JP2015198163A - 近傍界用電波吸収シート - Google Patents

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Abstract

【課題】20GHz以上の帯域でも良好な電波吸収性能を有する近傍界用電波吸収シートを提供する。
【解決手段】本発明は、偏平状の軟磁性粒子が有機バインダーに分散された近傍界用電波吸収シートであって、該電波吸収シートの断面を観察した画像において、該電波吸収シートの面内方向を水平軸として、前記軟磁性粒子の長手方向と前記水平軸とのなす角度が10°以下となる軟磁性粒子の割合が30%以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器や通信機器における余分な放射電波を抑制するために使用される近傍界用電波吸収シートに関する。
近年、電子機器や通信機器の小型化・軽量化に伴い、電子回路に装着される部品の実装密度も高くなっている。そのため、電子部品から放射される電波に起因して、電子部品同士間あるいは電子回路同士間において電波干渉が生じることによる、電子機器などの誤動作が問題となる。
この問題を防ぐため、余分な放射電波を熱に変換する近傍界用の電波吸収シートが電子機器などに実装されている。この電波吸収シートは厚さが0.1〜2mmであることから、電子部品や電子回路近傍に挿入することが可能であり、加工が容易で形状自由度も高い。そのため、電波吸収シートは電子機器などの小型化・軽量化に適応することができ、電子機器などのノイズ対策部品として広く用いられている。
典型的な電波吸収シートは、特許文献1,2に記載されるように、偏平状に加工された軟磁性粒子と有機バインダーとからなり、軟磁性粒子の磁気損失によって電波を熱に変換する仕組みである。よって、電波吸収シートの電波吸収性能は、軟磁性粒子の透磁率に大きく依存し、透磁率が高いほど電波吸収性能も高いとされている。透磁率は、実部透磁率μ’と虚数部透磁率μ”を用いて複素透磁率μ=μ’−j・μ”で表されるが、電波吸収シートのような磁気損失を利用する場合には虚数部透磁率μ”が重要になる。すなわち、吸収したい電波ノイズの周波数帯域にわたって、虚数部透磁率μ”が分布することが重要である。以下、本明細書では、周波数に対する虚数部透磁率μ”の分布を「μ”分散」と呼ぶ。
軟磁性粒子は粉末の状態で偏平状に加工され、その後有機バインダーに分散され、電波吸収シートの状態では、軟磁性粒子同士が水平に配列した構造となっている。この理由は、軟磁性粒子を偏平状にすることで面内方向に磁気的な異方性を持たせ、それらを水平配向させることで電波吸収シートとして高い透磁率を発現させることにある。また、高周波の電波ノイズを除去するには、磁気共鳴を高周波化しなければならない。一方で、抵抗の低い軟磁性粒子は、表皮効果によって電波の周波数が高くなるほど進入深さが浅くなる。このため、軟磁性粒子を小さく、または薄くしなければならない。したがって、軟磁性粒子を偏平状にする理由は、大きな磁気損失によるμ”分散が生じる周波数を制御するところにあると考えられている。一般的に、軟磁性粒子の偏平度は、粒子の直径を粒子の厚さで除したアスペクト比で評価される。高い電波吸収性能を得るには、アスペクト比が10以上の軟磁性粒子を水平配向させることが有効であるとされている。特許文献1,2もこのような設計思想に立脚している。
特開平10−106814号公報 特開2007−173859号公報
近年、電子機器の高性能化は急速に進んでおり、使用する周波数はますます高くなる傾向にある。例えば、パソコンでは更なる高速化が求められ、CPUの駆動周波数はGHz帯に達しようとしている。また、無線LANなどの通信機器では扱うデジタルコンテンツの容量は増大しており、通信周波数もGHz帯が中心になってきている。加えて、デジタルTV放送や道路交通情報システムなどの衛星通信も急速に拡大し、ユビキタスネットワーク時代が実現されつつある。このような情報通信機器の多機能化や融合が進む一方で、電子機器や通信機器から放射される余分な電波の周波数も高くなり、その放射電波による機能干渉や誤動作も従来に増して心配される。そのため、GHz帯域の電波、特に20GHz以上の帯域の電波を有効に吸収できる電波吸収シートの開発が望まれている。
しかしながら、現状ではそのような電波吸収シートは得られていない。特許文献1および2に記載の技術においても、高周波での電波吸収を指向しているものの、考慮しているのは1〜3GHz程度、最大でも10GHzまでであり、20GHz以上での電波吸収性能については全く考慮されていない。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、20GHz以上の帯域でも良好な電波吸収性能を有する近傍界用電波吸収シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するべく、本発明者は鋭意検討し以下の知見を得た。既述のとおり、これまでは、軟磁性粒子のアスペクト比を極力大きくし、その結果粒子同士を水平に配列することが、高周波での電波吸収性能において重要であると、当然のように考えられてきた。つまり、従来の電波吸収シートでは、軟磁性粒子のほぼ全てが、電波吸収シートの面内方向に平行に延在していた。しかしながら、20GHz以上という更なる高周波帯域での電波吸収性能をも十分に得るためには、むしろ軟磁性粒子の水平配向性を乱したほうがよいという意外な結果を本発明者は得た。このように本発明は、軟磁性粒子の水平配向性を乱そうという、これまでにない着想に基づき完成されたものである。
すなわち本発明は、偏平状の軟磁性粒子が有機バインダーに分散された近傍界用電波吸収シートであって、該電波吸収シートの断面を観察した画像において、該電波吸収シートの面内方向を水平軸として、前記軟磁性粒子の長手方向と前記水平軸とのなす角度が10°以下となる軟磁性粒子の割合が30%以下であることを特徴とする。
前記画像において、前記軟磁性粒子の長手方向と前記水平軸とのなす角度が10°超え50°以下となる軟磁性粒子の割合は、20%以上であることが好ましい。また、前記画像において、前記軟磁性粒子の長手方向と前記水平軸とのなす角度が50°超え90°以下となる軟磁性粒子の割合は、10%以上であることが好ましい。
前記画像において、アスペクト比が5以下の軟磁性粒子の割合が10%以上であることが好ましい。
前記軟磁性粒子は1種類の材質からなるものでもよいし、2種類以上の材質からなるものでもよい。
本発明の近傍界用電波吸収シートは、20GHz以上の帯域でも良好な電波吸収性能を有する。
実施例2の電波吸収シートの断面SEM画像である。 比較例1の電波吸収シートの断面SEM画像である。 実施例1,2および比較例1,2における電波吸収シートの伝送損失(Ploss/Pin)を示すグラフである。 実施例3の電波吸収シートの断面SEM画像である。 実施例3および比較例3における電波吸収シートの伝送損失(Ploss/Pin)を示すグラフである。
以下、本発明の近傍界用電波吸収シートの実施形態について説明する。
本発明の一実施形態による近傍界用電波吸収シート(以下、単に「電波吸収シート」という。)は、偏平状の軟磁性粒子が有機バインダーに分散されたシート状の形状を有する。軟磁性粒子の種類は特に限定されないが、軟磁気特性を示す合金粒子であることが好ましく、Fe,FeSi,FeSiAl,FeNiなどの一般的な結晶合金磁性材料のみならず、アモルファス、ナノ結晶合金も使用できる。また、Fe系のみならず、磁性を示すCo,Ni基合金であってもよい。合金材料のみならず、フェライトやマグネタイトなどの酸化物でも形状制御ができれば構わないが、製造容易性を考えると合金磁性材料の方が好ましい。
本実施形態の電波吸収シートは、軟磁性粒子の水平配向性が乱れている点が特徴である。具体的には、電波吸収シートの任意の断面を観察した画像において、該電波吸収シートの面内方向を水平軸として、画像中の各軟磁性粒子について、その長手方向と水平軸とのなす角度(以下、「傾斜角」という。)を測定する。そして、前記画像中で、この傾斜角が10°以下となる軟磁性粒子の割合(粒子の個数の割合)が30%以下であることが肝要である。
従来の電波吸収シートは軟磁性粒子の水平配向性が高く、軟磁性粒子のほぼ全て(具体的には粒子の個数で90%以上)で、傾斜角は10°以下であった。このような電波吸収シートでは、20GHz以上において伝送損失(Ploss/Pin)が落ちるという問題があった。このような例を後述の図2に示す。
しかし例えば後述の図1に示すように、傾斜角が10°以下となる軟磁性粒子の割合が30%以下となる場合、20GHz以上において高い伝送損失(Ploss/Pin)を得ることができ、しかも、20GHz未満の領域でも伝送損失を損なうことがなかった。
なお、本発明において電波吸収シートの断面は、走査型電子顕微鏡(SEM)により倍率1000倍で観察するものとする。後述のような軟磁性粒子の寸法であれば、倍率1000倍のSEM画像中には、通常50〜400個程度の軟磁性粒子が観察される。軟磁性粒子は、マクロ的には電波吸収シート(有機バインダー層)中に均一に分散しているため、SEM画像中にこれだけの数の粒子が観察されれば、どの断面を観察しても、統計的には傾斜角の分布は同等となる。また、電波吸収シートの厚み方向の観察位置についても特に限定されないが、厚みの中心部を観察すればよい。本明細書において、「軟磁性粒子の長手方向」とは、SEM画像における各軟磁性粒子の最大径の延在方向とする。
傾斜角が10°以下となる軟磁性粒子の割合の下限は特に規定されないが、傾斜角の分布が均一に近づいても、少なくとも10%以上、通常は15%以上にはなる。
傾斜角が10°超えとなる軟磁性粒子の傾斜角の分布も特に限定されないが、以下のような条件を満たすことが、20GHz以上において高い伝送損失を得る観点から好適である。
まず、SEM画像において、傾斜角が10°超え50°以下となる軟磁性粒子の割合は20%以上とすることが好ましく、30%以上がより好ましく、45%以上がさらに好ましい。また、当該軟磁性粒子の割合は、70%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。より詳細には、傾斜角が10°超え30°以下となる軟磁性粒子の割合は15%〜60%、傾斜角が30°超え50°以下となる軟磁性粒子の割合は10%〜30%とすることが好ましい。
また、SEM画像において、傾斜角が50°超え90°以下となる軟磁性粒子の割合は10%以上とすることが好ましく、15%以上がより好ましい。また、当該軟磁性粒子の割合は、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。より詳細には、傾斜角が50°超え70°以下となる軟磁性粒子の割合は5%〜30%、傾斜角が70°超え90°以下となる軟磁性粒子の割合は5%〜30%とすることが好ましい。
このように本実施形態の特徴は軟磁性粒子の傾斜角分布にあるため、軟磁性粒子の材質は特に限定されず、既述の材質の範囲内で、1種類の材質からなるものでもよいし、2種類以上の材質からなるものでもよい。
以下、本実施形態の電波吸収シートの製造方法の一例を示す。
本実施形態の電波吸収シートの製造方法として、まずは、偏平状の軟磁性粉末と、有機バインダーと、有機溶媒とを混合してスラリーを作製する。
偏平状の粉末は、球形に近い原料粉末を機械的に加工することによって作製することができる。原料粉末は球形であることが好ましく、一般的な粉末合成方法であるガスアトマイズまたは水アトマイズによって得ることができる。原料粉末の平均粒径は10〜70μmとすることが好ましい。
ここで、本実施形態の傾斜角分布を有する電波吸収シートは、偏平状の粉末のアスペクト比の分布を制御することによって得ることができる。偏平状の軟磁性粒子の水平配向性は、主にこの粉末のアスペクト比に依存し、粉末中でアスペクト比が大きい粒子の割合が多くなるほど、水平配向性の高い電波吸収シートとなる。そのため、本実施形態においては、粉末中でアスペクト比が5以下の粒子の割合を、積極的に10%以上、好ましくは15%以上占めるようにすることで、本実施形態の傾斜角分布を有する電波吸収シートを得ることができる。この場合、電波吸収シートの作製後の前記SEM画像においても、アスペクト比が5以下の軟磁性粒子の割合が10%以上となる。なお、使用する粉末は1種類の材質のみを使用することに加え、少なくとも2種類以上の偏平状粉末をいかなる配合比で混合させたものも使用することができる。偏平加工についてはボールミル、アトライタ、スタンプミルなどの機械加工にて行うことができる。このとき、加工時間、メディア材質、メディア粒径、処理量などの因子を制御して、目的とするアスペクト比の偏平状粉末を作製する。
なお、本明細書において「平均粒径」は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(50%累積粒径:D50)を意味する。また、「アスペクト比」は、前記SEM画像における、偏平状の軟磁性粒子の最大径(長さ)を、最小径(厚さ)で割った値であり、「平均アスペクト比」は、前記SEM画像中の各軟磁性粒子のアスペクト比の平均を意味する。本実施形態では、前記SEM画像における軟磁性粒子の最大径(長さ)は2〜60μm程度、最小径(厚さ)は0.3〜5μm程度となる。
偏平加工によって粉末には残留応力が生じるため、それによる透磁率の低下を防ぐために、偏平加工後に、偏平状粉末に対して不活性雰囲気中で焼鈍処理を行うことが好ましい。焼鈍条件は、合金磁性粉末の種類と偏平加工度に依存するため一概には言えないが、粉末の焼結が進まない程度の温度域(500〜900℃)にて1〜10時間とするのが一般的である。
また、偏平加工した粉末表面に絶縁処理を目的としてとして自己酸化被膜または外部処理被膜を形成させることが好ましい。絶縁性を保つことができるのであれば被膜形成の手段や材質に制限はない。なお、酸化被膜は20〜100nmの厚さが適当であり、自己酸化によって必要以上に酸化被膜を形成させた場合には基材となる磁性相の体積が減少するため、充分なμ”値を得ることができない。自己酸化による被膜形成方法としては大気中での加熱処理あるいは炭化水素系有機溶媒中での加熱処理が代表的な方法である。また、外部処理による被膜形成方法としてはディップコートやCVDなどの気相法が挙げられる。
有機バインダーには、結合剤、可塑性の付与および軟磁性粒子同士の絶縁隔離といった機能がある。有機バインダーとしては樹脂系とゴム系に大別され、樹脂系としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、セルロース樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリブチラール樹脂などが、ゴム系としてはシリコンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴムなどが挙げられる。これら有機バインダー材料の選定については目的に応じて適宜選定すればよい。軟磁性粉末と有機バインダーとの配合比は、軟磁性粉末を100質量部とした場合に有機バインダーを8〜30質量部とすることが好ましい。有機バインダーが8質量部以上であれば、電波吸収シートの可塑性が失われることがない。
有機溶媒としては特に限定されず、トルエン、酢酸ブチル、酢酸エチルなどを用いることができる。有機溶媒は後続の工程で蒸発し、電波吸収シートには含まれない。
次に、スラリーをドクターブレード法によりシート状に成形・乾燥して、成形体を作製する。このときの剪段応力によって、アスペクト比の大きい軟磁性粒子は、傾斜角が小さくなる傾向にあるが、本実施形態では、アスペクト比の小さい軟磁性粒子を積極的に含んでいるため、既述のような傾斜角分布を得ることができる。
シート状の成形体は、有機バインダーの軟化点以上(例えば50〜100℃程度)に加熱した状態でプレスを施すことが好ましい。得られる電波吸収シートの厚さは0.05〜2mm程度とすることができる。
(実験例1)
平均粒径65μmであるFe85Si9.5Al5.5(質量%)の粉末をガスアトマイズにより作製した。この粉末を、アトライタにて様々なアスペクト比になるよう偏平加工した後、アルゴン雰囲気下で650℃、3時間の焼鈍を行なった。次に、大気中にて60℃、10時間の酸化処理を施した。その偏平状粉末70体積部、塩素化ポリエチレン30体積部をトルエンに溶かしたスラリーを調製した。このスラリーを、ドクターブレード法にて成型することで厚さ0.1mmの電波吸収シートを作製した。
各電波吸収シートについて、イオンミリングによって研磨した断面を走査型電子顕微鏡にて観察し、得られた画像中の軟磁性粒子の傾斜角分布と、その分布における平均アスペクト比と、アスペクト比が5以下の軟磁性粒子の割合とを求めた。その結果を表1,2に示す。また、実施例2のSEM画像を図1に、比較例1のSEM画像を図2に、代表して示す。
特性インピーダンス50Ωのマイクロストリップライン上に100×50mmの矩形状に切断した各電波吸収シートを配置し、ネットワークアナライザによってマイクロストリップラインの反射および透過特性を測定し、ノイズ抑制効果の指標となる伝送損失(Ploss/Pin)を求めた。図3に結果を示す。傾斜角が10°以下の軟磁性粒子の割合が30%よりも多い比較例1,2においては、20GHzを超えると伝送損失が大きく低下した。それに対し、傾斜角が10°以下の軟磁性粒子の割合が30%以下の実施例1,2においては、40GHzまで高い伝送損失が維持されていた。
(実験例2)
平均粒径65μmであるFe85Si9.5Al5.5(質量%)の粉末と、平均粒径70μmであるFe94Si(質量%)の粉末をガスアトマイズにより作製した。これらの粉末を、アトライタにて偏平加工した。この際、加工後のアスペクト比の狙い値としては、Fe85Si9.5Al5.5は10、Fe94Siは5とした。加工した粉末をアルゴン雰囲気下で650℃、3時間の焼鈍を行なった。次に、大気中にて60℃、10時間の酸化処理を施した。この2種類の粉末の混合比を、比較例3ではFe85Si9.5Al5.5を95体積%、Fe94Siを5体積%とし、実施例3ではFe85Si9.5Al5.5を60体積%、Fe94Siは40体積%とした。混合粉末70体積部、塩素化ポリエチレン30体積部をトルエンに溶かしたスラリーを調製した。このスラリーを、ドクターブレード法にて成型することで厚さ0.1mmの電波吸収シートを作製した。
各電波吸収シートについて、実験例1と同じ評価を行った結果を、表3,4および図4,5に示す。
図5を参照して、傾斜角が10°以下の軟磁性粒子の割合が30%よりも多い比較例3においては、20GHzを超えると伝送損失が大きく低下した。それに対し、傾斜角が10°以下の軟磁性粒子の割合が30%以下の実施例3においては、40GHzまで高い伝送損失が維持されていた。
本発明によれば、20GHz以上の帯域でも良好な電波吸収性能を有する近傍界用電波吸収シートを提供することができる。

Claims (6)

  1. 偏平状の軟磁性粒子が有機バインダーに分散された近傍界用電波吸収シートであって、
    該電波吸収シートの断面を観察した画像において、該電波吸収シートの面内方向を水平軸として、前記軟磁性粒子の長手方向と前記水平軸とのなす角度が10°以下となる軟磁性粒子の割合が30%以下であることを特徴とする近傍界用電波吸収シート。
  2. 前記画像において、前記軟磁性粒子の長手方向と前記水平軸とのなす角度が10°超え50°以下となる軟磁性粒子の割合が20%以上である請求項1に記載の近傍界用電波吸収シート。
  3. 前記画像において、前記軟磁性粒子の長手方向と前記水平軸とのなす角度が50°超え90°以下となる軟磁性粒子の割合が10%以上である請求項1または2に記載の近傍界用電波吸収シート。
  4. 前記画像において、アスペクト比が5以下の軟磁性粒子の割合が10%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の近傍界用電波吸収シート。
  5. 前記軟磁性粒子が1種類の材質からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の近傍界用電波吸収シート。
  6. 前記軟磁性粒子が2種類以上の材質からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の近傍界用電波吸収シート。
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