JP2003249838A - 弾性表面波フィルタ用パッケージ - Google Patents
弾性表面波フィルタ用パッケージInfo
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Abstract
体11とが貫通導体9および/またはキャスタレーション
導体の複数個で接続された構造では、パッケージのグラ
ンド間でグランドループによる共振が起こりアイソレー
ションの劣化を招いていた。 【解決手段】 接地導体層12と外部電気回路接続用の接
地導体21とを、これらの間の絶縁基体11の内部に形成さ
れた貫通導体19および/または側面に形成されたキャス
タレーション導体の複数個で接続するとともに、最も近
接した貫通導体19および/またはキャスタレーション導
体と接地導体層12と接地導体21とで形成されるループ長
を弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の
実効波長の4分の1以下とした。パッケージのグランド
間で起こる共振を抑制することができ、高周波化した阻
止域における減衰量および入出力配線13・13間のアイソ
レーションの劣化を改善できる。
Description
に搭載される弾性表面波フィルタを構成する、弾性表面
波フィルタ素子を収容するために使用される弾性表面波
フィルタ用パッケージに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、携帯電話機をはじめとする移動体
通信機器等の電子機器には多数の電子装置が組み込まれ
ている。かかる携帯電話機等の通信機器は近年、小型化
が急激に進んでおり、これらに搭載される各電子装置も
小型化が要求され、同時に電子装置に使用される電子部
品収納用パッケージも小型化・多機能化が要求されるよ
うになってきた。 【0003】例えば、携帯電話機に使用される弾性表面
波(弾性表面波素子)フィルタは一般に、図7に断面図
で示すように、内部に接地導体層2を有し、上面側に弾
性表面波フィルタ素子7が搭載収容される凹部1aを有
する、酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料から
成る略四角形の絶縁基体1と、この絶縁基体1の上面側
に取着されて凹部1aを塞ぐ蓋体5とから成る弾性表面
波フィルタ用パッケージを準備し、この弾性表面波フィ
ルタ用パッケージの絶縁基体1に設けた凹部1aに少な
くとも2つ以上の接地用電極をもつ弾性表面波フィルタ
素子7を収容するとともに弾性表面波フィルタ素子7の
入出力電極をメタライズ配線層から成る所定の入出力用
配線3にボンディングワイヤ6を介して接続し、しかる
後、絶縁基体1に蓋体5をガラス・樹脂・ロウ材等の封
止材(図示せず)を介して枠状のメタライズ層4に接合
させ、絶縁基体1と蓋体5とから成る容器内部に弾性表
面波フィルタ素子7を気密に収容することによって製作
されている。 【0004】この弾性表面波フィルタは、携帯電話機に
おいて800MHzから数GHzを通過帯域の中心周波数
とする帯域通過フィルタとして使われている。その際の
要求特性として、通過帯域外の信号の抑制がある。 【0005】これに対し、弾性表面波フィルタ素子7の
電極指パターンの最適化により通過帯域外特性の改善が
なされているが、パッケージと弾性表面波フィルタ素子
7との接続部(ボンディングワイヤ6)によるインダク
タンス成分や入出力用配線3間の電磁的結合等により、
弾性表面波フィルタ素子7をパッケージに収容した際に
帯域外特性が劣化するという問題点がある。これに対し
て、パッケージに要求される特性として、入出力用配線
3間のアイソレーションの改善が望まれている。 【0006】そこで、図7に示す例では、弾性表面波フ
ィルタ素子7の接地電極が接地導体層2に接続され、絶
縁基体1の内部に形成された貫通導体9および/または
側面キャスタレーション導体ならびに下面に形成された
接地導体11を介して、外部電気回路接続用の接地導体に
電気的に接続されていた。 【0007】なお、図8は図7に示す弾性表面波フィル
タ用パッケージの接地導体層2および外部電気回路接続
用の接地導体11ならびに両者に接続される貫通導体9の
部分を示す要部拡大断面図である。図8において、1は
絶縁基体、2は接地導体層、9は貫通導体、11は接地導
体である。弾性表面波フィルタ素子7の2つ以上の接地
用電極は、接地導体層2に接続され、さらにこのように
貫通導体9および/または側面キャスタレーション導体
(図示せず)を介して外部電気回路接続用の接地導体11
に電気的に接続されている。なお、図8において、L1
およびL3は接地導体層2から接地導体11までの貫通導
体長を、L2は接地導体層2における最も近接した貫通
導体9と貫通導体9との間の距離を、L4は接地導体11
におけるそれら貫通導体9と貫通導体9との間の距離を
示している。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、弾性表
面波フィルタ用パッケージにおける近年の高周波化に伴
い、図7および図8に示すように接地導体層2から複数
個の貫通導体9および/または側面キャスタレーション
導体を介して接地導体11に電気的に接続された構造で
は、これら接地導体層2と最も近接した貫通導体9・9
と接地導体11との間でグランドループ(L1〜L2〜L
3〜L4)が生じ、パッケージのグランド間で共振が起
こるために、アイソレーションの劣化を招いていた。 【0009】例えば、図9〜図14にそれぞれアイソレー
ションの周波数特性を線図で示したように、一般に携帯
電話で使用される1〜2GHzの周波数領域において、
アイソレーション規格である−40dBを満たすことが困
難であるという問題点があった。 【0010】なお、図9〜図14において、横軸は周波数
(単位:GHz)を、縦軸はアイソレーション(単位:
dB)を表し、破線の特性曲線は弾性表面波フィルタ用
パッケージの入出力端子(入出力用配線3・3)間のア
イソレーション特性を示している。そして、図9は貫通
導体9と貫通導体9とで接続されて形成されるグランド
ループのループ長(L1+L2+L3+L4)が弾性表
面波フィルタ素子7の通過帯域の中心周波数の実効波長
λに対してλ/4<L1+L2+L3+L4<λ/2の
ときのアイソレーション特性を、図10は貫通導体9と側
面キャスタレーション導体とで接続されて形成されるグ
ランドループのループ長がλ/4<L1+L2+L3+
L4<λ/2のときのアイソレーション特性を、図11は
貫通導体9と貫通導体9とで接続されて形成されるグラ
ンドループのループ長がL1+L2+L3+L4=λ/
2のときのアイソレーション特性を、図12は貫通導体9
と側面キャスタレーション導体とで接続されて形成され
るグランドループのループ長がL1+L2+L3+L4
=λ/2のときのアイソレーション特性を、図13は貫通
導体9と貫通導体9とで接続されて形成されるグランド
ループのループ長がL1+L2+L3+L4>λ/2の
ときのアイソレーション特性を、図14は貫通導体9と側
面キャスタレーション導体とで接続されて形成されるグ
ランドループのループ長がL1+L2+L3+L4>λ
/2のときのアイソレーション特性を示している。 【0011】これらの線図に示す結果から、いずれの場
合も各線図中に実線の直線で示したアイソレーション規
格値(1〜2GHzにおいて−40dB)を満たしていな
いことが分かる。 【0012】本発明は以上のような従来の技術の問題点
に鑑みて案出されたものであり、高周波化した阻止域に
おける減衰量および入出力配線間のアイソレーションの
劣化を改善した弾性表面波フィルタ用パッケージを提供
することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の弾性表面波フィ
ルタ用パッケージは、上面中央部に弾性表面波フィルタ
素子が搭載される凹部を有し、この凹部の周囲の上面に
枠状のメタライズ層が形成されるとともに、内部にこの
メタライズ層と対向する接地導体層および下面にこの接
地導体層と対向する外部電気回路接続用の接地導体が形
成された絶縁基体と、前記メタライズ層に取着される蓋
体とから成り、前記接地導体層と前記接地導体とは、こ
れらの間の前記絶縁基体の内部に形成された貫通導体お
よび/または側面に形成されたキャスタレーション導体
の複数個で接続されているとともに、最も近接した前記
貫通導体および/またはキャスタレーション導体と前記
接地導体層と前記接地導体とで形成されるループ長が前
記弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中心周波数の実
効波長の4分の1以下であることを特徴とするものであ
る。 【0014】本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージ
によれば、接地導体層と接地導体とを、これらの間の絶
縁基体の内部に形成された貫通導体および/または側面
に形成されたキャスタレーション導体の複数個で接続す
るとともに、最も近接した貫通導体および/またはキャ
スタレーション導体と接地導体層と接地導体とで形成さ
れるループ長を弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中
心周波数の実効波長の4分の1以下としたことから、ル
ープ長を弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中心周波
数の実効波長よりも充分短くすることができるため、形
成されたループで起こる共振を抑制することができ、高
帯域化した弾性表面波フィルタの阻止域の周波数帯にお
ける減衰量およびアイソレーションの劣化を改善するこ
とができる。 【0015】 【発明の実施の形態】次に、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図1は、本発明の弾性表面波フィルタ
用パッケージの実施の形態の例を示す断面図であり、図
2は図1に示す本発明の弾性表面波フィルタ用パッケー
ジの実施の形態の例における接地導体層12および外部電
気回路接続用の接地導体21、ならびに両者に接続される
貫通導体19の様子を示す要部拡大断面図である。これら
の図において、11は絶縁基体、12は接地導体層、19は貫
通導体、21は接地導体である。 【0016】略四角形の絶縁基体11は、その上面中央部
に弾性表面波フィルタ素子17が搭載収容される凹部11a
を有し、この凹部11aの底面に弾性表面波フィルタ素子
17が接着剤等(図示せず)を介して取着固定されて搭載
される。 【0017】この場合、絶縁基体11の枠状のメタライズ
層14に蓋体15を封止材(図示せず)を介して取着接合さ
せ、絶縁基体11と蓋体15とで形成される容器内部に弾性
表面波フィルタ素子17を気密に封止することにより、弾
性表面波フィルタ装置として所望の機能を長期間にわた
り発揮させることが可能となる。 【0018】なお、この例においては弾性表面波フィル
タ素子17が搭載される絶縁基体11の上面中央部は凹形状
であるが、このように平坦形状ではなく凹形状にしたこ
とにより周知のシームウエルド等の封止手法を容易に用
いることができるので、ロウ材等の封止部材を用いて平
板状の蓋体15により封止することにより、平坦形状の搭
載部のものより気密に封止が可能である。 【0019】絶縁基体11は酸化アルミニウム質焼結体・
ムライト質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・炭化珪
素質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材
料から成る。例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る
場合には、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化カルシウ
ム・酸化マグネシウム等の原料粉末に適当なバインダ・
溶剤を添加混合して泥漿状となすとともに、これを従来
周知のドクターブレード法を採用してシート状となすこ
とによってセラミックグリーンシートを得て、しかる
後、これらセラミックグリーンシートを打ち抜き加工法
により適当な形状に打ち抜くとともに必要に応じて複数
枚を積層し、最後にこのセラミックグリーンシートの積
層体を還元雰囲気中にて約1600℃の温度で焼成すること
によって製作される。 【0020】メタライズ配線層から成る接地導体層12
は、タングステン・モリブデン等の高融点金属粉末から
成り、このタングステン等の高融点金属粉末に適当なバ
インダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基
体11となるセラミックグリーンシートに予め従来周知の
スクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布してお
くことによって、絶縁基体11の凹部11a底面から外周部
にかけて被着形成される。 【0021】メタライズ配線層から成る入出力用配線13
はタングステン・モリブデン等の高融点金属粉末から成
り、このタングステン等の高融点金属粉末に適当なバイ
ンダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体
11となるセラミックグリーンシートに予め従来周知のス
クリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておく
ことによって、絶縁基体11の凹部11a周辺から下面にか
けて被着形成される。 【0022】なお、入出力用配線13のメタライズ配線層
には、その表面にニッケル層および金層が順次、メッキ
法を採用することによって被着されており、これらニッ
ケル層および金層によって入出力用配線13へのボンディ
ングワイヤ16の接合を強固なものとしている。 【0023】枠状のメタライズ層14は、蓋体15をロウ材
等を介して絶縁基体11に取着接合するためのものであ
り、タングステン・モリブデン等の高融点金属粉末から
成り、このタングステン等の高融点金属粉末に適当なバ
インダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基
体11となるセラミックグリーンシートに予め従来周知の
スクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布してお
くことによって、絶縁基体11の凹部11a上面に被着形成
される。 【0024】また、枠状のメタライズ層14は、その表面
にニッケル層および金層が順次、メッキ法を採用するこ
とによって被着されており、蓋体15を取着接合するため
の封止材との密着性をより強固なものとしている。 【0025】図1および図2に示すように、弾性表面波
フィルタ素子17の接地電極が接続される接地導体層12は
弾性表面波フィルタ素子17の搭載部である凹部11aの底
面から絶縁基体11内部の外周部にかけて配設され、絶縁
基体11の下面には外部電気回路接続用の接地導体21が配
設されて、両者がそれらの間の絶縁基体11の内部に形成
された貫通導体19および/または絶縁基体11の側面に形
成されたキャスタレーション導体の複数個で接続されて
いる。弾性表面波フィルタ素子17の接地用電極は、ボン
ディングワイヤ(図示せず)により接地導体層12に接続
され、さらに貫通導体19および/または側面キャスタレ
ーション導体の複数個を介して接地導体21に電気的に接
続されている。そして、本発明の弾性表面波フィルタ用
パッケージが外部電気回路基板に表面実装されることに
より、外部電気回路の接地導体に、この接地導体21・貫
通導体19および接地導体層12を介して弾性表面波フィル
タ素子17の接地用電極が電気的に接続される。 【0026】本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージ
においては、図2に示すように、接地導体層12から接地
導体21までの最も近接した貫通導体19および/またはキ
ャスタレーション導体の長さ、ここでは貫通導体長をL
1およびL3とし、接地導体層12における最も近接した
貫通導体19および/またはキャスタレーション導体間の
距離、ここでは貫通導体19と貫通導体19との距離をL2
とし、接地導体21における最も近接した貫通導体19およ
び/またはキャスタレーション導体間の距離、ここでは
貫通導体19と貫通導体19との距離をL4としたときに、
これらで形成されるループ長L1+L2+L3+L4が
弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実
効波長λの4分の1(λ/4)以下であることが重要で
ある。これにより、ループ長を弾性表面波フィルタ素子
の通過帯域の中心周波数の実効波長よりも充分短く、特
に共振が起こる、中心周波数の実効波長λのλ/4より
も短くすることができるため、形成されたループ(L1
+L2+L3+L4)を伝わる進行波により起こる共振
を抑制することができ、その結果、高帯域化した弾性表
面波フィルタの阻止域の周波数帯における減衰量および
アイソレーションの劣化を1GHz〜2GHzにおいて
約10dB改善することができる。 【0027】なお、以上の例においては、L1およびL
3を貫通導体19の長さとして説明したが、貫通導体19に
代えて側面のキャスタレーション導体を用いた場合も同
様である。 【0028】このような本発明の弾性表面波フィルタ用
パッケージにおける入出力用配線13・13間のアイソレー
ション特性を、図3〜図6に図9〜図14と同様の線図で
示す。図3〜図6において、横軸は周波数(単位:GH
z)を、縦軸はアイソレーション(単位:dB)を表
し、実線の直線はアイソレーション規格値を、破線の特
性曲線は図8に示した従来の弾性表面波フィルタ用パッ
ケージにおける入出力用配線3・3間のアイソレーショ
ン特性を、実線の特性曲線は本発明の弾性表面波フィル
タ用パッケージにおける入出力用配線13・13間のアイソ
レーション特性を示している。また、図3は貫通導体19
と貫通導体19とで接続されて形成されるループ長(L1
+L2+L3+L4)がL1+L2+L3+L4<λ/
4のときのアイソレーション特性を、図4は貫通導体と
側面キャスタレーション導体とで接続されて形成される
ループ長がL1+L2+L3+L4<λ/4のときのア
イソレーション特性を、図5は貫通導体と貫通導体とで
接続されて形成されるループ長がL1+L2+L3+L
4=λ/4のときのアイソレーション特性を、図6は貫
通導体と側面キャスタレーション導体とで接続されて形
成されるループ長がL1+L2+L3+L4=λ/4の
ときのアイソレーション特性を示している。 【0029】図3〜図6に示す結果から分かるように、
本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージによれば、一
般に携帯電話機で使用される1〜2GHzの周波数領域
において、アイソレーション規格である−40dBを十分
に満たすことが可能であり、本発明の弾性表面波フィル
タ用パッケージによれば、接地導体層12と接地導体21と
を、これらの間の絶縁基体11の内部に形成された貫通導
体19および/または側面に形成されたキャスタレーショ
ン導体の複数個で接続するとともに、最も近接した貫通
導体19および/またはキャスタレーション導体と接地導
体層12と接地導体21とで形成されるループ長(L1+L
2+L3+L4)を弾性表面波フィルタ素子17の通過帯
域の中心周波数の実効波長λの4分の1(λ/4)以下
としたことから、パッケージのグランド間で起こる共振
を抑制することができ、高周波化した阻止域における減
衰量および入出力配線13・13間のアイソレーションの劣
化を改善することが可能となることが確認できた。 【0030】かくして本発明の弾性表面波フィルタ用パ
ッケージによれば、絶縁基体11の上面に設けた凹部11a
に弾性表面波フィルタ素子17を接着剤を介して接着固定
するとともに弾性表面波フィルタ素子17の入出力用電極
を所定の入出力用配線13にボンディングワイヤ16を介し
て接続するとともに接地用電極をボンディングワイヤを
介して接地導体層12に接続し、しかる後、絶縁基体11の
上面に蓋体15を封止部材を介して取着接合させ、絶縁基
体11と蓋体15とで形成される容器内部に弾性表面波フィ
ルタ素子17を気密に収容することによって製品としての
弾性表面波フィルタとなる。 【0031】なお、絶縁基体11の凹部11aの周囲の上面
に形成された枠状のメタライズ層14に取着接合される蓋
体15は、例えば鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッ
ケル合金等の金属材料、あるいは絶縁基体11と同様の酸
化アルミニウム質焼結体等の無機絶縁材料で形成され、
金属材料で形成される場合には鉄−ニッケル−コバルト
合金等のインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工
法等の従来周知の金属加工法を施すことによって製作さ
れる。また、無機絶縁材料で形成される場合には前述の
絶縁基体11と同様の方法によって製作される。 【0032】また、蓋体15を絶縁基体11の上面の枠状の
メタライズ層14に取着接合する封止材には、例えば金−
錫合金や金−ゲルマニウム合金・錫−鉛合金等の材料が
好適に使用される。これらを使用すると、樹脂材料の封
止材に比べて気密性が高いため、絶縁基体11に蓋体15を
封止材を介して取着接合させ、絶縁基体11と蓋体15とで
形成される容器内部に弾性表面波フィルタ素子17を良好
に気密に封止することができ、弾性表面波フィルタ装置
として所望の機能を長期間にわたり発揮させることが可
能となる。 【0033】なお、本発明は上述の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施
の形態の例では携帯電話機に使用される弾性表面波フィ
ルタを例に採って説明したが、用途はこれに限定される
ものではなく、2つ以上の弾性表面波フィルタ素子をも
つデュープレクサ等の他の電子装置にも適用可能であ
る。この場合には、2つ以上の弾性表面波フィルタ素子
のそれぞれの接地電極が、絶縁基体の下面に配設された
接地導体層に電気的に接続される。 【0034】また、上述の実施の形態の例では、接地導
体層12は、凹部11aの底面から絶縁基体11の内部の外周
部にかけて略全面に配設されているが、弾性表面波フィ
ルタ素子17の搭載部の近傍から絶縁基体内部の所定位置
までの範囲に配設されていても構わない。 【0035】 【発明の効果】本発明の弾性表面波フィルタ用パッケー
ジによれば、絶縁基体の上面中央部に弾性表面波フィル
タ素子が搭載される凹部を有し、この凹部の周囲の上面
に枠状のメタライズ層が形成されるとともに、内部にこ
のメタライズ層と対向する接地導体層および下面にこの
接地導体層と対向する外部電気回路接続用の接地導体が
形成された絶縁基体と、前記メタライズ層に取着される
蓋体とから成り、前記接地導体層と接地導体とが、これ
らの間の前記絶縁基体の内部に形成された貫通導体およ
び/または側面に形成されたキャスタレーション導体の
複数個で接続されているとともに、最も近接した前記貫
通導体および/またはキャスタレーション導体と前記接
地導体層と前記外部電気回路接続用の接地導体とで形成
されるループ長が前記弾性表面波フィルタ素子の通過帯
域の中心周波数の実効波長の4分の1以下であることか
ら、ループ長を弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中
心周波数の実効波長よりも充分短くすることができるた
め、形成されたループで起こる共振を抑制することがで
きるので、高帯域化した弾性表面波フィルタの阻止域の
周波数帯における減衰量およびアイソレーションの劣化
を改善することができる。 【0036】以上により、本発明によれば、高周波化し
た阻止域における減衰量および入出力配線間のアイソレ
ーションの劣化を改善した弾性表面波フィルタ用パッケ
ージを提供することができた。 【0037】そして、本発明の弾性表面波フィルタ用パ
ッケージは、携帯電話で使用される弾性表面波フィルタ
に使用することにより、入出力配線間のアイソレーショ
ンを改善することができるという実用上非常に有用な効
果を持つ。
施の形態の例を示す断面図である。 【図2】図1に示す例における接地導体層2および外部
電気回路接続用の接地導体10、ならびに両者に接続され
る貫通導体9の様子を示す要部拡大断面図である。 【図3】本発明および従来の弾性表面波フィルタ用パッ
ケージにおける入出力用配線間のアイソレーション特性
を示す線図であり、貫通導体と貫通導体で形成されるル
ープ長(L1+L2+L3+L4)がL1+L2+L3
+L4<λ/4のときのアイソレーション特性を示す線
図である。 【図4】本発明および従来の弾性表面波フィルタ用パッ
ケージにおける入出力用配線間のアイソレーション特性
を示す線図であり、貫通導体と側面キャスタレーション
導体で形成されるループ長(L1+L2+L3+L4)
がL1+L2+L3+L4<λ/4のときのアイソレー
ション特性を示す線図である。 【図5】本発明および従来の弾性表面波フィルタ用パッ
ケージにおける入出力用配線間のアイソレーション特性
を示す線図であり、貫通導体と貫通導体で形成されるル
ープ長(L1+L2+L3+L4)がL1+L2+L3
+L4=λ/4のときのアイソレーション特性を示す線
図である。 【図6】本発明および従来の弾性表面波フィルタ用パッ
ケージにおける入出力用配線間のアイソレーション特性
を示す線図であり、貫通導体と側面キャスタレーション
導体で形成されるループ長(L1+L2+L3+L4)
がL1+L2+L3+L4=λ/4のときのアイソレー
ション特性を示す線図である。 【図7】従来の弾性表面波フィルタ用パッケージの例を
示す断面図である。 【図8】図7に示す例における接地導体層2および外部
電気回路接続用の接地導体11ならびに両者に接続される
貫通導体9の部分を示す要部拡大断面図である。 【図9】従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにおけ
る入出力用配線間のアイソレーション特性を示す線図で
あり、貫通導体と貫通導体で形成されるループ長(L1
+L2+L3+L4)がλ/4<L1+L2+L3+L
4<λ/2のときのアイソレーション特性を示す線図で
ある。 【図10】従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにお
ける入出力用配線間のアイソレーション特性を示す線図
であり、貫通導体と側面キャスタレーション導体で形成
されるループ長(L1+L2+L3+L4)がλ/4<
L1+L2+L3+L4<λ/2のときのアイソレーシ
ョン特性を示す線図である。 【図11】従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにお
ける入出力用配線間のアイソレーション特性を示す線図
であり、貫通導体と貫通導体で形成されるループ長(L
1+L2+L3+L4)がL1+L2+L3+L4=λ
/2のときのアイソレーション特性を示す線図である。 【図12】従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにお
ける入出力用配線間のアイソレーション特性を示す線図
であり、貫通導体と側面キャスタレーション導体で形成
されるループ長(L1+L2+L3+L4)がL1+L
2+L3+L4=λ/2のときのアイソレーション特性
を示す線図である。 【図13】従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにお
ける入出力用配線間のアイソレーション特性を示す線図
であり、貫通導体と貫通導体で形成されるループ長(L
1+L2+L3+L4)がL1+L2+L3+L4>λ
/2のときのアイソレーション特性を示す線図である。 【図14】従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにお
ける入出力用配線間のアイソレーション特性を示す線図
であり、貫通導体と側面キャスタレーション導体で形成
されるループ長(L1+L2+L3+L4)がL1+L
2+L3+L4>λ/2のときのアイソレーション特性
を示す線図である。 【符号の説明】 11:絶縁基体 11a:凹部 12:接地導体層 13:入出力配線 14:メタライズ層 15:蓋体 16:ボンディングワイヤ 17:弾性表面波フィルタ素子 19:貫通導体 21:外部電気回路接続用の接地導体
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 上面中央部に弾性表面波フィルタ素子が
搭載される凹部を有し、該凹部の周囲の上面に枠状のメ
タライズ層が形成されるとともに、内部に該メタライズ
層と対向する接地導体層および下面に該接地導体層と対
向する外部電気回路接続用の接地導体が形成された絶縁
基体と、前記メタライズ層に取着される蓋体とから成
り、前記接地導体層と前記接地導体とは、これらの間の
前記絶縁基体の内部に形成された貫通導体および/また
は側面に形成されたキャスタレーション導体の複数個で
接続されているとともに、最も近接した前記貫通導体お
よび/またはキャスタレーション導体と前記接地導体層
と前記接地導体とで形成されるループ長が前記弾性表面
波フィルタ素子の通過帯域の中心周波数の実効波長の4
分の1以下であることを特徴とする弾性表面波フィルタ
用パッケージ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002048832A JP3904944B2 (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | 弾性表面波フィルタ用パッケージ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002048832A JP3904944B2 (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | 弾性表面波フィルタ用パッケージ |
Publications (2)
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---|---|
JP2003249838A true JP2003249838A (ja) | 2003-09-05 |
JP3904944B2 JP3904944B2 (ja) | 2007-04-11 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002048832A Expired - Fee Related JP3904944B2 (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | 弾性表面波フィルタ用パッケージ |
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JP (1) | JP3904944B2 (ja) |
-
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- 2002-02-25 JP JP2002048832A patent/JP3904944B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP3904944B2 (ja) | 2007-04-11 |
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