JPS6140705Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は運搬用箱体に係り、特に空缶等の損傷
を受け易いものを荷物とするパレツト輪送の場合
などに適した運搬用箱体に関する。

コンテナ、バントラツク、トレーラ等の六面体
形状の箱体からなる運搬用箱体にて、肥料、穀
物、飼料、セメント、有機化学薬品等を輪送する
に際しては、従来より、それらは袋、ダンボール
箱、フアイバードラム、缶などに詰められてパレ
ツト上に積まれ、該箱体内に収容されるようにな
つている。

ところで、かかるパレツト輪送にあつては、そ
の荷物の積卸しにフオークリフトが使用される関
係上、どうしてもパレツト間に隙間が生じ、これ
が荷崩れの原因となつているのであり、且つかか
る荷物はそのような荷崩れ等によつて損傷を受け
易く、また空の状態で積み込まれた缶などの輪送
に際しては、その損傷の防止に最大の注意を払う
必要があつた。

このため、かかるパレツト（荷物）の損傷や荷
崩れの防止を目的として、従来から、パレツト間
にクツシヨン材を挾み込む手法が採用されている
が、これでは、荷物の積み込みや荷卸しの時など
に荷物とクツシヨン材とを別々に積み込み、また
別々に下ろす必要が生じ、作業能率を低下せしめ
るばかりでなく、荷物取扱作業自体を面倒なもの
としている。加えて、かかる別体のクツシヨン材
の格納のためには、所定の荷役場所附近において
適当な格納場所を設ける必要があるのであり、ま
た運搬用箱体内に格納するにしても、多数のクツ
シヨン材を全べて一旦外に出さねばならない等、
各種の問題を内在しているのである。

本考案は、かかる事情に鑑みて為されたもので
あつて、その目的とするところは、運搬用箱体内
におけるクツシヨン材としての仕切りパネルの設
置作業を容易化且つ簡略化せしめ、また荷役作業
の軽減を図ることにある。

そして、本考案にあつては、かかる目的を達成
するために、六面体形状の箱体内に荷物を収容し
て輪送に供される運搬用箱体において、該箱体の
天井部の内側に前後方向に延びる天井レールを配
する一方、該箱体内に積み込まれる荷物の間にそ
れぞれ介在せしめられる複数枚の仕切りパネル
を、その上端部において、連結金具にて該箱体の
前後方向に回動可能に且つ適宜の間隔で前記天井
レールにそれぞれ取り付けて、パネル面が垂直方
向となるように吊り下げると共に、前記連結金具
部分を中心にした回動によつて天井部に近接せし
められた仕切りパネルが垂下しないように該パネ
ルを係脱可能に係止して、水平方向に保持するパ
ネル保持手段を設け、不使用時には該パネルが天
井部に格納されるようにしたことにある。

従つて、かかる本考案によれば、荷物（パレツ
ト）の間に介在させられて、それらを仕切るクツ
シヨン性の仕切りパネルが箱体の天井部に格納さ
れており、必要に応じてパネル保持手段による保
持状態からの解放によつて該パネルが垂下、吊り
下げられて、荷物の間に効果的に挾み込まれ得る
こととなるので、該パネルの取扱作業、ひいては
荷物の積卸し作業が効果的に容易化、簡略化さ
れ、且つ軽減され得るのである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明することとする。

先ず、第１図及び第２図において、１０は運搬
用箱体としての六面体形状を為すバントラツクの
ボデイであり、該ボデイ１０は公知の如く後部が
荷物の積卸しの為に通常観音開き式扉など（図示
せず）にて開口させられるようになつている。ま
た、該ボデイ１０の内部の床部１２には、略その
中心に位置するように、ボデイ１０前後方向に延
びる固定仕切りパネル用床レール１４が設けら
れ、一方天井部（屋根）１６には、該床レール１
４に対応するように固定仕切りパネル用天井レー
ル１８がボデイ１０の前後方向に配設されてい
る。そして、これら上、下のレール１８，１４間
に、ボデイ１０の後部の開口部から所定の固定仕
切りパネル２０が順次嵌め込まれ、該ボデイ１０
内部を左右に二分している。

また、天井部１６に所定間隔を隔てて横（左
右）方向に設けられている従来のものと同様な屋
根梁２２の下には、前記二分された左右の室のそ
れぞれに位置するように、ボデイ１０前後方向に
延びる回転仕切りパネル取付用天井レール２４が
２本設けられている。さらに、該天井レール２４
の下面に接触する程に近接して丸棒状のゴム２６
が前後方向にレール毎に配設され、且つ該ゴム２
６は第３図に示される如く所定の間隔をおいて係
止材２８にて該天井レール２４に係止されてい
る。

そして、積み込まれる荷物３０の間に介在せし
められる回転仕切りパネル３２が、ボデイ１０の
前後方向に所定の間隔をおいて、且つその上端部
において、前記天井レール２４，２４に取り付け
られ、吊り下げられるようになつているのであ
る。なお、この仕切りパネル３２は、所定板厚
（例えば、20ｍ／ｍ）のスポンジ３４をブラケツ
ト３６を介して吊り下げ得るようにした、クツシ
ヨン性を有するものであつて、該ブラケツト３６
の両側部と前記天井レール２４，２４との間を鉤
形の連結金具３８によつてボデイ１０の前後方向
に回動可能に連結することにより、取り付けられ
ている。また、この連結金具３８の天井レール２
４における係合孔４０は、第４図に示される如
く、長孔とされ、これによつてパネル３２が前後
方向に所定距離（例えば、50ｍ／ｍ程度）移動可
能とされている。

なお、荷物３０は、床部１２に設けられたガイ
ドレール４２にて案内されるパレツトローダ４４
により持ち上げられて、ボデイ１０の内部を前後
方向に容易に移動させられ得るようになつてい
る。また、第１図中、４６は、ボデイ側壁４８の
補強のためのサイドポストである。更に、前記天
井部１６に設けられた固定仕切りパネル天井レー
ル１８及び回転仕切りパネル取付用天井レール２
４は、ボデイ１０後部の開口部からの荷物のフオ
ークリフト荷役の為に、第１図の如く、後端から
所定距離の間だけ排除されている。更にまた、固
定仕切りパネル２０や側壁４８の内面など、荷物
３０と接触する可能性のある表面には、公知のよ
うにスポンジなどのクツシヨン材料が貼られ、該
荷物３０の損傷を防止し得るような配慮が為され
ている。

従つて、かかる構成のボデイ１０にあつては、
パレツト（荷物３０）がボデイ後部からパレツト
ローダ４４にてボデイ１０内を順次移動せしめら
れ、床部１２上に載置される一方、２本のゴム２
６にて両側部が天井レール２４，２４との間で挾
持され、保持されることによつて垂下が規制され
ている回転仕切りパネル３２が、必要に応じて、
かかるゴム２６による規制から解除されて天井部
（天井レール２４）から吊り下げられ、これによ
つてパレツト３０間に介在せしめられ、それらの
間の間隙を埋め、以てパレツトの輪送中の振動な
どによる荷崩れの防止を図ると共に、それら相互
の衝突の緩衝作用をもたらして、それらの損傷の
防止を達成しているのである。このように、荷物
３０は、天井部１６に収納されている回転仕切り
パネル３２の垂下、吊下げによつて効果的に仕切
られることとなるので、従来の如くクツシヨン材
を外部からボデイ１０内に運び込む必要は全くな
く、その作業が完全に解消され得るのであり、そ
してこれによつて該仕切りパネル３２の設置作業
の容易化、簡略化を達成し、ひいては荷役作業の
軽減を図り得ることとなつたのである。

また、垂下させられている回転仕切りパネル３
２は、その上端部の天井レール２４への取付部を
中心とする前後方向の回動によつてパネル下端部
が持ち上げられて天井部１６に近接せしめられ、
そしてゴム２６の伸張によりパネル両側部が天井
レール２４とゴム２６との間に収容されることに
よつて、荷物３０の移動に邪魔とならないように
天井部１６に格納されることとなるため、荷卸し
に際しても、かかる仕切りパネル３２の運搬作業
を全く省略し得るのである。

さらに、上例の構造では、パネル保持手段とし
て２本のゴム２６，２６を用い、その伸縮作用を
利用してパネル両側部を保持するようにしてお
り、これによつて柔らかく、比較的要のないスポ
ンジ板状物からなるパネル３２の垂下を効果的に
阻止しているが、また必要に応じてパネル３２の
外周に枠体を設けること等も可能である。そし
て、かかるゴム２６の採用は、第３図に示される
如く、該ゴム２６に取り付けられたヒモ５０の引
張によつて該ゴム２６の伸張を容易と為し、これ
によりパネル３２の天井部１６への格納が容易と
なる利点を生じる。

なお、本考案におけるパネル保持手段として
は、上例の丸棒状のゴム２６の他、テープ状のゴ
ムであつても何等差支えなく、またその本数も使
用位置によつて適宜に選択され、更にゴム以外
に、第４図に示される如き機械的な係止機構５
２、即ち天井レール２４に回動可能に取り付けら
れた係止爪５４とそれを付勢するテンシヨンスプ
リング５６とにより構成される機構などによつ
て、該パネル３２を保持するようにすることも可
能である。

また、本考案にあつては、第５図に示される如
き構造のパネル保持手段も採用することが出来
る。そこにおいて、格納のために矢印Ａ方向に回
動せしめられる回転仕切りパネル３２に対して、
その回動方向：Ａとは逆方向の矢印Ｂ方向に且つ
該パネル３２に向うように回動せしめられる枠体
状の押圧部材６０が天井レール２４に取り付けら
れている。この押圧部材６０は、線材乃至は棒材
の折り曲げ等によつて形成されたものであつて、
その基部において天井レール２４，２４にそれぞ
れ回動可能に取り付けられ、且つスプリング６
２，６２によつて矢印Ｂ方向に付勢されているの
である。従つて、回転仕切りパネル３２を矢印Ａ
方向に回動せしめて持ち上げた後、その下方に押
圧部材６０を位置せしめれば、回転仕切りパネル
３２は該押圧部材６０にて下方から押し上げら
れ、天井部側に押し付けられるようにして支持さ
れることとなる。なお、回転仕切りパネル３２を
垂下せしめるには、該押圧部材６０に取り付けら
れたヒモ６４を引つ張り、該押圧部材６０による
該パネル３２の押圧を解消すればよく、また該パ
ネル３２を支持していない押圧部材６０は、天井
部に収納されているのである。

なお、かかる第４図及び第５図に示されるパネ
ル保持手段５２，６０を用いれば、硬い材質の回
転仕切りパネル３２を天井部内側において水平方
向に有利に保持することが可能である。尤も、本
考案にあつては、回転仕切りパネル３２として、
例示の如きスポンジからなる或いはスポンジを貼
り付けた柔軟なクツシヨン性を有するものが好適
に用いられるものであるが、単に、積み込まれた
荷物を仕切るためだけのものであれば、かかる回
転仕切りパネル３２に柔軟なクツシヨン性は要求
されず、荷物同士が直接にぶつかり合うことを防
止するための単なるクツシヨン材としての、硬質
の材料からなるパネル、例えばプラスチツク板、
木製板であつても、更には金属板であつても何等
差支えないのである。

また、仕切りパネル３２の天井レール２４に対
する取付構造にあつても、例示の如き鉤形構造の
連結金具３８の他、各種の公知の構造の連結金具
をもつて取り付けることが可能であり、例えば単
にパネル側部から突出させたピンを天井レールに
回転可能に取り付けるようにすることも出来、更
には天井レールにあつても、それが複数必要であ
ることはなく、１本の天井レールでも、それが幅
広のものであれば、その両側部に適当な連結金具
をもつて取り付ければ、仕切りパネルを安定して
回動、保持させることが可能である。

さらに、前記した実施例では、バントラツクボ
デイ１０の幅方向に２枚の仕切りパネル３２が吊
り下げられ、配列されているが、それを１枚の仕
切りパネルにて構成してもよいことは勿論、更に
多数の仕切りパネルを幅方向に設けても何等差支
えなく、そのような仕切りパネルの枚数や配列形
態は、積み込まれた荷物の形状等によつて、適宜
に選択されるものである。同様に、仕切りパネル
３２の吊り下げ長さや幅にあつても、荷物の種類
などに応じて適宜に選定されるものであり、バン
トラツクボデイ１０の床部１２まで達成する長さ
のものや、単に荷物の上部部分の間に介在せしめ
られるもの等、各種の大きさの仕切りパネルに対
して、本考案を適用することが可能である。

更に、その他、本考案には本考案の趣旨を逸脱
しない限りにおいて当業者の知識に基づいて種々
なる変更、修正などを加え得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す切欠斜視図、
第２図はその横断面説明図、第３図は天井部に保
持、格納されている回転仕切りパネルの状態を示
す内部斜視説明図、第４図はパネル保持手段の他
の一例を示す側面説明図である。更に、第５図は
パネル保持手段の更に他の一例を示す、天井部の
下方からの斜視説明図である。 １０：バントラツクボデイ（運搬用箱体）、１
６：天井部、２０：固定仕切りパネル、２４：回
転仕切りパネル取付用天井レール、２６：ゴム
（弾性部材）、３０：荷物、３２：回転仕切りパネ
ル、３４：スポンジ、３６：ブラケツト、３８：
連結金具、４０：係合孔、４２：ガイドレール、
４４：パレツトローダ、４６：サイドポスト、４
８：側壁、５０：ヒモ、５２：係止機構、５４：
係止爪、５６：テンシヨンスプリング、６０：押
圧部材、６２：スプリング、６４：ヒモ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 六面体形状の箱体内に荷物を収容して輪送に
   供される運搬用箱体において、該箱体の天井部
   の内側に前後方向に延びる天井レールを配する
   一方、該箱体内に積み込まれる荷物の間にそれ
   ぞれ介在せしめられる複数枚の仕切りパネル
   を、その上端部において、連結金具にて該箱体
   の前後方向に回動可能に且つ適宜の間隔で前記
   天井レールにそれぞれ取り付けて、パネル面が
   垂直方向となるように吊り下げると共に、前記
   連結金具部分を中心とした回動によつて天井部
   に近接せしめられた仕切りパネルが垂下しない
   ように該パネルを係脱可能に係止して、水平方
   向に保持するパネル保持手段を設け、不使用時
   には該パネルが天井部に格納されるようにした
   ことを特徴とする運搬用箱体。 (2) 前記パネル保持手段が、運搬用箱体の天井部
   に沿つてその前後方向に配された複数本の棒状
   若しくはテープ状の弾性部材からなり、前記仕
   切りパネルが該弾性部材と天井部との間におい
   て保持されるようにした実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の運搬用箱体。 (3) 前記パネル保持手段が、前記仕切りパネルの
   格納のための回動方向とは逆方向に付勢され
   た、該パネルに向うように回動せしめられた押
   圧部材であつて、該押圧部材が天井部に近接せ
   しめられた仕切りパネルを天井部側に押し付
   け、それを下方から支持するものである実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の運搬用箱体。