JP2008258882A - 共振器フィルタ及びデュプレクサ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、放熱性に優れた共振器フィルタ及びデュプレクサを提供する。
【解決手段】第1の主面上に薄膜圧電共振器と放熱端子とを有する第1の基板と、前記第1の基板の前記第1の主面と対向して前記薄膜圧電共振器との間に空間を介して設けられ、厚み方向に貫通するスルーホールを有する第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記空間を気密に封止する封止部と、前記放熱端子と前記スルーホールとを接続する第1の接続部と、を備えたことを特徴とする共振器フィルタが提供される。
【選択図】図1
【解決手段】第1の主面上に薄膜圧電共振器と放熱端子とを有する第1の基板と、前記第1の基板の前記第1の主面と対向して前記薄膜圧電共振器との間に空間を介して設けられ、厚み方向に貫通するスルーホールを有する第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記空間を気密に封止する封止部と、前記放熱端子と前記スルーホールとを接続する第1の接続部と、を備えたことを特徴とする共振器フィルタが提供される。
【選択図】図1
Description
本発明は、共振器フィルタ及びデュプレクサに関する。
近年の移動体無線端末の高性能化および高機能化に伴い、移動体無線端末に用いる部品の点数が大幅に増加しており、部品の小型化およびモジュール化などが重要となってきている。ここで、無線回路の中でも、特にフィルタは大きなスペースを占めており、無線回路を小型化し部品点数を削除するためには、フィルタの小型化およびモジュール化が必要となってきている。
従来から用いられてきたフィルタとしては、例えば、誘電体フィルタ、表面弾性波(Surface Acoustic Wave:SAW)フィルタ、LCフィルタなどが挙げられるが、近年では、複数の薄膜バルク弾性波共振器を備えた共振器フィルタが、フィルタの小型化およびモジュール化に最も有望であると考えられている。
薄膜バルク弾性波共振器(薄膜圧電共振器)(以下、薄膜圧電共振器という)は、基板上に設けられた下部電極、下部電極に対向して設けられた上部電極、上部電極と下部電極とに挟まれた圧電体膜、下部電極の下方に設けられたキャビティを備えている。
この薄膜圧電共振器を少なくとも1つ用いた共振器フィルタにおいて、共振器フィルタの保護を図るために気密性の高いパッケージによる封止が行われている。しかし、このような気密性の高いパッケージを用いた場合は、薄型化が難しいという問題があった。
そこで、薄型化を図るために、上下の基板を熱圧着により接合して電子部品を封止する技術が提案されている(特許文献1を参照)。また、多層セラミック基板上に薄膜圧電共振器を搭載して共振器フィルタを形成させ、薄膜圧電共振器を覆うようにカバー部材を接合する技術が提案されている(特許文献2を参照)。
しかしながら、特許文献1や2に開示されているような技術では、気密とされた空間において薄膜圧電共振器の作用により発生する熱が考慮されておらず、温度上昇に伴う薄膜圧電共振器の動作の安定性に課題を有していた。
特開2004−214469号公報
特開2005−223572号公報
本発明は、放熱性に優れた共振器フィルタ及びデュプレクサを提供する。
本発明の一態様によれば、第1の主面上に薄膜圧電共振器と放熱端子とを有する第1の基板と、前記第1の基板の前記第1の主面と対向して前記薄膜圧電共振器との間に空間を介して設けられ、厚み方向に貫通するスルーホールを有する第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記空間を気密に封止する封止部と、前記放熱端子と前記スルーホールとを接続する第1の接続部と、を備えたことを特徴とする共振器フィルタが提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、上記の共振器フィルタを備えたことを特徴とするデュプレクサが提供される。
本発明によれば、放熱性に優れた共振器フィルタ及びデュプレクサが提供される。
図1は、本発明の実施の形態に係る共振器フィルタを例示するための模式断面図である。 図2は、共振器フィルタを例示するための模式拡大断面図である。
図1に示すように、共振器フィルタ1は、多層基板10を介して、例えば、通信機器などの回路基板11と電気的に接続されている。
図1に示すように、共振器フィルタ1は、多層基板10を介して、例えば、通信機器などの回路基板11と電気的に接続されている。
また、図2に示すように、共振器フィルタ1の基板2には、キャビティ3が設けられている。キャビティ3の開口部には、主電極4a、圧電膜4b、主電極4cを備えた薄膜圧電共振器4が設けられている。主電極4aと主電極4cとはそれぞれ延在し、接続部5と電気的に接続されている。
基板6には、接続部5と電気的に接続される貫通電極7が設けられている。また、基板6の表面には、貫通電極7と電気的に接続される端子8が設けられている。
基板6には、接続部5と電気的に接続される貫通電極7が設けられている。また、基板6の表面には、貫通電極7と電気的に接続される端子8が設けられている。
また、基板2には、放熱端子15が設けられ、放熱端子15と接続部5aとが接続されている。そして、基板6には、接続部5aと接続される放熱スルーホール(スルーホール)7aが設けられている。また、基板6の表面には、放熱スルーホール7aと接続される端子8aが設けられている。放熱端子15は、薄膜圧電共振器4と電気的に絶縁されている。すなわち、放熱端子15は、主電極4a、4cとは接続されず、絶縁された状態とされている。
基板6と基板2とは、その外縁部において、封止部9により気密になるように封止されている。この場合、封止部9の高さ寸法が薄膜圧電共振器4の高さ寸法より長いため、薄膜圧電共振器4と基板6との間に空間が確保される。また、薄膜圧電共振器4が外気にさらされることがなくなるため、周波数の経時変化、外部から浸透した水分による電極材料の腐食などが生じず、信頼性の高いパッケージが実現される。
基板2は、Si(シリコン)などの半導体材料からなり、その表面はSiO2(酸化シリコン)やSiN(窒化シリコン)などの絶縁物で覆われている。
主電極4aと主電極4cはAl(アルミニウム)、Cu(銅)、Ta(タンタル)、Au(金)などの金属やこれらを含む合金、圧電膜はAlN(窒化アルミニウム)、ZnO(酸化亜鉛)などからなる。
放熱端子15には、熱伝導率の高い材料を選択すればよく、必ずしも金属などのような導電性材料を用いる必要はない。ただし、主電極4a、主電極4cと同じ材料を選択すれば、同じ工程で一度に製造をすることができるので、歩留まりや生産性の向上を図ることができる。
主電極4aと主電極4cはAl(アルミニウム)、Cu(銅)、Ta(タンタル)、Au(金)などの金属やこれらを含む合金、圧電膜はAlN(窒化アルミニウム)、ZnO(酸化亜鉛)などからなる。
放熱端子15には、熱伝導率の高い材料を選択すればよく、必ずしも金属などのような導電性材料を用いる必要はない。ただし、主電極4a、主電極4cと同じ材料を選択すれば、同じ工程で一度に製造をすることができるので、歩留まりや生産性の向上を図ることができる。
貫通電極7、端子8は、Au(金)、Cu(銅)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Cr(クロム)を含む金属とすることができ、放熱性を考慮して熱伝導率の高い材料を選択することもできる。
放熱スルーホール7a、端子8aには、熱伝導率の高い材料を選択すればよく、必ずしも金属などのような導電性材料を用いる必要はない。ただし、貫通電極7、端子8と同じ材料を選択すれば、同じ工程で一度に製造をすることができるので、歩留まりや生産性の向上を図ることができる。
放熱スルーホール7a、端子8aには、熱伝導率の高い材料を選択すればよく、必ずしも金属などのような導電性材料を用いる必要はない。ただし、貫通電極7、端子8と同じ材料を選択すれば、同じ工程で一度に製造をすることができるので、歩留まりや生産性の向上を図ることができる。
基板6は、Si(シリコン)などの半導体材料やセラミックスなどの無機材料からなり、基板2と近い熱膨張率を有する材質を選択することができる。
端子8はAu(金)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Cr(クロム)を含む金属とすることができ、はんだ付け性を考慮して表面をAu(金)や、はんだで覆うようにすることもできる。
端子8はAu(金)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Cr(クロム)を含む金属とすることができ、はんだ付け性を考慮して表面をAu(金)や、はんだで覆うようにすることもできる。
接続部5、接続部5a、封止部9の材質は、低融点合金とすることができる。
低融点合金としては、Au(金)、Sn(錫)、Cu(銅)、Ag(銀)を含む合金を選択することができる。具体的には、Au−Sn合金(金−錫合金)、Au−Si合金(金−シリコン合金)、Au−Ge合金(金−ゲルマニウム合金)、In含有はんだ(インジウム含有はんだ)などを例示することができる。特に、Au−Sn合金(金−錫合金)とすれば、融点が低く(280℃程度)また機械的強度も高いので、加工性・気密性・封止の信頼性の優れた接合や封止をすることができる。また、Au−Sn合金(金−錫合金)との接合性の観点からは、基板2・基板6と封止部9との接続部分の表面がAu(金)で覆われているようにすることができる。また、Au−Sn合金(金−錫合金)が溶融接合する際に、Au(金)層が相手側にあると相手側表面が酸化されにくくなるため接合が容易となる。
低融点合金としては、Au(金)、Sn(錫)、Cu(銅)、Ag(銀)を含む合金を選択することができる。具体的には、Au−Sn合金(金−錫合金)、Au−Si合金(金−シリコン合金)、Au−Ge合金(金−ゲルマニウム合金)、In含有はんだ(インジウム含有はんだ)などを例示することができる。特に、Au−Sn合金(金−錫合金)とすれば、融点が低く(280℃程度)また機械的強度も高いので、加工性・気密性・封止の信頼性の優れた接合や封止をすることができる。また、Au−Sn合金(金−錫合金)との接合性の観点からは、基板2・基板6と封止部9との接続部分の表面がAu(金)で覆われているようにすることができる。また、Au−Sn合金(金−錫合金)が溶融接合する際に、Au(金)層が相手側にあると相手側表面が酸化されにくくなるため接合が容易となる。
多層基板10は、例えば、樹脂基板10a、10b、10cが積層されたものとすることができる。この多層基板10は、多層基板10の上面に形成された上面パッド12、12aと、多層基板10の下面に形成された下面パッド13、13aと、樹脂基板10a、10b、10cを貫通して上面パッド12と下面パッド13とを接続する貫通導体14と、上面パッド12aと下面パッド13aとを接続する放熱スルーホール(スルーホール)14aを備えている。
また、多層基板10には、これら樹脂基板の間に形成された図示しない配線パターン、図示しない配線パターン同士を接続する図示しないビアホールなどを設けて、後述する図示しないインダクタなどと伴に移相器を形成させるようにすることもできる。
また、多層基板10には、これら樹脂基板の間に形成された図示しない配線パターン、図示しない配線パターン同士を接続する図示しないビアホールなどを設けて、後述する図示しないインダクタなどと伴に移相器を形成させるようにすることもできる。
上面パッド12、下面パッド13、貫通導体14は、導電性材料からなり、例えば、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Au(金)などの金属やこれらを含む合金とすることができる。
上面パッド12a、下面パッド13a、放熱スルーホール14aには、熱伝導率の高い材料を選択すればよく、必ずしも金属などのような導電性材料を用いる必要はない。ただし、上面パッド12、下面パッド13、貫通導体14と同じ材料を選択すれば、同じ工程で一度に製造をすることができるので、歩留まりや生産性の向上を図ることができる。 また、放熱効果を考慮して、下面パッド13の表面積より下面パッド13aの表面積を大きくすることもできる。
また、多層基板10(樹脂基板10a、10b、10c)に備えられる放熱スルーホール14aは、通常のスルーホールをメタルで埋めるようなことはなく、スルーホールの側壁部のみにCu(銅)などの金属の膜を設けるようにして、電気的接続と熱的接続をとるようにしている。
尚、多層基板10は、必ずしも必要ではなく、例えば、共振器フィルタ1を回路基板11上に直接接続させるようにすることもできる。
上面パッド12a、下面パッド13a、放熱スルーホール14aには、熱伝導率の高い材料を選択すればよく、必ずしも金属などのような導電性材料を用いる必要はない。ただし、上面パッド12、下面パッド13、貫通導体14と同じ材料を選択すれば、同じ工程で一度に製造をすることができるので、歩留まりや生産性の向上を図ることができる。 また、放熱効果を考慮して、下面パッド13の表面積より下面パッド13aの表面積を大きくすることもできる。
また、多層基板10(樹脂基板10a、10b、10c)に備えられる放熱スルーホール14aは、通常のスルーホールをメタルで埋めるようなことはなく、スルーホールの側壁部のみにCu(銅)などの金属の膜を設けるようにして、電気的接続と熱的接続をとるようにしている。
尚、多層基板10は、必ずしも必要ではなく、例えば、共振器フィルタ1を回路基板11上に直接接続させるようにすることもできる。
回路基板11は、樹脂製の基板とすることができ、その表面には図示しない配線パターンや、図示しない放熱のためのパターンが設けられている。また、図示しない配線パターンに接続するための接続用パッド16や、図示しない放熱のためのパターンに接続するための接続用パッド16aが設けられている。尚、回路基板11は、多層基板とすることもできる。
図示しない配線パターン、接続用パッド16は、導電性材料からなり例えば、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Au(金)、Ni(ニッケル)などの金属やこれらを含む合金とすることができる。 図示しない放熱のためのパターン、接続用パッド16aには、熱伝導率の高い材料を選択すればよく、必ずしも金属などのような導電性材料を用いる必要はない。ただし、図示しない配線パターン、接続用パッド16と同じ材料を選択すれば、同じ工程で一度に製造をすることができるので、歩留まりや生産性の向上を図ることができる。
尚、放熱のためのパターンと配線パターンとが接続されていてもよい。その際、放熱の観点から、最も表面積の広い配線パターンと接続するようにすることができる。例えば、一般的には、配線パターンのグランド部分は表面積が広いのでこれと接続をするようにすることができる。また、放熱のためのパターンを別途設けることなく、配線パターンのグランド部分を放熱のためのパターンとすることもできる。このようにすれば、省スペース化が図れるようになる。
尚、放熱のためのパターンと配線パターンとが接続されていてもよい。その際、放熱の観点から、最も表面積の広い配線パターンと接続するようにすることができる。例えば、一般的には、配線パターンのグランド部分は表面積が広いのでこれと接続をするようにすることができる。また、放熱のためのパターンを別途設けることなく、配線パターンのグランド部分を放熱のためのパターンとすることもできる。このようにすれば、省スペース化が図れるようになる。
上面パッド12と、共振器フィルタ1の端子8とは、はんだにより接続されている。また、上面パッド12は、貫通導体14を介して下面パッド13と電気的に接続されている。そして、下面パッド13と回路基板11の接続用パッド16とがはんだにより接続されている。
そのため、図2に示すように、主電極4a、主電極4cが接続部5、貫通電極7を介して端子8と接続され、その端子8が、多層基板10の上面パッド12、貫通導体14、下面パッド13、回路基板11上の接続用パッド16を介して回路基板11上の配線パターンと接続されることになる。すなわち、主電極4a、主電極4cが、回路基板11上の図示しない配線パターンと電気的に接続されることになる。
そのため、図2に示すように、主電極4a、主電極4cが接続部5、貫通電極7を介して端子8と接続され、その端子8が、多層基板10の上面パッド12、貫通導体14、下面パッド13、回路基板11上の接続用パッド16を介して回路基板11上の配線パターンと接続されることになる。すなわち、主電極4a、主電極4cが、回路基板11上の図示しない配線パターンと電気的に接続されることになる。
また、上面パッド12aには、熱伝導性接続部材を介して共振器フィルタ1の端子8aが接続されている。また、上面パッド12aは、放熱スルーホール14aを介して下面パッド13aと接続されている。そして、下面パッド13aと回路基板11の接続用パッド16aとが熱伝導性接続部材を介して接続されている。
そのため、図2に示すように、放熱端子15が接続部5a、放熱スルーホール7aを介して端子8aと接続され、その端子8aが、多層基板10の上面パッド12a、放熱スルーホール14a、下面パッド13a、回路基板11上の接続用パッド16aを介して回路基板11上の図示しない放熱パターンと接続されている。すなわち、放熱端子15が、回路基板11上の放熱パターンと接続されることになり、放熱端子15を通じて回路基板11側に放熱が図れることになる。図1に示す矢印は熱の流れ(放熱)を表している。放熱端子15については後述する。また、導電性接続部材にある程度の熱伝導性があれば、導電性接続部材を熱伝導性接続部材として用いることができる。そのようにすれば、同じ工程で一度に製造をすることができるので、歩留まりや生産性の向上を図ることができる。
尚、多層基板10の材質は前述した樹脂製に限定されるわけではなく、例えば、セラミックスのような無機材料とすることもできる。また、図1に例示をした多層基板10は、3層の場合であるが、これに限定されるわけではなく2層または4層以上とすることもできる。また、説明の便宜上、図2では薄膜圧電共振器4を1つとしているが、例えば、複数の薄膜圧電共振器4を備えるラダー型フィルタ回路とすることもできる。
次に、共振器フィルタ1の作用について説明をする。
薄膜圧電共振器4は、圧電膜4bの圧電効果を利用して入力信号をフィルタリングする作用を有する。図示しない入力端子に入力された信号は、図示しない入力端子に接続されている主電極4cから圧電膜4bを介して主電極4aへと出力される。この時、逆圧電効果により圧電膜4bがその厚み方向に振動するが、主電極4a、圧電膜4b、主電極4cからなる積層体は、圧電膜4bの密度、膜厚、主電極4a、4cの質量負荷の効果などによって決まる共振周波数、並びに反共振周波数を有している。一つの共振点付近の電気的特性は、図3に示されるように、極大点と極小点を持っている(それぞれが反共振点、共振点に対応する)。そのため、このような共振点付近の電気的特性を有する薄膜圧電共振器4を、少なくとも1つ以上用いれば共振器フィルタ1を構成させることができる。
薄膜圧電共振器4は、圧電膜4bの圧電効果を利用して入力信号をフィルタリングする作用を有する。図示しない入力端子に入力された信号は、図示しない入力端子に接続されている主電極4cから圧電膜4bを介して主電極4aへと出力される。この時、逆圧電効果により圧電膜4bがその厚み方向に振動するが、主電極4a、圧電膜4b、主電極4cからなる積層体は、圧電膜4bの密度、膜厚、主電極4a、4cの質量負荷の効果などによって決まる共振周波数、並びに反共振周波数を有している。一つの共振点付近の電気的特性は、図3に示されるように、極大点と極小点を持っている(それぞれが反共振点、共振点に対応する)。そのため、このような共振点付近の電気的特性を有する薄膜圧電共振器4を、少なくとも1つ以上用いれば共振器フィルタ1を構成させることができる。
また、図3のような電気的特性を有する薄膜圧電共振器4を複数用いて、ラダー型フィルタ回路を構成させることもできる。例えば、図4に例示をするような、2.5段π型ラダー型フィルタ回路を構成させることができる。
このような2.5段π型ラダー型フィルタ回路において、直列薄膜圧電共振器S1、S2の共振周波数と並列薄膜圧電共振器P1〜P3の反共振周波数とをほぼ等しくなるようにすると、この周波数を中心周波数とする帯域通過フィルタが得られる。すなわち、フィルタの中心周波数においては、直列薄膜圧電共振器S1、S2のインピーダンスが低く、並列薄膜圧電共振器P1〜P3のインピーダンスが高いため、入力した信号のほとんどが出力されることになる。一方、通過域の高周波側に位置する直列薄膜圧電共振器S1、S2の反共振周波数や、通過域の低周波側に位置する並列薄膜圧電共振器P1〜P3の共振周波数においては、入力した信号のほとんどが並列薄膜圧電共振器P1〜P3を通ってグラウンドに流れることになる。そのため、入力した信号が大幅に減衰することになる。尚、直列と並列とで共振周波数を変えるためには、例えば圧電膜の膜厚や電極の厚さを変えるといった方法がある。
このような2.5段π型ラダー型フィルタ回路において、直列薄膜圧電共振器S1、S2の共振周波数と並列薄膜圧電共振器P1〜P3の反共振周波数とをほぼ等しくなるようにすると、この周波数を中心周波数とする帯域通過フィルタが得られる。すなわち、フィルタの中心周波数においては、直列薄膜圧電共振器S1、S2のインピーダンスが低く、並列薄膜圧電共振器P1〜P3のインピーダンスが高いため、入力した信号のほとんどが出力されることになる。一方、通過域の高周波側に位置する直列薄膜圧電共振器S1、S2の反共振周波数や、通過域の低周波側に位置する並列薄膜圧電共振器P1〜P3の共振周波数においては、入力した信号のほとんどが並列薄膜圧電共振器P1〜P3を通ってグラウンドに流れることになる。そのため、入力した信号が大幅に減衰することになる。尚、直列と並列とで共振周波数を変えるためには、例えば圧電膜の膜厚や電極の厚さを変えるといった方法がある。
尚、図4に示すものでは、通過帯域幅を広げるとともに高周波領域に減衰極を設けるために、並列薄膜圧電共振器P1〜P3のそれぞれにインダクタL1、インダクタL2、インダクタL3を直列に接続している。これらのインダクタL1〜L3は、多層基板10に設けるようにすることができる。
また、このようなラダー型フィルタ回路を構成させる場合には、隣接する薄膜圧電共振器4同士の主電極4a、4cを共通化させて、全ての薄膜圧電共振器4を電気的に接続させるようにすることができる。
次に、薄膜圧電共振器4の発熱について説明をする。
前述したように、逆圧電効果により圧電膜4aはその厚み方向に振動する。この際、振動エネルギーの1部が熱に変換されるが、圧電膜4aは薄膜状であって熱容量が小さく発生した熱が放熱されにくい。そのため、熱が圧電膜4a付近に蓄積され、その部分の温度が高温となる場合がある。このような温度上昇は、圧電膜4a部分の破壊を招くなど、薄膜圧電共振器4の動作の安定性や信頼性に悪影響をおよぼすおそれがある。
前述したように、逆圧電効果により圧電膜4aはその厚み方向に振動する。この際、振動エネルギーの1部が熱に変換されるが、圧電膜4aは薄膜状であって熱容量が小さく発生した熱が放熱されにくい。そのため、熱が圧電膜4a付近に蓄積され、その部分の温度が高温となる場合がある。このような温度上昇は、圧電膜4a部分の破壊を招くなど、薄膜圧電共振器4の動作の安定性や信頼性に悪影響をおよぼすおそれがある。
その上、近年の小型化、薄型化や共振器フィルタの保護を図るために気密性の高い封止が行われることを考慮すると、温度上昇の影響がさらに大きくなるおそれがある。
特に、薄型化の要求を満たすために、ボンディング配線を用いずに、図1に示すように端子8を多層基板10の上面パッド12にそのまま表面実装(例えば、フリップ接続など)する場合においては、共振器フィルタ1からの放熱がさらに悪くなるおそれがある。
特に、薄型化の要求を満たすために、ボンディング配線を用いずに、図1に示すように端子8を多層基板10の上面パッド12にそのまま表面実装(例えば、フリップ接続など)する場合においては、共振器フィルタ1からの放熱がさらに悪くなるおそれがある。
本発明者は検討の結果、薄膜圧電共振器4の近傍に放熱端子を設け、この放熱端子を介して発生した熱を放熱させるようにすれば、薄膜圧電共振器4の温度上昇を抑制することができるので、動作の安定性や信頼性の向上を図ることができるとの知見を得た。
図5は、放熱端子を例示するための共振器フィルタの模式平面図である。
図5に示す共振器フィルタ1aは、5個の薄膜圧電共振器を用いて、図4で説明をした2.5段π型ラダー型フィルタ回路を構成した場合である。共振器フィルタ1aは、直列薄膜圧電共振器S1、S2と、並列薄膜圧電共振器P1〜P3とを備えている。薄膜圧電共振器同士の電気的接続は、隣接する薄膜圧電共振器同士の主電極4a、4cを共通化させることにより行っている。また、並列薄膜圧電共振器P1〜P3の主電極4aまたは主電極4cには、インダクタL1〜L3と接続するための端子Lが接続されている。そして、直列薄膜圧電共振器S1、S2の主電極4aまたは主電極4cには、入出力端子に接続するための端子Aが接続されている。
図5に示す共振器フィルタ1aは、5個の薄膜圧電共振器を用いて、図4で説明をした2.5段π型ラダー型フィルタ回路を構成した場合である。共振器フィルタ1aは、直列薄膜圧電共振器S1、S2と、並列薄膜圧電共振器P1〜P3とを備えている。薄膜圧電共振器同士の電気的接続は、隣接する薄膜圧電共振器同士の主電極4a、4cを共通化させることにより行っている。また、並列薄膜圧電共振器P1〜P3の主電極4aまたは主電極4cには、インダクタL1〜L3と接続するための端子Lが接続されている。そして、直列薄膜圧電共振器S1、S2の主電極4aまたは主電極4cには、入出力端子に接続するための端子Aが接続されている。
図5に示すものでは、直列薄膜圧電共振器S1、S2と、並列薄膜圧電共振器P1〜P3とを取り囲むように放熱端子15aが設けられている。そして、図2で説明をしたように放熱端子15aは、接続部5a、放熱スルーホール7aを介して端子8aと接続され、その端子8aが、多層基板10の上面パッド12a、放熱スルーホール14a、下面パッド13a、回路基板11上の接続用パッド16aを介して回路基板11上の図示しない放熱パターンと接続されている。ここで、前述したように、放熱パターンを回路基板11上の図示しない配線パターンのグランド部分とすることができる。そのため、放熱端子15aが、回路基板11上の配線パターンのグランド部分と接続されることになり、放熱端子15aを通じて回路基板11側に放熱が図れることになる。
その結果、薄膜圧電共振器4(直列薄膜圧電共振器S1、S2、並列薄膜圧電共振器P1〜P3)の温度上昇を抑制することができ、薄膜圧電共振器4の動作の安定性や信頼性を向上させることができる。
このように、共振器フィルタを構成するすべての薄膜圧電共振器4を取り囲むように放熱端子15aを設けるようにすれば、確実な放熱を図ることができる。ただし、薄膜圧電共振器4の配置などによっては、その分広いスペースが必要となる場合が生じることがある。
ここで、共振器フィルタの使用帯域における波形の歪みを抑制するためには、使用帯域の2倍波や3倍波を減衰させる必要がある。例えば、使用帯域が2GHzであれば、その2倍波(4GHz)や3倍波(6GHz)を減衰させる必要がある。
このような高い共振周波数を生じさせるためには、薄膜圧電共振器4の容量C、あるいは、インダクタのインダクタンスLを小さくすればよい。しかしながら、インダクタンスLを小さくすれば帯域幅が狭くなるという問題がある。そのため、薄膜圧電共振器4の容量Cを小さくすることにより、使用帯域の2倍波や3倍波を減衰させるようにすることになる。このようにして、容量Cを小さくするために小さな面積の薄膜圧電共振器4を用いなければならない場合が生じる。この場合、小さな面積の薄膜圧電共振器4の振動部分では、小さな面積に振動エネルギーが閉じ込められるため比較的大きな熱が発生しやすくなる。
このような高い共振周波数を生じさせるためには、薄膜圧電共振器4の容量C、あるいは、インダクタのインダクタンスLを小さくすればよい。しかしながら、インダクタンスLを小さくすれば帯域幅が狭くなるという問題がある。そのため、薄膜圧電共振器4の容量Cを小さくすることにより、使用帯域の2倍波や3倍波を減衰させるようにすることになる。このようにして、容量Cを小さくするために小さな面積の薄膜圧電共振器4を用いなければならない場合が生じる。この場合、小さな面積の薄膜圧電共振器4の振動部分では、小さな面積に振動エネルギーが閉じ込められるため比較的大きな熱が発生しやすくなる。
一般的には、並列接続部における1箇所の共振で、1箇所の減衰(例えば、2倍波の減衰)をさせることができるので、小さな面積(小さな容量C)の薄膜圧電共振器4を用いなければならない箇所も1箇所で足りる場合が多い。そのため、共振器フィルタを構成する薄膜圧電共振器4の発熱量が、すべて同等となるとは限らず、最も発熱量の多いものが存在する場合が多くなる。
本発明者はさらなる検討の結果、共振器フィルタを構成する薄膜圧電共振器4の内、最も発熱量が多いものの近傍に放熱端子を設けるようにすれば、放熱端子のためのスペースを最小限に抑えたまま放熱による薄膜圧電共振器4の動作の安定性や信頼性の向上を図ることができるとの知見を得た。
本発明者はさらなる検討の結果、共振器フィルタを構成する薄膜圧電共振器4の内、最も発熱量が多いものの近傍に放熱端子を設けるようにすれば、放熱端子のためのスペースを最小限に抑えたまま放熱による薄膜圧電共振器4の動作の安定性や信頼性の向上を図ることができるとの知見を得た。
図6〜図9は、最も発熱量が多い薄膜圧電共振器の近傍に放熱端子を設ける場合を例示するための模式図である。
尚、放熱端子と回路基板11上の図示しない放熱パターンなどとの接続については、前述したものと同様のためその説明は省略する。
図6に示す共振器フィルタ1bは、4個の薄膜圧電共振器4を用いて、2.0段ラダー型フィルタ回路を構成した場合であり、図6(a)はその回路図である。また、図6(b)は、本発明者が検討した比較例を例示するための共振器フィルタの模式平面図である。
共振器フィルタ1bは、直列薄膜圧電共振器S1、S2と、並列薄膜圧電共振器P1、P2とを備えている。薄膜圧電共振器同士の電気的接続は、隣接する薄膜圧電共振器同士の主電極4a、4cを共通化させることにより行っている。また、並列薄膜圧電共振器P1、P2の主電極4aまたは主電極4cには、インダクタL1、L2と接続するための端子Lが接続されている。そして、直列薄膜圧電共振器S1、S2の主電極4aまたは主電極4cには、入出力端子に接続するための端子Aが接続されている。そして、図6(b)〜(d)に示すように、放熱端子15cが設けられている。また、最も発熱量が多い薄膜圧電共振器を並列薄膜圧電共振器P1とし、端子A、端子L、放熱端子15cを升目状に配設するものとしている。
図6(b)に示す比較例では、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1の近傍に放熱端子15cを設けるものとしている。しかしながら、端子A、端子L、放熱端子15cを升目状に配設するものとしているため、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとが離れてしまい、放熱が阻害されるおそれがある。このような場合は、主電極4aまたは主電極4cによる薄膜圧電共振器同士の接続を変更して、最も発熱量が多い薄膜圧電共振器(並列薄膜圧電共振器P1)の近傍に放熱端子15cが配設されるようにすることができる。
そして、図6(c)、(d)に示すように、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1に隣接させるようにして放熱端子15cを配設するようにすれば、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとの距離を最短とすることができるので、放熱端子15cのためのスペースを最小限に抑えたまま放熱による薄膜圧電共振器4の動作の安定性や信頼性を向上させることができる。
尚、放熱端子と回路基板11上の図示しない放熱パターンなどとの接続については、前述したものと同様のためその説明は省略する。
図6に示す共振器フィルタ1bは、4個の薄膜圧電共振器4を用いて、2.0段ラダー型フィルタ回路を構成した場合であり、図6(a)はその回路図である。また、図6(b)は、本発明者が検討した比較例を例示するための共振器フィルタの模式平面図である。
共振器フィルタ1bは、直列薄膜圧電共振器S1、S2と、並列薄膜圧電共振器P1、P2とを備えている。薄膜圧電共振器同士の電気的接続は、隣接する薄膜圧電共振器同士の主電極4a、4cを共通化させることにより行っている。また、並列薄膜圧電共振器P1、P2の主電極4aまたは主電極4cには、インダクタL1、L2と接続するための端子Lが接続されている。そして、直列薄膜圧電共振器S1、S2の主電極4aまたは主電極4cには、入出力端子に接続するための端子Aが接続されている。そして、図6(b)〜(d)に示すように、放熱端子15cが設けられている。また、最も発熱量が多い薄膜圧電共振器を並列薄膜圧電共振器P1とし、端子A、端子L、放熱端子15cを升目状に配設するものとしている。
図6(b)に示す比較例では、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1の近傍に放熱端子15cを設けるものとしている。しかしながら、端子A、端子L、放熱端子15cを升目状に配設するものとしているため、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとが離れてしまい、放熱が阻害されるおそれがある。このような場合は、主電極4aまたは主電極4cによる薄膜圧電共振器同士の接続を変更して、最も発熱量が多い薄膜圧電共振器(並列薄膜圧電共振器P1)の近傍に放熱端子15cが配設されるようにすることができる。
そして、図6(c)、(d)に示すように、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1に隣接させるようにして放熱端子15cを配設するようにすれば、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとの距離を最短とすることができるので、放熱端子15cのためのスペースを最小限に抑えたまま放熱による薄膜圧電共振器4の動作の安定性や信頼性を向上させることができる。
図7に示す共振器フィルタ1cは、5個の薄膜圧電共振器4を用いて、2.5段T型ラダー型フィルタ回路を構成した場合であり、図7(a)はその回路図である。また、図7(b)は、本発明者が検討した比較例を例示するための共振器フィルタの模式平面図である。尚、図4、図5、図6と同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。また、放熱端子と回路基板11上の図示しない放熱パターンなどとの接続については、前述したものと同様のためその説明も省略する。
図7(b)に示す比較例では、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1の近傍に放熱端子15cを設けるものとしている。しかしながら、端子A、端子L、放熱端子15cを升目状に配設するものとしているため、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとが離れてしまい、放熱が阻害されるおそれがある。このような場合は、主電極4aまたは主電極4cによる薄膜圧電共振器同士の接続を変更して、最も発熱量が多い薄膜圧電共振器(並列薄膜圧電共振器P1)の近傍に放熱端子15cが配設されるようにすることができる。
そして、図7(c)に示すように、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1に隣接させるようにして放熱端子15cを配設するようにすれば、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとの距離を最短とすることができるので、放熱端子15cのためのスペースを最小限に抑えたまま放熱による薄膜圧電共振器4の動作の安定性や信頼性を向上させることができる。
図7(b)に示す比較例では、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1の近傍に放熱端子15cを設けるものとしている。しかしながら、端子A、端子L、放熱端子15cを升目状に配設するものとしているため、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとが離れてしまい、放熱が阻害されるおそれがある。このような場合は、主電極4aまたは主電極4cによる薄膜圧電共振器同士の接続を変更して、最も発熱量が多い薄膜圧電共振器(並列薄膜圧電共振器P1)の近傍に放熱端子15cが配設されるようにすることができる。
そして、図7(c)に示すように、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1に隣接させるようにして放熱端子15cを配設するようにすれば、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとの距離を最短とすることができるので、放熱端子15cのためのスペースを最小限に抑えたまま放熱による薄膜圧電共振器4の動作の安定性や信頼性を向上させることができる。
図8に示す共振器フィルタ1aは、5個の薄膜圧電共振器4を用いて、2.5段π型ラダー型フィルタ回路を構成した場合であり、図8(a)はその回路図である。また、図8(b)は、本発明者が検討した比較例を例示するための共振器フィルタの模式平面図である。尚、2.5段π型ラダー型フィルタ回路は、図4で説明をしたものと同様のため同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。また、放熱端子と回路基板11上の図示しない放熱パターンなどとの接続については、前述したものと同様のためその説明も省略する。
図8(b)に示す比較例では、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1の近傍に放熱端子15cを設けるものとしている。しかしながら、端子A、端子L、放熱端子15cを升目状に配設するものとしているため、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとが離れてしまい、放熱が阻害されるおそれがある。このような場合は、主電極4aまたは主電極4cによる薄膜圧電共振器同士の接続を変更して、最も発熱量が多い薄膜圧電共振器(並列薄膜圧電共振器P1)の近傍に放熱端子15cが配設されるようにすることができる。
そして、図8(c)、(d)に示すように、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1に隣接させるようにして放熱端子15cを配設するようにすれば、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとの距離を最短とすることができるので、放熱端子15cのためのスペースを最小限に抑えたまま放熱による薄膜圧電共振器4の動作の安定性や信頼性を向上させることができる。
図8(b)に示す比較例では、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1の近傍に放熱端子15cを設けるものとしている。しかしながら、端子A、端子L、放熱端子15cを升目状に配設するものとしているため、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとが離れてしまい、放熱が阻害されるおそれがある。このような場合は、主電極4aまたは主電極4cによる薄膜圧電共振器同士の接続を変更して、最も発熱量が多い薄膜圧電共振器(並列薄膜圧電共振器P1)の近傍に放熱端子15cが配設されるようにすることができる。
そして、図8(c)、(d)に示すように、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1に隣接させるようにして放熱端子15cを配設するようにすれば、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとの距離を最短とすることができるので、放熱端子15cのためのスペースを最小限に抑えたまま放熱による薄膜圧電共振器4の動作の安定性や信頼性を向上させることができる。
図9に示す共振器フィルタ1dは、6個の薄膜圧電共振器4を用いて、3.0段ラダー型フィルタ回路を構成した場合であり、図9(a)はその回路図である。また、図9(b)は、本発明者が検討した比較例を例示するための共振器フィルタの模式平面図である。尚、図4、図5、図6と同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。また、放熱端子と回路基板11上の図示しない放熱パターンなどとの接続については、前述したものと同様のためその説明も省略する。
図9(b)に示す比較例では、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1の近傍に放熱端子15cを設けるものとしている。しかしながら、端子A、端子L、放熱端子15cを升目状に配設するものとしているため、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとが離れてしまい、放熱が阻害されるおそれがある。このような場合は、主電極4aまたは主電極4cによる薄膜圧電共振器同士の接続を変更して、最も発熱量が多い薄膜圧電共振器(並列薄膜圧電共振器P1)の近傍に放熱端子15cが配設されるようにすることができる。
そして、図9(c)、(d)に示すように、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1に隣接させるようにして放熱端子15cを配設するようにすれば、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとの距離を最短とすることができるので、放熱端子15cのためのスペースを最小限に抑えたまま放熱による薄膜圧電共振器4の動作の安定性や信頼性を向上させることができる。
図9(b)に示す比較例では、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1の近傍に放熱端子15cを設けるものとしている。しかしながら、端子A、端子L、放熱端子15cを升目状に配設するものとしているため、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとが離れてしまい、放熱が阻害されるおそれがある。このような場合は、主電極4aまたは主電極4cによる薄膜圧電共振器同士の接続を変更して、最も発熱量が多い薄膜圧電共振器(並列薄膜圧電共振器P1)の近傍に放熱端子15cが配設されるようにすることができる。
そして、図9(c)、(d)に示すように、最も発熱量が多い並列薄膜圧電共振器P1に隣接させるようにして放熱端子15cを配設するようにすれば、並列薄膜圧電共振器P1と放熱端子15cとの距離を最短とすることができるので、放熱端子15cのためのスペースを最小限に抑えたまま放熱による薄膜圧電共振器4の動作の安定性や信頼性を向上させることができる。
図10は、共振器フィルタの構成を例示するための模式平面図である。
尚、図10に示す共振器フィルタは、6個の薄膜圧電共振器を用いた3.0段ラダー型フィルタである。
尚、図10に示す共振器フィルタは、6個の薄膜圧電共振器を用いた3.0段ラダー型フィルタである。
図10(a)は、共振器フィルタ1dを基板2上に形成させた場合を例示するものである。尚、共振器フィルタ1dについては、前述したものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。共振器フィルタ1dの外周には封止部9が設けられ、基板2と後述する基板6とが気密になるよう封止部9によりに封止される。
図10(b)は、基板6の模式平面図であり、前述の共振器フィルタ1dに対向するようにして封止される側の面を例示するものである。図10(b)に示すように、端子A、端子Lに対向する部分には接続部5が設けられている。また、放熱端子15cに対向する部分には接続部5aが設けられている。
図10(c)は、基板6の模式平面図であり、前述の図10(b)の裏面側を例示するものである。図10(c)に示すように、接続部5に対向する部分には貫通電極7が設けられている。また、接続部5aに対向する部分には放熱スルーホール7aが設けられている。そして、貫通電極7には端子8が、放熱スルーホール7aには端子8aが接続されている。尚、端子8aは、封止部9とも接続され、回路基板11上の図示しない配線パターンのグランド部分と接続されている。
以上説明したように、本実施の形態によれば、近年の小型化、薄型化、気密化、表面実装化(例えば、フリップ接続など)が図られた共振器フィルタであっても薄膜圧電共振器の温度上昇を抑制することができるので、動作の安定性や信頼性の高い共振器フィルタを得ることができる。また、最も発熱量が多い薄膜圧電共振器の近傍に隣接させるようにして放熱端子を設けるものとすれば、放熱端子のためのスペースを最小限に抑えることもできる。
図11は、薄膜圧電共振器の振動エネルギーの漏れの抑制について例示をするための模式図である。
また、図12は、比較例に係る薄膜圧電共振器を例示するための模式図である。
まず、図12に示す比較例について説明をする。
図12(a)は、薄膜圧電共振器21を例示するための模式部分断面図である。尚、図2で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
ここで、キャビティ3の直上において主電極4cと主電極4aとが対向して重なる部分を共振器部18と呼ぶことにする。また、キャビティ3領域の外の基板2上において、主電極4cと主電極4aとが対向して重なる部分を寄生容量部19と呼ぶことにする。
また、図12は、比較例に係る薄膜圧電共振器を例示するための模式図である。
まず、図12に示す比較例について説明をする。
図12(a)は、薄膜圧電共振器21を例示するための模式部分断面図である。尚、図2で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
ここで、キャビティ3の直上において主電極4cと主電極4aとが対向して重なる部分を共振器部18と呼ぶことにする。また、キャビティ3領域の外の基板2上において、主電極4cと主電極4aとが対向して重なる部分を寄生容量部19と呼ぶことにする。
薄膜圧電共振器21において、キャビティ領域の外で主電極4cと主電極4aとが対向すると、その部分で寄生容量が発生し、また、振動エネルギーが主電極4aを介して基板2に漏れてしまう。例えば、図12(a)に示した寄生容量部19で寄生容量が発生し、また、振動エネルギーの漏れが発生する。
また、例えば、移動体無線端末向けの共振器フィルタは、共振周波数が1〜5GHzとなる複数の薄膜圧電共振器で構成されている。このような薄膜圧電共振器では、例えば、圧電膜として窒化アルミニウム(AlN)を用いると、圧電膜の膜厚は1〜2μmとなるのに対して、電極の膜厚は0.2〜0.5μm程度となる。セラミック共振子や水晶振動子が、数十〜数百μmの圧電板と数μm以下の電極とで構成されているのと比べ、数GHz帯の共振周波数をもつ薄膜圧電共振器では、全膜厚に占める電極の膜厚の割合が10〜60%となり、非常に大きいものとなる。そのため、電極の材料、膜厚、積層構造が共振特性に与える影響は極めて大きい。
この場合、例えば、主電極4aとしてアルミニウム(Al)を用いると、配向性に優れた窒化アルミニウム(AlN)の圧電膜4bを得ることができる。その上、抵抗値も低く抑えることができるので、共振周波数におけるQ値(Qr)も向上させることができるという利点がある。そのため、主電極4aの材料としてアルミニウム(Al)や銅(Cu)を主成分とした材料が用いられている。
しかしながら、アルミニウム(Al)は弾性定数が小さいため、主電極4a内に振動エネルギーが蓄積されやすく、上下の電極がキャビティ3領域の外で対向する部分(寄生容量部19)において、前述のように振動エネルギーが基板2へと散逸し、その結果、反共振周波数のQ値(Qa)が低下するという問題がある。このことは、アルミニウム(Al)のような音響インピーダンスの低い材料ほど顕著となる。
図12(b)は、反共振周波数における振動エネルギーの分布を例示するための模式図であり、振動エネルギーの分布を有限要素法によるシミュレーションで求めたものである。図12(b)においては、色のトーンが明るいほど振動エネルギーが高いことを示している。図12(b)から分かるように、主電極4aに蓄積された振動エネルギーは、キャビティ3の縁に沿って基板2に漏れてしまっている。尚、図中の矢印は、振動エネルギーの流れ(漏れ)方向を示している。
本発明者は検討の結果、主電極4cの上に、キャビティ3の縁の直上を跨ぐようにして質量負荷部20を設けるようにすれば、振動エネルギーの漏れを抑制できるとの知見を得た。
図11(a)は、薄膜圧電共振器の模式部分断面図である。尚、図12で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図11(a)に示すように、薄膜圧電共振器17の主電極4cの上には、質量負荷部20が設けられている。そして、質量負荷部20は、キャビティ3の縁の直上を跨ぐようにして設けられている。
図11(a)に示すように、薄膜圧電共振器17の主電極4cの上には、質量負荷部20が設けられている。そして、質量負荷部20は、キャビティ3の縁の直上を跨ぐようにして設けられている。
このような質量負荷部20を設けると、厚み方向における振動エネルギーの分布の中心位置を主電極4c側にシフトさせることが可能となる。そのため、その分、主電極4aに蓄積される振動エネルギーを減少させることができる。その結果、主電極4aから基板2へ漏れる振動エネルギーを抑制することができ、反共振周波数におけるQ値(Qa)を向上させることができる。質量負荷部20は、キャビティ3の縁の直上を跨ぐようにして設けられ、その一端が共振器部18の直上に、他端が寄生容量部19の直上に設けられるようにすることができる。
図11(b)は、反共振周波数における振動エネルギーの分布を例示するための模式図であり、振動エネルギーの分布を有限要素法によるシミュレーションで求めたものである。ここで、図11(b)においては、色のトーンが明るいほど振動エネルギーが高いことを示している。図11(b)から分かるように、振動エネルギーの分布が主電極4c側にシフトし、主電極4aに蓄積される振動エネルギーが大幅に減少している。また、主電極4aからキャビティ3の縁に沿って基板2に漏れる振動エネルギーも大幅に減少している。
ここで、本発明者の行った実験によれば、質量負荷部20を設けることで、図2に示した比較例の反共振周波数におけるQ値(Qa)550を650に改善することができた。 尚、この場合、質量負荷部20の材質をアルミニウム(Al)とした。そして、その厚さを1μmとし、質量負荷部20の一端の位置をキャビティ3の縁の直上を越えてキャビティ3側に5μm入るようにした。また、幅寸法は主電極4cと同一とした。
図13は、薄膜圧電共振器の分割について例示をするための模式図である。
また、図13(a)は、分割前の共振器フィルタ、図13(b)は、分割後の共振器フィルタを例示するための模式図である。尚、図9で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
前述したように、共振器フィルタにおいて高い共振周波数を生じさせるために、小さな面積の薄膜圧電共振器4を用いなければならない場合が生じる。また、一般的には、並列接続部における1箇所の共振で、1箇所の減衰(例えば、2倍波の減衰)をさせることができるので、小さな面積(小さな容量C)の薄膜圧電共振器を用いなければならない箇所も1箇所で足りる場合が多い。例えば、図13(a)において、薄膜圧電共振器P1が最も小さな面積(小さな容量C)の薄膜圧電共振器となる場合が生じる。
また、図13(a)は、分割前の共振器フィルタ、図13(b)は、分割後の共振器フィルタを例示するための模式図である。尚、図9で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
前述したように、共振器フィルタにおいて高い共振周波数を生じさせるために、小さな面積の薄膜圧電共振器4を用いなければならない場合が生じる。また、一般的には、並列接続部における1箇所の共振で、1箇所の減衰(例えば、2倍波の減衰)をさせることができるので、小さな面積(小さな容量C)の薄膜圧電共振器を用いなければならない箇所も1箇所で足りる場合が多い。例えば、図13(a)において、薄膜圧電共振器P1が最も小さな面積(小さな容量C)の薄膜圧電共振器となる場合が生じる。
ここで、寄生容量部における振動エネルギーの散逸量(漏れ量)は、薄膜圧電共振器の面積が小さくなるほど顕著となる。これは、共振部に閉じ込められるエネルギーは薄膜圧電共振器の面積に比例(一辺の長さの2乗に比例)するのに対し、寄生容量部における振動エネルギーの散逸量は薄膜圧電共振器の一辺の長さに比例するからである。そのため、薄膜圧電共振器の面積を可能な限り大きくすれば、振動エネルギーの散逸量を抑制することができるので、反共振点のQ値(Qa)を改善することができる。その結果、挿入損失を小さくすることができる。
この場合、例えば図13(b)に示すように、共振器フィルタの並列接続部における他の薄膜圧電共振器と比べて一番小さな面積(小さな容量C)を有する薄膜圧電共振器P1を、その容量Cを維持するようにして分割すれば、共振周波数への影響を抑制しつつその面積を大きくすることができる。薄膜圧電共振器を分割するためには、薄膜圧電共振器を複数設けてそれらを直列に接続すればよい。
尚、前述したように、一般的には並列接続部における小さな面積の薄膜圧電共振器は1箇所である。ただし、これに限定されるわけではなく並列接続部における2箇所以上の薄膜圧電共振器を分割するようにしても良い。また、分割数も2分割に限定されるわけではなく適宜選択することができる。
尚、前述したように、一般的には並列接続部における小さな面積の薄膜圧電共振器は1箇所である。ただし、これに限定されるわけではなく並列接続部における2箇所以上の薄膜圧電共振器を分割するようにしても良い。また、分割数も2分割に限定されるわけではなく適宜選択することができる。
その結果、本実施の形態に係る共振器フィルタは、薄膜圧電共振器を有する複数の並列接続部を備え、並列接続部の1つには、少なくとも2つ以上の薄膜圧電共振器が直列に接続され、この直列に接続された薄膜圧電共振器の合成容量は、他の並列接続部における薄膜圧電共振器の容量よりも小さいことになる。
図14は、薄膜圧電共振器の分割を例示するための模式図である。
図14(a)に示すように、分割前の薄膜圧電共振器の容量をCとし、2分割後の容量をそれぞれαC、αC/(α−1)とすれば、その合成容量はCのままとなる。尚、αは分割の割合を示す係数である
このように、薄膜圧電共振器の容量を分割するようにすれば、直列接続される個々の薄膜圧電共振器の容量が大きくなり、その面積も大きくすることができる。その結果、反共振点のQ値(Qa)を改善させることができ、挿入損失を低下させることができる。
ここで、分割後の各薄膜圧電共振器の反共振点のQ値を合成した値は、下記の(1)式で表される。
ここで、Qaは分割後の各薄膜圧電共振器の反共振点のQ値を合成した値、Aは定数、αは分割の割合を示す係数、Q0は分割前の薄膜圧電共振器の反共振点のQ値である。
図14(a)に示すように、分割前の薄膜圧電共振器の容量をCとし、2分割後の容量をそれぞれαC、αC/(α−1)とすれば、その合成容量はCのままとなる。尚、αは分割の割合を示す係数である
このように、薄膜圧電共振器の容量を分割するようにすれば、直列接続される個々の薄膜圧電共振器の容量が大きくなり、その面積も大きくすることができる。その結果、反共振点のQ値(Qa)を改善させることができ、挿入損失を低下させることができる。
ここで、分割後の各薄膜圧電共振器の反共振点のQ値を合成した値は、下記の(1)式で表される。
ここで、Qaは分割後の各薄膜圧電共振器の反共振点のQ値を合成した値、Aは定数、αは分割の割合を示す係数、Q0は分割前の薄膜圧電共振器の反共振点のQ値である。
図14(b)は、薄膜圧電共振器の分割割合を例示するためのグラフ図である。
図14(b)は、図14(a)で説明をした薄膜圧電共振器を2分割する場合のものであり、(1)式をグラフ化したものである。尚、縦軸は分割後の各薄膜圧電共振器の反共振点のQ値(Qa)を合成した値、横軸は2分割する場合における分割の割合を示す係数である。
図14(b)は、図14(a)で説明をした薄膜圧電共振器を2分割する場合のものであり、(1)式をグラフ化したものである。尚、縦軸は分割後の各薄膜圧電共振器の反共振点のQ値(Qa)を合成した値、横軸は2分割する場合における分割の割合を示す係数である。
図14(b)から分かるように、2分割する場合における分割の割合は、α=1.5〜3(分割割合で示すと1:2〜2:1)とすることができる。また、α=2(等分割)とすれば、反共振点のQ値の合成値を最大にすることができ、挿入損失をさらに低下させることができる。
また、図11で説明をした質量負荷部20を薄膜圧電共振器に備えるものとすれば、主電極4aから基板2へ漏れる振動エネルギーを抑制することができ、反共振周波数におけるQ値(Qa)を向上させることができる。その結果、挿入損失を小さくすることができる。
また、図5〜図9で説明をしたように、薄膜圧電共振器の近傍に放熱端子を設け、この放熱端子を介して発生した熱を放熱させるようにすれば、薄膜圧電共振器の温度上昇を抑制することができるので、共振器フィルタの動作安定性や信頼性の向上を図ることができる。
図15は、比較例の共振器フィルタを備えたデュプレクサを例示するための模式図である。
また、図16は、本実施の形態に係る共振器フィルタを備えたデュプレクサを例示するための模式図である。
デュプレクサは、CDMA(Code Division Mutiple Access)方式のように送信と受信が同時に行なわれる通信システムにおいて、同じ1つのアンテナを通じて送信される信号と受信される信号とを適切に分岐するようにする装置である。デュプレクサは、送信側フィルタと受信側フィルタとを備えている。送信側フィルタは送信しようとする周波数のみを通過させるバンドパスフィルタであり、受信側フィルタは受信しようとする周波数のみを通過させるバンドパスフィルタである。各フィルタで所定の周波数帯域の信号のみを通過させることで、1つのアンテナを効率的に共有できるようになる。
また、図16は、本実施の形態に係る共振器フィルタを備えたデュプレクサを例示するための模式図である。
デュプレクサは、CDMA(Code Division Mutiple Access)方式のように送信と受信が同時に行なわれる通信システムにおいて、同じ1つのアンテナを通じて送信される信号と受信される信号とを適切に分岐するようにする装置である。デュプレクサは、送信側フィルタと受信側フィルタとを備えている。送信側フィルタは送信しようとする周波数のみを通過させるバンドパスフィルタであり、受信側フィルタは受信しようとする周波数のみを通過させるバンドパスフィルタである。各フィルタで所定の周波数帯域の信号のみを通過させることで、1つのアンテナを効率的に共有できるようになる。
図15に示すように、デュプレクサ100には送信側フィルタ101と受信側フィルタ102とが設けられている。また、前述したように送信側フィルタ101と受信側フィルタ102とにはインダクタが接続されている。送信側フィルタ101の一端はインダクタを介して送信側端子Txに接続され、他端はアンテナ端子Antと接続されている。受信側フィルタ102は送信側フィルタ101と並列接続されている。また、受信側フィルタ102の一端はインダクタを介して受信側端子Rxに接続され、他端はアンテナ端子Antと接続されている。尚、図中の薄膜圧電共振器に付された値は、薄膜圧電共振器の面積を正方形に換算した場合における一辺の長さを表している。例えば、151μmとは、一辺が151μmの正方形の面積と同じ面積を有する薄膜圧電共振器を示している。
図16に示すように、デュプレクサ200には送信側フィルタ201と受信側フィルタ102とが設けられている。図15と図16とでは、送信側フィルタ201のみが異なるので、同様の部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図15に示すように、送信側フィルタ101のアンテナ端子Antに最も近い並列接続部の薄膜圧電共振器の面積(151μm)が、残りの2つの薄膜圧電共振器の面積(200μm、185μm)よりも小さいので、これを等分割したものが図16に示す送信側フィルタ201のアンテナ端子Antに最も近い並列接続部の薄膜圧電共振器(212μm)である。
図15に示すように、送信側フィルタ101のアンテナ端子Antに最も近い並列接続部の薄膜圧電共振器の面積(151μm)が、残りの2つの薄膜圧電共振器の面積(200μm、185μm)よりも小さいので、これを等分割したものが図16に示す送信側フィルタ201のアンテナ端子Antに最も近い並列接続部の薄膜圧電共振器(212μm)である。
前述のように、送信側フィルタ101のアンテナ端子Antに最も近い並列接続部の薄膜圧電共振器を等分割しても、合成容量の値は分割前の薄膜圧電共振器と同じであるため、回路のインピーダンス設計上の問題を生じることがない。
そして、薄膜圧電共振器の面積が大きくなるため、寄生容量部からの振動エネルギーの散逸量が、共振器部に閉じ込められている振動エネルギーに対して相対的に低下し、反共振点におけるQ値(Qa)が向上する。また、薄膜圧電共振器を組み合わせたラダー型フィルタ回路においては、並列接続部の薄膜圧電共振器の反共振周波数が通過帯域のほぼ中央に位置している。そのため、反共振点のQ値(Qa)を向上させることで、共振器フィルタの挿入損失を低下させることができる。
このように本実施の形態によれば、周波数特性を維持したまま挿入損失の少ないデュプレクサを得ることができる。
尚、送信側フィルタ101のアンテナ端子Antに最も近い並列接続部の薄膜圧電共振器を分割することとしたが、これに限定されるわけではなく、分割対象となる薄膜圧電共振器、分割数などは適宜選択することができる。
尚、送信側フィルタ101のアンテナ端子Antに最も近い並列接続部の薄膜圧電共振器を分割することとしたが、これに限定されるわけではなく、分割対象となる薄膜圧電共振器、分割数などは適宜選択することができる。
ただし、デュプレクサの機能上、送信側フィルタに最も面積の小さな薄膜圧電共振器が使われることが多く、これを分割するようにすれば周波数特性を維持したまま挿入損失を低下させることができる。
また、図11で説明をした質量負荷部20を薄膜圧電共振器に備えるものとすれば、主電極4aから基板2へ漏れる振動エネルギーを抑制することができ、反共振周波数におけるQ値(Qa)を向上させることができる。その結果、デュプレクサの挿入損失を小さくすることができる。
また、図5〜図9で説明をしたように、薄膜圧電共振器の近傍に放熱端子を設け、この放熱端子を介して発生した熱を放熱させるようにすれば、薄膜圧電共振器の温度上昇を抑制することができるので、デュプレクサの動作安定性や信頼性の向上を図ることができる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
例えば、本発明に係る共振器フィルタは、デュプレクサに用いられるもののみならず、増幅器の前段に用いられるバンドパスフィルタなどにも適用させることができる。
例えば、本発明に係る共振器フィルタは、デュプレクサに用いられるもののみならず、増幅器の前段に用いられるバンドパスフィルタなどにも適用させることができる。
また、前述の具体例に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、例示をした共振器フィルタやデュプレクサなどが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各具体例が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の要旨を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 共振器フィルタ、1a〜1d 共振器フィルタ、2 基板、3 キャビティ、4a 主電極、4b 圧電膜、4c 主電極、5 接続部、5a 接続部、6 基板、7 貫通電極、7a 放熱スルーホール、8 端子、8a 端子、9 封止部、10 多層基板、11 回路基板、16 接続用パッド、16a 接続用パッド、18 共振器部、19 寄生容量部、20 質量負荷部、100 デュプレクサ、101 送信側フィルタ、102 受信側フィルタ
Claims (5)
- 第1の主面上に薄膜圧電共振器と放熱端子とを有する第1の基板と、
前記第1の基板の前記第1の主面と対向して前記薄膜圧電共振器との間に空間を介して設けられ、厚み方向に貫通するスルーホールを有する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記空間を気密に封止する封止部と、
前記放熱端子と前記スルーホールとを接続する第1の接続部と、
を備えたことを特徴とする共振器フィルタ。 - 前記放熱端子は、前記薄膜圧電共振器と電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1記載の共振器フィルタ。
- 前記第1の基板は、前記薄膜圧電共振器に接続された主電極を有し、
前記第2の基板は、厚み方向に貫通する貫通電極をさらに有し、
前記共振器フィルタは、前記主電極と前記貫通電極とを接続する第2の接続部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の共振器フィルタ。 - 前記第1の基板には複数の前記薄膜圧電共振器が設けられ、前記放熱端子は、前記複数の前記薄膜圧電共振器のうちで最も発熱量の多い薄膜圧電共振器との間隔が最も小さい位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の共振器フィルタ。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の共振器フィルタを備えたことを特徴とするデュプレクサ。
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-
2007
- 2007-04-04 JP JP2007098183A patent/JP2008258882A/ja active Pending
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