JP2015214237A - 積載システム - Google Patents

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賢太郎 長間
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久 比嘉
圭 比嘉
Kei Higa
圭 比嘉
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Tadaharu Okugawa
忠治 奥川
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真栄 上原
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Abstract

【課題】複数の積み荷を収納可能な積載室と、積み荷どうしの間に配置可能な複数の緩衝部材とを備えた積載システムを、多少の風のある気象条件下でも、緩衝部材が積み荷から落下する虞が少なく、積み込みや積み下ろしの作業を実施し易いように改善する。
【解決手段】個々の緩衝部材9を、緩衝部材9が上下に延びた正立姿勢で保持しながら、積載室3の床面4に沿って移動自在に支持する支持案内手段16が積載室3の内部に設置されている積載システムとした。
【選択図】図8

Description

本発明は、複数の積み荷を収納可能な積載室と、前記積み荷どうしの間に配置可能な複数の緩衝部材とを備えた積載システムに関する。
この種の積載システムに関連する先行技術文献情報として下記に示す特許文献1がある。
特許文献1では、積み荷どうしの間に配置する緩衝部材として、部分的に積み荷の上面に載置させることのできるアーム状の遊離部が上端付近から横向きに延びた板状の緩衝部材が用いられている。すなわち、特許文献1の発明では、トラックの荷台などに積載した積み荷がパレットサイズより小さい場合でも、積み荷間の間隙が緩衝部材によって埋められることで荷崩れが生じ難くなり、また、緩衝部材の上端付近から横向きに延びたアーム状の遊離部を積み荷の上面に載置することで緩衝部材を自立させることができるので、作業者がフォークリフトで積み荷を積み込む際に、別の作業者が緩衝部材を先に積んだ積み荷の側面付近に当て付けておく必要がないとされている。
ちなみに、特許文献1では、使用後はアーム状に延びた遊離部を折り畳み、緩衝部材本体の内部に収納できるので、多数の緩衝部材を比較的コンパクトにまとめることが可能とされている。
特開2004−51162号公報(0019段落、図7)
しかし、特許文献1に記された積載システムでは、風の強い気象条件での作業に際して緩衝部材が積み荷から外れて床面上や地面に落下する虞がある、アーム状の遊離部を備えた緩衝部材の制作に比較的高いコストを要する傾向がある、アーム状の遊離部を折り曲げ可能とするために緩衝部材の本体を十分に薄くすることが難しい、などの問題があった。
本発明の目的は、上に例示した従来技術が与える課題に鑑み、多少の風のある気象条件下でも、緩衝部材が積み荷から落下する虞が少なく、積み込みや積み下ろしの作業を実施し易い積載システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、より安価に緩衝部材を制作可能な積載システムを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、緩衝部材の本体を十分に薄くすることが可能な積載システムを提供することにある。
本発明による積載システムの特徴構成は、複数の積み荷を収納可能な積載室と、前記積み荷どうしの間に配置可能な複数の緩衝部材とを備えた積載システムであって、
個々の前記緩衝部材を、前記緩衝部材が上下に延びた正立姿勢で保持しながら、前記積載室の床面に沿って移動自在に支持する支持案内手段が前記積載室の内部に設置されている点にある。
上記の特徴構成を備えた積載システムでは、緩衝部材を正立姿勢で保持しながら床面に沿って移動自在に支持する支持案内手段が積載室の内部に設けられている、言い換えれば、緩衝部材は積み荷への引っ掛かりによって自立しているのではなく、積載室の内部に設置された支持案内手段によって正立姿勢で支持されているので、多少の風のある気象条件での作業に際しても、緩衝部材が落下したりすることはなく、積み込みや積み下ろしの作業を容易に実施でき、輸送システム全体での効率という点でも有利である。
また、上記の特徴構成を備えた積載システムでは、緩衝部材を支持する支持案内手段は積載室側に設けられているので、緩衝部材そのものは実質的に単なる板状でもよい。したがって、緩衝部材を安価に制作でき、また、緩衝部材の本体を十分に薄くすることも可能となる。
本発明の他の特徴構成は、前記支持案内手段が、前記積載室の内面の互いに離間した2点間に横向きに張架された索状体を有し、前記緩衝部材は前記索状体に摺動自在に吊持されている点にある。
本構成であれば、緩衝部材のための支持案内手段としては、1列の積み荷に対して1本のワイヤなどの索状体を用意し、積載室の内面の互いに離間した2点に索状体を係止するためのフックを取り付けるだけで済むので、積載システムを非常に安価に実現することができる。
また、本構成であれば、索状体は不要なときは積載室の内面から簡単に取り外すことができるので、他の作業などに際して支持案内手段が邪魔になる虞も少ない。
本発明の他の特徴構成は、前記緩衝部材が、前記索状体によって支持されるための貫通孔を備えた板状の緩衝部材本体を備えている点にある。
本構成であれば、適度な緩衝効果と適切なサイズを備えた板状素材を緩衝部材本体として用意し、緩衝部材本体の上端付近に貫通孔を設けて、これを索状体による被支持部とすればよいので、緩衝部材を非常に容易に実現することができる。
また、本構成であれば、被支持部としては緩衝部材本体の上端付近に貫通孔を設けるだけで良いので、緩衝部材の本体を十分に薄くすることが可能となる。
本発明の他の特徴構成は、前記緩衝部材が前記貫通孔に内嵌されたスリーブ部材を有する点にある。
本構成であれば、緩衝部材本体はスリーブ部材を介して索状体に支持されることになるので、スリーブ部材を機械的強度の高い金属などで構成しておけば、索状体とは実質的に直に当接しない緩衝部材本体については、例えば発泡スチロールや発泡ポリウレタンやゴムなどのように、摩耗強度の比較的に低いもので構成しても、実用可能である。
本発明に係る積載システムを備えたトラックを示す斜視図である。 緩衝部材を示す斜視図である。 補強スリーブを示す斜視図である。 補強スリーブを示す断面図である。 補強スリーブの別実施形態を示す斜視図である。 積載システムの使用方法を示す説明図である。 積載システムの使用方法を示す説明図である。 積載システムの使用方法を示す説明図である。 積載システムの使用方法を示す説明図である。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る積載システムを備えたトラック1の外観を示す。トラック1は、エンジンと運転席を有する駆動部2の後方に、複数の積み荷Lを積載可能な積載室3を備えている。ここでは、積み荷Lはトラック1の前後方向に沿って左右2列状をなすように積載される。図6などに例示するように、個々の積み荷Lは、一般的な平パレットPの上に固定されている。
積載室3は、側壁の一部と屋根を兼ねたウイングパネル8が油圧シリンダ20によって開閉自在に設けられたウイングボデーで構成されているが、他のバンボデー型などの積載室に適用することも可能である。
積載室3は、床板4と床板4の前端から上方に延びた前パネル5とを備え、床板4上で前パネル5から後方に延びる積載空間は、床板4の後端に配置された左右一対の後扉6と、床面の左右縁部に搖動自在に支持された左右一対の側アオリ7と、前パネル5と後扉6の各上端付近に配置された軸心回りで搖動操作される左右一対のウイングパネル8とによって閉鎖可能に構成されている。
(積載システムの構成)
本発明に係る積載システムは、床板4上に前後方向に並置される個々の積み荷Lどうしの間に配置可能な多数の緩衝部材9を積載室3に備えている。
図2に示すように、緩衝部材9は、矩形板状の緩衝部材本体10と、緩衝部材本体10の上端付近に形成された貫通孔10Aに嵌合された補強スリーブ11(スリーブ部材の一例)と、補強スリーブ部材11の孔に通された環状の補助コード14とを有する。
前パネル5と後扉6(または後扉6のフレーム6A)との各上端付近の間には、ワイヤ16(支持案内手段及び索状体の一例)が前後方向に張架されている。図2に例示するように、ワイヤ16の両端は、前パネル5と後扉6(または後扉6のフレーム6A)の内面に取り付けたフック19に固定されている。
個々の緩衝部材9は、補強スリーブ11の孔に通された補助コード14と、補助コード14の一部に係止されたS字フック15とを介して、ワイヤ16によって吊り下げられることで、板状の緩衝部材9が自重によって上下に延びた正立姿勢で保持される。
本実施形態では、左右2列状の積み荷Lの列に沿うように、2本のワイヤ16が左右に離間する形で張架されている。
図1に例示するように、まだ積み荷Lの無い状態では、ワイヤ16に吊り下げられた全ての緩衝部材9を、ベルト17などで後扉6付近に簡単に固定しておくことができる。
補助コード14の長さは、緩衝部材本体10の下端と床板4との間に一定の距離が保持されるように設定されているので、作業者が緩衝部材9をワイヤ16に沿って押し引きすれば、S字フック15がワイヤ16上を摺動することで、緩衝部材9の緩衝部材本体10は、床板4の上面に沿って自在に移動操作される。
より正確にいえば、本実施形態では、図7などに例示するように、補助コード14の長さは、緩衝部材本体10の下端が、床板4上に置かれた平パレットPの上面よりも上方に位置するように設定されている。
緩衝部材本体10の素材としては、発泡スチロールやポリウレタンなどの衝撃緩衝性が高く、且つ、軽量なものが適しているが、必ずしもこれらの例に限らない。
補強スリーブ11の素材としては、金属や硬質樹脂などの、緩衝部材本体10よりも硬度や機械的強度の高いものが適している。
図3に例示された補強スリーブ11は、筒状部12Aとフランジ部12Bを備えたビス状体12、及び、筒状部12Aの先端に螺合されるナット状体13で構成されている。図4に例示するように、ビス状体12の筒状部12Aを緩衝部材本体10の貫通孔10Aに挿通し、筒状部12Aの先端に形成された雄ネジ部にナット状体13の雌ネジ部を螺合することで、両部材12,13は緩衝部材本体10を間に挟み込んだ状態で互いに螺合連結される。
補強スリーブ11を構成する2つの部品は、必ずしも螺合連結される構成である必要はなく、貫通孔10Aの内部で一方の部品の凸部が他方の部品の凹部に圧入される構成でもよい。
或いは、貫通孔10Aの内部で2つの部品どうしが接着固定されることで、スリーブ部材11が得られる構成でもよい。後者の例として、図5に例示するように、2個のPETボトル用蓋18を背中合わせで接着し、中心に貫通孔を設けたものを補強スリーブ11として用いることも可能である。
(積載システムの使用方法)
積載室3に積み荷Lを積載する際には、例えば、フォークリフト等を用いて、図6に示すように、先ず、最初の2つの積み荷Lを、積載室3の一方の側(図6では左側)から順に前パネル5に隣接した位置に積み込んだ後、矢印で示すように、積み荷Lの位置に対応する左右の緩衝部材9aをワイヤ16に吊り下げられたままの状態でそれぞれ前方に引き寄せ、図7に例示するように、最初の2つの積み荷Lのそれぞれの後面に当接させると良い。
この状態から、図8に例示するように、次の2つの積み荷Lを最初に積み込んだ2つの積み荷Lのそれぞれの後方に同様に積み込み、それぞれの緩衝部材9aが最初に積み込んだ2つの積み荷Lと後に積み込んだ2つの積み荷Lとの間に挟み込まれるように、後に積み込んだ積み荷Lの位置を調節した後、次の左右の緩衝部材9bを前方に引き寄せ、後に積み込んだ2つの積み荷Lのそれぞれの後面に当接させると良い。
上記の要領で、図9に例示するように、積載室3の後方に向かって順に、緩衝部材9を間に挟み込みながら、所定数の積み荷Lを積載すると良い。
積み荷Lの後面に当接させた緩衝部材9は、作業中に多少の風が吹いても、ワイヤ16によって緩衝部材9が上下に延びた正立姿勢で保持されているので、一人の作業者が、フォークリフトで積み荷Lを積み込む操作と、緩衝部材9をワイヤ16に吊り下げられたままの状態で前方に引き寄せる操作とを交互に行うことで、積載作業の全てを一人で遂行することも可能である。
目的地での積み荷Lの積み下ろし作業は、例えば、緩衝部材9には全く手を触れずに、フォークリフトで必要な積み荷Lを後ろから順に積載室3から積み下ろすことができる。
積み荷Lを積み下ろした結果、不要になった緩衝部材9については、互いに前後方向に離間した状態で緩衝部材9に吊り下がっているので、これらをワイヤ16に吊り下げられたままの状態で後方に引き寄せ、ベルト17などで後扉6付近に固定すれば、積載室3内を簡単に整頓できる。
〔別実施形態〕
〈1〉補助コード14及びS字フック15を用いずに、緩衝部材本体10の補強スリーブ11にワイヤ16を直接挿通させた形態で実施してもよく、特に、ワイヤ16の張架位置を上述の実施形態よりも低い位置に変更すれば、この別形態を実施するに当たって緩衝部材本体10のサイズを変更する必要はない。
〈2〉緩衝部材本体10の物理的強度やワイヤ16の表面の平滑度によっては、補強スリーブ11を省略し、緩衝部材本体10の貫通孔10Aに直に補助コード14またはワイヤ16を挿通させた形態で実施することが可能である。
〈3〉ワイヤ16は、必ずしも2本である必要はなく、例えば、1本のワイヤを積載室3の中央に前後方向に張架し、ワイヤに吊り下げられた緩衝部材9を、積み荷Lの位置に対応させて左右に振り分けて使用することも可能である。
〈4〉本発明に係る積載システムは、トラックの積載室に限らず、鉄道の貨車、貨物船、貨物輸送機の積載室や輸送用のコンテナにも適用可能である。
本発明は、複数の積み荷を収納可能な積載室と、前記積み荷どうしの間に配置可能な複数の緩衝部材とを備えた積載システムに従来見られた課題を解決するための技術として利用可能な発明である。
L 積み荷
3 積載室
4 床板
9 緩衝部材
10 緩衝部材本体
10A 貫通孔
11 補強スリーブ(スリーブ部材)
16 ワイヤ(支持案内手段、索状体)

Claims (4)

  1. 複数の積み荷を収納可能な積載室と、前記積み荷どうしの間に配置可能な複数の緩衝部材とを備えた積載システムであって、
    個々の前記緩衝部材を、前記緩衝部材が上下に延びた正立姿勢で保持しながら、前記積載室の床面に沿って移動自在に支持する支持案内手段が前記積載室の内部に設置されている積載システム。
  2. 前記支持案内手段が、前記積載室の内面の互いに離間した2点間に横向きに張架された索状体を有し、前記緩衝部材は前記索状体に摺動自在に吊持されている請求項1に記載の積載システム。
  3. 前記緩衝部材が、前記索状体によって支持されるための貫通孔を備えた板状の緩衝部材本体を備えている請求項2に記載の積載システム。
  4. 前記緩衝部材が、前記貫通孔に内嵌されたスリーブ部材を有する請求項3に記載の積載システム。
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