JP2004260375A - 弾性表面波フィルタ用パッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】使用周波数の実効波長が小さくなることで入出力配線を伝播する電磁波の共振が起こり、弾性表面波フィルタの阻止域における減衰量およびアイソレーションが劣化する。
【解決手段】絶縁基体11の上面中央部に弾性表面波フィルタ素子17の搭載部を有し、搭載部から外周部に広面積の接地用導体層12が形成されているとともに、絶縁基体11の下面に広面積の接地用電極パッド19が接地用導体層12と対向するように形成されており、接地用導体層12と接地用電極パッド19とは、弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設された多数の貫通導体20により電気的に接続されている弾性表面波フィルタ用パッケージである。入出力配線13を伝播する電磁波の共振を抑制でき、高周波化した阻止域における減衰量および入出力配線13・13間のアイソレーションの劣化を改善できる。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁基体11の上面中央部に弾性表面波フィルタ素子17の搭載部を有し、搭載部から外周部に広面積の接地用導体層12が形成されているとともに、絶縁基体11の下面に広面積の接地用電極パッド19が接地用導体層12と対向するように形成されており、接地用導体層12と接地用電極パッド19とは、弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設された多数の貫通導体20により電気的に接続されている弾性表面波フィルタ用パッケージである。入出力配線13を伝播する電磁波の共振を抑制でき、高周波化した阻止域における減衰量および入出力配線13・13間のアイソレーションの劣化を改善できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信機器等に搭載される弾性表面波フィルタを収容するために使用される弾性表面波フィルタ用パッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機をはじめとする移動体通信機器等の電子機器には、多数の電子装置が組み込まれている。かかる携帯電話機等の通信機器は近年、小型化が急激に進んでおり、これに搭載される各電子装置も小型化が要求され、同時に電子装置に使用される電子部品収納用パッケージも小型化・多機能化が要求されるようになってきた。
【0003】
例えば、携帯電話機に使用される弾性表面波(弾性表面波素子)フィルタは一般に、図4に断面図で示すように、内部に接地導体2を有し、上面側に弾性表面波フィルタ素子7が搭載収容される凹部1aを有する酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成る四角形状の絶縁基体1と、この絶縁基体1の上面側に取着されて凹部1aを塞ぐ蓋体5とから成る弾性表面波フィルタ用パッケージを準備し、この弾性表面波フィルタ用パッケージの絶縁基体1に設けた凹部1aに弾性表面波フィルタ素子7を収容するとともに弾性表面波フィルタ素子7の入出力電極をメタライズ配線層から成る所定の入出力用配線3にボンディングワイヤ6を介して接続し、しかる後、絶縁基体1に蓋体5をガラス・樹脂・ロウ材等の封止材(図示せず)を介して枠状のメタライズ層4に接合させ、絶縁基体1と蓋体5とから成る容器内部に弾性表面波フィルタ7を気密に収容することによって製作されている。
【0004】
この弾性表面波装置は、携帯電話機において800MHzから数GHzを通過帯域の中心周波数とする弾性表面波装置として使われている。その際の要求特性として通過帯域外の信号の抑制がある。これに対し、弾性表面波フィルタ素子の電極指パターンの最適化により通過帯域外特性の改善がなされているが、パッケージと弾性表面波フィルタ素子の接続部(ボンディングワイヤ)によるインダクタンス成分や入出力間の電磁的結合等により、弾性表面波フィルタ素子をパッケージに収容した際に帯域外特性が劣化するという問題点がある。これに対して、パッケージに要求される特性として、入出力用配線間のアイソレーションの改善が望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−101388号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、弾性表面波フィルタ用パッケージにおける近年の高周波化に伴い、例えば図5(a)および(b)に、図4に示す弾性表面波フィルタ用パッケージにおける接地導体層2、および絶縁基体1の下面に形成された外部電気回路接続のための広面積の電極パッド層9の例をそれぞれ上面図および下面図で示すように、これら接地導体層2と広面積の電極パッド9とは絶縁基体1の側面に形成されたキャスタレーション導体8bもしくは貫通導体(図示せず)にて電気的に導通しており、接地導体層2から電極パッド層9までの間が、携帯電話機等に使用される周波数の実効波長が小さくなることでパッケージの配線を伝播する電磁波の共振を起こすインダクタンス成分となるようになり、従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにおいては、弾性表面波フィルタの阻止域の周波数帯における減衰量およびアイソレーション特性を劣化させるという問題点があった。
【0007】
例えば図6にアイソレーションの周波数特性を線図で示したように、従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにおいては、パッケージの配線を伝播する電磁波の共振によりアイソレーションの周波数特性に極ができ、高周波領域でアイソレーションが劣化するという問題点があった。なお、図6において、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸はアイソレーション(単位:dB)を表し、破線の特性曲線は従来の弾性表面波フィルタ用パッケージの入出力端子間のアイソレーション特性を示している。
【0008】
本発明は以上のような従来の技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、パッケージの配線を伝播する電磁波の共振を起こすインダクタンス成分を抑制することができ、高周波化した阻止域における減衰量および入出力配線間のアイソレーションの劣化を改善した弾性表面波フィルタ用パッケージを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージは、絶縁基体の上面中央部に弾性表面波フィルタ素子が搭載される搭載部を有し、この搭載部から外周部に向かって広面積の接地用導体層が形成されているとともに、前記絶縁基体の下面に外部電気回路の接地導体に電気的に接続される広面積の接地用電極パッドが前記接地用導体層と対向するように形成されており、前記接地用導体と前記接地用電極パッドとは、それらの間の前記絶縁基体の内部に前記弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設された多数の貫通導体により電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージによれば、絶縁基体の上面中央部の搭載部から外周部に向かって形成された広面積の接地用導体層と、絶縁基体の下面に接地用導体層と対向するように形成された広面積の接地用電極パッドとが、それらの間の絶縁基体の内部に弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設された多数の貫通導体により電気的に接続されていることから、接地用導体層の接地状態を極めて安定させることができるとともに、携帯電話機等に使用される、弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の周波数の実効波長を隣り合う貫通導体同士の間隔よりも大きくすることができるので、貫通導体間の距離に応じて生じる共振がより高い周波数で生じることとなり、弾性表面波フィルタの阻止域の周波数帯において接地用導体層と接地用電極パッドとの間におけるパッケージの入出力配線を伝播する電磁波の共振を抑制することができ、弾性表面波フィルタの阻止域の周波数帯における減衰量およびアイソレーション特性の劣化を改善することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージを添付図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージの実施の形態の例を示す断面図であり、図2(a)および(b)は、それぞれ本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージの実施の形態の例における接地用導体層および接地用電極パッドの例を示す絶縁基体の上面図および下面図である。
【0012】
これらの図において、11は絶縁基体、12は接地用導体層、13はメタライズ配線層から成る入出力配線、14は絶縁基体11の凹部1aの周囲の上面に形成された枠状のメタライズ層、15は蓋体、16はボンディングワイヤ、17は弾性表面波フィルタ素子、19は外部電気回路と電気的に接続される接地用電極パッド、18a、18bは側面導体としてのキャスタレーション導体、20は貫通導体、21は外部電気回路と電気的に接続される信号用電極パッドである。
【0013】
四角形状の絶縁基体11は、その上面中央部に弾性表面波フィルタ素子17が搭載収容される凹部11aを有し、この凹部11aの底面に設けられた接地用導体層12上に弾性表面波フィルタ素子17が接着剤等(図示せず)を介して取着固定されて搭載される。
【0014】
絶縁基体11は酸化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・炭化珪素質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材料から成り、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合には、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化カルシウム・酸化マグネシウム等の原料粉末に適当なバインダ・溶剤を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法を採用してシート状となすことによってセラミックグリーンシートを得て、しかる後、これらセラミックグリーンシートを打ち抜き加工法により適当な形状に打ち抜くとともに必要に応じて複数枚を積層し、最後に、このセラミックグリーンシートの積層体を還元雰囲気中にて約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
【0015】
メタライズ配線層から成る接地用導体層12は、タングステン・モリブデン等の高融点金属粉末から成り、このタングステン等の高融点金属粉末に適当なバインダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体11となるセラミックグリーンシートに予めスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって、絶縁基体11の上面中央部の搭載部から外周部にかけて形成され、この例では凹部11aの底面から絶縁基体11の内部を通って側面にかけて被着形成されている。
【0016】
なお、接地用導体層12のメタライズ配線層には、半田等による弾性表面波フィルタ素子17との接合を強固なものにするために、その表面にニッケル層および金層を順次、メッキ法により被着するとよい。
【0017】
メタライズ配線層から成る入出力配線13は、タングステン・モリブデン等の高融点金属粉末から成り、このタングステン等の高融点金属粉末に適当なバインダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体11となるセラミックグリーンシートに予めスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって、絶縁基体11の上面中央部の搭載部から外周部にかけて形成され、この例では凹部11aの周辺から絶縁基体11の内部を通って下面にかけて被着形成されている。
【0018】
なお、入出力配線13のメタライズ配線層は、その表面にニッケル層および金層が順次、メッキ法を採用することによって被着されており、これらニッケル層および金層によってメタライズ配線層へのボンディングワイヤ16の接合を強固なものとしている。
【0019】
入出力配線13は側面導体としてのキャスタレーション18aもしくは貫通導体(図示せず)を介して、絶縁基体11の下面に形成された、外部電気回路の信号導体に接続される信号用電極パッド21に電気的に接続される。
【0020】
枠状のメタライズ層14は、タングステン・モリブデン等の高融点金属粉末から成り、このタングステン等の高融点金属粉末に適当なバインダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体11となるセラミックグリーンシートに予めスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって、絶縁基体11の凹部11aの周囲の上面に凹部11aを取り囲むように被着形成される。
【0021】
なお、枠状のメタライズ層14は、その表面にニッケル層および金層が順次、メッキ法を採用することによって被着されており、これによって蓋体15を取着接合するための封止材(図示せず)との密着性をより強固なものとしている。
【0022】
接地用導体層12は、外部電気回路の接地導体に接続される接地用パッド19に、側面導体としてのキャスタレーション導体18bもしくは貫通導体(図示せず)を介して電気的に接続されている。
【0023】
メタライズ配線層から成る接地用電極パッド19は、タングステン・モリブデン等の高融点金属粉末から成り、このタングステン等の高融点金属粉末に適当なバインダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体11の下面となるセラミックグリーンシートの表面に予めスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって、絶縁基体11の下面に接地用導体層12と対向するように広面積に被着形成されている。なお、接地用電極パッド19は、接地用導体層12と必ずしも全面で完全に対向していなければならないものではなく、後述するように多数の貫通導体20が配設できれば、図2(a)に示す接地用導体層12と同図(b)に示す接地用電極パッド19とのように、キャスタレーション導体18aや信号用電極パッド21の周辺において、その絶縁のために必要な程度で異なっていても差し支えない。
【0024】
なお、接地用電極パッド19のメタライズ配線層には、半田等による外部電気回路の配線導体との接合を強固なものにするために、その表面にニッケル層および金層を順次、メッキ法により被着するとよい。
【0025】
本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージにおいては、接地用導体層12と接地用電極パッド19とは、それらの間の絶縁基体11の内部に弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設された多数の貫通導体20により電気的に接続されている。
【0026】
多数の貫通導体20は、基本的に格子状に配設されることが好ましいが、放射状や千鳥状等に配設されてもよく、弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設されていれば、弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の周波数の実効波長を隣り合う貫通導体20同士の間隔よりも大きくすることができるので、接地用導体層12を理想的な接地状態に近づけることができる。
【0027】
また、貫通導体20は、タングステン・モリブデン等の高融点金属粉末から成り、このタングステン等の高融点金属粉末に適当なバインダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを、絶縁基体11となるセラミックグリーンシートに予め貫通孔を開け、その貫通孔に充填することにより、絶縁基体11の内部に接地用導体層12と接地用電極パッド19との間にかけて形成される。
【0028】
そのような貫通導体20の配置の例を、図2(a)および(b)に示す。この例では、接地用導体層12と接地用電極パッド19とを接続する貫通導体20が、弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で、接地用導体層12のメタライズ導体層のある領域と接地用電極パッド19のメタライズ導体層のある領域との間に、いわゆる格子状に配設されている。
【0029】
また、弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で貫通導体20が配設されていれば、その配置は図2に示すような格子状に限定されず、例えば接地用導体層12の中心から外側に向かうように放射状やいわゆる千鳥状等に配設されていてもよい。
【0030】
また、貫通導体20は、弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で、接地用導体層12と接地用電極パッド19とを接続可能な限りで広い範囲に配設するほうがよい。これは、外部電気回路に接続する接地用電極パッド19と接地用導体層12との間に発生するインダクタンス成分を十分に大きく軽減することができ、これにより、アイソレーション特性をより十分に改善することができるからである。
【0031】
このような本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージにおける入出力配線間のアイソレーション特性の例を、図3に図6と同様の線図で示す。図3において、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸はアイソレーション(単位:dB)を表し、実線の直線はアイソレーション規格値−40dBを、破線の特性曲線は図6に示した従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにおける入出力配線3・3間のアイソレーション特性を、実線の特性曲線は本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージにおける入出力配線13・13のアイソレーション特性を示している。
【0032】
図3に示す結果から分かるように、一般に携帯電話機で使用される1〜2GHzの周波数領域において、アイソレーション規格−40dBを十分に満たすことが可能であり、本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージによれば、接地用導体層12と接地用電極パッド19とは、それらの間の絶縁基体11の内部に弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設された多数の貫通導体20により電気的に接続されていることから、隣り合う貫通導体20同士の間隔より携帯電話機等に使用される周波数の実効波長を大きくすることができるので、貫通導体20間の距離に応じて生じる共振がより高い周波数で生じることとなり、弾性表面波フィルタの阻止域の周波数帯において接地用導体層と接地用電極パッドとの間における、パッケージの入出力配線13を伝播する電磁波の共振を抑制することができ、高周波化した阻止域における減衰量および入出力配線13のアイソレーションの劣化を改善することができる。
【0033】
かくして、本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージによれば、絶縁基体11の上面中央部に設けた凹部11a内の搭載部に弾性表面波フィルタ素子17を接着剤を介して接着固定するとともに弾性表面波フィルタ素子17の入出力電極を所定の入出力配線13にボンディングワイヤ16を介して電気的に接続し、しかる後、絶縁基体11の上面に蓋体15を封止材を介して取着接合させ、絶縁基体11と蓋体15とで形成される容器内部に弾性表面波フィルタ素子17を気密に収容することによって製品としての弾性表面波フィルタとなる。
【0034】
なお、絶縁基体11の凹部11aの周囲の上面に形成された枠状のメタライズ層14に取着接合される蓋体15は、例えば鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属材料、あるいは絶縁基体11と同様の酸化アルミニウム質焼結体等の無機絶縁材料で形成される。金属材料で形成される場合には鉄−ニッケル−コバルト合金等のインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等の従来周知の金属加工法を施すことによって製作される。また、無機絶縁材料で形成される場合には前述の絶縁基体11と同様の方法によって製作される。
【0035】
また、蓋体15を絶縁基体11の上面の枠状のメタライズ層14に取着接合する封止材には、例えば金−錫合金や金−ゲルマニウム合金・錫−鉛合金等の材料が好適に使用される。これらを使用すると、樹脂材料に比べ気密性が高いため、絶縁基体11に蓋体15を封止材を介して取着接合させ、絶縁基体11と蓋体15とで形成される容器内部に弾性表面波フィルタ素子17を気密に封止し、弾性表面波フィルタ装置として所望の機能を長期間にわたり発揮させることが可能となる。
【0036】
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の例では携帯電話機に使用される弾性表面波フィルタを例に採って説明したが、用途はこれに限定されるものではなく、2つ以上の弾性表面波フィルタ素子をもつデュープレクサ等の他の電子装置にも適用可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージによれば、絶縁基体の上面中央部に弾性表面波フィルタ素子が搭載される搭載部を有し、搭載部から外周部に向かって広面積の接地用導体層が形成されているとともに、絶縁基体の下面に外部電気回路の接地導体に電気的に接続される広面積の接地用電極パッドが接地用導体層と対向するように形成されており、接地用導体と接地用電極パッドとは、それらの間の絶縁基体の内部に弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設された多数の貫通導体により電気的に接続されていることから、接地用導体層の接地状態を極めて安定させることができるとともに、隣り合う貫通導体同士の間隔よりも携帯電話機等に使用される、弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の周波数の実効波長を大きくすることができるので、貫通導体間の距離に応じて生じる共振がより高い周波数で生じることとなり、弾性表面波フィルタの阻止域の周波数帯において接地用導体層と接地用電極パッドとの間におけるパッケージの入出力配線を伝播する電磁波の共振を抑制することができ、高周波化した阻止域における減衰量および入出力配線のアイソレーション特性の劣化を改善することができるという効果を持つ。
【0038】
以上により、本発明によれば、パッケージの配線を伝播する電磁波の共振を抑制することができ、高周波化した阻止域における減衰量および入出力配線間のアイソレーションの劣化を改善した弾性表面波フィルタ用パッケージを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】(a)および(b)は、それぞれ本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージにおける接地用導体層および接地用電極パッドの例を示す絶縁基体の上面図および下面図である。
【図3】本発明および従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにおける入出力用配線間のアイソレーション特性を示す線図である。
【図4】従来の弾性表面波フィルタ用パッケージの例を示す断面図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにおける接地用導体層および接地用電極パッドの例を示す絶縁基体の上面図および下面図である。
【図6】従来の弾性表面波フィルタにおける入出力用配線間のアイソレーション特性を示す線図である。
【符号の説明】
11:絶縁基体
11a:凹部
12:接地用導体層
13:入出力配線
14:枠状のメタライズ層
15:蓋体
17:弾性表面波フィルタ素子
19:接地用電極パッド
20:貫通導体
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信機器等に搭載される弾性表面波フィルタを収容するために使用される弾性表面波フィルタ用パッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機をはじめとする移動体通信機器等の電子機器には、多数の電子装置が組み込まれている。かかる携帯電話機等の通信機器は近年、小型化が急激に進んでおり、これに搭載される各電子装置も小型化が要求され、同時に電子装置に使用される電子部品収納用パッケージも小型化・多機能化が要求されるようになってきた。
【0003】
例えば、携帯電話機に使用される弾性表面波(弾性表面波素子)フィルタは一般に、図4に断面図で示すように、内部に接地導体2を有し、上面側に弾性表面波フィルタ素子7が搭載収容される凹部1aを有する酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成る四角形状の絶縁基体1と、この絶縁基体1の上面側に取着されて凹部1aを塞ぐ蓋体5とから成る弾性表面波フィルタ用パッケージを準備し、この弾性表面波フィルタ用パッケージの絶縁基体1に設けた凹部1aに弾性表面波フィルタ素子7を収容するとともに弾性表面波フィルタ素子7の入出力電極をメタライズ配線層から成る所定の入出力用配線3にボンディングワイヤ6を介して接続し、しかる後、絶縁基体1に蓋体5をガラス・樹脂・ロウ材等の封止材(図示せず)を介して枠状のメタライズ層4に接合させ、絶縁基体1と蓋体5とから成る容器内部に弾性表面波フィルタ7を気密に収容することによって製作されている。
【0004】
この弾性表面波装置は、携帯電話機において800MHzから数GHzを通過帯域の中心周波数とする弾性表面波装置として使われている。その際の要求特性として通過帯域外の信号の抑制がある。これに対し、弾性表面波フィルタ素子の電極指パターンの最適化により通過帯域外特性の改善がなされているが、パッケージと弾性表面波フィルタ素子の接続部(ボンディングワイヤ)によるインダクタンス成分や入出力間の電磁的結合等により、弾性表面波フィルタ素子をパッケージに収容した際に帯域外特性が劣化するという問題点がある。これに対して、パッケージに要求される特性として、入出力用配線間のアイソレーションの改善が望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−101388号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、弾性表面波フィルタ用パッケージにおける近年の高周波化に伴い、例えば図5(a)および(b)に、図4に示す弾性表面波フィルタ用パッケージにおける接地導体層2、および絶縁基体1の下面に形成された外部電気回路接続のための広面積の電極パッド層9の例をそれぞれ上面図および下面図で示すように、これら接地導体層2と広面積の電極パッド9とは絶縁基体1の側面に形成されたキャスタレーション導体8bもしくは貫通導体(図示せず)にて電気的に導通しており、接地導体層2から電極パッド層9までの間が、携帯電話機等に使用される周波数の実効波長が小さくなることでパッケージの配線を伝播する電磁波の共振を起こすインダクタンス成分となるようになり、従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにおいては、弾性表面波フィルタの阻止域の周波数帯における減衰量およびアイソレーション特性を劣化させるという問題点があった。
【0007】
例えば図6にアイソレーションの周波数特性を線図で示したように、従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにおいては、パッケージの配線を伝播する電磁波の共振によりアイソレーションの周波数特性に極ができ、高周波領域でアイソレーションが劣化するという問題点があった。なお、図6において、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸はアイソレーション(単位:dB)を表し、破線の特性曲線は従来の弾性表面波フィルタ用パッケージの入出力端子間のアイソレーション特性を示している。
【0008】
本発明は以上のような従来の技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、パッケージの配線を伝播する電磁波の共振を起こすインダクタンス成分を抑制することができ、高周波化した阻止域における減衰量および入出力配線間のアイソレーションの劣化を改善した弾性表面波フィルタ用パッケージを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージは、絶縁基体の上面中央部に弾性表面波フィルタ素子が搭載される搭載部を有し、この搭載部から外周部に向かって広面積の接地用導体層が形成されているとともに、前記絶縁基体の下面に外部電気回路の接地導体に電気的に接続される広面積の接地用電極パッドが前記接地用導体層と対向するように形成されており、前記接地用導体と前記接地用電極パッドとは、それらの間の前記絶縁基体の内部に前記弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設された多数の貫通導体により電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージによれば、絶縁基体の上面中央部の搭載部から外周部に向かって形成された広面積の接地用導体層と、絶縁基体の下面に接地用導体層と対向するように形成された広面積の接地用電極パッドとが、それらの間の絶縁基体の内部に弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設された多数の貫通導体により電気的に接続されていることから、接地用導体層の接地状態を極めて安定させることができるとともに、携帯電話機等に使用される、弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の周波数の実効波長を隣り合う貫通導体同士の間隔よりも大きくすることができるので、貫通導体間の距離に応じて生じる共振がより高い周波数で生じることとなり、弾性表面波フィルタの阻止域の周波数帯において接地用導体層と接地用電極パッドとの間におけるパッケージの入出力配線を伝播する電磁波の共振を抑制することができ、弾性表面波フィルタの阻止域の周波数帯における減衰量およびアイソレーション特性の劣化を改善することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージを添付図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージの実施の形態の例を示す断面図であり、図2(a)および(b)は、それぞれ本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージの実施の形態の例における接地用導体層および接地用電極パッドの例を示す絶縁基体の上面図および下面図である。
【0012】
これらの図において、11は絶縁基体、12は接地用導体層、13はメタライズ配線層から成る入出力配線、14は絶縁基体11の凹部1aの周囲の上面に形成された枠状のメタライズ層、15は蓋体、16はボンディングワイヤ、17は弾性表面波フィルタ素子、19は外部電気回路と電気的に接続される接地用電極パッド、18a、18bは側面導体としてのキャスタレーション導体、20は貫通導体、21は外部電気回路と電気的に接続される信号用電極パッドである。
【0013】
四角形状の絶縁基体11は、その上面中央部に弾性表面波フィルタ素子17が搭載収容される凹部11aを有し、この凹部11aの底面に設けられた接地用導体層12上に弾性表面波フィルタ素子17が接着剤等(図示せず)を介して取着固定されて搭載される。
【0014】
絶縁基体11は酸化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・炭化珪素質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材料から成り、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合には、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化カルシウム・酸化マグネシウム等の原料粉末に適当なバインダ・溶剤を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法を採用してシート状となすことによってセラミックグリーンシートを得て、しかる後、これらセラミックグリーンシートを打ち抜き加工法により適当な形状に打ち抜くとともに必要に応じて複数枚を積層し、最後に、このセラミックグリーンシートの積層体を還元雰囲気中にて約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
【0015】
メタライズ配線層から成る接地用導体層12は、タングステン・モリブデン等の高融点金属粉末から成り、このタングステン等の高融点金属粉末に適当なバインダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体11となるセラミックグリーンシートに予めスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって、絶縁基体11の上面中央部の搭載部から外周部にかけて形成され、この例では凹部11aの底面から絶縁基体11の内部を通って側面にかけて被着形成されている。
【0016】
なお、接地用導体層12のメタライズ配線層には、半田等による弾性表面波フィルタ素子17との接合を強固なものにするために、その表面にニッケル層および金層を順次、メッキ法により被着するとよい。
【0017】
メタライズ配線層から成る入出力配線13は、タングステン・モリブデン等の高融点金属粉末から成り、このタングステン等の高融点金属粉末に適当なバインダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体11となるセラミックグリーンシートに予めスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって、絶縁基体11の上面中央部の搭載部から外周部にかけて形成され、この例では凹部11aの周辺から絶縁基体11の内部を通って下面にかけて被着形成されている。
【0018】
なお、入出力配線13のメタライズ配線層は、その表面にニッケル層および金層が順次、メッキ法を採用することによって被着されており、これらニッケル層および金層によってメタライズ配線層へのボンディングワイヤ16の接合を強固なものとしている。
【0019】
入出力配線13は側面導体としてのキャスタレーション18aもしくは貫通導体(図示せず)を介して、絶縁基体11の下面に形成された、外部電気回路の信号導体に接続される信号用電極パッド21に電気的に接続される。
【0020】
枠状のメタライズ層14は、タングステン・モリブデン等の高融点金属粉末から成り、このタングステン等の高融点金属粉末に適当なバインダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体11となるセラミックグリーンシートに予めスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって、絶縁基体11の凹部11aの周囲の上面に凹部11aを取り囲むように被着形成される。
【0021】
なお、枠状のメタライズ層14は、その表面にニッケル層および金層が順次、メッキ法を採用することによって被着されており、これによって蓋体15を取着接合するための封止材(図示せず)との密着性をより強固なものとしている。
【0022】
接地用導体層12は、外部電気回路の接地導体に接続される接地用パッド19に、側面導体としてのキャスタレーション導体18bもしくは貫通導体(図示せず)を介して電気的に接続されている。
【0023】
メタライズ配線層から成る接地用電極パッド19は、タングステン・モリブデン等の高融点金属粉末から成り、このタングステン等の高融点金属粉末に適当なバインダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体11の下面となるセラミックグリーンシートの表面に予めスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって、絶縁基体11の下面に接地用導体層12と対向するように広面積に被着形成されている。なお、接地用電極パッド19は、接地用導体層12と必ずしも全面で完全に対向していなければならないものではなく、後述するように多数の貫通導体20が配設できれば、図2(a)に示す接地用導体層12と同図(b)に示す接地用電極パッド19とのように、キャスタレーション導体18aや信号用電極パッド21の周辺において、その絶縁のために必要な程度で異なっていても差し支えない。
【0024】
なお、接地用電極パッド19のメタライズ配線層には、半田等による外部電気回路の配線導体との接合を強固なものにするために、その表面にニッケル層および金層を順次、メッキ法により被着するとよい。
【0025】
本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージにおいては、接地用導体層12と接地用電極パッド19とは、それらの間の絶縁基体11の内部に弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設された多数の貫通導体20により電気的に接続されている。
【0026】
多数の貫通導体20は、基本的に格子状に配設されることが好ましいが、放射状や千鳥状等に配設されてもよく、弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設されていれば、弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の周波数の実効波長を隣り合う貫通導体20同士の間隔よりも大きくすることができるので、接地用導体層12を理想的な接地状態に近づけることができる。
【0027】
また、貫通導体20は、タングステン・モリブデン等の高融点金属粉末から成り、このタングステン等の高融点金属粉末に適当なバインダ・溶剤を添加混合して得た金属ペーストを、絶縁基体11となるセラミックグリーンシートに予め貫通孔を開け、その貫通孔に充填することにより、絶縁基体11の内部に接地用導体層12と接地用電極パッド19との間にかけて形成される。
【0028】
そのような貫通導体20の配置の例を、図2(a)および(b)に示す。この例では、接地用導体層12と接地用電極パッド19とを接続する貫通導体20が、弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で、接地用導体層12のメタライズ導体層のある領域と接地用電極パッド19のメタライズ導体層のある領域との間に、いわゆる格子状に配設されている。
【0029】
また、弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で貫通導体20が配設されていれば、その配置は図2に示すような格子状に限定されず、例えば接地用導体層12の中心から外側に向かうように放射状やいわゆる千鳥状等に配設されていてもよい。
【0030】
また、貫通導体20は、弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で、接地用導体層12と接地用電極パッド19とを接続可能な限りで広い範囲に配設するほうがよい。これは、外部電気回路に接続する接地用電極パッド19と接地用導体層12との間に発生するインダクタンス成分を十分に大きく軽減することができ、これにより、アイソレーション特性をより十分に改善することができるからである。
【0031】
このような本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージにおける入出力配線間のアイソレーション特性の例を、図3に図6と同様の線図で示す。図3において、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸はアイソレーション(単位:dB)を表し、実線の直線はアイソレーション規格値−40dBを、破線の特性曲線は図6に示した従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにおける入出力配線3・3間のアイソレーション特性を、実線の特性曲線は本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージにおける入出力配線13・13のアイソレーション特性を示している。
【0032】
図3に示す結果から分かるように、一般に携帯電話機で使用される1〜2GHzの周波数領域において、アイソレーション規格−40dBを十分に満たすことが可能であり、本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージによれば、接地用導体層12と接地用電極パッド19とは、それらの間の絶縁基体11の内部に弾性表面波フィルタ素子17の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設された多数の貫通導体20により電気的に接続されていることから、隣り合う貫通導体20同士の間隔より携帯電話機等に使用される周波数の実効波長を大きくすることができるので、貫通導体20間の距離に応じて生じる共振がより高い周波数で生じることとなり、弾性表面波フィルタの阻止域の周波数帯において接地用導体層と接地用電極パッドとの間における、パッケージの入出力配線13を伝播する電磁波の共振を抑制することができ、高周波化した阻止域における減衰量および入出力配線13のアイソレーションの劣化を改善することができる。
【0033】
かくして、本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージによれば、絶縁基体11の上面中央部に設けた凹部11a内の搭載部に弾性表面波フィルタ素子17を接着剤を介して接着固定するとともに弾性表面波フィルタ素子17の入出力電極を所定の入出力配線13にボンディングワイヤ16を介して電気的に接続し、しかる後、絶縁基体11の上面に蓋体15を封止材を介して取着接合させ、絶縁基体11と蓋体15とで形成される容器内部に弾性表面波フィルタ素子17を気密に収容することによって製品としての弾性表面波フィルタとなる。
【0034】
なお、絶縁基体11の凹部11aの周囲の上面に形成された枠状のメタライズ層14に取着接合される蓋体15は、例えば鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属材料、あるいは絶縁基体11と同様の酸化アルミニウム質焼結体等の無機絶縁材料で形成される。金属材料で形成される場合には鉄−ニッケル−コバルト合金等のインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等の従来周知の金属加工法を施すことによって製作される。また、無機絶縁材料で形成される場合には前述の絶縁基体11と同様の方法によって製作される。
【0035】
また、蓋体15を絶縁基体11の上面の枠状のメタライズ層14に取着接合する封止材には、例えば金−錫合金や金−ゲルマニウム合金・錫−鉛合金等の材料が好適に使用される。これらを使用すると、樹脂材料に比べ気密性が高いため、絶縁基体11に蓋体15を封止材を介して取着接合させ、絶縁基体11と蓋体15とで形成される容器内部に弾性表面波フィルタ素子17を気密に封止し、弾性表面波フィルタ装置として所望の機能を長期間にわたり発揮させることが可能となる。
【0036】
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の例では携帯電話機に使用される弾性表面波フィルタを例に採って説明したが、用途はこれに限定されるものではなく、2つ以上の弾性表面波フィルタ素子をもつデュープレクサ等の他の電子装置にも適用可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージによれば、絶縁基体の上面中央部に弾性表面波フィルタ素子が搭載される搭載部を有し、搭載部から外周部に向かって広面積の接地用導体層が形成されているとともに、絶縁基体の下面に外部電気回路の接地導体に電気的に接続される広面積の接地用電極パッドが接地用導体層と対向するように形成されており、接地用導体と接地用電極パッドとは、それらの間の絶縁基体の内部に弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設された多数の貫通導体により電気的に接続されていることから、接地用導体層の接地状態を極めて安定させることができるとともに、隣り合う貫通導体同士の間隔よりも携帯電話機等に使用される、弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の周波数の実効波長を大きくすることができるので、貫通導体間の距離に応じて生じる共振がより高い周波数で生じることとなり、弾性表面波フィルタの阻止域の周波数帯において接地用導体層と接地用電極パッドとの間におけるパッケージの入出力配線を伝播する電磁波の共振を抑制することができ、高周波化した阻止域における減衰量および入出力配線のアイソレーション特性の劣化を改善することができるという効果を持つ。
【0038】
以上により、本発明によれば、パッケージの配線を伝播する電磁波の共振を抑制することができ、高周波化した阻止域における減衰量および入出力配線間のアイソレーションの劣化を改善した弾性表面波フィルタ用パッケージを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】(a)および(b)は、それぞれ本発明の弾性表面波フィルタ用パッケージにおける接地用導体層および接地用電極パッドの例を示す絶縁基体の上面図および下面図である。
【図3】本発明および従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにおける入出力用配線間のアイソレーション特性を示す線図である。
【図4】従来の弾性表面波フィルタ用パッケージの例を示す断面図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ従来の弾性表面波フィルタ用パッケージにおける接地用導体層および接地用電極パッドの例を示す絶縁基体の上面図および下面図である。
【図6】従来の弾性表面波フィルタにおける入出力用配線間のアイソレーション特性を示す線図である。
【符号の説明】
11:絶縁基体
11a:凹部
12:接地用導体層
13:入出力配線
14:枠状のメタライズ層
15:蓋体
17:弾性表面波フィルタ素子
19:接地用電極パッド
20:貫通導体
Claims (1)
- 絶縁基体の上面中央部に弾性表面波フィルタ素子が搭載される搭載部を有し、該搭載部から外周部に向かって広面積の接地用導体層が形成されているとともに、前記絶縁基体の下面に外部電気回路の接地導体に電気的に接続される広面積の接地用電極パッドが前記接地用導体層と対向するように形成されており、前記接地用導体と前記接地用電極パッドとは、それらの間の前記絶縁基体の内部に前記弾性表面波フィルタ素子の通過帯域の中心周波数の実効波長の16分の1以下の間隔で配設された多数の貫通導体により電気的に接続されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ用パッケージ。
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Cited By (2)
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CN102983832A (zh) * | 2012-10-31 | 2013-03-20 | 天津大学 | 射频滤波器件封装结构 |
US9083313B2 (en) | 2011-03-03 | 2015-07-14 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Substrate, duplexer and substrate module |
-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003046805A patent/JP2004260375A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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CN102983832A (zh) * | 2012-10-31 | 2013-03-20 | 天津大学 | 射频滤波器件封装结构 |
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