JP2015199654A - 炭酸カルシウムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】平均一次粒径が1μm未満の炭酸カルシウム粒子の効率的な製造方法の提供。
【解決手段】反応容器内に消石灰の水性懸濁液を噴射することによって発生させたキャビテーション気泡の存在下で、消石灰の水性懸濁液と二酸化炭素を含む気体とを反応させることにより炭酸カルシウムを合成する、平均一次粒径が1μm未満の炭酸カルシウム微粒子の製造方法。なお、消石灰の水性懸濁液として、反応容器から循環させた反応液を用いることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭酸カルシウムの製造方法に関する。特に本発明は、平均一次粒子径が1μm未満の粒子径の小さな炭酸カルシウムを製造する方法に関する。
一般に、炭酸カルシウムは、天然の石灰石や風化貝殻などを原料として物理的に粉砕分級して製造する「天然炭酸カルシウム」と、石灰石を原料として化学的に反応させて製造する「合成炭酸カルシウム」(軽質炭酸カルシウム)とに大きく分けられる。そして、合成炭酸カルシウムの合成法としては、炭酸ガス法、石灰・ソーダ法、ソーダ法が知られており、石灰・ソーダ法およびソーダ法は特殊な用途に一部利用されるものの、工業的な炭酸カルシウムの合成は炭酸ガス法によって行われるのが一般的である。
炭酸ガス法による炭酸カルシウムの合成は、生石灰と炭酸ガスとを反応させることにより行われ、一般に、生石灰CaOに水を加えて消石灰Ca(OH)を得る消和工程と、消石灰に炭酸ガスCOを吹き込んで炭酸カルシウムCaCOを得る炭酸化工程とを有する。今日では、炭酸カルシウムの合成工程、特に炭酸化工程の反応条件を制御することによって、生成物である炭酸カルシウムの粒子形状や粒子径などをコントロールする技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1・2には、炭酸化工程においてキレート剤を添加することによって炭酸カルシウムの形態等を制御することが記載されている。すなわち、特許文献1には、金属イオンと錯形成する物質を炭酸化反応に添加することによって、二次凝集が少なく、分散性の良好な炭酸カルシウムを製造する方法が提案されている。また、特許文献2には、金属イオン封鎖剤を炭酸化工程において多段添加することによって、均一なメソ孔を有する炭酸カルシウムを製造する方法が提案されている。その他にも、特許文献3には、炭酸化反応を特定の条件において2段階で行うことにより炭酸カルシウムの形状を制御することが提案されている。
また、特許文献4には、ライムスクリーン残渣を含む懸濁液と二酸化炭素を含む気体とをインジェクターによって混合しつつ反応槽に供給することによって炭酸カルシウムを製造する技術が記載されている。
特開平10−72215号公報 特開2003−246617号公報 国際公開WO2004/108597 特開2011−73892号公報
本発明の課題は、一次粒子径の小さい炭酸カルシウムを効率的に製造できる技術を提供することである。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、キャビテーション気泡の存在下で炭酸カルシウムを合成することによって一次粒子径の小さい炭酸カルシウムを効率的に製造できることを見いだした。特に本発明によれば、得られる炭酸カルシウム微粒子の形状が極めて均一であり、生成物のバラツキも小さい。
すなわち、本発明は、これに制限されるものでないが、以下の発明を包含する。
(1) キャビテーション気泡の存在下で炭酸カルシウムを合成することを含む、平均一次粒子径が1μm未満の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
(2) キャビテーション気泡の存在下で、消石灰の水性懸濁液と二酸化炭素を含む気体とを反応させる、(1)に記載の製造方法。
(3) 反応容器内に液体を噴射することによってキャビテーション気泡を発生させる、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4) 消石灰の水性懸濁液を反応容器内に噴射することによってキャビテーション気泡を発生させる、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5) 消石灰の水性懸濁液として、前記反応容器から循環させた反応液を用いる、(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6) 合成した平均一次粒子径が1μm未満の炭酸カルシウム粒子に、さらに炭酸ガスを吹き込んで炭酸カルシウム微粒子を合成する、(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7) 炭酸カルシウム粒子を改質することをさらに含む、(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8) (1)〜(7)のいずれかの方法で合成された炭酸カルシウム粒子
本発明によれば、キャビテーション気泡を用いることによって、平均一次粒子径が1μm未満の炭酸カルシウム微粒子を効率良く製造することができる。
キャビテーション気泡の存在下で炭酸カルシウムを合成することによって炭酸カルシウム微粒子が短時間で合成できる理由の詳細は明らかでなく、本発明は以下の推測に拘束されるものではないが、以下のように考えられる。すなわち、キャビテーションにより生じる微細な気泡によって反応が活性化された結果、炭酸カルシウム微粒子が効率よく製造できるものと推測される。
図1は、本発明の実施例で用いた反応装置を示す概略図である。 図2は、実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子(サンプル1)の電子顕微鏡写真である(倍率:50000倍)。 図3は、実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子(サンプル3、比較例)の電子顕微鏡写真である(倍率:50000倍)。 図4は、実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子(サンプル5)の電子顕微鏡写真である(倍率:50000倍)。 図5は、実験2で合成した炭酸カルシウム微粒子(サンプル6)の電子顕微鏡写真である(倍率:10000倍)。 図6は、実験2で合成した炭酸カルシウム微粒子(サンプル7)の電子顕微鏡写真である(倍率:10000倍)。 図7は、実験2で合成した炭酸カルシウム微粒子(サンプル8)の電子顕微鏡写真である(倍率:10000倍)。 図8は、実験3で合成した炭酸カルシウム微粒子(サンプル10)の電子顕微鏡写真である。 図9は、実験3で合成した炭酸カルシウム微粒子(サンプル12)の電子顕微鏡写真である。 図10は、実験4で合成した炭酸カルシウム微粒子(サンプル18)の電子顕微鏡写真である(倍率:50000倍)。 図11は、実験5で用いた2流体ノズルの模式図である。 図12は、実験5で用いた反応装置を示す概略図である。 図13は、実験5−1(サンプル19)で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(倍率:50000倍)。 図14は、実験5−2(サンプル20)で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(倍率:50000倍)。 図15は、実験5−3(サンプル21)で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(倍率:50000倍)。 図16は、実験5−4(サンプル22)で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(倍率:50000倍)。 図17は、実験5−5(サンプル23)で合成した炭酸カルシウム微粒子の電子顕微鏡写真である(倍率:50000倍)。 図18は、実験7で合成した炭酸カルシウム微粒子(サンプル24)の電子顕微鏡写真である(倍率:50000倍)。 図19は、実験8−1で得られたサンプルD1の電子顕微鏡写真である(倍率:1000倍)。 図20は、実験8−2で得られたサンプルD2の電子顕微鏡写真である(倍率:1000倍)。
本発明においては、キャビテーション気泡の存在下で炭酸カルシウムを合成する。
炭酸カルシウム
本発明の製法によれば平均粒子径の小さい炭酸カルシウムを効率的に製造することができる。本発明によって得られる炭酸カルシウム微粒子の平均一次粒子径は1μm未満であるが、本発明によれば、平均一次粒子径が500nm未満の炭酸カルシウムや平均粒子径が200nm未満の炭酸カルシウムを製造することも可能である。また、炭酸カルシウム微粒子の平均一次粒子径は10nm以上とすることができる。
本発明によって得られた炭酸カルシウムは、種々の用途に用いることができ、例えば、紙、繊維、セルロース系複合材料、フィルター材料、塗料、プラスチックやその他の樹脂、ゴム、エラストマー、セラミック、ガラス、タイヤ、建築材料(アスファルト、アスベスト、セメント、ボード、コンクリート、れんが、タイル、合板、繊維板など)、各種担体(触媒担体、医薬担体、農薬担体、微生物担体など)、吸着剤(不純物除去、消臭、除湿など)、しわ防止剤、粘土、研磨材、改質剤、補修材、断熱材、防湿材、撥水材、耐水材、遮光材、シーラント、シールド材、防虫剤、接着剤、インキ、化粧料、医用材料、ペースト材料等のあらゆる用途に広く使用することができる。また、前記用途における各種充填剤、コーティング剤などに用いることができる。中でも、本発明の炭酸カルシウムは、製紙用途に適用しやすく、例えば、印刷用紙、新聞紙、インクジェット用紙、PPC用紙、クラフト紙、上質紙、コート紙、微塗工紙、包装紙、薄葉紙、色上質紙、キャストコート紙、ノンカーボン紙、ラベル用紙、感熱紙、各種ファンシーペーパー、水溶紙、剥離紙、工程紙、壁紙用原紙、不燃紙、難燃紙、積層板原紙、バッテリー用セパレータ、クッション紙、トレーシングペーパー、含浸紙、ODP用紙、建材用紙、化粧材用紙、封筒用紙、テープ用紙、熱交換用紙、化繊紙、減菌紙、耐水紙、耐油紙、耐熱紙、光触媒紙、化粧紙(脂取り紙など)、各種衛生紙(トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ワイパー、おむつ、生理用品等)、たばこ用紙、板紙(ライナー、中芯原紙、白板紙など)、紙皿原紙、カップ原紙、ベーキング用紙、研磨紙、合成紙などが挙げられる。すなわち、本発明によれば、粒子径が小さくかつ粒度分布の狭い炭酸カルシウム微粒子を得ることができるため、1μm超の粒子径を有していた従来の製紙用炭酸カルシウムとは異なった特性を有するものと考えられる。
また、本発明によって得られる炭酸カルシウムを使用する際には、一般に無機填料及び有機填料と呼ばれる粒子や、各種繊維を併用することができる。例えば、無機填料として、炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム)、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クレー(カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン)、タルク、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、二酸化チタン、ケイ酸ナトリウムと鉱酸から製造されるシリカ(ホワイトカーボン、シリカ/炭酸カルシウム複合体、シリカ/二酸化チタン複合体)、白土、ベントナイト、珪藻土、硫酸カルシウム、ゼオライト、脱墨工程から得られる灰分を再生して利用する無機填料および再生する過程でシリカや炭酸カルシウムと複合体を形成した無機填料などが挙げられる。炭酸カルシウム−シリカ複合物としては、炭酸カルシウムおよび/または軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物以外に、ホワイトカーボンのような非晶質シリカを併用しても良い。有機填料としては、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子、アクリルアミド複合体、木材由来の物質(微細繊維、ミクロフィブリル繊維、粉体ケナフ)、変性不溶化デンプン、未糊化デンプンなどが挙げられる。繊維としては、セルロースなどの天然繊維はもちろん、石油などの原料から人工的に合成される合成繊維、さらには、レーヨンやリヨセルなどの再生繊維(半合成繊維)、さらには無機繊維などを制限なく使用することができる。天然繊維としては上記の他にウールや絹糸やコラーゲン繊維等の蛋白系繊維、キチン・キトサン繊維やアルギン酸繊維等の複合糖鎖系繊維等が挙げられる。セルロース系の原料としては、パルプ繊維(木材パルプや非木材パルプ)、バクテリアセルロースが例示され、木材パルプは、木材原料をパルプ化して製造すればよい。木材原料としては、アカマツ、クロマツ、トドマツ、エゾマツ、ベニマツ、カラマツ、モミ、ツガ、スギ、ヒノキ、カラマツ、シラベ、トウヒ、ヒバ、ダグラスファー、ヘムロック、ホワイトファー、スプルース、バルサムファー、シーダ、パイン、メルクシマツ、ラジアータパイン等の針葉樹、及びこれらの混合材、ブナ、カバ、ハンノキ、ナラ、タブ、シイ、シラカバ、ハコヤナギ、ポプラ、タモ、ドロヤナギ、ユーカリ、マングローブ、ラワン、アカシア等の広葉樹及びこれらの混合材が例示される。木材原料をパルプ化する方法は、特に限定されず、製紙業界で一般に用いられるパルプ化法が例示される。木材パルプはパルプ化法により分類でき、例えば、クラフト法、サルファイト法、ソーダ法、ポリサルファイド法等の方法により蒸解した化学パルプ;リファイナー、グラインダー等の機械力によってパルプ化して得られる機械パルプ;薬品による前処理の後、機械力によるパルプ化を行って得られるセミケミカルパルプ;古紙パルプ;脱墨パルプ等が挙げられる。木材パルプは、未晒(漂白前)の状態であってもよいし、晒(漂白後)の状態であってもよい。非木材由来のパルプとしては、綿、ヘンプ、サイザル麻、マニラ麻、亜麻、藁、竹、バガス、ケナフ等が例示される。木材パルプ及び非木材パルプは、未叩解及び叩解のいずれでもよい。合成繊維としてはポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、アクリル繊維、半合繊維としてはレーヨン、アセテートなどが挙げられ、無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、各種金属繊維などが挙げられる。以上について、これらは単独でも2種類以上の組み合わせで用いても構わない。
本発明によって得られる炭酸カルシウムの平均粒子径や形状等は、電子顕微鏡による観察により確認することができる。さらに、炭酸カルシウムスラリーの粘度などから、生成物である炭酸カルシウムを定性的に確認することも可能である。
また、本発明によって得られる炭酸カルシウムは、例えば、BET比表面積であれば、1〜100m/gであることが好ましく、20〜100m/gであることがより好ましい。また、一つの態様において、10〜40m/gであってもよい。さらに、本発明によって得られる炭酸カルシウムの吸油量は、ある態様において50〜250mL/100gであることが好ましく、80〜250mL/100gであることがより好ましい。なお、本発明によって得られた炭酸カルシウムの粒子径や比表面積は、粉砕処理等によって調整することができ、例えば、ビーズミルを用いた湿式または乾式粉砕、高圧ホモジナイザーによる処理、超音波分散などを行うことができる。
キャビテーション気泡
本発明に係る炭酸カルシウムの製法においては、キャビテーション気泡の存在下で炭酸カルシウムを合成する。本発明においてキャビテーションとは、流体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象であり、空洞現象とも言われる。キャビテーションによって生じる気泡(キャビテーション気泡)は、流体の中で圧力がごく短時間だけ飽和蒸気圧より低くなったとき、液体中に存在する100ミクロン以下のごく微小な「気泡核」を核として生じる。
本発明においてキャビテーション気泡は、公知の方法によって反応容器内に発生させることができる。例えば、流体を高圧で噴射することによってキャビテーション気泡を発生させること、流体内で高速で攪拌することによってキャビテーションを発生させること、流体内で爆発を生じさせることによってキャビテーションを発生させること、超音波振動子によってキャビテーションを発生させること(バイブトラリー・キャビテーション)などが考えられる。
特に本発明においては、キャビテーション気泡の発生と制御が容易なため、流体を高圧で噴射することによってキャビテーション気泡を発生させることが好ましい。この態様では、ポンプなどを用いて噴射液体を圧縮し高速でノズルなどを介して噴射することによって、ノズル近傍での極めて高いせん断力と急激な減圧による液体自体の膨張と同時にキャビテーション気泡が発生する。流体噴流による方法は、キャビテーション気泡の発生効率が高く、より強力な崩壊衝撃力を持つキャビテーション気泡を発生させることができる。本発明においては、炭酸カルシウムを合成する際に制御されたキャビテーション気泡を存在させるものであって、流体機械に自然発生的に生じる制御不能の害悪をもたらすキャビテーション気泡と明らかに異なる。
本発明においては、原料などの反応溶液をそのまま噴射液体として用いてキャビテーションを発生させることもできるし、反応容器内に何らかの流体を噴射してキャビテーション気泡を発生させることもできる。液体噴流が噴流をなす流体は、流動状態であれば液体、気体、粉体やパルプ等の固体の何れでもよく、またそれらの混合物であってもよい。更に必要であれば上記の流体に、新たな流体として、炭酸ガスなど、別の流体を加えることができる。上記流体と新たな流体は、均一に混合して噴射してもよいが、別個に噴射してもよい。
液体噴流とは、液体または液体の中に固体粒子や気体が分散あるいは混在する流体の噴流であり、パルプや無機物粒子のスラリーや気泡を含む液体噴流のことをいう。ここで云う気体は、キャビテーションによる気泡を含んでいてもよい。
キャビテーションは液体が加速され、局所的な圧力がその液体の蒸気圧より低くなったときに発生するため、流速及び圧力が特に重要となる。このことから、キャビテーション状態を表わす基本的な無次元数、キャビテーション数(Cavitation Number)σは次の数式1のように定義される(加藤洋治編「新版キャビテーション・基礎と最近の進歩」、槇書店、1999年)。
ここで、キャビテーション数が大きいということは、その流れ場がキャビテーションを発生し難い状態にあるということを示す。特にキャビテーション噴流のようなノズルあるいはオリフィス管を通してキャビテーションを発生させる場合は、ノズル上流側圧力p1、ノズル下流側圧力p2、試料水の飽和蒸気圧pvから、キャビテーション数σは下記式(2)のように書きかえることができ、キャビテーション噴流では、p1、p2、pv間の圧力差が大きく、p1≫p2≫pvとなることから、キャビテーション数σはさらに以下の数式2のように近似することができる(H. Soyama, J. Soc. Mat. Sci. Japan, 47(4), 381, 1998)。
本発明におけるキャビテーションの条件は、上述したキャビテーション数σが0.001以上0.5以下であることが望ましく、0.003以上0.2以下であることが好ましく、0.01以上0.1以下であることが特に好ましい。キャビテーション数σが0.001未満である場合、キャビテーション気泡が崩壊する時の周囲との圧力差が低いため効果が小さくなり、0.5より大である場合は、流れの圧力差が低くキャビテーションが発生し難くなる。
また、ノズルまたはオリフィス管を通じて噴射液を噴射してキャビテーションを発生させる際には、噴射液の圧力(上流側圧力)は0.01MPa以上30MPa以下であることが望ましく、0.7MPa以上20MPa以下であることが好ましく、2MPa以上15MPa以下がより好ましい。また、噴射液の圧力(上流側圧力)を5MPa以上10MPa以下とすることもできる。上流側圧力が0.01MPa未満では下流側圧力との間で圧力差を生じ難く作用効果は小さい。また、30MPaより高い場合、特殊なポンプ及び圧力容器を必要とし、消費エネルギーが大きくなることからコスト的に不利である。一方、容器内の圧力(下流側圧力)は静圧で0.005MPa以上0.9MPa以下が好ましい。また、容器内の圧力と噴射液の圧力との比は0.001〜0.5の範囲が好ましい。
噴射液の噴流の速度は1m/秒以上200m/秒以下の範囲であることが望ましく、20m/秒以上100m/秒以下の範囲であることが好ましい。噴流の速度が1m/秒未満である場合、圧力低下が低く、キャビテーションが発生し難いため、その効果は弱い。一方、200m/秒より大きい場合、高圧を要し特別な装置が必要であり、コスト的に不利である。
本発明におけるキャビテーション発生場所は、炭酸カルシウムを合成する反応容器内に発生させればよい。また、ワンパスで処理することも可能であるが、必要回数だけ循環することもできる。さらに複数の発生手段を用いて並列で、あるいは順列で処理することができる。
キャビテーションを発生させるための液体の噴射は、大気開放の容器の中でなされても良いが、キャビテーションをコントロールするために圧力容器の中でなされるのが好ましい。
液体噴射によってキャビテーションを発生させる場合、反応溶液である消石灰の水性懸濁液の固形分濃度は30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下がより好ましい。このような濃度であると、キャビテーション気泡を反応系に均一に作用させやすくなるためである。また、反応溶液である消石灰の水性懸濁液は、反応効率の点から、固形分濃度が0.1重量%以上であることが好ましい。
本発明において、反応液のpHは、反応開始時は塩基性側であるが炭酸化反応が進行するにしたがって中性に変化する。したがって、反応液のpHをモニターすることによって反応を制御することができる。
本発明では、液体の噴射圧力を高めることで、噴射液の流速が増大し、これに伴って圧力が低下し、より強力なキャビテーションが発生させることができる。また、反応容器内の圧力を加圧することで、キャビテーション気泡が崩壊する領域の圧力が高くなり、気泡と周囲の圧力差が大きくなるため気泡は激しく崩壊し衝撃力を大きくすることができる。また、導入する二酸化炭素の溶解と分散を促進することができる。反応温度は0℃以上90℃以下であることが好ましく、特に10℃以上60℃以下であることが好ましい。一般には、融点と沸点の中間点で衝撃力が最大となると考えられることから、水性溶液の場合、50℃前後が好適であるが、それ以下の温度であっても、蒸気圧の影響を受けないため、上記の範囲であれば高い効果が得られる。
本発明においては、界面活性剤を添加することでキャビテーションを発生させるために必要なエネルギーを低減することができる。使用する界面活性剤としては、公知または新規の界面活性剤、例えば、脂肪酸塩、高級アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸などのアルキレンオキシド付加物などの非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これらの単一成分からなるものでも、2種以上の成分の混合物でも良い。添加量は噴射液及び/または被噴射液の表面張力を低下させるために必要な量であればよい。
炭酸カルシウムの合成
本発明においては、キャビテーション気泡の存在下で炭酸カルシウム微粒子を合成するが、炭酸カルシウムの合成方法は、公知の方法によることができる。例えば、炭酸ガス法、可溶性塩反応法、石灰・ソーダ法、ソーダ法などによって炭酸カルシウムを合成することができ、好ましい態様において、炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを合成する。
一般に、炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを製造する場合、カルシウム源として石灰(ライム)が使用され、生石灰CaOに水を加えて消石灰Ca(OH)を得る消和工程と、消石灰に炭酸ガスCOを吹き込んで炭酸カルシウムCaCOを得る炭酸化工程とによって炭酸カルシウムが合成される。この際、生石灰に水を加えて調製した消石灰の懸濁液をスクリーンに通して、懸濁液中に含まれる低溶解性の石灰粒を除去してもよい。また、消石灰を直接カルシウム源としてもよい。本発明において炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを合成する場合、キャビテーション気泡の存在下で炭酸化反応を行えばよい。
一般に、炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを製造する際の反応容器(炭酸化反応機:カーボネーター)として、ガス吹き込み型カーボネーターと機械攪拌型カーボネーターが知られている。ガス吹き込み型カーボネーターでは、消石灰懸濁液(石灰乳)を入れた炭酸化反応槽に炭酸ガスを吹き込み、消石灰と炭酸ガスとを反応させるが、単純に炭酸ガスを吹き込むだけでは気泡の大きさを均一かつ微細に制御することが難しく、反応効率の点からは制限がある。一方、機械攪拌型カーボネーターでは、カーボネーター内部に攪拌機を設け、その攪拌機の近くに炭酸ガスを導入することによって、炭酸ガスを細かな気泡とし、消石灰と炭酸ガスとの反応効率を向上させている(『セメント・セッコウ・石灰ハンドブック』技報堂出版、1995年、495頁)。
しかし、機械攪拌型カーボネーターのように、炭酸化反応槽内部に設けた攪拌機で攪拌を行う場合、反応液の濃度が高かったり炭酸化反応が進むと反応液の抵抗が大きく十分な攪拌が困難になるため炭酸化反応を的確に制御することが難しかったり、十分な攪拌を行うには攪拌機に相当な負荷がかかりエネルギー的に不利となることがあった。また、ガスの吹込口がカーボネーターの下部にあり、攪拌をよくするために攪拌機の羽根がカーボネーターの底部の近くに設置されている。溶解性が低いライムスクリーン残渣は沈降が速いために、常に底部に滞留しており、ガス吹込口を塞いだり、攪拌機のバランスを崩したりする。さらに、従来の方法では、カーボネーターに加えて、攪拌機や、カーボネーターに炭酸ガスを導入するための設備が必要であり、設備面でもコストがかかるものであった。そして、機械攪拌型カーボネーターでは、攪拌機の近くに供給した炭酸ガスを攪拌機によって細かくすることによって消石灰と炭酸ガスとの反応効率を向上させるものの、反応液の濃度が高い場合などは十分に炭酸ガスを微細化できず、炭酸化反応の面でも、生成する炭酸カルシウムの形態等を正確に制御することが難しいことがあった。本発明においては、キャビテーション気泡の存在下で炭酸カルシウムを合成することによって、効率的に炭酸化反応を進行させ、均一な炭酸カルシウム微粒子を製造することが可能になる。特に噴流キャビテーションを用いることで、羽根などの機械的な攪拌機なしに、十分な攪拌を行うことができる。本発明においては、従来からの公知の反応容器を用いることができ、もちろん、上述したようなガス吹き込み型カーボネーターや機械攪拌型カーボネーターを問題なく使用することができ、これらの容器にノズルなどを用いた噴流キャビテーションを組合せても良い。
炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを合成する場合、消石灰の水性懸濁液の固形分濃度は、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%程度である。固形分濃度が低いと反応効率が低く、製造コストが高くなり、固形分濃度が高すぎると流動性が悪くなり、反応効率が落ちる。本発明においては、キャビテーション気泡の存在下で炭酸カルシウムを合成するため、固形分濃度の高い懸濁液(スラリー)を用いても、反応液と炭酸ガスを好適に混合することができる。
消石灰を含む水性懸濁液としては、炭酸カルシウム合成に一般に用いられるものを使用でき、例えば、消石灰を水に混合して調製したり、生石灰(酸化カルシウム)を水で消和(消化)して調製することができる。消和する際の条件は特に制限されないが、例えば、CaOの濃度は0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、温度は20〜100℃、好ましくは30〜100℃とすることができる。また、消和反応槽(スレーカー)での平均滞留時間も特に制限されないが、例えば、5分〜5時間とすることができ、2時間以内とすることが好ましい。当然であるが、スレーカーはバッチ式であっても連続式であってもよい。なお、本発明においては炭酸化反応槽(カーボネーター)と消和反応槽(スレーカー)とを別々にしてもよく、また、1つの反応槽を炭酸化反応槽および消和反応槽として用いてもよい。
本発明においては、懸濁液の調製などに水を使用するが、この水としては、通常の水道水、工業用水、地下水、井戸水などを用いることができる他、イオン交換水や蒸留水、超純水、工業廃水、炭酸化工程で得られた炭酸カルシウムスラリーを分離・脱水する際に得られる水を好適に用いることできる。
また本発明においては、炭酸化反応槽の反応液を循環させて水酸化カルシウムを含む液体として使用することができる。このように反応液を循環させて、反応液と炭酸ガスとの接触を増やすことにより、反応効率を上げ、所望の炭酸カルシウムを得ることが容易になる。
本発明においては、二酸化炭素(炭酸ガス)を含む気体が反応容器に吹き込まれ、反応液と混合される。本発明によれば、ファン、ブロワなどの気体供給装置がなくとも炭酸ガスを反応液に供給することができ、しかも、キャビテーション気泡によって炭酸ガスが微細化されるため炭酸化反応を効率よく行うことができる。
本発明において、二酸化炭素を含む気体の二酸化炭素濃度に特に制限はないが、二酸化炭素濃度が高い方が好ましい。また、インジェクターに導入する炭酸ガスの量に制限はなく適宜選択することができるが、例えば、消石灰1kgあたり100〜10000L/時の流量の炭酸ガスを用いると好ましい。
本発明の二酸化炭素を含む気体は、実質的に純粋な二酸化炭素ガスでもよく、他のガスとの混合物であってもよい。例えば、二酸化炭素ガスの他に、空気、窒素などの不活性ガスを含む気体を、二酸化炭素を含む気体として用いることができる。また、二酸化炭素を含む気体としては、二酸化炭素ガス(炭酸ガス)の他、製紙工場の焼却炉、石炭ボイラー、重油ボイラーなどから排出される排ガスを二酸化炭素含有気体として好適に用いることができる。その他にも、石灰焼成工程から発生する二酸化炭素を用いて炭酸化反応を行うこともできる。
本発明の炭酸カルシウムの製造方法においては、さらに公知の各種助剤を添加することができる。例えば、キレート剤を炭酸化反応に添加することができ、具体的には、
クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などのポリヒドロキシカルボン酸、シュウ酸などのジカルボン酸、グルコン酸などの糖酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそれらのアルカリ金属塩、ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸などのポリリン酸のアルカリ金属塩、グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸およびこれらのアルカリ金属塩、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸アリルなどのケトン類、ショ糖などの糖類、ソルビトールなどのポリオールが挙げられる。また、表面処理剤としてパルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、アビエチン酸等の樹脂酸、それらの塩やエステルおよびエーテル、アルコール系活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル類、アミド系やアミン系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、長鎖アルキルアミノ酸、アミンオキサイド、アルキルアミン、第四級アンモニウム塩、アミノカルボン酸、ホスホン酸、多価カルボン酸、縮合リン酸などを添加することができる。また、必要に応じ分散剤を用いることもできる。この分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アクリル酸−マレイン酸共重合体アンモニウム塩、メタクリル酸−ナフトキシポリエチレングリコールアクリレート共重合体、メタクリル酸−ポリエチレングリコールモノメタクリレート共重合体アンモニウム塩、ポリエチレングリコールモノアクリレートなどがある。これらを単独または複数組み合わせて使用することができる。また、添加のタイミングは炭酸化反応の前でも後でも良い。このような添加剤は、消石灰に対して、好ましくは0.001〜20%、より好ましくは0.1〜10%の量で添加することができる。
また、本発明においては、炭酸化反応には直接的に関与しないが、生成物である炭酸カルシウムに取り込まれて複合粒子を生成するような物質を用いることができる。このような物質としては、パルプ繊維を始めとする繊維状物質や無機粒子、有機粒子、ポリマーなどを挙げることができ、例えば、製紙工場の排水から回収された繊維状物質を本発明の炭酸化反応に供給してもよい。このような物質を反応槽に供給することにより、種々の複合粒子を合成することができ、また、形状的にも繊維状粒子などを合成することができる。
反応条件
本発明において炭酸化反応の条件は、特に制限されず、用途に応じて適宜設定することができる。例えば、炭酸化反応の温度は0〜90℃とすることができ、10〜70℃とすることが好ましい。反応温度は、反応液の温度を温度調節装置によって制御することができ、温度が低いと反応効率が低下しコストが高くなる一方、90℃を超えると粗大な炭酸カルシウム粒子が多くなる傾向がある。
また、本発明において炭酸化反応はバッチ反応とすることもでき、連続反応とすることもできる。一般に、炭酸化反応後の残存物を排出する便利さから、バッチ反応工程を行うことが好ましい。反応のスケールは特に制限されないが、100L以下のスケールで反応させてもよいし、100L超のスケールで反応させてもよい。反応容器の大きさは、例えば、10L〜100L程度とすることもできるし、100L〜1000L程度としてもよい。
さらに、炭酸化反応は、反応懸濁液のpHをモニターすることにより制御することができ、反応液のpHプロファイルに応じて、例えばpH9未満、好ましくはpH8未満、より好ましくはpH7のあたりに到達するまで炭酸化反応を行うことができる。
一方、反応液の電導度をモニターすることにより炭酸化反応を制御することも出来る。電導度が1mS/cm以下に低下するまで炭酸化反応を行うことが好ましい。
さらにまた、炭酸化反応は、反応時間によって制御することができ、具体的には、反応物が反応槽に滞留する時間を調整して制御することができる。その他、本発明においては、炭酸化反応槽の反応液を攪拌したり、炭酸化反応を多段反応とすることによって反応を制御することもできる。
本発明において、反応生成物である炭酸カルシウムは懸濁液として得られるため、必要に応じて、貯蔵タンクに貯蔵したり、濃縮・脱水、粉砕、分級、熟成、分散などの処理を行うことができる。これらは公知の工程によることができ、用途やエネルギー効率などを考慮して適宜決定すればよい。例えば濃縮・脱水処理は、遠心脱水機、沈降濃縮機などを用いて行われる。この遠心脱水機の例としては、デカンター、スクリューデカンターなどが挙げられる。濾過機や脱水機を用いる場合についてもその種類に特に制限はなく、一般的なものを使用することができるが、例えば、フィルタープレス、ドラムフィルター、ベルトプレス、チューブプレス等の加圧型脱水機、オリバーフィルター等の真空ドラム脱水機などを好適に用いて炭酸カルシウムケーキとすることができる。分級の方法としては、メッシュ等の篩、アウトワード型もしくはインワード型のスリットもしくは丸穴スクリーン、振動スクリーン、重量異物クリーナー、軽量異物クリーナー、リバースクリーナー、篩分け試験機等が挙げられる。分散の方法としては、高速ディスパーザー、低速ニーダーなどが挙げられる。
本発明においては、反応液中の未反応成分と炭酸カルシウムとを分離するためふるい分けを行うことができ、例えば、湿式の振動ふるいを用いることができる
本発明によって得られた炭酸カルシウムは、完全に脱水せずに懸濁液の状態で填料や顔料に配合することもできるが、乾燥して粉体とすることもできる。この場合の乾燥機についても特に制限はないが、例えば、気流乾燥機、バンド乾燥機、噴霧乾燥機などを好適に使用することができる。
また、本発明によって得られる炭酸カルシウムは、微細な一次粒子が凝集した二次粒子の形態を取ることが多いが、熟成工程によって用途に応じた二次粒子を生成させることができるし、粉砕によって凝集塊を細かくすることもできる。粉砕の方法としては、粉砕の方法としては、ボールミル、サンドグラインダーミル、インパクトミル、高圧ホモジナイザー、低圧ホモジナイザー、ダイノーミル、超音波ミル、カンダグラインダ、アトライタ、石臼型ミル、振動ミル、カッターミル、ジェットミル、離解機、叩解機、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等が挙げられる。
本発明によって得られる炭酸カルシウムは、公知の方法によって改質することが可能である。例えば、ある態様においては、その表面を疎水化し、樹脂などとの混和性を高めたりすることが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。また、本明細書において特に記載しない限り、濃度や部などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:炭酸カルシウム微粒子の合成(その1)
消石灰(水酸化カルシウム:Ca(OH))の2%水性懸濁液9.5Lを、45L容のキャビテーション装置に入れ、装置の反応容器内に炭酸ガスを吹き込んで炭酸ガス法によって炭酸カルシウム粒子を合成した。反応温度は約25℃、炭酸ガスの吹き込み量は12L/minであり、反応液のpHが約7になった段階で反応を停止した(反応前のpHは約12.8)。
炭酸カルシウムの合成においては、比較例であるサンプル3を除いては、図1に示すように反応溶液を循環させて反応容器内に噴射することよって、反応容器内にキャビテーション気泡を発生させた。具体的には、ノズル(ノズル径:1.5mm)を介して高圧で反応溶液を噴射してキャビテーション気泡を発生させたが、噴流速度は約70m/sであり、入口圧力(上流圧)と出口圧力(下流圧)は、以下の表に示したとおりである。
また、反応容器に吹き込む炭酸ガス(純度:100%)について、その吹き込み量を12L/min(サンプル1)から4L/min(サンプル4)に少なくした場合、原料である消石灰の水性懸濁液について、その濃度を2%(サンプル1)から15%(サンプル5)に変更した場合についても実験を行った。
得られた炭酸カルシウムについて、BET比表面積、吸油量を測定し、電子顕微鏡写真を撮影した。吸油量の測定はJIS K5101の方法により行った。結果を、以下の表および図に示す。
本発明にしたがって消石灰と炭酸ガスとを反応させる際にキャビテーション気泡を存在させた場合、反応時間が4〜6分間と短くても、平均粒子径が200nm以下の極めて粒子径の小さな炭酸カルシウムを製造することができ、粒子の形状も極めて均一であった(サンプル1,2,4,5)。また、キャビテーションを発生させる際の出口側圧力を若干高くした場合(サンプル2)も、サンプル1と同様に、炭酸カルシウム微粒子を効率良く合成することができた。さらに、反応容器に吹き込む炭酸ガスについて、その吹き込み量を12L/min(サンプル1)から4L/min(サンプル4)に少なくした場合であっても、炭酸カルシウムの微粒子を製造することができた。さらにまた、原料である消石灰の水性懸濁液について、その濃度を2%(サンプル1)から15%(サンプル5)に変更しても、反応時間を長くすることによって、炭酸カルシウムの微粒子を製造することができた。
消石灰と炭酸ガスとを反応させる際にキャビテーション気泡を存在させなかった場合、反応時間が4.5分間(270秒間)であると、炭酸カルシウム粒子の形状が不定形であり、炭酸カルシウムの微粒子を製造することができなかった(サンプル3)。
実験2:炭酸カルシウム微粒子の合成(その2:入口圧力の変更)
キャビテーションの入口側圧力と炭酸ガスの吹き込み流量を以下の表のように変更した以外は、実験1のサンプル1と同様にして炭酸カルシウム微粒子を合成した(ただし、水酸化カルシウムの懸濁液の使用量は12Lとした)。
このようにして得られた炭酸カルシウムについて、BET比表面積、吸油量を測定し、電子顕微鏡写真を撮影した。
電子顕微鏡写真を観察した結果、いずれの入口圧力においても、本発明に基づいてキャビテーションを利用して炭酸カルシウムを合成することによって、一次粒子径が100nm以下の炭酸カルシウム微粒子を合成することができた。
実験3:炭酸カルシウム微粒子の合成(その3:添加剤)
各種添加物を添加した以外は、実験1のサンプル1と同様にして炭酸カルシウム微粒子を合成した。具体的には、以下のとおりである。
(サンプル9:糖) 水酸化カルシウムに対して5重量%の糖(グラニュー糖)を反応容器に添加してから、サンプル1と同様にして炭酸カルシウム微粒子を合成した。
(サンプル10・11:カチオン性ポリマー) 水酸化カルシウムに対して1重量%のカチオン性ポリマー(電荷密度0.58meq./g、ハリマ化成GS−3)を反応容器に添加して炭酸カルシウム微粒子を合成した。カチオン性ポリマーの添加タイミングは、サンプル10では反応前、サンプル11では反応後とした。
(サンプル12:ロジン) 水酸化カルシウムに対して1重量%のロジン(星光PMC、ロジンサイズ剤CC1401)を反応容器に添加して炭酸カルシウム微粒子を合成した。ロジンは、反応前の反応容器に添加した。
(サンプル13〜15:パルミチン酸) 水酸化カルシウムに対して5重量%のパルミチン酸(和光純薬)を反応容器に添加して炭酸カルシウム微粒子を合成した。パルミチン酸の添加タイミングを変えて実験を行ったが、反応前(サンプル13)は反応前の反応容器にパルミチン酸を添加し、反応後・加熱(サンプル14)はパルミチン酸を少量の水に分散後、約95℃の温浴にて加熱溶融させたものを炭酸化反応終了後に添加、反応後・鹸化(サンプル15)はパルミチン酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、約95℃の温浴で加熱したものを炭酸化反応終了後に添加した。
(サンプル16・17:分散剤) 水酸化カルシウムに対して0.5重量%の分散剤(東亞合成アロンT50)を反応容器に添加して炭酸カルシウム微粒子を合成した。分散剤の添加タイミングは、サンプル16では反応前、サンプル17では反応後とした。
このようにして得られた炭酸カルシウムについて、BET比表面積、吸油量を測定し、電子顕微鏡写真を撮影した。
電子顕微鏡で観察したところ、本発明に基づいてキャビテーションを利用して炭酸カルシウムを合成することによって、添加剤を添加しない場合(サンプル1)と同様に、各種添加剤を添加した場合(サンプル9〜17)も、一次粒子径が100nm程度の炭酸カルシウム微粒子を合成することができた。また、カチオン性ポリマーを反応前に添加することによって炭酸カルシウム微粒子の粒径が大きくなる傾向があること、ロジンを反応前に添加することによって炭酸カルシウム微粒子の凝集性が弱まることが確認できた。
実験4:炭酸カルシウム微粒子の合成(その4:スケールアップ)
実験スケールを大きくして炭酸カルシウム微粒子を合成する実験を行った。500L容の反応装置を用い、消石灰の2%水性懸濁液の量を100Lとした以外は、実験1と同様にして炭酸カルシウム微粒子を合成した。
結果を以下の表および図10に示す(サンプル18)。
実験5:炭酸カルシウム微粒子の合成(その5:2流体ノズルの使用)
図11に示すような2流体ノズルを用いて、消石灰懸濁液と二酸化炭素ガスとを合流させながら反応容器に吐出して炭酸カルシウム微粒子を合成した。反応装置の模式図を図12に示すが、基本的には、実験1と同様にして炭酸カルシウム微粒子を合成した。なお、表の開口面積(倍率)とは、実験1で用いたノズルの開口面積に対する2流体ノズルの開口面積の面積比を言う。
(実験5−1:サンプル19)
キャビテーション入口圧を3.5MPa、二酸化炭素流量を10L/minとした他は、実験1と同様に合成した(図13)。
(実験5−2:サンプル20)
二酸化炭素流量を10L/minとした他は、実験1と同様に合成した(図14)。
(実験5−3:サンプル21)
二酸化炭素流量を5L/minとした他は、サンプル20と同様に合成した(図15)。
(実験5−4:サンプル22)
キャビテーションを発生させないような圧力で反応させた他は、サンプル20と同様に合成した(図16)。
(実験5−5:サンプル23)
水酸化カルシウムの仕込み濃度を10%とした他は、サンプル22と同様に合成した(図17)。
結果を以下の表および図に示すが、本発明によって、一次粒子径が100nm以下の炭酸カルシウム微粒子を合成することができた。なお、サンプル22〜23のようにキャビテーションを発生させなかった場合、サンプル19〜21と比べて一次粒子径が大きく、バラツキが大きくなり、1次粒子の形状が不明瞭なものが一部見られた。
実験6:炭酸カルシウム微粒子の合成(その6:疎水化)
炭酸カルシウム微粒子を改質する実験を行った。実験1のサンプル5のスラリーを自然沈降により濃縮し(濃度24%、650mL)、それに、90℃の温水(30mL)で溶解したオレイン酸ナトリウム(4.6g)を添加し、ラボミキサーで5分間撹拌した。
反応後のスラリーをカバーガラス上に広げて乾燥後、動的接触角試験機(1100DAT、Fibro System AB製)を用いて、水を滴下後0.1秒の時点での接触角を測定した。
以下の表に示すとおり、オレイン酸ナトリウムを添加する前は0°であった接触角が添加後は140°となっていたことから、オレイン酸を添加することによって炭酸カルシウムが疎水化されたことを確認できた。
実験7:炭酸カルシウム微粒子の合成(その7:多段反応)
実験1で合成した炭酸カルシウム微粒子に対して、さらに炭酸ガスを吹き込んで炭酸カルシウム微粒子を合成した。サンプル5のスラリー(濃度17%、3540g)に消石灰600gを添加し、水道水で全量を12Lとした。この反応液を用いて、実験1のサンプル5と同様の条件でキャビテーション気泡の存在下で炭酸ガスと反応させ、炭酸カルシウム微粒子を合成した(サンプル24)。
結果を以下の表および図に示す。実験結果から明らかなように、合成した炭酸カルシウム微粒子に消石灰を追加してさらに炭酸カルシウムを合成しても炭酸カルシウム微粒子を合成することができた。電子顕微鏡で観察したところ(図18、5万倍)、サンプル5の炭酸カルシウム微粒子の平均粒子径は70nm程度であったが、本実験で得られた炭酸カルシウム微粒子の平均粒子径は約180nmであり、多段階で反応させることによって、炭酸カルシウム微粒子の粒子径を容易にコントロールすることができた。
実験8:炭酸カルシウム微粒子の評価(パルプ繊維に対する定着性)
以下の手順で、パルプ繊維に対する炭酸カルシウム微粒子の定着性を評価した。下記に示すように、一次粒子径が1μm以下の炭酸カルシウム微粒子は、繊維と炭酸カルシウムを混合するだけで容易に繊維に定着させることができた。
(実験8−1)
LBKP(CSF=460mL)0.45gと軽質炭酸カルシウム(実験5−3のサンプル21)2.05gをダイナミックドレネージジャー(DDJ、200メッシュ、800rpm)中で撹拌後、脱水した。
得られたサンプルを大量のエタノール中に分散し、繊維に定着していない炭酸カルシウムを分離した後の繊維表面を電子顕微鏡で観察した(図19、倍率1000倍)。図から明らかなように、得られたサンプル(D1)は、バインダーなどの薬品を添加していないにも関わらず、炭酸カルシウム微粒子が繊維に自己定着し、繊維表面を覆いつくしていた。
(実験8−2)
サンプル21の代わりに平均粒径約3.5μmの軽質炭酸カルシウムを用いた以外は、実験8−1と同様にして、炭酸カルシウムの繊維への定着性を評価した。
得られた複合体を大量のエタノール中に分散し、繊維に定着していない炭酸カルシウムを分離した後の繊維表面を電子顕微鏡で観察した(図20、倍率1000倍)。図に示されるように、平均粒径が3.5μmの炭酸カルシウムは、繊維の所々に凝集体が付着している程度で、自己定着しているものは少なかった。
実験9:炭酸カルシウム微粒子を内添した紙の製造
本発明の炭酸カルシウム微粒子を填料として内添して紙を製造した。LBKP(CSF:約400mL)を離解したパルプスラリーに炭酸カルシウムをシート灰分が20〜50%になるような割合で混合し、歩留剤(ND300およびFA230、いずれもハイモ社製)をそれぞれ100ppm添加し、500rpmにて撹拌して紙料を調成した。炭酸カルシウムとしては、本発明の炭酸カルシウム微粒子(実験1のサンプル5)および軽質炭酸カルシウム(平均粒径:約3.5μm、比較例)を使用した。
得られた紙料を用いて、JIS P 8222に基づいて坪量が約62g/mの手抄シートを製造し、ラボチルドレンダーにて65kgf/cmでカレンダー処理した。
このようにして得られた手抄きシートについて、以下の項目を評価した。
・坪量 :JIS P 8124:1998
・厚さ :JIS P 8118:1998
・密度 :厚さ、坪量の測定値より算出
・灰分 :JIS P 8251:2003
・白色度 :JIS P 8212:1998
・不透明度 :JIS P 8149:2000
・透気抵抗度 :JIS P8117:2009
・平滑度 :JIS P 8155:2010
上記の表に示すように、本発明の炭酸カルシウム微粒子を紙に内添すると、透気抵抗度の大きな紙を製造することができた。また、平均粒子径が大きい炭酸カルシウムを用いた場合と比較して、本発明の炭酸カルシウムは極めて紙に歩留りやすいことが明らかになった。

Claims (8)

  1. キャビテーション気泡の存在下で炭酸カルシウムを合成することを含む、平均一次粒子径が1μm未満の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
  2. キャビテーション気泡の存在下で、消石灰の水性懸濁液と二酸化炭素を含む気体とを反応させる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 反応容器内に液体を噴射することによってキャビテーション気泡を発生させる、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 消石灰の水性懸濁液を反応容器内に噴射することによってキャビテーション気泡を発生させる、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 消石灰の水性懸濁液として、前記反応容器から循環させた反応液を用いる、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 合成した平均一次粒子径が1μm未満の炭酸カルシウム粒子に、さらに炭酸ガスを吹き込んで炭酸カルシウム微粒子を合成する、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 炭酸カルシウム粒子を改質することをさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかの方法で合成された炭酸カルシウム微粒子。
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