JP2015208081A - 半導体素子温度推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インバータの冷却装置に異常が発生した場合でも、半導体素子の温度を精度良く推定する。【解決手段】インバータ1に設けられている半導体素子2の温度を推定する半導体素子温度推定装置は、インバータ1を冷却するための冷却装置に異常が発生したか否かを判定し、冷却装置に異常が発生したと判定すると、冷却装置の異常により生じるインバータ1の内部の上昇温度と、冷却装置に異常が発生していない場合における半導体素子2の損失に起因する上昇温度を算出する。そして、算出したインバータ1の内部の上昇温度と、算出した半導体素子2の損失に起因する上昇温度と、温度センサ13によって検出された温度とに基づいて、半導体素子2の温度を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ内に設けられている半導体素子の温度推定技術に関する。
一般的に、インバータに設けられている半導体素子に電流が流れると発熱するため、インバータには冷却装置が設けられている。冷却装置は、例えば、冷却水等の冷媒をインバータに設けられた流路に流すことにより、半導体素子を冷却する。
ここで、冷媒が漏れたり、冷媒の流れが止まったりする等、冷却装置に異常が発生すると、冷却効率が悪化する。従って、冷却装置の異常時には、半導体素子の温度が使用可能温度範囲内に収まるように、半導体素子の温度を検出または推定して、温度保護制御を行う必要がある。
特許文献1には、モータのコイルに流れる電流に基づいて、インバータの半導体素子の温度を推定する方法が開示されている。
特開2009−17707号公報
しかしながら、冷却装置が正常な場合には、コイルに流れる電流に基づいて、インバータの半導体素子の温度を精度よく推定できるが、冷却装置に異常が生じると、半導体素子から冷媒までの熱抵抗が変化するため、半導体素子の温度推定に誤差が生じる。
本発明は、インバータを冷却するための冷却装置に異常が発生した場合に、インバータに設けられている半導体素子の温度を精度良く推定する技術を提供することを目的とする。
本発明による半導体素子温度推定装置は、インバータに設けられている半導体素子の温度を推定する装置であって、インバータに設けられ、周辺の温度を検出する温度検出手段と、インバータを冷却するための冷却装置に異常が発生したか否かを判定する異常判定手段と、半導体素子の温度を推定する温度推定手段とを備える。温度推定手段は、冷却装置に異常が発生したと判定すると、冷却装置の異常により生じるインバータの内部の上昇温度と、冷却装置に異常が発生していない場合における半導体素子の損失に起因する上昇温度を算出し、算出したインバータの内部の上昇温度と、算出した半導体素子の損失に起因する上昇温度と、温度検出手段によって検出された温度とに基づいて、半導体素子の温度を推定する。
本発明によれば、インバータの冷却装置に異常が発生したと判定すると、冷却装置の異常により生じるインバータの内部の上昇温度と、冷却装置に異常が発生していない場合における半導体素子の損失に起因する上昇温度と、インバータに設けられた温度検出手段の検出温度とに基づいて、半導体素子の温度を推定するので、冷却装置の異常により、半導体素子から冷却装置までの熱抵抗が変化した場合でも、半導体素子の温度を精度良く推定することができる。
図1は、一実施の形態における半導体素子温度推定装置を適用するインバータおよびその周辺機器を示す図である。 図2は、一実施の形態における半導体素子温度推定装置によって行われる制御の流れを示すフローチャートである。 図3は、温度センサの推定出力値と実際の出力値とに基づいて冷却装置に発生する異常の有無を判断する場合のタイムチャートを示す図である。 図4は、温度センサの検出値と水温センサの検出値とに基づいて冷却装置に発生する異常の有無を判断する場合のタイムチャートを示す図である。 図5は、冷却装置が正常な場合における半導体素子から冷媒までの熱抵抗モデルの一例を示す図である。 図6は、冷却装置が異常な場合の半導体素子の温度推定方法で用いる熱抵抗モデルの一例を示す図である。 図7は、冷却装置に異常が発生し、半導体素子の損失が一定であるとした場合の半導体素子の温度変化量を示す図である。 図8は、冷却装置に異常が生じた場合の熱抵抗成分および熱容量成分を含む熱抵抗モデルを示す図である。 図9は、前回の演算時に冷却装置が正常であり、今回の演算時に冷却装置に異常が発生したと判定した場合には、冷却装置が正常な場合と同じ方法により、半導体素子のベース温度を算出する処理の流れを示すフローチャートである。 図10は、冷却装置に異常が生じて、半導体の損失が変化した場合の半導体素子の温度変化量を示す図である。
図1は、一実施の形態における半導体素子温度推定装置を適用するインバータおよびその周辺機器を示す図である。この半導体素子温度推定装置は、例えば、三相交流モータ17を駆動源とする電気自動車やハイブリッド車、燃料電池車に搭載されて使用される。ただし、半導体素子温度推定装置の適用先が車両に限定されることはなく、車両以外のシステムに適用することもできる。
インバータ1は、バッテリ10の直流電力を交流電力に変換して、三相交流モータ17に供給する。インバータ1には、スイッチング素子として機能する複数の半導体素子(例えばIGBT)2と、各半導体素子2と逆並列に接続されたダイオードが設けられている。より具体的には、直列に接続された2つの半導体素子2が3対設けられている。
インバータ1には、冷却水等の冷媒を流すための冷媒流路が設けられており、ポンプ19を駆動して冷媒流路に冷媒を送り込むことにより、インバータ1の半導体素子2の熱を奪う。半導体素子2の熱により温められた冷媒は、ラジエータ11内を通過する際に放熱して冷却される。冷却された冷媒は再びインバータ1に設けられた冷媒流路に送り込まれる。
水温センサ18は、冷媒流路に流れる冷媒の温度を検出する。
温度センサ13は、インバータ1の内部に、半導体素子2とは物理的に離れた位置に設けられ、周辺温度を検出する。図1では、直列に接続された2つの半導体素子2のうち、上側の半導体素子2に対応して、3つの温度センサ13が設けられている。
3つの電流センサ14は、インバータ1から三相交流モータ17に流れるU相、V相、W相の電流を検出する。
回転センサ16は、例えば、レゾルバやエンコーダであり、三相交流モータ17の回転子位相を検出する。
制御回路15は、インバータ1内に設けられている半導体素子2のオン/オフを制御するとともに、温度センサ13、電流センサ14、水温センサ18の各検出値を入力して、半導体素子2の温度を推定し、推定した温度に基づいて、半導体素子2の温度保護制御を行う。
図2は、一実施の形態における半導体素子温度推定装置によって行われる制御の流れを示すフローチャートである。ステップS1から始まる処理は、制御回路15によって行われる。
ステップS1では、冷却装置に異常が生じているか否かを判定する。冷却装置とは、インバータ1に設けられた冷媒流路に冷媒を流して、半導体素子2を冷却する装置のことである。
冷却装置の異常は、例えば、温度センサ13から冷媒までの熱抵抗モデルと半導体素子2の損失とに基づいて、温度センサ13の出力を推定し、温度センサ13の推定出力値と、実際の出力値とを比較して、両者の値の差が所定の閾値Th1以上になると、冷却装置に異常が発生していると判断する。温度センサ13から冷媒までの熱抵抗モデルや、半導体素子2の損失は、予め求めておくことができる。
図3は、温度センサ13の推定出力値と実際の出力値とに基づいて冷却装置に発生する異常の有無を判断する場合のタイムチャートを示す図である。図3では、上から順に、温度センサ値、半導体素子2の損失、冷却装置異常判定フラグを示している。温度センサ値には、温度センサ13の検出値および推定値が含まれる。冷却装置異常判定フラグは、冷却装置が正常な場合に0、異常な場合に1を示すフラグである。
図3では、時刻T30において、温度センサ13の検出値と推定値の差が所定の閾値Th1以上になり、冷却装置に異常が生じたと判定して、冷却装置異常判定フラグが0から1に変化している。
冷却装置の異常を、温度センサ13の検出値と水温センサ18の検出値とに基づいて判定することもできる。すなわち、温度センサ13の検出値と水温センサ18の検出値との差が所定の閾値Th2以上になると、冷却装置に異常が生じたと判定する。
図4は、温度センサ13の検出値と水温センサ18の検出値とに基づいて冷却装置に発生した異常の有無を判断する場合のタイムチャートを示す図である。図4では、上から順に、温度センサ13と水温センサ18の検出値の差、半導体素子2の損失、冷却装置異常判定フラグを示している。図3と同様に、冷却装置異常判定フラグは、冷却装置が正常な場合に0、異常な場合に1を示すフラグである。
図4では、時刻T40において、温度センサ13の検出値と水温センサ18の検出値の差が所定の閾値Th2以上になり、冷却装置に異常が生じたと判定して、冷却装置異常判定フラグが0から1に変化している。
図2のステップS1において、冷却装置に異常が生じていると判定するとステップS2に進んで、半導体素子2と冷媒間の熱抵抗、半導体素子2の損失、および、温度センサ13の検出値に基づいて、半導体素子2の温度Tjを推定する。一方、冷却装置に異常が生じていないと判定すると、ステップS3に進んで、半導体素子2と冷媒間の熱抵抗、半導体素子2の損失、および、水温センサ18の検出値に基づいて、半導体素子2の温度Tjを推定する。
まず初めに、ステップS3の処理、すなわち、冷却装置が正常な場合の半導体素子2の温度推定方法について説明する。冷却装置が正常な場合、半導体素子2から冷媒までの熱抵抗モデル、半導体素子2の損失、および、水温センサ18の検出値に基づいて、半導体素子2の温度Tjを推定する。
図5は、冷却装置が正常な場合における半導体素子2から冷媒までの熱抵抗モデルの一例を示す図である。図5では、インバータ1の構造を示す図の上に重ねて、熱抵抗モデルの回路を示している。
半導体素子2は、はんだ53を介して、セラミックス基板51の上に固定されている。セラミックス基板51とはんだ53との間には、銅箔52が設けられている。
温度センサ13は、半導体素子2とは物理的に離れた位置に設けられている。温度センサ13は、はんだ53を介してセラミックス基板51の上に固定されている。
セラミックス基板51の下方には、冷却器54が設けられている。より具体的には、冷却器54は、はんだ53によってセラミックス基板51にはんだ付けされており、はんだ53とセラミックス基板51との間には、銅箔52が設けられている。
冷却器54には、冷媒を流すための冷媒流路55が設けられており、冷媒流路55の外側には、流路カバー56が設けられている。
本実施形態では、半導体素子2から冷媒流路55を流れる冷媒までの熱抵抗モデルとして、熱抵抗成分および熱容量成分を複数個接続したモデルを考える。ここでは、図5に示すように、熱抵抗成分はR1〜R3の3つ、熱容量成分はC1〜C3の3つとして説明する。
半導体素子2の温度Tjは、次式(1)より推定することができる。ただし、式(1)の演算は繰り返し行うため、s回目の演算時の半導体素子2の推定温度TjをTj(s)と表す。また、式(1)中のTB(s)は、s回目の演算時における半導体素子2のベース温度であり、ΔTj(s)は、s回目の演算時における半導体素子2の損失による温度上昇であり、式(2)により算出することができる。式(2)中のnは、熱抵抗成分および熱容量成分の数であり、図5に示すように熱抵抗成分および熱容量成分が3つずつの場合には、nは3である。半導体素子2のベース温度TB(s)は、s回目の演算時における水温センサ18の検出温度Twとする。
Figure 2015208081
Figure 2015208081
式(2)において、ΔTi(s)はs回目の演算時におけるi番目の熱抵抗成分・熱容量成分による半導体素子2の温度上昇を表しており、次式(3)により表される。
Figure 2015208081
式(3)において、Δtは(s−1)回目とs回目の演算の間に経過した時間を表している。また、P(s-1)は、(s−1)回目の演算時の半導体素子2の損失を、Rthiはi番目の熱抵抗成分を、τiはi番目の熱抵抗成分と熱容量成分の積を表している。
図5における熱抵抗成分および熱容量成分は、一定の条件の下であらかじめ実験的に求めることができる。また、半導体損失2の損失も予め求めておくことができる。
従って、式(3)より、s回目の演算時におけるi(i=1〜3)番目の熱抵抗成分・熱容量成分による半導体素子2の温度上昇ΔTi(s)を求め、式(2)より、求めた1〜3番目の熱抵抗成分・熱容量成分による半導体素子2の温度上昇ΔTi(s)を加算することにより、s回目の演算時における半導体素子2の損失による温度上昇ΔTj(s)を算出する。そして、s回目の演算時における半導体素子2のベース温度TB(s)に、温度上昇ΔTj(s)を加算することによって、s回目の演算時の半導体素子2の温度Tj(s)を求める。
続いて、図2のステップS2の処理、すなわち、冷却装置が異常な場合の半導体素子2の温度推定方法について説明する。冷却装置に異常が生じている場合でも、式(1)により、半導体素子2の温度Tjを推定する。ただし、冷却装置に異常が生じている場合には、半導体素子2のベース温度が上昇していくため、半導体素子2の温度上昇分を考慮して、半導体素子2のベース温度TB(s)を算出する。すなわち、冷却装置に異常が生じている場合の半導体素子2のベース温度TB(s)に、冷却装置が正常な場合における半導体素子2の損失による温度上昇ΔTj(s)(式(2)参照)を加算することにより、半導体素子2の温度Tjを推定する。この場合の熱抵抗モデルの一例を図6に示す。
冷却装置に異常が発生している場合には、次式(4)により、半導体素子2のベース温度TB(s)を算出する。ただし、式(4)において、ΔTj’(s)は、s回目の演算時におけるインバータ内部の温度上昇分であり、Ts(s)は、s回目の演算時における温度センサ13の検出温度である。
Figure 2015208081
s回目の演算時におけるインバータ内部の温度上昇分ΔTj’(s)は、次式(5)により算出される。
Figure 2015208081
式(5)において、Rth’iは、冷却装置に異常が発生した場合のi番目の熱抵抗成分を表し、τ’iは、冷却装置に異常が発生した場合のi番目の熱抵抗成分と熱容量成分の積を表している。Rth’iおよびτ’iは、冷却装置が正常な場合と異常な場合(冷媒が無い場合)で損失が同一であるとした場合の半導体素子2の温度変化の差分から予め求めておく。
図7は、冷却装置に異常が発生し、半導体素子2の損失が一定であるとした場合の半導体素子2の温度変化量を示す図である。図7では、上から順に半導体素子2の温度変化量、温度センサ13の検出温度、半導体素子2の損失、三相交流モータ17のトルクを示している。半導体素子2の温度変化量は、温度センサ13の検出値から算出した温度変化量を点線で、半導体素子2の損失から算出した温度変化量を一点鎖線で、温度センサ13の検出値から算出した温度変化量および半導体素子2の損失から算出した温度変化量に基づいて推定された半導体素子2の温度変化量を実線で表している。
半導体素子2の急激な発熱量の変化に伴う温度変化が生じた場合、温度センサ13が半導体素子2から物理的に離れた位置に配置されていると、図7に示すように、温度センサ13の検出値から算出した温度変化量は、実際の半導体素子2の温度変化量とは大きく異なるため、温度センサ13の検出値に基づいて半導体素子2の温度保護制御を適切に行うことはできない。しかしながら、本実施形態では、半導体素子2と冷媒間の熱抵抗、半導体素子2の損失、および、温度センサ13の検出値に基づいて、半導体素子2の温度を推定するので、半導体素子2の温度を精度良く推定することができ、半導体素子2の温度保護制御を適切に行うことができる。
上述した方法とは別の方法により、半導体素子2の温度Tjを推定することもできる。例えば、冷却装置の異常により変化した熱抵抗成分を温度センサ13の検出値に基づいて推定し、推定した熱抵抗成分をベースに半導体素子2の温度Tjを推定することもできる。図8は、冷却装置に異常が生じた場合の熱抵抗成分R1’〜R3’および熱容量成分C1’〜C 3’を含む熱抵抗モデルを示す図である。
図2のフローチャートに戻って説明を続ける。ステップS4では、ステップS2またはステップS3で推定した半導体素子2の温度Tjが所定の保護温度を超えているか否かを判定する。半導体素子2の推定温度Tjが所定の保護温度を超えていないと判定するとステップS1に戻り、所定の保護温度を超えていると判定すると、ステップS5に進む。
ステップS5では、例えば、インバータ1の出力制限や出力停止等を行うことにより、半導体素子2の保護制御を行い、半導体素子2の温度を低下させる。
図2に示すフローチャートでは、冷却装置に異常が発生したと判定すると、冷却装置が正常な場合とは異なる方法により、半導体素子2のベース温度TB(s)を算出した。しかし、前回の演算時に冷却装置が正常であり、今回の演算時に冷却装置に異常が発生したと判定した場合には、冷却装置が正常な場合と同じ方法により、半導体素子2のベース温度TB(s)を算出するようにしてもよい。
図9は、前回の演算時に冷却装置が正常であり、今回の演算時に冷却装置に異常が発生したと判定した場合には、冷却装置が正常な場合と同じ方法により、半導体素子2のベース温度TB(s)を算出する処理の流れを示すフローチャートである。図2に示すフローチャートと同じ処理を行うステップについては、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
ステップS1において冷却装置に異常が生じていると判定するとステップS11に進む。ステップS11では、前回の演算時に冷却装置が正常であったか否かを判定する。前回の演算時に冷却装置が正常であったと判定すると、ステップS12に進む。
ステップS12では、水温センサ18の検出温度Twを半導体素子2のベース温度TB(s)として設定して、半導体素子2の温度Tjを推定する。図2のステップS2の処理と異なるのは、半導体素子2のベース温度TB(s)だけであり、半導体素子2の温度Tjの推定方法は同じである。
一方、ステップS11において前回の演算時に冷却装置が正常ではなかったと判定すると、ステップS2に進む。
以上、一実施の形態における半導体素子温度推定装置によれば、インバータ1を冷却するための冷却装置に異常が発生したか否かを判定し、異常が発生したと判定すると、冷却装置の異常により生じるインバータ1の内部の上昇温度と、冷却装置に異常が発生していない場合における半導体素子2の損失に起因する上昇温度とを算出し、算出したインバータ1の内部の上昇温度および半導体素子2の損失に起因する上昇温度と、温度センサ13によって検出される半導体素子2の周辺の温度とに基づいて、半導体素子2の温度を推定する。これにより、冷却装置に異常が発生して半導体素子2から冷媒までの熱抵抗が変化した場合であっても、熱抵抗の変化を考慮して精度良く半導体素子2の温度を推定することができる。
ここで、冷却装置に異常が発生した場合の熱抵抗モデルを予め作成しておき、この熱抵抗モデルを利用して半導体素子2の温度を推定する方法が考えられる。しかしながら、冷却装置の異常には、冷媒が少しずつ流れている状態、冷媒が完全に止まっている状態、冷媒が無い状態等、様々な異常状態が存在するため、各異常状態に応じた熱抵抗モデルが必要となるが、予め全ての異常状態に対応する熱抵抗モデルを用意することは不可能である。
また、インバータに設けられた温度センサの温度検出値が所定の閾値を超えると、冷却装置異常または半導体素子の温度異常が生じたと判定して、半導体素子の保護制御を行う方法も考えられる。この方法は、温度センサが半導体素子のすぐ近くに設けられている場合には、半導体素子の温度を温度センサによって比較的精度良く検出できるため、半導体素子の保護制御を行うことができる。しかしながら、温度センサが半導体素子から物理的に離れた位置に設けられている場合には、温度センサの温度検出値が半導体素子の温度と異なるため、例えば、半導体素子の急激な発熱量の変化に伴う温度変化が生じた場合等では、上述した方法では、半導体素子の保護制御を適切に行うことはできない。
図10は、冷却装置に異常が生じて、半導体の損失が変化した場合の半導体素子2の温度変化量を示す図である。図10では、上から順に半導体素子2の温度変化量、温度センサ13の検出温度、半導体素子2の損失、三相交流モータ17のトルクを示している。半導体素子2の温度変化量は、温度センサ13の検出値から算出した温度変化量を点線で、半導体素子2の損失から算出した温度変化量を一点鎖線で、温度センサ13の検出値および半導体素子2の損失から推定した半導体素子2の温度変化量を実線で表している。図10に示すように、温度センサ13の検出値から算出した温度変化量(点線)は、特に半導体素子2の損失が変化した後において、温度センサ13の検出値および半導体素子2の損失から推定した温度変化量(実線)とは大きく異なる。従って、温度センサの検出値が所定の閾値を超えると、冷却装置異常または半導体素子の温度異常が生じたと判定する方法では、半導体素子の保護制御を開始するタイミングが遅くなり、適切に半導体素子の保護を行うことができなくなる。しかしながら、一実施の形態における半導体素子温度推定装置によれば、冷却装置に異常が発生したと判定すると、冷却装置の異常により生じるインバータ1の内部の上昇温度と、冷却装置に異常が発生していない場合における半導体素子2の損失に起因する上昇温度を算出し、算出したインバータ1の内部の上昇温度と、算出した半導体素子2の損失に起因する上昇温度と、温度センサ13によって検出された温度とに基づいて、半導体素子2の温度を推定するので、図10に示すような半導体素子2の急激な発熱量の変化に伴う温度変化が生じた場合でも、半導体素子2の温度を精度良く推定することができるので、半導体素子2の保護制御を適切に行うことができる。
また、一実施の形態における半導体素子温度推定装置によれば、冷却装置に異常が発生していないと判定すると、水温センサ18によって検出された冷媒の温度と、冷却装置に異常が発生していない場合における半導体素子2の損失に起因する上昇温度とに基づいて、半導体素子の温度を推定する。これにより、冷却装置に異常が発生していない場合に、半導体素子2の温度を精度良く推定することができるので、半導体素子2の保護制御を適切に行うことができる。
また、冷却装置に異常が発生していない場合における温度センサ13から冷媒までの熱抵抗モデルと半導体素子2の損失との関係に基づいて、温度センサ13の出力値を推定し、推定した温度センサ13の出力値と温度センサ13の検出値との差に基づいて、冷却装置に異常が発生したか否かを判定する。これにより、冷却装置に異常が発生したか否かを精度良く判定することができるので、冷却装置の異常の有無に応じた温度推定方法を用いて、半導体素子2の温度を適切に推定することができる。
さらに、温度センサ13によって検出された温度と、水温センサ18によって検出された温度との差に基づいて、冷却装置に異常が発生したか否かを判定することもできる。この場合も冷却装置に異常が発生したか否かを精度良く判定することができるので、冷却装置の異常の有無に応じた温度推定方法を用いて、半導体素子2の温度を適切に推定することができる。
本発明は、上述した一実施の形態に限定されることはない。
1…インバータ
2…半導体素子
13…温度センサ(温度検出手段)
15…制御回路(異常判定手段、温度推定手段、出力推定手段)
18…水温センサ(冷媒温度検出手段)
54…冷却器

Claims (4)

  1. インバータに設けられている半導体素子の温度を推定する半導体素子温度推定装置であって、
    前記インバータに設けられ、周辺の温度を検出する温度検出手段と、
    前記インバータを冷却するための冷却装置に異常が発生したか否かを判定する異常判定手段と、
    前記半導体素子の温度を推定する温度推定手段と、
    を備え、
    前記温度推定手段は、前記冷却装置に異常が発生したと判定すると、前記冷却装置の異常により生じる前記インバータの内部の上昇温度と、前記冷却装置に異常が発生していない場合における前記半導体素子の損失に起因する上昇温度を算出し、算出した前記インバータの内部の上昇温度と、算出した前記半導体素子の損失に起因する上昇温度と、前記温度検出手段によって検出された温度とに基づいて、前記半導体素子の温度を推定する、
    ことを特徴とする半導体素子温度推定装置。
  2. 請求項1に記載の半導体素子温度推定装置において、
    前記冷却装置は、冷媒を流すことによって前記インバータを冷却するものであって、
    前記冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段をさらに備え、
    前記温度推定手段は、前記冷却装置に異常が発生していないと判定すると、前記冷媒温度検出手段によって検出された冷媒の温度と、前記冷却装置に異常が発生していない場合における前記半導体素子の損失に起因する上昇温度とに基づいて、前記半導体素子の温度を推定する、
    ことを特徴とする半導体素子温度推定装置。
  3. 請求項2に記載の半導体素子温度推定装置において、
    前記冷却装置に異常が発生していない場合における前記温度検出手段から前記冷媒までの熱抵抗モデルと前記半導体素子の損失との関係に基づいて、前記温度検出手段の出力値を推定する出力推定手段をさらに備え、
    前記異常判定手段は、前記出力推定手段によって推定された前記温度検出手段の出力値と、前記温度検出手段の検出値との差に基づいて、前記冷却装置に異常が発生したか否かを判定する、
    ことを特徴とする半導体素子温度推定装置。
  4. 請求項2に記載の半導体素子温度推定装置において、
    前記異常判定手段は、前記温度検出手段によって検出された温度と、前記冷媒温度検出手段によって検出された温度との差に基づいて、前記冷却装置に異常が発生したか否かを判定する、
    ことを特徴とする半導体素子温度推定装置。
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