本発明の複数の側面に係る電子デバイスと同デバイスを製造する方法とが、図面を参照して以下に詳細に記載される。第1例は、高抵抗率の薄膜がキャップ基板の底面に形成される構成に関する。図4は、第1例に係る電子デバイスの概略的な構成を示す断面図である。図5Aは、第1例に係る電子デバイスの電子回路配置を例示する平面図である。図5Bは、第1例に係る電子デバイスの側面図である。ここで、図4の断面図は、図5AのV−V線に沿ったものである。また、図5Aの平面図は、図4のIV−IV線に沿ったものであり、図5BのV’−V’線に沿ったものでもある。
図4、5A及び5Bに示されるように、第1例に係る電子デバイスは、所定の厚さを有する第1基板10と、所定の厚さを有して所定の間隙で第1基板10に対向する第2基板20とを含む。第1基板10は、デバイス基板とも称され、上面10aが第2基板20に対向する。上面10aには、圧電薄膜共振器(FBAR)11を含む電子回路18が形成される。第2基板20は、キャップ基板とも称され、第1基板10の上面10aから所定の間隙を維持するように側壁30により底面20aが支持される。第1基板10の上面10a、第2基板20の底面20a、及び側壁30により、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18を内部に含むキャビティ19が画定される。
第1基板10は、例えば窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)を含む圧電材料から形成されてよい。第1基板10の上面10aには、圧電材料の薄膜により複数の圧電薄膜共振器11が形成される。圧電薄膜共振器11は配線パッド12により互いに接続され、フィルタ又はフィルタデバイスのような電子回路18を形成する。なお、本発明の複数の側面によれば電子回路18は圧電薄膜共振器11を含むように記載されるが、圧電薄膜共振器11に加え又はその代わりに、弾性表面波(SAW)素子、又は音響多層膜共振器(SMR)のようなバルク弾性波(BAW)素子を使用することもできる。
第1基板10の底面10bには外部電極40が形成される。外部電極40は、ビア41及び外部電極層42により形成される。ビア41は、第1基板10の上面10と底面10bとを結ぶスルーホール10cを通るように形成される。外部電極層42はビア41の底面に形成される。ビア41は銅メッキにより形成され、外部電極層42は半田メッキにより形成される。ビア41は、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18の配線パッド12に接続される。
図5Aに示されるように、圧電薄膜共振器111〜117は配線パッド12により適切に接続され、図2の回路図と同様に構成された帯域通過フィルタが、第1基板10の上面10aに形成される。詳しくは、入力電極としてのビア411と出力電極としてのビア412とを結ぶ信号経路に沿って圧電薄膜共振器111、113、115、117が直列に接続される。さらに、グランドとしてのビア413、414と、圧電薄膜共振器111、113、115、117間を結ぶ各ノードとの間には、圧電薄膜共振器112、114、116が並列に接続される。すなわち、圧電薄膜共振器111、113、115間を結ぶ各ノードは、圧電薄膜共振器112、114それぞれを介してグランドとしてのビア413に接続される。圧電薄膜共振器115、117間を結ぶ各ノードは、圧電薄膜共振器116を介してグランドとしてのビア414に接続される。ここで、図4の圧電薄膜共振器11は、図5Aの圧電薄膜共振器111〜117の典型的な配置として概略的に示される。さらに、図4及び5Bの外部電極40、ビア41等は、図5Aのビア411〜414の典型的な配置を概略的に示したものである。
第2基板20は、半導体材料のような低抵抗率材料から形成される。第2基板20は、例えばシリコンから形成してよい。第2基板20の底面20aには、誘電体のような高抵抗率材料からなる薄膜22が形成される。薄膜22は、例えば二酸化ケイ素(SiO2)又は酸化アルミニウム(Al2O3)から形成してよい。第2基板20は、薄膜22を介して側壁30により支持される。
第1基板10及び第2基板20は、側壁30により支持され、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aとの間に所定の間隙で離間される。側壁30は、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18を取り囲むように、第1基板10の周縁10d及び第2基板20の周縁20dに沿って延びる。第1基板10の上面10a、第2基板20の底面20a、及び側壁30が、内部に電子回路18を含むキャビティ19を画定する。側壁30は、第1側壁31と第2側壁32とが、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aに形成された薄膜22との間に順に積層され、第1側壁31が金と錫の(Au−Sn)合金から形成されて第2側壁32が錫と銅の(Sn−Cu)合金から形成されるように液相拡散(Transient Liquid Phase(TLP))接合を使用して接合されることにより形成される。
第1例によれば、高抵抗率材料からなる薄膜22が、低抵抗率材料からなる第2基板20の底面20aに形成される。薄膜22により、電子回路18により発せられるRF信号が、側壁30、又はキャビティ19の空間を介して第2基板20に結合することが抑制される。薄膜22は、所定の厚さを有するように誘電体のような高抵抗率材料から形成され、電子回路18から発せられるRF信号を阻止することができる。第2基板20の底面20aの薄膜22は、側壁30及び電子回路18の直上部分を含む所定の領域を覆うように形成してよい。さらに、薄膜22は、第2基板20の底面20aの全体を覆うように形成してよい。
第1例の電子デバイス1は、以下に記載される一連の工程により製造することができる。圧電材料からなり所定の厚さを有する第1基板10の上面10aに圧電薄膜共振器(FBAR)11を含む電子回路18が形成される。第1基板10は窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)から形成してよい。第1基板10の上面10aには、フィルタ及びフィルタデバイスのような電子回路18を構成するべく、圧電薄膜共振器11が配線パッド12により適切に接続される。なお、本発明の複数の側面によれば電子回路18は圧電薄膜共振器11を含むが、圧電薄膜共振器11に加え又はその代わりに、弾性表面波(SAW)素子、又は音響多層膜共振器(SMR)のようなバルク弾性波(BAW)素子を使用することもできる。
第1基板10の上面10aに電子回路18を形成するのと同時に又は前後して、第1側壁31が、第1基板10の周縁10dに沿って電子回路18を取り囲むように所定の幅及び高さで形成される。第1側壁31は、例えば錫(Sn)又はインジウム(In)から形成してよい。さらに、第1基板の上面10aと底面10bとを結ぶようにスルーホール10cが形成される。なおもさらに、スルーホール10cを介して電子回路18の配線パッド12に接続されるビア41が銅メッキにより形成され、ビア41の底面には外部電極層42が半田メッキにより形成され、ビア41及び外部電極層42により外部電極40を形成することができる。
高抵抗率材料からなる薄膜22が所定の厚さを有するように、低抵抗率材料からなり所定の厚さを有する第2基板20の底面20aに形成される。第2基板20は、シリコンのような半導体から形成してよい。薄膜22は、二酸化ケイ素(SiO2)又は酸化アルミニウム(Al2O3)のような誘電体から形成してよい。第2基板20の底面20aの薄膜22は、側壁30及び電子回路18の直上部分を含む所定の領域を覆うように形成してよい。さらに、薄膜22は、第2基板20の底面20aの全体を覆うように形成してよい。
薄膜22が第2基板20の底面20aに形成された後、第2側壁32が、所定の幅及び高さを有するとともに、第1側壁31が第1基板10の上面10aに形成される箇所において第2基板20の周縁20dに沿って電子回路18を取り囲むように形成される。第2側壁32は、例えば銅(Cu)及び金(Au)を順に積層することにより形成することができる。
第1基板10の上面10aが第2基板20の底面20aに対向するように配置され、第1基板10の上面10aに形成された第1側壁31の上面が、第2基板20の底面20aに形成された第2側壁32の底面に位置合わせされる。そして、積層された側壁31、32が、所定温度で所定時間にわたり、液相拡散(TLP)接合により接合される。液相拡散接合により、第1側壁31と第2側壁32とが一体的に形成されて側壁30となるように、第1側壁31を例えば金と錫又は金とインジウムの合金とし、第2側壁32を例えば金と銅の合金とすることができる。側壁30は、第1基板10及び第2基板20を支持し、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aとが所定の間隙により離間されるように維持し、ひいては第1基板10の上面10a及び第2基板20の底面20aとともにキャビティ19を画定する。その結果、電子回路18が内部においてキャビティ19に含まれる。
図6は、第1例に係る電子デバイス1の等価回路を示す回路図である。等価回路において、帯域通過フィルタ61は、第1例の電子回路18により構成された帯域通過フィルタに対応する。帯域通過フィルタは、図2に示されるラダー型フィルタと同様の構成を有する。また、第1例において、電子回路18により発せられるRF信号が、側壁30、又はキャビティ19の空間を介してキャップ基板としての第2基板20に結合し、電子回路18の入力側ラインと出力側ラインとの間に帯域通過フィルタ61を迂回する経路が生じ得る。図面において、この経路は、電子回路18の入力側ラインを第2基板20に結合する第1キャパシタ62と、薄膜22によりもたらされる抵抗63と、第2基板20を電子回路18の出力側ラインに結合する第2キャパシタ64とによって等価的に示される。
第1例によれば、等価回路の抵抗63は、高抵抗率材料から形成された薄膜22と同様に高抵抗を有し得る。これは、図3に例示の等価回路における抵抗153よりも高抵抗となり得る。さらに、第1キャパシタ62及び第2キャパシタ64の静電容量は、図3に例示の等価回路における対応キャパシタ152及び154よりも低い。高抵抗を有する抵抗63と、低容量を有する第1キャパシタ及び第2キャパシタ62、64とを通過して帯域通過フィルタ61を迂回する電流は小さいので、帯域通過フィルタ61に対してこのように迂回する経路の寄与は、図3に例示の等価回路における帯域通過フィルタ151に対して迂回する経路の寄与よりも小さくなるように抑制される。したがって、第1例によれば、電子回路18により発せられるRF信号がキャップ基板としての第2基板20に結合するのを抑制することができる。その結果、電子デバイス1の周波数特性を改善することができる。特に、例えば、帯域通過フィルタ61の通過損失が、高抵抗基板20及び/又は高抵抗薄膜22を含まない同様の電子デバイスと比べて低減され得る。
図7は、シミュレーションにより評価された第1例の電子デバイスの周波数特性を示すグラフである。グラフにおいて、横軸は周波数を表し、縦軸は減衰レベルを表す。グラフにおいてさらに、曲線aは薄膜22が二酸化ケイ素(SiO2)から形成された場合を示し、曲線bは薄膜22が酸化アルミニウム(Al2O3)から形成された場合を示す。曲線cは、比較を目的として薄膜22なしの場合を示す。曲線a’、b’及びc’はそれぞれ、曲線a、b及びcの減衰レベルのスケールを10分の1に縮小して同じグラフに示したものに対応する。図7に見られるように、曲線a、b及びc、並びに曲線a’及びb’のグラフは、所定の周波数において互いにほぼ同じとなる。
グラフに示されるように、二酸化ケイ素の薄膜22に対応する曲線a、a’、及び酸化アルミニウムの薄膜22に対応する曲線b、b’は、薄膜22なしに対応する曲線c、c’よりも減衰レベルが低く(すなわち通過帯域での減衰が小さく)、通過帯域外で生じる減衰が、劣化することなく維持されることを示す。したがって、二酸化ケイ素,酸化アルミニウム等のような誘電体を含む高抵抗率材料の薄膜22が、第1例に係る第2基板20の底面20aに形成される電子デバイス1において、通過帯域内で生じる損失が低減又は低下されるとともに、通過帯域外で生じる減衰が確保又は維持されることがわかる。
図8は、第1例に係る電子デバイスの代替電子回路配置を例示する他の断面図である。この代替電子回路配置は、グランドとしてのビア413、414を、圧電薄膜共振器111、113、115、117間を結ぶ各ノードに圧電薄膜共振器112、114、116を介して接続する配線パッド12が、グランドとしてのビア413、414を超えて延びて側壁30に接続される点で図5Aと異なる。
詳しくは、入力電極に対応するビア411と出力電極に対応するビア412とを結ぶ信号経路に沿って圧電薄膜共振器111、113、115、117が直列に接続される。さらに、グランドとしてのビア413、414と、圧電薄膜共振器111、113、115、117間を結ぶ各ノードとの間には、圧電薄膜共振器112、114、116が並列に接続される。側壁30は、接続部12aにおいて、グランドとしてのビア413、414を、圧電薄膜共振器111、113、115、117間を結ぶ各ノードに圧電薄膜共振器112、114、116を介して接続するとともにグランドとしてのビア413、414を超えて延びる配線パッド12に接続される。すなわち、圧電薄膜共振器111、113、115を結ぶ各ノードは、圧電薄膜共振器112、114を介してグランドとしてのビア413に接続され、ビア413を超えて延びて側壁30に達する。圧電薄膜共振器115、117間を結ぶノードは、グランドとしてのビア414に圧電薄膜共振器116を介して接続され、ビア414を超えて延びて接続部12bにおいて側壁30に達する。
この代替例によれば、側壁30は、グランドとしてのビア413、414に接続されるので、グランド電位に維持される。したがって、側壁30に取り囲まれた電子回路18により発せられるRF信号は、側壁30を介して第2基板20に結合することから阻止され得るので、電子デバイス1の通過帯域内で生じる損失が低減又は低下されるとともに、通過帯域外で生じる減衰が確保され得る。なお、代替例によれば側壁30は、グランドとしてのビア413、414それぞれに接続されるように記載されるが、側壁30は、ビア413、414のいずれか一方に接続してよい。この場合であっても、側壁30はグランド電位に維持され得るので、ビア413、414それぞれが側壁30に接続される場合と同様の効果を達成することができる。
第2例は、キャップ基板が高抵抗率材料から形成される構成に関する。図9は、第2例に係る電子デバイスの概略的な構成を示す断面図である。第2例は、キャップ基板としての第2基板20が高抵抗率材料から形成され、第2基板20の底面20aに形成された薄膜22が存在しない点で第1例と異なる。他の構成は第1例と同様である。図9においては、第1例との対応関係を明らかにするため、第1例と共通の構成要素には同様の符号が付される。第2例に関する以下の記載は依然として、第1例と第2例との共通性ゆえに、第1例に係る電子デバイスの電子回路配置を例示する他の断面図の図5Aと、第1例の電子デバイスを例示する側面図の図5Bとを参照する。
図9、5A及び5Bに示されるように、第2例の電子デバイス1は、所定の厚さを有する第1基板10と、所定の厚さを有して所定の間隙で第1基板10に対向する第2基板20とを含む。第1基板10は、デバイス基板とも称され、上面10aが第2基板20に対向する。上面10aには、圧電薄膜共振器(FBAR)11を含む電子回路18が形成される。第2基板20は、キャップ基板とも称され、第1基板10の上面10aから所定の間隙を維持するように側壁30により底面20aが支持される。第1基板10の上面10a、第2基板20の底面20a、及び側壁30により、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18を内部に含むキャビティ19が画定される。
第1基板10は、例えば窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)を含む圧電材料から形成されてよい。第1基板10の上面10aには、圧電材料の薄膜により複数の圧電薄膜共振器11が形成される。圧電薄膜共振器11は配線パッド12により互いに接続され、フィルタ又はフィルタデバイスのような電子回路18を形成する。なお、本発明の複数の側面によれば電子回路18は圧電薄膜共振器11を含むように記載されるが、圧電薄膜共振器11に加え又はその代わりに、弾性表面波(SAW)素子、又は音響多層膜共振器(SMR)のようなバルク弾性波(BAW)素子を使用することもできる。
第1基板10の底面10bには外部電極40が形成される。外部電極40は、ビア41及び外部電極層42により形成される。ビア41は、第1基板10の上面10と底面10bとを結ぶスルーホール10cを通るように形成される。外部電極層42はビア41の底面に形成される。ビア41は銅メッキにより形成され、外部電極層42は半田メッキにより形成される。ビア41は、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18の配線パッド12に接続される。
図5Aに示されるように、圧電薄膜共振器111〜117が配線パッド12により適切に接続され、図2の回路図と同様に構成された帯域通過フィルタが、第1基板10の上面10aに形成される。詳しくは、入力電極としてのビア411と出力電極としてのビア412とを結ぶ信号経路に沿って圧電薄膜共振器111、113、115、117が直列に接続される。さらに、グランドとしてのビア413、414と、圧電薄膜共振器111、113、115、117間を結ぶ各ノードとの間には、圧電薄膜共振器112、114、116が並列に接続される。すなわち、圧電薄膜共振器111、113、115間を結ぶ各ノードは、圧電薄膜共振器112、114を介してグランドとしてのビア413に接続され、図8に例示されるようにビア413を超えて延びて側壁30に達し得る。圧電薄膜共振器115、117間を結ぶ各ノードは、圧電薄膜共振器116を介してグランドとしてのビア414に接続される。ここで、図9の圧電薄膜共振器11は、図5Aの圧電薄膜共振器111〜117の典型的な配置を概略的に示したものである。さらに、図9及び5Bの外部電極40、ビア41等は、図5Aのビア411〜414の典型的な配置を概略的に示したものである。なお、第2例においても、図8に示す第1例の代替例と同様に、グランドとしてのビア413、414の少なくとも一方を側壁30に接続してよい。
第2基板20は誘電体のような高抵抗率材料から形成される。第2基板20は、例えば二酸化ケイ素(SiO2)又は酸化アルミニウム(Al2O3)から形成してよい。
第1基板10及び第2基板20は、側壁30により支持され、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aとの間に所定の間隙で離間される。側壁30は、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18を取り囲むように、第1基板10の周縁10d及び第2基板20の周縁20dに沿って延びる。第1基板10の上面10a、第2基板20の底面20a、及び側壁30により、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18を内部に含むキャビティ19が画定される。側壁30は、第1側壁31と第2側壁32とが、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aとの間に順に積層され、第1側壁31が金と錫の(Au−Sn)合金から形成されて第2側壁32が錫と銅の(Sn−Cu)合金から形成されるように液相拡散(TLP)接合を使用して互いに接合されることにより形成される。
第2例によれば、第2基板20は高抵抗率材料から形成される。第2基板20を形成する高抵抗率材料により、電子回路18により発せられるRF信号が、側壁30、又はキャビティ19の空間を介して第2基板20に結合することが抑制されるので、RF信号が第2基板20へと流れ込むことが阻止される。第2基板20は、電子回路18から発せられるRF信号が第2基板20を通過する経路が生じ得ないように、誘電体のような高抵抗率材料から形成される。
第2例の電子デバイス1は、以下に記載される一連の工程により製造することができる。圧電材料からなり所定の厚さを有する第1基板10の上面10aに圧電薄膜共振器(FBAR)11を含む電子回路18が形成される。第1基板10は窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)から形成してよい。第1基板10の上面10aには、フィルタ及びフィルタデバイスのような電子回路18を構成するべく、圧電薄膜共振器11が配線パッド12により適切に接続される。なお、本発明の複数の側面によれば電子回路18は圧電薄膜共振器11を含むように記載されるが、圧電薄膜共振器11に加え又はその代わりに、弾性表面波(SAW)素子、又は音響多層膜共振器(SMR)のようなバルク弾性波(BAW)素子を使用することもできる。
第1基板10の上面10aに電子回路18を形成するのと同時に又は前後して、第1側壁31が、第1基板10の周縁10dに沿って電子回路18を取り囲むように所定の幅及び高さで形成される。第1側壁31は、例えば錫(Sn)又はインジウム(In)から形成してよい。さらに、第1基板の上面10aと底面10bとを結ぶようにスルーホール10cが形成される。なおもさらに、スルーホール10cを介して電子回路18の配線パッド12に接続されるビア41が銅メッキにより形成され、ビア41の底面には外部電極層42が半田メッキにより形成され、ビア41及び外部電極層42により外部電極40を形成することができる。
高抵抗率材料から形成された第2基板20が、所定の厚さを有するように設けられる。第2基板20は、例えば二酸化ケイ素(SiO2)又は酸化アルミニウム(Al2O3)から形成してよい。
第2側壁32は、所定の幅及び高さを有するとともに、第1側壁31が第1基板10の上面10aに形成される箇所において第2基板20の周縁20dに沿って電子回路18を取り囲むように形成される。第2側壁32は、例えば銅(Cu)及び金(Au)を順に積層することにより形成することができる。
第1基板10の上面10aが第2基板20の底面20aに対向するように配置され、第1基板10の上面10aに形成された第1側壁31の上面が、第2基板20の底面20aに形成された第2側壁32の底面に位置合わせされる。そして、積層された側壁31、32が、所定温度で所定時間にわたり、液相拡散(TLP)接合により接合される。液相拡散接合により、第1側壁31と第2側壁32とが一体的に形成されて側壁30となるように、第1側壁31を例えば金と錫又は金とインジウムの合金とし、第2側壁32を例えば金と銅の合金とすることができる。側壁30は、第1基板10及び第2基板20を支持し、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aとが所定の間隙により離間されるように維持し、ひいては第1基板10の上面10a及び第2基板20の底面20aとともにキャビティ19を画定する。その結果、電子回路18が内部においてキャビティ19に含まれる。
図10は、第2例に係る電子デバイス1の等価回路を示す回路図である。等価回路において、帯域通過フィルタ61は、第2例の電子回路18により構成された帯域通過フィルタに対応する。帯域通過フィルタは、図2に示されるラダー型フィルタと同様の構成を有する。また、第2例において、電子回路18により発せられるRF信号が、側壁30、又はキャビティ19の空間を介してキャップ基板としての第2基板20に結合し、電子回路18の入力側ラインと出力側ラインとの間に帯域通過フィルタ61を迂回する経路が生じ得る。図面において、この経路は、電子回路18の入力側ラインを第2基板20に結合する第1キャパシタ62と、第2基板20によりもたらされる抵抗63と、第2基板20を電子回路18の出力側ラインに結合する第2キャパシタ64とによって等価的に示される。
第2例によれば、等価回路の抵抗63は、例えば図3に例示の等価回路の抵抗153よりも高抵抗の、高抵抗率材料から形成された第2基板20に対応する高抵抗を有するように構成される。さらに、第1キャパシタ62及び第2キャパシタ64は、図3に例示の等価回路の対応キャパシタ152、154よりも低容量である。高抵抗を有する抵抗63と、低容量を有する第1及び第2キャパシタ62、64とを通過して帯域通過フィルタ61を迂回する電流は小さいので、帯域通過フィルタ61に対してこのように迂回する経路の寄与は小さくなるように抑制される。したがって、第2例によれば、電子回路18により発せられるRF信号がキャップ基板としての第2基板20に結合されることが抑制されるので、低抵抗の第2基板20を有する同様の電子デバイスと比べ、電子デバイス1の周波数特性が改善される。特に、例えば、帯域通過フィルタ61の通過損失(すなわち通過帯域における損失)を、図3に例示の等価回路の帯域通過フィルタ151の通過損失と比べて低減することができる。
図11は、シミュレーションにより評価された第2例の電子デバイスの周波数特性を示すグラフである。グラフにおいて、横軸は周波数を表し、縦軸は減衰レベルを表す。グラフにおいてはまた、曲線aが、抵抗率が5kΩの高抵抗率材料から第2基板20が形成される場合を示す。曲線bが、抵抗率が1Ωの低抵抗率材料から第2基板20が形成される場合を示す。曲線a’及びb’はそれぞれ、曲線a及びbの減衰レベルのスケールを10分の1に縮小して同じグラフに示したものに対応する。
グラフに示されるように、高抵抗率材料から形成された第2基板20に対応する曲線a、a’は、低抵抗率材料から形成された第2基板20に対応する曲線b、b’よりも減衰レベルが低く(例えば小さく)、通過帯域外で生じる減衰が、劣化することなく維持されることを示す。したがって、第2例に係る二酸化ケイ素又は酸化アルミニウムのような誘電体を含む高抵抗率材料から第2基板20が形成される電子デバイス1において、通過帯域内で生じる損失が低減されるとともに、通過帯域外で生じる減衰が確保又は維持されることがわかる。
図12は、シミュレーションにより評価された第2例の電子デバイスの抵抗率特性を示すグラフである。グラフにおいて、横軸は抵抗率を表し、縦軸は通過損失又は挿入損失を表す。曲線aは、図11に示される通過帯域のピークの値を示す。同様に、曲線bは通過帯域の高域側エッジの値を示し、曲線cは通過帯域の低域側エッジの値を示す。曲線a、b及びcのいずれからもわかるように、抵抗率の増加に伴い損失が一様に減少するが、抵抗率が所定値を超えるとそれぞれ一定の値で横ばい状態となる。したがって、第2基板20の抵抗率が所定値よりも大きくなるように構成された電子デバイス1が、通過損失を十分に小さくできることがわかる。
第3例は、キャップ基板の底面に高抵抗率の薄膜が形成されるとともに、キャップ基板とデバイス基板との間に柱が形成された構成に関する。図13は、第3例に係る電子デバイスの概略的な構成を示す断面図である。図14は、第3例に係る電子デバイスの電子回路配置を例示する他の断面図である。第3例は、柱が形成される点で第1例と異なる。他の構成は第1例と同様である。図13及び14においては、第1例との対応関係を明らかにするため、第1例と共通の構成要素には同様の符号が付される。第3例に関する以下の記載は依然として、第1例及び第3例間の共通性ゆえに、第1例の電子デバイスを例示する側面図の図5Bを参照する。
図13、14及び5Bに示されるように、第3例の電子デバイス1は、所定の厚さを有する第1基板10と、所定の厚さを有して所定の間隙で第1基板10に対向する第2基板20とを含む。第1基板10は、デバイス基板とも称され、上面10aが第2基板20に対向する。上面10aには、圧電薄膜共振器(FBAR)11を含む電子回路18が形成される。第2基板20はキャップ基板とも称され、底面20aが、第1基板10の上面10aから所定の間隙に維持されるように側壁30及び柱50により支持される。第1基板10の上面10a、第2基板20の底面20a、及び側壁30により、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18を内部に含むキャビティ19が画定される。
第1基板10は、例えば窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)を含む圧電材料から形成されてよい。第1基板10の上面10aには、圧電材料の薄膜により複数の圧電薄膜共振器11が形成される。圧電薄膜共振器11は配線パッド12により互いに接続され、フィルタ又はフィルタデバイスのような電子回路18を形成する。なお、本発明の複数の側面によれば電子回路18は圧電薄膜共振器11を含むように記載されるが、圧電薄膜共振器11に加え又はその代わりに、弾性表面波(SAW)素子、又は音響多層膜共振器(SMR)のようなバルク弾性波(BAW)素子を使用することもできる。
第1基板10の底面10bには外部電極40が形成される。外部電極40は、ビア41及び外部電極層42により形成される。ビア41は、第1基板10の上面10と底面10bとを結ぶスルーホール10cを通るように形成される。外部電極層42はビア41の底面に形成される。ビア41は銅メッキにより形成され、外部電極層42は半田メッキにより形成される。ビア41は、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18の配線パッド12に接続される。ビア41の直上には、配線パッド12を介して柱50が形成される。
図14に示されるように、圧電薄膜共振器111〜117は配線パッド12により適切に接続され、図2の回路図と同様に構成された帯域通過フィルタが、第1基板10の上面10aに形成される。詳しくは、入力電極としての柱501と出力電極としての柱502とを結ぶ信号経路に沿って圧電薄膜共振器111、113、115、117が直列に接続される。さらに、グランドとしての柱503、504と、圧電薄膜共振器111、113、115、117間を結ぶ各ノードとの間には、圧電薄膜共振器112、114、116が並列に接続される。すなわち、圧電薄膜共振器111、113、115間を結ぶ各ノードは、圧電薄膜共振器112、114それぞれを介してグランドとしての柱503に接続される。圧電薄膜共振器115、117間を結ぶノードは、圧電薄膜共振器116を介してグランドとしての柱504に接続される。ここで、図13の圧電薄膜共振器11は、図14の圧電薄膜共振器111〜117の典型的な配置を概略的に示したものである。さらに、図13及び5Bの外部電極40、ビア41、柱50等は、図14の柱501〜504の典型的な配置を概略的に示したものである。なお、第3例においても、図8に示す第1例の代替例と同様に、グランドとしてのビア413、414の少なくとも一方を側壁30に接続してよい。
第2基板20は、半導体のような低抵抗率の材料から形成される。第2基板20は、例えばシリコンから形成されてよい。誘電体のような高抵抗率材料からなる薄膜22が、第2基板20の底面20aに形成される。薄膜22は、例えば二酸化ケイ素(SiO2)又は酸化アルミニウム(Al2O3)から形成されてよい。
第1基板10及び第2基板20は、側壁30及び柱50により、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aとが所定の間隙で離間されるように支持される。側壁30は、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18を取り囲むように、第1基板10の周縁10d及び第2基板20の周縁20dに沿って延びる。第1基板10の上面10a、第2基板20の底面20a、及び側壁30により、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18を内部に含むキャビティ19が画定される。側壁30は、第1側壁31と第2側壁32とが、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aとの間に順に積層され、液相拡散(TLP)接合を使用して第1側壁31が金と錫の(Au−Sn)合金から形成されて第2側壁32が錫と銅の(Sn−Cu)合金から形成されるように互いに接合されることにより形成される。
柱50は、第1基板10のビア41の直上に配線パッド12を介して形成され、薄膜22を介して第2基板20を支持する。柱50は、第1柱51と第2柱52とが、第1基板10の上面10aに形成された配線パッド12と第2基板20の底面20aに形成された薄膜22との間に順に積層され、液相拡散(TLP)接合を使用して第1柱51が金と錫の(Au−Sn)合金から形成されて第2柱52が錫と銅の(Sn−Cu)合金から形成されるように、互いに接合されることにより形成される。
第3例によれば、高抵抗率材料からなる薄膜22が、低抵抗率材料からなる第2基板20の底面20aに形成される。薄膜22により、電子回路18により発せられるRF信号が、側壁30、柱50、又はキャビティ19の空間を介して第2基板20に結合することが抑制される。薄膜22は、所定の厚さを有するように誘電体のような高抵抗率材料から形成され、電子回路18から発せられるRF信号を阻止することができる。第2基板20の底面20aの薄膜22は、側壁30、柱50及び電子回路18の直上部分を含む所定の領域を覆うように形成してよい。さらに、薄膜22は、第2基板20の底面20aを完全に覆うように形成してよい。
第3例の電子デバイス1は、以下に記載される一連の工程により製造することができる。圧電材料からなり所定の厚さを有する第1基板10の上面10aに圧電薄膜共振器(FBAR)11を含む電子回路18が形成される。Th第1基板10は窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)から形成してよい。第1基板10の上面10aには、フィルタ及びフィルタデバイスのような電子回路18を構成するべく、圧電薄膜共振器11が配線パッド12により適切に接続される。なお、本発明の複数の側面によれば電子回路18は圧電薄膜共振器11を含むが、圧電薄膜共振器11に加え又はその代わりに、弾性表面波(SAW)素子、又は音響多層膜共振器(SMR)のようなバルク弾性波(BAW)素子を使用することもできる。
第1基板10の上面10aに電子回路18を形成するのと同時に又は前後して、第1側壁31が、第1基板10の周縁10dに沿って電子回路18を取り囲むように所定の幅及び高さで形成される。第1側壁31、例えば錫(Sn)又はインジウム(In)から形成してよい。同様に、第1基板10の上面10aには、ビア41が形成されたスルーホール10cの直上に、配線パッド12を介して所定の直径及び高さを有する第1柱51が形成される。第1柱51、例えば錫(Sn)又はインジウム(In)から形成してよい。一方、第1基板の上面10aと底面10bとの間を貫通するようにスルーホール10cが形成される。そして、スルーホール10cを介して電子回路18の配線パッド12に接続されるビア41が銅メッキにより形成され、ビア41の底面には外部電極層42が半田メッキにより形成され、ビア41及び外部電極層42により外部電極40を形成することができる。
高抵抗率材料からなる薄膜22が所定の厚さを有するように、低抵抗率材料からなり所定の厚さを有する第2基板20の底面20aに形成される。第2基板20は、シリコンのような半導体から形成してよい。薄膜22は、二酸化ケイ素(SiO2)又は酸化アルミニウム(Al2O3)のような誘電体から形成してよい。第2基板20の底面20aの薄膜22は、側壁30、柱50及び電子回路18の直上部分を含む所定の領域を覆うように形成してよい。さらに、薄膜22は、第2基板20の底面20aの全体を覆うように形成してよい。
薄膜22が第2基板20の底面20aに形成された後、第2側壁32が、所定の幅及び高さを有するとともに、第1側壁31が第1基板10の上面10aに形成される箇所において第2基板20の周縁20dに沿って電子回路18を取り囲むように形成される。第2側壁32は、例えば銅(Cu)及び金(Au)を順に積層することにより形成することができる。同様に、第1柱51が第1基板10の上面10aに形成される箇所において、第2柱52が所定の直径及び高さを有するように形成される。第2柱52は、例えば銅(Cu)及び金(Au)を順に積層することにより形成することができる。
第1基板10の上面10aが第2基板20の底面20aに対向するように配置され、その後、第1基板10の上面10aに形成された第1側壁31及び第1柱51双方の上面が、第2基板20の底面20aに形成された第2側壁32及び第2柱52双方の底面に位置合わせされる。そして、積層された側壁31、32が、所定温度で所定時間にわたり、液相拡散(TLP)接合により接合される。液相拡散接合により、第1側壁31と第2側壁32とが一体的に形成されて側壁30となるように、第1側壁31を例えば金と錫又は金とインジウムの合金とし、第2側壁32を例えば金と銅の合金とすることができる。側壁30は、第1基板10及び第2基板20を支持し、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aとが所定の間隙により離間されるように維持し、ひいては第1基板10の上面10a及び第2基板20の底面20aとともにキャビティ19を画定する。その結果、電子回路18が内部においてキャビティ19に含まれる。同様に、液相拡散接合により、第1柱51と第2柱52とが一体的に形成されて柱50となるように、第1柱51を例えば金と錫又は金とインジウムの合金とし、第2柱52を例えば金と銅の合金とすることができる。柱50は、第1基板10及び第2基板20を支持し、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aとが所定の間隙により離間されるように維持する。
図15は、第3例の電子デバイス1の等価回路を示す回路図である。等価回路において、帯域通過フィルタ61は、第3例の電子回路18により構成された帯域通過フィルタに対応する。帯域通過フィルタは、図2に示されるラダー型フィルタと同様の構成を有する。また、第3例において、電子回路18により発せられるRF信号が、側壁30、柱50、又はキャビティ19の空間を介してキャップ基板としての第2基板20に結合し、電子回路18の入力側ラインと出力側ラインとの間に帯域通過フィルタ61を迂回する経路が生じ得る。図面において、この経路は、第2基板20に対応する抵抗71と、電子回路18の入力側ラインを第2基板20に結合する第1キャパシタ62と、電子回路18の入力側ラインから柱50及び薄膜22を通って第2基板20に達する経路沿いの柱50に対応する抵抗66及び薄膜22に対応する抵抗67と、第2基板20から柱50を通って電子回路18の出力側ラインに達する経路沿いの薄膜22に対応する抵抗69及び柱50に対応する抵抗68とによって等価的に示される。
第3例によれば、低抵抗率材料から形成された第2基板20に対応する抵抗71、及び金属から形成された柱50に対応する抵抗66、68は低抵抗であるが、高抵抗率材料から形成された薄膜22に対応する抵抗67、69は高抵抗である。さらに、第1キャパシタ62及び第2キャパシタ64は、図3に例示の等価回路のキャパシタ152及び154よりも低容量である。第2基板20に対応する抵抗71を通過して帯域通過フィルタ61を迂回する電流は、図3に例示の等価回路の抵抗153を通過して帯域通過フィルタ151を通過する電流よりも小さい。帯域通過フィルタ61に対して迂回する経路の寄与は、図3に例示の等価回路の帯域通過フィルタ151に対して迂回する経路よりも小さくなるように抑制される。したがって、第3例によれば、電子回路18により発せられるRF信号がキャップ基板として第2基板20に結合されることが抑制されるので、図1の電子回路100と比べ、電子デバイス1の周波数特性が改善される。特に、例えば、帯域通過フィルタ61の通過損失を、図3に例示の等価回路の帯域通過フィルタ151の通過損失と比べて低減することができる。
第3例によれば、第1基板10及び第2基板20は、側壁30だけでなく柱50によっても支持される。したがって、第3例の電子デバイス1においては、機械的強度及び堅牢性を確保することができる。
第4例は、キャップ基板が高抵抗率材料から形成されるとともに、キャップ基板とデバイス基板との間に柱が形成される構成に関する。図16は、第4例に係る電子デバイスの概略的な構成を示す断面図である。第4例は、柱が形成される点で第2例と異なる。他の構成は第2例と同様である。図16において、第2例との対応関係を明らかにするため、第2例と共通の構成要素には同様の符号が付される。第4例に関する以下の記載は依然として、第1例の電子デバイスを例示する側面図の図5Bと、第3例の電子回路を例示する他の断面図の図14とを参照する。
図16、14及び5Bに示されるように、第4例の電子デバイス1は、所定の厚さを有する第1基板10と、所定の厚さを有して所定の間隙で第1基板10に対向する第2基板20とを含む。第1基板10は、デバイス基板とも称され、上面10aが第2基板20に対向する。上面10aには、圧電薄膜共振器(FBAR)11を含む電子回路18が形成される。第2基板20はキャップ基板とも称され、底面20aが、第1基板10の上面10aから所定の間隙に維持されるように側壁30及び柱50により支持される。第1基板10の上面10a、第2基板20の底面20a、及び側壁30により、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18を内部に含むキャビティ19が画定される。
第1基板10は、例えば窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)を含む圧電材料から形成されてよい。第1基板10の上面10aには、圧電材料の薄膜により複数の圧電薄膜共振器11が形成される。圧電薄膜共振器11は配線パッド12により互いに接続され、フィルタ又はフィルタデバイスのような電子回路18を形成する。なお、本発明の複数の側面によれば電子回路18は圧電薄膜共振器11を含むように記載されるが、圧電薄膜共振器11に加え又はその代わりに、弾性表面波(SAW)素子、又は音響多層膜共振器(SMR)のようなバルク弾性波(BAW)素子を使用することもできる。
第1基板10の底面10bには外部電極40が形成される。外部電極40は、ビア41及び外部電極層42により形成される。ビア41は、第1基板10の上面10と底面10bとを結ぶスルーホール10cを通るように形成される。外部電極層42はビア41の底面に形成される。ビア41は銅メッキにより形成され、外部電極層42は半田メッキにより形成される。ビア41は、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18の配線パッド12に接続される。ビア41の直上には、配線パッド12を介して柱50が形成される。
図14に示されるように、圧電薄膜共振器111〜117は配線パッド12により適切に接続され、図2の回路図と同様に構成された帯域通過フィルタが、第1基板10の上面10aに形成される。詳しくは、入力電極としての柱501と出力電極としての柱502とを結ぶ信号経路に沿って圧電薄膜共振器111、113、115、117が直列に接続される。さらに、グランドとしての柱503、504と、圧電薄膜共振器111、113、115、117間を結ぶ各ノードとの間には、圧電薄膜共振器112、114、116が並列に接続される。すなわち、圧電薄膜共振器111、113、115間を結ぶ各ノードは、圧電薄膜共振器112、114それぞれを介してグランドとしての柱503に接続される。圧電薄膜共振器115、117間を結ぶノードは、圧電薄膜共振器116を介してグランドとしての柱504に接続される。ここで、図16の圧電薄膜共振器11は、図14の圧電薄膜共振器111〜117の典型的な配置として概略的に示される。さらに、図16及び5Bの外部電極40、ビア41、柱50等は、図14の柱501〜504の典型的な配置を概略的に示したものである。なお、第4例においても、グランドとしてのビア413、414の少なくとも一方は、図8に示される第1例の代替例と同様に側壁30に接続することができる。
第2基板20は誘電体のような低抵抗率材料から形成される。第2基板20は、例えば二酸化ケイ素(SiO2)又は酸化アルミニウム(Al2O3)から形成してよい。
第1基板10及び第2基板20は、側壁30及び柱50により、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aとが所定の間隙で離間されるように支持される。側壁30は、第1基板10の上面10aに形成された電子回路18を取り囲むように、第1基板10の周縁10d及び第2基板20の周縁20dに沿って延びる。第1基板10の上面10a、第2基板20の底面20a、及び側壁30が、内部に電子回路18を含むキャビティ19を画定する。側壁30は、第1側壁31と第2側壁32とが、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aとの間に順に積層され、第1側壁31が金と錫の(Au−Sn)合金から形成されて第2側壁32が錫と銅の(Sn−Cu)合金から形成されるように液相拡散(TLP)接合を使用して互いに接合されることにより形成される。
柱50は、第2基板20を支持するべく、第1基板10のビア41の直上の配線パッド12に形成される。柱50は、第1柱51と第2柱52とが、第1基板10の上面10aに形成された配線パッド12と第2基板20の底面20aとの間に順に積層され、液相拡散(TLP)接合を使用して第1柱51が金と錫の(Au−Sn)合金から形成されて第2柱52が錫と銅の(Sn−Cu)合金から形成されるように、互いに接合されることにより形成される。
第4例によれば、第2基板20は高抵抗率材料から形成される。第2基板20を形成する高抵抗率材料により、電子回路18により発せられるRF信号が、側壁30、柱50、又はキャビティ19の空間を介して第2基板20に結合することが抑制されるので、RF信号が第2基板20へと流れ込むことが阻止される。第2基板20は、電子回路18から発せられるRF信号が第2基板20を通過する経路が生じ得ないように、誘電体のような高抵抗率材料から形成される。
第4例の電子デバイス1は、以下に記載される一連の工程により製造することができる。圧電材料からなり所定の厚さを有する第1基板10の上面10aに圧電薄膜共振器(FBAR)11を含む電子回路18が形成される。第1基板10は窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)から形成してよい。第1基板10の上面10aには、フィルタ及びフィルタデバイスのような電子回路18を構成するべく、圧電薄膜共振器11が配線パッド12により適切に接続される。なお、本発明の複数の側面によれば電子回路18は圧電薄膜共振器11を含むが、圧電薄膜共振器11に加え又はその代わりに、弾性表面波(SAW)素子、又は音響多層膜共振器(SMR)のようなバルク弾性波(BAW)素子を使用することもできる。
第1基板10の上面10aに電子回路18を形成するのと同時に又は前後して、第1側壁31が、第1基板10の周縁10dに沿って電子回路18を取り囲むように所定の幅及び高さで形成される。第1側壁31、例えば錫(Sn)又はインジウム(In)から形成してよい。同様に、第1基板10の上面10aには、ビア41が形成されたスルーホール10cの直上に、配線パッド12を介して所定の直径及び高さを有する第1柱51が形成される。第1柱51は、例えば錫(Sn)又はインジウム(In)から形成してよい。一方、第1基板の上面10aと底面10bとの間を貫通するようにスルーホール10cが形成される。そして、スルーホール10cを介して電子回路18の配線パッド12に接続されるビア41が銅メッキにより形成され、ビア41の底面には外部電極層42が半田メッキにより形成され、ビア41及び外部電極層42により外部電極40を形成することができる。
所定の厚さを有するように高抵抗率材料から形成された第2基板20の底面20aにおいて、第2側壁32は、所定の幅及び高さを有するとともに、第1側壁31が第1基板10の上面10aに形成される箇所において第2基板20の周縁20dに沿って電子回路18を取り囲むように形成される。第2基板20は、例えば二酸化ケイ素(SiO2)又は酸化アルミニウム(Al2O3)から形成してよい。第2側壁32は、例えば銅(Cu)及び金(Au)を順に積層することにより形成することができる。同様に、第1柱51が第1基板10の上面10aに形成される箇所において、第2柱52が所定の直径及び高さを有するように形成される。第2柱52は、例えば銅(Cu)及び金(Au)を順に積層することにより形成することができる。
第1基板10の上面10aが第2基板20の底面20aに対向するように配置され、その後、第1基板10の上面10aに形成された第1側壁31及び第1柱51双方の上面が、第2基板20の底面20aに形成された第2側壁32及び第2柱52双方の底面に位置合わせされる。そして、積層された側壁31、32が、所定温度で所定時間にわたり、液相拡散(TLP)接合により接合される。液相拡散接合により、第1側壁31と第2側壁32とが一体的に形成されて側壁30となるように、第1側壁31を例えば金と錫又は金とインジウムの合金とし、第2側壁32を例えば金と銅の合金とすることができる。側壁30は、第1基板10及び第2基板20を支持し、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aとが所定の間隙により離間されるように維持し、ひいては第1基板10の上面10a及び第2基板20の底面20aとともにキャビティ19を画定する。その結果、電子回路18が内部においてキャビティ19に含まれる。同様に、液相拡散接合により、第1柱51と第2柱52とが一体的に形成されて柱50となるように、第1柱51を例えば金と錫又は金とインジウムの合金とし、第2柱52を例えば金と銅の合金とすることができる。柱50は、第1基板10及び第2基板20を支持し、第1基板10の上面10aと第2基板20の底面20aとが所定の間隙により離間されるように維持する。
図17は、第4例に係る電子デバイス1の等価回路を示す回路図である。等価回路において、帯域通過フィルタ61は、第4例の電子回路18により構成された帯域通過フィルタに対応する。帯域通過フィルタは、図2に示されるラダー型フィルタと同様の構成を有する。また、第4例において、電子回路18により発せられるRF信号が、側壁30、柱50、又はキャビティ19の空間を介してキャップ基板としての第2基板20に結合し、電子回路18の入力側ラインと出力側ラインとの間に帯域通過フィルタ61を迂回する経路が生じ得る。図面において、この経路は、第2基板20に対応する抵抗72と、電子回路18の入力側ラインを第2基板20に結合する第1キャパシタ62と、電子回路18の入力側ラインから柱50を通って第2基板20に達する経路に対応する抵抗66と、第2基板20から柱50を通って電子回路18の出力側ラインに達する経路に対応する抵抗68と、第2基板20を電子回路18の出力側ラインに結合する第2キャパシタ64とによって等価的に示される。
第4例によれば、金属から形成された柱50に対応する抵抗66、68が低抵抗を有する一方、高抵抗率材料から形成された第2基板20に対応する抵抗71は、図3に例示の等価回路における抵抗153よりも高抵抗を有する。さらに、第1キャパシタ62及び第2キャパシタ64の静電容量は、図3に例示の等価回路におけるキャパシタ152及び154よりも低い。第2基板20に対応する抵抗71を通過して帯域通過フィルタ61を迂回する電流は、図3に例示の等価回路の抵抗153を通過して帯域通過フィルタ151を通過する電流よりも小さい。帯域通過フィルタ61に対して迂回する経路の寄与は、図3に例示の等価回路の帯域通過フィルタ151に対して迂回する経路よりも小さくなるように抑制される。したがって、第3例によれば、電子回路18により発せられるRF信号がキャップ基板としての第2基板20に結合されることが抑制されるので、図1の電子回路100と比べ、電子デバイス1の周波数特性が改善される。特に、例えば、帯域通過フィルタ61の通過損失を、図3に例示の等価回路の帯域通過フィルタ151の通過損失と比べて低減することができる。
第4例によれば、第1基板10及び第2基板20は、側壁30だけでなく柱50によっても支持される。したがって、第4例の電子デバイス1においては、機械的強度及び堅牢性を確保することができる。
図18Aは、本発明の複数の側面に係る電子デバイスが適用されるアンテナデュプレクサの概略的な構成を示すブロック図である。デュプレクサ200は、受信フィルタ201及び送信フィルタ202を含むように構成することができる。受信フィルタ201及び送信フィルタ202はそれぞれ、第1周波数及び第2周波数それぞれが受信フィルタ201及び送信フィルタ202を通過するように本実施の形態の電子デバイス1で構成した帯域通過フィルタを含み得る。デュプレクサ200は、アンテナ208に接続可能なアンテナ端子として使用可能な共通端子207と、送信回路206に接続可能な送信端子として使用可能な第1端子205と、受信回路204に接続可能な受信端子として使用可能な第2端子203とを含み得る。送信回路206及び受信回路204は、デュプレクサ200として同じモジュール内又は同じパッケージ内に配置することができる。または、デュプレクサ200の外部にあるモジュール又はパッケージに配置することができる。
図18Bは、本発明の複数の側面に係る電子デバイスが適用されるダイプレクサの概略的な構成を示すブロック図である。ダイプレクサ210は、それぞれが共通端子217に接続された第1受信フィルタ211a及び第2受信フィルタ211bを含む。本開示の一側面によれば、電子デバイス1として構成された帯域通過フィルタは、第1受信フィルタ211a及び/又は第2受信フィルタ211bにおいて使用することができる。ダイプレクサ210は、異なる周波数の信号を受信するべくアンテナ218に接続可能な共通端子217を含み得る。ダイプレクサ210はさらに、第1受信端子として使用可能な第1端子213aと、第2受信端子として使用可能な第2端子213bとを含み得る。第1端子213aは、第1周波数帯域の信号を受信するべく構成された第1受信回路214aに接続することができる。第2端子213bは、第2周波数帯域とは異なる第1周波数帯域の信号を受信するべく構成された第2受信回路721bに接続することができる。
なお、本発明の複数の側面に係る電子デバイス1は、携帯通信機器等に適用することができる。例えば、電子デバイス1として構成される帯域通過フィルタと、電子デバイス1を含むデュプレクサ200又はダイプレクサ210とは、例えば無線通信機器のような電子機器において究極的に使用されるモジュールに組み入れられてパッケージ化され得る。図19Aは、電子デバイス1を含むモジュール220の一例を概略的に示すブロック図である。モジュール220はさらに、信号相互接続を与える接続部222と、例えば、当該回路のパッケージングのためのパッケージ基板のようなパッケージング224と、例えば、ここでの開示に鑑みて半導体製造の当業者にとって知られている増幅器、前置フィルタ、変調器、復調器、ダウンコンバータ等のような他の回路ダイ226とを含んでもよい。図19B及び19Cは、デュプレクサ200又はダイプレクサ210それぞれの一実施形態を含むモジュール230、240の他の例を示すブロック図である。これらはいずれも、図18A及び18Bを参照して上述された電子デバイス1の一実施形態を組み入れることができる。
ここに開示される複数の例及び複数の実施形態に係る電子デバイス1、デュプレクサ200、ダイプレクサ210、又はいずれかのモジュール220、230、240は、通信又は無線機器(例えば携帯電話、タブレット等)のような様々な電子機器において有用となり得る。
図20Aは、電子デバイス1の一実施形態を含み得る電子機器300の一例を概略的に示すブロック図である。例えば、典型的な電子機器300は、電子デバイス1、デュプレクサ200又はダイプレクサ210を含み得る。典型的な電子機器300は、スマートフォンのような携帯電話機であり得る。電子機器300は、図20Aに例示されない要素及び/又は例示の要素のサブコンビネーションも含み得る。図20Aに描かれる電子機器300は、多重帯域/多重モード携帯電話機のような多重帯域及び/又は多重モード装置を表し得る。例えば、電子機器300は、LTE(Long Term Evolution)に従って通信する無線機器とすることができる。この例では、電子機器300は、LTE規格によって規定される一以上の周波数帯域において動作するべく構成可能である。電子機器300は代替的に又は付加的に、Wi−Fi(登録商標)規格、Bluetooth(登録商標)規格、3G規格、4G規格又はアドバンストLTE規格の一以上を含むがこれらに限られない一以上の他の通信規格に従って通信するべく構成可能である。
電子機器300はフィルタモジュール310を含み得る。フィルタモジュール310は、電子デバイス1の一以上の実施形態を含み、端子205及び203それぞれを介して回路320及び330に接続される。電子機器300はさらに、共通端子207を介してフィルタモジュール310に接続されたアンテナ340を含み得る。フィルタモジュール310は、図19A〜Cに関連して記載されたモジュール220、230又は240のいずれかを含み得る。回路320及び330は、アンテナ340を介して送信されるRF信号を生成し又はアンテナ340から入来する信号を受信することができる受信回路又は送信回路とすることができる。
図20Bを参照すると、図20Aのフィルタモジュール310が、デュプレクサ200を含むモジュール230を含む。この例において、電子機器300は、デュプレクサ200、入力端子205を介してデュプレクサ200に接続された送信回路206、出力端子203を介してデュプレクサ200に接続された受信回路204、及びアンテナ端子207を介してデュプレクサに接続されたアンテナ340を含み得る。送信回路206及び受信回路204は、アンテナ340を介して送信されるRF信号を生成し及びアンテナ340から入来するRF信号を受信することができる送受信器の一部である。図20A及び20Bに示されるように、通信機器300はさらに、コントローラ350、少なくとも一つのコンピュータ可読媒体360、少なくとも一つのプロセッサ370、及び電池380を含む。
理解されることだが、RF信号の送信及び受信に関連付けられた様々な機能は、図20Bにおいて送信回路206及び受信回路204として表された一以上の構成要素によって達成することができる。例えば、単一の構成要素に送信機能及び受信機能の双方を与えるように構成することができる。他例において、送信及び受信機能は、別個の構成要素によって与えることができる。同様に理解されることだが、RF信号の送信及び受信に関連付けられた様々なアンテナ機能は、図20A及び20Bにおいてアンテナ340として集合的に表された一以上の構成要素によって達成することができる。例えば、単一のアンテナに送信機能及び受信機能の双方を与えるように構成することができる。他例において、送信及び受信機能は、別個のアンテナによって与えることができる。通信機器が多重帯域装置となるさらなる他例において、通信機器300に関連付けられた異なる帯域に対して異なるアンテナを与えることができる。
受信経路と送信経路とのスイッチングを容易にするべく、デュプレクサ200は、選択された送信経路又は受信経路に対してアンテナ340を電気的に接続するべく構成することができる。こうしてデュプレクサ200は、通信機器300の動作に関連付けられた一定数のスイッチング機能を与えることができる。加えて、上述のようにデュプレクサ200は、RF信号のフィルタリングを与えるべく構成された送信フィルタ202及び受信フィルタ201(図18A参照)を含む。
図20A及び20Bに示されるように、所定の実施形態において、フィルタモジュール310(例えばデュプレクサ200)及び/又は他の動作構成要素(複数可)の動作に関連付けられた様々な機能を制御するべくコントローラ350を与えることができる。所定の実施形態において、少なくとも一つのプロセッサ370を、通信機器300の動作のための様々な処理の実装を容易にするように構成することができる。少なくとも一つプロセッサ370によって行われる処理は、コンピュータプログラム命令によって実装される。かかるコンピュータプログラム命令は、少なくとも一つのプロセッサ370へと与えられる。プロセッサ370は、機械をもたらす汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置とすることができる。その結果、当該命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置の少なくとも一つプロセッサを介して実行され、通信機器300を動作させるメカニズムを作る。所定の実施形態において、こうしたコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読媒体360に記憶される。電池380は、通信機器300における使用に適切な任意の電池とすることができる。これは、例えばリチウムイオン電池を含む。
上述の実施形態ではいくつかの態様について上述したが、様々な改変、修正及び改善が当業者にとって容易に想到される。かかる改変、修正及び改善は、本開示の一部であることが意図され、かつ、本発明の範囲内にあることが意図される。したがって、上述の記載及び図面は例示に過ぎず、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等の適切な構成によって定めるべきである。