JP2015207456A - 真空バルブ用接点材料及び真空バルブ - Google Patents

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【課題】進み小電流遮断性能に優れた真空バルブ用接点材料を提供する。
【解決手段】真空バルブ用接点材料1は、ベース材2とベース材2上に形成された接触層3とを有する。ベース材2は、Cr粒子4、並びにNb粒子及びTa粒子から選択される少なくとも1つの金属粒子5がCu母材6中に分散した組織構造を有する。接触層3は、粒径が1μm以下であるCr微粒子7、並びに粒径が1μm以下であり且つCrNb微粒子及びCrTa微粒子から選択される少なくとも1つの金属間化合物微粒子8がCu母材6中に分散した組織構造を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空遮断器などに使用される真空バルブ用接点材料及び真空バルブに関する。
真空遮断器の大容量化、高耐圧化及び小型化に伴い、真空遮断器に搭載される真空バルブの性能向上が要求されている。真空バルブは、高真空に保たれた絶縁容器内で、固定電極と可動電極とが同軸対向配置された構造を有しており、過負荷電流又は短絡電流が発生した際に、これらの電極を瞬時に開極することで電流を遮断する。このような真空バルブの固定電極及び可動電極の接触部に使用される接点材料には、遮断性能、耐電圧性能及び耐溶着性能が主に要求される。接点材料に要求されるこれらの性能は、互いに相反する性質を有するため、接点材料を単一の元素からなる材料を用いて製造することは難しい。そのため、従来の接点材料は、二種以上の元素を組み合わせた材料を用いて製造されている。
遮断性能及び耐電圧性能に優れた接点材料としては、一般に、Cu−Cr合金が知られている。また、耐電圧性能を更に向上させた接点材料として、Cuと、Crと、Fe、Co、Nb、Ta、Mo、Wなどの補助成分とを含有する合金が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−192992号公報
しかしながら、特許文献1などの従来の接点材料は、表面の硬さが十分でないため、進み小電流遮断性能(無負荷送電線の充電電流、コンデンサの負荷電流などの容量性小電流の遮断性能)が十分でないという問題がある。すなわち、従来の接点材料は、進み小電流遮断において、接点の溶着を引き剥がす際に溶着痕が引き延ばされるため、接点の表面凹凸が大きくなる。その結果、溶着痕の先端部で電界集中が生じ、耐電圧性能が低下するという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、進み小電流遮断性能に優れた真空バルブ用接点材料、及び当該特性を有する真空バルブ用接点材料からなる接点を有する真空バルブを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究した結果、粒径が1μm以下である、Cr微粒子及び特定の金属間化合物微粒子をCu母材中に分散した接触層を接点材料の表面に形成することで、接点材料の表面の硬さを高め、接点の溶着を引き剥がす際の溶着痕の引き延ばしを抑制することができることを見出した。
すなわち、本発明は、Cr粒子、並びにNb粒子及びTa粒子から選択される少なくとも1つの金属粒子がCu母材中に分散したベース材と、前記ベース材上に形成された接触層であって、粒径が1μm以下であるCr微粒子、並びに粒径が1μm以下であり且つCrNb微粒子及びCrTa微粒子から選択される少なくとも1つの金属間化合物微粒子がCu母材中に分散した接触層とを有することを特徴とする真空バルブ用接点材料である。
また、本発明は、上記の真空バルブ用接点材料からなる接点を有することを特徴とする真空バルブである。
本発明によれば、進み小電流遮断性能に優れた真空バルブ用接点材料、及び当該特性を有する真空バルブ用接点材料からなる接点を有する真空バルブを提供することができる。
実施の形態1の接点材料の断面模式図である。 実施の形態2の真空バルブの断面模式図である。
以下、本発明の真空バルブ用接点材料及び真空バルブの好適な実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態の真空バルブ用接点材料(以下、「接点材料」と省略する。)の断面模式図である。
図1に示すように、接点材料1は、ベース材2と、ベース材2上に形成された接触層3とを有する。ベース材2は、Cr粒子4及び金属粒子5がCu母材6中に分散した組織構造を有する。また、接触層3は、Cr微粒子7及び金属間化合物微粒子8がCu母材6中に分散した組織構造を有する。なお、ベース材2及び接触層3には、原料に含まれる微量の不可避的不純物(Ag、Al、Fe、Si、Pなど)が含有されていてもよい。
ベース材2におけるCr粒子4及び金属粒子5は、接点材料1に耐電圧性能を付与する成分である。
金属粒子5としては、Nb粒子、Ta粒子又はこれらの組み合わせが用いられる。このような金属粒子5を用いることにより、耐電圧性能を向上させると同時に、ベース材2を表面処理することによってベース材2上に特定の組織構造を有する硬い接触層3を形成することができる。
ベース材2におけるCr粒子4、金属粒子5及びCu母材6の含有量は、要求される特性に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。耐電圧性能と遮断性能とを両立させる観点からは、Cr粒子4の含有量が、好ましくは15質量%〜55質量%、より好ましくは20〜50質量%であり、金属粒子5の含有量が、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%であり、Cu母材6の含有量が、好ましくは25〜84質量%、より好ましくは35〜77質量%である。
Cr粒子4及び金属粒子5の粒径は、特に限定されないが、好ましくは1μm超過100μm以下、より好ましくは10μm〜80μmである。ここで、本明細書において「Cr粒子4及び金属粒子5の粒径」とは、所定の目空き径を有する篩を通して決定される粒径のことを意味する。
ベース材2の作製方法としては、特に限定されず、溶浸法、粉末冶金法、鋳造法などの当該技術分野において公知の方法を用いることができる。また、ベース材2は、原料粉末を放電プラズマ焼結させた後、熱処理を施すことによって作製してもよい。なお、ベース材2は、所望の接点形状とするために機械加工を施すことが好ましい。
例えば、溶浸法を用いる場合、Cr粒子4から成るCr粉末、金属粒子5から成る金属粉末、及び任意につなぎ材としてCu粉末を混合し、成形及び焼結して多孔質焼結体を得た後、多孔質焼結体にCu溶浸することによって作製することができる。
粉末の成形方法としては、特に限定されないが、例えば、粉末を加圧成形機の金型に充填し、所定の圧力で加圧成形すればよい。加圧成形時の圧力としては、特に限定されないが、好ましくは100MPa以上150MPa以下である。
成形後の焼結方法としては、特に限定されないが、成形体を真空又は水素雰囲気などの非酸化性雰囲気中で1100℃以上1200℃以下の焼結温度に加熱すればよい。焼結温度が1100℃未満であると、焼結が不十分となり、接点材料1が脆くなることがある。一方、焼結温度が1200℃を超えると、粉末(特に、Cu粉末)が溶融して形状維持性が低下してしまうことがある。また、焼結時間は、作製する接点材料1の大きさ等に応じて適宜調整すればよく、特に限定されない。
Cu溶浸は、水素ガスなどの還元性ガス雰囲気下で、Cuの融点(1083℃)以上に加熱することによって行う。ここで、加熱温度が1200℃を超えると、溶融Cuの表面張力が低くなり、溶浸性が低下することがある。そのため、加熱温度は、Cuの融点以上1200℃以下に設定することが好ましい。なお、溶浸時間としては、多孔質焼結体中の空孔全体に溶融Cuを浸透させるのに十分な時間であれば特に限定されないが、一般に2時間以上3時間以下である。
接触層3は、接点材料1からなる接点を真空バルブに配置した場合に、真空バルブの開閉操作によって接点同士が接触する部分となる層である。一般に、接触層3の表面の硬さが十分でないと、進み小電流遮断において、接点の溶着を引き剥がす際に溶着痕が引き延ばされるため、接点の表面凹凸が大きくなる。その結果、溶着痕の先端部で電界集中が生じ、耐電圧性能が低下する。
これに対して、本実施の形態の接点材料1に形成される接触層3は、Cr微粒子7及び金属間化合物微粒子8がCu母材6中に分散した組織構造を有しているため、ベース材2に比べて表面が硬くなる。すなわち、接触層3は、柔らかいCu母材6中に、Cu母材6よりも硬いCr微粒子7及び金属間化合物微粒子8が微細に分散しているため、ベース材2よりも表面が硬くなる。このような硬い表面を有する接触層3を有する接点材料1であれば、進み小電流遮断において、接点の溶着を引き剥がす際の溶着痕の引き延ばしを抑制し、耐電圧性能の低下を防止することができる。
接触層3におけるCr微粒子7は、接点材料1に耐電圧性能を付与する成分である。また、接触層3における金属間化合物微粒子8は、接点材料1に耐電圧性能を付与すると共に、接触層3の硬さを高める成分である。
金属間化合物微粒子8としては、CrNb微粒子、CrTa微粒子又はこれらの組み合わせが用いられる。このような金属間化合物微粒子8を用いることにより、接点の溶着を引き剥がす際の溶着痕の引き延ばしを抑制し、耐電圧性能の低下を防止することができる。
接触層3におけるCr微粒子7、金属間化合物微粒子8及びCu母材6の含有量は、要求される特性に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。耐電圧性能と遮断性能とを両立させると同時に、進み小電流遮断性能を向上させる観点からは、Cr微粒子7の含有量が、好ましくは15〜55質量%、より好ましくは20〜50質量%であり、金属間化合物微粒子8の含有量が、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%であり、Cu母材6の含有量が、好ましくは25〜84質量%、より好ましくは35〜77質量%である。
Cr微粒子7及び金属間化合物微粒子8の粒径は、所望の硬さ及び進み小電流遮断性能を得る観点から、1μm以下、好ましくは10nm以上1μm以下である。ここで、本明細書において「Cr微粒子7及び金属間化合物微粒子8の粒径」とは、電子顕微鏡写真、特にSEMにおいて測定されるCr微粒子7及び金属間化合物微粒子8の粒径のことを意味する。Cr微粒子7及び金属間化合物微粒子8の粒径が1μmを超えると、接触層3の硬さが十分ではなく、進み小電流遮断性能が低下する。
接触層3の厚さは、特に限定されないが、好ましくは100μm以下、より好ましくは10μm以上100μm以下である。接触層3の厚さが100μmを超えると、金属間化合物微粒子8の粒径が大きくなる傾向にあり、所望の硬さ及び進み小電流遮断性能の低下を抑制することができない場合がある。
接触層3は、ベース材2の表面をアーク溶解することによって形成することができる。例えば、ベース材2の表面をアークに曝し、ベース材2の成分(Cr粒子4、金属粒子5及びCu母材6)を溶解した後に急冷凝固させる。アーク溶解は、接触層3中へのガスの混入を防止する観点から、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。アーク溶解により、ベース材2の表面の組織が微細化され、Cr微粒子7及び金属間化合物微粒子8がCu母材6中に分散した状態となる。
なお、アーク溶解の際の条件は、使用するアーク溶解装置の種類などに依存するため、使用するアーク溶解装置の種類に応じて適宜設定する必要がある。
また、アーク溶解は、ベース材2を真空バルブに配置し、真空バルブにおいて生じるアークを利用することによって行うこともできる。具体的には、真空バルブの固定接点及び可動接点としてベース材2を取り付け、電流を遮断する際に発生するアークを利用してベース材2の表面をアーク溶解すればよい。アーク溶解は、電流遮断時にアノード側で起こるため、固定接点及び可動接点の両方に接触層3を形成する場合には、極性を切り替えて電流を遮断する。このような方法を用いることにより、接点材料1が取り付けられる真空バルブにおいて接触層3を有する接点材料1を作製することができるため、アーク溶解装置などを用いて接点材料1を別途作製する場合に比べて製造効率が高い。
なお、真空バルブにおいてベース材2の表面をアーク溶解する場合、アーク溶解の程度は、遮断する電流の大きさに依存する。遮断する電流の大きさは、真空バルブの種類によって異なるため、使用する真空バルブの種類に応じて適宜設定する必要がある。
上記のような特徴を有する本実施の形態の接点材料1は、粒径が1μm以下である、Cr微粒子7及び金属間化合物微粒子8をCu母材6中に分散した接触層3をベース材2の表面に形成することで表面の硬さを高めているので、進み小電流遮断において、接点の溶着を引き剥がす際の溶着痕の引き延ばしを抑制し、耐電圧性能の低下を防止することができる。
実施の形態2.
本実施の形態の真空バルブは、実施の形態1の接点材料1からなる接点を有することを特徴とする。
以下、本実施の形態の真空バルブについて図面を用いて説明する。
図2は、本実施の形態の真空バルブの断面模式図である。図2において、真空バルブ10は、遮断室11を内部に備えている。遮断室11は、円筒状に形成された絶縁容器12と、封止金具13a,13bによって絶縁容器12の両端に固定された金属蓋14a,14bとから区画形成され、真空密封されている。遮断室11内には、固定電極棒15と可動電極棒16とが、互いに対向するように設けられている。固定電極棒15及び可動電極棒16の対向面には、固定電極17及び可動電極18がそれぞれロウ付けによって取り付けられている。固定電極17と可動電極18との接触部には、固定接点19及び可動接点20がそれぞれロウ付けによって取り付けられている。可動電極棒16には、遮断室11の内部を真空気密に保持しながら、可動電極18を軸方向に移動可能とするベローズ21が取り付けられている。ベローズ21の上部には、ベローズ21にアーク蒸気が付着することを防止するために、金属製のベローズ用アークシールド22が設けられている。また、遮断室11内には、絶縁容器12がアーク蒸気で覆われることを防止するために、固定電極17及び可動電極18を覆うように、金属製の絶縁容器用アークシールド23が設けられている。
上記のような構成を有する真空バルブ10において、固定接点19及び可動接点20が実施の形態1の接点材料1を用いて形成される。実施の形態1の接点材料1は、粒径が1μm以下である、Cr微粒子7及び金属間化合物微粒子8をCu母材6中に分散した接触層3をベース材2の表面に形成することで表面の硬さを高めているので、真空バルブ10は、進み小電流遮断において、接点の溶着を引き剥がす際の溶着痕の引き延ばしを抑制し、耐電圧性能の低下を防止することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明の詳細を説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
目空き径45μmのふるいに通して45μm以下の粒径としたCr粉末、Nb粉末及びCu粉末(つなぎ材)を混合した後、金型内に充填して140MPaの圧力で加圧成形した。次に、成形体を水素ガス雰囲気中、1190℃で3時間焼結させることによって多孔質焼結体を得た。次に、多孔質焼結体の表面にCu板を配置し、水素ガス雰囲気中、1090℃で加熱し、Cu板を溶解して多孔質焼結体の内部に浸透させることによってベース材を得た。
次に、ベース材を外径25mm、厚さ8mmの大きさに機械加工した後、図2に示す真空バルブの固定接点19及び可動接点20として取り付けた。次に、真空バルブにおいて、電流を遮断する際に発生するアークを利用してベース材の表面をアーク溶解して接触層を形成させた。ここで、電流を10kA、電流の遮断を5回以上としてアーク溶融を行った。また、固定接点19及び可動接点20の両方の接点材料に接触層を形成させるために、極性を切り替えて電流を遮断した。
(実施例2)
アーク溶融を行う際、遮断する電流の大きさを実施例1の0.8倍としたこと以外は実施例1と同様にして接点材料及び真空バルブを作製した。
(実施例3)
アーク溶融を行う際、遮断する電流の大きさを実施例1の0.6倍としたこと以外は実施例1と同様にして接点材料及び真空バルブを作製した。
(実施例4及び5)
実施例1で用いた原料粉末の配合割合を変えて所定の組成のベース材を作製した。このベース材を用いたこと以外は実施例1と同様にして接点材料及び真空バルブを作製した。
(実施例6)
原料粉末として、Nb粉末の代わりにTa粉末(粒径45μm以下)を用いたこと以外は実施例1と同様にして接点材料及び真空バルブを作製した。
(実施例7)
アーク溶融を行う際、遮断する電流の大きさを実施例6の0.8倍としたこと以外は実施例6と同様にして接点材料及び真空バルブを作製した。
(実施例8)
アーク溶融を行う際、遮断する電流の大きさを実施例6の0.6倍としたこと以外は実施例6と同様にして接点材料及び真空バルブを作製した。
(実施例9及び10)
実施例6で用いた原料粉末の配合割合を変えて所定の組成のベース材を作製した。このベース材を用いたこと以外は実施例6と同様にして接点材料及び真空バルブを作製した。
(比較例1)
実施例1で作製したベース材を接点材料として用いた。
(比較例2)
実施例6で作製したベース材を接点材料として用いた。
(比較例3)
アーク溶融を行う際、遮断する電流の大きさを実施例1の約1.2倍としたこと以外は実施例1と同様にして接点材料及び真空バルブを作製した。
(比較例4)
アーク溶融を行う際、遮断する電流の大きさを実施例6の約1.2倍としたこと以外は実施例6と同様にして接点材料及び真空バルブを作製した。
(比較例5)
アーク溶融を行う際、遮断する電流の大きさを実施例1の2.0倍としたこと以外は実施例1と同様にして接点材料及び真空バルブを作製した。
(比較例6)
アーク溶融を行う際、遮断する電流の大きさを実施例6の2.0倍としたこと以外は実施例6と同様にして接点材料及び真空バルブを作製した。
(比較例7)
目空き径45μmのふるいに通して45μm以下の粒径としたCr粉末及びCu粉末(つなぎ材)を混合した後、金型内に充填して140MPaの圧力で加圧成形した。次に、成形体を水素ガス雰囲気中、1190℃で3時間焼結させることによって多孔質焼結体を得た。次に、多孔質焼結体の表面にCu板を配置し、水素ガス雰囲気中、1090℃で加熱し、Cu板を溶解して多孔質焼結体の内部に浸透させることによって接点材料を得た。次に、接点材料を外径25mm、厚さ8mmの大きさに機械加工した。
上記で作製した接点材料を有する真空バルブにおいて、進み小電流遮断性能を評価した。進み小電流遮断性能の評価は、発弧電流積分値を2As、遮断電流を200A、回復電圧を120kVとし、進み小電流を100回遮断したときの再点弧発生回数によって評価した。
また、真空バルブに用いた接点材料について、GD−OES(グロー放電発光分析)を用いて表面の接触層の組成を同定すると共に、SEMを用いて接触層の厚さ及び接触層に分散した微粒子の最大粒子径を測定した。ここで、接触層に分散した微粒子の最大粒子径とは、Cr微粒子、CrNb微粒子又はCrTa微粒子の中で最も大きな微粒子の粒子径を意味する。
上記の評価結果を表1に示す。
Figure 2015207456
表1において、実施例1の「50Cu−45Cr−5Nb」というベース材の組成は、ベース材が、50質量%のCu母材、45質量%のCr粒子、及び5質量%のNbからなることを意味する。同様に、実施例1の「50Cu−40Cr−10CrNb」という接触層の組成は、接触層が、50質量%のCu母材、40質量%のCr微粒子、10質量%のCrNb微粒子からなることを意味する。
表1に示されているように、実施例1〜10の接点材料は、接触層に分散された微粒子の最大粒径が1μm以下である微細化組織を有しており、再点弧発生回数が少なかった。
これに対して比較例1、2及び7の接点材料は、接触層を形成しなかったため、再点弧発生回数が多くなった。これは、接点材料の表面に柔らかいCu母材が多く露出しており、接点の溶着を引き剥がす際にCu母材において溶着痕が引き延ばされてしまったためであると考えられる。
比較例3〜6の接点材料は、接触層が所望の微細化組織を有していないため、再点弧発生回数が多くなった。これは、接触層に分散された微粒子の最大粒径が1μmよりも大きく、接触層における微粒子の分散性が低下したため、接点の溶着を引き剥がす際にCu母材において溶着痕が引き延ばされてしまったためであると考えられる。
上記の結果を検討すると、接触層に分散された微粒子の最大粒径と、接触層の厚さとの間には相関があり、接触層が厚くなりすぎると、接触層に分散された微粒子の最大粒径が大きくなる傾向にある。したがって、接触層に分散された微粒子の粒径を1μm以下にするためには、接触層の厚さを100μm以下とすることが好ましいと考えられる。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、進み小電流遮断性能に優れた真空バルブ用接点材料、及び当該特性を有する真空バルブ用接点材料からなる接点を有する真空バルブを提供することができる。
1 接点材料、2 ベース材、3 接触層、4 Cr粒子、5 金属粒子、6 Cu母材、7 Cr微粒子、8 金属間化合物微粒子、10 真空バルブ、11 遮断室、12 絶縁容器、13a、13b 封止金具、14a、14b 金属蓋、15 固定電極棒、16 可動電極棒、17 固定電極、18 可動電極、19 固定接点、20 可動接点、21 ベローズ、22 ベローズ用アークシールド、23 絶縁容器用アークシールド。

Claims (5)

  1. Cr粒子、並びにNb粒子及びTa粒子から選択される少なくとも1つの金属粒子がCu母材中に分散したベース材と、
    前記ベース材上に形成された接触層であって、粒径が1μm以下であるCr微粒子、並びに粒径が1μm以下であり且つCrNb微粒子及びCrTa微粒子から選択される少なくとも1つの金属間化合物微粒子がCu母材中に分散した接触層と
    を有することを特徴とする真空バルブ用接点材料。
  2. 前記接触層の厚さが100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ用接点材料。
  3. 前記接触層において、前記Cr微粒子の含有量が20質量%以上50質量%以下、前記金属間化合物微粒子の含有量が1質量%以上20質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空バルブ用接点材料。
  4. 前記ベース材におけるCr粒子及び金属粒子の粒径が1μm超過100μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の真空バルブ用接点材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の真空バルブ用接点材料からなる接点を有することを特徴とする真空バルブ。
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