JP2001119874A - 回転電機の固定子 - Google Patents

回転電機の固定子

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JP2001119874A
JP2001119874A JP29704899A JP29704899A JP2001119874A JP 2001119874 A JP2001119874 A JP 2001119874A JP 29704899 A JP29704899 A JP 29704899A JP 29704899 A JP29704899 A JP 29704899A JP 2001119874 A JP2001119874 A JP 2001119874A
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stator core
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Toshihiko Sakai
俊彦 酒井
Eiji Yanagida
英治 柳田
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連結部による漏洩磁束の問題を無くし、固定
子鉄心分割方式の利点が充分に活かせるようにした回転
電機の固定子を提供すること。 【解決手段】 固定子鉄心を環状の継鉄部8Yと矢車状
の磁極歯部8Pに分割して作成した後、これらを組合わ
せるようにした固定子鉄心分割方式の固定子において、
磁極歯部8Pを相互に連結している連結部8Cに、この
連結部8Cを通る磁束と確実に鎖交した短絡導電路とな
る短絡巻線12を設けたもの。 【効果】 連結部8Cにおける通過磁束変化を充分に抑
えることができるので、固定子鉄心分割方式による利点
が充分に活かせ、大きなトルクと小さな漏れリアクタン
スをもった高性能の回転電機を容易に提供することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流回転電機の固
定子に係り、特にサーボモータに好適な回転電機の固定
子に関する。
【0002】
【従来の技術】回転電機の固定子(ステータ)の製造方法
としては、従来から、いわゆるインサータ方式と内周巻
線方式及び分割コア方式が用いられているが、近年、需
要が伸びてきた集中巻方式の固定子では、このうちの内
周巻線方式及び分割コア方式が採用されている。
【0003】しかし、この内周巻線方式では、巻線用の
ノズルがスロット開口部分を通して移動しながら巻線し
てゆくため、スロットの中央部に、ノズルの移動軌跡分
の空間が必須であり、この部分を巻線スペースとして有
効に利用できないという問題があった。このため、小形
化が要求される回転機分野においては、コアを分割して
巻回しやすくすることにより、高密度での巻線を可能と
しているものが多い。
【0004】ここで、小形化を図った分割の方法にはい
くつか考えられるが、円周方向の対称性が重要であるた
め、高精度の締結、組立技術が適用できない場合は、外
周側と内周側との2分割にする方法が取られることが多
い。
【0005】そこで、このような固定子鉄心の分割によ
り、固定子(電機子)コイルの高密度配線を可能にし、こ
れにより高性能化が得られるようにした、いわゆる固定
子鉄心分割方式の回転電機からなるサーボモータの一例
について、以下に説明する。
【0006】このサーボモータは、図3に示すように、
まず略円筒形に作られたハウジング1と、その端部に取
付けられている負荷側のブラケット2及び反負荷側のブ
ラケット3を備え、これらのブラケット2、3に設けて
ある軸受4、5により回転軸6が支承されている。
【0007】この回転軸6には、回転子7が設けてある
が、この回転子7は、円周方向に沿って交互に磁極が形
成されるように着磁された円筒状の永久磁石で構成され
ている。次に、ハウジング1の内側には、回転子7の位
置に合わせて、固定子鉄心(ステータコア)8と固定子コ
イル9が設けてあり、さらに、回転軸6の反負荷側に
は、エンコーダ10が設けてある。
【0008】ところで、周知のように、このような回転
電機では、その固定子鉄心は、珪素鋼板などの磁性板
(電磁鋼板)を積層して作られており、このとき、一般的
な回転電機では、固定子鉄心の継鉄(ヨーク)部と磁極
(ポール)を形成する歯(ティース)部が一体の磁性板で作
られ、それを積層して形成されているのが通例である。
【0009】しかし、この図3に示したサーボモータで
は、図4に示すように、固定子鉄心8が、環状(リング
状)の継鉄部8Yと、矢車状(星型)の磁極歯部8Pとに
分割され、独立した形で作られた後、組み合わされて構
成されるようになっており、これが、上記したように、
固定子鉄心分割方式と呼ばれる所以である。
【0010】この図4は、固定子鉄心8と固定子コイル
9を、図3のA−A' 線で切断して矢印方向から見た図
であるが、この図から明らかなように、固定子鉄心8の
磁極歯部8Pは複数の歯部分8Tを備えており、固定子
コイル9は、これらの歯部分8Tの間に形成されている
溝(スロット)部分8S内に、絶縁物11を介在させた状
態で直接巻線され、或いは予めボビンに巻いたコイルと
して挿入されている。
【0011】図5は、固定子鉄心8を拡大して示した図
で、図6は、磁極歯部8Pだけを取り出して示した図で
あり、これらの図から、環状の継鉄部8Yと、矢車状の
磁極歯部8Pが、それぞれ独立して作られていて、固定
子鉄心分割方式になっている様子が明瞭に示されてい
る。
【0012】そして、このとき、継鉄部8Yは、単純に
環状に作られているだけであるが、磁極歯部8Pでは、
放射状になった複数の歯部分8Tがばらばらにならない
ように、連結部(橋絡部)8Cで相互に連結されていて、
これにより矢車状に作られていることが判る。
【0013】従って、固定子コイル9は、環状の継鉄部
8Yから矢車状の磁極歯部8Pを分離した状態で、磁極
歯部8Pの外側に大きく放射状に開放している溝部分8
Sに外側から装着することができ、この結果、高密度状
態の巻線が容易に施すことができ、性能向上が充分に得
られることになる。
【0014】しかしながら、この場合、内周側のコア、
つまり磁極歯部8Pにおいては、一体になった矢車形を
保たせるため、歯部分8T(ティース部)の先端を結合す
る連結部8Cが必要になる。しかし、この連結部では磁
束が橋絡されるため、磁束の分布が本来の設計磁束分布
からずれたものとなる。
【0015】この連結部の寸法は、上記した磁束分布の
ずれの許容量と、必要とされるコア構造強度とから決定
されることになるが、従来知られている技術的解決策と
しては、厚さ0.35mmの電磁鋼板を用いたものにお
いて、連結部の幅として0.25mm〜0.45mm程度
にする方法が用いられている。
【0016】一方、特開平6−054468号公報で
は、サーボモータで重要な性能項目であるコギングトル
クにとっての連結部の寸法による影響について開示して
おり、ここでは、コギングトルクと誘起電圧特性の両立
から考えた場合、まず、連結部の長さをスロットピッチ
で除した値αは0.01〜0.2にし、次に、この連結部
の幅を板厚で除した値βは0.2〜1.0にする必要があ
り、さもないと所要の性能は確保できない旨、記述して
いる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、磁極
の歯部分の先端を結合する連結部分の存在について配慮
がされているとは言えず、漏洩磁束が増加し、これに伴
う性能低下の問題があった。すなわち、この漏洩磁束の
増加はトルク発生に寄与する本来の磁束成分を減らす作
用がある上、この漏洩磁束の変化に対応する入力は無効
電力となり、駆動回路に要求される電圧を大きくしてし
まい、場合によっては所定のトルク性能が得にくくなる
ので、性能低下がもたらされてしまうのである。
【0018】例えば、図3〜図6で説明した従来技術で
は、固定子鉄心8の磁極歯部8Pを構成する複数の歯部
分8Tが連結部8Cで相互に連結されていて、いわゆる
閉スロット形式になっている。
【0019】これは、固定子鉄心8が継鉄部8Yと磁極
歯部8Pとに分割され、これらが独立しており、従っ
て、連結部8Cが無いと、複数の歯部分8Tが全てばら
ばらになってしまって、固定子コイル9を施したり、継
鉄部8Aへの組み付けが簡単にはできなくなってしまう
からである。
【0020】従って、磁極歯部8Pには連結部8Cが不
可欠であるが、しかし、この連結部8Cの存在が問題を
生じてしまうのである。すなわち、この連結部Cは、隣
接した歯部分8T間に、その先端部の相互間をつないだ
形になっていて、この間を橋絡する磁路を形成してしま
うので、固定子コイルの漏れリアクタンスを増加させ、
トルクに寄与する磁束の減少をもたらすなどの影響を及
ぼし、性能向上が充分に得られなくなってしまうのであ
る。
【0021】ところで、これに対処するためには、連結
部Cを細くし、小さな断面積になるようにしてやればよ
い。こうすれば歯部分8T間を結ぶ磁路の磁気抵抗が高
くなって、短絡される磁束の割合が少なくなり、その
分、トルクに寄与する磁束が増加するからである。
【0022】しかしながら、この連結部Cを細くするの
は困難である。何故なら、この連結部Cは、それにより
複数の歯部分8Tを相互に連結し、磁極歯部8Pの矢車
状の形状が保たれるようにしているからで、このとき、
この連結部Cに或る程度の強度が無いと磁極歯部8P全
体の強度が保てず、上記した固定子コイル9を施した
り、継鉄部8Aに組み付けたりするとき、変形してしま
って、固定子と回転子の間の空隙が保てなくなってしま
うからである。
【0023】このとき、治具などにより補強してやる方
法も考えられるが、特別な治具を必要とする上、その取
付工程と取外し工程を要する結果、コストの上昇が避け
られず、治具装着のためのスペースが鉄心に必要にな
り、大型化してしまうという問題が発生してしまう。
【0024】本発明の目的は、連結部による漏洩磁束の
問題を無くし、固定子鉄心分割方式の利点が充分に活か
せるようにした回転電機の固定子を提供することにあ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的は、環状の継鉄
部と矢車状の磁極歯部の組合わせからなる分割型の固定
子鉄心を備えた回転電機の固定子において、前記磁極歯
部を矢車状に形成するための連結部に短絡された導電路
を設け、該導電路が前記連結部を通る磁束と鎖交するよ
うにして達成される。
【0026】導電路は連結部を通る磁束と鎖交し、この
結果、この連結部を通る磁束の変化を打ち消すように働
くので、不要な磁気漏洩がなくなり、小形化できると共
に、強度も充分に得られるので、固定子の組立てに際し
て、別途補強材を用いる必要もなくすことができ、従っ
て、固定子鉄心分割方式の利点を充分に活かし、回転電
機の小型化と高性能化を充分に図ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明による回転電機の固
定子について、図示の実施の形態により詳細に説明す
る。図1は、本発明の一実施形態における固定子鉄心8
を示したもので、図において、12は短絡巻線であり、
その他の構成は、図3〜図6により説明した従来技術と
同じである。
【0028】そして、この実施形態でも、環状の継鉄部
8Yと矢車状の磁極歯部8Pが、それぞれ独立に作られ
た固定子鉄心分割方式になっており、このとき、磁極歯
部8Pを連結部8Cにより相互に連結し、これにより、
放射状になった複数の歯部8Tがばらばらにならないよ
うにして矢車状に作られている点も、上記の従来技術と
同じである。
【0029】短絡巻線12は、連結部8Cを通る磁束と
確実に鎖交する短絡導電路を形成するもので、電磁鋼板
を積層して磁極歯部8Pを形成した後、連結部8Cに、
例えば0.05〜0.25mmφのエナメル被覆電線を1
ターン乃至数ターン、巻回した上で端部を接続し、短絡
して作られている。
【0030】こうして、図1に示すように、連結部8C
の全てに短絡巻線12が施された磁極歯部8Pは、上記
した従来技術と同じく、図4に示すように、固定子コイ
ル9が施されてから環状の継鉄部8Yの内側に挿入さ
れ、組み合わされて固定子を構成し、図3に示したよう
に、サーボモータとして組み立てられることになる。
【0031】詳しくは、固定子コイル9は、上記の従来
技術と同じく、ボビン巻した上で各溝部分8S内に外周
側から嵌め込むか、或いは歯部分8Tにじかに巻回され
て形成され、この後、コイルが組込まれた磁極歯部8P
を、環状の継鉄部8Yに対して軸方向から圧入などの方
法により嵌合し、更にこの後、口出し線の取り付けを行
い、ワニス若しくはモールド処理により固定子コイル9
と短絡巻線12を樹脂封止することにより固定子が完成
することになる。
【0032】この固定子鉄心8の連結部8Cに短絡巻線
12を備えた本発明の実施形態による回転電機の固定子
では、連結部8Cを通る磁束はほとんど全て短絡巻線1
2と鎖交し、この結果、連結部8Cを通る磁束が変化す
ると、電磁誘導により短絡巻線12に起電力が発生し、
大きな短絡電流が流れる。
【0033】そして、この短絡電流による磁束は、連結
部8Cを通る磁束の変化を打消す方向に発生するため、
連結部8Cでの磁束変化が打ち消され、漏れリアクタン
スの増加と、トルクに寄与する磁束の減少を充分に抑え
ることができ、高性能を容易に保持させることができ
る。
【0034】また、この結果、この実施形態によれば、
連結部8Cの断面を小さくする必要がないので、磁極歯
部8P全体の強度が低下する虞れがなく、固定子と回転
子の間の空隙を正確に保持することができ、所期の性能
保持を容易に得ることができる。
【0035】従って、この実施形態によれば、固定子鉄
心分割方式を採用したことによる利点を充分に活かすこ
とができ、小型で効率の良いサーボモータを確実に提供
することができる。
【0036】図2は、本発明の他の一実施形態で、この
図において、13は補助スロットであり、その他の構成
は、図1により説明した実施形態と同じである。補助ス
ロット13は、図示のように、連結部8Cの回転子側か
ら外側に向かって形成してあり、内部に短絡巻線12の
一方の回転子側に位置する部分を収容する働きをする。
【0037】この図2の実施形態によれば、短絡巻線1
2が固定子の内径側にはみ出ることがないので、固定子
と回転子の間の空隙を充分に均一に近づけることができ
ると共に、短絡巻線12が鉄心により充分に保持される
ので、回転子の回転に伴って短絡巻線12が受けてしま
う電磁力にも容易に対応することができる。
【0038】ところで、以上の実施形態では、本発明を
永久磁石回転界磁型のサーボモータに適用した場合につ
いて説明したは、本発明は、回転電機の形式を問わず実
施可能で、汎用の誘導電動機などに適用して、その小型
化、高効率化を図ることができる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、固定子鉄心分割方式を
採用したにもかかわらず、固定子鉄心の歯部を橋絡して
いる連結部における通過磁束変化を充分に抑えることが
できるので、固定子鉄心分割方式による利点を充分に活
かし、大きなトルクと小さな漏れリアクタンスをもった
高性能の回転電機を容易に提供することができる。
【0040】また、本発明によれば、固定子鉄心に必要
とされる構造強度を確保するため、固定子鉄心の連結部
の寸法を大きくしても、誘起電圧が大きくなってしまう
虞れがなく、充分なトルク特性を持たせることができ、
この結果、回転機の小形化、軽量化を更に充分に向上さ
せることができる。さらに、本発明によれば、固定子鉄
心の強度が充分に得られるので、固定子の組立てに補強
が不要になり、コストを容易に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転電機の固定子の一実施形態に
おける固定子鉄心の平面図である。
【図2】本発明による回転電機の固定子の他の一実施形
態における固定子鉄心の平面図である。
【図3】永久磁石を界磁に用いた回転界磁型回転電機か
らなるサーボモータの一例を示す部分断面による側面図
である。
【図4】鉄心分割方式の従来技術による固定子の一例を
示す説明図である。
【図5】鉄心分割方式の従来技術による固定子鉄心の一
例を示す説明図である。
【図6】鉄心分割方式の従来技術による固定子鉄心の磁
極歯部の説明図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 負荷側ブラケット 3 非負荷側ブラケット 4、5 軸受 6 回転軸 7 回転子 8 固定子鉄心 8Y 継鉄部(環状の継鉄部) 8P 磁極歯部(矢車状の磁極歯部) 8T 歯部分 8C 連結部 8S 溝部(スロット) 9 固定子コイル 10 エンコーダ 12 短絡巻線 13 補助スロット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状の継鉄部と矢車状の磁極歯部の組合
    わせからなる分割型の固定子鉄心を備えた回転電機の固
    定子において、 前記磁極歯部を矢車状に形成するための連結部に短絡さ
    れた導電路を設け、 該導電路が前記連結部を通る磁束と鎖交するように構成
    されていることを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、 前記連結部の内周側に溝を設け、 前記導電路が、前記溝の中に収容され樹脂封止されてい
    ることを特徴とする回転電機の固定子。
JP29704899A 1999-10-19 1999-10-19 回転電機の固定子 Pending JP2001119874A (ja)

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