JP6151910B2 - イオン液体、非水溶媒、電解液、蓄電装置 - Google Patents

イオン液体、非水溶媒、電解液、蓄電装置 Download PDF

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Description

本発明は、イオン液体(常温溶融塩ともいう。)を含む蓄電装置に関する。
なお、蓄電装置とは、蓄電機能を有する素子及び装置全般を指すものである。
蓄電装置の一つであるリチウム二次電池は、携帯電話や、電気自動車(EV:Electric Vehicle)などの様々な用途に用いられており、リチウム二次電池に求められる特性として、高エネルギー密度、優れたサイクル特性及び様々な動作環境での安全性などがある。
汎用されているリチウム二次電池の多くは、非水溶媒とリチウムイオンを有するリチウム塩を含む非水電解質(電解液ともいう。)を有している。そして、当該非水電解質によく用いられている有機溶媒は、誘電率が高くイオン伝導性に優れたエチレンカーボネートなどの常温常圧で液体の有機溶媒である。
しかし、上記有機溶媒は揮発性及び低引火点を有している。このため、上記有機溶媒を含む非水溶媒をリチウム二次電池の電解液に用いる場合、内部短絡や過充電等によって、リチウム二次電池の内部温度が上昇し、リチウム二次電池の破裂や発火などが起こる可能性がある。
上記を考慮し、難燃性及び難揮発性であるイオン液体をリチウム二次電池の非水電解質の溶媒として用いることが検討されている(特許文献1参照)。
特開2003−331918号公報
リチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタなどのキャリアイオンとしてリチウムイオンを用いる蓄電装置は、定電流定電圧(Constant Current Constant Voltage:CCCV)充電方式を採用している。CCCV充電方式において、定電圧充電(CV充電)期間は、蓄電装置に流れる充電電流が減少する。そこで、当該充電電流の電流値が所望の電流値を下回った状態を充電完了(満充電)状態とすることが多い。
ところが、エチレンカーボネートを、非水電解質の溶媒として用いた蓄電装置において、当該蓄電装置をCCCV充電方式で充電する場合、定電圧充電(CV充電)期間に流れる充電電流が所望の電流値を下回るのに長時間掛かることがある。これは、非水電解質の分解反応など、充電反応以外の反応が起きているためであると推測される。なお、本明細書では、定電圧充電(CV充電)期間に流れる充電電流が、所望の電流値を下回るために必要な時間が長時間であることを、CV充電期間が長いと記載する場合がある。
このように、CV充電期間が長いと、その分、充電反応以外にも反応が生じていることから、反応熱などによって蓄電装置の内部温度が上昇し、非水電解質の発火さらには蓄電装置の破裂などの危険性がある。
そこで、エチレンカーボネートを、非水電解質の溶媒として用いた蓄電装置において、CCCV充電方式で充電する場合、CV充電期間を一定期間行った後の状態を充電完了(満充電)状態とすることが多い。その場合は、当該蓄電装置の充電装置に、CV充電期間を一定期間経過した後、充電を終了させるタイマーとして機能する回路を設けることになるが、当該タイマーとして機能する回路が不具合などで正常に動作しない場合は、CV充電期間が長くなり、結果として非水電解質の発火、さらには蓄電装置の破裂などの危険性が生じる。このことからも、強制的に所定の時間が経過することでCV充電期間を終了させて満充電状態とすることより、充電電流が所望の電流値を下回ることで満充電状態となることは、安全性の面から考えて、望ましいことであるといえる。
そこで、本発明の一態様は、有機溶媒を含む非水電解質を用いた蓄電装置において、CCCV充電方式のCV充電期間が長期化することを抑制できる蓄電装置を提供することを課題とする。
また、本発明の一態様は、有機溶媒を含む非水電解質を用いた蓄電装置において、高性能な蓄電装置を提供することを課題とする。
上記を鑑み、本発明の一態様は、正極、負極、及び非水電解質を有する蓄電装置であって、当該非水電解質は、一以上の置換基を有する脂環式4級アンモニウムカチオン、及び当該脂環式4級アンモニウムカチオンに対するアニオンを有するイオン液体と、環状エステルと、アルカリ金属塩と、を含有する非水電解質である蓄電装置である。
上記において、イオン液体の脂環式4級アンモニウムカチオンの脂環式骨格の炭素数は5以下である。また、イオン液体の脂環式4級アンモニウムカチオンは、脂環式骨格の炭素に置換基が結合している。
具体的に記載すると、本発明の一態様は、正極、負極、及び非水電解質を有する蓄電装置であって、当該非水電解質は、一般式(G1)で表されるイオン液体と、環状エステルと、アルカリ金属塩と、を含有する非水電解質である蓄電装置である。

(式中、R〜Rは、水素原子、又は炭素数が1〜20のアルキル基を表し、A は、1価のイミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート、又はヘキサフルオロホスフェートのいずれかを表す。)
上記において、非水電解質におけるイオン液体の含有量は、非水電解質中のイオン液体と環状エステルの単位重量あたり70重量パーセント以上100重量パーセント未満、又は非水電解質の単位重量あたり50重量パーセント以上80重量パーセント未満とすることが好ましい。
上記において、環状エステルはエチレンカーボネートとすることができる。また、非水電解質に含まれるアルカリ金属塩はリチウム塩とすることができる。
また、上記において、環状エステルの代わりに、非プロトン性である有機溶媒を用いることができる。例えば、鎖状エステル、又は環状エーテル若しくは鎖状エーテルなどが挙げられる。そして、上記非水電解質に含まれる有機溶媒は、フッ素化された環状エステル、フッ素化された鎖状エステル、フッ素化された環状エーテル又はフッ素化された鎖状エーテルであってもよい。なお、本明細書中において、フッ素化された環状エステルとは、フッ化アルキルを有する環状エステルのように、化合物中の水素がフッ素に置換された環状エステルのことをいう。それゆえ、フッ素化された鎖状エステル、フッ素化された環状エーテル又はフッ素化された鎖状エーテルも化合物中の水素がフッ素に置換されたものをいう。
本発明の一態様より、有機溶媒を非水電解質の溶媒として用いた蓄電装置において、CCCV充電方式のCV充電期間が長期化することを抑制できるため、非水電解質の発火や蓄電装置の破裂などを抑制でき、安全性の高い蓄電装置を提供できる。
また、本発明の一態様により、高性能な蓄電装置を提供することができる。
具体的には、本発明の一態様により、有機溶媒を非水電解質の溶媒として用いた蓄電装置において、非水電解質の分解反応など、充電反応以外の反応を抑制できるため、良好なサイクル特性を有し、信頼性に優れた蓄電装置を提供することができる。そして、本発明の一態様により、安全性が高く、信頼性に優れ、且つ充放電レート特性が良好な蓄電装置を提供することができる。
本発明の一態様に係る二次電池の構造を示す斜視図及び断面図。 本発明の一態様に係る二次電池の電極構造を示す平面図及び断面図。 本発明の一態様に係る二次電池の集電体構造及び電極構造を示す斜視図。 本発明の一態様に係る二次電池の電極構造を示す断面図。 本発明の一態様に係る蓄電装置を用いた電気機器を説明するための図。 本発明の一態様に係る蓄電装置を用いた電気機器を説明するための図。 本発明の一態様に係る蓄電装置を用いた電気機器を説明するための図。 本発明の一態様に係るイオン液体のH NMRチャート。 本発明の一態様に係る蓄電装置の作製方法を説明する図。 本発明の一態様に係るイオン液体の電圧−電流特性を示す図。 本発明の一態様に係る蓄電装置の作製方法を説明する図。 本発明の一態様に係る蓄電装置の充放電特性を示す図。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。また、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。また、便宜上、絶縁層は上面図には表さない場合がある。なお、各図面において示す各構成の、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。従って、必ずしもそのスケールに限定されない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である蓄電装置に用いられ、本発明の一態様に係る非水電解質について説明する。
本発明の一態様に係る蓄電装置に用いられる非水電解質は、有機溶媒及びイオン液体の混合溶媒である非水溶媒と、蓄電装置のキャリアイオンを有する塩とを含有する。また、当該塩を所望の濃度で当該溶媒に混合することで、当該非水電解質を作製できる。
蓄電装置のキャリアイオンを有する塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ベリリウムイオン、又はマグネシウムイオンを有する塩であればよい。アルカリ金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオンがある。アルカリ土類金属イオンとしては、例えばカルシウムイオン、ストロンチウムイオン、又はバリウムイオンがある。なお、本実施の形態において、当該塩は、リチウムイオンを含んだリチウム塩とする。当該リチウム塩としては、例えば、塩化リチウム(LiCl)、フッ化リチウム(LiF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、硼弗化リチウム(LiBF)、LiAsF、LiPF、Li(CFSONなどが挙げられる。
混合溶媒に含まれる有機溶媒は、極性を有する有機溶媒であればよく、非プロトン性であることが好ましい。例えば、誘電率が高く、イオン伝導性に優れたエチレンカーボネートのような環状エステル、若しくは鎖状エステル、又は環状エーテル若しくは鎖状エーテルを用いることができる。さらには、フッ素化された環状エステル若しくはフッ素化された鎖状エステル、又はフッ素化された環状エーテル若しくはフッ素化された鎖状エーテルを用いることができる。
また、混合溶媒に含まれる有機溶媒は、上記列挙した有機溶媒のうち、少なくとも一を含有していればよい。なお、下記において、混合溶媒に含まれる有機溶媒はエチレンカーボネートとして説明する。
非水電解質の溶媒にエチレンカーボネート単溶媒を用いて蓄電装置を作製した場合、上記したように、CCCV充電方式のCV充電期間が長くなり、非水電解質の発火、さらには蓄電装置の破裂などが生じる危険性がある。
そこで、蓄電装置における非水電解質の溶媒として、エチレンカーボネートとイオン液体との混合溶媒である本発明の一態様に係る非水溶媒を用いることで、上記危険性が低減され、安全性の高い蓄電装置を作製することができる。
具体的には、エチレンカーボネートのような環状エステルと、窒素に構造の異なる置換基が結合している脂環式4級アンモニウムカチオンを有するイオン液体との混合溶媒である。
つまり、上記イオン液体は、非対称な構造を有する脂環式4級アンモニウムカチオンを有するイオン液体である。置換基の一例としては、炭素数が1〜4のアルキル基などがある。なお、上記イオン液体において、当該置換基は、これらに限らず、非対称な構造を有する脂環式4級アンモニウムカチオンとなるように様々な置換基を用いることができる。
上記イオン液体の脂環式4級アンモニウムカチオンにおいて、脂環式骨格の炭素数は、化合物の安定性、粘度及びイオン伝導度、並びに合成の簡易さから、5以下であることが好ましい。つまり、環の長さが六員環より小さい4級アンモニウムカチオンであることが好ましい。
また、上記イオン液体におけるアニオンは、脂環式4級アンモニウムカチオンとイオン液体を構成する一価のアニオンである。当該アニオンとして、例えば、1価のイミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート(BF )又はヘキサフルオロホスフェート(PF )などがある。そして、1価のイミド系アニオンとしては、(C2n+1SO(n=0〜3)、又はCF(CFSOなどがあり、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオンとしては、(C2m+1SO(m=0〜4)などがある。なお、当該アニオンは、これらに限るものではなく、当該脂環式4級アンモニウムカチオンとイオン液体を構成できるアニオンであればよい。
上記イオン液体に相当するものとしては、一般式(G2)又は一般式(G3)で表されるイオン液体である。なお、本発明の一態様に係る非水溶媒は、一般式(G2)又は一般式(G3)で表されるイオン液体の一方だけではなく、双方を有していてもよい。また、本発明の一態様に係る非水溶媒は、一般式(G2)で表され、且つ脂環式骨格の異なる位置に置換基を有している複数のイオン液体、又は、一般式(G3)で表され、且つ脂環式骨格の異なる位置に置換基を有している複数のイオン液体を有していてもよい。このように複数種のイオン液体を有することで、一方のみイオン液体を有する場合より、非水溶媒の凝固点が降下する。従って、複数種のイオン液体を有する非水溶媒を用いることで、低温環境下でも動作可能となり、幅広い温度範囲で動作可能な蓄電装置を作製することができる。
一般式(G2)中において、R〜Rは、水素原子、又は炭素数が1〜20のアルキル基を表し、R及びRは、それぞれ異なる、炭素数が1〜4のアルキル基のいずれかを表し、A は、1価のイミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート(BF )、又はヘキサフルオロホスフェート(PF )のいずれかを表す。
一般式(G3)中において、R〜Rは、水素原子、又は炭素数が1〜20のアルキル基を表し、R及びRは、それぞれ異なる、炭素数が1〜4のアルキル基のいずれかを表し、A は、1価のイミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート(BF )、又はヘキサフルオロホスフェート(PF )のいずれかを表す。
従って、本発明の一態様に係る非水溶媒において、好ましい一態様は、エチレンカーボネートと、一般式(G2)又は一般式(G3)で表されるイオン液体の一方又は双方との混合溶媒である。
例えば、一般式(G2)で表されるイオン液体は、脂環式4級アンモニウムカチオンのRをメチル基とし、Rをプロピル基とした、一般式(G1)で表されるイオン液体とすることができる。
一般式(G1)中において、R〜Rは、水素原子、又は炭素数が1〜20のアルキル基を表し、A は、1価のイミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート(BF )、又はヘキサフルオロホスフェート(PF )のいずれかを表す。
例えば、一般式(G3)で表されるイオン液体は、脂環式4級アンモニウムカチオンのRをメチル基とし、Rをプロピル基とした、一般式(G4)で表されるイオン液体とすることができる。
一般式(G4)中において、R〜Rは、水素原子、又は炭素数が1〜20のアルキル基を表し、A は、1価のイミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート(BF )、又はヘキサフルオロホスフェート(PF )のいずれかを表す。
従って、本発明の一態様に係る非水溶媒において、好ましい一態様は、エチレンカーボネートと、一般式(G1)又は一般式(G4)で表されるイオン液体の一方又は双方との混合溶媒である。
一般式(G1)又は一般式(G2)で表されるイオン液体のR〜R、及び、一般式(G3)又は一般式(G4)で表されるイオン液体のR〜Rは、炭素数1〜20のアルキル基などの電子供与性の置換基である。そして、当該アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のどちらであってもよい。なお、R〜Rは、電子供与性であればこれらに限るものではなく、さらには電子供与性の置換基でなくてもよい。例えば、メトキシ基、メトキシメチル基、又はメトキシエチル基である。
ここで、蓄電装置に含まれ、イオン液体を含む非水溶媒(詳細には当該非水溶媒を有する非水電解質)の耐還元性及び耐酸化性について記載する。蓄電装置に含まれる非水溶媒は、耐還元性及び耐酸化性に優れていることが好ましい。耐還元性が低い場合、負極から電子を受け取り、非水溶媒に含まれるイオン液体は還元されて分解に至る。その結果、蓄電装置の特性劣化に繋がる。また、イオン液体の還元は、イオン液体が負極から電子を受容することである。それゆえ、イオン液体のうち、特に正電荷を有するカチオンが電子を受容し難くすることで、イオン液体の還元電位を低電位化させることができる。そこで、一般式(G1)乃至一般式(G4)で表されるイオン液体の脂環式4級アンモニウムカチオンは、電子供与性の置換基を有することが好ましい。なお、還元電位が低電位化することは、耐還元性(還元安定性ともいう)が向上することを意味する。
つまり、一般式(G1)若しくは一般式(G2)で表されるイオン液体のR〜R、又は、一般式(G3)若しくは一般式(G4)で表されるイオン液体のR〜Rに、上記した電子供与性である置換基を用いることが好ましい。例えば、一般式(G1)若しくは一般式(G2)で表されるイオン液体のR〜R、又は、一般式(G3)若しくは一般式(G4)で表されるイオン液体のR〜Rに、上記した電子供与性である置換基を用いることで誘起効果が生じ、当該誘起効果により、脂環式4級アンモニウムカチオンの電気的偏りが緩和されるために電子の受容を困難にし、イオン液体の還元電位を低電位化させることができる。
さらに、本発明の一態様に係る非水溶媒に含まれるイオン液体の還元電位は、代表的な低電位負極材料であるリチウムの酸化還元電位(Li/Li)より低いことが好ましい。
しかし、電子供与性の置換基の数が増えるにつれて、イオン液体の粘度も増大する傾向を有する。そこで、電子供与性の置換基の数は、所望の還元電位及び所望の粘度に応じて適宜制御することが好ましい。
また、一般式(G1)又は一般式(G2)で表されるイオン液体のR〜R、又は、一般式(G3)又は一般式(G4)で表されるイオン液体のR〜Rを炭素数1〜20のアルキル基とする場合、その炭素数は小さい(例えば炭素数1〜4)方が、当該イオン液体の粘度を低くすることができ、結果的に、本発明の一態様に係る非水溶媒の粘度を低くすることができる。
さらに、本発明の一態様に係る非水溶媒は、エチレンカーボネートを含有していることから粘度を低くすることができる。
また、イオン液体の酸化電位は、アニオン種によって変化する。そこで、酸化電位が高電位化したイオン液体を実現するために、本発明の一態様に係る非水溶媒に含まれるイオン液体のアニオンを、(C2n+1SO(n=0〜3)、CF(CFSO又は(C2m+1SO(m=0〜4)から選択した1価のアニオンとすることが好ましい。なお、酸化電位を高電位化することは、耐酸化性(酸化安定性ともいう。)が向上することを意味する。なお、耐酸化性の向上は、電子供与性の置換基を有することで電気的な偏りが緩和したカチオンと、上記したアニオンとの相互作用によるものである。
従って、本発明の一態様に係る非水溶媒に、耐還元性及び耐酸化性が向上した(酸化還元の電位窓が拡大した)イオン液体を用いることで、充放電の動作による非水溶媒(別言すれば当該非水溶媒を有する非水電解質)の分解を抑制できる。そのため、本発明の一態様に係る非水溶媒を用いることでサイクル特性が良好で、信頼性の高い蓄電装置を作製することができる。また、本発明の一態様に係る非水溶媒に上記イオン液体を用いることで、低電位負極材料、及び高電位正極材料を選択することができるようになり、エネルギー密度の高い蓄電装置を作製することができる。
また、本発明の一態様に係る非水溶媒(詳細には当該非水溶媒を有する非水電解質)の粘度を低くすることで、当該非水溶媒のイオン伝導性を向上させることができる。従って、本発明の一態様に係る非水溶媒を用いることで、充放電レート特性が良好な蓄電装置を作製できる。なお、一般式(G1)又は一般式(G3)で表されるイオン液体において、R〜Rを炭素数1〜20のアルキル基とする場合、炭素数は小さい(例えば炭素数1〜4)方が、当該イオン液体の粘度を低くすることができ、結果的に当該非水溶媒の粘度を低くすることができる。
エチレンカーボネートのような有機溶媒は揮発性及び低引火点を有していることが多い。そのため、蓄電装置の非水電解質に含まれる非水溶媒をエチレンカーボネートの単溶媒とすると、蓄電装置の内部温度が上昇した場合、非水電解質が発火する又は蓄電装置が破裂する危険性がある。そこで、本発明の一態様に係る非水溶媒は、難燃性及び難揮発性である上記イオン液体を含有しているため、蓄電装置の内部温度が上昇した場合でも発火しにくい。従って、本発明の一態様に係る非水溶媒を用いることで、安全性の高い蓄電装置を作製できる。
また、本発明の一態様に係る非水溶媒(詳細には当該非水溶媒を有する非水電解質)は、上記イオン液体の他に、エチレンカーボネートも含有している。そのため、蓄電装置の非水電解質に含まれる非水溶媒を、上記イオン液体の単溶媒とする場合よりも、非水溶媒のイオン伝導性を向上させることができる。従って、本発明の一態様に係る非水溶媒を用いることで、充放電レート特性が良好な蓄電装置を作製できる。
上記を踏まえ、本発明の一態様に係る非水溶媒おけるイオン液体の含有量は、非水電解質中のイオン液体と環状エステルの単位重量あたり70重量パーセント以上100重量パーセント未満、又は非水電解質の単位重量あたり50重量パーセント以上80重量パーセント未満とすることが好ましい。イオン液体の含有量を上記の値とした、本発明の一態様に係る非水溶媒を蓄電装置に用いることで、CCCV充電方式のCV充電期間が長期化することを抑制できる。さらに、蓄電装置の内部温度が上昇した場合でも発火しにくい非水溶媒であり、イオン伝導性が良好な非水溶媒である。従って、安全性が高く、信頼性に優れ、且つ充放電レート特性が良好な蓄電装置を作製することができる。
〈一般式(G1)で表されるイオン液体の合成方法〉
ここで、本実施の形態に記載のイオン液体の合成方法について説明する。本実施の形態に記載のイオン液体の合成方法としては、種々の反応を適用することができる。例えば、以下に示す合成方法によって、一般式(G1)で表されるイオン液体を合成することができる。ここでは一例として、合成スキーム(S−1)を参照して説明する。なお、本実施の形態に記載のイオン液体の合成方法は、以下の合成方法に限定されない。
上記スキーム(S−1)において、一般式(β−1)から一般式(β−2)の反応は、ヒドリド存在下で、アミン化合物とカルボニル化合物から、アミンのアルキル化を行う反応である。例えば、過剰のギ酸を用いることで、ヒドリド源とすることができる。ここでは、カルボニル化合物としてCHOを用いている。
上記スキーム(S−1)において、一般式(β−2)から一般式(β−3)の反応は、3級アミン化合物とハロゲン化アルキル化合物とで、アルキル化を行い、4級アンモニウム塩を合成する反応である。ここでは、ハロゲン化アルキル化合物としてプロパンハライドを用いている。Xはハロゲンであり、反応性の高さから、好ましくは臭素又はヨウ素とし、より好ましくはヨウ素とする。
一般式(β−3)で表される4級アンモニウム塩と、A を含む所望の金属塩とでイオン交換をさせることにより、一般式(G1)で表されるイオン液体を得ることができる。当該金属塩としては、例えば、カリウム塩を用いることができる。
〈一般式(G4)で表されるイオン液体の合成方法〉
次に、一般式(G4)で表されるイオン液体も種々の反応を適用することができる。ここでは一例として、合成スキーム(S−2)を参照して説明する。なお、本実施の形態に記載のイオン液体の合成方法は、以下の合成方法に限定されない。
上記スキーム(S―2)において、一般式(β−4)から一般式(β−5)の反応は、トリアルキルホスフィン等の三置換ホスフィンとハロゲン源を用いたハロゲン化を経由するアミノアルコールの閉環反応である。PR’は、三置換ホスフィンを表し、Xはハロゲン源を表す。ハロゲン源には、四塩化炭素、四臭化炭素、ヨウ素、ヨードメタン等を用いることができる。ここでは、三置換ホスフィンとしてトリフェニルホスフィン、ハロゲン源に四塩化炭素を用いている。
上記スキーム(S−2)において、一般式(β−5)から一般式(β−6)の反応は、ヒドリド存在下で、アミン化合物とカルボニル化合物から、アミンのアルキル化を行う反応である。例えば、過剰のギ酸を用いることで、ヒドリド源とすることができる。ここでは、カルボニル化合物としてCHOを用いている。
上記スキーム(S−2)において、一般式(β−6)から一般式(β−7)の反応は、3級アミン化合物とハロゲン化アルキル化合物とで、アルキル化を行い、四級アンモニウム塩を合成する反応である。ここでは、ハロゲン化アルキル化合物としてプロパンハライドを用いている。また、Xはハロゲンを表す。ハロゲンとしては、反応性の高さから、臭素又はヨウ素が好ましく、ヨウ素がより好ましい。
一般式(β−7)で表される四級アンモニウム塩と、A を含む所望の金属塩とでイオン交換をさせることにより、一般式(G4)で表されるイオン液体を得ることができる。当該金属塩としては、例えば、カリウム塩を用いることができる。なお、A は、合成スキーム(S−1)で説明したA と同様である。
以上より、蓄電装置の非水電解質の溶媒として、本発明の一態様に係る非水溶媒である、エチレンカーボネートのような環状エステルと、窒素に構造の異なる置換基が結合している脂環式4級アンモニウムカチオンを有するイオン液体との混合溶媒を用いることで、CCCV充電方式のCV充電期間が長期化することを抑制できるため、非水電解質の発火、さらには蓄電装置の破裂などを抑制できる。これに加えて、本発明の一態様に係る非水溶媒は、難燃性であり、非水電解質の分解反応などを抑制でき、且つ良好なイオン伝導性を有するため、安全性が高く、信頼性に優れ、且つ充放電レート特性が良好な蓄電装置を提供することができる。
また、本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る蓄電装置、及びその作製方法について説明する。本発明の一態様に係る蓄電装置は、正極、負極、非水電解質、及びセパレータを有する。また、本実施の形態では、コイン型の二次電池を例に説明する。
〈コイン型二次電池の構成〉
図1(A)は、コイン型二次電池100の斜視図である。コイン型二次電池100は、筐体111がガスケット121を介して筐体109上に設けられている。筐体109及び筐体111は、導電性を有するため外部端子として機能する。
図1(B)に、コイン型二次電池100の筐体111の上面に対して垂直方向の断面図を示す。
コイン型二次電池100は、正極集電体101及び正極活物質層102で構成される正極103と、負極集電体104及び負極活物質層105で構成される負極106と、正極103及び負極106で挟持されるセパレータ108とを有する。なお、セパレータ108中には非水電解質107が含まれる。また、正極集電体101は筐体111と接続し、負極集電体104は筐体109と接続されている。筐体111の端部はガスケット121に埋没しているため、筐体109と筐体111はガスケット121によって絶縁状態が保たれている。
以下、コイン型二次電池100の詳細について説明する。
正極集電体101には、ステンレス、金、白金、亜鉛、鉄、銅、アルミニウム、チタン等の金属、及びこれらの合金など、導電性の高い材料を用いることができる。また、シリコン、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアルミニウム合金を用いることができる。また、シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素で形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。正極集電体101は、箔状、板状(シート状)、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状などの形状を適宜用いることができる。
正極活物質層102としては、例えば、コイン型二次電池100のキャリアイオン及び遷移金属を含む物質(正極活物質)を用いる。
コイン型二次電池100は、キャリアイオンをアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ベリリウムイオン、又はマグネシウムイオンとすることができる。なお、アルカリ金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオンがある。アルカリ土類金属イオンとしては、例えばカルシウムイオン、ストロンチウムイオン、又はバリウムイオンがある。
正極活物質としては、例えば、一般式APO(h>0、i>0、j>0)で表される材料を用いることができる。ここで、Aの一例は、リチウム、ナトリウム若しくはカリウムなどのアルカリ金属、又はカルシウム、ストロンチウム若しくはバリウムなどのアルカリ土類金属、ベリリウム、又はマグネシウムである。Mの一例は、例えば、鉄、ニッケル、マンガン若しくはコバルトなどの遷移金属である。従って、一般式APO(h>0、i>0、j>0)で表される材料の一例としては、リン酸鉄リチウム、リン酸鉄ナトリウムなどが挙げられる。なお、A又はMは、上記列挙した金属のいずれか一又は複数を選択することができる。
又は、一般式A(h>0、i>0、j>0)で表される材料を用いることができる。ここで、Aの一例は、リチウム、ナトリウム、若しくはカリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム若しくはバリウムなどのアルカリ土類金属、ベリリウム、又はマグネシウムである。Mの一例は、鉄、ニッケル、マンガン、若しくはコバルトなどの遷移金属である。従って、一般式A(h>0、i>0、j>0)で表される材料の一例としては、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム又はニッケル酸リチウムなどが挙げられる。A又はMは、上記列挙した金属のいずれか一又は複数を選択することができる。
コイン型二次電池100のキャリアイオンをリチウムイオンとし、コイン型二次電池100をコイン型リチウム二次電池として機能させる場合、正極活物質層102は、リチウムを含む正極活物質を選択することが好ましい。つまり、上記一般式APO(h>0、i>0、j>0)、又は一般式A(h>0、i>0、j>0)におけるAをリチウムとした材料を用いることが好ましい。
また、正極活物質層102は、導電助剤(例えばアセチレンブラック(AB))やバインダ(例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF))などを含んだ結着体としてもよい。そこで、本明細書では、正極活物質層は、少なくとも正極活物質を有しているものをいい、正極活物質に導電助剤やバインダなどを含んでいるものも正極活物質層ということにする。
なお、導電助剤としては、上記した材料に限らず、蓄電装置中で化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば用いることができる。例えば、黒鉛、炭素繊維などの炭素系材料、又は銅、ニッケル、アルミニウム若しくは銀などの金属材料、又はこれら炭素系材料及び金属材料の混合物の粉末や繊維などを用いることができる。
バインダとしては、澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロースなどの多糖類があり、他には、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)ゴム、スルホン化EPDMゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムなどのビニルポリマー、ポリエチレンオキシドなどのポリエーテルなどがある。
また、正極活物質層102は、導電助剤及びバインダの代わりにグラフェン又は多層グラフェンを用いてもよい。なお、本明細書において、グラフェンとは、sp結合を有する1原子層の炭素分子のシートのことをいう。また、多層グラフェンとは、2乃至100枚のグラフェンが積み重なっているものであり、グラフェン及び多層グラフェンには、15原子%以下の酸素や水素等、炭素以外の元素が含まれていてもよい。なお、グラフェン及び多層グラフェンは、カリウムなどのアルカリ金属が添加されているものであってもよい。
図2(A)は、導電助剤及びバインダの代わりにグラフェンを用いた正極活物質層102の平面図を示している。図2(A)の正極活物質層102は、粒子状の正極活物質217と、正極活物質217の複数を覆いつつ、正極活物質217が内部に詰められたグラフェン218とで構成される。そして、複数の正極活物質217の表面を異なるグラフェン218が覆う。なお、正極活物質層102の一部において、正極活物質217が露出していてもよい。
グラフェンは化学的に安定であり、且つ電気特性が良好である。グラフェンにおいて導電性が高いのは、炭素で構成される六員環が平面方向に連続しているためである。即ち、グラフェンは平面方向において、導電性が高い。また、グラフェンはシート状であるため、積層されるグラフェンの間に隙間を有し、当該領域においてイオンの移動は可能であるが、グラフェンの平面に垂直な方向においてのイオンの移動が困難である。
正極活物質217の粒径は、20nm以上100nm以下が好ましい。なお、正極活物質217内を電子が移動するため、正極活物質217の粒径はより小さい方が好ましい。
また、正極活物質217の表面に黒鉛層が被覆されていなくとも十分な特性を得られるが、黒鉛層が被覆されている正極活物質とグラフェンを共に用いると、キャリアが正極活物質間をホッピングし、電流が流れるためより好ましい。
図2(B)は、図2(A)の正極活物質層102の一部における断面図である。図2(A)の正極活物質層102は、正極活物質217、及び正極活物質217を覆うグラフェン218を有する。グラフェン218は断面図においては線状で観察される。同一のグラフェンまたは複数のグラフェンにより、複数の正極活物質を内包する。即ち、同一のグラフェンまたは複数のグラフェンの間に、複数の正極活物質が内在する。なお、グラフェンは袋状になっており、該内部において、複数の正極活物質を内包する場合がある。また、グラフェンに覆われず、一部の正極活物質が露出している場合がある。
正極活物質層102の厚さは、20μm以上100μm以下の間で所望の厚さを選択する。なお、クラックや剥離が生じないように、正極活物質層102の厚さを適宜調整することが好ましい。
正極活物質においては、キャリアイオンの挿入により体積が膨張する材料がある。このような材料を用いた蓄電装置は、充放電により、正極活物質層が脆くなり、正極活物質層の一部が微粉化又は崩壊してしまい、結果的に蓄電装置の信頼性が低下する。しかしながら、グラフェン又は多層グラフェンを用いる正極活物質層は、正極活物質が充放電により体積膨張しても、当該周囲にグラフェンが設けられているため、正極活物質層の微粉化又は崩壊を抑制することができる。即ち、グラフェン又は多層グラフェンは、充放電にともない正極活物質の体積が増減しても、正極活物質同士の結合を維持する機能を有する。このため、信頼性の高い蓄電装置を作製することができる。
そして、導電助剤及びバインダの代わりにグラフェン又は多層グラフェンを用いることで、正極103中の導電助剤及びバインダの含有量を低減させることできる。つまり、正極103の重量を低減させることができ、結果として、電極の重量あたりの電池容量を増大させることができる。
なお、正極活物質層102は、グラフェンの体積の0.1倍以上10倍以下のアセチレンブラック粒子や1次元の拡がりを有するカーボンナノファイバー等のカーボン粒子など、公知のバインダを有してもよい。
次に、負極集電体104には、金、白金、亜鉛、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、チタンなどの金属材料、又はこれら金属材料のうち複数で構成された合金材料(例えば、ステンレス)を用いることができる。なお、負極集電体104には、シリコン、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアルミニウム合金を用いることが好ましい。また、負極集電体104には、シリコンと反応してシリサイドを形成する金属材料を用いてもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属材料としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。負極集電体104は、箔状、板状(シート状)、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状などの形状を適宜用いることができる。
負極活物質層105は、リチウムの溶解析出、又は、リチウムイオンの挿入脱離が可能な材料(負極活物質)であれば特に限定されるものではない。例えば、負極活物質にリチウム、アルミニウム、炭素系材料、スズ、シリコン、シリコン合金、及びゲルマニウムなどがある。又は、上記列挙した材料から選択される一以上の材料を含む化合物でもよい。なお、リチウムイオンの挿入脱離が可能な炭素系材料としては、粉末状若しくは繊維状の黒鉛(天然黒鉛又は人造黒鉛などを含む。)、又はカーボンブラック、活性炭、ソフトカーボン、若しくはハードカーボンなどの無定形炭素を用いることができる。また、シリコン、シリコン合金、ゲルマニウム、リチウム、アルミニウム、及びスズの方が、炭素系材料に比べてキャリアイオンを吸蔵できる容量が大きい。それゆえ、負極活物質層105に用いる材料の量を低減することができ、コストの節減、及びコイン型二次電池100の小型化が可能になる。
また、負極集電体104を用いず、上記列挙した負極活物質層105に適用できる材料単体を負極106として用いてもよい。
負極活物質層105を表面にグラフェン又は多層グラフェンで形成してもよい。このようにすることで、リチウムの溶解若しくは析出、又は、リチウムイオンの吸蔵(挿入)若しくは放出(脱離)によって生じる負極活物質層105に与える影響を抑制することができる。当該影響とは、負極活物質層105が膨張又は収縮することによる負極活物質層105の微粉化又は剥離である。
非水電解質107は、実施の形態1に記載した非水電解質を用いることができる。本実施の形態では、コイン型二次電池100をリチウム二次電池として機能させるため、キャリアイオンであるリチウムイオンを有するリチウム塩を用いる。当該リチウム塩としては、実施の形態1に列挙したリチウム塩が挙げられる。
なお、非水電解質107に含まれる塩は、上記列挙したキャリアイオンを有し、正極活物質層102に対応した塩であればよい。例えば、コイン型二次電池100のキャリアイオンを、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとする場合には、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、ストロンチウム塩又はバリウム塩など)、ベリリウム塩又はマグネシウム塩などを用いればよい。また、非水電解質107の凝固点は、塩を有することで実施の形態1に記載した非水溶媒の凝固点よりも降下している。従って、非水電解質107を含むコイン型二次電池100は低温環境下での動作が可能となり、幅広い温度範囲で動作可能である。
また、非水電解質107は、実施の形態1に記載した非水電解質をゲル化させたものを用いてもよい。ゲル化させることで漏液性を含めた安全性が高まり、コイン型二次電池100の薄型化及び軽量化が可能となる。なお、ゲル化させるための高分子材料としては、実施の形態1に記載した非水電解質をゲル化させることができる高分子材料であれば、特に限定はない。当該高分子材料の一例としては、シリコンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド又はフッ素系ポリマーなどが挙げられる。
セパレータ108として、絶縁性の多孔体を用いる。例えば、紙、不織布、ガラス繊維、セラミックス、又はナイロン(ポリアミド)、ビニロン(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリウレタンといった合成繊維などで形成されたものを用いればよい。ただし、非水電解質107に溶解しない材料を選ぶ必要がある。
なお、本実施の形態では、蓄電装置の外装形態として、密封されたコイン型を示しているが、これに限定されない。つまり、本発明の一態様に係る蓄電装置の外装形態として、ラミネート型、円筒型、角型など様々な形状を採用することができる。また、コイン型二次電池100では、正極103、負極106、及びセパレータ108が積層された構造を示しているが、蓄電装置の外装形態によっては、正極、負極、及びセパレータが捲回された構造であってもよい。
〈コイン型二次電池の作製方法〉
次に、コイン型二次電池100の作製方法について説明する。まず、正極103の作製方法について説明する。
正極集電体101及び正極活物質層102の材料ついては上記列挙した材料から選択する。ここでは、正極活物質層102の正極活物質をリン酸鉄リチウム(LiFePO)とする。
正極集電体101上に、正極活物質層102を形成する。正極活物質層102の形成方法は、塗布法又は上記列挙した材料をターゲットに用いたスパッタリング法により形成すればよい。正極活物質層102を塗布法によって形成する場合は、正極活物質に、導電助剤やバインダなどを混合してペースト化したスラリーを作製した後、当該スラリーを正極集電体101上に塗布して乾燥させて形成する。正極活物質層102を塗布法で形成する際、必要に応じて加圧成形するとよい。以上により、正極集電体101上に正極活物質層102が形成された正極103を作製できる。
正極活物質層102にグラフェン又は多層グラフェンを用いる場合は、少なくとも正極活物質及び酸化グラフェンを混合してスラリーを作製し、当該スラリーを正極集電体101上に塗布して乾燥させて形成する。当該乾燥は、還元雰囲気での加熱によって行う。これにより、正極活物質を焼成すると共に、酸化グラフェンに含まれる酸素を脱離させる還元処理を行うことができ、グラフェンを形成することができる。なお、本明細書において、酸化グラフェンとは上記したグラフェン又は多層グラフェンが酸化された化合物のことをいう。また、酸化グラフェンを還元してグラフェン又は多層グラフェンを形成する場合、酸化グラフェンに含まれる酸素は全て脱離されず、一部の酸素はグラフェンに残存する。
次に、負極106の作製方法について説明する。
負極集電体104及び負極活物質層105の材料(負極活物質)は上記列挙した材料から選択し、塗布法、化学気相成長法又は物理気相成長法を用いて、負極集電体104上に負極活物質層105を形成すればよい。なお、負極活物質層105に導電助剤及びバインダを用いる場合は、上記列挙した材料から適宜選択して用いる。
ここで、負極集電体104は、上記列挙した形状の他に、図3(A)のように凹凸を有する形状に加工したものを用いてもよい。図3(A)は、負極集電体の表面部分を拡大して模式的に示した断面図である。負極集電体104は、複数の突起部301bと、複数の突起部のそれぞれが共通して接続する基礎部301aを有する。図3(A)においては基礎部301aを薄く図示しているが、突起部301bに対して基礎部301aは極めて厚い。
複数の突起部301bは、基礎部301aの表面に対して実質的に垂直方向に延びている。ここで「実質的に」とは、基礎部301aの表面と突起部301bの長手方向における中心軸とのなす角が90°であることが好ましいが、負極集電体の製造工程における水平だしの誤差や、突起部301bの製造工程における工程ばらつき、充放電の繰り返しによる変形等による垂直方向からの若干の逸脱を許容することを趣旨とした語句である。具体的には、基礎部301aの表面と突起部301bの長手方向における中心軸とのなす角が90°±10°以下であればよく、好ましくは90°±5°以下である。
なお、図3(A)に示した凹凸を有する形状の負極集電体104を作製するには、負極集電体上にマスクを形成し、当該マスクを用いて当該負極集電体をエッチングし、当該マスクを除去することで作製できる。それゆえ、図3(A)に示した凹凸を有する形状の負極集電体104を作製する場合は、負極集電体104として、ドライエッチングの加工に非常に適した材料であり、高いアスペクト比の凹凸形状を形成することが可能であるチタンを用いることが好ましい。また、当該マスクは、フォトリソグラフィの他、インクジェット法、印刷法等を用いて形成することもでき、特に、熱ナノインプリント法及び光ナノインプリント法に代表される、ナノインプリント法を用いても形成することができる。
図3(A)に示した凹凸を有する形状の負極集電体104上に負極活物質層105を形成すると、当該凹凸を覆うように負極活物質層105が形成される(図3(B)参照)。
ここでは、負極集電体104としてチタン箔を用い、負極活物質層105として、化学気相成長法又は物理気相成長法により形成したシリコンを用いる。
負極活物質層105としてシリコンを用いる場合、当該シリコンは、非晶質シリコン、又は、微結晶シリコン、多結晶シリコン若しくは単結晶シリコンなど結晶性を有するシリコンとすることができる。
また、負極活物質層105として、微結晶シリコンを負極集電体104上に形成し、微結晶シリコン中に存在する非結晶シリコンをエッチングにより除去したものを用いてもよい。微結晶シリコン中に存在する非結晶シリコンを除去すると、残った微結晶シリコンの表面積が大きくなる。微結晶シリコンの形成方法としては、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法又はスパッタリング法を用いることができる。
また、負極活物質層105を、負極集電体104上にLP(Low Pressure)CVD法を用いて形成したウィスカー状のシリコンとしてもよい(図4(A)乃至図4(C)参照)。なお、本明細書において、ウィスカー状のシリコンとは、共通部401aと、共通部401aから髭状(紐状又は繊維状)に突出した領域401bを有するシリコンをいう。
ウィスカー状のシリコンが、非晶質シリコンで形成されている場合、イオンの吸蔵放出に伴う体積変化に強い(例えば、体積膨張に伴う応力を緩和する)ため、繰り返しの充放電によって、負極活物質層が微粉化又は剥離することを防止でき、サイクル特性がさらに向上した蓄電装置を作製することができる(図4(A)参照)。
ウィスカー状のシリコンが、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンのように結晶性を有するシリコンで形成されている場合、電子及びイオンの伝導性に優れた結晶性を有する結晶構造が集電体と広範囲に接している。そのため、負極全体の導電性をさらに向上させることができ、充放電レート特性がさらに向上した蓄電装置を作製することができる(図4(B)参照)。
さらに、ウィスカー状のシリコンは、結晶性を有するシリコンで形成された芯402と、非晶質シリコンで芯を覆う外殻404と、で構成されていてもよい(図4(C)参照)。この場合、外殻404である非晶質シリコンは、イオンの吸蔵放出に伴う体積変化に強い(例えば、体積膨張に伴う応力を緩和する)という特色を有する。また、芯402である結晶性を有するシリコンは、電子及びイオンの伝導性に優れており、イオンを吸蔵する速度及び放出する速度が単位質量あたりで速いという特徴と有する。従って、芯402及び外殻404を有するウィスカー状のシリコンを負極活物質層105として用いることで、充放電レート特性及びサイクル特性が向上した蓄電装置を作製することができる。
なお、図4(C)において、共通部401aは、芯402を構成する結晶性を有するシリコンが負極集電体104の上面一部と接する形態の他に、負極集電体104の上面全てが結晶性を有するシリコンと接する形態であってもよい。
負極活物質層105の厚さは、20μm以上100μm以下の間で所望の厚さを選択する。
また、負極活物質層105の表面にグラフェン又は多層グラフェンで形成する場合は、酸化グラフェンが含まれる溶液に、負極活物質層105を設けた負極集電体104を参照電極と共に浸し、当該溶液を電気泳動し、加熱して還元処理をすることで実施できる。また、負極活物質層105の表面にグラフェン又は多層グラフェンで形成するには、当該溶液を用いたディップコート法でも実施でき、ディップコートした後は、加熱し還元処理すればよい。
なお、負極活物質層105にリチウムをプレドープしてもよい。リチウムのプレドープ方法としては、スパッタリング法により負極活物質層105表面にリチウム層を形成すればよい。又は、負極活物質層105の表面にリチウム箔を設けることでも、負極活物質層105にリチウムをプレドープすることができる。
非水電解質107は実施の形態1に記載した方法で作製することができる。
次に、正極103、セパレータ108、及び負極106を非水電解質107に含浸させる。次に、筐体109上に、負極106、セパレータ108、ガスケット121、正極103、及び筐体111の順に積層し、「コインかしめ機」で筐体109及び筐体111をかしめれば、コイン型二次電池100を作製することができる。
なお、筐体111及び正極103の間、または筐体109及び負極106の間に、スペーサー、及びワッシャーを入れて、筐体111及び正極103の接続、並びに筐体109及び負極106の接続をより高めてもよい。
本実施の形態では、蓄電装置の一例としてリチウム二次電池について説明したが、本発明の一態様に係る蓄電装置はこれに限定されない。例えば、本発明の一態様に係る非水電解質を用いることで、リチウムイオンキャパシタを作製できる。
リチウムイオン及びアニオンの一方又は双方を可逆的に吸着と脱離できる材料を用いて正極を形成し、上記列挙した負極活物質やポリアセン有機半導体(PAS)のような導電性高分子などを用いて負極を形成し、実施の形態1で説明した非水電解質を用いてリチウムイオンキャパシタを作製することができる。
また、リチウムイオン及びアニオンの一方又は双方を可逆的に吸着と脱離できる材料を用いて、正極及び負極を形成し、実施の形態1で説明した非水電解質を用いることで電気二重層キャパシタを作製できる。
また、本実施の形態は、他の実施の形態及び実施例に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本発明の一態様に係る蓄電装置は、電力により駆動する様々な電気機器の電源として用いることができる。
本発明の一態様に係る蓄電装置を用いた電気機器の具体例として、表示装置、照明装置、デスクトップ型或いはノート型のパーソナルコンピュータ、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記憶された静止画又は動画を再生する画像再生装置、携帯電話、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器、電気洗濯機、エアコンディショナーなどの空調設備、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気冷凍冷蔵庫、DNA保存用冷凍庫、透析装置などが挙げられる。また、蓄電装置からの電力を用いて電動機により推進する移動体なども、電気機器の範疇に含まれるものとする。上記移動体として、例えば、電気自動車、内燃機関と電動機を併せ持った複合型自動車(ハイブリッドカー)、電動アシスト自転車を含む原動機付自転車などが挙げられる。
なお、上記電気機器は、消費電力の殆ど全てを賄うための蓄電装置(主電源と呼ぶ)として、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いることができる。或いは、上記電気機器は、上記主電源や商用電源からの電力の供給が停止した場合に、電気機器への電力の供給を行うことができる蓄電装置(無停電電源と呼ぶ)として、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いることができる。或いは、上記電気機器は、上記主電源や商用電源からの電気機器への電力の供給と並行して、電気機器への電力の供給を行うための蓄電装置(補助電源と呼ぶ)として、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いることができる。
図5に、上記電気機器の具体的な構成を示す。図5において、表示装置5000は、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いた電気機器の一例である。具体的に、表示装置5000は、TV放送受信用の表示装置に相当し、筐体5001、表示部5002、スピーカー部5003、蓄電装置5004等を有する。蓄電装置5004は、筐体5001の内部に設けられている。表示装置5000は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置5004に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、蓄電装置5004を無停電電源として用いることで、表示装置5000の利用が可能となる。
表示部5002には、液晶表示装置、有機EL素子などの発光素子を各画素に備えた発光装置、電気泳動表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)などの、半導体表示装置を用いることができる。
なお、表示装置には、TV放送受信用の他、パーソナルコンピュータ用、広告表示用など、全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図5において、据え付け型の照明装置5100は、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いた電気機器の一例である。具体的に、照明装置5100は、筐体5101、光源5102、蓄電装置5103等を有する。図5では、蓄電装置5103が、筐体5101及び光源5102が据え付けられた天井5104の内部に設けられている場合を例示しているが、蓄電装置5103は、筐体5101の内部に設けられていても良い。照明装置5100は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置5103に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、蓄電装置5103を無停電電源として用いることで、照明装置5100の利用が可能となる。
なお、図5では天井5104に設けられた据え付け型の照明装置5100を例示しているが、本発明の一態様に係る蓄電装置は、天井5104以外、例えば側壁5105、床5106、窓5107等に設けられた据え付け型の照明装置に用いることもできるし、卓上型の照明装置などに用いることもできる。
また、光源5102には、電力を利用して人工的に光を得る人工光源を用いることができる。具体的には、白熱電球、蛍光灯などの放電ランプ、LEDや有機EL素子などの発光素子が、上記人工光源の一例として挙げられる。
図5において、室内機5200及び室外機5204を有するエアコンディショナーは、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いた電気機器の一例である。具体的に、室内機5200は、筐体5201、送風口5202、蓄電装置5203等を有する。図5では、蓄電装置5203が、室内機5200に設けられている場合を例示しているが、蓄電装置5203は室外機5204に設けられていても良い。或いは、室内機5200と室外機5204の両方に、蓄電装置5203が設けられていてもよい。エアコンディショナーは、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置5203に蓄積された電力を用いることもできる。特に、室内機5200と室外機5204の両方に蓄電装置5203が設けられている場合、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置を無停電電源として用いることで、エアコンディショナーの利用が可能となる。
なお、図5では、室内機と室外機で構成されるセパレート型のエアコンディショナーを例示しているが、室内機の機能と室外機の機能とを1つの筐体に有する一体型のエアコンディショナーに、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いることもできる。
図5において、電気冷凍冷蔵庫5300は、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いた電気機器の一例である。具体的に、電気冷凍冷蔵庫5300は、筐体5301、冷蔵室用扉5302、冷凍室用扉5303、蓄電装置5304等を有する。図5では、蓄電装置5304が、筐体5301の内部に設けられている。電気冷凍冷蔵庫5300は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置5304に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置を無停電電源として用いることで、電気冷凍冷蔵庫5300の利用が可能となる。
なお、上述した電気機器のうち、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器などの電気機器は、短時間で高い電力を必要とする。よって、商用電源では賄いきれない電力を補助するための補助電源として、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いることで、電気機器の使用時に商用電源のブレーカーが落ちるのを防ぐことができる。
また、電気機器が使用されない時間帯、特に、商用電源の供給元が供給可能な総電力量のうち、実際に使用される電力量の割合(電力使用率と呼ぶ)が低い時間帯において、蓄電装置に電力を蓄えておくことで、上記時間帯以外において電力使用率が高まるのを抑えることができる。例えば、電気冷凍冷蔵庫5300の場合、気温が低く、冷蔵室用扉5302、冷凍室用扉5303の開閉が行われない夜間において、蓄電装置5304に電力を蓄える。そして、気温が高くなり、冷蔵室用扉5302、冷凍室用扉5303の開閉が行われる昼間において、蓄電装置5304を補助電源として用いることで、昼間の電力使用率を低く抑えることができる。
また、本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
次に、電気機器の一例である携帯情報端末について、図6を用いて説明する。
図6(A)及び図6(B)は2つ折り可能なタブレット型端末である。図6(A)は、開いた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、表示部9631a及び表示部9631bを有する表示部9631、表示モード切り替えスイッチ9034、電源スイッチ9035、省電力モード切り替えスイッチ9036、留め具9033、操作スイッチ9038、を有する。
表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表示された操作キー9638にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部9631aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分の領域がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部9631aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部9631aの全面をキーボードボタン表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを表示画面として用いることができる。
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一部をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルの領域9632bに表示されている操作キーのうち、キーボード表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで表示部9631bにキーボードボタン表示することができる。
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時にタッチ入力することもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9034は、縦表示または横表示などの表示の向きを切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイッチ9036は、タブレット型端末に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内蔵させてもよい。
また、図6(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示しているが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表示の品質も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネルとしてもよい。
図6(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池9633、充放電制御回路9634、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有する。なお、図6(B)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有する構成について示しており、バッテリー9635は、本発明の一態様に係る蓄電装置を有している。
なお、タブレット型端末は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630を閉じた状態にすることができる。従って、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、耐久性に優れ、長期使用の観点からも信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
また、この他にも図6(A)及び図6(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、表示部、または映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐体9630の片面又は両面に設けることができ、バッテリー9635の充電を効率的に行う構成とすることができる。なおバッテリー9635としては、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また、図6(B)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について図6(C)にブロック図を示し説明する。図6(C)には、太陽電池9633、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至スイッチSW3、表示部9631について示しており、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至スイッチSW3が、図6(B)に示す充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
まず、外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようDCDCコンバータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、スイッチSW1をオフにし、スイッチSW2をオンにしてバッテリー9635の充電を行う構成とすればよい。
なお、太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段によるバッテリー9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
また、本発明の一態様に係る蓄電装置を具備していれば、図6に示した電気機器に特に限定されないことは言うまでもない。
また、本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
さらに、本発明の一態様に係る蓄電装置からの電力を用いて電動機により推進する移動体の例について、図7を用いて説明する。
本発明の一態様に係る蓄電装置を制御用のバッテリーに用いることができる。制御用のバッテリーは、プラグイン技術や非接触給電による外部からの電力供給により充電をすることができる。なお、移動体が鉄道用電気車両の場合、架線や導電軌条からの電力供給により充電をすることができる。
図7(A)及び(B)は、電気自動車の一例を示している。電気自動車9700には、蓄電装置9701が搭載されている。蓄電装置9701の電力は、制御回路9702により出力が調整されて、駆動装置9703に供給される。制御回路9702は、図示しないROM、RAM、CPU等を有する処理装置9704によって制御される。
駆動装置9703は、直流電動機若しくは交流電動機単体、又は電動機と内燃機関と、を組み合わせて構成される。処理装置9704は、電気自動車9700の運転者の操作情報(加速、減速、停止など)や走行時の情報(上り坂や下り坂等の情報、駆動輪にかかる負荷情報など)の入力情報に基づき、制御回路9702に制御信号を出力する。制御回路9702は、処理装置9704の制御信号により、蓄電装置9701から供給される電気エネルギーを調整して駆動装置9703の出力を制御する。交流電動機を搭載している場合は、図示していないが、直流を交流に変換するインバータも内蔵される。
蓄電装置9701は、プラグイン技術による外部からの電力供給により充電することができる。例えば、商用電源から電源プラグを通じて蓄電装置9701に充電する。充電は、AC/DCコンバータ等の変換装置を介して、一定の電圧値を有する直流定電圧に変換して行うことができる。蓄電装置9701として、本発明の一態様に係る蓄電装置を搭載することで、充電時間の短縮化などに寄与することができ、利便性を向上させることができる。また、充放電速度の向上により、電気自動車9700の加速力の向上に寄与することができ、電気自動車9700の性能の向上に寄与することができる。また、蓄電装置9701の特性の向上により、蓄電装置9701自体を小型軽量化できれば、車両の軽量化に寄与するため、燃費を向上させることができる。
また、本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、本発明の一態様に係る非水電解質に含まれるイオン液体において、当該イオン液体が有する脂環式4級アンモニウムカチオンと、電子供与性を有する置換基との相互作用についての計算結果を示す。
本実施例では、一般式(G1)におけるR〜Rの置換基をメチル基とした、下記構造式(α−1)乃至構造式(α−9)で表される9種類の脂環式4級アンモニウムカチオンについて、最低空軌道準位(LUMO準位)を量子化学計算から算出した。その結果を表1に示す。また、比較例として、リチウムの酸化還元電位と同程度の還元電位を有するイオン液体のカチオンである(N−メチル−N−プロピルピペリジニウム)カチオン(構造式(α−10)参照)の最低空軌道準位(LUMO準位)についても表1に示す。
構造式(α−1)乃至構造式(α−9)で表される脂環式4級アンモニウムカチオン、及び(N−メチル−N−プロピルピペリジニウム)カチオンについて、本実施例における量子化学計算は、基底状態、三重項状態における最適分子構造を、密度汎関数法(DFT)を用いて計算した。DFTの全エネルギーはポテンシャルエネルギー、電子間静電エネルギー、電子の運動エネルギーと複雑な電子間の相互作用を全て含む交換相関エネルギーの和で表される。DFTでは、交換相関相互作用を電子密度で表現された一電子ポテンシャルの汎関数(関数の関数の意)で近似しているため、計算は高速且つ高精度である。ここでは、混合汎関数であるB3LYPを用いて、交換と相関エネルギーに係る各パラメータの重みを規定した。また、基底関数として、6−311(それぞれの原子価軌道に三つの短縮関数を用いたtriple split valence基底系の基底関数)を全ての原子に適用した。上述の基底関数により、例えば、水素原子であれば、1s〜3sの軌道が考慮され、また、炭素原子であれば、1s〜4s、2p〜4pの軌道が考慮されることになる。さらに、計算精度向上のため、分極基底系として、水素原子にはp関数を、水素原子以外にはd関数を加えた。
なお、量子化学計算プログラムとしては、Gaussian09を使用した。計算は、ハイパフォーマンスコンピュータ(SGI社製、Altix4700)を用いて行った。なお、構造式(α−1)乃至構造式(α−10)で表される全ての脂環式4級アンモニウムカチオンにおいて、量子化学計算は最安定構造及び真空中として行った。
なお、リチウムの酸化還元電位と同程度の還元電位を有する(N−メチル−N−プロピルピペリジニウム)カチオンのLUMO準位と比較することで、リチウムに対するカチオンの耐還元性を相対的に評価することができる。つまり、構造式(α−1)乃至構造式(α−9)の脂環式4級アンモニウムカチオンのLUMO準位が、(N−メチル−N−プロピルピペリジニウム)カチオンのLUMO準位より高ければ、構造式(α−1)乃至構造式(α−9)の脂環式4級アンモニウムカチオンを有するイオン液体は、リチウムに対する耐還元性に優れているといえる。
表1より、構造式(α−10)で表される比較例の(N−メチル−N−プロピルピペリジニウム)カチオンのLUMO準位は、−3.244eVであるが、構造式(α−1)乃至構造式(α−9)で表される脂環式4級アンモニウムカチオンのLUMO準位は、全てにおいて、−3.244eVより高い。
これにより、構造式(α−1)乃至構造式(α−9)の脂環式4級アンモニウムカチオンを有するイオン液体は、代表的な低電位負極材料であるリチウムに対して耐還元性に優れていることが確認できた。これは、脂環式4級アンモニウムカチオンに電子供与性の置換基を導入することで、誘起効果が生じ、当該誘起効果により、脂環式4級アンモニウムカチオンの電気的偏りが緩和され、電子の受容が困難になったためであるといえる。
以上より、電子供与性の置換基を脂環式4級アンモニウムカチオンに導入することで、当該脂環式4級アンモニウムカチオンを有するイオン液体の還元電位を低電位化させることできる。従って、還元電位を低電位化させたイオン液体を有する本発明の一態様に係る非水電解質を用いることで、サイクル特性が良好で、信頼性の高い蓄電装置を作製することができる。
なお、本実施例は、他の実施の形態及び実施例に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、本発明の一態様である非水電解質に含まれる非水溶媒の燃焼性について説明する。具体的には、構造式(α−11)で表されるイオン液体の1,3−ジメチル−1−プロピルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)アミド(略称:3mPP13−FSA)と、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートとを混合した非水溶媒について、引火の有無を確認した。
まず、3mPP13−FSAの合成例を説明する。
ギ酸(15.6g,300mmol)に、水冷下において3−メチルピペリジン(1.98g,200mmol)をゆっくり加えた。次いで、この溶液に、ホルムアルデヒド(22.5ml,300mmol)を加え、100℃まで加熱し、気泡発生後、室温に戻し約30分攪拌を行った。その後、再び加熱還流を1時間行った。
炭酸ナトリウムを用いてギ酸を中和後、ヘキサンにてその溶液を抽出、硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒留去を行うことにより淡黄色液体;1,3−ジメチルピペリジンを(12.82g,113mmol)を得た。
この淡黄色液体を加えた塩化メチレン(10ml)中に、ブロモプロパン(20.85g,170mmol)を加え、24時間、加熱還流を行ったところ、白色沈殿が生じた。ろ過後、エタノール/酢酸エチルで残りの物質に対して再結晶を行い、80℃で24時間減圧乾燥を行うことで、白色固体;1,3−ジメチル−1−プロピルピペリジニウムブロマイド(19.42g,82mmol)を得た。
次に、1,3−ジメチル−1−プロピルピペリジニウムブロマイド(17.02g,72mmol)とカリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(17.04g,78mmol)を純水中、混合攪拌することにより直ちに水に不溶なイオン液体を得た。これを塩化メチレンで抽出した後、純水で6回洗浄し、−80℃のトラップを介しながら60℃で真空乾燥することによって、イオン液体;1,3−ジメチル−1−プロピルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(20.62g,61mmol)を得た。
核磁気共鳴法(NMR)及びMSスペクトルによって、上記ステップで合成した化合物が目的物である1,3−ジメチル−1−プロピルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミドであることを確認した。
得られた化合物のH NMRデータを以下に示す。
H−NMR(CDCl,400MHz,298K):δ(ppm)1.02〜1.09(m,6H),1.21〜1.26,1.69〜1.75(m,2H),1.83〜1.91(m,2H),1.94〜1.97(m,2H),1.97〜2.15(m,1H),2.77〜2.87,3.30〜3.43(m,2H),3.05,3.10(s,3H),3.15〜3.54(m,2H),3.25〜3.29(m,2H)
また、H NMRチャートを図8(A)、(B)に示す。なお、図8(B)は、図8(A)における0.750ppm〜3.75ppm範囲を拡大して表したチャートである。
得られた化合物のエレクトロスプレーイオン化質量分析(Electro Spray Ionization Mass Spectrometry、ESI−MS)スペクトルの測定結果を以下に示す。
MS(ESI−MS):m/z=156.2(M);C1022N(156.2),179.98(M);FNO(180.13)
次に、得られた3mPP13−FSAとエチレンカーボネートを混合した試料を作製した。なお、3mPP13−FSAとエチレンカーボネートの混合比(重量比)を1:1とした非水溶媒を非水溶媒1、当該混合比を7:3とした非水溶媒を非水溶媒2とする。また、3mPP13−FSAとプロピレンカーボネートの混合比(重量比)を1:1とした非水溶媒を非水溶媒3、当該混合比を7:3とした非水溶媒を非水溶媒4とする。
非水溶媒1乃至非水溶媒4をそれぞれガラス繊維濾紙に染み込ませ、非水溶媒1を染み込ませたガラス繊維濾紙を試料1とし、非水溶媒2を染み込ませたガラス繊維濾紙を試料2とし、非水溶媒3を染み込ませたガラス繊維濾紙を試料3とし、非水溶媒4を染み込ませたガラス繊維濾紙を試料4とした。
また、比較例として、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートを体積比1:1で混合した非水溶媒に六フッ化リン酸リチウムが1mol/Lで含まれている非水電解質を染み込ませたガラス繊維濾紙を試料5とした。
次に、試料1乃至試料5それぞれに炎を近づけ、3秒後に引火の有無を確認した。3秒後に引火が無かった場合は、さらに2秒間炎にさらし、引火の有無を確認した。炎を近づけてから5秒後に引火が無かった場合は、さらに5秒間炎にさらし、引火の有無を確認した。つまり、引火の有無の確認は、炎を近づけてから3秒後、5秒後、10秒後に行った。
表2に結果を示す。表2において、バツ印は試料に引火したことを示し、マル印は試料に引火しなかったことを示す。
表2より、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートのみを有する試料5は炎を近づけた後、すぐに引火することが確認された。試料1及び試料3は、炎を近づけてから3秒間は引火しなかったが、炎を近づけてから5秒後では引火することが確認された。試料2及び試料4は、炎を近づけてから10秒間引火は確認されなかった。
以上より、本発明の一態様に係る非水電解質の溶媒に含まれるイオン液体の量を当該溶媒の単位重量に対して70重量パーセント以上することで、難燃性の非水溶媒として機能することが確認できた。従って、本発明の一態様に係る非水溶媒を用いることで、安全性の高い蓄電装置を作製できる。
本実施例では、本発明の一態様に係る非水電解質に含まれるキャリアイオンの挿入脱離反応について評価した。具体的には、当該キャリアイオンの黒鉛への挿入脱離反応について評価するため、一方の電極に黒鉛を用いて、他方の電極にリチウム箔を用いる黒鉛−リチウムハーフセルを作製し、当該ハーフセルについてサイクリックボルタンメトリー(Cyclic Voltammetry:CV)測定を行った。
図9を参照して黒鉛−リチウムハーフセルの作製方法を説明する。
作製するハーフセルは、外部端子として機能する筐体171及び筐体172と、正極148と、負極149と、リング状絶縁体173と、セパレータ156、スペーサー181と、ワッシャー183とを有する。なお、正極148が黒鉛−リチウムハーフセルの作用極として機能し、負極149が黒鉛−リチウムハーフセルの対極として機能する。
正極148は、アルミニウム箔(16.156φ)の正極集電体142上に、正極活物質と導電助剤とバインダを85:15:7.5(重量比)の割合で有する正極活物質層143が設けられている。なお、当該正極活物質は、黒鉛(JFEケミカル株式会社製 TSG−A1)を用いた。
負極149は、リチウム箔(15φ)を用いた。セパレータ156は、Whatman社製のガラス繊維濾紙であるGF/Cを用いた。
そして、正極148は、本発明の一態様に係る非水電解質に、1時間含浸させた。なお、当該非水電解質は、実施例2で説明した方法で作製した3mPP13−FSAとエチレンカーボネートを混合した非水溶媒にリチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド(LiTFSA)を溶解させている。
そして、筐体171および筐体172は、ステンレス(SUS)で形成されているものを用いた。また、スペーサー181およびワッシャー183もステンレス(SUS)で形成されているものを用いた。
上記非水電解質に含浸させた正極148、負極149およびセパレータ156を図9に示したように、筐体171を下にして正極148、セパレータ156、リング状絶縁体173、負極149、スペーサー181、ワッシャー183、筐体172を底側から順に積層し、「コインかしめ機」で筐体171および筐体172をかしめ、黒鉛−リチウムハーフセルを作製した。
作製したハーフセルにおいて、3mPP13−FSAとエチレンカーボネートを混合比(重量比)が1:1で混合した非水溶媒を用いたハーフセルをハーフセル1とした。同様に、当該混合比(重量比)が8:2である非水溶媒を用いたハーフセルをハーフセル2とし、当該混合比(重量比)が7:3である非水溶媒を用いたハーフセルをハーフセル3とした。また、比較例として、3mPP13−FSAの単溶媒を用いたハーフセルをハーフセル4とした。
次に、ハーフセル1乃至ハーフセル4についてCV測定を行った。掃引電位を0〜1.5Vとし、掃引速度を0.1mV/sec.として行った。なお、CV測定の参照極はリチウム金属とし、電位の掃引は3サイクル行い、図10(A)に1サイクル目の電流−電位曲線を示す。
図10(A)において、横軸は、作用極の電位(vs.Li/Li)を示し、縦軸は、酸化還元により発生する電流を示している。なお、CV測定の電流値において、負の値は還元電流を示し、正の値は酸化電流を示す。還元電流が流れるということは、キャリアイオンであるリチウムイオンの挿入反応が生じていることを示し、酸化電流が流れるということは、リチウムイオンの脱離反応が生じていることを示している。
図10(A)より、全てのハーフセルにおいてもリチウムイオンの挿入脱離反応が確認された。また、3mPP13−FSAの含有量が少なく、エチレンカーボネートの含有量が多くなるにつれて酸化電流及び還元電流の絶対値が大きくなることが確認された。また、酸化電流及び還元電流の絶対値が大きいほど、リチウムイオンの挿入脱離が容易に起こるといえる。つまり、3mPP13−FSAの含有量が少なく、エチレンカーボネートの含有量が多くなるにつれてリチウムイオンの挿入脱離が容易に起こるといえる。しかし、ハーフセル1のようにエチレンカーボネートの含有量が多すぎても、実施例2で説明したように難燃性が低下するため、3mPP13−FSAの含有量はエチレンカーボネートの含有量より多いことが好ましい。
また、図10(A)の縦軸が−0.2Vから0.2Vまでの範囲を拡大した図を図10(B)に示す。図10(B)より、ハーフセル1には、横軸0.7V付近にピーク電流が確認された。ハーフセル2、3、4のように、3mPP13−FSAの含有量が多くなるにつれて、図中矢印で示した横軸0.7V付近の還元電流ピークが低減することが確認された。
以上より、本発明の一態様に係る非水電解質の溶媒に含まれるイオン液体の量を当該溶媒の単位重量に対して70重量パーセント以上することで、難燃性を有しながら、リチウムイオンの挿入脱離反応を容易に生じさせることができた。従って、本発明の一態様に係る非水溶媒を用いることで、安全性の高く、充放電レート特性が良好な蓄電装置を作製できる。
本実施例では、本発明の一態様に係る蓄電装置の充放電特性について説明する。具体的には、本発明の一態様に係る非水電解質を用いて、コイン型リチウム二次電池を作製し、充放電特性を評価した。なお、本実施例におけるコイン型リチウム二次電池は、一方の電極にリン酸鉄リチウム(LiFePO)を用いて、他方の電極に黒鉛を用いた、リン酸鉄リチウム−黒鉛フルセルを作製した。
リン酸鉄リチウム−黒鉛フルセルの作製方法について、図11を参照して説明する。
作製するフルセルは、外部端子として機能する筐体171及び筐体172と、正極148と、負極149と、リング状絶縁体173と、セパレータ156、スペーサー181と、ワッシャー183とを有する。
正極148は、アルミニウム箔(15.958φ)の正極集電体142上に、正極活物質と導電助剤とバインダを85:8:7(重量比)の割合で有する正極活物質層143が設けられている。なお、当該正極活物質にはリン酸鉄リチウム(22.21mg〜25.02mg)を用いた。
負極149は、アルミニウム箔(16.156φ)の負極集電体145上に、負極活物質と導電助剤とバインダを85:15:7.5(重量比)の割合で有する負極活物質層146が設けられている。なお、当該負極活物質には黒鉛(JFEケミカル株式会社製 TSG−A1 10.69mg)を用いた。
セパレータ156は、Whatman社製のガラス繊維濾紙であるGF/Cを用いた。
そして、正極148は、本発明の一態様に係る非水電解質に、1時間含浸させた。なお、当該非水電解質は、実施例2で説明した方法で作製した3mPP13−FSAとエチレンカーボネートを混合した非水溶媒にリチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド(LiTFSA)を濃度1.0mol/Lで溶解させている。
そして、筐体171および筐体172は、ステンレス(SUS)で形成されているものを用いた。また、スペーサー181およびワッシャー183もステンレス(SUS)で形成されているものを用いた。
上記非水電解質に含浸させた正極148、負極149およびセパレータ156を図11に示したように、筐体171を下にして正極148、セパレータ156、リング状絶縁体173、負極149、スペーサー181、ワッシャー183、筐体172を底側から順に積層し、「コインかしめ機」で筐体171および筐体172をかしめ、リン酸鉄リチウム−黒鉛フルセルを作製した。
作製したフルセルにおいて、3mPP13−FSAとエチレンカーボネートを混合比(重量比)が8:2である非水溶媒を用いたフルセルをフルセル1とした。比較例として、エチレンカーボネートの単溶媒を用いたフルセルをフルセル2とした。
次に、フルセル1及びフルセル2の充放電特性について測定を行った。当該測定は、充放電測定機(東洋システム社製)を用いて、室温で行った。また、当該測定の充電方式は定電流定電圧充電方式を採用し、0.2Cのレートで定電流充電を行った後、4.3Vの低電圧充電を行った。なお、充電の完了は、定電圧充電期間に流れる電流値が0.01Cに相当する電流値を下回った状態とした。
図12(A)は、フルセル1(実線)及びフルセル2(点線)の充電特性を示しており、横軸は正極活物質重量あたりの容量[mAh/g]を示し、縦軸は充電時にフルセル1又はフルセル2に流れた電流値を示す。なお、図12(A)において、定電流充電期間の電流値が異なっていることは、正極活物質重量が異なっていることに起因する。しかし、正極活物質の重量が充電特性の挙動に与える影響は極めて小さいため、フルセル1とフルセル2の違いは非水電解質の非水溶媒が異なることであると見なすことができる。
図12(A)より、非水電解質の溶媒に3mPP13−FSAとエチレンカーボネートが混合された非水溶媒を用いたフルセル1は、定電流充電期間から定電圧充電期間に切り替わると、電流値が急激に減少し、0.01Cに相当する電流値を下回り、充電が完了することが確認できた。一方、エチレンカーボネートの単溶媒を非水電解質の溶媒に用いたフルセル2は、定電流充電期間から定電圧充電期間に切り替わった後、電流値は変動し続け、0.01Cに相当する電流値を下回らず、充電が完了しないことが確認できた。つまり、フルセル2は、定電圧充電期間においても電流が流れ続けており、充電反応の他に、非水電解質(特に非水溶媒)の分解が生じていると考察できる。
また、図12(B)は、フルセル1の充放電特性を示し、横軸は正極活物質重量あたりの容量[mAh/g]を示し、縦軸は充放電電圧[V]を示す。図12(B)より、非水電解質の溶媒に3mPP13−FSAとエチレンカーボネートが混合された非水溶媒を用いたフルセル1は、充放電効率が良好であると確認できた。
以上より、非水電解質の溶媒に3mPP13−FSAとエチレンカーボネートを混合した非水溶媒を用いることで、定電圧充電期間が長期化することを抑制され、不可逆容量の小さく、良好な充放電特性を有する蓄電装置を作製することができる。
100 コイン型二次電池
101 正極集電体
102 正極活物質層
103 正極
104 負極集電体
105 負極活物質層
106 負極
107 非水電解質
108 セパレータ
109 筐体
111 筐体
121 ガスケット
142 正極集電体
143 正極活物質層
145 負極集電体
146 負極活物質層
148 正極
149 負極
156 セパレータ
171 筐体
172 筐体
173 リング状絶縁体
181 スペーサー
183 ワッシャー
217 正極活物質
218 グラフェン
301a 基礎部
301b 突起部
401a 共通部
401b 領域
402 芯
404 外殻
5000 表示装置
5001 筐体
5002 表示部
5003 スピーカー部
5004 蓄電装置
5100 照明装置
5101 筐体
5102 光源
5103 蓄電装置
5104 天井
5105 側壁
5106 床
5107 窓
5200 室内機
5201 筐体
5202 送風口
5203 蓄電装置
5204 室外機
5300 電気冷凍冷蔵庫
5301 筐体
5302 冷蔵室用扉
5303 冷凍室用扉
5304 蓄電装置
9033 留め具
9034 スイッチ
9035 電源スイッチ
9036 スイッチ
9038 操作スイッチ
9630 筐体
9631 表示部
9631a 表示部
9631b 表示部
9632a 領域
9632b 領域
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 バッテリー
9636 DCDCコンバータ
9637 コンバータ
9638 操作キー
9639 ボタン
9700 電気自動車
9701 蓄電装置
9702 制御回路
9703 駆動装置
9704 処理装置

Claims (5)

  1. 式(G2)で表されるイオン液体と、
    環状エステルと、を含む非水溶媒であって、
    前記環状エステルは、エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートであり、
    前記イオン液体が、70重量パーセント以上の割合で含まれている非水溶媒。

    (式中において、R〜Rのいずれか一は、炭素数が1〜20のアルキル基を表し、他は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数が1〜20のアルキル基を表し、R及びRは、それぞれ異なる、炭素数が1〜4のアルキル基のいずれかを表し、A は、1価のイミドアニオン、1価のメチドアニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート、又はヘキサフルオロホスフェートのいずれかを表す。)
  2. 式(G3)で表されるイオン液体と、
    環状エステルと、を含む非水溶媒であって、
    前記環状エステルは、エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートであり、
    前記イオン液体が、70重量パーセント以上の割合で含まれている非水溶媒。

    (式中において、R〜Rのいずれか一は、炭素数が1〜20のアルキル基を表し、他は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数が1〜20のアルキル基を表し、R及びRは、それぞれ異なる、炭素数が1〜4のアルキル基のいずれかを表し、A は、1価のイミドアニオン、1価のメチドアニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート、又はヘキサフルオロホスフェートのいずれかを表す。)
  3. 請求項1または請求項2に記載の非水溶媒と、アルカリ金属塩と、を含む電解液。
  4. 請求項において、
    前記アルカリ金属塩は、リチウム塩である電解液。
  5. 正極、負極、及び電解液を有する蓄電装置であって、
    前記電解液は、請求項または請求項に記載の電解液である蓄電装置。
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