JP2015214377A - 貨物用ラック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 貨物用下段ラック2の左右両側に、貨物用ラック1の上記ベース部材10(図6)の左右各後端部に接続される連結部材56を、前後方向の位置調整を可能にして取り付ける。その連結部材56を使用すれば、貨物用ラック1と下段ラック2との前後方向の位置関係を適切に定めることができる。それにより、貨物の収容状況を適切にして、効率的な貨物輸送を行うことができる。
【選択図】 図10
Description
i) 図16(a)・(b)のように、貨物載置フレーム20が、前後に間隔をおいてベース部材10の左右に立てられた4本の支柱31・41により支持されている。そして、それら支柱31・41による貨物載置フレーム20の各支持点の高さが変更可能であるため、サイズの異なる貨物(自動車等)をコンテナ内に適切に収容することが可能である。
ii) 4本の支柱31・41と貨物載置フレーム20とは、貨物輸送完了後の返送等の目的で図16(c)・(d)のようにベース部材10上に折りたたむことができる。すなわち、上記各支柱31・41と貨物載置フレーム20との間が、前後に及ぶ鉛直面内で角度変更可能なように連結され、各支柱31・41は前方または後方に倒せるようにベース部材10上に立てられていて、図(c)のように貨物載置フレーム20を水平にすると、4本の支柱31・41をともに倒して貨物載置フレーム20を図(d)のとおりベース部材10上に重ねることができる。
iii) 各支柱31・41と貨物載置フレーム20との間は、図17(a)・(b)の構造によって連結されている。すなわち、各支柱31・41がCの字状の横断面を有する溝形のものであり、貨物載置フレーム20が、左右へ延びた軸部20Xを介して回転可能に移動体部分20Yを有しており、各移動体部分20Yが各支柱31・41の溝形空間内に収容されている。そして当該移動体20Yと支柱31・41との接触部分には、上下方向への移動体の移動を円滑にするローラまたは低摩擦材が取り付けられている。なお、図中の符号20Zは、支柱31・41の穴に挿入されて移動体20Yの上下移動を停止させる支持ピンである。
しかし、特許文献1の貨物用ラックには、つぎのような課題が存在する。すなわち、
a) 各支柱がベース部材上にそれぞれ独立して立っているうえ、Cの字状の横断面を有する溝形の支柱内に移動体を収容するという隙間の生じやすい構造によって各支柱と貨物載置フレームとが連結されているため、十分な補強をしないと、各支柱が左右に傾いたり揺れたりしがちである。また、溝形の支柱を使用し、ローラや低摩擦材を有する移動体を各支柱内に配置することから、構造上のコストが高い。
b) 上記のとおり返送等の目的で4本の支柱と貨物載置フレームとを図16(c)・(d)のようにベース部材上に折りたたむことができるが、折りたたんだり逆に起立させたりする際、フォークリフトやクレーンなどの荷役機械を使用する必要がある。すべての支柱と貨物載置フレームとが、ともに連結されている状態で連動して同時に折りたたまれ、または起立させられることから、それらの操作に相当の力が必要だからである。
ベース部材上に、前後に間隔をおいて、左右の支柱とそれらに沿って上下に移動可能であり支柱上に高さを選んで固定される水平部材とが連結された門型支持体2組が立っていて、
貨物載置フレームが、一方の門型支持体の水平部材によって、鉛直面内で(つまりその水平部材を中心に)回転可能なように支持され、かつ、他方の門型支持体の水平部材の上に、前後方向に移動可能なように載せられていることを特徴とするものである。
なお、「前後」とはコンテナの長手方向をさし、コンテナの入口から遠い奥の方を前方といい、コンテナ内で入口寄りの側を後方という(以下も同様)。また、「左右」とはコンテナの幅方向をさし、上記前方に向かって左側を左という(以下も同様)。
各支柱は、ベース部材上にそれぞれ独立に立っているのではなく、前方の2本と後方の2本とがそれぞれ水平部材に連結されて門型支持体を構成している。そのため、支柱と水平部材との連結部分に隙間の小さい構造を採用することにより門型支持体の剛性を高くすることができ、もって支柱の左右への傾きや揺れを小さくすることができる。
そのような場合、フォークリフト等の機械を使用しなくとも、人力のみで、各支柱を含む門型支持体と貨物載置フレームとをベース部材上に折りたたみ、また逆に使用状態に戻すことができる。機械を使用しなくとも折りたたむこと等が可能な理由は、すべての支柱を連動させて同時に倒したり起立させたりする必要がないからである(図11を参照)。たとえば、貨物載置フレームを回転可能に支持している一方の支柱(門型支持体)を倒す際には、貨物載置フレームを水平部材上に載せている他方の門型支持体は起立させたままでよい。その際、上記一方の門型支持体がベース部材上に倒れるのにともなって、貨物載置フレームは、起立したままの他方の門型支持体の水平部材上を前後方向に移動する。当該他方の門型支持体は、上記一方の門型支持体をベース部材上に倒したのち、当該他方の門型支持体のみを単独で倒せばよい。左右の支柱を含む前後の門型支持体を、同時に連動させるのではなく1組ずつ倒したり起立させたりすればよいので、操作する重量や操作にともなう摩擦抵抗が小さく、したがって折りたたみ等の作業を人力のみで行えるわけである。
各支柱と水平部材とを上記のように構成して連結すると、門型支持体はきわめてシンプルな構造となり、コスト面で有利であるうえ、剛性を高くして支柱の傾きや揺れを効果的に抑制することができる。貨物載置フレームは、そのような門型支持体の水平部材によって回転可能に支持されるのであるから、やはり揺れや振動の少ない状態に保たれやすく、貨物を安定的に載せられることになる。
水平部材の中空材の内側に支柱を通した場合、水平部材は、支柱に対し僅かな隙間のみを介して支柱に沿って上下に円滑に移動するのが望ましい。中空材の内周面と両端面との間の角部にシャープな稜線部分があると、それが支柱の側面に引っ掛かる可能性がある。しかし、上記のように角部に相当する部分に滑らかな曲面が形成されていると、中空材が支柱の側面に引っ掛かることがなく、水平部材が中空材とともにスムーズに上下移動しやすくなる。
このような浮き上がり防止部材を貨物載置フレームの上方に突出させておくと、第一には、貨物の輸送中に振動等によって貨物載置フレームが浮き上がることが防止され、貨物輸送の安定性が確保されやすい。
浮き上がり防止部材を上記のように突出させておくと、第二には、貨物の積み込みの際に貨物載置フレームを上昇させるとき水平部材が同時に上昇するため、貨物載置フレームと水平部材との双方の高さ調整を同時に行うことができる。貨物載置フレームの高さや傾斜角度の調整は、その重量のためにフォークリフト等の荷役機械を用いて行うのが一般的であるが(図2を参照)、上記のように貨物載置フレームに連れて水平部材が上昇するなら、上昇した高さでただちに支柱に水平部材を固定できるのである。つまり、貨物載置フレームとそれを載せる水平部材との高さ等の調整を、同時に、したがって能率的に行えることになる。
ただし、浮き上がり防止部材は、貨物載置フレームの上方に突出したままだと、上記のように支柱を倒したり起立させたりする場合(図11を参照)の支障になるため、貨物用ラックの折りたたみ等の際には貨物載置フレームの上方から退避させる。
上記のように貨物載置フレームを上昇させるとき、浮き上がり防止部材は貨物載置フレームと接触しながら上昇する。このとき、貨物載置フレームと浮き上がり防止部材との間には前後方向への相対移動がともなうので、両者間の摩擦が大きい場合には浮き上がり防止部材に前後方向に大きな力が作用し、したがって水平部材と支柱との間の摩擦力が相当の大きさに達する恐れがある。しかしながら、浮き上がり防止部材が上記のような回転体を有するなら、摩擦力が小さいために浮き上がり防止部材に作用する前後方向への力が小さくなる。浮き上がり防止部材に作用する前後方向への力が小さいと、水平部材と支柱との間の摩擦力も大きくならない。そのため、上記のようにローラが取り付けられているなら、貨物載置フレームと水平部材とをつねに円滑に上昇させることができる。
タイヤ支持部のうち前部の2個所または後部の2箇所が位置調整可能であると、載置する車両の車種やサイズに合わせて最適の位置にタイヤ支持部を配置し、もって自動車の位置を適切に調整することができる。それによっても、コンテナ内への車両の配置を効率化することが可能になる。
このような金属片がベース部材の後端部付近の下部に設けられていると、図13の状態で貨物載置フレーム上に貨物を載せようとするとき、上記車輪による貨物用ラックの前後方向への移動を止めておくことができる。コンテナ内への貨物用ラックおよび貨物(自動車等)の搬入は図14の手順によって行うのがよいが、そのためには、図13のように、ベース部材10の前端部をコンテナAの床上に載せるとともにベース部材10の後端部を地面におき、位置を下げた貨物載置フレーム20に貨物を載せる作業が必要になる。もし図13の状態で車輪16が機能して貨物用ラック1が前後に移動すると、貨物を安全に貨物載置フレーム20上に載せることができなくなる。その点、上記のとおりベース部材10の後方端下部に金属片14が固定されて下向きに突出していると、図13のように前部をコンテナAの床上に載せてベース部材10が傾斜したとき、その金属片14が地面に押し付けられ、貨物用ラック1の前後への移動を停止させる作用をなす。それにより、貨物載置フレーム20上に貨物を安全に載せることが可能になる。
たとえば、図6のように左右に分かれたフレームを有するベース部材10に対し、それらフレームの間に図10のような平坦な貨物用下段ラック2を進入させて、貨物用ラック1と貨物用下段ラック2とによりコンテナA内に図1(a)(b)のように貨物Bを収容することを考える。この場合、図6のベース部材10の後端部と接続されるように図10のとおり下段ラック2の左右に連結部材56があり、その前後への位置が調整可能であれば、その連結部材56を用いて貨物用ラック1と下段ラック2との前後方向の位置関係を適切に定めることができる。つまり、上記のような連結部材を有する貨物用下段ラックとともに貨物用ラックを使用すると、図1(a)(b)のような貨物の収容状況を適切にして、効率的な貨物輸送を行うことができる。
上記連結部材が、貨物用下段ラックの左右に設けられた案内軌道に組み付けられていると、上記した前後方向への位置調整をきわめて円滑に行うことが可能である。また、その連結部材とベース部材の上記後端部とが、先鋭部がV字形断面の凹部に嵌るようになっていると、貨物用ラックと下段ラックとを接続した段階で両者の位置関係が自然に定まるうえ、その後も互いの位置関係が拘束されて左右への変位が抑制され、貨物をしっかりと保持するうえで有利な効果がもたらされる。
門型支持体における水平部材の左右両側に中空材を設けてそれに支柱を通すなら、門型支持体がきわめてシンプルな構造となり、貨物用ラックを低コストで構成できる。
貨物用ラック1は、その下に配置される平面的な構造の貨物用下段ラック2とともに、形鋼や鋼管、鋼板等を材料として構成されたもので、図1のように自動車B等を搭載・支持し、その状態でコンテナA内に収容されることにより、船舶・車両等による自動車輸送に使用される。自動車B等のサイズ・型式が変更される場合にも、図1(a)・(b)のように、それらのサイズ等に応じた最も適切な搭載状態を実現することができる。また、自動車等の輸送に使用されたのち同ラック1は、図9のようにコンパクトに折りたたまれてコンテナA内に積み込まれることにより、発送元等へ効率的に返送される。以下、貨物用ラック1の構成および使用方法について説明する。
すなわち、まず図2のように、ベース部材10の上に前後に間隔をおいて2組の門型支持体30・40を立て、その門型支持体30・40によって貨物載置フレーム20を支持するよう構成している。
後方に立てた背の高い門型支持体30は、円形鋼管からなる左右2本の支柱(リアピラー)31に水平部材32を連結し、水平部材32が支柱31に沿って上下に移動できるようにしている。支柱31の複数箇所に留め穴31aを設け、それらのいずれかに高さ設定ピン31bを挿入することによって、水平部材32は、高さを選んで支柱31上に固定することができる。
前方に立てた背の低い門型支持体40も同様に、円形鋼管からなる左右2本の支柱(フロントピラー)41に水平部材42を連結しており、水平部材42が支柱41に沿って上下に移動できる。支柱41の複数箇所に留め穴41aを設け、それらのいずれかに高さ設定ピン41bを挿入することによって水平部材42の高さを固定できる点も、後方の門型支持体30と同様である。
支柱31・41と水平部材32・42とを、円形鋼管を使用して上記のように構成し連結しているため、門型支持体30・40はシンプルな構造となり、しかも剛性に優れて左右へ傾きにくいうえ、製造コストの低いものとすることができた。
一方、貨物載置フレーム20の後方部分は、図3および図7(a)に示すように、門型支持体30の水平部材32の上に載せて支持させている。こちらの水平部材32も円形鋼管で形成しており、その上面にも貨物載置フレーム20の下面にも凹凸等を設けてはいないので、貨物載置フレーム20は、水平部材32に対し、その上面に載った状態で前後方向に相対移動することができる。
なお、図3に示す門型支持体30の各支柱31の上端部には、さらに上方へ伸ばして固定することのできる延長支柱36を取り付けている。それらは、上記のように貨物載置フレーム20を上昇させる(図2参照)とき、上昇させすぎて自動車Bを傷付けることがないようにしたものである。つまり、貨物載置フレーム20を上昇させるとき、支柱31の上方の穴31aに高さ設定ピン31bを事前に挿入しておいて上限位置を定めておくが、フォークリフトCによる力が大きい場合には、さらに貨物用ラック1の後部全体を浮かせることによって貨物載置フレーム20を過剰に上昇させてしまう恐れがあるからである。延長支柱36をコンテナAの天井付近にまで事前に伸ばしておくと、そのような恐れがなくなる。
門型支持体30・40は、以上と逆の操作をすることによって、ベース部材10上にそれぞれ起立させることが可能である。
下段ラック2には、前後への移動によって貨物用ラック1のベース部材10(図6)の左右のフレーム間にスムーズに進入させる目的で、前方端部にガイドローラ54を設けている。また、進入したとき貨物用ラック1のベース部材10に対する位置関係が適切に定まるよう、左右側部に連結部材56を取り付けてもいる。連結部材56は、前後方向への位置変更ができるように下段ラック2の側部に案内軌道を介して取り付けたもので、貨物用ラック1のベース部材10の後端にある先鋭突起13(図6参照)が嵌るV字形の凹部と、ベース部材10との間を連結するピン穴とを有している。貨物載置フレーム20におけるタイヤ支持部材23(図5)の位置と、下段ラック2におけるタイヤ支持部材51(図10)の位置、および上記連結部材56の位置を、積載する自動車Bのサイズ等に合わせて事前に適切に設定しておくと、コンテナA内への搬入後に位置調整をしなくとも、自動車Bの車体が他の自動車Bやラック1等に接触する恐れがなくなる。
貨物用下段ラック2についても、下面には同様に車輪と鉄筋片とを設けているので、それへの自動車Bの搬入・搬出は、図13と同様に、前端部をコンテナAの床上に載せるとともに後端部を地面においた状態で行うのが好ましい。
2 貨物用下段ラック
10 ベース部材
20 貨物載置フレーム
30・40 門型支持体
31・41 支柱
32・42 水平部材
33・43 中空材
34 浮き上がり防止部材
44 支持部材
A コンテナ
B 自動車(貨物)
C フォークリフト
Claims (7)
- コンテナの床板上で前後に移動し得るベース部材と、その上方に支持されて貨物を載置する貨物載置フレームとを有する貨物用ラックであって、
上記ベース部材が、後部において左右に分かれた形状のフレームを有し、そのフレームの間に平板状の貨物用下段ラックが後方から進入し得るものであり、
上記貨物用下段ラックの左右両側に、上記ベース部材の左右各後端部に接続される連結部材が、前後方向の位置調整を可能にして取り付けられていることを特徴とする貨物用ラック。 - 上記連結部材が、貨物用下段ラックの左右両側に設けられた案内軌道に組み付けられていて前後方向に移動可能であるとともに、その連結部材とベース部材の上記後端部とが、一方に設けられた先鋭部が他方に設けられたV字形断面の凹部に嵌るよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載の貨物用ラック。
- ベース部材上に、前後に間隔をおいて、左右の支柱とそれらに沿って上下に移動可能であり支柱上に高さを選んで固定される水平部材とが連結された門型支持体2組が立っていて、
貨物載置フレームが、一方の門型支持体の水平部材によって、鉛直面内で回転可能なように支持され、かつ、他方の門型支持体の水平部材の上に、前後方向に移動可能なように載せられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の貨物用ラック。 - ベース部材上に立つ上記2組の門型支持体が、ベース部材上に、ベース部材と平行な状態にまで、それぞれ独立に倒され得るものであることを特徴とする請求項3に記載の貨物用ラック。
- 上記の各門型支持体における水平部材は、左右両側に中空材を有し、当該中空材の内部に上記の支柱を通していることを特徴とする請求項3または4に記載の貨物用ラック。
- 貨物載置フレームが水平部材上に載せられる側の門型支持体に、貨物載置フレームの浮き上がり防止部材が設けられていて、
当該浮き上がり防止部材は、貨物載置フレームの上方に突出することにより貨物載置フレームが水平部材とは独立に上昇することを防止できる一方、貨物載置フレームの上方から退避可能なものである
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の貨物用ラック。 - 上記門型支持体における上記の浮き上がり防止部材は、貨物載置フレームの上方に突出した状態で貨物載置フレームと接触する部分に、周面が前後方向に移動自在な回転体を有することを特徴とする請求項6に記載の貨物用ラック。
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