JP2015206221A - 吊り天井用ブレース材の取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】地震等の揺れによる圧縮力(捻れ力)がブレース材に加わっても、圧縮力(捻れ力)に抗する耐震性を有するブレース材の取付構造を提供する。【解決手段】上部構造体から垂下される吊りボルト3の上端部と天井部材に架設されるブレース材4の上端部に設けられる接続プレート10と、吊りボルトと接続プレートを挟持し、吊りボルトが当接する面に断面円弧状の溝部21を設けた一対のクランプ材20と、吊りボルトと接続プレートを挟持した状態でクランプ材同士を締結するボルト30及びナット40と、を備えるブレース材の取付構造であって、溝部の曲率半径を吊りボルトの曲率半径よりも小さくすると共に、クランプ材が吊りボルトを挟持して溝部の開口縁部が吊りボルトに接触した際のクランプ材同士の隙間を接続プレートの厚さよりも大きくし、ボルト及びナットによりクランプ材同士を締結して溝部の両開口縁部に吊りボルトのねじ部3aを噛み込ませる。【選択図】 図4
Description
この発明は、吊り天井用ブレース材の取付構造に関するものである。
従来から天井を構築する方法として、天井を構成する部材を上階床スラブや屋上スラブ等の上部構造体から垂下された吊りボルトの下端部に吊り下げ支持させることにより構築させる、いわゆる吊り天井が知られている。
近年、耐震性に関する意識の高まりと共に、この吊り天井に補強材としてブレース材を設ける方法が提示されている。
この種の吊り天井用ブレース材の取付構造として、天井構造体から垂下された吊りボルトに取り付けられるブレース連結具において、係止歯部を設けた係止部材と、連結部材とを有し、上記連結部材の連結部が吊りボルトに沿う下向きの状態では、押圧部は吊りボルトを係止体に押し当てず、上記係止部材は上記連結部材と共に吊りボルトに対して上下移動が可能となり、上記連結部材の上記連結部を吊りボルトから離れる方向に回動させると、上記連結部材の上記押圧部が吊りボルトを上記係止体に押し当て、この係止体の係止歯部が吊りボルトのねじ部と噛み合い係止され、上記係止部材が上記連結部材と共に吊りボルトに固定される構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、別の吊り天井用ブレース材の取付構造として、天井を支持する吊りボルトに取り付けられる取付部材と、該取付部材を吊りボルトに取り付けると共にブレース材の端部を取付部材に取り付けるためのボルト及びナットとを備え、上記取付部材は、吊りボルトを挟み込んで互いに向かい合うように配置される一対の板状部品により形成され、当該板状部品は、断面半円弧状の吊りボルト挿入凹部を備えると共に、ボルト通し孔を備え、上記吊りボルト挿入凹部の凹壁には、吊りボルトのねじ山が入り込むねじ山挿入溝が形成された構造のものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、地震等の揺れの力が吊り天井に加わると、ブレース材には引張力だけでなく圧縮力が加わり、吊りボルトとブレース材の取付部に捻れ作用が生じる。ここで、この捻れ作用を捻れ力という。この圧縮力(捻れ力)がブレース材に加わると、特許文献1に記載されたブレース材の取付構造では、吊りボルトに取り付けられる部材(係止部材及び連結部材)が、吊りボルトに対して回転してしまい、圧縮力(捻れ力)に抗しきれなくなる懸念がある。また、圧縮力(捻れ力)により連結部材が吊りボルトに近づく方向に回動して吊りボルトとの固定が不十分となる懸念がある。
また、特許文献2に記載されたブレース材の取付構造においては、圧縮力(捻れ力)がブレース材に加わると、吊りボルトに取り付けられる部材(取付部材)が、吊りボルトに対して回転しまい、圧縮力(捻れ力)に抗しきれなくなる懸念がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、地震等の揺れによる圧縮力(捻れ力)がブレース材に加わっても、吊りボルトに対して回転せず、圧縮力(捻れ力)に抗する耐震性を有するブレース材の取付構造を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、この発明に係る吊り天井用ブレース材の取付構造は、上部構造体から垂下されて天井部材を吊り下げ支持する複数の吊りボルトを備える吊り天井において、上記吊りボルトの上端部と上記天井部材に架設されるブレース材を備え、上記ブレース材の上端部に設けられる接続プレートと、上記吊りボルトの上端部に取り付けられて該吊りボルトと上記接続プレートを挟持すると共に、上記吊りボルトが当接する面にそれぞれ断面円弧状の溝部を設けた一対のクランプ材と、上記吊りボルトと上記接続プレートを挟持した状態で上記クランプ材同士を締結するボルト及びナットと、を備える吊り天井用ブレース材の取付構造であって、 上記溝部の曲率半径を上記吊りボルトの曲率半径よりも小さくすると共に、上記クランプ材が上記吊りボルトを挟持して溝部の開口縁部が吊りボルトに接触した際のクランプ材同士の隙間を上記接続プレートの厚さよりも大きくし、上記ボルト及びナットにより上記クランプ材同士を締結して上記溝部の両開口縁部に上記吊りボルトのねじ部を噛み込ませる、ことを特徴とする(請求項1)。
このように構成することにより、一対のクランプ材の溝部間に吊りボルトを挟持すると共に、一対のクランプ材間にブレース材に設けられた接続プレートを挟持した状態で、ボルト及びナットによりクランプ材同士を締結することで、溝部の両開口縁部を吊りボルトのねじ部に噛み込ませて固定することができる。これにより、地震等の揺れによるブレース材の圧縮力(捻れ力)によってクランプ材に左右いずれかに回転力が加わった際でも、クランプ材が回転する際に吊りボルトのねじ部による溝部へのねじ切り作用が生じる。このねじ切り作用による抵抗により、クランプ材の回転が妨げられ、ブレース材は圧縮力(捻れ力)に抗することが可能となる。
この発明において、上記クランプ材の上面を上記上部構造体又は上記吊りボルトに螺合された上部ナットに当接させ、上記クランプ材の下面に上記吊りボルトに螺合されたロックナットを当接させるのが好ましい(請求項2)。
このように構成することにより、クランプ材の上下部を上部構造体又は上記吊りボルトに螺合された上部ナットとロックナットとで挟持・固定するので、クランプ材の上下移動を確実に防止することができる。
また、この発明において、上記クランプ材は上記吊りボルトよりも軟質の材料からなるのが好ましい(請求項3)。この場合、吊りボルトは一般に鋼製あるいはステンレス製部材にて形成されているので、クランプ材の材質としては、鋼あるいはステンレスよりも軟質な材料、例えばアルミニウム合金、真鍮あるいは合成樹脂(例えば、硬質塩化ビニル,ポリスチレン,ポリエチレン,ナイロン,ポリアセタール)等を使用することができる。なお、クランプ材には溝部が設けられるので、クランプ材をアルミニウム合金製押出形材にて形成するのが好ましい。その理由は、クランプ材をアルミニウム合金製押出形材にて形成することにより、クランプ材の長さを任意に加工することができ、ブレース材に作用する圧縮力(捻れ力)に対する抵抗力の調整が可能となるからである。
このように構成することにより、吊りボルトのねじ部のクランプ材への噛み込みを容易にすることができる。
この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような顕著な効果が得られる。
(1)請求項1に記載の発明によれば、地震等の揺れによるブレース材の圧縮力(捻れ力)によってクランプ材に左右いずれかに回転力が加わっても、クランプ材が回転する際に吊りボルトのねじ部による溝部へのねじ切り作用が生じ、このねじ切り作用による抵抗により、クランプ材の回転が妨げられ、ブレース材は圧縮力(捻れ力)に抗するので、耐震性の向上が図れる。
(2)請求項2に記載の発明によれば、クランプ材の上下部を上部構造体又は吊りボルトに螺合された上部ナットとロックナットとで挟持・固定して、クランプ材の上下移動を防止することができるので、上記(1)に加えて更に耐震性の向上が図れる。
(3)請求項3に記載の発明によれば、吊りボルトのねじ部のクランプ材への噛み込みを容易にすることができるので、上記(1),(2)に加えて更にクランプ材の回転阻止が確実となり、耐震性の向上が図れる。
以下に、この発明を実施するための形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1に示すように、吊り天井は、上階床部や屋上スラブ等の上部構造体1から垂下されて天井部材2を吊り下げ支持する複数の鋼製あるいはステンレス製の吊りボルト3を備えており、所定の間隔をおいて垂下されたこれら吊りボルト3における隣接する一方の吊りボルト3の上端部と隣接する他方の吊りボルト3の下端部側の天井部材2にブレース材4が架設されている。
図1に示すように、吊り天井は、上階床部や屋上スラブ等の上部構造体1から垂下されて天井部材2を吊り下げ支持する複数の鋼製あるいはステンレス製の吊りボルト3を備えており、所定の間隔をおいて垂下されたこれら吊りボルト3における隣接する一方の吊りボルト3の上端部と隣接する他方の吊りボルト3の下端部側の天井部材2にブレース材4が架設されている。
第1実施形態では、一つの吊りボルト3に対して隣接する両側の吊りボルト3の上端部と中央の吊りボルト3の下端部側の天井部材2にそれぞれブレース材4が架設されている。
この場合、天井部材2は、吊りボルト3の下端部に取り付けられる梁吊り金具5によって水平に支持される天井補強梁6と、天井補強梁6に取り付けられるパネル固定金具7によって水平状態に取り付けられる断熱性を有する天井パネル8とで構成されている。ブレース材4は天井補強梁6に固定されている。
上記ブレース材4は、図2に示すように、例えば、断面略C型のチャンネル材にて形成されており、ブレース材4の上端部の側片に固定ねじ9によって接続プレート10が設けられている。接続プレート10は、ブレース材4に固定される矩形状の固定部11と、ブレース材4から突出する固定部11の一辺からブレース材4の長手方向に延在する先端に円弧部を有する略三角状の取付部12とからなり、取付部12には後述するボルト30を貫挿する貫通孔13が設けられている。
上記吊りボルト3の上端部には、吊りボルト3と接続プレート10を挟持する一対のクランプ材20が、ボルト30及びナット40の締結によって取り付けられる。
クランプ材20は、吊りボルト3と当接する面の中央に断面半円弧状の溝部21を有する矩形板状に形成されており、溝部21に関して左右の対称位置にはボルト30の挿通孔22が設けられている。この場合、図3に示すように、溝部21の曲率半径R2は吊りボルト3の曲率半径R1よりも小さく形成されている。
このように、溝部21の曲率半径R2を吊りボルト3の曲率半径R1よりも小さく形成することにより、一対のクランプ材20間に吊りボルト3と接続プレート10を挟持し、ボルト30及びナット40を締結すると、溝部21の両開口縁と吊りボルト3のねじ部3aとが接触し、噛み込みが生じる。
なお、噛み込みを生じさせるために、クランプ材20が吊りボルト3を挟持して溝部21の開口縁部が吊りボルト3に接触した際のクランプ材20同士の隙間Sは、接続プレート10の厚さTよりも大きく形成されている(図3(a)参照)。
上記のように形成されるクランプ材20は、鋼製あるいはステンレス製の吊りボルト3より軟質の材料であるアルミニウム合金(具体的には、合金番号6061−T6,6063−T5,6N01−T5等の耐食性合金)製押出形材にて形成されている。ここで、T5は、高温加工から冷却後人工時効硬化処理したものを意味し、T6は、溶体化処理後焼入れし、人工時効硬化処理したものを意味する。なお、クランプ材20の表面に酸化被膜を施す方がよい。酸化被膜は不導体であるため、鋼製あるいはステンレス製の吊りボルト3との電位差による電気腐食を防止することが可能となる。
また、吊りボルト3の上端部に取り付けられるクランプ材20の上面は上部構造体1の下面に当接され、クランプ材20の下面には、吊りボルト3に螺合されるロックナット60が当接されている。
上記のように構成された吊りボルト3とブレース材4とを取り付けるには以下のようにして行うことができる。まず、両クランプ材20の溝部21間に吊りボルト3を位置させると共に、両クランプ材20の溝部21に対して一方の側片部間に接続プレート10の取付部12を位置させて両クランプ材20を対峙させる。なお、両クランプ材20の溝部21に対して他方の側片部間に座金あるいは角座やリング状のスペーサ(図では座金50を示す)を介在させる。この状態においては、クランプ材20が吊りボルト3を挟持して溝部21の開口縁部が吊りボルト3に接触した際のクランプ材20同士の隙間Sは、接続プレート10の厚さTよりも大きくなっている(図3(a)参照)。
上記のようにして、両クランプ材20間に吊りボルト3と接続プレート10を挟持した状態で、クランプ材20の一方の側片部において、ボルト30を、座金50aを介在してクランプ材20の挿通孔22と接続プレート10の挿通孔13に挿通し、ボルト30の突出部に座金50bを介在してナット40を締結する。また、クランプ材20の他方の側片部において、ボルト30を、座金50cを介在してクランプ材20の挿通孔22と座金50の挿通孔51に挿通し、ボルト30の突出部に座金50dを介在してナット40を締結する。
上記のように、ボルト30及びナット40によりクランプ材20同士を締結することで、溝部21の両開口縁部に吊りボルト3のねじ部3aを噛み込ませて、吊りボルト3とブレース材4を固定する。これにより、地震等の揺れによるブレース材の圧縮力(捻れ力)によってクランプ材20に左右いずれかに回転力が加わっても、クランプ材20が回転する際に吊りボルト3のねじ部3aによる溝部21へのねじ切り作用が生じる。このねじ切り作用による抵抗により、クランプ材20の回転が妨げられ、ブレース材4は圧縮力(捻れ力)に抗することが可能となる。
なお、ボルト30とナット40を締結する前に、これらボルト30とナット40を仮締めして、両クランプ材20が吊りボルト3に対して移動可能な状態にしてクランプ材20の上面を上部構造体1の下面に当接させる。そして、ボルト30及びナット40によりクランプ材20同士を締結した後、クランプ材20の下面に吊りボルト3に螺合されたロックナット60を当接させる。これにより、クランプ材20の上下部を上部構造体1とロックナット60とで挟持・固定するので、クランプ材20の上下移動を防止することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態は、吊りボルト3の上端部の両側にブレース材4を取り付けるようにした場合である。すなわち、第2実施形態は、図6及び図7に示すように、互いに隣接する複数の吊りボルト3のうちの一つの吊りボルト3の上端部と隣接する両側の吊りボルトの下端部側の天井部材2にそれぞれブレース材4を架設した構造である。
第2実施形態は、吊りボルト3の上端部の両側にブレース材4を取り付けるようにした場合である。すなわち、第2実施形態は、図6及び図7に示すように、互いに隣接する複数の吊りボルト3のうちの一つの吊りボルト3の上端部と隣接する両側の吊りボルトの下端部側の天井部材2にそれぞれブレース材4を架設した構造である。
この場合、両クランプ材20の溝部21間に吊りボルト3を位置させると共に、両クランプ材20の溝部21に対して両方の側片部間に接続プレート10の取付部12を位置させて両クランプ材20を対峙させる。この状態においては、上述したように、クランプ材20が吊りボルト3を挟持して溝部21の開口縁部が吊りボルト3に接触した際のクランプ材20同士の隙間Sは、接続プレート10の厚さTよりも大きくなっている(図8(a)参照)。
上記のようにして、両クランプ材20間に吊りボルト3と接続プレート10を挟持した状態で、クランプ材20の両方の側片部において、それぞれボルト30を、座金50a,50cを介在してクランプ材20の挿通孔22と接続プレート10の挿通孔13に挿通し、ボルト30の突出部に座金50b,50dを介在してナット40を締結する。
上記のように、ボルト30及びナット40によりクランプ材20同士を締結することで、溝部21の両開口縁部に吊りボルト3のねじ部3aを噛み込ませて、吊りボルト3とブレース材4を固定する。これにより、地震等の揺れによるブレース材の圧縮力(捻れ力)によってクランプ材20に左右いずれかに回転力が加わっても、クランプ材20が回転する際に吊りボルト3のねじ部3aによる溝部21へのねじ切り作用が生じる。このねじ切り作用による抵抗により、クランプ材20の回転が妨げられ、ブレース材4は圧縮力(捻れ力)に抗することが可能となる。
なお、第2実施形態においても、ボルト30とナット40を締結する前に、これらボルト30とナット40を仮締めして、両クランプ材20が吊りボルト3に対して移動可能な状態にしてクランプ材20の上面を上部構造体1の下面に当接させる。そして、ボルト30及びナット40によりクランプ材20同士を締結した後、クランプ材20の下面に吊りボルト3に螺合されたロックナット60を当接させる。これにより、クランプ材20の上下部を上部構造体1とロックナット60とで挟持・固定するので、クランプ材20の上下移動を防止することができる。
なお、第2実施形態において、その他の部分は第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
<その他の実施形態>
上記実施形態では、クランプ材20の上面を上部構造体1の下面に当接させ、クランプ材20の下面に吊りボルト3に螺合されたロックナット60を当接させる場合について説明したが、必ずしもこのような構造である必要はない。例えば、図10に示すように、クランプ材20の上面を吊りボルト3に螺合された上部ナット70に当接させ、クランプ材20の下面に吊りボルト3に螺合されたロックナット60を当接させた構造としてもよい。
上記実施形態では、クランプ材20の上面を上部構造体1の下面に当接させ、クランプ材20の下面に吊りボルト3に螺合されたロックナット60を当接させる場合について説明したが、必ずしもこのような構造である必要はない。例えば、図10に示すように、クランプ材20の上面を吊りボルト3に螺合された上部ナット70に当接させ、クランプ材20の下面に吊りボルト3に螺合されたロックナット60を当接させた構造としてもよい。
このように構成することにより、クランプ材20の上下部をそれぞれ吊りボルト3に螺合された上部ナット70とロックナット60とで挟持・固定するので、クランプ材20の上下移動を確実に防止することができる。
また、上記実施形態では、クランプ材20がアルミニウム合金製押出形材にて形成される場合について説明したが、クランプ材20は、吊りボルト3を形成する鋼あるいはステンレスよりも軟質な材料で強度を有するものであれば任意の材料でよく、例えば真鍮あるいは合成樹脂(例えば、硬質塩化ビニル,ポリスチレン,ポリエチレン,ナイロン,ポリアセタール)等にてクランプ材20を形成してもよい。
上記のように構成される実施形態のブレースの取付構造によれば、地震等の揺れによるブレース材4の圧縮力(捻れ力)によってクランプ材20に左右いずれかに回転力が加わっても、クランプ材20が回転する際に吊りボルト3のねじ部3aによる溝部21へのねじ切り作用が生じ、このねじ切り作用による抵抗により、クランプ材20の回転が妨げられ、ブレース材4は圧縮力(捻れ力)に抗するので、耐震性の向上が図れる。
また、クランプ材20の上下部を上部構造体1又は吊りボルト3に螺合された上部ナット70とロックナット60とで挟持・固定することで、クランプ材20の上下移動を確実に防止することができるので、更に耐震性の向上が図れる。
また、クランプ材20を、吊りボルト3を形成する鋼あるいはステンレスよりも軟質な材料で強度を有する材料、例えばアルミニウム合金、真鍮あるいは合成樹脂(例えば、硬質塩化ビニル,ポリスチレン,ポリエチレン,ナイロン,ポリアセタール)等にて形成することにより、吊りボルト3のねじ部3aのクランプ材20への噛み込みを容易にすることができるので、更にクランプ材20の回転阻止が確実となり、耐震性の向上が図れる。
1 上部構造体
2 天井部材
3 吊りボルト
3a ねじ部
4 ブレース材
10 接続プレート
20 クランプ材
21 溝部
30 ボルト
40 ナット
60 ロックナット
70 上部ナット
R1 吊りボルトの曲率半径
R2 溝部の曲率半径
S クランプ材同士の隙間
T 接続プレートの厚さ
2 天井部材
3 吊りボルト
3a ねじ部
4 ブレース材
10 接続プレート
20 クランプ材
21 溝部
30 ボルト
40 ナット
60 ロックナット
70 上部ナット
R1 吊りボルトの曲率半径
R2 溝部の曲率半径
S クランプ材同士の隙間
T 接続プレートの厚さ
Claims (3)
- 上部構造体から垂下されて天井部材を吊り下げ支持する複数の吊りボルトを備える吊り天井において、
上記吊りボルトの上端部と上記天井部材に架設されるブレース材を備え、
上記ブレース材の上端部に設けられる接続プレートと、
上記吊りボルトの上端部に取り付けられて該吊りボルトと上記接続プレートを挟持すると共に、上記吊りボルトが当接する面にそれぞれ断面円弧状の溝部を設けた一対のクランプ材と、
上記吊りボルトと上記接続プレートを挟持した状態で上記クランプ材同士を締結するボルト及びナットと、を備える吊り天井用ブレース材の取付構造であって、
上記溝部の曲率半径を上記吊りボルトの曲率半径よりも小さくすると共に、上記クランプ材が上記吊りボルトを挟持して溝部の開口縁部が吊りボルトに接触した際のクランプ材同士の隙間を上記接続プレートの厚さよりも大きくし、上記ボルト及びナットにより上記クランプ材同士を締結して上記溝部の両開口縁部に上記吊りボルトのねじ部を噛み込ませる、ことを特徴とする吊り天井用ブレース材の取付構造。 - 請求項1に記載の吊り天井用ブレース材の取付構造において、
上記クランプ材の上面を上記上部構造体又は上記吊りボルトに螺合された上部ナットに当接させ、
上記クランプ材の下面に上記吊りボルトに螺合されたロックナットを当接させる、ことを特徴とする吊り天井用ブレース材の取付構造。 - 請求項1又は2に記載の吊り天井用ブレース材の取付構造において、
上記クランプ材は上記吊りボルトよりも軟質の材料からなる、ことを特徴とする吊り天井用ブレース材の取付構造。
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