本発明の実施の形態について、図面を用いて以下、詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの説明に限定されず、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書で説明する各図において、膜や層、基板などの厚さや領域の大きさ等の各構成要素の大きさは、個々に説明の明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしも各構成要素はその大きさに限定されず、また各構成要素間での相対的な大きさに限定されない。
なお、本明細書等において、第1、第2などとして付される序数詞は、便宜上用いるものであって工程の順番や積層の順番などを示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
なお、本明細書等で説明する本発明の構成において、同一部分又は同様の機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を有する部分を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、本明細書等において、蓄電装置用の正極及び負極を電極とよぶことがあるが、この場合、電極は正極及び負極のうち少なくともいずれか一方を示すものとする。
ここで、充電レートおよび放電レートについて説明する。例えば、容量X[Ah]の二次電池を定電流充電する際に、充電レート1Cとは、ちょうど1時間で充電終了となる電流値I[A]のことであり、充電レート0.2Cとは、I/5[A](すなわち、ちょうど5時間で充電終了となる電流値)のことである。同様に、放電レート1Cとは、ちょうど1時間で放電終了となる電流値I[A]のことであり、放電レート0.2Cとは、I/5[A](すなわち、ちょうど5時間で放電終了となる電流値)のことである。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る蓄電装置の構成の一例を説明する。
[蓄電装置の構成]
ここで、本発明の一態様である蓄電装置の一例について、図1を用いて説明する。図1に、蓄電装置500の断面図の一例を示す。図1に示す蓄電装置500は、一以上の正極と、一以上の負極と、正極と負極に挟まれるセパレータ507と、電解液508と、外装体509と、を有する。外装体509内に、電解液508が入っている。図2は、図1に示す破線で囲まれた領域の拡大図であり、蓄電装置500が有する正極、負極及びセパレータを拡大した断面図を示す。蓄電装置500は正極503a乃至正極503cを有する。それぞれの正極は、正極集電体及び正極活物質層を有する。正極503aは、正極集電体501、正極活物質層502a及び第2の正極活物質層502bを有する。また、蓄電装置500は負極506a乃至負極506cを有する。それぞれの負極は、負極集電体及び負極活物質層を有する。負極506aは、負極集電体504、負極活物質層505a及び第2の負極活物質層505bを有する。また、正極活物質層502aと、負極活物質層505aは、セパレータ507を挟んで向かい合っている。
ここで活物質とは、キャリアであるイオンの挿入・脱離に関わる物質のみを指すが、本明細書等では、本来「活物質」である材料に加えて、導電助剤やバインダーなどを含めたものも、活物質層と呼ぶ。
ここで、蓄電装置500の正極と負極の間にセパレータを挟み、順に積層する様子を図3の斜視図に示す。ここでは、わかりやすくするために正極とセパレータの間、およびセパレータと負極の間に間隔を設けているが、それぞれが接していてもよい。
ここで、蓄電装置500の有する正極及び負極の、大きさの関係、及び位置の関係について説明する。蓄電装置500において、正極と負極の面積は概略同じであることが好ましい。
例えば、セパレータを挟んで向かい合う正極と負極の面積は、概略同じであることが好ましい。図2において正極503aと負極506aの面積は概略同じである。正極503aと負極506aの面積を概略同じとすることにより、負極が正極と重ならない領域を小さくする(あるいは理想的にはなくす)ことができ、蓄電装置の不可逆容量を減少することができるため好ましい。
または、セパレータを挟んで向かい合う正極活物質層の面積と負極活物質層の面積は概略同じであることが好ましい。図2において正極活物質層502aと負極活物質層505aの面積は概略同じである。
また例えば正極及び負極が端子部を有する場合には、正極のうち、端子部を除く領域の面積と、負極のうち、端子部を除く領域の面積が、概略同じであってもよい。
また、図2の例に示す通り、例えば、正極503aと負極506aの端部は概略揃うことが好ましい。または正極活物質層502aと負極活物質層505aの端部は概略揃うことが好ましい。
負極506a、負極506aと正極503aの間のセパレータ507、及び正極503aを上から見た図を図4(A)、(B)に示す。図4(A)は、正極503aと負極506aの面積が概略同じであり、かつ、端部が概略揃っている場合を示す。ここで端部とは、例えば図4(A)等に示すように平面視において、あるいは上面からみた場合における端部を指す。
または、図4(B)に示すように正極503aと負極506aの面積が概略同じで、かつ、その端部の一部または全部が揃っていない場合もある。ここで、図4(C)に、図4(B)の場合の負極506aの上面図をさらに詳細に示す。図4(C)では、負極506aの負極活物質層505aが、セパレータ507を挟んで正極活物質層502aまたは/及び正極集電体501と重なる領域261と、正極活物質層502a及び正極集電体501のいずれとも重ならない領域262を有する。このとき、領域262の面積は小さいほど好ましい。また、正極503aの端部と負極506aの端部の距離は小さいほど好ましい。ここで例えば、正極503aの端部と負極506aの端部の距離は、0.5mm以下が好ましく、0.2mm以下がより好ましく、0.1mm以下がさらに好ましい。あるいは、正極503aと負極506aの幅または長さの差は、1mm以下が好ましく、0.4mm以下がより好ましく、0.2mm以下がさらに好ましい。
あるいは、負極の端部は、正極の端部よりも内側であることが好ましい。また、例えばセパレータを挟んで向かい合う正極活物質層と負極活物質層において、負極活物質層の端部は、正極活物質層の端部よりも内側であることが好ましい。図5は蓄電装置500の断面の一部を拡大した図を示す。例えば、図5に示す通り、負極506aの端部は、正極503aの端部よりも内側であることが好ましい。図5において、負極506a、負極506aと正極503aの間のセパレータ507、及び正極503aを上から見た図を図6に示す。
負極506aの端部が、正極503aの端部よりも内側に位置することにより、負極506aが、すべて正極503aと重なるようにすることができる。または負極506aと正極503aが重ならない領域の面積を小さくすることができる。また、負極506aの面積に対して、正極503aの面積が大きすぎると、正極503aの余剰部分が多くなり、蓄電装置500の体積あたりの容量が小さくなってしまう。よって例えば、負極506aの端部が正極503aの端部よりも内側に位置する場合には、正極503aの端部と負極506aの端部の距離は3mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.1mm以下がさらに好ましい。あるいは、正極503aと負極506aの幅または長さの差は、6mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、0.2mm以下がさらに好ましい。
一方、図7は負極の端部が正極の端部よりも外側に位置する場合の一例を示す。ここで図7は、蓄電装置500の断面の一部を拡大した図である。図7において、負極506aの負極活物質層505aは、正極503aと重なる領域261と、正極503aの端部よりも外側に位置し、領域261に隣接する領域262と、を有する。図7において、負極506a、負極506aと正極503aの間のセパレータ507、及び正極503aを上から見た図を図8(A)に示す。また、図8(B)には、図7において負極506aを上から見た図を示す。
図7及び図8(B)に示す領域261は、負極506aが、セパレータ507を挟んで正極活物質層502aと重なる。または、領域261は、負極506aが、セパレータを挟んで正極活物質層502aと重ならず、正極集電体501のみと重なる領域を有してもよいが、正極活物質層502aと重なることがより好ましい。また領域262は、負極506aが、正極活物質層502a及び正極集電体501のいずれとも重ならない領域である。
ここで、領域262の面積は小さいほど好ましい。または、図7及び図8において、正極503aの端部と負極506aの端部との距離は小さいほど好ましい。例えば、正極503aの端部と負極506aの端部の距離は0.01mm以上0.5mm以下が好ましく、0.01mm以上0.2mm以下がより好ましく、0.01mm以上0.1mm以下がさらに好ましい。あるいは、正極503aと負極506aの幅または長さの差は、0.02mm以上1mm以下が好ましく、0.02mm以上0.4mm以下がより好ましく、0.02mm以上0.2mm以下がさらに好ましい。
ここで、領域262の面積が極めて小さくなる場合とは、例えば図2及び図4(A)に示す通り、正極503aの端部と負極506aの端部が重なった場合である。あるいは、例えば図5及び図6に示す通り、負極506の端部よりも正極503の端部が外側に位置する場合である。
ここで、蓄電装置500の負極506aが負極506aと正極503aが重ならない領域を有する場合に、蓄電装置500において生じる反応について、図7及び図8を用いて説明する。領域262は、負極活物質層505aにおいて、負極活物質層505aと正極活物質層502aまたは/及び正極集電体501が重ならない領域である。後に詳しく説明するが、蓄電装置500において第1の反応を例えばリチウムイオンとの可逆な反応、第2の反応を例えば電解液の分解等の不可逆な反応とする。第1の反応において授受される電子数をR1、第2の反応で授受される電子数をR2とすると、領域262では、領域261と比較して、R2/R1の値が大きくなると考えられる。よって、領域262の面積が大きいと、不可逆容量が増大して蓄電装置の容量が低くなる場合がある。ここで例えば、領域262の面積は領域261の面積の2%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。または、正極活物質層502aの面積は、負極活物質層505aの面積の98%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。ここで面積とは、例えば図8に示すような上面図における面積である。
なお、正極活物質層502aの面積は、負極活物質層505aの面積の100%(1倍)を超えても構わない。例えば、正極活物質層502aの面積は、負極活物質層505aの面積の1.3倍以下、より好ましくは1.2倍以下、さらに好ましくは1.1倍以下である。
領域261は、負極活物質層505aに対して、セパレータを挟んで向かい合う正極活物質層502a、または/及び正極集電体501が存在する領域である。このような領域では、正極−負極間に印加される電界の分布は概略、均一であると考えられる。一方、領域262では負極活物質層505aと正極活物質層502aまたは/及び正極集電体501が重ならないため、領域261と比較して正極−負極間に印加される電界の分布が均一でないと考えられる。
また、例えば充電において正極活物質層502aから脱離したリチウムイオンは電解液に放出され、正極活物質層502aの表面近傍においてはリチウムイオン濃度が高まる。また、正極活物質層502aと負極活物質層505aとの間に、リチウムイオン濃度の勾配が生じる。このような濃度勾配により、例えば負極活物質層505aでの電池反応が促進される可能性がある。
ここで正極活物質層502aから領域261までの距離は、間に挟まれるセパレータの厚さで大よそ決定されると考えても差し支えない。つまり領域262の幅、すなわち領域261と領域262との境界から領域262のもう一方の端部までの距離が、セパレータの厚さよりも大きい場合には、領域262と正極活物質層502aとの距離は、領域261と正極活物質層502aとの距離と比較して大きいといえる。よって、領域261と比較して、領域262では電池反応が起こりにくい可能性がある。
ここで電解液の溶媒としてイオン液体を用いた場合を考える。イオン液体のカチオン及びアニオンは電荷を持つため、有機溶媒などの分子と比較して電極表面、例えば活物質層や集電体の表面近傍に、より存在しやすいと考えられる。よって活物質層の表面や集電体の表面での分解反応も、より生じやすいと考えられる。また、キャリアイオン、例えばリチウムイオンの電池反応を阻害してしまう可能性も考えられる。よって、電解液の溶媒としてイオン液体を用いた場合には、電界の分布や、リチウム濃度の影響をより顕著に受けやすい可能性がある。
ここで、負極506aにおいて、負極集電体504の端部と負極活物質層505aの端部が異なってもよい。
図9乃至図11は、蓄電装置500の断面の一部を拡大した図である。図9は、負極集電体504の端部が、負極活物質層505aの端部よりも外側に位置する例を示す。このとき、例えば図9に示すように、負極活物質層505aの端部は、正極503aの端部と概略揃うことが好ましい。
あるいは図10に示すように、例えば負極活物質層505aの端部は、正極503aの端部より内側に位置することが好ましい。
また図11に示すように、正極503aにおいて、正極集電体501の端部と正極活物質層502aの端部が異なっていてもよい。このとき、図11に示すように、例えば負極活物質層505aの端部は、正極活物質層502aと概略揃うことが好ましい。あるいは、図11には示さないが、負極活物質層505aは、正極活物質層502aよりも内側に位置することが好ましい。
ここで、蓄電装置500の動作について説明する。ここでは例として蓄電装置500がリチウムイオン二次電池である場合について述べる。また、ここでは例として正極活物質にLiFePO4を、負極活物質に黒鉛を、用いるリチウムイオン二次電池を示すが、本発明の一態様の蓄電装置に用いる活物質は、これに限定されない。
図46(A)に、リチウムイオン二次電池を充電する場合における、蓄電装置500と、充電器1122との接続構成を示す。蓄電装置500がリチウムイオン二次電池である場合、充電時において正極では以下の化学反応式(1)の反応が起こる。
また、充電時において負極では、以下の化学反応式(2)の反応が起こる。
ここで例えば電解液は、電池反応の電位において、電極表面で分解することがある。このような分解反応は不可逆な反応であることが多い。そのため、蓄電装置の容量の損失に繋がる場合がある。特に負極においては電池反応の電位が低く、電解液の還元分解が生じやすく、容量が低減しやすい。
ここで、負極の反応について更に詳しく述べる。化学反応式(2)で表される反応を、第1の反応と呼ぶ。
一方、負極において、充電時に生じる化学反応式(2)以外の反応が生じる場合がある。例えば、電解液が電極の表面で分解する可能性がある。また、例えば電解液の溶媒としてイオン液体を用いた場合、該イオン液体のカチオン等が活物質の層間に挿入する場合もある。これらの反応は、不可逆な反応である場合が多い。このように、化学反応式(2)以外の反応のうち、不可逆な反応を第2の反応と呼ぶ。
第2の反応は不可逆な反応であるため、第2の反応が起こると充電と比較して放電の容量が小さくなってしまう。よって、蓄電装置の容量を低下する要因となる。よって、第2の反応はできる限り小さいことが好ましい。
一方、第2の反応により、電極表面に被膜を形成する場合がある。形成された被膜は不動態膜としての役割を有する場合がある。この不動態膜の存在により、充電または放電でのリチウムイオン以外のイオンの更なる分解反応を抑制できる場合がある。よって、被膜が形成された後の蓄電装置の容量低下を抑制できる可能性があり、好ましい。
次に、放電について説明する。図46(B)に、リチウムイオン二次電池を放電する場合における、蓄電装置500と、負荷1123との接続構成を示す。放電時において、正極では以下の化学反応式(3)の反応が起こる。
また、放電時において負極では、以下の化学反応式(4)の反応が起こる。
負極において、化学反応式(4)の反応以外に、引き続き電解液の分解等の不可逆な反応が生じる場合を考える。その場合には、放電の容量と比較して、次の充放電サイクルにおける充電の容量が低下する場合がある。つまり不可逆な反応が生じ続けると、充放電サイクルに伴い徐々に容量が低下する場合がある。
ここで、電解液の溶媒としてイオン液体を用いた場合に生じる第2の反応について、詳しく説明する。
イオン液体が有するカチオンやアニオンは電荷をもつため、例えば電極表面などで電気二重層を形成することができ、電気二重層キャパシタなどの蓄電装置に用いることができる。
一方、イオン液体が有するカチオンやアニオンは、電極表面で分解する場合がある。分解反応の多くは不可逆な反応であり、蓄電装置の容量の低下を招く可能性がある。
また、イオン液体が有するイオンは、例えば黒鉛などに代表される層間化合物において、層間へ挿入する場合や、挿入後に脱離する場合がある。一例として、例えば黒鉛を蓄電装置の負極活物質として用いた際に、カチオンが黒鉛の層間に挿入することがある。このような場合には、挿入時に電極表面で電荷を授受して充電容量を発生させる。
ここで例えば、カチオンが黒鉛の層間に挿入した後、脱離できない場合を考える。この場合には不可逆な反応となり、容量の損失を招く。また挿入したカチオンが分解してしまった場合や、挿入または脱離の過程の途中でカチオンが分解してしまった場合についても、その分解反応は不可逆な反応であることが多く、蓄電装置の容量の損失を招く可能性がある。
これらの不可逆な反応が、第2の反応の一例である。第2の反応は、化学反応式(1)乃至化学反応式(4)の反応と並行して生じると考えられる。第2の反応と比較して、電池動作の正常な反応、すなわち化学反応式(1)乃至化学反応式(4)の反応の方が起こりやすい環境をつくることは、蓄電装置の容量を高めるために好ましい。
後の実施例で詳細を説明するが、発明者らは、蓄電装置の負極において、正極と重ならない領域が初期不可逆容量を増大させる可能性があることを発見した。つまり、負極において、正極と重ならない領域が大きいと上記の第2の反応が生じやすいことが示唆された。また、このような現象は、蓄電装置の電解液にイオン液体を用いた場合に特に顕著であることが示唆された。
このことから、例えば負極において正極と重ならない領域を小さくすることにより、初期不可逆容量を減少させることができることがわかった。
次に、電解液の溶媒として用いることのできるイオン液体の例を説明する。
電解液の溶媒として、例えば四級アンモニウムカチオン、三級スルホニウムカチオン、または四級ホスホニウムカチオン等の脂肪族オニウムカチオンを含むイオン液体を用いた場合、イミダゾリウムカチオン等の芳香族カチオンを含むイオン液体と比較して還元電位が低く、蓄電装置の不可逆容量を小さくすることができる場合がある。しかしながら、該イオン液体の粘性が高いため、イオン(例えば、リチウムイオン)の伝導性が低い。また、該イオン液体をリチウムイオン電池に用いた場合、低温環境下(とくに0℃以下)において、該イオン液体(より、具体的には該イオン液体を有する電解質)の抵抗が高くなり、充放電速度を高めることが困難である。
電解液の溶媒として、イミダゾリウムカチオン等の芳香族カチオンを含むイオン液体を用いた場合、脂肪族化合物のカチオンを含むイオン液体と比較して粘度が低く、充放電速度を高めることができるため好ましい。一方、イミダゾリウムカチオン等の芳香族カチオンは、蓄電装置の構成材料である活物質や集電体などの表面で還元分解しやすい場合がある。その結果、不可逆容量が増大してしまうことがある。また、充放電サイクルに伴う容量の低下を招く場合がある。これらの現象は、イミダゾリウムカチオン等の芳香族カチオンの還元電位の高さに由来する可能性がある。また、例えばこれらの現象は、イミダゾリウムカチオンの構造に由来する可能性がある。したがって、イミダゾリウムカチオン等の芳香族カチオンにおいて、蓄電装置の構成材料である活物質や集電体などの表面での還元分解を抑制することが特に好ましい。
また、例えば四級アンモニウムカチオン、三級スルホニウムカチオン、及び四級ホスホニウムカチオン等の脂肪族オニウムカチオンを含むイオン液体においても、比較的還元電位が低いものの、例えば高温での充放電サイクル下においては蓄電装置の構成材料である活物質や集電体などの表面での還元分解が生じる可能性がある。
本発明の一態様により、例えば蓄電装置500の活物質層や集電体などの表面で生じる電解液の分解反応を抑制し、蓄電装置の容量を高めることができる。
また負極集電体504及び正極集電体501の表面においても、電解液508との不可逆な反応が生じる場合がある。よって、正極集電体501や、負極集電体504は、電解液との反応が小さいことが好ましい。
正極集電体501及び負極集電体504として、例えば、金、白金、亜鉛、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、チタン、タンタル、マンガン等の金属、及びこれらを含む合金等(ステンレス等)などを用いることができる。または、焼結した炭素などを用いてもよい。また、銅またはステンレス鋼を炭素、ニッケル、チタン等で被覆してもよい。また、シリコン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアルミニウム合金を用いることができる。また、シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素で形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。
ステンレス等を集電体として用いることにより、電解液との反応をより小さくすることができる場合があるため、好ましい。
また、正極集電体501及び負極集電体504は、箔状、板状(シート状)、網状、円柱状、コイル状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状、多孔質状および不織布を包括する様々な形態等の形状を適宜用いることができる。さらに、活物質層との密着性を上げるために正極集電体501及び負極集電体504は表面に細かい凹凸を有していてもよい。また、正極集電体501及び負極集電体504は、厚みが5μm以上30μm以下のものを用いるとよい。
<タブ領域>
ここで、例えば図12(A)に示す通り、正極503a及び負極506aはそれぞれタブ領域281a及びタブ領域282aを有してもよい。タブ領域281a及びタブ領域282aは、蓄電装置の端子として機能するリード電極と接続してもよい。例えば、タブ領域の一部をリード電極と溶接してもよい。正極503aに設けられるタブ領域281aは、正極集電体の少なくとも一部が露出していることが好ましい。また、負極506aに設けられるタブ領域282aは、負極集電体の少なくとも一部が露出していることが好ましい。集電体の一部が露出することにより、リード電極と集電体との間の接触抵抗を小さくすることができる。
一方、集電体表面を露出させることにより、電解液508と集電体の反応が生じやすくなる場合がある。よって、集電体の表面が露出する領域の面積は、小さいことが好ましい。ここで、タブ領域281aやタブ領域282aのうち、例えばリード電極と溶接しない領域の表面の少なくとも一部に、高い絶縁性を有する層271を形成することにより、電解液508との不可逆な反応を抑制できる場合がある。特に負極の反応電位は低く、電解液がより分解しやすいため、タブ領域282aの表面に層271を形成することがより好ましい。
ここで、タブ領域282aの表面の一部に、層271を形成する例について説明する。図12(B)及び図12(C)は負極506aを上面からみた図である。図12(B)において、負極506aのタブ領域282aは、少なくとも集電体の表面の一部が露出している。タブ領域282aには後述するリード電極が溶接される。図12(C)に示すように、タブ領域282aは、領域284aと、領域284aに隣接し、タブ領域の先端により近い領域283aの2つの領域を有する。ここで、例えば図12(C)に示す領域283aの少なくとも一部にリード電極が溶接される場合には、例えば領域284aの表面に、層271を形成することが好ましい。また、領域284aの表面は、層271で覆われることがより好ましい。例えば、層271は、負極活物質層505aよりも高い抵抗を有することが好ましい。また、例えば、層271は負極活物質層505aより薄いことがより好ましい。ここで、予め領域284aの表面に層271を形成してから領域283aにリード電極を溶接してもよいし、領域283aにリード電極を溶接した後に領域284aの表面に層271を形成してもよい。ここで、図12(C)の一点鎖線A−Bに示す断面を、図13(A)及び図13(B)に示す。図13(A)において、領域284aの少なくとも一部に層271が設けられることが好ましい。また、領域283aの少なくとも一部は、負極集電体504の表面が露出していることが好ましい。ここで層271は、例えば負極活物質層505aより薄いことが好ましい。また、図13(B)に示すように、層271は、島状の領域が離散的に存在しても構わない。
層271は、例えば絶縁性が高い材料を用いて形成すればよい。ここで、絶縁性が高い材料は電解液に溶解しにくいことが好ましい。また、絶縁性が高い材料は集電体の電位で顕著な分解をしないことが好ましい。絶縁性が高い材料として例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、イソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)等、を用いることができる。また、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体などのゴム材料等、を用いることができる。また、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ジアセチルセルロース、再生セルロースなどのセルロース誘導体や、澱粉などの水溶性高分子等、を用いることができる。また、これらの材料を複数組み合わせて用いてもよい。特に、前述のゴム材料は、水溶性高分子と組み合わせて用いることがより好ましい。
ここで、正極503aがタブ領域281を有し、負極506aがタブ領域282を有する場合について、図14を用いて説明する。負極506a、負極506aと正極503aの間のセパレータ507、及び正極503aを上から見た図の例を図14(A)乃至図14(C)に示す。
図14(A)は、タブ領域を除いて、正極503aの端部と負極506aの端部が概略一致する例を示す。また、図14(B)は、タブ領域を除いて、負極506aの端部が正極503aの端部よりも内側に位置する例を示す。
図14(A)及び図14(B)ではタブ領域282を除いて、負極506aは正極503aと重なるため好ましい。負極506aが正極503aと重なることにより、蓄電装置500の不可逆な反応が抑制されるため好ましい。不可逆な反応が抑制されることにより、蓄電装置500の容量減少を抑えることができ、容量を高めることができる場合があり好ましい。
一方、図14(C)は、タブ領域を除いて、負極506aの端部が正極503aの端部よりも外側に位置する例を示す。図14(C)において負極506aが正極503aと重なる領域と、その他の領域について、図14(D)を用いて詳細に説明する。
図14(D)は、負極506aの上面図を示す。図14(D)に示す負極506aが有する領域261は、図14(C)において負極506aが正極503aと重なる領域を示す。また、領域262は、図14(C)において負極506aが正極503aと重ならない領域を示す。また、領域285は、図14(C)において負極506aが正極503aのタブ領域と重なる領域を示す。ここで、蓄電装置の不可逆な反応を抑制するためには、領域262の面積は小さい方が好ましい。不可逆な反応が抑制されることにより、蓄電装置500の容量減少を抑えることができ、容量を高めることができる場合があり好ましい。
次に、図15(A)、図15(B)および図16には正極503a、負極506a及びセパレータの上面図を示す。図15(A)は、正極503a、負極506a及びセパレータがそれぞれ矩形の場合の上面図の例を示す。ここで正極503aの端部と負極506aの端部の距離(または間隔)とは、例えば図15(A)等に示すように、上面から見て正極及び負極が矩形の場合、長辺同士における距離131や、短辺同士における距離132を示す。
また、正極503aの幅及び長さは、例えば図15(A)等に示す幅137及び長さ139とすればよい。同様に、負極506aの幅及び長さは、例えば図15(A)等に示す幅136及び長さ138とすればよい。
また、例えば図15(B)は、正極503a及び負極506aがタブ領域281及びタブ領域282を有する場合を示す。正極503a及び負極506aがタブ領域281及びタブ領域282を有する場合は、正極503aや負極506aの幅や長さにタブ領域281やタブ領域282を含まなくてもよい。例えば、正極503aの幅及び長さは、図15(B)に示す幅137及び長さ139とすればよい。同様に、負極506aの幅及び長さは、図15(B)に示す幅136及び長さ138とすればよい。
また、例えば図16は、正極503aの端部と負極506aの端部が平行でない場合を示す。このような場合には、複数箇所で端部間の距離を測定し、その平均を算出してもよい。図16には、端部間の距離として距離133a乃至距離133c、距離134a及び距離134bを測定する例を示すが、測定箇所や測定点数はこれに限らない。
<蓄電装置の構成要素>
次に、蓄電装置500の構成要素について説明する。正極活物質層は、正極活物質を有する。正極活物質としては、リチウムイオンが挿入および脱離することが可能な材料を用いることができ、例えば、オリビン型構造、層状岩塩型構造、またはスピネル型構造、NASICON型結晶構造を有する材料等を用いることができる。正極活物質に用いることのできる材料については、実施の形態3で詳細を説明する。
また、負極活物質層は、負極活物質を有する。負極活物質としては、例えば炭素系材料、合金系材料等を用いることができる。負極活物質に用いることのできる材料については、実施の形態3で詳細を説明する。
また、正極活物質層及び負極活物質層は、導電助剤を有してもよい。導電助剤としては例えば炭素材料、金属材料、及び導電性セラミックス材料等を用いることができる。また、導電助剤として繊維状の材料を用いてもよい。導電助剤に用いることのできる材料については、実施の形態3で詳細を説明する。
また、正極活物質層及び負極活物質層は、バインダーを有してもよい。バインダーに用いることのできる材料については、実施の形態3で詳細を説明する。
セパレータ507としては、例えば、紙、不織布、ガラス繊維、セラミックス、或いはポリアミド、ビニロン(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリウレタンを用いた合成繊維等で形成されたものを用いることができる。
電解液508の溶媒は、難燃性及び難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を有することが好ましい。イオン液体は一つ又は複数の種類を組み合わせて用いればよい。イオン液体を有する電解液508を用いることで、蓄電装置の内部短絡や、過充電等によって内部温度が上昇しても、蓄電装置の破裂や発火などを防ぐことができる。イオン液体は、カチオンとアニオンからなり、有機カチオンとアニオンとを含む。該有機カチオンとして、イミダゾリウムカチオン及びピリジニウムカチオン等の芳香族カチオンや、四級アンモニウムカチオン、三級スルホニウムカチオン、及び四級ホスホニウムカチオン等の脂肪族オニウムカチオンが挙げられる。また、該アニオンとして、1価のアミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、フルオロスルホン酸アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート、パーフルオロアルキルボレート、ヘキサフルオロホスフェート、またはパーフルオロアルキルホスフェート等が挙げられる。電解液508の溶媒として用いることのできるイオン液体については、実施の形態2で詳細を説明する。
また、電解液508の溶媒として、上述のイオン液体に非プロトン性有機溶媒を混合して用いてもよい。非プロトン性有機溶媒としては例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、メチルジグライム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、テトラヒドロフラン、スルホラン、スルトン等の1種、又はこれらのうちの2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
また、電解液にビニレンカーボネート、プロパンスルトン(PS)、tert−ブチルベンゼン(TBB)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、LiBOBなどの添加剤を添加してもよい。添加剤の濃度は、例えば溶媒全体に対して0.1weight%以上5weight%以下とすればよい。
また、上記の溶媒に溶解させる電解質としては、キャリアにリチウムイオンを用いる場合、例えばLiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiAlCl4、LiSCN、LiBr、LiI、Li2SO4、Li2B10Cl10、Li2B12Cl12、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、LiC(CF3SO2)3、LiC(C2F5SO2)3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)、LiN(C2F5SO2)2等のリチウム塩を一種、又はこれらのうちの二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
また、蓄電装置に用いる電解液は、粒状のごみや電解液の構成元素以外の元素(以下、単に「不純物」ともいう。)の含有量が少ない高純度化された電解液を用いることが好ましい。具体的には、電解液に対する不純物の重量比を1%以下、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.01%以下とすることが好ましい。
また、ポリマーを電解液で膨潤させたゲル電解質を用いてもよい。ゲル電解質(ポリマーゲル電解質)の例としては、担体としてホストポリマーを用い、上述の電解液を含有させたものが挙げられる。
ホストポリマーの例を以下に説明する。ホストポリマーとしては、例えばポリエチレンオキシド(PEO)などのポリアルキレンオキシド構造を有するポリマーや、PVdF、およびポリアクリロニトリル等、およびそれらを含む共重合体等を用いることができる。例えばPVdFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体であるPVdF−HFPを用いることができる。また、形成されるポリマーは、多孔質形状を有してもよい。
また、電解液と組み合わせて、硫化物系や酸化物系等の無機物材料を有する固体電解質や、PEO(ポリエチレンオキシド)系等の高分子材料を有する固体電解質を用いてもよい。例えば、固体電解質を活物質層の表面に形成してもよい。また、固体電解質と電解液を組み合わせて用いる場合には、セパレータやスペーサの設置が不要となる場合がある。
外装体509は、電解液と接する面、すなわち内側の面は電解液と顕著な反応を生じないことが好ましい。また、蓄電装置500の外部から蓄電装置内に水分が混入すると、電解液の成分等と水との反応が生じる場合がある。よって外装体509は、水分の透過性が低いことが好ましい。
[薄型蓄電池]
ここで、本発明の一態様を用いた蓄電装置500の一例について、図17を用いて説明する。図17(A)に、蓄電装置500の一例として、薄型の蓄電池の形態を示す。また、図18(A)に図17(A)に示す一点鎖線A1−A2における断面を、また図18(B)に図17(A)に示す一点鎖線B1−B2における断面をそれぞれ示す。ここで蓄電装置500は、正極503、負極506、セパレータ507、外装体509、正極リード電極510及び負極リード電極511を有する。
また、図17(B)に正極503の外観図を示す。ここで正極503は、正極集電体501及び正極活物質層502を有する。また、正極503は、タブ領域281を有することが好ましい。タブ領域281の一部は、正極リード電極510と溶接されることが好ましい。タブ領域281は正極集電体501が露出する領域を有することが好ましく、正極集電体501が露出する領域に正極リード電極510を溶接することにより、接触抵抗をより低くすることができる。また図17(B)ではタブ領域281の全域において正極集電体501が露出している例を示すが、タブ領域281は、その一部に正極活物質層502を有してもよい。
また、図17(C)に負極506の外観図を示す。ここで負極506は、負極集電体504及び負極活物質層505を有する。また、負極506は、タブ領域282を有することが好ましい。タブ領域282の一部は、負極リード電極511と溶接されることが好ましい。タブ領域282は負極集電体504が露出する領域を有することが好ましく、負極集電体504が露出する領域に負極リード電極511を溶接することにより、接触抵抗をより低くすることができる。また図17(C)ではタブ領域282の全域において負極集電体504が露出している例を示すが、タブ領域282は、その一部に負極活物質層505を有してもよい。
図17(A)に示す薄型の蓄電池は、可撓性の外装体を用いることで可撓性を有する構成とすることができる。可撓性を有する構成とすれば、可撓性を有する部位を少なくとも一部有する電子機器に実装することができ、電子機器の変形に合わせて蓄電池も曲げることもできる。
なお、図17(A)及び図11では正極と負極の端部が概略揃う例を示すが、図5及び図6に示したように正極の端部が負極の端部よりも、少なくとも一部が外側に位置していてもよい。あるいは、図7及び図8に示したように負極の端部が正極の端部よりも外側に位置する場合もあるが、その場合には図7及び図8で説明した通り、正極の外側に位置する負極活物質層の面積は、小さいほど好ましい。
また図18に示す蓄電池では一例として、正極と負極を3組用いたが、勿論、用いる正極と負極の組は3組には限定されない。用いる電極の組は多くてもよいし、少なくてもよい。電極の組が多い場合には、より多くの容量を有する蓄電池とすることができる。また、電極の組が少ない場合には、より薄型化が可能となり、より可撓性に優れた蓄電池とすることができる。また、図18では向い合う正極活物質層と負極活物質層を5組としているが、勿論、向かい合う正極活物質層と負極活物質層の組は5組に限定されない。
蓄電装置500は、正極リード電極510及び負極リード電極511を有してもよい。正極リード電極510は、正極503に電気的に接続することが好ましい。例えば、正極503のタブ領域281に正極リード電極510を溶接すればよい。同様に、負極リード電極511は、負極506に電気的に接続することが好ましい。例えば、負極506のタブ領域282に負極リード電極511を溶接すればよい。正極リード電極510及び負極リード電極511は外装体の外側に露出し、外部との電気的接触を得る端子として機能することが好ましい。
ここで、図13(A)および(B)で説明した通り、タブ領域281やタブ領域282の一部を層271で覆うことが好ましく、特にタブ領域282の一部は層271で覆うことがより好ましい。このとき、例えばタブ領域281のうち、正極リード電極510と溶接される部分を除いて層271で覆えばよい。
また、正極集電体501および負極集電体504は、外部との電気的接触を得る端子の役割を兼ねることもできる。その場合は、リード電極を用いずに、正極集電体501および負極集電体504の一部を外装体509から外側に露出するように配置してもよい。
また、図17では正極リード電極510と負極リード電極511は、蓄電池の同じ辺に配置されているが、図22に示すように、正極リード電極510と負極リード電極511を蓄電池の異なる辺に配置してもよい。このように、本発明の一態様の蓄電装置は、リード電極を自由に配置することができるため、設計自由度が高い。よって、本発明の一態様の蓄電装置を用いた製品の設計自由度を高めることができる。また、本発明の一態様の蓄電装置を用いた製品の生産性を高めることができる。
薄型の蓄電池において、外装体509として例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリアミド等の材料からなる膜上に、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル等の可撓性に優れた金属薄膜を設け、さらに該金属薄膜上に外装体の外面としてポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の絶縁性合成樹脂膜を設けた三層構造のフィルムを用いることができる。
上記構成において、二次電池の外装体509は、曲率半径10mm以上好ましくは曲率半径30mm以上の範囲で変形することができる。二次電池の外装体であるフィルムは、1枚または2枚で構成されており、積層構造の二次電池である場合、湾曲させた電池の断面構造は、外装体であるフィルムの2つの曲線で挟まれた構造となる。
面の曲率半径について、図23を用いて説明する。図23(A)において、曲面1700を切断した平面1701において、曲面1700に含まれる曲線1702の一部を円の弧に近似して、その円の半径を曲率半径1703とし、円の中心を曲率中心1704とする。図23(B)に曲面1700の上面図を示す。図23(C)に、平面1701で曲面1700を切断した断面図を示す。曲面を平面で切断するとき、曲面に対する平面の角度や切断する位置に応じて、断面に現れる曲線の曲率半径は異なるものとなるが、本明細書等では、最も小さい曲率半径を面の曲率半径とする。
2枚のフィルムを外装体として電極・電解液など1805を挟む二次電池を湾曲させた場合には、二次電池の曲率中心1800に近い側のフィルム1801の曲率半径1802は、曲率中心1800から遠い側のフィルム1803の曲率半径1804よりも小さい(図24(A))。二次電池を湾曲させて断面を円弧状とすると曲率中心1800に近いフィルムの表面には圧縮応力がかかり、曲率中心1800から遠いフィルムの表面には引っ張り応力がかかる(図24(B))。そこで、外装体の表面に凹部または凸部で形成される模様を形成することで、このように圧縮応力や引っ張り応力がかかったとしても、ひずみによる影響を許容範囲内に抑えることができる。そのため、二次電池は、曲率中心に近い側の外装体の曲率半径が10mm以上好ましくは30mm以上となる範囲で変形することができる。
なお、二次電池の断面形状は、単純な円弧状に限定されず、一部が円弧を有する形状にすることができ、例えば図24(C)に示す形状や、波状(図24(D))、S字形状などとすることもできる。二次電池の曲面が複数の曲率中心を有する形状となる場合は、複数の曲率中心それぞれにおける曲率半径の中で、最も曲率半径が小さい曲面において、2枚の外装体の曲率中心に近い方の外装体の曲率半径が、10mm以上好ましくは30mm以上となる範囲で二次電池が変形することができる。
[薄型蓄電池の作製方法]
次に、蓄電装置500が薄型の蓄電池である場合について、その作製方法の一例を図面を用いて説明する。
負極506の片面のみに負極活物質層505が形成され、裏面側では負極集電体504が露出する場合は、露出する負極集電体504上に層271を形成することが好ましい。層271は絶縁性の高い層であることが好ましい。また、層271は、負極活物質層505よりも高い抵抗を有することが好ましい。また、層271は、負極活物質層505よりも薄いことがより好ましい。
ここで、層271の作製方法の一例を示す。まず、層271を形成するためのスラリーを作製する。スラリーは、例えば上述した材料を溶媒とともに混練することで作製することができる。材料は、複数を組み合わせて用いてもよい。また溶媒としては、例えば、水や、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)などを用いることができる。
混練は、混練機を用いて行えばよい。ここで、混練機として様々な混練機を用いることができる。例えば、遊星型混練機や、ホモジナイザ―などを用いればよい。
次に、作製したスラリーを負極集電体504上に塗布する。塗布には、ブレード法などを用いればよい。また、塗布には連続塗工機などを用いてもよい。
負極集電体504上に塗布したスラリーにおいて、通風乾燥又は減圧(真空)乾燥等の方法を用いて溶媒を揮発させ、層271を形成する。溶媒の揮発は、例えば、30℃以上160℃以下の熱風を用いて行うとよい。なお、雰囲気は特に限定されない。
ここで、図13(A)および(B)で説明した通り、タブ領域282の有する領域283aの少なくとも一部にリード電極に溶接される場合には、例えば領域284aの表面にも、層271を形成することが好ましい。
以上のステップにより層271を作製することができる。
次に、正極503、負極506及びセパレータ507を積層する。
まず、正極503の上にセパレータ507を配置する。その後、セパレータ507の上に負極506を配置する。正極と負極を2組以上用いる場合は、更に負極506の上にセパレータを配置した後、正極503を配置する。このようにセパレータを正極と負極の間に挟みながら正極と負極を交互に積層する。
あるいは、セパレータ507を袋状にしてもよい。まず、セパレータ507上に正極503を配置する。次いで、セパレータ507を図19(A)の破線で示した部分で折り、セパレータ507で正極503を挟む。なお、ここでは正極503をセパレータ507で挟む例について説明したが、負極506をセパレータ507で挟んでもよい。
ここで、正極503の外側のセパレータ507の外周部分を接合して、セパレータ507を袋状(またはエンベロープ状)とすることが好ましい。セパレータ507の外周部分の接合は、接着材などを用いて行ってもよいし、超音波溶接や、加熱による融着により行ってもよい。
本実施の形態では、セパレータ507としてポリプロピレンを用いて、セパレータ507の外周部分を加熱により接合する。図19(A)に接合部514を示す。このようにして、正極503をセパレータ507で覆うことができる。
次に、図19(B)に示すように負極506と、セパレータ507に覆われた正極503を交互に重ねる。また、封止層115を有する正極リード電極510及び負極リード電極511を準備する。
次に、図20(A)に示すように、正極503のタブ領域281に、封止層115を有する正極リード電極510を接続する。図20(B)は接続部の拡大を示す。接合部512に圧力を加えながら超音波を照射して、正極503のタブ領域281及び正極リード電極510を電気的に接続する(超音波溶接)。このとき、タブ領域281に湾曲部513を設けるとよい。
湾曲部513を設けることによって、蓄電装置500の作製後に外から力が加えられて生じる応力を緩和することができる。よって、蓄電装置500の信頼性を高めることができる。
次に、同様の方法を用いて負極506のタブ領域282に負極リード電極511を電気的に接続すればよい。
ここで、タブ領域282に負極リード電極511を超音波溶接した後に、層271を形成してもよい。
次に、外装体509上に、正極503、負極506及びセパレータ507を配置する。
次に、外装体509を、図20(C)の外装体509の中央付近に破線で示した部分で折り曲げる。
次に、電解液508を入れるための導入口119以外の外装体509の外周部を、熱圧着により接合する。熱圧着の際、リード電極に設けられた封止層115も溶けてリード電極と外装体509との間を固定することができる。また、外装体509とリード電極との間の密着性を向上することができる。図21に、外装体509の外周を熱圧着により接合した部位を、接合部118として示す。
そして、減圧雰囲気下、或いは不活性ガス雰囲気下で所望の量の電解液508を導入口119から外装体509の内側に入れる。そして、最後に、導入口119を熱圧着により接合する。このようにして、薄型の蓄電池である蓄電装置500を作製することができる。
次に、蓄電装置500を作製した後のエージングについて説明する。蓄電装置500を作製した後に、エージングを行うことが好ましい。エージング条件の一例について以下に説明する。まず初めに0.001C以上0.2C以下のレートで充電を行う。温度は例えば室温以上、50℃以下とすればよい。このときに、電解液の分解が生じ、ガスが発生した場合には、そのガスが蓄電装置内にたまると、電解液が電極表面と接することができない領域が発生してしまう。つまり電極の実効的な反応面積が減少し、実効的な電流密度が高くなることに相当する。
過度に電流密度が高くなると、電極の抵抗に応じて電圧降下が生じ、黒鉛へのリチウムの挿入が起こると同時に、黒鉛表面にリチウムが析出してしまう。このリチウムの析出は容量の低下を招く場合がある。例えば、リチウムが析出した後、表面に被膜等が成長してしまうと、表面に析出した再溶出できなくなり、容量に寄与しないリチウムが生じてしまう。また、析出したリチウムが物理的に崩落し、電極との導通を失った場合にも、やはり容量に寄与しないリチウムが生じてしまう。よって、電極の電位が電圧降下によりリチウム電位まで到達する前に、ガスを抜くことが好ましい。
ガス抜きを行う場合には、例えば薄型の蓄電池の外装体の一部を切断し、開封すればよい。ガスにより外装体が膨張している場合には、再度、外装体の形を整えることが好ましい。また、再封止の前に必要に応じて電解液を足してもよい。
また、ガス抜きを行った後に、室温よりも高い温度、好ましくは30℃以上60℃以下、より好ましくは35℃以上50℃以下において、例えば1時間以上100時間以下の間、充電状態で保持してもよい。初めに行う充電の際に、表面で分解した電解液は被膜を形成する。よって、例えばガス抜き後に室温よりも高い温度で保持することにより、形成された被膜が緻密化する場合も考えられる。
また例えば、繰り返し折り曲げを行う電子機器に搭載する蓄電池では、折り曲げに伴い外装体において徐々に劣化が生じる、または場合によっては亀裂が生じやすくなることもある。また、充放電に伴い活物質等の表面と電解液が接することにより電解液の分解反応が生じ、ガスなどが発生することがある。ガス発生により外装体が膨張すると、折り曲げに伴い、外装体が破壊しやすくなることがある。本発明の一態様を用いることにより電解液の分解を抑制することができるため、例えば充放電に伴うガス発生などを抑えることができる場合がある。その結果、外装体の膨張や変形、および外装体の破損などを抑えることができるため、外装体への負荷が小さくなり、好ましい。
また、本発明の一態様の電極を用いることにより、電解液の分解が抑制されるため、過剰な被膜の成長も抑えることができる場合がある。被膜成長が厚くなる場合には、充放電サイクルに伴い電極の抵抗が増大する。このような抵抗の増大により、電極の電位がリチウムが析出する電位に達しやすくなる。また、例えば負極においては、折り曲げた時のストレスによりリチウムの析出が生じる可能性がある。本発明の一態様を用いることにより、折り曲げた時のストレスに対して丈夫であり、例えばリチウムの析出が生じる可能性を小さくすることができる場合がある。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。例えば、本発明の一態様として、2つの電極の面積、例えば、正極と負極の面積が、概略同じ場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、2つの電極の面積、例えば、正極と負極の面積が、大きく異なっていてもよい。または、例えば、本発明の一態様として、2つの電極の端部、例えば、正極と負極の端部が、概略揃っている場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、2つの電極の端部、例えば、正極と負極の端部が、揃っていない部分を有していてもよい。あるいは、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、2つの電極の端部、例えば、正極と負極の端部が、揃っている部分を有していなくてもよい。または、例えば、本発明の一態様として、2つの電極の一方の端部、例えば、正極と負極の一方の端部が、2つの電極の他方の端部、例えば、正極と負極の他方の端部よりも、内側に位置している場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、2つの電極の一方の端部、例えば、正極と負極の一方の端部が、2つの電極の他方の端部、例えば、正極と負極の他方の端部よりも、外側に位置している部分を有していてもよい。あるいは、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、2つの電極の一方の端部、例えば、正極と負極の一方の端部が、2つの電極の他方の端部、例えば、正極と負極の他方の端部よりも、内側に位置している部分を有していなくてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様である蓄電装置に用いられる非水溶媒について説明する。
本発明の一態様に係る蓄電装置に用いられる非水溶媒は、イオン液体を有することが好ましい。イオン液体は一つ又は複数の種類を組み合わせて用いればよい。該イオン液体は、カチオンとアニオンからなり、有機カチオンとアニオンとを含む。
該有機カチオンとして、例えば芳香族カチオンや、四級アンモニウムカチオン、三級スルホニウムカチオン、及び四級ホスホニウムカチオン等の脂肪族オニウムカチオン等を用いることが好ましい。
芳香族カチオンとしては、例えば5員環のヘテロ芳香環を含むカチオンであることが好ましい。5員環のヘテロ芳香環を含むカチオンとしてはベンゾイミダゾリウムカチオン、ベンゾオキサゾリウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン等がある。単環式化合物である5員環のヘテロ芳香環を含むカチオンとしてはオキサゾリウムカチオン、チアゾリウムカチオン、イソオキサゾリウムカチオン、イソチアゾリウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピラゾリウムカチオン等がある。化合物の安定性、粘度およびイオン伝導度、並びに合成の簡易さから、単環式化合物である5員環のヘテロ芳香環を含むカチオンであることが好ましく、特にイミダゾリウムカチオンは粘度の低下が期待できるため、より好ましい。
また、上記イオン液体におけるアニオンとして、例えば、1価のアミドアニオン、1価のメチドアニオン、フルオロスルホン酸アニオン(SO3F−)、フルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート(BF4 −)、フルオロアルキルボレート、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 −)またはフルオロアルキルホスフェート等が挙げられる。そして、1価のアミドアニオンとしては、(CnF2n+1SO2)2N−(n=0以上3以下)、1価の環状のアミドアニオンとしては、(CF2SO2)2N−などがある。1価のメチドアニオンとしては、(CnF2n+1SO2)3C−(n=0以上3以下)、1価の環状のメチドアニオンとしては、(CF2SO2)2C−(CF3SO2)などがある。フルオロアルキルスルホン酸アニオンとしては、(CmF2m+1SO3)−(m=0以上4以下)などがある。フルオロアルキルボレートとしては、{BFn(CmHkF2m+1−k)4−n}−(n=0以上3以下、m=1以上4以下、k=0以上2m以下)などがある。フルオロアルキルホスフェートとしては、{PFn(CmHkF2m+1−k)6−n}−(n=0以上5以下、m=1以上4以下、k=0以上2m以下)などがある。なお、当該アニオンはこれらに限るものではない。
5員環のヘテロ芳香環を含むカチオンを有するイオン液体として、例えば、一般式(G1)で表すことができる。
一般式(G1)中において、R1は、炭素数が1以上4以下のアルキル基を表し、R2乃至R4は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数が1以上4以下のアルキル基を表し、R5は、C、O、Si、N、S、Pの原子から選択された2つ以上で構成される主鎖を表し、A−は、1価のイミド系アニオン、1価のアミドアニオン、1価のメチドアニオン、フルオロスルホン酸アニオン、フルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート、フルオロアルキルボレート、ヘキサフルオロホスフェート、またはフルオロアルキルホスフェートのいずれか一を表す。
また、R5の主鎖に置換基が導入されていてもよい。導入される置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基などが挙げられる。
なお、一般式(G1)で表されるイオン液体の当該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のどちらであってもよい。例えば、エチル基、tert‐ブチル基である。また、一般式(G1)で表されるイオン液体において、R5は酸素−酸素結合(ペルオキシド)を持たないことが好ましい。酸素‐酸素間の単結合は非常に壊れやすく、反応性が高いために爆発性を有する可能性がある。このため、蓄電装置には適さない。
また、イオン液体は、6員環のヘテロ芳香環を含んでもよい。例えば、下記一般式(G2)で表されるイオン液体を用いることができる。
一般式(G2)中において、R6は、C、O、Si、N、S、Pの原子から選択された2つ以上で構成される主鎖を表し、R7乃至R11は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数が1以上4以下のアルキル基を表し、A−は、1価のイミド系アニオン、1価のアミドアニオン、1価のメチドアニオン、フルオロスルホン酸アニオン、フルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート、フルオロアルキルボレート、ヘキサフルオロホスフェート、またはフルオロアルキルホスフェートのいずれか一を表す。
また、R6の主鎖に置換基が導入されていてもよい。導入される置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基などが挙げられる。
また、四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体として、例えば、下記一般式(G3)で表されるイオン液体を用いることができる。
一般式(G3)中、R12乃至R17は、それぞれ独立に、炭素数が1以上20以下のアルキル基、メトキシ基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、または水素原子のいずれかを表す。
また、イオン液体として、例えば、四級アンモニウムカチオンおよび1価のアニオンから構成され、下記一般式(G4)で表されるイオン液体を用いることができる。
一般式(G4)中、R18乃至R24は、それぞれ独立に、炭素数が1以上20以下のアルキル基、メトキシ基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、または水素原子のいずれかを表す。
また、イオン液体として、例えば、四級アンモニウムカチオンおよび1価のアニオンから構成され、下記一般式(G5)で表されるイオン液体を用いることができる。
一般式(G5)中、n及びmは1以上3以下である。αは0以上6以下とし、nが1の場合αは0以上4以下であり、nが2の場合αは0以上5以下であり、nが3の場合αは0以上6以下である。βは0以上6以下とし、mが1の場合βは0以上4以下であり、mが2の場合βは0以上5以下であり、mが3の場合βは0以上6以下である。なお、αまたはβが0であるとは、無置換であることを表す。また、αとβが共に0である場合は除くものとする。X又はYは、置換基として炭素数が1以上4以下の直鎖状若しくは側鎖状のアルキル基、炭素数が1以上4以下の直鎖状若しくは側鎖状のアルコキシ基、又は炭素数が1以上4以下の直鎖状若しくは側鎖状のアルコキシアルキル基を表す。また、A−は1価のアミドアニオン、1価のメチドアニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート、パーフルオロアルキルボレート、ヘキサフルオロホスフェート及びパーフルオロアルキルホスフェートのいずれかを表す。
四級スピロアンモニウムカチオンにおいて、スピロ環を構成する二つの脂肪族環は5員環、6員環又は7員環のいずれかである。
上記一般式(G1)のカチオンの具体例として、例えば構造式(111)乃至構造式(174)が挙げられる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様に用いることのできる正極及び負極の具体的な構成と作製方法を説明する。
負極集電体504及び正極集電体501としては、実施の形態1で示した負極集電体504及び正極集電体501に記載の材料を用いることができる。
負極活物質としては、例えば炭素系材料、合金系材料等を用いることができる。炭素系材料としては、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等がある。黒鉛としては、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造黒鉛、ピッチ系人造黒鉛等の人造黒鉛や、球状化天然黒鉛等の天然黒鉛がある。
黒鉛はリチウムイオンが黒鉛に挿入されたとき(リチウム−黒鉛層間化合物の生成時)にリチウム金属と同程度に低い電位を示す(0.1以上0.3V以下 vs.Li/Li+)。これにより、リチウムイオン二次電池は高い作動電圧を示すことができる。さらに、黒鉛は、単位体積当たりの容量が比較的高い、体積膨張が小さい、安価である、リチウム金属に比べて安全性が高い等の利点を有するため、好ましい。
負極活物質として、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な材料も用いることができる。例えば、Ga、Si、Al、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Ag、Zn、Cd、In等のうち少なくとも一つを含む材料を用いることができる。このような元素は炭素と比べて容量が大きく、特にシリコンは理論容量が4200mAh/gと高い。このため、負極活物質にシリコンを用いることが好ましい。このような元素を用いた合金系材料としては、例えば、SiO、Mg2Si、Mg2Ge、SnO、SnO2、Mg2Sn、SnS2、V2Sn3、FeSn2、CoSn2、Ni3Sn2、Cu6Sn5、Ag3Sn、Ag3Sb、Ni2MnSb、CeSb3、LaSn3、La3Co2Sn7、CoSb3、InSb、SbSn等がある。
また、負極活物質として、二酸化チタン(TiO2)、リチウムチタン酸化物(Li4Ti5O12)、リチウム−黒鉛層間化合物(LixC6)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化タングステン(WO2)、酸化モリブデン(MoO2)等の酸化物を用いることができる。
また、負極活物質として、リチウムと遷移金属の複窒化物である、Li3N型構造をもつLi3−xMxN(M=Co、Ni、Cu)を用いることができる。例えば、Li2.6Co0.4N3は大きな充放電容量(900mAh/g、1890mAh/cm3)を示し好ましい。負極活物質としてリチウムと遷移金属の複窒化物を用いると、負極活物質中にリチウムイオンを含むため、正極活物質としてリチウムイオンを含まないV2O5、Cr3O8等の材料と組み合わせることができ好ましい。なお、正極活物質にリチウムイオンを含む材料を用いる場合でも、あらかじめ正極活物質に含まれるリチウムイオンを脱離させることで、負極活物質としてリチウムと遷移金属の複窒化物を用いることができる。
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)等の、リチウムとの合金を作らない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反応が生じる材料としては、さらに、Fe2O3、CuO、Cu2O、RuO2、Cr2O3等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn3N2、Cu3N、Ge3N4等の窒化物、NiP2、FeP2、CoP3等のリン化物、FeF3、BiF3等のフッ化物でも起こる。
負極活物質は、反応電位が低いほど、蓄電装置の電圧を高めることができるため好ましい。一方、電位が低い場合には、電解液を還元する力も強まるため、例えば電解液に用いる有機溶媒等は還元分解される恐れがある。電解液が電気分解されない電位の幅を電位窓(potential window)という。本来、負極は、その電極電位が電解液の電位窓内にある必要があるが、例えばリチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタの負極に用いる活物質の多くは、その電位はほぼ全ての電解液の電位窓を越えている。特に黒鉛や、シリコンなどの反応電位が低い材料では、蓄電池の電圧を高くできる利点がある一方で、電解液の還元分解がよりしやすい問題がある。
正極活物質としては、リチウムイオンが挿入および脱離することが可能な材料を用いることができ、例えば、オリビン型構造、層状岩塩型構造、またはスピネル型構造、NASICON型結晶構造を有する材料等を用いることができる。
例えば、正極活物質として、LiFeO2、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、V2O5、Cr2O5、MnO2等の化合物を材料として用いることができる。
または、オリビン型構造のリチウム含有複合リン酸塩(一般式LiMPO4(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上))を用いることができる。一般式LiMPO4の代表例としては、LiFePO4、LiNiPO4、LiCoPO4、LiMnPO4、LiFeaNibPO4、LiFeaCobPO4、LiFeaMnbPO4、LiNiaCobPO4、LiNiaMnbPO4(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFecNidCoePO4、LiFecNidMnePO4、LiNicCodMnePO4(c+d+eは1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFefNigCohMniPO4(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等のリチウム金属リン酸化合物が挙げられる。
または、一般式Li(2−j)MSiO4(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上、0≦j≦2)等のリチウム含有複合ケイ酸塩を用いることができる。一般式Li(2−j)MSiO4の代表例としては、Li(2−j)FeSiO4、Li(2−j)NiSiO4、Li(2−j)CoSiO4、Li(2−j)MnSiO4、Li(2−j)FekNilSiO4、Li(2−j)FekColSiO4、Li(2−j)FekMnlSiO4、Li(2−j)NikColSiO4、Li(2−j)NikMnlSiO4(k+lは1以下、0<k<1、0<l<1)、Li(2−j)FemNinCoqSiO4、Li(2−j)FemNinMnqSiO4、Li(2−j)NimConMnqSiO4(m+n+qは1以下、0<m<1、0<n<1、0<q<1)、Li(2−j)FerNisCotMnuSiO4(r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等のリチウムシリケート化合物が挙げられる。
また、正極活物質として、AxM2(XO4)3(A=Li、Na、Mg、M=Fe、Mn、Ti、V、Nb、Al、X=S、P、Mo、W、As、Si)の一般式で表されるNASICON型化合物を用いることができる。NASICON型化合物としては、Fe2(MnO4)3、Fe2(SO4)3、Li3Fe2(PO4)3等が挙げられる。また、正極活物質として、Li2MPO4F、Li2MP2O7、Li5MO4(M=Fe、Mn)の一般式で表される化合物、NaF3、FeF3等のペロブスカイト型フッ化物、TiS2、MoS2等の金属カルコゲナイド(硫化物、セレン化物、テルル化物)、LiMVO4等の逆スピネル型の結晶構造を有する材料、バナジウム酸化物系(V2O5、V6O13、LiV3O8等)、マンガン酸化物、有機硫黄化合物等の材料を用いることができる。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの場合、正極活物質として、上記リチウム化合物及びリチウム含有複合リン酸塩及びリチウム含有複合ケイ酸塩において、リチウムを、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)などのキャリアで置換した化合物を用いてもよい。
正極活物質の平均粒径は、例えば5nm以上50μm以下が好ましい。
また、例えば正極活物質としてオリビン型構造のリチウム含有複合リン酸塩を用いた場合には、リチウムの拡散経路が一次元であるため、リチウム拡散が遅い。よって、オリビン型構造のリチウム含有複合リン酸塩を用いた場合、充放電の速度を高めるためには正極活物質の平均粒径は、例えば好ましくは5nm以上、1μm以下とするとよい。または、正極活物質の比表面積は、例えば好ましくは10m2/g以上50m2/g以下とするとよい。
オリビン構造を有する正極活物質では、例えば層状岩塩型の結晶構造を有する活物質などと比較して充放電に伴う構造変化がきわめて少なく、結晶構造が安定であるため、過充電などの動作に対しても安定であり、正極活物質として用いた場合に安全性の高い蓄電装置を実現することができる。
また、負極活物質層505及び正極活物質層502は、導電助剤を有してもよい。導電助剤としては、例えば天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ等の人造黒鉛、炭素繊維などを用いることができる。炭素繊維としては、例えばメソフェーズピッチ系炭素繊維、等方性ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維を用いることができる。また炭素繊維として、カーボンナノファイバーやカーボンナノチューブなどを用いることができる。カーボンナノチューブは、例えば気相成長法などで作製することができる。また、導電助剤として、例えばカーボンブラック(アセチレンブラック(AB)など)又はグラフェンなどの炭素材料を用いることができる。また、例えば、銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金などの金属粉末や金属繊維、導電性セラミックス材料等を用いることができる。
薄片状のグラフェンは、高い導電性を有するという優れた電気特性、及び柔軟性並びに機械的強度という優れた物理特性を有する。そのため、グラフェンを、導電助剤として用いることにより、活物質同士の接触点や、接触面積を増大させることができる。
なお、本明細書において、グラフェンは、単層のグラフェン、又は2層以上100層以下の多層グラフェンを含む。単層グラフェンとは、π結合を有する1原子層の炭素分子のシートのことをいう。また、酸化グラフェンとは、上記グラフェンが酸化された化合物のことをいう。なお、酸化グラフェンを還元してグラフェンを形成する場合、酸化グラフェンに含まれる酸素は全て脱離されずに、一部の酸素はグラフェンに残存する。グラフェンに酸素が含まれる場合、酸素の割合は、XPS(X線光電子分光法)で測定した場合に全体の2atomic%以上20atomic%以下、好ましくは3atomic%以上15atomic%以下である。
また、負極活物質層505及び正極活物質層502は、バインダーを有することが好ましい。
バインダーとしては、例えば水溶性の高分子を含むことが好ましい。水溶性の高分子としては、例えば多糖類などを用いることができる。多糖類としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびジアセチルセルロース、再生セルロースなどのセルロース誘導体や、澱粉、などを用いることができる。
また、バインダーとしては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体などのゴム材料を用いることが好ましい。これらのゴム材料は、前述の水溶性高分子と併用して用いると、さらに好ましい。
または、バインダーとしては、ポリスチレン、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、イソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、等の材料を用いることが好ましい。
バインダーは上記のうち二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
次に、負極506及び正極503の作製方法について説明する。
[負極の作製方法]
まず、負極506の作製方法について説明する。
まず、負極活物質層505を形成するためのスラリーを作製する。スラリーは、例えば上述した負極活物質を用い、バインダーや導電助剤等を添加して、溶媒とともに混練することで作製することができる。また溶媒としては、例えば、水や、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)などを用いることができる。安全性とコストの観点から、水を用いることは好ましい。
混練は、混練機を用いて行えばよい。ここで、混練機として様々な混練機を用いることができる。例えば、遊星型混練機や、ホモジナイザ―などを用いればよい。
負極集電体504には、表面処理を行ってもよい。このような表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、アンダーコート処理等が挙げられる。表面処理を行うことにより、負極集電体504の、スラリーに対するぬれ性を高めることができる。また、負極集電体504と、負極活物質層505との密着性を高めることができる。
ここでアンダーコートとは、集電体上にスラリーを塗布する前に、活物質層と集電体との界面抵抗を低減する目的や、活物質層と集電体との密着性を高める目的で集電体上に形成する膜を指す。なお、アンダーコートは、必ずしも膜状である必要はなく、島状に形成されていてもよい。また、アンダーコートが活物質として容量を発現しても構わない。アンダーコートとしては、例えば炭素材料を用いることができる。炭素材料としては例えば、黒鉛や、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブなどを用いることができる。
次に、作製したスラリーを負極集電体504上に塗布する。
塗布には、ブレード法などを用いればよい。また、塗布には連続塗工機などを用いてもよい。
ここで、正極503及び負極506は、積層される複数の正極同士または複数の負極同士を電気的に接続するために、タブ領域を有することが好ましい。また、タブ領域にはリード電極を電気的に接続することが好ましい。タブ領域の少なくとも一部は、集電体が露出することが好ましい。
タブ領域を設ける方法の一例を、図25に示す。図25(A)は帯状の正極集電体501に、正極活物質層502が形成された例を示す。点線に示すように正極503を切断することにより、図25(B)に示す正極503を作製することができる。このように正極503を作製することにより、タブ領域281の少なくとも一部において、正極集電体501の表面を露出させることができる。ここでは正極503の例を示すが、負極506のタブ領域282も同様に設けることができる。
あるいは、タブ領域281やタブ領域282を設けるために、塗布した正極活物質層502や負極活物質層505の一部を剥がし、集電体を露出させてもよい。
次に、負極集電体504上に塗布したスラリーにおいて、通風乾燥又は減圧(真空)乾燥等の方法で溶媒を揮発させ、負極活物質層505を形成する。溶媒の揮発は、例えば、30℃以上160℃以下の熱風を用いて行うとよい。なお、雰囲気は特に限定されない。
このようにして形成された負極活物質層505の厚さは、例えば好ましくは5μm以上300μm以下、より好ましくは10μm以上150μm以下であればよい。また、負極活物質層505の活物質担持量は、例えば好ましくは2mg/cm2以上50mg/cm2以下であればよい。
また、負極活物質層505は負極集電体504の両面に形成されていてもよいし、片面のみに形成されていてもよい。または、部分的に両面に負極活物質層505が形成されている領域を有しても構わない。
この負極活物質層505を、ロールプレス法や平板プレス法等の圧縮方法によりプレスして圧密化してもよい。
以上のステップにより、負極活物質層505を作製することができる。
なお、負極活物質層505に、予め挿入(以下プレドープ)を行っても良い。負極活物質層505にプレドープを行う方法は特に限定されないが、例えば、電気化学的に行うことができる。例えば、電池組み立て前に、対極としてリチウム金属を用いて、後述の電解液中において、リチウムを負極活物質層505にプレドープすることができる。
[正極の作製方法]
次に、正極503の作製方法について説明する。正極503の作製方法については、負極506の作製方法を参照することができる。
まず、正極活物質層502を形成するためのスラリーを作製する。スラリーは、例えば上述した正極活物質を用い、バインダーや導電助剤等を添加して、溶媒とともに混練することで作製することができる。溶媒としては、負極活物質層505で説明した溶媒を用いることができる。
混練は、負極と同様に、混練機を用いて行えばよい。
正極集電体501には、負極と同様に、表面処理を行ってもよい。
次に、正極スラリーを集電体上に塗布する。
正極集電体501上に塗布したスラリーにおいて、通風乾燥又は減圧(真空)乾燥等の方法を用いて溶媒を揮発させ、正極活物質層502を形成する。溶媒の揮発は、例えば、50℃以上160℃以下の熱風を用いて行うとよい。なお、雰囲気は特に限定されない。
なお、正極活物質層502は正極集電体501の両面に形成されていてもよいし、片面のみに形成されていてもよい。または、部分的に両面に正極活物質層502が形成されている領域を有しても構わない。
この正極活物質層502を、ロールプレス法や平板プレス法等の圧縮方法によりプレスして圧密化してもよい。
以上のステップにより、正極活物質層502を作製することができる。
このようにして形成された正極活物質層502の厚さは、例えば好ましくは5μm以上300μm以下、より好ましくは10μm以上150μm以下であればよい。また、正極活物質層502の活物質担持量は、例えば好ましくは2mg/cm2以上50mg/cm2以下であればよい。
ここで、正極活物質層502は、グラフェンを有することが好ましい。グラフェンは、接触抵抗の低い面接触を可能とするものであり、また薄くても導電性が非常に高く、少ない量でも効率よく活物質層内で導電パスを形成することができる。
例えば正極活物質としてオリビン型構造のリチウム含有複合リン酸塩を用いた場合には、リチウムの拡散経路が一次元であるため、リチウム拡散が遅く、充放電の速度を高めるためには活物質の平均粒径は、例えば好ましくは5nm以上、1μm以下とするとよい。または、活物質の比表面積は、例えば好ましくは10m2/g以上50m2/g以下とするとよい。
このように平均粒径の小さい活物質、例えば1μm以下の活物質を用いる場合には、活物質の比表面積が大きく、活物質同士を繋ぐ導電パスがより多く必要となる。このような場合には、導電性が非常に高く少ない量でも効率よく導電パスを形成することができるグラフェンを用いることが、特に好ましい。
次に、正極503の作製方法について説明する。
正極活物質層502は、粒状の正極活物質と、導電助剤としてのグラフェンと、結着剤(バインダともいう。)と、を含む。
正極活物質層502の縦断面においては、正極活物質層502の内部において概略均一にシート状のグラフェンが分散する。グラフェンは、炭素分子の単層又は多層の厚みを有する薄膜である。複数のグラフェンは、複数の粒状の正極活物質を包むように、覆うように、あるいは複数の粒状の正極活物質の表面上に張り付くように形成されているため、互いに面接触している。また、グラフェンどうしも互いに面接触することで、複数のグラフェンにより三次元的な電気伝導のネットワークを形成している。
これはグラフェンの形成に、極性溶媒中での分散性が極めて高い酸化グラフェンを用いるためである。均一に分散した酸化グラフェンを含有する分散媒から溶媒を揮発除去し、酸化グラフェンを還元してグラフェンとするため、正極活物質層502に残留するグラフェンは部分的に重なり合い、互いに面接触する程度に分散していることで電気伝導の経路を形成している。
従って、活物質と点接触するアセチレンブラック等の従来の粒状の導電助剤と異なり、グラフェンは接触抵抗の低い面接触を可能とするものであるから、導電助剤の量を増加させることなく、粒状の正極活物質とグラフェンとの電気伝導性を向上させることができる。よって、正極活物質の正極活物質層502における比率を増加させることができる。これにより、蓄電池の放電容量を増加させることができる。
ここでは正極にグラフェンを用いる例について説明したが、負極にもグラフェンを用いてもよい。
次に、グラフェンを導電助剤に用いた正極の作製方法の一例を説明する。まず、活物質、結着剤(バインダともいう。)及び酸化グラフェンを用意する。
酸化グラフェンは、後に導電助剤として機能するグラフェンの原材料である。酸化グラフェンは、Hummers法、Modified Hummers法、又は黒鉛類の酸化等、種々の合成法を用いて作製することができる。なお、本発明に係る蓄電池用電極の製造方法は、酸化グラフェンの剥離の程度により制限されるものではない。
例えば、Hummers法は、鱗片状グラファイト等のグラファイトを酸化して、酸化グラファイトを形成する手法である。形成された酸化グラファイトは、グラファイトがところどころ酸化されることでカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の官能基が結合したものであり、グラファイトの結晶性が損なわれ、層間の距離が大きくなっている。このため超音波処理等により、容易に層間を分離して、酸化グラフェンを得ることができる。
また、酸化グラフェンの一辺の長さ(フレークサイズともいう。)は一辺の長さが50nm以上100μm以下、好ましくは800nm以上20μm以下である。特にフレークサイズが粒状の正極活物質の平均粒径よりも小さい場合、複数の正極活物質との面接触がしにくくなるとともに、グラフェン相互の接続が難しくなるため、正極活物質層502の電気伝導性を向上させることが困難となるためである。
上記のような酸化グラフェン、活物質及び結着剤に溶媒を加えて正極スラリーを作製する。溶媒としては、水や、N−メチルピロリドン(NMP)やジメチルホルムアミド等の極性を有する有機溶媒を用いることができる。
このように、粒子状の活物質、グラフェン及び結着剤を有する活物質層を用いると、シート状のグラフェンが粒子状の合金系材料を包み込むように二次元的に接触し、さらにグラフェンどうしも重なるように二次元的に接触するため、活物質層内において、巨大な三次元の電子伝導経路のネットワークが構築される。このような理由から、導電助剤として一般的に用いられる粒子状のアセチレンブラック(AB)やケッチェンブラック(KB)を用いた場合に電気的に点接触となるのに対し、高い電子伝導性を有する活物質層を形成することができる。
また、グラフェンを用いることにより、例えば粒径の小さい活物質などを用いた場合においても、繰り返しの充放電を行った後でも導電パスを確保し続けることができ、良好なサイクル特性を得ることができるため好ましい。
また、グラフェン同士が結合することにより、網目状のグラフェン(以下グラフェンネットと呼ぶ)を形成することができる。活物質をグラフェンネットが被覆する場合に、グラフェンネットは粒子間を結合する結着剤(バインダ)としても機能することができる。よって、結着剤の量を少なくすることができる、または使用しないことができるため、電極体積や電極重量に占める活物質の比率を向上させることができる。すなわち、蓄電装置の容量を増加させることができる。
正極活物質層502がバインダーを有する場合には、例えば実施の形態1に記載したバインダーを用いればよい。ここで例えば、PVdFは酸化耐性が高く、特に正極の電池反応において、反応電位が高い場合でも安定である。また、例えば水溶性高分子は、分散性が高く、小さい活物質でも均一に分散し合うことができ、より少ない量でも機能を発揮することができる。また、水溶性高分子を含む膜が活物質表面を覆う、または膜が活物質表面に接することにより電解液の分解を抑えることができる。
なお、酸化グラフェンは、酸化グラフェン、正極活物質、導電助剤及び結着剤の混合物の総重量に対して、0.1weight%以上10weight%以下、好ましくは0.1weight%以上5weight%以下、さらに好ましくは0.2weight%以上1weight%以下の割合で含まれていればよい。一方、正極スラリーを集電体に塗布し、還元した後のグラフェンは、正極活物質層の総重量に対して、0.05weight%以上5weight%以下、好ましくは0.05weight%以上2.5weight%以下、さらに好ましくは0.1weight%以上0.5weight%以下の割合で含まれていればよい。これは、酸化グラフェンの還元により、グラフェンの重量がほぼ半減するためである。
なお、混練後にさらに溶媒を添加して混合物の粘度調整を行ってもよく、混練と極性溶媒の添加を複数回繰り返し行ってもよい。
この正極活物質層502を、ロールプレス法や平板プレス法等の圧縮方法によりプレスして圧密化してもよい。
次に、酸化グラフェンの還元を行うことが好ましい。還元は、例えば熱処理により行ってもよいし、還元剤を用いて行ってもよい。
還元剤を用いた還元方法の例を以下に説明する。まず還元剤を含む溶媒中で反応させる。このステップにおいて、活物質層に含まれる酸化グラフェンは還元され、グラフェンが形成される。なお、酸化グラフェンに含まれる酸素は必ずしも全て脱離される必要はなく、一部の酸素は、グラフェンに残存してもよい。グラフェンに酸素が含まれる場合、酸素の割合は、XPSで測定した場合に、全体の2atomic%以上20atomic%以下、好ましくは3atomic%以上15atomic%以下である。この還元処理は、室温以上150℃以下の温度で行うことが好ましい。
還元剤としては、アスコルビン酸、ヒドラジン、ジメチルヒドラジン、ヒドロキノン、水素化硼素ナトリウム(NaBH4)、テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)、LiAlH4、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンあるいはそれらの誘導体を用いることができる。
溶媒には、極性溶媒を用いることができる。還元剤を溶解することができるものであれば、材料は限定されない。例えば、水、メタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)及びジメチルスルホキシド(DMSO)のいずれか一種又は二種以上の混合液を用いることができる。
その後、洗浄し、溶媒を揮発させる。溶媒の揮発は、減圧(真空)下又は還元雰囲気下にて行うとよい。溶媒の揮発は、例えば、真空中で50℃以上160℃以下の温度で、10分以上48時間以下で加熱するとよい。この加熱によって、正極活物質層502に存在する極性溶媒や水分をよく蒸発、揮発あるいは除去させる。溶媒を揮発させた後に、プレスを行ってもよい。
あるいは、乾燥炉等を用いて溶媒を揮発させてもよい。乾燥炉を用いる場合は、例えば30℃以上200℃以下の温度で、30秒以上20分以下の加熱を行えばよい。または、温度は段階的に上げてもよい。
なお、還元剤を用いた上記の還元反応は、加熱によって反応を促進することができる。また、化学還元後に溶媒を揮発させて、さらに加熱してもよい。
また、還元剤を用いる還元を行わない場合は、熱処理により還元を行えばよい。例えば、減圧(真空)下にて、150℃以上の温度で、0.5時間以上30時間以下で行うことができる。
以上のステップにより、正極活物質にグラフェンが均一に分散された正極活物質層502を作製することができる。
ここで、酸化グラフェンを用いた電極においては還元を行うことが好ましく、化学還元の後に熱還元を行う条件を用いて還元することがより好ましい。ここで、熱還元では酸素原子を例えば二酸化炭素として脱離するのに対し、化学還元では化学反応を用いて還元を行うことによって、グラフェンのsp2結合を形成している炭素の原子の割合を増やすことができる。また、化学還元を行った後に、さらに熱還元を行うことにより、形成されるグラフェンの導電性をさらに向上させることができるため好ましい。
また、正極としてLiFePO4を用いることにより、過充電などの外部負荷に対しても安定で、安全性の高い蓄電池を実現することができる。よって例えば、持ち運びを行うモバイル機器や、身体に身に着けるウェアラブル機器等に用いる蓄電池として、特に優れている。
ここで、蓄電池が有する正極の総容量と、蓄電池が有する負極の総容量の比について説明する。下記数式(1)で定義されるRを正極/負極容量比とする。ここで正極容量とは蓄電池が有する正極の総容量であり、負極容量とは、蓄電池が有する負極の総容量である。
ここで、正極容量および負極容量の算出には、例えば理論容量等を用いてもよい。あるいは、実測値に基づく容量などを用いてもよい。一例として、LiFePO4と黒鉛を用いる場合には、容量を算出する際に、活物質重量あたりの容量としてそれぞれ170mAh/gと、372mAh/gを用いればよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様を用いた蓄電装置の様々な形態について説明する。
[捲回体を用いた蓄電池の構成例]
次に、図47乃至図48に、本発明の一態様を用いた蓄電装置である、捲回体を用いた蓄電池の構成例を示す。図47に示す捲回体993は、負極994と、正極995と、セパレータ996と、を有する。
捲回体993は、セパレータ996を挟んで負極994と、正極995とが重なり合って積層され、該積層シートを捲回したものである。この捲回体993を角型の封止容器などで覆うことにより角型の二次電池が作製される。
なお、負極994、正極995及びセパレータ996からなる積層の積層数は、必要な容量と素子体積に応じて適宜設計すればよい。負極994はリード電極997及びリード電極998の一方を介して負極集電体(図示せず)に接続され、正極995はリード電極997及びリード電極998の他方を介して正極集電体(図示せず)に接続される。
ここで、負極994が正極995と重ならない面積は、小さいほど好ましい。図47(B)は、捲回体993の負極994の幅1091が、正極995の幅1092よりも小さい例を示す。また、負極994の端部は、正極995の内側に位置する。このような構成とすることにより、負極994がすべて、正極995と重なる、または負極994と正極995が重ならない領域の面積を小さくすることができる。
また、負極994の面積に対して、正極995の面積が大きすぎると、正極995の余剰部分が多くなり、例えば体積あたりの蓄電池の容量が小さくなってしまう。よって例えば、負極994の端部が正極995の端部よりも内側に位置する場合には、正極995の端部と負極994の端部の距離は3mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.1mm以下がさらに好ましい。あるいは、正極995と負極994の幅の差は、6mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、0.2mm以下がさらに好ましい。
または、幅1091と幅1092を概略同じ値とし、負極994の端部を正極995の端部と概略揃えることが好ましい。
図48(A)及び(B)に示す蓄電池980は、外装体となるフィルム981と、凹部を有するフィルム982とを熱圧着などにより貼り合わせて形成される空間に上述した捲回体993を収納したものである。捲回体993は、リード電極997及びリード電極998を有し、フィルム981と、凹部を有するフィルム982との内部で電解液に含浸される。
フィルム981と、凹部を有するフィルム982は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料を用いることができる。フィルム981及び凹部を有するフィルム982の材料として樹脂材料を用いれば、外部から力が加わったときにフィルム981と、凹部を有するフィルム982を変形させることができ、可撓性を有する蓄電池を作製することができる。
また、図48(A)及び(B)では2枚のフィルムを用いる例を示しているが、1枚のフィルムを折り曲げることによって空間を形成し、その空間に上述した捲回体993を収納してもよい。
また、蓄電装置の外装体や、封止容器を樹脂材料などにすることによって可撓性を有する蓄電装置を作製することができる。ただし、外装体や、封止容器を樹脂材料にする場合、外部に接続を行う部分は導電材料とする。
図48とは異なる別の薄型蓄電池の例を図49に示す。図49(A)の捲回体993は、図47及び図48(A)に示したものと同一であるため、詳細な説明は省略することとする。
図49(A)及び(B)に示す蓄電池990は、外装体991の内部に上述した捲回体993を収納したものである。捲回体993は、リード電極997及びリード電極998を有し、外装体991、992の内部で電解液に含浸される。外装体991、992は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料を用いることができる。外装体991、992の材料として樹脂材料を用いれば、外部から力が加わったときに外装体991、992を変形させることができ、可撓性を有する薄型蓄電池を作製することができる。
[円筒型蓄電池]
次に、図47乃至図49と同様に捲回体を用いた蓄電装置の一例として、円筒型の蓄電池を示す。円筒型の蓄電池について、図50を参照して説明する。円筒型の蓄電池600は図50(A)に示すように、上面に正極キャップ(電池蓋)601を有し、側面及び底面に電池缶(外装缶)602を有している。これら正極キャップ601と電池缶(外装缶)602とは、ガスケット(絶縁パッキン)610によって絶縁されている。
図50(B)は、円筒型の蓄電池の断面を模式的に示した図である。中空円柱状の電池缶602の内側には、帯状の正極604と負極606とがセパレータ605を間に挟んで捲回された電池素子が設けられている。図示しないが、電池素子はセンターピンを中心に捲回されている。電池缶602は、一端が閉じられ、他端が開いている。電池缶602には、電解液に対して耐腐食性のあるニッケル、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミニウム等を被覆することが好ましい。電池缶602の内側において、正極、負極及びセパレータが捲回された電池素子は、対向する一対の絶縁板608、609により挟まれている。また、電池素子が設けられた電池缶602の内部は、非水電解液(図示せず)が注入されている。非水電解液は、コイン型の蓄電池と同様のものを用いることができる。
正極604及び負極606は、上述した薄型の蓄電池の正極及び負極と同様に製造すればよい。また、円筒型の蓄電池に用いる正極及び負極は捲回するため、集電体の両面に活物質を形成することが好ましい。正極604には正極端子(正極集電リード)603が接続され、負極606には負極端子(負極集電リード)607が接続される。正極端子603及び負極端子607は、ともにアルミニウムなどの金属材料を用いることができる。正極端子603は安全弁機構612に、負極端子607は電池缶602の底にそれぞれ抵抗溶接される。安全弁機構612は、PTC素子(Positive Temperature Coefficient)611を介して正極キャップ601と電気的に接続されている。安全弁機構612は電池の内圧の上昇が所定の閾値を超えた場合に、正極キャップ601と正極604との電気的な接続を切断するものである。また、PTC素子611は温度が上昇した場合に抵抗が増大する熱感抵抗素子であり、抵抗の増大により電流量を制限して異常発熱を防止するものである。PTC素子には、チタン酸バリウム(BaTiO3)系半導体セラミックス等を用いることができる。
ここで、負極606が正極604と重ならない面積は、小さいほど好ましい。例えば、負極606の端部が正極604の端部よりも内側に位置することが好ましい。また、正極604の端部と負極606の端部の距離は3mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.1mm以下がさらに好ましい。あるいは、正極604の幅1094と、負極606の幅1093の差は、6mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、0.2mm以下がさらに好ましい。
または、幅1093と幅1094を概略同じ値とし、負極606の端部を正極604の端部と概略揃えることが好ましい。
[コイン型蓄電池]
次に蓄電装置の一例として、本発明の一態様を用いた蓄電装置である、コイン型の蓄電池の一例を図51を用いて説明する。図51(A)はコイン型(単層偏平型)の蓄電池の外観図であり、図51(B)及び(C)は、その断面図の例を示す。
コイン型の蓄電池300は、正極端子を兼ねた正極缶301と負極端子を兼ねた負極缶302とが、ポリプロピレン等で形成されたガスケット303で絶縁シールされている。正極304は、正極集電体305と、これと接するように設けられた正極活物質層306により形成される。正極活物質層306は、正極活物質層502の記載を参照すればよい。
また、負極307は、負極集電体308と、これに接するように設けられた負極活物質層309により形成される。負極活物質層309は、負極活物質層505の記載を参照すればよい。またセパレータ310は、セパレータ507の記載を参照すればよい。また電解液は、電解液508の記載を参照すればよい。
なお、コイン型の蓄電池300に用いる正極304および負極307は、それぞれ活物質層は片面のみに形成すればよい。
ここで、正極304と負極307の形状及び面積は概略同じであることが好ましく、かつ、正極304の端部と負極307の端部が概略揃うことが好ましい。図51(B)は、正極304の端部と負極307の端部が揃う例を示す。
または、負極307の面積は、正極304の面積よりも大きく、かつ、正極304の端部は負極307の端部よりも内側に位置することが好ましい。図51(C)は、正極304の端部が負極307の端部よりも内側に位置する例を示す。
正極缶301、負極缶302には、電解液に対して耐食性のあるニッケル、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えばステンレス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミニウム等を被覆することが好ましい。正極缶301は正極304と、負極缶302は負極307とそれぞれ電気的に接続する。
これら負極307、正極304及びセパレータ310を電解質に含浸させ、図51(B)及び(C)に示すように、正極缶301を下にして正極304、セパレータ310、負極307、負極缶302をこの順で積層し、正極缶301と負極缶302とをガスケット303を介して圧着してコイン形の蓄電池300を製造する。
なお、本実施の形態では、蓄電池として、コイン型、円筒型および薄型の蓄電池を示したが、その他の封止型蓄電池、角型蓄電池等様々な形状の蓄電池を用いることができる。また、正極、負極、及びセパレータが複数積層された構造、正極、負極、及びセパレータが捲回された構造であってもよい。
[蓄電システムの構造例]
また、蓄電システムの構造例について、図52、図53、図54を用いて説明する。ここで蓄電システムとは、例えば、蓄電装置を搭載した機器を指す。本実施の形態で説明する蓄電システムは、本発明の一態様を用いた蓄電装置である、蓄電池を有する。
図52(A)及び図52(B)は、蓄電システムの外観図を示す図である。蓄電システムは、回路基板900と、蓄電池913と、を有する。蓄電池913には、ラベル910が貼られている。さらに、図52(B)に示すように、蓄電システムは、端子951と、端子952と、アンテナ914と、アンテナ915と、を有する。
回路基板900は、端子911と、回路912と、を有する。端子911は、端子951、端子952、アンテナ914、アンテナ915、及び回路912に接続される。なお、端子911を複数設けて、複数の端子911のそれぞれを、制御信号入力端子、電源端子などとしてもよい。
回路912は、回路基板900の裏面に設けられていてもよい。なお、アンテナ914及びアンテナ915は、コイル状に限定されず、例えば線状、板状であってもよい。また、平面アンテナ、開口面アンテナ、進行波アンテナ、EHアンテナ、磁界アンテナ、誘電体アンテナ等のアンテナを用いてもよい。又は、アンテナ914若しくはアンテナ915は、平板状の導体でもよい。この平板状の導体は、電界結合用の導体の一つとして機能することができる。つまり、コンデンサの有する2つの導体のうちの一つの導体として、アンテナ914若しくはアンテナ915を機能させてもよい。これにより、電磁界、磁界だけでなく、電界で電力のやり取りを行うこともできる。
アンテナ914の線幅は、アンテナ915の線幅よりも大きいことが好ましい。これにより、アンテナ914により受電する電力量を大きくできる。
蓄電システムは、アンテナ914及びアンテナ915と、蓄電池913との間に層916を有する。層916は、例えば蓄電池913による電磁界を遮蔽することができる機能を有する。層916としては、例えば磁性体を用いることができる。
なお、蓄電システムの構造は、図52に限定されない。
例えば、図53(A−1)及び図53(A−2)に示すように、図52(A)及び図52(B)に示す蓄電池913のうち、対向する一対の面のそれぞれにアンテナを設けてもよい。図53(A−1)は、上記一対の面の一方側方向から見た外観図であり、図53(A−2)は、上記一対の面の他方側方向から見た外観図である。なお、図52(A)及び図52(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図52(A)及び図52(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
図53(A−1)に示すように、蓄電池913の一対の面の一方に層916を挟んでアンテナ914が設けられ、図53(A−2)に示すように、蓄電池913の一対の面の他方に層917を挟んでアンテナ915が設けられる。層917は、例えば蓄電池913による電磁界を遮蔽することができる機能を有する。層917としては、例えば磁性体を用いることができる。
上記構造にすることにより、アンテナ914及びアンテナ915の両方のサイズを大きくすることができる。
又は、図53(B−1)及び図53(B−2)に示すように、図52(A)及び図52(B)に示す蓄電池913のうち、対向する一対の面のそれぞれに別のアンテナを設けてもよい。図53(B−1)は、上記一対の面の一方側方向から見た外観図であり、図53(B−2)は、上記一対の面の他方側方向から見た外観図である。なお、図52(A)及び図52(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図52(A)及び図52(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
図53(B−1)に示すように、蓄電池913の一対の面の一方に層916を挟んでアンテナ914及びアンテナ915が設けられ、図53(A−2)に示すように、蓄電池913の一対の面の他方に層917を挟んでアンテナ918が設けられる。アンテナ918は、例えば、外部機器とのデータ通信を行うことができる機能を有する。アンテナ918には、例えばアンテナ914及びアンテナ915に適用可能な形状のアンテナを適用することができる。アンテナ918を介した蓄電システムと他の機器との通信方式としては、NFCなど、蓄電システムと他の機器の間で用いることができる応答方式などを適用することができる。
又は、図54(A)に示すように、図52(A)及び図52(B)に示す蓄電池913に表示装置920を設けてもよい。表示装置920は、端子919を介して端子911に電気的に接続される。なお、表示装置920が設けられる部分にラベル910を設けなくてもよい。なお、図52(A)及び図52(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図52(A)及び図52(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
表示装置920には、例えば充電中であるか否かを示す画像、蓄電量を示す画像などを表示してもよい。表示装置920としては、例えば電子ペーパー、液晶表示装置、エレクトロルミネセンス(ELともいう)表示装置などを用いることができる。例えば、電子ペーパーを用いることにより表示装置920の消費電力を低減することができる。
又は、図54(B)に示すように、図52(A)及び図52(B)に示す蓄電池913にセンサ921を設けてもよい。センサ921は、端子922を介して端子911に電気的に接続される。なお、図52(A)及び図52(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図52(A)及び図52(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
センサ921としては、例えば、力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むものを用いることができる。センサ921を設けることにより、例えば、蓄電システムが置かれている環境を示すデータ(温度など)を検出し、回路912内のメモリに記憶しておくこともできる。
本実施の形態で示す蓄電池や蓄電システムには、本発明の一態様に係る電極が用いられている。そのため、蓄電池や蓄電システムの容量の大きくすることができる。また、エネルギー密度を高めることができる。また、信頼性を高めることができる。また、寿命を長くすることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様を用いた蓄電装置である、可撓性を有する蓄電池を電子機器に実装する例について説明する。
実施の形態2に示す可撓性を有する蓄電池を電子機器に実装する例を図55に示す。フレキシブルな形状を備える蓄電装置を適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、フレキシブルな形状を備える蓄電装置を、家屋やビルの内壁または外壁や、自動車の内装または外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
図55(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、蓄電装置7407を有している。
図55(B)は、携帯電話機7400を湾曲させた状態を示している。携帯電話機7400を外部の力により変形させて全体を湾曲させると、その内部に設けられている蓄電装置7407も湾曲される。また、その時、曲げられた蓄電装置7407の状態を図55(C)に示す。蓄電装置7407は薄型の蓄電池である。蓄電装置7407は曲げられた状態で固定されている。なお、蓄電装置7407は集電体と電気的に接続されたリード電極を有している。
図55(D)は、バングル型の表示装置の一例を示している。携帯表示装置7100は、筐体7101、表示部7102、操作ボタン7103、及び蓄電装置7104を備える。また、図55(E)に曲げられた蓄電装置7104の状態を示す。蓄電装置7104は曲げられた状態で使用者の腕への装着時に、筐体が変形して蓄電装置7104の一部または全部の曲率が変化する。なお、曲線の任意の点における曲がり具合を相当する円の半径の値で表したものを曲率半径であり、曲率半径の逆数を曲率と呼ぶ。具体的には、曲率半径が40mm以上150mm以下の範囲内で筐体または蓄電装置7104の主表面の一部または全部が変化する。蓄電装置7104の主表面における曲率半径が40mm以上150mm以下の範囲であれば、高い信頼性を維持できる。
図55(F)は、腕時計型の携帯情報端末の一例を示している。携帯情報端末7200は、筐体7201、表示部7202、バンド7203、バックル7204、操作ボタン7205、入出力端子7206などを備える。
携帯情報端末7200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
表示部7202はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示部7202はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部7202に表示されたアイコン7207に触れることで、アプリケーションを起動することができる。
操作ボタン7205は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯情報端末7200に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作ボタン7205の機能を自由に設定することもできる。
また、携帯情報端末7200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。
また、携帯情報端末7200は入出力端子7206を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子7206を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子7206を介さずに無線給電により行ってもよい。
携帯情報端末7200の表示部7202には、本発明の一態様の電極部材を備える蓄電装置を有している。例えば、図55(E)に示した蓄電装置7104を、筐体7201の内部に湾曲した状態で、またはバンド7203の内部に湾曲可能な状態で組み込むことができる。
図55(G)は、腕章型の表示装置の一例を示している。表示装置7300は、表示部7304を有し、本発明の一態様の蓄電装置を有している。また、表示装置7300は、表示部7304にタッチセンサを備えることもでき、また、携帯情報端末として機能させることもできる。
表示部7304はその表示面が湾曲しており、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示装置7300は、通信規格された近距離無線通信などにより、表示状況を変更することができる。
また、表示装置7300は入出力端子を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子を介さずに無線給電により行ってもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、蓄電装置を搭載することのできる電子機器の一例を示す。
図56(A)および図56(B)に、2つ折り可能なタブレット型端末の一例を示す。図56(A)および図56(B)に示すタブレット型端末9600は、筐体9630a、筐体9630b、筐体9630aと筐体9630bを接続する可動部9640、表示部9631aと表示部9631bを有する表示部9631、表示モード切り替えスイッチ9626、電源スイッチ9627、省電力モード切り替えスイッチ9625、留め具9629、操作スイッチ9628、を有する。図56(A)は、タブレット型端末9600を開いた状態を示し、図56(B)は、タブレット型端末9600を閉じた状態を示している。
また、タブレット型端末9600は、筐体9630aおよび筐体9630bの内部に蓄電体9635を有する。蓄電体9635は、可動部9640を通り、筐体9630aと筐体9630bに渡って設けられている。
表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表示された操作キー9638にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部9631aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分の領域がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部9631aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部9631aの全面をキーボードボタン表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを表示画面として用いることができる。
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一部をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボード表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで表示部9631bにキーボードボタン表示することができる。
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時にタッチ入力することもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9626は、縦表示又は横表示などの表示の向きを切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイッチ9625は、タブレット型端末9600に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内蔵させてもよい。
また、図56(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示しているが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表示の品質も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネルとしてもよい。
図56(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池9633、DCDCコンバータ9636を含む充放電制御回路9634を有する。また、蓄電体9635として、本発明の一態様の蓄電体を用いる。
なお、タブレット型端末9600は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630aおよび筐体9630bを重ね合せるように折りたたむことができる。折りたたむことにより、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、タブレット型端末9600の耐久性を高めることができる。また、本発明の一態様の蓄電体を用いた蓄電体9635は可撓性を有し、曲げ伸ばしを繰り返しても充放電容量が低下しにくい。よって、信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
また、この他にも図56(A)および図56(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、表示部、又は映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐体9630の片面または両面に設けることができ、蓄電体9635の充電を効率的に行う構成とすることができる。なお蓄電体9635としては、リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また、図56(B)に示す充放電制御回路9634の構成、および動作について図56(C)にブロック図を示し説明する。図56(C)には、太陽電池9633、蓄電体9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部9631について示しており、蓄電体9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、図56(B)に示す充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池で発電した電力は、蓄電体9635を充電するための電圧となるようDCDCコンバータ9636で昇圧又は降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧又は降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにして蓄電体9635の充電を行う構成とすればよい。
なお太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段による蓄電体9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
図57に、他の電子機器の例を示す。図57において、表示装置8000は、本発明の一態様に係る蓄電装置8004を用いた電子機器の一例である。具体的に、表示装置8000は、TV放送受信用の表示装置に相当し、筐体8001、表示部8002、スピーカ部8003、蓄電装置8004等を有する。本発明の一態様に係る蓄電装置8004は、筐体8001の内部に設けられている。表示装置8000は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8004に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8004を無停電電源として用いることで、表示装置8000の利用が可能となる。
表示部8002には、液晶表示装置、有機EL素子などの発光素子を各画素に備えた発光装置、電気泳動表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)などの、半導体表示装置を用いることができる。
なお、表示装置には、TV放送受信用の他、パーソナルコンピュータ用、広告表示用など、全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図57において、据え付け型の照明装置8100は、本発明の一態様に係る蓄電装置8103を用いた電子機器の一例である。具体的に、照明装置8100は、筐体8101、光源8102、蓄電装置8103等を有する。図57では、蓄電装置8103が、筐体8101及び光源8102が据え付けられた天井8104の内部に設けられている場合を例示しているが、蓄電装置8103は、筐体8101の内部に設けられていても良い。照明装置8100は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8103に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8103を無停電電源として用いることで、照明装置8100の利用が可能となる。
なお、図57では天井8104に設けられた据え付け型の照明装置8100を例示しているが、本発明の一態様に係る蓄電装置は、天井8104以外、例えば側壁8105、床8106、窓8107等に設けられた据え付け型の照明装置に用いることもできるし、卓上型の照明装置などに用いることもできる。
また、光源8102には、電力を利用して人工的に光を得る人工光源を用いることができる。具体的には、白熱電球、蛍光灯などの放電ランプ、LEDや有機EL素子などの発光素子が、上記人工光源の一例として挙げられる。
図57において、室内機8200及び室外機8204を有するエアコンディショナーは、本発明の一態様に係る蓄電装置8203を用いた電子機器の一例である。具体的に、室内機8200は、筐体8201、送風口8202、蓄電装置8203等を有する。図57では、蓄電装置8203が、室内機8200に設けられている場合を例示しているが、蓄電装置8203は室外機8204に設けられていても良い。或いは、室内機8200と室外機8204の両方に、蓄電装置8203が設けられていても良い。エアコンディショナーは、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8203に蓄積された電力を用いることもできる。特に、室内機8200と室外機8204の両方に蓄電装置8203が設けられている場合、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8203を無停電電源として用いることで、エアコンディショナーの利用が可能となる。
なお、図57では、室内機と室外機で構成されるセパレート型のエアコンディショナーを例示しているが、室内機の機能と室外機の機能とを1つの筐体に有する一体型のエアコンディショナーに、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いることもできる。
図57において、電気冷凍冷蔵庫8300は、本発明の一態様に係る蓄電装置8304を用いた電子機器の一例である。具体的に、電気冷凍冷蔵庫8300は、筐体8301、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303、蓄電装置8304等を有する。図57では、蓄電装置8304が、筐体8301の内部に設けられている。電気冷凍冷蔵庫8300は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8304に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8304を無停電電源として用いることで、電気冷凍冷蔵庫8300の利用が可能となる。
なお、上述した電子機器のうち、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器などの電子機器は、短時間で高い電力を必要とする。よって、商用電源では賄いきれない電力を補助するための補助電源として、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いることで、電子機器の使用時に商用電源のブレーカーが落ちるのを防ぐことができる。
また、電子機器が使用されない時間帯、特に、商用電源の供給元が供給可能な総電力量のうち、実際に使用される電力量の割合(電力使用率と呼ぶ)が低い時間帯において、蓄電装置に電力を蓄えておくことで、上記時間帯以外において電力使用率が高まるのを抑えることができる。例えば、電気冷凍冷蔵庫8300の場合、気温が低く、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われない夜間において、蓄電装置8304に電力を蓄える。そして、気温が高くなり、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われる昼間において、蓄電装置8304を補助電源として用いることで、昼間の電力使用率を低く抑えることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、車両に蓄電装置を搭載する例を示す。
また、蓄電装置を車両に搭載すると、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)、又はプラグインハイブリッド車(PHEV)等の次世代クリーンエネルギー自動車を実現できる。
図58において、本発明の一態様を用いた車両を例示する。図58(A)に示す自動車8400は、走行のための動力源として電気モーターを用いる電気自動車である。または、走行のための動力源として電気モーターとエンジンを適宜選択して用いることが可能なハイブリッド自動車である。本発明の一態様を用いることで、航続距離の長い車両を実現することができる。また、自動車8400は蓄電装置を有する。蓄電装置は電気モーターを駆動するだけでなく、ヘッドライト8401やルームライト(図示せず)などの発光装置に電力を供給することができる。
また、蓄電装置は、自動車8400が有するスピードメーター、タコメーターなどの表示装置に電力を供給することができる。また、蓄電装置は、自動車8400が有するナビゲーションシステムなどの半導体装置に電力を供給することができる。
図58(B)に示す自動車8500は、自動車8500が有する蓄電装置にプラグイン方式や非接触給電方式等により外部の充電設備から電力供給を受けて、充電することができる。図58(B)に、地上設置型の充電装置8021から自動車8500に搭載された蓄電装置に、ケーブル8022を介して充電を行っている状態を示す。充電に際しては、充電方法やコネクタの規格等はCHAdeMO(登録商標)やコンボ等の所定の方式で適宜行えばよい。充電装置8021は、商用施設に設けられた充電ステーションでもよく、また家庭の電源であってもよい。例えば、プラグイン技術によって、外部からの電力供給により自動車8500に搭載された蓄電装置8024を充電することができる。充電は、ACDCコンバータ等の変換装置を介して、交流電力を直流電力に変換して行うことができる。
また、図示しないが、受電装置を車両に搭載し、地上の送電装置から電力を非接触で供給して充電することもできる。この非接触給電方式の場合には、道路や外壁に送電装置を組み込むことで、停車中に限らず走行中に充電を行うこともできる。また、この非接触給電の方式を利用して、車両どうしで電力の送受信を行ってもよい。さらに、車両の外装部に太陽電池を設け、停車時や走行時に蓄電装置の充電を行ってもよい。このような非接触での電力の供給には、電磁誘導方式や磁界共鳴方式を用いることができる。
本発明の一態様によれば、蓄電装置のサイクル特性が良好となり、信頼性を向上させることができる。また、本発明の一態様によれば、蓄電装置の特性を向上することができ、よって、蓄電装置自体を小型軽量化することができる。蓄電装置自体を小型軽量化できれば、車両の軽量化に寄与するため、航続距離を向上させることができる。また、車両に搭載した蓄電装置を車両以外の電力供給源として用いることもできる。この場合、電力需要のピーク時に商用電源を用いることを回避することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、本発明の一態様を用いた蓄電装置として、実施の形態1で示した薄型の蓄電池を作製し、その充放電特性について評価を行った。
薄型の蓄電池には、1組の正極503と負極506を用いた。用いた正極503及び負極506の上面図を図26及び図27に示す。図26及び図27に示すそれぞれの正極は正極活物質層502と、タブ領域281を有する。また、それぞれの負極は負極活物質層505と、タブ領域282を有する。また、図26(B)、図27(B)及び図27(D)には、タブ領域を除いた正極503の中心とタブ領域を除いた負極506の中心を重ねた場合、つまり位置ズレのない理想的な場合の上面図の例も示す。ここで、正極503と負極506の間のセパレータについては省略する。
図26(A)には正極503および負極506の上面図を示し、図26(B)には図26(A)に示す正極503および負極506について、タブ領域を除いた正極503の中心とタブ領域を除いた負極506の中心を重ねた場合、つまり位置ズレのない理想的な場合の上面図の例を示す。ここで、正極503と負極506の間のセパレータについては省略する。
図26(C)には正極503および負極506の上面図を示す。
図27(A)には正極503および負極506の上面図を示す。また、図27(B)には図27(A)に示す正極503および負極506について、タブ領域を除いた正極503の中心とタブ領域を除いた負極506の中心を重ねた場合の上面図の例を示す。
図27(C)には正極503および負極506の上面図を示す。また、図27(D)には図27(C)に示す正極503および負極506について、タブ領域を除いた正極503の中心とタブ領域を除いた負極506の中心を重ねた場合の上面図の例を示す。
ここで、図26(A)に示す正極と負極の大きさの組み合わせを電極サイズA、図26(C)に示す組み合わせを電極サイズB、図27(A)に示す正極と負極の大きさの組み合わせを電極サイズC、図27(C)に示す組み合わせを電極サイズDとする。電極サイズAでは、タブ領域を除いた負極506の大きさは、タブ領域を除いた正極503の大きさに比べて大きい。また負極活物質層505の面積は正極活物質層502の面積よりも大きい。また、電極サイズBでは、タブ領域を除いた負極506の大きさと、タブ領域を除いた正極503の大きさは、同じである。また負極活物質層505の面積と正極活物質層502の面積は同じである。電極サイズC及び電極サイズDでは、タブ領域を除いた負極506の大きさは、タブ領域を除いた正極503の大きさに比べて小さい。また負極活物質層505の面積は正極活物質層502の面積よりも小さい。
また、タブ領域を除いた正極503の中心とタブ領域を除いた負極506の中心を重ねた場合の正極503と負極506の端部の距離について説明する。電極サイズAでは、端部の距離141、距離142、距離143及び距離144は例えば1mm、2mm、1mm、2mmである。また、電極サイズCでは、端部の距離145、距離146、距離147及び距離148は例えば1mm、2mm、1mm及び2mmである。また、電極サイズDでは、端部の距離149、距離150、距離151及び距離152は例えば0.5mm、0.5mm、0.5mm及び0.5mmである。ここで、図26及び図27においては、正極503の端部と負極506の端部の距離141乃至距離152は、正極活物質層502の端部と負極活物質層505の端部の距離と概略同じである。
[電極の作製]
まず、正極及び負極の作製について説明する。
まず、負極活物質層の配合及び作製条件について説明する。活物質に比表面積6.3m2/g、平均粒径15μmの球状化天然黒鉛を用いた。また結着剤としてCMC−Na(カルボキシメチルセルロースナトリウム)及びSBRを用いた。用いたCMC−Naの重合度は600から800、1%水溶液として用いた場合の水溶液粘度は300mPa・sから500mPa・sの範囲の値であった。電極を作製するためのスラリーの配合は、黒鉛:CMC−Na:SBR=97:1.5:1.5(重量%)とした。
次に、負極用のスラリーの作製について、図28のフローを用いて説明する。Lot1からLot3の3つのロットに分けてスラリーを作製した。
Lot1及びLot2のスラリーの作製方法を図28(A)に示す。まず、CMC−Naを純水に均一に溶解させ水溶液を調整した(StepS1)。
次に、CMC−Naの水溶液と、活物質とを混合した後、混練機を用いて固練りを行い、混合物1を得た(StepS2)。ここで固練りとは、高粘度による混練のことである。
次に、混合物1にSBRの50wt%水分散液を添加し、混練機で混練し、混合物2を得た(StepS3)。
次に、混合物2に所定の粘度になるまで溶媒である純水を添加し、混練を行った(StepS4)。以上の工程により、スラリーを作製した。
次に、Lot3のスラリーの作製方法について図28(B)に示す。まずCMC−Naの粉末と活物質とを混合し、混練機で混練した(StepS11)。混練した混合物を混合物1とする。
次に、混合物1に溶媒として少量の水を添加し、固練りを行い混合物2を得た(StepS12)。この際、水は少しずつ加えていくと、例えばCMC−Naや活物質の凝集を防げるため好ましい。
次に、溶媒をさらに添加し、混練機を用いて混練した(StepS13)。SBRを加える前に、あらかじめ粘度を低くすることにより、強撹拌によるSBRの分離・沈殿を防ぐことができる場合があり、好ましい。また、撹拌による気泡の混入を少なくすることができる場合があり、好ましい。
次に、SBRの50wt%水分散液を添加し、混練機で混練した(StepS14)。その後、減圧下での脱泡を行い、電極塗布用のスラリーを得た(StepS15)。
次にLot1乃至Lot3で作製したスラリーを塗布した。
Lot1については、ブレード法を用いて集電体にスラリーを塗布した。ブレードの操作速度は10mm/secとした。ここで表2乃至表4に示す条件では、集電体として膜厚18μmの圧延銅箔を用いた。また、表5に示す条件では、集電体として膜厚10μmのステンレス箔(NSSC190)を用いた。ここで表2乃至表5については、後に詳細を説明する。
次に、スラリーを塗布した集電体を、大気雰囲気下で、50℃のホットプレート上で30分間の乾燥を行った。その後、さらに減圧雰囲気下で100℃、10時間の乾燥を行った。以上の工程により、集電体の一方の面に負極活物質層を作製した。
Lot2については、Lot1と同様の方法で集電体の一方の面に負極活物質層を形成した後、集電体のもう一方の面にも同様の方法を用いて負極活物質層を形成した。
Lot3については、連続塗工機を用いて集電体の一方の面にスラリーを塗布した。集電体には膜厚18μmの圧延銅箔を用いた。塗工速度は0.5m/min.とした。次に、塗布したスラリーを、乾燥炉を用いて乾燥した。乾燥条件は、大気雰囲気下で50℃180秒間の乾燥後、さらに80℃で180秒間の乾燥を行った。その後、さらに100℃10時間で減圧環境下にて乾燥を行った。
以上の工程により、Lot1乃至Lot3の負極を作製した。
次に、正極の配合及び作製条件について説明する。活物質に比表面積=9.2m2/gのLiFePO4を用い、結着剤としてPVdFを用い、導電助剤としてグラフェンを用いた。なお、グラフェンは、スラリーを作製する際には酸化グラフェンであり、電極塗布後に還元処理を施した。電極を作製するためのスラリーの配合は、LiFePO4:酸化グラフェン:PVdF=94.4:0.6:5.0(重量%)とした。
次に、正極用のスラリーの作製方法について、図29のフローを用いて説明する。
初めに、酸化グラフェンの粉末と溶媒であるNMPを混練機を用いて混練し、混合物1を得た(StepS21)。
次に、混合物1に活物質を添加し、混練機を用いて固練りを行い、混合物2を得た(StepS22)。固練りを行うことで、活物質の凝集をほどくことができ、また酸化グラフェンをより均一に分散させることができる。
次に、混合物2にPVdFを添加し、混練機を用いて混練して混合物3を得た(StepS23)。
次に、混合物3に溶媒であるNMPを添加し、混練機を用いて混練した(StepS24)。以上の工程により、スラリーを作製した。
次に、作製したスラリーを、あらかじめアンダーコートを施したアルミ集電体(20μm)に塗布した。塗布には連続塗工機を用い、塗布速度は1m/min.とした。その後、乾燥炉を用いて溶媒を揮発させた。溶媒の揮発のための加熱条件は、80℃4分間とした。その後、電極の還元を行った。
還元条件としては、まず化学還元を行い、その後熱還元を行った。まず化学還元の条件について説明する。還元に用いた溶液は、溶媒としてNMP:水を9:1で混合した溶媒を用い、アスコルビン酸とLiOHをそれぞれ77mmol/Lと73mmol/Lの濃度になるように加えた。還元処理は、60℃で1時間行った。その後、エタノールで洗浄し、減圧雰囲気下、室温で溶媒を揮発させた。次に、熱還元の条件について説明する。化学還元を行った後、熱還元を行った。熱還元は減圧雰囲気下で170℃10時間の処理を行った。
次に、正極活物質層を、ロールプレス法によりプレスして圧密化した。以上の工程により、正極を作製した。
作製した負極活物質層及び正極活物質層の活物質担持量、厚さ及び密度を表1に示す。表1に示す値は、後述する表2乃至表5に記載の条件を用いて蓄電池を作製する際に用いた電極の各測定値の平均、最大値、及び最小値を示す。なお、集電体の両面に活物質層を形成した場合には、各面に形成した活物質層の和を示した。
次に、電解液として、溶媒として構造式(G7)に示すEMI−FSAを用い、電解質としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(Li(CF3SO2)2N,略称:LiTFSA)を用いた。LiTFSAをEMI−FSAに溶解させ、濃度が0.5mol/L及び1mol/Lの2種類の電解液を準備した。電解液におけるリチウム塩濃度の条件は、後述の表2乃至表5に示す。
また、セパレータは、厚さ50μmの溶剤紡糸再生セルロース繊維(TF40,ニッポン高度紙工業株式会社製)を用いた。セパレータは、縦24mm、横45mmの矩形状に切断した。また、外装体には、アルミニウム箔の両面に、樹脂層を被覆したフィルムを用いた。
[蓄電池の作製]
次に、薄型の蓄電池を作製した。負極の作製条件、電解液に用いたリチウム塩の濃度、電極サイズ、及び作製した薄型の蓄電池の容量比を表2乃至表5に示す。ここで容量比は、正極/負極容量比Rを指す。ここで各条件において、同じ条件を用いて複数の蓄電池を作製した場合には、それぞれの蓄電池をn=x(xは自然数)と表す。例えば、条件A−1を用いて同じ蓄電池を2つ作製した場合には、条件A−1(n=1)、条件A−1(n=2)のように表す。
薄型蓄電池の作製方法を、図30のフローを用いて説明する。まず出来上がった正極及び負極を、表2乃至表5に記載された条件振りに基づき、図26(A)、図26(B)、図27(A)及び図27(B)に示す形状に切断した(StepS31)。また、セパレータを切断した。
次に、タブ領域上の正極活物質及び負極活物質を剥がして、集電体を露出させた。
次に、CMC−Naの粉末に水を加え、CMC−Na水溶液を調整した。次に、調整したCMC−Na水溶液にSBRの50wt%水分散液を添加し、撹拌を行いスラリーを作製した(StepS32)。配合は、CMC−Na:SBR=1:1(重量比)となるようにした。
次に、表2乃至表5の条件C−1乃至条件C−3、条件G−1乃至条件G−3、条件I−1乃至条件I−3、及び条件K−1乃至条件K−2の負極について、負極活物質層が形成されている面の裏面、すなわち負極活物質層が形成されていない面の集電体にスラリーを塗布した。その後、50℃のホットプレートに載せて乾燥を行い、CMC−Na及びSBRの混合物層を形成した(StepS33)。
次に、切断した正極、切断したセパレータ及び切断した負極を順に積層し、粘着性のテープで固定した(StepS34)。その後、正極及び負極のそれぞれタブ領域に、超音波溶接を用いてリード電極を溶接した(StepS35)。リード電極として、封止層を設けたものを用いた。
次に、StepS32同様の方法で、CMC−Na水溶液と、SBRの水分散液とを混合し、スラリーを作製した(StepS36)。
次に、表2乃至表4の条件C−1乃至条件C−3、条件E−2乃至条件E−3、条件G−1乃至条件G−3、条件H−2乃至条件H−3、及び条件I−1乃至条件I−3について、負極のタブ領域のうち、リード電極が溶着されていない部分にスラリーを塗布した。その後、50℃のホットプレートに載せて、乾燥を行い、CMC−Na及びSBRの混合物層を形成した(StepS37)。
次に、外装体を半分に折り、積層した正極、セパレータ及び負極を挟んだ。この時、正極及び負極は、正極活物質層と、負極活物質層(両面塗工の場合は、その一方の面)が向かい合うように積層した。
次に、加熱により外装体の3辺のうち、電解液を注入する辺以外を接合した(StepS38)。この時、リード電極に設けられた封止層が外装体の封止部に重なるように配置した。
外装体の辺A及び辺Bの封止を行った後、外装体と、外装体で包まれた正極、セパレータ及び負極を乾燥した(StepS39)。乾燥条件は、減圧下で80℃、10時間とした。
次に、アルゴンガス雰囲気下で、封止されていない1辺から電解液を注入した(StepS40)。その後、減圧雰囲気下で、加熱により外装体の1辺を封止した(StepS41)。以上の工程により、薄型の蓄電池を作製した。
[蓄電池の評価1]
まず、表2に記載の条件を用いて作製した蓄電池の評価結果を示す。表2では、全ての条件において、電極のサイズに条件Aを用いている。蓄電池の評価は、図31に示すフローに従って行った。
まず第1の充電を行った(StepS51)。第1の充電は、0.01Cで3.2Vを上限として定電流充電を行った。ここで充電レート及び放電レートは、正極活物質重量あたり170mAh/gを基準として、レートの算出を行った。
ここで蓄電池の充電において、電極表面での電解液の反応等によりガスが発生する場合がある。よって、発生したガスを抜くために、アルゴン雰囲気下のグローブボックスで外装体の一辺を切断して開封した(StepS52)。その後、減圧雰囲気下で再び端部の封止を行った(StepS53)。
次に、第2の充電を行った(StepS54)。第2の充電は、0.05Cで4Vを上限として定電流充電を行った。
次に、放電を行った(StepS55)。放電は、0.2Cで2Vを下限として定電流放電を行った。
次に、図31に示すStepS56の充電及び放電を行い、続けてStepS57の充電及び放電を行った。StepS56及びStepS57は、同じ条件で充電及び放電を行った。StepS56及びStepS57の充電条件は、0.2Cで4Vを上限として定電流充電を行った。また放電条件は、0.2Cで2Vを下限として定電流放電を行った。
ここで、StepS51乃至StepS57をエージングと呼ぶ場合がある。
図31に示したStepS51の第1の充電、StepS54の第2の充電、StepS55の放電、StepS56の充電及び放電、及び、StepS57の充電及び放電について、代表的な条件に関するカーブを図33(A)乃至(F)、及び図34(A)乃至(B)に示す。縦軸は電圧を、横軸は規格化した容量を示す。図33(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)はそれぞれ条件A−1、条件A−2、条件B−1、条件B−2、条件C−1及び条件C−2を用いて作製した蓄電池の特性を示す。また図34(A)及び(B)はそれぞれ条件D−2及び条件E−2を用いて作製した蓄電池の特性を示す。ここで容量は正極活物質の重量で規格化を行った。ここで、初回充電を、StepS51とStepS54の充電容量の和とする。また、StepS51とStepS54の充電容量の和から、StepS55の放電容量を引いた値を、初回不可逆容量と呼ぶ。また図37に、各条件における初回充電における容量、及び初回放電(StepS55)における容量を示す。ここで、例えば条件A−1では、2組の充電及び放電のデータが示されているが、これは条件A−1を用いて2つの蓄電池(n=1、n=2)を作製し、測定したことを示す。同様に条件A−2では2つ、条件B−1では3つ、条件B−2では3つの蓄電池を作製した。
まず、図33(A)、図33(C)及び図33(E)に示すように、LiTFSAの濃度が0.5mol/Lの条件を用いた蓄電池では、初回不可逆容量が大きいのに対し、図33(B)、図33(D)及び図33(F)に示すように、1mol/Lの条件では初回不可逆容量は低減され、蓄電池の特性の向上がみられた。よって、用いるリチウム塩の濃度は高いほど好ましい。例えば、リチウム塩濃度は0.5mol/L以上が好ましく、1mol/L以上がより好ましく、1.5mol/L以上がさらに好ましい。
また、負極の裏面にCMC−Na及びSBRの混合物層を塗布した条件では不可逆容量が低減された。またタブ領域にもCMC−Na及びSBRの混合物層を塗布した条件では、不可逆容量がさらに低減された。CMC−Na及びSBRの混合物層を形成することにより電解液と集電体との反応が減少したと考えられる。
次に、集電体にステンレス箔を用いた条件について説明する。図34(C)、(D)、(E)及び(F)は、条件J−1、条件J−2、条件K−1及び条件K−2を用いた蓄電池の代表的な充放電カーブを示す。また、作製した各蓄電池における初回充電容量及び初回放電容量を図38に示す。集電体にステンレス箔を用いた条件では、負極の裏面にCMC−NaとSBRの混合物の層を塗布した条件において、銅箔を用いた条件と比較して不可逆容量が小さくなる可能性が示唆された。このことから、集電体を銅箔からステンレス箔に変えることにより、集電体表面と電解液との反応が抑制される可能性がある。
[蓄電池の解体及び観察]
ここで、不可逆容量に差が見られた2つの蓄電池、条件A−1を用いた蓄電池(n=1)と、条件B−1を用いた蓄電池(n=2)について、StepS57の充放電が終了した後に解体し、観察を行った。解体は、アルゴン雰囲気下で行った。
図44に、蓄電池から取り出したセパレータの写真を示す。図44(A)は、条件A−1を用いた蓄電池(n=1)のセパレータである。また、図44(B)は、条件B−1を用いた蓄電池(n=2)のセパレータである。条件A−1を用いた蓄電池(n=1)では、セパレータの周辺部が黒くなっていた。一方、条件B−1を用いた蓄電池(n=2)では、セパレータの顕著な変色はみられなかった。
また、解体後に取り出したセパレータ及び負極を重アセトニトリル液に浸したところ、条件A−1を用いた蓄電池(n=1)では、重アセトニトリル液が茶色に変色した。一方、条件B−1を用いた蓄電池(n=2)では、顕著な着色はみられなかった。
次に、条件A−1を用いて蓄電池を作製し、図31に示すStepS54の第2の充電が終了した後、蓄電池の解体を行い、負極の観察を行った。解体は、アルゴン雰囲気下で行った。観察結果を図45に示す。黒鉛ではリチウムが挿入されることにより、反応した領域が金色に変色することが知られている。図45に示す通り、負極の中央部の領域291では黒鉛とリチウムとの反応を示唆する変色が顕著に見られたのに対し、周辺部は色の変化が小さかった。このことから、負極の周辺部では、負極の中心部と比較してリチウムと黒鉛との反応が起こりにくいことが示唆される。また、色の変化が小さい領域は、正極と重ならない領域にとどまらず、さらに内側まで及ぶことがわかった。
[蓄電池の評価2]
次に、本発明の一態様の蓄電池のように、正極と重なっていない領域の負極及び負極活物質層の面積を小さく(理想的にはゼロに)した場合について検討を行った。
表3及び表4に記載の条件を用いて蓄電池を作製した。
表3では、電極のサイズに条件Bを用いている。すなわち、タブ領域を除く正極のサイズと負極のサイズを同じとした。
また、表4では、電極のサイズに条件C及び条件Dを用いている。すなわち、タブ領域を除く負極のサイズを正極のサイズより小さくした。
蓄電池の評価は、同様に図31に示すフローに従って行った。StepS51の第1の充電、StepS54の第2の充電、StepS55の放電、StepS56の充電及び放電、及び、StepS57の充電及び放電について、それぞれのカーブを図35乃至図36に示す。ここで図35(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)はそれぞれ条件F−1、条件F−2、条件G−1、条件G−2及び条件H−2を用いて作製した蓄電池の特性を示す。また、図36(A)、(B)及び(C)はそれぞれ条件I−1、条件I−2及び条件I−3を用いて作製した蓄電池の特性を示す。また図39に、各条件における初回充電(StepS51の第1の充電とStepS54の第2の充電の和)、及び初回放電(StepS55)の値を示す。
図35及び図39(A)より、電極サイズBの条件を用いた蓄電池では、電極サイズAの条件を用いた蓄電池と比較して不可逆容量の低減がみられた。このことから、正極と重なっていない領域の負極において不可逆な反応が生じやすいと考えられる。電極サイズAでは正極の端部と負極の端部の距離が1mm乃至2mm程度と考えられ、正極と重なっていない領域の負極の面積が大きい。また、例えば正極の端部と負極の端部の距離は0.5mm以下が好ましく、0.2mm以下がより好ましく、0.1mm以下がさらに好ましい。
また、図36及び図39(B)より、電極サイズDの条件では、電極サイズCの条件よりも初回不可逆容量が小さく、より好ましい。
[蓄電池の評価3:サイクル特性]
電極サイズAを用いた条件(条件A−2、条件B−2、条件C−2、条件D−2及び条件E−2)と、電極サイズBを用いた条件(条件F−2、条件G−2及び条件H−2)と、電極サイズCを用いた条件(条件I−2)について、各条件を用いて蓄電池を作製し、サイクル回数に対する放電容量の変化(以下、充放電サイクル特性という。)を評価した。なお、ここで充電と放電を繰り返し行った際に、1回の充電と放電の組を1サイクルと数える。また、サイクル数とは充電と放電の組の回数を指す。
ここでは、図32に示すフローに従って充放電サイクルの評価を行った。なお、評価温度は60℃で行った。充電条件は4Vを上限として定電流充電を行った。また放電条件は、2Vを下限として定電流放電を行った。
まず第1回目の充放電を0.2Cのレートで行った。(StepS61)。次に、第2回目から第201回目までの充放電を0.5Cのレートで行った(StepS62)。次に、第202回目の充放電を0.2Cで行った(StepS63)。
次に、0.5Cの充放電を200回行った(StepS64)。次に、0.2Cの充放電を1回行った(StepS65)。その後、StepS64とStepS65を交互に繰り返した。
図40(A)に条件A−2、条件B−2、条件C−2を用いた蓄電池の充放電サイクル特性を、図40(B)に条件D−2、条件E−2を用いた蓄電池の充放電サイクル特性を、図41(A)に条件A−2、条件F−2、条件G−2及び条件H−2を用いた蓄電池の充放電サイクル特性を、図41(B)に条件A−2、I−2を用いた蓄電池の充放電サイクル特性を、それぞれ示す。横軸はサイクル回数、縦軸は放電容量を示す。
電極サイズAを用いた蓄電池の充放電サイクル特性では、いずれの条件もサイクルの途中で容量が大きく低下する変曲点がみられた。タブ領域の表面にCMC−NaとSBRの混合物層を形成した条件では、変曲点がみられるまでのサイクル数を増やすことができた。
また、集電体の両面に負極活物質層を設けた条件においても、変曲点がみられるまでのサイクル数を増やすことができた。よって、集電体の両面に活物質層を設けたり、集電体が露出する領域にCMC−NaとSBRの混合物層を設けることにより、集電体と電解液との反応が減少すると考えられる。
また、電極サイズB及び電極サイズCを用いた蓄電池の充放電サイクル特性では、いずれの条件も急激に容量が低下する変曲点はみられず、良好な特性を示した。またサイクル数に対する容量の減少、つまりカーブの傾きも、電極サイズAにおいて変曲点がみられる前のサイクルでの容量減少の仕方と比較して小さかった。
以上より、負極、あるいは負極活物質層において、正極、あるいは正極活物質層と重なっていない領域では何らかの副反応が生じやすいことが示唆される。またこの副反応は、蓄電装置の容量低下の大きな要因の一つであると考えられる。例えば負極や、負極活物質層において、正極と重なっていない領域の面積をより小さくすることにより、蓄電装置の容量低下を抑制することができるため好ましい。
また、初回不可逆容量については、前述の通り電極サイズDの条件では、電極サイズCの条件よりも初回不可逆容量が小さく、電極サイズBの条件では、さらに初回不可逆容量が小さいことがわかった。よって、負極、あるいは負極活物質層において、正極、あるいは正極活物質層と重なっていない領域は小さいほど好ましく、例えば正極の端部と負極の端部の距離は3mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.1mm以下がさらに好ましい。また、例えば正極活物質層の端部と負極活物質層の端部の距離は、3mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.1mm以下がさらに好ましい。
本実施例では、リニアスイープボルタモグラムを用いてイオン液体の酸化電位及び還元電位を評価した。イオン液体としては、四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体と、5員環のヘテロ芳香環を含むカチオンを有するイオン液体を用いた。
四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体として、構造式(G6)で示す1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)アミド(略称:P13−FSA)を用いた。また、5員環のヘテロ芳香環を含むカチオンを有するイオン液体として、構造式(G7)で示す1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)アミド(略称:EMI−FSA)、構造式(G8)で示す1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)アミド(略称:HMI−FSA)、及び、構造式(G9)で示す1−メチル−3−(2−プロポキシエチル)イミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)アミド(略称:poEMI−FSA)の3種類を用いた。
まず、イオン液体を準備した。EMI−FSA、HMI−FSA及びP13−FSAについては、関東化学製の材料を用いた。
<1−メチル−3−(2−プロポキシエチル)イミダゾリウムクロリドの合成>
100mL三口フラスコに1−メチルイミダゾール8.27g(101mmol)、2−クロロエチルプロピルエーテル13.4g(109mmol)、アセトニトリル5mLを加えた。この溶液を窒素気流下、80℃で6時間、100℃で8時間撹拌した。撹拌後、得られた溶液に酢酸エチルを加えて撹拌し、上澄みを除去して洗浄した。得られた液体にアセトニトリル100mL、活性炭5.27gを加え、20時間撹拌した。得られた混合物をセライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:537−02305)で吸引濾過し、濾液を濃縮して液体を得た。得られた液体に水を加え、水層を酢酸エチルで洗浄した。この水層を濃縮し、乾燥したところ、目的物の黄色液体を収量17.0g、収率82%で得た。
<poEMI−FSA(略称)の合成>
100mLナスフラスコに1−メチル−3−(2−プロポキシエチル)イミダゾリウムクロリド17.0g(83.1mmol)、カリウムビス(フルオロスルホニル)アミド20.1g(91.7mmol)、水20mLを加えた。この溶液を室温で20時間撹拌した。撹拌後、得られた混合物に水を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して液体を得た。得られた液体を乾燥したところ、目的物の黄色液体を収量26.2g、収率90%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、上記ステップで合成した化合物が目的物である、poEMI−FSA(略称)であることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2,300MHz):δ=0.90(t、J=7.5Hz、3H)、1.53−1.65(m、2H)、3.44(t、J=6.9Hz、2H)、3.74−3.77(m、2H)、3.96(s、3H)、4.33−4.36(m、2H)、7.22−7.23(m、1H)、7.40−7.41(m、1H)、8.58(s、1H)。
以上により、poEMI−FSA(略称)を合成できることが確認された。
次に、リニアスイープボルタモグラムの測定を行った。測定は、北斗電工株式会社製の電気化学測定システムHZ−5000を用いて、グローブボックス内アルゴン雰囲気下で行った。作用電極にはグラッシーカーボン電極を用い、対極として白金線を用いた。参照電極として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドを0.1mol/Lの濃度でトリフルオロメタンスルホン酸銀を溶解させた溶液に銀線を浸漬したものを用いた。各試料の還元電位は、リチウムの酸化還元電位(Li/Li+)を基準として補正した。
リニアスイープボルタモグラムにおいて、酸化電位は、電位を走査していく中で、1mA/cm2の電流密度を検出した電位とした。また、還元電位は、電位を走査していく中で、−1mA/cm2の電流密度を検出した電位とした。
リニアスイープボルタモグラムの測定結果を図42、及び図43に示す。
図42乃至図43より、芳香族環を含むカチオンを有するEMI−FSA、HMI−FSA及びpoEMI−FSAの還元電位は、Li/Li+電位に対して0.5V以上の範囲にあることがわかる。これら芳香族環を含むカチオンを有するイオン液体では、本発明の一態様を用いることにより、イオン液体の分解反応を抑制し、蓄電装置の容量を高められると推測される。また、より還元電位の低いP13−FSAにおいても、例えば高温下など、電解液がより分解しやすい環境において、本発明の一態様を用いることにより、同様にイオン液体の分解反応を抑制し、蓄電装置の容量を高められる可能性がある。