JP2010156887A - レンズユニット及びこれを用いた撮像素子と電子機器 - Google Patents

レンズユニット及びこれを用いた撮像素子と電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】レンズを精度よく固定し、かつ、レンズの熱膨張を効率よく吸収する。
【解決手段】ホルダと、レンズと、前記ホルダ内に固定される回転対称形のレンズ保持部とを備え、前記レンズ保持部は前記ホルダ内で前記レンズをレンズの光軸方向に懸垂して光軸とホルダの中心軸とを一致させ、前記レンズの半径方向の熱膨張を剪断ひずみによって吸収するレンズユニット。
【選択図】図2

Description

この発明はレンズユニットに関し、主に携帯電話やパソコン,ビデオカメラなどに利用される。
近年、レンズユニット(カメラモジュール)を用いた撮像素子の市場は、コストダウンの大きな流れの中にある。そのコストダウン技術の中で、レンズユニットの取り付け工程の簡略化が注目されている。中でも、ベース回路基板上に直接リフローではんだ固定されるレンズユニットは、リフロー工程では250℃を超える耐熱性が必要になる。
このようなレンズユニットが受ける熱影響を緩和する技術として、レンズ外周をケースの棚部に載せ、弾性スペーサでレンズを押さえ、レンズの外周を弾性リングで囲んで支持することにより、レンズの熱膨張時の光軸方向の寸法変化を弾性スペーサの圧縮変形(縦ひずみ)で、半径方向の寸法変化を弾性リングの圧縮変形でそれぞれ吸収する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−295024号公報
このような従来のレンズユニットにおけるレンズの保持構造においては、加熱によりレンズが膨張した際に、レンズを保持する弾性スペーサと弾性リングが前述のように縦ひずみによる圧縮変形を生じてその膨張を吸収する。しかし、レンズをホルダに固定する際には、レンズと絞りの間にこの弾性スペーサが挿入されるために、本来レンズユニットの位置基準となるべきホルダ(ケース)に対してレンズを設計通りに精度よく保持することが容易でない。それは、レンズのリフロー時の変形を防止するために、弾性スペーサの材料としては弾性係数がレンズよりも小さいものを用いなくてはならないからである。
ところで、前述の弾性スペーサを用いた従来技術では、弾性スペーサの形状が円板形状で、レンズより厚い構成になっている。仮に同じ弾性係数とした場合、形状的にはレンズより変形しにくいものになり、加熱時、弾性スペーサは圧縮変形せず、レンズのほうが圧縮変形してしまう。従って、弾性スペーサ側を変形させるためには、弾性スペーサの弾性係数を、レンズのそれよりも小さくしなくてはならないということになる。さらに、リフロー工程に耐える耐熱性を持つレンズに用いられる材料は一般的に弾性係数が0.5GPaより低い傾向にあり、これより弾性係数が低くなると、作製された弾性スペーサはその形状精度を出すことが容易ではなく、精度確保がより難しくなる。
さらに、従来技術では、弾性リングにレンズをはめる工程でも、位置精度を高めて、レンズを、弾性リングと同時にホルダ(枠)の中に嵌め込むと、レンズに負担がかかる。従って、レンズを嵌め込む工程でのレンズへの負担を軽減するためには弾性リングにもレンズより弾性係数の小さな材料を用いざるを得ないということになる。
この発明はこのような事情を考慮してなされたもので、レンズの位置決めや、組立時の位置精度、あるいは部品自体の精度に影響しない状態で、レンズの熱膨張にレンズ保持部を追随させることが可能なレンズ支持構造を採用し、この効果により、加熱による温度上昇によりレンズ膨張が発生した後もレンズを安定に保持し、かつ、レンズユニットの組立時の基準は精度良く維持されるレンズユニット、及びこれを用いた撮像素子、電子機器を提供するものである。
この発明は、ホルダと、レンズと、前記ホルダ内に同軸に固定される回転対称形のレンズ保持部とを備え、前記レンズ保持部は前記ホルダ内で前記レンズをレンズの光軸方向に懸垂して光軸とホルダの中心軸とを一致させ、前記レンズの半径方向の熱膨張を剪断ひずみによって吸収するレンズユニットを提供するものである。
この発明によれば、レンズ保持部はレンズをレンズの光軸方向に懸垂し、レンズの半径方向の熱膨張をレンズ保持部の剪断ひずみによって吸収するように構成されている。つまり、レンズはその光軸方向にレンズ保持部に懸垂されるので、熱膨張時にはレンズ保持部に対して、光軸方向には応力が全く印加されず、レンズの半径方向の応力による剪断応力のみが印加される。剪断応力と剪断ひずみとの比である横弾性係数は、圧縮応力と圧縮ひずみの比である縦弾性係数に比べて、一般的に数分の1である。従って、レンズ保持部に従来よりも縦弾性係数の大きな材料を用いて精度よくレンズを設置することができ、かつ、レンズの熱膨張を剪断ひずみにより効率よく吸収することができる。
この発明によるレンズユニットは、ホルダと、レンズと、前記ホルダ内に同軸に固定される回転対称形のレンズ保持部とを備え、前記レンズ保持部は前記ホルダ内で前記レンズをレンズの光軸方向に懸垂して光軸とホルダの中心軸とを一致させ、前記レンズの半径方向の熱膨張を剪断ひずみによって吸収することを特徴とする。
ホルダおよびレンズ保持部がそれぞれ上端部と下端部を有し、ホルダの上端部の内周にレンズ保持部の上端部の外周が接着され、レンズ保持部の下端部の端面にレンズが接着されてもよい。
ホルダの上端部は内周面から軸心方向に突出するリング状突出部を備え、レンズ保持部の上端部はリング状突出部に接着され、レンズ保持部の下端部は外周から半径方向に突出してレンズの周縁部に接着されるフランジ部を備えてもよい。
レンズ保持部とレンズとホルダの線膨張率をそれぞれ、α0,α1,α2とするとき、α2<α0<α1/2の関係にあることが好ましい。
レンズ保持部が中心軸に平行に形成された複数の切り欠き部を備えてもよい。
レンズ保持部の上端部はレンズの絞りを形成する開口を有してもよい。
ホルダは、ホルダの内径とレンズ外形の半径との差よりも大きい面取り部を備えてもよい。ホルダのリング状突出部は、ホルダにレンズ保持部を接着させるための接着剤注入用貫通溝を備えてもよい。
ホルダおよびレンズ保持部が上端部から入射した光をレンズを介して下端部から出射されるように構成され、レンズ保持部の上端部がホルダの上端部から突出するように構成されてもよい。
この発明は、別の見地から、上記に記載のレンズユニットと、撮像センサと、前記レンズユニットを撮像センサに固定する湖底部を備えた撮像素子を提供するものである。
以下、図面に示す実施例を用いて、この発明の実施の形態を説明する。
図1はこの実施例におけるレンズユニットの上面図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は図1のB−B矢視断面図である。
これらの図に示すようにレンズユニット101では、円形の第1レンズ2と円形の第2レンズ3とが円形のスペーサ5を介して光軸Lが一致するように固定され、撮像レンズ系
51を構成している。そして、第1レンズ2の周縁部が回転対称形のレンズ保持部1の下端部外壁から半径方向に突出する円形のフランジ部8に接着されている。また、レンズ保持部1の上端部は、円筒形のホルダ4の上端部内壁から中心に向かって突出するリング状突出部53に接着されている。
このようにして、レンズ保持部1は、撮像レンズ系51をその光軸Lの方向に懸垂して、光軸Lとホルダ4およびレンズ保持部1の中心軸とを一致させる。レンズユニット101はホルダ4のレンズ系51よりも被写体側に開口部6が形成された、いわゆる前絞り型のレンズユニットである。さらに、撮像素子として、撮像素子自体の取り付け工程の簡略化も重要であるため、レンズユニット101は耐熱性材料で構成されている。例えば、レンズ2の材料はシリコーン系の透明樹脂であり、屈折率は1.51(Nd)である。また、ホルダ4の材料としては、液晶ポリマーLCP等が使用される。また、レンズ保持部1の材料としては、PEEK、PPS、PA(ポリアミド)などが使用できる。
レンズユニット101の組み立て方法を図7を用いて説明する。図7(a)に示すように、第1レンズ2と第2レンズ3とをスペーサ5を挟んで上下から接着し光軸を一致させることにより、レンズ系51を形成する。次に、図7(b)に示すように、レンズ保持部1に対してレンズ系51を接着する。接着の際には、レンズ2の周縁をレンズ保持部1のフランジ部8に接着し、レンズ系51の光軸のレンズ保持部1の中心軸を一致させる。最後に、ホルダ4にレンズ系51を図7(c)のように矢印Yの方向に挿入して、レンズ保持部1の上端部をホルダ4のリング状突出部53に接着剤で固定し、レンズ系51の光軸とホルダ4の中心軸とを一致させる。
また、図4はレンズ保持部1の上面図、図5は図4のC−C矢視断面図、図6は図4のD−D矢視断面図である。これらの図に示すようにレンズ保持部1は回転対称形で、下端部にフランジ部8を、上端部に円弧状突出部1a,1bを備えると共に、上端部から下端部にわたる2つの切り欠き部9a,9bを備える。レンズ保持部1は、後述のようにリフロー工程における撮像レンズ系51の熱膨張を吸収する機能を有するので、切り欠き部9a,9bは、その機能を助長するために設けられる。従って、切り欠き部9a,9bは図4および図6に示すように、レンズ保持部1の外周部から開口部6の周縁のみを残して、切り込まれて形成される。切り欠き部9a,9bの数はさらに増やすことも可能である。
開口部6はレンズユニット101の絞りとして機能する。レンズ保持部1は、ホルダ4に対して図2のように外径の大きい円弧状突出部1a、1bがリング状突出部53の内面に接着剤で接着されて固定される。なお、図3に示すレンズ保持部1の外径の小さい部分とリング状突出部53の内面との間隙7a,7bには接着剤は注入されていない。また、円弧状突出部1a,1bがない場合には、その間隙に接着剤を注入して固定することもできる。
接着剤としては、黒色に着色された熱硬化性のエポキシ系接着剤や、黒色に着色され、硬度が高められた黒色化されたシリコーンとアクリルのハイブリッド型熱硬化性樹脂性の熱硬化性接着剤が使用でき、硬化後の強度もヤング率が0.8GPaを越えるものがより適している。黒色の接着剤により遮光の効果も得られる。
さらに、レンズ保持部1には図2や図3のように、撮像レンズ系51を保持するだけでなく、レンズ保持部1の開口部6と撮像レンズ系51との位置を精度良く保つ機能が要求される。
ここで、レンズユニット101の各材料の線膨張係数については、レンズ保持部1の材料であるPEEKの線膨張係数α0= 4×10E-5、また、ホルダ4の材料のLCPの線膨張係数 α2=1.5×10E-5、第1および第2レンズ2,3のシリコーン系樹脂の線膨張係数α1=
1.5×10E-4である。
この材料の組み合わせで構成されるこの実施例のレンズユニット101は、250℃のリフロー工程での回路基板へのはんだ付けが可能である。
そこで、レンズユニット101において、レンズ保持部1がリフロー時の撮像レンズ系51の熱膨張を吸収する原理を図2と図8を用いて説明する。レンズユニット101が加熱されると、撮像レンズ系51は図2の矢印X方向(レンズ半径方向)と矢印Z方向(レンズ光軸方向)に熱膨張する。これに伴い、矢印X方向の応力がレンズ保持部1に印加され、レンズ保持部1は図8に示すように剪断ひずみを生じ、撮像レンズ系51の熱膨張に追従して変形し、それを吸収する。
また、切り欠き部9a,9b(図4)がレンズ保持部1にあることで、レンズ保持部1の剪断ひずみが起こりやすくなり、撮像レンズ系51の熱膨張の吸収を行いやすくなる。切り欠き部9の数は多いほど、剪断ひずみは起こりやすくなる。
なお、撮像レンズ系51の熱膨張によって矢印Z方向に生じる応力は、撮像レンズ系51がレンズ保持部1に懸垂されているので、レンズ保持部1に作用することはない。
ここで、レンズ保持部1の撮像レンズ系51への追従性能について説明する。レンズ保持部1のヤング率をE、図6に示すようにレンズ保持部1の高さをh、ホルダ4に接着される部分の外径をd1(mm)、その内径をd2(mm)、可動範囲(剪断ひずみ領域)の長さをL(mm)、可動範囲の厚さをt(mm)、分割数をNとし、第1レンズ2の膨張によって発生する応力をP(GPa)とすると、レンズ保持部1にかかる応力Pに対して追従できる変位量Δxは、近似的に、
Δx=(2πtd1/N)・(Ph3/3EI), I=π(d14−d24)/64/N …(1)
となる。ここで分割数Nとは、切り欠き部の数と同じである。
第1レンズ2にシリコーン系(線膨張係数、α1=1.5×10E-4)の樹脂を用いた場合、リフロー工程投入時、温度が常温20℃から、250℃まで上昇したとすると、熱膨張によって発生する応力Pは、103MPaである。
ここで、ホルダ4の外径が5mm(内径3.7mm)、第1レンズ2の直径が3.5mm、レンズ保持部1におけるホルダ4に接着される部分の外径d1=2mm、その内径d2=1.4mm、可動範囲長さL=0.7mm、可動部分の厚さt=0.3mm、分割数N=5とする。
なお、このとき切り欠き部9a,9bは、幅が0.1mmで、レンズ保持部1の高さh(1mmに設定)に対して、可動範囲を確保できるよう、ホルダ4と接する部分の側面(外径d1の部分)から0.3mm切り込んだ形態となる。
追従できる変位量Δxは、式(1)より37μmとなる。これに対して、レンズ保持部1のレンズ2と接着している範囲を、レンズの周縁の直径3.5mmのところからレンズ保持部1の周縁2mmのところまでの範囲とすると、レンズの変形量は、最大60μm、最小34μm、平均47μmで追従性能としては十分な値を得ることができる。
さらに、厚さtが0.2mmとすれば、Δxを、48μmにでき、第1レンズ2の熱膨張への追従をさらに容易にすることができる。
この結果が示すように、第1レンズ2の熱膨張の影響で、第1レンズ2とレンズ保持部1との貼り合わせの界面や、レンズ保持部1とホルダ4との固定部(接着部)での剥がれにつながる力が大きく低減され、加熱による温度上昇の接着部に対する影響を大幅に低減できる。
また、熱変形時には、レンズ保持部1は、第1レンズ2から絞り(開口部6)までの距
離を固定するためのスペーサとしての機能も持っているので、その材料の線膨張係数α0は、第1レンズ2の材料の線膨張係数α1とホルダ4の材料の線膨張係数α2の間であって、α2より大きく、かつ、α2に近い値であるほうが、レンズユニット101内での第1レンズ2のレンズ保持部1との距離が、使用温度帯内の温度変化(-10℃〜50℃)でも、第1レンズ2が保持される位置が大きく変化することもなくなる。
また、レンズ保持部材1の材料として、本実施例で用いたPEEK材より他の材料を選ぶこともできる。PEEK(α0= 4×10E-5)の場合では、本実施例でのレンズ保持部1は、リフロー工程で片側10μm程度変形するが、例えば、これよりも線膨張係数が高い材料で作製した場合、レンズ保持部1の変形量はさらに大きくなる。
レンズ保持部1のホルダ4への接着部で許容される変化量は、圧縮応力による変形の許容量は経験的に10μm〜20μm程度である。このことから、耐熱性レンズを保持する場合、第1レンズ2の線膨張係数α1が150ppm以下であることを考慮すると、およそ、レンズ保持部1の線膨張係数α0は、レンズ2の線膨張係数α1の半分以下であることが好ましい。つまり、α2<α0<α1/2であることが好ましい。
次に、実施例2のレンズユニット102について、図9を用いて説明する。図9は、この実施例における図3対応図である。この実施例では、実施例1のレンズ保持部1がレンズ保持部11に置換され、レンズ保持部11はホルダ4の上面から飛び出た構造になっている。そして、ホルダ4には、レンズ保持部11の外径が小さい部分、つまり、図3の間隙7a,7bに対応する部分に接着剤26a,26bが注入されている。その他の構成は実施例1と同等である。
この実施例では、レンズ保持部11はホルダ4との間隙に接着剤26a,26bが注入されて接着され、レンズ保持部11の接着領域が増えるため、第1レンズ2が熱膨張した際に、レンズ保持部11が変形してもホルダ4に固定されている部分への影響が小さくて済む。このため、レンズユニット102をリフロー工程に投入する際の耐熱性能の安定性が高まる。
レンズ保持部によるレンズの熱膨張の影響緩和性能を高めるもう一つの実施例としてのレンズユニット103について、図10〜図12を用いて説明する。この実施例は、実施例1においてホルダ4を図11に示すホルダ4aに置換し、図10に示すようにホルダ4aとレンズ保持部1との間に接着剤26a,26bを注入したものである。その他の構成は実施例1と同等である。
この実施例では、図11のように、ホルダ4aのリング状突出部53の先端下部に面取り部25を形成することで、レンズ保持部1の変形の際に、変形を起こしやすいようになっている。つまり、レンズ保持部1が変形する際に、その外周面が面取り部25に入り込むことができ変形が容易になる。面取り部25の形状は、変形が起こった際のレンズ保持部1の変形量にもよって変化するが、ホルダの内径とレンズホルダのレンズ保持部1の変形を妨げない程度に面取りしている。
例えば、ホルダ4aの外径が5mm(内径3.7mm)、第1レンズ2の直径が3.5mm、レンズ保持部1におけるホルダ4aに接着される部分の直径d1=2mm、その内径d2=1.4mm、可動範囲長さL=0.7mm、可動部分の厚さt=0.3mm、分割数N=5となる場合では、前述のように、図11の面取り部25の形状の変形量wはレンズ保持部1の変形が60μm最大であるので、この変形を妨げない大きさを確保するため、0.1mm×0.1 mm(高さ×幅)の
面取り形状とする。また、ホルダの内径とレンズの外形との間には、この変形を許容する隙間を設けることが有効であり、上記の面取り形状の大きさ(高さ×幅の長い方の大きさ)は、ホルダの内径とレンズの外形との差以上にしておくことが好ましいことになる。
レンズ保持部1は図10に示すように接着剤26a,26bを用いてホルダ4aに接着されている。この実施例では、撮像レンズ系51が図12のように熱膨張した場合、面取り部25の作用によってレンズ保持部がホルダ4aに接触することなく円滑に変形して、撮像レンズ系51の熱膨張を効果的に吸収することができる。
図13は実施例4のレンズユニットを示す上面図、図14は図13のE−E矢視断面図である。これらの図に示すように、この実施例のレンズユニット104は、実施例3のホルダ4aがホルダ4bに置換されたもので、その他の構成は実施例3と同等である。ホルダ4bではホルダ4aにおける面取り部25を削除し、リング状突出部53の上面に4つの円弧状の貫通溝18a〜18dを形成している。実施例3と同様に接着剤26a,26bによってホルダ4bにレンズ保持部が接着されると共に、貫通溝18a〜18dのそれぞれに接着剤19a〜19dが追加的に注入され、ホルダ4bとレンズ保持部1とが接着されている。
接着剤19a〜19dには実施例3の接着剤26a,26bよりも柔らかいもの(ヤング率が低い材料)が選択される。接着剤26a,26bは強固にレンズ保持部をホルダに固定するが、接着剤19a〜19dはレンズ保持部1が撮像レンズ系51の熱膨張の影響を受けて変形できる状態で、レンズ保持部1をホルダ4bに固定する機能を持つ。
具体的には、接着剤19a〜19dは、図14に示すようにホルダ4bの外周寄りに寄せて貫通溝18a〜18dに注入されている。従って、熱膨張の影響で第1レンズ2とともに、レンズ保持部1の一部が第1レンズ2に追従して移動しても、溝部18a〜18dにある接着剤19a〜19dは、レンズ保持部1の追従による移動を、接着剤19a〜19dの変形で吸収して、レンズ保持部1をホルダ4bに安定して固定しておくことができる。
貫通溝18a〜18dは、この実施例のような円弧状のものの他に、直線状の矩形の溝群であっても本実施例と同様の機能を持たせることができる。なお、この実施例では貫通溝18a〜18dは4つになっているが、その数はこれに限定されない。
本発明の実施例1〜4で説明したレンズユニット101〜104について、第1レンズ2とレンズ保持部1又は11とを接着する方法についてさらに説明する。実施例1において、図2に示す第1レンズ2は、レンズ保持部1に対して、薄く厚さ制御された接着層によって接着されていることが好ましい。この点は他の実施例でも同様である。
また、接着層の厚さは10μmから20μmまでの間の制御されていることで、レンズ保持部1に対する第1レンズ2の傾き精度の悪化や、レンズ保持部1と開口部(絞り)6との距離精度誤差も大きく抑制される。さらに、接着剤にマイクロスペーサを混ぜ込むことで、レンズ保持部1と第1レンズ2との間の平行度精度をより高めることができる。
また、接着固定は、第1レンズ2の周縁部と、レンズ保持部1のフランジ部8との間で行われ、接着層がレンズ保持部1の変形を妨げない構造になっている。
接着剤でレンズ保持部1と第1レンズ2とを固定する際には、両者の間の接着面積を増すためには、第1レンズ2において、その周縁部の端部(ホルダ4の内壁面側)付近に面取り部を形成する。レンズ保持部1とレンズ2を接着した際に、この面取り部とレンズ保持部1との間に接着剤が入り込み、両者の間での接着力が増すことになる。
次に、図15を用いて、レンズユニットを撮像素子して用いた撮像装置の実施例を説明する。実施例1で説明したレンズユニット101を用いて、ホルダ4を撮像センサ60に固定し、固定焦点(電子ズーム機能)タイプの撮像素子(カメラモジュール)200として構成される。
撮像センサ60は、撮像センサ基板73に受光部71を形成した上に、カバーガラス70を配置した状態で構成されている。受光部71は第1レンズ2と第2レンズ3を通して結像される光(被写体から来る光)を画像として検出し、それを電気信号に変換する。受光部71で変換された電気信号は、センサ基板73上の配線パターン72を介して、接続部74、裏面配線パターン75、撮像センサ電極76まで導かれる。
このとき、第2レンズ3と撮像センサ60との間に固定部(接着部)61が設けられ、第2レンズ3とホルダ4と撮像センサ60が一括して接着され、撮像センサ60と第2レンズ3との距離がホルダ4の精度によって保たれる。
このように形成された撮像素子200は、リフロー工程に投入され、LSI18と共に撮像用ボード(撮像処理基板)80に実装される。
リフロー工程に投入時にレンズユニット101の第1レンズ2と第2レンズ3が光軸方向に熱膨張しても、光軸方向の位置精度に関係しないように、固定部61には弾性係数の小さい(弾性の高い)接着剤が使用され、レンズユニットの熱膨張による影響が緩和される。また、実施例2〜4に示すレンズユニット102〜104でも効果は同様である。
このような、撮像用ボード80を画像入力機器として搭載した携帯機器(携帯電話、PDA、スマートフォン等)や、パソコンなどの電子機器は、機器自体を高温になる環境下で耐熱性の電子機器として用いることができる。また、通常の使用温度(-10℃〜50℃)でも、電子機器の温度変化に対する信頼性が大幅に向上する。
この発明の実施例1のレンズユニットの上面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 図1のB−B矢視断面図である。 この発明の実施例1のレンズ保持部の上面図である。 図4のC−C矢視断面図である。 図4のD−D矢視断面図である。 この発明の実施例1のレンズユニットの組み立て方法を示す工程図である。 この発明の実施例1のレンズユニットの熱膨張の吸収を示す説明図である。 この発明の実施例2における図3対応図である。 この発明の実施例3における図3対応図である。 この発明の実施例3における要部断面図である。 この発明の実施例3のレンズユニットの熱膨張の吸収を示す説明図である。 この発明の実施例4の図1対応図である。 図13のE−E矢視断面図である。 この発明の実施例5を示す断面図である。
符号の説明
1,11 レンズ保持部
1a,1b 円弧状突出部
2 第1レンズ
3 第2レンズ
4,4a,4b ホルダ
5 スペーサ
6 開口部
7a,7b 間隙
8 フランジ部
9a,9b 切り欠き部
18a〜18b 貫通溝
19a〜19b 接着剤
26a,26b 接着剤
25 面取り部
51 撮像レンズ系
53 リング状突出部
101,102,103,104 レンズユニット

Claims (11)

  1. ホルダと、レンズと、前記ホルダ内に固定される回転対称形のレンズ保持部とを備え、前記レンズ保持部は前記ホルダ内で前記レンズをレンズの光軸方向に懸垂して光軸とホルダの中心軸とを一致させ、前記レンズの半径方向の熱膨張を剪断ひずみによって吸収するレンズユニット。
  2. ホルダおよびレンズ保持部がそれぞれ上端部と下端部を有し、ホルダの上端部の内周にレンズ保持部の上端部の外周が接着され、レンズ保持部の下端部の端面にレンズが接着される請求項1記載のレンズユニット。
  3. ホルダの上端部は内周面から軸心方向に突出するリング状突出部を備え、レンズ保持部の上端部はリング状突出部に接着され、レンズ保持部の下端部は外周から半径方向に突出してレンズの周縁部に接着されるフランジ部を備える請求項2記載のレンズユニット。
  4. レンズ保持部とレンズとホルダの線膨張率をそれぞれ、α0,α1,α2とするとき、α2<α0<α1/2の関係にある請求項1〜3のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  5. レンズ保持部が、その中心軸に平行に形成された複数の切り欠き部を備える請求項1〜4のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  6. レンズ保持部の上端部は前記レンズの絞りを形成する開口を有する請求項3〜5のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  7. ホルダは、ホルダの内径とレンズ外形の半径との差以上の面取り部を備える請求項1〜6のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  8. ホルダのリング状突出部は、ホルダにレンズ保持部を接着させるための接着剤注入用貫通溝を備える請求項3記載のレンズユニット。
  9. ホルダおよびレンズ保持部は上端部から入射した光をレンズを介して下端部から出射するように構成され、レンズ保持部の上端部がホルダの上端部から突出している請求項2〜8のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つに記載のレンズユニットと、撮像センサと、前記レンズユニットを撮像センサに固定する固定部を備えた撮像素子。
  11. 請求項10の撮像素子を備えた電子機器。
JP2008335736A 2008-12-29 2008-12-29 レンズユニット及びこれを用いた撮像素子と電子機器 Pending JP2010156887A (ja)

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