JP2009296745A - 多極アキシャルギャップ型コンデンサ電動機とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定子鉄芯の外径寸法を縮小し、巻線の1極あたりの巻線ピッチを短縮して巻線周長を短縮および巻線銅量の削減し、電動機効率を向上する。
【解決手段】2相の固定子巻線を構成する所定極数のA相巻線のみを固定子鉄芯A4に巻装した固定子A1と同所定極数のB相巻線のみを固定子鉄芯B9に巻装した固定子B2と、前記固定子A1と固定子B2とにより挟まれて配置され、前記固定子A1と固定子B2の各々と空隙を介して回転自在に保持された回転子3とを備えた構成としたものであり、固定子鉄芯の外径寸法を縮小することで巻線周長の短縮と巻線銅量の削減により電動機効率を向上し、銅線ダメージを軽減することで巻線品質を向上することができるという作用を有する。
【選択図】図1
【解決手段】2相の固定子巻線を構成する所定極数のA相巻線のみを固定子鉄芯A4に巻装した固定子A1と同所定極数のB相巻線のみを固定子鉄芯B9に巻装した固定子B2と、前記固定子A1と固定子B2とにより挟まれて配置され、前記固定子A1と固定子B2の各々と空隙を介して回転自在に保持された回転子3とを備えた構成としたものであり、固定子鉄芯の外径寸法を縮小することで巻線周長の短縮と巻線銅量の削減により電動機効率を向上し、銅線ダメージを軽減することで巻線品質を向上することができるという作用を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、一般に10〜12極以上の巻線を有する多極の固定子Aと固定子Bの2個の固定子の各々に対し空隙を介して配置され、回転自在に保持された回転子を有する構成の多極コンデンサ電動機とその製造方法に関する。
従来、この種の多極コンデンサ電動機においては、多くの巻線を効率的に巻装し、収納する必要性から、固定子鉄芯外側からの高速巻線が可能な外転型構造のものが一般的となっている(例えば、特許文献1参照)。
以下、その多極コンデンサ電動機の構成について図11、図12および15を参照しながら説明する。
図に示すように、電磁鋼板を所定の形状と厚さに積層された固定子鉄芯100は中央部に設けられた孔101に中空の軸102が嵌合保持されており、外周部には巻線極数と同数の外側スロット103と、内周部には巻線極数と同数の内側スロット104が形成されており、前記外側スロット103には極数個のA相巻線105が装着され、また内側スロット104には極数個のB相巻線106が前記A相巻線に対し電気角で90度隔てて装着されてなる構成の固定子107であった。
また、同多極コンデンサ電動機の固定子巻線の巻線巻装工法について図13、図14および図15を参照しながら説明する。
図に示すように、外側スロット103および内側スロット104に装着された絶縁フィルム108を介し、固定子鉄芯100にセットした巻線ガイド治具112の傾斜部分を活用しながら巻線機のフライヤー109から供給される巻線(図示せず)を所定のスロットまで滑らせながら送り込み、A相巻線105は外側歯部110に対し直巻巻装することで外側スロット103に装着され、B相巻線106も同様に内側歯部111に対し直巻巻装することで内側スロット104に装着される製造方法であった。
実開昭61−149954号公報
このような従来の多極コンデンサ電動機では、固定子鉄芯に極数個の外側スロットと内側スロットが設けられ、すべてのスロットには巻線を巻装するための開口部が設けてあり、A相巻線が励磁する外側歯部の幅寸法に対し前記内側スロットの開口部の幅寸法が付加されるため前記固定子鉄芯の総外径が大径化するとともに、A相巻線の1極あたりの巻線ピッチが拡大することで巻線周長も長くなり、巻線の銅線重量が増加してしまうという問題があり銅線重量の削減が要求されている。また、内側スロットは固定子鉄芯の外周面から中心方向の奥部に位置するため、巻線直巻の際には巻線を奥部まで送り込む必要があり、そのため巻線は巻線案内冶具の傾斜部を長く滑ることになり、同時に高速で直巻巻装される巻線は内側スロットの開口部の壁面によりその絶縁皮膜にダメージを受ける危険性があるという問題があり、巻線品質を向上させることが要求されている。
また、内側歯部に対する巻線直巻は前記同様に巻線案内冶具の傾斜部を長く滑り内側スロットの奥部まで滑り込むため、整列巻レベルが低下し占積率の向上も困難であるとともに巻線の乱れや捻れによる絶縁被膜にダメージを受けるという問題があり、整列巻レベルの向上が要求されている。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、2相の固定子巻線を構成する所定極数のA相巻線のみを固定子鉄芯Aに巻装した固定子Aと同所定極数のB相巻線のみを固定子鉄芯Bに巻装した固定子Bと、前記固定子Aと固定子Bとにより挟まれて配置され、前記固定子Aと固定子Bの各々と空隙を介して回転自在に保持された回転子とを備えた構成とすることにより固定子鉄芯の外径寸法を縮小し、A相巻線の1極あたりの巻線ピッチを短縮することで巻線周長を短縮および巻線銅量の削減ができ、電動機効率を向上できる。また、銅線ダメージを軽減することで巻線品質を向上することのできる多極コンデンサ電動機とその製造方法を提供することを目的としている。
本発明の多極アキシャルギャップ型コンデンサ電動機は、2相の固定子巻線を構成する所定極数のA相巻線のみを固定子鉄芯Aに巻装した固定子Aと同所定極数のB相巻線のみを固定子鉄芯Bに巻装した固定子Bと、前記固定子Aと固定子Bとにより挟まれて配置され、前記固定子Aと固定子Bの各々と空隙を介して回転自在に保持された回転子とを備えた構成としたものである。
この手段により、固定子鉄芯の外径寸法を縮小することで巻線周長の削減と巻線銅量の削減ができるとともに電動機効率を向上し、銅線ダメージを軽減することで巻線品質を向上することのできる多極アキシャルギャップ型コンデンサ電動機を提供することができる。
また他の手段は、回転子は、閉スロット構造をしたものである。
この手段により、固定子鉄芯の外径寸法を縮小することで巻線周長の削減と巻線銅量の削減ができるとともに電動機効率を向上し、銅線ダメージを軽減することで巻線品質を向上することができ、同時に回転子鉄芯の製作工程における作業性を改善できる構造を提供することができる。
また他の手段は、固定子鉄芯Aと固定子鉄芯Bとは、電気角で90度隔てて配置されたものである。
この手段により、固定子Aと回転子との間で空隙を介して作用する吸引力と同様に固定子Bと回転子との間で空隙を介して作用する吸引力とを相殺することで前記回転子を回転自在に保持する軸受部分の負荷を軽減し軸受寿命の確保が容易な多極アキシャルギャップ型コンデンサモータを提供することができる。
また他の手段は、回転子鉄芯の複数のスロットは、固定子鉄芯Aと対向する面に形成される空隙側と固定子鉄芯Bと対向する面に形成される空隙側に開口部を設けた構成としたものである。
この手段により、固定子Aおよび固定子Bで発生した磁束が回転子鉄芯を通る際の漏れ磁束の発生を抑制できる回転子構造を提供することができる。
また他の手段は、固定子Aおよび固定子Bとにより挟まれて配置された回転子を構成する回転子鉄芯のスロットは二次導体(アルミダイカストなど)装着前において、前期固定子A側の開口部または前記固定子B側の開口部のうち少なくとも一方は橋絡部により閉じられた閉スロット構造であり、二次導体鋳込み後にこれら橋絡部の一部または全部を切除した構成を特徴とするとしたものである。
この手段により、回転子鉄芯の製作工程における作業性を改善でき、固定子Aおよび固定子Bで発生した磁束が回転子鉄芯を通る際の漏れ磁束の発生を抑制できる回転子構造を提供することができる。
また他の手段は、固定子鉄芯A、固定子鉄芯Bおよび回転子鉄芯のいずれかまたはそのすべてが所定幅寸法で裁断された電磁鋼板を同軸に巻き取り製作された巻鉄芯構造を有し、電磁鋼板材料の使用量削減ができる構成としたものである。
この手段により、固定子鉄芯A、固定子鉄芯Bおよび回転子鉄芯のうち少なくとも一つの鉄芯に使用する電磁鋼板の材料歩留まりを向上し、鉄芯材料の使用量削減が可能な構成を提供することができる。
また他の手段は、固定子Aおよび固定子Bとにより挟まれて配置された回転子を構成する回転子鉄芯のスロットは二次導体(アルミダイカストなど)装着前において、前期固定子A側の開口部または前記固定子B側の開口部のうち少なくとも一方は橋絡部により閉じられた閉スロット構造であり、二次導体鋳込み後にこれら橋絡部の一部または全部を切除する構成としたものである。
この手段により、回転子鉄芯の製作工程における作業性を改善でき、固定子Aおよび固定子Bで発生した磁束が回転子鉄芯を通る際の漏れ磁束の発生を抑制できる回転子構造の提供が可能な製造工法を提供することができる。
また他の手段は、固定子鉄芯A、固定子鉄芯Bおよび回転子鉄芯のいずれかまたはそのすべてが所定幅寸法で裁断された電磁鋼板を同軸に巻き取り製作された巻鉄芯構造を有し、電磁鋼板材料の使用量削減ができる構成としたものである。
この手段により、固定子鉄芯A、固定子鉄芯Bおよび回転子鉄芯のうち少なくとも一つの鉄芯に使用する電磁鋼板の材料歩留まりを向上し、鉄芯材料の使用量削減が可能な製造工法を提供することができる。
本発明の多極アキシャルギャップ型コンデンサ電動機及びその製造方法によれば、固定子鉄芯の外径寸法を縮小することで巻線周長の短縮と巻線銅量を削減することで電動機効率を向上し、銅線ダメージを軽減することで巻線品質を向上することができる。
また、固定子鉄芯の外径寸法を縮小することで巻線周長の短縮と巻線銅量を削減することで電動機効率を向上し、銅線ダメージを軽減することで巻線品質を向上することができ、回転子鉄芯の製作工程における作業性を改善できる構造を提供することができる。
また、固定子Aと回転子との間で空隙を介して作用する吸引力と同様に固定子Bと回転子との間で空隙を介して作用する吸引力とを相殺することで前記回転子を回転自在に保持する軸受部分の負荷を軽減し軸受寿命の確保が容易なできる。
また、固定子Aおよび固定子Bで発生した磁束が回転子鉄芯を通る際の漏れ磁束の発生を抑制できる回転子構造を提供することができる。
また、回転子鉄芯の製作工程における作業性を改善でき、固定子Aおよび固定子Bで発生した磁束が回転子鉄芯を通る際の漏れ磁束の発生を抑制できる回転子構造を提供することができる。
また、固定子鉄芯A、固定子鉄芯Bおよび回転子鉄芯のうち少なくとも一つの鉄芯に使用する電磁鋼板の材料歩留まりを向上し、鉄芯材料の使用量削減が可能な構成を提供することができる。
また、回転子鉄芯の製作工程における作業性を改善でき、固定子Aおよび固定子Bで発生した磁束が回転子鉄芯を通る際の漏れ磁束の発生を抑制できる回転子構造の提供が可能な製造工法を提供することができる。
また、固定子鉄芯A、固定子鉄芯Bおよび回転子鉄芯のうち少なくとも一つの鉄芯に使用する電磁鋼板の材料歩留まりを向上し、鉄芯材料の使用量削減が可能な製造工法を提供することができる。
本発明の請求項1に記載の発明は、2相の固定子巻線を構成する所定極数のA相巻線のみを固定子鉄芯Aに巻装した固定子Aと同所定極数のB相巻線のみを固定子鉄芯Bに巻装した固定子Bと、前記固定子Aと固定子Bとにより挟まれて配置され、前記固定子Aと固定子Bの各々と空隙を介して回転自在に保持された回転子とを備えた構成としたものであり、固定子鉄芯の外径寸法を縮小することで巻線周長の短縮と巻線銅量の削減により電動機効率を向上し、銅線ダメージを軽減することで巻線品質を向上することができるという作用を有する。
また、回転子は、閉スロット構造をしたものであり、固定子鉄芯の外径寸法を縮小することで巻線周長の短縮と巻線銅量の削減により電動機効率を向上し、銅線ダメージを軽減することで巻線品質を向上することのでき、回転子鉄芯の製作工程における作業性を改善できるという作用を有する。
また、固定子鉄芯Aと固定子鉄芯Bとは、電気角で90度隔てて配置されたものであり、固定子Aと回転子との間で空隙を介して作用する吸引力と同様に固定子Bと回転子との間で空隙を介して作用する吸引力とを相殺することで前記回転子を回転自在に保持する軸受部分の負荷を軽減し軸受寿命の確保が容易となるという作用を有する。
また、回転子鉄芯の複数のスロットは、固定子鉄芯Aと対向する面に形成される空隙側と固定子鉄芯Bと対向する面に形成される空隙側とにも開口部を設けた構成としたものであり、固定子Aおよび固定子Bで発生した磁束が回転子鉄芯を通る際の漏れ磁束の発生を抑制できるという作用を有する。
また、固定子Aおよび固定子Bとにより挟まれて配置された回転子を構成する回転子鉄芯のスロットは二次導体(アルミダイカストなど)装着前において、前期固定子A側の開口部または前記固定子B側の開口部のうち少なくとも一方は橋絡部により閉じられた閉スロット構造であり、二次導体鋳込み後にこれら橋絡部の一部または全部を切除した構成としたものであり、回転子鉄芯の製作工程における作業性を改善でき、固定子Aおよび固定子Bで発生した磁束が回転子鉄芯を通る際の漏れ磁束の発生を抑制できるという作用を有する。
また、固定子鉄芯A、固定子鉄芯Bおよび回転子鉄芯のいずれかまたはそのすべてが所定幅寸法で裁断された電磁鋼板を同軸に巻き取り製作された巻鉄芯構造を有し、電磁鋼板材料の使用量削減ができる構成としたものであり、固定子鉄芯A、固定子鉄芯Bおよび回転子鉄芯のうち少なくとも一つの鉄芯に使用する電磁鋼板の材料歩留まりを向上し、鉄芯材料の使用量削減が可能という作用を有する。
また、固定子Aおよび固定子Bとにより挟まれて配置された回転子を構成する回転子鉄芯のスロットは二次導体(アルミダイカストなど)装着前において、前期固定子A側の開口部または前記固定子B側の開口部のうち少なくとも一方は橋絡部により閉じられた閉スロット構造であり、二次導体鋳込み後にこれら橋絡部の一部または全部を切除する製造工法としたものであり、回転子鉄芯の製作工程における作業性を改善でき、固定子Aおよび固定子Bで発生した磁束が回転子鉄芯を通る際の漏れ磁束の発生を抑制できる回転子構造の提供が可能という作用を有する。
また、固定子鉄芯A、固定子鉄芯Bおよび回転子鉄芯のいずれかまたはそのすべてが所定幅寸法で裁断された電磁鋼板を同軸に巻き取り製作された巻鉄芯構造を有し、電磁鋼板材料の使用量削減ができる構成としたものであり、固定子鉄芯A、固定子鉄芯Bおよび回転子鉄芯のうち少なくとも一つの鉄芯に使用する電磁鋼板の材料歩留まりを向上し、鉄芯材料の使用量削減が可能という作用を有する。
(実施の形態1)
図1〜図7に示すように、固定子A1は電動機軸方向で負荷側の空隙を介し回転子3の負荷側の面と対向して配置されている。また、固定子B2は反負荷側の空隙を介し回転子3の反負荷側の面と対向して配置されている。固定子A1は所定幅寸法に裁断した電磁鋼板を同軸状に所定回数だけ巻回し保持固定して巻鉄芯として製作した固定子鉄芯A4と、周方向に等間隔で極数個配列され固定子鉄芯A4の回転子3の負荷側の面にスロット開口部5−1が面したスロットA5に絶縁部材6を介して各々の歯部A7aにフルピッチで巻装された極数個のA相巻線8とを備えている。また、固定子B2も同様に、所定幅寸法に裁断した電磁鋼板を同軸状に所定回数だけ巻回し保持固定して巻鉄芯として製作した固定子鉄芯B9と、周方向に等間隔で極数個配列され固定子鉄芯B9の回転子3の反負荷側の面にスロット開口部10−1が面したスロットB10に絶縁部材6を介して各々の歯部B7bにフルピッチで巻装された極数個のB相巻線11とを備えている。A相巻線8とB相巻線11とは周方向に電気角で90度隔てて配置される。また、回転子3はかご型であり回転子鉄芯12と2次導体13からなる。この2次導体13はスロット部分と、回転子鉄芯12の内径側端面および外径側端面とに連続的に鋳込まれてなるエンドリング部分とが一体で鋳込み形成される。(図示せず)また、回転子鉄芯12の回転子スロット17は固定子A1との対向面の回転子スロット開口部17−1と固定子B2との対向面の回転子スロット開口部17−2とを有し、所定個数だけ周上に等間隔で配置される。そして内径側端面に設けたエンドリング部分の内径側は樹脂材料15が充填されている。樹脂材料15の中心部には軸受14が一体化され、固定子A1と固定子B2とにより挟まれて配置された回転子3は中空の軸16に対して回転自在に保持されてなる。また、固定子A1および固定子B2の内径側も樹脂材料15が充填され、その中心部で軸16に圧入嵌合かまたは接着などで固定される。
図1〜図7に示すように、固定子A1は電動機軸方向で負荷側の空隙を介し回転子3の負荷側の面と対向して配置されている。また、固定子B2は反負荷側の空隙を介し回転子3の反負荷側の面と対向して配置されている。固定子A1は所定幅寸法に裁断した電磁鋼板を同軸状に所定回数だけ巻回し保持固定して巻鉄芯として製作した固定子鉄芯A4と、周方向に等間隔で極数個配列され固定子鉄芯A4の回転子3の負荷側の面にスロット開口部5−1が面したスロットA5に絶縁部材6を介して各々の歯部A7aにフルピッチで巻装された極数個のA相巻線8とを備えている。また、固定子B2も同様に、所定幅寸法に裁断した電磁鋼板を同軸状に所定回数だけ巻回し保持固定して巻鉄芯として製作した固定子鉄芯B9と、周方向に等間隔で極数個配列され固定子鉄芯B9の回転子3の反負荷側の面にスロット開口部10−1が面したスロットB10に絶縁部材6を介して各々の歯部B7bにフルピッチで巻装された極数個のB相巻線11とを備えている。A相巻線8とB相巻線11とは周方向に電気角で90度隔てて配置される。また、回転子3はかご型であり回転子鉄芯12と2次導体13からなる。この2次導体13はスロット部分と、回転子鉄芯12の内径側端面および外径側端面とに連続的に鋳込まれてなるエンドリング部分とが一体で鋳込み形成される。(図示せず)また、回転子鉄芯12の回転子スロット17は固定子A1との対向面の回転子スロット開口部17−1と固定子B2との対向面の回転子スロット開口部17−2とを有し、所定個数だけ周上に等間隔で配置される。そして内径側端面に設けたエンドリング部分の内径側は樹脂材料15が充填されている。樹脂材料15の中心部には軸受14が一体化され、固定子A1と固定子B2とにより挟まれて配置された回転子3は中空の軸16に対して回転自在に保持されてなる。また、固定子A1および固定子B2の内径側も樹脂材料15が充填され、その中心部で軸16に圧入嵌合かまたは接着などで固定される。
上記構成において、固定子A1にはA相巻線8のみが巻装され固定子B2にはB相巻線11のみが巻装されることから固定子鉄芯A4および固定子鉄芯B9の各々のスロット数が削減され外径寸法の小径化が可能となる。また、外径寸法が小径化されて巻線ピッチが短縮されるので、巻線周長の短縮と巻線銅量の削減ができ、各巻線の抵抗値が減少し、巻線で消費される電力を削減でき電動機効率を向上することとなる。また、固定子鉄芯A4の回転子3対向面からスロットA5までの長さおよび固定子鉄芯Bの回転子3対向面からスロットBまでの深さが同等となり巻線巻装作業が容易化されることになる。
また、固定子A1と固定子B2により回転子3を挟持する構成であり、固定子A1と回転子3との間で発生する吸引力および固定子B2と回転子3との間で発生する吸引力とが互いに相殺されることになり、回転子を回転自在に保持する軸受部分の負荷を軽減し軸受寿命の確保が容易となる。そして、固定子A1のA相巻線8を励磁し発生した磁束と固定子B2のB相巻線11を励磁し発生した磁束と、回転子鉄芯12のスロット部分および負荷側の端面と反負荷側の端面のエンドリング部分とが一体に構成された2次導体13に誘起された電圧および電流との相互作用により、軸16に樹脂材料15および軸受14を介して固定された回転子3は周方向の回転力を得る。
(実施の形態2)
第1の実施の形態と同じ構成要素については同じ符号を用い、その説明を省略する。図8から図10において、回転子鉄芯12の回転子スロット17には、固定子A1との対向面の回転子スロット開口部17−1には薄肉の橋絡部17−1aを設け、固定子B2との対向面の回転子スロット開口部17−2には薄肉の橋絡部17−2aを設けている。
第1の実施の形態と同じ構成要素については同じ符号を用い、その説明を省略する。図8から図10において、回転子鉄芯12の回転子スロット17には、固定子A1との対向面の回転子スロット開口部17−1には薄肉の橋絡部17−1aを設け、固定子B2との対向面の回転子スロット開口部17−2には薄肉の橋絡部17−2aを設けている。
上記構成において、回転子鉄芯12の回転子スロット17は固定子A1との対向面の回転子スロット開口部17−1の橋絡部17−1aと固定子B2との対向面の回転子スロット開口部17−2の橋絡部17−2aにより連結された閉スロット構造である。そのため、回転子鉄芯12は所定幅寸法に裁断した電磁鋼板を同軸状に所定回数だけ巻回し保持固定して巻鉄芯として製作する場合、前記回転子スロット17を閉スロット構造とすることにより電磁鋼板は巻回方向に対し連結されることになり、巻鉄芯として製作できることになる。
また、回転子3においては、閉スロット構造とすることにより、橋絡部17−1aと橋絡部17−2aを通る漏れ磁束のため不具合を生じることがあり、これを防止するための対策として、巻鉄芯として一体化および2次導体鋳込み後に前記橋絡部を限界まで細くする加工を施すことで漏れ磁束を制限するかまたは、前記橋絡部17−1aと橋絡部17−2aの一部または全てを削除する加工を施す構造および製造方法とすることも可能である。
なお、前記の実施の形態1〜2では、固定子A、固定子Bのスロット数は14個、巻線極数は14極としたが各々が同数であればいくつでも良く、スロット数および極数が増加するほどその作用効果は増大する。
本発明にかかる多極アキシャルギャップ型コンデンサ電動機は、電動機外径の小径化、電動機効率の向上および巻線品質の向上などが可能であり、天井扇風機など小型・中型家電製品のファン送風用に使われる電動機などに適用できる。
1 固定子A
2 固定子B
3 回転子
4 固定子鉄芯A
5 スロットA
5−1 スロット開口部
6 絶縁部材
7a 歯部A
7b 歯部B
8 A相巻線
9 固定子鉄芯B
10 スロットB
10−1 スロット開口部
11 B相巻線
12 回転子鉄芯
13 2次導体
14 軸受
15 樹脂材料
16 軸
17 回転子スロット
17−1 回転子スロット開口部
17−2 回転子スロット開口部
2 固定子B
3 回転子
4 固定子鉄芯A
5 スロットA
5−1 スロット開口部
6 絶縁部材
7a 歯部A
7b 歯部B
8 A相巻線
9 固定子鉄芯B
10 スロットB
10−1 スロット開口部
11 B相巻線
12 回転子鉄芯
13 2次導体
14 軸受
15 樹脂材料
16 軸
17 回転子スロット
17−1 回転子スロット開口部
17−2 回転子スロット開口部
Claims (8)
- 2相の固定子巻線を構成する所定極数のA相巻線のみを固定子鉄芯Aに巻装した固定子Aと同所定極数のB相巻線のみを固定子鉄芯Bに巻装した固定子Bと、前記固定子Aと固定子Bとにより挟まれて配置され、前記固定子Aと固定子Bの各々と空隙を介して回転自在に保持された回転子とを備えた構成の多極アキシャルギャップ型コンデンサ電動機。
- 前記回転子は、閉スロット構造である請求項1記載の多極アキシャルギャップ型コンデンサ電動機。
- 前記固定子鉄芯Aと前記固定子鉄芯Bとは、電気角で90度隔てて配置された請求項1または2記載の多極アキシャルギャップ型コンデンサ電動機。
- 前記回転子鉄芯の複数のスロットは、前記固定子鉄芯Aと対向する面に形成される空隙側と前記固定子鉄芯Bと対向する面に形成される空隙側に開口部を設けた構成の請求項1〜3記載の多極アキシャルギャップ型コンデンサ電動機。
- 前記回転子鉄芯のスロットは二次導体(アルミダイカストなど)装着前において、前記固定子A側の開口部または前記固定子B側の開口部のうち少なくとも一方は橋絡部により閉じられた閉スロット構造であり、二次導体鋳込み後にこれら橋絡部の一部または全部を切除したことを特徴とする請求項4記載の多極アキシャルギャップ型コンデンサ電動機。
- 固定子鉄芯A、固定子鉄芯Bおよび回転子鉄芯のいずれかまたはそのすべてが所定幅寸法で裁断された電磁鋼板を同軸に巻き取り製作された巻鉄芯構造を有し、電磁鋼板材料の使用量削減ができる構成の請求項4または請求項5記載の多極アキシャルギャップ型コンデンサ電動機。
- 固定子Aおよび固定子Bとにより挟まれて配置された回転子を構成する回転子鉄芯のスロットは二次導体(アルミダイカストなど)装着前において、前期固定子A側の開口部または前記固定子B側の開口部のうち少なくとも一方は橋絡部により閉じられた閉スロット構造であり、二次導体鋳込み後にこれら橋絡部の一部または全部を切除することを特徴とする多極アキシャルギャップ型コンデンサ電動機の製造方法。
- 固定子鉄芯A、固定子鉄芯Bおよび回転子鉄芯のいずれかまたはそのすべてが所定幅寸法で裁断された電磁鋼板を同軸に巻き取り製作された巻鉄芯構造を有し、電磁鋼板材料の使用量削減ができる請求項7記載の多極アキシャルギャップ型コンデンサ電動機の製造方法。
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JP (1) | JP2009296745A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103560623A (zh) * | 2013-09-30 | 2014-02-05 | 宁波菲仕运动控制技术有限公司 | 一种电机定子铁芯的叠模焊接工装及其使用方法 |
CN103580400A (zh) * | 2013-11-18 | 2014-02-12 | 常州富兴机电有限公司 | 一种定子铁芯的精整定型模具 |
JP2016536961A (ja) * | 2013-11-11 | 2016-11-24 | リーンテック モーター ゲー・エム・ベー・ハーLEANTEC Motor GmbH | 電気機械 |
-
2008
- 2008-06-04 JP JP2008146403A patent/JP2009296745A/ja active Pending
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