JP4433876B2 - エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤 - Google Patents

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本発明は、エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤に関し、さらに詳しくは、短波長吸収性を抑制でき、耐紫外線性、耐候性及び反射性に優れ、光半導体チップをマウントする半導体装置のアッセンブリーや各種部品類の接着に使用しうる、優れた塗布性を有するエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤に関する。
発光ダイオード(LED)やレーザーダイオードなどをはじめとする光半導体は、GaP系やGaAlAs系、GaInAlAs系、GaInAlP系などの化合物からなり、その構造上、半導体の上面と下面から電気を流す必要がある。
これらのLEDなどをリードフレームや基板に接合する際には、導電性接着剤と呼ばれるエポキシ樹脂組成物が電気を流す接着剤として使用され、LED等の下面とリードフレームや基板等とを接着することで、光の反射、電気的および熱的導通を得ている。また、LEDなどの上面には、ファインワイヤーと呼ばれる金などを材料とした細い導線を使用して、LEDとリードフレームや基板と接合し、電気的導通を得ている。
これら従来のLEDは、赤外から緑色程度までの波長を放出することが出来るが、緑色より低い波長を多く放出することが難しいとされていた。
ところが、近年の技術革新によって、GaN系の半導体化合物が緑色より短い波長を多く放出することが見出された。これらのGaN系の半導体化合物は、およそ550nm以下の波長を放出することができ、緑色や青色、また紫外線等の波長を放出できる。
GaN系の半導体化合物は、上記のGaP系LEDなどとは構造が異なり、下面から導通を得るものと導通を必要としないものがあるため、リードフレームや基板に接合する際には、上記の導電性接着剤や導電性を持たないエポキシ樹脂組成物を使用して接着している。
しかしながら、従来の導電性接着剤やエポキシ樹脂組成物では、主にビスフェノールA型エポキシ樹脂やフェノールノボラック型エポキシ樹脂など、汎用のエポキシ樹脂を使用しているため、長時間使用していると変色してしまう問題が生じている。さらに波長エネルギーを吸収してしまうために、LEDなどから発光した光が減衰してしまい、明るく出来ないという問題もある。変色の原因は、汎用のエポキシ樹脂では500〜450nm以下の波長を吸収してしまい、その吸収エネルギーがエポキシ樹脂の構造を変化させてしまうためと考えられている。
一方、これらの問題を解決するために、脂環式エポキシ樹脂や水素添加型エポキシ樹脂を使用することもあるが、一般的にはメチルヘキサヒドロ無水フタル酸やナジック酸無水物などの酸無水物系硬化剤を使用することになる。
この場合、一液型の配合ではポットライフが短くなり、作業性の点で問題があった。また、ジシアンジアミドやフェノール系硬化剤などを使用することにより、一液型の配合も可能となるが、硬化物は着色してしまい、500〜450nm以下の波長を吸収し、発光した光の反射率が低下するという点で問題があった。
また、赤色から青色までの全ての色を発色するLEDが実用化され、これが信号機や情報板などとして屋外で盛んに使用されるものと予想される。そのため、エポキシ樹脂組成物には耐候性の向上も強く望まれている。
このようなことから、水素添加型エポキシ樹脂、カチオン重合開始剤、芳香族オニウム塩、フェノール系酸化防止剤、リン化合物からなるエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これを用いれば、樹脂の着色および熱履歴による着色の問題が回避され、耐候性、靭性に優れた硬化物が得られると考えられる。
しかし、カチオン重合開始剤には、硫黄化合物、リン化合物、ハロゲン化物、アンモニウムイオンのような電子材料としては好ましくない元素が含有されている。芳香族オニウム塩は、樹脂への溶解性が十分に高くなく反応性が均一でないこと、金属イオンが樹脂硬化物中に残存すること等が問題となりうる。また、フェノール系酸化防止剤は、耐候性の向上に効果はあるが、時間と共に黄色く変色してしまう問題がある。さらに、リン化合物は、ある条件の下でイオン化し、半導体と化合物を形成して不具合を発生する可能性がある。
また、有機バインダー、溶剤及び/又はモノマー、並びに導電性粉末からなるとともに、該導電性粉末として銀系粉末を含む導電性ペーストにおいて、分子内にベンゾトリアゾール骨格を1個以上含み、かつ官能基としてメタクリロイル基又はヒドロキシル基を持つ化合物を、樹脂固形分に対し0.1〜10%含有させた導電性ペーストが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、これに関連した絶縁性ペーストとして、耐紫外線性、耐候性に優れた絶縁性ペーストに関する発明が提案され(特許文献3参照)、成分のベンゾトリアゾール骨格を含む化合物が紫外線吸収剤として作用し、耐紫外線性、耐候性の向上に寄与するとしている。しかしながら、光半導体の波長光の反射率を向上させるためには、紫外線を吸収せずに耐紫外線性、耐候性を一層向上する必要がある。
これに対して、本発明者は、先に脂環式エポキシ樹脂、ヒドラジド系硬化剤、および光反射性の無機フィラーを必須成分とするエポキシ樹脂組成物を提案している(特許文献4)。これにより、短波長吸収性を抑制でき、光の反射性、耐紫外線性、耐候性に優れた接着剤が得られた。
しかしながら、エポキシ樹脂組成物をリードフレーム等に塗布する際の塗布形状がまだ十分と言えず、より優れた塗布性を有するエポキシ樹脂組成物の出現が切望されていた。
特開2001−342240(特許請求の範囲) 特開2001−332124(特許請求の範囲) 特開2001−316596(特許請求の範囲) 特願2003−046762(特許請求の範囲)
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点に鑑み、短波長吸収性を抑制でき、耐紫外線性、耐候性、反射性および塗布性に優れ、光半導体チップをマウントする半導体装置のアッセンブリーや各種部品類の接着に使用しうる、優れた塗布性を有するエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、エポキシ樹脂、ヒドラジド系硬化剤、および光反射性の無機フィラーを必須成分とするエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂として、少量のヒドラジド系硬化剤によって脂環式エポキシ化合物を硬化させて得られる反応生成物を用いれば、未反応のエポキシ基を有し液状であるために塗布性が著しく改善されることを確認し、これを光半導体用接着剤として用いれば、短波長吸収性を抑制でき、光の反射性、耐紫外線性、耐候性に優れることから、最近技術開発の進展がめざましいGaN系のLEDに好ましく適用できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、脂環式エポキシ化合物(a1)とヒドラジド系硬化剤(a2)を混合し、加熱し反応させて得られる液状エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、および光反射性の無機フィラー(C)を必須成分として含有するエポキシ樹脂組成物であって、光反射性の無機フィラー(C)は、白色系か発光ダイオード発光波長と同色の無機粒子又は銀色の金属粉末であり、各成分の含有量は、組成物全量基準で、(A)が〜70重量%、(B)が0.5〜45重量%、(C)が3〜90重量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、脂環式エポキシ化合物(a1)とヒドラジド系硬化剤(a2)の使用量は、重量比率で(a1):(a2)=97:3〜80:20の範囲であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、脂環式エポキシ化合物(a1)とヒドラジド系硬化剤(a2)の反応条件は、50〜200℃で0.1〜10時間であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、樹脂成分として、さらにその他のエポキシ樹脂(A’)を含有し、液状エポキシ樹脂(A)とその他のエポキシ樹脂(A’)との含有割合(A)/(A’)は、重量基準で1以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、硬化剤(B)は、ヒドラジド系硬化剤であり、その含有量は、組成物全量基準で、3〜25重量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、硬化剤成分として、さらに硬化促進剤(B’)を含有し、硬化剤(B)と硬化促進剤(B’)の含有割合(B)/(B’)は、重量基準で1.0以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、光反射性の無機フィラー(C)は、バンドギャップエネルギーが2.8eV以上である酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、又は二酸化珪素から選ばれる少なくとも1種以上を含む無機粒子であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、光反射性の無機フィラー(E)は、Ag、Pt、又はAlのいずれか1種以上の金属粉末であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物が提供される。
一方、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかのエポキシ樹脂組成物を用いてなる光半導体用接着剤が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第の発明において、光半導体が、GaN系発光ダイオードであることを特徴とする光半導体用接着剤が提供される。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、これを用いることで、接着性、短波長吸収性の抑制性、耐紫外線性、耐候性、反射性に優れ、しかも塗布性に優れた硬化物が得られる。また、これを用いた光半導体用接着剤は、特に550nm以下の低波長を発するGaN系光半導体の光特性と信頼性を大幅に向上できることから、この発明の工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤について詳細に説明する。
1.エポキシ樹脂組成物
本発明のエポキシ樹脂組成物は、脂環式エポキシ化合物とヒドラジド系硬化剤を特定の重量比率で混合し、加熱し反応させて得られる液状エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、および光反射性の無機フィラー(C)をそれぞれ特定の割合で含んだエポキシ樹脂組成物である。また、この他に粘度調整が必要であれば、溶剤、希釈剤、粘度調整剤などの成分(D)を添加することができる。
(A)液状エポキシ樹脂
液状エポキシ樹脂は、本発明のエポキシ樹脂組成物の主成分であり、脂環式エポキシ化合物(a1)とヒドラジド系硬化剤(a2)を特定の重量比率で混合し、加熱し反応させて得られる液状のエポキシ樹脂である。液状とは、室温(25℃)で液体であり、ゲル化していない状態であることを意味している。
脂環式エポキシ化合物(a1)は、液状エポキシ樹脂を構成する原料成分であり、シクロヘキサンなどの脂環部分とエポキシ部分とを有する熱硬化性樹脂である。以下、脂環式エポキシ化合物(a1)を脂環式エポキシ樹脂という場合がある。
この脂環式エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などに代表される、ベンゼン環を有するエポキシ樹脂を水素化反応してシクロヘキサン環化した水素添加型エポキシ樹脂や、シクロヘキセン環の二重結合を過酢酸で酸化してエポキシ化した、脂肪族環状エポキシ樹脂などが使用できる。例えば、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、(3,4−3’,4’−エポキシシクロ)ヘキシルメチルヘキサンカルボキシレート、ポリ(エポキシ化シクロヘキセンオキサイド)などが挙げられる。これらの脂環式エポキシ化合物は、単独で用いても、混合して使用しても差し支えない。
また、水素添加型エポキシ樹脂であれば、ベンゼン環のシクロヘキサン環化率が80%以上、好ましくは90%以上で、かつ不純物残留成分となる全塩素の含有率が0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下であることが望ましい。シクロヘキサン環化率は、ベンゼン環がシクロヘキサン環に変化した割合で、核磁気共鳴分析装置などで求めることが出来る。
本発明で使用するヒドラジド系硬化剤(a2)は、上記脂環式エポキシ化合物(a1)との反応成分であり、ヒドラジドに由来する反応性ヒドラジド基を1個以上有するヒドラジド系化合物である。
ヒドラジドは、RCONHNH(RはC〜C20のアルキル基、アリール基)の一般式で表されるが、これに由来するヒドラジド系化合物の中では、反応性ヒドラジド基を2個有しているジヒドラジド化合物が望ましい。ジヒドラジド化合物は、有機ラジカルとの反応でエポキシ化合物と高分子化合物を形成しうるので、モノヒドラジド化合物よりもエポキシ樹脂を速やかに硬化させることができる。
一般に、ヒドラジド系硬化剤は、1液型潜在性硬化剤として作用し、エポキシ化合物と混合しても、加熱しない限りは硬化反応が進行しにくく保存安定性に優れている。また、他の1液型硬化剤に比べ、比較的反応が緩やかに進行し、透明で、きれいな硬化物が得られやすい。
このようなヒドラジド系硬化剤としては、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジド、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボジヒドラジド、或いは1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントインなどが挙げられ、単独で用いても混合して使用しても構わない。
樹脂成分となるヒドラジド系硬化剤(a2)には、その他の硬化剤(a2’)を混合してもよい。その他の硬化剤としては、ヒドラジド系硬化剤以外の硬化剤で、脂環式エポキシ化合物と反応して透明な硬化物が得られるものであれば特に限定されず、また、ヒドラジド系硬化剤の促進作用を示すものでも良い。
ある特定量の脂環式エポキシ化合物(a1)とヒドラジド系硬化剤(a2)を混合し、加熱し反応させて得られるエポキシ樹脂は、一部のエポキシ基が全てのヒドラジド系硬化剤と反応して、新たな結合状態を生成しているが、多数のエポキシ基は未反応のまま存在しているので、ゲル化していない。つまり反応性を温存した液状のエポキシ樹脂成分ということができる。
一般に、液状エポキシ樹脂とヒドラジド系硬化剤は、エポキシ当量と活性水素量から計算された組成比付近で混合し加熱することにより、硬化反応を進行させ、やがては固体の樹脂状物質となる。
しかしながら、これらの物質をある特定の範囲内で反応させると、液状のままの樹脂状物質が得られる。これはエポキシ樹脂に含有されているエポキシ基が全てのヒドラジド系硬化剤と反応しても、未反応のエポキシ基が残っているため、分子同士が結合できない部分が生じ、全体としては完全な固体状になれないためである。
このような液状のエポキシ樹脂は、透明、かつ非常に粘ちょうで、樹脂組成物の塗布性を向上することができる。つまり、通常の液状脂環式エポキシ樹脂の多くは非常に粘度が低いため、無機粉末を多く配合した際に、チクソ性が高くなりすぎて、リードフレームなどに塗布する際に塗布の形状が悪く、光半導体をマウントできない問題があるが、本発明のエポキシ樹脂組成物を使用すれば、適度なチクソ性を有し、塗布形状も優れるものとなる。
ここで、脂環式エポキシ化合物(a1)とヒドラジド系硬化剤(a2)の使用量は、重量比率で、(a1):(a2)が97:3〜80:20、好ましくは95:5〜85:15とする。これは(a2)が3未満では粘度が低いままで、粘ちょうな液状樹脂物質とはならず、(a2)が20より多いと硬化反応が進行しすぎて、液状とならない場合があるためである。
本発明において、脂環式エポキシ化合物とヒドラジド系硬化剤を反応させて得られた液状エポキシ樹脂の含有量は、〜70重量%であることが必要である。液状エポキシ樹脂の含有量が、重量%未満では接着剤として必要な接着力が得られず、また、70重量%を超えると、本発明の含有成分である無機フィラー(無機粒子や金属粉末)の量が相対的に少なくなり、それらのフィラーが果たす効果が得られなくなる。液状エポキシ樹脂の好ましい含有量は5〜60重量%、さらには8〜50重量%の範囲である。
樹脂成分の液状エポキシ樹脂(A)には、その他のエポキシ樹脂(A’)を混合でき、その割合は重量比率(A)/(A’)を1以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上とすることができる。液状エポキシ樹脂は、単独でも優れた特性を示すものであるが、より高接着力を求める場合や、より高耐熱性などを必要とする場合に、他の特性に優れたエポキシ樹脂を混合することにより、これらの機能をさらに改善できる。これに対して、重量比率が1未満であると、低波長光の吸収を抑制し、耐紫外線性、耐候性、反射性に優れた硬化物が得られないことがある。
(B)硬化剤
本発明で使用する硬化剤は、上記の液状エポキシ樹脂(A)と反応し、透明な硬化物が得られるものであれば何ら制限は無い。前記ヒドラジド系硬化剤の他に、一般的な酸無水物類やジシアンジアミドおよびその変性物など様々な硬化剤を使用でき、それらは単独でも複数種で使用しても差し支えない。
酸無水物であれば、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸やヘキサヒドロ無水フタル酸等の、構造中の6員環部分がシクロ環になっているものが望ましく、さらには、一液性潜在性硬化剤として作用し、硬化物もより透明なものが得られやすい、ヒドラジド系硬化剤が望ましい。
本発明では、硬化剤の含有量を0.5〜45重量%とする。この組成の範囲であれば、エポキシ樹脂の量に応じ、硬化剤の種類に関係なく、硬化剤として有効に機能する。ヒドラジド系硬化剤を使用する場合であれば、3〜25重量%であることが好ましい。
また、硬化剤成分として、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を早めたり、硬化反応温度を低下させるような硬化促進剤(B’)を使用しても差し支えない。但し、硬化剤(B)との重量比率(B)/(B’)は1.0以上としなければならない。重量比率を1.0以上としたのは、硬化剤とエポキシ樹脂との主反応を効果的に行うためであり、好ましい重量比率は、2.0以上である。
硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルシクロヘキシルアミン等の3級アミン類;1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等の有機リン系化合物;テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩類;1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等や、その有機酸塩等のジアザビシクロアルケン類;オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫やアルミニウムアセチルアセトン錯体等の有機金属化合物類;テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩類;三ふっ化ホウ素、トリフェニルボレート等のホウ素化合物、塩化亜鉛、塩化第二錫等の金属ハロゲン化物が挙げられる。
さらには、高融点イミダゾール化合物、ジシアンジアミド、アミンをエポキシ樹脂等に付加したアミン付加型促進剤等の高融点分散型潜在性促進剤、イミダゾール系、リン系、ホスフィン系促進剤の表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性促進剤、アミン塩型潜在性硬化促進剤、ルイス酸塩、ブレンステッド酸塩等の高温解離型で熱カチオン重合型の潜在性硬化促進剤等に代表される潜在性硬化促進剤も使用することができる。これらの硬化促進剤は単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(C)無機フィラー
本発明で使用する無機フィラーは、バンドギャップエネルギーが2.8eV以上の無機粒子または金属粉末である。これらの無機フィラーは、エポキシ樹脂硬化物の強度を向上し、粘性を調整するのに寄与し、さらにLEDなどから発光した光や波長を反射させる機能を有している。
このうち2.8eV以上の無機粒子は、LED等のチップの下面から導通を得る必要のない場合に用いる。バンドギャップエネルギーが2.8eV以上の無機粒子を用いるのは、発光した波長の光を無機粒子によって反射させるためである。一般に無機化合物における波長の吸収は、主に半導体化合物の励起吸収に起因し、このエネルギーに相当するものが無機化合物のバンドギャップエネルギーである。このバンドギャップエネルギーが2.8eV未満であると、その粒子のもつ波長吸収域が440nm以上となり、発光したLED等で光の反射率の低下を招く。
また、無機粒子の色は特に限定されないが、反射率を向上させるためには白色系の粉末か、その接着するLED等が発光する波長と同色をした粉末が望ましい。
このような無機粒子としては、酸化亜鉛、フッ化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化珪素等が挙げられる。これらの粒子(粉末)は、単独で用いることができるが、2種以上を混合して使用しても差し支えない。
一方、無機フィラーとしての金属粉末は、LED等のチップの下面から導通を得る必要のある場合、導通を得る必要の無い場合のどちらで用いてもよい。金属粉末を使用すれば、上記の無機粒子と同様に、発光波長の光を反射する機能を持ち合わすと同時に、電気的導通を得る機能が付与される。反射の機能をより一層向上させるためには、Ag、Pt、Al等のように銀色をした金属粉末が望ましい。
さらに形状は、各種形状のものであってよいが、フレーク状のものであれば更なる反射率の向上および導電性の向上(例えば、1×10−3Ω・cm以下)が望める。これらは単独で使用できるが、2種以上を混合して使用しても差し支えない。
上記の無機粉末および金属粉末などの無機フィラーは、その粒径などを特に限定するものではないが、最大粒径が40μm以下、特に20μm以下であり、平均粒径が1〜10μm程度、特に1〜5μmのものが望ましい。また、半導体の接着などに使用されることから、水に対して溶解しないものや、Na、K、或いはClなどのイオン性不純物を発生しないものを選定することが望ましい。
また、上記の無機粒子と金属粉末は、無機フィラーとしていずれかを単独で用いてもよいし、求められる特性に応じて互いに混合しても差し支えない。
無機粒子もしくは金属粉末の添加量は、3〜90重量%とする。これは3重量%未満の場合、無機フィラーとして求められる反射率が低下し、一方、90重量%より多いと、相対的にエポキシ樹脂および硬化剤の量が少なくなり、接着剤として機能しなくなるためである。好ましい含有量は、無機粒子であれば、5〜60重量%、さらには10〜50重量%の範囲である。一方、金属粉末であれば、好ましい含有量は、10〜90重量%、さらには20〜85重量%の範囲である。
(D)その他
本発明では、必要に応じて、粘度調整のために溶剤、希釈剤、粘度調整剤などを添加しても構わない。
これらの添加物は、エポキシ樹脂、硬化剤と反応するものと反応しないものに分けられるが、反応するものに関しては、その構造中にベンゼン環を有しないものが望ましい。ベンゼン環を有するものの場合、過剰に添加しすぎるとベンゼン環がLEDの発光により生じた波長を吸収してしまい、反射率の低下等を招く。
一方、エポキシ樹脂や硬化剤と反応しないものの場合は、硬化時に全て揮発するものであれば、どのような構造を有していても差し支えない。
エポキシ樹脂及び硬化剤と反応しない溶剤としては、2,2,4−トリメチル−3−ヒドロキシジペンタンイソブチレート、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−イソブチレート、イソブチルブチレート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、或いは2−ヒドロオキシプロパン酸エチル等が挙げられる。
また、加熱時にエポキシ樹脂および硬化剤と反応し得る溶剤としては、フェニルグリシジルエーテル、エチルヘキシルグリシジルエーテルや、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる
2.エポキシ樹脂組成物の調製
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(1)予め、脂環式エポキシ化合物とヒドラジド系硬化剤を混合し、加熱し反応させてエポキシ樹脂を調製し、(2)得られた液状エポキシ樹脂に、さらに硬化剤、および光反射性の無機フィラーを添加することで製造される。
(1)液状エポキシ樹脂の調製
まず、脂環式エポキシ化合物とヒドラジド系硬化剤とを所定量採取する。ここで、脂環式エポキシ化合物(a1)とヒドラジド系硬化剤(a2)は、重量比率で、(a1):(a2)が97:3〜80:20、好ましくは95:5〜85:15とする必要がある。
これは(a2)が3未満の場合は、反応生成物の粘度が低いままで、粘ちょうな液状樹脂物質とはならず、(a2)が20より多い場合は硬化反応が進行しすぎて液状とならない場合があるためである。
反応条件は、特に限定されないが、50〜200℃で0.1〜10時間、好ましくは、80〜170℃で0.5〜3時間とする。50℃未満或いは0.1時間未満では反応が進行しにくく、200℃を超えるか10時間を超えると反応生成物が着色する場合があるので好ましくない。
(2)各成分の混合
次に、得られた液状エポキシ樹脂に対して、硬化剤、無機フィラーを混合する。液状エポキシ樹脂は〜70重量%として、未反応状態で存在するエポキシ基が実質的に全て反応するのに十分な量の硬化剤を添加することが必要である。
本発明では、硬化剤の含有量を0.5〜45重量%とする。この組成の範囲であれば、エポキシ樹脂の量に応じ、硬化剤の種類に関係なく、硬化剤として有効に機能する。硬化剤としては、第一工程で用いたヒドラジド系硬化剤の他、一般的な酸無水物類やジシアンジアミドおよびその変性物など様々な硬化剤を使用できる。
ヒドラジド系硬化剤を使用する場合は、3〜25重量%を含有させることが好ましい。この場合、第一工程でヒドラジド系硬化剤を用いているから、これを二段階で添加することになる。
無機フィラー(無機粒子もしくは金属粉末)の添加量は、3〜90重量%とする。
各成分を混合するには、例えば、セラミック製3本ロール型混練装置など公知の混練装置を用いて、比較的低温で均一な組成物が得られるまで攪拌すればよい。硬化剤、硬化促進剤の種類にもよるが、50℃を超える温度では液状エポキシ樹脂の硬化反応が進行して固化するので注意が必要である。
3.光半導体用接着剤
上記のエポキシ樹脂組成物は、光半導体チップをマウントする半導体装置のアッセンブリーや各種部品類を接着するのに好適である。
本発明の光半導体用接着剤は、例えばLED、フォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトカプラー、CCD(電荷結合素子)、EPROM(イレーザブルプログラマブルリードオンリーメモリー)、フォトセンサーなどの受光素子や発光素子等の光半導体に対して、従来のエポキシ樹脂組成物にない優れた接着性、熱間強度、反射率、変色性を有する。特に、GaN系のLEDを接着する際に用いると大きな効果を期待できる。
これらの特性の評価方法(条件)は、下記の実施例にて説明するが、接着性が40N以上、熱間強度が5N以上、反射率が35%以上、変色性(ΔE)が5未満という優れたものである。
この接着剤を使用する方法は、特に限定されず、硬化剤の種類によっても異なるが、例えば、基板の上にこのエポキシ樹脂組成物を滴下し、光半導体チップを載せてから、50〜300℃のオーブン中に20〜180分間放置し硬化させればよい。50℃未満或いは20分間未満では接着剤の硬化が不十分となり、一方、300℃を超えるか180分間を超えると樹脂成分が分解する恐れが生じる。
以下、実施例、比較例を用いて、本発明を具体的に示すが、本発明は、これらによって何ら限定されるものではない。なお、用いた原材料は次のとおりである。
エポキシ樹脂(a):ビスフェノールA型エポキシ樹脂を水素添加して得られた脂環式エポキシ樹脂90重量%と、ヒドラジド系硬化剤(7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボジヒドラジド)10重量%を混合し、150℃で1時間加熱して得られた、粘ちょうな透明液状エポキシ樹脂。
エポキシ樹脂(a’):ビスフェノールA型エポキシ樹脂を水素添加して得られた脂環式エポキシ樹脂95重量%と、ヒドラジド系硬化剤(7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボジヒドラジド)5重量%を混合し、150℃で1時間加熱して得られた、やや粘ちょうな透明液状エポキシ樹脂。
エポキシ樹脂(a”):ビスフェノールA型エポキシ樹脂を水素添加して得られた脂環式エポキシ樹脂79重量%と、ヒドラジド系硬化剤(7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボジヒドラジド)21重量%を混合し、150℃で1時間加熱して得られた、透明な固体状エポキシ樹脂。
エポキシ樹脂(b):ビスフェノールA型エポキシ樹脂に水素添加して得られた粘度の低い液体状脂環式エポキシ樹脂。
エポキシ樹脂(c):ビスフェノールA型エポキシ樹脂。
ヒドラジド系硬化剤:7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボジヒドラジド。
ジシアンジアミド:平均粒径7μmの硬化剤。
硬化促進剤:エポキシ樹脂にアミン化合物を付加したアミンアダクト系硬化促進剤。
溶剤:エポキシ樹脂とは反応しないブチルカルビトールアセテート。
無機粒子(酸化亜鉛):市販の粉末でバンドギャップエネルギーが3.2eVであり、平均粒径1.2μmの白色粉末。
金属粉末(銀):導電性接着剤でよく用いられるフレーク状の粉末で、その平均粒径が1.3μmの粉末。
無機粒子(酸化銅粉末):バンドギャップエネルギーが2.1eVであり、平均粒径2.5μmの赤褐色の粉末。
また、評価項目、評価方法は次のとおりである。
接着強度:Cu基板の上にエポキシ樹脂組成物を滴下し、1.5mm角のシリコンチップを載せ、150℃のオーブン中に90分間放置し硬化させた。室温まで冷却した後、上記Cu基板に対し水平方向から上記シリコンチップに力を加え、該シリコンチップが剥がれた時の力を接着強度として測定した。
熱間強度:Cu基板の上にエポキシ樹脂組成物を滴下し、1.5mm角のシリコンチップを載せ、150℃のオーブン中に90分間放置し硬化させた。室温まで冷却した後、250℃に加熱してあるホットプレート上に上記Cu基板を20秒間放置し、その後加熱したまま、該Cu基板に対し水平方向から上記シリコンチップに力を加え、該シリコンチップが剥がれた時の力を熱間強度として測定した。
反射率:エポキシ樹脂組成物を150℃×90分で硬化した後、15×30×0.5mmの帯状に形成し、反射率測定サンプルを作製した。このサンプルを日立製作所製分光光度計U−4001にセットして、450nmの光反射率を測定した。
変色性:ガラス基板上にエポキシ樹脂組成物を20×20×0.1mmとなるように印刷し、150℃×90分で硬化させた。室温まで冷却した後、色差計にてL、a、bの各値を測定した。次に、365nm中心の紫外線ランプを1時間当てた後、再び色差計でL、a、bの各値を測定した。これらの値から、ΔE=√{(L−L+(a−a+(b−b}の式でΔEを計算し、ΔEの値が5未満の場合は変色が少ないとして「○」、5以上の場合は変色が多いとして「×」とした。
塗布性:シリンジ中に充填したエポキシ樹脂組成物を、シリンジの吐出口に取り付けた内径0.2mmのニードルから1000点連続で吐出した。その際、円錐状もしくは半球状になっているものは「○」、糸を引いて隣の点とくっついたり、隣の点に線状で伸びてしまったり、また円錐状の角が高くなって2mm以上になるものが3点以上あった場合は「×」とした。
総合評価:得られた試料について、接着強度、熱間強度、反射率、変色性、塗布性について調べた結果、接着強度は40N以上、熱間強度は5N以上、反射率は35%以上、変色性、塗布性は「○」となったものについてのみ、総合評価を「○」とし、どれか一つでも満たさない特性があった場合は、「×」とした。
(実施例1〜4)
表1の重量割合に従って各原料を配合し、3本ロール型混練機で混練することにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の試料を作製した。
実施例1はエポキシ樹脂(a)、ヒドラジド系硬化剤、酸化亜鉛、溶剤からなるもの、実施例2は実施例1のエポキシ樹脂成分の一部を本発明の範囲内でエポキシ樹脂(c)に置換え、さらに硬化剤においてもジシアンジアミドを使用したものである。
実施例3は使用している樹脂、硬化剤、溶剤は実施例1と同じであるが、無機粉末を銀粉として、導電性を有しているものである。
実施例4は実施例1のエポキシ樹脂(a)を本発明の範囲内でエポキシ樹脂(a’)に置換えたものである。得られた結果を表1に併記した。なお、表1中の組成は重量%で表している。
Figure 0004433876
(比較例1〜5)
下記以外は実施例1〜4と同様にして各原料を配合し、3本ロール型混練機で混練することにより、比較用のエポキシ樹脂組成物の試料を作製した。得られた評価結果は、表1に併記した。
比較例5は、実施例1のエポキシ樹脂成分を本発明の範囲から外れた固体のエポキシ樹脂(a”)に置換えたものである。
「評価と考察」
表1から明らかなように、実施例1〜4は接着剤としての接着力が優れ、低波長の反射性、紫外線に対する劣化、変色性だけでなく、塗布性にも優れた硬化物が得られている。
一方、比較例1は、酸化亜鉛粉末と汎用のビスフェノールA型エポキシ樹脂との組み合わせであるが、接着強度、熱間強度、反射性は優れているものの、紫外線照射後の変色性に劣り、総合評価は「×」となった。
比較例2は、液状エポキシ樹脂とその他のエポキシ樹脂の重量比率が本発明の範囲外のものであるため、変色性が「×」となり、総合評価も「×」となっている。これは、その他のエポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂の重量比率が多すぎるために、紫外線照射後の変色性が劣るものと思われる。
比較例3では、脂環式エポキシ樹脂を樹脂成分として使用したが、接着強度、熱間強度、反射率、変色性においては問題ないが、粘ちょうな液状ではないため塗布性については円錐状の形状の高さが2mm以上となってしまい、評価としては「×」であった。よって総合評価でも「×」となった。
比較例4は、無機粉末フィラーのバンドギャップエネルギーが2.1eVである酸化銅(I)を使用したものである。この例では硬化物の色も黒くなり反射率が低くなってしまった。また、変色性は「○」であるが、これは、もともと黒いため樹脂成分が変色しても、それほど目立たなかったためと考えられる。
さらに、比較例5ではエポキシ樹脂が固体状であったため、全ての原料が混合することができなかった。そのため各評価は測定できず、総合評価でも「×」となった。

Claims (10)

  1. 脂環式エポキシ化合物(a1)とヒドラジド系硬化剤(a2)を混合し、加熱し反応させて得られる液状エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、および光反射性の無機フィラー(C)を必須成分として含有するエポキシ樹脂組成物であって、光反射性の無機フィラー(C)は、白色系か発光ダイオード発光波長と同色の無機粒子又は銀色の金属粉末であり、各成分の含有量は、組成物全量基準で、(A)が〜70重量%、(B)が0.5〜45重量%、(C)が3〜90重量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 脂環式エポキシ化合物(a1)とヒドラジド系硬化剤(a2)の使用量は、重量比率で(a1):(a2)=97:3〜80:20の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 脂環式エポキシ化合物(a1)とヒドラジド系硬化剤(a2)の反応条件は、50〜200℃で0.1〜10時間であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物
  4. 樹脂成分として、さらにその他のエポキシ樹脂(A’)を含有し、液状エポキシ樹脂(A)とその他のエポキシ樹脂(A’)との含有割合(A)/(A’)は、重量基準で1以上であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 硬化剤(B)は、ヒドラジド系硬化剤であり、その含有量は、組成物全量基準で、3〜25重量%であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 硬化剤成分として、さらに硬化促進剤(B’)を含有し、硬化剤(B)とおよび硬化促進剤(B’)との含有割合(B)/(B’)は、重量基準で1以上であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 光反射性の無機フィラー(C)は、バンドギャップエネルギーが2.8eV以上である酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、又は二酸化珪素から選ばれる少なくとも1種以上を含む無機粒子であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 光反射性の無機フィラー(C)は、Ag、Pt、又はAlのいずれか1種以上の金属粉末であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いてなる光半導体用接着剤。
  10. 光半導体が、GaN系発光ダイオードであることを特徴とする請求項に記載の光半導体用接着剤。
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