JP2004319650A - 入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体3およびこの線路導体3の両側に等間隔をもって形成された同一面接地導体4を有し、かつ下面に下部接地導体2を有する誘電体から成る四角形状の平板部1と、この平板部1の上面に線路導体3の一部および同一面接地導体4の一部を間に挟んで接合され、上面に上部接地導体6が形成された誘電体から成る直方体状の立壁部5とを具備した入出力端子9において、平板部1は、角部に上下面間にわたる切欠き8が形成されており、この切欠き8の内面に同一面接地導体4および下部接地導体2に電気的に接続された導体層8aが形成されている
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波信号で作動する半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージの信号入出力部に使用される入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイクロ波帯やミリ波帯等の高周波信号を用いる半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージ(以下、パッケージともいう)には、半導体素子と外部電気回路基板とを電気的に接続するための入出力端子が設けられている。この入出力端子を図5に斜視図で示す。
【0003】
同図において、101はアルミナ(Al2O3)質セラミックス,窒化アルミニウム(AlN)質セラミックス,ムライト(3Al2O3・2SiO2)質セラミックス等の誘電体から成る四角形状の平板部であり、平板部101はその上面に、一辺から対向する他辺にかけて形成されたタングステン(W),モリブデン(Mo)等のメタライズ層から成る線路導体103と、線路導体103の両側に等間隔をもって形成されたW,Mo等のメタライズ層から成る同一面接地導体104とを有する。また、平板部101の下面には、その全面に線路導体103と同様のメタライズ層から成る下部接地導体102を有する。
【0004】
平板部101の上面には、線路導体103の一部を間に挟んで接合されているとともに、上面に上部接地導体106を有するAl2O3質セラミックス,AlN質セラミックス,3Al2O3・2SiO2質セラミックス等の誘電体から成る直方体状の立壁部105が設置されている。これにより、線路導体103は、平板部101と立壁部105とに狭持されていない部位のマイクロストリップ線路と、平板部101と立壁部105とに狭持されている部位のストリップ線路とを有するものとなる。また、平板部101と立壁部105の線路導体103の線路方向に平行な側面には線路導体103と同様のメタライズ層から成る側面接地導体107が形成されている。
【0005】
また、線路導体103の両側には等間隔をもって同一面接地導体104が形成されており、線路導体103を伝送する高周波信号の周波数に応じて、線路導体103と同一面接地導体104との間の間隔を適宜調整することによって、線路導体103を特性インピーダンスに整合させ得る。このように、線路導体103を特性インピーダンスに整合させることによって、線路導体103を伝送する高周波信号の伝送効率を良好なものとできる。
【0006】
このような、平板部101と立壁部105とから構成された入出力端子109は、パッケージに設けられ、パッケージ内外を気密に遮断し、その内部を封止することができる(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0007】
この入出力端子109が取着されたパッケージは、その構成部材の1つである金属製の枠体に設けられた切欠き部または貫通孔から成る取付部に入出力端子109を嵌着したいわゆるメタルウォールタイプや、セラミックス製の枠体に信号の伝送線路としての入出力端子部を一体的に設けたいわゆるセラミックウォールタイプがあり、用途に応じて適宜選択され使用されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−184888号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の入出力端子109では、線路導体103の平板部101の一辺側または他辺側の端部にボンディングワイヤやリード端子等を接続すると、その接続部でインダクタンス成分が大きくなり、接続部を伝送する高周波信号に反射損失や透過損失等の伝送損失が生じ、高周波信号の伝送効率が低下し易くなるという問題があった。この問題は線路導体103を伝送する高周波信号が高周波になるにつれ生じ易く、特に線路導体103を伝送する高周波信号が10GHz以上である場合、上記問題点が顕著なものとなっていた。
【0010】
また、線路導体103を伝送する高周波信号が高周波のものになると、線路導体103に対する接地性が低下し、線路導体103を伝送する高周波信号に透過損失等の伝送損失が生じ易くなるという問題点も発生していた。
【0011】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、パッケージに収納された半導体素子に高周波信号を伝送させるための入出力端子において、線路導体で高周波信号の反射損失や透過損失等の伝送損失が生ずるのを抑制することにより、半導体素子と外部電気回路基板との間における高周波信号の伝送効率を向上させ、パッケージ内に収納する半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得るものとすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の入出力端子は、上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体および該線路導体の両側に等間隔をもって形成された同一面接地導体を有し、かつ下面に下部接地導体を有する誘電体から成る四角形状の平板部と、該平板部の上面に前記線路導体の一部および前記同一面接地導体の一部を間に挟んで接合され、上面に上部接地導体が形成された誘電体から成る直方体状の立壁部とを具備した入出力端子において、前記平板部は、角部に上下面間にわたる切欠きが形成されており、該切欠きの内面に前記同一面接地導体および前記下部接地導体に電気的に接続された導体層が形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の入出力端子は、平板部の角部に上下面間にわたる切欠きが形成されており、切欠きの内面に同一面接地導体および下部接地導体に電気的に接続された導体層が形成されていることから、ボンディングワイヤやリード端子等が接続される線路導体の端部において、線路導体に導体層を接近させることにより線路導体の端部のキャパシタンス成分を大きくすることができ、ボンディングワイヤやリード端子等が接続されることによって増加するインダクタンス成分をこのキャパシタンス成分の増加により打ち消すことができる。従って、線路導体の端部にボンディングワイヤやリード端子等を接続した場合でも、特性インピーダンスに整合することができる。
【0014】
また、より大きな面積の導体層を線路導体に接近させているとともに、線路導体の端部の近傍において導体層を介して同一面接地導体と下部接地導体とを電気的に接続して線路導体の端部の近傍における同一面接地導体と下部接地導体とを同じ電位としているため、接地電位をより強化することができる。
【0015】
これらの結果、線路導体を伝送する高周波信号の反射損失や透過損失をより有効に抑制することができ、高周波信号を極めて効率良く入出力させることができる。
【0016】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠き部から成る入出力端子の取付部が形成された枠体と、前記取付部に嵌着された請求項1記載の入出力端子とを具備していることを特徴とする。
【0017】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上記構成により、線路導体を伝送する高周波信号の伝送効率を良好にすることができるとともに、半導体素子を気密に封止して半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる気密信頼性の高いものとなる。
【0018】
本発明の半導体装置は、上記構成の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に取着された蓋体とを具備していることを特徴とする。
【0019】
本発明の半導体装置は、上記構成により、上記本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた、高周波信号の伝送性に優れたものとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置について以下に詳細に説明する。図1は本発明の入出力端子について実施の形態の一例を示す斜視図である。同図において、1は平板部、2は下部接地導体、3は線路導体、4は同一面接地導体、5は立壁部、6は上部接地導体、8は切欠き、9は入出力端子である。
【0021】
本発明の入出力端子9は、上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体3およびこの線路導体3の両側に等間隔をもって形成された同一面接地導体4を有し、かつ下面に下部接地導体2を有する誘電体から成る四角形状の平板部1と、この平板部1の上面に線路導体3の一部および同一面接地導体4の一部を間に挟んで接合され、上面に上部接地導体6が形成された誘電体から成る直方体状の立壁部5とを具備している。
【0022】
平板部1は、Al2O3質セラミックス,AlN質セラミックス,3Al2O3・2SiO2質セラミックス等の誘電体からなる四角形状のものである。
【0023】
線路導体3および同一面接地導体4は、平板部1の上面に形成されたW,Mo等のメタライズ層から成る。
【0024】
立壁部5は、Al2O3質セラミックス,AlN質セラミックス,3Al2O3・2SiO2質セラミックス等の誘電体からなる直方体状のものであり、平板部1の上面に、間に線路導体3および同一面接地導体4の一部を挟んで接合されている。
【0025】
また、平板部1の下面および立壁部5の上面にはそれぞれ全面に線路導体3と同様のメタライズ層から成る下部接地導体2および上部接地導体6を有する。さらに、平板部1の側面および立壁部5の側面には線路導体3と同様のメタライズ層から成る側面接地導体7が形成されている。これらの下部接地導体2、上部接地導体6および側面接地導体7と同一面接地導体4とにより、線路導体3に対する接地が強化され、線路導体3の高周波信号の伝送効率に優れたものとなる。
【0026】
さらに、平板部1は、角部に上下面間にわたる切欠き8が形成されており、この切欠き8の内面に同一面接地導体4および下部接地導体2に電気的に接続された導体層8aが形成されている。
【0027】
これにより、ボンディングワイヤやリード端子等(図示せず)が接続される線路導体3の端部において、線路導体3に導体層8aを接近させることにより線路導体3の端部のキャパシタンス成分を大きくすることができ、ボンディングワイヤやリード端子等が接続されることによって増加するインダクタンス成分をこのキャパシタンス成分の増加により打ち消すことができる。従って、線路導体3の端部にボンディングワイヤやリード端子等を接続した場合でも、特性インピーダンスに整合することができる。
【0028】
また、より大きな面積の導体層8aを線路導体3に接近させているとともに、線路導体3の端部の近傍において導体層8aを介して同一面接地導体4と下部接地導体2とを電気的に接続して線路導体3の端部の近傍における同一面接地導体4と下部接地導体2とを同じ電位としているため、接地電位をより強化することができる。
【0029】
これらの結果、線路導体3を伝送する高周波信号の反射損失や透過損失をより有効に抑制することができ、高周波信号を極めて効率良く入出力させることができる。
【0030】
また、図2の入出力端子9における切欠き8の要部拡大平面図に示すように、切欠き8の断面形状は図2(a)のような円弧状、図2(b)のような直線状等の種々の形状とされる。特に、図2(a)のような円弧状で平板部の中央側に凹んだ切欠きとするのがよい。これにより、線路導体3のインピーダンスを漸次変化させることができ、急激なインピーダンス変化によって伝送損失を生じるのを有効に抑制することができる。さらに、切欠き8に応力を生じ難くして切欠き8にクラック等の破損を有効に抑制することもできる。
【0031】
さらに、導体層8aは切欠き8の内面の全面に形成されているのがよい。これにより、より大きな面積の導体層8aを線路導体3に接近させることができ線路導体3の端部における接地電位をより強化することができる。
【0032】
また、切欠き8は線路導体3を挟んで線路導体3の両側に形成されているのがよく、より好ましくは、平板部1の四つの角部すべてに形成されているのがよい。これにより、線路導体3を伝送する高周波信号の反射損失や透過損失を抑制する効果をより向上させることができ、高周波信号を極めて効率良く入出力させることができる。
【0033】
このような入出力端子9は以下のようにして作製される。例えば、Al2O3質セラミックスから成る場合、先ずAl2O3、酸化珪素(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)および酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダー、可塑剤、溶剤等を添加混合して泥漿状と成す。これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成形技術により複数のセラミックグリーンシートを得る。
【0034】
次に、このセラミックグリーンシートに、W,Mo等の高融点金属粉末に適当な有機バインダー、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを、スクリーン印刷法等の厚膜形成技術により印刷塗布して、下部接地導体2、線路導体3、同一面接地導体4、上部接地導体6となるメタライズ層を所定パターンに形成する。また、平板部1となるセラミックグリーンシートに金型等によって打ち抜き加工を施すことによって、所望の位置に切欠き8を形成し、この切欠き8の内面に導体層8aとなるW,Mo等の高融点金属粉末に適当な有機バインダー、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを塗布する。
【0035】
その後、セラミックグリーンシートを複数枚積層し、側面接地導体7となるW,Mo等の高融点金属粉末に適当な有機バインダー、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを塗布する。そして、これを還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
【0036】
次に、本発明のパッケージについて図3,図4に基づいて説明する。図3は本発明のパッケージについて実施の形態の一例を示す平面図、図4は図3の断面図であり、21は基体、22は枠体、23は取付部である。
【0037】
本発明のパッケージは、上面に半導体素子25が載置される載置部21aを有する基体21と、この基体21の上面に載置部21aを囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠き部から成る入出力端子9の取付部23が形成された枠体22と、取付部23に嵌着された入出力端子9とを具備している。
【0038】
これにより、線路導体3を伝送する高周波信号の伝送効率を良好にすることができるとともに、半導体素子25を気密に封止して半導体素子25を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる気密信頼性の高いものとなる。
【0039】
基体21は、上面にIC,LSI,半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の半導体素子25を載置するための載置部21aを有している。
【0040】
この基体21は、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金,Cu−W合金等の金属、またはAl2O3質セラミックス,AlN質セラミックス,3Al2O3・2SiO2質セラミックス等の誘電体からなる。基体21が金属からなる場合、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。一方、基体21がセラミックスから成る場合、その原料粉末に適当な有機バインダーや溶剤等を添加混合しペースト状と成し、このペーストをドクターブレード法やカレンダーロール法等によってセラミックグリーンシートと成し、しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施し、これを複数枚積層し約1600℃の高温で焼成することによって作製される。
【0041】
なお、基体21が金属からなる場合、その表面に耐蝕性に優れ、かつろう材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmの金(Au)層とを順次メッキ法により被着させておくのがよい。これにより、基体21が酸化腐蝕するのを有効に防止できるとともに、基体21上面の載置部21aに半導体素子25を強固に接着固定させることができる。一方、基体21がセラミックスから成る場合、載置部21aに、W,Mo等のメタライズ層を下地層として形成し、この表面に耐蝕性に優れ、かつろう材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmのAu層とを順次メッキ法により被着させておくのがよい。これにより、載置部21aに半導体素子25を強固に接着固定することができる。
【0042】
また、枠体22は、基体21上に載置部21aを囲繞するようにAgろう、Ag−Cuろう材等の高融点金属ろう材により接合されており、基体21と同様に誘電体または金属から成る。また、枠体22の側部には、貫通孔または切欠き部から成る入出力端子9の取付部23が形成されている。
【0043】
取付部23は、枠体22および基体21が誘電体からなる場合、内面にメタライズ層等の導電層が形成されている。この導電層は、基体21および枠体22に被着形成された接地導体に接続されて接地されている。
【0044】
取付部23には本発明の入出力端子9がAgろう、Ag−Cuろう材等の高融点金属ろう材により嵌着接合されている。そして、入出力端子9の下部接地導体2、上部接地導体6および側面接地導体7は、枠体22および基体21が誘電体からなる場合、取付部23の内面に形成された導電層に接続されることにより接地され、ケースグランドとなる。あるいは、枠体22および基体21が金属からなる場合、入出力端子9の下部接地導体2、上部接地導体6および側面接地導体7は、金属製の枠体22や基体21に接続されて接地され、ケースグランドとなる。また、入出力端子9の上部接地導体6は、枠体22の上面に取着されるFe−Ni−Co合金等の金属からなるシールリング(図示せず)に接続されて接地され、ケースグランドとなっていてもよい。
【0045】
このような本発明のパッケージは、上記本発明の入出力端子9を具備していることから、高周波信号の誘電体損失を最小限に抑えて高周波信号の伝送損失を小さくした、良好な伝送特性を有するものとなる。
【0046】
そして、線路導体3を載置部21aに載置される半導体素子25の電極ならびに外部電気回路基板の配線導体にボンディングワイヤ,リボン,リード端子等(図示せず)を介して接続して、半導体素子25と外部電気回路基板とを電気的に接続する。次に、枠体22の上面にFe−Ni−Co合金等から成る蓋体26を半田付けやシームウエルド法等の溶接により取着することにより、半導体素子25がパッケージ内部に収納された製品としての半導体装置となる。
【0047】
また、図3,図4の実施の形態では枠体22の対向する側部に入出力端子9を2つ設けているが、必要に応じて他の側部に設けてもよく、または1つの側部に複数の入出力端子9を取り付けてもよく、この場合取付部23を1つの側部に複数設けて入出力端子9を並列的に複数取り付ければよい。
【0048】
このような本発明の半導体装置は、上記本発明の入出力端子9を具備していることから、高周波信号の誘電体損失を最小限に抑えて高周波信号の伝送損失を小さくし、伝送効率を良好に保持することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明の入出力端子は、平板部の角部に上下面間にわたる切欠きが形成されており、切欠きの内面に同一面接地導体および下部接地導体に電気的に接続された導体層が形成されていることから、ボンディングワイヤやリード端子等が接続される線路導体の端部において、線路導体に導体層を接近させることにより線路導体の端部のキャパシタンス成分を大きくすることができ、ボンディングワイヤやリード端子等が接続されることによって増加するインダクタンス成分をこのキャパシタンス成分の増加により打ち消すことができる。従って、線路導体の端部にボンディングワイヤやリード端子等を接続した場合でも、特性インピーダンスに整合することができる。
【0050】
また、より大きな面積の導体層を線路導体に接近させているとともに、線路導体の端部の近傍において導体層を介して同一面接地導体と下部接地導体とを電気的に接続して線路導体の端部の近傍における同一面接地導体と下部接地導体とを同じ電位としているため、接地電位をより強化することができる。
【0051】
これらの結果、線路導体を伝送する高周波信号の反射損失や透過損失をより有効に抑制することができ、高周波信号を極めて効率良く入出力させることができる。
【0052】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の上面に載置部を囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠き部から成る入出力端子の取付部が形成された枠体と、取付部に嵌着された上記構成の入出力端子とを具備していることにより、線路導体を伝送する高周波信号の伝送効率を良好にすることができるとともに、半導体素子を気密に封止して半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる気密信頼性の高いものとなる。
【0053】
本発明の半導体装置は、上記構成の半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置固定されるとともに入出力端子に電気的に接続された半導体素子と、枠体の上面に取着された蓋体とを具備していることにより、上記本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた、高周波信号の伝送性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の入出力端子について実施の形態の例を示す斜視図である。
【図2】図1の入出力端子における切欠きの要部拡大平面図である。
【図3】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の例を示す平面図である。
【図4】図3の半導体素子収納用パッケージの断面図である。
【図5】従来の入出力端子の斜視図である。
【符号の説明】
1:平板部
2:下部接地導体
3:線路導体
4:同一面接地導体
5:立壁部
6:上部接地導体
8:切欠き
8a:導体層
9:入出力端子
21:基体
21a:載置部
22:枠体
23:取付部
25:半導体素子
26:蓋体
Claims (3)
- 上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体および該線路導体の両側に等間隔をもって形成された同一面接地導体を有し、かつ下面に下部接地導体を有する誘電体から成る四角形状の平板部と、該平板部の上面に前記線路導体の一部および前記同一面接地導体の一部を間に挟んで接合され、上面に上部接地導体が形成された誘電体から成る直方体状の立壁部とを具備した入出力端子において、前記平板部は、角部に上下面間にわたる切欠きが形成されており、該切欠きの内面に前記同一面接地導体および前記下部接地導体に電気的に接続された導体層が形成されていることを特徴とする入出力端子。
- 上面に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠き部から成る入出力端子の取付部が形成された枠体と、前記取付部に嵌着された請求項1記載の入出力端子とを具備していることを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
- 請求項2記載の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に取着された蓋体とを具備していることを特徴とする半導体装置。
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