また、被写体側接着剤36aおよび結像側接着剤36bを、被写体側接着剤36nおよび結像側接着剤36pに置き換えている。また、第1、結像側接着剤36n、36pの使用対象が、被写体側レンズ35nではなく結像側接着剤36pである。他の構成については、第1実施形態と同じである。
なお、第1ホルダ31、被写体側レンズ35n、結像側レンズ35p、被写体側接着剤36n、結像側接着剤36pが、レンズモジュール40を構成する。また、被写体側レンズ35nが第2のレンズの一例に相当し、結像側レンズ35pが第1のレンズの一例に相当し、被写体側接着剤36nが第1の接着剤の一例に相当し、結像側接着剤36pが第2の接着剤の一例に相当する。
本実施形態では、被写体側レンズ35nは、ガラス製のレンズであり、結像側レンズ35pは、樹脂製のレンズである。しかし、第1、結像側レンズの材質は、上記のものに限定されるわけではない。
これら2つのレンズ35n、35pは、1つの組み合わせレンズを構成し、被写体側レンズ35nよりも結像側レンズ35pが組み合わせレンズの結像側に、すなわち、固体撮像素子33a側に、配置される。
被写体側接着剤36nは、結像側接着剤36pの被写体側(図13A〜図13C中の左側)の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在して結像側レンズ35pを第2内フランジ31dに接着させている。また、結像側接着剤36pが、結像側レンズ35pの結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第3内フランジ31eとの間に介在して結像側レンズ35pを第3内フランジ31eに接着させている。なお、ここでいう結像側は、組み合わせレンズ35n、35pの結像側(図13A〜図13C中の右側)である。
被写体側接着剤36nとしては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤を用いる。ただし、エポキシ樹脂系接着剤の中でも、弾性率(例えばヤング率。以下同じ。)が結像側レンズ35pの弾性率よりも大きいものを用いる。また、被写体側接着剤36nとしては、エポキシ樹脂系接着剤でなくとも、弾性率が結像側レンズ35pの弾性率よりも大きければよい。なお、被写体側接着剤36nの弾性率が結像側レンズ35pの弾性率よりも大きいので、被写体側接着剤36nの線膨張率は結像側レンズ35pの線膨張率よりも小さい。
結像側接着剤36pとしては、例えば、シリコンゴム系接着剤を用いる。ただし、シリコンゴム系接着剤の中でも、弾性率が結像側レンズ35pの弾性率よりも小さいものを用いる。また、結像側接着剤36pとしては、シリコンゴム系接着剤でなくとも、弾性率が結像側レンズ35pの弾性率よりも小さければよい。なお、結像側接着剤36pの弾性率が結像側レンズ35pの弾性率よりも小さいので、結像側接着剤36pの線膨張率は結像側レンズ35nの線膨張率よりも大きい。
このように、結像側レンズ35pは、被写体側の面が被写体側接着剤36nによって第2内フランジ31dに接着され、結像側(固体撮像素子33a側)の面が結像側接着剤36pによって第3内フランジ31eに接着される。
また、被写体側レンズ35nについては、被写体側の面の周縁部と第1内フランジ31cとの間に介在する接着剤も、結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在する接着剤も、同じ材質および弾性率の接着剤が用いられる。
このように、被写体側レンズ35nは、被写体側の面が或る接着剤によって第1内フランジ31cに接着され、結像側の面も同じ接着剤によって第2内フランジ31dに接着される。
ここで、被写体側レンズ35n、結像側レンズ35pの光学特性について説明する。被写体側レンズ35nの焦点距離をf1とし、結像側レンズ35pの焦点距離をf2とし、被写体側レンズ35nと結像側レンズ35pの間の距離(以下、レンズ間距離という)をdとすると、上記組み合わせレンズの焦点距離fは、以下の式に従う。
f=f1×f2/(f1+f2−d)
そして、本実施形態においては、f1×f2が正となる。これは、被写体側レンズ35nも結像側レンズ35pも凸レンズなので焦点距離f1、f2が共に正だからである。このf1×f2>0の関係は、第1実施形態と同じ動作温度範囲内で常に成立する。また、本実施形態においては、上記動作温度範囲内で、f1+f2−dが常に正となる。このようになっていることで、上記動作温度範囲内で、組み合わせレンズ35n、35pの焦点距離fが正になる。
なお、組み合わせレンズの焦点は、被写体側レンズ35n、結像側レンズ35pの温度が所定の常温T1(例えば20℃)において固体撮像素子33aの位置と一致するよう、あらかじめ調整されている。ここで、被写体側レンズ35n、結像側レンズ35pの温度が所定の常温T1である場合のレンズ間距離dはd_T1であるとする。
ここで、被写体側レンズ35n、結像側レンズ35pの温度が所定の常温T1よりも上昇した場合について説明する。この場合、温度が上昇することに伴う被写体側レンズ35nおよび結像側レンズ35pの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを短くする方向に働く。より具体的に説明すると、以下の通りである。
常温T1において組み合わせレンズ35n、35pの焦点距離fがf_T1であり、上昇後の高温T2(例えば100℃)において焦点距離f1がf1_T2であり、焦点距離f2がf2_T2であるとする。この場合、
f_T1>f1_T2×f2_T2/(f1_T2+f2_T2−d_T1)
という関係が成立する。なお、右辺では、分母のd_T1が常温T1時の距離dとなっているので、右辺全体は高温T2時における組み合わせレンズの焦点距離fとは異なる。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も高温T2時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35n、35pの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが短くなる。
なお、本実施形態を含め一般的にレンズの屈折率は上記動作温度範囲を含む広い温度範囲で概ね温度の一次関数となるので、上記のことは、高温T2がどの温度でも同じように成り立つ。更には、レンズ35n、35pの温度が所定の常温T1よりも下降して低温T3になった場合も、上記と逆のことが言える。ここで、低温T3は、−40℃でもよいし他の温度でもよい。
つまり、温度が下降することに伴う被写体側レンズ35nおよび結像側レンズ35pの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを長くする方向に働く。すなわち、下降後の低温T3において焦点距離f1がf1_T3であり、焦点距離f2がf2_T3であるとした場合、
f_T1<f1_T3×f3_T3/(f1_T3+f2_T3−d_T1)
という関係が成立する。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も低温T3時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35n、35pの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが長くなる。
温度変化によって上記のような屈折率変化および焦点距離変化を示す組み合わせレンズ35n、35pとしては、例えば、以下の条件(A)、(B)、(C)のすべてを満たすものがある。
(A)温度変化による屈折率変化量およびそれに起因する焦点距離変化量が、被写体側レンズ35nよりも結像側レンズ35pの方が遙かに大きい。
(B)焦点距離f2は、温度が上昇して屈折率が変化することで短くなり、温度が下降して屈折率が変化することで長くなる。
(C)焦点距離f1は、上記動作温度範囲内において、常にレンズ間距離dより長い。
上記(B)のような特徴を有する樹脂レンズとしては、シクロオレフィンポリマー樹脂がある。
以下、上記のような構成の組み合わせレンズ35n、35pにおける、温度変化に伴う焦点距離fの変化について説明する。組み合わせレンズ35n、35pが常温T1の場合、図13Aに示すように、レンズ間距離dはd_T1であり、すでに説明した通り、このとき、組み合わせレンズ35n、35pの焦点は固体撮像素子33aの位置と一致する。
また、組み合わせレンズ35n、35pの温度が高温T2に上昇した場合、図13Bに示すように結像側レンズ35pの形状が変化する。具体的には、被写体側接着剤36nが結像側レンズ35pよりも弾性率が高く(すなわち硬く)、結像側接着剤36pが結像側レンズ35pよりも弾性率が低い(すなわち軟らかい)。したがって、結像側レンズ35pのうち、被写体側接着剤36nと接触している面およびその近傍に比べ、結像側接着剤36pと接触している面およびその近傍の方が、温度上昇による変形量(より具体的には膨張量)が大きくなる。つまり、接着剤36n、36pの弾性率の違いにより、結像側レンズ35pが、被写体側接着剤36n側よりも結像側接着剤36p側でより自由に変形する。
その結果、結像側レンズ35nが反るように変形することで、結像側レンズ35nの中央部が結像側接着剤36p側に、すなわち、被写体側レンズ35nから遠ざかる方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも長いd_T2となる。このように、組み合わせレンズ35n、35pの温度が上昇するほど、レンズ間距離dが長くなる。
また、組み合わせレンズ35n、35pの温度が常温T1から低温T3に下降した場合、図13Cに示すように結像側レンズ35pの形状が変化する。具体的には、結像側レンズ35pのうち、結像側接着剤36pと接触している面およびその近傍に比べ、被写体側接着剤36nと接触している面およびその近傍の方が、温度下降による変形量(より具体的には収縮量)が小さくなる。
その結果、結像側レンズ35pが反るように変形することで、結像側レンズ35pの中央部が被写体側接着剤36n側に、すなわち、被写体側レンズ35nに近づく方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも短いd_T3となる。このように、組み合わせレンズ35n、35pの温度が下降するほど、レンズ間距離dが短くなる。
なお、被写体側レンズ35nについては、第1内フランジ31c、第2内フランジ31dへの接着に用いられる接着剤に特性の違いが無いので、仮に被写体側レンズ35nが熱により変形したとしても、その変形は、レンズ間距離dの変動に実質的に寄与しない。また、被写体側レンズ35nがガラス製のレンズであれば、そもそも温度変化による変形量が樹脂レンズである結像側レンズ35pに比べて遙かに小さい。
上述の通り、組み合わせレンズ35n、35pの焦点距離fは、
f=f1×f2/(f1+f2−d)
という式によって得られる。そして、本実施形態においては右辺の分子も分母も正なので、レンズ間距離dが短くなるほど、焦点距離fが短くなる。したがって、温度が上昇してレンズ間距離dが長くなることは、組み合わせレンズ35n、35pの焦点距離fを長くする方向に働く。また、温度が下降してレンズ間距離dが短くなることは、組み合わせレンズ35n、35pの焦点距離fを短くする方向に働く。
このように、温度の上昇に起因する第1、結像側レンズ35n、35pの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35n、35pの焦点距離fを短くする方向に働いても、結像側レンズ35pの変形が逆に焦点距離fを長くする方向に働く。
また、温度の下降に起因する第1、結像側レンズ35n、35pの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35n、35pの焦点距離fを長くする方向に働いても、結像側レンズ35pの変形が逆に焦点距離fを短くする方向に働く。
つまり、両者の働きが相殺される関係にある。結果として、温度の上昇および下降に伴う組み合わせレンズ35n、35pの焦点距離fの変動量が低減され、組み合わせレンズ35n、35pの焦点と固体撮像素子33aとの位置ずれ量が低減される。
以上説明した通り、レンズ35p(第1のレンズ)の面のうちレンズ35n(第2のレンズ)に近い側の面(一方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的硬い接着剤36n(第1の接着剤)が介在する。また、レンズ35p(第1のレンズ)の面のうちレンズ35n(第2のレンズ)から遠い側の面(他方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的軟らかい接着剤36p(第2の接着剤)が介在する。
このように、弾性率の異なる接着剤36n、36pをレンズ35pのどちら側の面に付けるかで、レンズ35pの温度変化による変形を調整でき、ひいては、レンズ間距離dを調整できる。したがって、接着剤36n、36pをレンズ35pのどちら側の面に付けるかを適切に設定することで、温度変化に伴うレンズ35n、35pの屈折率の変化が焦点距離fの変化に及ぼす影響と、温度変化に伴うレンズ35pの変形が焦点距離fの変化に及ぼす影響とを、逆にすることができる。その結果、温度変化に伴う焦点距離fの変動量が低減される。
また、このように、レンズ35n、35pの温度変化による屈折率変化を補償しながらも、その補償の手段として用いるのは、補償のためでなくとも通常も用いられる接着剤なので、レンズモジュール40および撮像装置1の部品点数の増加を抑えることができる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について、図14A〜図14Cを参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態について、以下のような変更を適用したものである。まず、組み合わせレンズを構成する被写体側レンズ35aおよび結像側レンズ35bを、それぞれ被写体側レンズ35q、結像側レンズ35rに置き換えている。また、被写体側接着剤36aおよび結像側接着剤36bを、被写体側接着剤36qおよび結像側接着剤36rに置き換えている。また、第1、結像側接着剤36q、36rの使用対象が、被写体側レンズ35qではなく結像側レンズ35rである。他の構成については、第1実施形態と同じである。
なお、第1ホルダ31、被写体側レンズ35q、結像側レンズ35r、被写体側接着剤36q、結像側接着剤36rが、レンズモジュール40を構成する。また、被写体側レンズ35qが第2のレンズの一例に相当し、結像側レンズ35rが第1のレンズの一例に相当し、被写体側接着剤36qが第2の接着剤の一例に相当し、結像側接着剤36rが第1の接着剤の一例に相当する。
本実施形態では、被写体側レンズ35qは、ガラス製のレンズであり、結像側レンズ35rは、樹脂製のレンズである。しかし、第1、結像側レンズの材質は、上記のものに限定されるわけではない。
これら2つのレンズ35q、35rは、1つの組み合わせレンズを構成し、被写体側レンズ35qよりも結像側レンズ35rが組み合わせレンズの結像側に、すなわち、固体撮像素子33a側に、配置される。
被写体側接着剤36qは、結像側接着剤36rの被写体側(図14A〜図14C中の左側)の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在して結像側レンズ35rを第2内フランジ31dに接着させている。また、結像側接着剤36rが、結像側レンズ35rの結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第3内フランジ31eとの間に介在して結像側レンズ35rを第3内フランジ31eに接着させている。なお、ここでいう結像側は、組み合わせレンズ35q、35rの結像側(図14A〜図14C中の右側)である。
被写体側接着剤36qとしては、例えば、シリコンゴム系接着剤を用いる。ただし、シリコンゴム系接着剤の中でも、弾性率(例えばヤング率。以下同じ。)が結像側レンズ35rの弾性率よりも小さいものを用いる。また、被写体側接着剤36qとしては、シリコンゴム系接着剤でなくとも、弾性率が結像側レンズ35rの弾性率よりも小さければよい。なお、被写体側接着剤36qの弾性率が結像側レンズ35rの弾性率よりも小さいので、被写体側接着剤36qの線膨張率は結像側レンズ35qの線膨張率よりも大きい。
結像側接着剤36rとしては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤を用いる。ただし、エポキシ樹脂系接着剤の中でも、弾性率が結像側レンズ35rの弾性率よりも大きいものを用いる。また、結像側接着剤36rとしては、エポキシ樹脂系接着剤でなくとも、弾性率が結像側レンズ35rの弾性率よりも大きければよい。なお、結像側接着剤36rの弾性率が結像側レンズ35rの弾性率よりも大きいので、結像側接着剤36rの線膨張率は結像側レンズ35rの線膨張率よりも小さい。
このように、結像側レンズ35rは、被写体側の面が被写体側接着剤36qによって第2内フランジ31dに接着され、結像側(固体撮像素子33a側)の面が結像側接着剤36rによって第3内フランジ31eに接着される。
また、被写体側レンズ35qについては、被写体側の面の周縁部と第1内フランジ31cとの間に介在する接着剤も、結像側(固体撮像素子33a側)の面の周縁部と第2内フランジ31dとの間に介在する接着剤も、同じ材質および弾性率の接着剤が用いられる。
このように、被写体側レンズ35qは、被写体側の面が或る接着剤によって第1内フランジ31cに接着され、結像側の面も同じ接着剤によって第2内フランジ31dに接着される。
ここで、被写体側レンズ35q、結像側レンズ35rの光学特性について説明する。被写体側レンズ35qの焦点距離をf1とし、結像側レンズ35rの焦点距離をf2とし、被写体側レンズ35qと結像側レンズ35rの間の距離(以下、レンズ間距離という)をdとすると、上記組み合わせレンズの焦点距離fは、以下の式に従う。
f=f1×f2/(f1+f2−d)
そして、本実施形態においては、f1×f2が正となる。これは、被写体側レンズ35qも結像側レンズ35rも凸レンズなので焦点距離f1、f2が共に正だからである。このf1×f2>0の関係は、第1実施形態と同じ動作温度範囲内で常に成立する。また、本実施形態においては、上記動作温度範囲内で、f1+f2−dが常に正となる。このようになっていることで、上記動作温度範囲内で、組み合わせレンズ35q、35rの焦点距離fが正になる。
なお、組み合わせレンズの焦点は、被写体側レンズ35q、結像側レンズ35rの温度が所定の常温T1(例えば20℃)において固体撮像素子33aの位置と一致するよう、あらかじめ調整されている。ここで、被写体側レンズ35q、結像側レンズ35rの温度が所定の常温T1である場合のレンズ間距離dはd_T1であるとする。
ここで、被写体側レンズ35q、結像側レンズ35rの温度が所定の常温T1よりも上昇した場合について説明する。この場合、温度が上昇することに伴う被写体側レンズ35qおよび結像側レンズ35rの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを長くする方向に働く。より具体的に説明すると、以下の通りである。
常温T1において組み合わせレンズ35q、35rの焦点距離fがf_T1であり、上昇後の高温T2(例えば100℃)において焦点距離f1がf1_T2であり、焦点距離f2がf2_T2であるとする。この場合、
f_T1<f1_T2×f2_T2/(f1_T2+f2_T2−d_T1)
という関係が成立する。なお、右辺では、分母のd_T1が常温T1時の距離dとなっているので、右辺全体は高温T2時における組み合わせレンズの焦点距離fとは異なる。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も高温T2時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35q、35rの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが長くなる。
なお、本実施形態を含め一般的にレンズの屈折率は上記動作温度範囲を含む広い温度範囲で概ね温度の一次関数となるので、上記のことは、高温T2がどの温度でも同じように成り立つ。更には、レンズ35q、35rの温度が所定の常温T1よりも下降して低温T3になった場合も、上記と逆のことが言える。ここで、低温T3は、−40℃でもよいし他の温度でもよい。
つまり、温度が下降することに伴う被写体側レンズ35qおよび結像側レンズ35rの屈折率の変化は、組み合わせレンズの焦点距離fを短くする方向に働く。すなわち、下降後の低温T3において焦点距離f1がf1_T3であり、焦点距離f2がf2_T3であるとした場合、
f_T1>f1_T3×f3_T3/(f1_T3+f2_T3−d_T1)
という関係が成立する。つまり、レンズ間距離dが常温T1時も低温T3時も変化せず同じであると仮定すれば、レンズ35q、35rの屈折率の変化によって、組み合わせレンズの焦点距離fが短くなる。
温度変化によって上記のような屈折率変化および焦点距離変化を示す組み合わせレンズ35q、35rとしては、例えば、以下の条件(A)、(B)、(C)のすべてを満たすものがある。
(A)温度変化による屈折率変化量およびそれに起因する焦点距離変化量が、被写体側レンズ35qよりも結像側レンズ35rの方が遙かに大きい。
(B)焦点距離f2は、温度が上昇して屈折率が変化することで長くなり、温度が下降して屈折率が変化することで短くなる。
(C)焦点距離f1は、上記動作温度範囲内において、常にレンズ間距離dより長い。
上記(B)のような特徴を有する樹脂レンズとしては、シクロオレフィンポリマー樹脂がある。
以下、上記のような構成の組み合わせレンズ35q、35rにおける、温度変化に伴う焦点距離fの変化について説明する。組み合わせレンズ35q、35rが常温T1の場合、図14Aに示すように、レンズ間距離dはd_T1であり、すでに説明した通り、このとき、組み合わせレンズ35q、35rの焦点は固体撮像素子33aの位置と一致する。
また、組み合わせレンズ35q、35rの温度が高温T2に上昇した場合、図14Bに示すように結像側レンズ35rの形状が変化する。具体的には、被写体側接着剤36qが結像側レンズ35rよりも弾性率が低く(すなわち軟らかく)、結像側接着剤36rが結像側レンズ35rよりも弾性率が高い(すなわち硬い)。したがって、結像側レンズ35rのうち、被写体側接着剤36qと接触している面およびその近傍に比べ、結像側接着剤36rと接触している面およびその近傍の方が、温度上昇による変形量(より具体的には膨張量)が小さくなる。つまり、接着剤36q、36rの弾性率の違いにより、結像側レンズ35rが、結像側接着剤36r側よりも被写体側接着剤36q側でより自由に変形する。
その結果、結像側レンズ35qが反るように変形することで、結像側レンズ35qの中央部が被写体側接着剤36p側に、すなわち、被写体側レンズ35qに近づく方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも短いd_T2となる。このように、組み合わせレンズ35q、35rの温度が上昇するほど、レンズ間距離dが短くなる。
また、組み合わせレンズ35q、35rの温度が常温T1から低温T3に下降した場合、図14Cに示すように結像側レンズ35rの形状が変化する。具体的には、結像側レンズ35rのうち、結像側接着剤36rと接触している面およびその近傍に比べ、被写体側接着剤36qと接触している面およびその近傍の方が、温度下降による変形量(より具体的には収縮量)が大きくなる。
その結果、結像側レンズ35rが反るように変形することで、結像側レンズ35rの中央部が結像側接着剤36r側に、すなわち、被写体側レンズ35qから遠ざかる方向に、移動する。これにより、レンズ間距離dが、d_T1よりも長いd_T3となる。このように、組み合わせレンズ35q、35rの温度が下降するほど、レンズ間距離dが長くなる。
なお、被写体側レンズ35qについては、第1内フランジ31c、第2内フランジ31dへの接着に用いられる接着剤に特性の違いが無いので、仮に被写体側レンズ35qが熱により変形したとしても、その変形は、レンズ間距離dの変動に実質的に寄与しない。また、被写体側レンズ35qがガラス製のレンズであれば、そもそも温度変化による変形量が樹脂レンズである結像側レンズ35rに比べて遙かに小さい。
上述の通り、組み合わせレンズ35q、35rの焦点距離fは、
f=f1×f2/(f1+f2−d)
という式によって得られる。そして、本実施形態においては右辺の分子も分母も正なので、レンズ間距離dが短くなるほど、焦点距離fが短くなる。したがって、温度が上昇してレンズ間距離dが短くなることは、組み合わせレンズ35q、35rの焦点距離fを短くする方向に働く。また、温度が下降してレンズ間距離dが長くなることは、組み合わせレンズ35q、35rの焦点距離fを長くする方向に働く。
このように、温度の上昇に起因する第1、結像側レンズ35q、35rの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35q、35rの焦点距離fを長くする方向に働いても、結像側レンズ35rの変形が逆に焦点距離fを短くする方向に働く。
また、温度の下降に起因する第1、結像側レンズ35q、35rの屈折率の変化が、組み合わせレンズ35q、35rの焦点距離fを短くする方向に働いても、結像側レンズ35rの変形が逆に焦点距離fを長くする方向に働く。
つまり、両者の働きが相殺される関係にある。結果として、温度の上昇および下降に伴う組み合わせレンズ35q、35rの焦点距離fの変動量が低減され、組み合わせレンズ35q、35rの焦点と固体撮像素子33aとの位置ずれ量が低減される。
以上説明した通り、レンズ35r(第1のレンズ)の面のうちレンズ35p(第2のレンズ)から遠い側の面(一方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的硬い接着剤36r(第1の接着剤)が介在する。また、レンズ35r(第1のレンズ)の面のうちレンズ35q(第2のレンズ)に近い側の面(他方側の面)と第1ホルダ31との間に、比較的軟らかい接着剤36q(第2の接着剤)が介在する。
このように、弾性率の異なる接着剤36q、36rをレンズ35rのどちら側の面に付けるかで、レンズ35rの温度変化による変形を調整でき、ひいては、レンズ間距離dを調整できる。したがって、接着剤36q、36rをレンズ35rのどちら側の面に付けるかを適切に設定することで、温度変化に伴うレンズ35q、35rの屈折率の変化が焦点距離fの変化に及ぼす影響と、温度変化に伴うレンズ35rの変形が焦点距離fの変化に及ぼす影響とを、逆にすることができる。その結果、温度変化に伴う焦点距離fの変動量が低減される。
また、このように、レンズ35q、35rの温度変化による屈折率変化を補償しながらも、その補償の手段として用いるのは、補償のためでなくとも通常も用いられる接着剤なので、レンズモジュール40および撮像装置1の部品点数の増加を抑えることができる。
(第1〜第8実施形態のまとめ)
図15に、第1〜第8実施形態の各々の特徴をまとめた。特徴として、対応する図面、被写体側レンズの形状、結像側レンズの形状、高温時の屈折率変化が焦点距離fに及ぼす影響、f1+f2−dの正負、高温時のレンズ間距離dの変化、2種類の接着剤のうち弾性率の高い(硬い)方の接着剤が表されている。なお、被写体側レンズ、結像側レンズの形状の欄において、「(変形)」と記載されているレンズは、接着剤の弾性率の違いによって意図的に変形させる対象のレンズである。
これらの図に示すように、高温時の屈折率変化が焦点距離fの絶対値を長くするか短くするか、および、f1+f2−dが正か負かによって、高温時にレンズ間距離dを長くすべきか短くすべきかが決まり、それに併せて、弾性率の高い方の接着剤が決まる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。例えば、以下のような変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
(変形例1)
上記第1〜第8実施形態の各々について、被写体側レンズと結像側レンズの位置関係を反対にしてもよい。例えば、第1実施形態に対して、レンズ35bをレンズ35aよりも被写体側に配置するよう変更してもよい。ただしその場合、被写体側接着剤と結像側接着剤の位置関係も反対にする必要がある。例えば、第1実施形態において、レンズ35aの被写体側の面と第1ホルダ31との間に接着剤36bを介在させ、レンズ35aの結像側の面と第1ホルダ31との間に接着剤36aを介在させてもよい。このようになっていても、上記第1〜第8実施形態と同等の効果を得ることができる。
(変形例2)
上記第1〜第8実施形態はいずれも、第1のレンズと第2のレンズを含む組み合わせレンズの焦点距離fが正となっている。そして、第1の接着剤と第2の接着剤が第1のレンズをホルダに接着させ、第1の接着剤は弾性率が第1のレンズよりも大きく、第2の接着剤は弾性率が第1のレンズよりも小さい。
しかし、焦点距離fが負となっている組み合わせレンズについても、本発明は適用可能である。組み合わせレンズの焦点距離が負であっても、組み合わせレンズの温度の変化に伴う第1のレンズおよび第2のレンズの屈折率の変化が組み合わせレンズの焦点距離の変化に及ぼす影響と、組み合わせレンズの温度の変化に伴う第1のレンズの変形が組み合わせレンズの焦点距離の変化に及ぼす影響とが、逆になるよう、第1の接着剤が第1のレンズの一方側の面とホルダとの間に介在し、第2の接着剤が第1のレンズの他方側の面とホルダとの間に介在するようになっていればよい。
1 撮像装置
31 第1ホルダ
35a、35c、35e、35g、35i、35k、35n、35q 被写体側レンズ
35b、35d、35f、35h、35j、35m、35p、35r 結像側レンズ
36a、36c、36e、36g、36i、36k、36n、36q 被写体側接着剤
36b、36d、36f、36h、36j、36m、36p、36r 結像側接着剤
40 レンズモジュール

Claims (5)

  1. 第1のレンズ(35a、35c、35f、35h、35i、35k、35p、35r)と第2のレンズ(35b、35d、35e、35g、35j、35m、35n、35q)を含む組み合わせレンズ(35a〜35r)と、
    前記組み合わせレンズを収容するホルダ(31)と、
    前記第1のレンズを前記ホルダに接着させると共に、前記第1のレンズよりも弾性率が大きい第1の接着剤(36a、36d、36f、36g、36j、36k、36n、36r)と、
    前記第1のレンズを前記ホルダに接着させると共に、前記第1のレンズよりも弾性率が小さい第2の接着剤(36b、36c、36e、36h、36i、36m、36p、36q)と、を備え、
    前記組み合わせレンズの温度の変化に伴う前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの屈折率の変化が前記組み合わせレンズの焦点距離の変化に及ぼす影響と、前記組み合わせレンズの温度の変化に伴う前記第1のレンズの変形が前記組み合わせレンズの焦点距離の変化に及ぼす影響とが、逆になるよう、前記第1の接着剤が前記第1のレンズの一方側の面と前記ホルダとの間に介在し、前記第2の接着剤が前記第1のレンズの他方側の面と前記ホルダとの間に介在することを特徴とする撮像装置のレンズモジュール。
  2. 前記第1のレンズ(35a、35f)の焦点距離と前記第2のレンズ(35b、35e)の焦点距離の積は負であり、前記第1のレンズの焦点距離と前記第2のレンズの焦点距離の和は、前記第1のレンズと前記第2のレンズの間の距離よりも小さく、
    温度が上昇することに伴う前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの屈折率の変化は、前記組み合わせレンズの焦点距離を短くする方向に働き、
    前記第1の接着剤(36a、36f)は、前記第1のレンズの面のうち前記前記第2のレンズから遠い側の面と前記ホルダとの間に介在して前記第1のレンズを前記ホルダに接着させ、
    前記第2の接着剤(36b、36e)は、前記第1のレンズの面のうち前記前記第2のレンズに近い側の面と前記ホルダとの間に介在して前記第1のレンズを前記ホルダに接着させ、
    前記第1のレンズと前記第2のレンズの間の距離は、温度が上昇すると短くなることで前記組み合わせレンズの焦点距離を長くする方向に働くことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置のレンズモジュール。
  3. 前記第1のレンズ(35c、35h)の焦点距離と前記第2のレンズ(35d、35g)の焦点距離の積は負であり、前記第1のレンズの焦点距離と前記第2のレンズの焦点距離の和は、前記第1のレンズと前記第2のレンズの間の距離よりも小さく、
    温度が上昇することに伴う前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの屈折率の変化は、前記組み合わせレンズの焦点距離を長くする方向に働き、
    前記第1の接着剤(36d、36g)は、前記第1のレンズの面のうち前記前記第2のレンズに近い側の面と前記ホルダとの間に介在して前記第1のレンズを前記ホルダに接着させ、
    前記第2の接着剤(36c、36h)は、前記第1のレンズの面のうち前記前記第2のレンズから遠い側の面と前記ホルダとの間に介在して前記第1のレンズを前記ホルダに接着させ、
    前記第1のレンズと前記第2のレンズの間の距離は、温度が上昇すると長くなることで前記組み合わせレンズの焦点距離を長くする方向に働くことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置のレンズモジュール。
  4. 前記第1のレンズ(35i、35p)の焦点距離と前記第2のレンズ(35j、35n)の焦点距離の積は正であり、前記第1のレンズの焦点距離と前記第2のレンズの焦点距離の和は、前記第1のレンズと前記第2のレンズの間の距離よりも大きく、
    温度が上昇することに伴う前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの屈折率の変化は、前記組み合わせレンズの焦点距離を短くする方向に働き、
    前記第1の接着剤(36j、36n)は、前記第1のレンズの面のうち前記前記第2のレンズに近い側の面と前記ホルダとの間に介在して前記第1のレンズを前記ホルダに接着させ、
    前記第2の接着剤(36i、36p)は、前記第1のレンズの面のうち前記前記第2のレンズから遠い側の面と前記ホルダとの間に介在して前記第1のレンズを前記ホルダに接着させ、
    前記第1のレンズと前記第2のレンズの間の距離は、温度が上昇すると長くなることで前記組み合わせレンズの焦点距離を長くする方向に働くことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置のレンズモジュール。
  5. 前記第1のレンズ(35k、35r)の焦点距離と前記第2のレンズ(35m、35q)の焦点距離の積は正であり、前記第1のレンズの焦点距離と前記第2のレンズの焦点距離の和は、前記第1のレンズと前記第2のレンズの間の距離よりも大きく、
    温度が上昇することに伴う前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの屈折率の変化は、前記組み合わせレンズの焦点距離を長くする方向に働き、
    前記第1の接着剤(36k、36r)は、前記第1のレンズの面のうち前記前記第2のレンズから遠い側の面と前記ホルダとの間に介在して前記第1のレンズを前記ホルダに接着させ、
    前記第2の接着剤(36m、36q)は、前記第1のレンズの面のうち前記前記第2のレンズに近い側の面と前記ホルダとの間に介在して前記第1のレンズを前記ホルダに接着させ、
    前記第1のレンズと前記第2のレンズの間の距離は、温度が上昇すると長くなることで前記組み合わせレンズの焦点距離を短くする方向に働くことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置のレンズモジュール。
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