JP2015214225A - 駐車支援装置及び駐車支援方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】駐車領域に対する自車両の走行経路に応じて、操舵反力を適切に発生させることが可能な、駐車支援装置及び駐車支援方法を提供する。
【解決手段】自車両が駐車領域へ向けて後退を開始する後退開始位置から自車両を停車させる駐車領域まで後退する自車両の車幅よりも広い幅の運転者操舵許容範囲を含んで、後退開始位置から駐車領域まで後退する自車両の目標軌道を算出し、自車両の位置が運転者操舵許容範囲内では、運転者が操作する操舵操作子へ付与する操舵反力を発生させず、駐車領域への後退中に自車両が運転者操舵許容範囲から逸脱すると、自車両の位置の運転者操舵許容範囲内への復帰を促す操舵反力を発生させるように、操舵反力を制御する。
【選択図】図14

Description

本発明は、運転者の駐車支援を行う駐車支援装置及び駐車支援方法に関する。
駐車時の運転操作を位置情報と共に記憶しておき、駐車領域へ自車両を後退させる線状の走行軌跡を設定し、操舵反力付与等の操舵支援により自車両を走行軌跡に追従させて走行させる技術として、例えば、特許文献1に記載されている技術がある。
特開2006−298115号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている技術では、自車両を追従させる走行軌跡が線状であるため、自車両が駐車領域への移動に問題の無い経路を走行している場合であっても、走行軌跡から少しでも逸脱して走行すると操舵反力を発生させる。このため、運転者が常に操舵反力を感じる可能性が高く、自分で運転している感覚を阻害されるという問題が発生するおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、駐車領域に対する自車両の走行経路に応じて、操舵反力を適切に発生させることが可能な、駐車支援装置及び駐車支援方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、自車両の車幅よりも広い幅の運転者操舵許容範囲を含んで、自車両が駐車領域へ向けて後退を開始する後退開始位置から自車両を停車させる駐車領域まで後退する自車両の目標軌道を算出する。そして、自車両の位置が運転者操舵許容範囲内では、運転者が操作する操舵操作子へ付与する操舵反力を発生させない。一方、駐車領域への後退中に自車両が運転者操舵許容範囲から逸脱すると、自車両の位置の運転者操舵許容範囲内への復帰を促す操舵反力を発生させるように、操舵反力を制御する。
本発明によれば、後退開始位置から駐車領域まで後退する自車両の位置が運転者操舵許容範囲内では、操舵操作子へ付与する操舵反力を発生させず、運転者操舵許容範囲から逸脱すると、自車両の位置の運転者操舵許容範囲内への復帰を促す操舵反力を発生させる。
これにより、自車両の走行経路が運転者操舵許容範囲内である状態では、操舵操作子へ操舵反力が付与されないため、運転者の、自分で運転している感覚が阻害されることなく、駐車領域に対する自車両の走行経路に応じて、操舵反力を適切に発生させることが可能となる。
本発明の第一実施形態の駐車支援装置を備える車両の概略構成を示すブロック図である。 駐車支援コントローラの構成を示すブロック図である。 駐車支援制御実施判定部が駐車支援を行うか否かを判定する処理を示すフローチャートである。 自車両の現在位置が、駐車支援を開始する位置に達しているか否かを判定する処理を示すイメージ図である。 図形位置記憶処理部の詳細な構成を示すブロック図である。 図形位置記憶処理部が算出する複数箇所の位置を示す俯瞰図である。 図形位置記憶部が複数箇所の位置を記憶する処理において、各位置に対応するデータを示す表である。 駐車情報記憶部の詳細な構成を示すブロック図である。 目標軌道算出部が目標軌道を算出する処理を示す俯瞰図である。 図9のX‐X線断面図に対応した操舵反力マップを示す図である。 提示図形生成部が図形を生成する処理において、各図形を示す俯瞰図である。 自車両が駐車支援を開始する位置に達した状態における重畳画像を示す図である。 自車両が後退開始位置に達した状態における重畳画像を示す図である。 本発明の第一実施形態の駐車支援装置を用いて行なう動作のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態(以下、本実施形態と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1中に示すように、駐車支援装置1を備える車両(自車両MV)は、車輪W(右前輪WFR、左前輪WFL、右後輪WRR、左後輪WRL)と、周囲画像撮像部2と、周囲障害物検出部4と、車輪速センサ6と、操舵角センサ8を備える。これに加え、自車両MVは、シフトポジションセンサ10と、駐車支援システム起動スイッチ12と、ドライバ認証部14と、ナビゲーション装置16と、操舵反力モータ18と、駐車支援コントローラ20を備える。これに加え、自車両MVは、ペダル開度センサ22と、ペダル反力アクチュエータ24を備える。
周囲画像撮像部2は、自車両MV周囲の路面を含む画像を撮像し、撮像した各画像を用いて、複数の撮像方向に対応した個別の画像を含む情報信号(以降の説明では、「個別画像信号」と記載する場合がある)を生成する。そして、生成した個別画像信号を、駐車支援コントローラ20に出力する。
なお、本実施形態では、一例として、周囲画像撮像部2を、前方カメラ2Fと、右側方カメラ2SRと、左側方カメラ2SLと、後方カメラ2Rを用いて形成した場合を説明する。ここで、前方カメラ2Fは、自車両MVの車両前後方向前方を撮像するカメラであり、右側方カメラ2SRは、自車両MVの右側方を撮像するカメラである。また、左側方カメラ2SLは、自車両MVの左側方を撮像するカメラであり、後方カメラ2Rは、自車両MVの車両前後方向後方を撮像するカメラである。
周囲障害物検出部4は、例えば、音波を送受信可能なソナーを用いて形成し、音波の送受信方向を自車両MVの周囲へ向けて配置する。また、周囲障害物検出部4は、自車両MVの周囲へ向けて送信して障害物等に反射した音波を受信すると、音波の送信時間及び受信時間を含む情報信号(以降の説明では、「送受信時間信号」と記載する場合がある)を、駐車支援コントローラ20に出力する。なお、周囲障害物検出部4の構成は、ソナーに限定するものではなく、例えば、ミリ波レーダ等を用いてもよい。
なお、本実施形態では、一例として、周囲障害物検出部4を、前方ソナー4Fと、右側方ソナー4SRと、左側方ソナー4SLと、後方ソナー4Rを用いて形成した場合を説明する。ここで、前方ソナー4Fは、自車両MVの車両前後方向前方へ向けて音波を送受信するソナーであり、右側方ソナー4SRは、自車両MVの右側方へ向けて音波を送受信するソナーである。また、左側方ソナー4SLは、自車両MVの左側方へ向けて音波を送受信するソナーであり、後方ソナー4Rは、自車両MVの車両前後方向後方へ向けて音波を送受信するソナーである。
車輪速センサ6は、例えば、車輪速パルスを計測するロータリエンコーダ等のパルス発生器を用いて形成する。
また、車輪速センサ6は、各車輪Wの回転速度を検出し、この検出した回転速度を含む情報信号(以降の説明では、「車輪速信号」と記載する場合がある)を、駐車支援コントローラ20に出力する。なお、図1中では、右前輪WFRの回転速度を検出する車輪速センサ6を符号「6FR」で示し、左前輪WFLの回転速度を検出する車輪速センサ6を符号「6FL」で示す。さらに、右後輪WRRの回転速度を検出する車輪速センサ6を符号「6RR」で示し、左後輪WRLの回転速度を検出する車輪速センサ6を符号「6RL」で示す。
操舵角センサ8は、例えば、ステアリングホイール26を回転可能に支持するステアリングコラム(図示せず)に設ける。
また、操舵角センサ8は、操舵操作子であるステアリングホイール26の現在の回転角度(操舵操作量)である現在操舵角を検出する。そして、検出した現在操舵角を含む情報信号(以降の説明では、「現在操舵角信号」と記載する場合がある)を、駐車支援コントローラ20に出力する。なお、操向輪の転舵角を含む情報信号を、操舵角を示す情報として検出してもよい。
なお、操舵操作子は、運転者が回転させるステアリングホイール26に限定するものではなく、例えば、運転者が手で傾ける操作を行なうレバーとしてもよい。この場合、中立位置からのレバーの傾斜角度を、現在操舵角信号に相当する情報信号として出力する。
シフトポジションセンサ10は、シフトノブやシフトレバー等、自車両MVのシフト位置(例えば、「P」、「D」、「R」等)を変更する部材の現在位置を検出する。そして、検出した現在位置を含む情報信号(以降の説明では、「シフト位置信号」と記載する場合がある)を、駐車支援コントローラ20に出力する。
駐車支援システム起動スイッチ12は、自車両MVの運転者が操作するボタン等のスイッチであり、予め設定した駐車領域への現在の駐車時に、後述する駐車支援を行うか否かを設定するための入力部を形成する。なお、以降の説明では、予め設定した駐車領域を、「既設定駐車領域」と記載する場合がある。
なお、本実施形態では、一例として、駐車支援システム起動スイッチ12の構成を、駐車支援システム起動スイッチ12を操作する度に、駐車支援を行う設定と駐車支援を行わない設定が切り替わる構成とする。また、本実施形態では、一例として、既設定駐車領域を、自車両MVの運転者が契約・確保している駐車場において、自車両MVを駐車する駐車領域であり、利用頻度が高い駐車領域とした場合について説明する。
また、駐車支援システム起動スイッチ12は、駐車支援を行う設定と駐車支援を行わない設定が切り替わると、現在の設定を含む情報信号(以降の説明では、「駐車支援システム設定状態信号」と記載する場合がある)を生成する。そして、生成した駐車支援システム設定状態信号を、駐車支援コントローラ20に出力する。
ドライバ認証部14は、例えば、運転免許証が内蔵するIC(Integrated Circuit)チップが記憶している運転者のID情報を読み取り可能なICリーダを用いて形成する。この場合、例えば、自車両の構成を、ICリーダとエンジンのイグニッションスイッチを連動させ、ICリーダにより運転者のID情報を読み取ることにより、エンジンを始動可能な構成とする。そして、ドライバ認証部14は、ICリーダにより読み取った運転者のID情報を含む情報信号(以降の説明では、「運転者ID信号」と記載する場合がある)を、駐車支援コントローラ20に出力する。すなわち、ドライバ認証部14は、自車両の運転者を認証し、認証した運転者に固有の情報を、駐車支援コントローラ20に出力する。
なお、ドライバ認証部14の構成は、ICリーダを備える構成に限定するものではない。すなわち、例えば、自車両の構成が、運転席のシートポジションを、運転者毎に固有の位置へ変更可能である構成であれば、運転者に固有のシートポジションを検出して、運転者を特定してもよい。
また、例えば、自車両の構成を、パスワードを入力する入力端末とイグニッションスイッチを連動させ、入力端末により運転者に固有のパスワードを入力してエンジンを始動可能な構成とした場合、入力されたパスワードを用いて、運転者を特定してもよい。この場合、パスワードの入力端末に代えて、運転者の指紋を検出可能なセンサを用いてもよい。
ナビゲーション装置16は、GPS(Global Positioning System)受信機、地図データベースと、表示モニタ等を有する情報呈示装置を備え、経路探索及び経路案内等を行う装置である。
また、ナビゲーション装置16は、GPS受信機を用いて取得した自車両MVの現在位置と、地図データベースに格納された道路情報を用いて、自車両MVが走行する道路の種別や幅員等の道路情報を取得することが可能である。
また、ナビゲーション装置16は、GPS受信機を用いて取得した自車両MVの現在位置を含む情報信号(以降の説明では、「自車位置信号」と記載する場合がある)を、駐車支援コントローラ20に出力する。
情報呈示装置は、駐車支援コントローラ20からの制御信号に応じて、警報その他の呈示を音声や画像によって出力する。また、情報呈示装置は、例えば、ブザー音や音声により運転者への情報提供を行うスピーカと、画像やテキストの表示により情報提供を行う表示ユニットを備える。また、表示ユニットは、例えば、ナビゲーション装置16の表示モニタを流用してもよい。
本実施形態では、一例として、ナビゲーション装置16の表示モニタを情報呈示装置として用い、さらに、表示モニタを、画像等を表示可能であるとともに、利用者によるタッチ入力が可能な画面を有する表示デバイスを用いて形成する場合について説明する。すなわち、本実施形態では、一例として、ナビゲーション装置16が備える情報呈示装置を、タッチディスプレイ(タッチパネル)で形成した場合について説明する。
また、ナビゲーション装置16は、後述する音声出力指令信号の入力を受けると、音声出力指令信号が含む音を、情報呈示装置が備えるスピーカから出力する。
操舵反力モータ18は、駐車支援コントローラ20が出力する反力モータ駆動電流に応じて駆動するモータであり、ステアリングホイール26と共に回転するステアリングシャフト28を回転させて、ステアリングホイール26へ操舵反力を出力可能である。ここで、操舵反力モータ18がステアリングホイール26に出力する操舵反力は、運転者がステアリングホイール26を操舵する操作方向とは反対方向へ作用する反力である。
駐車支援コントローラ20は、CPUと、ROM及びRAM等のCPU周辺部品から構成する電子制御ユニットである。なお、駐車支援コントローラ20の具体的な構成については、後述する。
ペダル開度センサ22は、アクセルペダル30の開度(アクセル開度)を検出し、この検出したアクセル開度を含む情報信号(以降の説明では、「アクセル開度信号」と記載する場合がある)を、駐車支援コントローラ20に出力する。
なお、アクセルペダル30は、例えば、オルガン式や吊り下げ式のペダルで形成し、車室内において、自車両MVの運転者が足で操作するために好適な位置へ配置する。
また、アクセルペダル30は、アクセルペダル30の開度を「0」にするための弾性部材を有する。この弾性部材としては、例えば、コイルスプリング等、アクセルペダル30を戻し方向へ変位させる部材を用いる。
ペダル反力アクチュエータ24は、例えば、サーボモータ等を用いて形成し、アクセルペダル30に対して、運転者の踏み込み操作に対する戻し方向への反力(以下、「ペダル反力」と記載する場合がある)を付与する。
また、ペダル反力アクチュエータ24は、例えば、アクセルペダル30のリンク機構に組み込む部材とする。また、ペダル反力アクチュエータ24は、駐車支援コントローラ20が出力するペダル反力指令信号に応じてトルクを発生させ、運転者がアクセルペダル30を操作する際に発生する操作反力を任意に制御する。
また、ペダル反力アクチュエータ24は、アクセルペダル30に付与した反力を含む情報信号を、駐車支援コントローラ20に出力する。
(駐車支援コントローラ20の具体的な構成)
次に、図1を参照しつつ、図2を用いて、駐車支援コントローラ20の具体的な構成について説明する。
図2中に示すように、駐車支援コントローラ20は、周囲環境認識情報演算部32と、自車両車速演算部34と、操舵角演算部36と、シフトポジション演算部38と、俯瞰画像生成部40と、駐車枠検出部42と、相対距離検出部44を備える。これに加え、駐車支援コントローラ20は、障害物検出部46と、自己位置検出部48と、駐車支援用マップ生成部50と、駐車支援制御実施判定部52と、図形位置記憶処理部54と、図形位置記憶部56を備える。さらに、駐車支援コントローラ20は、駐車情報記憶部58と、目標軌道算出部60と、操舵反力制御部62と、ペダル反力制御部64と、提示図形生成部66と、重畳画像生成部68と、画像レイアウト設定部70を備える。なお、これらの機能は、一または二以上のプログラムで構成する。
周囲環境認識情報演算部32は、周囲画像撮像部2から入力を受けた個別画像信号を用い、全てのカメラ2が撮像した画像を含む情報信号(以降の説明では、「周囲画像信号」と記載する場合がある)を、俯瞰画像生成部40に出力する。
また、周囲環境認識情報演算部32は、周囲画像撮像部2から入力を受けた個別画像信号を用い、後方カメラ2Rが撮像した画像を含む情報信号(以降の説明では、「後方画像信号」と記載する場合がある)を、画像レイアウト設定部70に出力する。
自車両車速演算部34は、車輪速センサ6から入力を受けた車輪速信号を用い、車輪Wの回転速度から自車両MVの速度(車速)を演算する。そして、演算した速度を含む情報信号(以降の説明では、「車速演算値信号」と記載する場合がある)を、図形位置記憶処理部54と、駐車情報記憶部58と、目標軌道算出部60と、操舵反力制御部62と、ペダル反力制御部64に出力する。
操舵角演算部36は、操舵角センサ8から入力を受けた現在操舵角信号を用い、ステアリングホイール26の現在の回転角度から、ステアリングホイール26の中立位置からの操作量(回転角)を演算する。そして、演算した中立位置からの操作量を含む情報信号(以降の説明では、「操舵角信号」と記載する場合がある)を、図形位置記憶処理部54と、駐車情報記憶部58と、目標軌道算出部60と、操舵反力制御部62に出力する。
シフトポジション演算部38は、シフトポジションセンサ10から入力を受けたシフト位置信号を用い、現在のシフト位置を判定する。そして、演算した現在のシフト位置を含む情報信号(以降の説明では、「現在シフト位置信号」と記載する場合がある)を、図形位置記憶処理部54と、駐車情報記憶部58と、目標軌道算出部60と、操舵反力制御部62に出力する。
俯瞰画像生成部40は、周囲環境認識情報演算部32から入力を受けた周囲画像信号を用い、自車両MVを示す図形を含む、自車両MVの上方から見た自車両MVの周囲の画像(俯瞰画像)を形成する。そして、形成した俯瞰画像を含む情報信号(以降の説明では、「俯瞰画像信号」と記載する場合がある)を、駐車枠検出部42と、障害物検出部46と、自己位置検出部48と、駐車支援用マップ生成部50に出力する。これに加え、俯瞰画像生成部40は、俯瞰画像信号を、図形位置記憶処理部54と、駐車情報記憶部58と、目標軌道算出部60と、操舵反力制御部62と、重畳画像生成部68に出力する。
ここで、俯瞰画像は、例えば、各カメラ(前方カメラ2F、右側方カメラ2SR、左側方カメラ2SL、後方カメラ2R)で撮像した画像を合成して、自車両MVの上方から見た自車両MVの周囲の画像を形成する。これに加え、自車両MVの上方から見た自車両MVの周囲の画像の中心に、自車両MVを示す図形を重畳させて形成する。すなわち、俯瞰画像生成部40は、周囲画像撮像部2が撮像した画像の中央に自車両MVを示す図形を含む俯瞰画像を生成する。
なお、自車両MVを示す図形は、例えば、自車両MVを真上から見たデザインをCG(Computer Graphics)で作成した図形としてもよく、自車両MVを真上から撮影した画像をデータとして形成した図形でもよい。また、俯瞰画像には、例えば、路面上に表示された駐車枠の線(以降の説明では、「駐車枠線」と記載する場合がある)等の道路標示を示す画像を含む。
駐車枠検出部42は、俯瞰画像生成部40から入力を受けた俯瞰画像信号が含む俯瞰画像を用いて、駐車枠を検出する。そして、検出した駐車枠を含む情報信号(以降の説明では、「駐車枠信号」と記載する場合がある)を、図形位置記憶処理部54と、駐車情報記憶部58と、目標軌道算出部60に出力する。
ここで、駐車枠の検出は、例えば、俯瞰画像中において、自車両MVを基準として予め設定した距離や領域(エリア)内に、駐車枠線等が存在するか否かを判断して行なう。また、俯瞰画像から駐車枠線を認識する処理としては、例えば、エッジ検出等、種々の公知の方式を用いる。
相対距離検出部44は、周囲障害物検出部4から入力を受けた送受信時間信号を用いて算出したフィードバック誤差を用いて、自車両MVと、自車両MVの周囲に存在する障害物との距離である相対距離を、自車両MVの周囲に亘って検出する。そして、検出した相対距離及び方向を含む情報信号(以降の説明では、「相対距離信号」と記載する場合がある)を、障害物検出部46と、操舵反力制御部62に出力する。
ここで、「フィードバック誤差」とは、周囲障害物検出部4における、音波の送信時間と受信時間との差であり、自車両MVと、自車両MVの周囲に存在する障害物との距離を反映する値である。
障害物検出部46は、俯瞰画像生成部40から入力を受けた俯瞰画像信号が含む俯瞰画像と、相対距離検出部44から入力を受けた相対距離信号が含む相対距離及び方向を用い、自車両MVの周囲に存在する障害物を、自車両MVの周囲(全周)に亘って検出する。そして、検出した障害物を含む情報信号(以降の説明では、「障害物信号」と記載する場合がある)を、図形位置記憶処理部54と、駐車情報記憶部58と、目標軌道算出部60と、操舵反力制御部62に出力する。
自己位置検出部48は、ナビゲーション装置16から自車位置信号の入力を受け、俯瞰画像生成部40から俯瞰画像信号の入力を受けて、自車両MVの現在位置(自己位置)を検出する。そして、自車両MVの現在位置を含む情報信号(以降の説明では、「自己位置信号」と記載する場合がある)を、駐車支援用マップ生成部50と、駐車支援制御実施判定部52に出力する。これに加え、自己位置信号を、図形位置記憶処理部54と、目標軌道算出部60と、操舵反力制御部62と、ペダル反力制御部64に出力する。
駐車支援用マップ生成部50は、俯瞰画像生成部40から入力を受けた俯瞰画像信号が含む俯瞰画像と、自己位置検出部48から入力を受けた自己位置信号と、既設定駐車領域を用い、既設定駐車領域を含む駐車領域周辺のマップを生成する。そして、生成したマップを含む情報信号(以降の説明では、「マップ信号」と記載する場合がある)を、駐車支援制御実施判定部52と、図形位置記憶処理部54と、駐車情報記憶部58に出力する。
なお、既設定駐車領域は、例えば、図形位置記憶部56に記憶させた複数箇所の位置から取得する。また、既設定駐車領域は、例えば、運転者がナビゲーション装置16に登録したデータから取得してもよく、ナビゲーション装置16等を用いた運転者による入力で設定してもよい。
また、駐車領域周辺のマップには、例えば、駐車領域と連続する道路(公道)、駐車領域に隣接する建築物、駐車領域と隣接する他の領域と駐車領域とを区分する構造物(塀等)を含む。
駐車支援制御実施判定部52は、駐車支援システム起動スイッチ12から駐車支援システム設定状態信号の入力を受け、俯瞰画像生成部40から俯瞰画像信号の入力を受け、駐車支援用マップ生成部50からマップ信号の入力を受ける。これに加え、図形位置記憶部56が記憶している位置を取得する。
そして、駐車支援制御実施判定部52は、入力を受けた各種の情報信号が含む現在の設定、俯瞰画像、駐車領域周辺のマップと、図形位置記憶部56が記憶している位置を用いて、駐車支援を行うか否かを判定する。なお、駐車支援制御実施判定部52が駐車支援を行うか否かを判定する処理については、後述する。さらに、駐車支援を行うか否かの判定結果を含む情報信号(以降の説明では、「駐車支援判定結果信号」と記載する場合がある)を、目標軌道算出部60、操舵反力制御部62に出力する。これに加え、駐車支援判定結果信号を、ペダル反力制御部64、提示図形生成部66、重畳画像生成部68、画像レイアウト設定部70に出力する。
図形位置記憶処理部54は、自車両車速演算部34から車速演算値信号の入力を受け、操舵角演算部36から操舵角信号の入力を受け、シフトポジション演算部38から現在シフト位置信号の入力を受ける。これに加え、俯瞰画像生成部40から俯瞰画像信号の入力を受け、駐車枠検出部42から駐車枠信号の入力を受け、自己位置検出部48から自己位置信号の入力を受ける。
そして、図形位置記憶処理部54は、入力を受けた各種の情報信号を用い、既設定駐車領域への過去の駐車時に自車両MVを走行させた複数箇所の位置を算出する。さらに、算出した複数箇所の位置を含む情報信号(以降の説明では、「図形表示算出位置信号」と記載する場合がある)を、図形位置記憶部56と、駐車情報記憶部58に出力する。なお、図形位置記憶処理部54の詳細な構成と、図形位置記憶処理部54が複数箇所の位置を算出する処理については、後述する。
図形位置記憶部56は、図形位置記憶処理部54から入力を受けた図形表示算出位置信号を用い、既設定駐車領域への過去の駐車時に自車両MVを走行させた複数箇所の位置を記憶する。
また、図形位置記憶部56は、ドライバ認証部14から入力を受けた運転者ID信号を用い、複数箇所の位置を、過去の駐車時に自車両MVを運転していた運転者と関連付けて記憶する。
駐車情報記憶部58は、自車両車速演算部34から車速演算値信号の入力を受け、操舵角演算部36から操舵角信号の入力を受け、シフトポジション演算部38から現在シフト位置信号の入力を受ける。これに加え、俯瞰画像生成部40から俯瞰画像信号の入力を受け、駐車枠検出部42から駐車枠信号の入力を受け、自己位置検出部48から自己位置信号の入力を受け、駐車支援用マップ生成部50からマップ信号の入力を受ける。さらに、図形位置記憶処理部54から図形表示算出位置信号の入力を受ける。
そして、駐車情報記憶部58は、入力を受けた各種の情報信号を用い、過去の駐車時における自車両MVの後退中の走行軌跡と、過去の駐車時における自車両MVの運転者が行った運転操作を記憶する。これに加え、駐車情報記憶部58は、過去の駐車時に最終停車位置PEへ移動して停車した自車両MV周囲の状況を記憶する。
また、駐車情報記憶部58は、ドライバ認証部14から入力を受けた運転者ID信号を用い、記憶した各種情報を、駐車時に自車両MVを運転していた運転者と関連付けて記憶する。なお、駐車情報記憶部58の詳細な構成については、後述する。
目標軌道算出部60は、自車両車速演算部34から車速演算値信号の入力を受け、操舵角演算部36から操舵角信号の入力を受け、シフトポジション演算部38から現在シフト位置信号の入力を受ける。これに加え、俯瞰画像生成部40から俯瞰画像信号の入力を受け、駐車枠検出部42から駐車枠信号の入力を受け、自己位置検出部48から自己位置信号の入力を受け、駐車支援用マップ生成部50からマップ信号の入力を受ける。
そして、自己位置検出部48が検出した自車両MVの現在位置と、図形位置記憶部56が記憶している最終停車位置から、現在の駐車時における自車両MVの目標軌道を算出する。さらに、算出した目標軌道を含む情報信号(以降の説明では、「目標軌道信号」と記載する場合がある)を、操舵反力制御部62と、ペダル反力制御部64に出力する。なお、目標軌道算出部60が目標軌道を算出する処理については、後述する。また、目標軌道算出部60が目標軌道を算出する処理は、駐車支援制御実施判定部52から入力を受けた駐車支援判定結果信号が、駐車支援を行うとの判定結果を含む場合に行う。
操舵反力制御部62は、俯瞰画像生成部40から俯瞰画像信号の入力を受け、操舵角演算部36から操舵角信号の入力を受け、自己位置検出部48から自己位置信号の入力を受け、目標軌道算出部60から目標軌道信号の入力を受ける。これに加え、駐車情報記憶部58が記憶している、過去の駐車時における自車両MVの運転者が行った運転操作を取得する。
そして、操舵反力制御部62は、入力を受けた各種の情報信号と、取得した運転操作を用いて、反力モータ駆動電流を演算する。さらに、演算した反力モータ駆動電流を含む情報信号を、操舵反力モータ18に出力する。なお、操舵反力制御部62が行う処理については、後述する。
また、操舵反力制御部62は、相対距離検出部44から相対距離信号の入力を受け、自車両車速演算部34から車速演算値信号の入力を受ける。そして、相対距離信号が含む相対距離及び方向と、車速演算値信号が含む自車両MVの速度を用いて、自車両MVと障害物との相対距離が予め設定した制限用相対距離以下であるか否かを判定する。さらに、相対距離が制限用相対距離以下となると、相対距離が制限用相対距離を超えるように、ステアリングホイール26に付与する操舵反力を制御する。
ここで、制限用相対距離は、例えば、自車両車速演算部34が演算した自車両MVの速度に応じて設定を変更する。この場合、自車両車速演算部34が演算した自車両MVの速度が高いほど、制限用相対距離を長く設定する。
ペダル反力制御部64は、自車両車速演算部34から車速演算値信号の入力を受け、ペダル開度センサ22からアクセル開度信号の入力を受け、自己位置検出部48から自己位置信号の入力を受け、目標軌道算出部60から目標軌道信号の入力を受ける。
そして、ペダル反力制御部64は、入力を受けた各種の情報信号を用いて、アクセルペダル30へ付与する反力を算出する。そして、算出した反力を含む情報信号を、ペダル反力指令信号としてペダル反力アクチュエータ24に出力する。これにより、ペダル反力制御部64は、ペダル反力アクチュエータ24がアクセルペダル30へ付与する反力を制御する。なお、ペダル反力制御部64が行う処理については、後述する。
また、ペダル反力制御部64は、アクセル開度信号が含むアクセル開度を用い、アクセルペダル30の開度が、アクセルペダル30へ付与した反力に応じた開度よりも大きい場合、アクセルペダル30へ付与する反力の制御を中止する。これにより、アクセルペダル30の操作に関して、運転者の意思を優先させるように、アクセルペダル30へ付与する反力の制御を行う。
同様に、ペダル反力制御部64は、アクセル開度信号が含むアクセル開度を用い、アクセルペダル30の開度が「0」である場合、アクセルペダル30へ付与する反力の制御を中止する。ここで、アクセルペダル30の開度が「0」である場合とは、運転者がアクセルペダル30から足を離した場合である。これにより、アクセルペダル30の操作に関して、運転者の意思を優先させるように、アクセルペダル30へ付与する反力の制御を行う。
提示図形生成部66は、目標軌道算出部60が算出した目標軌道を示す図形と、図形位置記憶部56が記憶している位置を示す図形を生成する。そして、生成した図形を含む情報信号(以降の説明では、「提示図形信号」と記載する場合がある)を、重畳画像生成部68に出力する。なお、提示図形生成部66が図形を生成する処理については、後述する。また、提示図形生成部66が図形を生成する処理は、駐車支援制御実施判定部52から入力を受けた駐車支援判定結果信号が、駐車支援を行うとの判定結果を含む場合に行う。
また、提示図形生成部66は、ドライバ認証部14から入力を受けた運転者ID信号を用い、現在の駐車時に自車両MVを運転する運転者が過去の駐車時に自車両MVを走行させた位置を、図形位置記憶部56から抽出する。そして、現在の駐車時に自車両MVを運転する運転者と同じ運転者が過去の駐車時に自車両MVを走行させた際に記憶した位置から、図形位置記憶部56が記憶している位置を示す図形を生成する。
重畳画像生成部68は、俯瞰画像生成部40から俯瞰画像信号の入力を受け、提示図形生成部66から提示図形信号の入力を受ける。
そして、重畳画像生成部68は、入力を受けた各種の情報信号を用い、既設定駐車領域への現在の駐車時に、俯瞰画像生成部40が生成した俯瞰画像に、提示図形生成部66が生成した複数箇所の図形を重畳させた重畳画像を生成する。
さらに、重畳画像生成部68は、生成した重畳画像を含む情報信号(以降の説明では、「重畳画像信号」と記載する場合がある)を、画像レイアウト設定部70に出力する。なお、重畳画像生成部68が重畳画像を生成する処理については、後述する。また、重畳画像生成部68が重畳画像を生成する処理は、駐車支援制御実施判定部52から入力を受けた駐車支援判定結果信号が、駐車支援を行うとの判定結果を含む場合に行う。
画像レイアウト設定部70は、周囲環境認識情報演算部32から後方画像信号の入力を受け、重畳画像生成部68から重畳画像信号の入力を受ける。そして、入力を受けた各種の情報信号を用い、後方画像信号が含む後方カメラ2Rが撮像した画像と、重畳画像信号が含む重畳画像との、情報呈示装置に表示する大きさの割合(表示割合)を設定する。
さらに、画像レイアウト設定部70は、設定した表示割合で後方カメラ2Rが撮像した画像と重畳画像とを組み合わせた画像を生成する。これに加え、生成した画像を含む情報信号(以降の説明では、「駐車時出力画像信号」と記載する場合がある)を、ナビゲーション装置16に出力する。なお、画像レイアウト設定部70が、後方カメラ2Rが撮像した画像と重畳画像とを組み合わせた画像を生成する処理は、駐車支援制御実施判定部52から入力を受けた駐車支援判定結果信号が、駐車支援を行うとの判定結果を含む場合に行う。
なお、本実施形態では、一例として、画像レイアウト設定部70が設定する表示割合を、後方カメラ2Rが撮像した画像を重畳画像の二倍程度の大きさで表示する表示割合とした場合について説明する。すなわち、本実施形態では、一例として、情報呈示装置の表示画面において、画面の2/3を占める領域に後方カメラ2Rが撮像した画像を表示し、残りの領域に重畳画像を表示する場合について説明する。
(駐車支援制御実施判定部52が駐車支援を行うか否かを判定する処理)
図1及び図2を参照しつつ、図3及び図4を用いて、駐車支援制御実施判定部52が駐車支援を行うか否かを判定する処理について説明する。
図3中に示すように、駐車支援制御実施判定部52が処理を開始(START)すると、まず、ステップS100において、図形位置記憶部56が記憶している位置を取得する。そして、図形位置記憶部56が最終停車位置を記憶しているか否かを判定する処理(図中に示す「最終停車位置を記憶」)を行う。
ステップS100において、図形位置記憶部56が最終停車位置を記憶している(図中に示す「Yes」)と判定した場合、駐車支援制御実施判定部52が行なう処理は、ステップS102へ移行する。
一方、ステップS100において、図形位置記憶部56が最終停車位置を記憶していない(図中に示す「No」)と判定した場合、駐車支援制御実施判定部52が行なう処理は、ステップS100へ復帰する。
ステップS102では、駐車支援システム設定状態信号が含む現在の設定が、駐車支援を行う設定であるか否かを判定する処理(図中に示す「駐車支援を行う設定」)を行う。
ステップS102において、現在の設定が駐車支援を行う設定である(図中に示す「Yes」)と判定した場合、駐車支援制御実施判定部52が行なう処理は、ステップS104へ移行する。
一方、ステップS102において、現在の設定が駐車支援を行う設定ではない(図中に示す「No」)と判定した場合、駐車支援制御実施判定部52が行なう処理は、ステップS102へ復帰する。
ステップS104では、俯瞰画像信号が含む俯瞰画像と、マップ信号が含む駐車領域周辺のマップを用いて、自車両MVの現在位置が、駐車支援を開始する位置に達しているか否かを判定する処理(図中に示す「駐車支援の開始設定位置」)を行う。
本実施形態では、一例として、図4中に示すように、既設定駐車領域PAへ向けて走行している自車両MVの位置が、既設定駐車領域PA内に設定した最終駐車位置PEを視認可能な距離(例えば、約10[m])に達する位置であるか否かを判定する。そして、既設定駐車領域PAへ向けて走行している自車両MVの位置が、既設定駐車領域PA内に設定した最終駐車位置PEを視認可能な距離に達する位置であると、自車両MVの現在位置が、駐車支援を開始する位置に達していると判定する場合について説明する。
また、本実施形態では、一例として、今回の駐車支援を完了した後に、今回の駐車支援を開始した位置を、次回以降でも用いるか否かの選択を促す文字を含む画像を含む情報信号を、画像レイアウト設定部70に出力する場合について説明する。ここで、今回の駐車支援を開始した位置を、次回以降でも用いるか否かの選択を促す文字とは、例えば、「駐車支援の開始位置を変更しますか?」等とする。
なお、図4中では、駐車枠線PLにより隣接する駐車枠と区分された領域を、既設定駐車領域PAとして設定する場合を示す。また、図4中には、既設定駐車領域PAと隣接する駐車枠に駐車している他車両を、符号「OV」で示す。
ステップS104において、自車両MVの現在位置が駐車支援を開始する位置に達している(図中に示す「Yes」)と判定した場合、駐車支援制御実施判定部52が行なう処理は、ステップS106へ移行する。
一方、ステップS104において、自車両MVの現在位置が駐車支援を開始する位置に達していない(図中に示す「No」)と判定した場合、駐車支援制御実施判定部52が行なう処理は、ステップS104へ復帰する。
ステップS106では、駐車支援装置1により、自車両MVの運転者に対する駐車支援を開始(図中に示す「駐車支援開始」)する。ステップS106において、駐車支援装置1による駐車支援を開始すると、駐車支援制御実施判定部52が行なう処理は、ステップS108へ移行する。
ステップS108では、ステップS106で開始した駐車支援が完了したか否かを判定する処理(図中に示す「駐車支援完了」)を行う。
ステップS108において、ステップS106で開始した駐車支援が完了した(図中に示す「Yes」)と判定した場合、駐車支援制御実施判定部52が行なう処理を終了(END)する。
一方、ステップS108において、ステップS106で開始した駐車支援が完了していない(図中に示す「No」)と判定した場合、駐車支援制御実施判定部52が行なう処理は、ステップS108へ復帰する。
(図形位置記憶処理部54の詳細な構成と、図形位置記憶処理部54が複数箇所の位置を算出する処理)
図1から図4を参照しつつ、図5及び図6を用いて、図形位置記憶処理部54の詳細な構成と、図形位置記憶処理部54が複数箇所の位置を算出する処理について説明する。
図5中に示すように、図形位置記憶処理部54は、後退開始位置算出部72と、最終停車位置算出部74を備える。
後退開始位置算出部72は、例えば、以下の条件A1〜A4のうち、少なくともA1が成立した時点で自車両MVが存在する位置を、図6中に示すように、自車両MVが既設定駐車領域PAへ向けて後退を開始した位置である後退開始位置PSとして算出する。
A1.既設定駐車領域PAと連続する道路を走行する自車両MVの現在位置が、駐車支援を開始する位置から既設定駐車領域PAを通過して停車する。
A2.A1の停車位置で、自車両MVの車両前後方向に延在する直線が、既設定駐車領域PAを形成する駐車枠線PLに対して傾斜している。または、自車両MVの車両前後方向に延在する直線が、既設定駐車領域PAと連続する道路の路面上に標示された線(例えば、中央線、車両通行区分線、停止線)や、車道と歩道との境界線に対して傾斜している。
A3.A1の停車位置で、現在操舵角が中立角または略中立角(例えば、ステアリングホイール26の遊び分を含む角度)である。
A4.シフト位置が前進走行位置(例えば、「D」、「1」、「2」等)から後退走行位置(「R」)へ変更されている。
なお、条件A1の成立は、例えば、車速演算値信号、俯瞰画像信号、自己位置信号が含む情報を用いて判定する。また、条件A2の成立は、例えば、俯瞰画像信号、駐車枠信号が含む情報を用いて判定する。また、条件A3の成立は、例えば、操舵角信号が含む情報を用いて判定する。また、条件A4の成立は、例えば、現在シフト位置信号が含む情報を用いて判定する。
最終停車位置算出部74は、例えば、以下の条件B1〜B3のうち、少なくともB1が成立した時点で自車両MVが存在する位置を、図6中に示すように、既設定駐車領域PA内で予め設定した停車位置を示す最終停車位置PEとして算出する。
B1.自車両MV全体が既設定駐車領域PA内に収容されて停車する。
B2.B1の停車位置で、現在操舵角が中立角または略中立角(例えば、ステアリングホイール26の遊び分を含む角度)である。
B3.シフト位置が後退走行位置(「R」)から駐停車位置(「P」)へ変更されている。
なお、条件B1の成立は、例えば、車速演算値信号、俯瞰画像信号、自己位置信号が含む情報を用いて判定する。また、条件B2の成立は、例えば、操舵角信号が含む情報を用いて判定する。また、条件B3の成立は、例えば、現在シフト位置信号が含む情報を用いて判定する。
以上説明したように、図形位置記憶処理部54は、周囲画像撮像部2が撮像した画像から過去の駐車時における自車両MVの位置を抽出する。そして、後退開始位置PS及び最終停車位置PEを、図形位置記憶部56に記憶させる。
さらに、図形位置記憶処理部54は、既設定駐車領域PAへの過去の駐車時に自車両MVを走行させた複数箇所の位置として、後退開始位置PS及び最終停車位置PEを、図形位置記憶部56に記憶させる。
また、図形位置記憶処理部54は、後退開始位置PS及び最終停車位置PEを算出する際に、自車両MVの後退走行において、上述した条件A3、B2の成立を検出する。したがって、図形位置記憶処理部54は、既設定駐車領域PAへの過去の駐車時に自車両MVを後退させて停車させた既設定駐車領域PA内の位置として、図形位置記憶部56に最終停車位置PEを記憶させる。
すなわち、図形位置記憶処理部54は、後退開始位置PS及び最終停車位置PEを算出する際に、自車両MVの後退走行において、切り返し操作を必要としない条件の成立を検出する。
(図形位置記憶部56が複数箇所の位置を記憶する処理)
図1から図6を参照しつつ、図7を用いて、図形位置記憶部56が後退開始位置PS及び最終停車位置PEを記憶する処理について説明する。
図7中に示すように、図形位置記憶部56は、後退開始位置PS及び最終停車位置PEに対応するデータとして、それぞれの位置のX座標、Y座標、傾斜角θを記憶する。
なお、本実施形態では、一例として、図形位置記憶部56が、周囲画像撮像部2が撮像した画像を用いて、過去の駐車時における複数箇所の自車両MVの位置を記憶する場合について説明する。これは、例えば、図形位置記憶処理部54が算出した複数箇所の位置を、周囲画像撮像部2が撮像した画像と関連付けて記憶する場合である。
X座標は、自車両MVの中心点の、予め設定した位置を基準点とした俯瞰におけるX方向の座標である。なお、本実施形態では、X座標の基準点として、既設定駐車領域PAの中心点を設定する場合について説明する。また、本実施形態では、X方向として、既設定駐車領域PAの入り口から奥行き方向に延在する直線と直交する方向を設定する場合について説明する。
Y座標は、自車両MVの中心点の、予め設定した位置を基準点とした俯瞰におけるY方向の座標である。なお、本実施形態では、Y座標の基準点として、X座標の基準点と同様、既設定駐車領域PAの中心点を設定する場合について説明する。また、本実施形態では、Y方向として、既設定駐車領域PAの入り口から奥行き方向に延在する直線の延在方向を設定する場合について説明する。
傾斜角θは、既設定駐車領域PAの入り口から奥行き方向に延在する直線に対する、自車両MVの中心点から車両前後方向に延在する直線の、俯瞰における傾斜角度である。なお、本実施形態では、既設定駐車領域PAの入り口から奥行き方向に延在する直線として、既設定駐車領域PAの中心点を通過する、既設定駐車領域PAの入り口から奥行き方向に延在する直線を設定する場合について説明する。
以上により、最終停車位置PEは、X座標、Y座標、傾斜角θの全てが「0」となる。
すなわち、図形位置記憶部56は、自車両MVの座標と、自車両MVの車両前後方向に延在する直線と既設定駐車領域PAの入り口から奥行き方向に延在する直線との角度を用いて、過去の駐車時における複数箇所の自車両MVの位置を記憶する。したがって、図形位置記憶部56は、自車両MVの座標と、自車両MVの車両前後方向に延在する直線と既設定駐車領域PAの入り口から奥行き方向に延在する直線との角度を、過去の駐車時における複数箇所の自車両MVの位置として記憶する。
なお、図形位置記憶部56が複数箇所の位置を記憶する処理では、常に最新の位置(最新の駐車時に記憶した位置)のみを記憶する処理を行ってもよく、また、既に記憶している位置を、最新の位置で補正して更新した位置を記憶してもよい。さらに、既に記憶している複数の位置と最新の位置を全て用いて、平均値となる位置を記憶してもよい。
ここで、既に記憶している位置を最新の位置で補正して更新した位置を記憶する場合には、既に記憶している位置と最新の位置との途中位置を算出し、この算出した途中位置を、更新した位置として記憶する。これは、例えば、既に記憶している後退開始位置PSのX座標と、最新の駐車時に記憶した後退開始位置PSのX座標が異なる場合、両者の中間点のX座標を算出し、算出した途中位置のX座標を、更新した後退開始位置PSのX座標として記憶する。
本実施形態では、図形位置記憶部56が複数箇所の位置を記憶する処理の一例として、既に記憶している位置を、最新の駐車時に記憶した位置で補正して更新した位置を記憶する処理とした場合について説明する。
(駐車情報記憶部58の詳細な構成)
図1から図7を参照しつつ、図8を用いて、駐車情報記憶部58の詳細な構成について説明する。
図8中に示すように、駐車情報記憶部58は、駐車時走行軌跡記憶部76と、駐車時操作記憶部78と、駐車時周囲状況記憶部80を備える。
駐車時走行軌跡記憶部76は、上述した操舵角信号、現在シフト位置信号、俯瞰画像信号、図形表示算出位置信号、自車位置信号を用いる。そして、駐車時における自車両MVの走行状態として、後退開始位置PSから最終停車位置PEまでの走行軌跡(旋回しながらの後退走行における走行軌跡)と、後退開始位置PSから最終停車位置PEまでの後退走行における旋回方向を記憶する。すなわち、駐車時走行軌跡記憶部76は、駐車時における自車両MVの走行状態として、後退中の走行軌跡と旋回方向を記憶している。
駐車時操作記憶部78は、上述した車速演算値信号、操舵角信号、現在シフト位置信号、俯瞰画像信号、図形表示算出位置信号、自車位置信号を用いる。そして、駐車時に運転者が行った、後退開始位置PSから最終停車位置PEまでの後退中の運転操作(旋回しながらの後退走行における運転操作)として、操舵操作及び加減速操作を記憶する。すなわち、駐車時操作記憶部78は、駐車時における運転者の運転操作として、後退中の操舵操作と加減速操作を記憶している。
駐車時周囲状況記憶部80は、駐車時に最終停車位置PEへ移動して停車した自車両MV周囲の状況として、隣接する駐車領域に停車している他車両OVの有無と、自車両MVと駐車枠線PLとの相対位置を記憶する。すなわち、駐車時周囲状況記憶部80は、駐車領域に停車した自車両MVの周囲状況として、自車両MVを駐車した駐車領域と隣接する駐車領域における他車両OVの存在を記憶している。これに加え、駐車時周囲状況記憶部80は、自車両MVを最終停車位置PEへ停車した状態における、自車両MVと駐車枠線PLとの相対位置を記憶している。
なお、本実施形態では、一例として、駐車時周囲状況記憶部80の構成を、駐車領域に停車した自車両MVの、過去の駐車時における周囲状況を記憶する構成とした場合について説明する。
(目標軌道算出部60が目標軌道を算出する処理)
図1から図8を参照しつつ、図9を用いて、目標軌道算出部60が目標軌道を算出する処理について説明する。
図9中に示すように、目標軌道算出部60は、自己位置検出部48が検出した自車両MVの現在位置と、図形位置記憶部56が記憶している後退開始位置PS及び最終停車位置PEから、現在の駐車時における自車両MVの目標軌道を算出する。
現在の駐車時における自車両MVの目標軌道は、目標中心軌道TCLと、運転者操舵許容範囲SAEと、二列の上限反力付与軌道LOを含む。
目標中心軌道TCLは、後退開始位置PSから、切り返し操作を行わずに最終停車位置PEまで自車両MVを旋回させながら後退させる軌道であり、自車両MVの予め設定した位置が、後退開始位置PSから最終停車位置PEまで連続する線である。
なお、本実施形態では、一例として、自車両MVの予め設定した位置を、自車両MVの右後輪WRRと左後輪WRLとの中間点とする場合について説明する。すなわち、目標中心軌道TCLは、後退開始位置PSから最終停車位置PEまで後退する自車両MVの車幅方向中心点の移動軌跡である。
また、本実施形態では、一例として、目標中心軌道TCLを、駐車時走行軌跡記憶部76が記憶している走行軌跡、すなわち、駐車時における後退中の走行軌跡から算出する場合について説明する。これは、過去の複数回の駐車時における後退中の走行軌跡を取得し、平均値となる走行軌跡を算出し、この算出した平均値となる走行軌跡を、目標中心軌道TCLとする処理を行う場合である。
運転者操舵許容範囲SAEは、目標中心軌道TCLから、自車両MVの車幅方向外側(車幅方向左右両側)へ広がる領域を示す範囲である。すなわち、運転者操舵許容範囲SAEの幅は、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAまで後退する自車両MVの車幅よりも広い。なお、図9中には、運転者操舵許容範囲SAEの車幅方向右側の境界線(右側境界線)を、符号「SAR」で示す。同様に、図9中には、運転者操舵許容範囲SAEの車幅方向左側の境界線(左側境界線)を、符号「SAL」で示す。
運転者操舵許容範囲SAEの算出は、以下に示す処理SA1〜SA5のうち、少なくとも一つを選択して行う。
処理SA1.駐車時操作記憶部78が記憶している操舵操作、すなわち、駐車時における後退中の操舵操作に応じて、運転者操舵許容範囲SAEの幅を設定する処理。
具体的には、駐車時操作記憶部78が記憶している操舵操作のばらつきが大きいほど、運転者操舵許容範囲SAEの幅が広がり、操舵操作のばらつきが小さいほど、運転者操舵許容範囲SAEの幅を狭くする処理。
ここで、操舵操作のばらつきは、まず、過去の複数回の駐車時における後退中の操舵操作を取得し、複数回の操舵操作における操舵角及び操舵速度の変化を検出する。そして、操舵角及び操舵速度の変化が一定の範囲内である場合を、操舵操作のばらつきが小さいと判定し、操舵角及び操舵速度の変化が一定の範囲を超える変化度合いである場合を、操舵操作のばらつきが大きいと判定する。
なお、操舵角及び操舵速度の変化と比較する一定の範囲は、例えば、複数回の操舵操作における操舵角及び操舵速度の平均的な変化度合いから設定する。
処理SA2.現在位置から既設定駐車領域PAまで後退する自車両MVが、障害物検出部46が検出した障害物と重ならない範囲で、運転者操舵許容範囲SAEの幅を変化させる処理。
具体的には、右側境界線SAR及び左側境界線SALを、他車両OV等の障害物と重ならない位置まで、目標中心軌道TCLに近づける処理。
処理SA3.自車両MVの操舵状態及び加減速状態から予測した走行軌跡が既設定駐車領域PA内へ到達するように、運転者操舵許容範囲SAEの幅を変化させる処理。
具体的には、自車両MVの現在の操舵角及び操舵速度と、自車両MVの現在の車速から、自車両MVの現在位置から最終停車位置PEの車幅方向に延在する領域に移動すると予測した自車両MVの位置まで連続する線を、走行軌跡として予測する。そして、予測した走行軌跡が最終停車位置PE内へ到達しない場合、右側境界線SAR及び左側境界線SALのうち走行軌跡に近い境界線を、目標中心軌道TCLに近づけて、走行軌跡を最終停車位置PE内へ到達させる処理。
処理SA4.自車両MVが、最小旋回半径による旋回を含む後退により最終停車位置PE内へ到達するように、運転者操舵許容範囲SAEの幅を変化させる処理。
具体的には、予め、自車両MVの最小旋回半径を記憶しておく。さらに、運転者の制動操作により最小旋回半径から変化した旋回半径による旋回を含む後退により、自車両MVの現在位置から最終停車位置PEの車幅方向に延在する領域に移動すると予測した走行軌跡が最終停車位置PE内へ到達するか否かを判定する。そして、予測した走行軌跡が右側境界線SAR及び左側境界線SALよりも目標中心軌道TCLから遠い位置である場合、予測した走行軌跡の位置を、右側境界線SAR及び左側境界線SALの位置とする処理。
処理SA5.運転者による連続的な操舵操作及び連続的な制動操作のうち少なくとも一方を含む後退により、最終停車位置PE内へ到達するように、運転者操舵許容範囲SAEの幅を変化させる処理。
具体的には、運転者による連続的な操舵操作及び連続的な制動操作のうち少なくとも一方を含む後退により、自車両MVの現在位置から最終停車位置PEの車幅方向に延在する領域に移動すると予測した走行軌跡が最終停車位置PE内へ到達するか否かを判定する。そして、予測した走行軌跡が右側境界線SAR及び左側境界線SALよりも目標中心軌道TCLから遠い位置である場合、予測した走行軌跡の位置を、右側境界線SAR及び左側境界線SALの位置とする処理。
ここで、運転者による連続的な操舵操作とは、操舵角及び操舵速度の変化度合いが連続的な変化度合いである操舵操作である。また、運転者による連続的な制動操作とは、運転者によるブレーキペダル(図示せず)の操作量が連続的に変化している制動操作である。
また、目標軌道算出部60は、既設定駐車領域PAから後退開始位置PSへ向かうにつれて運転者操舵許容範囲SAEの幅が広がるように、目標軌道を算出する。
さらに、目標軌道算出部60は、運転者操舵許容範囲SAEの幅を、後退開始位置PSから最終停車位置PEまで、自車両MVが後退のみで移動可能な幅とする。
ここで、「後退開始位置PSから最終停車位置PEまで、自車両MVが後退のみで移動可能」とは、後退開始位置PSから最終停車位置PEまで、自車両MVの走行方向を前進へ切り替えずに、後退のみで移動可能であることを示す。
したがって、自車両MVが運転者操舵許容範囲SAEよりも外側の領域へ移動すると、最終停車位置PEまで移動するためには、自車両MVは、走行方向を後退から前進へ切り替える操作を行う必要がある。
すなわち、運転者操舵許容範囲SAEよりも外側の領域は、図9中に示すように、最終停車位置PEまで移動するために、自車両MVの走行方向を前進へ切り替える必要がある領域である走行方向切り替え必要領域NEとなる。
二列の上限反力付与軌道LOは、運転者操舵許容範囲SAEよりも目標中心軌道TCLから遠く、目標中心軌道TCLに沿った線状の軌道であり、重畳画像中に設定した仮想壁VWの壁面を形成する。
すなわち、二列の上限反力付与軌道LOは、共に、運転者操舵許容範囲SAEの外側で目標軌道に沿って延在する。
なお、図9中には、車幅方向右側の上限反力付与軌道LO(右側上限軌道)を、符号「LOR」で示す。同様に、図9中には、車幅方向左側の上限反力付与軌道LO(左側上限軌道)を、符号「LOL」で示す。また、図9中には、車幅方向右側の仮想壁VW(右側仮想壁)を、符号「VWR」で示す。同様に、図9中には、車幅方向左側の仮想壁VW(左側仮想壁)を、符号「VWL」で示す。
上限反力付与軌道LOの算出は、以下に示す処理LO1〜LO4のうち、少なくとも一つを選択して行う。
処理LO1.自車両MVと、障害物検出部46が検出した障害物との間に、上限反力付与軌道LOを配置する処理。
具体的には、後退する自車両MVの車幅方向左側に他車両OV等の障害物を検出すると、左側上限軌道LOLの位置を、自車両MVと障害物検出部46が検出した障害物との間に設定する処理。同様に、後退する自車両MVの車幅方向右側に他車両OV等の障害物を検出すると、右側上限軌道LORの位置を、自車両MVと障害物検出部46が検出した障害物との間に設定する処理。
処理LO2.駐車時操作記憶部78が記憶している運転操作、すなわち、駐車時における後退中の運転操作に応じて、上限反力付与軌道LOの位置を変化させる処理。
具体的には、駐車時操作記憶部78が記憶している運転操作のばらつきが大きいほど、上限反力付与軌道LOの位置を運転者操舵許容範囲SAEへ近づける処理。これに加え、運転操作のばらつきが小さいほど、上限反力付与軌道LOの位置を運転者操舵許容範囲SAEから遠くする処理。
ここで、運転操作のばらつきは、まず、過去の複数回の駐車時における後退中の運転操作(操舵操作及び加減速操作のうち少なくとも一方)を取得する。
そして、操舵操作を用いて処理LO2を行う場合は、複数回の操舵操作における操舵角及び操舵速度の変化を検出する。さらに、操舵角及び操舵速度の変化が一定の範囲内である場合を、運転操作のばらつきが小さいと判定し、操舵角及び操舵速度の変化が一定の範囲を超える変化度合いである場合を、運転操作のばらつきが大きいと判定する。なお、操舵角及び操舵速度の変化と比較する一定の範囲は、例えば、複数回の操舵操作における操舵角及び操舵速度の平均的な変化度合いから設定する。
また、加減速操作を用いて処理LO2を行う場合は、複数回の加減速操作における加減速度の変化を検出する。さらに、加減速度の変化が一定の範囲内である場合を、運転操作のばらつきが小さいと判定し、加減速度の変化が一定の範囲を超える変化度合いである場合を、運転操作のばらつきが大きいと判定する。なお、加減速度の変化と比較する一定の範囲は、例えば、複数回の加減速操作における加減速度の平均的な変化度合いから設定する。
処理LO3.駐車時操作記憶部78が記憶している操舵操作のばらつきが大きいほど、上限反力付与軌道LOの位置を運転者操舵許容範囲SAEへ近づける処理。なお、操舵操作のばらつきは、上述した処理LO2と同様に判定する。
処理LO4.駐車時走行軌跡記憶部76が記憶している後退中の走行軌跡及び旋回方向と、駐車時周囲状況記憶部80が記憶している自車両MV周囲の状況と、現在の駐車時に障害物検出部46が検出した障害物を用いて、上限反力付与軌道LOの位置を変化させる処理。
具体的には、過去の駐車時における自車両MVの走行軌跡と、隣接する駐車領域に停車していた他車両OVの有無と、自車両MVと駐車枠線PLとの相対位置から、他車両OVの有無と走行軌跡との関係を検出する。
そして、現在の駐車時に、隣接する駐車領域に障害物を検出しない場合、上限反力付与軌道LOの位置を、駐車枠線PLよりも目標中心軌道TCL側へ近づける処理を行う。この処理は、例えば、過去の駐車時に、隣接する駐車領域に他車両OVが存在していない場合に、駐車枠線PL上を通過しない走行軌跡で後退する関係を検出すると行う。
以上により、目標軌道算出部60は、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAまで後退する自車両MVの目標軌道を、目標中心軌道TCLと、運転者操舵許容範囲SAEと、二列の上限反力付与軌道LOを含んで算出する。
また、目標軌道算出部60は、二列の上限反力付与軌道LO間の幅を、後退開始位置PSから既設定駐車領域PA内まで、自車両MVが後退のみで移動可能な幅とする。
ここで、「後退開始位置PSから既設定駐車領域PA内まで、自車両MVが後退のみで移動可能」とは、後退開始位置PSから既設定駐車領域PA内まで、自車両MVの走行方向を前進へ切り替えずに、後退のみで移動可能であることを示す。
(操舵反力制御部62が行う処理)
図1から図9を参照しつつ、図10を用いて、操舵反力制御部62が行う処理について説明する。
操舵反力制御部62は、入力を受けた各種の情報信号を用い、現在の駐車時に、自車両MVの現在位置と、目標軌道算出部60が算出した目標軌道から、操舵反力を制御する。
具体的には、既設定駐車領域PAへの後退中に自己位置検出部48が検出した自車両MVの現在位置が、目標軌道算出部60が算出した運転者操舵許容範囲SAE内である状態では、反力モータ駆動電流を含む情報信号の出力を停止する。
一方、既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの現在位置が運転者操舵許容範囲SAEから逸脱した位置となると、自車両MVの現在位置を、運転者操舵許容範囲SAE内へ復帰させるように、反力モータ駆動電流を演算する。そして、演算した反力モータ駆動電流を含む情報信号を、操舵反力モータ18に出力する。
すなわち、操舵反力制御部62は、自車両MVの位置が運転者操舵許容範囲SAE内では、操舵反力を発生させない。
これに加え、既設定駐車領域PAへの後退中に自車両MVが運転者操舵許容範囲SAEから逸脱すると、自車両MVの位置の運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を促す操舵反力を発生させるように、操舵反力を制御する。
また、操舵反力制御部62は、既設定駐車領域PAへの後退中に自車両MVが運転者操舵許容範囲SAEから逸脱すると、自車両MVの車幅方向中心点が目標中心軌道TCLから離れるほど、操舵反力を増加させるように、反力モータ駆動電流を演算する。
具体的には、図10中に示すように、自車両MVの車幅方向中心点の位置が、運転者操舵許容範囲SAE内の状態では、操舵反力を「0」として、操舵反力の付与を停止する。なお、図10中には、自車両MVの車幅方向中心点の位置を、自車両MVの車幅方向中心点の、目標中心軌道TCLからの距離として、「TCLからの距離」と示す。
そして、自車両MVが運転者操舵許容範囲SAEから逸脱し、自車両MVの車体が、右側境界線SAR及び左側境界線SALよりも目標中心軌道TCLから遠い位置となると、反力モータ駆動電流を演算して、操舵反力を発生させる。なお、図10中では、説明のために、右側境界線SAR及び左側境界線SALの位置と、自車両MVの車幅方向中心点の位置との関係を、自車両MVの車幅方向中心を自車両MVの側面と同じ位置へ仮想的に設定した状態で示す。
すなわち、操舵反力制御部62は、既設定駐車領域PAへの後退中に自車両MVが運転者操舵許容範囲SAEから逸脱すると、自車両MVの運転者操舵許容範囲SAEからの逸脱量が大きいほど、運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を促す操舵反力を増加させる。
さらに、操舵反力制御部62は、自車両MVが上限反力付与軌道LOに近づくほど、操舵反力を増加させ、自車両MVが上限反力付与軌道LOに達すると、運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を促す操舵反力を、最大値まで増加させる。なお、図10中では、説明のために、左側上限軌道LOL及び右側上限軌道LORの位置と、自車両MVの車幅方向中心点の位置との関係を、自車両MVの車幅方向中心を自車両MVの側面と同じ位置へ仮想的に設定した状態で示す。
なお、本実施形態では、一例として、操舵反力制御部62が、駐車時操作記憶部78が記憶している運転操作のばらつきが大きいほど、運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を促す操舵反力を増加させる処理を行う場合について説明する。なお、運転操作のばらつきは、上述した処理LO2と同様に判定する。
また、操舵反力制御部62は、既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの現在位置が運転者操舵許容範囲SAEから逸脱した位置となると、自車両MVの車幅方向中心点と目標中心軌道TCLとの距離を算出する。そして、算出した自車両MVの車幅方向中心点と目標中心軌道TCLとの距離から、情報呈示装置が備えるスピーカから出力するブザー音等の音を含む情報信号である音声出力指令信号を生成する。さらに、生成した音声出力指令信号を、ナビゲーション装置16に出力する。
なお、音声出力指令信号は、自車両MVの車幅方向中心点と目標中心軌道TCLとの距離が短いほど、情報呈示装置が備えるスピーカから出力するブザー音等の音量が大きくなるように生成する。
(ペダル反力制御部64が行う処理)
図1から図10を参照して、ペダル反力制御部64が行う処理について説明する。
ペダル反力制御部64は、入力を受けた各種の情報信号を用い、現在の駐車時に、自車両MVの現在位置と、目標軌道算出部60が算出した目標軌道から、ペダル反力を制御する。
具体的には、既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの現在位置が、運転者操舵許容範囲SAE内である状態では、アクセルペダル30へ付与する反力の演算を停止し、ペダル反力アクチュエータ24へのペダル反力指令信号の出力を停止する。
一方、既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの現在位置が運転者操舵許容範囲SAEから逸脱した位置となると、自車両MVの現在位置を、運転者操舵許容範囲SAE内へ復帰させるように、アクセルペダル30へ付与する反力を算出する。そして、算出した反力を含むペダル反力指令信号を、ペダル反力アクチュエータ24に出力する。
すなわち、ペダル反力制御部64は、自車両MVの位置が運転者操舵許容範囲SAE内では、ペダル反力を発生させない。一方、既設定駐車領域PAへの後退中に自車両MVが運転者操舵許容範囲SAEから逸脱すると、自車両MVの位置の運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を促すペダル反力を発生させるように、ペダル反力を制御する。
(提示図形生成部66が複数箇所の位置を示す図形を生成する処理)
図1から図10を参照しつつ、図11を用いて、提示図形生成部66が複数箇所の位置を示す図形を生成する処理について説明する。
図11中に示すように、提示図形生成部66は、後退開始位置PS及び最終停車位置PEを示す図形(後退開始位置図形DS及び最終停車位置図形DE)を、図形位置記憶部56が記憶した位置に応じて生成する。これに加え、提示図形生成部66は、左側上限軌道LOL及び右側上限軌道LORを示す図形(左側上限軌道図形DLOL及び右側上限軌道図形DLOR)を、目標軌道算出部60が算出した左側上限軌道LOL及び右側上限軌道LORの位置に応じて生成する。
後退開始位置図形DSは、後退開始位置PSを示す図形であり、後退開始位置PSに存在する自車両MVの全長及び全幅よりも大きな四角形で生成する。具体的には、後退開始位置PSに存在する自車両MVの全長及び全幅と同じ大きさの長方形よりも、車両前後方向前方への長さが長く、且つ、車幅方向右側への長さが車両前後方向前方へ向かうにつれて長くなる台形として生成する。これは、後退開始位置PSから最終停車位置PEへ自車両MVを後退させる際には、自車両MVの位置が後退開始位置PSから逸脱している場合であっても、後退中の操舵による補正で自車両MVを最終停車位置PEへ移動させる余裕代が大きいためである。
なお、後退開始位置図形DSの、後退開始位置PSに存在する自車両MVの全長及び全幅と同じ大きさの長方形よりも大きな部分は、例えば、後退開始位置PSを複数回に亘って記憶した履歴を用い、履歴が含む位置のばらつきを包含する形状として形成する。
最終停車位置図形DEは、最終停車位置PEを示す図形であり、最終停車位置PEに存在する自車両MVの全長及び全幅と同じ大きさの四角形で生成する。
以上により、後退開始位置図形DS及び最終停車位置図形DEは、俯瞰画像中における自車両MVの全長及び全幅に応じた大きさの四角形とする。また、後退開始位置図形DSは、俯瞰画像中における自車両MVの全長及び全幅と同じ大きさの四角形よりも大きな四角形とする。さらに、本実施形態では、俯瞰画像中における自車両MVの全長及び全幅と同じ大きさの四角形よりも大きな四角形を、俯瞰画像中における自車両MVの全長及び全幅と同じ大きさの四角形よりも車両前後方向前側の辺が長い台形とする。
左側上限軌道図形DLOLは、左側上限軌道LOLを示す図形であり、左側上限軌道LOLと同一形状の曲線で生成する。
右側上限軌道図形DLORは、右側上限軌道LORを示す図形であり、右側上限軌道LORと同一形状の曲線で生成する。
以上により、提示図形生成部66は、上限反力付与軌道LOを示す上限反力付与軌道図形DLOを生成する。
(重畳画像生成部68が重畳画像を生成する処理)
図1から図11を参照しつつ、図12及び図13を用いて、重畳画像生成部68が重畳画像を生成する処理について説明する。
自車両MVが駐車支援を開始する位置に達すると、図12中に示すように、重畳画像生成部68は、俯瞰画像に、提示図形生成部66が生成した後退開始位置図形DS及び最終停車位置図形DEを重畳させた重畳画像を生成する。そして、重畳画像生成部68が生成した重畳画像が、情報呈示装置の表示画面に表示される。
ここで、俯瞰画像は、自車両MVの周囲の画像であるため、提示図形生成部66が生成した図形のうち、俯瞰画像が含む自車両MVの周囲よりも遠い範囲の部分は、重畳画像に重畳されない。したがって、図12中では、提示図形生成部66が生成した最終停車位置図形DEの一部が、俯瞰画像に重畳されて表示されている。
そして、重畳画像中で自車両MVを示す図形が後退開始位置図形DS内へ移動すると、図13中に示すように、重畳画像生成部68は、俯瞰画像に、最終停車位置図形DEを重畳させた重畳画像を生成する。これに加え、重畳画像生成部68は、俯瞰画像に、左側上限軌道図形DLOL及び右側上限軌道図形DLORを重畳させた重畳画像を生成する。そして、重畳画像生成部68が生成した重畳画像が、情報呈示装置の表示画面に表示される。
なお、特に図示しないが、重畳画像中で自車両MVを示す図形が最終停車位置図形DE内へ移動すると、重畳画像生成部68は、重畳画像の表示を終了する。
(動作)
次に、図1から図13を参照しつつ、図14を用いて、本実施形態の駐車支援装置1を用いて行なう動作の一例を説明する。
図14中に示すように、駐車支援装置1を用いて行なう動作を開始(START)すると、まず、ステップS200において、自車両MVの現在位置が、駐車支援を開始する位置に達しているか否かを判定する処理(図中に示す「駐車支援の開始設定位置」)を行う。なお、ステップS200の処理は、駐車支援システム設定状態信号が含む現在の設定が、駐車支援を行う設定であると判定した場合に行う(上述したステップS102を参照)。
ステップS200において、自車両MVの現在位置が駐車支援を開始する位置に達している(図中に示す「Yes」)と判定した場合、駐車支援装置1を用いて行なう動作は、ステップS202へ移行する。
一方、ステップS200において、自車両MVの現在位置が駐車支援を開始する位置に達していない(図中に示す「No」)と判定した場合、駐車支援装置1を用いて行なう動作は、ステップS200へ復帰する。
ステップS202では、重畳画像生成部68により、提示図形生成部66が生成した後退開始位置図形DS及び最終停車位置図形DEを俯瞰画像に重畳させた重畳画像を表示する処理(図中に示す「位置図形を重畳させた重畳画像を表示」)を行う。ステップS202において、後退開始位置図形DS及び最終停車位置図形DEを俯瞰画像に重畳させた重畳画像を表示する処理を行うと、駐車支援装置1を用いて行なう動作は、ステップS204へ移行する。
ステップS204では、自車両MVのシフト位置が「D」から「R」へ変化しているか否かを判定する処理(図中に示す「D→R」)を行う。すなわち、ステップS204では、運転者がシフト位置を前進走行位置から後退走行位置へ切り替えたか否かを判定する。
ステップS204において、自車両MVのシフト位置が「D」から「R」へ変化している(図中に示す「Yes」)と判定した場合、駐車支援装置1を用いて行なう動作は、ステップS206へ移行する。
一方、ステップS204において、自車両MVのシフト位置が「D」から「R」へ変化していない(図中に示す「No」)と判定した場合、駐車支援装置1を用いて行なう動作は、ステップS204へ復帰する。
ステップS206では、目標軌道算出部60により、目標中心軌道TCLと、運転者操舵許容範囲SAEと、上限反力付与軌道LOを含む目標軌道を算出する処理(図中に示す「目標軌道を算出」)を行う。ステップS206において、目標軌道を算出する処理を行うと、駐車支援装置1を用いて行なう動作は、ステップS208へ移行する。
ステップS208では、重畳画像生成部68により、最終停車位置図形DEと、左側上限軌道図形DLOL及び右側上限軌道図形DLORを俯瞰画像に重畳させた重畳画像を表示する処理(図中に示す「位置図形及び軌道図形を重畳させた重畳画像を表示」)を行う。ステップS208において、最終停車位置図形DEと、左側上限軌道図形DLOL及び右側上限軌道図形DLORを俯瞰画像に重畳させた重畳画像を表示する処理を行うと、駐車支援装置1を用いて行なう動作は、ステップS210へ移行する。
ステップS210では、操舵反力制御部62により、自車両MVの現在位置が運転者操舵許容範囲SAE内であるか否かを判定する処理(図中に示す「自車位置が運転者操舵許容範囲内」)を行う。
ステップS210において、自車両MVの現在位置が運転者操舵許容範囲SAE内である(図中に示す「Yes」)と判定した場合、駐車支援装置1を用いて行なう動作は、ステップS212へ移行する。
一方、ステップS210において、自車両MVの現在位置が運転者操舵許容範囲SAEから逸脱している(図中に示す「No」)と判定した場合、駐車支援装置1を用いて行なう動作は、ステップS214へ移行する。
ステップS212では、操舵反力制御部62により、反力モータ駆動電流の演算を停止する処理を行い、操舵反力の付与を停止する処理(図中に示す「操舵反力の付与を停止」)を行う。ステップS212において、操舵反力の付与を停止する処理を行うと、駐車支援装置1を用いて行なう動作は、ステップS218へ移行する。
ステップS214では、操舵反力制御部62により、自車両MVの車幅方向中心点と目標中心軌道TCLとの距離を算出する処理(図中に示す「目標中心軌道からの距離を算出」)を行う。ステップS214において、自車両MVの車幅方向中心点と目標中心軌道TCLとの距離を算出する処理を行うと、駐車支援装置1を用いて行なう動作は、ステップS216へ移行する。
ステップS216では、操舵反力制御部62により、ステップS214で算出した距離が長いほど、操舵反力を増加させるように、反力モータ駆動電流を演算する処理(図中に示す「距離に応じて操舵反力を増加」)を行う。これに加え、ステップS216では、演算した反力モータ駆動電流を含む情報信号を、操舵反力モータ18に出力する処理を行う。すなわち、ステップS216では、すなわち、自車両MVが上限反力付与軌道LOに近づくほど、操舵反力を増加させる処理を行う。ステップS216において、自車両MVが上限反力付与軌道LOに近づくほど、操舵反力を増加させる処理を行うと、駐車支援装置1を用いて行なう動作は、ステップS218へ移行する。
ステップS218では、自車両MVのシフト位置が「R」から「P」へ変化しているか否かを判定する処理(図中に示す「R→P」)を行う。すなわち、ステップS218では、自車両MVの既設定駐車領域PAへの駐車が終了したか否かを判定する。
ステップS218において、自車両MVのシフト位置が「R」から「P」へ変化している(図中に示す「Yes」)と判定した場合、駐車支援装置1を用いて行なう動作を終了(END)する。
一方、ステップS218において、自車両MVのシフト位置が「R」から「P」へ変化していない(図中に示す「No」)と判定した場合、駐車支援装置1を用いて行なう動作は、ステップS210へ復帰する。
なお、上述したナビゲーション装置16、重畳画像生成部68は、重畳画像表示部に対応する。
また、上述した図形位置記憶部56は、最終停車位置記憶部に対応する。
また、上述した操舵反力モータ18は、操舵反力付与部に対応する。
また、上述したペダル反力アクチュエータ24は、ペダル反力付与部に対応する。
また、上述したように、本実施形態の駐車支援装置1の動作で実施する駐車支援方法では、運転者操舵許容範囲SAEを含んで、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAまで後退する自車両MVの目標軌道を算出する。そして、自車両MVの位置が運転者操舵許容範囲SAE内では操舵反力を発生させない。一方、既設定駐車領域PAへの後退中に自車両MVが運転者操舵許容範囲SAEから逸脱すると、自車両MVの位置の運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を促す操舵反力を発生させるように、操舵反力を制御する。
(第一実施形態の効果)
本実施形態の駐車支援装置1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)目標軌道算出部60が、運転者操舵許容範囲SAEを含んで、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAまで後退する自車両MVの目標軌道を算出する。これに加え、操舵反力制御部62が、自車両MVの位置が運転者操舵許容範囲SAE内では操舵反力を発生させない。一方、既設定駐車領域PAへの後退中に自車両MVが運転者操舵許容範囲SAEから逸脱すると、自車両MVの位置の運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を促す操舵反力を発生させるように、操舵反力を制御する。
このため、現在位置から最終停車位置PEへの後退中に、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAE内である状態では、ステアリングホイール26へ操舵反力が付与されない。
その結果、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAE内である状態では、運転者の、自分で運転している感覚が阻害されることなく、既設定駐車領域PAに対する自車両MVの走行経路に応じて、操舵反力を適切に発生させることが可能となる。
また、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAEから逸脱すると、自車両MVの、既設定駐車領域PAへ後退させる走行経路への復帰を促すことが可能となる。これにより、運転者に対し、既設定駐車領域PAへ自車両MVを停車させる操舵操作を、運転者に促すことが可能となる。
(2)目標軌道算出部60が、既設定駐車領域PAから後退開始位置PSへ向かうにつれて運転者操舵許容範囲SAEの幅が広がるように、目標軌道を算出する。
このため、運転者操舵許容範囲SAEの形状を、後退開始位置PSから最終停車位置PEへ自車両MVを後退させる際の、後退中の操舵による補正で自車両MVを最終停車位置PEへ移動させる余裕代を反映した形状とすることが可能となる。
その結果、後退開始位置PSに近い位置ほど、運転者操舵許容範囲SAEの幅を広くして、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAE内である状態でステアリングホイール26へ操舵反力が付与されない範囲を、拡大させることが可能となる。
(3)目標軌道算出部60が、運転者操舵許容範囲SAEの幅を、後退開始位置PSから既設定駐車領域PA内の最終停車位置PEまで自車両MVが後退のみで移動可能な幅として、目標軌道を算出する。
その結果、既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの走行経路を運転者操舵許容範囲SAE内に維持することにより、自車両MVの走行方向を前進へ切り替えずに、後退のみで、自車両MVを最終停車位置PEへ移動させることが可能となる。
(4)図形位置記憶処理部54が、既設定駐車領域PAへの過去の駐車時に自車両MVを走行させた位置として、最終停車位置PEを、図形位置記憶部56に記憶させる。
このため、既設定駐車領域PAへの過去の駐車時に自車両MVを後退させて停車させた既設定駐車領域PA内の位置として、最終停車位置PEを示すデータを記憶することが可能となる。
その結果、既設定駐車領域PAへの過去の駐車時に自車両MVを走行させた位置を示すデータを記憶することにより、駐車支援を行うことが可能となるため、過去の駐車時における状況を反映させた駐車支援を、現在の駐車時に行うことが可能となる。
これにより、運転者の運転技量や好みに適合した目標軌道を算出することが可能となるため、駐車支援装置1が行う駐車支援により運転者が不快感を受ける可能性を、低減させることが可能となる。
(5)操舵反力制御部62が、自車両MVの運転者操舵許容範囲SAEからの逸脱量が大きいほど、運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を促す操舵反力を増加させる。
このため、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAEから逸脱しても、逸脱量に応じた操舵反力を、ステアリングホイール26へ付与することが可能となる。
その結果、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAへの後退中に自車両MVが運転者操舵許容範囲SAEから逸脱しても、自車両MVの位置の運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を、逸脱量に応じて促すことが可能となる。
(6)目標軌道が、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAまで後退する自車両MVの車幅方向中心点の移動軌跡である目標中心軌道TCLを含む。これに加え、運転者操舵許容範囲SAEが、目標中心軌道TCLから車幅方向外側へ広がる範囲である。
このため、運転者操舵許容範囲SAEの幅を、目標中心軌道TCLを中心とした幅として設定することが可能となる。
その結果、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAまで、自車両MVの車幅よりも広い幅の運転者操舵許容範囲SAEを、自車両MVの車幅方向両側よりも広い範囲として連続させて算出することが可能となる。
(7)目標軌道算出部60が、駐車時走行軌跡記憶部76が記憶している、過去の駐車時における後退中の走行軌跡から、目標中心軌道TCLを算出する。
このため、過去の駐車時に自車両MVを既設定駐車領域PAへ後退させた走行軌跡の平均値等を用いて、目標中心軌道TCLを算出することが可能となる。
その結果、運転者の特性に適合した目標中心軌道TCLを算出することが可能となるため、運転者の特性に適合した目標軌道を算出することが可能となる。
(8)操舵反力制御部62が、駐車時操作記憶部78が記憶している運転操作のばらつきが大きいほど、運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を促す操舵反力を増加させる。
このため、過去の駐車時に自車両MVを既設定駐車領域PAへ後退させた運転者の運転技量に応じて、運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を促す操舵反力を増加させることが可能となる。
その結果、過去の駐車時に自車両MVを既設定駐車領域PAへ後退させた運転者の運転技量に応じ、運転者の運転技量に適合した駐車支援を行うことが可能となる。
(9)目標軌道算出部60が、駐車時操作記憶部78が記憶している操舵操作のばらつきが大きいほど運転者操舵許容範囲SAEの幅が広がり、操舵操作のばらつきが小さいほど運転者操舵許容範囲SAEの幅が狭くなるように、目標軌道を算出する。
このため、過去の駐車時に自車両MVを既設定駐車領域PAへ後退させた運転者の運転技量が低いほど、運転者操舵許容範囲SAEの幅を狭くして、自車両MVの位置の運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を早期に促すことが可能となる。一方、過去の駐車時に自車両MVを既設定駐車領域PAへ後退させた運転者の運転技量が高いほど、運転者操舵許容範囲SAEの幅を広くして、ステアリングホイール26へ操舵反力が付与されない範囲を広くすることが可能となる。
その結果、過去の駐車時に自車両MVを既設定駐車領域PAへ後退させた運転者の運転技量に応じて、運転者操舵許容範囲SAEを算出することが可能となり、運転者の運転技量に適合した目標軌道を算出することが可能となる。
(10)目標軌道算出部60が、既設定駐車領域PAへ後退する自車両MVが、障害物検出部46が相対位置を検出した障害物と重ならない範囲で、運転者操舵許容範囲SAEを変化させて目標軌道を算出する。
このため、ステアリングホイール26へ操舵反力が付与されない範囲を、自車両MVが障害物と接触しない範囲とすることが可能となる。
その結果、駐車支援を適用可能な条件を拡大することが可能となる。
(11)目標軌道算出部60が、自車両MVの操舵状態及び加減速状態から予測した走行軌跡が既設定駐車領域PA内へ到達するように、運転者操舵許容範囲SAEの幅を変化させて目標軌道を算出する。
このため、自車両MVの現在の操舵状態及び加減速状態に適合した運転者操舵許容範囲SAEを算出することが可能となる。
その結果、駐車支援を適用可能な条件を拡大することが可能となる。
(12)目標軌道算出部60が、自車両MVが最小旋回半径による旋回を含む後退により既設定駐車領域PA内へ到達するように、運転者操舵許容範囲SAEの幅を変化させて目標軌道を算出する。
このため、例えば、運転者が、急ハンドルや急ブレーキ等、通常時には行わないような運転動作を行った場合に対応した、運転者操舵許容範囲SAEを算出することが可能となる。
その結果、駐車支援を適用可能な条件を拡大することが可能となる。
(13)目標軌道算出部60が、運転者による連続的な操舵操作及び連続的な制動操作のうち少なくとも一方を含む後退により自車両MVが既設定駐車領域PA内へ到達するように、運転者操舵許容範囲SAEの幅を変化させて目標軌道を算出する。
このため、例えば、運転者が円滑な操舵操作や制動操作を行った場合に対応した、運転者操舵許容範囲SAEを算出することが可能となる。
その結果、駐車支援を適用可能な条件を拡大することが可能となる。
(14)目標軌道算出部60が、運転者操舵許容範囲SAEの外側で目標軌道に沿って延在する二列の上限反力付与軌道LOを含んで、目標軌道を算出する。これに加え、二列の上限反力付与軌道間LOの幅を、後退開始位置PSから既設定駐車領域PA内まで自車両MVが後退のみで移動可能な幅とする。
その結果、既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAEから逸脱しても、自車両MVの位置を二列の上限反力付与軌道LO間に維持することにより、自車両MVを既設定駐車領域PAへ後退させることが可能となる。
(15)操舵反力制御部62が、自車両MVが上限反力付与軌道LOに達すると、運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を促す操舵反力を最大値まで増加させる。
このため、既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAEから逸脱しても、自車両MVの位置が上限反力付与軌道LOへ到達することを抑制することが可能となる。
その結果、既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAEから逸脱しても、自車両MVの位置が、運転者操舵許容範囲SAEからさらに離れることを、抑制することが可能となる。
(16)目標軌道算出部60が、自車両MVと障害物検出部46が相対位置を検出した障害物との間に上限反力付与軌道LOを配置して、目標軌道を算出する。
このため、自車両MVと障害物検出部46が相対位置を検出した障害物との間に、操舵反力を最大値とする境界線を形成することが可能となる。
その結果、自車両MVが障害物へ近づくほど、ステアリングホイール26へ付与する操舵反力を増加させることが可能となり、自車両MVと障害物が接触する可能性を低減させることが可能となる。
(17)目標軌道算出部60が、駐車時操作記憶部78が記憶している運転操作のばらつきが大きいほど、上限反力付与軌道LOの位置を運転者操舵許容範囲SAEへ近づけるように、目標軌道を算出する。
このため、過去の駐車時に自車両MVを既設定駐車領域PAへ後退させた運転者の運転技量が低いほど、上限反力付与軌道LOと運転者操舵許容範囲SAEとの距離を短くする。これにより、ステアリングホイール26へ最大値の操舵反力が付与される位置を近くすることが可能となる。
その結果、過去の駐車時に自車両MVを運転者操舵許容範囲SAEへ後退させた運転者の運転技量に応じて、上限反力付与軌道LOを算出することが可能となり、運転者の運転技量に適合した目標軌道を算出することが可能となる。
(18)目標軌道算出部60が、駐車時操作記憶部78が記憶している操舵操作のばらつきが大きいほど、上限反力付与軌道LOの位置を運転者操舵許容範囲SAEへ近づけるように、目標軌道を算出する。
このため、過去の駐車時に自車両MVを既設定駐車領域PAへ後退させた運転者の操舵技量が低いほど、上限反力付与軌道LOと運転者操舵許容範囲SAEとの距離を短くする。これにより、ステアリングホイール26へ最大値の操舵反力が付与される位置を近くすることが可能となる。
その結果、過去の駐車時に自車両MVを既設定駐車領域PAへ後退させた運転者の操舵技量に応じて、上限反力付与軌道LOを算出することが可能となり、運転者の操舵技量に適合した目標軌道を算出することが可能となる。
(19)既設定駐車領域PAへの現在の駐車時に、提示図形生成部66が生成した上限反力付与軌道図形DLOを俯瞰画像に重畳させた重畳画像を、ナビゲーション装置16が備える情報呈示装置に表示する。
このため、運転者が、上限反力付与軌道図形DLOから、駐車に適切な移動軌跡をイメージすることが可能となる。
その結果、軌跡上を辿るように自車両MVを移動させる場合と比較して、操舵操作の余裕度を向上させることが可能となり、駐車時に運転者が受ける運転負荷を減少させることが可能となる。さらに、軌跡上を辿るように自車両MVを移動させる場合と比較して、自車両MVの運転者による表示の注視を抑制することが可能となり、自車両MV周囲への注意力低下を抑制して、自車両MV周囲の安全確認を容易とすることが可能となる。
(20)ペダル反力制御部64が、自車両MVの位置が運転者操舵許容範囲SAE内ではペダル反力を発生させない。一方、既設定駐車領域PAへの後退中に自車両MVが運転者操舵許容範囲SAEから逸脱すると、自車両MVの位置の運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を促すペダル反力を発生させるように、ペダル反力を制御する。
このため、既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAE内である状態では、アクセルペダル30へペダル反力が付与されない。
その結果、既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAE内である状態では、運転者の、自分で運転している感覚が阻害されることを防止することが可能となる。
また、既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAEから逸脱すると、自車両MVの、既設定駐車領域PAへ後退させる走行経路への復帰を促すことが可能となる。これにより、運転者に対し、既設定駐車領域PAへ自車両MVを停車させる減速操作を促すことが可能となる。
(21)本実施形態の駐車支援装置1の動作で実施する駐車支援方法では、運転者操舵許容範囲SAEを含んで、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAまで後退する自車両MVの目標軌道を算出する。そして、自車両MVの位置が運転者操舵許容範囲SAE内では操舵反力を発生させない。一方、既設定駐車領域PAへの後退中に自車両MVが運転者操舵許容範囲SAEから逸脱すると、自車両MVの位置の運転者操舵許容範囲SAE内への復帰を促す操舵反力を発生させるように、操舵反力を制御する。
このため、現在位置から最終停車位置PEへの後退中に、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAE内である状態では、ステアリングホイール26へ操舵反力が付与されない。
その結果、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAE内である状態では、運転者の、自分で運転している感覚が阻害されることなく、既設定駐車領域PAに対する自車両MVの走行経路に応じて、操舵反力を適切に発生させることが可能となる。
また、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAへの後退中に、自車両MVの走行経路が運転者操舵許容範囲SAEから逸脱すると、自車両MVの、既設定駐車領域PAへ後退させる走行経路への復帰を促すことが可能となる。これにより、運転者に対し、既設定駐車領域PAへ自車両MVを停車させる操舵操作を、運転者に促すことが可能となる。
(変形例)
(1)本実施形態では、図形位置記憶処理部54が、既設定駐車領域PAへの過去の駐車時に自車両MVを後退させて停車させた既設定駐車領域PA内の位置として、最終停車位置PEを図形位置記憶部56に記憶させたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、予め設定していない駐車領域(自車両MVが初めて駐車する駐車領域)を対象として、タッチパネルの操作等により上述した各位置を設定可能なプログラムを用いて、最終停車位置PEを図形位置記憶部56に記憶させてもよい。この場合、自車両MVが初めて駐車する駐車領域を含む周辺地域のマップを用いることにより、過去に自車両MVが走行していない場所に存在する駐車領域への駐車時に、本実施形態の駐車支援装置1を適用することが可能となる。また、自車両MVが初めて駐車する駐車領域を含む周辺地域のマップは、例えば、基地局から路車間通信で取得してもよく、また、他車両から車車間通信で取得してもよい。
(2)本実施形態では、重畳画像を、ナビゲーション装置16が備える情報呈示装置に表示したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head−Up Display)等、車室内に重畳画像を映写可能な映写機(投影機)を備え、この映写機から、自車両MVのフロントウインドウに重畳画像を映写してもよい。また、重畳画像を表示するための専用のディスプレイを、ナビゲーション装置16が備える情報呈示装置とは別個に車室内へ配置してもよい。
(3)本実施形態では、図形位置記憶処理部54が、例えば、図6中に示すように、自車両MVが、後退開始位置PSから既設定駐車領域PAへ向けて後退走行のみで駐車を行う際の、二箇所の位置を算出する場合について説明したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、道路の幅が狭い場合等、切り返し操作を行う場合には、既設定駐車領域PAへ向けての後退走行から前進走行へ切り替える位置を算出し、その位置を示す図形を重畳画像に重畳させてもよい。この場合、切り返し後の自車両MVが後退開始位置PSまで前進走行で移動可能な位置に到達した時点で、後退開始位置図形DSを重畳させた重畳画像の表示を開始してもよい。
(4)本実施形態では、提示図形生成部66が生成する後退開始位置図形DSを、自車両MVの全長及び全幅よりも大きな四角形としたが、これに限定するものではない。すなわち、後退開始位置図形DSを、俯瞰画像中における自車両MVの全長及び全幅と同じ大きさの四角形としてもよい。要は、後退開始位置図形DSは、俯瞰画像中における自車両MVの全長及び全幅に応じた大きさの四角形とすればよい。
この場合、後退開始位置図形DSを、自車両MVが理想的な移動経路を後退するための位置に応じた図形とすることが可能となる。また、提示図形生成部66が後退開始位置図形DSを生成する処理の演算負荷を低減させることが可能となる。
(5)本実施形態では、提示図形生成部66が、後退開始位置図形DSとして四角形の図形を生成したが、これに限定するものではない。すなわち、提示図形生成部66の構成を、例えば、後退開始位置図形DSとして、自車両MVの車両前後方向前側が開口したコの字型の図形を生成する構成としてもよい。
この場合、後退開始位置図形DSの、自車両MVの車両前後方向両側の端部のうち、既設定駐車領域PAへ向けての後退を開始する位置として重要な、自車両MVの車両前後方向後側の端部のみを表示することとなる。このため、後退開始位置図形DSの自車両MVの車両前後方向前側の端部が表示されず、自車両MVを、駐車支援を開始する位置から前進させて後退開始位置図形DSへ移動させる際に、運転者が受ける運転負荷を減少させることが可能となる。
また、提示図形生成部66の構成を、例えば、後退開始位置図形DSとして自車両MVの車両前後方向後側の端部を示す直線のみの図形を生成する構成としてもよい。
1…駐車支援装置、2…周囲画像撮像部(カメラ)、4…周囲障害物検出部(ソナー)、6…車輪速センサ、8…操舵角センサ、10…シフトポジションセンサ、12…駐車支援システム起動スイッチ、14…ドライバ認証部、16…ナビゲーション装置、18…操舵反力モータ、20…駐車支援コントローラ、22…ペダル開度センサ、24…ペダル反力アクチュエータ、26…ステアリングホイール、28…ステアリングシャフト、30…アクセルペダル、32…周囲環境認識情報演算部、34…自車両車速演算部、36…操舵角演算部、38…シフトポジション演算部、40…俯瞰画像生成部、42…駐車枠検出部、44…相対距離検出部、46…障害物検出部、48…自己位置検出部、50…駐車支援用マップ生成部、52…駐車支援制御実施判定部、54…図形位置記憶処理部、56…図形位置記憶部、58…駐車情報記憶部、60…目標軌道算出部、62…操舵反力制御部、64…ペダル反力制御部、66…提示図形生成部、68…重畳画像生成部、70…画像レイアウト設定部、72…後退開始位置算出部、74…最終停車位置算出部、76…駐車時走行軌跡記憶部、78…駐車時操作記憶部、80…駐車時周囲状況記憶部、MV…自車両、W…車輪、PA…既設定駐車領域、OV…他車両、PS…後退開始位置、PE…最終停車位置、DS…後退開始位置図形、DE…最終停車位置図形、TCL…目標中心軌道、PL…駐車枠線、NE…走行方向切り替え必要領域

Claims (21)

  1. 運転者が操作する操舵操作子に操舵反力を付与する操舵反力付与部と、
    前記操舵反力付与部が付与する操舵反力を制御する操舵反力制御部と、
    自車両が駐車領域へ向けて後退を開始する後退開始位置から前記自車両を停車させる駐車領域まで後退する自車両の目標軌道を、前記後退開始位置から前記駐車領域まで後退する前記自車両の車幅よりも広い幅の運転者操舵許容範囲を含んで算出する目標軌道算出部と、を備え、
    前記操舵反力制御部は、前記自車両の位置が前記運転者操舵許容範囲内では前記操舵反力を発生させず、前記駐車領域への後退中に前記自車両が前記運転者操舵許容範囲から逸脱すると、前記自車両の位置の前記運転者操舵許容範囲内への復帰を促す前記操舵反力を発生させるように、前記操舵反力を制御することを特徴とする駐車支援装置。
  2. 前記目標軌道算出部は、前記駐車領域から前記後退開始位置へ向かうにつれて前記運転者操舵許容範囲の幅が広がるように前記目標軌道を算出することを特徴とする請求項1に記載した駐車支援装置。
  3. 前記目標軌道算出部は、前記運転者操舵許容範囲の幅を、前記後退開始位置から前記駐車領域内の最終停車位置まで前記自車両が後退のみで移動可能な幅として前記目標軌道を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載した駐車支援装置。
  4. 前記最終停車位置を前記駐車領域と対応付けて記憶している最終停車位置記憶部と、
    前記最終停車位置記憶部に前記最終停車位置を記憶させる図形位置記憶処理部と、を備え、
    前記図形位置記憶処理部は、前記駐車領域への過去の駐車時に前記自車両を後退させて停車させた前記駐車領域内の位置として、前記最終停車位置を記憶させることを特徴とする請求項3に記載した駐車支援装置。
  5. 前記操舵反力制御部は、前記自車両の前記運転者操舵許容範囲からの逸脱量が大きいほど、前記復帰を促す操舵反力を増加させることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した駐車支援装置。
  6. 前記目標軌道は、前記後退開始位置から前記駐車領域まで後退する前記自車両の車幅方向中心点の移動軌跡である目標中心軌道を含み、
    前記運転者操舵許容範囲は、前記目標中心軌道から前記車幅方向外側へ広がる範囲であることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載した駐車支援装置。
  7. 後退中の前記自車両の走行軌跡を記憶している駐車時走行軌跡記憶部を備え、
    前記目標軌道算出部は、前記駐車時走行軌跡記憶部が記憶している走行軌跡から、前記目標中心軌道を算出することを請求項6に記載した駐車支援装置。
  8. 後退中の運転操作として操舵操作及び加減速操作のうち少なくとも一方を記憶している駐車時操作記憶部を備え、
    前記操舵反力制御部は、前記駐車時操作記憶部が記憶している運転操作のばらつきが大きいほど、前記復帰を促す操舵反力を増加させることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載した駐車支援装置。
  9. 後退中の運転操作として操舵操作を記憶している駐車時操作記憶部を備え、
    前記目標軌道算出部は、前記駐車時操作記憶部が記憶している操舵操作のばらつきが大きいほど前記運転者操舵許容範囲の幅が広がり、前記記憶している操舵操作のばらつきが小さいほど前記運転者操舵許容範囲の幅が狭くなるように前記目標軌道を算出することを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載した駐車支援装置。
  10. 前記自車両と障害物との相対位置を検出する障害物検出部を備え、
    前記目標軌道算出部は、前記後退開始位置から前記駐車領域まで後退する前記自車両が前記相対位置を検出した障害物と重ならない範囲で前記運転者操舵許容範囲の幅を変化させて前記目標軌道を算出することを特徴とする請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載した駐車支援装置。
  11. 前記目標軌道算出部は、前記自車両の操舵状態及び加減速状態から予測した走行軌跡が前記駐車領域内へ到達するように前記運転者操舵許容範囲の幅を変化させて前記目標軌道を算出することを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載した駐車支援装置。
  12. 前記目標軌道算出部は、前記自車両が最小旋回半径の旋回を含む後退により前記駐車領域内へ到達するように前記運転者操舵許容範囲の幅を変化させて前記目標軌道を算出することを特徴とする請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載した駐車支援装置。
  13. 前記目標軌道算出部は、前記運転者による連続的な操舵操作及び連続的な制動操作のうち少なくとも一方を含む後退により前記駐車領域内へ到達するように前記運転者操舵許容範囲の幅を変化させて前記目標軌道を算出することを特徴とする請求項1から請求項12のうちいずれか1項に記載した駐車支援装置。
  14. 前記目標軌道算出部は、前記運転者操舵許容範囲の外側で前記目標軌道に沿って延在する二列の上限反力付与軌道を含んで目標軌道を算出し、
    前記二列の上限反力付与軌道間の幅を、前記後退開始位置から前記駐車領域内まで前記自車両が後退のみで移動可能な幅とすることを特徴とする請求項1から請求項13のうちいずれか1項に記載した駐車支援装置。
  15. 前記操舵反力制御部は、前記自車両が前記上限反力付与軌道に達すると、前記復帰を促す操舵反力を最大値まで増加させることを特徴とする請求項14に記載した駐車支援装置。
  16. 前記自車両と障害物との相対位置を検出する障害物検出部を備え、
    前記目標軌道算出部は、前記自車両と前記障害物との間に前記上限反力付与軌道を配置して前記目標軌道を算出することを特徴とする請求項14または請求項15に記載した駐車支援装置。
  17. 後退中の運転操作として操舵操作及び加減速操作のうち少なくとも一方を記憶している駐車時操作記憶部を備え、
    前記目標軌道算出部は、前記駐車時操作記憶部が記憶している運転操作のばらつきが大きいほど、前記上限反力付与軌道の位置を前記運転者操舵許容範囲へ近づけ、前記記憶している運転操作のばらつきが小さいほど、前記上限反力付与軌道の位置を前記運転者操舵許容範囲から遠くするように前記目標軌道を算出することを特徴とする請求項14から請求項16のうちいずれか1項に記載した駐車支援装置。
  18. 後退中の運転操作として操舵操作を記憶している駐車時操作記憶部を備え、
    前記目標軌道算出部は、前記駐車時操作記憶部が記憶している操舵操作のばらつきが大きいほど、前記上限反力付与軌道の位置を前記運転者操舵許容範囲へ近づけるように前記目標軌道を算出することを特徴とする請求項14から請求項17のうちいずれか1項に記載した駐車支援装置。
  19. 自車両周囲の路面を含む画像を撮像する周囲画像撮像部と、
    前記撮像した画像に前記自車両を示す図形を含む俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成部と、
    前記上限反力付与軌道を示す上限反力付与軌道図形を生成する提示図形生成部と、
    前記駐車領域への現在の駐車時に、前記俯瞰画像に前記生成した上限反力付与軌道図形を重畳させた重畳画像を表示する重畳画像表示部と、を備えることを特徴とする請求項14から請求項18のうちいずれか1項に記載した駐車支援装置。
  20. 運転者が踏み込み操作するアクセルペダルに運転者の踏み込み操作に対する戻し方向へのペダル反力を付与するペダル反力付与部と、
    前記ペダル反力付与部が付与するペダル反力を制御するペダル反力制御部と、を備え、
    前記ペダル反力制御部は、前記自車両の位置が前記運転者操舵許容範囲内では前記ペダル反力を発生させず、前記後退開始位置から前記駐車領域への後退中に前記自車両が前記運転者操舵許容範囲から逸脱すると、前記自車両の位置の前記運転者操舵許容範囲内への復帰を促す前記ペダル反力を発生させるように、前記ペダル反力を制御することを特徴とする請求項1から請求項19のうちいずれか1項に記載した駐車支援装置。
  21. 自車両が駐車領域へ向けて後退を開始する後退開始位置から前記自車両を停車させる駐車領域まで後退する自車両の車幅よりも広い幅の運転者操舵許容範囲を含んで、前記後退開始位置から前記駐車領域まで後退する前記自車両の目標軌道を算出し、
    前記自車両の位置が前記運転者操舵許容範囲内では運転者が操作する操舵操作子へ付与する操舵反力を発生させず、前記駐車領域への後退中に前記自車両が前記運転者操舵許容範囲から逸脱すると、前記自車両の位置の前記運転者操舵許容範囲内への復帰を促す前記操舵反力を発生させるように、前記操舵反力を制御することを特徴とする駐車支援方法。
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