JP2015199619A - 多結晶シリコンの洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多結晶シリコンを洗浄してその不純物量を低減できる洗浄方法において、均一なエッチングを可能とし、さらには、金属不純物を低減することができ、加えて炭素成分をも低減することができる、多結晶シリコンを洗浄する方法を提供する。
【解決手段】多結晶シリコンを、界面化性剤、フッ化水素、硝酸、及び水を含む第一混合溶液と接触させる工程、並びに前記工程を経た多結晶シリコンを、過酸化水素水と接触させる工程を含むことを特徴とする多結晶シリコンの洗浄方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、多結晶シリコンの新規な洗浄方法に関する。
多結晶シリコンは、高純度の半導体材料の原料として用いられており、その純度に関する要求は高まっている。通常、多結晶シリコンは、シーメンス法、流動層法によって製造されているが、製造工程において不可避的に金属不純物が含まれてしまう。また、シーメンス法で製造される多結晶シリコンは、通常、棒状であり、この棒状の多結晶シリコンを高純度の半導体材料の原料とする場合には、所定の長さのロッドに切断したり、タングステン製のハンマー等で適当な塊状に粉砕する必要がある。この際、切断、および/または粉砕された塊状の多結晶シリコンの表面に、金属不純物が付着してしまう。
このような金属不純物を取り除くため、様々な検討がなされている。通常、酸、フッ化水素酸(フッ酸)、又はフッ酸と硝酸とを含むフッ硝酸溶液と多結晶シリコンとを接触させて、多結晶シリコンの洗浄、エッチングを行い、金属不純物の除去(低減)を行っている。その中でも、少ない洗浄液量で効率よく多結晶シリコンの表面を洗浄する方法として、以下の方法が提案されている。具体的には、多結晶シリコンをフッ酸液で洗浄した後、フッ酸と硝酸の混合液でエッチング処理する方法が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載の方法によれば、フッ酸液で多結晶シリコン表面の汚染された酸化膜の除去を行い、次いで、シリコン表面をエッチングするため、効率よく、鉄、銅、タングステン等の金属不純物を低減ができる。
しかしながら、上記方法においては、以下の点で改善の余地があることが分かった。特許文献1の方法では、液量(洗浄液量、エッチング液量)、およびエッチング量を低減するため、50質量%のフッ酸水溶液と70質量%の硝酸水溶液を1:50の体積比で混合した、比較的、酸濃度の低いフッ硝酸液を使用することしか示されてない。そのため、この方法では、エッチング量は少なくできるが、そのエッチングに非常に時間がかかるという問題があった。
また、シリコン表面の酸化膜を均一に除去するために、フッ酸水溶液に界面活性剤を含有させたエッチング剤が提案されている(特許文献2参照)。具体的には、特許文献2には、シリコン基板表面へのエッチング剤の濡れ性を向上させ、該エッチング剤そのものの低粒子性を確保し、該基板の平滑処理、クリーニング性、および酸化膜のエッチング効果を高めるため、フッ酸水溶液にHLB値が7〜17の炭化水素系非イオン界面活性剤を配合したエッチング剤について示されている。この方法によれば、エッチング剤の濡れ性が向上するため、均一に酸化膜を除去することができ、しかも、付着粒子を低減できる。
特開2006−327838号公報 特開平6-232107号公報
本発明者等は、上記界面活性剤を含むエッチング剤を多結晶シリコン、特に、粉砕して得られた塊状の多結晶シリコンのエッチングに使用したところ、均一に酸化膜を除去することができ、ある程度、金属不純物を低減できることが分かった。
しかしながら、上記界面活性剤を含むエッチング剤を使用した場合、以下の点で改善の余地があることが分かった。すなわち、界面活性剤を含むエッチング剤を使用すると、エッチング後の多結晶シリコンに炭素成分が残留することが分かった。この残留した炭素成分は、界面活性剤であると考えられ、基板よりもその表面に残存し易い、破砕して得られた塊状の多結晶シリコンをエッチングする場合に、炭素成分が残留する傾向が高かった。炭素成分が塊状の多結晶シリコン上に残存すると、その後の単結晶シリコンウェハ等の製造に悪影響を与えるため、改善の余地があった。
したがって、本発明の目的は、界面活性剤を含むエッチング剤を使用して均一なエッチングを行って金属不純物を低減しながら、かつ、炭素残留量を低減できる、多結晶シリコンの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した。そして、塊状の多結晶シリコンにおいて、残留した炭素成分を低減できる方法について検討したところ、過酸化水素水を接触させることにより、多結晶シリコンに残留した炭素成分、推定ではあるが残存した界面活性剤を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、多結晶シリコンを、界面化性剤、フッ化水素、硝酸、及び水を含む第一混合溶液と接触させる工程、並びに前記工程を経た多結晶シリコンを、過酸化水素水と接触させる工程を含むことを特徴とする多結晶シリコンの洗浄方法である。
前記方法においては、金属不純物を効率よく低減するためには、前記第一混合溶液は、水100質量部に対して、界面活性剤を0.01〜1質量部、フッ化水素を1〜10質量部、硝酸を75〜250質量部含むことが好ましい。また、該第一混合溶液の中でも、金属不純物をより効率よく低減するためには、前記第一混合溶液は、硝酸に対するフッ化水素の質量比(フッ化水素の質量/硝酸の質量)が10〜50とすることが好ましい。
さらに、本発明においては、より短時間で炭素成分を低減するためには、前記過酸化水素水は、過酸化水素の濃度が5〜30質量%であることが好ましい。
また、金属不純物を効率よく低減するためには、前記界面活性剤が、ラウリル硫酸塩であることが好ましい。
本発明によれば、多結晶シリコンに含まれる金属不純物量にもよるが、比較的短時間で高度に金属不純物を低減することができ、しかも、炭素成分をも低減することができる。
本発明の多結晶シリコンの洗浄方法は、少なくとも、多結晶シリコンを、界面化性剤、フッ化水素、硝酸、及び水を含む第一混合溶液と接触させる工程(以下、この工程を単に「エッチング工程」とする場合もある)、及び前記工程を経た多結晶シリコンを、過酸化水素水と接触させる工程(以下、この工程を単に「精製工程」とする場合もある)を含むものである。以下、本発明の具体的な態様、例えば、洗浄の対象となる多結晶シリコン、第エッチング工程、精製工程、およびその他の工程等について詳細に説明する。
(洗浄の対象となる多結晶シリコン)
本発明において、エッチング工程でエッチング(洗浄)の対象となる多結晶シリコン(以下、単に「対象物」とする場合もある)は、特に制限されるものではないが、半導体材料の原料として使用するものを対象とすることが好ましい。このような多結晶シリコンは、金属不純物量が少なく、高品質でなければならないため、本発明の対象物として好適である。
洗浄の対象となる多結晶シリコンの形状は、特に制限されるものではない。そのため、基板状のものを対象とすることができるが、本発明の方法は、次の形状の多結晶シリコンの洗浄に最も効果を発揮する。具体的には、長さ0.1〜20cm、幅0.1〜20cmの塊状である多結晶シリコンを対象とすることが好ましい。このような塊状の多結晶シリコンは、基板状のものと比較してその表面に界面活性剤が付着して残り易いものと考えられる。そのため、本発明の方法は、塊状の多結晶シリコンの洗浄に好適に採用でき、特に、粉砕して得られる、塊状の多結晶シリコンの洗浄に好適に採用できる。
多結晶シリコンは、通常、シーメンス法、流動層法で製造されるが、それらは上記範囲の塊状物として得られる。そして、その中でもシーメンス法で得られる多結晶シリコンは、通常、棒状で得られ、切断、粉砕等を行い長さ0.1〜20cm、幅0.1〜20cmの塊状物となる。本発明は、この塊状物を対象とすることが特に好ましい。つまり、上記方法で得られる塊状物は、製造時に含まれる不可避的な金属不純物の他、切断・粉砕等の工程で付着する金属不純物を含むため、本発明の対象物として好適である。本発明によれば、粉砕等を行った不定形(不均一な方面状態)の塊状物(塊状の多結晶シリコン)であっても、変色による歩留まりの低下を防ぎ、しかも、金属不純物を効果的に低減できる。
また、本発明において、洗浄の対象となる多結晶シリコンは、金属不純物として、鉄、タングステン、クロム、チタン等を含むものである。また、それら金属不純物の量は、特に制限されるものではないが、本発明によれば、1ppbw以上の量の金属不純物を含む多結晶シリコンであっても、十分にその量を低減することができる。なお、金属不純物量の上限値は、特に制限されるものではないが、100ppbwである。金属不純物量が100ppbwを超える場合であっても、本発明の方法は効果を発揮するが、金属不純物量が100ppbwを超える場合には、先ず他の方法で処理した後、本発明の方法で処理することにより、効率がよくなる。本発明において、金属不純物量は、下記の実施例に記載した方法で測定した値を指す。
さらに、本発明においては、炭素成分が含まれる対象物に対しても効果的である。すなわち、本発明においては、後述する精製工程おいてエッチング工程を経た対象物と過酸化水素水とを接触させるため、界面化性剤以外の炭素成分、例えば、多結晶シリコン製造時に含まれる炭素成分をも低減することができる。
次に、このような対象物を、エッチング工程について具体的に説明する。
(エッチング工程)
本発明においては、先ず、上記対象物を界面化性剤、フッ化水素、硝酸、及び水を含む第一混合溶液と接触させる(エッチング工程を実施する)。このエッチング工程においては、粉砕等により塊状とした多結晶シリコンをそのまま第一混合溶液と接触させることができる。
また、以下の前処理を行った多結晶シリコンを対象物とすることができる。具体的には、塊状とした多結晶シリコンを水で洗浄した後、第一混合溶液と接触させることもできる。または、多結晶シリコンを、界面活性剤を含まないエッチング液(例えば、フッ化水素と水を含むエッチング液、フッ化水素、硝酸、及び水を含むエッチング液)と予め接触させたものを第一混合溶液と接触させることもできる。なお、当然のことではあるが、前記前処理は、それぞれ組み合わせた処理であってもよい。中でも、水で洗浄した多結晶シリコンをエッチング工程で使用することにより、多結晶シリコンの最表層に付着しているだけの不純物量が低減し、第一混合溶液への負荷が低減し、該液の寿命が長くなる。水で洗浄する場合、当然のことではあるが、多結晶シリコンへ悪影響を及ぼさない、金属含有量の少ない水を使用する。中でも好ましいのは、超純水を使用することが好ましい。
このエッチング工程では、界面活性剤を含む第一混合溶液を使用することを特徴とする。界面活性剤を含む多結晶シリコンのエッチング液は、従来技術にもある通り、エッチング液の濡れ性を向上し、均一なエッチング効果を発揮するため、金属不純物等の低減が効率よく実施できる。その他、フッ化水素、硝酸を含むエッチング液においては、窒素酸化物の発生を抑制したり、エッチング時に発生する水素ガスの気泡の除去などが容易となる利点がある。
しかしながら、その反面、多結晶シリコンの表面に界面化性剤が残留し易い、特に、粉砕等により塊状にした多結晶シリコンでは、界面活性剤がその表面に残留し易いということ(欠点)が本発明者等の検討によって明らかとなった。
本発明は、界面活性剤を使用することの利点を生かし、その欠点を解消するものである。そのため、本発明は、エッチング工程と下記に詳述する精製工程が必須の工程となる。
次に、このエッチング工程で使用する第一混合液について説明する。
第一混合溶液の配合等
エッチング工程で使用する第一混合液は、界面化性剤、フッ化水素、硝酸、及び水を含むものである。
第一混合溶液において、界面活性剤は、特に制限されるものではなく、シリコン基板のエッチングに配合される公知の界面化性剤を使用することができる。その中でも、イオン性の界面活性剤であることが好ましく、特に、アニオン性界面活性剤であることが好ましい。より具体的に化合物名を例示すれば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩リン酸塩を挙げることができる。その中でも、不純物をより低減できるという点から、硫酸エステル塩であることが好ましく、さらに言えば、硫酸エステルのアンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩である事が好ましく、具体的には、炭素数がC6〜C18のアルキル硫酸アンモニウムであることが好ましい。そして、本発明の効果を最も発揮するのは、ラウリル硫酸アンモニウムである。
第一混合液において、該液に含まれる各成分の配合割合は、対象物の前処理条件、対象物に含まれる金属不純物量、炭素成分量等に応じて、適宜最適な割合を決定すればよいが、以下の配合割合とすることが好ましい。
具体的には、水100質量部に対して、界面活性剤を0.01〜1質量部、フッ化水素を1〜10質量部、硝酸を75〜250質量部含むことが好ましい。この範囲であれば、繰り返しての使用も可能となる。
界面活性剤の配合量が0.01〜1質量部の範囲であることにより、対象物との濡れ性を控除することができ、均一なエッチングを行うことができる。この効果をより高めるためには、界面活性剤は、0.03〜0.5質量部とすることがより好ましく、0.05〜0.01質量部とすることがさらに好ましい。
また、フッ化水素の配合量が1〜10質量部であり、硝酸(水を含まない硝酸の状態)の配合量が75〜250質量部であることにより、比較的短時間で金属不純物を低減することができる。より金属不純物の低減効果を高めるためには、フッ化水素は、2〜6質量部であることがより好ましく、4〜6質量部であることがさらに好ましい。このような配合割合の中でも、フッ化水素に対する硝酸の質量比(硝酸の質量/フッ化水素の質量)が10〜50であることが好ましい。該質量比が10〜50であることにより、界面活性剤の濡れ性向上効果とエッチング効果とが相乗的に高くなり、金属不純物を低減する効果が高くなる。エッチング量、反応の安定性、不良率の観点から、15〜50がさらに好ましい。
前記第一混合溶液は、フッ化水素が溶解した水溶液(以下、フッ酸とする)、硝酸水溶液、及び界面活性剤を混合して製造することができる。また、対象物と必要に応じて界面活性剤を含むフッ酸とを接触させ、それに必要に応じて界面化性剤を含む硝酸水溶液を追加して第一混合溶液とすることもできる。さらには、対象物と必要に応じて界面活性剤を含む硝酸水溶液とを接触させ、それに必要に応じて界面活性剤を含むフッ酸を追加して第一混合溶液とすることもできる。その中でも、操作性、使用した混合溶液の繰り返し使用を考慮すると、第一混合溶液は、フッ酸、硝酸水溶液、界面活性剤とを混合した混合溶液を使用することが好ましい。
なお、第一混合溶液に使用する水は、金属不純物の少ない水が使用される。中でも、超純水を使用することが好ましい。また、第一混合溶液を製造する際には、フッ化水素ガスを使用することもできるが、フッ酸と硝酸水溶液を使用することが好ましい。このフッ酸は、40〜60質量%の濃度のものを使用することが好ましい。また、硝酸水溶液は、60〜95質量%の濃度のものを使用することが好ましい。使用するフッ酸、硝酸水溶液は、高純度の市販のものを使用することができる。
前記第一混合溶液には、公知の添加剤、例えば、その他、ケイ酸、酢酸、塩酸、硫酸等のエッチングの反応を阻害しないような酸を配合することもできる。第一混合溶液を繰り返して使用する場合には、最初のエッチング反応と繰り返しエッチングする際のエッチング差を少なくするため、初めから第一混合溶液に珪素を配合してもよい。繰り返し使用時に各バッチでエッチング量を安定させるためには、最初の第一混合溶液に、亜硝酸塩、酸化窒素(NOx)を配合しておくこともできる。
第一混合溶液と対象物との接触方法
第一混合溶液によるエッチング方法は、対象物と第一混合溶液とを接触させればよい。第一混合液が対象物と接触することにより、対象物(多結晶シリコン)の表面が溶解され、それと共に表面に付着した金属不純物を低減することができる。具体的な方法としては、第一混合液中に対象物を浸漬する方法を採用することができる。
第一混合溶液により対象物をエッチングする際の温度は、特に制限されるものではないが、第一混合溶液の温度が0〜70℃となることが好ましく、さらには10〜60℃となることが好ましく、特に20〜50℃となることが好ましい。
また、エッチング量、エッチング時間は、対象物の大きさ、形状、金属不純物量、エッチング時の温度、および第一混合溶液の濃度等に応じて適宜決定すればよいが、エッチング量として対象物が表面から1〜30μmエッチングされることが好ましく、さらに2〜20μmエッチングされることが好ましく、特に3〜10μmエッチングされることが好ましい。本発明によれば、このエッチング量であれば十分に金属不純物を低減することができる。また、対象物を複数回、第一混合溶液と接触させることもできる。
その他、第一混合溶液は、繰り返し使用することができるが、繰り返し使用する場合には、濃度調整のため、フッ酸、硝酸水溶液、界面活性剤を追加することもできる。
以上に記載の方法により、先ず、エッチング工程を実施する。次いで、エッチング工程を実施した多結晶シリコンは、精製工程で洗浄される。なお、該エッチング工程でエッチングし、次の精製工程で精製の対象となる多結晶シリコン(以下、精製対象物とする場合もある)は、エッチング工程後そのまま精製工程で処理することもできるが、例えば、界面活性剤を含まない、洗浄水、及び/又はエッチング剤と接触させた後、精製工程で処理することもできる。具体的には、精製対象物は、超純水、フッ化水素及び水を含むエッチング剤、フッ化水素、硝酸及び水を含むエッチング剤等と接触させた後、精製工程で処理することもできる。これら洗浄水、及び/又はエッチング剤との接触については、目的とする洗浄が達成できるように、適宜、それらの濃度、接触回数等を調整してやればよい。
次に精製工程について説明する。
(精製工程)
エッチング工程を経て得られる多結晶シリコン(精製対象物)は、過酸化水素水と接触させる。
過酸化水素水と精製対象物とを接触させることにより、精製対象物から炭素成分を低減することができる。この炭素成分は、第一混合容液に含まれる界面活性剤、多結晶シリコン製造時に含まれる炭素成分であると考えられる。
精製工程で使用する過酸化水素水の濃度は、特に制限されるものではないが、優れた効果を発揮するためには、過酸化水素が5〜30質量%であることが好ましい。より高い炭素低減効果を示すためには、過酸化水素が5〜30質量%であることがより好ましい。なお、過酸化水素水に使用する水は、金属含有量の少ないものを使用することが好ましく、超純水を使用することが好ましい。
この過酸化水素水には、界面活性剤以外の公知の添加剤を配合することができる。例えば、酸化剤等を配合することができる。ただし、得られる精製物の純度を考えると、これら添加物の配合量は10質量%以下であることが好ましい。
精製対象物と過酸化水素水との接触方法は、特に制限されるものではなく、具体的には、洗浄液中に対象物を浸漬する方法を採用すればよい。また、接触時の温度は、15〜50℃であることが好ましく、20〜30℃であることがより好ましい。接触時間は、精製対象物の大きさ、形状、金属不純物量、温度、および過酸化水素の濃度等を考慮して適宜決定すればよい。通常、1〜60分であれば十分である。
精製工程は、多段階で実施することもできる。各段階での過酸化水素水の濃度は、同じであっても、異なっていてもよい。
なお、精製対象物、精製工程後の多結晶シリコン等の、測定対象の多結晶シリコンの炭素(残留)量は、公知の方法で測定できる。例えば、測定対象の多結晶シリコンを加熱し、発生したガスをガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC−MS分析装置)で測定する方法、該発生したガスを酸化して二酸化炭素とし、その二酸化炭素を赤外線分析装置で測定する方法、測定対象の多結晶シリコンの表面を、二次イオン質量分析装置、または赤外分光分析装置(炭素に由来する官能基を測定)で測定する方法、等が挙げられる。
(精製工程後の多結晶シリコン)
精製工程の後は、得られた多結晶シリコンを水洗してやればよい。この水も、特に制限されるものではないが、超純水を使用することが好ましい。超純水で洗浄した後の多結晶シリコンは、送風乾燥(通気乾燥)により、乾燥させることが好ましい。乾燥後の多結晶シリコンは、汚染を防ぐため、オレフィン系樹脂からなる袋等に保存することが好ましい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。先ず、洗浄の対象となる多結晶シリコン、洗浄の評価方法について説明する。
(洗浄の対象となる多結晶シリコン(対象物))
シーメンス法により製造した多結晶シリコン(棒状)のものを粉砕し、長さ0.5〜10cm、幅0.5〜10cmの塊状の多結晶シリコン(実施例・比較例ではポリシリコンナゲットと記す)を準備した。この対象物を実施例1〜4、比較例1、2で使用した。
(金属不純物量の評価)
測定対象の多結晶シリコンを、ICP質量分析装置を用い、表面の金属不純物量を求めた。
(炭素(残留)量)
炭素(残留)量は、GC−MS測定装置により求めた。
(エッチング量)
エッチング前後の多結晶シリコンの質量、およびその形状から表面積を近似し、平均値を求めた。
実施例1
ポリシリコンナゲットを、30kg バスケットに入れ、下記表1に示す薬液(エッチング液、過酸化水素水)濃度、時間で(1)エッチング工程、(2)水洗工程、(3)精製工程、(4)水洗工程、(5)乾燥を実施した。なお、(1)〜(3)の各工程浸漬中、1分あたり、10回バスケットの上下運動を行った。(1)のエッチング工程は20〜25℃の範囲で行い、(2)(4)の水洗工程、及び(3)の精製工程は室温で実施した。得られた精製物(多結晶シリコン)について、金属不純物量(鉄(Fe))、炭素(残留)量を測定した。結果を表6にまとめた。
Figure 2015199619
実施例2
薬液(エッチング液、過酸化水素水)濃度、各工程の時間を表2に示す通りとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表6にまとめた。
Figure 2015199619
実施例3
薬液(エッチング液、過酸化水素水)濃度、各工程の時間を表3に示す通りとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表6にまとめた。
Figure 2015199619
比較例1
実施例1において、(3)精製工程、(4)水洗工程を行わなかった以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表4にまとめた。
Figure 2015199619
比較例2
実施例1において、(1)エッチング工程、(2)水洗工程を行わず、(3)精製工程を行った後、(4)水洗工程、(5)乾燥を表5に示す条件で行った以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表6にまとめた。
Figure 2015199619
Figure 2015199619

Claims (5)

  1. 多結晶シリコンを、界面化性剤、フッ化水素、硝酸、及び水を含む第一混合溶液と接触させる工程、並びに
    前記工程を経た多結晶シリコンを、過酸化水素水と接触させる工程
    を含むことを特徴とする多結晶シリコンの洗浄方法。
  2. 前記第一混合溶液が、水100質量部に対して、界面活性剤を0.01〜1質量部、フッ化水素を1〜15質量部、硝酸を75〜250質量部含むことを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコンの洗浄方法。
  3. 前記第一混合溶液が、フッ化水素に対する硝酸の質量比(硝酸の質量/フッ化水素の質量)が10〜50であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多結晶シリコンの洗浄方法。
  4. 前記過酸化水素水が、過酸化水素の濃度が5〜30質量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の多結晶シリコンの製造方法。
  5. 前記界面活性剤が、ラウリル硫酸塩であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の多結晶シリコンの製造方法。
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