JP4607823B2 - 交流回転電機 - Google Patents

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Description

この発明は、交流回転電機の回転子及び固定子の構造に関するものである。
従来のクローポール型(爪状磁極型)の交流回転電機は、複数の爪状磁極を有する一対の界磁鉄心と、回転軸の周囲に巻回され軸方向に磁束を発生する界磁コイルを備えた回転子を有している。この種の回転子は、1個の界磁巻線によって複数の磁極に同じ大きさの起磁力を与えることができるので、界磁効率が良く界磁巻線の構造を簡略化することができる長所がある。
しかし、回転子の回転時に爪状磁極による風切音が発生し騒音が大きくなる。また軸方向に対向する爪状磁極が界磁巻線を覆い隠す構造となっているため界磁巻線の冷却効率が悪く出力が低下するなどの問題があった。
そこで、回転子が発生する風切音を低減させるために、従来、ポールコア(界磁鉄心)の肩部外周部に軸方向テーパ部を形成したものがあった(例えば、特許文献1参照)。また、磁極片の肩部に周方向テーパ部を設けたものがあった(例えば、特許文献2参照)。
上記のように構成された従来の交流回転電機は、固定子コイル内周面の凹凸と磁極片の肩部との干渉によって生じる風切音を低減することができる。
特許2617002号公報(第4頁、図2) 特開2000−78806号公報(第6頁、図3)
しかしながら、上記従来の交流回転電機は下記の点で問題があった。(a)磁極片の爪部が発生する風切音に対する対策が施されていないため風切音低減効果が不十分である。(b)磁極片の爪部の側面に周方向テーパを設けるなどして形状を変更すると磁束量が減少して出力が低下する。(c)磁極片の爪部を製造するのが困難である。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、磁極片の爪部が発生する風切音を低減できるとともに、出力が大きく、製造の容易な交流回転電機を提供することを目的する。
この発明に係る交流回転電機は、回転子軸と、回転子軸の外周部に配設された略円筒状の界磁継鉄と、界磁継鉄の外周部に円環状に巻回された界磁コイルと、界磁継鉄の軸方向両端部に配設された一対の界磁鉄心と、各界磁鉄心の外周部から回転子外周方向に向けて突設された複数の磁極片とを有する回転子を備え、
上記各磁極片には、上記各磁極片の先端から軸方向中央に向かって延在する部分を有しないことを特徴とする。
この発明の交流回転電機によれば、磁極片から軸方向に延設する爪部が無いので、界磁コイルの外周に円周方向に連続した通風路が形成され、界磁コイルの放熱性が向上する。また、界磁コイルを覆い隠す爪部がない分だけ界磁コイルの巻線領域が増え、巻線の断面積を大きくすることができ、銅損が低減する。さらに、磁極片の爪部が発生する風切音がなくなるため、騒音が低減する。また、従来のように爪部が遠心力で外側にたわむことがなく、回転時の遠心力に対する剛性が大きくなるため、固定子との空隙長を小さくすることによって界磁磁束が増え、交流回転電機の出力が向上する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による交流回転電機を示す断面図である。図1の交流回転電機は、固定子1、フロントブラケット2、及びリアブラケット3によって構成される外殻を有している。固定子1は、フロントブラケット2とリアブラケット3とによって挟持され、通しボルト4によって締結固定されている。交流回転電機の回転子5は、固定子1の内周面と例えば約0.3mmの空隙を挟んで回転自在に配設されている。回転子5を貫通する回転子軸(シャフト)6の両端には軸受7a、7bが嵌合固定されており、軸受7a、7bはフロントブラケット2とリアブラケット3の内側に設けられたハウジング8a、8bにそれぞれ収納されている。リアブラケット3の内部に一対のブラシ9a、9bが保持されており、その先端は回転子軸6の一端側に配設された一対のスリップリング10a、10bにそれぞれ摺接している。回転子軸6の他端側は、フロントブラケット2の外側に突き出ており、その端部にはプーリ11が固定ナット12によって締結固定されている。
図2は図1の交流回転電機の回転子5を示す斜視図、図3は同じく図1の交流回転電機の回転子5の軸方向断面図、図5は同じく図1の交流回転電機の回転子の磁路断面を示す模式図である。図において、回転子5は、回転子軸6と、回転子軸6の外周部に配設された略円筒状の界磁継鉄14と、界磁継鉄14の外周部に円環状に巻回された界磁コイル15と、界磁継鉄14の軸方向両端部に配設された略円筒状の一対の界磁鉄心13a及び13bと、界磁鉄心13a及び13bの外周部から回転子外周方向に向けて突設された複数の磁極片16a、16bとを備えている。なお、図2、図3、図5において、磁極は16極の例を示している。
磁極片16a及び16bは円周方向に等間隔(この間隔を2極ピッチとする)に8個配設されており、界磁鉄心13a(13b)及び磁極片16a(16b)を一体にした形状は、歯車形状を成している。これら界磁鉄心13a(13b)及び磁極片16a(16b)は、例えば板厚0.35mm〜1mmの打抜鋼板を軸方向に複数個積層してカシメ等により固定して製作されている。一対の界磁鉄心13a、13bは、互いの磁極片16a、16bが1極ピッチ分だけ円周方向にずれた状態になるように固定されている。円周方向に隣接する磁極片16a、16bの間の凹部17には風音抑制部材27が配設されている。風音抑制部材27の外径および厚み(軸方向長さ)は、磁極片16a、16bの外径および厚み(軸方向長さ)と略同じ寸法になっている。風音抑制部材27として、例えば、永久磁石を用いることができる。この場合、永久磁石の着磁方向は径方向とし、外周面の極性は磁極片16が励磁されたときの極性と逆になるようにする。また、風音抑制部材27として、永久磁石を用いる代わりに、樹脂や非磁性金属等の低磁気パーミアンス材料を用いてもよい。
界磁継鉄14は軟磁性材の一体物である。界磁継鉄14の外周部には薄い樹脂でできたインシュレータ18が設けられ、インシュレータ18で囲まれた領域に界磁コイル15が収納されている。界磁コイル15は、界磁継鉄14及び界磁鉄心13a、13bが回転子軸6に圧入固定された後に巻回される。界磁コイル15の外径は磁極片16a、16bの外径と略同じ寸法になっている。
図4は、図1に示す交流回転電機の固定子1を示す斜視図である。図において、固定子1は固定子鉄心19と固定子巻線20とから成る。固定子鉄心19は、円筒形状のコアバック21と、コアバック21の内周部から内径方向に突設した例えば96個のティース部22を備える。固定子鉄心19は、例えば板厚0.35mm〜1mmの打抜鋼板を軸方向(厚み方向)に積層固定して製作されている。さらに本実施の形態では、ティース部22の軸方向(積層方向)の中央付近に低磁気パーミアンス部分23を設けている。低磁気パーミアンス部分23を設ける手法として、例えば、固定子鉄心19の軸方向(積層方向)中央付近でティース部22の無いコアバック21のみの打抜鋼板を積層し、固定子鉄心19の軸方向(積層方向)中央付近をティース部22の無い空隙部とすることによって実現できる。なお、固定子鉄心19の軸方向(積層方向)中央付近のティース部を空隙部とする代わりに、樹脂や非磁性金属等の低磁気パーミアンス材料で構成しても良い。
固定子巻線20は例えば2組の3相巻線から成る。第1及び第2の3相巻線はそれぞれの対応する相同士(例えば、第1の3相巻線のA相と第2の3相巻線のA相)の位相差が電気角32.5度になるように構成されている。そのためには、例えば、固定子鉄心19のスロット開口部24の間隔を適切に調整すればよい(詳しくは特開2001−25138号参照)。1相の巻線は6スロットピッチの全節波巻であり、1つのスロットに6個のコイル辺が収められている。1相の直列導体数は6(個/スロット)×16(スロット/相)=96(個/相)、3相間の接続はΔ結線としている。なお、3相巻線は1組のみでもよく、2組の場合も互いの位相差を電気角30°としてもよい。また、1相の直列導体数は任意の数でよく、Δ結線の替わりにY結線とすることもできる。
以上のような本実施の形態の構成において、固定子1と回転子5の主要寸法を以下のように設定する。
(1)固定子鉄心19の軸方向長さを回転子5の軸方向長さ(L)と略同じ寸法とする。
(2)回転子5の外径(D)を回転子5の軸方向長さ(L)の略2倍とする。
(3)界磁鉄心13a、13bの軸方向長さ(d)を界磁継鉄14の外径(x)の略1/4とする。
(4)界磁継鉄14の外径(x)を回転子5の外径(D)の略0.5とする。
なお、上記主要寸法の設定理由と効果は、後述する。
以上のように、本実施の形態の交流回転電機の回転子5は、回転子軸6と、回転子軸6の外周部に配設された略円筒状の界磁継鉄14と、界磁継鉄14の外周部に円環状に巻回された界磁コイル15と、界磁継鉄14の軸方向両端部に配設された一対の界磁鉄心13a及び13bと、界磁鉄心13a及び13bの外周部から回転子外周方向に向けて突設された複数の磁極片16a、16bから構成されている。すなわち、本実施の形態の回転子5は、従来のクローポール型(爪状磁極型)の交流回転電機の回転子が備えるような、界磁コイルを覆い隠す磁極片の爪部(磁極片の先端から軸方向中央に向かって延設された磁極片部分)がないため、以下のような効果を奏する。
第1に、磁極片の軸方向に延設する爪部が無いので、界磁コイルの外周に円周方向に連続した通風路が形成され、界磁コイルの放熱性が向上する。
第2に、界磁コイルを覆い隠す爪部がない分だけ界磁コイルの巻線領域が増え、巻線の断面積を大きくすることができ、銅損が低減する。
第3に、磁極片の爪部が発生する風切音がなくなるため、騒音が低減する。
第4に、従来のように爪部が遠心力で外側にたわむことがなく、回転時の遠心力に対する剛性が大きくなるため、固定子との空隙長を小さくすることによって界磁磁束が増え、出力が向上する。
第5に、界磁鉄心13a、13bを連続プレス工法で製造できるため、生産性が向上する。また、薄板鋼板の積層構造とすることによって界磁鉄心13a、13b内に発生する渦電流が減少し、鉄損が低減する。
また、隣接する磁極片16a(16b)の間の凹部17に風音抑制部材27を配設したことによって、磁極片16a(16b)の周方向側面から発生する風切音が減少し、騒音が低減する。さらに、風音抑制部材27を永久磁石にすると、界磁磁束が増えて出力が向上する。
また、固定子1と回転子5の代表寸法を前述の(1)〜(4)のように構成したことによって、界磁磁束が増大し、出力が向上する。これは以下に述べる理由による。
いま、界磁継鉄14の外径(直径)を変数xとして、図6の界磁磁束25が最大となるようなxの条件を求めてみる。ただし、回転子5の外径をD、回転子5の軸方向長さをLとし、固定子1と回転子5の空隙長は一定と仮定する。
まず、回転子5の磁路断面積について説明する。回転子5内の磁路は、回転子軸6と界磁継鉄14とで構成される軸方向磁路と、界磁鉄心13a、13bによって構成される径方向磁路とに分解できる。軸方向磁路の断面積S1は、S1=πx/4と表される。一方、径方向磁路の断面積は、内径側断面積S2と外径側断面積S3とで代表することができる。ここで、内径側断面とは界磁継鉄14と同じ外径の界磁鉄心13a又は13bの円筒面状断面を指し、外径側断面とは磁極片16の外周面を指す。内径側断面積S2は、界磁鉄心13a、13bの軸方向長さをdとすると、S2=πxdと表すことができる。また、外径側断面積S3は、磁極片16の周方向長さaの選び方によって変わるが、磁極片16と凹部17を交互に配設する構造上、最大でも全外周面(直径D、高さdの円筒面)の1/2程度となる。したがって、S3≦πDd/2である。
ここで、一般に、磁路断面積は場所によらず一定であることが望ましい。これは、磁路の一部の断面積が他の部分の断面積より小さくなると、断面積の小さい方の磁路が飽和して、磁束の流れを制限してしまうためである。したがって、S1=S2、及び、S2=S3≦πDd/2の条件から、以下の式(1)及び(2)の関係を得る。
Figure 0004607823
Figure 0004607823
次に、回転子5と固定子1の空隙の磁気パーミアンスPmについて説明する。回転子5の軸方向長さは、磁極片16a(16b)が発生する界磁磁束が固定子1に効率的に流入できるように、固定子1の軸方向長さと略等しく設定している。つまり、磁極片16a(16b)の外周面(断面積S3)は、その全面が固定子1の内周面と対向する。したがって、空隙の磁気パーミアンスPmは、空隙長を一定とすると、界磁鉄心13a、13bの外径側断面積S3に比例する。外径側断面積S3は、界磁鉄心13a、13bの外径Dを一定とすると、界磁継鉄13a、13bの軸方向長さdに比例する。さらに式(1)を用いると、以下の比例式(3)を得る。
Figure 0004607823
最後に、界磁コイル15のアンペアターンについて説明する。界磁コイル15の電気抵抗Rは次式(3)で表すことができる。ただし、巻線の抵抗率をρ、巻数をN、断面積をS、1ターンの平均周長(界磁コイル断面中心の周長)をλとおく。
Figure 0004607823
界磁コイル15に印加する直流電圧をVとすると、界磁電流I、アンペアターンNI及び発熱量Pは、それぞれ、次式(5)、(6)、(7)で表される。
Figure 0004607823
Figure 0004607823
Figure 0004607823
したがって、界磁コイル15の断面積Sと1ターンの平均周長λが決まると、アンペアターンNIは巻数Nを小さくするほど大きくなる。しかし、巻数Nを小さくすると、式(7)から分かるように、発熱量Pが増大して界磁コイル15の温度が上昇する。このため巻数Nには適切な下限値Nminが存在する。この下限値Nminは発熱量Pの上限値をPmaxとすると、式(7)を変形して次式(8)のように表すことができる。
Figure 0004607823
また、実施の形態1の場合、界磁コイル15の全断面積Sと1ターンの平均周長λは次式(9)、(10)で表すことができる。
Figure 0004607823
Figure 0004607823
結局、全断面積Sと1ターンの平均周長λが与えられた場合、界磁コイル15の最大アンペアターン(NI)maxは、次式(11)のように表すことができる。
Figure 0004607823
以上により、空隙の磁気パーミアンスPmと界磁コイル15の最大アンペアターン(NI)maxを界磁継鉄14の外径xを変数として表すことができた。界磁磁束Φは、空隙の磁気パーミアンスPmと最大アンペアターン(NI)maxの積に比例するから、次の比例式(12)が成立する。
Figure 0004607823
界磁磁束Φを最大にする変数x(界磁継鉄14の外径)の値は、式(12)をxで微分した式を0とおいた方程式を解くことで得られる。しかしながら、上記方程式の解が煩雑な式となるため、グラフを用いて説明する。図7及び図8は式(12)をプロットしたものである。図7及び図8において横軸は変数x、縦軸は界磁磁束Φの値を表している。図7はD≦2L(D:回転子5の外径、L:回転子5の軸方向長さ)の場合、図8は2L≦Dの場合である。図7から分かるように、D≦2Lの場合は、概ね0.4D≦x≦0.6Dの範囲(図7のx1の範囲)でΦが最大となっている。D<0.5Lの場合は0.6D≦xの領域で最大となるが、上記式(2)よりxは概ね0.5D以下となるので上限は0.6Dとする。また、図8から、2L≦Dの場合は、概ね0.8L≦x≦1.2L(図8のx2の範囲)の範囲でΦが最大となることが分かる。なお、4L<Dの場合は1.2L≦xの領域で最大となるが、回転子5の形状が扁平形状(外径に比して軸方向長さが短い)となって機械的強度が小さくなるので実現性がない。実施の形態1の場合は、上述したようにD≒2L、x≒0.5D(≒1.0L)としているため、界磁磁束Φを最大にする効果がある。
次に、固定子1の界磁磁束の流れについて説明する。図6は、回転子5及び固定子1の界磁磁束の流れを説明するための模式図であり、回転子5の軸方向断面を示す。ただし、軸方向断面の上側の界磁鉄心13a(磁極片16a)と下側の界磁鉄心13b(磁極片16b)は1極ピッチ分だけ周方向の位相がずれている。図6において、界磁電流がブラシとスリップリングを介して界磁コイル15に供給されると界磁磁束25が発生する。界磁磁束25は界磁継鉄14内を軸方向に流れ、一方の(N極となる方の)界磁鉄心13aに至る。界磁鉄心13a内に流入した界磁磁束25は、外径方向に向きを変えて放射状に広がり、磁極片16aの先端から空隙に流出する。回転子5から流出した界磁磁束25は、固定子1のティース部22aの先端から固定子鉄心19内に流入し、そのままティース部22a内を外径方向に流れる。コアバック21に至った界磁磁束25は周方向および軸方向に向きを変え、1極ピッチだけ離れたティース部22bに流入する。そして、この界磁磁束25の周方向の移動のために、界磁磁束25は固定子巻線20と鎖交する。ティース部22b内を内径方向に流れた界磁磁束25は、ティース部22b先端から再び空隙に流出する。そして、磁極片16b先端からもう一方の(S極となる方の)界磁鉄心13bに流入した界磁磁束25は、界磁鉄心13b内を内径方向に流れ、界磁継鉄14に至る。
ところで、ティース部22a先端から固定子鉄心19内に流入した界磁磁束25の一部25aは、ティース部22a内を外径方向には流れず、軸方向に流れる。この磁束は固定子巻線20と鎖交せず、同じティース部22bの先端から磁極片16bに還流する。これは、いわゆる洩れ磁束であり、交流回転電機の出力を低下させる原因の1つである。しかし、本実施の形態の交流回転電機においては、固定子鉄心21のティース部22の軸方向(積層方向)の中央付近に低磁気パーミアンス部分23を設けているため、洩れ磁束の流れを効果的に抑制し、結果として交流回転電機の出力を向上することができる。
これに対して、従来のクローポール型回転子では、N極側磁極片の爪部とS極側磁極片の爪部とが交互に円周方向に近接して配設される。したがって、N極側磁極片の爪部から流出した磁束は、円周方向に流れてS極側磁極片の爪部に流入する。一部の磁束は固定子鉄心内を軸方向に流れるが、距離が遠くなって磁路抵抗が大きくなるため、この量は円周方向に流れる磁束の量に比べて小さい。したがって、漏れ磁束の磁路を断ち切る目的で固定子鉄心のティース部に低磁気パーミアンス部分を設けても、軸方向に流れる磁束量が少ないのでその効果も小さい。
なお、本実施の形態では、固定子鉄心19の軸方向長さを回転子5の軸方向長さと略同じ寸法としたので、コイルエンド部を含む固定子1の軸方向全長が大きくなることになる。しかしながら、例えば、本出願と同じ出願人が提案した技術(特開2001−186729号公報)を使用すれば、従来のコイルエンド群に比べて、コイルエンド群の固定子鉄心の端面からの延出高さを低くできる。また、コイルエンド群における通風抵抗が小さくなり、回転子の回転に起因する風音を低減させることができる。
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2による交流回転電機の回転子を示す斜視図である。本実施の形態の回転子5は、実施の形態1と同様に、回転子軸6と、回転子軸6の外周部に配設された略円筒状の界磁継鉄14(図9では隠れている)と、界磁継鉄14の外周部に円環状に巻回された界磁コイル15と、界磁継鉄14の軸方向両端部に配設された一対の界磁鉄心13a及び13bと、界磁鉄心13a及び13bの外周部から回転子外周方向に向けて突設された複数の磁極片16a、16bとを備えている。そして、各磁極片16a、16bの先端部から軸方向の中心側に向かって爪部26a、26bが突設している。爪部26a、26bの軸方向長さtは、界磁継鉄14の軸方向長さの1/2より短く設定されている。なお、その他の構成は実施の形態1と同様である。
本実施の形態の交流回転電機の構造によれば、各磁極片16a、16bの先端部から突設している爪部26a、26bの軸方向長さtを、界磁継鉄14の軸方向長さの1/2より短く設定しているので、回転子5の回転に伴って爪部26a、26bが発生する風切音を従来より抑制することができる。因みに、従来のクローポール型(爪状磁極型)の交流回転電機の回転子において、N極側磁極片の爪部とS極側磁極片の爪部とは互いに円周方向において重なる位置に配置されている。また、界磁コイル15の外周に周方向に連続する通風路が形成されるので、界磁コイル15の放熱性が向上する。さらに、爪部26a、26bの軸方向長さが従来より短いので機械強度を確保しやすくなる。そのため、爪部26a、26bの内周面をテーパ面とせず円筒面状とし、界磁コイル15と当接するようにすることができる。その結果、界磁コイル15の巻回領域が大きくなり、巻線の断面積を大きくすることによって銅損が低減する。
この発明の実施の形態1による交流回転電機を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による交流回転電機の回転子の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1による交流回転電機の回転子の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による交流回転電機の固定子の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1による交流回転電機の回転子の磁路断面を示す模式図である。 この発明の実施の形態1による交流回転電機の磁束の流れを示す模式図である。 この発明の実施の形態1による回転子の界磁継鉄の外径と界磁磁束の関係を表す図(D≦2Lの場合)である。 この発明の実施の形態1による回転子の界磁継鉄の外径と界磁磁束の関係を表す図(2L≦Dの場合)である。 この発明の実施の形態2による交流回転電機の回転子の要部を示す斜視図である。
符号の説明
1 固定子、5 回転子、6 回転子軸、13a,13b 界磁鉄心、
14 界磁継鉄、15 界磁コイル、16a,16b 磁極片、19 固定子鉄心、
20 固定子巻線、22 ティース部、23 低磁気パーミアンス部分、
25 界磁磁束、26a,26b 磁極片の爪部、27 風音抑制部材。

Claims (9)

  1. 回転子軸と、上記回転子軸の外周部に配設された略円筒状の界磁継鉄と、上記界磁継鉄の外周部に円環状に巻回された界磁コイルと、上記界磁継鉄の軸方向両端部に配設された一対の界磁鉄心と、上記各界磁鉄心の外周部から回転子外周方向に向けて突設された複数の磁極片とを有する回転子を備え
    上記各磁極片には、上記各磁極片の先端から軸方向中央に向かって延在する部分を有しないことを特徴とする交流回転電機。
  2. 上記各界磁鉄心の隣接する磁極片の間の凹部に風音抑制部材を配設し、上記風音抑制部材の外径を上記磁極片の外径と略同じ寸法としたことを特徴とする請求項1に記載の回転電機の回転子。
  3. 上記風音抑制部材は永久磁石であり、上記永久磁石の外周面が、隣接する上記磁極片の励磁極性と逆極性になるように着磁されていることを特徴とする請求項に記載の交流回転電機。
  4. 上記回転子を囲う固定子鉄心及びこの固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子を備え、上記固定子鉄心の軸方向長さを上記回転子の軸方向長さと略同じ寸法とし、かつ、上記界磁鉄心の軸方向長さを上記界磁継鉄の外径の略1/4としたことを特徴とする請求項に記載の交流回転電機。
  5. 上記界磁継鉄の外径を上記回転子の外径の0.4倍〜0.6倍としたことを特徴とする請求項に記載の交流回転電機。
  6. 上記界磁継鉄の外径を上記回転子の軸方向長さの0.8倍〜1.2倍としたことを特徴とする請求項に記載の交流回転電機。
  7. 上記界磁鉄心を鋼板の軸方向積層構造としたことを特徴とする請求項に記載の交流回転電機。
  8. 上記界磁コイルの外径を上記磁極片の外径と略同じ寸法としたことを特徴とする請求項1に記載の交流回転電機。
  9. 上記回転子を囲う固定子鉄心及びこの固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子を備え、上記固定子鉄心の軸方向に延設されるティース部の軸方向中央付近に低磁気パーミアンス部分を設けたことを特徴とする請求項に記載の交流回転電機。
JP2006159274A 2006-06-08 2006-06-08 交流回転電機 Expired - Fee Related JP4607823B2 (ja)

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