JP2015212531A - 内燃機関およびそれを備えた鞍乗型車両 - Google Patents

内燃機関およびそれを備えた鞍乗型車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2015212531A
JP2015212531A JP2014095700A JP2014095700A JP2015212531A JP 2015212531 A JP2015212531 A JP 2015212531A JP 2014095700 A JP2014095700 A JP 2014095700A JP 2014095700 A JP2014095700 A JP 2014095700A JP 2015212531 A JP2015212531 A JP 2015212531A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crank web
hole
peripheral edge
recess
crank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014095700A
Other languages
English (en)
Inventor
辰也 高橋
Tatsuya Takahashi
辰也 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP2014095700A priority Critical patent/JP2015212531A/ja
Priority to TW104109015A priority patent/TWI596285B/zh
Priority to ES15164483.8T priority patent/ES2604987T3/es
Priority to EP15164483.8A priority patent/EP2942536B1/en
Priority to BR102015010339-5A priority patent/BR102015010339B1/pt
Priority to CN201510227466.XA priority patent/CN105090231B/zh
Publication of JP2015212531A publication Critical patent/JP2015212531A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C3/00Shafts; Axles; Cranks; Eccentrics
    • F16C3/04Crankshafts, eccentric-shafts; Cranks, eccentrics
    • F16C3/06Crankshafts
    • F16C3/10Crankshafts assembled of several parts, e.g. by welding by crimping
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C3/00Shafts; Axles; Cranks; Eccentrics
    • F16C3/04Crankshafts, eccentric-shafts; Cranks, eccentrics
    • F16C3/20Shape of crankshafts or eccentric-shafts having regard to balancing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2360/00Engines or pumps
    • F16C2360/22Internal combustion engines

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

【課題】クランクピンを圧入した後に延伸軸が傾きにくいクランク軸を有する内燃機関を提供する。
【解決手段】クランク軸は、第1クランクウェブ31と、第1クランクウェブ31から突出した第1延伸軸37とを備える。第1クランクウェブ31は、クランクピンが圧入される第1の孔43を有する。第1クランクウェブ31の左面41は、第1の孔43の周縁に位置する第1内周縁部41Bと、第1内周縁部41Bよりも凹んだ第1凹部41Cとを有する。第1凹部41Cの上端は第1の孔43の下端よりも上方に位置し、第1凹部41Cの下端は第1の孔43の下端43bよりも下方に位置する。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関およびそれを備えた鞍乗型車両に関する。
例えば特許文献1および2に開示されているように、往復運動するピストンと、ピストンに接続されたコンロッドと、コンロッドに接続されたクランク軸とを備える内燃機関が知られている。クランク軸は、ピストンの移動方向に対して垂直な方向に延びる延伸軸と、コンロッドの大端部に摺動自在に接続されるクランクピンと、延伸軸とクランクピンとをつなぐクランクアームとを備える。ピストンの往復運動に伴う内燃機関の振動を低減するために、クランクアームにはバランスウェイトが一体的に形成されている。一体化されたクランクアームおよびバランスウェイトは、クランクウェブと呼ばれる。クランクピンの中心は延伸軸の中心から偏心している。延伸軸の軸方向から見て、延伸軸の中心は、クランクピンの中心とバランスウェイトとの間に位置している。
クランクピンとクランクウェブとが別体の内燃機関が知られている。この種の内燃機関では、クランクウェブにクランクピン用の孔が形成されている。クランクピンは、上記孔に圧入されることにより、クランクウェブに固定される。
ところが、クランクピンをクランクウェブの孔に圧入した後、クランクウェブに応力が発生し、クランクウェブが若干反り返ることが知られている。クランクウェブが反り返ると、延伸軸が傾いてしまう。従来は、内燃機関の製造過程において、クランクピンを圧入した後、延伸軸の傾きを矯正していた。
特開2002−5236号公報 特開2009−228731号公報
従来は、クランクピン圧入後の延伸軸の傾きが大きかったため、延伸軸の傾きを矯正する作業に多くの時間と手間がかかっていた。しかし、クランクピン圧入後の延伸軸の傾きを抑制することができれば、矯正作業に必要な時間および手間を少なくすることができ、あるいは、矯正作業を省くことができる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、クランクピンを圧入した後に延伸軸が傾きにくいクランク軸を有する内燃機関およびそれを備えた鞍乗型車両を提供することである。
本発明に係る内燃機関は、往復運動するピストンと、前記ピストンに接続されたコンロッドと、前記コンロッドに接続されたクランク軸と、を備える。前記クランク軸は、第1の面と、前記第1の面と反対の第2の面と、前記第1の面から前記第2の面に至る第1の孔と、を有する第1クランクウェブと、前記第1の面における前記第1クランクウェブの回転中心から突出した第1延伸軸と、前記第1の孔に圧入され、前記第1クランクウェブの前記第2の面から突出し、前記コンロッドに接続されたクランクピンと、を備える。前記第1クランクウェブの前記第1の面は、前記第1の孔の周縁に位置する第1内周縁部と、前記第1内周縁部よりも凹んだ第1凹部と、を有する。前記第1クランクウェブの前記第2の面は、前記第1クランクウェブの前記回転中心に対して前記第1の孔と反対の方に設けられ、前記第2の面から突出する第1バランスウェイト部を有する。前記第1クランクウェブの前記回転中心に対して前記第1の孔が位置する方を上方、前記第1クランクウェブの前記回転中心に対して前記第1バランスウェイト部が位置する方を下方としたときに、前記第1凹部の上端は前記第1の孔の下端よりも上方に位置し、前記第1凹部の下端は前記第1の孔の下端よりも下方に位置する。
クランクピンが第1クランクウェブの第1の孔に圧入された後、第1クランクウェブには、前記第1の孔の径方向外向きの応力が発生する。ここで、第1の孔の周りの部分のうち剛性の高い部分が軸方向の端に位置すると、上記応力が第1クランクウェブにおいて偏って発生する傾向があり、第1クランクウェブが反り返るおそれがある。その結果、第1延伸軸が傾くおそれがある。しかし、上記内燃機関によれば、第1クランクウェブの第1の面および第2の面のうち、第1バランスウェイト部が設けられた第2の面と反対の第1の面に、第1凹部が設けられている。第1凹部は第1の孔の横に設けられている。これにより、第1クランクウェブのうち第1の孔の周りの部分であってかつ剛性の高い部分は、第1クランクウェブの軸方向の中間付近に位置することになる。その結果、クランクピンの圧入によって応力が発生しても、その応力は主に上記部分、すなわち、剛性が高くかつ軸方向の中間付近の部分に発生する。よって、第1クランクウェブにおける応力が偏りにくいので、第1クランクウェブの反り返りが抑えられ、第1延伸軸の傾きを抑制することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記第1クランクウェブの前記回転中心と前記第1の孔の中心とを通る断面と平行な断面において、前記第1凹部の下端は、前記第1バランスウェイト部の上端と同じ高さに位置する。
このことにより、第1バランスウエイト部の大きさを確保しながら、第1凹部の寸法を大きくすることができる。よって、内燃機関の振動を十分に低減させながら、第1クランクウェブの反り返りおよび第1延伸軸の傾きを抑制することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第1凹部の上端は、前記第1の孔の中心よりも上方に位置する。
このことにより、第1凹部の寸法を大きくすることができる。よって、第1クランクウェブの反り返りおよび第1延伸軸の傾きを更に抑制することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第1クランクウェブの前記第2の面は、前記第1の孔の周縁に位置する第2内周縁部と、前記第1の面の前記第1凹部の裏側に位置し、前記第2内周縁部よりも凹んだ第2凹部と、を有する。前記第1クランクウェブの軸方向の中間位置は、前記第1凹部と前記第2凹部との間に位置している。
上記態様において、第1クランクウェブのうち第1の孔の周りの部分であってかつ剛性の高い部分は、第1凹部と第2凹部との間の部分である。上記態様によれば、第1クランクウェブのうち第1の孔の周りの部分であってかつ剛性の高い部分は、第1クランクウェブの軸方向の中間に位置する。そのため、クランクピンの圧入による第1クランクウェブの反り返りおよび第1延伸軸の傾きを、より一層抑制することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第1クランクウェブの前記第1の面は、前記第1クランクウェブの外周縁に位置する第1外周縁部を有する。前記第1内周縁部は、前記第1外周縁部よりも凹んでいる。
このことにより、第1クランクウェブの剛性を高めることができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記クランク軸は、第3の面と、前記第3の面と反対の第4の面と、前記第3の面から前記第4の面に至る第2の孔と、を有し、前記第4の面が前記第1クランクウェブの前記第2の面と対向するように配置された第2クランクウェブと、前記第3の面における前記第2クランクウェブの回転中心から突出した第2延伸軸と、を備える。前記クランクピンは、前記第2の孔に圧入され、前記第2クランクウェブの前記第4の面から突出している。前記第2クランクウェブの前記第3の面は、前記第2クランクウェブの外周縁に位置する第2外周縁部と、前記第2の孔の周縁に位置しかつ前記第2外周縁部よりも凹んだ第3内周縁部と、前記第3内周縁部よりも凹んだ第3凹部と、を有する。前記第2クランクウェブの前記第4の面は、前記第2クランクウェブの前記回転中心に対して前記第2の孔と反対の方に設けられ、前記第4の面から突出する第2バランスウェイト部を有する。前記第2クランクウェブの前記第2外周縁部の径方向の内方に、環状のフィルタが備えられている。前記第3凹部の上端は前記第2の孔の下端よりも上方に位置し、前記第3凹部の下端は前記第2の孔の下端よりも下方に位置する。
上記態様によれば、第1クランクウェブと同様、フィルタが設けられた第2クランクウェブにおいても、クランクピンの圧入による反り返りを抑制することができる。よって、第2延伸軸の傾きを抑制することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第2クランクウェブの前記回転中心と前記第2の孔の中心とを通る断面と平行な断面において、前記第2バランスウェイト部の上端は、前記第1バランスウェイト部の上端よりも上方に位置する。
上記態様によれば、第2クランクウェブにフィルタが設けられているが、第1クランクウェブおよび第2クランクウェブのバランスを十分にとることができる。よって、クランク軸の回転に伴う内燃機関の振動を十分に低減させることができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第2クランクウェブの前記第4の面は、前記第2の孔の周縁に位置する第4内周縁部と、前記第3の面の前記第3凹部の裏側に位置し、前記第4内周縁部よりも凹んだ第4凹部と、を有する。前記第2クランクウェブの軸方向の中間位置は、前記第3凹部と前記第4凹部との間に位置している。
上記態様において、第2クランクウェブのうち第2の孔の周りの部分であってかつ剛性の高い部分は、第3凹部と第4凹部との間の部分である。上記態様によれば、第2クランクウェブのうち第2の孔の周りの部分であってかつ剛性の高い部分は、第2クランクウェブの軸方向の中間に位置する。そのため、クランクピンの圧入による第2クランクウェブの反り返りおよび第2延伸軸の傾きを、より一層抑制することができる。
本発明に係る鞍乗型車両は、前記内燃機関を備えた鞍乗型車両である。
このことにより、前述の効果を奏する鞍乗型車両を得ることができる。
本発明によれば、クランクピンを圧入した後に延伸軸が傾きにくいクランク軸を有する内燃機関およびそれを備えた鞍乗型車両を提供することができる。
自動二輪車の側面図である。 図1のII−II線に沿ったエンジンの部分断面図である。 第1クランク軸部材および第2クランク軸部材の断面図である。 第1クランク軸部材および第2クランク軸部材の斜視図である。 第1クランク軸部材を左方から見た図である。 第1クランク軸部材を右方から見た図である。 第2クランク軸部材を右方から見た図である。 第2クランク軸部材を左方から見た図である。 エンジンのオイル通路を説明する図である。 第1クランクウェブおよび第2クランクウェブの反り返りによる第1延伸軸および第2延伸軸の傾きを模式的に示す図である。 第1クランクウェブの図5のS1−S1線断面図である。 第1クランクウェブの比較例についての図11相当図である。 本発明の実施形態に係る第1クランクウェブと上記比較例とについて、クランクピンの圧入による反り返りおよび第1延伸軸の傾きを表す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る鞍乗型車両は、スクータ型の自動二輪車1である。ただし、鞍乗型車両は、乗員が跨って乗車する任意の車両を意味する。鞍乗型車両は、スクータ型の自動二輪車1に限られない。鞍乗型車両は、他の型式の自動二輪車であってもよい。また、鞍乗型車両は自動二輪車に限定されない。鞍乗型車両は、2つの車輪を備える車両に限らず、車体を傾けることによって進行方向を変える型式の三輪車等であってもよい。本実施形態に係る内燃機関は鞍乗型車両に搭載されているが、本実施形態に係る内燃機関が搭載される車両は鞍乗型車両に限定されない。
以下の説明において、後述するクランク軸17の説明以外では、前、後、左、右、上、下は、シート7に着座する自動二輪車1の乗員(図示せず)から見た前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。上、下は、自動二輪車1が水平面上に静止しているときの鉛直方向の上、下をそれぞれ意味するものとする。図面に付した符号F、Re、L、Rは、それぞれ前、後、左、右を表す。
自動二輪車1は、車両本体2と、前輪3と、後輪4と、後輪4を駆動するエンジンユニット5とを備えている。車両本体2は、乗員によって操作されるハンドル6と、乗員が着座するシート7とを備えている。エンジンユニット5は、いわゆるユニットスイング式のエンジンユニットである。エンジンユニット5は、図示しない車体フレームに支持されており、ピボット軸8を中心として揺動可能である。エンジンユニット5は、車体フレームに揺動可能に支持されている。
図2は、エンジンユニット5の一部の図1のII−II線断面図である。図2に示すように、エンジンユニット5は、内燃機関(以下、単にエンジンという)10と、Vベルト式無段変速機(以下、CVTという)20とを備えている。本実施形態では、エンジン10とCVT20とが一体となってエンジンユニット5を構成している。しかし、エンジン10とCVT20とは別体であってもよい。エンジンユニット5の変速機は、CVT20に限られない。
エンジン10は、いわゆる単気筒エンジンである。エンジン10は単一の気筒を備えている。エンジン10は、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、および排気行程を順次繰り返す4ストロークエンジンである。エンジン10は、クランクケース11と、クランクケース11に接続されたシリンダブロック12と、シリンダブロック12に接続されたシリンダヘッド13と、シリンダヘッド13に接続されたシリンダヘッドカバー14とを備えている。シリンダブロック12の内部には、シリンダ15が形成されている。シリンダ15内には、ピストン18が摺動自在に収容されている。ピストン18は、シリンダ15内において往復運動する。ピストン18の上方には燃焼室19が形成されている。シリンダヘッド13には、燃焼室19に臨む点火装置22が取り付けられている。エンジン10は、クランク軸17と、クランク軸17とピストン18とを連結するコンロッド16とを備えている。コンロッド16は、小端部16aと大端部16bとを備えている。小端部16aはピストン18に摺動自在に接続され、大端部16bはクランク軸17に摺動自在に接続されている。
クランク軸17は、コンロッド16を介してピストン18から力を受け、回転する。クランク軸17はピストン18によって駆動される。クランク軸17は、ピストン18の往復運動に伴って回転する。クランク軸17は、第1クランクウェブ31と、第1延伸軸37と、第2クランクウェブ32と、第2延伸軸38と、クランクピン50とを備えている。
第1クランクウェブ31と第1延伸軸37とは、一体的に形成されている。以下、第1クランクウェブ31および第1延伸軸37を第1クランク軸部材17Aと称する。第1延伸軸37は、第1クランクウェブ31の左方に配置されている。第1延伸軸37は、第1クランクウェブ31の左方に配置された第1クランクジャーナル33と、第1クランクジャーナル33の左方に配置された第1出力軸部33Bと、第1出力軸部33Bの左方に配置された第2出力軸部35とを有している。第1出力軸部33Bの直径は第1クランクジャーナル33の直径よりも小さく、第2出力軸部35の直径は第1出力軸部33Bの直径よりも小さい。クランクケース11には、第1軸受51が設けられている。第1クランクジャーナル33は、第1軸受51に支持されている。言い換えると、第1クランクジャーナル33は、第1軸受51を介してクランクケース11に支持されている。第1出力軸部33Bには、スプロケット24が取り付けられている。スプロケット24には、カムチェーン25が巻かれている。第2出力軸部35には、CVT20の駆動プーリ21が取り付けられている。前述の通り、エンジンユニット5の変速機はCVT20に限られない。第2出力軸部35には、ドグクラッチ式の変速機が設けられていてもよい。
第2クランクウェブ32と第2延伸軸38とは、一体的に形成されている。以下、第2クランクウェブ32および第2延伸軸38を第2クランク軸部材17Bと称する。第2延伸軸38は、第2クランクウェブ32の右方に配置されている。第2延伸軸38は、第2クランクウェブ32の右方に配置された第2クランクジャーナル34と、第2クランクジャーナル34の右方に配置された第3出力軸部36とを有している。第3出力軸部36の直径は、第2クランクジャーナル34の直径よりも小さい。クランクケース11には、第2軸受52が設けられている。第2クランクジャーナル34は、第2軸受52に支持されている。第2クランクジャーナル34は、第2軸受52を介してクランクケース11に支持されている。第3出力軸部36には、発電機22および送風機23が取り付けられている。
図3はクランク軸17のうちクランクピン50以外の要素、すなわち第1クランク軸部材17Aおよび第2クランク軸部材17Bを示す断面図である。図4は、第1クランク軸部材17Aおよび第2クランク軸部材17Bを示す斜視図である。図4に示すように、第1クランクウェブ31は円盤状に形成されている。第1クランクウェブ31は、左面41と、右面42(図3参照)と、左面41から右面42に至る孔43とを備えている。孔43は貫通孔である。なお、左面41、右面42、孔43は、それぞれ「第1の面」、「第2の面」、「第1の孔」の一例である。
クランク軸17は回転するため、孔43の位置は変化する。本明細書では便宜上、クランク軸17の説明においては、第1クランクウェブ31の中心31cに対して孔43が位置する方を上方とする。図4のUp、Downは、それぞれ上方、下方を示す。
図5は、第1クランク軸部材17Aを左方から見た図である。第1延伸軸37は、第1クランクウェブ31の左面41の中心31cから左方に突出している。なお、本実施形態では、第1クランクウェブ31の中心31cは、第1クランクウェブ31の回転中心と一致する。
第1クランクウェブ31の左面41は、第1クランクウェブ31の外周縁に位置する外周縁部41Aと、孔43の周縁に位置する内周縁部41Bと、2つの凹部41Cとを有している。外周縁部41A、内周縁部41B、凹部41Cは、それぞれ「第1外周縁部」、「第1内周縁部」、「第1凹部」の一例である。
本実施形態では、外周縁部41Aの径方向の外方部分は傾斜面41ABとなっている。ただし、傾斜面41ABは必ずしも必要ではなく、省略してもよい。内周縁部41Bは外周縁部41Aよりも凹んでいる。各凹部41Cは、内周縁部41Bよりも凹んでいる。
第1クランクウェブ31の中心31cと孔43の中心43cとを結ぶ直線を、第1クランクウェブ31の中心線31CLと称することとする。中心線31CLは、2つの凹部41Cの間に位置している。2つの凹部41Cは、中心線31CLに対して互いに異なる方に配置されている。
各凹部41Cの上端41Ctは、孔43の下端43bよりも上方に位置する。ここでは、各凹部41Cの上端41Ctは、孔43の中心43cよりも上方に位置する。ただし、各凹部41Cの上端41Ctは、孔43の中心43cと同じ高さまたはそれよりも低い位置に位置していてもよい。各凹部41Cの下端41Cbは、孔43の下端43bよりも下方に位置する。2つの凹部41Cの形状または寸法は、異なっていてもよいし、同じでもよい。
図6は、第1クランク軸部材17Aを右方から見た図である。第1クランクウェブ31の右面42は、孔43の周縁に位置する内周縁部42Bと、内周縁部42Bよりも凹んだ2つの凹部42Cと、右方に突出するバランスウェイト部42Dとを備えている。なお、内周縁部42B、凹部42C、バランスウェイト部42Dは、それぞれ「第2内周縁部」、「第2凹部」、「第1バランスウェイト部」の一例である。
中心線31CLは、2つの凹部42Cの間に位置している。バランスウェイト部42Dは、第1クランクウェブ31の中心31cに対して、孔43と反対の方に位置している。バランスウェイト部42Dは、孔43よりも下方に配置されている。バランスウェイト部42Dの上縁44は、中心線31CLに対して傾斜している。ただし、バランスウェイト部42Dの上縁44は、中心線31CLに対して垂直であってもよい。
第1クランクウェブ31の右面42は、更に、内周縁部42Bの下方かつバランスウェイト部42Dの上方に位置する中央部42Eを備えている。中央部42Eは、バランスウェイト部42Dよりも凹んでおり、内周縁部42Bよりも凹んでいる。凹部42Cは中央部42Eよりも凹んでいる。
図5および図6において、S1−S1線に沿った断面は、第1クランクウェブ31の中心31cと孔43の中心43cとを通る断面(すなわち、中心線31CLを通る断面)と平行な断面である。以下、この断面を垂直断面と称する。垂直断面において、凹部41Cの下端41Csは、バランスウェイト部42Dの上端42Dsと同じ高さに位置する。第1クランクウェブ31を軸方向から見たときに、凹部41Cの下縁とバランスウェイト部42Dの上縁44とは、揃った位置にある。
図4に示すように、第2クランクウェブ32は円盤状に形成されている。第2クランクウェブ32の直径と第1クランクウェブ31の直径とは等しい。ただし、第2クランクウェブ32の直径と第1クランクウェブ31の直径とが異なっていてもよい。第2クランクウェブ32は、左面46と、右面45(図7参照)と、右面45から左面46に至る孔47とを備えている。孔47は貫通孔である。右面45、左面46、孔47は、それぞれ「第3の面」、「第4の面」、「第2の孔」の一例である。
図7は、第2クランク軸部材17Bを右方から見た図である。第2延伸軸38は、第2クランクウェブ32の右面45の中心32cから右方に突出している。なお、本実施形態では、第2クランクウェブ32の中心32cは、第2クランクウェブ32の回転中心と一致する。また、第2クランクウェブ32の中心32cは、第1クランクウェブ31の中心31cと一致する。
第2クランクウェブ32の右面45は、第2クランクウェブ32の外周縁に位置する外周縁部45Aと、孔47の周縁に位置する内周縁部45Bと、2つの凹部45Cとを備えている。外周縁部45A、内周縁部45B、凹部45Cは、それぞれ「第2外周縁部」、「第3内周縁部」、「第3凹部」の一例である。
本実施形態では、外周縁部45Aの径方向の外方部分は傾斜面45ABとなっている。ただし、傾斜面45ABは必ずしも必要ではなく、省略してもよい。内周縁部45Bは外周縁部45Aよりも凹んでいる。各凹部45Cは、内周縁部45Bよりも凹んでいる。
第2クランクウェブ32の中心32cと孔47の中心47cとを結ぶ直線を、第2クランクウェブ32の中心線32CLと称することとする。中心線32CLは、2つの凹部45Cの間に位置している。2つの凹部45Cは、中心線32CLに対して互いに異なる方に配置されている。
各凹部45Cの上端45Ctは、孔47の下端47bよりも上方に位置する。ここでは、凹部45Cの上端45Ctは、孔47の中心47cと同じ高さに位置する。ただし、凹部45Cの上端45Ctの位置は、孔47の中心47cよりも高くてもよく、低くてもよい。凹部45Cの下端45Cbは、孔47の下端47bよりも下方に位置する。2つの凹部45Cの形状または寸法は、異なっていてもよいし、同じでもよい。
図8は、第2クランク軸部材17Bを左方から見た図である。第2クランクウェブ32の左面46は、孔47の周縁に位置する内周縁部46Bと、内周縁部46Bよりも凹んだ2つの凹部46Cと、左方に突出するバランスウェイト部46Dとを備えている。内周縁部46B、凹部46C、バランスウェイト部46Dは、それぞれ「第4内周縁部」、「第4凹部」、「第2バランスウェイト部」の一例である。
中心線32CLは、2つの凹部46Cの間に位置している。バランスウェイト部46Dは、第2クランクウェブ32の中心32cに対して、孔47と反対の方に位置している。バランスウェイト部46Dは、孔47よりも下方に配置されている。バランスウェイト部46Dの上縁48は、中心線32CLに対して傾斜している。ただし、バランスウェイト部46Dの上縁48は、中心線32CLに対して垂直であってもよい。
第2クランクウェブ32の左面46は、更に、内周縁部46Bの下方かつバランスウェイト部46Dの上方に位置する中央部46Eを備えている。中央部46Eは、バランスウェイト部46Dよりも凹んでおり、内周縁部46Bよりも凹んでいる。凹部46Cは中央部46Eよりも凹んでいる。
図7および図8において、S2−S2線に沿った断面は、第2クランクウェブ32の中心32cと孔47の中心47cとを通る断面(すなわち、中心線32CLを通る断面)と平行な断面である。以下、この断面を垂直断面と称する。垂直断面において、凹部45Cの下端45Csは、第2バランスウェイト部46Dの上端46Dsと同じ高さに位置する。第2クランクウェブ32を軸方向から見たときに、凹部45Cの下縁と第2バランスウェイト部46Dの上縁48とは、揃った位置にある。
図4に示すように、第1クランクウェブ31と第2クランクウェブ32とは、同軸に配置されている。第1クランクウェブ31の中心31cと第2クランクウェブ32の中心32cとは、一致している。第1クランクウェブ31の右面42と第2クランクウェブ32の左面46とは向かい合っている。
図2に示すように、クランクピン50は、第1クランクウェブ31の孔43と第2クランクウェブ32の孔47とに圧入されている。第1クランクウェブ31と第2クランクウェブ32とは、クランクピン50により接続されている。また、クランクピン50は、コンロッド16の大端部16bに挿入されている。コンロッド16は、クランクピン50に摺動自在に接続されている。
図9に示すように、エンジン10は、オイルが流通するオイル通路60を備えている。オイル通路60を通じて、エンジン10の摺動部分等にオイルが供給される。オイル通路60には、オイルを搬送するポンプ65が設けられている。図示は省略するが、ポンプ65はクランクケース11の底部に設置されている。オイル通路60は、シリンダブロック12、シリンダヘッド13、およびシリンダヘッドカバー14に形成された通路61と、クランクケース11に形成された通路62と、クランク軸17のクランクピン50の内部に形成された通路63とを有している。
オイル通路60には、フィルタ49が設けられている。フィルタ49は、オイルに含まれる固形物をオイルから分離するものである。図7に示すように、フィルタ49は第2クランクウェブ32の右面45に取り付けられている。フィルタ49は環状に形成されている。フィルタ49は、第2クランクウェブ32の外周縁部45Aの径方向の内方に設けられている。図9に示すように、フィルタ49は、第2クランクウェブ32の右面45に取り付けられた取付部49Aと、取付部49Aから径方向の内方に延びる平面部49Bとを有している。取付部49Aは断面U字状に形成されている。ただし、取付部49Aの形状は特に限定されない。取付部49Aは第2クランクウェブ32の右面45と接触し、平面部49Bは右面45から離間している。平面部49Bと右面45との間には隙間が形成されている。フィルタ49の平面部49Bよりも径方向の外方は、取付部49Aによって閉塞されている。フィルタ49の平面部49Bの径方向の内方は、開放されている。
ポンプ65から送られたオイルの一部は、通路61を流れる。通路61を流れたオイルは、シリンダヘッドカバー14内に配置された吸気弁(図示せず)、排気弁(図示せず)、およびそれらを駆動するカム軸26等に供給される。ポンプ65から送られたオイルの他の一部は、通路62を流れる。通路62を流れたオイルは、第2軸受52に供給され、第2軸受52を潤滑する。
オイルは、第2軸受52から左方に向かって流れ、クランク軸17のフィルタ49内に流れ込む。詳しくは、オイルは、フィルタ49の平面部49Bと第2クランクウェブ32の右面45との間の隙間に向かって、径方向の内方から流れ込む。クランク軸17は回転しているので、オイルに固形物が混ざっている場合、その固形物には遠心力が発生する。固形物は、遠心力により、フィルタ49内の径方向の外方に集まる。よって、固形物はフィルタ49によって補足される。オイルに含まれる固形物が取り除かれる。
フィルタ49内のオイルは、クランクピン50の内部に形成された通路63に流入する。通路63内のオイルは、クランクピン50に形成された小孔55を通じてクランクピン50の外部に流出する。このオイルは、クランクピン50の外周面に供給される。これにより、クランクピン50とコンロッド16の大端部16bとが潤滑される。クランクピン50およびコンロッド16の大端部16bを潤滑したオイルは、コンロッド16の周囲を流れ、コンロッド16の小端部16aに供給される。コンロッド16の小端部16aに供給されたオイルは、コンロッド16の小端部16aおよびピストン18を潤滑する。
クランク軸17は、第1クランク軸部材17Aと第2クランク軸部材17Bとをクランクピン50により結合することによって製造される。第1クランク軸部材17Aおよび第2クランク軸部材17Bは、例えば鍛造により製造される。例えば、第1クランクウェブ31および第1延伸軸37は、鍛造により一体成型される。例えば、第2クランクウェブ32および第2延伸軸38は、鍛造により一体成型される。クランクピン50も、例えば鍛造により製造される。ただし、第1クランク軸部材17A、第2クランク軸部材17B、およびクランクピン50の製造方法は何ら限定されない。第1クランク軸部材17A、第2クランク軸部材17B、またはクランクピン50は、鋳造により製造されてもよい。第1クランク軸部材17A、第2クランク軸部材17B、およびクランクピン50を製造した後、第1クランクウェブ31の孔43と第2クランクウェブ32の孔47とにクランクピン50を圧入する。
ところで、クランクピン50を圧入した後、第1クランクウェブ31および第2クランクウェブ32はクランクピン50から圧力を受ける。その結果、第1クランクウェブ31および第2クランクウェブ32の内部には、応力が発生する。それらの応力が原因となって、第1クランクウェブ31および第2クランクウェブ32に反り返りが生じる。その結果、図10に模式的に示すように、クランクピン50を圧入する前の第1クランクウェブ31の中心31cに対し、第1延伸軸37が傾いてしまう。同様に、クランクピン50を圧入する前の第2クランクウェブ32の中心32cに対し、第2延伸軸38が傾いてしまう。
本実施形態では、第1クランクウェブの31の左面41は凹部41Cを有している。図11は、第1クランクウェブ31のS1−S1線(図5参照)の断面図である。ここで、左面41が凹部41Cを有していない第1クランクウェブ131を考える。図12は、第1クランクウェブ131の図11相当図である。第1クランクウェブ31、131において、クランクピン50の圧入によって生じる応力が大きい部分は、それぞれ孔43の周りの部分31g、131gである。以下、これらの部分を応力発生部と称することとする。なお、応力発生部31g、131gは、孔43の周りの部分のうち剛性の高い部分である。ここでは、第1クランクウェブ31の応力発生部31gの厚みtと、第1クランクウェブ131の応力発生部131gの厚みtとは等しいものとする。
図11と図12とを見比べれば分かるように、第1クランクウェブ31には凹部41Cが形成されているので、第1クランクウェブ31の応力発生部31gは、第1クランクウェブ131の応力発生部131gよりも右方に位置している。第1クランクウェブ31および第1クランクウェブ131の軸方向の中間位置をL1とすると、第1クランクウェブ31の応力発生部31gの方が第1クランクウェブ131の応力発生部131gよりも中間位置L1に近い。第1クランクウェブ31では、中間位置L1は左面41の凹部41Cと右面42の凹部42Cとの間に位置している。そのため、第1クランクウェブ31の方が第1クランクウェブ131よりも、クランクピン50の圧入に起因する反り返りが抑えられる。
図13は、本発明者が行った比較試験の結果を示す図である。図13に示すように、第1クランクウェブ31の第1延伸軸37の傾きの方が、第1クランクウェブ131の第1延伸軸37の傾きよりも小さい。凹部41Cを備える第1クランクウェブ31の方が、凹部41Cを備えない第1クランクウェブ131よりも、クランクピン50の圧入に起因する第1延伸軸37の傾きを抑制できることが確認された。
詳しい説明は省略するが、第2クランクウェブ32においても同様である。すなわち、凹部45Cを備えた第2クランクウェブ32の方が、凹部45Cを備えない第2クランクウェブよりも、クランクピン50の圧入に起因する反り返りが抑えられ、第2延伸軸38の傾きを抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係るエンジン10によれば、第1クランクウェブ31と第2クランクウェブ32とは、クランクピン50によって結合されている。第1クランクウェブ31は、クランクピン50が圧入される孔43を備えている。図5に示すように、第1クランクウェブ31の左面41は、孔43の周縁に位置する内周縁部41Bよりも凹んだ凹部41Cを有している。凹部41Cの上端41Ctは孔43の下端43bよりも上方に位置し、凹部41Cの下端41Cbは孔43の下端43bよりも下方に位置する。このことにより、第1クランクウェブ31において、クランクピン50の圧入に起因する反り返りを抑えることができる。よって、クランクピン50を圧入した後に第1延伸軸37が傾いてしまうことを抑制することができる。したがって、クランクピン50の圧入後に、第1延伸軸27の傾きを矯正する作業(例えば、第1クランクウェブ31をハンマーで叩いて矯正する作業)に必要な時間および手間を少なくすることができる。あるいは、クランクピン50の圧入後に第1延伸軸27の傾きを矯正する作業を省くことができる。
ところで、凹部41Cの下端41Cbの位置が低いほど、凹部41Cの寸法は大きくなる。凹部41Cの寸法が大きいほど、第1クランクウェブ31の反り返りを抑える効果は大きくなる。しかし、第1クランクウェブ31はバランスウェイト部42Dを備えている。エンジン10の振動を低減するために、バランスウェイト部42Dの大きさを確保する必要がある。凹部41Cの下端41Cbの位置が低いと、バランスウェイト部42Dの大きさが確保できなくなってしまう。そこで、本実施形態では、第1クランクウェブ31の中心31cと孔43の中心43cとを通る断面と平行なS1−S1線断面において、凹部41Cの下端41Csは、バランスウェイト部42Dの上端42Ds(図6参照)と同じ高さに位置する。このことにより、バランスウェイト部42Dの寸法を確保しながら、凹部41Cの寸法を大きくすることができる。エンジン10の振動を十分に低減させながら、クランクピン50の圧入に起因する第1クランクウェブ31の反り返りを抑えることができる。エンジン10の振動を十分に低減しながら、第1延伸軸37の傾きを抑制することができる。
凹部41Cの上端41Ctの位置が高いほど、凹部41Cの寸法は大きくなる。本実施形態によれば、凹部41Cの上端41Ctは、孔43の中心43cよりも上方に位置する。よって、クランクピン50の圧入に起因する第1クランクウェブ31の反り返りおよび第1延伸軸37の傾きを十分に抑制することができる。
図11に示すように、第1クランクウェブ31の軸方向の中間位置L1は、第1クランクウェブ31の左面41の凹部41Cと右面42の凹部42Cとの間に位置している。応力発生部31gは、第1クランクウェブ31の軸方向の中間に配置されている。そのため、クランクピン50の圧入に起因する第1クランクウェブ31の反り返りおよび第1延伸軸37の傾きを、より一層抑制することができる。
図5に示すように、第1クランクウェブ31の左面41は、外周縁部41Aを有している。内周縁部41Bは外周縁部41Aよりも凹んでいる。外周縁部41Aは内周縁部41Bよりも左方に突出している。このような構成により、第1クランクウェブ31の慣性マスを十分に確保することができ、エンジン10の振動を好適に低減することができる。
図7に示すように、第2クランクウェブ32にはフィルタ49が設けられている。第2クランクウェブ32は、クランクピン50が圧入される孔47を備えている。第2クランクウェブ32の右面45は、孔47の周縁に位置する内周縁部45Bよりも凹んだ凹部45Cを有している。凹部45Cの上端45Ctは孔47の下端47bよりも上方に位置し、凹部45Cの下端45Cbは孔47の下端47bよりも下方に位置する。このことにより、第2クランクウェブ32において、クランクピン50の圧入に起因する反り返りを抑えることができる。よって、クランクピン50の圧入に起因する第2延伸軸38の傾きを抑制することができる。
第2クランクウェブ32にはフィルタ49が設けられているが、第1クランクウェブ31にはフィルタ49は設けられていない。図3に示すように、第2クランクウェブ32のバランスウェイト部46Dの上端46Dtは、第1クランクウェブ31のバランスウェイト部42Dの上端42Dtよりも上方に位置する。第2クランクウェブ32の中心32cと孔47の中心47cとを通る断面と平行な任意の断面において、バランスウェイト部46Dの上端は、バランスウェイト部42Dの上端よりも上方に位置する。このような構成により、クランク軸17の回転に伴うエンジン10の振動を十分に低減させることができる。
図3に示すように、第2クランクウェブ32の右面45の凹部45Cは、第2クランクウェブ32の軸方向の中間位置L2よりも右方に位置する。第2クランクウェブ32の左面46の凹部46Cは、第2クランクウェブ32の軸方向の中間位置L2よりも左方に位置する。第2クランクウェブ32の軸方向の中間位置L2は、凹部45Cと凹部46Cとの間に位置している。第1クランクウェブ31と同様、第2クランクウェブ32においても、クランクピン50の圧入によって大きな応力が発生する部分は、第2クランクウェブ32の軸方向の中間に配置されている。孔47の周りの部分のうち剛性の高い部分は、第2クランクウェブ32の軸方向の中間に配置されている。そのため、クランクピン50の圧入に起因する第2クランクウェブ32の反り返りおよび第2延伸軸38の傾きを、より一層抑制することができる。
本実施形態では、第1クランクウェブ31および第2クランクウェブ32は、それぞれ円盤形状に形成されていた。しかし、第1クランクウェブ31および/または第2クランクウェブ32の形状は、円盤形状に限定されない。
第1クランク軸部材17Aおよび第2クランク軸部材17Bは、それぞれ一体的に形成されていた。しかし、第1クランク軸部材17Aおよび/または第2クランク軸部材17Bは、複数の部材が組み立てられることによって構成されていてもよい。
本実施形態では、エンジン10は単気筒エンジンであった。しかし、エンジン10は多気筒エンジンであってもよい。
本実施形態では、第1クランクウェブ31にはフィルタ49が設けられておらず、第2クランクウェブ32にフィルタ49が設けられていた。しかし、第1クランクウェブ31にフィルタ49が設けられ、第2クランクウェブ32にフィルタ49が設けられていなくてもよい。また、第1クランクウェブ31および第2クランクウェブ32のいずれにもフィルタ49が設けられていなくもよい。また、第1クランクウェブ31および第2クランクウェブ32の両方にフィルタ49が設けられていてもよい。
本実施形態では、第1クランクウェブ31の左面41の2つの凹部41Cは、互いの深さが等しいが、それらの深さは異なっていてもよい。また、第2クランクウェブ32の右面45の2つの凹部45Cは、互いの深さが等しいが、それらの深さは異なっていてもよい。第1クランクウェブ31の左面41の凹部41Cの深さと、第2クランクウェブ32の右面45の凹部45Cの深さとは、等しくてもよく、異なっていてもよい。
図3に示すように、本実施形態では、第1延伸軸37の方が第2延伸軸38よりも長く、第2クランクウェブ32の厚みの方が第1クランクウェブ31の厚みよりも大きい。しかし、第1延伸軸37の長さは第2延伸軸38の長さと等しくてもよく、第2延伸軸38の方が第1延伸軸37よりも長くてもよい。第1クランクウェブ31の厚みと第2クランクウェブ32の厚みとは、等しくてもよい。第1クランクウェブ31の厚みの方が第2クランクウェブ32の厚みよりも大きくてもよい。
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではない。ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/又は図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、実施形態がここに記載されている。ここに記載した実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ、改良及び/又は変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
10 内燃機関
17 クランク軸
31 第1クランクウェブ
32 第2クランクウェブ
41 左面(第1の面)
41C 凹部(第1凹部)
42D バランスウェイト部(第1バランスウェイト部)
42 右面(第2の面)
43 孔(第1の孔)
50 クランクピン

Claims (9)

  1. 往復運動するピストンと、前記ピストンに接続されたコンロッドと、前記コンロッドに接続されたクランク軸と、を備え、
    前記クランク軸は、
    第1の面と、前記第1の面と反対の第2の面と、前記第1の面から前記第2の面に至る第1の孔と、を有する第1クランクウェブと、
    前記第1の面における前記第1クランクウェブの回転中心から突出した第1延伸軸と、
    前記第1の孔に圧入され、前記第1クランクウェブの前記第2の面から突出し、前記コンロッドに接続されたクランクピンと、を備え、
    前記第1クランクウェブの前記第1の面は、前記第1の孔の周縁に位置する第1内周縁部と、前記第1内周縁部よりも凹んだ第1凹部と、を有し、
    前記第1クランクウェブの前記第2の面は、前記第1クランクウェブの前記回転中心に対して前記第1の孔と反対の方に設けられ、前記第2の面から突出する第1バランスウェイト部を有し、
    前記第1クランクウェブの前記回転中心に対して前記第1の孔が位置する方を上方、前記第1クランクウェブの前記回転中心に対して前記第1バランスウェイト部が位置する方を下方としたときに、前記第1凹部の上端は前記第1の孔の下端よりも上方に位置し、前記第1凹部の下端は前記第1の孔の下端よりも下方に位置する、内燃機関。
  2. 前記第1クランクウェブの前記回転中心と前記第1の孔の中心とを通る断面と平行な断面において、前記第1凹部の下端は、前記第1バランスウェイト部の上端と同じ高さに位置する、請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記第1凹部の上端は、前記第1の孔の中心よりも上方に位置する、請求項1または2に記載の内燃機関。
  4. 前記第1クランクウェブの前記第2の面は、前記第1の孔の周縁に位置する第2内周縁部と、前記第1の面の前記第1凹部の裏側に位置し、前記第2内周縁部よりも凹んだ第2凹部と、を有し、
    前記第1クランクウェブの軸方向の中間位置は、前記第1凹部と前記第2凹部との間に位置している、請求項1〜3のいずれか一つに記載の内燃機関。
  5. 前記第1クランクウェブの前記第1の面は、前記第1クランクウェブの外周縁に位置する第1外周縁部を有し、
    前記第1内周縁部は、前記第1外周縁部よりも凹んでいる、請求項1〜4のいずれか一つに記載の内燃機関。
  6. 前記クランク軸は、
    第3の面と、前記第3の面と反対の第4の面と、前記第3の面から前記第4の面に至る第2の孔と、を有し、前記第4の面が前記第1クランクウェブの前記第2の面と対向するように配置された第2クランクウェブと、
    前記第3の面における前記第2クランクウェブの回転中心から突出した第2延伸軸と、を備え、
    前記クランクピンは、前記第2の孔に圧入され、前記第2クランクウェブの前記第4の面から突出し、
    前記第2クランクウェブの前記第3の面は、前記第2クランクウェブの外周縁に位置する第2外周縁部と、前記第2の孔の周縁に位置しかつ前記第2外周縁部よりも凹んだ第3内周縁部と、前記第3内周縁部よりも凹んだ第3凹部と、を有し、
    前記第2クランクウェブの前記第4の面は、前記第2クランクウェブの前記回転中心に対して前記第2の孔と反対の方に設けられ、前記第4の面から突出する第2バランスウェイト部を有し、
    前記第2クランクウェブの前記第2外周縁部の径方向の内方に、環状のフィルタが備えられ、
    前記第3凹部の上端は前記第2の孔の下端よりも上方に位置し、前記第3凹部の下端は前記第2の孔の下端よりも下方に位置する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の内燃機関。
  7. 前記第2クランクウェブの前記回転中心と前記第2の孔の中心とを通る断面と平行な断面において、前記第2バランスウェイト部の上端は、前記第1バランスウェイト部の上端よりも上方に位置する、請求項6に記載の内燃機関。
  8. 前記第2クランクウェブの前記第4の面は、前記第2の孔の周縁に位置する第4内周縁部と、前記第3の面の前記第3凹部の裏側に位置し、前記第4内周縁部よりも凹んだ第4凹部と、を有し、
    前記第2クランクウェブの軸方向の中間位置は、前記第3凹部と前記第4凹部との間に位置している、請求項6または7に記載の内燃機関。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載の内燃機関を備えた鞍乗型車両。
JP2014095700A 2014-05-07 2014-05-07 内燃機関およびそれを備えた鞍乗型車両 Pending JP2015212531A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014095700A JP2015212531A (ja) 2014-05-07 2014-05-07 内燃機関およびそれを備えた鞍乗型車両
TW104109015A TWI596285B (zh) 2014-05-07 2015-03-20 內燃機及具備該內燃機之跨坐型車輛
ES15164483.8T ES2604987T3 (es) 2014-05-07 2015-04-21 Motor de combustión interna y vehículo de tipo de montar a horcajadas equipado con el motor
EP15164483.8A EP2942536B1 (en) 2014-05-07 2015-04-21 Internal combustion engine and straddle-type vehicle equipped with the engine
BR102015010339-5A BR102015010339B1 (pt) 2014-05-07 2015-05-06 Motor de combustão interna e veículo do tipo sela equipado com o motor
CN201510227466.XA CN105090231B (zh) 2014-05-07 2015-05-06 内燃机和具备该内燃机的骑乘型车辆

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014095700A JP2015212531A (ja) 2014-05-07 2014-05-07 内燃機関およびそれを備えた鞍乗型車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015212531A true JP2015212531A (ja) 2015-11-26

Family

ID=53005484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014095700A Pending JP2015212531A (ja) 2014-05-07 2014-05-07 内燃機関およびそれを備えた鞍乗型車両

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP2942536B1 (ja)
JP (1) JP2015212531A (ja)
CN (1) CN105090231B (ja)
BR (1) BR102015010339B1 (ja)
ES (1) ES2604987T3 (ja)
TW (1) TWI596285B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019178651A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 本田技研工業株式会社 内燃機関
EP3561244A1 (en) 2018-04-24 2019-10-30 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Single-cylinder internal-combustion engine and straddled vehicle including the same

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105626772B (zh) * 2016-03-16 2018-03-30 浙江中马园林机器股份有限公司 小型二冲程汽油机用曲柄连杆机构

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002005236A (ja) 2000-06-16 2002-01-09 Honda Motor Co Ltd 内燃機関のクランク軸
JP4080291B2 (ja) * 2002-09-30 2008-04-23 本田技研工業株式会社 組立式クランクシャフト
JP4116959B2 (ja) * 2003-09-30 2008-07-09 本田技研工業株式会社 内燃機関におけるクランクシャフトの軸受構造
JP5129621B2 (ja) 2008-03-21 2013-01-30 本田技研工業株式会社 クランクシャフト
JP5634160B2 (ja) * 2010-08-04 2014-12-03 本田技研工業株式会社 内燃機関のクランクシャフトの支持構造
CN101936328A (zh) * 2010-08-23 2011-01-05 青岛迈特动力部件有限公司 一种四冲程曲轴
CN203285829U (zh) * 2013-05-16 2013-11-13 慈溪市华表机械有限公司 一种内燃机曲轴总成

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019178651A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 本田技研工業株式会社 内燃機関
EP3561244A1 (en) 2018-04-24 2019-10-30 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Single-cylinder internal-combustion engine and straddled vehicle including the same

Also Published As

Publication number Publication date
BR102015010339B1 (pt) 2021-12-28
ES2604987T3 (es) 2017-03-10
TWI596285B (zh) 2017-08-21
EP2942536B1 (en) 2016-09-07
TW201600746A (zh) 2016-01-01
BR102015010339A2 (pt) 2017-05-16
CN105090231A (zh) 2015-11-25
CN105090231B (zh) 2017-09-22
EP2942536A1 (en) 2015-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5348839B2 (ja) ベルト式無段変速装置およびそれを備えた鞍乗型車両
US8468995B2 (en) Compact second order balance shaft arrangement with low inertia driven shaft
JPWO2006025174A1 (ja) 可変バルブ駆動装置、エンジン及び自動二輪車
JP6874669B2 (ja) クランクキャップ組立体及び内燃機関
JP6380681B2 (ja) 内燃機関のピストンクランク機構におけるアッパピンの潤滑構造および潤滑方法
JP2010116777A (ja) 内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構
DE602009000030D1 (de) Brennkraftmaschine mit variablem Kolbenhub und Gelenkgetriebe
TWI596285B (zh) 內燃機及具備該內燃機之跨坐型車輛
JP2009257360A (ja) エンジン及びそれを備えた車両
JP2004150413A (ja) 汎用エンジン
JP4029890B2 (ja) 自動二輪車の二次バランサ支持構造
JP6841972B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP7112905B2 (ja) 複リンク式ピストンクランク機構
JP6487958B2 (ja) 内燃機関のコンロッド大端部潤滑構造
JP6485174B2 (ja) 内燃機関
JP5724357B2 (ja) エンジンのブリーザ装置
JP4336563B2 (ja) バランサ軸
JP6507695B2 (ja) 内燃機関のオイル供給構造
JP2013096389A (ja) モノブロックエンジン
JP2013007275A (ja) エンジンの気液分離構造
JP2014129749A (ja) エンジン
JP5917364B2 (ja) 内燃機関の調整ウエイト固定構造
JP2019100333A (ja) 複リンク式ピストンクランク機構
JP2009092181A (ja) エンジンおよび鞍乗型車両
JPWO2019065693A1 (ja) 内燃機関