JP2015211486A - 突極形回転子および突極形回転子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】界磁鉄心1の突極部に巻装された界磁巻線4のコイルエンド4bには冷却風の通路となる隙間4cが形成されており、界磁鉄心1を貫通してコイルエンド4bの外周側に設置された支持棒7に、絶縁部材8を介在させてコイルエンド4bを固縛したものである。
【選択図】図1
Description
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における突極形回転子の概略構成を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1における突極形回転子を示す断面正面図、図3はこの発明の実施の形態1における突極形回転子を示す断面側面図、図4はこの発明の実施の形態1における突極形回転子の界磁鉄心の軸方向両端部に取り付けられる巻線ガイドを示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1における突極形回転子の支持棒とコイルエンドとの間に配置される絶縁部材を示す斜視図、図6aおよび図6bはこの発明の実施の形態1における突極形回転子の界磁巻線のコイルエンド部分を示す部分詳細図、図7aから図7fはこの発明の実施の形態1における突極形回転子の界磁巻線のコイルエンドの形成方法を説明する説明図、図8aから図8cはこの発明の実施の形態1における突極形回転子の支持棒と絶縁部材の設置方法を説明する説明図である。
一般に突極形回転子が回転すると、界磁巻線4のコイルエンド4bは遠心力により外周側(突極部の先端部1b側)方向に力を受ける。この際に界磁鉄心1の先端部1bの角部にて界磁巻線4を傷つけ絶縁性能が低下する懸念がある。このため図6aに示すように、絶縁板11によってこれを保護する。界磁鉄心1の先端部1bと界磁巻線4の収納部4aとの隙間全域に絶縁板11を設けると、界磁巻線4と先端部1bとの間の熱抵抗が悪化する。そこで、界磁鉄心1の先端部1bの軸方向両端部にのみ絶縁板11を配置し、かつ、軸方向両端部に配置された絶縁板11の間を絶縁板11と略同一厚みで例えば材質がステンレス鋼などの非磁性の金属板12で埋めることにより熱抵抗を低減している。絶縁板11と金属板12は両面テープまたは接着剤を使用して先端部1bに固定される。なお、界磁巻線4と金属板12の間には紙またはシートもしくはフィルム等の薄形絶縁素材(図示せず)が保持されており、これにより絶縁を確保している。
界磁巻線4のコイルエンド4bに冷却風路となる隙間4cが形成されており、隙間4cには固縛部材10が通されるのみであるため、隙間4cによるコイルエンド4bの冷却面積を広く確保できるため、コイルエンド4bの冷却性能が向上し、突極形回転子の性能および品質が向上する。
界磁鉄心1により支持された金属製の支持棒7とコイルエンド4bが絶縁部材8を介して固縛部材10により固縛されており、コイルエンド4bを絶縁部材8を介して確実に支持棒7で支えることができるため、コイルエンド4bの絶縁性を確保しつつ遠心力による外周方向への変形を抑制することが可能となり、突極形回転子の品質および信頼性が向上する。さらに、支持棒7を固定するための固定部品が不要となり、部品点数が低減するため、突極形回転子の生産性が向上するとともにコストが低減する。
絶縁部材8には支持棒7が嵌め込まれる窪み8aが設けられているため、絶縁部材8と支持棒7の組み付けが容易となり、突極形回転子の生産性が向上する。
絶縁部材8の端部には窪み8aを塞ぐ天板部8bが設けられているため、絶縁部材8の強度が向上し、突極形回転子の品質および信頼性が向上する。また、天板部8bに支持棒7の軸方向端部を当てることで支持棒7の位置が決まるため、突極形回転子の生産性が向上する。さらに、天板部8bによりコイルエンド4bと支持棒7の軸方向端部の絶縁性も確保できるため、突極形回転子の品質および信頼性が向上する。
絶縁部材8の半円形状端面には、固縛部材10による固縛箇所の位置決め機能を持つ位置決め突起部8dを備えているため、固縛箇所の位置を決めることができる。さらに、位置決め突起部8dに固縛部材10を引っ掛けることにより、固縛部材10の位置ずれを抑制し固縛作業の作業性を改善することができるため、突極形回転子の生産性が向上する。
巻線ガイド2の外周側ガイド2bの高さはコイル材3の線径よりも低くなっているため、コイルエンド4bを絶縁部材8を介して支持棒7で確実に支持できるとともに、コイル材3の巻装乱れを抑制することができるため、突極形回転子の品質および信頼性が向上する。
巻線ガイド2は溝2cが形成された両端部に対して中央がへこんだ凹形状をしており、巻装作業終了後にコイルエンド4bと巻線ガイド2の間に冷却風路となる隙間が形成されるため、コイルエンド4bの冷却性能が向上し、突極形回転子の性能および品質が向上する。
界磁巻線4の収納部4aにコイルガイド9を軸方向に複数個配置してガイドしているため、収納部4aの冷却性能を確保したうえで巻き崩れを防止できるため、突極形回転子の性能および品質が向上する。
金属板12は非磁性の材質のものを使用しているため渦電流の発生が抑制され、突極形回転子の性能および品質が向上する。
界磁巻線4にワニスを含浸することにより、界磁巻線4の剛性を向上させるとともに絶縁性能を確保し、さらに、コイル材3同士間の隙間およびコイル材3と界磁鉄心1間の隙間をワニスで埋めて伝熱性能を向上させることができるため、突極形回転子の性能および品質が向上する。
図9はこの発明の実施の形態2における突極形回転子の概略構成を示す斜視図、図10aおよび図10bはこの発明の実施の形態2における突極形回転子の巻線ガイドと絶縁部材を一体に形成した場合を示す内周側および外周側から見た斜視図である。上記実施の形態1では、巻線ガイド2と絶縁部材8がそれぞれ個別に形成されている場合について説明したが、実施の形態2では、図10aおよび図10bに示すように、巻線ガイド2と絶縁部材8を一体成形して形成した場合について説明する。なお、他の部分については上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
図11はこの発明の実施の形態3における突極形回転子の概略構成を示す斜視図、図12はこの発明の実施の形態3における突極形回転子の支持棒とコイルエンドとの間に配置される絶縁部材を示す斜視図である。上記実施の形態1では、積層された薄鋼板の界磁鉄心1とその軸方向両端面に配設された短絡板5とをボルト6およびナット6aにより締結固定した場合について説明したが、実施の形態3では、図11に示すように界磁鉄心1と短絡板5とを支持棒7とナット7aで締結固定している。この場合には絶縁部材8は図12に示すように窪み8aの入口端にナット7aに当たらないように広い窪み8eを設けている。なお、当然のことではあるが、支持棒7の少なくとも両端部分にはナット7aを締結するネジが施されている。また、他の部分については上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
支持棒7はナット7aによって界磁鉄心1に固定されるため、支持棒7を固縛にて位置保持する必要はない。このため絶縁部材8を例えば円筒や四角形などの筒状の形状にしてコイルエンド4bと絶縁部材8のみを固縛しても問題ない。
図13はこの発明の実施の形態4における突極形回転子の概略構成を示す斜視図、図14はこの発明の実施の形態4における突極形回転子の界磁巻線のコイルエンド部分を示す部分詳細図、図15はこの発明の実施の形態4における突極形回転子の界磁鉄心の軸方向両端部に取り付けられる巻線ガイドを示す斜視図である。上記実施の形態1では、界磁鉄心1の突極部の軸方向両端部に巻線ガイド2を取り付け、巻線ガイド2を介してコイル材3を界磁鉄心1の突極部に巻装して界磁巻線4を形成する場合について説明したが、巻線ガイド2は、巻装作業でコイル材が巻かれると、両端から締め付けられて圧縮荷重を受ける。また、巻装作業後にワニスを硬化させるために高温環境下に放置すると、界磁鉄心1やコイル材3の熱膨張による荷重を受ける。これらの荷重により、巻線ガイド2はたわみもしくは破損する可能性がある。このため実施の形態4では、図13から図15に示すように巻線ガイド2の略中央部分に突起部2eを設けている。このように、巻線ガイド2の中央部に突起部2eを設けたことにより、巻線ガイド2の強度が向上するため、圧縮力や熱膨張などによる巻線ガイド2の変形や破損を抑制できて、突極形回転子の品質が向上する。なお、他の部分については上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
Claims (12)
- 径方向に突出する胴部を有する突極部が周方向に複数個配置された界磁鉄心と、前記胴部に巻装されるとともに前記界磁鉄心の軸方向両端部から突出し冷却風の通路となる隙間が形成されたコイルエンドを有する界磁巻線とを備えた突極形回転子であって、前記界磁鉄心に支持されるとともに前記コイルエンドを外周側から支持する支持棒と、前記コイルエンドと前記支持棒との間に配置され前記支持棒に嵌め込まれる窪みを有した絶縁部材と、前記コイルエンドと前記支持棒および前記絶縁部材とを一体に固縛する絶縁性の固縛部材とを備えていることを特徴とする突極形回転子。
- 前記絶縁部材には軸方向端部に前記支持棒の先端面と対向する樹脂壁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の突極形回転子。
- 前記絶縁部材は前記固縛部材による固縛位置を決める突起部を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の突極形回転子。
- 前記界磁鉄心の胴部の軸方向両端部に装着され前記界磁巻線が巻装される巻線ガイドと、前記巻線ガイドと接触することにより前記支持棒の周りを回転移動するのを抑制する突起部を有する前記絶縁部材とを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の突極形回転子。
- 前記絶縁部材は前記界磁鉄心の胴部の軸方向両端部に装着され前記界磁巻線が巻装される巻線ガイドと一体に成形されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の突極形回転子。
- 前記巻線ガイドには前記界磁巻線の材料であるコイル材の巻装ピッチに合わせた溝が形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の突極形回転子。
- 前記巻線ガイドには前記界磁巻線の巻装位置を決めるガイドが形成されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の突極形回転子。
- 前記巻線ガイドには中央部に強度を向上させる突起部が形成されていることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の突極形回転子。
- 前記支持棒にはネジ加工が施されており、前記界磁鉄心を貫通してナットにより締結固定されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の突極形回転子。
- 前記突極部の先端には前記胴部よりも周方向の幅が広い先端部を有しており、前記界磁巻線と前記先端部との間の軸方向両端部に配置された絶縁板と、両端部に配置された前記絶縁板の間に配置され前記界磁巻線と前記先端部との間の隙間を埋める金属板とを備えていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の突極形回転子。
- 前記界磁巻線はワニスを含浸して形成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の突極形回転子。
- 径方向に突出する胴部を有する突極部が周方向に複数個配置された界磁鉄心と、前記胴部にコイル材が巻装されて形成されるとともに前記界磁鉄心の軸方向両端部から突出し冷却風の通路となる隙間が形成されたコイルエンドを有する界磁巻線と、前記界磁鉄心の胴部の軸方向両端部に装着され前記コイル材が巻装される巻線ガイドとを備えた突極形回転子の製造方法であって、前記巻線ガイドを前記界磁鉄心の胴部の軸方向両端部に装着する工程と、内ガイドと外ガイドを貫通する隙間空け棒を有する巻枠治具のうち、前記内ガイドを前記巻線ガイドの内周側に固定するとともに前記外ガイドを前記巻線ガイドの外周側に固定する工程と、前記内ガイドと前記外ガイドの間の前記巻線ガイドに前記コイル材を所定回数巻回して前記界磁巻線のコイルエンドの一部を形成する工程と、前記内ガイドと前記外ガイドを貫通して前記巻枠治具に前記隙間空け棒を取付ける工程と、前記内ガイドと前記外ガイドの間の前記隙間空け棒上に前記コイル材を所定回数巻回して前記界磁巻線のコイルエンドの残部を形成する工程と、前記界磁巻線の巻装作業完了後に前記巻枠治具を取り外す工程とを備えていることを特徴とする突極形回転子の製造方法。
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