JP2015201726A - デジタルコヒーレント受信器および受信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】デジタルコヒーレント受信器において波形歪を補正する回路の調整時間を短縮する。【解決手段】波長多重光信号中の光信号を受信するデジタルコヒーレント受信器は、受信光信号を表すデジタル信号を生成するフロントエンド回路と、複数の分散補償部および複数の非線形補償部を含み、デジタル信号に対してデジタル演算を行うことにより波形歪が補正された受信光信号を表す補正結果信号を生成する波形歪補正部と、複数の分散補償部および複数の非線形補償部のうち、受信光信号の光伝送路のスパン数に対応する数の特定分散補償部およびそのスパン数に対応する数の特定非線形補償部の動作状態を調整する制御部を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、光信号を受信するデジタルコヒーレント受信器および方法に係わる。
高速モバイル通信サービス、クラウドサービス、動画配信サービスなどの普及に伴い、ネットワーク上のトラヒック量が急速に増大している。このため、ネットワークのバックボーン回線上の伝送装置は、1波長当たり100Gbpsの高速インタフェースが要求されている。さらに、400Gbps〜1Tbpsを実現する技術の研究開発が行われている。
100Gbpsを超える光信号を伝送するための技術の1つとして、デジタルコヒーレント受信が注目されている。デジタルコヒーレント受信器は、コヒーレント受信により受信光から光強度情報および位相情報を抽出する。抽出された光強度情報および位相情報は、A/Dコンバータにより量子化された後、デジタル信号処理回路によって復調される。デジタル信号処理回路は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)により実現される。
ところで、光信号の波形は、光伝送路上で歪む。即ち、光伝送路において波形歪が発生する。波形歪は、光伝送路の分散(例えば、波長分散)に起因する。また、波形歪は、光伝送路において発生する非線形歪を含む。そして、光信号の波形が劣化していると、受信器において、再生データの誤り率が大きくなるおそれがある。
このため、デジタルコヒーレント受信器のデジタル信号処理回路は、光信号の波形歪を補正する機能を有していることがある。この場合、波形歪補正回路は、複数の分散補償部および複数の非線形補償部を含む。複数の分散補償部および複数の非線形補償部は、交互に接続される。すなわち、受信光信号に対して、分散補償処理および非線形補償処理が交互に実行される。なお、1組の分散補償部および非線形補償部を「ステージ」と呼ぶことがある。そして、ステージ数を大きくすると、補償精度が高くなる。
波形歪補正は、例えば、トレーニング信号を利用して行われる。この場合、送信器は、データ信号にトレーニング信号を付加する。トレーニング信号のデータパターンは既知である。そうすると、受信器(すなわち、デジタルコヒーレント受信器)において、波形歪補正回路は、トレーニング信号に対して波形歪補正を行う。このとき、トレーニング信号が検出されるまで、分散補償部および非線形補償部のパラメータが調整される。ここで、トレーニング信号が検出されたときは、分散補償部および非線形補償部のパラメータが最適値に近い状態に調整されていると考えられる。よって、この後、分散補償部および非線形補償部のパラメータを微調整することにより、波形歪補正回路が好適な動作状態に制御される。
関連技術として、電子式分散補償回路を有する光トランシーバが提案されている(例えば、特許文献1)。また、光信号の波形歪を効率よく改善する光伝送システムが提案されている(例えば、特許文献2)。さらに、波長分散測定器を用いずにデジタルフィルタのタップ係数を設定可能で、且つタップ係数設定時間の短いコヒーレント光受信機が提案されている(例えば、特許文献3)。さらに、光信号の偏波分散および波長分散を検出する装置が提案されている(例えば、特許文献4)。
特開2008−54219号公報 特開2009−239555号公報 WO2009/060526 WO2009/144997
上述のように、デジタルコヒーレント受信器は、送信器においてデータ信号に付加されるトレーニング信号を利用して光信号の波形歪を補正する。ところが、トレーニング信号を使用する構成では、データ信号を処理するための回路に加えて、トレーニング信号を処理するための回路が必要なので、デジタル信号処理回路の規模が大きくなってしまう。また、データ信号に加えてトレーニング信号が伝送されるので、光信号の伝送レートを高くする必要がある。このように、光デバイスの高速化に起因してコストが増加し、また、光信号の高速化に伴って伝送特性が劣化しやすくなる。
この問題は、例えば、トレーニング信号を使用しないブラインド等化で波形歪補正回路のパラメータを調整すれば解決し得る。しかし、ブラインド等化においては、デジタルコヒーレント受信器は伝送信号のデータパターンを知らないので、波形歪補正回路のパラメータが収束するまでに長い時間を要するか、或いは、波形歪補正回路のパラメータが収束しないことがある。
なお、波形歪補正回路のパラメータの調整は、通信サービスの開始時だけでなく、障害などに起因して光パスが切り換えられたときにも行われる。したがって、波形歪補正回路のパラメータの調整は、短い時間で完了することが要求される。
本発明の1つの側面に係わる目的は、デジタルコヒーレント受信器において波形歪を補正する回路の調整時間を短縮することである。
本発明の1つの態様のデジタルコヒーレント受信器は、波長多重光信号を伝送する光伝送装置において前記波長多重光信号中の第1の光信号を受信する。このデジタルコヒーレント受信器は、前記第1の光信号を表すデジタル信号を生成するフロントエンド回路と、複数の分散補償部および複数の非線形補償部を含み、前記デジタル信号に対してデジタル演算を行うことにより、波形歪が補正された第1の光信号を表す補正結果信号を生成する波形歪補正部と、前記複数の分散補償部および前記複数の非線形補償部のうち、前記第1の光信号が伝送される光伝送路のスパン数に対応する数の特定分散補償部および前記スパン数に対応する数の特定非線形補償部の動作状態を調整する制御部と、を有する。
上述の態様によれば、デジタルコヒーレント受信器において波形歪を補正する回路の調整時間が短くなる。
本発明の実施形態に係わる光伝送システムの一例を示す図である。 光伝送装置に実装される送信モジュールの一例を示す図である。 光伝送装置に実装される受信モジュールの一例を示す図である。 デジタルコヒーレント受信器の構成の一例を示す図である。 波形歪補正部の構成の一例を示す図である。 パラメータデータベースの一例を示す図である。 光ファイバの分散特性の一例を示す図である。 第1の実施形態において波形歪補正部を調整する処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態において波形歪補正部を調整する処理を示すフローチャートである。 波形歪補正部のステージ数とQ値の改善との関係を示す図である。 第3の実施形態において波形歪補正部を調整する処理を示すフローチャートである。 分散補償量を調整する処理の一例を示す図である。 第4の実施形態で使用される受信モジュールの一例を示す図である。 光パスの切替え時の動作を説明する図である。 偏波多重光信号に対応する非線形補償部の構成の一例を示す図である。
図1は、本発明の実施形態に係わる光伝送システムの一例を示す。実施形態の光伝送システム100は、複数の光伝送装置を有する。図1に示す例では、ノードN1〜N5にそれぞれ光伝送装置が設けられている。以下の記載では、ノードN1〜N5に設けられている光伝送装置をそれぞれ光伝送装置N1〜N5と呼ぶことがある。すなわち、光伝送システム100は、光伝送装置N1〜N5を有する。各光伝送装置N1〜N5は、波長多重光信号(WDM(Wavelength Division Multiplexing)信号)を伝送することができる。すなわち、各光伝送装置N1〜N5は、WDM伝送装置である。そして、各光伝送装置N1〜N5は、光信号を送信する送信モジュールおよび光信号を受信する受信モジュールを有する。
送信モジュールは、図2に示すように、複数の送信器1およびマルチプレクサ2を有する。各送信器1は、FECエンコーダ3および光送信器4を有する。FECエンコーダ3は、送信データに対してFEC処理を行って符号化データを生成する。このとき、FECエンコーダ3は、例えば、送信データにFEC符号を付与する。光送信器4は、符号化データを伝送する光信号を生成する。また、光送信器4は、例えば、レーザ光源および光変調器を有する。この場合、光送信器4は、変調光信号を生成する。なお、送信器1は、偏波多重光信号を生成してもよい。
複数の送信器1により生成される複数の光信号の波長は互いに異なっている。そして、マルチプレクサ2は、複数の送信器1により生成される複数の光信号を多重化してWDM信号を生成する。
ただし、送信モジュールは、マルチプレクサ2を有していなくてもよい。例えば、光伝送装置が光分岐挿入装置(OADM:Optical Add-Drop Multiplexer)を有しているときは、各送信器1により生成される光信号はOADMに入力されるようにしてもよい。この場合、OADMは、指定された1または複数の光信号を選択する。そして、OADMにより選択された光信号がWDM信号に多重化されて送信される。
受信モジュールは、図3に示すように、複数のデジタルコヒーレント受信器11(11#1〜11#m)および装置制御部12を有する。なお、図3に示す例では、受信WDM信号を逆多重化することにより得られる複数の光信号λ1〜λmが生成されている。そして、光信号λ1〜λmは、それぞれ対応するデジタルコヒーレント受信器11#1〜11#mに導かれる。各デジタルコヒーレント受信器11は、入力光信号から送信データを再生する。装置制御部12は、デジタルコヒーレント受信器11#1〜11#mの状態を管理し、デジタルコヒーレント受信器11#1〜11#mの動作を制御する。また、装置制御部12は、パラメータデータベース13を有している。パラメータデータベース13については後述する。
光伝送システム100は、指定された光パスを提供することができる。光パスは、例えば、ユーザからの要求に応じて、不図示のネットワーク管理システムにより設定される。図1に示す例では、ノードN1からノードN2を経由してノードN3へデータを伝送するための光パスλ1〜λ10が設定されている。また、ノードN4からノードN5、N2を経由してノードN3へデータを伝送するための光パスλ11〜λ20が設定されている。なお、光パスλ1〜λ20は、それぞれ、光信号λ1〜λ20を伝送する。
以下の記載では、隣接するノード間の接続または光伝送路を「スパン」と呼ぶことがある。また、任意の2つのノード間の光伝送路上のスパンの数を「スパン数」と呼ぶことがある。例えば、図1において、光パスλ1(光信号λ1の光伝送路)のスパン数は2である。また、光パスλ11(光信号λ11の光伝送路)のスパン数は3である。
図4は、デジタルコヒーレント受信器11の構成の一例を示す。デジタルコヒーレント受信器11は、図4に示すように、フロントエンド回路21、DSP22、制御部23を有する。また、デジタルコヒーレント受信器11には、図3を参照しながら説明したように、受信WDM信号から抽出された1つの光信号が入力される。この光信号は、フロントエンド回路21に導かれる。
フロントエンド回路21は、コヒーレント受信により、入力光信号を表すデジタル信号を生成する。このデジタル信号は、入力光信号の光強度情報および位相情報を含む。すなわち、このデジタル信号は、入力光信号のI成分およびQ成分を表す。偏波多重光信号が入力されるときは、このデジタル信号は、H偏波光信号のI成分およびQ成分、及び、V偏波光信号のI成分およびQ成分を表す。なお、フロントエンド回路21は、例えば、局発光源、90度光ハイブリッド回路、受光回路、A/D変換回路などを有する。
DSP(Digital Signal Processor)22は、図4に示すように、波形歪補正部22a、データ再生部22b、FECデコーダ22c、分散モニタ22dを含む。そして、DSP22は、フロントエンド回路21により生成されるデジタル信号を復調して送信データを再生する。なお、DSP22は、デジタル信号処理回路の一例である。また、DSP22は、他の機能を有していてもよい。
波形歪補正部22aは、フロントエンド回路21から出力されるデジタル信号(すなわち、入力光信号を表すデジタル信号)に対してデジタル演算を行うことにより、波形歪が補正された光信号を表す補正結果信号を生成する。データ再生部22bは、波形歪補正部22aから出力される補正結果信号からデータを再生する。このとき、データ再生部22bは、シンボル毎に、変調方式に対応するビット数のデータを再生する。また、データ再生部22bにより再生されるデータは、図2に示すFECエンコーダ3により生成される符号化データに相当する。
FECデコーダ22cは、データ再生部22bにより再生されるデータに対してFEC処理を行うことにより、再生されたデータの誤りを検出する。そして、再生データが誤りを含んでいるときは、FECデコーダ22cは、その誤りを訂正する。この場合、FECデコーダ22cは、誤り訂正数をカウントして制御部23に通知する。誤り訂正数は、FEC処理により訂正された誤りの個数を表す。分散モニタ22dは、波形歪補正部22aから出力される補正結果信号に基づいて、波形歪が補正された光信号の残留分散を算出する。そして、分散モニタ22dは、算出した残留分散を制御部23に通知する。
制御部23は、分散モニタ22dにより算出される残留分散およびFECデコーダ22cによりカウントされる誤り訂正数に基づいて、波形歪補正部22aを制御する。具体的には、制御部23は、波形歪補正部22aによるデジタル演算において使用されるパラメータを調整する。このとき、制御部23は、波形歪補正部22aに設定するパラメータの初期値を装置制御部12のパラメータデータベース13から取得してもよい。この場合、制御部23は、パラメータデータベース13から取得したパラメータを波形歪補正部22aに設定する。その後、制御部23は、分散モニタ22dにより算出される残留分散およびFECデコーダ22cによりカウントされる誤り訂正数に基づいて、波形歪補正部22aに与えられたパラメータを調整(或いは、最適化)する。
次に、波形歪補正部22aの構成および動作について記載する。なお、この例では、波形歪補正部22aは、逆伝搬型非線形補償により波形歪を補正する。
光ファイバ中を伝搬する信号は、下記の非線形シュレディンガー方程式で表される。
Figure 2015201726
Dは、線形演算子を表す。Nは、非線形演算子を表す。αは、光ファイバによる損失(または、減衰)を表す。β2は、光ファイバの波長分散係数を表す。γは、光ファイバの非線形係数を表す。
ここで、雑音を無視すると、送信端における信号は、受信端から上述の非線形シュレディンガー方程式を逆向きに解くことによって算出される。そして、非線形シュレディンガー方程式の逆演算は、線形補償(即ち、波長分散補償)および非線形補償(即ち、自己位相変調補償)を交互に繰り返す演算によって近似される。特に、この演算の繰返し回数が大きいときは、非線形シュレディンガー方程式の逆演算は、線形補償および非線形補償を交互に繰り返す演算と等価である。なお、上記演算は、例えば、下記の文献1、2に記載されている。
文献1:Ezra Ip et al., “Compensation of Dispersion and Nonlinear Impairments Using Digital Backpropagation”, Journal of Lightwave Technology, vol.26, pp3416-3425, 2008
文献2:谷村崇仁、星田剛司、小田祥一朗、田中俊毅、中島久雄他 「デジタルコヒーレント伝送システムのための逆伝播型非線形効果補償とその半ブラインド最適化」電子情報通信学会技術研究報告 OCS, 光通信システム 110(152), 57-62, 2010-07-22
したがって、波形歪補正部22aは、図5に示すように、複数の分散補償部31(#1〜#N)および複数の非線形補償部32(#1〜#N)を有する。複数の分散補償部31および複数の非線形補償部32は、交互に接続されている。すなわち、フロントエンド回路21により生成されるデジタル信号は、分散補償部31および非線形補償部32により交互に処理される。この結果、補正結果信号が生成される。補正結果信号は、波形歪が補正された入力光信号を表す。
ただし、波形歪補正部22aは、必ずしもすべての分散補償部31および非線形補償部32を使用しなくてもよい。すなわち、波形歪補正部22aは、分散補償部31(#1〜#N)のうちの一部、および複数の非線形補償部32(#1〜#N)のうちの一部を利用してデジタル信号を処理してもよい。
以下の記載では、1組の分散補償部31および非線形補償部32を「ステージ」と呼ぶことがある。例えば、ステージ#1は、分散補償部31#1および非線形補償部32#1から構成され、ステージ#2は、分散補償部31#2および非線形補償部32#2から構成される。
分散補償部31は、波長分散を補償する。この実施例では、分散補償部31は、デジタルフィルタ(例えば、FIRフィルタ)により実現される。この場合、デジタルフィルタの各フィルタ係数は、補償すべき分散量から一意に算出される。したがって、各ステージにおいて補償すべき分散量が与えられると、各ステージの分散補償部31の各フィルタ係数がそれぞれ決定される。
非線形補償部32は、光伝送路の非線形効果を補償する。この実施例では、非線形補償部32は、デジタルフィルタ(例えば、FIRフィルタ)により実現される。この場合、デジタルフィルタの各フィルタ係数は、例えば、2つのパラメータγ、αに基づいて算出される。γは、非線形補正の強度を表す。また、αは、フィルタの形状(時間に対するインパルス応答波形の形状)を表す。したがって、パラメータγ、αが与えられると、非線形補償部32の各フィルタ係数がそれぞれ決定される。
図6は、パラメータデータベース13の一例を示す。パラメータデータベース13は、各デジタルコヒーレント受信器11において分散補償および非線形補償のために使用されるパラメータを格納する。なお、パラメータデータベース13は、上述したように、装置制御部12の中に設けられる。
「受信器」は、光伝送装置内に設けられている複数のデジタルコヒーレント受信器11を識別する。例えば、#1は、デジタルコヒーレント受信器11#1を表す。「光信号」は、対応するデジタルコヒーレント受信器11が受信する光信号を識別する。図6に示す例では、デジタルコヒーレント受信器11#1が光信号λ1を受信している。
「CDC#1」〜「CDC#N」は、各ステージの分散補償部31が補償する分散量を表す。そして、各ステージの分散補償部31のフィルタ係数は、この分散量に対して一意に算出される。たとえば、光信号λ1についてステージ#1において補償すべき分散量は50ps/nmである。この場合、デジタルコヒーレント受信器11#1において、ステージ#1の分散補償部31のフィルタ係数は、50ps/nmを実現するように算出される。
「NLE#1」〜「NLE#N」は、各ステージの非線形補償部32が補償する非線形効果に対応するパラメータγ、αを表す。上段の値がγを表し、下段の値のαを表す。そして、各ステージの非線形補償部32のフィルタ係数は、γ、αの組合せに対して一意に算出される。たとえば、光信号λ1についてステージ#1において補償すべき非線形効果は、γ=0.3、α=0.05である。この場合、デジタルコヒーレント受信器11#1において、ステージ#1の非線形補償部32のフィルタ係数は、γ=0.3、α=0.05に基づいて算出される。
「スパン数」は、光信号が伝送される光伝送路のスパン数を表す。図6に示す例では、光信号λ1のスパン数は5である。「送信元」は、光信号の送信元ノードを識別する。図6に示す例では、光信号λ1の送信元は、ノード1である。
上記構成のパラメータデータベース13は、新たな光パスが設定されたときに更新される。すなわち、新たな光パスが設定されると、その光パスに対応するレコードがパラメータデータベース13に追加される。このとき、光信号の送信元およびスパン数は、たとえば、光伝送システムを管理するネットワーク管理システムから与えられる。
各パラメータ(CDC#1〜CDC#N、NLE#1〜NLE#N)は、対応するデジタルコヒーレント受信器11から受信する。すなわち、デジタルコヒーレント受信器11は、新たな光パスを収容するときに、各ステージのパラメータを調整または最適化する。その後、デジタルコヒーレント受信器11は、調整または最適化した各ステージのパラメータを装置制御部12に通知する。そして、装置制御部12は、デジタルコヒーレント受信器11から通知されたパラメータをパラメータデータベース13に格納する。
なお、図6に示す例では、分散補償部31のパラメータは分散量で表され、非線形補償部32のパラメータはγ、αで表されているが、本発明はこの構成に限定されるものではない。すなわち、実際のフィルタ係数がパラメータデータベース13に格納されるようにしてもよい。
次に、新たな光パスが設定されたとき、或いは光パスの切替えが行われたときの、デジタルコヒーレント受信器11の動作について記載する。新たな光パスが設定されたとき、或いは光パスの切替えが行われたときは、デジタルコヒーレント受信器11は、波形歪補正部22aのパラメータを調整する。以下、幾つかの実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
WDM伝送システムにおいては、同じ光ファイバを介して波長の異なる複数の光信号が伝送され得る。たとえば、図1に示す例では、WDM信号中に多重化されている光信号λ1〜λ10は、同じ光ファイバ伝送路を介してノードN1からノードN3へ伝送されている。
ところで、光ファイバ伝送において発生する波長分散は、図7に示すように、光信号の波長に依存する。図7は、シングルモードファイバの分散特性の一例を示している。ここで、分散量は、図7に示すように、波長に対してほぼ比例している。すなわち、同じ光伝送路を介して波長の異なる光信号A、Bが伝送される場合、光信号Aの分散量と光信号Bの分散量との間には密接な関係がある。
一方、非線形効果は、光ファイバの状態および光信号の入力パワーなどに依存する。ところが、非線形効果は、光信号の波長にはほとんど依存しない。このため、同じ光伝送路を介して波長の異なる光信号A、Bが伝送される場合、光信号A、Bのパワーがほぼ同じであるものとすると、光信号Aの非線形効果は、光信号Bの非線形と近似しているはずである。なお、WDM信号中に多重化されている複数の光信号のパワーは、多くのケースにおいて、等化されている。
これらの特徴を考慮すると、同じ光伝送路を介して波長の異なる光信号A、Bが伝送される場合、光信号Aの分散を補償するための演算と光信号Bの分散を補償するための演算との間には密接な関係があると考えられる。また、光信号Aの非線形効果を補償するための演算は、光信号Bの非線形効果を補償するための演算と近似していると考えられる。そこで、第1の実施形態においては、光伝送装置内のあるデジタルコヒーレント受信器が光信号の受信を開始する際には、そのデジタルコヒーレント受信器の制御部23は、他のデジタルコヒーレント受信器において先に最適化されている波形歪補正部22aのパラメータの値を取得する。
尚、各デジタルコヒーレント受信器において先に最適化されているパラメータの値は、上述したように、装置制御部12内のパラメータデータベース13に格納されている。よって、制御部23は、装置制御部12にアクセスすることにより、他のデジタルコヒーレント受信器において先に最適化されているパラメータの値を取得することができる。
続いて、制御部23は、パラメータデータベース13から取得したパラメータの値に対応するフィルタ係数を初期値として波形歪補正部22aに設定する。この後、制御部23は、波形歪補正部22aに設定されたフィルタ係数を最適化する。
このように、第1の実施形態では、最適値に近いフィルタ係数が初期値として波形歪補正部22aに与えられる。したがって、トレーニング信号を用いなくても、波形歪補正部22aの動作状態が最適化されるまでの時間は短い。また、波形歪補正部22aのフィルタ係数が収束しなくなる状態が回避される。
図8は、第1の実施形態において波形歪補正部22aを調整する処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えば、光信号を受信する旨の指示がネットワーク管理システムから光伝送装置に与えられたときに実行される。この指示は、光信号の伝送経路を表す情報(光信号のスパン数を表す情報、及び光信号の送信元ノードを表す情報など)を含む。
以下の記載では、光信号の受信を開始するデジタルコヒーレント受信器11を「対象デジタルコヒーレント受信器11x」と呼ぶことがある。また、対象デジタルコヒーレント受信器11xが新たに受信する光信号を「対象光信号λx」と呼ぶことがある。
S1において、対象デジタルコヒーレント受信器11xの制御部23は、他のデジタルコヒーレント受信器11において先に最適化されているパラメータを取得する。例えば、制御部23は、装置制御部12に対して、最適化されているパラメータを要求する。この要求は、対象光信号λxの送信元ノードを識別する情報を含む。そうすると、装置制御部12は、パラメータデータベース13において、対象光信号λxと同じ送信元ノードから送信される光信号をサーチする。以下、このサーチにより特定された光信号を「参照光信号λr」と呼ぶことがある。なお、対象光信号λxと同じ送信元ノードから送信される光信号が複数ある場合には、その中の任意の1つが参照光信号λrとして選択される。そして、装置制御部12は、参照光信号λrに対して最適化されているパラメータをパラメータデータベース13から抽出し、対象デジタルコヒーレント受信器11xの制御部23に与える。或いは、装置制御部12は、対象デジタルコヒーレント受信器11xから要求を受けることなく、参照光信号λrに対して最適化されているパラメータを対象デジタルコヒーレント受信器11xに与えるようにしてもよい。
対象デジタルコヒーレント受信器11xの制御部23は、例えば、分散補償部31#1〜31#Nのためのパラメータとしてそれぞれ対応する分散補償量を取得し、非線形補償部32#1〜32#Nのためのパラメータとしてそれぞれ対応する非線形補償量(即ち、上述したγ、α)を取得する。例えば、対象光信号λxの送信元がノード1であるときには、図6に示す実施例では、参照光信号λrとして光信号λ1が特定される。この場合、制御部23は、分散補償部31#1、31#2、...31#Nのための分散補償量としてそれぞれ「50ps/nm」「-70ps/nm」...「20ps/nm」を取得する。また、制御部23は、非線形補償部32#1、32#2、...32#Nのための非線形補償量としてそれぞれ「0.3, 0.05」「0.2, 0.02」...「0.3, 0.04」を取得する。
S2において、制御部23は、装置制御部12から取得したパラメータ(分散補償量および非線形補償量)に基づいて、波形歪補正部22aに対して初期値を設定する。このとき、制御部23は、取得したパラメータをフィルタ係数に変換して対応するデジタルフィルタ(分散補償部31#1〜31#N、非線形補償部32#1〜32#N)に与えてもよい。
S3において、制御部23は、分散モニタ22dにより検出される波長分散がゼロに近づくように、分散補償部31#1〜31#Nの分散補償量(すなわち、フィルタ係数)を調整する。各分散補償部31#1〜31#Nに設定された分散補償量の初期値は、参照光信号λrの分散を補償する値である。ここで、対象光信号λxおよび参照光信号λrは、互いに波長が異なっており、互いに分散量が異なっている。すなわち、参照光信号λrの分散を補償するフィルタ係数が分散補償部31#1〜31#Nに与えられても、対象光信号λxの分散は適切に補償されない。
ただし、波長分散は、図7に示すように、波長に対してほぼ比例する。よって、分散補償部31#1〜31#Nに対してそれぞれ設定されている分散補償量(即ち、参照光信号λrの分散を補償する分散補償量)を一括して同じ量だけシフトすることにより、対象光信号λxの分散を適切に補償する分散補償量が得られる。例えば、参照光信号λrに対して最適化されている分散補償量「50ps/nm」「-70ps/nm」...「20ps/nm」が取得されている場合、分散補償部31#1〜31#Nを用いて対象光信号λxの分散を補償するための分散補償量は「50ps/nm+Δd」「-70ps/nm+Δd」...「20ps/nm+Δd」により実現される。
したがって、制御部23は、S3において分散モニタ22dにより検出される波長分散がゼロに近づくように、分散補償部31#1〜31#Nの分散補償量を一括して同じ量だけ調整する。なお、制御部23は、算出した分散補償量をフィルタ係数に変換して分散補償部31#1〜31#Nに与える。この結果、波形歪補正部22aは、対象光信号λxの分散を概ね補償する状態に調整される。
S4において、制御部23は、FECデコーダ22cにより訂正される誤りの個数(すなわち、誤り訂正数)が最小になるように、非線形補償部32#1〜32#Nのフィルタ係数を調整する。すなわち、各ステージの非線形補償量が調整される。このとき、制御部23は、例えば、最急降下法で非線形補償部32#1〜32#Nのフィルタ係数を調整する。或いは、制御部23は、誤り訂正数が所定の閾値よりも小さくなるように、非線形補償部32#1〜32#Nのフィルタ係数を調整してもよい。
このように、第1の実施形態では、他のデジタルコヒーレント受信器で先に最適化されているパラメータ(分散補償量および非線形補償量)が、新たに光信号の受信を開始するデジタルコヒーレント受信器に設定される。ここで、波長分散は波長に対してほぼ比例しているので、他のデジタルコヒーレント受信器で先に最適化されている分散補償量から容易に対象デジタルコヒーレント受信器の波形歪補正部22aの各ステージの分散補償量を得ることができる。また、WDM信号中の光信号のパワーはほぼ等化されているので、WDM信号中の各光信号に対する好適な非線形補償量は、ほぼ同じである。よって、他のデジタルコヒーレント受信器で先に最適化されているパラメータが初期値として与えられると、新たに光信号の受信を開始するデジタルコヒーレント受信器において、最適値に近い値からフィルタ係数の調整が開始されることになる。したがって、新たに光信号の受信を開始するデジタルコヒーレント受信器において、短い時間で波形歪補正部22aの動作状態の調整を完了させることができる。さらに、最適値に近い値からフィルタ係数の調整が開始されるので、波形歪補正部22aの状態が収束しない可能性は低い。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、各ステージの分散補償部31を一括して調整した後、制御部23は、各ステージの非線形補償部32のフィルタ係数を調整する。これに対して、第2の実施形態では、各ステージの分散補償部31を一括して調整した後、制御部23は、各ステージの分散補償部31のフィルタ係数および各ステージの非線形補償部32のフィルタ係数を調整する。
図9は、第2の実施形態において波形歪補正部22aを調整する処理を示すフローチャートである。なお、S1〜S3は、第1および第2の実施形態において実質的に同じなので、説明を省略する。
S5において、制御部23は、FECデコーダ22cによりカウントされる誤り訂正数が最小になるように、分散補償部31#1〜31#Nのフィルタ係数および非線形補償部32#1〜32#Nのフィルタ係数を調整する。このとき、制御部32は、分散補償部31#1〜31#Nのフィルタ係数を調整する処理、及び、非線形補償部32#1〜32#Nのフィルタ係数を調整する処理を交互に繰り返す。各フィルタ係数を調整する処理は、例えば、誤り訂正数が所定の閾値よりも小さくなるまで繰り返し実行される。
このように、第2の実施形態では、各ステージの非線形補償部32だけでなく、各ステージの分散補償部31のフィルタ係数も微調整される。したがって、第1の実施形態と比較して、第2の実施形態によれば、波形歪の補正の精度が向上する。
<第3の実施形態>
複数の分散補償部31および複数の非線形補償部32を有する波形歪補正部22aにおいては、上述したように、ステージ数を増やすことにより波形歪補償の精度を高くすることができる。以下、図10を参照しながら、ステージ数とQ値の改善との関係について記載する。なお、図10において、横軸は、光伝送路のスパン数と波形歪補正部22aのステージ数との比を表す。すなわち、横軸は、スパン数で正規化されたステージ数を表す。縦軸は、Q値の改善量を表す。
図10に示すように、波形歪補正部22aのステージ数が光伝送路のスパン数よりも少ないときは、Q値の改善量は小さい。すなわち、Q値を改善するためには、波形歪補正部22aのステージ数が光伝送路のスパン数以上であることが好ましい。ただし、ステージ数がスパン数よりも大きい領域においては、ステージ数を増やしても、Q値の改善効果は小さい。例えば、図10に示す例では、ステージ数とスパン数の比が1から2に増加しても、Q値の改善量は約0.5dBである。
そこで、第3の実施形態では、新たに光信号の受信を開始するデジタルコヒーレント受信器において、制御部23は、その光信号が伝送される光伝送路のスパン数に対応する数のステージに対してだけ動作状態を調整する。すなわち、分散補償部31#1〜31#Nおよび非線形補償部32#1〜32#Nのうち、スパン数に対応する数の分散補償部31およびスパン数に対応する数の非線形補償部32の動作状態が調整される。
「スパン数に対応する数」は、例えば、スパン数と同数である。この場合、例えば、光信号の伝送路のスパン数が10であれば、10個の分散補償部31および10個の非線形補償部32の動作状態が調整される。ただし「スパン数に対応する数」は、スパン数よりも少し大きい値であってもよいし、スパン数よりも少し小さい値であってもよい。以下の記載では「スパン数に対応する数=スパン数」であるものとする。
図11は、第3の実施形態において波形歪補正部22aを調整する処理を示すフローチャートである。なお、対象デジタルコヒーレント受信器11x、対象光信号λx、参照光信号λrの意味は、第1および第3の実施形態において同じである。
S1〜S2は、第1および第3の実施形態において実質的に同じである。すなわち、制御部23は、他のデジタルコヒーレント受信器において最適化されているパラメータ(参照光信号λrの波形歪を補償するための分散補償量および非線形補償量)を取得する。そして、制御部23は、取得したパラメータを波形歪補正部22aに設定する。
S11において、制御部23は、対象光信号λxが伝送される光伝送路のスパン数を波形歪補正部22aに設定する。波形歪補正部22aにスパン数を設定する処理は、たとえば、スパン数と同じ数のステージを調整対象ステージとして指定することにより実現される。例えば、スパン数が10であるときは、波形歪補正部22aの先頭ステージから第10ステージまでが調整対象ステージとして指定される。この場合、分散補償部31#1〜31#10および非線形補償部32#1〜32#10が調整対象(特定分散補償部および特定非線形補償部)として指定される。
なお、光信号を伝送する光伝送路を表す伝送路情報は、例えば、光パスの設定時に、ネットワーク管理システムから各光伝送装置に通知される。この場合、伝送路情報は、始点ノード、中継ノード、終点ノードを識別する情報を含む。そして、光伝送装置は、受信した伝送路情報に従って、対応するデジタルコヒーレント受信器を指定する。このとき、指定されたデジタルコヒーレント受信器に伝送路情報が渡される。よって、新たに光信号の受信を開始するデジタルコヒーレント受信器の制御部は、その光信号のスパン数を認識している。
S12は、図8に示す第1の実施形態のS3に対応する。ただし、S12においては、制御部23は、分散モニタ22dにより検出される波長分散がゼロに近づくように、調整対象ステージ内の分散補償部31のみの分散補償量(すなわち、フィルタ係数)を調整する。具体的には、制御部23は、分散モニタ22dにより検出される波長分散がゼロに近づくように、調整対象ステージ内の分散補償部31の分散補償量を一括して同じ量だけ調整する。なお、制御部23は、算出した分散補償量をフィルタ係数に変換して調整対象ステージ内の分散補償部31に与える。このとき、他の分散補償部31(すなわち、調整対象ステージ外の分散補償部31)の分散補償量は、初期値のまま保持される。
図12は、S12において分散補償量を調整する処理の一例を示す。この例では、各デジタルコヒーレント受信器内の波形歪補正部22aは15ステージを有するものとする。D1〜D15は、他のデジタルコヒーレント受信器において先に最適化されている、対応する分散補償部31#1〜31#15の分散補償量を表す。したがって、対象デジタルコヒーレント受信器11xの分散補償部31#1〜31#15には、S2により、初期値として、D1〜D15(実際には、D1〜D15にそれぞれ対応するフィルタ係数)が設定されている。また、スパン数は10であるものとする。
この場合、対象デジタルコヒーレント受信器11xにおいて制御部23は、分散モニタ22dにより検出される波長分散に基づいて、分散補償部31#1〜31#10に設定されている分散補償量D1〜D10を一括して補正する。この例では、検出される波長分散がほぼゼロになったときに、分散補償量D1〜D10がそれぞれD1+Δd〜D10+Δdに調整されている。換言すれば、分散補償量D1〜D10をそれぞれD1+Δd〜D10+Δdに調整することによって、検出される波長分散がほぼゼロになっている。このとき、制御部23は、分散補償部31#11〜31#15の分散補償量を調整しない。すなわち、分散補償部31#11〜31#15に設定された分散補償量D11〜D15は、変化しない。
S13は、図9に示す第2の実施形態のS5に対応する。ただし、S13においては、制御部23は、FECデコーダ22cによりカウントされる誤り訂正数が最小になるように、調整対象ステージ内の非線形補償部32のみのフィルタ係数を調整する。すなわち、調整対象ステージ内の各ステージの分散補償量および非線形補償量が調整される。このとき、制御部23は、例えば、最急降下法で調整対象ステージ内の分散補償部31および非線形補償部32のフィルタ係数を調整する。或いは、制御部23は、誤り訂正数が所定の閾値よりも小さくなるように、調整対象ステージ内の分散補償部31および非線形補償部32のフィルタ係数を調整してもよい。
このように、第3の実施形態では、波形歪補正部22aにおいて、すべてのステージのパラメータを調整するのではなく、伝送スパン数に対応する数のステージにおいてパラメータが調整される。したがって、第1の実施形態と比較して、第3の実施形態によれば、新たに光信号の受信を開始するデジタルコヒーレント受信器において、さらに短い時間で波形歪補正部22aの動作状態の調整を完了させることができる。ここで、パラメータが調整されるステージ数が削減されると、波形歪補償の精度が低くなるおそれがある。しかし、図10を参照しながら説明したように、光信号のスパン数とほぼ同じ数のステージにおいてパラメータを調整すれば、ステージ数を削減したことによる波形歪補償精度の低下は僅かである。
なお、第3の実施形態に係る制御方法は、様々な変形例が考えられる。例えば、図11に示す例では、S13において分散補償量および非線形補償量の双方の微調整が行われているが、本発明はこの方法に限定されるものではない。例えば、分散耐力に余裕があるときは、S13において非線形補償量の調整のみを行うようにしてもよい。また、図11に示す例では、他のデジタルコヒーレント受信器から取得したパラメータが波形歪補正部22a内のすべてのステージに設定されているが、本発明はこの方法に限定されるものではない。例えば、調整対象ステージ外の分散補償部31および非線形補償部32は、入力信号に対して「何もしない」状態に設定されるようにしてもよい。
図11に示すフローチャートの処理が終了した時点で、波形歪補正部22aは、入力光信号の波形歪を十分に補償できる動作状態に調整されている。すなわち、上述の調整処理が終了した時点で、このデジタルコヒーレント受信器は、通信サービスの提供を開始することができる。ただし、波形歪補償精度をさらに高くするためには、上述の調整処理が終了した後に、制御部23は、誤り訂正数を最小化するように、継続的に、調整対象ステージ外の分散補償部31および非線形補償部32の動作状態を調整してもよい。この場合、例えば、温度変化などに起因して光伝送路の状態が変わっても、適切に波形歪が補償される。或いは、図11に示す調整のみで十分に良好な品質が得られるときは、調整対象ステージ外の分散補償部31および非線形補償部32への電力供給を停止してもよい。この場合、デジタルコヒーレント受信器の消費電力が削減される。
<第4の実施形態>
第1〜第3の実施形態では、上述したように、各デジタルコヒーレント受信器11において最適化されたパラメータは、装置制御部12のパラメータデータベース13に格納されている。そして、新たに光信号の受信を開始するデジタルコヒーレント受信器11は、他のデジタルコヒーレント受信器において最適化されたパラメータを装置制御部12から取得する。これに対して第4の実施形態では、デジタルコヒーレント受信器間で波形歪補正部22aのためのパラメータが受け渡される。
図13は、第4の実施形態の光伝送装置において使用される受信モジュールの一例を示す。各デジタルコヒーレント受信器11は、ハブ回路14を介して他のデジタルコヒーレント受信器へデータを送信することができる。また、各デジタルコヒーレント受信器11は、ハブ回路14を介して他のデジタルコヒーレント受信器からデータを受信することができる。
第4の実施形態のデジタルコヒーレント受信器11の構成は、図4に示す第1〜第3の実施形態と実質的に同じである。また、第4の実施形態においても、各デジタルコヒーレント受信器11は、波形歪補正部22aの動作状態を表すパラメータ(分散補償量および非線形補償量)を最適化する。ただし、第4の実施形態では、制御部23は、最適化したパラメータを、デジタルコヒーレント受信器内に実装されているメモリに格納する。すなわち、たとえば、デジタルコヒーレント受信器11#1において最適化されたパラメータは、デジタルコヒーレント受信器11#1内に保持される。
新たに光信号の受信を開始するデジタルコヒーレント受信器11(以下、対象デジタルコヒーレント受信器11x)は、対象光信号λxと同じ送信元から光信号を受信する他のデジタルコヒーレント受信器11に対してパラメータを要求する。この要求は、例えば、対象光信号λxの送信元を識別する情報を含む。この要求を受信したデジタルコヒーレント受信器11は、対象光信号λxと同じ送信元から光信号を受信しているときは、要求されたパラメータを対象デジタルコヒーレント受信器11xへ送信する。これにより、対象デジタルコヒーレント受信器11xは、第1〜第3の実施形態と同様に、他のデジタルコヒーレント受信器11において最適化されたパラメータを取得することができる。パラメータを取得した後の制御部23の処理は、第1〜第3の実施形態と実質的に同じなので、説明を省略する。
なお、第3の実施形態と同様に光信号のスパン数に応じて波形歪補正部22aの調整が行われる場合には、例えば、各デジタルコヒーレント受信器11に予めスパン数情報が設定される。そして、デジタルコヒーレント受信器11間でスパン数情報が受け渡される。スパン数情報は、例えば、装置制御部12から各デジタルコヒーレント受信器11に与えられる。或いは、光信号のオーバヘッドにスパン数情報が格納されるようにしてもよい。この場合、デジタルコヒーレント受信器11は、パラメータの最適化が終了した後、受信する光信号のオーバヘッドからスパン数情報を抽出して、そのデジタルコヒーレント受信器11内に実装されているメモリに格納する。
<第5の実施形態>
第5の実施形態は、障害等に起因して光パスが切り替えられたときの動作に係わる。以下の説明では、図14(a)に示すように、ノードAからノードBを経由してノードCへ光信号λ1を伝送する光パスが設定されている。また、ノードAからノードBを経由してノードDへ光信号λ2を伝送する光パスが設定されている。各ノードに設けられているノード装置は、WDM信号を伝送するために、図2に示す送信モジュールおよび図3に示す受信モジュールを有している。
ノード装置Dにおいて、光信号λ2を受信するデジタルコヒーレント受信器は、波形歪補正部22aを利用して光信号λ2の波形歪を補正する。したがって、ノード装置Dは、光信号λ2に対して最適化されたパラメータ(分散補償量および非線形補償量)を保持している。
ここで、図14(b)に示すように、ノードB、C間で障害が発生したものとする。また、この障害に起因して、ノードAからノードCへ向かうデータの宛先は、ノードDに変更されるものとする。すなわち、光パスの切替えが実行される。
この場合、不図示のネットワーク管理システムにより、ノードAからノードBを経由してノードDへ光信号λ3を伝送する光パスが設定される。そうすると、光信号λ3を受信するデジタルコヒーレント受信器11は、光信号λ3の波形歪を補償するように、波形歪補正部22aを調整する。ここで、光信号λ2および光信号λ3の光伝送路は、互いに同じである。よって、光信号λ3を受信するデジタルコヒーレント受信器11は、光信号λ2を受信しているデジタルコヒーレント受信器11において先に最適化されているパラメータを取得する。そして、光信号λ3を受信するデジタルコヒーレント受信器11は、取得したパラメータを初期値として使用して波形歪補正部22aの動作状態を調整する。したがって、光パスの切替えが発生したときから波形歪補正部22aの調整が終了するまでの時間が短いので、障害発生時の復旧時間が短くなる。
<偏波多重>
WDM信号に多重化される光信号は、偏波多重光信号であってもよい。すなわち、デジタルコヒーレント受信器11は、偏波多重光信号を受信してもよい。
光ファイバ中を伝搬する偏波多重光信号は、下記の非線形シュレディンガー方程式で表される。
Figure 2015201726
αは、光ファイバによる損失(又は、減衰)を表す。β2は、光ファイバの波長分散係数を表す。γ1、γ2は、光ファイバの非線形係数を表す。そして、雑音を無視すると、送信端における信号は、受信端から上述の非線形シュレディンガー方程式を逆向きに解くことによって算出される。よって、受信光信号が偏波多重光信号である場合であっても、波形歪補正部22aは、図5に示すように、複数の分散補償部31および複数の非線形補償部32を有する。
各分散補償部31は、H偏波信号およびV偏波信号のそれぞれについて波長分散を補償する演算を実行する。このとき、分散補償部31は、時間領域で波長分散を補償してもよいし、周波数領域で波長分散を補償してもよい。
各非線形補償部32は、光信号パワーに比例する位相回転を信号に与える。よって、偏波多重光信号に対応する非線形補償部32は、例えば、図15に示す構成により実現される。
以上記載した各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
波長多重光信号を伝送する光伝送装置において前記波長多重光信号中の第1の光信号を受信するデジタルコヒーレント受信器であって、
前記第1の光信号を表すデジタル信号を生成するフロントエンド回路と、
複数の分散補償部および複数の非線形補償部を含み、前記デジタル信号に対してデジタル演算を行うことにより、波形歪が補正された第1の光信号を表す補正結果信号を生成する波形歪補正部と、
前記複数の分散補償部および前記複数の非線形補償部のうち、前記第1の光信号が伝送される光伝送路のスパン数に対応する数の特定分散補償部および前記スパン数に対応する数の特定非線形補償部の動作状態を調整する制御部と、
を有するデジタルコヒーレント受信器。
(付記2)
前記制御部は、前記光伝送装置内で前記波長多重光信号中の第2の光信号を受信する他のデジタルコヒーレント受信器により前記第2の光信号の波形歪を補正するために使用されているパラメータを取得し、前記特定分散補償部および前記特定非線形補償部に前記他のデジタルコヒーレント受信器から取得したパラメータを設定する
ことを特徴する付記1に記載のデジタルコヒーレント受信器。
(付記3)
前記第2の光信号の光伝送路は、前記第1の光信号の光伝送路と同じである
ことを特徴する付記2に記載のデジタルコヒーレント受信器。
(付記4)
前記波形歪補正部から出力される補正結果信号に基づいて残留分散を検出する分散モニタをさらに有し、
前記制御部は、前記残留分散がゼロに近づくように前記特定分散補償部のパラメータを調整する
ことを特徴する付記2に記載のデジタルコヒーレント受信器。
(付記5)
前記制御部は、前記特定分散補償部のパラメータの調整が終了した後に、前記補正結果信号から再生されるデータの誤りが所定の閾値よりも小さくなるまで前記特定非線形補償部のパラメータを調整する
ことを特徴する付記4に記載のデジタルコヒーレント受信器。
(付記6)
前記波形歪補正部から出力される補正結果信号に基づいて残留分散を検出する分散モニタをさらに有し、
前記制御部は、前記残留分散がゼロに近づくように前記特定分散補償部のパラメータを調整し、その後、前記補正結果信号から再生されるデータの誤りが所定の閾値よりも小さくなるまで、前記特定分散補償部のパラメータを調整する処理および前記特定非線形補償部のパラメータを調整する処理を交互に実行する
ことを特徴する付記2に記載のデジタルコヒーレント受信器。
(付記7)
前記制御部は、前記特定分散補償部以外の分散補償部および前記特定非線形補償部以外の非線形補償部への電力の供給を停止する
ことを特徴する付記1に記載のデジタルコヒーレント受信器。
(付記8)
波長多重光信号を伝送する光伝送装置において前記波長多重光信号中の1つの光信号を受信する受信方法であって、
前記光信号を表すデジタル信号を生成し、
複数の分散補償部および複数の非線形補償部を含む波形歪補正回路を用いて、前記デジタル信号に対してデジタル演算を行うことにより、波形歪が補正された光信号を表す補正結果信号を生成し、
前記複数の分散補償部および前記複数の非線形補償部のうち、前記光信号が伝送される光伝送路のスパン数に対応する数の特定分散補償部および前記スパン数に対応する数の特定非線形補償部の動作状態を調整し、
前記補正結果信号からデータを再生する
ことを特徴とする受信方法。
(付記9)
波長多重光信号に多重化されている複数の光信号をそれぞれ受信する複数のデジタルコヒーレント受信器を有する光伝送装置であって、
各デジタルコヒーレント受信器は、
対応する受信光信号を表すデジタル信号を生成するフロントエンド回路と、
複数の分散補償部および複数の非線形補償部を含み、前記デジタル信号に対してデジタル演算を行うことにより、波形歪が補正された受信光信号を表す補正結果信号を生成する波形歪補正部と、
前記補正結果信号からデータを再生するデータ再生部と、
前記複数の分散補償部および前記複数の非線形補償部が前記補正結果信号を生成するためのデジタル演算において使用するパラメータを調整する制御部と、を有し、
第1のデジタルコヒーレント受信器が前記波長多重光信号中の第1の光信号の受信を開始するときに、前記波長多重光信号中の第2の光信号を受信する第2のデジタルコヒーレント受信器において前記制御部による調整が終了している前記パラメータが、前記第1のデジタルコヒーレント受信器の前記波形歪補正部に設定される
ことを特徴とする光伝送装置。
(付記10)
前記波長多重光信号に多重化されている複数の光信号のそれぞれについて、対応するデジタルコヒーレント受信器の制御部により調整が終了しているパラメータを格納する格納部をさらに有し、
前記第1のデジタルコヒーレント受信器の制御部は、前記第2の光信号についてのパラメータを前記格納部から取得する
ことを特徴とする付記9に記載の光伝送装置。
(付記11)
各デジタルコヒーレント受信器は、前記制御部による調整が終了しているパラメータを格納する格納部を有し、
前記第1のデジタルコヒーレント受信器の制御部は、前記第2の光信号に対して調整されているパラメータを前記第2のデジタルコヒーレント受信器の格納部から取得する
ことを特徴とする付記9に記載の光伝送装置。
(付記12)
前記第2の光信号の光伝送路は、前記第1の光信号の光伝送路と同じである
ことを特徴とする付記9〜11のいずれか1つに記載の光伝送装置。
11(11#1〜11#m) デジタルコヒーレント受信器
12 装置制御部
13 パラメータデータベース
14 ハブ回路
21 フロントエンド回路
22 DSP
22a 波形歪補正部
22b データ再生部
22c FECデコーダ
22d 分散モニタ
23 制御部
31 分散補償部
32 非線形補償部

Claims (9)

  1. 波長多重光信号を伝送する光伝送装置において前記波長多重光信号中の第1の光信号を受信するデジタルコヒーレント受信器であって、
    前記第1の光信号を表すデジタル信号を生成するフロントエンド回路と、
    複数の分散補償部および複数の非線形補償部を含み、前記デジタル信号に対してデジタル演算を行うことにより、波形歪が補正された第1の光信号を表す補正結果信号を生成する波形歪補正部と、
    前記複数の分散補償部および前記複数の非線形補償部のうち、前記第1の光信号が伝送される光伝送路のスパン数に対応する数の特定分散補償部および前記スパン数に対応する数の特定非線形補償部の動作状態を調整する制御部と、
    を有するデジタルコヒーレント受信器。
  2. 前記制御部は、前記光伝送装置内で前記波長多重光信号中の第2の光信号を受信する他のデジタルコヒーレント受信器により前記第2の光信号の波形歪を補正するために使用されているパラメータを取得し、前記特定分散補償部および前記特定非線形補償部に前記他のデジタルコヒーレント受信器から取得したパラメータを設定する
    ことを特徴する請求項1に記載のデジタルコヒーレント受信器。
  3. 前記波形歪補正部から出力される補正結果信号に基づいて残留分散を検出する分散モニタをさらに有し、
    前記制御部は、前記残留分散がゼロに近づくように前記特定分散補償部のパラメータを調整する
    ことを特徴する請求項2に記載のデジタルコヒーレント受信器。
  4. 前記制御部は、前記特定分散補償部のパラメータの調整が終了した後に、前記補正結果信号から再生されるデータの誤りが所定の閾値よりも小さくなるまで前記特定非線形補償部のパラメータを調整する
    ことを特徴する請求項3に記載のデジタルコヒーレント受信器。
  5. 前記波形歪補正部から出力される補正結果信号に基づいて残留分散を検出する分散モニタをさらに有し、
    前記制御部は、前記残留分散がゼロに近づくように前記特定分散補償部のパラメータを調整し、その後、前記補正結果信号から再生されるデータの誤りが所定の閾値よりも小さくなるまで、前記特定分散補償部のパラメータを調整する処理および前記特定非線形補償部のパラメータを調整する処理を交互に実行する
    ことを特徴する請求項2に記載のデジタルコヒーレント受信器。
  6. 波長多重光信号を伝送する光伝送装置において前記波長多重光信号中の1つの光信号を受信する受信方法であって、
    前記光信号を表すデジタル信号を生成し、
    複数の分散補償部および複数の非線形補償部を含む波形歪補正回路を用いて、前記デジタル信号に対してデジタル演算を行うことにより、波形歪が補正された光信号を表す補正結果信号を生成し、
    前記複数の分散補償部および前記複数の非線形補償部のうち、前記光信号が伝送される光伝送路のスパン数に対応する数の特定分散補償部および前記スパン数に対応する数の特定非線形補償部の動作状態を調整し、
    前記補正結果信号からデータを再生する
    ことを特徴とする受信方法。
  7. 波長多重光信号に多重化されている複数の光信号をそれぞれ受信する複数のデジタルコヒーレント受信器を有する光伝送装置であって、
    各デジタルコヒーレント受信器は、
    対応する受信光信号を表すデジタル信号を生成するフロントエンド回路と、
    複数の分散補償部および複数の非線形補償部を含み、前記デジタル信号に対してデジタル演算を行うことにより、波形歪が補正された受信光信号を表す補正結果信号を生成する波形歪補正部と、
    前記補正結果信号からデータを再生するデータ再生部と、
    前記複数の分散補償部および前記複数の非線形補償部が前記補正結果信号を生成するためのデジタル演算において使用するパラメータを調整する制御部と、を有し、
    第1のデジタルコヒーレント受信器が前記波長多重光信号中の第1の光信号の受信を開始するときに、前記波長多重光信号中の第2の光信号を受信する第2のデジタルコヒーレント受信器において前記制御部による調整が終了している前記パラメータが、前記第1のデジタルコヒーレント受信器の前記波形歪補正部に設定される
    ことを特徴とする光伝送装置。
  8. 前記波長多重光信号に多重化されている複数の光信号のそれぞれについて、対応するデジタルコヒーレント受信器の制御部により調整が終了しているパラメータを格納する格納部をさらに有し、
    前記第1のデジタルコヒーレント受信器の制御部は、前記第2の光信号についてのパラメータを前記格納部から取得する
    ことを特徴とする請求項7に記載の光伝送装置。
  9. 各デジタルコヒーレント受信器は、前記制御部による調整が終了しているパラメータを格納する格納部を有し、
    前記第1のデジタルコヒーレント受信器の制御部は、前記第2の光信号に対して調整されているパラメータを前記第2のデジタルコヒーレント受信器の格納部から取得する
    ことを特徴とする請求項7に記載の光伝送装置。
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