JP2015209509A - エポキシ樹脂組成物および樹脂封止型電子部品装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物および樹脂封止型電子部品装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱による黄変の抑制および耐光性、リードフレームとの密着性に優れたエポキシ樹脂組成物および樹脂封止型電子部品装置を提供すること。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)酸無水物硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)フェノール系酸化防止剤、(E)下記一般式(1)
Figure 2015209509

(R1は水素原子または有機基)
のリン化合物および(F)ジスルフィド結合を有する化合物を必須成分とするエポキシ樹脂組成物およびそれらを用いて電子部品を封止してなる樹脂封止型電子部品装置である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱による黄変の抑制および耐光性(UV耐久性)、リードフレームとの密着性(耐剥離性)に優れたエポキシ樹脂組成物および樹脂封止型電子部品装置に関する。
電子部品の封止用途として使用されているエポキシ樹脂組成物は、そのままでは熱による黄変により色味が変わりやすいため、一般にはカーボンブラックなどの濃い色の着色材を添加して、樹脂組成物の黄変をマスキングしている。
着色材を含まない透明樹脂組成物や淡色系の着色樹脂組成物においては、熱による黄変の抑制には酸化防止剤の添加が必須であるが、エポキシ樹脂の酸化防止剤として、その汎用性の高さから幅広く使用されているフェノール系の酸化防止剤の性能は完璧とは言い難い。したがって、特に電子部品の組立工程における高温短時間のベークや、260℃リフロー(はんだ実装)時に黄変が起こってしまうという欠点があった。
そのため、酸化防止剤の添加量を増やす必要があるが、酸化防止剤の添加量を増やすと成形性の悪化や信頼性の低下を招くばかりでなく、酸化防止剤自身の黄変が目立ちやすくなり、耐光性も劣化するという欠点があった。
そこで、酸化防止剤の添加量を増やさずに、異なる2種類の酸化防止剤を併用することが提案されている(特許文献1参照)。
また、電子部品には様々な熱膨張係数を有する構成材料で組立を行うため、その熱膨張係数の差から、電子部品の組立工程やはんだ実装、さらには、実用時に材料間での剥離を生じさせないために樹脂材料にはジスルフィド化合物のような密着付与剤を添加することが提案されている(特許文献2〜7参照)。密着付与剤としては、表面の濡れ性を向上させるための相溶化剤、密着を保持するための低応力剤もある程度の効果があるが、化学的に密着させる密着付与剤は非常に効果が高く、特に近年、腐食抑制のために貴金属にてめっきされたリードフレームでの剥離抑制には、樹脂材料への化学的密着付与剤の添加が不可欠となっている。特に透明樹脂組成物で封止された電子部品では、剥離があると超音波探傷装置などを用いなくても肉眼で確認できるため、剥離を抑制することの重要性がより高いものになっている。しかし、密着性を付与するためにはある程度の添加量が必要であるが、密着付与剤は着色するため、透明樹脂組成物への添加は望ましくない。
又、酸化防止剤のみを添加する従来の処方だけでは剥離の抑制効果はなく、特に貴金属にてめっきされたリードフレームにはモールド後に剥離するものさえあった。
特開2003−40972号公報 特開2002−249548号公報 特開2004−137397号公報 特開2004−200349号公報 特開2005−82666号公報 特開2008−174711号公報 特開2013−170180号公報
したがって、本発明の目的は、熱による光線透過率低下の抑制および耐光性、リードフレームとの密着性に優れ、特に260℃リフロー(はんだ実装)時においても剥離が生じることのない、長時間に亘って熱履歴を受けても光線透過率または反射率の低下のない硬化物となり得るエポキシ樹脂組成物およびそれを封止材として用いた樹脂封止型電子部品装置を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記の目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、特定のリン化合物とフェノール系酸化防止剤を併用することにより、電子部品の組立工程における高温短時間のベークや、260℃リフロー(はんだ実装)時の熱による黄変を抑制し、実装後においても長期に亘って黄変が抑制され、かつ、耐光性に優れた硬化物を与える透明エポキシ樹脂組成物が得られることを見いだした。さらに、ジスルフィド結合を有する化合物を添加することで、少ない添加量でも硬化物とリードフレームとの剥離を抑制することができることを見いだし、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)酸無水物、(C)硬化促進剤、(D)フェノール系酸化防止剤、(E)下記一般式(1)
Figure 2015209509
(R1は水素原子または有機基)
のリン化合物および(F)ジスルフィド結合を有する化合物を必須成分とするエポキシ樹脂組成物、
(2)さらに成分(G)として酸化チタンを含有する上記(1)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(3)前記R1が水素原子である上記(1)または(2)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(4)前記(A)エポキシ樹脂が2官能のエポキシ樹脂と3官能以上のエポキシ樹脂との混合物である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いて電子部品を封止してなる樹脂封止型電子部品装置を提供する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、特定の酸化防止剤2種類と密着付与剤であるジスルフィド結合を有する化合物(以下、単に、ジスルフィド化合物と記載する)を併用することで、少量の添加量でも相乗効果により、熱による黄変の抑制および耐光性に優れ、この樹脂組成物で封止することで組立時および組立後の剥離が抑制された電子部品となる。熱による光線透過率低下の抑制および耐光性、リードフレームとの密着性に優れ、特に260℃リフロー(はんだ実装)時においても剥離が生じることのない、長時間に亘って熱履歴を受けても光線透過率または反射率の低下のない硬化物となり得るエポキシ樹脂組成物およびそれを封止材として用いた樹脂封止型電子部品装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いるエポキシ樹脂、酸無水物硬化剤には、常温で液状または固形状の公知のものが用いられる。
成分(A)のエポキシ樹脂としては、エポキシ基を2個以上有するものであれば制限されない。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、o-クレソールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、シリコーンハイブリッドエポキシ樹脂および多官能(3官能以上)エポキシ樹脂などを用いることができる。さらに、その他の一般公知の各種エポキシ樹脂を併用することもできる。
中でも、入手のし易さという観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のような2官能のエポキシ樹脂と3官能以上のエポキシ樹脂とを併用することにより、特に、260℃リフロー(はんだ実装)工程後の光の透過率または反射率を高めることができるので好ましい。2官能のエポキシ樹脂と3官能以上のエポキシ樹脂との割合「2官能のエポキシ樹脂/3官能以上のエポキシ樹脂」は、硬化物の物性の観点から、好ましくは、1/1〜5/1、より好ましくは、2/1〜3/1である。
成分(B)の酸無水物としては、例えば、脂環式酸無水物、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物等、一般公知の酸無水物を使用することができ、2種類以上を併用することができる。
脂環式酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等、脂肪族酸無水物としては、無水ブタンテトラカルボン酸、無水マレイン酸や無水フマール酸等、芳香族酸無水物としては、無水フタル酸や無水トリメリット酸等が挙げられる。これらの中でも脂環式酸無水物が好ましい。
成分(A)のエポキシ樹脂と成分(B)の酸無水物の配合比は、それぞれの当量を考慮して決定することができ、(酸無水物の配合量/酸無水物の当量)/(エポキシ樹脂の配合量/エポキシ樹脂の当量)が、好ましくは1.0〜1.2の範囲である。1.0以上であれば硬化物の透明性が良好であるため、輝度が低下することなく、1.2以下であればカラス転移温度の低下がなく、硬化性が良好である。
成分(C)の硬化促進剤としては、不純物濃度が低いものが好ましく使用される。この硬化促進剤には公知のDBU〔1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7〕系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、リン系硬化促進剤、その他の硬化促進剤を併用して使用することができる。
その他の硬化促進剤としては、例えば、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン類およびその塩類;ホスホニウム塩、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズ等の金属石鹸類等が挙げられる。
前記成分(C)の硬化促進剤の添加量は硬化性や硬化物の物性の観点から、成分(A)のエポキシ樹脂および成分(B)の酸無水物硬化剤の合計量100質量部に対して、通常、0.1〜5.0質量部程度、好ましくは0.3〜2.0質量部の範囲である。
本発明に用いる成分(D)のフェノール系酸化防止剤としては、不純物濃度が低いものが好ましく、例えば、下記式(2)で表されるジブチルヒドロキシトルエン(BHT)やその誘導体〔式(3)〜(7)〕など一般公知のフェノール系酸化防止剤を、前記リン化合物(1)と併用することを必要とする。
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、下記式で示すものが挙げられる。
Figure 2015209509
Figure 2015209509
Figure 2015209509
Figure 2015209509
Figure 2015209509
Figure 2015209509
前記成分(D)のフェノール系酸化防止剤の添加量は硬化物の物性の観点から、成分(A)のエポキシ樹脂および成分(B)の酸無水物硬化剤の合計量100質量部に対して、通常、0.1〜5.0質量部程度、好ましくは0.3〜2.0質量部の範囲である。
本発明に用いる成分(E)のリン化合物は、下記一般式(1)
Figure 2015209509
(R1は水素原子または有機基)
で表され、不純物濃度が低いものが好ましい。
一般式(1)において、R1は水素原子または有機基であり、有機基としては、メチル基のような炭素数1〜10のアルキル基、アルキル基等で置換されていてもよいフェニル基のような環形成炭素数6〜18のアリール基、ベンジルル基のような環形成炭素数6〜18のアラルキル基等を表す。
一般式(1)で表される化合物の製造方法は、例えば、特開2001-302685号公報や特開2004-292495号公報に記載されている。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、R1が水素原子である、式(9)で表される9、10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(DOPO)、R1がメチル基である化合物、R1がフェニル基である化合物、R1がベンジル基である化合物や、下記部分構造式(8)
Figure 2015209509
を有し、Aを中心にして回転対称構造を有する化合物が挙げられる。部分構造式(8)において−A−は二価の有機基を有し、具体的には炭素数1〜10のアルキレン基、アルキレン基等を置換基として有していてもよいアリーレン基等である。
具体的には、以下の構造式(9)〜(12)を有する化合物などを単独または併用することができる。
Figure 2015209509
Figure 2015209509
Figure 2015209509
Figure 2015209509
入手の容易さや硬化物の物性の観点から、上記式(9)のリン化合物を用いることが好ましい。
成分(E)のリン化合物の添加量は硬化物の物性の観点から、成分(A)のエポキシ樹脂および成分(B)の酸無水物硬化剤の合計量100質量部に対して、好ましくは、0.1〜5.0質量部程度、より好ましくは0.3〜2.0質量部の範囲である。
また、フェノール系酸化防止剤とリン化合物の融点はいずれも150℃以下であることが望ましい。酸化防止剤が機能するためには、酸化防止剤自身が分解されなければならないが、融点が高すぎるとその機構が働かなくなるためである。フェノール系酸化防止剤とリン化合物の総添加量としては、エポキシ樹脂組成物中2.0質量%以下でその効果を充分に発揮する。
フェノール系酸化防止剤の融点は、より好ましくは50℃〜130℃である。融点が50℃より低いと、長期間、熱や光にさらされた場合、光線透過率(透明性)や同反射率が低下する恐れがある。又、130℃より高いと、酸化防止として作用しない。
本発明において密着付与剤として用いられる成分(F)のジスルフィド化合物としては、分子中にジスルフィド結合、すなわち、−S−S-を一個以上有する化合物が挙げられる。具合的には、ジ−sec−ブチルジスルフィド、ジフェニルジスルフィド、p,p'−ジトリルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、ジベンゾイルジスルフィド、ジチオベンゾイルジスルフィド、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジメチル−4−t−ブチルフェニル)ジスルフィド等、さらに、下記式(13)〜(16)
Figure 2015209509
Figure 2015209509
Figure 2015209509
Figure 2015209509
で表されるジスルフィド化合物などが挙げられ、不純物濃度が低く色味が薄いものの方が良い。
前記成分(F)のジスルフィド化合物の添加量は硬化物の物性、特に耐剥離性の観点から、成分(A)のエポキシ樹脂、成分(B)の酸無水物硬化剤の合計量100質量部に対して、通常、0.01〜3.0質量部程度、好ましくは0.05〜2.0質量部、より好ましくは0.05〜0.5質量部の範囲である。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる成分(G)の酸化チタン粉末にはルチル型あるいはアナターゼ型のどちらでもよく、白色度の高いものが良い。白色度の高いものは硬化物の光線反射率を高めることができる。
酸化チタン粉末の添加割合は、樹脂組成物中1〜40質量%、好ましくは5〜20質量%である。その割合が1質量%未満では樹脂組成物の硬化物における光の透過率が高く隠蔽性に劣り、40質量%を超えると極端に流動性が悪くなるため、充填性が悪くなり好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記成分(A)〜成分(G)以外に本発明の目的に反しない限度において、また必要に応じて、たとえば天然ワックス類、合成ワックス類等の離型剤、ゴム系やシリコーン系ポリマーの低応力付与剤、アミン変性およびエポキシ変性シリコーンオイル等のカップリング剤、染料または顔料などの淡色着色材、反応性または非反応性の希釈剤等を適宜添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を常温で固形の封止材料として調製する場合の一般的な方法は、前述したエポキシ樹脂、酸無水物硬化剤、硬化促進剤、フェノール系酸化防止剤、リン化合物、ジスルフィド化合物およびその他の成分を添加し、ロールまたはニーダ等により加熱溶融混合処理を行い、ついで冷却固化させ適当な大きさに粉砕して封止材料とすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を常温で液状の封止材料として調製する場合の一般的な方法は、前述したエポキシ樹脂、酸無水物硬化剤、硬化促進剤、フェノール系酸化防止剤、リン化合物、ジスルフィド化合物、およびその他の成分を添加し、ロールまたはニーダ等により加熱溶融混合処理を行い、冷却してそのまま封止材料とすることができる。
また、本発明の樹脂封止型電子部品装置は、上記の固形または液状の封止材料を用いて半導体等の電子部品を封止することにより、容易に製造することができる。封止の一般的な方法としては、トランスファー成形、射出成形、圧縮成形など金型とプレス装置を用いた成形方法の場合は、必要に応じて真空成形することにより隙間の充填性向上やボイドを低減させることができる。封止および後硬化の温度は150℃以上にすることが望ましい。
ポッティングにより封止する場合は、上記の液状の封止材料をシリンジ充填して塗布および真空脱気後、オーブンで硬化して作製する。オーブンでの硬化温度は120℃以上にすることが望ましい。
なお、本発明における電子部品としては、半導体、光半導体、コンデンサ、コイル等が挙げられ、中でも光半導体用途として好適である。
次に本発明を実施例および比較例によって説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。以下の実施例および比較例において「部」とは「質量部」を意昧する。
実施例1(固形の封止材料はこの方法に準ずる)
成分(A)の固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔三菱化学(株)製、商品名:エピコート1001、エポキシ当量474〕43.2部および多官能エポキシ樹脂〔日産化学工業(株)製のトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、TEPIC−S〕15.0部、成分(B)の酸無水物硬化剤〔新日本理化(株)製の1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、商品名:リカシッドTH〕40.3部、成分(C)の硬化促進剤〔サンアプロ(株)製の有機ホスホニウム塩、商品名:UCAT5003〕0.4部、成分(D)として前記式(2)のフェノール系酸化防止剤〔和光純薬(株)製のジブチルヒドロキシトルエン、融点70℃、表中ではBHTと記載〕0.5部、成分(E)として前記式(9)のリン系化合物〔三光(株)製、商品名:SANKO-Epoclean、融点118℃〕0.5部、成分(F)のジスルフィド化合物〔川口化学工業(株)製、商品名:ACTOR−R〕0.1部をブレンダーを用いて常温で混合し、さらに、押出機を用いて70〜100℃で混練した後これを冷却、粉砕して透明エポキシ樹脂組成物を製造した。
実施例2〜5
成分(D)のフェノール系酸化防止剤を表1に記載したものに変更した以外は実施例1と同様に行ない透明エポキシ樹脂組成物を製造した。
略号で示したフェノール系酸化防止剤の商品名または製品番号とメーカーは下記の通りである。
MDP-S〔前記式(3)〕:融点128℃、住友化学(株)製
GP〔前記式(4)〕:融点120℃、住友化学(株)製
GA-80〔前記式(5)〕:融点115℃、住友化学(株)製
IRGANOX1010〔前記式(6)〕:融点117℃、BASF社製
アデカスタブ AO−50〔前記式(7)〕:融点51〜54℃、(株)アデカ製
実施例6
成分(D)のフェノール系酸化防止剤を表1に記載したものに変更して、かつ、成分(F)のジスルフィド化合物の添加量を0.05部とした以外は実施例1と同様に行ない透明エポキシ樹脂組成物を製造した。
実施例7
成分(A)のビスフェノールA型エポキシ樹脂の添加量および成分(B)の酸無水物硬化剤の添加量を表1に記載したものに変更して、かつ、成分(G)の酸化チタン〔CR−58、ルチル型、石原産業(株)製〕を10.0部添加した以外は実施例1と同様に行ない、白色エポキシ樹脂組成物を調製した。
実施例8〜11
成分(D)のフェノール系酸化防止剤を表2に記載したものに変更した以外は実施例7と同様に行ない、白色エポキシ樹脂組成物を調製した。
こうして製造した透明エポキシ樹脂組成物または白色エポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形機により165℃に加熱した金型内で2分間成形し、さらに150℃で2時間アフターキュアして試験用成形品を得た。
実施例12(液状の封止材料はこの方法に準ずる)
成分(B)の酸無水物硬化剤〔日立化成(株)製のメチルヘキサヒドロ無水フタル酸、HN−5500E〕44.3部、成分(C)の硬化促進剤としてUCAT5003の0.4部、成分(D)の前記式(2)のフェノール系酸化防止剤(BHT)の0.5部、成分(E)の前記式(9)のリン系化合物〔SANKO-Epoclean〕の0.5部、成分(F)の前記式(16)のジスルフィド化合物〔信越化学工業(株)製、KBE−846〕の0.1部を70℃で混合して溶解した後、常温まで冷却して添加剤入り硬化剤を作製した。この添加剤入り硬化剤と成分(A)のエポキシ樹脂として液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔(株)アデカ、EP−4100E、エポキシ当量190〕の50.2部を添加して常温で攪拌混合および真空脱泡して液状の封止材料(透明エポキシ樹脂組成物)を製造した後、試験片作製用金型に注形してオーブンにて120℃で2時間キュアして試験用成形品を得た。
実施例13〜17
成分(D)のフェノール系酸化防止剤を表3に記載したものに変更した以外は実施例12と同様に行ない液状の封止材料(透明エポキシ樹脂組成物)および試験用成形品を得た。
比較例1
BHTの添加量を表4に記載した量に変更し、SANKO-Epocleanを添加しなかった以外は実施例1と同様に行ない透明エポキシ樹脂組成物および試験用成形品を得た。
比較例2〜16
各成分の種類と添加量を表4〜6に記載したものとした以外は比較例1と同様に行ない液状または固形の透明エポキシ樹脂組成物もしくは液状または固形の白色エポキシ樹脂組成物および試験用成形品を得た。
実施例1〜17および比較例1〜16における配合成分、測定項目、測定条件および得られた測定結果を表1〜表6に示す。
Figure 2015209509
Figure 2015209509
Figure 2015209509
Figure 2015209509
Figure 2015209509
Figure 2015209509
実施例および比較例について諸試験を行なって、その結果を表1〜表6に示したが、本発明のエポキシ樹脂組成物は電子部品の組立工程における高温短時間のベークや、260℃リフロー(はんだ実装)時の熱による黄変(光線透過率や同反射率の低下)および剥離を抑制し、更に実装後、長期に亘って黄変の抑制および耐光性、剥離抑制に優れており、本発明の顕著な効果を確認することができた。
表1〜表6中の※1〜※5は下記の通りである。
※1:トランスファー成形機により150℃に加熱した30mm×50mm×1mmの試験片作製用金型内で120秒間加熱成形し、成形物の外観(膨れの有無)を確認した。
※2:1.0mm厚の成形品を用いて、分光光度計(Jasco製V−570)によって、波長460nmの光による透過率または反射率を測定した。
※3:組立工程における熱処理(成形+170℃×2時間+260℃リフロー工程)後、透過率は150℃、168時間後又は170℃168時間後に測定したものであり、反射率は150℃、500時間後又は170℃500時間後に測定したものである。
※4:組立工程における熱処理(成形+170℃×2時間+260℃リフロー工程)後、高圧UVランプ〔(株)オーク製作所製、HANDY UV800〕でフィルター〔朝日分光(株)製、LU0350〕により350nm以下の光をカットして30時間照射した後に測定したものである。
※5:SOP16(Pd/Auメッキ)に成形または注形し、組立工程における熱処理(成形または注形+170℃×2時間+260℃リフロー工程)後、8個のパッケージについて超音波探傷装置で剥離を確認し、50%以上の面積で剥離しているものを不良としてカウントして、不良パッケージの個数を求めた。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、熱による黄変(光線透過率や同反射率の低下)の抑制および耐光性、リードフレームとの密着性に優れており、樹脂封止型電子部品装置の分野で極めて有用である。

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)酸無水物、(C)硬化促進剤、(D)フェノール系酸化防止剤、(E)下記一般式(1)
    Figure 2015209509
    (R1は水素原子または有機基)
    のリン化合物および(F)ジスルフィド結合を有する化合物を必須成分とするエポキシ樹脂組成物。
  2. さらに成分(G)として酸化チタンを含有する請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記R1が水素原子である請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記(A)エポキシ樹脂が2官能のエポキシ樹脂と3官能以上のエポキシ樹脂との混合物である請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いて電子部品を封止してなる樹脂封止型電子部品装置。
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