JP2015207699A - 半導体チップを金属表面部材に接合した装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体チップの裏面の全域を金属表面部材の表面に接合した構造では、半導体チップの動作温度が高くなると熱応力が大きくなり、動作温度を高くできない。【解決手段】半導体チップを液相拡散接合層で金属表面部材に接合する。半導体チップの中心部では接合層の形成範囲を密として周辺部では疎とする。半導体チップを平面視したときの中心から周辺までの距離の40%の距離にある点列で囲まれる範囲を中心部とし、その外側を周辺部とし、中心部での接合層形成範囲を70〜92%とし、周辺部での接合層形成範囲を23〜58%としたときに、半導体チップの過熱を防止しながら熱応力を緩和できる。【選択図】図3
Description
本明細書では、半導体チップの裏面を金属表面部材の表面に接合する技術を開示する。
半導体チップの裏面を金属表面部材の表面に接合する場合がある。一般的には、半導体チップの裏面をはんだ層によって金属表面部材の表面に接合する。本明細書では、半導体チップと金属表面部材の相対的位置関係を固定することを接合という。すなわち、機械的に固定することをいう。接合部を電気的導通路に利用する場合もあれば、電気的導通路に利用しない場合もある。本明細書でいう金属表面部材とは、半導体チップが接合できる大きさの金属表面を備えている部材をいう。例えば金属板、立体的形状を備えている金属部材、あるいは表面に金属膜が形成されている樹脂部材またはセラミック部材等をいう。
一般に半導体チップの熱膨張率と金属表面部材の熱膨張率は相違する。半導体チップと金属表面部材を接合すると、半導体装置が動作して発熱する状態と動作を終えて冷却される状態を繰返すことによって、半導体チップ、接合層、金属表面部材のいずれかまたは全部に熱応力が作用する。その熱応力が装置の信頼性を損ねる。
そこで、半導体チップと金属表面部材の間に、両者の熱膨張率の差を吸収する部位を介在させる技術が提案されており、例えば特許文献1の技術が提案されている。この技術では、金属表面部材の表面に多数の突起を設け、その突起群の頭部に半導体チップを熱圧着する。この技術によると、半導体チップに対して金属表面部材が膨張・収縮する際には突起群が柔軟に変形する。そのために、半導体チップと金属表面部材に過大な熱応力が作用しないようにしている。
例えば、SiCを主材料とする半導体チップは、Siを主材料とする半導体チップより高温で動作することができる。SiCを主材料とする半導体チップは、Siを主材料とする半導体チップより大電力を制御する利用の仕方がされる。SiCを主材料とする半導体チップは、Siを主材料とする半導体チップより、発熱量が大きい状態で使用され、高温で動作し続けることが求められる。
動作時の発熱量が大きて高温で動作する半導体チップを、特許文献1の技術で金属表面部材に接合すると、下記のいずれかが生じる。
(1)突起が柔軟に変形して熱応力は緩和するが、半導体チップが過熱される。
(2)半導体チップから金属表面部材に効率的に伝熱して半導体チップの過熱は防止されるが、熱応力が緩和しきれない。
特許文献1の技術では、突起群が柔軟に変形することで熱応力を緩和する。そのために突起と突起の間に突起の変形を許容する空間を必要とする。
突起群を疎に形成すると、突起群は柔軟に変形するものの、突起と突起の間に存在する空間によって熱抵抗が上昇し、前記(1)の問題が生じる。突起群を密に形成すると、熱抵抗の上昇は防止できるものの、突起群の柔軟性が低下し、前記(2)の問題が生じる。
従来の技術では、動作時の発熱量が大きくて高温となる半導体チップを、半導体チップから金属表面部材に効率的に伝熱して半導体チップの過熱を防止するとともに、熱応力が十分に緩和される状態が得られるように、金属表面部材に接合することが難しい。
(1)突起が柔軟に変形して熱応力は緩和するが、半導体チップが過熱される。
(2)半導体チップから金属表面部材に効率的に伝熱して半導体チップの過熱は防止されるが、熱応力が緩和しきれない。
特許文献1の技術では、突起群が柔軟に変形することで熱応力を緩和する。そのために突起と突起の間に突起の変形を許容する空間を必要とする。
突起群を疎に形成すると、突起群は柔軟に変形するものの、突起と突起の間に存在する空間によって熱抵抗が上昇し、前記(1)の問題が生じる。突起群を密に形成すると、熱抵抗の上昇は防止できるものの、突起群の柔軟性が低下し、前記(2)の問題が生じる。
従来の技術では、動作時の発熱量が大きくて高温となる半導体チップを、半導体チップから金属表面部材に効率的に伝熱して半導体チップの過熱を防止するとともに、熱応力が十分に緩和される状態が得られるように、金属表面部材に接合することが難しい。
本明細書で開示する技術は、半導体チップといっても一様ではなく、過熱防止が強く必要とされる部位もあれば、応力緩和が強く必要とされる部位もあることを見いだしたことから開発された。すなわち、半導体チップを平面視したときの中心部では、半導体チップが過熱しやすいために過熱防止が強く必要とされる反面、応力緩和機能の必要性は低い。半導体チップの周辺部では、応力緩和機能が強く必要とされる反面、温度は低く抑えられることから熱抵抗を低く抑える必要性は低い。本明細書で開示する技術は、上記の知見に基づいて研究した結果、開発された。
本明細書では、半導体チップの裏面が接合層を介して金属表面部材の表面に接合されている装置を開示する。本装置では、半導体チップの中心部と周辺部で、接合層の特性を変える。本装置では、半導体チップを平面視したときの中心から周辺までの距離の40%の距離にある点の集合(点列という)で囲まれる範囲を中心部とし、その外側を周辺部とする。
本明細書では、中心部を等分した各範囲を中心部単位範囲という。中心部を3×3個に分割してもよいし、4×4個に分割してもよい。中心部を構成する各辺を3個以上に分割すればよい。そうして分割した各中心部単位範囲における接合層の形成範囲を70〜92%とする。
同様に、周辺部の対角領域を等分した各範囲を周辺部単位範囲という。対角部を2×2個に分割してもよいし、3×3個に分割してもよい。対角部を構成する各辺を2個以上に分割すればよい。そうして分割した各周辺部単位範囲における接合層の形成範囲を23〜58%とする。
本明細書では、中心部を等分した各範囲を中心部単位範囲という。中心部を3×3個に分割してもよいし、4×4個に分割してもよい。中心部を構成する各辺を3個以上に分割すればよい。そうして分割した各中心部単位範囲における接合層の形成範囲を70〜92%とする。
同様に、周辺部の対角領域を等分した各範囲を周辺部単位範囲という。対角部を2×2個に分割してもよいし、3×3個に分割してもよい。対角部を構成する各辺を2個以上に分割すればよい。そうして分割した各周辺部単位範囲における接合層の形成範囲を23〜58%とする。
中心部における接合層の形成範囲を70%以上とすると、半導体チップから金属表面部材に向かう伝熱性が確保され、半導体チップの過熱が防止される。接合層の形成範囲を70%以上とすると、応力緩和性が心配されるが、92%以下であれば、応力が過大となることがない。中心部を9個以上に等分した中心部単位範囲毎に、接合層の形成範囲が70〜92%となっていれば、中心部単位範囲内では接合層が偏在していても、中心部の全体としては接合層がほぼ均質に分布していることになり、接合層が偏在している場合に生じる問題が生じない。
周辺部における接合層の形成範囲を58%以下とすると、接合層が変形するので、半導体チップまたは金属表面部材に過大な熱応力が作用することがない。接合層の形成範囲を58%以下とすると、伝熱性の低下が心配されるが、周辺部では過熱しにくいので、23%以上であれば問題とならない。周辺部の対角部を4個以上に等分した周辺部単位範囲毎に、接合層の形成範囲が23〜58%となっていれば、周辺部単位範囲内では接合層が偏在していても、周辺部の全体としては接合層がほぼ均質に分布していることになり、接合層が偏在している場合に生じる問題が生じない。
周辺部における接合層の形成範囲を58%以下とすると、接合層が変形するので、半導体チップまたは金属表面部材に過大な熱応力が作用することがない。接合層の形成範囲を58%以下とすると、伝熱性の低下が心配されるが、周辺部では過熱しにくいので、23%以上であれば問題とならない。周辺部の対角部を4個以上に等分した周辺部単位範囲毎に、接合層の形成範囲が23〜58%となっていれば、周辺部単位範囲内では接合層が偏在していても、周辺部の全体としては接合層がほぼ均質に分布していることになり、接合層が偏在している場合に生じる問題が生じない。
接合層が液相拡散接合層であることが好ましい。ここでいう液相拡散接合層とは、半導体チップの裏面に形成されている金属(チップ側金属)と金属表面部材の表面を構成する金属(板側金属)のどちらよりも融点が低い金属(低融点金属)をチップ側金属と板側金属の間に介在させ、低融点金属は溶融するがチップ側金属と板側金属は溶融しない温度に維持し、溶融した低融点金属にチップ側金属と板側金属が拡散して合金化し、その合金化した層が固化した層をいう。
液相拡散接合層を接合層とすると、接合部の耐熱性が高温化される。
液相拡散接合層を接合層とすると、接合部の耐熱性が高温化される。
半導体チップの中心部に対応する範囲の金属表面部材の表面に凸部が形成しておくことが好ましい。その金属表面部材を液相拡散接合すると、金属表面部材に形成されていた凸部が液相拡散接合層内に侵入する。硬い液相拡散接合層内に柔らかい凸部が侵入した構造が得られ、応力緩和性が向上する。
以下、本明細書で開示する技術の特徴を整理する。なお、以下に記す事項は、各々単独で技術的な有用性を有している。
(第1特徴)半導体チップの裏面に銅膜が形成されている。
(第2特徴)銅膜の裏面(金属表面部材側の面)に、スズ膜がパターニングされている。
(第3特徴)金属表面部材は銅板である。
(第4特徴)液相拡散接合層は、CuSn合金である。
(第5特徴)平面視した半導体チップを10×10等分する。各等分範囲の中心部に接合層を形成する。各等分範囲では接合層の形成範囲が偏在しない。
(第1特徴)半導体チップの裏面に銅膜が形成されている。
(第2特徴)銅膜の裏面(金属表面部材側の面)に、スズ膜がパターニングされている。
(第3特徴)金属表面部材は銅板である。
(第4特徴)液相拡散接合層は、CuSn合金である。
(第5特徴)平面視した半導体チップを10×10等分する。各等分範囲の中心部に接合層を形成する。各等分範囲では接合層の形成範囲が偏在しない。
図1の(A)(B)(C)は、温度分布を測定した3種類の半導体チップを示し、平面視したときに、(A)は3mm×3mm、(B)は10mm×10mm、(C)は15mm×15mmである。いずれもSiCを主材料としており、チップ内に多数のMOSトランジスタが分散して配置されている。各チップの裏面には、ソース電極を兼用する銅膜が生成されている。
図2は、図1に示した3種類の半導体チップの動作時温度分布の測定結果を示す。いずれも、図1のx軸に沿った温度分布を示す。x軸に沿った距離は、半導体チップの中心位置を0%とし、外周位置を100%に規格化してある。図2は、半導体チップの裏面の全域をはんだ層によって銅板に接合した状態で半導体チップを動作させ、その状態で得られた平衡温度を示している。
図2から明らかに、中心から40%の位置までは昇温しやすく、過熱防止が重要であることがわかる。40%の位置から外側では昇温率が低下することから、応力対策を重視するべき範囲であることがわかる。
図3は、中心から40%の距離にある位置を示す点の集合で示される点列30を示す。点列30よりも内側を中心部Cという。後記の実験から、中心部Cにおける接合層形成範囲は、70〜92%である必要があることがわかっている。
図3の(A)列と(B)列は、中心部Cにおける接合層形成範囲を70%とした場合を示している。後記する偏在の問題が最も顕著となる場合に相当する。灰色部が、接合層形成範囲を示す。(1)の行は、中心部Cを複数個の単位範囲に分割せず、接合層形成範囲を1個にした場合を示す。(A)(1)は接合層形成範囲が左上に偏在し、(B)(1)は接合層形成範囲が右下に偏在した場合を示す。
図3の(2)の行は、中心部Cを4個の単位範囲に当分し、単位範囲毎に接合層を形成した場合を示す。(A)(2)は接合層形成範囲が中心側に偏在し、(B)(2)は接合層形成範囲が頂点側に偏在した場合を示す。
いずれも例でも、中心部Cにおける接合層形成範囲は70〜92%の範囲内にあるが、接合層形成範囲が偏在している影響が現れ、場所によって半導体チップが過熱される。
図3の(A)列と(B)列は、中心部Cにおける接合層形成範囲を70%とした場合を示している。後記する偏在の問題が最も顕著となる場合に相当する。灰色部が、接合層形成範囲を示す。(1)の行は、中心部Cを複数個の単位範囲に分割せず、接合層形成範囲を1個にした場合を示す。(A)(1)は接合層形成範囲が左上に偏在し、(B)(1)は接合層形成範囲が右下に偏在した場合を示す。
図3の(2)の行は、中心部Cを4個の単位範囲に当分し、単位範囲毎に接合層を形成した場合を示す。(A)(2)は接合層形成範囲が中心側に偏在し、(B)(2)は接合層形成範囲が頂点側に偏在した場合を示す。
いずれも例でも、中心部Cにおける接合層形成範囲は70〜92%の範囲内にあるが、接合層形成範囲が偏在している影響が現れ、場所によって半導体チップが過熱される。
図3の(3)の行は、中心部Cを3×3個の単位範囲に等分し、単位範囲毎に接合層を形成した場合を示す。(A)(3)は接合層形成範囲が頂点側に偏在し、(B)(3)は接合層形成範囲が中心側に偏在した場合を示す。この場合、単位範囲毎に接合層を観察すると接合層が偏在しているが、中心部Cの全体を観察すると接合層の群が中心部Cの全体に亘って平均的に分散されているということができる。接合層の群が中心部Cの全体に亘って平均的に分散してために、(A)(3)でも(B)(3)でも、半導体チップに過熱部位が生じない。中心部Cをn×n個の単位範囲に分割し(ここでnは3以上とする)、単位範囲毎の接合層の形成比率が70〜92%の範囲内にあれば、中心部C内で過熱したり過大応力となったりすることはない。
図4は、中心部Cを3×3個以上の単位範囲に分割し、単位範囲同志の間では接合層の形成比率が等しいという条件下で、その形成比率を変えながら測定した応力(半導体チップに作用する応力)と熱抵抗の測定結果を示す。形成比率が92%を超えると、応力が大きな値に発達する。形成比率は92%以下である必要があることがわかる。その一方において、形成比率が70%未満であると、熱抵抗を下げられないことがわかる。形成比率は70%以上である必要があることがわかる。形成比率が70〜92%であれば、中心部C内で過熱したり過大応力となったりすることがないことがわかる。
図5は、半導体チップの中心から外周までの距離の40%の距離にある点列30より外側に位置する周辺部Dを示す。周辺部Dは、ロの字形状をしている。周辺部には、4つの対角部(D1〜D4)が含まれる。ここでいう対角部は、点列30の延長線よりも半導体チップの頂点側の範囲をいう。
後記の実験から、周辺部Dにおける接合層形成範囲は、23〜58%である必要があることがわかっている。
図5の(A)列と(B)列は、周辺部Dにおける接合層形成範囲を23%とした場合を示している。後記する偏在の問題が最も顕著となる場合に相当する。(1)の行は、対角部を複数個の単位範囲に分割せず、各対角部に1個の接合層形成範囲を形成した場合を示す。(A)(1)は接合層形成範囲が外側に偏在し、(B)(1)は接合層形成範囲が内側に偏在した場合を示す。この場合、接合層形成範囲が偏在している影響が現れ、場所によって半導体チップまたは銅板に過大な応力が生じることがある。
図5の(2)の行は、対角部を2×2個の単位範囲に等分し、周辺単位範囲毎に接合層を形成した場合を示す。(A)(2)は接合層形成範囲が外側に偏在し、(B)(2)は接合層形成範囲が中心側に偏在した場合を示す。この場合、単位範囲毎に接合層を観察すると接合層が偏在しているが、周辺部Dの全体を観察すると接合層の群が周辺部Dの全体に亘って平均的に分散されているということができる。接合層の群が周辺部Dの全体に亘って平均的に分散してために、(A)(2)でも(B)(2)でも、半導体チップまたは銅板に過大な応力が生じる部位が生じない。対角部D1〜D4の各々をm×m個の単位範囲に分割し(ここでmは2以上)、単位範囲毎の接合層の形成比率が23〜58%の範囲内にあれば、周辺部D内で過熱したり過大応力となったりすることはない。
後記の実験から、周辺部Dにおける接合層形成範囲は、23〜58%である必要があることがわかっている。
図5の(A)列と(B)列は、周辺部Dにおける接合層形成範囲を23%とした場合を示している。後記する偏在の問題が最も顕著となる場合に相当する。(1)の行は、対角部を複数個の単位範囲に分割せず、各対角部に1個の接合層形成範囲を形成した場合を示す。(A)(1)は接合層形成範囲が外側に偏在し、(B)(1)は接合層形成範囲が内側に偏在した場合を示す。この場合、接合層形成範囲が偏在している影響が現れ、場所によって半導体チップまたは銅板に過大な応力が生じることがある。
図5の(2)の行は、対角部を2×2個の単位範囲に等分し、周辺単位範囲毎に接合層を形成した場合を示す。(A)(2)は接合層形成範囲が外側に偏在し、(B)(2)は接合層形成範囲が中心側に偏在した場合を示す。この場合、単位範囲毎に接合層を観察すると接合層が偏在しているが、周辺部Dの全体を観察すると接合層の群が周辺部Dの全体に亘って平均的に分散されているということができる。接合層の群が周辺部Dの全体に亘って平均的に分散してために、(A)(2)でも(B)(2)でも、半導体チップまたは銅板に過大な応力が生じる部位が生じない。対角部D1〜D4の各々をm×m個の単位範囲に分割し(ここでmは2以上)、単位範囲毎の接合層の形成比率が23〜58%の範囲内にあれば、周辺部D内で過熱したり過大応力となったりすることはない。
図6は、対角部Dを2×2個以上の単位範囲に分割し、単位範囲同志の間では接合層の形成比率を等しいという条件下で、その形成比率を変えながら測定した応力(半導体チップに作用する応力)と熱抵抗の測定結果を示す。形成比率が58%を超えると、熱応力が大きな値に発達する。形成比率は58%以下である必要があることがわかる。その一方において、形成比率が23%未満であると、熱抵抗を下げられないことがわかる。形成比率は23%以上である必要があることがわかる。形成比率が23〜58%であれば、半導体チップが過熱したり過大応力となったりすることがないことがわかる。
好ましい実施例では、半導体チップの裏面を10×10の単位範囲に等分する。中心部Cに、中央の4×4個の単位範囲が属する。この16個の中心部単位範囲に形成する接合層形成範囲は70〜92%の範囲内とする。中心部Cに属する4×4個の単位範囲以外の84単位範囲は周辺部Dに属するので、接合層形成範囲を23〜58%の範囲内とする。10×10の単位範囲について、個々の接合層形成範囲は正方形とし、その中心位置と単位範囲の中心位置が一致する関係とする。以上によると、接合層形成範囲が偏在せず、中心部の全体に平均的に分布し、周辺部の全体に平均的に分布する結果を得ることができる。
図7において、70は半導体チップを示し、その裏面にスパッタ法によって銅膜72が形成されている。銅膜72の裏面にスパッタ法によってスズ膜74が形成されている。スズ膜74の形成範囲は、上記した接合層形成範囲の要請を満たす形状にパターニングされている。接合工程では、スズ膜74の裏面に銅板76の表面を当接させ、スズの融点以上で銅の融点以下(なおかつ後記するスズ・銅合金の融点以下)に加熱する。すると、スズが溶融し、溶融したスズに固体の銅板から銅が拡散し、スズ・銅合金ができ、スズ・銅合金が固体化して半導体チップ70と銅板76が接合される。参照番号78は、接合層であり、スズ・銅合金の層であり、液相拡散接合層である。スズ膜74の形成範囲をパターニングすることで、接合層の形成範囲を規制することができる。
図8に示すように、中心部のスズ膜74の形成範囲に対応する位置の銅板76の表面に凸部76aを形成してもよい。この場合、熱処理後に、中心部の接合層78の内部に銅の凸部が侵入する構造が得られる。スズ・銅合金に比して銅は柔軟に変形する。凸部76aを形成することで応力緩和機能が向上する。
上記では液相拡散接合層がCuSnで形成されているが、CuSnNi,NiSn,AuSnで形成することもできる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
30:点列
C:中心部
D:周辺部
D1〜D4:対角部
70:半導体チップ
72:銅膜
74:スズ膜
76:銅板
76a:凸部
78:接合層
C:中心部
D:周辺部
D1〜D4:対角部
70:半導体チップ
72:銅膜
74:スズ膜
76:銅板
76a:凸部
78:接合層
Claims (3)
- 半導体チップの裏面が接合層を介して金属表面部材の表面に接合されている装置であり、
半導体チップを平面視したときの中心から周辺までの距離の40%の距離にある点列で囲まれる範囲を中心部とし、
前記点列の外側を周辺部とし、
前記中心部をn×n(nは3以上)に等分した各範囲を中心部単位範囲とし、
前記周辺部の対角領域をm×m(mは2以上)に等分した各範囲を周辺部単位範囲としたときに、
各中心部単位範囲について、前記接合層の形成範囲が70〜92%であり、
各周辺部単位範囲について、前記接合層の形成範囲が23〜58%であることを特徴とする装置。 - 前記接合層が液相拡散接合層であることを特徴とする請求項1の装置。
- 前記中心部における前記金属表面部材の表面に凸部が形成されており、
前記凸部が前記接合層内に侵入していることを特徴とする請求項2の装置。
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